説明

金属有機および/または無機先駆体および金属含有還元剤を用いる多孔質キャリヤの所定反応空間における先駆体化学ナノ金属学による金属/金属酸化物支持触媒の製造

本発明は少なくとも1つの面に対向するキャビティを持った多孔質支持体を含有する触媒に関するものであり、ここで開口部は少なくとも1つの延長方向に沿って約0.7〜20nmの直径を有すると共に、少なくとも500m/gの比表面積を有し、更に少なくとも触媒1g当たり2.5mの触媒活性金属成分で負荷される。更に本発明はこの種の触媒の製造方法、並びにメタノール合成における或いは燃料セルテクノロジーでのリフォーマとしての触媒の使用にも関するものである。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は触媒の作成方法、この方法により得られる触媒およびその使用に関するものである。
【0002】
工業的メタノール合成については、殆どAlにより補完されたCu/ZnO−システムが触媒として使用される。これら触媒は大規模にて沈降反応により作成される。その際、銅および亜鉛が触媒活性物質として作用する一方、アルミニウム酸化物は構造促進剤として熱安定化作用が付与される。銅と亜鉛との間の原子比は変化することもできるが、一般に銅は過剰に存在させる。
【0003】
この種の触媒はたとえばドイツ国特許出願公開第2056612号明細書、並びに米国特許第4,279,781号明細書から公知である。メタノール合成のための相応の触媒は欧州特許出願公開第0125689号明細書からも公知である。これら触媒は20〜75Å(オングストローム)の範囲の直径を有する気孔の割合が少なくとも20%であると共に、75Åより大の直径を有する気孔の割合が最高80%であるという特徴を有する。Cu/Zn−原子比は2.8〜3.8、好ましくは2.8〜3.2であり、Alの割合は8〜12重量%である。
【0004】
メタノール合成のための同様な触媒がドイツ国特許出願公開第4416425号明細書から公知である。これは2:1の原子比Cu/Znを有すると共に、一般に50〜75重量%のCuOと15〜35重量%のZnOとよりなり、その他に5〜20重量%のAlをも含有する。
【0005】
最後に、欧州特許出願公開第0152809号明細書からはメタノールおよび高級アルコールを含有するアルコール混合物を合成するための触媒が知られており、これら触媒は酸化性先駆体の形態にて(a)酸化銅および酸化亜鉛と、(b)熱安定化性物質としてのアルミニウム酸化物と、(c)少なくとも1種のアルカリ炭酸塩もしくはアルカリ酸化物とを含有し、ここで酸化性先駆体は15〜7.5nmの直径を有する気孔の割合が全容積の20〜70%であり、アルカリ含有量は酸化性先駆体1g当たり13〜130x10−6であり、アルミニウム酸化物成分はコロイド分配された水酸化アルミニウム(水酸化アルミニウム−ゾルもしくは−ゲル)から得られたものである。
【0006】
メタノール合成のための触媒を作成すべく従来使用された方法の場合、キャリヤに相応の触媒活性金属の先駆体化合物を負荷させた後、殆ど多くの酸化型および/または還元型の作成工程は酸化剤として空気もしくは酸素および還元剤として水素を用いて、比較的高温度で行われる。更に、これら方法は殆ど多くの燃焼化工程(典型的には250〜400℃)を含む。これらプロセス工程に際し触媒活性反応中心の粒子成長が生じ、これは触媒活性の減少をもたらす。
【0007】
Cu/ZnO−システムは、工業的メタノール合成および燃料セル工学の重要な成分(リフォーマ)の基礎である。これはヘテロ触媒反応における相乗的金属/キャリヤ交換作用の探求のためプロトタイプと見なされる[P.L.ハンセン、J.B.ワグナー、S.ヘルウェーク、J.R.ロストラップ−ニールセン、B.S.クラウセン、H.トップセー、M.サイエンス(2002)、第295巻、第2053〜2055頁]。高解析性のトランスミッションセレクトローネンマイクロスコピー(TEM)による研究は、気相の酸化還元電位に応じてZnO−担持のCu−ナノ結晶(2〜3nm)の動的形態変化を含む。メタノール合成の還元性条件(H/CO)の下で、ZnO−キャリヤの相当強力な濡らしによりCu−粒子の平滑化が生ずる。このため、ZnO−支持されたCu−ナノ粒子の膨張量度と触媒活性との間にプラスの関係が生ずる。更にCu/Zn−合金の形成は、たとえばZn−沈着によるCu(111)−表面の促進のような意味を有する。
【0008】
たとえばモルデナイト、VPI−5もしくはクロバライト(Cloverite)のようなゼオライトおよびゼオライト類似構造、並びにたとえばMCM−41、MCM−48もしくはSBA−15のような固定的メソポラスなシリケート鉱物(PMS)はその極めて高い比表面積およびnm範囲にて精密に調整しうる多くの触媒活性物質のための顕著なキャリヤとしての気孔構造を有し、特にCu/PMS−もしくはCuO/PMS−材料が鋭意検討される。これらCu/PMSもしくはCuO/PMS−材料は、しかしながらメタノール合成に関し明らかに僅かしか或いは全く活性でない[K.ハディイバノフ、T.ツォンシェバ、M.ジミトロフ、C.ミンシェブ、H.クネチンガー、「Cu/MCM−41およびCu/MCM−48メソポラスな触媒の吸着COのFTIRスペクトロスコピーによる特性化」、アプライド・キャタリシス、A−ゼネラル(2003)、第241巻、第331頁]、更にZnO−成分を含有しない。
【0009】
金属−有機化学的蒸気分離による金属および金属酸化物でのPMSの負荷は、二・三の金属につきたとえばAuにつき[M.オクムラ、S.ツボタ、M.イワモト、M.ハルタ、「COおよびHの低温酸化のためのMCM−41およびその触媒活性に関する金ナノ粒子の化学蒸着」、ケミストリー・レタース(1998)、第315頁]またはPdにつき[C.P.メーネルト、D.W.ウィーバー、J.Y.イング、「パラジウム・グラフト化モレキュラシーブによる不均質ヘック・キャタリシス」、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(1998)、第120巻、第12289頁]、およびAlにつき[A.M.ウーシタロ、T.T.パッカネン、M.クローガー−ラウカネン、L.ニーニスト、K.ハカラ、S.パーボラ、B.ロフグレン、「ラセミ型エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウム・ジクロライドのトリメチルアルミニウム蒸気改質シリカ表面での不均質化」、ジャーナル・オブ・モレキュラ・キャタリシスA−ケミカル、(2000)、第160巻、第343頁]で公知である。
【0010】
本発明は、特にメタノール合成のための触媒の製造方法を提供することを課題とし、この方法により極めて高い活性を有する触媒を得ることができる。
【0011】
この課題は、請求項1の特徴を有する方法により解決される。好ましくは本発明による方法の更なる構成は従属請求項の課題である。
【0012】
