針状構造体の製造方法
【課題】X線リソグラフィー工程による、従来のくびれ部をもった針状構造体の製造費用の低減、そして工程を簡略化する為になされたものであり、より安価で工程が簡便なフォトリソグラフィー工程により、従来と同様なくびれ部をもった針状構造体が得られる製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】針状構造体の原版の製造と、原版を用いた転写成型工程によりなる針状構造体の製造方法であって、前記原版が、島状の吸光部を形成した基板上にネガ型のフォトレジストを塗布工程と、島状の遮光部を形成したフォトマスクを介し、基板に対して複数の方位から露光光を照射する露光する工程と、基板からフォトマスクを除去し現像する工程と、を含む原版の製造方法であって、基板上の島状の吸光部がフォトマスク上の島状の遮光部より大きい面積であることを特徴とする請求項1記載の針状構造体の製造方法。
【解決手段】針状構造体の原版の製造と、原版を用いた転写成型工程によりなる針状構造体の製造方法であって、前記原版が、島状の吸光部を形成した基板上にネガ型のフォトレジストを塗布工程と、島状の遮光部を形成したフォトマスクを介し、基板に対して複数の方位から露光光を照射する露光する工程と、基板からフォトマスクを除去し現像する工程と、を含む原版の製造方法であって、基板上の島状の吸光部がフォトマスク上の島状の遮光部より大きい面積であることを特徴とする請求項1記載の針状構造体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、針状構造体及び針状構造体製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生理活性物質の生体内への供給方法として、非経口投与が広く用いられている。また、非経口投与として、経皮投与が知られている。経皮経路で生理活性物質を供給する場合、角質層のバリア機能によって、生理活性物質の皮膚透過性が低下する。
【0003】
このため、経皮吸収型の生理活性物質は、比較的皮膚透過性の高いものが選択されており、皮膚透過性の低い生理活性物質の経皮吸収生理活性物質への適用は難しいとされている。
【0004】
近年、生理活性物質を経皮投与する方法として、微細な針状構造体を用いて経皮投与する方法が注目を集めている。
【0005】
微細な針状構造体を用いてバリア性の高い角質層を穿孔することで、生理活性物質の通過経路を形成し、経皮投与の効率を向上することが出来るため、一般的に経皮投与で用いられる脂溶性の生理活性物質だけではなく、水溶性の生理活性物質を経皮投与に適用できるという利点を有する。
【0006】
このとき、微細な針状構造体が角質層を貫通し、毛細血管や神経まで到達しないように設計することで、使用時に出血や痛みを伴わないようにすることができる。
【0007】
上記経皮投与の目的で微細な針状構造体を用いる場合、微細な針状構造体は、皮膚を穿孔するための十分な細さ、および先端角、皮膚の最外層である角質層を貫通し、かつ神経層へ到達しない長さを有していることが望ましい。
【0008】
針状構造体の直径は数μmから100μm程度、針状構造体の先端角度は30°以下、針状構造体の長さは数十μmから数百μm程度、であることが望ましいとされている。
【0009】
従来、皮膚の変質部あるいは変色部を化学的に改善する、又は物質的に覆い隠すことによってそれらが視覚認知されないようにすることを目的に、日常生活において、皮膚又は皮膚角質層への機能(着色化、美麗化、紫外線防御化等)の付与の際に、無痛状態にて、皮膚機能再生行為における簡便性、安全性、効率性を大きく向上させるべく、針状構造体およびその製造方法が提供されていた(特許文献1参照)。
【0010】
これは、主成分素材が生体内において溶解、消失する糖質からなる針状構造体を基板に設け、かつ生理活性物質を内包又は含有した構造であり、針状構造体中間部にくびれ部を設け、容易に折れて針状構造体先端部のみが皮膚角質層内に残留させることで、生理活性物質による効果が数日間〜数ヶ月間、安全に持続するとされる。
【0011】
また、針状構造体中間部のくびれ部については、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を含むX線感光樹脂にシンクロトン放射X線を照射して形成するX線リソグラフィー工程を経て製造するとされる。中間部にくびれ部をもった針状構造体は、直進性の高いX線を異なる角度から複数回照射することによって実現している。
【0012】
しかしながら、特許文献1に示すX線リソグラフィー工程については、直進性の高いX
線を得るためのシンクロトロン放射施設が必要で、装置が大掛かりになる難点があることが知られている。また、露光回数が最低でも4回必要と考えられ、簡便とは言い難い。レジスト露光方式の一つであるフォトリソグラフィー工程とコスト面で比較すると高価であることが明確である。そこでX線リソグラフィー工程を経ずにフォトリソグラフィー工程を経ることによって、くびれ部を設けた同様の針状構造体について安価で、なおかつ簡便な製造方法をみつけることが課題となっている。
