説明

鉄道車両台車枠および中空構造体の製造方法

【課題】鉄道車両台車枠横梁の製造において、溶接作業性を損なうことなく、溶接歪を低減する。
【解決手段】横梁パイプ610と、補強梁620と、キャリパ受630と、歯車箱吊受640と、モータ受650の溶接において、パイプ610内部に中空の容器660を挿入し、容器660内部に流体670を充填する。その後容器660を密閉した状態で、アーク溶接680を実施する。これによって溶接歪を低減することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鉄道車両台車枠の製造方法に係り、特に中空部材である横梁パイプ等へ各部材を接合するための溶接技術に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の台車は、車輌下部に位置し、車輪を回転させたり止めたりすることによって、鉄道車両に推力や制動力をもたらす装置である。一般的な鉄道車両の台車の構造を図2に示す。台車は、台車枠と、車輪と車軸が一体となった輪軸と、輪軸を回転させるモータや車輪の回転数を減じるブレーキキャリパといった各種モジュールから成る。
【0003】
台車枠の一般的な構造を図3に示す。図3(A)は台車枠の斜視図であり、図3(B)は平面図である。台車枠は、進行方向に対して左右に位置する一対の側梁と、側梁を連結する一対の横梁と、各種モジュールの搭載部分から成る。同搭載部分はモジュールを受け支える部位であることから、モータ受・キャリパ受などと呼ばれる。台車枠は強度および軽量性の観点から、鉄またはアルミの中空構造が採用されている。なお、横梁間には強度向上のための補強梁が設けられることもある。
【0004】
台車枠の製造では、まず切断やプレスにより鉄板から部品を成形し、次にその部品同士を溶接などにより結合して、側梁や横梁、各種受といった台車枠の構成部材を作製する。次に、それら構成部材を結合することにより台車枠が製造される。台車枠製造における部材同士の結合では、MAG(Metal Active Gas)溶接やMIG(Metal Inertia Gas)溶接などが用いられる。
【0005】
溶接においては、溶接歪が問題になる。低歪溶接方法として、溶接熱源にMAGやMIGなどのアークではなく、レーザーや電子ビームを用いる方法が提案されている。このような技術を記載したものとして、「特許文献1」および「特許文献2」が挙げられる。また、「特許文献3」には、中空管体に板材をスポット溶接する際に、スポット溶接時の機械的圧力によって中空管体が変形することを防止するために、中空管体内に粉状流体を高い圧力で充填する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−55952号公報
【特許文献2】特開2008−149913号公報
【特許文献3】特開2008−93683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
台車枠製造における部材同士の溶接による結合において、溶接歪の発生が不可避である。溶接歪とは、溶接による局所的な温度変化のため溶接部を中心とした曲がりなどの変形が起こり、その結果製品の各所に生じる、本来の形状からのずれである。図4に溶接歪の概念図を示す。本来ならば真直ぐであるべき側梁が、横梁との連結部において折れており、側梁先端部において本来の位置からのずれ300が大きくなっている。このずれが溶接歪である。溶接歪は程度によってはその後の組立やケガキなどの施工を困難にする。この場合、形状の修正が必要となり、このための工程を歪取りという。
【0008】
歪取りには局所加熱緊張法が一般的に用いられる。すなわち、バーナーなどで局所的に製品表面を融点付近まで加熱した後、冷却する方法である。局所加熱緊張法のメカニズムを図5に示す。加熱時、局所的な熱膨張により、製品430は加熱部を頂点とした凸形状を呈する。ここで、非加熱部分は膨張しないために拘束として作用する。このため加熱部は塑性変形を生じることとなる。
【0009】
その後の冷却過程で同部は熱収縮するが、前記塑性変形の分、同部は加熱前に比べて凹形状に近づく。これにより溶接歪で凸となった部分を均し、形状を修正していく。しかし、本歪取り作業は工数の増大につながり、生産リードタイムおよびコストの面で問題となる。特に、図3のモータ受、歯車箱吊受、キャリパ受の横梁への溶接において大きな溶接歪が発生し、歪取りに多大な工数がかかるという問題がある。
【0010】
また、前記局所加熱緊張法は熟練した技術を要する作業であるが、近年、作業者の高年齢化による作業者数の減少および技術の継承が課題となっている。以上の理由から、歪取りの必要のない、溶接歪を小さく抑えた溶接方法(低歪溶接方法)が求められている。
【0011】
「特許文献1」および「特許文献2」に記載されているレーザーや電子ビームはアークに比べてパワー密度を大きく、入熱範囲を小さくすることができる特徴を有する。これにより、高パワー密度、小入熱範囲にて溶接を行なうことで、溶融部および熱影響部を狭い範囲に抑え、溶接歪を低減することができる。しかし、高パワー密度のレーザー溶接機や電子ビーム溶接機は設備コストが高いという問題がある。
