説明

長い持続時間の医薬投与のための液圧作動式ポンプ

【課題】単純な、安価な、単回使用のみの医薬ポンプシステムを提供すること。
【解決手段】液体成分の持続送達のための、液圧作動式流体送達システム。このシステムは、ポンプチャンバ;オリフィスを有しかつ可動障壁によって該ポンプチャンバに流体接続されている流体貯蔵チャンバ;拘束部を介して該ポンプチャンバに接続されており、該拘束部は、該高粘度の流体の流量を制御し得る、高粘度の流体を貯蔵するための液圧流体レザバ;ならびに該液圧流体レザバに機能的に接続されたアクチュエータであって、該アクチュエータは、該液圧流体を、該拘束部を通して該ポンプチャンバに流入させ、これによって、該ポンプチャンバの体積を拡張させ、該可動障壁を移動させ、そして該流体貯蔵チャンバ内に貯蔵された、ある量の該液体成分を、持続された速度で送達させる、アクチュエータ、を備える、流体送達システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本明細書中に記載されるシステムおよび方法は、注射可能物質のための医薬ポンプにおいて使用され得る、液圧式ポンプシステムに関し、特に、低費用の小型の単回使用のポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な人々(例えば、糖尿病患者)は、特定の薬物または医薬(本明細書中で広く、医薬と称される)の、連続的な注入またはほぼ連続的な注入を必要とする。
【0003】
ポンプシステムを使用する、医薬(例えば、インスリン)の連続的な投薬またはほぼ連続的な投薬を提供するための、多くの試みがなされてきた。例えば、1つの公知のポンプ送り技術は、種々の手段によって発生する気体を使用して、注射器内のプランジャを進め、これによって、注入セットを通して医薬を注射する。この注入セットは、患者の皮膚を通して医薬を運ぶための手段であり、そして標準的な針、微小針、微小針アレイ、ならびにカテーテルおよびカニューレのシステムを備え得る。
【0004】
これらのシステムは、非常に良好に働き得るが、これらのシステムを、特に連続投与モードで使用する患者は、周囲の空気圧が大いに変動し得る環境の下で(例えば、航空機内で)、これらのデバイスを、厳密にモニタリングし、そして作動を止める必要がある。特に、患者は、注入ポンプが、高い高度の航空機内(ここでは、周囲の圧力がかなり低下している)で、危険なまでに増加した投薬量を送達しないように注意する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
単純な、安価な、単回使用のみの医薬ポンプシステムが、必要とされている。このようなシステムは、患者の制御下での変更可能な投薬、ならびに任意の範囲の周囲圧力または手術条件においての、測定された用量の安全性および一貫性を提供する能力を有さなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(要旨)
例示的な実施形態において、本明細書中に記載されるシステムは、とりわけ、ポンプデバイスを備え、このポンプデバイスは、単回使用であり得、そして持続された低体積(好ましくは、高効力)の医薬適用(例えば、インスリン依存性糖尿病患者または他の患者によって使用されるためのもの)を提供する。このポンプは、アクチュエータとして、ばねで圧縮されたベローズクランク、ヒンジで止められたプレート、対のローラセット、または他の蠕動機構を使用して、ある体積の液圧流体を、流れ拘束部(例えば、開口部分)に強制的に通し得、これによって、2チャンバ型液圧シリンダの1つのチャンバを拡張させる。第二の流体貯蔵チャンバ(医薬を含む)は、この液圧チャンバが、さらなる液圧流体の導入によって拡張されるにつれて、従来のオリフィスを介して排出される。次いで、このように排出される医薬は、任意の適切な注射機構および/または注入機構を介して、患者に注射または注入され得る。
【0007】
拘束部は、1つの実施形態において、液圧流体開口部分であり得、そして直径約0.1〜10μm、または直径約1〜5μm、または直径1万分の1インチ(0.0001インチ、すなわち約2.5μm)の、一定の微小開口部分であり得る。別の実施形態において、この液圧流体開口部分は、直径約0.1〜10μm、または直径約1〜5μm、または直径1万分の1インチ(0.0001インチ、すなわち約2.5μm)の、連続的または段階的のいずれかの直径の変動を提供する、調節可能な開口部分であり得る。適切な粘度の液圧流体と組み合わせて、この微小開口部分は、正確な圧力調節を提供し、これは、周囲の圧力にも他の環境条件にも非感受性である。この非感受性は、次に、当該分野において以前に見られたよりも広い範囲の条件下での、非常に正確な投薬および投薬量調節を可能にする。
【0008】
従って、本発明の1つの局面は、液体成分の持続送達のための、液圧作動式流体送達システムを提供する。このシステムは、ポンプチャンバおよび流体貯蔵チャンバ;液圧流体レザバ;ならびにアクチュエータを備え、この流体貯蔵チャンバは、オリフィスを有し、そして可動障壁によって、このポンプチャンバに機能的に接続されており、この液圧流体レザバは、高圧流体を貯蔵するためのものであり、そして拘束部(例えば、開口部分)を介して、このポンプチャンバに接続されており、この拘束部は、直径が10μm未満であり得、そしてこの液圧流体中の最も大きい不溶性粒子は、存在する場合、必要に応じて、この開口部分のサイズを超えず、そしてこのアクチュエータは、この液圧流体レザバに機能的に接続されており、この液圧流体を、この開口部分を通してこのポンプチャンバに流入させ、これによって、このポンプチャンバの体積を拡張させ、この可動障壁を移動させ、そしてこの流体貯蔵チャンバに貯蔵された、ある量の液体成分を、持続された速度で送達する。
【0009】
1つの実施形態において、上記ポンプチャンバと流体貯蔵チャンバとの両方は、1つの区画内にある。
【0010】
1つの実施形態において、上記可動障壁は、ピストンまたはプランジャプレートである。
【0011】
1つの実施形態において、上記ピストンまたはプランジャプレートの移動は、このピストンまたはプランジャプレートが、移動の際に、反転もせず、漏出も生じさせないように導かれる。
【0012】
1つの実施形態において、上記可動障壁は、上記ポンプと上記流体貯蔵チャンバとを分離する、1つ以上の変形可能な膜である。
【0013】
1つの実施形態において、上記液体成分は、医薬であり、そして上記流体貯蔵チャンバの壁は、成体不活性材料から構成される。