【0013】
以下に公知文献を記す。
【特許文献1】特開2003−238347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで本発明の課題は、X線リソグラフィー工程による、従来のくびれ部をもった針状構造体の製造費用の低減、そして工程を簡略化する為になされたものであり、より安価で工程が簡便なフォトリソグラフィー工程により、従来と同様なくびれ部をもった針状構造体が得られる製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の請求項1に係る発明は、くびれ部を設けた針状構造体の製造方法であって、
金属若しくは樹脂からなる、くびれ部を設けた針状構造体の原版を製造する工程と、くびれ部を設けた針状構造体の原版を用いた転写成型工程によりくびれ部を設けた針状構造体の成型品を製造することを特徴とする針状構造体の製造方法である。
【0016】
本発明の請求項2に係る発明は、前記針状構造体の原版が、島状の吸光部をパターニングした基板上にネガ型のフォトレジストを塗布する工程と、島状の遮光部をパターニングしたフォトマスクを介し、露光源から前記基板に対して相違なる複数の方位から露光光を照射することによって、フォトレジストを露光する工程と、前記基板から前記フォトマスクを除去し現像を行う工程と、を含む原版の製造方法であって、基板上の島状の吸光部がフォトマスク上の島状の遮光部より大きい面積であることを特徴とする請求項1記載の針状構造体の製造方法である。
【0017】
本発明の請求項3に係る発明は、前記原版は、針状構造体の成型品が製造されるまで、複数回の転写成型工程を繰り返し実行することを特徴とする請求項1、又は2記載の針状構造体の製造方法である。
【0018】
本発明の請求項4に係る発明は、前記針状構造体は、成形材料として生体適合材料を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の針状構造体の製造方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の針状構造体は、従来と同様のくびれ部を設けた針状構造体を、フォトリソグラフィー工程で製造することを特徴とする。
【0020】
本発明の針状構造体の製造の構成によれば、フォトリソグラフィー工程を用いて、従来のX線リソグラフィー工程を経ずに従来と同様のくびれ部を設けた針状構造体を安価に製造することができ、さらに最低2回の露光回数で原版を製造可能で、従来に比べて工程も簡便になる。
【0021】
本発明の針状構造体の製造方法によれば、従来と同様のくびれ部を設けた針状構造体を
、より安価に、量産することができる。
【0022】
本発明の請求項1、2に係る針状構造体の製造方法によれば、フォトリソグラフィー工程においては、レジスト塗布済みお、島状の吸光部をパターニングした基板に対し、島状の吸光部をパターニングしたフォトマスクをコンタクトさせ、相違なる複数の方位から露光光を照射する露光方法により、くびれ部を設けた針状構造体の原版を製造することができ、従来のX線リソグラフィー工程よりも安価となる効果を有する。
【0023】
本発明の請求項3に係る針状構造体の製造方法によれば、フォトリソグラフィー工程で製造された原版から転写工程を経て得られる成型品については、従来のX線リソグラフィー工程で製造された原版から転写工程を経て得られる成型品よりも安価に製造できるために、従来に対して安価に針状構造体の成型品が得られる効果を有する。
【0024】
本発明の請求項4に係る針状構造体の製造方法によれば、製造方法によって得られる針状構造体は、形状としてくびれ部を有し、生体適合材料によって成形され、これによって、従来のX線リソグラフィー工程によって製造される針状構造体と同様の構造が得られ、したがって、フォトリソグラフィー工程によって安価に針状構造体を製造できる効果を有する。
【0025】
本発明の針状構造体の製造方法によれば、根元にくびれ構造をもった針状構造体は、人間の皮膚等に穿刺された後、横方向に圧力を加えると高い確立で針状構造体くびれ部の根元部分で折れる。
本発明に係る針状構造体の製造方法は、これは生理活性物質透過量の増加、生理活性効果の徐放当を目的として、針状構造体を皮膚角質層内に残留させることで、生理活性物質による効果が数日間〜数ヶ月間、安全に持続させる手段の一つとして産業に利用される可能性がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の針状構造体の製造方法の実施形態を説明する。なお、感光性部材や原版製造に要する化学薬品は、実施例に記すものに限らず、それに相応する従来公知のものを適宜利用可能である。
【0027】
本発明を実施するにあたっては、最初に、BARC(反射防止膜)を島状に配置した基板に対してネガ型のフォトレジストを塗布する工程によってレジスト膜を形成する。次いで、そのレジスト膜の上に島状遮光部を有するフォトマスクをコンタクトに重ね合わせる。次いで露光する。次いで、フォトレジスト面からフォトマスクを除去し、レジスト基板を現像する。以上により、レジストからなる針状構造体の原版が形成される。
