金属化フィルムコンデンサ
【課題】コンデンサ素子を構成する金属化フィルムにヒューズ機能が設けられたフィルムコンデンサにおいて、安全性を損なうことなく、ヒューズ機能の作動による容量減少を最小限に抑えることを目的とする。
【解決手段】誘電体フィルムの長さ方向に並ぶように分割された複数の分割電極と、この分割電極と外部電極につながる第一の電極との間にヒューズ機能を持つ接続部を備え、この接続部は分割電極に少なくとも一つ以上設けられ、一つの分割電極に接続された接続部の誘電体フィルムにおける長さ方向の合計の寸法が、少なくとも二つ以上の異なる寸法となるように個々の分割電極に接続した構成とした。
【解決手段】誘電体フィルムの長さ方向に並ぶように分割された複数の分割電極と、この分割電極と外部電極につながる第一の電極との間にヒューズ機能を持つ接続部を備え、この接続部は分割電極に少なくとも一つ以上設けられ、一つの分割電極に接続された接続部の誘電体フィルムにおける長さ方向の合計の寸法が、少なくとも二つ以上の異なる寸法となるように個々の分割電極に接続した構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素子内部に保安機構を設けることによって安全性を高めたフィルムコンデンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンデンサの安全性を高めるため、保安機構を設けた金属化フィルムコンデンサが数多く提案されている。そして特許文献1に記載されたフィルムコンデンサもその一例である。
【0003】
上記特許文献1に記載されたコンデンサは、パターンマージンによって金属蒸着膜にヒューズ機能をもたせた金属化フィルムを用いたもので、図15に示すように、金属化フィルム303の長さ方向に並ぶ分割電極305の夫々に、ヒューズ306を設けた構成で、例えば、電源の雑音防止用に使用した場合に、雷サージや、内部からのノイズによるパルス電圧等の異常な高電圧がコンデンサに印加された状態になったり、稼動が長時間に及ぶと、金属蒸着膜に挟まれた誘電体フィルムに絶縁破壊が生じ、この誘電体フィルムの絶縁破壊に伴って流れる大電流によってヒューズ306を溶断して電流を遮断し、コンデンサの発火、発煙等を防ぐことを目的としている。
【0004】
しかし、このようなパターンマージンによって分割電極にヒューズを設けた金属化フィルムを用いたコンデンサは、ヒューズの溶断によってコンデンサの容量を形成する電極が切り離されてしまうため、ヒューズの作動に伴うコンデンサの容量の減少は避けられないものであった。
【0005】
そして、従来のコンデンサでは、全て同じ感度のヒューズが分割電極毎に設けられているため、ヒューズに流れる電流が一定値を超えると殆どのヒューズが溶断してしまい、その結果コンデンサの容量が大きく減少し、実使用に問題をきたす状態に至ることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−176447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、コンデンサ素子を構成する金属化フィルムにヒューズ機能が設けられたフィルムコンデンサにおいて、安全性を損なうことなく、ヒューズ機能の作動による容量減少を最小限に抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、誘電体フィルムの幅方向の一方の端部に前記誘電体フィルムの長さ方向に連続して設けられた第一のマージンを除いて金属薄膜からなる電極を備えた金属化フィルムを、前記電極が前記誘電体フィルムを挟んで対向し、前記誘電体フィルムのそれぞれの面の第一のマージンが反対側に位置するように巻回または積層し、両端に外部電極を形成した金属化フィルムコンデンサであって、前記電極は、前記誘電体フィルムの幅方向の他方側の前記誘電体フィルムの長さ方向に連続して設けられた第一の電極と、前記第一のマージンから前記誘電体フィルムの幅方向の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージンによって、フィルムの長さ方向に並ぶように分割された複数の分割電極と、この分割電極と前記第一の電極とを電気的に接続するヒューズ機能を持つ接続部とを備え、前記接続部は前記分割電極に少なくとも一つ以上設けられ、一つの前記分割電極に接続された前記接続部の前記誘電体フィルムにおける長さ方向の合計の寸法が、少なくとも二つ以上の異なる寸法となるように個々の前記分割電極に接続された構成としたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の金属化フィルムコンデンサは、コンデンサ素子を構成する金属化フィルムの、幅方向の一端の誘電体フィルムの長さ方向に連続して設けられた第一の電極と、長さ方向に並ぶように分割して設けられた複数の分割電極とを電気的に接続する接続部にヒューズ機能を持たせ、一つの分割電極に接続された接続部の誘電体フィルムにおける長さ方向の寸法が、少なくとも二つ以上の異なる寸法となるように個々の分割電極に接続することによって、第一の電極と個々の分割電極との間にそれぞれ感度の異なる、即ち溶断する電流値の異なるヒューズが設けられることになり、その結果誘電体フィルムの破壊時においてヒューズに流れる電流の電流値が、ヒューズが溶断する電流値を超えたヒューズのみが溶断してコンデンサの発火、発煙を未然に回避し、溶断する電流値が高く設定されたヒューズは溶断することがなく、コンデンサの容量低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における(a)金属化フィルム3の平面図、(b)金属化フィルム23の平面図、(c)金属化フィルム3と金属化フィルム23を重ねた状態での図1(a)線A−A断面と図1(b)線A2−A2断面の図
【図2】本発明の実施の形態1における金属化フィルム3と金属化フィルム23を重ね、外部電極を形成した状態での図1(a)線B−B断面と図1(b)線B2−B2断面の図
【図3】本発明の実施の形態2における(a)金属化フィルム43の平面図、(b)金属化フィルム63の平面図、(c)金属化フィルム43と金属化フィルム63を重ねた状態での図3(a)線A4−A4断面と図3(b)線A6−A6断面の図
【図4】本発明の実施の形態2における金属化フィルム43と金属化フィルム63を重ね、外部電極を形成した状態での図3(a)線B4−B4断面と図3(b)線B6−B6断面の図
【図5】本発明の実施の形態3における(a)金属化フィルム83の平面図、(b)誘電体フィルム92の平面図、(c)金属化フィルム83と誘電体フィルム92を重ねた状態での図5(a)線A8−A8断面と図5(b)線A9−A9断面の図
【図6】本発明の実施の形態3における金属化フィルム83と誘電体フィルム92を重ね、外部電極を形成した状態での図5(a)線B8−B8断面と図5(b)線B9−B9断面の図
【図7】本発明の実施の形態4における(a)金属化フィルム123の平面図、(b)誘電体フィルム132の平面図、(c)金属化フィルム123と誘電体フィルム132を重ねた状態での図7(a)線A12−A12断面と図7(b)線A13−A13断面の図
【図8】本発明の実施の形態4における金属化フィルム123と誘電体フィルム132を重ね、外部電極を形成した状態での図7(a)線B12−B12断面と図7(b)線B13−B13断面の図
【図9】本発明の実施の形態5における(a)金属化フィルム163の平面図、(b)誘電体フィルム172の平面図、(c)金属化フィルム163と誘電体フィルム172を重ねた状態での図9(a)線A16−A16断面と図9(b)線A17−A17断面の図
【図10】本発明の実施の形態5における金属化フィルム163と誘電体フィルム172を重ね、外部電極を形成した状態での図9(a)線B16−B16断面と図9(b)線B17−B17断面の図
【図11】本発明の実施の形態6における(a)金属化フィルム203の平面図、(b)誘電体フィルム212の平面図、(c)金属化フィルム203と誘電体フィルム212を重ねた状態での図11(a)線A20−A20断面と図11(b)線A21−A21断面の図
【図12】本発明の実施の形態6における金属化フィルム203と誘電体フィルム212を重ね、外部電極を形成した状態での図11(a)線B20−B20断面と図11(b)線B21−B21断面の図
【図13】本発明の実施の形態7における(a)金属化フィルム243の平面図、(b)金属化フィルム263の平面図、(c)金属化フィルム243と金属化フィルム263を重ねた状態での図13(a)線A24−A24断面と図13(b)線A26−A26断面の図
【図14】本発明の実施の形態7における金属化フィルム243と金属化フィルム263を重ね、外部電極を形成した状態での図13(a)線B24−B24断面と図13(b)線B26−B26断面の図
【図15】従来のフィルムコンデンサに用いられる金属化フィルムの平面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1(a)、(b)は本発明の実施の形態1におけるフィルムコンデンサを構成する二つの金属化フィルム3、23の平面図で、図1(c)は金属化フィルム3と金属化フィルム23とを重ねてコンデンサを構成したものを、金属化フィルム3、23の長さ方向に切断した断面図である。
【0013】
図2はコンデンサを構成した金属化フィルム3、23の幅方向の両端部に外部電極15を設けたものを、金属化フィルム3、23の幅方向に切断した断面図である。
【0014】
金属化フィルム3は、誘電体フィルム2の一方の面の、第一のマージン7、第二のマージン8、第三のマージン9となる部分を除いて、アルミニウム等の金属薄膜が形成されており、この金属薄膜は第一の電極4と、分割電極5a、5bと、接続部6a、6bを構成している。
【0015】
第一のマージン7は、誘電体フィルム2の幅方向の一方の端部に、誘電体フィルム2の長さ方向に連続して設けられ、第一の電極4は誘電体フィルム2の他方の端部に、誘電体フィルム2の長さ方向に連続して設けられている。
【0016】
分割電極5aと分割電極5bとは、第一のマージン7から誘電体フィルム2の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージン8によって分割された金属薄膜が、誘電体フィルム2の長さ方向に交互に並ぶように設けられている。
【0017】
接続部6a、6bは、第一の電極4と分割電極5a、5bとの間に、第一の電極4と分割電極5a、5bとを接続するように設けられ、これによって接続部6a、6bはヒューズとして機能することになる。
【0018】
接続部6aと接続部6bとの誘電体フィルム2における長さ方向の寸法は異なり、接続部6aの寸法6awは、第二のマージン8の第一の電極4側の端部から誘電体フィルム2の長さ方向に向かって延設された第三のマージン9の延設端と、この延設端に隣接し対向する第二のマージン8との間の寸法となり、接続部6bの寸法6bwは分割電極5bの誘電体フィルム2における長さ方向の寸法と同じ寸法となり、本実施の形態では接続部6aの寸法6awよりも接続部6bの寸法6bwの方が長くなっている。
【0019】
また、接続部6a、6bの誘電体フィルム2における幅方向の寸法vは第三のマージン9の誘電体フィルム2における幅方向の寸法と同じ寸法となっている。
【0020】
そして、接続部6aが接続された分割電極5aと、接続部6bが接続された分割電極5bとは、誘電体フィルム2の長さ方向に交互に並ぶようになり、このような構成とすることで、溶断する電流値の異なるヒューズが、誘電体フィルム2の長さ方向に並ぶ分割電極5a、5bに交互に接続されることになる。
【0021】
図1(b)に示す金属化フィルム23も図中の符号は異なるが、金属化フィルム3と同じ構成で、金属化フィルム3と金属化フィルム23とを、図2に示すように金属化フィルム3の第一のマージン7と、金属化フィルム23の第一のマージン27とが反対側に位置するように重ねて巻回、或いは交互に積層したものに外部電極15を設けてフィルムコンデンサとしている。
【0022】
(実施例1)
次に上記実施の形態1における具体的な実施例1について説明する。
【0023】
誘電体フィルム2、22には厚さが6μmのポリプロピレンフィルムを用い、その一方の表面に、オイルマージン法により、第一のマージン7、27、第二のマージン8、28、第三のマージン9、29を形成するとともに、第一の電極4、24、分割電極5a、5b、25a、25b、接続部6a、6b、26a、26bとなるアルミニウムの金属薄膜を、表面抵抗が3〜4.5Ω/□となるように真空蒸着により形成して金属化フィルム3、23とした。
【0024】