本発明によれば触媒の製造方法が提供され、この触媒は多孔質キャリヤと少なくとも1種の活性金属と少なくとも1種の促進剤とを含む。触媒は特にメタノール合成に適している。作成に際し、多孔質キャリヤを準備し、このキャリヤは少なくとも500m/gの比表面積を有する。多孔質キャリヤ上には少なくとも1種の活性金属先駆体を施し、この先駆体は少なくとも1種の活性金属を還元しうる形態にて含むと共に、活性金属原子に結合原子を介し結合され、好ましくは酸素、硫黄、窒素、燐および炭素から選択される基を含む。活性金属先駆体は還元剤により還元され、この還元剤は少なくとも1種の促進剤金属と少なくとも1種の水酸基および/または炭素原子を介し促進剤原子に結合された有機基を有する。還元剤またはこの含有される促進剤金属は最終的に促進剤に移行する。促進剤はその際、殆ど促進剤金属の酸化物から形成される。
【0013】
活性金属先駆体は好ましくは、結合原子を介し活性金属原子に結合されて酸素、硫黄、窒素、燐および炭素から選択される少なくとも2種の基を含む。
【0014】
同様に、還元剤は好ましくは少なくとも2種の水酸基および/または有機基を含み、これらは炭素原子を介し促進剤原子に結合され、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロペンタジエニル基およびその誘導基から構成される基より選択される。
【0015】
「多孔質キャリヤ」とは好ましくは、少なくとも一方の側に開口した中空部を有するキャリヤと理解される。この中空部の開口は少なくとも延長方向に沿って約0.7〜20nm、好ましくは約0.7〜10nm、特に好ましくは約0.7〜5nmの直径を有する。「中空部」という概念は更に拡大される。この種の中空部は、たとえば球状に近い中空部または所定の形態を有するチャンネルとすることができ、これはたとえばゼオライト材料にて実現されるようなものである。しかしながら中空部は更に2つの層の間に形成することもでき、たとえば層状シリケートである。しかしながら、中空部は比較的小さい開口を有し、従って活性金属先駆体は中空部にて拡散制御されると共にそこに沈着させることができる。層状シリケートの場合、従って約0.7〜約20nmの上記直径は実質的に層間隔に相当する。球状中空部の場合、多孔質キャリヤは球状外周に近い気孔を有する。
【0016】
中空部の開口の大きさはBJH−法(DIN66134)による窒素吸着測定で決定することができる。
【0017】
多孔質キャリヤは好ましくは0.09cm/gより大の気孔容積を有し、特に好ましくは0.15cm/gよりも大の気孔容積を有する。ゼオライトをキャリヤとして使用すれば、気孔容積は好ましくは1.5cm/gより小である。
【0018】
キャリヤとしてはMOF−システム(「金属有機骨格」)も適している。これらシステムは、有機リガンドを介し三次元にてネットワークまで結合されると共にたとえば水素蓄積に適した金属原子を含む。これら化合物は10cm/gまでの極めて高い気孔容積および1000m/gより大、特に好ましくは2000m/gより大の極めて高い比表面積を特徴とする。
【0019】
多孔質キャリヤは少なくとも500m/g、好ましくは少なくとも600m/g、特に800m/gより大、特に好ましくは1000m/gより大の高い比表面積を特徴とする。比表面積はその際BET−法(DIN66131)に従い窒素吸着測定により決定される。
【0020】
ここで、多孔質キャリヤ上には少なくとも1種の活性金属先駆体を施し、この先駆体は少なくとも1種の活性金属を還元型にて並びに結合原子を介し活性金属に結合された少なくとも1種の基を含む。活性金属先駆体においては、従って活性金属原子が0よりも大きい酸化状態にて存在する。活性金属とはその際、仕上触媒にて触媒すべき反応に対し触媒作用を有する金属と理解される。メタノール合成のための触媒において、これはたとえば触媒の活性型にて金属として存在する銅である。活性金属先駆体とは、活性金属を遊離させうる化合物に相当すると理解される。本発明の方法において活性金属先駆体としては、少なくとも1種の活性金属の原子を含有すると共に結合原子を介し活性金属原子に結合された少なくとも1個の基を含有する化合物が使用される。その際、結合原子は酸素、硫黄、窒素、燐および炭素から選択される。好ましくは活性金属は有機基、すなわち結合原子O、S、NおよびPの他に少なくとも1個の炭素原子を有する基を担持する。好ましくは、これら有機基は1〜24個の炭素原子、特に1〜6個の炭素原子を有する。炭素骨格には結合原子の他に更に多くの異原子または異原子型基が結合されても良く、これらはルイス−塩基として活性金属に配位されると共にこれにより活性金属先駆体を安定化させうる。適する有機基はたとえばアルコキシドまたはアミノ官能性脂肪族アルコキシドである。
【0021】
活性金属先駆体は還元剤で還元されて、活性金属を気孔の壁部に沈着させる。還元剤とは、活性金属先駆体を還元して活性金属を多孔質キャリヤに沈着させうる金属有機化合物と理解される。還元剤からは、促進剤として殆ど酸化物の形態で好ましくはキャリヤ上にナノ分散型で沈着される促進剤金属が遊離される。還元剤は従って少なくとも1種の促進剤金属と少なくとも1種の水酸基および/または有機残基とを含み、これは炭素原子を介し促進剤金属に結合される。結合はその際o−結合を介してもn−結合を介しても行うことができる。
【0022】
好ましくは活性金属先駆体における基は炭素として他の結合原子を介し活性金属に結合され、好ましくは酸素原子もしくは窒素原子を介し結合される。しかしながら、活性金属および促進剤金属における基が両者とも炭素原子を介し金属原子に結合されれば、好ましくは還元剤の基の分子量は活性金属先駆体の基の分子量よりも小となる。還元剤にて結合される基は好ましくは1〜24個、特に好ましくは1〜6個の炭素原子を有し、必要に応じ異原子を介して結合された基をも含有することができ、これらはルイス−塩基として還元剤を安定化させることができる。好ましくは還元剤における基はアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロペンタジエニル基およびその誘導基、並びに水酸基から選択される。促進剤金属とは、仕上触媒にて促進剤を形成する金属と理解される。その際、促進剤は一般に酸化物として存在する。メタノール合成のための触媒の場合、亜鉛および必要に応じアルミニウムが促進剤金属を形成する。
【0023】
活性金属先駆体として或いは還元剤としては、本発明の方法において好ましくは所定の金属有機化合物が考えられる。
【0024】
金属有機化合物とは次のものと理解すべきである:
1.直接的な金属−炭素−結合が存在する金属錯体;
2.全く金属−炭素結合は存在しないが(配位結合した)リガンドを含有し、有機特性を有し、従って炭化水素化合物またはこれらの誘導体の属する金属錯体。「金属有機」は従って金属−炭素−結合も有機リガンドも含有しない純無機金属成分とは区別される。
【0025】
少なくとも1種の活性金属先駆体と少なくとも1種の還元剤とを多孔質キャリヤに施す順番は、その際それ自体全く限定を受けない。キャリヤは先ず最初に、活性金属先駆体で含浸することができ、次いで還元剤が施されて活性金属がキャリヤ上に沈着される。しかしながら、先ず最初に還元剤をキャリヤに施し、次いで活性金属先駆体を施すことも可能である。活性金属先駆体および還元剤を交互に多数回にわたりキャリヤに施すことも可能である。活性金属先駆体または還元剤は先ず最初に多孔質キャリヤの表面、特に中空部の各面に物理吸着もしくは化学収着される。それぞれ他の成分の添加により、次いで活性金属が活性金属先駆体から遊離されると共に沈着される。
