説明

銅活性化溶液と半導体基板のシード層の増強方法

本発明は、活性化剤溶液と銅シード表面上に銅をメッキするのを容易とするための銅シード面の活性化方法を目的とする。活性化剤溶液は、前駆体溶液を少なくとも約95℃に加熱し、そしてその温度に少なくとも約30分間維持することにより調製され、ここで、前駆体溶液は、水、塩化物イオン、錫(II)イオンおよび、錫(II)イオンの錫(IV)イオンへの酸化を実質的に防止する酸化防止剤からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上への銅基材の活性化層の被覆に関し、更に詳しくは、無電解および/または電気化学的銅被覆工程の前処理として調製される銅シード層および/またはバリヤー層上の銅基材層の製造に関する。本発明はまた、集積回路基板上の銅の被覆に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路(IC)は半導体上
の絶縁材に多くの電気素子、例えば、トランジスター、キャパシター、抵抗およびダイオードを含む。個々の素子を接続する導電性内部微細配線は溝(trench、配線溝)と称される。さらに、絶縁体で分離される二つまたはそれ以上の導電層は、その全体性能の向上のために典型的には所定のIC中に使用される。ビア(コンタクトホール)として知られる導電性配線がこれら個々の導電層を共に接続するために使用される。現在、ICは典型的には酸化ケイ素を絶縁材として銅を導電材としている。
【0003】
コンピューターチップのような半導体IC機器は早い回路速度、高い集積密度および低い力率を要するのでダウンサイジンズ化をして超大規模集積回路、超々大規模集積回路となっている。チップサイズの狭小化と回路密度の増大は、回路配線の小型化を必要とし、増大する配線抵抗とエレクトロマイグレーションのような信頼性への懸念により構造全体の効率をひどく低下させている。
【0004】
シリコンウエハの金属化は二酸化珪素を誘電体として行なうので、伝統的には、このような構造はアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用する。一般には、内部微細回路配線を形成するために、金属化後にビアやトレンチのような形状で誘電体層に開口が穿設される。小型化が進行しているので、開口の大きさはサブミクロン(例えば、0.5ミクロン以下)にまで減少している。
【0005】
機器の小型化を更に進めるために、内部微細配線とチップの微細回路を形成するために金属としてのアルミニウムに代えて銅が導入された。銅金属化は回路配線の形成後に行なわれる。銅は、アルミニウムよりも抵抗が低くそして銅配線の厚みアルミニウムのそれよりも薄くできる。銅基材の回路配線は、それ故、このような機器製造のこれからの傾向である。
【0006】
銅を使用するにはIC製造に多くのことが要求される。初めに、銅は、半導体接合部位に拡散して、その電気特性を阻害する傾向がある。これを防ぐために、窒化チタン、タンタルまたは窒化タンタルなどのバリヤ層を銅層の被覆の前に誘電体に被覆することとする。また、IC機器間の信号伝送に必要な層厚みを確保するために費用効果を高くして銅を被覆する必要がある。ICの構造は縮小しつづけるので、この要求は満足させるのがだんだん難しくなっている。
【0007】
従来の半導体製造方法の一つは、銅ダマシン法である。特にこの方法は回路構造を誘電体材料中にエッチングで形成することから始めるものである。その構造は前述のトレンチとビアの組合せからなる。次いで、被覆される銅層の基板接合中への拡散を防止するためにバリア層が誘電体の上に被覆される。銅は、その後バリヤ層上へ、多くの方法、例えば、化学蒸着法(CVD)、物理蒸着法(PVD)または電気化学沈積法の一つにより被覆される。銅層の被覆後、過剰の銅は誘電体面から除去されて、誘電体の内部微細回路配線構造中に銅だけが残る。最終的な半導体パッケージに組み立てる前に、連続層が同様に形成される。
【0008】
現在、銅の被覆に好ましい方法である電気化学的沈積方法は、電気化学的沈積の前に薄い銅シード層を被覆して、銅の沈積する表面を電気伝導性とする必要がある。銅シード層は典型的には、PVDやCVDにより行なわれ、その両方においては、しばしば、銅シード層が不連続で、そこにはボイドやギャップがあるという特に機器の内部微細回路配線に問題の被覆課題がある。
銅シード層中のこれらのボイドとギャップがあると、それに続いて電気化学的沈積法で銅の連続層を被覆することが困難となる可能性がある。そこで銅シード層は典型的にはシード層中のボイドとギャップを充填するように活性液に浸漬される。たとえば、シード層はパラジウム−錫コロイド懸濁液に浸漬されて、シード層上にパラジウム−錫粒子を被覆してシード層中のボイドとギャップを満たす。被覆したパラジウム粒子はボイドとギャップ間を電気伝導させ、それにより連続する銅層の電気化学的被覆を容易とする。
【0009】
広く使用されているのだが、パラジウム−錫コロイド懸濁液はいくつかの欠点を有する。たとえば、パラジウムは高価であるし、更に重要なことにはパラジウムは集積回路の製造には未だ使用されていない元素であり、それ故不確実さが残る(たとえば、パラジウムは、その上に被覆される銅の導電性を損なうかもしれない)。このようにして、より安価な、銅シード層の調製のための銅基材の活性液に対する要望が存在する。
【0010】
発明の要約
それ故、本発明の複数の目的は、集積回路製造のためにビアやトレンチを充填するために表面を活性化して、それに続いて銅を無電解メッキまたは電解メッキする方法と活性化液の提供;原材料費と製造コストの低減のための活性化液の提供;パラジウムを含む溶液または懸濁液を使うことなしで銅シード層を活性化する方法の提供;および銅基材の活性化剤溶液を使用する銅シード層の活性化方法の提供にある。
【0011】
それ故、簡単には、本発明は活性化表面への銅の無電解メッキを容易とするために表面を活性化する活性化剤溶液を調製するための前駆体溶液を指向するものである。前駆体溶液は水、塩化物イオン、銅イオン、錫(II)イオン、および実質的に錫(II)イオンから錫(IV)イオンへの酸化を防止する酸化防止剤からなる。
