説明

金属ペースト印刷方法およびメタルマスク

【課題】金属ペーストの充填率を高くすることができる金属ペースト印刷方法を実現する。
【解決手段】金属ペースト印刷方法においては、貫通孔10を有するメタルマスク13の貫通孔10が電極12上に位置するようにメタルマスク13を基板11上に配置するとともに、基板11とメタルマスク13との界面に貫通孔10に連通する間隙部13aを形成する工程を含んでいる。この方法によれば、金属ペーストの充填時に、金属ペーストの表面に染み出したフラックスが、間隙部13aに移動することができる。いいかえると、フラックスに覆われることによって塞がれた金属ペースト内部の残留空気の脱気路が、フラックスの除去により確保されることとなる。これにより、貫通孔10の内部において金属ペースト内部の残留空気を除去でき、金属ペーストの充填率を高くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ペースト印刷方法およびメタルマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
フリップチップBGAやチップサイズパッケージ等の電極端子形成では、メタルマスクを用いた金属ペースト印刷方法によるバンプ形成を行うことが知られている。金属ペースト印刷方法によるバンプ形成は、電極端子形成位置に対応する位置に孔を有したメタルマスクを用いて、この孔に金属ペーストを充填して行われる。すなわち、孔に金属ペーストを充填するために、金属粉末とフラックスを混合してペースト状にすることが必要となる。
【0003】
図7は、被印刷面がフラットな半導体ウェハ上に金属ペースト印刷工法によってバンプ形成する際に用いられる、半導体ウェハ上のメタルマスクを示している。
【0004】
特許文献1には、図8に示すように、凹部の底に形成された電極上にはんだペーストを充填する際に、メタルマスクの開口寸法を凹部の開口寸法より小さくすることで、メタルマスクと基板との隙間を確保することが記載されている。これにより、はんだペースト充填時の空気を凹部のエッジ部近傍のすき間から外部に押し出すことが記載されている。
【0005】
また、これに関連する技術としては、特許文献2乃至5が挙げられる。
【特許文献1】特開2000−062136号公報
【特許文献2】特開2002−118347号公報
【特許文献3】特開2002−353263号公報
【特許文献4】特開2006−148146号公報
【特許文献5】特開平11−040938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図7および図8を用いて説明した方法では、はんだペーストの充填時の圧力などによって、充填されたはんだペーストの内部からフラックスがしみ出しその表面を覆ってしまうことがあった。また、図7では、被印刷面がフラットなため、ウェハ表面とメタルマスク裏面が密着しやすい。このため、フラックスがはんだペーストの表面を覆った状態で貫通孔の内部にとどまってしまう。そこで、図7および図8を用いて説明した方法では、充填されたはんだペーストの内部に残留空気が存在する場合、その残留空気の脱気経路がフラックスによって塞がれてしまい、はんだペーストの充填不足が生じるといった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による金属ペースト印刷方法は、表面に電極が形成された基板を準備する工程と、貫通孔を有するメタルマスクの前記貫通孔が前記電極上に位置するように前記メタルマスクを前記基板上に配置するとともに、前記基板と前記メタルマスクとの界面に前記貫通孔に連通する間隙部を形成する工程と、前記貫通孔の内部にフラックスを含む金属ペーストを充填する工程と、を含み、前記間隙部は、前記基板の上面と、前記メタルマスクの下面に形成された凹部と、によって形成され、前記金属ペーストを充填する前記工程において、前記貫通孔の内部の空気とともに前記フラックスを前記間隙部に導くことを特徴とする。
【0008】