このときの誘電体フィルム2、22の幅は27mm、第一のマージン7、27の幅は2.7mm、第二のマージン8、28の幅は0.4mm、第三のマージン9、29の幅(誘電体フィルム2、22における幅方向の寸法)は1.0mm、第一の電極4、24の幅は1.3mm、分割電極5a、25aの幅(誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法)は4.8mm、分割電極5b、25bの幅(誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法)は7.5mm、接続部6a、26aは誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法6aw、26awが0.8mmで誘電体フィルム2、22における幅方向の寸法v、20vが1.0mm、接続部6b、26bは誘電体フィルム2、22の長さ方向における寸法6bw、26bwが7.5mmで誘電体フィルム2、22における幅方向の寸法v、20vが1.0mmとなっている。
【0025】
上記のような金属化フィルム3と23とを、金属化フィルム3の第一のマージン7と、金属化フィルム23の第一のマージン27が反対側に位置するように重ねて巻回し、巻回体の一対の両端面に外部電極15を形成して容量が2.2μFのフィルムコンデンサとした。
【0026】
(実施例2)
実施例2として、実施例1の接続部6a、26aの誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法6aw、26awを0.5mmとした以外は実施例1と同じ構成とした。
【0027】
(実施例3)
実施例3として、実施例1の接続部6a、26aの誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法6aw、26awを1.5mmとした以外は実施例1と同じ構成とした。
【0028】
(実施例4)
実施例4として、実施例1の接続部6a、26aの誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法6aw、26awを3.0mmとした以外は実施例1と同じ構成とした。
【0029】
(実施例5)
実施例5として、実施例1の接続部6b、26bの誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法6bw、26bwを4.8mmとした以外は実施例1と同じ構成とした。
【0030】
(実施例6)
実施例6として、実施例1の接続部6b、26bの誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法6bw、26bwを10.5mmとした以外は実施例1と同じ構成とした。
【0031】
(比較例1)
比較例1として、実施例1の接続部6b、26bの誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法6bw、26bwを接続部6a、26aと同じ、0.8mmとした以外は実施例1と同じ構成とした。
【0032】
(比較例2)
比較例2として、実施例1の接続部6a、26aの誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法6aw、26awを接続部6b、26bと同じ、7.5mmとした以外は実施例1と同じ構成とした。
【0033】
実施例1〜6及び比較例1、2で作製したコンデンサを、試験法JISC5101−14 4.14 耐久性試験にてコンデンサの長時間連続使用に対する耐久性を評価した。その結果を(表1)に示す。
【0034】
(表1)に示すように、本発明における実施例1〜6のコンデンサでは耐久試験後のコンデンサの容量変化は、−4〜−10%となり、また試験中のコンデンサの発火、発煙もなかった。
【0035】
一方、比較例1では発火、発煙はないもののコンデンサの容量変化が−30%と、大きく減少し、比較例2では、試験中のコンデンサから発煙を起こし、コンデンサの容量を測定できない状態になった。
【0036】
以上のことから、本発明によるコンデンサは、長時間の連続使用に対して容量低下が抑制され、発火、発煙もなくコンデンサの機能を長時間維持することができる。
【0037】
これは、第一の電極と分割電極との間に、分割電極毎に感度の異なるヒューズ機能を有する接続部を設けることによって、接続部に流れる電流値に応じて段階的にヒューズ機能が作動することと、先に、溶断電流の小さい接続部が溶断し、隣接する溶断電流の大きな接続部が作動しない状態では、破壊時のサージが隣接する溶断電流の大きな接続部が接続された分割電極に吸収されるため、容量減少がコンデンサ全体に及ばないことによるものである。
【0038】
【表1】
【0039】
実施例1〜6及び比較例1、2で作製したフィルムコンデンサを、試験法JISC5101−14 4.18 発火性試験にて雷などの突発的なサージに対するコンデンサの耐性を評価した。その結果を(表2)に示す。
【0040】
(表2)に示すように、本発明における実施例1〜6のコンデンサでは発火性試験においてコンデンサの発火、発煙はなかったが、比較例1、2共に、コンデンサが発火した。
【0041】
以上のことから、本発明によるコンデンサは、雷などの突発的なサージに対してもコンデンサの安全性が確保できるものである。
【0042】
これは、第一の電極と分割電極との間に、分割電極毎に感度の異なるヒューズ機能を有する接続部を設けることによって、先に、溶断電流の小さい接続部が溶断し、隣接する溶断電流の大きな接続部が作動しない状態では、破壊時のサージが隣接する溶断電流の大きな接続部が接続された分割電極に吸収されるため、破壊がコンデンサ全体に及ばないことによるものである。
【0043】
【表2】
【0044】
以上のように、本発明の金属化フィルムコンデンサは、安全性を確保しながらコンデンサの容量低下を抑制することができる。
【0045】
(実施の形態2)
図3(a)、(b)は本発明の実施の形態2におけるフィルムコンデンサを構成する二つの金属化フィルム43、63の平面図で、図3(c)は金属化フィルム43と金属化フィルム63とを重ねてコンデンサを構成したものを、金属化フィルム43、63の長さ方向に切断した断面図である。
【0046】
図4はコンデンサを構成した金属化フィルム43、63の幅方向の両端部に外部電極55を設けたものを、金属化フィルム43、63の幅方向に切断した断面図である。
【0047】
金属化フィルム43は、誘電体フィルム42の一方の面の、第一のマージン47、第二のマージン48、第三のマージン49a、49b、49c、49dとなる部分を除いて、アルミニウム等の金属薄膜が形成されており、この金属薄膜は第一の電極44と、複数の分割電極45と、接続部46a、46b、46c、46dを構成している。
【0048】
第一のマージン47は、誘電体フィルム42の幅方向の一方の端部に、誘電体フィルム42の長さ方向に連続して設けられ、第一の電極44は誘電体フィルム42の他方の端部に、誘電体フィルム42の長さ方向に連続して設けられている。
【0049】
分割電極45は、金属薄膜を第一のマージン47から誘電体フィルム42の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージン48によって、誘電体フィルム42における長さ方向の寸法が同じになるように分割して設けられたもので、複数の分割電極45が誘電体フィルム42の長さ方向に並ぶように設けられている。
【0050】
接続部46aは、第一の電極44と分割電極45との間に、第一の電極44と分割電極45とを接続するように設けられ、接続部46b、46c、46dは、接続部46aが接続された分割電極45に隣接する別の分割電極45に接続するように設けられ、これによって接続部46a、46b、46c、46dはヒューズとして機能することになる。
【0051】
一つの分割電極45に接続された接続部46aの誘電体フィルム42における長さ方向の寸法46awは、接続部46aが接続された分割電極45に隣接する別の分割電極45に接続された三つの接続部46b、46c、46dの誘電体フィルム42における長さ方向の寸法46bw、46cw、46dwを合計した寸法とは異なり、接続部46aの寸法46awは、第二のマージン48の第一の電極44側の端部から誘電体フィルム42の長さ方向に向かって延設された第三のマージン49aの延設端と、この延設端に隣接し対向する第二のマージン48との間の寸法となり、接続部46bの寸法46bwと接続部46cの寸法46cwと接続部46dの寸法46dwを合計した寸法は、分割電極45の誘電体フィルム42における長さ方向の寸法から、第三のマージン49b、49c、49dの誘電体フィルム42における長さ方向の寸法を除いた寸法となり、本実施の形態では接続部46aの寸法46awよりも接続部46bの寸法46bwと接続部46cの寸法46cwと接続部46dの寸法46dwを合計した寸法の方が長くなっている。
【0052】
また、接続部46a、46b、46c、46dの誘電体フィルム42における幅方向の寸法40vは第三のマージン49a、49b、49c、49dの誘電体フィルム42における幅方向の寸法と同じ寸法となっている。
【0053】
そして、接続部46aが接続された分割電極45と、接続部46bと接続部46cと接続部46dとが接続された別の分割電極45とは、誘電体フィルム42の長さ方向に交互に並ぶようになり、このような構成とすることで、溶断する電流値の異なるヒューズが、誘電体フィルム42の長さ方向に並ぶ分割電極45に交互に接続されることになる。
【0054】
図3(b)に示す金属化フィルム63も図中の符号は異なるが、金属化フィルム43と同じ構成で、金属化フィルム43と金属化フィルム63とを、図4に示すように金属化フィルム43の第一のマージン47と、金属化フィルム63の第一のマージン67とが反対側に位置するように重ねて巻回、或いは交互に積層したものに外部電極55を設けてフィルムコンデンサとしている。
【0055】
以上のような構成とすることで、一つの分割電極に接続するヒューズ機能を有する接続部が複数になっても、実施の形態1と同様に、安全性を確保しながらコンデンサの容量低下を抑制することができる。
【0056】
(実施の形態3)
図5(a)は本発明の実施の形態3におけるフィルムコンデンサを構成する金属化フィルム83の平面図、図5(b)は同じく誘電体フィルム92の平面図、図5(c)は金属化フィルム83と誘電体フィルム92とを重ねてコンデンサを構成したものを、金属化フィルム83及び、誘電体フィルム92の長さ方向に切断した断面図である。
【0057】
図6はコンデンサを構成した金属化フィルム83と誘電体フィルム92の幅方向の両端部に外部電極95を設けたものを、金属化フィルム83、誘電体フィルム92の幅方向に切断した断面図である。
【0058】
金属化フィルム83は、誘電体フィルム82の両面に金属薄膜を形成したものである。
【0059】
誘電体フィルム82の一方の面には、第一のマージン87、第二のマージン88、第三のマージン89となる部分を除いて、アルミニウム等の金属薄膜が形成されており、この金属薄膜は第一の電極84と、複数の分割電極85a、85bと、接続部86a、86bを構成している。
【0060】
第一のマージン87は、誘電体フィルム82の幅方向の一方の端部に、誘電体フィルム82の長さ方向に連続して設けられ、第一の電極84は誘電体フィルム82の他方の端部に、誘電体フィルム82の長さ方向に連続して設けられている。
【0061】
分割電極85aと分割電極85bとは誘電体フィルム82における長さ方向の寸法が異なり、分割電極85aの寸法が分割電極85bの寸法より小さくなるように、金属薄膜を第一のマージン87から誘電体フィルム82の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージン88によって分割して設けられたもので、複数の分割電極85a、85bが誘電体フィルム82の長さ方向に交互に並ぶように設けられている。
【0062】
接続部86aは、第一の電極84と分割電極85aとの間に、第一の電極84と分割電極85aとを接続するように設けられ、接続部86bは、接続部86aが接続された分割電極85aに隣接する分割電極85bに接続するように設けられ、これによって接続部86a、86bはヒューズとして機能することになる。
【0063】