【0014】
1つの実施形態において、上記開口部分は、一定のサイズを有する。
【0015】
1つの実施形態において、上記開口部分は、可変の液圧を可能にするように、サイズが調節可能である。
【0016】
1つの実施形態において、上記開口部分のサイズは、サムホイール制御/ダイヤルによって調節される。
【0017】
1つの実施形態において、上記サムホイール制御は、小型の弁またはアイリスデバイスを作動させる。
【0018】
1つの実施形態において、上記液体成分の量は、1分間あたり約100nl〜1μl、1分間あたり約1〜10μl、1分間あたり約10〜100μlから選択される速度で排出される。
【0019】
1つの実施形態において、上記アクチュエータは、小型のベローズクランク、対のローラ、1つ以上の圧電素子、つめ車モータ駆動式ユニットもしくはステッパモータ駆動式ユニット、2プレートのヒンジで留められた蠕動機構、電気駆動式機構または圧電機構である。
【0020】
1つの実施形態において、上記アクチュエータは、動きの全範囲にわたって一定のばね定数を有する、1つ以上の外部ばねを使用する。
【0021】
1つの実施形態において、上記流体送達システムは、液圧流体レザバを、上記開口部分を介して上記ポンプチャンバに連結する、接続通路をさらに備える。
【0022】
1つの実施形態において、上記液体成分は、医薬の溶液である。
【0023】
1つの実施形態において、上記医薬は、インスリン、オピエート、ホルモン、向精神治療組成物である。
【0024】
1つの実施形態において、上記流体貯蔵チャンバの上記オリフィスは、液体成分を患者に送達するための注入セットに接続されている。
【0025】
1つの実施形態において、上記患者は、ヒトまたは非ヒト動物から選択される哺乳動物患者である。
【0026】
1つの実施形態において、上記注入セットは、針、管腔および針セット、カテーテル−カニューレセット、または微小針もしくは1つ以上の管腔によって取り付けられた微小針アレイである。
【0027】
1つの実施形態において、上記ポンプは、単回使用のための安価な材料で製造されている。
【0028】
1つの実施形態において、上記安価な材料は、ラテックスを含まず、そしてラテックスに耐えられない患者において使用するために適切である。
【0029】
1つの実施形態において、上記安価な材料は、使い捨てであるかまたは再利用可能である。
【0030】
1つの実施形態において、上記安価な材料は、ガラスまたは医療等級のPVCである。
【0031】
1つの実施形態において、上記流体送達システムは、第二の液圧レザバをさらに備える。
【0032】
1つの実施形態において、上記第二の液圧レザバは、第二のアクチュエータによって、別個にかつ独立して制御される。
【0033】
1つの実施形態において、上記第二の液圧レザバと上記もとのレザバとの両方が、共通の接続通路を介して、そして上記開口部分を通して、上記ポンプチャンバに接続されている。
【0034】
1つの実施形態において、上記第二の液圧レザバは、第二の開口部分を通して、上記ポンプチャンバに接続されている。
【0035】
1つの実施形態において、上記2つの液圧レザバのうちの一方は、上記液体成分の持続送達のために使用され、そして該2つの液圧レザバのうちの他方は、所定の間隔での、上記液体成分のボーラス送達のために使用される。
【0036】
1つの実施形態において、両方の開口部分が、独立して調節可能である。
【0037】
1つの実施形態において、上記2つの開口部分のうちの1つが、調節可能である。
【0038】
1つの実施形態において、上記持続送達は、5時間を超えるか、24時間を超えるか、3日間を超えるか、または1週間を超える期間にわたる。
【0039】
1つの実施形態において、上記液圧流体の粘度は、少なくとも約ISO VG 20、または少なくとも約ISO VG 32、または少なくとも約ISO VG 50、または少なくとも約ISO VG 150、または少なくとも約ISO VG 450、または少なくとも約ISO VG 1000、または少なくとも約ISO VG 1500以上である。
【0040】
本発明の別の局面は、液圧作動式ポンプシステムを提供し、このシステムは:可動障壁に機能的に接続されている、ポンプチャンバ;高粘度流体を貯蔵するための液圧流体レザバ;およびアクチュエータを備え、このレザバは、直径10μm未満、そしていくつかの実施形態においては、直径3μm未満の開口部分を介して、このポンプチャンバに接続されており、そしてこの液圧流体内の最も大きい不溶性粒子は、存在する場合、この開口部分のサイズを超す、そしてこのアクチュエータは、この液圧流体レザバに機能的に接続され、この液圧流体を、この開口部を通してこのポンプチャンバに流入させ、これによって、このポンプチャンバの体積を拡張させ、この可動障壁を移動させる。
【0041】
本発明の別の局面は、医薬を投与する方法を提供し、この方法は、液圧流体レザバを圧縮して、この液圧流体を、接続手段に強制的に通す工程;この液圧流体を、調節可能な開口部分を通して、ポンプチャンバに通す工程であって、このポンプチャンバは、隣接する流体貯蔵チャンバから、可動障壁によって分離されており、そしてこの流体貯蔵チャンバは、医薬で満たされている、工程;このポンプチャンバをこの液圧流体で満たすことによって、可動障壁を、この流体貯蔵チャンバ内に移動させる工程であって、この移動が、ある量の医薬を、この流体貯蔵チャンバから、吐出オリフィスを通して排出する、工程、を包含する。
【0042】
1つの実施形態において、上記通す工程は、上記調節可能な開口部分によって調節されて、上記液圧流体の流れを変化させ、従って、上記オリフィスを通って排出される上記医薬の量を変化させる。
【0043】
1つの実施形態において、上記方法は、ある量の上記医薬を、上記オリフィスに接続された注入セットを通して患者に注射する工程をさらに包含する。
【0044】
1つの実施形態において、上記圧縮する工程は、一定の速度での上記レザバの蠕動圧縮を使用する。
【0045】
1つの実施形態において、上記圧縮する工程は、可変速度での上記レザバの蠕動圧縮を使用する。
【0046】
1つの実施形態において、上記方法は、ポンプチャンバに流体接続された第二の液圧レザバを迅速に圧縮して、上記可動障壁を移動させ、これによって、上記医薬のボーラスを、上記オリフィスを通して排出させる工程をさらに包含する。
【0047】
1つの実施形態において、上記方法は、液圧流体を、上記第二の液圧レザバから、第二の開口部分を通して、上記ポンプチャンバへと通す工程をさらに包含する。