この金属ペースト印刷方法においては、貫通孔を有するメタルマスクの前記貫通孔が前記電極上に位置するように前記メタルマスクを前記基板上に配置するとともに、前記基板と前記メタルマスクとの界面に前記貫通孔に連通する間隙部を形成する工程を含み、前記金属ペーストを充填する前記工程において、前記貫通孔の内部の空気とともに前記フラックスを前記間隙部に導いている。この方法によれば、金属ペーストの充填時に、金属ペーストの表面に染み出したフラックスを間隙部に移動することができる。いいかえると、フラックスに覆われることによって塞がれた金属ペースト内部の残留空気の脱気路が、フラックスの除去により確保されることとなる。これにより、貫通孔の内部において金属ペースト内部に残留した空気を除去でき、金属ペーストの充填率を高くすることができる。
【0009】
本発明によるメタルマスクは、被印刷物上に配置されたメタルマスクの貫通孔にフラックスを含む金属ペーストを充填して印刷する金属ペースト印刷方法に用いるメタルマスクであって、メタルマスクの少なくとも一方の面に、前記メタルマスクと前記被印刷物との界面に前記貫通孔に連通する間隙部を形成する凹部を有し、前記間隙部は前記貫通孔の内部の空気とともに前記フラックスを導くように構成されたことを特徴とする。
【0010】
このメタルマスクにおいては、メタルマスクの少なくとも一方の面に、前記メタルマスクと被印刷物との界面に前記貫通孔に連通する間隙部を形成する凹部を有し、前記間隙部は、前記貫通孔の内部の空気とともに前記フラックスを導くように構成されている。かかる構造のメタルマスクによれば、金属ペーストの充填時に、金属ペーストの表面に染み出したフラックスを間隙部に移動することができる。いいかえると、フラックスに覆われることによって塞がれた金属ペースト内部の残留空気の脱気路が、フラックスの除去により確保されることとなる。これにより、貫通孔の内部において金属ペースト内部に残留した空気を除去でき、金属ペーストの充填率を高くすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、金属の充填率を向上するのに適した金属ペースト印刷方法およびメタルマスクが実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明による金属ペースト印刷方法およびメタルマスクの好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、本発明によるメタルマスクの第1実施形態を示す断面図(a)およびその平面図(b)である。図1が示す断面図(a)は、その平面図(b)に示されたI−Iにおける断面を示している。
メタルマスク13は、メタルマスク13の少なくとも一方の面に、前記メタルマスク13と基板11との間に貫通孔10に連通する間隙部13aを形成する凹部113を有する。また、間隙部13aは貫通孔10の内部の空気とともにフラックスを導くように構成されたことを特徴とする。
図2に示すように、メタルマスク13は、基板11上に配置されたメタルマスク13の貫通孔10にフラックスを含むはんだペースト14を充填して印刷する金属ペースト印刷方法に用いられる。
【0014】
基板11は、被印刷物であって、その上面は被印刷面である。基板11上には電極12が形成されている。
【0015】
貫通孔10は、メタルマスク13の上面(印刷面)から下面(被印刷物面)に達する開口である。貫通孔10の内部にはんだペースト14が充填される。貫通孔10は断面視において、テーパー状であってもよい。これにより、電極12上にはんだペースト14が印刷され、その後図4に示すバンプ19を形成できる。
【0016】
図1(a)に示すように、間隙部13aは貫通孔10の内部の空気とともにフラックスを導くように構成されている。すなわち、基板11とメタルマスク13の下面との界面に間隙部13aが形成されている。すなわち、間隙部13aは、基板11の上面と、メタルマスク13の下面に形成された凹部133とによって形成され、両者の界面にすき間を確保する。いいかえると、メタルマスク13の凹部133により、基板と11とメタルマスク13との界面に間隙部13aを確保することができる。また、間隙部13aによって二つの貫通孔10が連通されている。いいかえると、メタルマスク13の下面(被印刷物面)に、貫通孔10と連続する凹部113(段差)が形成されている。メタルマスク13の上面からはんだペースト14が充填されると、その重みや圧力によってはんだペースト14からしみ出したフラックスは、間隙部13aに移動することができる。また、はんだペースト14の内部に残留した残留空気16(図4(a)参照)も間隙部13aに移動することができる。
【0017】
