説明

金型及び発泡成形体の製造方法

【課題】排気孔への離型剤等の異物の侵入を防止することができ、且つ仮に排気孔に異物が侵入しても容易に除去することが可能な金型と、この金型を用いた発泡成形体の製造方法とを提供する。
【解決手段】金型30は、発泡合成樹脂よりなる発泡成形体を製造するためのものである。金型30のキャビティ33の内面に、該キャビティ33内のガスを該キャビティ33の外部に排出するための排気孔34が設けられている。排気孔34に、キャビティ33からのガス排出方向と反対方向に流体を供給する流体供給手段35が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートパッド等の発泡成形体を成形するための金型に係り、特に、発泡成形時にキャビティ内のガスを該キャビティの外部に排出するための排気孔が設けられた金型に関する。また、本発明は、この金型を用いた発泡成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用シートを構成するシートパッドや、車両のドアの内装品等に、ポリウレタンフォーム等の発泡合成樹脂よりなる発泡成形体が用いられている。かかる発泡成形体の製造工程では、成形用金型のキャビティ内面に離型剤を塗布した後、該キャビティ内に、軟質ポリウレタンフォームを形成する発泡樹脂原料を所定量供給する。そして、金型を型締めし、発泡樹脂原料を発泡硬化させる。発泡樹脂原料は、膨張しながらキャビティ内に充満し、該キャビティに対応した形状に成形される。かかる過程において、キャビティ内に存在するエアや、発泡反応により発生した二酸化炭素等のガスがキャビティ外に十分に排出されない場合、成形体に欠肉やボイド等の不具合が発生することがある。
【0003】
そこで、金型に排気孔を設けてキャビティ内のガスを排出することが行われている。しかし、単に排気孔を設けただけでは、キャビティ内に充満した発泡樹脂原料が排気孔からキャビティ外に流出する場合があり、原料ロスが生じると共に、排気孔の清掃作業が必要になるという問題があった。
【0004】
特許文献1(特開2006−192831号公報)には、排気孔を覆いうるように非通気性シートが取り付けられた通気性板状スラブ又は不織布を金型のキャビティ内に配設することが記載されている。この金型を用いた発泡成形工程においては、キャビティ内に発泡樹脂が充満するまでは、該キャビティ内のガスは、通気性板状スラブ又は不織布を透過し、非通気性シートとキャビティ内面との間を通って排気孔から金型外に流出する。キャビティ内に発泡樹脂が充満してくると、発泡樹脂原料の発泡圧により通気性板状スラブ又は不織布がキャビティ内面に押し付けられ、非通気性シートによって排気孔が閉塞されるようになる。これにより、発泡樹脂が排気孔に入り込むことが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−192831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の通り、発泡成形工程に先立ち、金型の内面に離型剤が塗布される。上記特許文献1においても、金型内に前記通気性板状スラブ又は不織布を配設する前に、該金型の内面に離型剤を塗布する必要がある。そのため、この離型剤が金型の排気孔に入り込むおそれがある。
【0007】
本発明は、排気孔への離型剤等の異物の侵入を防止することができ、且つ仮に排気孔に異物が侵入しても容易に除去することが可能な金型と、この金型を用いた発泡成形体の製造方法とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明(請求項1)の金型は、発泡合成樹脂よりなる発泡成形体を製造するための金型であって、該金型のキャビティ内面に、該キャビティ内のガスを該キャビティの外部に排出するための排気孔が設けられた金型において、該排気孔に、該キャビティからのガス排出方向と反対方向に流体を供給する流体供給手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の金型は、請求項1において、前記金型は、前記排気孔のキャビティ外部側に一端側が連なる第1流路と、該第1流路の他端側に流路切替手段を介してそれぞれ一端側が連なる第2流路及び第3流路とを備えており、該第2流路は、他端側が該キャビティの外部に連通しており、該第3流路の他端側に前記流体供給手段が接続されており、該流路切替手段は、該第1流路と第2流路とを連通した排気状態と、該第1流路と第3流路とを連通した流体供給状態とに切替可能となっており、該金型は、該流路切替手段が該排気状態にあるときには、該排気孔が該第1流路、該流路切替手段及び該第2流路を介して該キャビティの外部に連通しており、該流路切替手段が該流体供給状態に切り替わると、該流体供給手段から該第3流路、該流路切替手段及び該第1流路を介して該排気孔に前記流体が供給されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3の金型は、請求項2において、前記第1流路の少なくとも一部は、可撓性チューブにより構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明(請求項4)の発泡成形体の製造方法は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の金型を用いて発泡成形体を製造する方法であって、少なくとも、該金型のキャビティ内面に離型剤を塗付する離型剤塗付工程と、該離型剤塗付工程の後、該キャビティ内で発泡合成樹脂原料を発泡させる発泡成形工程とを行うものであり、該離型剤塗付工程においては、前記流体供給手段から前記排気孔に該キャビティからのガス排出方向と反対方向に流体を供給し、該発泡成形工程においては、該排気孔から該キャビティ内のガスを該キャビティの外部に排出させることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5の発泡成形体の製造方法は、請求項4において、前記金型は、請求項2に記載のものであり、前記離型剤塗付工程においては、前記流路切替手段を前記流体供給状態とし、前記流体供給手段から前記第3流路、該流路切替手段及び前記第1流路を介して前記排気孔に流体を供給し、前記発泡成形工程においては、該流路切替手段を前記排気状態とし、該第1流路、該流路切替手段及び前記第2流路を介して該排気孔を前記キャビティの外部に連通させることを特徴とするものである。
【0013】
請求項6の発泡成形体の製造方法は、請求項4又は5において、前記流体はエアであることを特徴とするものである。
【0014】
請求項7の発泡成形体の製造方法は、請求項4ないし6のいずれか1項において、前記発泡成形体はシートパッドであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明(請求項1)の金型にあっては、キャビティ内で発泡合成樹脂原料を発泡させたときには、排気孔から該キャビティ内のガスを排出することができるので、発泡成形体に欠肉等の成形不良が生じることを防止することが可能である。本発明の金型にあっては、この排気孔に、キャビティからのガス排出方向と反対方向に流体を供給する流体供給手段が設けられている。そのため、発泡成形工程以外の離型剤塗付工程等において、必要に応じ、流体供給手段から排気孔に流体を供給することにより、該排気孔への離型剤等の異物の侵入を効果的に防止することが可能であると共に、仮に排気孔に離型剤等の異物が侵入しても、この流体によって異物を排気孔から押し出すことが可能である。その結果、金型のメンテナンス作業が容易化され、且つ効率よく発泡成形体を製造することが可能となる。
【0016】
請求項2の態様では、排気孔からのガスの排出と、流体供給手段から排気孔への流体の供給とを、共通の第1流路を介して行うように構成されている。これにより、金型の構成を簡易なものとすることができる。また、仮に離型剤や発泡合成樹脂等の異物が排気孔から第1流路内まで侵入したとしても、流体供給手段から排気孔への流体供給時に、該第1流路を通る流体により、この異物を該第1流路及び排気孔から押し出すことができるので、メンテナンス作業が容易化される。
【0017】
請求項3の通り、この第1流路の少なくとも一部を可撓性チューブにより構成することにより、第1流路を排気孔に接続したまま、金型の開閉を行うことができる。これにより、発泡成形体の製造工程を連続して行う際の作業性が向上する。
【0018】
本発明(請求項4)の発泡成形の製造方法にあっては、離型剤塗付工程においては、流体供給手段から排気孔に、キャビティからのガス排出方向と反対方向に流体を供給するため、排気孔に流体が侵入することをより確実に防止することができると共に、仮に離型剤が排気孔に侵入しても、この流体により離型剤を排気孔から押し出すことができる。また、発泡成形体製造工程を連続して行う中で離型剤以外の異物(例えば発泡合成樹脂原料等)が排気孔に侵入しても、この流体供給手段から排気孔への流体の供給により、排気孔から異物を除去することができる。これにより、連続する発泡成形体製造工程の間に排気孔の清掃作業が不要となるか、又は排気孔の清掃作業の頻度を少なくすることが可能となるため、金型のメンテナンス作業が容易化され、且つ効率よく発泡成形体を製造することが可能となる。また、発泡成形工程においては、排気孔からキャビティ内のガスを該キャビティの外部に排出させるため、発泡成形体に欠肉等の成形不良が生じることを防止することができる。
【0019】
請求項5の発泡成形の製造方法にあっては、請求項2の態様の金型を用いているので、簡易な構成の金型により、効率よく発泡成形体を製造することができる。
【0020】
請求項6の通り、流体供給手段から排気孔に供給される流体としては、エアが簡便であり好ましい。