分割電極85aに接続された接続部86aの誘電体フィルム82における長さ方向の寸法86awは、接続部86aが接続された分割電極85aに隣接する分割電極85bに接続された接続部86bの誘電体フィルム82における長さ方向の寸法86bwとは異なり、接続部86aの寸法86awは、第二のマージン88の第一の電極84側の端部から誘電体フィルム82の長さ方向に向かって延設された第三のマージン89の延設端と、この延設端に隣接し対向する第二のマージン88との間の寸法となり、接続部86bの誘電体フィルム82における長さ方向の寸法86bwは分割電極85bの誘電体フィルム82における長さ方向の寸法と同じ寸法となり、本実施の形態では接続部86aの寸法86awよりも接続部86bの寸法86bwの方が長くなっている。
【0064】
また、接続部86a、86bの誘電体フィルム82における幅方向の寸法80vは第三のマージン89の誘電体フィルム82における幅方向の寸法と同じ寸法となっている。
【0065】
そして、接続部86aが接続された分割電極85aと、接続部86bが接続された分割電極85bとは、誘電体フィルム82の長さ方向に交互に並ぶようになり、このような構成とすることで、溶断する電流値の異なるヒューズが、誘電体フィルムの長さ方向に並ぶ分割電極85a、85bに交互に接続されることになる。
【0066】
誘電体フィルム82の他方の面に設けた金属薄膜は、図中の符号は異なるが、誘電体フィルム82の一方の面に設けた金属薄膜と同じ構成で、一方の面の第一のマージン87と他方の面の第一のマージン107とが反対側に位置するようになっている。
【0067】
金属化フィルム83と表面に金属薄膜が設けられていない誘電体フィルム92とを重ねて巻回、或いは交互に積層したものに外部電極95を設けてフィルムコンデンサとしている。
【0068】
以上のような構成とすることで、誘電体フィルムの両面に金属薄膜を設けた金属化フィルムであっても、実施の形態1と同様に、安全性を確保しながらコンデンサの容量低下を抑制することができる。
【0069】
(実施の形態4)
図7(a)は本発明の実施の形態4におけるフィルムコンデンサを構成する金属化フィルム123の平面図、図7(b)は同じく誘電体フィルム132の平面図、図7(c)は金属化フィルム123と誘電体フィルム132とを重ねてコンデンサを構成したものを、金属化フィルム123及び、誘電体フィルム132の長さ方向に切断した断面図である。
【0070】
図8はコンデンサを構成した金属化フィルム123と誘電体フィルム132の幅方向の両端部に外部電極135を設けたものを、金属化フィルム123、誘電体フィルム132の幅方向に切断した断面図である。
【0071】
金属化フィルム123は、誘電体フィルム122の両面に金属薄膜を形成したものである。
【0072】
誘電体フィルム122の一方の面には、第一のマージン127、第二のマージン128、第三のマージン129となる部分を除いて、アルミニウム等の金属薄膜が形成されており、この金属薄膜は第一の電極124と、複数の分割電極125と、接続部126a、126bを構成している。
【0073】
第一のマージン127は、誘電体フィルム122の幅方向の一方の端部に、誘電体フィルム122の長さ方向に連続して設けられ、第一の電極124は誘電体フィルム122の他方の端部に、誘電体フィルム122の長さ方向に連続して設けられている。
【0074】
分割電極125は、金属薄膜を第一のマージン127から誘電体フィルム122の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージン128によって分割して設けられたもので、複数の分割電極125が誘電体フィルム122の長さ方向に並ぶように設けられている。
【0075】
接続部126aは、第一の電極124と分割電極125との間に、第一の電極124と分割電極125とを接続するように設けられ、接続部126bは、接続部126aが接続された分割電極125に隣接する分割電極125に接続するように設けられ、これによって接続部126a、126bはヒューズとして機能することになる。
【0076】
一つの分割電極125に接続された接続部126aの誘電体フィルム122の長さ方向における寸法126awは、接続部126aが接続された分割電極125に隣接する別の分割電極125に接続された接続部126bの誘電体フィルム122における長さ方向の寸法126bwとは異なり、接続部126aの寸法126awは、第二のマージン128の第一の電極124側の端部から誘電体フィルム122の長さ方向に向かって延設された第三のマージン129の延設端と、この延設端に隣接し対向する第二のマージン128との間の寸法となり、接続部126bの誘電体フィルム122における長さ方向の寸法126bwは分割電極125の誘電体フィルム122における長さ方向の寸法と同じ寸法となり、本実施の形態では接続部126aの寸法126awよりも接続部126bの寸法126bwの方が長くなっている。
【0077】
また、接続部126a、126bの誘電体フィルム122における幅方向の寸法120vは第三のマージン129の誘電体フィルム122における幅方向の寸法と同じ寸法となっている。
【0078】
そして、接続部126aが接続された分割電極125と、接続部126bが接続された分割電極125とは、誘電体フィルム122の長さ方向に交互に並ぶようになり、このような構成とすることで、溶断する電流値の異なるヒューズが、誘電体フィルムの長さ方向に並ぶ分割電極125に交互に接続されることになる。
【0079】
誘電体フィルム122の他方の面に設けた金属薄膜は、図中の符号は異なるが、誘電体フィルム122の一方の面に設けた金属薄膜と同じ構成で、一方の面の第一のマージン127と他方の面の第一のマージン147とが反対側に位置するようになり、誘電体フィルム122の一方の面に設けられた分割電極125と、誘電体フィルムの他方の面に設けられた分割電極145とは、誘電体フィルム122を介して、誘電体フィルム122における長さ方向の寸法が長い接続部が接続された分割電極と、誘電体フィルム122における長さ方向の寸法が短い接続部が接続された分割電極とが同じ位置で対向するように設けられている。
【0080】
金属化フィルム123と表面に金属薄膜が設けられていない誘電体フィルム132とを重ねて巻回、或いは交互に積層したものに外部電極135を設けてフィルムコンデンサとしている。
【0081】
以上のような構成とすることで、金属化フィルム123と誘電体フィルム132を重ねて巻回、或いは積層した場合に、誘電体フィルム122における長さ方向の寸法が長い接続部が接続された分割電極だけが幾層にも重なることがなくなるので、より安全性を確保できるとともに、コンデンサの容量低下を抑制することができる。
【0082】
(実施の形態5)
図9(a)は本発明の実施の形態5におけるフィルムコンデンサを構成する金属化フィルム163の平面図、図9(b)は同じく誘電体フィルム172の平面図、図9(c)は金属化フィルム163と誘電体フィルム172とを重ねてコンデンサを構成したものを、金属化フィルム163及び、誘電体フィルム172の長さ方向に切断した断面図である。
【0083】
図10はコンデンサを構成した金属化フィルム163と誘電体フィルム172の幅方向の両端部に外部電極175を設けたものを、金属化フィルム163、誘電体フィルム172の幅方向に切断した断面図である。
【0084】
金属化フィルム163は、誘電体フィルム162の両面に金属薄膜を形成したものである。
【0085】
誘電体フィルム162の一方の面には、第一のマージン167、第二のマージン168、第三のマージン169となる部分を除いて、アルミニウム等の金属薄膜が形成されており、この金属薄膜は第一の電極164と、複数の分割電極165と、接続部166a、166b、166c、166dを構成している。
【0086】
第一のマージン167は、誘電体フィルム162の幅方向の一方の端部に、誘電体フィルム162の長さ方向に連続して設けられ、第一の電極164は誘電体フィルム162の他方の端部に、誘電体フィルム162の長さ方向に連続して設けられている。
【0087】
分割電極165は、金属薄膜を第一のマージン167から誘電体フィルム162の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージン168によって分割して設けられたもので、誘電体フィルム162における長さ方向の寸法が同じ複数の分割電極165が誘電体フィルム162の長さ方向に並ぶように設けられている。
【0088】
接続部166a、166b、166c、166dは、第一の電極164と誘電体フィルムの長さ方向に隣接して並ぶ分割電極165との間にそれぞれ、第一の電極164と分割電極165とを接続するように設けられ、これによって接続部166a、166b、166c、166dはヒューズとして機能することになる。
【0089】
分割電極165に接続された接続部166aの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法166awは、第二のマージン168の第一の電極164側の端部から誘電体フィルム162の長さ方向に向かって延設された第三のマージン169aの延設端と、この延設端に隣接し対向する第二のマージン168との間の寸法となり、接続部166bの寸法166bwは、第二のマージン168の第一の電極164側の端部から誘電体フィルム162の長さ方向に向かって延設された第三のマージン169bの延設端と、この延設端に隣接し対向する第二のマージン168との間の寸法となり、接続部166cの寸法166cwは、第二のマージン168の第一の電極164側の端部から誘電体フィルム162の長さ方向に向かって延設された第三のマージン169cの延設端と、この延設端に隣接し対向する第二のマージン168との間の寸法となり、接続部166dの寸法166dwは、分割電極165の誘電体フィルム162における長さ方向の寸法と同じ寸法となっている。
【0090】
また、接続部166a、166b、166c、166dの誘電体フィルム162における幅方向の寸法160vは第三のマージン169a、169b、169cの誘電体フィルム162における幅方向の寸法と同じ寸法となっている。
【0091】
誘電体フィルム162の他方の面に設けた金属薄膜は、図中の符号は異なるが、接続部186g、186h、186i、186jの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法186gw、186hw、186iw、186jw、および第三のマージン189g、189h、189iの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法が異なる以外は、誘電体フィルム162の一方の面に設けた金属薄膜と同じ構成で、一方の面の第一のマージン167と他方の面の第一のマージン187(図示せず)とが反対側に位置するようになり、誘電体フィルム162の一方の面に設けられた分割電極165と、誘電体フィルム162の他方の面に設けられた分割電極185とは誘電体フィルム162を介して対向するように同じ位置に設けられている。
【0092】
そして、誘電体フィルム162の一方の面と他方の面とに設けられた接続部において、接続部166dの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法166dwと、接続部186jの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法186jwとは同じで、この接続部166d、186jの誘電体フィルム162の長さ方向における寸法166dw、186jwは、接続部166a、166b、166c、186g、186h、186iの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法166aw、166bw、166cw、186gw、186hw、186iwとは異なり、更に、接続部166aの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法166awと、接続部166bの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法166bwと、接続部166cの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法166cwと、接続部186gの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法186gwと、接続部186hの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法186hwと、接続部186iの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法186iwとは全て異なっている。
【0093】
金属化フィルム163と表面に金属薄膜が設けられていない誘電体フィルム172とを重ねて巻回、或いは交互に積層したものに外部電極175を設けてフィルムコンデンサとしている。