また、間隙部13aの高さは、はんだペースト14に含まれるはんだ粒子の径よりも低いことが好ましい。これにより、充填されたはんだペースト14のフラックスおよび貫通孔10の内部の空気の少なくともいずれか一方を取り除いて充填率を高くすることができる。また、はんだ粒子の充填量が安定するため、その後に形成されるバンプ19の外形寸法の精度を高くすることができる(図4参照)。
【0018】
はんだ粒子の径は、被印刷物の電極12のサイズやピッチによって、様々な値とすることができる。例えば、フリップチップのインナーバンプ等パッドピッチが200μm程度の時、はんだ粒子の径は5〜15μmとすることができる。また、ピッチが広めのものは15〜25μm等とすることができる。
また、はんだ材料としては特に限定されないが、例えば、Pbフリーはんだ、共晶はんだ、高温はんだ等とすることができる。PbフリーはんだではSnAgCu系合金、共晶はんだや高温はんだはPbSn系合金でPb/Snの比率を変えたはんだを用いることができる。
本実施形態では、SnAgCu系はんだを用い、はんだ粒子の径は5〜15μmとした。
【0019】
図1(b)に示すように、メタルマスク13の下面には、貫通孔10と、貫通孔10の開口部の周囲全体に渡って凹部113(段差)が形成されている。さらに、貫通孔10同士を連通するように、貫通孔10の開口部の周囲から放射状に凹部113が形成されている。この凹部113によって、基板11とメタルマスク13との界面に間隙部13aが形成される。すなわち、間隙部13aは、複数の貫通孔10を互いに連通するように形成される。
これにより、基板11とメタルマスク13の被印刷面との界面により大きな体積の隙間が確保できる。
【0020】
はんだペースト14は、フラックスとはんだ粒子を含む。フラックスは、はんだペースト14の印刷および充填を可能とする。フラックスの種類は特に限定されない。フラックスは、はんだペースト14の印刷または充填時にその圧力などによって、はんだペースト14の内部からその表面にしみだして、充填されたはんだペースト14の表面を覆う。これにより、はんだペースト14の内部に残留した空気の脱気経路が塞がれる。
【0021】
次に、図1〜4を用いて、基板11上の電極12の上面にバンプ19を形成する金属ペースト印刷方法について説明する。なお、図2〜4は、本実施形態におけるメタルマスク13とはんだペースト印刷方法を説明する断面図(a)およびその平面図(b)である。図2〜4が示す断面図(a)は、それぞれその平面図(b)に示されたII−II〜IV−IVにおける断面を示している。
【0022】
本実施形態におけるはんだペースト印刷方法は、表面に電極12が形成された基板11を準備する工程と、貫通孔10を有するメタルマスク13の貫通孔10が電極12上に位置するようにメタルマスク13を基板11上に配置するとともに、基板11とメタルマスク13との界面に貫通孔10に連通する間隙部13aを形成する工程と、貫通孔10の内部にフラックスを含むはんだペースト14を充填する工程と、を含み、間隙部13aは、基板11の上面と、メタルマスク13の下面に形成された凹部133と、によって形成され、はんだペースト14を充填する前記工程において、貫通孔10の内部の空気とともにフラックスを間隙部13aに導くことを特徴とする。
貫通孔10の内部の空気には、充填されたはんだペースト14によって生じた貫通孔10の内部の空気および貫通孔10の内部に充填されたはんだペースト14の内部に残留した残留空気16が含まれる。
【0023】
詳細について説明する。
図1(a)および(b)に示すようにして、表面に電極12が形成された基板11を準備する。続いて、貫通孔10を有するメタルマスク13の貫通孔10が電極12上に位置するようにメタルマスク13を基板11上に配置するとともに、基板11とメタルマスク13との界面に貫通孔10に連通する間隙部13aを形成する。
【0024】
次に、図2(a)および(b)に示すようにして、メタルマスク13の上面から、スキージ15を用いてはんだペースト14を矢印17(印刷方向)に向かって移動させることにより、貫通孔10の内部にフラックスを含むはんだペースト14を充填する。
【0025】
