説明

錠剤化用の埋め込まれた滑沢マトリクス

本発明は、薬学的錠剤および栄養薬学的錠剤に関する。より具体的には、本発明は、錠剤化にあたって、有効な滑沢のための組成物および方法を提供する。本発明は、埋め込まれた滑沢マトリクスを含む、栄養補助食品組成物および/もしくは錠剤化用薬学的組成物を提供する。上記埋め込まれた滑沢マトリクスは、油に不溶性の物質に微細に分散した油状液体を含む。埋め込まれた滑沢を伴うマトリクスを使用して、栄養補助食品組成物もしくは錠剤化用薬学的組成物を滑らかにするための方法もまた、提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、薬学的錠剤および栄養薬学的錠剤に関する。より具体的には、本発明は、錠剤化にあたって、有効な滑沢のための組成物および方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ステアリン酸もしくはステアリン酸の金属塩(特に、ステアリン酸マグネシウム)は、一般に、錠剤化プロセスを容易にするために、薬学的組成物および栄養薬学的組成物中に賦形剤として使用される。ステアリン酸マグネシウムのような化合物は、滑沢剤として機能し、錠剤形成および射出の間の錠剤−ダイ壁境界における摩擦を低下させることによって、ならびに/または型抜き面および上記ダイ壁への貼り付きを予防することによって、錠剤化を容易にする。
【0003】
製薬産業および栄養薬学産業全体を通じて滑沢剤として使用されるものの、滑沢剤としてのステアリン酸マグネシウムの使用は、いくつかの欠点を有する。ステアリン酸マグネシウムは、層流滑沢剤である。層流滑沢剤として、ステアリン酸マグネシウムの構造は、薄層シートの積み重なりである。1つ以上の薄層シートが、上記積み重なり「から剥離」され、取り囲む粒子を少なくとも部分的に被覆する場合に、滑沢が起こる。混合する工程は、上記積み重なりからシートを除去することを容易にし、従って、滑沢の程度(すなわち、層流滑沢剤による滑沢は、「混合感受性」である)。
【0004】
ステアリン酸マグネシウムを含む組成物が混合される場合、上記薄層シートは、ステアリン酸マグネシウムの積み重ね構造から剥離し、上記組成物の上記取り囲む粒子もしくは顆粒を被覆する。従って、その混合時間、速度および/もしくは混合法は、ステアリン酸マグネシウムの潤滑効力に影響を及ぼす。例えば、上記混合プロセスにおいて、あまりにも多くの薄層シートが上記ステアリン酸マグネシウムの積み重なり構造から剥離する場合、過剰滑沢が起こる。すなわち、粒子は、粒子間結合を低下し、乏しい圧縮性および低下した錠剤硬度をもたらす薄層シートで被覆され、従って、潜在的な処理課題および/もしくは不格好な錠剤の傾向を作り出す。いくつかの場合において、過剰滑沢は、上記錠剤を疎水性にし、このことは、崩壊時間を望ましくなく長期化し得る。
【0005】
混合する工程は、一定の均一性に必須であるが、さらに混合時間、速度および/もしくは混合機構の適度な変更は、ステアリン酸マグネシウムもしくは他の層流滑沢剤が滑沢剤として使用される場合に、滑沢レベルのバリエーションを導入し、このことによって、次いで、その関連した圧縮性および錠剤化課題がもたらされる。滑沢剤として使用される場合、ステアリン酸マグネシウムは、代表的には、錠剤化して、滑沢プロセスの制御を提供し、過剰滑沢の機会もしくは上記混合プロセスにおけるステアリン酸マグネシウム構造の所望でない崩壊を最小にする前に、別個の最終工程において上記組成物に添加される。
【0006】
従来どおり、液体滑沢剤は、錠剤化が意図された栄養薬学製品および/もしくは医薬品の粉末ブレンド組成物において特に有用ではなかった。代表的には、液体滑沢剤を少量添加して、ブレンドを散剤化し得、そして打錠する直前に添加しなければならない。なぜなら、上記液体滑沢剤は、上記散剤ブレンドを湿潤にして、混合するのを困難にする傾向があるからである。
【0007】
液体滑沢剤の使用と関連する課題を克服する2つのアプローチが示唆されてきた。1つのアプローチは、水素化によって、液体不飽和植物性油滑沢剤を固体飽和油滑沢剤の変換することである。このアプローチは、以下の欠点を有する:(1)水素化植物性油は、冠状動脈心疾患の増大した危険性と関連する、および(2)水素化植物性油は、一般のステアリン酸金属滑沢剤ほどは有効な錠剤形成でない。
【0008】
錠剤化が意図された乾燥混合物における液体滑沢剤の使用を促進するために使用される第2のアプローチは、液体滑沢剤を、油に不溶性のフィルム形成物質で被覆して、その湿潤組織を避けることであった。上記フィルム形成物質は、油の液滴の表面に対して層もしくは皮膚を形成するように集合する。フィルム形成物質は、米国特許第3,518,343号に記載されるように、ラビアガムのような水溶性ガム、ペクチン、トラガカント、修飾セルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロースもしくはカルボキシメチルセルロース)のような水溶性ガム、アルギン酸塩もしくはタンパク質性物質(例えば、ゼラチン)が挙げられる。上記油不溶性フィルム形成は、ある程度まで湿潤組織に対応し得る一方で、当該分野で公知の上記薄膜被覆液体は、上記滑沢剤が上記フィルムの中に覆われているので、実質的に低下した滑沢効力を有する。
【0009】
従って、錠剤化のための乾燥栄養薬学的組成物および/もしくは薬学的組成物の改善された滑沢のための組成物および/もしくは方法が必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態において、本発明は、埋め込まれた滑沢を伴うマトリクスを含む、錠剤化用栄養補助食品組成物を提供する。上記埋め込まれた滑沢を伴うマトリクスは、油に不溶性の物質に微細に分散した油状液体を含む。例示的実施形態において、上記栄養補助食品組成物は、実質的にステアレートを含まない。上記油に不溶性の物質における分散に適した油状液体としては、ビタミンE(好ましくは、ビタミンEアセテートの形態)、動物性油、合成油、鉱油、ポリエチレングリコール、シリコンオイルおよびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。適切な油に不溶性の物質としては、デンプン、デキストリン、微結晶セルロース、エチルセルロース、ゼラチン、糖、グルコース、マルトース、フルクトース、ソルビトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、二酸化ケイ素、リン酸二カルシウム無水物、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0011】
上記組成物は、直接打錠、転圧もしくは顆粒化組成物であり得る。
【0012】