【0012】
「特許文献3」が対象とする技術は、溶接時の熱による歪ではなく、機械的な圧力による歪を対策するものであり、アーク溶接における、熱歪、あるいは、溶接材料が溶解することによって生ずる歪を対象とするものではない。また、スポット溶接は、その溶接方法から、被溶接体が複雑な形状をしている場合は、適用することが困難である。
【0013】
この他の低歪溶接方法として、主にアルミの結合に用いられるFSW(Friction Stir Welding)の利用が考えられる。FSWは、接合する板同士をサブミリ〜数mmのギャップでつき合わせ、ねじ状の接合工具をギャップ内で回転させ、両板の組織を攪拌して混ぜ合わせて接合する方法である。
【0014】
しかし、台車枠が鉄製の場合、接合工具の硬度を台車枠に比べて十分高くすることができない。このため、溶接中の工具の疲労がアルミを対象とした場合に比べて激しい。このため工具寿命が短く、工具交換の頻度が高くなり、その結果コストが高くなるという問題がある。
【0015】
溶接熱源にアークを用いる場合でも、台車枠を他の構造物に機械的に拘束することにより、全体の剛性を向上させ、溶接歪を小さくすることができる。ただし、拘束先の構造物の剛性をある程度大きくしないと、溶接時に台車枠が変形しようとする力に対して、構造物が安易に変形してしまって十分な歪低減効果が得られない。
【0016】
台車枠は肉厚数mm〜十数mmの鉄製で、数メートルに及ぶ大きさであるため、拘束先の構造物としては、図6のような台車枠と同等もしくはそれ以上の大きさの鉄製の定盤か、同サイズの鉄製の治具が用いられる。拘束方法としては、万力や溶接などがある。この拘束部分の剛性も溶接時の変形に耐えられるように考慮されなければならない。また、機械的拘束以外にも、溶接による変形とは逆の向きに力を加えながら溶接を行なうことも効果的である(逆歪)。
【0017】
ここで、MAG溶接あるいはMIG溶接は、溶接品質確保のために、溶接トーチを鉛直上から下に向けて行なう必要がある。一方、台車枠の溶接箇所は鉛直・水平あらゆる方向に多数存在する。このため、台車枠の溶接においては、台車枠の向きを自在かつ迅速に変えることができるポジショナーと呼ばれる装置が一般的に利用される。よって、溶接歪低減を狙いとして拘束を行なう場合、台車枠の拘束先を地面に水平な定盤とすると、向きが固定されてしまうので問題となる。
【0018】
以上の理由から、拘束あるいは逆歪により台車枠の溶接歪を低減する場合、台車枠とほぼ同じサイズの鉄製の治具を用いる必要がある。しかしここで、溶接が人の手で行なわれる場合は、治具が邪魔になって作業性が損なわれ、効率が低下するといった問題が生じる。
【0019】
ここで、台車枠のような中空部材に対しては、治具を部材内部に設置して拘束することも可能である。例えば、円形断面の横梁内部に鉄製の中実棒を挿入し、両者を拘束する方法である。これにより前記溶接作業性の問題を回避することができる。しかし、内部に挿入することから治具の大きさを横梁以上とすることはできないため、治具の剛性を大きく取ることが難しいという問題がある。また、拘束部分の剛性を確保しつつ、溶接後に着脱が可能な機構とすることが難しいという問題もある。
【0020】
以上のように従来の溶接方法では、コストと効率と歪低減を両立させることはできなかった。したがって、本発明の課題は、鉄道車両台車枠を製造する際の、種々の構造体の接合を、コストの上昇を抑え、かつ、低歪のアーク溶接によって行うことを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は前述した課題を解決するものであり、具体的な手段は下記のとおりである。
【0022】
(1)一対の側梁と、前記一対の側梁を連結する一対の横梁と、前記一対の横梁を連結する一対の補強梁と、前記一対の横梁に連結された一対のモータ受および歯車箱吊受と、前記一対の横梁の両端部に連結された二対のキャリパ受とを備える鉄道車両台車枠の製造方法であって、前記一対の横梁の内部に中空の容器を挿入する工程と、前記容器内部に流体を充填し、密閉する工程と、前記モータ受・歯車箱吊受・キャリパ受のうち少なくともひとつを前記横梁にアーク溶接によって結合する工程を備えることを特徴とする鉄道車両台車枠の製造方法。
【0023】
(2)前記容器の材料が、繊維を多重に重ねた構造であることを特徴とする(1)に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【0024】
(3)前記容器の外部に金属板を貼り付けたことを特徴とする(1)に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【0025】
(4)前記流体が気体であることを特徴とする(1)に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【0026】