このとき、はんだペースト14は、矢印17(印刷方向)と反対の方向から貫通孔10の内部に充填される。そのため、貫通孔10の内部の空気は、充填されたはんだペースト14によって矢印18が示す方向に移動し、基板11とメタルマスク13との界面に形成された貫通孔10に連通する間隙部13aへ押し出される。さらに、印刷時の圧力などによって貫通孔10の内部に圧力がかかるため、はんだペースト14に含まれるフラックスは、はんだペースト14の外部にしみ出して貫通孔10から間隙部13aへ押し出される。これにより、はんだペースト14の内部の残留空気16は、その脱気経路をフラックスによって塞がれることなく、間隙部13aへ押し出される。
【0026】
次に、図3(a)および(b)に示すようにして、はんだペースト14が印刷された基板11からメタルマスク13を離す。このようにして、はんだペースト14を基板11に印刷することができる。
【0027】
続いて、本実施形態におけるはんだペースト印刷方法を用い、図4(a)および(b)に示すようにして、はんだペースト14を加熱、溶融して、バンプ19を形成する。
【0028】
次に、本実施形態における効果について説明する。
このはんだペースト印刷方法においては、貫通孔10を有するメタルマスク13の貫通孔10が電極12上に位置するようにメタルマスク13を基板11上に配置するとともに、基板11とメタルマスク13との界面に貫通孔10に連通する間隙部13aを形成する工程を含み、はんだペースト14を充填する工程において、貫通孔10の内部の空気とともにフラックスを間隙部13aに導いている。
【0029】
また貫通孔10にはんだペースト14を充填して基板11に印刷する金属ペースト印刷方法に用いるメタルマスク13においては、メタルマスク13の少なくとも一方の面に、メタルマスク13と基板11との間に貫通孔10に連通する間隙部13aを形成する凹部113と、を有し、間隙部13aは貫通孔10の内部の空気とともにフラックスを導くように構成されている。
【0030】
かかる構成のはんだペースト印刷方法およびメタルマスク13によれば、はんだペースト14の充填時に、はんだペースト14の表面に染み出したフラックスが、間隙部13aに移動することができる。いいかえると、フラックスに覆われることによって塞がれたはんだペースト14内部の残留空気16の脱気路が、フラックスの除去により確保されることとなる。これにより、貫通孔10の内部においてはんだペースト14内部に残留した空気を除去でき、はんだペースト14の充填率を高くすることができる。また、はんだペースト14の充填時に貫通孔10の内部に存在する空気も、充填されたはんだペースト14によって間隙部13aに移動することができる。
【0031】
また、このようなはんだペースト印刷方法を用いることによって、接続信頼性が高く、外形寸法精度のよいバンプの形成に適したはんだバンプ形成方法が実現される。
【0032】
また、特許文献1には、凹部の底に形成された電極上にはんだペーストを充填する際に、メタルマスクの開口寸法を凹部の開口寸法より小さくすることで、メタルマスクと基板との隙間を確保することが記載されている。これにより、はんだペースト充填時の空気を凹部のエッジ部近傍の上方のすき間から外部に押し出すことが記載されている。しかしながら、空気の脱気経路を設けるために、貫通開口部上に、小さい開口寸法を有するマスクをさらに必要とするという問題がある。これに対して、本実施形態においては、貫通孔10に連通する凹部113を有するメタルマスク13を用いるため、基板10との界面において空気の脱気経路が確保されている。また、本実施形態においては、脱気を貫通孔10の上方からではなく、メタルマスク13と基板11との間であって貫通孔10に連通する間隙部13aを設けることにより貫通孔10の下方に脱気経路が確保されるため、印刷時に上方から圧力がかかっても、脱気経路が確保できる。
【0033】
また、はんだペーストの印刷方法は特に限定されないため、バンプ形成工程数の増大を招くことなく金属の充填率を向上することができる。また、バンプ形成のための装置の設計変更などを要さない。
【0034】
(第2実施形態)
図5は、本発明によるメタルマスクの第2実施形態を示す断面図である。第1実施形態は間隙部13aが複数の貫通孔10を連通するように形成された例であったのに対し、本実施形態は複数の貫通孔10が連通していない例である。
【0035】