【0021】
請求項7の通り、本発明は、シートパッドの製造方法に適用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施の形態に係る金型の断面図である。
【図2】第2の実施の形態に係る金型の断面図である。
【図3】図2の金型の型締め状態を示す断面図である。
【図4】図2の金型の発泡成形途中時を示す断面図である。
【図5】図2の金型を用いて製造された発泡成形体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、以下の第2の実施の形態は、シートパッドを製造するための金型、及び、この金型を用いたシートパッドの製造方法への本発明の適用例を示しているが、本発明は、シートパッド以外の発泡成形体を製造するための金型、及び、この金型を用いた発泡成形体の製造方法にも適用可能である。
【0024】
[第1の実施の形態]
第1図(a),(b)は、第1の実施の形態に係る金型及びこれを用いた発泡成形体の製造方法を示す模式的な縦断面図である。第1図(a)は離型剤塗布工程を示し、第1図(b)は発泡成形工程を示している。
【0025】
この実施の形態では、金型30は、上型31及び下型32と、該上型31及び下型32によって囲まれたキャビティ33内のガスを該キャビティ33の外部に排出するための排気孔34と、該排気孔34に、キャビティ33からのガス排出方向と反対方向に流体を供給する流体供給手段35等を備えている。この実施の形態では、排気孔34は、上型31を上下に貫通するように形成されている。なお、金型30は、さらに中子型等を備えていてもよい。この実施の形態では、排気孔34は、上型31のキャビティ内面の中央に1個設けられているが、排気孔34の個数及び配置はこれに限定されない。
【0026】
この実施の形態では、金型30は、さらに、排気孔34のキャビティ外部側(この実施の形態では上型31の上面側)に一端側が連なる第1流路41と、該第1流路41の他端側に流路切替手段44を介してそれぞれ一端側が連なる第2流路42及び第3流路43とを備えている。第2流路42の他端側は、キャビティ33の外部に連通している。第3流路43の他端側には、前記流体供給手段35が接続されている。流路切替手段44は、第1流路41と第2流路42とを連通した排気状態(第1図(b)の状態)と、第1流路41と第3流路43とを連通した流体供給状態(第1図(a)の状態)とに切替可能となっている。流体供給手段35は、流路切替手段44がこの流体供給状態に切り替わると、第3流路43への流体の供給(送出)を開始し、流路切替手段44が排気状態に切り替わると、この流体の供給を停止する。
【0027】
即ち、この実施の形態では、金型30は、流路切替手段44が排気状態にあるときには、排気孔34が第1流路41、該流路切替手段44及び第2流路42を介してキャビティ33の外部に連通しており、流路切替手段44が流体供給状態に切り替わると、流体供給手段35から第3流路43、該流路切替手段44及び第1流路41を介して排気孔34に流体が供給されるように構成されている。この流体供給手段35から排気孔34への流体供給量は、毎秒0.01〜20L(リットル)特に毎秒0.05〜2.0Lであることが好ましい。
【0028】
この流路切替手段44による流路の切替、並びに、流体供給手段35による流体の供給及び供給停止は、制御装置(図示略)により制御されている。
【0029】
この実施の形態では、金型30は、さらに、発泡成形体の成形完了後に、エア等の流体の圧力により該発泡成形体をキャビティ33の内面から押し上げて脱型を容易化する成形体押上装置(図示略)が設けられている。この成形体押上装置としては、例えば特開2009−172770号公報、特開2008−120006号公報、特開2005−074957号公報等に記載のものを用いることができる。
【0030】
流体供給手段35としては、ポンプ、コンプレッサー、送風機、油圧機器等により流体を第3流路43に送出するものや、流体を圧力タンク内に貯蔵しておき、このタンクから流体を第3流路43に噴出させるものなど、種々の構成のものを用いることができる。この実施の形態のように、金型30が、流体の圧力を利用した成形体押上装置を備えている場合には、この成形体押上装置と流体供給手段35とに共通の流体供給源から流体が供給されるように構成されてもよい。
【0031】
流体供給手段35から供給される流体としては、エア(空気)が簡便であり好ましい。流体供給手段35から供給される流体としてエアを用いた場合、流体供給手段35からの供給停止後に各流路41〜43及び流路切替手段44内に残留しても、これらに悪影響を及ぼすおそれが少ない。なお、流体供給手段35から供給される流体はこれに限定されない。エア以外の流体としては、例えば水や洗浄液、油等の液体を用いることができる。
【0032】