【0026】
本発明の方法においては、活性金属および促進剤を施す特定キャリヤ材料が使用される。キャリヤ材料は、ナノメータ範囲で調整しうる高多硬度および従って極度に高い比表面積を特徴とする。本発明者等は、活性金属先駆体の還元につき次元限定された反応空間として中空部もしくは機構を作用させて触媒作成に際し望ましくない粒子成長を抑制するというモデル構成から出発する。中空部は比較的小さい開口を有して、活性金属先駆体が中空部に調節分散されうると共にそこに沈着されうるようにする。各中空部には従って1種のみに限定された量の活性金属が施される。この反応空間の壁部には、ナノ分散型にて遊離された後の活性金属が分配される。粒子の最大直径はその際少なくともたとえばMCM−41を使用する場合は2nmである気孔直径を1方向において越えない。触媒がたとえば高温度に加熱される更なるプロセス工程においては、種々異なる中空部の間で決して交換が生ぜず、従って触媒活性粒子の成長が抑圧されると共に、触媒活性中心のナノ分散型分配が保持される。更に、これによりプロセス条件下での触媒の長時間安定性が好適に得られる。活性金属先駆体および還元剤は好適にはこのキャリヤ材料の内部表面に吸着される共に、極めて制御し易いように直接的化学近隣に達する。これは還元プロセスの効率に対し作用し、活性金属粒子の分散は促進剤成分としてもプラスに作用する。これにより触媒特性につき必要なキャリヤと活性金属粒子と促進剤成分との狭い表面接触もしくは限界面接触が新規に実現される。
【0027】
触媒活性金属成分がより多くの金属もしくは金属化合物(たとえば金属酸化物)を含めば、これらは各成分がそれぞれナノ分散型にて存在するので、強力に接触する。本発明による方法の格別の特徴は、他の公知の含浸法とは異なり、活性金属先駆体と還元剤との間の化学反応(還元もしくはσ−転換など)により活性金属がキャリヤによりナノ範囲の次元に限定された反応空間に、すなわち触媒に適切な狭い付近に分かれて化学的に固定されることにある。
【0028】
空気に対し安定的な触媒の貯蔵形態において、活性金属は大抵の場合は酸化物の形態で存在する。例外は極めて貴重な活性金属(たとえばPtおよびPdなど)を形成する。酸化物は、触媒作成の後に空気酸化の結果形成される。勿論、従来技術によれば特定の安定化手段により部分的にのみ金属形態を酸化することも可能である。その際、活性金属は薄い酸化物層により不動体にされる。反応器への充填の後、触媒は緩和かつ簡単な再還元により再びその活性型に移行することができる。そのため、この酸化物層はたとえば水素により還元される。
【0029】
特に触媒再生に関しても、このシステムの触媒活性の高品質、並びにその化学的組成および構造的特徴は反復酸化および還元サイクルにより変化しない。すなわち相応の触媒再生が初期触媒活性の再生につき好適に可能となる。
【0030】
活性金属は好ましくはAl、Zn、Sn、Bi、Cr、Ti、Zr、Hf、V、Mo、W、Re、Cu、Ag、Au、Ni、Pd、Pt、Co、Rh、Ir、Fe、RuおよびOsから構成される群より選択される。
【0031】
活性金属は上記群からの金属のみ、たとえば銅もしくは亜鉛とすることができる。しかしながら活性金属は上記群からの多くの金属(たとえば2種もしくは3種の金属)を含むことも可能である。その際、金属は純粋金属として還元型にて存在することができ、或いは金属化合物(特に金属酸化物)として存在することもできる。既に上記したように、活性金属は触媒の輸送形態にて殆ど少なくとも部分的に酸化型で存在し、触媒が空気に対しても充分安定化されるようにする。
【0032】
好適実施形態によれば、促進剤金属はAl、Zn、Sn、稀金属、並びにアルカリ−およびアルカリ土類金属から構成される群より選択される。アルカリ−およびアルカリ土類金属としては、たとえばLi、Na、K、Cs、MgおよびBaが適している。触媒につき、活性金属および促進剤金属は種々異なって選択される。
【0033】
本発明の方法に際し特定の金属含有還元剤が使用され、これらをここでは還元剤と称する。これら還元剤は、触媒特性につき本質的な活性金属を相応の化学的予備工程(活性金属先駆体)(ここで、これら金属は所定形態で結合して存在する)から特に効率的であるが同時に極めて緩和な化学的還元により遊離させる。還元剤としては金属を含有するこの種の金属有機化合物が使用され、これらは触媒活性な活性金属の促進剤として作用する。
【0034】
本発明の方法によれば触媒はメタノール合成につき作成され、或いは燃料セル技術につきリフォーマとなるので、触媒は好ましくはシステムCu/Zn/Alを含む。その際、Cu/Zn/Alの原子比は1:2:0.1〜2:1:1の典型的範囲である。その際、銅は適する活性金属先駆体により、亜鉛は還元剤を介しおよびアルミニウムは多孔質キャリヤを介して導入することができる。
【0035】
活性金属先駆体は好ましくは式MeX[ここでMeは活性金属を意味し、Xはアルコラート(OR)、アミド(NR)、β−ジケトナート(R(=O)CHC(=O)R)およびその窒素同族体、特にβ−ケトイミネート(R(=O)CHC(=NR)R)およびβ−ジイミネート(R(=NR)CHC(=NR)R)、カルボキシレート(RCOO)、オキザレート(C)、ナイトレート(NO)およびカーボネート(CO)[ここでRは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、6〜18個の炭素原子を有するアリール基を意味し、更に残基Rは同一でももしくは異なっても良い]から選択され、pは促進剤金属の原子価に相当する整数であり、oは0と促進剤金属原子の遊離配位個所の個数との間の整数であり、Lは結合原子として酸素もしくは窒素を含むルイス−塩基性有機リガンドである]の化合物である。LおよびXはその際、前記リガンドもしくは残基の一方の種類のみを含むこともできる。しかしながら、上記群の組合せも可能である。
【0036】
本発明による方法の1実施形態によれば、還元剤は式MR[ここでMは促進剤金属を意味し、Rは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、6〜18個の炭素原子を有するアリール基、シクロペンタジエニル基もしくはその誘導基または水酸基を意味し、ここで残基Rは同一でも異なっても良く、nは金属の原子価に相当する整数であり、Lは結合原子として酸素もしくは窒素を含むルイス−塩基性有機リガンドであり、mは0と活性金属原子の遊離配位個所の個数との間の整数である]の化合物である。還元剤の場合にも、残基RおよびリガンドLについては上記基の1種のみを使用することができる。しかしながら、同様に種々異なる基を組み合わせることも可能である。
【0037】
リガンドLとしては、たとえば式OR′R″もしくはNR′R″R′″の化合物が使用され、ここで残基R′、R″およびR′″は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味し、これら2個の残基は共通して異原子と共にリングを形成することができる。
【0038】
特に好ましくは式MRの還元剤はZnRおよびAlR[m=0、1もしくは2である]から選択され、RおよびLは上記の意味を有する。