【0094】
以上のような構成とすることで、誘電体フィルム162の長さ方向における寸法の異なる接続部が接続された七種類の分割電極が存在することになり、安全性が確保できるとともに、コンデンサの容量減少をより抑制することができる。
【0095】
(実施の形態6)
図11(a)は本発明の実施の形態6におけるフィルムコンデンサを構成する金属化フィルム203の平面図、図11(b)は同じく誘電体フィルム212の平面図、図11(c)は金属化フィルム203と誘電体フィルム212とを重ねてコンデンサを構成したものを、金属化フィルム203及び、誘電体フィルム212の長さ方向に切断した断面図である。
【0096】
図12はコンデンサを構成した金属化フィルム203と誘電体フィルム212の幅方向の両端部に外部電極215を設けたものを、金属化フィルム203、誘電体フィルム212の幅方向に切断した断面図である。
【0097】
金属化フィルム203は、誘電体フィルム202の両面に金属薄膜を形成したものである。
【0098】
誘電体フィルム202の一方の面には、第一のマージン207、第二のマージン208、第三のマージン209となる部分を除いて、アルミニウム等の金属薄膜が形成されており、この金属薄膜は第一の電極204と、複数の分割電極205と、接続部206a、206bを構成している。
【0099】
第一のマージン207は、誘電体フィルム202の幅方向の一方の端部に、誘電体フィルム202の長さ方向に連続して設けられ、第一の電極204は誘電体フィルム202の他方の端部に、誘電体フィルム202の長さ方向に連続して設けられている。
【0100】
分割電極205は、金属薄膜を第一のマージン207から誘電体フィルム202の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージン208によって分割して設けられたもので、誘電体フィルム202における長さ方向の寸法が同じ複数の分割電極205が誘電体フィルム202の長さ方向に並ぶように設けられている。
【0101】
接続部206a、206bは、第一の電極204と誘電体フィルムの長さ方向に隣接して並ぶ分割電極205との間にそれぞれ、第一の電極204と分割電極205とを接続するように設けられ、これによって接続部206a、206bはヒューズとして機能することになる。
【0102】
分割電極205に接続された接続部206aの誘電体フィルム202における長さ方向の寸法206awは、第二のマージン208の第一の電極204側の端部から誘電体フィルム202の長さ方向に向かって延設された第三のマージン209の延設端と、この延設端に隣接し対向する第二のマージン208との間の寸法となり、接続部206bの寸法206bwは、分割電極205の誘電体フィルム202における長さ方向の寸法と同じ寸法となり、本実施の形態では接続部206aの寸法206awよりも接続部206bの寸法206bwの方が長くなっている。
【0103】
また、接続部206a、206bの誘電体フィルム202における幅方向の寸法200vは第三のマージン209の誘電体フィルム202における幅方向の寸法と同じ寸法となっている。
【0104】
接続部206aが接続された分割電極205と、接続部206bが接続された分割電極205とは、誘電体フィルム202の長さ方向に交互に並ぶようになり、このような構成とすることで、溶断する電流値の異なるヒューズが、誘電体フィルムの長さ方向に並ぶ分割電極205に交互に接続されることになる。
【0105】
そして、誘電体フィルム202の他方の面に設けた分割電極225の誘電体フィルム202における長さ方向の寸法は、誘電体を挟んで対向する分割電極205の誘電体フィルム202における長さ方向の寸法よりも長く、分割電極225に分割電極205が複数対向するような寸法となっている。
【0106】
上記のような構成のため、誘電体フィルム202の他方の面に設けた金属薄膜は、誘電体フィルム202における長さ方向の寸法が同じになるように設けられた複数の分割電極225の誘電体フィルム202における長さ方向の寸法と、接続部226bの誘電体フィルム202における長さ方向の寸法226bwと、第三のマージン229の誘電体フィルム202における長さ方向の寸法とが、誘電体フィルム202の一方の面に設けた金属薄膜と異なっている。
【0107】
その他の構成は、図中の符号は異なるが、誘電体フィルム202の一方の面に設けた金属薄膜と同じになっており、一方の面の第一のマージン207と他方の面の第一のマージン227とが反対側に位置するようになっている。
【0108】
金属化フィルム203と表面に金属薄膜が設けられていない誘電体フィルム212とを重ねて巻回、或いは交互に積層したものに外部電極215を設けてフィルムコンデンサとしている。
【0109】
以上のような構成とすることで、金属化フィルム203と誘電体フィルム212を重ねて巻回、或いは積層した場合に、誘電体フィルム212における長さ方向の寸法が長い接続部が接続された分割電極に、必ず誘電体フィルム212における長さ方向の寸法が短い接続部が接続された分割電極に対向するようになるので、より安全性が確保できるとともに、よりコンデンサの容量低下を抑制することができる。
【0110】
尚、本実施の形態では誘電体フィルムの両面に金属薄膜を形成した金属化フィルムを例に説明したが、本実施例の誘電体フィルムの一方の面に設けた金属薄膜と、他方の面に設けた金属薄膜とを、それぞれ別の二つの誘電体フィルムの片面に設けるようにしてもよい。
【0111】
(実施の形態7)
図13(a)、(b)は本発明の実施の形態7におけるフィルムコンデンサを構成する二つの金属化フィルム243、263の平面図で、図13(c)は金属化フィルム243と金属化フィルム263とを重ねてコンデンサを構成したものを、金属化フィルム243、263の長さ方向に切断した断面図である。
【0112】
図14はコンデンサを構成した金属化フィルム243、263の幅方向の両端部に外部電極255を設けたものを、金属化フィルム243、263の幅方向に切断した断面図である。
【0113】
金属化フィルム243は、誘電体フィルム242の一方の面の、第一のマージン247、第二のマージン248、第三のマージン249となる部分を除いて、アルミニウム等の金属薄膜が形成されており、この金属薄膜は第一の電極244と、分割電極245と、接続部246a、246bを構成している。
【0114】
第一のマージン247は、誘電体フィルム242の幅方向の一方の端部に、誘電体フィルム242の長さ方向に連続して設けられ、第一の電極244は誘電体フィルム242の他方の端部に、誘電体フィルム242の長さ方向に連続して設けられている。
【0115】
分割電極245は、第一のマージン247から誘電体フィルム242の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージン248によって分割された金属薄膜が、誘電体フィルム242の長さ方向に並ぶように設けられている。
【0116】
接続部246a、246bは、第一の電極244と分割電極245との間に、第一の電極244と分割電極245とを接続するように設けられ、これによって接続部246a、246bはヒューズとして機能することになる。
【0117】
接続部246aと接続部246bとの誘電体フィルム242における長さ方向の寸法は異なり、接続部246aの寸法246awは、第二のマージン248の第一の電極244側の端部から誘電体フィルム242の長さ方向に向かって延設された、対向する二つの第三のマージン249の延設端の間の寸法となり、接続部246bの寸法246bwは分割電極245の誘電体フィルム242における長さ方向の寸法と同じ寸法となり、本実施の形態では接続部246aの寸法246awよりも接続部246bの寸法246bwの方が長くなっている。
【0118】
また、接続部246a、246bは誘電体フィルム242の幅方向の略中央部に設けられ、接続部246a、246bの誘電体フィルム242における幅方向の寸法240vは第三のマージン249の誘電体フィルム242における幅方向の寸法と同じ寸法となっている。
【0119】
そして、接続部246aが接続された分割電極245と、接続部246bが接続された別の分割電極245とは、誘電体フィルム242の長さ方向に交互に並ぶようになり、このような構成とすることで、溶断する電流値の異なるヒューズが、誘電体フィルム242の長さ方向に並ぶ分割電極245に交互に接続されることになる。
【0120】
図13(b)に示す金属化フィルム263も図中の符号は異なるが、金属化フィルム243と同じ構成で、金属化フィルム243と金属化フィルム263とを、図14に示すように金属化フィルム243の第一のマージン247と、金属化フィルム263の第一のマージン267とが反対側に位置するように重ねて巻回、或いは交互に積層したものに外部電極255を設けてフィルムコンデンサとしている。
【0121】
以上のような構成とすることで、分割電極のない第一の電極には必ず分割電極が対向するようになるので安全性が確保でき、接続部の溶断によって切断される分割電極の面積が小さくなるのでコンデンサの容量低下をより小さくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0122】
以上のように本発明による金属化フィルムコンデンサは、安全性を損なうことなくヒューズの作動による容量減少を最小限に抑えることができるので、電源の雑音防止用のコンデンサとして有用である。
【符号の説明】
【0123】
2、22 誘電体フィルム
3、23 金属化フィルム
4、24 第一の電極
5a、5b、25a、25b 分割電極
6a、6b、26a、26b 接続部
7、27 第一のマージン
8、28 第二のマージン
9、29 第三のマージン
15 外部電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、素子内部に保安機構を設けることによって安全性を高めたフィルムコンデンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンデンサの安全性を高めるため、保安機構を設けた金属化フィルムコンデンサが数多く提案されている。そして特許文献1に記載されたフィルムコンデンサもその一例である。
【0003】
上記特許文献1に記載されたコンデンサは、パターンマージンによって金属蒸着膜にヒューズ機能をもたせた金属化フィルムを用いたもので、図15に示すように、金属化フィルム303の長さ方向に並ぶ分割電極305の夫々に、ヒューズ306を設けた構成で、例えば、電源の雑音防止用に使用した場合に、雷サージや、内部からのノイズによるパルス電圧等の異常な高電圧がコンデンサに印加された状態になったり、稼動が長時間に及ぶと、金属蒸着膜に挟まれた誘電体フィルムに絶縁破壊が生じ、この誘電体フィルムの絶縁破壊に伴って流れる大電流によってヒューズ306を溶断して電流を遮断し、コンデンサの発火、発煙等を防ぐことを目的としている。
【0004】
しかし、このようなパターンマージンによって分割電極にヒューズを設けた金属化フィルムを用いたコンデンサは、ヒューズの溶断によってコンデンサの容量を形成する電極が切り離されてしまうため、ヒューズの作動に伴うコンデンサの容量の減少は避けられないものであった。
【0005】