【0012】
本発明はまた、活性化表面への銅のメッキを容易とするための表面を活性化する活性化剤溶液の調製方法を指向するものである。本方法は、前述の前駆体溶液を少なくとも約95℃の温度に加熱し、そして前駆体溶液をその温度に少なくとも約30分間維持して活性化剤溶液を得ることからなる。
【0013】
さらに、本発明はまた、前述の前駆体溶液を少なくとも約95℃の温度に加熱し、そして前駆体溶液をその温度に少なくとも約30分間維持して得られる活性化剤溶液を指向するものである。
【0014】
本発明はまた、さらに、銅イオンからなる活性化剤層を被覆するための表面を活性化剤溶液で接触させることからなる表面へ銅メッキをするための表面調製方法を指向するものである。活性化剤溶液は、水、塩化物イオン、銅イオン、錫(II)イオン、および錫(II)イオンが錫(IV)イオンへ酸化されるのを防止する酸化防止剤からなる。沈積した活性化剤層は次いで、還元溶液と接触して活性化剤溶液中の銅イオンを還元して、その原子価を減少させる。
【0015】
本発明の他の態様は、表面に銅メッキをする方法に関する。その方法は、表面を活性化剤溶液に接触させ、表面に銅イオンからなる活性化剤層を被覆し、ここで活性化剤溶液は水、塩化物イオン、銅イオン、錫イオン(II)イオン、および実質的に錫イオン(II)の錫(IV)イオンへの酸化を防止する酸化防止剤からなる。被覆した活性化剤層は還元溶液と接触して活性化剤層中の銅イオンを還元して、その原子価を減少させる。本方法は、次いで、還元された活性化剤層上に銅メッキ層を被覆することからなり、それは、無電解メッキまたは電解メッキから選ばれるいずれかの方法により行われる。
【0016】
本発明は更に、銅−シード層を設けた内部微細回路配線の壁を有する配線幅がサブミクロン幅の電気回路配線を具備する銅―シード層を設けた集積回路基板上へ銅を被覆する方法を指向するものである。本方法は、銅−シード層を設けた内部微細回路配線の壁を有するサブミクロンの電気回路配線を具備する銅−シード層を設けた基板を、活性化剤溶液と接触させ、活性化された銅−シード層を有する壁を有するサブミクロン幅の電気回路配線を具備する活性化された銅シード層を設けた基板を製造し、ここで、活性化剤溶液は、水、塩化物イオン、銅イオン、錫(II)イオン、および実質的に錫イオン(II)が錫イオン(IV)へ酸化するのを防止する酸化防止剤からなる。その後、本方法は、サブミクロン電気回路配線活性化された銅−シード層を設けた壁を具備する活性化された銅−シード層を有する基板を、還元溶液に接触させて、サブミクロン電気回路配線活性化銅−シード層を有する壁を具備する活性化された銅−シード層を有する基板を還元させることからなる。本方法はまた、サブミクロン電気回路配線還元/活性化銅−シード層を有する壁を有する還元/活性化された銅−シード層を有する基板を、無電解銅メッキ溶液に接触させて、サブミクロン電気回路配線還元/活性化銅−シード層を有する壁の上および還元/活性化銅−シード層を有する基板上に無電解銅メッキの層を形成することからなる。
本発明の他の目的と特徴は以下にある程度明らかとなりまたある程度記載される。
【0017】
発明の詳細な説明
本発明は、無電解メッキおよび/または電解メッキのための銅シード層のような表面に銅を被覆するのに使用される活性化剤溶液を指向するものである。
【0018】
本発明の活性化剤溶液は水、塩化物イオン、銅イオン、錫(II)イオン、および実質的に錫(II)イオンの錫(IV)イオンへの酸化を防止する酸化防止剤からなる。銅イオンは銅(I)イオン、銅(II)イオンまたはこれら二つの混合物であり得る。特定の理論に拘泥されないが、錫(II)イオンは銅イオンの表面吸着を促進してより活性化した表面を調製すると信じられる。銅活性剤溶液の活性を維持するために銅の錫に対する原子比は好ましくは約1:20と約1:100の間にある。より好ましくは、銅の錫に対する原子比は、少なくとも約1:40であり。更により好ましくは銅の錫に対する原子比は、約1:40と約1:80の間にある。
【0019】
活性化剤はまたニッケルイオンを含むことができる。銅イオンと同様に、ニッケルイオンは以前に被覆した銅シード層の電気伝導度を向上させる。また、ニッケルイオンを含む活性化剤溶液で表面を処理すると、ニッケルイオンを含まない活性化剤溶液で処理した表面よりも、より活性化させることができる。本明細書では、用語“活性”と“活性度”は表面に金属、金属イオンまたは金属含有化合物を沈積させる溶液の傾向または自身の上に金属、金属イオンまたは金属含有化合物が沈積するのを許容する表面の傾向により定義される。もしもニッケルが活性化剤溶液に中に存在するならば、銅のニッケルに対する原子比は、好ましくは約10:1と約1:1の間にあり、そしてより好ましくは約3:1と約1:1の間にある。銅とニッケルを組合せた錫に対する原子比は好ましくは銅の錫に対する原子比に相当する。前述の観点から、銅のニッケルと錫に対する原子比は、一つの態様では、約1:1:40と約1:1:200の間にある。他の態様では、銅のニッケルと錫に対する原子比は、約1:1:80と約1:1:160の間にある。しかし他の態様では、銅のニッケルと錫に対する比は約1:1:100と約1:1:140の間にある。
【0020】
錫(II)イオンは価数+4の状態に非常に酸化されやすく、錫(II)イオンの価数は酸化されると増大するので、溶液の活性化度は低下する。これを最小限に止めるために、活性化剤溶液は実質的に錫(II)イオンの錫(IV)イオンへの酸化を防止するために酸化防止剤を含む。酸化防止剤は錫(II)イオンよりも酸化されやすいものから選ばれ、本質的に犠牲的に酸化されるものであり、また他の点では被覆方法と干渉せず、これと共存可能なものから選ばれる。たとえば、酸化防止剤は、3−ジヒドロキシベンゼン(これはまた、レゾルシノール、1,3−ベンゼンジオールまたはm−ジヒドロキシベンゼンと称される)、アスコルビン酸およびメタノールからなる群から選ばれる。好ましい酸化防止剤は1,3−ジヒドロキシベンゼンである。コロイド懸濁液中の酸化防止剤の濃度は、好ましくは少なくとも約1年間存続して活性剤溶液の活性において還元を実質的に防止するに十分な濃度である。これは典型的には、溶液中少なくとも約0.01Mの酸化防止剤を含有させることで達成できる。好ましくは、溶液中の酸化防止剤の濃度は、約0.01Mと約1.10Mの間にある。酸化防止剤として1,3−ジヒドロキシベンゼンを含む活性化剤溶液である本発明の一態様では、溶液中の1,3−ジヒドロキシベンゼンの濃度は約5g/lと約120g/lの間にある。他の態様では、1,3−ジヒドロキシベンゼンの濃度は、約30と約70g/lの間にある。