(5)前記気体が空気であることを特徴とする(4)に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【0027】
(6)前記流体が液体であることを特徴とする(1)に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【0028】
(7)前記液体が水であることを特徴とする(1)に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【0029】
(8)前記流体が粉体であることを特徴とする(1)に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【0030】
(9)前記粉体が鉄粉であり、平均粒径が中空部材肉厚寸法以下であることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【0031】
(10)前記粉体が砂であり、平均粒径が中空部材肉厚寸法以下であることを特徴とする(1)に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【0032】
(11)前記流体を前記容器内にポンプを用いて圧入することを特徴とする(4)乃至(7)のいずれかに記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【0033】
(12)一対の側梁と、前記一対の側梁を連結する一対の横梁と、前記一対の横梁を連結する一対の補強梁と、前記一対の横梁に連結された一対のモータ受および歯車箱吊受と、前記一対の横梁の両端部に連結された二対のキャリパ受とを備える鉄道車両台車枠の製造方法であって、前記一対の横梁の内部に流体を充填し密閉する工程と、前記モータ受・歯車箱吊受・キャリパ受のうち少なくともひとつを前記横梁にアーク溶接によって結合する工程を備えることを特徴とする鉄道車両台車枠の製造方法。
【0034】
(13)一対の側梁と、前記一対の側梁を連結する一対の横梁と、前記一対の横梁を連結する一対の補強梁と、前記一対の横梁に連結された一対のモータ受および歯車箱吊受と、前記一対の横梁の両端部に連結された二対のキャリパ受とを備える鉄道車両台車枠の製造方法であって、前記一対の横梁の内部に弾性の構造体を挿入する工程と、前記構造体を横梁内壁に接触する工程と、前記モータ受・歯車箱吊受・キャリパ受のうち少なくともひとつを前記横梁にアーク溶接によって結合する工程を備えることを特徴とする鉄道車両台車枠の製造方法。
【0035】
(14)前記弾性の構造体を前記横梁内壁へ接触させ、前記構造体を前記横梁内壁に押圧させることによる摩擦力にて、前記アーク溶接における歪を防止することを特徴とする(13)に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【0036】
(15)前記弾性の構造体の材質を鉄としたことを特長とする(13)に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【0037】
(16)前記弾性の構造体の前記横梁内壁への押圧に、ねじ式の直動機構または液圧を利用したジャッキを用いることを特長とする(14)に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【0038】
(17)前記直動機構または液圧を利用したジャッキと、構造体が横梁と接する部位との間にセラミックの板を挿入したことを特長とする(16)に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【0039】
(18)溶接している間、前記弾性の構造体に構造体よりも低温の風を当てることを特長とする(13)に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【0040】
(19)前記風を横梁内部を通して送ることを特長とする(13)に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【0041】
(20)中空構造体の製造方法であって、前記中空部材の内部に中空の容器を挿入する工程と、前記容器内部に流体を充填し、密閉する工程と、前記中空部材に他の部材をアーク溶接によって結合する工程を備えることを特徴とする、中空構造体の製造方法。
【0042】
(21)中空構造体の製造方法であって、前記中空部材の内部に弾性の構造体を挿入する工程と、前記弾性構造体を中空部材内壁に接触する工程と、前記中空部材に他の部材をアーク溶接によって結合する工程を備えることを特徴とする、中空構造体の製造方法。
【0043】
(22)前記弾性の構造体を中空部材内壁へ接触させ、前記弾性構造体を中空構造体の内壁に押圧させることによる摩擦力にて、前記アーク溶接における歪を防止することを特徴とする(21)に記載の中空構造体の製造方法。