第1〜第3流路41〜43は、金属管や樹脂管などの一般的な配管により構成することができる。この第1〜第3流路41〜43を構成する配管としては、簡便さ、及び、金型30を熱風で加熱する際に、この配管に100℃程度の熱風が接触することから、特に耐熱性ウレタンチューブが好適である。なお、第1〜第3流路41〜43を構成する配管はこれに限定されない。この第1〜第3流路41〜43に用いられる配管の材質は、流体供給手段35から供給される流体に対する耐性や耐熱性等を考慮して選定される。
【0033】
この実施の形態では、第1流路41は、少なくとも一部が可撓性チューブ(例えば上記の耐熱性ウレタンチューブ)により構成されている。このように構成することにより、第1流路41を排気孔34に接続したまま、上型31の開閉を行うことができるので、発泡成形体の製造工程を連続して行う際の作業性が向上する。なお、必要に応じ、第2流路42及び第3流路43も、少なくとも一部が可撓性チューブにより構成されてもよい。
【0034】
流路切替手段44としては、例えば三方弁が簡便であり好ましいが、これに限定されない。三方弁以外の流路切替手段としては、例えば急速排気弁、逆止弁、遮断弁、クイックエキゾーストバルブ、タイマーバルブ等が好ましい。この実施の形態では、流路切替手段44は、電磁弁などの自動的に流路切替可能な機構を備えており、制御装置からの信号により所定のタイミングにて自動的に流路を切り替えるように構成されているが、作業者が手動により流路を切り替えるように構成されてもよい。
【0035】
この実施の形態では、第1図(b)の通り、発泡成形体の製造工程において、上型31を型締めする前に、該上型31のキャビティ内面に沿って不織布、スラブ、プレスフェルト又はウレタン圧縮チップ材などの通気素材50が装着される。この通気素材50は、排気孔34を覆うように配置される。
【0036】
この実施の形態では、発泡成形体製造工場の床にサーキット状のレール(図示略)が敷設されており、台車(図示略)がこのレールに沿って移動可能に設置されている。レール上には、その延在方向に間隔をあけて、又は該延在方向に連なって複数台の台車が設置されており、各台車上に、金型30と、この金型30に付随する流体供給手段35、成形体押上装置及びこれらの制御装置等が設置されている。なお、各台車の駆動方式及び制御方法は特定の駆動方式及び制御方法に限定されない。例えば、各台車をチェーンで連結し、外部動力源によりこのチェーンを引っ張って各台車を移動させるように構成してもよく、各台車に動力源を設け、それぞれ自走するように構成してもよい。
【0037】
工場内には、キャビティ33の内面に離型剤Rを塗布する離型剤塗布工程を行うための離型剤塗布ゾーンと、通気素材50をキャビティ33内にセットする通気素材組み付け工程を行うための通気素材組み付けゾーンと、キャビティ33内に発泡合成樹脂原料Uを供給し、型締めし、該発泡合成樹脂原料Uを加熱し発泡させる発泡成形工程を行うための発泡成形ゾーンと、発泡した合成樹脂原料Uを硬化させる硬化工程を行うための硬化ゾーンと、発泡合成樹脂原料Uが硬化した後、型開きし、脱型する脱型工程を行うための脱型ゾーンとが設けられている。前記レールは、該離型剤塗布ゾーン、通気素材組み付けゾーン、発泡成形ゾーン、硬化ゾーン及び脱型ゾーンをこの順に通り、その後、該離型剤塗布ゾーンに戻るように延在している。
【0038】
この工場内において金型30を用いて発泡成形体を製造する手順について次に説明する。
【0039】
金型30は、まず、第1図(a)のように型開きされた状態にて、離型剤塗布ゾーンに進入する。このとき、流路切替手段44が流体供給状態となっており、流体供給手段35から排気孔34に流体が供給されている。
【0040】
この実施の形態では、金型30が離型剤塗布ゾーンの前の脱型ゾーンに進入した時点で上型31が型開きされる。また、これと同時に、前記成形体押上装置が作動する。この実施の形態では、金型30の型開きと同時に又はこの型開きから金型30が離型剤塗布ゾーンに到達するまでの間に、流路切替手段44が流体供給状態となり、且つ流体供給手段35が排気孔34への流体の供給を開始するように構成されている。なお、流路切替手段44が流体供給状態となり、流体供給手段35が排気孔34への流体の供給を開始するのは、金型30が離型剤塗布ゾーンに進入してから(例えば金型30が離型剤塗布ゾーンに進入した時点又は離型剤Rの塗付の開始と同時など)であってもよい。離型剤Rの塗付が開始された後に、流路切替手段44が流体供給状態となり、流体供給手段35が排気孔34への流体の供給を開始するようにしてもよい。
【0041】
この離型剤塗布ゾーンにおいて、ノズルNから離型剤Rが吐出され、該上型31及び下型32のキャビティ内面にそれぞれ離型剤Rが塗布される。離型剤Rとしては、主成分である炭化水素系ワックスやシリコンオイル等が溶剤又は水に溶解しているものが好適に用いられるが、これに限定されない。この際、流体供給手段35から排気孔34に、キャビティ33からのガス排出方向と反対方向に流体が供給されている。即ち、排気孔34から上型31のキャビティ内面側へ向かって流体が流出しているので、離型剤Rが排気孔34に侵入することが防止される。また、仮に離型剤Rが排気孔34に侵入しても、この流体により離型剤Rが排気孔34から押し出される。