本発明の一実施形態は、埋め込まれた滑沢を伴うマトリクスを含む錠剤化用薬学的組成物を提供し、ここで上記埋め込まれた滑沢を伴うマトリクスは、不溶性の基本物質に分散した油状液体を含み、上記薬学的組成物は、実質的にステアレートを含まない。
【0013】
栄養補助食品組成物もしくは錠剤化用薬学的組成物を滑らかにするための方法が提供される。上記方法は、埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスを提供する工程、栄養補助食品組成物もしくは薬学的組成物を提供する工程、上記埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスおよび上記栄養補助食品組成物もしくは薬学的組成物を混合する工程、ならびに錠剤を形成する工程を包含する。上記栄養補助食品組成物もしくは薬学的組成物は、直接打錠剤混合物、転圧混合物であり得るか、または顆粒化を含み得る。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(発明の詳細な説明)
本発明は、1種以上の埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスを含む組成物を提供する。上記埋め込まれた液体滑沢剤は、上記組成物を錠剤化するための滑沢を提供するように作用する。より具体的には、本発明の埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスは、上記基本物質に分散した粘性油状液体滑沢剤を有する油に不溶性の粒状固体基本物質である。好ましい実施形態において、上記埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスは、栄養薬学的組成物もしくは薬学的組成物のための錠剤化滑沢剤としての金属ステアレート滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)の代替として使用され得る。あるいは、上記埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスは、ステアレート滑沢剤もしくは他の錠剤化滑沢剤のための部分的置換として使用され得る。上記埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスは、乾燥栄養組成物および/もしくは薬学的組成物(例えば、ビタミン組成物および/もしくはミネラル組成物)を錠剤化するための有用な滑沢剤である。上記埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスは、錠剤化プロセスにおける直接打錠に供される組成物のために特に有用である。1つの例示的実施形態において、デンプン/デキストリンマトリクスに微細に分散した液体ビタミンEアセテートは、直接打錠のためのマルチビタミン・ミネラル処方物を効率的に滑らかにすることが見いだされた。
【0015】
本発明の組成物を錠剤化するために滑沢を提供することに加えて、一般に、特に、伝統的な金属ステアレート滑沢剤と比較して、以下の利点のうちの1つ以上を提供し得る:
(1)圧縮性に対する、ステアリン酸マグネシウム過剰滑沢の有害な影響の排除;
(2)別個の滑沢剤添加およびブレンド段階(例えば、混合段階)を排除することによる、より効率的な製造プロセス;
(3)錠剤硬度に対する滑沢剤誘導性軟化効果が少ない;
(4)錠剤のより低い破砕性;
(5)低濃度での崩壊時間の延長の低下;および/もしくは
(6)他の成分との良好な適合性。
【0016】
上記マトリクス中に埋め込まれた滑沢剤としてビタミンEを有する実施形態は、ビタミンEの抗酸化活性および/もしくは栄養補給のさらなる利益を提供し得る。
【0017】
本発明は、埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクス、および栄養補給組成物もしくは薬学的組成物を提供すること、ならびに上記埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスと、上記栄養補給組成物もしくは薬学的組成物と混合して、その後錠剤化することによって、栄養組成物もしくは錠剤化用薬学的組成物を滑らかにするための方法をさらに包含する。
【0018】
本発明者らは、理論に束縛されることを望まないが、マトリクスに液体滑沢剤を埋め込むことによって、上記マトリクスをぬらすことなく、上記マトリクスに液体滑沢剤が均一に分散することが可能になると考える。打錠する際に、上記液体滑沢剤は、上記マトリクスから押し出され得、錠剤化のための滑沢を提供し得、このことによって、ステアリン酸および金属ステアレートで認められる過剰滑沢の問題を排除する。マトリクス中の上記液体滑沢剤は、混合に関連する過剰滑沢の問題を有さないので、単一工程において混合するための他の成分とともに添加され得る。従って、錠剤化する直前に別個の工程として滑沢剤を添加する従来の工程は、回避され得る。
【0019】
本明細書において使用される場合、用語「埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクス」とは、少なくとも1種の油に不溶性の物質に微細に分散した油状液体を含む組成物を意味し、ここで上記マトリクスは、乾燥しているようであり、油もしくは油状の外見は、ヒトの眼に見えず、上記マトリクスは、自由に流動する。油の小さな粒子は、上記油に不溶性の物質の塊に組み込まれる(例えば、上記油に不溶性の物質の間隙空間に散在させられる)。上記滑沢剤は、上記錠剤化プロセスの圧縮力によって上記マトリクスから外れ得る。上記油に不溶性の物質は、単一の成分であってもよいし、成分の混合物であってもよい。代表的には、上記油に不溶性の物質は、乾燥粒子の形態で存在する。同様に、上記油状液体は、単一の実体であってもよいし、油状液体の混合物であってもよい。埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスを含む物質の各々は、哺乳動物による消費に許容できる物質であるべきである。
【0020】
本明細書において使用される場合、用語「油」とは、水に実質的に不溶性であり(Merck Index、CRC HandbookまたはMSDS Data sheetによって示される)かつ周囲温度で液体である物質を意味する。「埋め込まれた液体滑沢剤」とは、油、ならびに周囲温度で液体であり、滑沢特性を有し、かつ上記油に不溶性の物質と反応もせずこの物質の溶解度も高めない他の物質を包含する。
【0021】