そして、従来のコンデンサでは、全て同じ感度のヒューズが分割電極毎に設けられているため、ヒューズに流れる電流が一定値を超えると殆どのヒューズが溶断してしまい、その結果コンデンサの容量が大きく減少し、実使用に問題をきたす状態に至ることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−176447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、コンデンサ素子を構成する金属化フィルムにヒューズ機能が設けられたフィルムコンデンサにおいて、安全性を損なうことなく、ヒューズ機能の作動による容量減少を最小限に抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、誘電体フィルムの幅方向の一方の端部に前記誘電体フィルムの長さ方向に連続して設けられた第一のマージンを除いて金属薄膜からなる電極を備えた金属化フィルムを、前記電極が前記誘電体フィルムを挟んで対向し、前記誘電体フィルムのそれぞれの面の第一のマージンが反対側に位置するように巻回または積層し、両端に外部電極を形成した金属化フィルムコンデンサであって、前記電極は、前記誘電体フィルムの幅方向の他方側の前記誘電体フィルムの長さ方向に連続して設けられた第一の電極と、前記第一のマージンから前記誘電体フィルムの幅方向の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージンによって、フィルムの長さ方向に並ぶように分割された複数の分割電極と、この分割電極と前記第一の電極とを電気的に接続するヒューズ機能を持つ接続部とを備え、前記接続部は前記分割電極に少なくとも一つ以上設けられ、一つの前記分割電極に接続された前記接続部の前記誘電体フィルムにおける長さ方向の合計の寸法が、少なくとも二つ以上の異なる寸法となるように個々の前記分割電極に接続された構成としたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の金属化フィルムコンデンサは、コンデンサ素子を構成する金属化フィルムの、幅方向の一端の誘電体フィルムの長さ方向に連続して設けられた第一の電極と、長さ方向に並ぶように分割して設けられた複数の分割電極とを電気的に接続する接続部にヒューズ機能を持たせ、一つの分割電極に接続された接続部の誘電体フィルムにおける長さ方向の寸法が、少なくとも二つ以上の異なる寸法となるように個々の分割電極に接続することによって、第一の電極と個々の分割電極との間にそれぞれ感度の異なる、即ち溶断する電流値の異なるヒューズが設けられることになり、その結果誘電体フィルムの破壊時においてヒューズに流れる電流の電流値が、ヒューズが溶断する電流値を超えたヒューズのみが溶断してコンデンサの発火、発煙を未然に回避し、溶断する電流値が高く設定されたヒューズは溶断することがなく、コンデンサの容量低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における(a)金属化フィルム3の平面図、(b)金属化フィルム23の平面図、(c)金属化フィルム3と金属化フィルム23を重ねた状態での図1(a)線A−A断面と図1(b)線A2−A2断面の図
【図2】本発明の実施の形態1における金属化フィルム3と金属化フィルム23を重ね、外部電極を形成した状態での図1(a)線B−B断面と図1(b)線B2−B2断面の図
【図3】本発明の実施の形態2における(a)金属化フィルム43の平面図、(b)金属化フィルム63の平面図、(c)金属化フィルム43と金属化フィルム63を重ねた状態での図3(a)線A4−A4断面と図3(b)線A6−A6断面の図
【図4】本発明の実施の形態2における金属化フィルム43と金属化フィルム63を重ね、外部電極を形成した状態での図3(a)線B4−B4断面と図3(b)線B6−B6断面の図
【図5】本発明の実施の形態3における(a)金属化フィルム83の平面図、(b)誘電体フィルム92の平面図、(c)金属化フィルム83と誘電体フィルム92を重ねた状態での図5(a)線A8−A8断面と図5(b)線A9−A9断面の図
【図6】本発明の実施の形態3における金属化フィルム83と誘電体フィルム92を重ね、外部電極を形成した状態での図5(a)線B8−B8断面と図5(b)線B9−B9断面の図
【図7】本発明の実施の形態4における(a)金属化フィルム123の平面図、(b)誘電体フィルム132の平面図、(c)金属化フィルム123と誘電体フィルム132を重ねた状態での図7(a)線A12−A12断面と図7(b)線A13−A13断面の図
【図8】本発明の実施の形態4における金属化フィルム123と誘電体フィルム132を重ね、外部電極を形成した状態での図7(a)線B12−B12断面と図7(b)線B13−B13断面の図
【図9】本発明の実施の形態5における(a)金属化フィルム163の平面図、(b)誘電体フィルム172の平面図、(c)金属化フィルム163と誘電体フィルム172を重ねた状態での図9(a)線A16−A16断面と図9(b)線A17−A17断面の図
【図10】本発明の実施の形態5における金属化フィルム163と誘電体フィルム172を重ね、外部電極を形成した状態での図9(a)線B16−B16断面と図9(b)線B17−B17断面の図
【図11】本発明の実施の形態6における(a)金属化フィルム203の平面図、(b)誘電体フィルム212の平面図、(c)金属化フィルム203と誘電体フィルム212を重ねた状態での図11(a)線A20−A20断面と図11(b)線A21−A21断面の図
【図12】本発明の実施の形態6における金属化フィルム203と誘電体フィルム212を重ね、外部電極を形成した状態での図11(a)線B20−B20断面と図11(b)線B21−B21断面の図
【図13】本発明の実施の形態7における(a)金属化フィルム243の平面図、(b)金属化フィルム263の平面図、(c)金属化フィルム243と金属化フィルム263を重ねた状態での図13(a)線A24−A24断面と図13(b)線A26−A26断面の図
【図14】本発明の実施の形態7における金属化フィルム243と金属化フィルム263を重ね、外部電極を形成した状態での図13(a)線B24−B24断面と図13(b)線B26−B26断面の図
【図15】従来のフィルムコンデンサに用いられる金属化フィルムの平面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1(a)、(b)は本発明の実施の形態1におけるフィルムコンデンサを構成する二つの金属化フィルム3、23の平面図で、図1(c)は金属化フィルム3と金属化フィルム23とを重ねてコンデンサを構成したものを、金属化フィルム3、23の長さ方向に切断した断面図である。
【0013】
図2はコンデンサを構成した金属化フィルム3、23の幅方向の両端部に外部電極15を設けたものを、金属化フィルム3、23の幅方向に切断した断面図である。
【0014】
金属化フィルム3は、誘電体フィルム2の一方の面の、第一のマージン7、第二のマージン8、第三のマージン9となる部分を除いて、アルミニウム等の金属薄膜が形成されており、この金属薄膜は第一の電極4と、分割電極5a、5bと、接続部6a、6bを構成している。
【0015】
第一のマージン7は、誘電体フィルム2の幅方向の一方の端部に、誘電体フィルム2の長さ方向に連続して設けられ、第一の電極4は誘電体フィルム2の他方の端部に、誘電体フィルム2の長さ方向に連続して設けられている。
【0016】
分割電極5aと分割電極5bとは、第一のマージン7から誘電体フィルム2の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージン8によって分割された金属薄膜が、誘電体フィルム2の長さ方向に交互に並ぶように設けられている。
【0017】
接続部6a、6bは、第一の電極4と分割電極5a、5bとの間に、第一の電極4と分割電極5a、5bとを接続するように設けられ、これによって接続部6a、6bはヒューズとして機能することになる。
【0018】
接続部6aと接続部6bとの誘電体フィルム2における長さ方向の寸法は異なり、接続部6aの寸法6awは、第二のマージン8の第一の電極4側の端部から誘電体フィルム2の長さ方向に向かって延設された第三のマージン9の延設端と、この延設端に隣接し対向する第二のマージン8との間の寸法となり、接続部6bの寸法6bwは分割電極5bの誘電体フィルム2における長さ方向の寸法と同じ寸法となり、本実施の形態では接続部6aの寸法6awよりも接続部6bの寸法6bwの方が長くなっている。
【0019】
また、接続部6a、6bの誘電体フィルム2における幅方向の寸法vは第三のマージン9の誘電体フィルム2における幅方向の寸法と同じ寸法となっている。
【0020】
そして、接続部6aが接続された分割電極5aと、接続部6bが接続された分割電極5bとは、誘電体フィルム2の長さ方向に交互に並ぶようになり、このような構成とすることで、溶断する電流値の異なるヒューズが、誘電体フィルム2の長さ方向に並ぶ分割電極5a、5bに交互に接続されることになる。
【0021】
図1(b)に示す金属化フィルム23も図中の符号は異なるが、金属化フィルム3と同じ構成で、金属化フィルム3と金属化フィルム23とを、図2に示すように金属化フィルム3の第一のマージン7と、金属化フィルム23の第一のマージン27とが反対側に位置するように重ねて巻回、或いは交互に積層したものに外部電極15を設けてフィルムコンデンサとしている。
【0022】
(実施例1)
次に上記実施の形態1における具体的な実施例1について説明する。
【0023】
誘電体フィルム2、22には厚さが6μmのポリプロピレンフィルムを用い、その一方の表面に、オイルマージン法により、第一のマージン7、27、第二のマージン8、28、第三のマージン9、29を形成するとともに、第一の電極4、24、分割電極5a、5b、25a、25b、接続部6a、6b、26a、26bとなるアルミニウムの金属薄膜を、表面抵抗が3〜4.5Ω/□となるように真空蒸着により形成して金属化フィルム3、23とした。
【0024】
このときの誘電体フィルム2、22の幅は27mm、第一のマージン7、27の幅は2.7mm、第二のマージン8、28の幅は0.4mm、第三のマージン9、29の幅(誘電体フィルム2、22における幅方向の寸法)は1.0mm、第一の電極4、24の幅は1.3mm、分割電極5a、25aの幅(誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法)は4.8mm、分割電極5b、25bの幅(誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法)は7.5mm、接続部6a、26aは誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法6aw、26awが0.8mmで誘電体フィルム2、22における幅方向の寸法v、20vが1.0mm、接続部6b、26bは誘電体フィルム2、22の長さ方向における寸法6bw、26bwが7.5mmで誘電体フィルム2、22における幅方向の寸法v、20vが1.0mmとなっている。
【0025】
上記のような金属化フィルム3と23とを、金属化フィルム3の第一のマージン7と、金属化フィルム23の第一のマージン27が反対側に位置するように重ねて巻回し、巻回体の一対の両端面に外部電極15を形成して容量が2.2μFのフィルムコンデンサとした。
【0026】
(実施例2)
実施例2として、実施例1の接続部6a、26aの誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法6aw、26awを0.5mmとした以外は実施例1と同じ構成とした。
【0027】
(実施例3)
実施例3として、実施例1の接続部6a、26aの誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法6aw、26awを1.5mmとした以外は実施例1と同じ構成とした。
【0028】
(実施例4)
実施例4として、実施例1の接続部6a、26aの誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法6aw、26awを3.0mmとした以外は実施例1と同じ構成とした。
【0029】
(実施例5)
実施例5として、実施例1の接続部6b、26bの誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法6bw、26bwを4.8mmとした以外は実施例1と同じ構成とした。
【0030】
(実施例6)
実施例6として、実施例1の接続部6b、26bの誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法6bw、26bwを10.5mmとした以外は実施例1と同じ構成とした。
【0031】
(比較例1)
比較例1として、実施例1の接続部6b、26bの誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法6bw、26bwを接続部6a、26aと同じ、0.8mmとした以外は実施例1と同じ構成とした。
【0032】
(比較例2)
比較例2として、実施例1の接続部6a、26aの誘電体フィルム2、22における長さ方向の寸法6aw、26awを接続部6b、26bと同じ、7.5mmとした以外は実施例1と同じ構成とした。
【0033】
実施例1〜6及び比較例1、2で作製したコンデンサを、試験法JISC5101−14 4.14 耐久性試験にてコンデンサの長時間連続使用に対する耐久性を評価した。その結果を(表1)に示す。
【0034】
(表1)に示すように、本発明における実施例1〜6のコンデンサでは耐久試験後のコンデンサの容量変化は、−4〜−10%となり、また試験中のコンデンサの発火、発煙もなかった。
【0035】
一方、比較例1では発火、発煙はないもののコンデンサの容量変化が−30%と、大きく減少し、比較例2では、試験中のコンデンサから発煙を起こし、コンデンサの容量を測定できない状態になった。
【0036】