【0042】
離型剤Rの塗布が完了し、該離型剤Rが硬化した後、金型30が離型剤塗布ゾーンから通気素材組み付けゾーンに移動する。このとき、流体供給手段35から排気孔34への流体の供給が停止すると共に、流路切替手段44が排気状態へと切り替わる。
【0043】
この通気素材組み付けゾーンにおいて、上型31のキャビティ内面に通気素材50がセットされる。通気素材50は、クリップやピン等の留付具(図示略)により上型31のキャビティ内面に固定される。
【0044】
次に、金型30が通気素材組み付けゾーンから発泡成形ゾーンに移動する。この発泡成形ゾーンにおいて、キャビティ33内(下型32内)に発泡合成樹脂原料Uが供給され、上型31が下型32に型締めされ、該発泡合成樹脂原料Uが加熱・発泡される。
【0045】
このとき、流路切替手段44が排気状態となっており、排気孔34が第1流路41、該流路切替手段44及び第2流路42を介してキャビティ33の外部(金型30の外部)に連通している。そのため、キャビティ33内に存在するエアや、発泡合成樹脂原料Uの発泡反応により発生した二酸化炭素等のガスは、第1図(b)の通り、発泡した合成樹脂原料Uがキャビティ33内に充満してくるのに従い、通気素材50を透過し、排気孔34から第1流路41、流路切替手段44及び第2流路42を通って金型30の外部に流出する。これにより、発泡成形体に欠肉やボイド等の不具合が発生することが防止される。
【0046】
発泡した合成樹脂原料Uがキャビティ33内に充満することにより、発泡成形体が成形される。また、通気素材50が該発泡成形体と一体化される。この際、排気孔34は通気素材50によって覆われているため、キャビティ33内に充満した発泡合成樹脂がさらに排気孔34に侵入することが防止ないし抑制される。
【0047】
発泡成形工程終了後、金型30が硬化ゾーンに移動する。そして、この硬化ゾーンにおいて発泡合成樹脂が十分に硬化した後、金型30が脱型ゾーンに移動する。この脱型ゾーンにおいて、金型30が型開きされ、発泡成形体が脱型される。
【0048】
この実施の形態では、前述の通り、金型30の型開きと同時に、前記成形体押上装置が作動して発泡成形体を下型32内から押し上げるため、発泡成形体を容易に脱型することができる。
【0049】
脱型後、金型30は離型剤塗布ゾーンに戻り、次の発泡成形体製造工程に移行する。この間における流路切替手段44及び流体供給手段35の作動は、前述の通りである。
【0050】
以上の通り、この金型30、及び、この金型30を用いた発泡成形体の製造方法にあっては、離型剤塗布工程において、流体供給手段35から排気孔34に対しキャビティ33からのガス排出方向と反対方向に流体が供給されるため、離型剤Rが排気孔34に侵入することが防止されると共に、仮に離型剤Rが排気孔34に侵入しても、この流体により離型剤Rが排気孔34から押し出される。また、発泡成形体製造工程を連続して行う中で離型剤R以外の異物(例えば発泡合成樹脂原料U等)が排気孔34に侵入しても、この流体供給手段35から排気孔34への流体の供給により、排気孔34から異物を除去することができる。これにより、連続する発泡成形体製造工程の間に排気孔34の清掃作業が不要となるか、又は排気孔34の清掃作業の頻度を少なくすることが可能となるため、金型30のメンテナンス作業が容易化され、且つ効率よく発泡成形体を製造することが可能となる。
【0051】
この実施の形態では、排気孔34からの排気と、流体供給手段35から排気孔34への流体の供給とを、共通の第1流路41を介して行うように構成されている。これにより、金型30の構成を簡易なものとすることができる。また、仮に離型剤Rや発泡合成樹脂原料U等の異物が排気孔34から第1流路41内まで侵入したとしても、流体供給手段35から排気孔34への流体供給時に、該第1流路41を通る流体により、この異物を第1流路41及び排気孔34から押し出すことができるので、メンテナンス作業が容易化される。
【0052】
この実施の形態では、第1流路41の少なくとも一部が可撓性チューブにより構成されているので、第1流路41を排気孔34に接続したまま、上型31の開閉を行うことができる。これにより、発泡成形体の製造工程を連続して行う際の作業性が良好である。
【0053】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態として、シートパッドを製造するための金型、及び、この金型を用いたシートパッドの製造方法への本発明の適用例を示す。
【0054】