【0028】
図1は、本発明の針状構造体の原版の製造工程を説明する説明図であり、(a)は、フォトマスクの平面図であり、(b)は、露光工程の側断面図である。
【0029】
図1(a)は、島状の遮光部4をパターニングしたフォトマスク3の平面図である。ダイヤ状の遮光部4のクロムパターンが配列して形成されている。本発明の針状構造体の原版は、吸光する島状のBARC2をパターニングした基板上にネガ型のフォトレジストを塗布する工程と、島状の遮光部4をパターニングしたフォトマスク3を介し、露光源から前記基板に対して相違なる複数の方位から露光光を照射することによって、フォトレジストを露光する工程と、前記基板からフォトマスクを除去し現像を行う工程と、を含む原版の製造方法である。基板上の島状の吸光するBARC2がフォトマスク上の島状の遮光部4より大きい面積であることを特徴とする。
【0030】
図1(b)は、露光工程を説明する図面で、露光光(図上、照射光L)が基板面の斜め方向より照射されており、レジスト5内に入射した照射光は、直進し、シリコン基板上のBARC2では吸光され、シリコン基板1で反射し、再びレジスト5内を露光する。このため、レジスト5表面、すなわち、フォトマスク面の直下に、くびれ部の露光レジスト領域が形成される。
【0031】
基板1は、例えばシリコン基板が利用できる。これは、フォトレジストの露光源である紫外線波長帯に対する反射率が高い為である。基板サイズは制限しない。
【0032】
基板1に塗布する材料としては、露光光の照射部のみが硬化する光感光性樹脂であれば適宜、利用可能である。
【0033】
フォトマスク3は、基板1のBARC2のパターンに対応した位置にクロムを材料とした島状の遮光部4のパターンが配置されている必要がある。フォトマスクサイズに制限はない。
【0034】
基板1及びフォトマスク3については、それぞれの島状パターンのBARC2、遮光部4同士をアライメントするために、アライメントパターンが入っていることが望ましい。この場合、BARC2と遮光部4との位置関係がくびれ部の形成に重要となる。
【0035】
露光工程としては、フォトマスク3をコンタクトした基板1に対しては、相違なる複数の方位から露光光を照射することができる。露光光の入射角度についても制限は無い。従って露光方法によって、左右対称および左右非対称の針状構造体を製造することができる。
【0036】
基板1の平行に対して斜めから入射する露光光がレジストを露光させ、さらにシリコン基板底面で反射した光についてはレジスト表面へ進み、クロムパターンの近傍にくびれ部が形成される。
【0037】
シリコン基板1底面で反射してレジスト表面に進んだ光については、遮光部直下の一部分だけレジストを露光させる。すなわち、前記反射光は前記遮光部の端部のレジスト表面まで直進し、露光する。上記理由より、前記基板1上のBARC2がフォトマスク3上の遮光部4より大きい面積である必要がある(図1(b)参照)。
【0038】
したがって、入射する露光光の入射角度は高い精度が求められる。例えば露光光源に高圧水銀ランプを用いた場合、複数の波長帯が混在していることが知られているので、バンドパスフィルタ等で単一波長に制限し、光の入射角度を高精度化しても良い。
【0039】
この後、現像工程行うことによって、くびれ部を設けた針状構造体の原版を製造することができる。現像液は、原板の製造に用いるレジストに対して、例えばメーカーが推奨する適切なものを選定して使用することが望ましい。例えばSU−8レジスト(化薬マイクロケム株式会社製)の場合、SU−8 Developer(化薬マイクロケム株式会社製)が望ましい。
【0040】
原版製造後は、複数回の転写成型工程により複製原版を製造する。複製原版としては、例えば金属材や樹脂材を用いることができる。また、転写成型工程における離型性を向上させるために、離型剤を使用することが望ましい。最終的に成型される針状構造体の材料には、例えば生理活性物質を混在した糖分を使用する。なお、原版の形状の仕上がり精度は、指示図面と比較精査する。精度不良の部位について、露光条件、シリコン基板及びフォトマスクの島状のパターン形状の微調整等を補正し、微調整を実施した後、再度露光及び現像を実行、を繰り返して図面との比較精査を行い、指示図面に近似の原版の形状に製造することが重要である。フォトマスクの島状のパターン形状の微調整では、解像限界以下の微小パターンを追加、削除を含む方法等で調整する。
【実施例1】
【0041】
実施例1では、くびれ部を設けた針状構造体を製造した。以下に説明する。最初に、図2に示すシリコン基板1を製造した。本発明の島状パターニングしたBARC2を形成したシリコン基板1にレジストを塗布した平面図である(図2参照)。次いで、図3に示すフォトマスクを製造した。本発明の島状にパターニングしたクロムの遮光部4を形成した合成石英基板3からなるフォトマスクの平面図を示す(図3参照)。
【0042】
次いで、シリコン基板1に対し、SU−8レジストを用い、スピンコーティング法により、膜厚を300μmとして回転塗布し、レジスト層5を形成した。