【0021】
特定の理論に拘泥しないが、活性化剤中の塩化物イオンは活性化剤中の銅(I)イオンを安定化する。一つの態様では、塩化物イオンの濃度は約1と約12Mの間にある。好ましくは、塩化物イオンの濃度は、少なくとも約5Mである。他の態様では、塩化物イオンの濃度は、約7と約12Mの間にある。銅/ニッケルの錫と塩化物イオンに対する原子比は、一つの態様では、約1:60:40と約1:60:150の間である。しかし他の態様では、銅/ニッケルの錫と塩化物の原子比は、約1:60:80と約1:60:120の間にある。
【0022】
溶液中に塩化物と金属イオンの濃度を確保するには、活性化剤溶液調製のための出発材料として、塩化銅(I)、塩化錫(II)、塩化ニッケルなどのような塩化物と塩酸(塩化水素)が好ましい。たとえば、出発溶液は約1と約10g/lの間の濃度の塩化銅(I)、約50と約1200g/lの間の濃度の塩化錫(II)および約50と約1000ml/lの濃度の12M 塩酸からなることができる。存在する場合は、ニッケルイオンは例えば、約1と約10g/lの間の濃度の塩化ニッケル・6水和物として供給され得る。
【0023】
活性化剤溶液は、塩化物イオン、銅イオン、錫(II)イオン、酸化防止剤を含み、および任意にニッケルイオンを含む水溶液を少なくとも約95℃で少なくとも約30分間の時間、加熱することにより調製される。好ましくは水溶液は約95と105℃の間に約30分と約10時間の間の時間保持され、より好ましくは約45分間と約2時間の間の時間保持される。溶液の加熱により溶液は無色透明から、透明だがオレンジ色へ変化し、これは特別な理論に拘泥しないが、一種又はそれ以上の錯体の生成によると考えられる。さらに、銅活性化剤溶液の活性度は主に、加熱時間に依存し、約30分より短い時間の加熱では典型的には活性化は低く、約2時間を越える長時間加熱では最低の活性しか得られないことが判明した。
【0024】
上述のように、本発明の活性化剤溶液は、バリヤ層上に被覆される銅シード層などの表面に銅を被覆させるのに使用される。バリヤ層は金属および/または窒化金属からなり、それは銅のような導電性金属がシリコン・ウエハ中に拡散することを防止する。典型的なバリヤ層はタンタル、窒化タンタル、窒化チタン、窒化タングステンからなり、約100と300Åの間にある厚みを有する。銅シード層は典型的には、物理蒸着または化学蒸着法を使用してバリヤ層上に被覆され、接着性が良好なところから物理蒸着法が好ましい。銅シード層の典型的な厚みは、約50と約500Åの間にあり、好ましくは約100と約250Åの間にある。この厚みの銅シード層はしばしば層中に空隙や不連続領域が見られ、それは続いて行われる銅の電気化学的被覆に不都合を生じさせる。
【0025】
本発明に従うと、銅と錫、任意にニッケルからなる活性化剤層が銅シード層上に形成され、これは従来の技術により上述の活性化剤溶液を使用してなされる。本発明の特有の態様においては、銅シード層を活性化剤溶液に接触させる前に、シード層をアルカリと湿潤剤からなるアルカリ性清浄剤に約2分間、次の段階に使用される溶液の良好な湿潤を確保するために接触させる。清浄化された表面は水ですすがれ、次いで所望の厚み(たとえば、銅シード層中のボイドや開口を充填するに十分な厚み)の活性化剤が沈積するに十分な時間だけ活性化剤溶液と接触させる。約5秒間と10分間の間の時間、活性化剤溶液に接触した表面は、約1と約100nmの間の平均厚みを典型的には有するものとなる。典型的には、表面は約1秒と約5分間の間の時間、活性化剤溶液と接触して、約1と100nmの間の平均厚みを有する活性化剤層が被覆される。沈積した活性化剤層は、次いで水で洗浄される。本発明の好ましい態様では、活性化剤溶液は銅シード層を有する集積回路基板を活性化するのに使用され、これには銅−シード層を有する内部微細回路配線の壁を含み、これによりサブミクロン幅の電気回路配線の活性化された銅シード層を有する壁を具備する活性化された銅シード層を有する基板が製造される。
【0026】
次の銅の無電解および/または電解メッキのための活性化剤層を調製するには、活性化剤層を還元溶液と接触させて、被覆した銅と任意のニッケルをゼロ価の状態にまで還元する。例示的な還元溶液は、ポリアミン ボラン(たとえば、ジメチルアミン ボラン)、次亜燐酸塩、ホウ化水素およびヒドラジンからなる群から選ばれる還元剤を含むものであり、好ましくはジメチルアミン ボランである。還元溶液中の還元剤濃度は好ましくは、活性化剤溶液中の全ての金属イオンを完全に還元するに十分なものである。たとえば、還元溶液中のジメチルアミン ボランの好ましい濃度は、約1g/lと約100g/lの間にあり、より好ましくは約30g/lと約90g/lの間の濃度である。一つの態様では、還元溶液中のジメチルアミン ボランの濃度は約80g/lであり、溶液の温度は約65℃であり、そして基板は約1分間還元溶液と接触される。還元後、沈積した活性化剤層は既に被覆した電気導体(たとえば、銅シード層)の電気導電性が改良される傾向にあり、該電気導体はボイドや隙間のような不連続性を有することがある。
【0027】
活性化剤層の還元後、表面は好ましくは水で洗浄され、そして無電解めっき操作および/または電解めっき操作にかけて、活性化された銅シード層上に電導性金属層(好ましくは銅)を被覆させる。特に、基板は典型的には無電解めっきと電解めっきの両方にかけられるが、しかし、銅シード層中の不連続性が小規模ならば、無電解めっき工程を省略することが可能である。