以上のことから、本発明によるコンデンサは、長時間の連続使用に対して容量低下が抑制され、発火、発煙もなくコンデンサの機能を長時間維持することができる。
【0037】
これは、第一の電極と分割電極との間に、分割電極毎に感度の異なるヒューズ機能を有する接続部を設けることによって、接続部に流れる電流値に応じて段階的にヒューズ機能が作動することと、先に、溶断電流の小さい接続部が溶断し、隣接する溶断電流の大きな接続部が作動しない状態では、破壊時のサージが隣接する溶断電流の大きな接続部が接続された分割電極に吸収されるため、容量減少がコンデンサ全体に及ばないことによるものである。
【0038】
【表1】
【0039】
実施例1〜6及び比較例1、2で作製したフィルムコンデンサを、試験法JISC5101−14 4.18 発火性試験にて雷などの突発的なサージに対するコンデンサの耐性を評価した。その結果を(表2)に示す。
【0040】
(表2)に示すように、本発明における実施例1〜6のコンデンサでは発火性試験においてコンデンサの発火、発煙はなかったが、比較例1、2共に、コンデンサが発火した。
【0041】
以上のことから、本発明によるコンデンサは、雷などの突発的なサージに対してもコンデンサの安全性が確保できるものである。
【0042】
これは、第一の電極と分割電極との間に、分割電極毎に感度の異なるヒューズ機能を有する接続部を設けることによって、先に、溶断電流の小さい接続部が溶断し、隣接する溶断電流の大きな接続部が作動しない状態では、破壊時のサージが隣接する溶断電流の大きな接続部が接続された分割電極に吸収されるため、破壊がコンデンサ全体に及ばないことによるものである。
【0043】
【表2】
【0044】
以上のように、本発明の金属化フィルムコンデンサは、安全性を確保しながらコンデンサの容量低下を抑制することができる。
【0045】
(実施の形態2)
図3(a)、(b)は本発明の実施の形態2におけるフィルムコンデンサを構成する二つの金属化フィルム43、63の平面図で、図3(c)は金属化フィルム43と金属化フィルム63とを重ねてコンデンサを構成したものを、金属化フィルム43、63の長さ方向に切断した断面図である。
【0046】
図4はコンデンサを構成した金属化フィルム43、63の幅方向の両端部に外部電極55を設けたものを、金属化フィルム43、63の幅方向に切断した断面図である。
【0047】
金属化フィルム43は、誘電体フィルム42の一方の面の、第一のマージン47、第二のマージン48、第三のマージン49a、49b、49c、49dとなる部分を除いて、アルミニウム等の金属薄膜が形成されており、この金属薄膜は第一の電極44と、複数の分割電極45と、接続部46a、46b、46c、46dを構成している。
【0048】
第一のマージン47は、誘電体フィルム42の幅方向の一方の端部に、誘電体フィルム42の長さ方向に連続して設けられ、第一の電極44は誘電体フィルム42の他方の端部に、誘電体フィルム42の長さ方向に連続して設けられている。
【0049】
分割電極45は、金属薄膜を第一のマージン47から誘電体フィルム42の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージン48によって、誘電体フィルム42における長さ方向の寸法が同じになるように分割して設けられたもので、複数の分割電極45が誘電体フィルム42の長さ方向に並ぶように設けられている。
【0050】
接続部46aは、第一の電極44と分割電極45との間に、第一の電極44と分割電極45とを接続するように設けられ、接続部46b、46c、46dは、接続部46aが接続された分割電極45に隣接する別の分割電極45に接続するように設けられ、これによって接続部46a、46b、46c、46dはヒューズとして機能することになる。
【0051】
一つの分割電極45に接続された接続部46aの誘電体フィルム42における長さ方向の寸法46awは、接続部46aが接続された分割電極45に隣接する別の分割電極45に接続された三つの接続部46b、46c、46dの誘電体フィルム42における長さ方向の寸法46bw、46cw、46dwを合計した寸法とは異なり、接続部46aの寸法46awは、第二のマージン48の第一の電極44側の端部から誘電体フィルム42の長さ方向に向かって延設された第三のマージン49aの延設端と、この延設端に隣接し対向する第二のマージン48との間の寸法となり、接続部46bの寸法46bwと接続部46cの寸法46cwと接続部46dの寸法46dwを合計した寸法は、分割電極45の誘電体フィルム42における長さ方向の寸法から、第三のマージン49b、49c、49dの誘電体フィルム42における長さ方向の寸法を除いた寸法となり、本実施の形態では接続部46aの寸法46awよりも接続部46bの寸法46bwと接続部46cの寸法46cwと接続部46dの寸法46dwを合計した寸法の方が長くなっている。
【0052】
また、接続部46a、46b、46c、46dの誘電体フィルム42における幅方向の寸法40vは第三のマージン49a、49b、49c、49dの誘電体フィルム42における幅方向の寸法と同じ寸法となっている。
【0053】
そして、接続部46aが接続された分割電極45と、接続部46bと接続部46cと接続部46dとが接続された別の分割電極45とは、誘電体フィルム42の長さ方向に交互に並ぶようになり、このような構成とすることで、溶断する電流値の異なるヒューズが、誘電体フィルム42の長さ方向に並ぶ分割電極45に交互に接続されることになる。
【0054】
図3(b)に示す金属化フィルム63も図中の符号は異なるが、金属化フィルム43と同じ構成で、金属化フィルム43と金属化フィルム63とを、図4に示すように金属化フィルム43の第一のマージン47と、金属化フィルム63の第一のマージン67とが反対側に位置するように重ねて巻回、或いは交互に積層したものに外部電極55を設けてフィルムコンデンサとしている。
【0055】
以上のような構成とすることで、一つの分割電極に接続するヒューズ機能を有する接続部が複数になっても、実施の形態1と同様に、安全性を確保しながらコンデンサの容量低下を抑制することができる。
【0056】
(実施の形態3)
図5(a)は本発明の実施の形態3におけるフィルムコンデンサを構成する金属化フィルム83の平面図、図5(b)は同じく誘電体フィルム92の平面図、図5(c)は金属化フィルム83と誘電体フィルム92とを重ねてコンデンサを構成したものを、金属化フィルム83及び、誘電体フィルム92の長さ方向に切断した断面図である。
【0057】
図6はコンデンサを構成した金属化フィルム83と誘電体フィルム92の幅方向の両端部に外部電極95を設けたものを、金属化フィルム83、誘電体フィルム92の幅方向に切断した断面図である。
【0058】
金属化フィルム83は、誘電体フィルム82の両面に金属薄膜を形成したものである。
【0059】
誘電体フィルム82の一方の面には、第一のマージン87、第二のマージン88、第三のマージン89となる部分を除いて、アルミニウム等の金属薄膜が形成されており、この金属薄膜は第一の電極84と、複数の分割電極85a、85bと、接続部86a、86bを構成している。
【0060】
第一のマージン87は、誘電体フィルム82の幅方向の一方の端部に、誘電体フィルム82の長さ方向に連続して設けられ、第一の電極84は誘電体フィルム82の他方の端部に、誘電体フィルム82の長さ方向に連続して設けられている。
【0061】
分割電極85aと分割電極85bとは誘電体フィルム82における長さ方向の寸法が異なり、分割電極85aの寸法が分割電極85bの寸法より小さくなるように、金属薄膜を第一のマージン87から誘電体フィルム82の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージン88によって分割して設けられたもので、複数の分割電極85a、85bが誘電体フィルム82の長さ方向に交互に並ぶように設けられている。
【0062】
接続部86aは、第一の電極84と分割電極85aとの間に、第一の電極84と分割電極85aとを接続するように設けられ、接続部86bは、接続部86aが接続された分割電極85aに隣接する分割電極85bに接続するように設けられ、これによって接続部86a、86bはヒューズとして機能することになる。
【0063】
分割電極85aに接続された接続部86aの誘電体フィルム82における長さ方向の寸法86awは、接続部86aが接続された分割電極85aに隣接する分割電極85bに接続された接続部86bの誘電体フィルム82における長さ方向の寸法86bwとは異なり、接続部86aの寸法86awは、第二のマージン88の第一の電極84側の端部から誘電体フィルム82の長さ方向に向かって延設された第三のマージン89の延設端と、この延設端に隣接し対向する第二のマージン88との間の寸法となり、接続部86bの誘電体フィルム82における長さ方向の寸法86bwは分割電極85bの誘電体フィルム82における長さ方向の寸法と同じ寸法となり、本実施の形態では接続部86aの寸法86awよりも接続部86bの寸法86bwの方が長くなっている。
【0064】
また、接続部86a、86bの誘電体フィルム82における幅方向の寸法80vは第三のマージン89の誘電体フィルム82における幅方向の寸法と同じ寸法となっている。
【0065】
そして、接続部86aが接続された分割電極85aと、接続部86bが接続された分割電極85bとは、誘電体フィルム82の長さ方向に交互に並ぶようになり、このような構成とすることで、溶断する電流値の異なるヒューズが、誘電体フィルムの長さ方向に並ぶ分割電極85a、85bに交互に接続されることになる。
【0066】
誘電体フィルム82の他方の面に設けた金属薄膜は、図中の符号は異なるが、誘電体フィルム82の一方の面に設けた金属薄膜と同じ構成で、一方の面の第一のマージン87と他方の面の第一のマージン107とが反対側に位置するようになっている。
【0067】
金属化フィルム83と表面に金属薄膜が設けられていない誘電体フィルム92とを重ねて巻回、或いは交互に積層したものに外部電極95を設けてフィルムコンデンサとしている。
【0068】
以上のような構成とすることで、誘電体フィルムの両面に金属薄膜を設けた金属化フィルムであっても、実施の形態1と同様に、安全性を確保しながらコンデンサの容量低下を抑制することができる。
【0069】
(実施の形態4)
図7(a)は本発明の実施の形態4におけるフィルムコンデンサを構成する金属化フィルム123の平面図、図7(b)は同じく誘電体フィルム132の平面図、図7(c)は金属化フィルム123と誘電体フィルム132とを重ねてコンデンサを構成したものを、金属化フィルム123及び、誘電体フィルム132の長さ方向に切断した断面図である。
【0070】
図8はコンデンサを構成した金属化フィルム123と誘電体フィルム132の幅方向の両端部に外部電極135を設けたものを、金属化フィルム123、誘電体フィルム132の幅方向に切断した断面図である。
【0071】
金属化フィルム123は、誘電体フィルム122の両面に金属薄膜を形成したものである。
【0072】
誘電体フィルム122の一方の面には、第一のマージン127、第二のマージン128、第三のマージン129となる部分を除いて、アルミニウム等の金属薄膜が形成されており、この金属薄膜は第一の電極124と、複数の分割電極125と、接続部126a、126bを構成している。
【0073】
第一のマージン127は、誘電体フィルム122の幅方向の一方の端部に、誘電体フィルム122の長さ方向に連続して設けられ、第一の電極124は誘電体フィルム122の他方の端部に、誘電体フィルム122の長さ方向に連続して設けられている。
【0074】
分割電極125は、金属薄膜を第一のマージン127から誘電体フィルム122の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージン128によって分割して設けられたもので、複数の分割電極125が誘電体フィルム122の長さ方向に並ぶように設けられている。
【0075】
接続部126aは、第一の電極124と分割電極125との間に、第一の電極124と分割電極125とを接続するように設けられ、接続部126bは、接続部126aが接続された分割電極125に隣接する分割電極125に接続するように設けられ、これによって接続部126a、126bはヒューズとして機能することになる。
【0076】