【0043】
次いで、レジスト塗布した基板1及びフォトマスク3のパターンの中心同士が重なるように、アライメントマークを光学顕微鏡にて確認しながら双方をコンタクトさせた(図4参照)。
【0044】
次いで、露光時においては、傾斜角度が制御できるステージへ露光する基板をセットし、図5に示すように、基板を正方向に15°傾斜させ、高圧水銀ランプによる露光を行った。
【0045】
正方向での露光が完了したら、次いで、図6に示すように反対方向へ15°傾斜させて露光を行い、正方向及び反対方向の露光量を積算して2000mJ/cm2の露光量とした。
【0046】
正方向と反対方向からの入射光と反射光により、300μmのレジスト膜の露光部において、くびれ構造をもった針状構造体形状の潜像を得た(図7参照)。
【0047】
次いで、フォトマスクの基板3を除去した後、現像工程においては、SU−8 Developerを金属製のバットにて揺動させながら基板1の現像を行った。
【0048】
以上のプロセスによって、SU−8レジストを用いて図8に示す様なくびれ部を設けた針状構造体の原版を製造した。
【0049】
針状構造体の原版に対しては、電界メッキ法によりニッケル複製原版を製造した。このとき原版に対し離型処理が施され、シード層としては蒸着により製造したニッケル層30nm厚を用い、電解メッキ時のメッキ液にはスルファミン酸ニッケル溶液を用いた。また、メッキ浴のpHは4.7、メッキ浴槽温度50℃とし、ニッケル層を成膜した(図9参照)。
【0050】
その後、レジスト原版からニッケル層を剥離することにより、ニッケル層による複製凸版8を製造した(図10参照)。
【0051】
ニッケル層による針状構造体の複製凸版8については、離型処理が施され、上述条件による電界メッキ法でニッケル層が成膜された(図11参照)。これから複製凸版を剥離することによって、ニッケル層による針状構造体複製凹版9を製造した(図12参照)。
【0052】
次いで、ニッケル層による針状構造体複製凹版9に、糖分に生理活性物質を混合した物質を充填した(図13参照)。次いで、離型することによって、凸型の針状構造体10、
20の転写成型品を製造した(図14参照)。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の針状構造体の原版の製造工程を説明する説明図で、(a)はフォトマスクの平面図であり、(b)は、露光工程の側断面図である。
【図2】本発明のBARCを島状パターニングしたレジスト塗布基板を示す平面図である。
【図3】本発明のクロムを島状にパターニングしたフォトマスクを示す平面図である。
【図4】本発明のレジスト塗布基板及びフォトマスクをコンタクトさせた側断面図である。
【図5】本発明の基板を正方向に15°傾斜させ、高圧水銀ランプによる露光工程を説明する側断面図である。
【図6】本発明の基板を反対方向へ15°傾斜させた露光工程を説明する側断面図である。
【図7】本発明の正方向と反対方向からの入射光と反射光によりくびれ構造をもった針状構造体形状の潜像を説明する側断面図である。
【図8】本発明のSU−8レジストを用いたくびれ部を設けた針状構造体の原版の側断面図である。
【図9】本発明の針状構造体の原版に対しては、電界メッキ法によりニッケルの複製凸版の製造工程を説明する側断面図である。
【図10】本発明の原版からニッケル層を剥離することにより、ニッケル層による複製凸版の側断面図である。
【図11】本発明の電界メッキ法でニッケル複製凹版の製造工程を説明する側断面図である。
【図12】本発明のニッケル層による針状構造体の複製凹版の側断面図である。
【図13】本発明の針状構造体の複製凹版に、糖分に生理活性物質を混合した物質を充填した製造工程を説明する側断面図である。
【図14】本発明の生理活性物質からなるくびれ付の針状構造体の成型品の側断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1…ベアシリコン基板鏡面研磨面による反射層、基板
2…パターニングされたBARCの反射防止層、BARC
3…合成石英基板による透過層フォトマスク基板、フォトマスク
4…パターニングされたクロムの遮光層、遮光部
5…レジスト層の未露光部分
6…レジスト層の露光部分
7…離型層
8…複製凸版
9…複製凹版
10…成型凸版
20…針状構造体
【技術分野】
【0001】
本発明は、針状構造体及び針状構造体製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生理活性物質の生体内への供給方法として、非経口投与が広く用いられている。また、非経口投与として、経皮投与が知られている。経皮経路で生理活性物質を供給する場合、角質層のバリア機能によって、生理活性物質の皮膚透過性が低下する。
【0003】
このため、経皮吸収型の生理活性物質は、比較的皮膚透過性の高いものが選択されており、皮膚透過性の低い生理活性物質の経皮吸収生理活性物質への適用は難しいとされている。
【0004】
近年、生理活性物質を経皮投与する方法として、微細な針状構造体を用いて経皮投与する方法が注目を集めている。