埋め込まれた液体滑沢剤は、上記油に不溶性の物質に油滴の表面に層を形成させる化学的プロセスも物理的プロセスもないという点で、フィルム被覆される滑沢剤から区別される。マトリクスを形成するために適した油に不溶性の物質の単純な列挙およびフィルム形成ポリマーの列挙は、重複し得る;しかし、化学的同一性のみでは、方向を決定しない(not dispositive)。使用される割合、他の反応性実体の存在、水分の量および温度を組み合わせるための方法は、フィルム被覆される油が形成されるか、または埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスが形成されるかを決定し得る要員の例示である。
【0022】
本明細書において使用される場合、用語「ステアレート」は、ステアリン酸およびステアリン酸の金属塩を包含する。ステアリン酸マグネシウムは、ステアリン酸の例示的な金属塩である。実質的にステアレートを含まないとは、上記組成物が0.01重量%未満のステアレートを含むことを意味する。
【0023】
用語「マルチビタミン・ミネラル(multivitamin and mineral)」もしくは「マルチビタミン・マルチミネラル(multivitamin and multimineral)」補助食品は、少なくとも1種のビタミンおよび少なくとも1種のミネラル、および必要に応じて、1種以上の関連栄養因子を含む組成物を包含する。用語「マルチビタミン・ミネラル」もしくは「マルチビタミン・マルチミネラル」は、これらが用語「補助食品」、「錠剤」、もしくは「組成物」の前につく場合に、本明細書において同様の様式で解釈されるべきである。さらに、マルチビタミン・ミネラル補助食品は、栄養補助食品および/もしくは栄養薬学製品の例である。
【0024】
本明細書において使用される場合、「栄養因子」は、健康に関する利益を有することが公知のビタミンおよびミネラル以外の物質を包含する。栄養因子としては、カロチノイド(例えば、ルテイン、リコピン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、および関連キサンチン)、線維、植物ステロール、グルコシド、ポリフェノール、B複合体関連化合物(例えば、コリンおよびイノシトール)、ω−3脂肪酸、プロバイオティクス、グルコサミン、ハーブ類、アミノ酸およびペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書において使用される場合、語句「崩壊時間」とは、薬学的組成物もしくは栄養補助食品の錠剤投与単位が制御された実験室条件下で崩壊するのにかかる時間の量を意味する。当業者は、崩壊時間の決定のための方法および手順に精通している。
【0026】
用語「乾燥薬学的組成物」とは、錠剤投与形態に打錠するための乾燥物質として示される組成物をいう。上記組成物が錠剤へと打錠するときに乾燥している一方で、水分を要する処理工程は、上記物質が、錠剤化のために与えられるときに明らかに湿っていない限りにおいて除去されない。
【0027】
本明細書において使用される場合、用語「薬学的活性剤」、「活性剤」、「活性薬剤」、「治療剤」、「薬物」は、等価な用語であると考えられ、疾患もしくは医学的状態の予防、診断、緩和、処置もしくは治癒において使用される物質を意味すると理解されるべきである。
【0028】
本発明の組成物は、錠剤投与形態へと処方され得る任意の栄養組成物もしくは薬学的組成物を含み得る。複数の栄養成分および/もしくは薬学的活性剤を含む組成物はまた、本発明の範囲内である。例えば、栄養の実施形態について、上記組成物は、単一の栄養成分、選択された栄養群(例えば、骨の健康に関する栄養群)、もしくは広い範囲の栄養成分(例えば、ビタミンおよびミネラル)、および必要に応じて、1種以上の栄養因子(例えば、市販のマルチビタミン・ミネラル錠剤または1種以上の栄養因子が添加されたマルチビタミン・ミネラル錠剤)を含み得る。
【0029】
本発明の組成物に含まれ得る適切なビタミンおよび関連実体としては、ビタミンC、ビタミンE、チアミン(ビタミンB)、リボフラビン(ビタミンB)、ナイアシン(ビタミンB)、ピリドキシン(ビタミンB)、葉酸、コバラミン(ビタミンB12)、パントテン酸(ビタミンB)、ビオチン、ビタミンA(およびビタミンA前駆体)、ビタミンD、ビタミンK、および他のB複合体ビタミン、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
本発明の組成物に含まれ得る適切なミネラルとしては、鉄、ヨウ素、マグネシウム、亜鉛、セレン、銅、カルシウム、マンガン、ケイ素、モリブデン、バナジウム、ホウ素、ニッケル、スズ、リン、クロム、コバルト、塩化物、カリウムおよびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。マルチビタミン・マルチミネラル錠剤のミネラル成分は、代表的には、塩形態で提供される。使用される塩形態は、薬学的に受容可能な塩形態であるべきである。
【0031】
ビタミンおよびミネラルおよび栄養補助食品および投与量に含まれ得る関連薬剤の列挙は、確立された参考ガイド(例えば、United States Pharmacopeia National Formulary Official Compendium of Standards(すなわち、U.S.P. N.F. Official Compendium of Standards)もしくは改訂を含むEuropean Directive 90/496/ECに示される(これらは本明細書に参考として援用される)。ビタミンおよびミネラルの量は、具体的な実施形態において変動し得るが、代表的には、U.S.P. N.F. Official Compendium of StandardsもしくはEuropean Union Directiveに示される投与量内に入るはずである。
【0032】
本発明の組成物に含まれ得る栄養因子としては、カロチノイド(例えば、ルテイン、リコピン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、および関連キサンチン)、B複合体関連化合物(例えば、コリンおよびイノシトール)、例えば、線維、植物ステロール、プロバイオティクス、グルコシド、ポリフェノール、コリン、ω−3脂肪酸、グルコサミン、ハーブ類、アミノ酸およびペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