【0048】
上に記載される個々の実施形態は、互いに自由に組み合わせられることを意味し、従って、任意の特定の組み合わせが、明白である場合には必ず、異なる実施形態において記載される2つ以上の特徴を同時に含み得ることが、理解されるべきである。さらに、本発明の1つの局面(例えば、デバイス)について記載される全ての実施形態が、明白である場合には必ず、本発明の他の局面(例えば、方法)に適用される。
【0049】
本発明は、添付の図面を参照することによって、よりよく理解され得、そして多数の特徴および利点が、当業者に明らかにされる。
【0050】
異なる図における同じ参照記号の使用は、類似かまたは同一の物品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明の1つの実施形態による、液圧式ポンプシステムの高レベルな機能的概略図である。
【図2】図2は、本発明の1つの実施形態による、液圧式ポンプシステムを備える流体送達システムの高レベルな機能的概略図である。
【図3】図3は、液圧式ポンプシステムを備える流体送達システムの利点の1つを図示する概略図である。
【図4】図4は、種々の障壁を備えるいくつかの流体送達システムの高レベルな機能的概略図である。
【図5】図5は、本発明の1つの実施形態による、代替の流体送達システムの高レベルな機能的概略図である。この実施形態における、代替の流体送達システムは、経皮パッチ上のアレイになった微小針を特徴とする。
【図6】図6は、本発明の1つの実施形態による、液圧式ポンプシステムを使用する流体送達システムと供に使用され得る、いくつかのアクチュエータ機構の高レベルな機能的概略図である。
【図7】図7は、開口部分の開口サイズに対する調節可能な制御の、高レベルな機能的概略図である。
【図8】図8は、本発明の1つの実施形態に従う、複数のアクチュエータを有するいくつかの流体送達システムの高レベルな機能的概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
(発明の詳細な説明)
本明細書中に、薬物送達システム、その使用およびその製造方法が記載される。1つの実施形態において、本明細書中に記載されるシステムは、医薬、薬剤、流体、または他の何らかの材料を、患者に、代表的には皮膚を通して送達するための、ポンプデバイスを提供する。この目的で、このシステムは、粘性の流体のためのレザバを作動させるアクチュエータを備える。このアクチュエータは、この粘性の流体に、医薬に圧力を付与させて、この医薬を送達する。この粘性の流体は、拘束器によって制御され、この拘束器は、1つの実施において、このレザバへの圧力の不均一な付与が媒介されるように、そして流体の動きの制御された速度が達成されるように、この流体の流れの速度を制御する。この流体の動きの制御された速度は、医薬が、選択された速度で送達されるように、使用される。
【0053】
1つの実施形態において、本明細書中に記載されるシステムおよび方法は、液圧式ポンプシステムを備え、このポンプシステムは、高粘性の流体で満たされ得るチャンバ(「ポンプチャンバ」)を備え得、この粘性の流体は、圧力によって力を加えられると、拘束器(例えば、開口部/開口部分)を通ってこのポンプチャンバに入る。この拘束器は、この拘束器を通る流体の流れの速度を制御するように、寸法が適合される。1つの実施形態において、この開口部分は、約1〜100μmの直径の大きさの円である(が、必ずしも形状が円形である必要はない)。しかし、当業者は、任意の適切な拘束器が使用され得ること、ならびにこの拘束器のサイズおよび形状は、予測された条件下(温度および周囲の圧力が挙げられる)で媒介される、流体の所望の流量を達成するために、変化され得ることを、理解する。
【0054】
このポンプチャンバの内部の作業流体の体積の増加は、障壁機構の動きを誘発する。この障壁機構は、他のデバイス(例えば、第二の流体貯蔵チャンバ)に連結され得る。
【0055】
本発明の液圧式ポンプシステムの1つの利点は、高粘性の作業流体が通って流れる拘束器にある。例えば、この拘束器が開口部分である場合、変化する圧力に供されると、この作業流体は、この開口部分を通って、ゆっくりとではあるが比較的一定の速度でこのチャンバに入り、これによって、この圧力を発生させる力の潜在的に大きな変動をほとんど排除し、一方で、このチャンバ内の作業流体の体積の、実質的にほとんど変動しない膨張を確実にする。このことは、次に、連結された障壁機構の、比較的平滑かつ一定な動きをもたらす。
【0056】
この液圧式ポンプシステムのさらなる利点は、一定の圧力供給源に対するその比較的低い要件、またはこの圧力供給源によって発生する力の比較的大きい変動を許容する高い能力である。このことは、単純かつ安価なデバイス(例えば、医学的使用のための、単回使用の使い捨てデバイス)の製造において、特に有用である。
【0057】
この液圧式ポンプシステムにおいて使用される、過剰な圧力に部分的に起因して、さらなる利点は、この液圧式ポンプが、環境(例えば、周囲の温度、標高、または外圧)の変化に対して、比較的非感受性であることである。
【0058】
本明細書中に記載される液圧流体システムの例示的な実施形態が、図1の高レベルな機能的な図において示されている。ポンプチャンバ110は、シリンダのような形状であり得るが、これに限定されない。斜線付きの線は、可動障壁130を表し、これは、(必ずしもそうではないが)開口部分152の遠位端にあり得る。液圧流体112は、必要に応じて接続通路116を通って、ポンプチャンバ壁150の開口部分152から、ポンプチャンバ110内へと入る。
【0059】
本明細書中で使用される場合、用語「超純粋」とは、作業流体中の最も大きい不溶性不純物粒子が、開口部分のサイズ(これは、例えば、直径約2〜3μmであり得るが、より小さくてもより大きくてもよく、そして調節可能であり得る)より小さい流体を包含するが、これに限定されない。拘束器が開口部分である実施形態において、この開口部分は、必ずしも形状が円形である必要はなく、そして楕円形、正方形、矩形、三角形、多角形、または不規則な形状であり得る。拘束器が管、弁、ふるい、または他の機構もしくは機構の組み合わせである実施形態において、この拘束器のサイズおよび形状は、目的の条件における、選択された流体の流体流れを試験することによって、実験的に決定され得る。1つの具体的な実施形態において、最も大きい不純物粒子は、直径1mm以下であるか、または直径500nm以下であるか、または直径100nm以下である。さらに、不溶性不純物粒子の総量は、体積が0.1%未満、0.01%未満、または0.001%未満である。