【0005】
微細な針状構造体を用いてバリア性の高い角質層を穿孔することで、生理活性物質の通過経路を形成し、経皮投与の効率を向上することが出来るため、一般的に経皮投与で用いられる脂溶性の生理活性物質だけではなく、水溶性の生理活性物質を経皮投与に適用できるという利点を有する。
【0006】
このとき、微細な針状構造体が角質層を貫通し、毛細血管や神経まで到達しないように設計することで、使用時に出血や痛みを伴わないようにすることができる。
【0007】
上記経皮投与の目的で微細な針状構造体を用いる場合、微細な針状構造体は、皮膚を穿孔するための十分な細さ、および先端角、皮膚の最外層である角質層を貫通し、かつ神経層へ到達しない長さを有していることが望ましい。
【0008】
針状構造体の直径は数μmから100μm程度、針状構造体の先端角度は30°以下、針状構造体の長さは数十μmから数百μm程度、であることが望ましいとされている。
【0009】
従来、皮膚の変質部あるいは変色部を化学的に改善する、又は物質的に覆い隠すことによってそれらが視覚認知されないようにすることを目的に、日常生活において、皮膚又は皮膚角質層への機能(着色化、美麗化、紫外線防御化等)の付与の際に、無痛状態にて、皮膚機能再生行為における簡便性、安全性、効率性を大きく向上させるべく、針状構造体およびその製造方法が提供されていた(特許文献1参照)。
【0010】
これは、主成分素材が生体内において溶解、消失する糖質からなる針状構造体を基板に設け、かつ生理活性物質を内包又は含有した構造であり、針状構造体中間部にくびれ部を設け、容易に折れて針状構造体先端部のみが皮膚角質層内に残留させることで、生理活性物質による効果が数日間〜数ヶ月間、安全に持続するとされる。
【0011】
また、針状構造体中間部のくびれ部については、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を含むX線感光樹脂にシンクロトン放射X線を照射して形成するX線リソグラフィー工程を経て製造するとされる。中間部にくびれ部をもった針状構造体は、直進性の高いX線を異なる角度から複数回照射することによって実現している。
【0012】
しかしながら、特許文献1に示すX線リソグラフィー工程については、直進性の高いX
線を得るためのシンクロトロン放射施設が必要で、装置が大掛かりになる難点があることが知られている。また、露光回数が最低でも4回必要と考えられ、簡便とは言い難い。レジスト露光方式の一つであるフォトリソグラフィー工程とコスト面で比較すると高価であることが明確である。そこでX線リソグラフィー工程を経ずにフォトリソグラフィー工程を経ることによって、くびれ部を設けた同様の針状構造体について安価で、なおかつ簡便な製造方法をみつけることが課題となっている。
【0013】
以下に公知文献を記す。
【特許文献1】特開2003−238347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで本発明の課題は、X線リソグラフィー工程による、従来のくびれ部をもった針状構造体の製造費用の低減、そして工程を簡略化する為になされたものであり、より安価で工程が簡便なフォトリソグラフィー工程により、従来と同様なくびれ部をもった針状構造体が得られる製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の請求項1に係る発明は、くびれ部を設けた針状構造体の製造方法であって、
金属若しくは樹脂からなる、くびれ部を設けた針状構造体の原版を製造する工程と、くびれ部を設けた針状構造体の原版を用いた転写成型工程によりくびれ部を設けた針状構造体の成型品を製造することを特徴とする針状構造体の製造方法である。
【0016】
本発明の請求項2に係る発明は、前記針状構造体の原版が、島状の吸光部をパターニングした基板上にネガ型のフォトレジストを塗布する工程と、島状の遮光部をパターニングしたフォトマスクを介し、露光源から前記基板に対して相違なる複数の方位から露光光を照射することによって、フォトレジストを露光する工程と、前記基板から前記フォトマスクを除去し現像を行う工程と、を含む原版の製造方法であって、基板上の島状の吸光部がフォトマスク上の島状の遮光部より大きい面積であることを特徴とする請求項1記載の針状構造体の製造方法である。
【0017】
本発明の請求項3に係る発明は、前記原版は、針状構造体の成型品が製造されるまで、複数回の転写成型工程を繰り返し実行することを特徴とする請求項1、又は2記載の針状構造体の製造方法である。
【0018】
本発明の請求項4に係る発明は、前記針状構造体は、成形材料として生体適合材料を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の針状構造体の製造方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の針状構造体は、従来と同様のくびれ部を設けた針状構造体を、フォトリソグラフィー工程で製造することを特徴とする。
【0020】