【0039】
一般に多孔質キャリヤが負荷される活性金属先駆体はこれらが互いに或いは上記還元剤と共にキャリヤの限定された反応空間における完全もしくは部分的なX/R−交換の結果、一方ではRの還元型排除またはRの断片化(β−H−排除もしくは水素/アルケン−開裂またはラジカル性崩壊の結果として元素金属になり或いは活性金属先駆体MeXと比較して還元型に移行するように選択される。
【0040】
上記活性金属先駆体および還元剤は多孔質キャリヤ上に溶液で施すことができる。溶剤、並びに活性金属先駆体もしくは還元剤はその際、溶剤では全く崩壊しないよう互いに調整される。活性金属先駆体によるキャリヤの負荷の後、溶剤は過剰の活性金属先駆体と共に除去される。溶剤残部を除去するには、必要に応じ負荷された多孔質キャリヤを先ず最初に乾燥させる。次いで、金属有機化合物である還元剤を多孔質キャリヤ上に与える。還元剤は先ず最初に塗布された活性金属先駆体を還元して、触媒活性な活性金属が多孔質キャリヤ上に沈着すると共に固定されるようにする。しかしながら、この過程は逆順序でも行うこともでき、すなわち多孔質キャリヤに先ず最初に還元剤を次いで活性金属先駆体を負荷させる。
【0041】
特に好ましくは、触媒の個々の金属−もしくは金属酸化物−成分は化学的蒸気分離(CVD、化学蒸着)により多孔質キャリヤ上に施される。この場合、活性金属先駆体もしくは還元剤は好ましくは298°Kにて少なくとも0.1ミリバールの蒸気圧とを有する。本発明による方法の特に好適な実施形態においては、従って金属有機錯体が活性金属先駆体としても還元剤としても使用される。
【0042】
更に、これら方法の組合せも可能である。たとえば、活性金属先駆体を溶液で施し、次いで還元剤を化学的蒸気分離により施すこともできる。同様に、先ず最初に活性金属先駆体を蒸気相分離により施し、次いで還元剤を溶液で施すことも可能である。
【0043】
多孔質キャリヤはそれ自身で任意の材料で構成することができる。しかしながら、キャリヤは上記中空部を持たねばならず、これら中空部は上記尺度を有する開口を殆ど全く持たない。たとえば上記MOFシステムは多孔質キャリヤ材料として適している。触媒は殆ど高められた温度にて使用されるので、好ましくはキャリヤは無機材料で構成される。適する無機材料の例はゼオライト、PMS、層状シリケート(たとえばベントナイト、粘土もしくは柱状粘土)、ハイドロタルサイト、並びにたとえばモリブデン酸およびタングステン酸のヘテロポリ酸である。
【0044】
特に好ましくはしかしながら、周期的メソ多孔質シリケート材料(PMS)が使用される。何故なら、これらは極めて高い比表面積を有すると共に、気孔構造を正確に調節しうるからである。その例はMCM−41、MCM−48またはSBA−15である。
【0045】
ゼオライトの場合、ここでも大きい気孔直径を有するものが好適である。≧0.7nmの気孔直径を有するゼオライトはたとえばモルデナイト、VPI−5もしくはクロバライトである。
【0046】
触媒の作成は特に緩和な条件下で行われる。触媒の作成に際し、200℃の温度を越えないことが好ましい。活性金属は、これにより高分散型にて分離され、その際活性金属から得られた粒子の直径は一般に約0.5〜10nm、好ましくは0.5〜5nmの範囲である。更に促進剤も高分散型で分離され、従って活性金属と促進剤との間の極めて大きい接触面を達成することができる。これは、極めて高い活性を有する触媒をもたらす。
【0047】
従って本発明の主題は特にメタノール合成のための触媒でもあり、この触媒は多孔質キャリヤと多孔質キャリヤ上に沈着された少なくとも1種の活性金属と多孔質キャリヤ上に沈着された少なくとも1種の促進剤とを有し、ここで多孔質キャリヤは少なくとも500m/gの比BET表面積を有し、活性金属は少なくとも25m活性金属/g活性金属の非金属表面積を有し、更に促進剤は少なくも100m/g促進剤、好ましくは少なくとも500m/g促進剤の比表面積を有する。活性金属の比表面積はガス吸着/脱着法により或いは反応性−ガス吸着/脱着方法により決定することができる。この種の方法は、たとえば銅の比表面積を測定するためのNO−反応性フロントクロマトグラフィーである。同様な方法を他の活性金属につき使用することもできる。これらは一般に金属表面に対する公知の個所要件を持った分子の負荷に基づいており、ここで吸着分子の量が測定される。促進剤の比表面積はX−線吸着法を介する凝集度の測定により、および負荷キャリヤに対するBET−表面積測定により評価することができる。促進剤成分の含有量は元素分析(たとえば原子吸収型分光光度法またはエネルギー分散性X−線吸収スペクトロスコピー)を介して決定することができる。
【0048】
本発明の方法により作成された触媒の識別特徴は、代案方法に従い特にCo−沈降/焼成により作成された触媒に比べ、極めて小さいが変化する促進剤成分の凝集度(X−線吸収測定により測定しうる)であると同時に、好ましくは500m/gを充分越える活性触媒の高いBET表面積である。大抵の場合、全く測定可能な配位度は測定し得ない。X−線屈折法による触媒の測定に際し、この場合は促進剤につき全く屈折反射は観察し得ない。X−線吸収スペクトロスコピーによる触媒の測定に際し、極めて低い凝集状態しか得られない。これは、促進剤原子のその後に存在する近隣原子が一般に促進剤原子でないことを意味する。一般的に、その後の近隣原子は再び促進剤原子となる。換言すれば、促進剤は好ましくは多くとも2種もしくは3種の促進剤として存在する。
【0049】
更に典型的には、活性金属成分の極めて低い凝集度が存在し、これは特に金属粒子(たとえば銅)がキャリヤの(内)表面上に均質に分配されてそこに沈着すること、およびこれらがトランスミッション選択マイクロスコピー法により完全形成された粒子として把握されず、かつ特性化しえないことを表し、ここでX−線吸収測定により上記したように粒子の大半の低いが測定しうる凝集度を特性化することができる。活性金属は本発明による触媒において好ましくは最高10の平均配位数を有する。好ましくは10未満、特に好ましくは4〜7の配位数となる。しばしば約6の配位数が観察される。活性金属粒子は好ましくは極めて小さいので、活性金属がたとえば作成個所から合成反応器への移送につき酸化型で輸送される場合、配位数が変化しない。
【0050】
活性金属もしくは促進剤の最大結晶寸法はそれぞれ最大気孔直径によりジメンションで限定される。
【0051】
本発明による触媒は、好ましくは少なくとも一方の側に開口した中空部を有する多孔質キャリヤを含む。この中空部の開口は少なくとも延び方向に沿って約0.7〜約20nm、好ましくは約0.7〜10nm、特に好ましくは約0.7〜5nmの直径を有する。更に、多孔質キャリヤは少なくとも500m/g、好ましくは少なくとも約600m/g、特に好ましくは少なくとも約800m/gの高い比BET表面積を特徴とする。これら高い比表面積は既成の触媒についても測定される。比表面積は活性金属および促進剤の負荷によって若干減少する。しかしながら、既成触媒は従来の触媒と比較して少なくとも500m/g、好ましくは少なくとも約600m/g、特に好ましくは少なくとも約800m/gの極めて高いBET表面積を有する。多孔質キャリヤは、少なくとも1種の触媒活性金属成分での負荷を有し、これは高分散型にて存在する。負荷はその際、少なくとも約2.5m活性金属−1触媒、好ましくは少なくとも約3m活性金属−1触媒、特に好ましくは約5m活性金属−1触媒である。しかしながら、それより高い負荷に達することもできる。これらは10m活性金属−1触媒〜20m活性金属−1触媒よりも大の範囲である。換言すれば、活性金属による負荷は少なくとも約25m活性金属−1活性金属、好ましくは少なくとも約35m活性金属−1活性金属、特に好ましくは少なくとも約50m活性金属−1活性金属である。特に好適な場合、この負荷は100m活性金属−1活性金属、より大、特に好ましい場合は200m活性金属−1活性金属より大である。