図5(a)に示すように、間隙部13bは、二つの貫通孔10のそれぞれに形成されているが、互いに連通していない。すなわち、貫通孔10は互いに連通していない。また、図5(b)に示すように、メタルマスク23の下面には、貫通孔10と、貫通孔10の開口部の周囲全体に渡って凹部123(段差)が形成されている。この凹部123によって、基板11とメタルマスク23との界面に間隙部13bが形成される。
【0036】
かかる構成のメタルマスク23を用いたはんだペースト印刷方法は、第1実施形態で説明したのと同様にして行うことができる。また、かかる構成のメタルマスク23を用いたバンプ19は、メタルマスク13を用いた場合と同様にして形成することができる。
【0037】
本実施形態において、間隙部13b(凹部123)は、他の貫通孔10に連通するように形成された間隙部13bと連通していない。このため、一つの貫通孔10から生じたフラックスの移動を間隙部13bの内部に限定することができる。本実施形態のその他の効果は、上記実施形態と同様である。
【0038】
(第3実施形態)
図6は、本発明によるメタルマスクの第3実施形態を示す断面図である。第2実施形態は間隙部13bが貫通孔10の開口部の周囲全体に渡って形成された例であったのに対し、本実施形態は間隙部13cが貫通孔10の開口部の周囲の一部に形成された例である。
【0039】
図6(a)に示すように、間隙部13cは、貫通孔10の開口部の周囲の一部に形成されている。また、図6(b)に示すように、メタルマスク33の下面には、貫通孔10と、貫通孔10の開口部の周囲の一部に凹部133(段差)が形成されている。すなわち、間隙部13cは、貫通孔10の周囲の一部であって、印刷方向を示す矢印17と反対側(矢印18が示す方向)に形成されている。間隙部13cは、貫通孔10の周囲の一部であればよく、周囲の1/4、半分、または3/4でもよい。この凹部133によって、基板11とメタルマスク33との界面に間隙部13cが形成される。
【0040】
かかる構成のメタルマスク33を用いたはんだペースト印刷方法は、第1実施形態で説明したのと同様にして行うことができる。また、かかる構成のメタルマスク33を用いたバンプ19は、メタルマスク13を用いた場合と同様にして形成することができる。
【0041】
本実施形態において、間隙部13cは、貫通孔10の周囲の一部であって、印刷方向と反対側に形成されている。このため、フラックスおよび空気の移動方向を間隙部13c(凹部133)の形成位置によって特定することができる。本実施形態のその他の効果は、上記実施形態と同様である。
【0042】
本発明によるはんだペースト印刷方法およびメタルマスクは、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0043】
例えば、上記実施形態においては、断面視において、間隙部13aが横方向に延在する場合について説明したが、間隙部13aは縦方向に形成されてもよい。この場合、間隙部13aは、縦長のスリット状であって、スリット幅がはんだ粒子径よりも小さいことが好ましい。
【0044】
例えば、上記実施形態においては、基板11とメタルマスク13との間に、貫通孔10に連通する間隙部13aを、メタルマスク13の下面に形成された凹部として説明したが、メタルマスク13の下面に凸部を形成することによって間隙部を形成してもよい。この場合、凸部が形成されていない部分が間隙部13aに相当する。
【0045】
また、上記本実施形態では、はんだペーストを用いた印刷方法について説明したが、はんだに限られない。また、貫通孔10の数、配置場所、形状も特に限定されない。間隙部13a、13b、および13cの形状もこれに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明によるメタルマスクの第1実施形態を示す断面図(a)およびその平面図(b)である。
【図2】本実施形態におけるメタルマスクとはんだペースト印刷方法を説明する断面図(a)およびその平面図(b)である。
【図3】本実施形態におけるメタルマスクとはんだペースト印刷方法を説明する断面図(a)およびその平面図(b)である。
【図4】本実施形態におけるメタルマスクとはんだペースト印刷方法を説明する断面図(a)およびその平面図(b)である。
【図5】本発明によるメタルマスクの第2実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明によるメタルマスクの第3実施形態を示す断面図である。