本発明の組成物は、埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスをさらに含む。上記マトリクスは、基本物質部分および油状液体を含む。上記基本物質部分は、油に不溶性の物質である。上記基本物質部分に適した油に不溶性の物質としては、デンプン、デキストリン、微結晶セルロース、エチルセルロース、ゼラチン、糖、グルコース、マルトース、フルクトース、ソルビトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、二酸化ケイ素、リン酸二カルシウム無水物、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。適切な油状液体としては、ビタミンE(好ましくは、ビタミンEアセテートの形態)、動物性油、合成油、鉱油、もしくは滑沢機能を有する有機性の液体、ポリエチレングリコール、シリコンオイルおよびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。必要に応じて、処理目的で、処理補助物質(例えば、二酸化ケイ素)を含むことは、望ましいかもしれない。上記基本物質は、粒子間の空間(もしくは間隙空間)が、上記滑沢剤の小さな粒子もしくは微細な小滴を受け入れることが可能であるように、上記マトリクス中で実質的に粒状の状態で存在するべきである。
【0034】
ぬれるのを避け、そして上記基本物質における上記油状液体の均一な埋め込みを提供するために、上記油状液体は、上記基本物質に微細に分散させられる。上記基本物質における上記油状液体の分散は、上記マトリクスが乾燥しているようでありかつ油もしくは油状の外見がヒトの眼に見えず、上記マトリクスが自由に流動するようにさせられるべきである。上記基本物質に分散した油状液体の量は、代表的には、油+基本物質に最大約70% wt/wt 油である。代表的には、油+基本物質に対して約10%〜約55% wt/wt 油は、上記マトリクスの特性を維持し、錠剤化組成物において使用されるマトリクスの量あたりの滑沢剤の最適化された量を提供するために都合がよい。これらの量は代表であり、他の量も同様に、具体的な量に適切であり得、上記基本物質および使用される油状液体の性質、流動特性、ならびに/または所望される滑沢の程度に依存する。
【0035】
例えば、圧縮下でのデンプンマルトデキストリン基本物質からのビタミンEアセテートの放出は、圧縮下でのデンプンゼラチン基本物質からのビタミンEアセテートの放出とは異なる。油 対 マトリクスベース(matrix base)の比を調節しそして/または処理補助物質(例えば、二酸化ケイ素)を添加すると同時に、例えば、流動特性を調節するために使用され得る方法の例示である。
【0036】
上記マトリクスが、直接打錠が意図された組成物中で使用されるべき場合、好ましくは、上記マトリクスの少なくとも70%は、US標準シーブによって測定される場合、約20メッシュ(850ミクロン)〜約200メッシュ(75ミクロン)の範囲に入る粒径を有する。さらに、直接打錠のために、上記埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスは、好ましくは、約5〜約21のCarr圧縮指数値を有する。
【0037】
使用されるマトリクスの量は、必要とされる滑沢の量に依存し、これは、上記組成物中の添加剤および賦形剤の化学的特性および物理的特性の関数である。摩耗性(abrasive)ミネラルの実質的な部分を含むマルチビタミン・ミネラル補助食品の例示的実施形態において、滑沢剤の50重量%であるマトリクスの約0.1%〜約1.5% wt/wt程度の滑沢剤の量が、例えば、十分な滑沢を提供し得る。
【0038】
上記基本物質における上記油状液体の分散は、混合によって達成され得る。基本物質粒径、混合速度、および混合の機構は、所望の分散を達成するために改変され得るパラメーターの例示である。例えば、小さな基本物質粒径および高剪断混合は、上記油がヒトの眼に見えない微細な分散を作り出すために使用され得る。例えば、スプレープロセスのような他の方法も同様に、上記基本物質において上記油状液体を微細に分散させるために適切であり得る。上記基本物質が、特定の条件下でフィルムを形成するために反応もしくはアセンブルし得る1種以上の物質を含む場合、埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスを調製するために選択された方法は、フィルム形成をもたらす処理工程および/もしくは物質の添加を回避するべきである。
【0039】
上記に記載される場合、多くの滑沢物質は、上記埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスに分散/埋め込みに適切であり得る。しかし、ビタミンEは、他の伝統的な滑沢油よりいくつかの利点を有し得る。最も伝統的な滑沢油は、冠動脈心疾患の増大した危険性と関連するトランス脂肪を含む。対照的に、ビタミンEは、健康な心臓および血管において補助することもまた示唆されてきた。さらに、ビタミンEは、強力な抗酸化剤として広く認知されている。ビタミンEは、ヒトにおいてフリーラジカルの破壊的影響を防止するための補助食品として使用される。また、ビタミンEは、品質を維持し、そして/または望ましくない反応を防止し、そして貯蔵期間を延長するために、種々の消費財に保存剤として広く使用されている。ビタミンEは、遊離形態において、もしくは誘導体化形態(例えば、ビタミンEアセテート)において使用され得る。
【0040】
埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスの使用は、錠剤化滑沢剤として広く適用可能である。このようなマトリクスは、直接打錠組成物での使用によく適しており、例えば、埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスは、直接打錠マルチビタミン/ミネラル処方物を効率的に滑らかにし得、この処方物は、高レベルの摩耗性金属塩を含む。金属塩のような摩耗性物質は、滑沢を困難にすると考えられる。上記埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスは、上記マルチビタミン/ミネラル処方物のための有効な単一の滑沢剤であり得るか、または上記埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスは、種々の錠剤化可能処方物についての別の滑沢剤とともに使用されうる。直接打錠組成物で使用するのによく適しているが、ビタミンEが埋め込まれたマトリクスはまた、摩耗性の低い物質との圧縮ブレンド、転圧に供される組成物もしくは錠剤化に供される顆粒化組成物における使用に適している。
【0041】
本発明に従う組成物は、経口投与のための固体形態(すなわち、錠剤)を作製するために錠剤化が意図される。従って、固体投与形態を形成するために、上記組成物は、ビタミンおよびミネラルに加えて、賦形剤および/もしくは処理補助物質をさらに含みうる。例示的な賦形剤および処理補助物質としては、吸収剤、希釈剤、矯味矯臭剤、着色剤、安定化剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑り剤(glidant)、抗接着剤(antiadherent)、糖もしくはフィルムコーティング剤、保存剤、緩衝剤、人工甘味料、天然甘味料、分散剤、濃縮剤、可溶化剤などまたはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、ステアリン酸および/もしくは金属ステアレート滑沢剤は、賦形剤に含まれない。