【0060】
粘度とは、通常、特定の温度における流体の標準的な量が、標準的なオリフィスを通って流れるために必要とされる時間の観点で表現される。この値が高いほど、その流体はより粘性である。粘度は、温度と共に可逆的に変動するので、その値は、その値が決定される温度を伴わない限り、さほど意味がない。本明細書中で使用される場合、「高粘度」とは、作業流体が、少なくとも約ISO VG 20、または少なくとも約ISO VG 32、または少なくとも約ISO VG 50、または少なくとも約ISO VG 150、または少なくとも約ISO VG 450、または少なくとも約ISO VG 1000、または少なくとも約ISO VG 1500の粘度等級を有することを意味する。www.superiorlubricants.com/classtable.html.を参照のこと。
【0061】
この液圧式ポンプシステムは、安価に製造され得る流体送達システムにおいて使用され得、そしてこの液圧式ポンプシステムに関連する、ゆっくりであるが比較的一定な送達速度を利用し得る。このゆっくりとした送達速度に部分的に起因して、この流体送達システムは、長い時間にわたって(例えば、6時間、12時間、1日、3日、5日、10日、1ヶ月など)、流体を連続的に送達するために使用され得る。この流体送達システムは、送達されるべき流体を貯蔵するための別個のチャンバ(「流体貯蔵チャンバ」、または短縮して「流体チャンバ」)に連結された、液圧式ポンプを備える。少量の流体(理想的には、液圧式ポンプチャンバに入る作業流体の量に等しいか、または少なくともこの量に比例する)が、障壁の動きに応答して、1つ以上の開口部分を通って、この流体チャンバから排出されるように、この液圧式ポンプにおける障壁機構の動きを、この流体チャンバに結びつける、種々の機構が存在し得る。
【0062】
流体送達システムの1つの実施形態が、図2において、高レベルな概略図において示されている(以下の詳細な説明を参照のこと)。この型の流体送達システム/デバイスは、広範な適用(生物医学研究(例えば、細胞内へのマイクロインジェクション、核または細胞小器官の移植、単一の細胞またはハイブリドーマの単離などが挙げられるが、これらに限定されない)、および臨床的用途(医薬の投与など)のために使用され得る。
【0063】
例えば、低レベルまたは可変用量の医薬を、長期間(例えば、数時間または数日でさえ)にわたって提供するために、この流体送達システムは、現在市場で入手可能であるか、または将来おそらく入手可能になる、標準的な注入セットのいずれかを通して適用されるべき医薬のための、単回使用のディスペンサの一部分を形成し得る。この流体送達システム(いくつかの実施形態においては、低費用のプラスチック部品から形成される)は、2つのチャンバを備える液圧式シリンダを備え得る。これらのチャンバのうちの1つは、上記ポンプチャンバとして機能し、そして他方は、医薬を貯蔵するための流体チャンバとして機能する。これらの実施形態において、この液圧式シリンダは、ほとんどの従来の液圧式シリンダと同様に構成され得、そして壁(特に、少なくとも、送達されるべき液体医薬を貯蔵するためのチャンバの内壁)は、生物不活性かつ安価な材料から構成され得る。
【0064】
以下の説明は、原理の説明のためのみであり、そしていかなる局面においても、限定として解釈されるべきではない。種々の例示的な代替の実施形態が、以下にさらに記載される。
【0065】
図2に記載されるような、液圧式シリンダ100は、2つのチャンバ110および120からなる。チャンバ110(ポンプチャンバに対応する)は、液圧レザバ114からの液圧作業流体112によって満たされる。充填は、接続通路116(例えば、液圧レザバ114と液圧式シリンダ100とを、可撓性かまたは剛性かのいずれかで接続する、管または管腔(であるが、これらに限定されない))によって、達成される。液圧流体112が、アクチュエータ135(例示的な実施形態において、蠕動圧縮プレート135Aおよび135B、ならびにヒンジ135Cからなる)によって、レザバ114から強制的に出されるにつれて、チャンバ110は、液圧流体で満たされ、その体積を拡張させ、これによって、ピストン要素130(障壁機構)を、チャンバ120(流体チャンバに対応する)内に押し込む。図2における、アクチュエータおよびピストンにおける点線は、プレートヒンジ作動機構の後の時点での位置、および障壁/ピストンの後の時点での位置を表す。
【0066】
図3は、流体送達システムの1つの利点(例えば、過剰な圧力を発生させる力の比較的大きな変動を許容して、障壁ピストンが移動する時間または距離にわたって比較的一定な流体送達速度を生じる能力)を図示する、概略図である。この液圧式ポンプシステムなしでは、流体チャンバ内の流体を押し出すための力のあらゆる直接的な使用は、制御することが困難であり、そしてこの流体の送達速度の大きい変動に供されることが、明らかである(図3A)。対照的に、この液圧式ポンプを用いると、その送達速度は、よりずっと一定になる(図3B)。
【0067】
チャンバ110および120は、別個の物理的チャンバであり得るが、必ずしもそうである必要はない。なぜなら、両方のチャンバが、図2におけるような液圧式シリンダ(液圧式シリンダ100)の境界内に存在し得るからである。これらのチャンバは、可動障壁(例えば、図2におけるピストン要素130)によって、分離される。ここで、ピストン130は、流体密障壁であり得、液圧流体112が、第二の医薬流体貯蔵チャンバ120に入ることを防止する。しかし、本発明は、液圧式シリンダ100の型、あるいはシリンダ100、チャンバ110、またはチャンバ120の輪郭、寸法または内側表面の仕上げにおいて、限定されない。さらに、本発明は、ピストン要素130の特定の構成に限定されない。以下の記載は、本発明の流体送達システムにおいて使用され得る、多くの可能な代替の実施形態のうちのいくつかを説明する。
【0068】
1つの実施形態において、図4Aに示されるように、図2におけるピストン要素130は、ポンプチャンバ110と流体チャンバ120とを分離する、可撓性膜132によって置き換えられる。この可撓性膜は、開口部分152を通ってポンプチャンバ110に入る作業流体の体積の増加に起因して、ポンプチャンバ110からの増加した圧力に応答して、拡張し得る。これは、次に、流体を、オリフィス140を通して流体チャンバ120から排出する。