【0044】
(23)前記弾性の構造体の中空部材内壁への押圧に、ねじ式の直動機構または液圧を利用したジャッキを用いることを特長とする(22)に記載の中空構造体の製造方法。
【0045】
(24)前記直動機構または液圧を利用したジャッキと、弾性構造体が中空部材と接する部位との間に、セラミックの板を挿入したことを特長とする(23)に記載の中空構造体の製造方法。
【0046】
(25)溶接している間、前記弾性の構造体に構造体よりも低温の風を当てることを特長とする請求項21に記載の中空構造体の製造方法。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、台車枠の横梁にモータ受等の部材の接合をアーク溶接によって行う際、歪の小さいアーク溶接を実現することが出来る。また、溶接の際の作業性を損なうこともなく、低コストで鉄道車両台車枠を製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明による鉄道車両台車枠横梁の製造方法を示す模式図である。
【図2】一般的な鉄道車両台車の構造である。
【図3】一般的な鉄道車両台車枠の構造である。
【図4】溶接歪の模式図である。
【図5】局所加熱緊張法のメカニズムの模式図である。
【図6】定盤に拘束した台車枠の模式図である。
【図7】本発明による鉄道車両台車枠横梁の製造フローである。
【図8】本発明による鉄道車両台車枠横梁の他の製造フローである。
【図9】本発明の実施例2による鉄道車両台車枠横梁の製造フローである。
【図10】実施例2の溶接方法の詳細図である。
【図11】本発明の実施例2による鉄道車両台車枠横梁の製造フローである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下に本発明の内容を、実施例を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0050】
図1は本発明の概要を示す斜視図である。図1において、横梁パイプ610に、補強梁620、キャリパ630、歯車箱吊受640、モータ受け650等がアーク溶接によって溶接されている。溶接部680はアーク溶接によって行われている。横梁パイプ610にこれらの構造物を溶接する際、横梁パイプ610の内部に中空の容器660を挿入し、容器660の内部に流体670を充填している。その後、容器660を密閉した状態で、アーク溶接を行う。図1において、容器660および流体670の作用によってアーク溶接時に横梁パイプ610の変形を防止することが出来る。
【0051】
以下に図7を用いて本発明による鉄道車両台車枠の製造フローを説明する。側梁および横梁からなる台車枠の、横梁製造における補強梁620、キャリパ受630、歯車箱吊受640、モータ受650のパイプ610への溶接において、まず、図7(A)に示すように、各種受およびパイプ610の部材を用意する。次に、図7(B)に示すように、それらを目標形状に組み立てる。このとき形状を保持するため、部材同士に断続的な溶接を行なうのが一般的である。同工程を仮付けと呼び、後の連続的な溶接を本溶接と呼ぶ。次に、図7(C)に示すように、中空の横梁内部に中空の容器660を挿入する。その後、図7(D)に示すように、容器内部に流体670を充填し、密閉する。この状態で、図7(E)に示すように、本溶接を行う。このような溶接フローにより、溶接作業性を損なうことなく、容器に充填された流体が抵抗となって、溶接歪を低減することができる。
【0052】
次に、本発明の詳しい実施形態を順を追って以下に説明する。まず、横梁の各部材(パイプ、補強梁、キャリパ受、モータ受、歯車箱吊受)を用意する。次に、これらを組み立てるが、このとき各部材を正しい位置に合わせるために治具で補助するのが一般的である。部材同士の位置を合わせた後、その状態を保持するため、仮付けを行なう。仮付けは、溶接長は数十mm程度で、ピッチ数百mmの間隔で部材間を断続的に溶接する。溶接方法は何でもよく、本溶接と同じMIG溶接やMAG溶接が通常選択される。なお、仮付けの溶接歪は小さく、ここでは考慮しない。
【0053】
次に、パイプ内部に容器を挿入する。容器の材料としては、剛性の低い布状のものがよい。挿抜が容易であると同時に、流体を充填したときにパイプ内壁と隙間なく密着しやすいためである。また、形状は流体が充填されたときにパイプ内壁に隙間なく密着するため、パイプ形状と同じ円筒形がよい。ここで、布状のものとは、繊維を多重に重ねた構造を言う。気密性あるいは液密性を保持するためには、内部にプラスチックシート等の気密性あるいは液密性のシートを配置すればよい。なお、気密性とは、真空を保持できるというのではなく、アーク溶接をおこなう間、内部に高圧の気体を保持できる作用を有すればよい。
【0054】