一つの分割電極125に接続された接続部126aの誘電体フィルム122の長さ方向における寸法126awは、接続部126aが接続された分割電極125に隣接する別の分割電極125に接続された接続部126bの誘電体フィルム122における長さ方向の寸法126bwとは異なり、接続部126aの寸法126awは、第二のマージン128の第一の電極124側の端部から誘電体フィルム122の長さ方向に向かって延設された第三のマージン129の延設端と、この延設端に隣接し対向する第二のマージン128との間の寸法となり、接続部126bの誘電体フィルム122における長さ方向の寸法126bwは分割電極125の誘電体フィルム122における長さ方向の寸法と同じ寸法となり、本実施の形態では接続部126aの寸法126awよりも接続部126bの寸法126bwの方が長くなっている。
【0077】
また、接続部126a、126bの誘電体フィルム122における幅方向の寸法120vは第三のマージン129の誘電体フィルム122における幅方向の寸法と同じ寸法となっている。
【0078】
そして、接続部126aが接続された分割電極125と、接続部126bが接続された分割電極125とは、誘電体フィルム122の長さ方向に交互に並ぶようになり、このような構成とすることで、溶断する電流値の異なるヒューズが、誘電体フィルムの長さ方向に並ぶ分割電極125に交互に接続されることになる。
【0079】
誘電体フィルム122の他方の面に設けた金属薄膜は、図中の符号は異なるが、誘電体フィルム122の一方の面に設けた金属薄膜と同じ構成で、一方の面の第一のマージン127と他方の面の第一のマージン147とが反対側に位置するようになり、誘電体フィルム122の一方の面に設けられた分割電極125と、誘電体フィルムの他方の面に設けられた分割電極145とは、誘電体フィルム122を介して、誘電体フィルム122における長さ方向の寸法が長い接続部が接続された分割電極と、誘電体フィルム122における長さ方向の寸法が短い接続部が接続された分割電極とが同じ位置で対向するように設けられている。
【0080】
金属化フィルム123と表面に金属薄膜が設けられていない誘電体フィルム132とを重ねて巻回、或いは交互に積層したものに外部電極135を設けてフィルムコンデンサとしている。
【0081】
以上のような構成とすることで、金属化フィルム123と誘電体フィルム132を重ねて巻回、或いは積層した場合に、誘電体フィルム122における長さ方向の寸法が長い接続部が接続された分割電極だけが幾層にも重なることがなくなるので、より安全性を確保できるとともに、コンデンサの容量低下を抑制することができる。
【0082】
(実施の形態5)
図9(a)は本発明の実施の形態5におけるフィルムコンデンサを構成する金属化フィルム163の平面図、図9(b)は同じく誘電体フィルム172の平面図、図9(c)は金属化フィルム163と誘電体フィルム172とを重ねてコンデンサを構成したものを、金属化フィルム163及び、誘電体フィルム172の長さ方向に切断した断面図である。
【0083】
図10はコンデンサを構成した金属化フィルム163と誘電体フィルム172の幅方向の両端部に外部電極175を設けたものを、金属化フィルム163、誘電体フィルム172の幅方向に切断した断面図である。
【0084】
金属化フィルム163は、誘電体フィルム162の両面に金属薄膜を形成したものである。
【0085】
誘電体フィルム162の一方の面には、第一のマージン167、第二のマージン168、第三のマージン169となる部分を除いて、アルミニウム等の金属薄膜が形成されており、この金属薄膜は第一の電極164と、複数の分割電極165と、接続部166a、166b、166c、166dを構成している。
【0086】
第一のマージン167は、誘電体フィルム162の幅方向の一方の端部に、誘電体フィルム162の長さ方向に連続して設けられ、第一の電極164は誘電体フィルム162の他方の端部に、誘電体フィルム162の長さ方向に連続して設けられている。
【0087】
分割電極165は、金属薄膜を第一のマージン167から誘電体フィルム162の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージン168によって分割して設けられたもので、誘電体フィルム162における長さ方向の寸法が同じ複数の分割電極165が誘電体フィルム162の長さ方向に並ぶように設けられている。
【0088】
接続部166a、166b、166c、166dは、第一の電極164と誘電体フィルムの長さ方向に隣接して並ぶ分割電極165との間にそれぞれ、第一の電極164と分割電極165とを接続するように設けられ、これによって接続部166a、166b、166c、166dはヒューズとして機能することになる。
【0089】
分割電極165に接続された接続部166aの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法166awは、第二のマージン168の第一の電極164側の端部から誘電体フィルム162の長さ方向に向かって延設された第三のマージン169aの延設端と、この延設端に隣接し対向する第二のマージン168との間の寸法となり、接続部166bの寸法166bwは、第二のマージン168の第一の電極164側の端部から誘電体フィルム162の長さ方向に向かって延設された第三のマージン169bの延設端と、この延設端に隣接し対向する第二のマージン168との間の寸法となり、接続部166cの寸法166cwは、第二のマージン168の第一の電極164側の端部から誘電体フィルム162の長さ方向に向かって延設された第三のマージン169cの延設端と、この延設端に隣接し対向する第二のマージン168との間の寸法となり、接続部166dの寸法166dwは、分割電極165の誘電体フィルム162における長さ方向の寸法と同じ寸法となっている。
【0090】
また、接続部166a、166b、166c、166dの誘電体フィルム162における幅方向の寸法160vは第三のマージン169a、169b、169cの誘電体フィルム162における幅方向の寸法と同じ寸法となっている。
【0091】
誘電体フィルム162の他方の面に設けた金属薄膜は、図中の符号は異なるが、接続部186g、186h、186i、186jの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法186gw、186hw、186iw、186jw、および第三のマージン189g、189h、189iの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法が異なる以外は、誘電体フィルム162の一方の面に設けた金属薄膜と同じ構成で、一方の面の第一のマージン167と他方の面の第一のマージン187(図示せず)とが反対側に位置するようになり、誘電体フィルム162の一方の面に設けられた分割電極165と、誘電体フィルム162の他方の面に設けられた分割電極185とは誘電体フィルム162を介して対向するように同じ位置に設けられている。
【0092】
そして、誘電体フィルム162の一方の面と他方の面とに設けられた接続部において、接続部166dの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法166dwと、接続部186jの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法186jwとは同じで、この接続部166d、186jの誘電体フィルム162の長さ方向における寸法166dw、186jwは、接続部166a、166b、166c、186g、186h、186iの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法166aw、166bw、166cw、186gw、186hw、186iwとは異なり、更に、接続部166aの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法166awと、接続部166bの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法166bwと、接続部166cの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法166cwと、接続部186gの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法186gwと、接続部186hの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法186hwと、接続部186iの誘電体フィルム162における長さ方向の寸法186iwとは全て異なっている。
【0093】
金属化フィルム163と表面に金属薄膜が設けられていない誘電体フィルム172とを重ねて巻回、或いは交互に積層したものに外部電極175を設けてフィルムコンデンサとしている。
【0094】
以上のような構成とすることで、誘電体フィルム162の長さ方向における寸法の異なる接続部が接続された七種類の分割電極が存在することになり、安全性が確保できるとともに、コンデンサの容量減少をより抑制することができる。
【0095】
(実施の形態6)
図11(a)は本発明の実施の形態6におけるフィルムコンデンサを構成する金属化フィルム203の平面図、図11(b)は同じく誘電体フィルム212の平面図、図11(c)は金属化フィルム203と誘電体フィルム212とを重ねてコンデンサを構成したものを、金属化フィルム203及び、誘電体フィルム212の長さ方向に切断した断面図である。
【0096】
図12はコンデンサを構成した金属化フィルム203と誘電体フィルム212の幅方向の両端部に外部電極215を設けたものを、金属化フィルム203、誘電体フィルム212の幅方向に切断した断面図である。
【0097】
金属化フィルム203は、誘電体フィルム202の両面に金属薄膜を形成したものである。
【0098】
誘電体フィルム202の一方の面には、第一のマージン207、第二のマージン208、第三のマージン209となる部分を除いて、アルミニウム等の金属薄膜が形成されており、この金属薄膜は第一の電極204と、複数の分割電極205と、接続部206a、206bを構成している。
【0099】
第一のマージン207は、誘電体フィルム202の幅方向の一方の端部に、誘電体フィルム202の長さ方向に連続して設けられ、第一の電極204は誘電体フィルム202の他方の端部に、誘電体フィルム202の長さ方向に連続して設けられている。
【0100】
分割電極205は、金属薄膜を第一のマージン207から誘電体フィルム202の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージン208によって分割して設けられたもので、誘電体フィルム202における長さ方向の寸法が同じ複数の分割電極205が誘電体フィルム202の長さ方向に並ぶように設けられている。
【0101】
接続部206a、206bは、第一の電極204と誘電体フィルムの長さ方向に隣接して並ぶ分割電極205との間にそれぞれ、第一の電極204と分割電極205とを接続するように設けられ、これによって接続部206a、206bはヒューズとして機能することになる。
【0102】
分割電極205に接続された接続部206aの誘電体フィルム202における長さ方向の寸法206awは、第二のマージン208の第一の電極204側の端部から誘電体フィルム202の長さ方向に向かって延設された第三のマージン209の延設端と、この延設端に隣接し対向する第二のマージン208との間の寸法となり、接続部206bの寸法206bwは、分割電極205の誘電体フィルム202における長さ方向の寸法と同じ寸法となり、本実施の形態では接続部206aの寸法206awよりも接続部206bの寸法206bwの方が長くなっている。
【0103】
また、接続部206a、206bの誘電体フィルム202における幅方向の寸法200vは第三のマージン209の誘電体フィルム202における幅方向の寸法と同じ寸法となっている。
【0104】
接続部206aが接続された分割電極205と、接続部206bが接続された分割電極205とは、誘電体フィルム202の長さ方向に交互に並ぶようになり、このような構成とすることで、溶断する電流値の異なるヒューズが、誘電体フィルムの長さ方向に並ぶ分割電極205に交互に接続されることになる。
【0105】
そして、誘電体フィルム202の他方の面に設けた分割電極225の誘電体フィルム202における長さ方向の寸法は、誘電体を挟んで対向する分割電極205の誘電体フィルム202における長さ方向の寸法よりも長く、分割電極225に分割電極205が複数対向するような寸法となっている。
【0106】
上記のような構成のため、誘電体フィルム202の他方の面に設けた金属薄膜は、誘電体フィルム202における長さ方向の寸法が同じになるように設けられた複数の分割電極225の誘電体フィルム202における長さ方向の寸法と、接続部226bの誘電体フィルム202における長さ方向の寸法226bwと、第三のマージン229の誘電体フィルム202における長さ方向の寸法とが、誘電体フィルム202の一方の面に設けた金属薄膜と異なっている。