【0028】
銅導電性金属層の一部は適宜の無電解銅めっき溶液を使用して被覆されて、活性化/還元された銅シード層を有する基板上およびサブミクロン 電気回路配線 活性化/還元された銅―シード層を有する壁上に無電解銅めっき層を形成する。ホルムアルデヒドは毒性があり、アルカリ金属などの易動性イオンはCMOS機器には致命的な汚染となり得るので、好ましくは、無電解めっき溶液は、ホルムアルデヒド、ナトリウム、およびカリウムを含まないものである。一つのこのような無電解銅めっき溶液は、約10.0g/lの硫酸銅5水和物、約14.4g/lのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、約172g/lの水酸化テトラメチルアンモニウム、約7.4g/lのグリオキシル酸、約5.0mg/lの2,2−ジピリジルおよび約0.10mg/lの2−メルカプトチオチアゾリン(2−MTA)を含む。典型的には、活性化/還元された基板は、前述の無電解銅めっき浴(約65℃に維持される)に少なくとも1分間浸漬され、冷水でリンス後、熱空気で乾燥される。
【0029】
銅電導性金属層の残りの部分は従来の電解銅めっき溶液を使用して沈積されることができ、それは典型的には、約5と約200g/lの間の硫酸濃度にあり、約5と約50g/lの間の銅濃度にありそして約10と約100g/lの間の塩化物イオン濃度にある。典型的な、銅めっき溶液は、所望の膜特性が得られ、そしてウエハー表面の凹み構造をより適切に充填するように平滑剤、光沢剤、湿潤剤、および延性増強剤のような有機添加剤を含む。電解めっきの間、ビアやトレンチは実質的に充填される。電解めっき後、ビアとトレンチよりも高く被覆したバリヤ層と銅層は適宜の方法で除去され、かくして銅金属化されたビアやトレンチのみが残る。典型的には、銅めっき(無電解めっきおよび/または電解めっき)の厚みは約10と約1000nmの間にある。
【実施例】
【0030】
初めに、約400mlの水、約375mlの濃塩酸、約50gのレゾルシノールおよび500gの塩化錫(II)を混合して本発明に従う活性化剤溶液を調製した。約100mlの水、約10mlの濃塩酸および約4.5gの塩化銅(I)を含む第2の溶液を調製した。この二種の溶液を混ぜて、容量を約1000mlに調整した。溶液は約100℃に加熱されて、その温度に約1時間保持された。活性化剤溶液は、室温まで放冷した。
【0031】
25nm厚みの窒化タンタルのバリア層と銅シード層を有するシリコン・ウエハを、アルカリ洗浄剤に浸漬後、水ですすぎ、次いで活性化剤溶液に約1分間浸漬した。ウエハを活性化剤溶液から取り出して、水ですすぎ、そして32g/lのジメチルアミン ボランを含む還元溶液に約2分間接触させ(約75℃で)、水ですすぎ、そして熱空気で乾燥させた。銅メッキはウエハ全体を覆い、メッキの接着性は良好であった。
【0032】
上記の記載は、説明のためであり、これに限定されないことを理解されたい。上記記載を読めば、当業者には多くの態様があることは明らかである。本発明の範囲は、それ故、上記記載のみを参照して決定すべきではなく、また請求の範囲と該請求の範囲が有する均等物の全範囲を参照して決定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性化面上への銅の無電解メッキを容易とするために表面を活性化するための活性化剤溶液の調製方法のための前駆体溶液であって、該前駆体溶液は以下からなる:
水;
塩化物イオン;
銅イオン;
錫(II)イオン;および
錫(II)イオンが錫(IV)イオンに酸化されるのを実質的に防止する酸化防止剤。
【請求項2】
銅イオンが銅(I)と銅(II)イオンからなる群から選ばれる請求項1記載の前駆体溶液。
【請求項3】
銅イオンの供給源が塩化銅(I)と塩化銅(II)からなる群から選ばれ、錫(II)イオンの供給源が塩化錫(II)であり、そして、塩化物イオンの供給源が塩化水素である請求項1または2記載の前駆体溶液。
【請求項4】
塩化銅(I)の濃度が約1と約10g/lの間にある請求項3記載の前駆体溶液。
【請求項5】
塩化錫(II)の濃度が、約50と約1200g/lの間にある請求項3または4記載の前駆体溶液。
【請求項6】
塩化水素の濃度が、約250と約440g/lの間にある請求項3‐5のいずれかに記載の前駆体溶液。
【請求項7】
塩化銅(I)の塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:30:50と約1:120:100の間にある請求項3−6のいずれかに記載の前駆体溶液。
【請求項8】
塩化銅(I)の塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:110:93である請求項3−6のいずれかに記載の前駆体溶液。
【請求項9】
更にニッケルイオンを含む請求項1‐8のいずれかに記載の前駆体溶液。
【請求項10】
さらに塩化ニッケル(II)を含む請求項3‐6のいずれかに記載の前駆体溶液。
【請求項11】
塩化ニッケル(II)の濃度が、約0.1と約10g/lの間にある請求項10に記載の前駆体溶液。
【請求項12】
塩化銅(I)の塩化ニッケルと塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:1:80:100と約1:1:160:250の間にある請求項10または11に記載の前駆体溶液。
【請求項13】
酸化防止剤濃度が、約1と約120g/lの間にある請求項1−12のいずれかに記載の前駆体溶液。
【請求項14】
酸化防止剤が1,3−ジヒドロキシベンゼン、アスコルビン酸およびメタノールからなる群から選ばれる請求項1−13のいずれかに記載の前駆体溶液。
【請求項15】
1,3−ジヒドロキシベンゼンの濃度が、約5と約120g/lの間にある請求項14に記載の前駆体溶液。
【請求項16】
活性化面上への銅メッキを容易にするために表面を活性化するための活性化剤溶液を調製する方法であって、該方法は以下からなる:
前駆体溶液を少なくとも約95℃の温度に加熱し、そして少なくとも30分間、該前駆体溶液をこの温度に維持して活性化剤溶液を形成し;
ここで、該前駆体溶液は、水、塩化物イオン、銅イオン、錫(II)イオンおよび錫(II)イオンの錫(IV)イオンへの酸化を実質的に防止する酸化防止剤からなるものである。
【請求項17】
前駆体溶液が約95℃と約105℃の間の温度で、約30分間と約10時間の間の時間、維持される請求項16項に記載の方法。
【請求項18】
銅イオンの供給源が塩化銅(I)と塩化銅(II)からなる群から選ばれ、錫(II)イオンの供給源が塩化錫(II)であり、そして、塩化物イオンの供給源が塩化水素である請求項16または17記載の前駆体溶液。
【請求項19】
前駆体溶液で、塩化銅(I)の濃度が約1と約10g/lの間にある請求項18記載の方法。
【請求項20】
前駆体溶液で、塩化錫(II)の濃度が、約50と約1200g/lの間にある請求項18または19記載の方法。
【請求項21】
前駆体溶液で、塩化水素の濃度が、約250と約440g/lの間にある請求項18‐20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前駆体溶液で、塩化銅(I)の塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:30:50と約1:120:100の間にある請求項18−21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前駆体溶液で、塩化銅(I)の塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:110:93である請求項18−21のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前駆体溶液が、さらに塩化ニッケル(II)を含む請求項16‐23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前駆体溶液が、更に塩化ニッケル(II)を含む請求項18‐21のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前駆体溶液において、塩化ニッケル(II)の濃度が、約0.1と約10g/lの間にある請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前駆体溶液において、塩化銅(I)の塩化ニッケルと塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:1:80:100と約1:1:160:250の間にある請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
前駆体溶液において、酸化防止剤濃度が、約1と約120g/lの間にある請求項16−27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
酸化防止剤が1,3−ジヒドロキシベンゼン、アスコルビン酸およびメタノールからなる群から選ばれる請求項16−28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前駆体溶液において、1,3−ジヒドロキシベンゼンの濃度が、約5と約120g/lの間にある請求項29に記載の方法。
【請求項31】
活性化面上への銅のメッキを容易化するために表面を活性化するための活性化剤溶液であって、該活性化剤溶液は、前駆体溶液を少なくとも95℃の温度に加熱し、そして該前駆体溶液を当該温度で少なくとも30分間保持することにより調製され、ここで、該前駆体溶液は水、塩化物イオン、銅イオン、錫(II)イオン、および錫(II)イオンの錫(IV)イオンへの酸化を実質的に防止する酸化防止剤からなるものである。
【請求項32】
前駆体溶液が約95℃と約105℃の間の温度で、約30分間と約10時間の間の時間、維持される請求項31に記載の活性化剤溶液。
【請求項33】
銅イオンの供給源が塩化銅(I)と塩化銅(II)からなる群から選ばれ、錫(II)イオンの供給源が塩化錫(II)であり、そして、塩化物イオンの供給源が塩化水素である請求項31または32記載の活性化剤溶液。
【請求項34】
前駆体溶液で、塩化銅(I)の濃度が約1と約10g/lの間にある請求項33記載の活性化剤溶液。
【請求項35】
前駆体溶液で、塩化錫(II)の濃度が、約50と約1200g/lの間にある請求項33または34記載の活性化剤溶液。
【請求項36】
前駆体溶液で、塩化水素の濃度が、約250と約440g/lの間にある請求項33‐35のいずれかに記載の活性化剤溶液。
【請求項37】
前駆体溶液で、塩化銅(I)の塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:30:50と約1:120:100の間にある請求項33−36のいずれかに記載の活性化剤溶液。
【請求項38】
前駆体溶液で、塩化銅(I)の塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:110:93である請求項33−36のいずれかに記載の活性化剤溶液。
【請求項39】
前駆体溶液が、さらに塩化ニッケル(II)を含む請求項31‐36のいずれかに記載の活性化剤溶液。
【請求項40】
前駆体溶液が、更に塩化ニッケル(II)を含む請求項33‐36のいずれかに記載の活性化剤溶液。
【請求項41】
前駆体溶液において、塩化ニッケル(II)の濃度が、約0.1と約10g/lの間にある請求項40に記載の活性化剤溶液。
【請求項42】
前駆体溶液において、塩化銅(I)の塩化ニッケルと塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:1:80:100と約1:1:160:250の間にある請求項40または41に記載の活性化剤溶液。
【請求項43】
前駆体溶液において、酸化防止剤濃度が、約1と約120g/lの間にある請求項31−42のいずれかに記載の活性化剤溶液。