【図7】従来のメタルマスクを示す断面図(a)およびその平面図(b)である。
【図8】従来のメタルマスクと金属ペースト印刷方法を説明する工程断面図(a)〜(e)である。
【符号の説明】
【0047】
10 貫通孔
11 基板
12 電極
13 メタルマスク
13a 間隙部
13b 間隙部
13c 間隙部
14 ペースト
15 スキージ
16 残留空気
17 矢印
18 矢印
19 バンプ
23 メタルマスク
33 メタルマスク
113 凹部
123 凹部
133 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に電極が形成された基板を準備する工程と、
貫通孔を有するメタルマスクの前記貫通孔が前記電極上に位置するように前記メタルマスクを前記基板上に配置するとともに、前記基板と前記メタルマスクとの界面に前記貫通孔に連通する間隙部を形成する工程と、
前記貫通孔の内部にフラックスを含む金属ペーストを充填する工程と、
を含み、
前記間隙部は、前記基板の上面と、前記メタルマスクの下面に形成された凹部と、によって形成され、
前記金属ペーストを充填する前記工程において、前記貫通孔の内部の空気とともに前記フラックスを前記間隙部に導くことを特徴とする金属ペースト印刷方法。
【請求項2】
請求項1に記載の金属ペースト印刷方法において、
前記金属ペーストは、はんだ粒子を含み、
前記間隙部の高さは、前記はんだ粒子の径よりも低いことを特徴とする金属ペースト印刷方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の金属ペースト印刷方法において、
前記間隙部は、複数の前記貫通孔を互いに連通するように形成されることを特徴とする金属ペースト印刷方法。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかに記載の金属ペースト印刷方法において、
前記間隙部が、前記貫通孔の開口部の周囲全体に渡って形成されることを特徴とする金属ペースト印刷方法。
【請求項5】
請求項1乃至3いずれかに記載の金属ペースト印刷方法において、
前記間隙部が、前記貫通孔の開口部の周囲の一部に形成されることを特徴とする金属ペースト印刷方法。
【請求項6】
請求項1乃至3いずれかに記載の金属ペースト印刷方法において、
前記間隙部が、前記貫通孔の開口部の周囲の半周に形成されることを特徴とする金属ペースト印刷方法。
【請求項7】
被印刷物上に配置されたメタルマスクの貫通孔にフラックスを含む金属ペーストを充填して印刷する金属ペースト印刷方法に用いるメタルマスクであって、
メタルマスクの少なくとも一方の面に、前記メタルマスクと前記被印刷物との界面に前記貫通孔に連通する間隙部を形成する凹部を有し、
前記間隙部は、前記貫通孔の内部の空気とともに前記フラックスを導くように構成されたことを特徴とするメタルマスク。
【請求項8】
請求項7に記載のメタルマスクにおいて、
前記金属ペーストは、はんだ粒子を含み、
前記間隙部の高さは、前記はんだ粒子の径よりも低いことを特徴とするメタルマスク。
【請求項9】
請求項7または8に記載のメタルマスクにおいて、
前記間隙部は、複数の前記貫通孔を互いに連通するように形成されることを特徴とするメタルマスク。
【請求項10】
請求項7乃至9いずれかに記載のメタルマスクにおいて、
前記間隙部が、前記貫通孔の開口部の周囲全体に渡って形成されることを特徴とするメタルマスク。
【請求項11】
請求項7乃至9いずれかに記載のメタルマスクにおいて、
前記間隙部が、前記貫通孔の開口部の周囲の一部に形成されることを特徴とするメタルマスク。
【請求項12】
請求項7乃至9いずれかに記載のメタルマスクにおいて、
前記間隙部が、前記貫通孔の開口部の周囲の半周に形成されることを特徴とするメタルマスク。
【請求項13】
請求項1乃至6いずれかに記載の金属ペースト印刷方法を用いて形成するバンプ形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−220493(P2009−220493A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69324(P2008−69324)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】