なお、後述する溶接において、流体の圧縮の反作用により、容器には大きな圧力がかかる。容器の横梁内壁と密着する部分では、横梁が容器を受け支えるために容器が破壊されることはほぼないが、それ以外、例えば容器先端部など、容器がパイプと接触せずに露出した部分においては、溶接時の圧力に耐えられずに容器が破壊する可能性がある。これに対しては、容器の該当箇所の外側を金属板などで補強することで防ぐことができる。あるいは、パイプの一端を金属板の溶接によりふたをするなどしてもよい。
【0055】
次に、容器内部に流体を充填する。流体としては液体または高圧の気体が挙げられる。液体は体積弾性率が非常に高く、ほぼ体積が変わらないために、後述の理由により、本発明に用いた場合に高い効果が得られる。気体は常圧では容易に体積が変化するが、高圧とすることで体積弾性率が大きくなり、液体の場合に近い効果を得ることができる。液体は水が、気体は空気が安価でよい。気体を充填する方法としてはポンプが適している。容器内に気体を効率的に送り込み、かつ高圧にすることが可能なためである。また、液体を充填する方法としてもポンプが有効である。この理由を説明する。容器内を完全に液体で満たそうとしても、意図せず容器内に気泡が混入する場合がある。この気泡の体積が大きいと、溶接時に容易に圧縮されて、本発明の歪低減効果が小さくなってしまう。しかしここで、ポンプにより高圧で液体を容器内に充填すれば、気泡が混入していても、高圧によりあらかじめ圧縮され、その後の溶接時の圧縮による体積変形を小さくすることができる。
【0056】
また、容器内に充填する流体は粉体でもよい。材質としては砂や鉄粉が安価である。粉体の粒径はある程度小さくなければならないが、平均粒径が横梁肉厚寸法以下であれば溶接歪低減効果がある。なお、容器内に充填する流体は、上記の液体、気体、粉体を混ぜ合わせたものでもよい。
【0057】
容器内へ流体を充填した後は、容器を密閉する。その後、部材間の本溶接を行なう。このとき溶接歪が低減されるが、その理由を以下に説明する。キャリパ受等の部材をパイプに溶接するとき、パイプは溶接部を中心とした曲がりを生じようとするが、このとき一般にパイプ内部の容積は減少する。ここで、本フローを用いた場合は、パイプ内部に充填された流体が圧縮を受けるが、流体は体積弾性率が非常に高いためにほとんど体積を減少することができない。よって、同様な大きさの曲がりを生じるためには、容器を曲げる力に加えて、曲がりによって生じる体積減少分を補填するような変形を他の部分に生じる必要がある(例えば容器先端部分)。これにより、パイプを単純に曲げる場合に比べ、他の部分を変形させる分、より大きな力が必要となる。これにより溶接曲がりが低減される。
【0058】
溶接終了後、流体を詰めた容器をパイプ外部へ取り去る。このとき、中の流体を先に取り除くことで、小さな力で容器を抜き取ることができる。流体が気体の場合は容器内外をリークすればよい。水などの液体の場合は、ポンプを使うか、横梁を傾けるなどすればよい。流体が粉体の場合は横梁を傾けて揺らすなどする。ここで、粉体が鉄粉などの磁性材料の場合は、磁石を用いれば、より効率的な除去が可能である。例えば、電磁石の棒を鉄粉の詰まった横梁端部に近づけて磁力を加え、鉄粉の一部を電磁石に吸い付ける。鉄粉のついた電磁石を横梁から離して磁力を解除すると、鉄粉が重力に従って落下する。これを繰り返すことで鉄粉を横梁外部に効率的に取り去ることが可能である。以上で横梁のパイプへの低歪溶接が完了する。
【0059】
なお、上記説明においては、パイプ内にまず容器を挿入し、容器内を流体で満たす形態としたが、容器を用いず、パイプ内を直接流体で満たしても同様な効果が得られる。図8にこの工程を示す。まず各種受およびパイプ610を用意する(図8(A))。次に、それらを目標形状に組み立てる(図8(B))。この工程までは、図7(A)、図7(B)と同様である。
【0060】
次に、中空の容器を用いず、中空の横梁内部に直接流体670を充填する(図8(C))。したがって、パイプ610には孔がないか、孔がある場合は、一時的に孔を塞ぐことが必要である。パイプ610に流体が充填されている状態で各部材をパイプ610に本溶接を行う(図8(D))。溶接終了後、流体をパイプ外部へ取り去る。図8に示すプロセスによる効果も図7に示すプロセスの効果と同様、アーク溶接の歪を抑えることが出来る。
【0061】
以上が本発明による鉄道車両台車枠横梁の低歪溶接の実施形態である。本発明を適用した場合、50%の歪低減効果があることを熱変形シミュレーションにより確認した。なお、本発明の適用対象は横梁に限定するものではなく、側梁はもちろん、鉄道車両以外にも、トラックのシャシーフレームや発電所の配管などのあらゆる中空の構造物を対象とすることができる。
【実施例2】
【0062】
以下に図9を用いて本発明による他の鉄道車両台車枠の製造フローを説明する。横梁製造における補強梁620、キャリパ受630、歯車箱吊受640、モータ受650のパイプ610への溶接において、まず、図9(A)に示すように、各種受およびパイプ610の部材を用意する。次に、図9(B)に示すように、それらを目標形状に組み立て、仮付けを行なう。その後、図9(C)に示すように、パイプ内部の各種受の位置(図ではキャリパ受とした)に着脱可能な機構を備えた弾性の構造体900を挿入し、パイプ内壁に密接させる。次に、図9(D)に示すように、本溶接を行なう。その後、弾性構造体900を挿入したまま冷却し、冷却後に取り去る。このような溶接フローによっても、溶接作業性を損なうことなく、パイプ内の弾性構造体が抵抗となって、溶接歪を低減することができる。