【請求項44】
酸化防止剤が1,3−ジヒドロキシベンゼン、アスコルビン酸およびメタノールからなる群から選ばれる請求項31−43のいずれかに記載の活性化剤溶液。
【請求項45】
前駆体溶液において、1,3−ジヒドロキシベンゼンの濃度が、約5と約120g/lの間にある請求項44に記載の活性化剤溶液。
【請求項46】
表面に銅メッキをするための表面を調製する方法であって、該方法は以下からなる:
表面を活性化剤溶液に接触させて該表面に銅イオンからなる活性化剤層を沈積し、ここで、該活性化剤溶液は、水、塩化物イオン、銅イオン、錫(II)イオン、および錫(II)イオンを錫(IV)イオンへ酸化されるのを実質的に防止する酸化防止剤からなり;そして
沈積した活性化剤層に還元溶液を接触させて活性化剤層中の銅イオンの価数を減少させる。
【請求項47】
前記表面は、シリコン、タンタル、窒化タンタルおよび窒化チタンからなる群から選ばれる請求項46記載の方法。
【請求項48】
表面が活性化剤溶液に、約5秒間と約10分間の間の時間活性化剤溶液と接触する請求項46または47記載の方法。
【請求項49】
活性化剤溶液を約5℃と約90℃の間の温度に維持することを含む請求項46‐48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
活性化剤溶液が、約1と約10g/lの間の濃度の塩化銅(I)、約50と約1200g/lの間の濃度の塩化錫(II)、約250と約440g/lの間の濃度の塩化水素および酸化防止剤としての約1と約120g/lの間の濃度の1,3−ジヒドロキシベンゼンからなり、塩化銅(I)の塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:30:50と約1:120:100の間にあることを特徴とする請求項46‐49に記載の方法。
【請求項51】
活性化剤溶液が、約1と約10g/lの間の濃度の塩化銅(I)、約50と約1200g/lの間の濃度の塩化錫(II)、約250と約440g/lの間の濃度の塩化水素および酸化防止剤としての約1と約120g/lの間の濃度の1,3−ジヒドロキシベンゼン、約0.1と10g/lの間の濃度の塩化ニッケル(II)からなり、そして塩化銅(I)の塩化ニッケル(II)と塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:1:80:100と約1:1:160:250の間にあることを特徴とする請求項46‐49に記載の方法。
【請求項52】
表面に銅をメッキする方法であって、該方法は以下からなる:
表面を活性化剤溶液に接触させて表面に銅イオンからなる活性化剤層を沈積させ、ここで、活性化剤溶液は水、塩化物イオン、銅イオン、錫(II)イオンおよび錫(II)イオンが錫(IV)イオンへ酸化されるのを実質的に防止する酸化防止剤からなり;
沈積した活性化剤層を還元溶液と接触させて活性化剤層中の銅イオンの価数を減少させ;
無電解メッキおよび電気メッキからなる群から選択される方法により還元された活性化剤層上に銅メッキ層を被覆する。
【請求項53】
表面がシリコン、タンタル、窒化タンタル、窒化チタンからなる群から選ばれる請求項52に記載の方法。
【請求項54】
表面が約5秒間と約10分間の間の時間、活性化剤溶液と接触する請求項52または53に記載の方法。
【請求項55】
活性化剤層の厚みが、約1と約100nmの間にある請求項52‐54に記載の方法。
【請求項56】
銅メッキ層の厚みが約10と約1000nmの間にある請求項52‐55に記載の方法。
【請求項57】
活性化剤溶液が、約1と約10g/lの間の濃度の塩化銅(I)、約50と約1200g/lの間の濃度の塩化錫(II)、約250と約440g/lの間の濃度の塩化水素および酸化防止剤としての約1と約120g/lの間の濃度の1,3−ジヒドロキシベンゼンからなり、塩化銅(I)の塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:30:50と約1:120:100の間にあることを特徴とする請求項52‐56のいずれかに記載の方法。
【請求項58】
活性化剤溶液が、約1と約10g/lの間の濃度の塩化銅(I)、約50と約1200g/lの間の濃度の塩化錫(II)、約250と約440g/lの間の濃度の塩化水素および酸化防止剤としての約1と約120g/lの間の濃度の1,3−ジヒドロキシベンゼン、約0.1と10g/lの間の濃度の塩化ニッケル(II)からなり、そして塩化銅(I)の塩化ニッケル(II)と塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:1:80:100と約1:1:160:250の間にあることを特徴とする請求項52‐56に記載の方法。
【請求項59】
銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる銅シード層を有する集積回路基板上に銅を被覆する方法であって、該方法は以下からなる:
銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる銅シード層を有する集積回路基板を活性化剤溶液と接触させて、活性化された銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる銅シード層を有する集積回路基板を製造し、ここで、活性化剤溶液は水、塩化物イオン、銅イオン、錫(II)イオンおよび錫(II)イオンが錫(IV)へ酸化されるのを実質的に防止する酸化防止剤からなり;
活性化された銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる銅シード層を有する集積回路基板を、還元溶液に接触させて、活性化された銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる銅シード層を有する集積回路基板を還元してその価数を減少させ;