本発明の針状構造体の製造の構成によれば、フォトリソグラフィー工程を用いて、従来のX線リソグラフィー工程を経ずに従来と同様のくびれ部を設けた針状構造体を安価に製造することができ、さらに最低2回の露光回数で原版を製造可能で、従来に比べて工程も簡便になる。
【0021】
本発明の針状構造体の製造方法によれば、従来と同様のくびれ部を設けた針状構造体を
、より安価に、量産することができる。
【0022】
本発明の請求項1、2に係る針状構造体の製造方法によれば、フォトリソグラフィー工程においては、レジスト塗布済みお、島状の吸光部をパターニングした基板に対し、島状の吸光部をパターニングしたフォトマスクをコンタクトさせ、相違なる複数の方位から露光光を照射する露光方法により、くびれ部を設けた針状構造体の原版を製造することができ、従来のX線リソグラフィー工程よりも安価となる効果を有する。
【0023】
本発明の請求項3に係る針状構造体の製造方法によれば、フォトリソグラフィー工程で製造された原版から転写工程を経て得られる成型品については、従来のX線リソグラフィー工程で製造された原版から転写工程を経て得られる成型品よりも安価に製造できるために、従来に対して安価に針状構造体の成型品が得られる効果を有する。
【0024】
本発明の請求項4に係る針状構造体の製造方法によれば、製造方法によって得られる針状構造体は、形状としてくびれ部を有し、生体適合材料によって成形され、これによって、従来のX線リソグラフィー工程によって製造される針状構造体と同様の構造が得られ、したがって、フォトリソグラフィー工程によって安価に針状構造体を製造できる効果を有する。
【0025】
本発明の針状構造体の製造方法によれば、根元にくびれ構造をもった針状構造体は、人間の皮膚等に穿刺された後、横方向に圧力を加えると高い確立で針状構造体くびれ部の根元部分で折れる。
本発明に係る針状構造体の製造方法は、これは生理活性物質透過量の増加、生理活性効果の徐放当を目的として、針状構造体を皮膚角質層内に残留させることで、生理活性物質による効果が数日間〜数ヶ月間、安全に持続させる手段の一つとして産業に利用される可能性がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の針状構造体の製造方法の実施形態を説明する。なお、感光性部材や原版製造に要する化学薬品は、実施例に記すものに限らず、それに相応する従来公知のものを適宜利用可能である。
【0027】
本発明を実施するにあたっては、最初に、BARC(反射防止膜)を島状に配置した基板に対してネガ型のフォトレジストを塗布する工程によってレジスト膜を形成する。次いで、そのレジスト膜の上に島状遮光部を有するフォトマスクをコンタクトに重ね合わせる。次いで露光する。次いで、フォトレジスト面からフォトマスクを除去し、レジスト基板を現像する。以上により、レジストからなる針状構造体の原版が形成される。
【0028】
図1は、本発明の針状構造体の原版の製造工程を説明する説明図であり、(a)は、フォトマスクの平面図であり、(b)は、露光工程の側断面図である。
【0029】
図1(a)は、島状の遮光部4をパターニングしたフォトマスク3の平面図である。ダイヤ状の遮光部4のクロムパターンが配列して形成されている。本発明の針状構造体の原版は、吸光する島状のBARC2をパターニングした基板上にネガ型のフォトレジストを塗布する工程と、島状の遮光部4をパターニングしたフォトマスク3を介し、露光源から前記基板に対して相違なる複数の方位から露光光を照射することによって、フォトレジストを露光する工程と、前記基板からフォトマスクを除去し現像を行う工程と、を含む原版の製造方法である。基板上の島状の吸光するBARC2がフォトマスク上の島状の遮光部4より大きい面積であることを特徴とする。
【0030】
図1(b)は、露光工程を説明する図面で、露光光(図上、照射光L)が基板面の斜め方向より照射されており、レジスト5内に入射した照射光は、直進し、シリコン基板上のBARC2では吸光され、シリコン基板1で反射し、再びレジスト5内を露光する。このため、レジスト5表面、すなわち、フォトマスク面の直下に、くびれ部の露光レジスト領域が形成される。
【0031】
基板1は、例えばシリコン基板が利用できる。これは、フォトレジストの露光源である紫外線波長帯に対する反射率が高い為である。基板サイズは制限しない。
【0032】
基板1に塗布する材料としては、露光光の照射部のみが硬化する光感光性樹脂であれば適宜、利用可能である。
【0033】
フォトマスク3は、基板1のBARC2のパターンに対応した位置にクロムを材料とした島状の遮光部4のパターンが配置されている必要がある。フォトマスクサイズに制限はない。
【0034】
基板1及びフォトマスク3については、それぞれの島状パターンのBARC2、遮光部4同士をアライメントするために、アライメントパターンが入っていることが望ましい。この場合、BARC2と遮光部4との位置関係がくびれ部の形成に重要となる。
【0035】
露光工程としては、フォトマスク3をコンタクトした基板1に対しては、相違なる複数の方位から露光光を照射することができる。露光光の入射角度についても制限は無い。従って露光方法によって、左右対称および左右非対称の針状構造体を製造することができる。