【0069】
別の実施形態において、図4Bに示されるように、チャンバ110および120は、各々、それぞれ別個の壁ユニット134および136(例えば、可撓性材料から作製された、拡張可能なバッグ)を有する。シリンダ100の制限された境界内にあるという利点によって、チャンバ110の体積の拡張は、必然的に、チャンバ120の体積の減少をもたらし、オリフィス140を通してチャンバ120から液体を排出するための力を発生させる。
【0070】
なお別の実施形態において、図4Cに示されるように、ポンプチャンバ110および流体チャンバ120は、互いから分離され得るが、障壁機構138によって、機械的に連結される。この障壁機構は、ポンプチャンバ110の動きを、流体チャンバ120の動きに伝達する。連結機構138は、ポンプチャンバ110における初期の動きの大きさを、強化または減少させるかのいずれかであり得、その結果、流体チャンバ120の対応する動きが、それぞれ、増加または減少して、流体チャンバ120からの医薬流体の、より大きい量またはより小さい量の排出を生じる。例えば、連結機構138は、図4Cに示されるような、シャフトによって連結された、2つのピストンであり得る。1つの実施形態において、流体チャンバ120は、ポンプチャンバ110から取り外され得、その結果、新たな流体チャンバ(120’、図示せず)が、再度取り付けられ得る。
【0071】
上記のように、チャンバ120は、最初に、ある量の送達されるべき液体成分(例えば、医薬)で満たされるべきである。医薬の場合、その量は、代表的に、予め決定された期間にわたって、必要な投薬量を提供する目的で、医学専門家によって決定される。この流体チャンバの体積は、約100μl、500μl、1ml、3ml、5ml、10ml、30ml、50ml、100ml、またはそれより大きくあり得る。
【0072】
図2に図示される液圧式シリンダ100は、チャンバ120の遠位端(ここで、遠位とは、チャンバ120の、ピストン130から離れた端部を意味する)において、オリフィス140を通して注入セット160にさらに接続され得る。換言すれば、液圧式シリンダ100の吐出オリフィス140は、液圧システムにおいて通常予測されるように、このシリンダの、液圧流体投入開口部分152とは反対側の端部にある。しかし、これは、好ましい設計のほんの1つである。吐出オリフィス140は、所望であれば、チャンバ120の部分で、シリンダ100の壁に位置し得る(以下の図5を参照のこと)。
【0073】
いくつかの実施形態において、医学の分野において従来から公知であり、そして使用されている、任意の注入手段から選択される、注入デバイスまたは「セット」160が、オリフィス140に取り付けられる。注入デバイスの例としては、針(例えば、図1に示されるようなもの);管腔および針のセット;カテーテル−カニューレセット;微小針または1つ以上の管腔によって取り付けられた微小針アレイが挙げられる。当業者は、医薬を身体内に運ぶための多くのデバイスが存在することを、容易に理解する。従って、本発明は、一緒に使用される注入デバイスまたは注射デバイスの型において、限定されない。
【0074】
例示的な実施形態において、図5において高レベルな概略図としてここで示されるように、この流体送達システムは、患者の送達領域(例えば、皮膚200)に、接着手段(例えば、経皮パッチ)によって、固定される。流体チャンバ120は、微小針または微小針のアレイ180(例えば、米国特許第6,503,231号(本明細書中に参考として援用される)に記載されるもの)に接続される。図5に示されるものとは異なり、この微小針は、必ずしも、皮膚層200に完全に入る必要はない。低い輪郭を達成するために、ポンプチャンバ110と流体チャンバ120との両方は、形状が(シリンダのような形状ではなく)平坦であり得、そして外側表面は、取り付けられる皮膚層200の輪郭に沿い得る。これらの流体チャンバおよび微小針を接続するオリフィス(図示せず)は、好ましくは、流体チャンバ120の側壁で開口する。あるいは、接続通路が、流体チャンバ120上のオリフィスを、微小針または微小針アレイに連結し得る。障壁130および開口部分152は、上で記載されたとおりである。アクチュエータの1つの実施形態がまた示されており、ここで、ばね機構によって作動されるプレート135が、液圧流体レザバ114を絞って、液圧作業流体をポンプチャンバ110内に注入する。他のアクチュエータ(例えば、本明細書の他の部分に記載されるもの)が、この実施形態における使用のために、適合され得る。
【0075】
図2に例示されるように、作動の際に、流体(例えば、医薬)は、液圧流体レザバ114を、アクチュエータ135で制御された様式で圧縮することによって、投与される。図2は、例示的な蠕動機構アクチュエータ135を示す。しかし、このアクチュエータは、レザバに力を付与する多数の絞りデバイスのいずれか(例えば、レザバ114上の小型ベローズクランクまたは対のローラベアリング(以下の図6を参照のこと))から代替的に選択され得る。さらに、他の実施形態において、このレザバは、膨張する気体の体積、熱エネルギー、または流体に送達されるべき医薬に対して直接的にかもしくは間接的に圧力を付与させ得る、他の任意のデバイスもしくはプロセスによって、作動され得る。
【0076】
図2に示される実施形態において、プレート135Aおよび135Bは、ヒンジ135Cによって取り付けられており、そしてばね、または他の実施形態においては、1つ以上の圧電素子によって、一緒に力を加えられ、その結果、可撓性(例えば、エラストマー性)液圧流体レザバ114が、これらの間で絞られる。エラストマー性レザバを絞ることによって、このレザバの内容物が、このレザバに存在するあらゆる開口部分を通って、押し出される。いくつかの実施形態において、開口部分152は、以下にさらに記載されるように、連結管116および調節可能な開口部分150によって提供される。
【0077】
アクチュエータ135はまた、他の形態を採り得る。液圧レザバ114を押し付ける、液圧流体を移動させるプレートまたは他の構造体を圧縮する、つめ車またはステッパモータ駆動式ユニットが、本発明から逸脱することなく使用され得る。さらに、2プレートのヒンジで留められた蠕動機構(例えば、図2において参照記号135によって表されるもの)については、これらのプレートの内部または外部に設置されたばね(図示せず)が、これらのプレートを一緒に押すために使用され得る。電気駆動式機構または圧電気機構(例えば、先行技術において記載されたもの)もまた、使用され得る。
【0078】