還元/活性化された銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる銅シード層を有する集積回路基板を無電解銅メッキ溶液と接触させて、還元/活性化された銅シード層を有する基板上およびサブミクロンの電気内部微細配線の還元/活性化の銅シード層を有する壁上に無電解銅層を被覆する。
【請求項60】
無電解メッキ層上に電気メッキ層を被覆して、内部微細配線を銅により電気メッキで充填する請求項59に記載の方法。
【請求項61】
無電解メッキ溶液がホルムアルデヒド、ナトリウムおよびカリウムを含まない請求項59または60に記載の方法。
【請求項62】
約5秒間と約10分間の間の時間、銅シード化基板が活性化剤溶液と接触する請求項59‐61に記載の方法。
【請求項63】
活性化剤溶液が、約1と約10g/lの間の濃度の塩化銅(I)、約50と約1200g/lの間の濃度の塩化錫(II)、約250と約440g/lの間の濃度の塩化水素および酸化防止剤としての約1と約120g/lの間の濃度の1,3−ジヒドロキシベンゼンからなり、塩化銅(I)の塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:30:50と約1:120:100の間にあることを特徴とする請求項59‐61のいずれかに記載の方法。
【請求項64】
活性化剤溶液が、約1と約10g/lの間の濃度の塩化銅(I)、約50と約1200g/lの間の濃度の塩化錫(II)、約250と約440g/lの間の濃度の塩化水素および酸化防止剤としての約1と約120g/lの間の濃度の1,3−ジヒドロキシベンゼン、約0.1と10g/lの間の濃度の塩化ニッケル(II)からなり、そして塩化銅(I)の塩化ニッケル(II)と塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:1:80:100と約1:1:160:250の間にあることを特徴とする請求項59‐62に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性化面上への銅の無電解メッキを容易とするために表面を活性化するための活性化剤溶液の調製のための前駆体溶液であって、該前駆体溶液は以下からなる:
水;
塩化物イオン;
銅イオン;
錫(II)イオン;および
錫(II)イオンが錫(IV)イオンに酸化されるのを実質的に防止する酸化防止剤。
【請求項2】
銅イオンの供給源が塩化銅(I)と塩化銅(II)からなる群から選ばれ、錫(II)イオンの供給源が塩化錫(II)であり、そして、塩化物イオンの供給源が塩化水素である請求項1記載の前駆体溶液。
【請求項3】
塩化銅(I)の濃度が約1と約10g/lの間にあり、塩化錫(II)の濃度が、約50と約1200g/lの間にあり、塩化水素の濃度が、約250と約440g/lの間にある請求項2に記載の前駆体溶液。
【請求項4】
酸化防止剤濃度が、約1と約120g/lの間にある請求項1−3のいずれかに記載の前駆体溶液。
【請求項5】
酸化防止剤が1,3−ジヒドロキシベンゼン、アスコルビン酸およびメタノールからなる群から選ばれる請求項4に記載の前駆体溶液。
【請求項6】
塩化銅(I)の塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:30:50と約1:120:100の間にある請求項4または5に記載の前駆体溶液。
【請求項7】
さらにニッケルイオンを含む請求項1−6のいずれかに記載の前駆体溶液。
【請求項8】
塩化ニッケル(II)の濃度が、約0.1と約10g/lの間にある請求項3に記載の前駆体溶液。
【請求項9】
塩化銅(I)の塩化ニッケル(II)と塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:1:80:100と約1:1:160:250の間にある請求項8に記載の前駆体溶液。
【請求項10】
活性化面上への銅メッキを容易にするために表面を活性化するための活性化剤溶液であって、該活性化剤溶液は請求項1‐9のいずれかに記載の前駆体溶液を含むものであり、ここで、該前駆体溶液は少なくとも約95℃の温度に加熱され、そして少なくとも30分間この温度に維持される。
【請求項11】
請求項10に記載の活性化剤溶液を調製する方法であって、該方法は、前駆体溶液を少なくとも約95℃の温度で、少なくとも約30分間維持することからなる。
【請求項12】
表面に銅メッキをするための表面を調整する方法であって、該方法は以下からなる:
表面を請求項10の活性化剤溶液に接触させて銅イオンからなる活性化剤層を表面に被覆させ;そして
被覆した活性化剤層に還元溶液を接触させて活性化剤層の銅イオンを還元してその原子価数を減少させる。
【請求項13】
以下からなる表面に銅をメッキする方法:
表面に請求項10記載の活性化剤溶液を接触させて表面に銅イオンからなる活性化剤層を被覆し;
被覆した還元剤層を還元溶液と接触して還元剤層中の銅イオンを還元してその原子価数を減少させ;そして
無電解メッキおよび電解メッキからなる群から選ばれる方法により還元された活性化剤層上に銅メッキ層を被覆する。
【請求項14】
表面がシリコン、タンタル、窒化タンタルおよび窒化チタンからなる群から選ばれる請求項13に記載の方法。
【請求項15】
銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる銅シード層を有する集積回路基板上に銅を被覆する方法であって、該方法は以下からなる:
銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる銅シード層を有する集積回路基板を請求項10に記載の活性化剤溶液と接触させて、活性化された銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる銅シード層を有する集積回路基板を製造し;
活性化された銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる銅シード層を有する集積回路基板を、還元溶液に接触させて、活性化された銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる活性化された銅シード層を有する集積回路基板を還元させて、その価数を減少させ;そして