【0036】
基板1の平行に対して斜めから入射する露光光がレジストを露光させ、さらにシリコン基板底面で反射した光についてはレジスト表面へ進み、クロムパターンの近傍にくびれ部が形成される。
【0037】
シリコン基板1底面で反射してレジスト表面に進んだ光については、遮光部直下の一部分だけレジストを露光させる。すなわち、前記反射光は前記遮光部の端部のレジスト表面まで直進し、露光する。上記理由より、前記基板1上のBARC2がフォトマスク3上の遮光部4より大きい面積である必要がある(図1(b)参照)。
【0038】
したがって、入射する露光光の入射角度は高い精度が求められる。例えば露光光源に高圧水銀ランプを用いた場合、複数の波長帯が混在していることが知られているので、バンドパスフィルタ等で単一波長に制限し、光の入射角度を高精度化しても良い。
【0039】
この後、現像工程行うことによって、くびれ部を設けた針状構造体の原版を製造することができる。現像液は、原板の製造に用いるレジストに対して、例えばメーカーが推奨する適切なものを選定して使用することが望ましい。例えばSU−8レジスト(化薬マイクロケム株式会社製)の場合、SU−8 Developer(化薬マイクロケム株式会社製)が望ましい。
【0040】
原版製造後は、複数回の転写成型工程により複製原版を製造する。複製原版としては、例えば金属材や樹脂材を用いることができる。また、転写成型工程における離型性を向上させるために、離型剤を使用することが望ましい。最終的に成型される針状構造体の材料には、例えば生理活性物質を混在した糖分を使用する。なお、原版の形状の仕上がり精度は、指示図面と比較精査する。精度不良の部位について、露光条件、シリコン基板及びフォトマスクの島状のパターン形状の微調整等を補正し、微調整を実施した後、再度露光及び現像を実行、を繰り返して図面との比較精査を行い、指示図面に近似の原版の形状に製造することが重要である。フォトマスクの島状のパターン形状の微調整では、解像限界以下の微小パターンを追加、削除を含む方法等で調整する。
【実施例1】
【0041】
実施例1では、くびれ部を設けた針状構造体を製造した。以下に説明する。最初に、図2に示すシリコン基板1を製造した。本発明の島状パターニングしたBARC2を形成したシリコン基板1にレジストを塗布した平面図である(図2参照)。次いで、図3に示すフォトマスクを製造した。本発明の島状にパターニングしたクロムの遮光部4を形成した合成石英基板3からなるフォトマスクの平面図を示す(図3参照)。
【0042】
次いで、シリコン基板1に対し、SU−8レジストを用い、スピンコーティング法により、膜厚を300μmとして回転塗布し、レジスト層5を形成した。
【0043】
次いで、レジスト塗布した基板1及びフォトマスク3のパターンの中心同士が重なるように、アライメントマークを光学顕微鏡にて確認しながら双方をコンタクトさせた(図4参照)。
【0044】
次いで、露光時においては、傾斜角度が制御できるステージへ露光する基板をセットし、図5に示すように、基板を正方向に15°傾斜させ、高圧水銀ランプによる露光を行った。
【0045】
正方向での露光が完了したら、次いで、図6に示すように反対方向へ15°傾斜させて露光を行い、正方向及び反対方向の露光量を積算して2000mJ/cm2の露光量とした。
【0046】
正方向と反対方向からの入射光と反射光により、300μmのレジスト膜の露光部において、くびれ構造をもった針状構造体形状の潜像を得た(図7参照)。
【0047】
次いで、フォトマスクの基板3を除去した後、現像工程においては、SU−8 Developerを金属製のバットにて揺動させながら基板1の現像を行った。
【0048】
以上のプロセスによって、SU−8レジストを用いて図8に示す様なくびれ部を設けた針状構造体の原版を製造した。
【0049】
針状構造体の原版に対しては、電界メッキ法によりニッケル複製原版を製造した。このとき原版に対し離型処理が施され、シード層としては蒸着により製造したニッケル層30nm厚を用い、電解メッキ時のメッキ液にはスルファミン酸ニッケル溶液を用いた。また、メッキ浴のpHは4.7、メッキ浴槽温度50℃とし、ニッケル層を成膜した(図9参照)。
【0050】
その後、レジスト原版からニッケル層を剥離することにより、ニッケル層による複製凸版8を製造した(図10参照)。
【0051】
ニッケル層による針状構造体の複製凸版8については、離型処理が施され、上述条件による電界メッキ法でニッケル層が成膜された(図11参照)。これから複製凸版を剥離することによって、ニッケル層による針状構造体複製凹版9を製造した(図12参照)。
【0052】
次いで、ニッケル層による針状構造体複製凹版9に、糖分に生理活性物質を混合した物質を充填した(図13参照)。次いで、離型することによって、凸型の針状構造体10、
20の転写成型品を製造した(図14参照)。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の針状構造体の原版の製造工程を説明する説明図で、(a)はフォトマスクの平面図であり、(b)は、露光工程の側断面図である。