1つの実施形態において、図6Aに示されるように、動きの全範囲にわたって一定のばね定数を有する、1つ以上の外部ばね135Dが、使用される(単純にする目的で、単一ばねの構成が記載されるが、複数のばねが、力を調節するために、使用され得る)。このばねは、プレート135Aおよび135Bの、ヒンジ135Cから離れた部分を接続するように、そしてこれらのプレートを一緒に(内向きに)引くように配置され、これによって、レザバ114に押し付ける。従って、このシステムが、使用のために最初に準備されると、このばねは、プレート135Aおよび135Bを強制的に離すことによって、拡張される(すなわち、張力をかけられる)。次いで、これらのプレートは、これらが液圧レザバ114を圧縮しないように、取り外し可能な支柱または他のデバイス(図示せず)で、適所に保持される。一旦、ポンプが適所で注入手段160(図2を参照のこと、しかし、個々には示されない)を通して、患者に医薬を注入するように接続されると、この支柱は、取り外され得る。次いで、アクチュエータ135のプレート135Aおよび135Bに与えられる一定なばね張力が、これらのプレートをゆっくりと合わせ、そして液圧流体112を、蠕動様の作用で、レザバ114から絞り出す。
【0079】
別の実施形態において、図6Bに図示されるように、圧縮されたばねまたはばねのセット260が、導かれた経路を通してピストン要素250を押し、液圧流体レザバ114を圧縮するために、使用され得る。このレザバの、ピストン要素250に対して遠位の端部に、開口部分152があり、この開口部分は、液圧流体112が、隣接するポンプチャンバ110に入ることを可能にし、その結果、障壁130が、それに従って動き得る。より単純化されたバージョンにおいては、ばね機構250および260は、伝統的な注射器(図6C)においてとちょうど同じように、親指の力300によって置き換えられ得る。図6Bと6Cとの両方において、ポンプチャンバ110から流体レザバ114を分離する、接続通路は存在しない。
【0080】
調節可能な開口部分は、ポンプチャンバ110内の液圧および流量の調節を提供する。この調節は、開口部分152(図2において)が、極端に小さい距離(例えば、1万分の1インチ(0.0001インチ、すなわち約2.5μm)以下の直径)まで調節されることを可能にすることによって、実施され得る。
【0081】
1つの実施形態において、開口部分152は、一定のサイズを有する。この開口部分は、形状が丸/円形である必要はない。例えば、この開口部分は、およそ正方形、三角形、楕円系、不規則な形状、または多角形であり得る。どの形状であっても、この開口部の面積は、所望の流量を達成するようなサイズにされる。一例において、この開口部は、直径が約1万分の1インチ(すなわち、2〜3μm)であり得る。用途に依存して、この開口部のサイズは、任意のものであり得、200nm〜500nmの間、または500nm〜1000nmの間、または1〜2μmの間、または5〜10μmの間の開口部分が挙げられる。他のサイズおよび寸法が、選択され得、そして選択されるサイズおよび寸法は、手近な用途に依存する。
【0082】
他の実施形態において、図7に示されるように、開口部分152は、(例えば、限定ではなく)当該分野において現在公知である、従来のアイリス機構(図7を参照のこと)、小型弁、または対のゲートスリットであり得る。例えば、調節可能な開口部分152は、単純なサムホイール150によって調節され得る。このサムホイールは、上記の従来の小型弁またはアイリスデバイスを作動させる。代替の実施形態において、電気モータまたは圧電気デバイスが、この開口部分を開閉させるために使用され得、これによって、液圧流体112がチャンバ110内に流れ、そして障壁130を移動させる速度に影響を与える。
【0083】
この開口部分が調節可能であるか否かにかかわらず、液圧流体の流量は、異なる要件に合うように制御され得る。特定の実施形態において、流体チャンバ内の流体の量は、1分間あたり約100nl〜1μl、1分間あたり約1〜10μl、または1分間あたり約10〜100μlから選択される速度で、排出される。他の実施形態において、この流量は、1時間あたり0.001μl〜1時間あたり100mlになるように、媒介および制御される。選択される速度は、手近な用途に依存し、そして当業者は、所定の用途に対して、適切な投与速度を決定し得る。
【0084】
開口部分152の1つの特徴は、調節可能であろうとなかろうと、液圧流体112が非常に遅い速度(1分間あたり数mlまたは数十ml程度の低い速度であるが、これらに限定されない)でチャンバ110に入るように、極端に小さく作製され得ることである。適切な粘度(以下でさらに議論される)の液圧流体とともに使用される場合、開口部分152の構成は、正確な圧力調節を可能にし、この圧力調節は、周囲の圧力または他の環境条件に対して、非感受性である。この非感受性は、次に、当該分野において以前に見られたよりも広い範囲の条件下での、非常に正確な投薬および用量調節を可能にする。
【0085】
液圧流体112は、いくつかの実施形態において、超純粋な、高粘度の、生物不活性材料である。粘度は、アクチュエータによって発生される力の量によって、その上限が制限される。特定の実施形態において、このアクチュエータによって発生する力は、10ポンド、5ポンド、3ポンド、2ポンド、1ポンド、0.5ポンド、0.1ポンド、0.001ポンド、またはそれ未満である。その下限において、この流体は、その流れが、アクチュエータの圧力および開口部分の直径の組み合わせによって、全ての環境条件において(特に、低い大気圧の圧力および/または高い周囲温度(粘性が低下する傾向がある場合)において)、非常に調節されたたままであり得るように十分に粘性でなければならない。単純な試験を実施して、開口部分のサイズおよびこの流体レザバに付与される押す力を一定にし、そしてこのレザバ中に残っている液圧流体の量(および従って、出た量)を、ある期間の後に決定することによって、この液圧流体の平均流量を、大まかに決定し得る。液圧流体が失われる連続的な期間(例えば、連続的な5分間の期間などでの流体の損失)を測定して、液圧流体がそのレザバから失われる速度が、使用される条件下で、経時的に一定であるか否かを決定し得る。
【0086】
本明細書に開示されるシステムとともに使用するために適切な医薬としては、インスリン、オピエートおよび/または他の待機薬、ホルモン、向精神治療組成物、または連続的な低体積での投与が、患者の処置において使用するために望ましいかもしくは有効である、他の任意の薬物もしくは化学物質が挙げられる。「患者」は、ヒトまたは非ヒト動物であり得ることにもまた、注目のこと;連続投与ポンプの使用は、ヒト医薬のみに制限されず、獣医の医薬に対して等しく適用され得る。