【0042】
本発明の栄養組成物は、上記埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスと、上記ビタミンおよび/もしくはミネラルおよび/もしくは上記錠剤投与形態に含めることが意図された栄養因子ならびに錠剤化賦形剤とを合わせることによって調製される。上記埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスは混合感受性でないので、上記埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスの添加のタイミングおよび/もしくは様式は、重要ではない。従って、特別な添加工程もしくは上記滑沢剤の添加のための工程および/または上記滑沢剤のための特別な混合準備は、必要とされない。
【0043】
一旦上記埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスおよび錠剤化混合物の他の成分が合わせられると、このように調製される組成物は、打錠機へと供給されて錠剤へと形成され得る。打錠機の圧縮力は、上記マトリクスから滑沢剤を押し出して、滑沢を可能にするのに十分である。
【0044】
上記埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスは、直接打錠ブレンド(例えば、直接打錠のために調製された組成物)での使用によく適している。しかし、埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスは同様に、上記潤滑機能は、上記組成物が錠剤へと圧縮される場合に達成されるので、錠剤化が意図された顆粒化ブレンドもしくは転圧によって調製される組成物の潤滑に有用であり得る。
【0045】
埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスを錠剤化滑沢剤として利用する、錠剤化のための薬学的活性剤の組成物は、上記栄養組成物のために長期で記載されるように調製されうる。
【実施例】
【0046】
(実施例1)
1つの例示的実施形態において、埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスは、改変食品デンプンおよびマルトデキストリンの等しい部分の基本物質 中に分散したビタミンEアセテートである。ビタミンE 対 基本物質の比率は、重量で約50/50である。二酸化ケイ素は、処理補助物質として上記マトリクス中に含まれうる。代表的には、上記二酸化ケイ素処理補助物質は、約0.2〜2.5%の量で含まれる。上記ビタミンE、デンプン、マルトデキストリンおよび処理補助物質(使用される場合)は、上記油状の粘性ビタミンEが、上記デンプンマルトデキストリン基本物質に微細に分散し、液体もしくは粘性の物質がヒトの眼に見えないように混合されるべきである。混合は、高剪断ミキサーを使用して、または代わりに、スプレーシステムを使用して達成されうる。上記混合方法は、自由に流動する粉末の形態でマトリクスを生じるべきである。一旦調製されると、上記埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスは、上記物質と合わされて、錠剤化され得る。この組成物は、本発明の範囲内に入る多くのマトリクス組成物の代表であり、例示目的で提供される。
【0047】
(実施例2)
本発明の例示的実施形態の栄養補助食品組成物の例は、表1に提供される。この組成物は、本発明の範囲内である多くの組成物の代表であり、例示目的で提供される。表1の例示的組成物は、マルチビタミン・ミネラル補助食品である。表1に関して、上記埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスは、実施例1に記載されるように、処理補助物質としての二酸化ケイ素とともに、デンプンマルトデキストリンベース(50% w/w)に微細に分散したビタミンEである。埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスの量は、上記栄養補助食品組成物の個々のサンプルについて0.3%〜8.8%まで変動し、従って、表1における量の範囲として列挙される。上記埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスは、上記組成物における唯一の滑沢剤であった。(例えば、ステアリン酸マグネシウムも他の錠剤化滑沢剤も添加されなかった)。表1に提供される処方物の組成は、錠剤あたりの各成文の重量(mg)として示される。
【0048】
【表1】

上記成分を、No.20 (U.S.標準メッシュ)ハンドスクリーンに通し、一工程において、V−ブレンダーを使用して一緒にブレンドした。No.20 U.S.標準スクリーンについてのスクリーン開口は、約0.033インチ(0.84mm)である。全てのサンプルを、添加される埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスの量を除いて、同様に混合した。種々の濃度の埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクス(ビタミンE)を伴う得られた打錠用混合物を、Manesty Beta Pressおよび改変楕円形錠剤型押し(tooling)を使用して、打錠のためのダイへとパドルで供給した(paddle−fed)。圧縮力は、約8kNの予備圧縮力および85rpmのプレス速度で、30kN、40kN、および50kNにした。上記錠剤は、0.330インチ幅、0.745インチ長および約0.280インチ厚(大きさのわずかな変動が使用される埋め込まれた滑沢剤を伴うマトリクスの種々の量に対して起こってしまう)であった。上記Manesty Betapressを、圧縮力および押し出し力の両方をモニターするために備えさせ、MCCソフトウェアを使用して結果を記録した。錠剤を、Hardness Tester(Dr.Schleuniger Pharmatron,Model 6D−500N)によって硬度、Vanderkamp Friabilator(Van−Kel Industry,Model 10809)によって破砕性、Analytical Balanceによって重量、およびカリパスによって厚みについて評価した。上記ビタミンEマトリクスは、錠剤硬度、破砕性、および崩壊時間(DT)に対する最小の影響を有する単一の滑沢剤として、よく機能した。
【0049】