【図2】本発明のBARCを島状パターニングしたレジスト塗布基板を示す平面図である。
【図3】本発明のクロムを島状にパターニングしたフォトマスクを示す平面図である。
【図4】本発明のレジスト塗布基板及びフォトマスクをコンタクトさせた側断面図である。
【図5】本発明の基板を正方向に15°傾斜させ、高圧水銀ランプによる露光工程を説明する側断面図である。
【図6】本発明の基板を反対方向へ15°傾斜させた露光工程を説明する側断面図である。
【図7】本発明の正方向と反対方向からの入射光と反射光によりくびれ構造をもった針状構造体形状の潜像を説明する側断面図である。
【図8】本発明のSU−8レジストを用いたくびれ部を設けた針状構造体の原版の側断面図である。
【図9】本発明の針状構造体の原版に対しては、電界メッキ法によりニッケルの複製凸版の製造工程を説明する側断面図である。
【図10】本発明の原版からニッケル層を剥離することにより、ニッケル層による複製凸版の側断面図である。
【図11】本発明の電界メッキ法でニッケル複製凹版の製造工程を説明する側断面図である。
【図12】本発明のニッケル層による針状構造体の複製凹版の側断面図である。
【図13】本発明の針状構造体の複製凹版に、糖分に生理活性物質を混合した物質を充填した製造工程を説明する側断面図である。
【図14】本発明の生理活性物質からなるくびれ付の針状構造体の成型品の側断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1…ベアシリコン基板鏡面研磨面による反射層、基板
2…パターニングされたBARCの反射防止層、BARC
3…合成石英基板による透過層フォトマスク基板、フォトマスク
4…パターニングされたクロムの遮光層、遮光部
5…レジスト層の未露光部分
6…レジスト層の露光部分
7…離型層
8…複製凸版
9…複製凹版
10…成型凸版
20…針状構造体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
くびれ部を設けた針状構造体の製造方法であって、
金属若しくは樹脂からなる、くびれ部を設けた針状構造体の原版を製造する工程と、くびれ部を設けた針状構造体の原版を用いた転写成型工程によりくびれ部を設けた針状構造体の成型品を製造することを特徴とする針状構造体の製造方法。
【請求項2】
前記針状構造体の原版が、島状の吸光部をパターニングした基板上にネガ型のフォトレジストを塗布する工程と、島状の遮光部をパターニングしたフォトマスクを介し、露光源から前記基板に対して相違なる複数の方位から露光光を照射することによって、フォトレジストを露光する工程と、前記基板から前記フォトマスクを除去し現像を行う工程と、を含む原版の製造方法であって、基板上の島状の吸光部がフォトマスク上の島状の遮光部より大きい面積であることを特徴とする請求項1記載の針状構造体の製造方法。
【請求項3】
前記原版は、針状構造体の成型品が製造されるまで、複数回の転写成型工程を繰り返し実行することを特徴とする請求項1、又は2記載の針状構造体の製造方法。
【請求項4】
前記針状構造体は、成形材料として生体適合材料を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の針状構造体の製造方法。
【請求項1】
くびれ部を設けた針状構造体の製造方法であって、
金属若しくは樹脂からなる、くびれ部を設けた針状構造体の原版を製造する工程と、くびれ部を設けた針状構造体の原版を用いた転写成型工程によりくびれ部を設けた針状構造体の成型品を製造することを特徴とする針状構造体の製造方法。
【請求項2】
前記針状構造体の原版が、島状の吸光部をパターニングした基板上にネガ型のフォトレジストを塗布する工程と、島状の遮光部をパターニングしたフォトマスクを介し、露光源から前記基板に対して相違なる複数の方位から露光光を照射することによって、フォトレジストを露光する工程と、前記基板から前記フォトマスクを除去し現像を行う工程と、を含む原版の製造方法であって、基板上の島状の吸光部がフォトマスク上の島状の遮光部より大きい面積であることを特徴とする請求項1記載の針状構造体の製造方法。
【請求項3】
前記原版は、針状構造体の成型品が製造されるまで、複数回の転写成型工程を繰り返し実行することを特徴とする請求項1、又は2記載の針状構造体の製造方法。
【請求項4】
前記針状構造体は、成形材料として生体適合材料を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の針状構造体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−78072(P2009−78072A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−250972(P2007−250972)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]