【0052】
活性金属による触媒の負荷は好ましくは約0.05〜0.50g促進剤−1触媒、特に0.1〜0.45活性金属−1触媒、特に好ましくは約0.1〜0.30g活性金属−1触媒の範囲で選択され、促進剤による負荷は約0.01〜0.3g促進剤−1触媒、好ましくは約0.05〜0.2g促進剤−1触媒、特に好ましくは約0.05〜0.15g促進剤−1触媒の範囲で選択される。上記数値もしくは数値範囲はそれぞれ金属もしくは促進剤金属に関するものである。活性金属/促進剤金属の比は好ましくは約10:1〜1:5、好ましくは約5:1〜1:2、特に約5:1〜1:1の範囲で選択される。触媒の作成に際し、好ましくはできるだけ多量の活性金属およびできるだけ少量の促進剤が導入される。
【0053】
好適キャリヤ並びに活性金属および促進剤は既に本発明の方法で要約した。
【0054】
本発明の方法に得られる触媒は、たとえば更に本発明により触媒の実施形態の例にてメタノール合成用の触媒として説明されるような一連の利点を有する。
【0055】
本発明による触媒は、メタノール合成用の公知のCu/Zn/Al−触媒とは次の特徴により区別される:
【0056】
(1)Cu−成分(または活性金属)の分散はより高く少なくとも25mCu−1Cuであり、すなわち触媒活性Cu−成分につき同じ質量割合にて本発明による触媒は一層活性であり、或いは同じ活性につき本発明による触媒の場合は公知の触媒と比較して一層少ない銅(活性金属)の質量割合にて充分である。EXAFS(延長X−線吸収微細構造分光光度法、X−線吸収)およびXRD(X−線回折、X−線屈折)による触媒の分析的特徴はCu−粒子の大半が1nmもしくはそれ未満の寸法を有し、これは典型的には10〜20Cu原子の凝集体を意味し、Cu−粒子の少数がPMS−キャリヤ材料の最高でもチャンネル−もしくは気孔幅の寸法を有することを示す。
【0057】
(2)公知のCu/ZnO/Al−触媒とは異なり、ZnO−およびアルミニウム酸化物−成分(促進剤)は非整列的に凝集する。これらはキャリヤ材料の内壁部もしくは表面の多くの薄い層に従いEXAFS−データを形成する。このようにして、ZnO−成分の比表面積はキャリヤ材料の比表面積の寸法程度(>500m/g)に達すると共に、従来公知の表面大のZnO−法キャリヤ材料をその比表面積〜約150m−1にて越える[M.クルツ、N.バウエル、C.ブッシャー、H.ウィルマー、O.ヒンリッセン、R.ベッカー、S.ラーベ、K.メルツ、M.ドリース、R.A.フィッシャー、M.ミューラー、「メタノール合成につき使用される一層活性なCu/ZnO触媒への新規な合成ルート」、キャタリシス・レタース(2004)、第92巻、第49頁;C.R.リー、H.W.リー、J.S.ソング、W.W.キム、S.パーク、「光触媒用途のための溶液燃焼法によるナノ寸法のZnO粉末の合成およびAg回収」、ジャーナル・オブ・マテリアルス・シンセシス・アンド・プロセシング(2001)、第9巻、第281頁;T.タニ、L.メドラー、S.E.プラトシニス、「火炎噴霧熱分解による均質ZnOナノ粒子」ジャーナル・オブ・ナノパーティクル・リサーチ(2002)、第4巻、第337頁]。本発明による触媒は、公知のCu/ZnO/Al−触媒とは異なり、TEM−もしくはXRD−法にて検出しうるナノ結晶ZnO−もしくは/Al−成分を全く持たない。
【0058】
これら特徴はシステムCu/ZnO/Al−によるメタノール合成に関する触媒につき認められるだけでなく、本発明による方法にて得られる全ての触媒についても認めることができる。
【0059】
本発明による触媒は、触媒上効果的な金属成分の質量割合に関し極めて高い活性を有することを特徴とする。これらは従ってメタノール合成に関する触媒として或いは燃料セル技術におけるリフォーマとして使用するのに特に適する。
【0060】
要約して、好適実施形態を考慮すれば、本発明の利点は次のことで構成されると言うことができる:
【0061】
(1)従来技術によれば回避しえない粒子成長プロセスを抑制する緩和なプロセス条件(特に低い作成温度、特に200℃より低い温度);
【0062】
(2)活性金属先駆体と金属含有還元剤との組合せ(これは活性金属成分(活性金属)および促進剤成分の異常に高い分散を同時に高い表面−もしくは限界表面−接触の金属/金属酸化物−促進剤にて可能にする)。後者は触媒の非活性および選択性の改善をもたらす。
【0063】
(3)この新規な方法により達成される可能性(個々の負荷−もしくは反応工程の置換および/または周期的反復により不変の高い分散に際し触媒系の組成を制御しうる);
【0064】
(4)たとえばコロイド化学法に基づく含浸技術に従来技術により達するような、問題とする塩−および/または安定剤−フラクションの省略;
【0065】
(5)種々の先駆体の間における転換表面反応に関する寸法限定の反応空間としての多孔質キャリヤ材料の使用。寸法限定された反応空間(多孔質キャリヤシステムの気孔特性により幾何学的に規定される)は通常でない粒子成長をその固有の幾何学に基づき抑圧する。特に比較的小さい多孔質キャリヤに対し最高な表面積と容積との一層大きい比率を多孔質キャリヤにてプラスに支援する。上記キャリヤ特性は従って成分の分離に抵抗する。これにより、触媒活性成分の高い分散およびキャリヤの高い特異的負荷が確保される。
【0066】
以下、本発明を実施例および添付図面を参照して一層詳細に説明する。
【0067】
図1は、本発明による方法に際し活性金属と促進剤との分離を行うメカニズムの図面である。これは、単にモデルの例示であって決して本発明の範囲を限定するものでないことを了解すべきである。
【0068】