【0063】
次に、本発明の詳しい実施形態を順を追って以下に説明する。まず、横梁の各部材(パイプ、補強梁、キャリパ受、モータ受、歯車箱吊受)を用意する。次に、これらを治具を用いて正しい位置に合わせて組み立て、仮付けを行なう。次に、パイプ内部の各種受の位置(図ではキャリパ受とした)に弾性の構造体900を挿入する。構造体900は、パイプ内部に接する形状の接触部911および912と、接触部間距離の調節が可能な直動部920から成る。構造体には、溶接熱伝達による温度上昇に耐える耐熱性と、溶接変形に対抗するための高温での剛性が求められる。これより、材質としては鉄系の合金がよい。また、直動部の機構としては、同様な理由によりねじ式がよい。
【0064】
次に、直動部を調節することにより接触部911および912の距離を広げ、パイプ内壁に密接させる。さらに接触部間距離を拡大するようにねじを回転させると、接触部間で突っ張ってパイプ内壁への押圧力が高まり、摩擦力によって弾性構造体900がパイプ内壁に結合する。
【0065】
次に、各種受の溶接を行なう。このとき溶接変形(溶接部680を中心とした曲がり)に対して、弾性構造体が抵抗となり、溶接歪が低減される。溶接時、弾性構造体は横梁の内部に納まっており、溶接作業性に対する悪影響はない。また、溶接後に弾性構造体を結合したまま冷却することで、溶接直後に取り外した場合よりも大きな歪低減が得られることが知られている。
【0066】
冷却後、接触部間距離を狭めるようにねじを回転させ、弾性構造体を取り外す。以上で横梁のパイプへの低歪溶接が完了する。
【0067】
以上が本発明による鉄道車両台車枠横梁の低歪溶接の実施形態である。本発明をキャリパ受溶接部に適用した場合、20%の歪低減効果があることを実験により確認した。なお、本発明の適用対象は横梁のみに限定するものではなく、側梁はもちろん、鉄道車両以外にも、トラックのシャシーフレームや発電所の配管などのあらゆる中空の構造物を対象とすることができる。
【0068】
なお、弾性構造体はパイプの内壁に密接させるだけでも溶接時の変形抵抗となって歪低減効果が得られるが、接触部間に大きな突張力を加えることで、さらなる歪低減が可能である。その理由は次のように説明される。溶接歪は溶接収縮により生じるが、逆の引張応力を与えておけば溶接歪を低減できる。前記突張力はパイプの円周方向への引張応力となり、突張力が大きいほど、パイプの引張応力も大きくなる。これより、弾性構造体は降伏しない範囲でめいっぱい突っ張るのがよい。このためにはバールなどを用いて大トルクでねじを回せばよいが、直動機構を液圧ジャッキとすれば、さらに大きな突張力を得ることができ、その結果さらなる歪低減効果が望める。ただし、油圧などの液圧ジャッキは使用温度上限が100℃程度であるため、そのまま置き換えたのでは、溶接熱伝達による温度上昇で液漏れ等の危険性がある。これを回避するためには、接触部911と直動部920との間に断熱板を挿入して直動部への熱伝達を妨げるとともに、直動部を冷却すればよい。図10に、液圧ジャッキを用いた低歪溶接の模式図を示す。弾性構造体1000は接触部1011および1012の間に液圧ジャッキ1020を有する。また、接触部と液圧ジャッキとの間に断熱板1040を有し、液圧ジャッキの側壁に放熱フィン1030が取り付けられている。断熱板は、溶接の温度上昇に耐える耐熱性と断熱性(低熱伝導率)のほかに、溶接変形に対抗するための高い剛性および圧縮強度が求められる。これより、材質としてはホトベールなどの低熱伝導セラミックがよい。また、放熱フィンの材料はアルミまたは銅が安価でかつ熱伝導率が高くてよい。
【0069】
溶接においては、弾性構造体1000を横梁パイプ610内部の各種受の溶接位置に挿入する。次に、液圧ジャッキ1020をジャッキアップして突張力を作用させる。さらに弾性構造体1000に風を当てて冷却する。溶接部から離れたパイプの口近傍から送風機にて風を送れば、溶接部近傍に比べて低い温度の風が、パイプ内を流路として確実に弾性構造体に当たり、効率的に液圧ジャッキ1020を冷却することができる。この状態で溶接を行なう。このとき、溶接変形を引き起こす溶接収縮に対しては、ジャッキの突張力に起因する引張応力が対抗し、かつ、溶接変形(溶接部680を中心とした曲がり)に対しても弾性構造体が抵抗する。この2つの効果の重畳により溶接歪が低減される。また、溶接後も弾性構造体を結合したまま冷却することで、さらなる歪低減効果が得られる。
【0070】
冷却後、ジャッキアップを解き、弾性構造体を取り外す。以上で液圧ジャッキを用いた場合の横梁パイプへの低歪溶接が完了する。
【実施例3】
【0071】