打錠混合物は、最小の0.3% マトリクスおよび埋め込まれたビタミンE(もしくは0.15% ビタミンE)を伴って、打錠およびダイからのその後の押し出しのために十分なめらかであり、そしてなめらかな表面になり、埋め込まれたビタミンE(もしくは0.6% ビタミンE)を伴う少量の1.2% マトリクスにより、外観がすばらしいことが分かった。埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスの0.3%は、0.3% ステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として使用される匹敵するビタミンおよびミネラル補助食品と等しい押し出し力を提供するために十分であった。
【0050】
埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスの添加は、一般に、3つの固定圧縮力(30kN、40kNおよび50kN)のうちのいずれか1つにおいて、濃度の増大とともに、錠剤硬度を低下させた。試験した圧縮力での硬度の低下は、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムを使用する匹敵するビタミンおよびミネラル組成物の圧縮力の同じ範囲に対する変化ほど大きくなかった(例えば、0.3% ステアリン酸マグネシウムの存在は、試験される圧縮力の範囲に対して、錠剤硬度に対する埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスの0.3%までしか低下効果がないのに対して、5kPまで錠剤硬度を低下させた)。上記埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスは、錠剤化滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムを使用することのみ異なる匹敵する錠剤組成物と比較して、試験した全ての濃度(0.3〜8.8%)において約50%まで破砕性を低下させることが分かった。低濃度(0〜1.2%)において埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスの存在は、崩壊時間に対して有意な影響を示さなかったが、高濃度(2.4%および4.6%)では、崩壊時間を、0.9分から2分および4分へと増大させた。ビタミン・ミネラル組成物について、さらに低濃度(約0.3%)でのステアリン酸マグネシウム添加は、通常、上記打錠ブレンドに対して付与する疎水性の性質に起因して、崩壊時間を増大させることは、当該分野で周知である。
【0051】
上記埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスは、ビタミン・ミネラル錠剤中の他の成分と適合性であることが分かった。上記ビタミンEは、加速した安定性研究に基づいて、錠剤へと打錠された後に十分に回復可能かつ安定であった。上記埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスの顕著な影響は、ビタミン・ミネラル錠剤における他の成分の安定性に関して認められなかった。
【0052】
4.6% 埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスを有するビタミン・ミネラル組成物の打錠を、高速の市販の二側面ロータリープレス(double−sided rotary press)で1分間あたり最大5500錠までの商業的割合にまでスケールアップした。各パンチおよびダイの設定は、1分間あたり約90錠を生成した。上記錠剤は、滑らかな表面であり、概観がすばらしいことが分かった。上記埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスは、通常の商業的製造割合での打錠に対して、上記組成物ブレンドを有効に滑らかにするようであった。
【0053】
(実施例3)
滑沢剤として埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスを有するマルチビタミン・ミネラル組成物の打錠に対する過剰混合の考えられる効果を調査した。上記過剰混合実験は、400rpmでの8L Littleford Granulatorで行った。V−ブレンダーの転倒混和機構とは異なって、この装置は、高rpmで鋤刃(plow blade)を使用する。4.6% 埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスを有するマルチビタミン・ミネラル組成物のサンプルを調製し、上記Littlefordで、0分間、2分間、4分間、10分間および20分間混合した後に打錠した。混合の程度は、錠剤硬度、破砕性に有意な影響を有さなかったが、上記埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスで滑らかにした上記組成物の錠剤の押し出し力をわずかに低下させた。比較のために、上記埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスの代わりに0.3% ステアリン酸マグネシウムを有するが、全ての他の点では異なるビタミン・ミネラル組成物も調製し、上記Littlefordで0分間、2分間、4分間、10分間、および20分間混合した後に打錠した。混合時間を増大させると、錠剤硬度は有意に低下し、押し出し力はわずかに低下し、そして0.3% ステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として使用する錠剤の破砕性は有意に増大した。表2は、0分間、2分間、4分間、10分間および20分間混合した後に40kNで打錠した錠剤の錠剤硬度についての例示的データを示す。
【0054】
【表2】

表2のデータは、混合時間が、上記埋め込まれたビタミンEを伴うマトリクスで滑らかにされた錠剤の硬度に対してほとんど効果を有さなかったが、0.3% ステアリン酸マグネシウムを有する錠剤の硬度は、混合時間に対して非常に感受性であったことを示す。
【0055】
前述の発明は、理解の明瞭さを目的として、例示および実施例によっていくらか詳細に記載されてきたが、特定の変更および改変が、添付の特許請求の範囲の範囲内で実施されうることは明らかである。当業者に明らかである、本発明を実施する条規実施態様の改変は、以下の特許請求の範囲内に包含されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込まれた滑沢を伴うマトリクスを含む、錠剤化用栄養補助食品組成物であって、ここで該埋め込まれた滑沢を伴うマトリクスは、油に不溶性の物質に微細に分散した油状液体を含み、そして該栄養補助食品組成物は、実質的にステアレートを含まない、組成物。