図1aには多孔質キャリヤ1の断面図を示し、ここではキャリヤ1の外側方向に開口した気孔2を示す。キャリヤ1はたとえばゼオライトとすることができる。気孔2には活性金属先駆体3および還元剤4が拡散される。その際、充填は、多孔質キャリヤ1が先ず最初に活性金属先駆体3で負荷され、次いで還元剤4により負荷されるように行うことができる。しかしながら多孔質キャリヤ1を、先ず最初に還元剤4にて次いで活性金属先駆体3にて負荷することも可能である。活性金属先駆体3と還元剤4とからなる混合物が充填温度にて充分安定である限り、この負荷を同時に行うこともできる。活性金属先駆体3はいずれかの基Lが結合しても活性金属AMを含む。図1において、活性金属AMは2種の基Lの半分を支持する。しかしながら、活性金属先駆体3は2種より多い基Lを含むことも可能である。基Lと並んで活性金属AMは更に、活性金属先駆体をたとえば配位結合により安定化させるリガンドをも支持することができる。基Lは結合原子(図示せず)を介し活性金属AMに結合される。結合原子は酸素、硫黄、窒素および炭素から選択される。還元剤4は促進剤金属PMを含み、これには炭素原子を介し有機基Rが結合される。図1において、還元剤は2種のみの基Rをそれぞれ含む。しかしながら、2種より多い基Rが促進剤金属PMに結合されること或いは基Rと並んで更なる基を促進剤金属PMに結合させることも可能である。記号xおよびyは、活性金属先駆体3および還元剤4の使用されたモル比に相当する。分離の中間工程として、活性金属AMと促進剤金属PMとの間のリガンド交換で行われる。これは図1bに示される。活性金属AM並びに基Rを備える反応性中間化合物5が生ずる。これと並んで促進剤化合物6が得られ、この化合物は促進剤金属PM並びに基Rを備える。次いで反応性中間化合物5が分解する。この分解プロセスはたとえば加温により支援もしくは誘導される。その際、反応性中間化合物5に含有される活性金属は活性金属AMまで還元されると共に、結晶体7として微小分散型にて気孔2の壁部に沈着する(図1c)。同時に、基Rからたとえば転換反応にて化合物R−Rが生ずる。これらは排気ガスとして吸引除去される。促進剤化合物6は酸化され、従って促進剤金属は促進剤PRとして、たとえば酸化物の形態および場合によりナノ分散された形態で結晶体8として活性金属結晶体7の直ぐ近傍にて気孔2の壁部に沈着する。その際、基Lが遊離されると共に、排気ガスと共に吸引除去することができる。
【0069】
実施例1:Cu/ZnO/MCM−41
新たに合成され、焼成されかつ乾燥されたMCM−41(350mg)を約1.0gの[Cu(OCHMeCHNMe]と一緒に振動チューブにおける別途のガラス容器に入れると共に静的減圧(0.1Pa)にて2時間にわたり340°Kに加温した。青色に着色した生成物物質の200mgおよび約0.5gのジエチル亜鉛からなるプローブを上記と同様に並列設置すると共に静的減圧(0.1Pa)にて2時間にわたり室温に放置する。蒸発時間、温度、物質量およびPMS−物質の変動は種々異なる負荷をもたらす(表1)。ZnOを得るため、プローブCu/[Zn(OCHMeCHNMe]/MCM−41を保護ガス下に抜き取り、次いで動的減圧(0.1Pa)にて623°Kまで温度調整する(2h)。相応に、他のPMS−材料(たとえばMCM−48)を処理する。
【0070】
実施例2:Cu/MCM−41およびZnO/MCM−41
[Cu(OCHMeCHNMe]/MCM−41(上記参照)の溶融物は動的減圧(0.1Pa)にて523°Kで(20分間)Cu/MCM−41を与える。同様に[Zn(OCHMeCHNMe]のZnO先駆体としての使用下に、中間段階の溶融後に[Zn(OCHMeCHNMe]/MCM−41が623°K(0.1Pa、2h)にてZnO/MCM−41を得られる。[Zn(OCHMeCHNMe]/MCM−41を、ペンタン(40ml)における[Zn(OCHMeCHNMe](1.0g)の溶液でのMCM−41の含浸および分離された固形物質の多数回の洗浄により得た。代案として、ZnO/PMSはジエチル亜鉛−蒸気でのキャリヤの処理および次いで焼成によっても得られる。
【0071】
プローブの特性化
X−線粉末回折図(PXRD)を、Cu Kα−照射(λ=1.5418Å)をθ−2θジオメトリーおよび位置感受性検出器を有するD8−アドバンス・ブルッカーAXS回折計より記録した(毛細管技術、保護ガス)。全体的な回折図を、プソイド−ボイグド機能の使用下でプロフィルプラス2.0.1ソフトウェアによりアンフィットさせた。TEM検査をヒタチH−8100装置により200kVにてタングステンフィラメントで行った(空気排除下での作成、ゴールド−グリッド・プラノ、バキューム−トランスフェルハルター)。X−線吸収スペクトル(XAS)をハジーラブ(DESY、ハンブルグ)にてSi(311)−二重結晶モノクロメータにおけるステーションX1にてトランスミッションにて行った(ソフトウェアVIPER)。窒素吸着測定をクオンタクローム・オートソルブ−1 MP装置にて行った。気孔直径はバレット−ジオイナー−ハレンダ(BJH)方法に従って計算した。空の焼成されたMCM−41およびCuO/MCM−41の比表面積(SBET)は、BET−グラフ(p/p=0.05−0.35)の直線部分のデータを用いて測定した。
【0072】
【表1】

【0073】
[a]銅表面はNO−RFCにより測定した。希釈H−雰囲気(2容量%)での予備処理の後、NO(Heにおける1容量%NO)を触媒にわたり案内し、銅表面積を窒素の遊離した量から計算した(Cu−表面原子における密度:1.47・1019−2)。メタノール合成活性は常圧および493°Kの温度の下で測定した。合成ガスとしては72%Hと10%COと14%COと14%Heとからなる混合物を使用した。示したデータは、2時間の反応時間後に得られた。常圧に際し僅かな物質転換に基づき、メタノール以外には他の生成物を全く検出することができなかった。
【0074】
[b]共沈作成された触媒の触媒特異データおよびCu/ZnO/PMS−プローブと同様な条件下でのそのMeOH−合成能力を測定した。回折分析(触媒のCu−表面積に応じて異なる金属濃度における生成速度)から、Cu/ZnO/PMSにて見られるCu−表面積に基づく生成速度を内挿(Cu/ZnO)または外挿(Cu/ZnO/Al)した。比較プローブに関するデータは次の文献から得た:T.ゲンガー、ディサーテーション、ルール−ユニバーシュタット、ボクム(2000)。
【0075】
[c]証明することができない。
【0076】
プローブの更なる特性化:純粋にかつ新鮮な焼成されたMCM−41(φBJH=2.7nm、SBET=712m−1)の1部(350mg)を静的減圧(0.1Pa)にて青−紫色Cu−先駆体[Cu(OCHMeCHNMe](1)の並行部分(1.0g)の蒸気に340°Kにて密封振動チューブ内で晒すと、初期の無色シリケート材料は淡青色に着色する。その際、Cu−先駆体[Cu(OCHMeCHNMe]は、純粋な[Cu(OCHMeCHNMe]が負荷された負荷MCM−41のIRデータの比較と同様に完全に留る。[Cu(OCHMeCHNMe]は高温度(373°K)においても動的減圧下(0.1Pa、24h)にて脱着されないので吸着は強力である。3745cm−1にて観察された遊離シラノール基に対するIR−吸収の欠損は[Cu(OCHMeCHNMe]による気孔壁部の交換作用に関し水素架橋を介し示す。次いで第2工程にて、[Cu(OCHMeCHNMe]が負荷されたキャリヤをジエチル亜鉛−蒸気で処理すれば(この場合、両プローブを並行して振動チューブに設置すると共にこれを減圧密封(0.5g、ZnEt、300°K、0.1Pa)する)、一般に淡青色から赤褐色への色変化が生ずる。不活性ガスの下で毛管内で作成された材料のプローブはX−線粉末回折図にて2θ=44.70°で弱くかつ極めて幅広な構造として生じ、これは小Cu−粒子の[111]−ネット平面の反射に相当する(図2および3)。固体−NMR−スペクトロスコピーは[Zn(OCHMeCHNMe](2)を副生物と見なした。PMSのナノチューブ内で進行した反応にて、これらは溶液にて作成されたグラム尺度で完全に証明しうる定量的な図5(Cu金属にて生ずる(XRD))定量的変換に相当し、亜鉛アルコイド[Zn(OCHMeCHNMe]は溶液中に残留し(NMR−同定)かつブタンはガスとして流出する(GC−MS)。使用した亜鉛アルキルの反応性の低下(たとえばC(SiMeのような極めて僅かなアルキル残基の使用による)に際しアルキル−アルコキシド−変換が止まると共にバイメタル型アルキル亜鉛/銅アルコキシド錯体が単離されて構造的に特性化されることが認められ、その固体−熱分解は従来は微結晶の触媒不活性なCu/ZnO−材料のみをもたらした。