以下に図11を用いて本発明による他の鉄道車両台車枠の製造フローを説明する。横梁製造における補強梁620、キャリパ受630、歯車箱吊受640、モータ受650のパイプ610への溶接において、まず、図11(A)に示すように、各種受およびパイプ610の部材を用意する。次に、図11(B)に示すように、それらを目標形状に組み立て、仮付けを行なう。その後、図11(C)に示すように、連環弾性体1100にて外部より横梁パイプ間を連結した後、本溶接を行なう。その後、連環弾性体1100にてパイプ間を連結したまま冷却し、冷却後に取り去る。連環弾性体1100は各種受の溶接部から離れた位置でパイプ間を連結するために溶接作業性を損なうことなく、かつ溶接変形に対する抵抗となって、溶接歪を低減することができる。
【0072】
次に、本発明の詳しい実施形態を順を追って以下に説明する。まず、横梁の各部材(パイプ、補強梁、キャリパ受、モータ受、歯車箱吊受)を用意する。次に、これらを治具を用いて正しい位置に合わせて組み立て、仮付けを行なう。次に、パイプ間を連環弾性体1100にて連結する。図11のように、連環弾性体1100は、パイプに外接する形状の接触部1111および1112と、接触部間距離の調節が可能な直動部1120から成る。ここで、接触部はパイプに完全に外接せずとも、万力などで結合すれば、ほぼ同様な歪低減効果が得られる。連環弾性体には、溶接の温度上昇に耐える耐熱性と、溶接変形に対抗するための高温での剛性が求められる。これより、材質としては鉄系の合金がよい。また、直動部の機構としては、同様な理由によりねじ式がよい。
【0073】
次に、各種受の溶接を行なう。このときパイプの溶接変形(曲がり)に対して、連環弾性体1100が抵抗となり、溶接歪が低減される。また、溶接後も弾性構造体1100を結合したまま冷却することで、溶接直後に取り外した場合よりも大きな歪低減が得られることが知られている。
【0074】
冷却後、直動部1120を調節することで、連環弾性体1100を取り外す。以上で連環弾性体を用いた場合の横梁パイプへの低歪溶接が完了する。本発明によりパイプ端部のパイプ間距離方向の歪に対して75%の低減効果があることを実験で確認した。なお、本発明の適用対象は横梁のみに限定するものではなく、横梁や側梁といった2つの部材が並行して連結される構造体であれば、どのようなものにも適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
300…歪、410…バーナー、420…炎、430…製品、510…拘束治具、520…定盤、530…台車枠、610…パイプ、620…補強梁、630…キャリパ受、640…歯車箱吊受、650…モータ受、660…容器、670…流体、680…溶接部、900…弾性構造体、911…接触部、912…接触部、920…直動機構、1000…液圧ジャッキを用いた弾性構造体、1011…接触部、1012…接触部、1020…液圧ジャッキ、1030…放熱フィン、1040…断熱板、1100…連環弾性体、1111…接触部、1112…接触部、1120…直動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の側梁と、前記一対の側梁を連結する一対の横梁と、前記一対の横梁を連結する一対の補強梁と、前記一対の横梁に連結された一対のモータ受および歯車箱吊受と、前記一対の横梁の両端部に連結された二対のキャリパ受とを備える鉄道車両台車枠の製造方法であって、
前記一対の横梁の内部に中空の容器を挿入する工程と、前記容器内部に流体を充填し、密閉する工程と、前記モータ受・歯車箱吊受・キャリパ受のうち少なくともひとつを前記横梁にアーク溶接によって結合する工程を備えることを特徴とする鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項2】
前記容器の材料が、繊維を多重に重ねた構造であることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項3】
前記容器の外部に金属板を貼り付けたことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項4】
前記流体が気体であることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項5】
前記気体が空気であることを特徴とする請求項4に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項6】
前記流体が液体であることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項7】
前記液体が水であることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項8】
前記流体が粉体であることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項9】