第2〜4図は、第2の実施の形態に係る金型の断面図である。第2図は離型剤塗付工程を示し、第3図は発泡成形工程において金型を型締めした状態を示し、第4図は発泡合成樹脂原料の発泡途中時を示している。第5図は、この金型を用いて製造された発泡成形体の断面図である。
【0055】
この実施の形態では、金型1は、車両用シートを構成するシートパッド20を製造するためのものである。なお、この実施の形態では、該シートパッド20は、車両用シートの背もたれ部を構成するシートパッドであるが、本発明は、車両用シートの腰掛部を構成するクッションパッドにも適用可能である。
【0056】
この金型1は、下型2と、上型4と、この上型4に取り付けられた中子型3とを有する。下型2と上型4とは、それらの周縁部において型合せされている。この金型1のキャビティは、中子型3の下方のキャビティメイン部5aと、このキャビティメイン部5aの一端側に連なるキャビティ側部5bと、このキャビティ側部5bに連なり、中子型3の上側に位置するキャビティエンド部5cとを有する。また、このキャビティは、キャビティメイン部5aの他端側に連なるキャビティ側部5dと、このキャビティ側部5dに連なり、中子型3の上側に位置するキャビティエンド部5eとを有する。
【0057】
なお、キャビティメイン部5aに臨む下型2のキャビティ内面には、シートパッド20に表皮吊込溝21を形成するための凸条2aが設けられている。
【0058】
中子型3には、シートパッド20にヘッドレスト挿入孔22を形成するための突起3aがキャビティ側部5bに突出するように設けられている。また、中子型3には、キャビティエンド部5c,5eの最奥側の縦面を構成する壁部3b,3cが設けられている。この壁部3b,3cの上端側が上型4と型合せされる。
【0059】
この壁部3b,3cにそれぞれ排気孔6が設けられている。壁部3b,3cの外面側に付設部材7が着脱可能に取り付けられている。この付設部材7は、排気孔6に連通した細孔状の通気孔を有した筒状であり、筒軸方向の一端側が壁部3b又は3cに連結されている。この付設部材7の通気孔の少なくとも一部が排気孔6よりも通路断面積が小さいものとなっている。
【0060】
付設部材7の他端側にはゴム、樹脂などよりなる柔軟なチューブ8の一端側が連結されている。この実施の形態では、該付設部材7及びチューブ8により、第1流路が構成されている。このチューブ8の他端側には、流路切替手段44を介して第2流路42及び第3流路43の一端側がそれぞれ連なっている。この実施の形態でも、第2流路42の他端側は、金型1の外部に連通しており、第3流路43の他端側には、流体供給手段35が接続されている。この流路切替手段44による流路の切替、並びに、流体供給手段35による流体の供給及び供給停止に関する制御は、前述の実施の形態と同様である。
【0061】
この実施の形態でも、金型1は、流路切替手段44が排気状態にあるときには、各排気孔6が付設部材7、チューブ8、該流路切替手段44及び第2流路42を介して金型1の外部に連通しており、流路切替手段44が流体供給状態に切り替わると、流体供給手段35から第3流路43、該流路切替手段44、チューブ8及び付設部材7を介して各排気孔6に流体が供給されるように構成されている。
【0062】
この実施の形態では、壁部3bの排気孔6に接続されたチューブ8に連なる第3流路43と、壁部3cの排気孔6に接続されたチューブ8に連なる第3流路43とは、共通の流体供給手段35に接続されているが、これらは別々の流体供給手段35に接続されてもよい。
【0063】
中子型3のキャビティに臨む面を覆うように不織布、スラブ、プレスフェルト又はウレタン圧縮チップ材などの通気素材10が中子型3に装着されている。通気素材10の端部側は壁部3b,3cも覆っており、排気孔6をキャビティ側から覆っている。
【0064】
通気素材10は、この実施の形態では磁力によって中子型3に保持されている。図示は省略するが、中子型3にマグネットが設けられ、通気素材10には鉄片(例えば針金)が粘着テープなどによって留め付けられている。この鉄片をマグネットに吸着させることにより、通気素材10が中子型3に保持される。なお、この鉄片及び粘着テープは、成形品を脱型した後に除去される。鉄片を留め付ける代わりに、フェライト粉等の磁性粉を有した磁性テープを通気素材10に貼り付けてもよい。通気素材10の留付方法はこれに限定されない。
【0065】
この金型1のその他の構成は、第1の実施の形態における金型30と同様である。また、この金型1を用いたシートパッド20の製造方法も、実質的に、金型30を用いた発泡成形体の製造方法と同様である。
【0066】
以下、この金型1を用いたシートパッド20の製造方法のうち、金型30を用いた発泡成形体の製造方法と異なる点について説明する。
【0067】