【0077】
このように得られたプローブの緩和な融合
動的減圧(0.1Pa、2h)下で623°KにてCu/[Zn(OCHMeCHNMe]/PMSは更にCH−フリー材料を与え、これは極めて幅広なCu(111)−反射を示す。ZnO−ナノ結晶に関するX−線による証明はしかしながら欠陥を有する(図2)。Cu/ZnO/PMS−プローブの比Cu−表面積は触媒試験の前後にそれぞれ5−6mCu・g−1Katに一致した(表1)。19−130μモル・g−1Kat・h−1におけるメタノール生成能力は、共沈/焼成により作成された2成分Cu/ZnO−触媒の範囲であり、或いはこれをMCM−48プローブの場合は驚くことに明らかに越える。MCM−48−キャリヤの三次元気孔構造は、MCM−41と比較して効果的拡散を可能にする。空気に晒されて完全に酸化されたプローブの還元(H)(Cu(111)−反射の消失)は、初期の活性もしくはCu−表面積を再生した。[M(OCHMeCHNMe]/MCM−41(M=Zn、Cu)の溶融により或いはジエチル亜鉛−蒸気でのMCM−41の処理および焼成により得られた比較プローブCu/MCM−41(10−12重量%;5−7mCu・g−1KatおよびZnO/MCM−41は不活性と証明された。新たに作成されたCu/ZnO/PMS−プローブにつき、第1酸化/還元サイクル(NO/H)の進行に際し50−6mCu・g−1Katの異常に高いCu表面積の数値が測定され、これは5−6mCu・g−1Katの特徴的レベルまで更なる経過にて低下した。この相違は明らかにCu粒子の焼結には基づかず、PMSの気孔壁部に結合すると共にスキーム1に基づき過剰のO−Zn−C基に起因し、この基も同様にNOにより酸化される。
【0078】
Cu/ZnO/MCM−41のEXAFS−スペクトル(図4)は極めて小さいCu−凝集体の存在を実証する。5.8の測定された配位数および第1金属シャーレの高いデバイ−ワラー−ファクタ(Debye−Waller−Faktor)は、高度の格子欠陥を意味する。推定において、球状のモノ分散型粒子は0.7nmの直径に達することを可能にし、これは13Cu−原子のクラスタに相当する。更に粒子寸法の過小評価を配位数およびデバイ−ワラー−ファクタの相関のためと仮定すれば、ほぼ完全なより高い配位シャーレの欠陥は粒子の特徴的寸法が確実に2−3nmの気孔直径以下にあることを示す。Cu凝集体は粒子寸法分布内に存在し、そのうち、粗大分散された割合のX−線屈折(2nm)が記録される。2θ=44.35°のCu(111)−反射位置から計算された2.50ÅのCu−Cu接触はEXAFSデータから得られた2.51Åの数値に相当し、2.56Åのバルク層のCu−Cu間隔と比べて短縮される(小さい粒子の効果)。見出されたCu−O−配位の出所は確実には示唆されない。僅かな平均粒子寸法に鑑み、気孔壁部の酸素原子は既にEXAFS−スペクトルに記録することができ、これは文献に記載された通りである。従って、Cuとして銅の僅かな割合が存在することを排除できない。試験物質とのZnK−スペクトルの比較(図示せず)は、ZnOについてもZnについても一致を与えない。第1のO−スフェアにつき小さ過ぎる強度を見出し、第2スフェア(Zn)は殆ど完全に欠損する。直ぐ近隣としてのSiおよびZnとは良好に適合し、これは固体−NMR−およびIR−データ(遊離シラノール基の欠損)と一致してZnOによる気孔壁部の被覆を示唆する。ZnO−成分の凝集度は従って消失性である。同様に、ZnO−PMS−材料についても水性含浸−/焼成−技術を介して得られた。CuZnO−スペーシスまたはCu−O−Zn配位に対する明らかな証明はデータから抽出することができなかった。
【0079】
Cu−基礎のメタノール触媒は3種類にグループ分けできる:2成分系においてCu/Al(I)、Cu/ZnO(II)および3成分系のCu/ZnO/Al(III)である。従来作成された材料はそれぞれ異なるレベルに活性を修正し、IからIIIまで上昇し、比Cu表面積に対し直線的である。プローブCu/ZnO/MCM−48につき見出された130μモル・g−1Kat・h−1の活性は、2成分系Cu/ZnO触媒と同じ比表面積につき期待された数値より充分高く位置し、既に範囲III内にある。Cu粒子とシリケートマトリックスとの交換作用はこれにつき殆ど責任がない。何故なら、Cu/PMS−比較プローブは不活性であると共に、活性Cu/ZnO/PMS−プローブの気孔壁部は上記したように明らかにZnOで覆われるからである。寧ろ、Cu−およびZnO−成分の共通して高い分散は、新規な積極的作用をもたらすと思われる。共沈/焼成−レシピに従って強制的に沈降するような凝集した(ナノ−)結晶性ZnO−相は相乗効果につき一義的には全く必要でない。冒頭に引用したCu/Zn−合金形成、並びに発明者等の更なる観察(すなわち従来作成されたCu/Al−触媒が既にジエチル亜鉛−蒸気での短い処理の結果、活性上昇を3成分系の領域を越えて誘導すること)に相当する。更に、特定の特に表面的−もしくは検出的なナノ分散されたZnO−キャリヤ材料(153m・g−1)の使用は、[(MeSiO)ZnMe]の固体−熱分解により得られて異常に活性の高い2成分Cu/ZnO−触媒をもたらした。
【0080】
特にCu/ZnO−触媒作成につきPMS−キャリヤ材料の負荷に関する本発明による方法の展望は次の通りである:気孔の寸法および組織の変動(たとえばMCM−41対MCM−48、または他のキャリヤ材料)だけでなく、先駆体物質の化学の利用も、活性金属/促進剤金属(たとえばCu/ZnO−接触)に関する分子制御を有する。その結果は更に、本発明による方法が驚くことに比活性金属表面積(たとえばCu−表面積およびCu/ZnO−限界面積接触もしくはZnO−分散)並びに活性金属−/金属酸化物もしくは促進剤の間の限界面接触の同時的最大化を共通してもたらすことを意味し、従って触媒活性の上昇は従来可能であった数値を越えると共に何ら基本的なことでないことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明による方法に際し活性金属と促進剤金属との分離を行うメカニズムの説明図である。
【図2】下記ローブのX−線粉末回折図である:(a)室温にて得られる予備段階Cu/[Zn(OCHMeCHNMe]/MCM−41、(b)触媒活性プローブCu/ZnO/MCM−41、(c)比較プローブZnO/MCM−41、および(d)比較プローブCu/MCM−41。方向付けのため(111)、(200)および(220)のポリ結晶性銅の反射位置を横軸に示す。