前記粉体が鉄粉であり、平均粒径が中空部材肉厚寸法以下であることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項10】
前記粉体が砂であり、平均粒径が中空部材肉厚寸法以下であることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項11】
前記流体を前記容器内にポンプを用いて圧入することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項12】
一対の側梁と、前記一対の側梁を連結する一対の横梁と、前記一対の横梁を連結する一対の補強梁と、前記一対の横梁に連結された一対のモータ受および歯車箱吊受と、前記一対の横梁の両端部に連結された二対のキャリパ受とを備える鉄道車両台車枠の製造方法であって、
前記一対の横梁の内部に流体を充填し密閉する工程と、前記モータ受・歯車箱吊受・キャリパ受のうち少なくともひとつを前記横梁にアーク溶接によって結合する工程を備えることを特徴とする鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項13】
一対の側梁と、前記一対の側梁を連結する一対の横梁と、前記一対の横梁を連結する一対の補強梁と、前記一対の横梁に連結された一対のモータ受および歯車箱吊受と、前記一対の横梁の両端部に連結された二対のキャリパ受とを備える鉄道車両台車枠の製造方法であって、前記一対の横梁の内部に弾性の構造体を挿入する工程と、前記構造体を横梁内壁に接触する工程と、前記モータ受・歯車箱吊受・キャリパ受のうち少なくともひとつを前記横梁にアーク溶接によって結合する工程を備えることを特徴とする鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項14】
前記弾性の構造体を前記横梁内壁へ接触させ、前記構造体を前記横梁内壁に押圧させることによる摩擦力にて、前記アーク溶接における歪を防止することを特徴とする請求項13に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項15】
前記弾性の構造体の材質を鉄としたことを特長とする請求項13に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項16】
前記弾性の構造体の前記横梁内壁への押圧に、ねじ式の直動機構または液圧を利用したジャッキを用いることを特長とする請求項14に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項17】
前記直動機構または液圧を利用したジャッキと、構造体が横梁と接する部位との間にセラミックの板を挿入したことを特長とする請求項16に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項18】
溶接している間、前記弾性の構造体に構造体よりも低温の風を当てることを特長とする請求項13に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項19】
前記風を横梁内部を通して送ることを特長とする請求項13に記載の鉄道車両台車枠の製造方法。
【請求項20】
中空構造体の製造方法であって、前記中空部材の内部に中空の容器を挿入する工程と、前記容器内部に流体を充填し、密閉する工程と、前記中空部材に他の部材をアーク溶接によって結合する工程を備えることを特徴とする、中空構造体の製造方法。
【請求項21】
中空構造体の製造方法であって、前記中空部材の内部に弾性の構造体を挿入する工程と、前記弾性構造体を中空部材内壁に接触する工程と、前記中空部材に他の部材をアーク溶接によって結合する工程を備えることを特徴とする、中空構造体の製造方法。
【請求項22】
前記弾性の構造体を中空部材内壁へ接触させ、前記弾性構造体を中空構造体の内壁に押圧させることによる摩擦力にて、前記アーク溶接における歪を防止することを特徴とする請求項21に記載の中空構造体の製造方法。
【請求項23】
前記弾性の構造体の中空部材内壁への押圧に、ねじ式の直動機構または液圧を利用したジャッキを用いることを特長とする請求項22に記載の中空構造体の製造方法。
【請求項24】
前記直動機構または液圧を利用したジャッキと、弾性構造体が中空部材と接する部位との間に、セラミックの板を挿入したことを特長とする請求項23に記載の中空構造体の製造方法。
【請求項25】
溶接している間、前記弾性の構造体に構造体よりも低温の風を当てることを特長とする請求項21に記載の中空構造体の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−76731(P2012−76731A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46893(P2011−46893)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】