【請求項2】
前記油状液体は、ビタミンE、動物性油、合成油、鉱油、ポリエチレングリコール、シリコンオイルおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の栄養補助食品組成物。
【請求項3】
前記油状液体はビタミンEアセテートである、請求項2に記載の栄養補助食品組成物。
【請求項4】
前記油に不溶性の物質は、デンプン、デキストリン、微結晶セルロース、エチルセルロース、ゼラチン、糖、グルコース、マルトース、フルクトース、ソルビトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、二酸化ケイ素、リン酸二カルシウム無水物、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1、2または3のいずれかに記載の栄養補助食品組成物。
【請求項5】
前記組成物は、少なくとも1種のミネラルをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の栄養補助食品組成物。
【請求項6】
前記組成物は、少なくとも1種のビタミンをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の栄養補助食品組成物。
【請求項7】
前記組成物は、少なくとも1種の栄養因子をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の栄養補助食品組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1種の栄養因子は、カロチノイド、線維、植物ステロール、グルコシド、ポリフェノール、B複合体関連化合物、ω−3脂肪酸、プロバイオティクス、グルコサミン、ハーブ類、アミノ酸、ペプチド、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項7に記載の栄養補助食品組成物。
【請求項9】
少なくとも1種のビタミンおよび少なくとも1種のミネラルをさらに含む、請求項1〜4、7および8のいずれか1項に記載の栄養補助食品組成物。
【請求項10】
前記組成物は、直接打錠組成物である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の栄養補助食品組成物。
【請求項11】
前記組成物は顆粒化を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の栄養補助食品組成物。
【請求項12】
埋め込まれた滑沢を伴うマトリクスを含む、錠剤化用マルチビタミン・ミネラル組成物であって、ここで該埋め込まれた滑沢を伴うマトリクスは、油に不溶性の物質に微細に分散した油状液体を含み、該組成物は、実質的にステアレートを含まない、組成物。
【請求項13】
前記油状液体は、ビタミンE、動物性油、合成油、鉱油、ポリエチレングリコール、シリコンオイルおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項12に記載のマルチビタミン・ミネラル組成物。
【請求項14】
前記油状液体はビタミンEアセテートである、請求項13に記載のマルチビタミン・ミネラル組成物。
【請求項15】
前記油に不溶性の物質は、デンプン、デキストリン、微結晶セルロース、エチルセルロース、ゼラチン、糖、グルコース、マルトース、フルクトース、ソルビトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、二酸化ケイ素、リン酸二カルシウム無水物、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項12〜14のいずれか1項に記載のマルチビタミン・ミネラル組成物。
【請求項16】
前記組成物は、少なくとも1種の栄養因子をさらに含む、請求項12〜15のいずれか1項に記載のマルチビタミン・ミネラル組成物。
【請求項17】
前記少なくとも1種の栄養因子は、カロチノイド、線維、植物ステロール、グルコシド、ポリフェノール、B複合体関連化合物、ω−3脂肪酸、プロバイオティクス、グルコサミン、ハーブ類、アミノ酸、ペプチド、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項16に記載のマルチビタミン・ミネラル組成物。
【請求項18】
前記組成物は、直接打錠組成物である、請求項12〜17のいずれか1項に記載のマルチビタミン・ミネラル組成物。
【請求項19】
前記組成物は顆粒化を含む、請求項12〜17のいずれか1項に記載のマルチビタミン・ミネラル組成物。
【請求項20】
前記組成物は、転圧用の組成物である、請求項12〜14のいずれか1項に記載のマルチビタミン・ミネラル組成物。
【請求項21】
埋め込まれた滑沢を伴うマトリクスを含む錠剤化用薬学的組成物であって、ここで該埋め込まれた滑沢を伴うマトリクスは、油に不溶性の基本物質に分散した油状液体を含み、該薬学的組成物は、実質的にステアレートを含まない、組成物。
【請求項22】
前記油状液体は、ビタミンE、動物性油、合成油、鉱油、ポリエチレングリコール、シリコンオイルおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項21に記載の薬学的組成物。
【請求項23】
前記油状液体はビタミンEである、請求項21に記載の薬学的組成物。
【請求項24】
前記油に不溶性の物質は、デンプン、デキストリン、微結晶セルロース、エチルセルロース、ゼラチン、糖、グルコース、マルトース、フルクトース、ソルビトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、二酸化ケイ素、リン酸二カルシウム無水物、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項21〜23のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項25】
前記組成物は、直接打錠組成物である、請求項21〜24のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項26】
前記組成物は、顆粒化を含む、請求項21〜24のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項27】
前記組成物は、転圧用の組成物である、請求項21〜24のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項28】