シートパッド20を製造するには、まず、第2図の通り、離型剤塗付ゾーンにおいて金型1を型開きし、金型1の上方に配置されたノズルNから離型剤Rを吐出させて下型2、上型4及び中子型3のキャビティ内面に離型剤Rを塗付する。この離型剤塗付工程においては、第1の実施の形態と同様に、流路切替手段44が流体供給状態となっており、且つ流体供給手段35から各排気孔6に流体が供給されている。これにより、離型剤Rが各排気孔6に侵入することが防止されると共に、仮に離型剤Rが各排気孔6に侵入しても、この流体により離型剤Rが各排気孔6から押し出される。
【0068】
なお、第2図の通り、型開き時にノズルNから離型剤Rを吐出させて上型4及び中子型3に離型剤Rを塗付する。キャビティエンド部5cの最奥側の縦面を構成する中子型3の壁部3bに排気孔6が設けられており、壁部3bに対向する位置から離型剤Rを吐出させて上型4及び中子型3に離型剤Rを塗付すると、従来は、この排気孔6に離型剤Rが比較的侵入し易いものとなっていた。本発明にあっては、上記の通り、離型剤塗付工程において流体供給手段35から排気孔6に流体が供給されているので、この排気孔6に離型剤Rが入り込むことをより確実に防止することができる。また、発泡成形体製造工程を連続して行う中で離型剤R以外の異物(例えば発泡合成樹脂原料U等)が排気孔6に侵入しても、この流体供給手段35から排気孔6への流体の供給により、排気孔6から異物を除去することができる。
【0069】
離型剤Rの硬化後、通気素材10を中子型3に取り付ける。次いで、下型2のキャビティメイン部5a内に発泡合成樹脂原料Uを供給し、第3図の如く型締めした後、加熱して発泡合成樹脂原料Uを発泡させる。発泡した合成樹脂原料Uは、第4図の通り、キャビティメイン部5aに充満した後、キャビティ側部5b,5dを充満させつつ上昇し、キャビティエンド部5c,5eに流入する。
【0070】
この発泡成形工程においては、第1の実施の形態と同様に、流路切替手段44が排気状態となっており、各排気孔6は金型1の外部に連通している。そのため、この発泡合成樹脂原料Uの発泡反応により発生したガスや、キャビティ内の残留エアは、排気孔6を通って金型1の外部に排出される。
【0071】
この発泡合成樹脂は、粘性を有しているため、第4図の如くキャビティ側部5b,5d側から塊状となって壁部3b,3cに向って進行する。そのため、キャビティエンド部5c,5e内のガス、エアも排気孔6を通って排出される。このようにして、キャビティエンド部5c,5e内にも発泡合成樹脂が充満する。この発泡合成樹脂が硬化した後、型開きして脱型する。
【0072】
これにより、第5図に示したシートパッド20が得られる。このシートパッド20の背面には通気素材10が一体に付着している。シートパッド20の前面には、表皮吊込溝21が設けられ、上端面にはヘッドレスト挿入孔22が設けられている。シートパッド20の前面の下部23は、乗員の腰が当たる部分であり、中部24は背面が当たる部分であり、上部25は肩が当たる部分である。
【0073】
以上の通り、第2の実施の形態にあっても、第1の実施の形態と同様の作用効果が奏される。
【0074】
この実施の形態の金型1では、排気孔6に連通する通気孔を有した付設部材7が壁部3b,3cの外面に取り付けられている。そのため、排気孔6から付設部材7の通気孔を介して流出するガスの流通抵抗が大きく、ガスが排気孔6から勢いよく流出することがない。そのため、キャビティ内で発泡している樹脂は、キャビティエンド部5c,5e内に残留するガスから反圧を受け、キャビティ内をキャビティメイン部5a、キャビティ側部5b,5d及びキャビティエンド部5c,5eを順次に埋めるように徐々に膨張する。この結果、キャビティ内の全体が十分に発泡合成樹脂で充填されるようになり、欠肉などの無いシートパッド20を成形することができる。
【0075】
なお、この排気孔6に連なる付設部材7の通気孔の少なくとも一部の通路断面積を排気孔6の通路断面積よりも小さくしているので、キャビティからのガスの流出速度を抑制することができる。
【0076】
この排気孔6のキャビティ側を通気素材10で覆っている。排気孔6からのガスの流出速度が小さいので、発泡合成樹脂が排気孔6近傍の通気素材10を透過して排気孔6内にまで入り込むのを防止することができる。
【0077】
この実施の形態では、通気素材10を中子型3に保持させており、この通気素材10の末端側を壁部3b,3cに沿って立ち上げてキャビティ6を覆うようにしているので、通気素材10をキャビティ面に取り付けるためのピンが不要であり、金型の構造が簡易である。
【0078】
この金型1にあっては、前述の通り、発泡合成樹脂は発泡を開始し、キャビティメイン部5aからキャビティ側部5b,5dを通って上昇し、キャビティエンド部5c,5e内を充満させるように発泡する。そして、キャビティ側部5b,5dから最も離隔した壁部3b,3cの縦面に排気孔6を配置しているので、キャビティエンド部5c,5e内にガスやエアを残留させることなく、キャビティエンド部5c,5e内の全体に発泡合成樹脂を充満することができる。このため、欠肉などの欠陥のないシートパッド20を成形することができる。
【0079】