【0087】
このシステムの代替の実施形態において、2つ以上の液圧レザバおよびアクチュエータが提供される(図8)。図8Aに示される例示的な実施形態において、第一のレザバ400およびアクチュエータ235は、図2における物品114および135と同じであるか、または類似である。第二のレザバ500およびアクチュエータ235(これは、図2に示されるものと同じ蠕動アクチュエータ135、または任意の他の従来の代替物(例えば、上記のもの)を使用し得る)は、別の制御を提供される。換言すれば、第二のアクチュエータは、第一のアクチュエータとは無関係に制御され得る。両方の流体レザバは、それぞれ、開口部分154および156を通して、ポンプチャンバの壁150に接続される。この接続は、必要に応じて、接続通路116へと通り得る。このような構成は、特殊な不連続な用量の医薬が必要であり得る状況において、有用である。例えば、インスリン依存性糖尿病は、しばしば、その日の間に連続的に供給されるインスリンに加えて、このインスリンと一緒に、食事の直後に、インスリンのさらなる増幅用量またはボーラスを受けることが必要であることを見出し得る。従って、第二のアクチュエータは、このボーラスを送達するために、第一のアクチュエータ制御機構とは無関係に作動され得る。
【0088】
図8Bに示される代替の実施形態において、レザバ400と500との両方からの液圧流体112は、一緒に、共通の管腔116、およびそれゆえ、調節可能な開口部分152を通過し得る(図8B)。あるいは、上記のように、これらの2つのレザバは、別個の管腔、ならびに別個に調節可能な開口部分154および156によって、液圧チャンバ110内に導かれ得る(図8A)。この後者の構成において、いずれかのレザバによって影響を受ける投薬速度は、それぞれの調節可能な開口部分を通して、独立して制御され得る。
【0089】
さらなる代替において、これらのレザバのうちの1つは、固定された開口部分に導かれ得、一方で、他方は、調節可能な開口部分に導かれ得る。この実施形態において、上記インスリン依存性糖尿病のような場合において有用なことに、固定された開口部分に接続された液圧レザバは、不連続な間隔で、ボーラス投薬を提供するように作動され得、一方で、調節可能な開口部分に接続された液圧レザバは、連続的なゆっくりとした投薬を提供するために使用され得る。
【0090】
(流体送達システムを使用する例示的な実施形態)
1つの例示的な実施形態において、医薬を投与する方法が提供され、この方法は、液圧流体レザバを圧縮して、この液圧流体を、接続手段に強制的に通す工程;この液圧流体を、調節可能な開口部分を通して第一のポンプチャンバ内へと通す工程であって、このポンプチャンバは、調節可能な流体貯蔵チャンバから、例えば、可動障壁によって分離されており、そしてこの流体貯蔵チャンバは、医薬で満たされている、工程;このポンプチャンバをこの液圧流体で満たすことによって、この可動障壁を、この流体貯蔵チャンバ内へと移動させる工程であって、この移動によって、ある量のこの医薬が、この流体貯蔵チャンバから、オリフィスを通って排出される工程を、包含する。
【0091】
この通過させる工程は、この液圧流体の流れ、および従って、このオリフィスを通って排出される医薬の量を変化させる、この調節可能な開口部分によって、調節され得る。さらに、この方法は、ある量のこの医薬を、このオリフィスに接続された注入セットを通して、患者内に注射する工程を、さらに包含し得る。
【0092】
いくつかの実施形態において、圧縮する工程は、一定の速度でのこのレザバの蠕動圧縮を使用し得る。あるいは、この圧縮する工程は、可変の速度での、このレザバの蠕動圧縮を使用し得る。
【0093】
なお別の代替の実施形態において、この方法は、このポンプチャンバに流体接続された第二の液圧レザバを迅速に圧縮して、この可動障壁を移動させ、これによって、この医薬のボーラスを、このオリフィスを通して排出する工程を、さらに包含し得る。この実施形態は、この液圧流体を、この第二の液圧レザバから、第二の開口部分を通して、このポンプチャンバ内へと通す工程を、さらに包含し得る。
【0094】
(代替の実施形態)
本発明の方法の工程が実施される順序は、本質的に、単なる例示であり、そして必ずしも、これらが記載される正確な順序で実施される必要は、ないかもしれない。実際に、これらの工程は、本開示によって認容不可能であると他に示されない限り、任意の適切な順序で、または並行して、実施され得る。
【0095】
液圧式ポンプシステムおよびその流体送達システムにおける使用の、いくつかの例示的な実施形態が、図示され、そして記載されたが、変化および改変が、本発明から逸脱することなくなされ得ること、ならびに従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神に入るものとして、その範囲に、このような変化および改変のすべてを包含するべきであることが、当業者に明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項1)
液体成分の持続送達のための、液圧作動式流体送達システムであって、以下:
ポンプチャンバおよび流体貯蔵チャンバであって、該流体貯蔵チャンバは、オリフィスを有し、そして可動障壁によって、該ポンプチャンバに流体接続されている、ポンプチャンバおよび流体貯蔵チャンバ;
高粘度の流体を貯蔵するための、液圧流体レザバであって、該レザバは、拘束部を介して該ポンプチャンバに接続されており、該拘束部は、該高粘度の流体の流量を制御し得る、液圧流体レザバ;ならびに
該液圧流体レザバに機能的に接続されたアクチュエータであって、該アクチュエータは、該液圧流体を、該拘束部を通して該ポンプチャンバに流入させ、これによって、該ポンプチャンバの体積を拡張させ、該可動障壁を移動させ、そして該流体貯蔵チャンバ内に貯蔵された、ある量の該液体成分を、持続された速度で送達させる、アクチュエータ、
を備える、流体送達システム。
(項2)
前記ポンプチャンバと前記流体貯蔵チャンバとの両方が、1つの区画内にある、項1に記載の流体送達システム。
(項3)
前記可動障壁が、ピストンまたはプランジャプレートである、項2に記載の流体送達システム。
(項4)