【0107】
その他の構成は、図中の符号は異なるが、誘電体フィルム202の一方の面に設けた金属薄膜と同じになっており、一方の面の第一のマージン207と他方の面の第一のマージン227とが反対側に位置するようになっている。
【0108】
金属化フィルム203と表面に金属薄膜が設けられていない誘電体フィルム212とを重ねて巻回、或いは交互に積層したものに外部電極215を設けてフィルムコンデンサとしている。
【0109】
以上のような構成とすることで、金属化フィルム203と誘電体フィルム212を重ねて巻回、或いは積層した場合に、誘電体フィルム212における長さ方向の寸法が長い接続部が接続された分割電極に、必ず誘電体フィルム212における長さ方向の寸法が短い接続部が接続された分割電極に対向するようになるので、より安全性が確保できるとともに、よりコンデンサの容量低下を抑制することができる。
【0110】
尚、本実施の形態では誘電体フィルムの両面に金属薄膜を形成した金属化フィルムを例に説明したが、本実施例の誘電体フィルムの一方の面に設けた金属薄膜と、他方の面に設けた金属薄膜とを、それぞれ別の二つの誘電体フィルムの片面に設けるようにしてもよい。
【0111】
(実施の形態7)
図13(a)、(b)は本発明の実施の形態7におけるフィルムコンデンサを構成する二つの金属化フィルム243、263の平面図で、図13(c)は金属化フィルム243と金属化フィルム263とを重ねてコンデンサを構成したものを、金属化フィルム243、263の長さ方向に切断した断面図である。
【0112】
図14はコンデンサを構成した金属化フィルム243、263の幅方向の両端部に外部電極255を設けたものを、金属化フィルム243、263の幅方向に切断した断面図である。
【0113】
金属化フィルム243は、誘電体フィルム242の一方の面の、第一のマージン247、第二のマージン248、第三のマージン249となる部分を除いて、アルミニウム等の金属薄膜が形成されており、この金属薄膜は第一の電極244と、分割電極245と、接続部246a、246bを構成している。
【0114】
第一のマージン247は、誘電体フィルム242の幅方向の一方の端部に、誘電体フィルム242の長さ方向に連続して設けられ、第一の電極244は誘電体フィルム242の他方の端部に、誘電体フィルム242の長さ方向に連続して設けられている。
【0115】
分割電極245は、第一のマージン247から誘電体フィルム242の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージン248によって分割された金属薄膜が、誘電体フィルム242の長さ方向に並ぶように設けられている。
【0116】
接続部246a、246bは、第一の電極244と分割電極245との間に、第一の電極244と分割電極245とを接続するように設けられ、これによって接続部246a、246bはヒューズとして機能することになる。
【0117】
接続部246aと接続部246bとの誘電体フィルム242における長さ方向の寸法は異なり、接続部246aの寸法246awは、第二のマージン248の第一の電極244側の端部から誘電体フィルム242の長さ方向に向かって延設された、対向する二つの第三のマージン249の延設端の間の寸法となり、接続部246bの寸法246bwは分割電極245の誘電体フィルム242における長さ方向の寸法と同じ寸法となり、本実施の形態では接続部246aの寸法246awよりも接続部246bの寸法246bwの方が長くなっている。
【0118】
また、接続部246a、246bは誘電体フィルム242の幅方向の略中央部に設けられ、接続部246a、246bの誘電体フィルム242における幅方向の寸法240vは第三のマージン249の誘電体フィルム242における幅方向の寸法と同じ寸法となっている。
【0119】
そして、接続部246aが接続された分割電極245と、接続部246bが接続された別の分割電極245とは、誘電体フィルム242の長さ方向に交互に並ぶようになり、このような構成とすることで、溶断する電流値の異なるヒューズが、誘電体フィルム242の長さ方向に並ぶ分割電極245に交互に接続されることになる。
【0120】
図13(b)に示す金属化フィルム263も図中の符号は異なるが、金属化フィルム243と同じ構成で、金属化フィルム243と金属化フィルム263とを、図14に示すように金属化フィルム243の第一のマージン247と、金属化フィルム263の第一のマージン267とが反対側に位置するように重ねて巻回、或いは交互に積層したものに外部電極255を設けてフィルムコンデンサとしている。
【0121】
以上のような構成とすることで、分割電極のない第一の電極には必ず分割電極が対向するようになるので安全性が確保でき、接続部の溶断によって切断される分割電極の面積が小さくなるのでコンデンサの容量低下をより小さくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0122】
以上のように本発明による金属化フィルムコンデンサは、安全性を損なうことなくヒューズの作動による容量減少を最小限に抑えることができるので、電源の雑音防止用のコンデンサとして有用である。
【符号の説明】
【0123】
2、22 誘電体フィルム
3、23 金属化フィルム
4、24 第一の電極
5a、5b、25a、25b 分割電極
6a、6b、26a、26b 接続部
7、27 第一のマージン
8、28 第二のマージン
9、29 第三のマージン
15 外部電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体フィルムの片面または誘電体フィルムの一方の面と他方の面との両面に、前記誘電体フィルムの幅方向の一方の端部に前記誘電体フィルムの長さ方向に連続して設けられた第一のマージン部を除いて金属薄膜からなる電極を備えた金属化フィルムを、前記電極が前記誘電体フィルムを挟んで対向し、前記誘電体フィルムのそれぞれの面の第一のマージン部が反対側に位置するように巻回または積層し、両端に外部電極を形成した金属化フィルムコンデンサであって、
前記電極は、前記誘電体フィルムの幅方向の他方側の前記誘電体フィルムの長さ方向に連続して設けられた第一の電極と、前記第一のマージンから前記誘電体フィルムの幅方向の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージンによって、フィルムの長さ方向に並ぶように分割された複数の分割電極と、この分割電極と前記第一の電極とを電気的に接続する接続部とを備え、前記接続部は前記分割電極に少なくとも一つ以上設けられ、一つの前記分割電極に接続された前記接続部の前記誘電体フィルムの長さ方向の合計の寸法が、少なくとも二つ以上の異なる寸法となるように個々の前記分割電極に接続されていることを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
【請求項2】
誘電体フィルムの一方の面と他方の面との両面に、前記誘電体フィルムの幅方向の一方の端部に前記誘電体フィルムの長さ方向に連続して設けられた第一のマージン部を除いて金属薄膜からなる電極を備えた金属化フィルムを、前記電極が前記誘電体フィルムを挟んで対向し、前記誘電体フィルムのそれぞれの面の第一のマージン部が反対側に位置するように巻回または積層し、両端に外部電極を形成した金属化フィルムコンデンサであって、
前記電極は、前記誘電体フィルムの幅方向の他方側の前記誘電体フィルムの長さ方向に連続して設けられた第一の電極と、前記第一のマージンから前記誘電体フィルムの幅方向の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージンによって、フィルムの長さ方向に並ぶように分割された複数の分割電極と、この分割電極と前記第一の電極とを電気的に接続する接続部とを備え、前記接続部は前記分割電極に少なくとも一つ以上設けられ、前記一方の面に設けられた分割電極と他方の面に設けられた分割電極とが前記誘電体フィルムを挟んで同じ位置で対向し、一つの前記分割電極に接続された前記接続部の前記誘電体フィルムの長さ方向の合計の寸法が、前記誘電体フィルムを挟んで同じ位置で対向する一方の面に設けられた分割電極に接続される前記接続部と、他方の面に設けられた前記分割電極に接続される前記接続部とで異なることを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
【請求項3】
一つの前記分割電極に前記誘電体フィルムを挟んで複数の前記分割電極が対向することを特徴とする請求項1に記載の金属化フィルムコンデンサ。
【請求項4】
前記誘電体フィルムの幅方向の略中央部に前記接続部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の金属化フィルムコンデンサ。
【請求項1】
誘電体フィルムの片面または誘電体フィルムの一方の面と他方の面との両面に、前記誘電体フィルムの幅方向の一方の端部に前記誘電体フィルムの長さ方向に連続して設けられた第一のマージン部を除いて金属薄膜からなる電極を備えた金属化フィルムを、前記電極が前記誘電体フィルムを挟んで対向し、前記誘電体フィルムのそれぞれの面の第一のマージン部が反対側に位置するように巻回または積層し、両端に外部電極を形成した金属化フィルムコンデンサであって、
前記電極は、前記誘電体フィルムの幅方向の他方側の前記誘電体フィルムの長さ方向に連続して設けられた第一の電極と、前記第一のマージンから前記誘電体フィルムの幅方向の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージンによって、フィルムの長さ方向に並ぶように分割された複数の分割電極と、この分割電極と前記第一の電極とを電気的に接続する接続部とを備え、前記接続部は前記分割電極に少なくとも一つ以上設けられ、一つの前記分割電極に接続された前記接続部の前記誘電体フィルムの長さ方向の合計の寸法が、少なくとも二つ以上の異なる寸法となるように個々の前記分割電極に接続されていることを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
【請求項2】
誘電体フィルムの一方の面と他方の面との両面に、前記誘電体フィルムの幅方向の一方の端部に前記誘電体フィルムの長さ方向に連続して設けられた第一のマージン部を除いて金属薄膜からなる電極を備えた金属化フィルムを、前記電極が前記誘電体フィルムを挟んで対向し、前記誘電体フィルムのそれぞれの面の第一のマージン部が反対側に位置するように巻回または積層し、両端に外部電極を形成した金属化フィルムコンデンサであって、
前記電極は、前記誘電体フィルムの幅方向の他方側の前記誘電体フィルムの長さ方向に連続して設けられた第一の電極と、前記第一のマージンから前記誘電体フィルムの幅方向の他方の端部に向かって設けられた複数の第二のマージンによって、フィルムの長さ方向に並ぶように分割された複数の分割電極と、この分割電極と前記第一の電極とを電気的に接続する接続部とを備え、前記接続部は前記分割電極に少なくとも一つ以上設けられ、前記一方の面に設けられた分割電極と他方の面に設けられた分割電極とが前記誘電体フィルムを挟んで同じ位置で対向し、一つの前記分割電極に接続された前記接続部の前記誘電体フィルムの長さ方向の合計の寸法が、前記誘電体フィルムを挟んで同じ位置で対向する一方の面に設けられた分割電極に接続される前記接続部と、他方の面に設けられた前記分割電極に接続される前記接続部とで異なることを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
【請求項3】
一つの前記分割電極に前記誘電体フィルムを挟んで複数の前記分割電極が対向することを特徴とする請求項1に記載の金属化フィルムコンデンサ。
【請求項4】
前記誘電体フィルムの幅方向の略中央部に前記接続部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の金属化フィルムコンデンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−115230(P2013−115230A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259952(P2011−259952)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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