還元/活性化された銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる銅シード層を有する集積回路基板を無電解銅メッキ溶液と接触させて、還元/活性化された銅シード層を有する基板上およびサブミクロンの電気内部微細配線の還元/活性化の銅シード層を有する壁上に無電解銅層を被覆する。
【請求項16】
無電解メッキ銅層上に銅を電解メッキして内部微細配線を銅で充填する請求項15記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性化面上への銅の無電解メッキを容易とするために表面を活性化するための活性化剤溶液の調製のための前駆体溶液であって、該前駆体溶液は以下からなる:
水;
塩化物イオン;
銅イオン;
錫(II)イオン;および
錫(II)イオンが錫(IV)イオンに酸化されるのを実質的に防止する酸化防止剤。
【請求項2】
銅イオンの供給源が塩化銅(I)と塩化銅(II)からなる群から選ばれ、錫(II)イオンの供給源が塩化錫(II)であり、そして、塩化物イオンの供給源が塩化水素である請求項1記載の前駆体溶液。
【請求項3】
塩化銅(I)の濃度が約1と約10g/lの間にあり、塩化錫(II)の濃度が、約50と約1200g/lの間にあり、塩化水素の濃度が、約250と約440g/lの間にある請求項2に記載の前駆体溶液。
【請求項4】
酸化防止剤濃度が、約1と約120g/lの間にある請求項1−3のいずれかに記載の前駆体溶液。
【請求項5】
酸化防止剤が1,3−ジヒドロキシベンゼン、アスコルビン酸およびメタノールからなる群から選ばれる請求項4に記載の前駆体溶液。
【請求項6】
塩化銅(I)の塩化錫(II)と塩化水素に対するモル比が、約1:30:50と約1:120:100の間にある請求項4または5に記載の前駆体溶液。
【請求項7】
さらにニッケルイオンを含む請求項1−6のいずれかに記載の前駆体溶液。
【請求項8】
塩化ニッケル(II)の濃度が、約0.1と約10g/lの間にある請求項3に記載の前駆体溶液。
【請求項9】
銅イオンのニッケルイオンに対する原子比が約10:1〜1:1に間にあるニッケルイオンをさらに含む請求項1乃至6のいずれかに記載の前駆体溶液。
【請求項10】
活性化面上への銅メッキを容易にするために表面を活性化するための活性化剤溶液であって、該活性化剤溶液は請求項1‐9のいずれかに記載の前駆体溶液を含むものである。
【請求項11】
請求項10に記載の活性化剤溶液を調製する方法であって、該方法は、前駆体溶液を少なくとも約95℃の温度で、少なくとも約30分間維持することからなる。
【請求項12】
表面に銅メッキをするための表面を調整する方法であって、該方法は以下からなる:
表面を請求項10の活性化剤溶液に接触させて銅イオンからなる活性化剤層を表面に被覆させ;そして
被覆した活性化剤層に還元溶液を接触させて活性化剤層の銅イオンを還元してその原子価数を減少させる。
【請求項13】
以下からなる表面に銅をメッキする方法:
表面に請求項10記載の活性化剤溶液を接触させて表面に銅イオンからなる活性化剤層を被覆し;
被覆した還元剤層を還元溶液と接触して還元剤層中の銅イオンを還元してその原子価数を減少させ;そして
無電解メッキおよび電解メッキからなる群から選ばれる方法により還元された活性化剤層上に銅メッキ層を被覆する。
【請求項14】
表面がシリコン、タンタル、窒化タンタルおよび窒化チタンからなる群から選ばれる請求項13に記載の方法。
【請求項15】
銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる銅シード層を有する集積回路基板上に銅を被覆する方法であって、該方法は以下からなる:
銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる銅シード層を有する集積回路基板を請求項10に記載の活性化剤溶液と接触させて、活性化された銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる銅シード層を有する集積回路基板を製造し;
活性化された銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる銅シード層を有する集積回路基板を、還元溶液に接触させて、活性化された銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる活性化された銅シード層を有する集積回路基板を還元させて、その価数を減少させ;そして
還元/活性化された銅シード層を有する内部微細配線の壁を具備するサブミクロンの電気内部微細配線からなる銅シード層を有する集積回路基板を無電解銅メッキ溶液と接触させて、還元/活性化された銅シード層を有する基板上およびサブミクロンの電気内部微細配線の還元/活性化の銅シード層を有する壁上に無電解銅層を被覆する。
【請求項16】
無電解メッキ銅層上に銅を電解メッキして内部微細配線を銅で充填する請求項15記載の方法。
【請求項17】
前駆体溶液が少なくとも約95℃まで加熱され、そして該温度に少なくとも約30分間維持される請求項10記載の活性化材溶液。

【公表番号】特表2006−509910(P2006−509910A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−559408(P2004−559408)
【出願日】平成15年12月9日(2003.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2003/038923
【国際公開番号】WO2004/053191
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(501407311)エントン インコーポレイテッド (36)
【Fターム(参考)】