なお、通気素材10に発泡合成樹脂が染み込んで通気素材10が硬化したとしても、この通気素材10はシートパッド20の背面側となり、シートボード等によって隠れるようになるので、シートの意匠性に影響はない。
【0080】
本実施の形態では、発泡合成樹脂の発泡倍率は30〜60倍程度、発生ガス量はキャビティ容積の2〜10倍程度、キャビティ容積は10〜25L程度、付設部材7の直径は8〜20mm程度、付設部材7の通気孔の最小径は0.01〜0.5mm程度が好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0081】
上記の各実施の形態はいずれも本発明の一例であり、本発明は図示以外の態様とされてもよい。
【0082】
第2の実施の形態では、キャビティ側部5dに臨む中子型上下方向部3d(第4図)に排気孔を設け、この排気孔に付設部材7を接続してもよい。
【0083】
本発明では、第1流路41、流路切替手段44、又は第2流路42における流路断面積を排気孔34,6よりも小さくしてキャビティからのガス流出量を絞るようにしてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1,30 金型
2,32 下型
3 中子型
4,31 上型
5a キャビティメイン部
5b,5d キャビティ側部
5c,5e キャビティエンド部
6,34 排気孔
7 付設部材
8 ホース
10,50 通気素材
20 シートパッド
35 流体供給手段
41 第1流路
42 第2流路
43 第3流路
44 流路切替手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡合成樹脂よりなる発泡成形体を製造するための金型であって、
該金型のキャビティ内面に、該キャビティ内のガスを該キャビティの外部に排出するための排気孔が設けられた金型において、
該排気孔に、該キャビティからのガス排出方向と反対方向に流体を供給する流体供給手段が設けられていることを特徴とする金型。
【請求項2】
請求項1において、前記金型は、前記排気孔のキャビティ外部側に一端側が連なる第1流路と、該第1流路の他端側に流路切替手段を介してそれぞれ一端側が連なる第2流路及び第3流路とを備えており、
該第2流路は、他端側が該キャビティの外部に連通しており、
該第3流路の他端側に前記流体供給手段が接続されており、
該流路切替手段は、該第1流路と第2流路とを連通した排気状態と、該第1流路と第3流路とを連通した流体供給状態とに切替可能となっており、
該金型は、該流路切替手段が該排気状態にあるときには、該排気孔が該第1流路、該流路切替手段及び該第2流路を介して該キャビティの外部に連通しており、
該流路切替手段が該流体供給状態に切り替わると、該流体供給手段から該第3流路、該流路切替手段及び該第1流路を介して該排気孔に前記流体が供給されるように構成されていることを特徴とする金型。
【請求項3】
請求項2において、前記第1流路の少なくとも一部は、可撓性チューブにより構成されていることを特徴とする金型。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の金型を用いて発泡成形体を製造する方法であって、
少なくとも、該金型のキャビティ内面に離型剤を塗付する離型剤塗付工程と、該離型剤塗付工程の後、該キャビティ内で発泡合成樹脂原料を発泡させる発泡成形工程とを行うものであり、
該離型剤塗付工程においては、前記流体供給手段から前記排気孔に該キャビティからのガス排出方向と反対方向に流体を供給し、
該発泡成形工程においては、該排気孔から該キャビティ内のガスを該キャビティの外部に排出させることを特徴とする発泡成形体の製造方法。
【請求項5】
請求項4において、前記金型は、請求項2に記載のものであり、
前記離型剤塗付工程においては、前記流路切替手段を前記流体供給状態とし、前記流体供給手段から前記第3流路、該流路切替手段及び前記第1流路を介して前記排気孔に流体を供給し、
前記発泡成形工程においては、該流路切替手段を前記排気状態とし、該第1流路、該流路切替手段及び前記第2流路を介して該排気孔を前記キャビティの外部に連通させることを特徴とする発泡成形体の製造方法。
【請求項6】
請求項4又は5において、前記流体はエアであることを特徴とする発泡成形体の製造方法。
【請求項7】
請求項4ないし6のいずれか1項において、前記発泡成形体はシートパッドであることを特徴とする発泡成形体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−250460(P2012−250460A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125313(P2011−125313)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】