【図3】(a)空虚な焼成されたMCM−41、および(b)Cu/ZnO/MCM−41の小角度−粉末屈折図である。(a)と対比した(b)の特徴的な強度低下はプローブの負荷に関する証明である。追加的に示したCu/ZnO/MCM−41プローブのTEM−値は明らかに不完全な気孔構造を認める:銅−もしくは亜鉛−酸化物粒子はその僅かな寸法に基づき同定できない。銅および亜鉛の存在はそれに属するEDX−スペクトル(元素分散性X−線蛍光分析)により裏付けられる。
【図4】(a)CuK−XANES−、および(b)CuK−EXAFS−スペクトル(Cu/ZnO−MCM−41、および比較物質の(フーリエ転換の数値)、(c)Cu/ZnO/MCM−41のスペクトルの分析;モデルパラメータ:Cu近傍;間隔(R)=2.512±0.002Å、配位数(N)=5.8±0.3、デバイ−ワラー−ファクタ(σ)=(9.6±0.4)10−3、0近傍:R=1.86±0.04Å、N=0.3±0.1、σ=(7±0.11)10−3
【図5】[Cu(OCHMeCHNMe]とジエチル亜鉛とのMCM−41キャリヤ材料の微小管における反応図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質キャリヤと少なくとも1種の活性金属と少なくとも1種の促進剤とを有し、特にメタノール合成に適する触媒の製造方法において、少なくとも500m/gの比表面積を有する多孔質キャリヤを準備し、多孔質キャリヤ上には少なくとも1種の活性金属先駆体を施し、これは還元しうる形態での活性金属、並びに結合原子を介し活性金属原子に結合されて、好ましくは酸素、硫黄、窒素、燐および酸素から選択される少なくとも1種の基を含み、活性金属先駆体は還元剤で還元され、この還元剤は少なくとも1種の促進剤金属と少なくとも1個の水酸基および/または1種の有機基を有し、この有機基は炭素原子を介し促進剤原子に結合されると共に、還元剤は促進剤に移行されることを特徴とする触媒の製造方法。
【請求項2】
還元剤における少なくとも1種の有機基がアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロペンタジエニル基およびその誘導基、並びに水酸基から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
活性金属がAl、Zn、Sn、Bi、Cr、Ti、Zr、Hf、V、Mo、W、Re、Cu、Ag、Au、Ni、Pd、Pt、Co、Rh、Ir、Fe、RuおよびOsから構成される群より選択される請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
促進剤金属がAl、Zn、Sn、稀金属、並びにアルカリおよびアルカリ土類金属から構成される群より選択される請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
活性金属先駆体が式MeXの化合物であり、ここでMeは活性金属先駆体を意味し、Xはアルコラート(OR)アミド(NR)、β−ジケトネート(R(=O)CHC(=O)R)、およびその窒素同族体、特にβ−ケトイミネート(R(=O)CHC(=NR)R)、およびβ−ジイミネート(R(=NR)CHC(=NR)R)、カルボキシレート(RCOO)、オキザレート(C)、ナイトレート(NO)、およびカーボネート(CO)の群から選択され、ここでRは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、6〜18個の炭素原子を有するアリール基を有し、更に残基Rは前記Rと同一でも異なっても良く、pは促進剤金属の原子価に相当する整数であり、oは0と促進剤金属原子の自由配位個所の個数との間の整数であり、Lはルイス−塩基性有機リガンドであって結合原子として酸素もしくは窒素を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
還元剤が式MRの化合物であり、ここでMは促進剤金属を意味し、Rは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、6〜18個の炭素原子を有するアリール基、シクロペンタジエニル基もしくはその誘導基または水酸基を意味し、ここで残基Rは同一でも異なっても良く、nは金属の原子価に相当する整数であり、Lはルイス−塩基性有機リガンドであって結合原子として酸素もしくは窒素を有し、更にmは0と活性金属原子の自由配位個所の個数との間の整数である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
活性金属が銅であり、促進剤金属が亜鉛およびアルミニウムである請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
活性金属促進剤および/または還元剤が蒸気相分離により多孔質キャリヤ上に施される請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
多孔質キャリヤが多孔質シリケート鉱物、ゼオライト、層状シリケート、粘土、柱状粘土、ヒドロタルサイト、並びにモリブデンおよびタングステンのヘテロポリ酸から構成される群より選択される請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
キャリヤがモルデナイト、MCM−41、MCM−48、SBA−15、VPI−5およびクロバライトから構成されるキャリヤの群から選択される請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
触媒の作成に際し200℃の最高温度を越えない請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
多孔質キャリヤ並びにキャリヤ上に沈積された少なくとも1種の活性金属およびキャリヤ上に沈積された少なくとも1種の促進剤とを有する、特にメタノール合成のための触媒において、多孔質キャリヤは少なくとも500m/gの比表面積を有し、活性金属は少なくとも25m活性金属/g活性金属の比表面積を有し、更に促進剤は少なくとも100m/g促進剤の比表面積を有する触媒。
【請求項13】
活性金属が最高10の平均配位数を有する請求項12に記載の触媒。
【請求項14】
メタノール合成のための、または燃料セルテクノロジーのリフォーマとしての触媒の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−527788(P2007−527788A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502273(P2007−502273)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【国際出願番号】PCT/EP2005/002429
【国際公開番号】WO2005/087374
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(591056237)ジュート−ヒェミー アクチェンゲゼルシャフト (33)
【氏名又は名称原語表記】Sued−Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Lenbachplatz 6, D−80333 Muenchen,Germany
【Fターム(参考)】