錠剤を作製するための方法であって、該方法は、埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスを提供する工程、栄養補助食品組成物を提供する工程、該マトリクスと、該埋め込まれた液体滑沢剤および該栄養補助食品組成物とを混合する工程、ならびに錠剤を形成する工程、を包含し、ここで該栄養補助食品組成物は、実質的にステアレートを含まない、方法。
【請求項29】
前記栄養補助食品組成物は、少なくとも1種のミネラルを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記栄養補助食品組成物は、少なくとも1種のビタミンを含む、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記栄養補助食品組成物は、マルチビタミン・ミネラル組成物を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記栄養補助食品組成物は、少なくとも1種の栄養因子を含む、請求項28〜31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記少なくとも1種の栄養因子は、カロチノイド、線維、植物ステロール、グルコシド、ポリフェノール、B複合体関連化合物、ω−3脂肪酸、プロバイオティクス、グルコサミン、ハーブ類、アミノ酸およびペプチドからなる群より選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスは、油に不溶性の物質に微細に分散した油状液体を含む、請求項28〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記油状液体は、ビタミンE、動物性油、合成油、鉱油、ポリエチレングリコール、シリコンオイルおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記油状液体はビタミンEアセテートである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記油に不溶性の物質は、デンプン、デキストリン、微結晶セルロース、エチルセルロース、ゼラチン、糖、グルコース、マルトース、フルクトース、ソルビトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、二酸化ケイ素、リン酸二カルシウム無水物、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項34、35、または36に記載の方法。
【請求項38】
前記混合された埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスおよび栄養補助食品組成物は、直接打錠混合物である、請求項28〜37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記混合された埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスおよび栄養補助食品組成物は、顆粒化を含む、請求項28〜37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記混合された埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスおよび栄養補助食品組成物は、転圧用の組成物である、請求項28〜37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
薬学的組成物から錠剤を作製するための方法であって、該方法は、埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスを提供する工程、薬学的活性組成物を提供する工程、該埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスおよび該薬学的活性組成物を混合する工程、ならびに錠剤を形成する工程を包含し、ここで該薬学的活性組成物は、実質的にステアレートを含まない、方法。
【請求項42】
前記埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスは、油に不溶性の物質に分散した油状液体を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記油状液体は、ビタミンE、動物性油、合成油、鉱油、ポリエチレングリコール、シリコンオイルおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記油状液体はビタミンEアセテートである、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記油に不溶性の物質は、デンプン、デキストリン、微結晶セルロース、エチルセルロース、ゼラチン、糖、グルコース、マルトース、フルクトース、ソルビトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、二酸化ケイ素、リン酸二カルシウム無水物、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項42、43、または44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
前記混合された埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスおよび薬学的活性組成物は、直接打錠剤混合物である、請求項41〜45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記混合された埋め込まれた液体滑沢剤を伴うマトリクスおよび薬学的活性組成物は、顆粒化である、請求項41〜45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
請求項1〜27のいずれか1項に記載の組成物を錠剤化する工程を包含する、錠剤を作製するためのプロセス。
【請求項49】
請求項1〜27のいずれか1項に記載の組成物を錠剤化することによって作製される、錠剤。

【公表番号】特表2010−524951(P2010−524951A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504175(P2010−504175)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/060188
【国際公開番号】WO2008/130883
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(591011502)ワイス エルエルシー (573)
【Fターム(参考)】