前記ピストンまたはプランジャプレートの動きが、該ピストンまたはプランジャプレートが、移動の際に、反転もせず、漏出も生じさせないように導かれる、項3に記載の流体送達システム。
(項5)
前記可動障壁が、前記ポンプチャンバと流体貯蔵チャンバとを分離している、1つ以上の変形可能な膜である、項2に記載の流体送達システム。
(項6)
前記液体成分が、医薬であり、そして前記流体貯蔵チャンバの壁が、生物不活性材料から構成されている、項1に記載の流体送達システム。
(項7)
前記拘束部が、選択されたサイズの開口部分を備える、項1に記載の流体送達システム。
(項8)
前記拘束部が、可変の液圧を可能にするように、サイズを調節可能である、項1に記載の流体送達システム。
(項9)
前記開口部分のサイズが、制御ダイヤルによって調節される、項7に記載の流体送達システム。
(項10)
前記制御が、小型の弁またはアイリスデバイスを作動させる、項9に記載の流体送達システム。
(項11)
前記液体成分の量が、1分間あたり約100nl〜1μl、1分間あたり約1〜10μl、1分間あたり約10〜100μl、1時間あたり約100μl〜100mlから選択される速度で排出される、項1に記載の流体送達システム。
(項12)
前記アクチュエータが、小型のベローズクランク、対のローラ、1つ以上の圧電素子、つめ車モータ駆動式ユニットもしくはステッパモータ駆動式ユニット、2プレートのヒンジで留められた蠕動機構、電気駆動式機構または圧電機構を備える、項1に記載の流体送達システム。
(項13)
前記アクチュエータが、1つ以上の外部ばねを使用する、項1に記載の流体送達システム。
(項14)
前記液圧流体レザバを、前記開口部分を介して前記ポンプチャンバに連結する、接続通路をさらに備える、項1に記載の流体送達システム。
(項15)
前記液体成分が、医薬の溶液である、項1に記載の流体送達システム。
(項16)
前記医薬が、インスリン、オピエート、ホルモン、向精神治療組成物である、項15に記載の流体送達システム。
(項17)
前記流体貯蔵チャンバの前記オリフィスが、前記液体成分を患者に送達するための注入セットに接続されている、項1に記載の流体送達システム。
(項18)
前記患者が、ヒトまたは非ヒト動物から選択される哺乳動物患者である、項1に記載の流体送達システム。
(項19)
前記注入セットが、針、管腔および針セット、カテーテル−カニューレセット、または微小針もしくは1つ以上の管腔によって取り付けられた微小針アレイである、項1に記載の流体送達システム。
(項20)
前記ポンプが、単回使用のための安価な材料で製造されている、項1に記載の流体送達システム。
(項21)
前記安価な材料が、ラテックスを含まず、そしてラテックスに耐えられない患者において使用するために適切である、項20に記載の流体送達システム。
(項22)
前記安価な材料が、使い捨てであるかまたは再利用可能である、項20に記載の流体送達システム。
(項23)
前記安価な材料が、ガラスまたは医療等級のPVCである、項20に記載の流体送達システム。
(項24)
第二の液圧レザバをさらに備える、項1に記載の流体送達システム。
(項25)
前記第二の液圧レザバが、第二のアクチュエータによって、別個にかつ独立して制御される、項24に記載の流体送達システム。
(項26)
前記第二の液圧レザバと前記もとのレザバとの両方が、共通の接続通路を介して、そして前記開口部分を通して、前記ポンプチャンバに接続されている、項25に記載の流体送達システム。
(項27)
前記第二の液圧レザバが、第二の開口部分を通して、前記ポンプチャンバに接続されている、項25に記載の流体送達システム。
(項28)
前記2つの液圧レザバのうちの一方が、前記液体成分の持続送達のために使用され、そして該2つの液圧レザバのうちの他方が、所定の間隔での、前記液体成分のボーラス送達のために使用される、項27に記載の流体送達システム。
(項29)
両方の開口部分が、独立して調節可能である、項25に記載の流体送達システム。
(項30)
前記2つの開口部分のうちの1つが、調節可能である、項25に記載の流体送達システム。
(項31)
前記持続送達が、5時間を超えるか、24時間を超えるか、3日間を超えるか、または1週間を超える期間にわたる、項1に記載の流体送達システム。
(項32)
前記液圧流体の粘度が、約ISO VG 20以上である、項1に記載の流体送達システム。
(項33)
液圧作動式ポンプシステムであって、以下:
(1)可動障壁に機能的に接続されている、ポンプチャンバ;
(2)高粘度流体を貯蔵するための液圧流体レザバであって、該レザバは、直径3μm未満の開口部分を介して、該ポンプチャンバに接続されており、そして該液圧流体内の最も大きい不溶性粒子は、存在する場合、該開口部分のサイズを超えない、液圧流体レザバ;および
(3)該液圧流体レザバに機能的に接続されたアクチュエータであって、該アクチュエータは、該液圧流体を、該開口部を通して該ポンプチャンバに流入させ、これによって、該ポンプチャンバの体積を拡張させ、該可動障壁を移動させる、アクチュエータ、
を備える、液圧作動式ポンプシステム。
(項34)
医薬を投与する方法であって、以下:
(1)液圧流体レザバを圧縮して、該液圧流体を、接続手段に強制的に通す工程;
(2)該液圧流体を、調節可能な開口部分を通して、ポンプチャンバに通す工程であって、該ポンプチャンバは、隣接する流体貯蔵チャンバから、可動障壁によって分離されており、そして該流体貯蔵チャンバは、医薬で満たされている、工程;
(3)該ポンプチャンバを該液圧流体で満たすことによって、該可動障壁を、該流体貯蔵チャンバ内に移動させる工程であって、該移動が、ある量の該医薬を、該流体貯蔵チャンバから、吐出オリフィスを通して排出する、工程、
を包含する、方法。
(項35)
前記通す工程が、前記調節可能な開口部分によって調節されて、前記液圧流体の流れを変化させ、従って、前記オリフィスを通って排出される前記医薬の量を変化させる、項34に記載の方法。
(項36)
ある量の前記医薬を、前記オリフィスに接続された注入セットを通して患者に注射する工程をさらに包含する、項34に記載の方法。
(項37)
前記圧縮する工程が、一定の速度での前記レザバの蠕動圧縮を使用する、項34に記載の方法。
(項38)
前記圧縮する工程が、可変速度での前記レザバの蠕動圧縮を使用する、項34に記載の方法。
(項39)
前記ポンプチャンバに流体接続された第二の液圧レザバを迅速に圧縮して、前記可動障壁を移動させ、これによって、前記医薬のボーラスを、前記オリフィスを通して排出させる工程をさらに包含する、項34に記載の方法。
(項40)
前記液圧流体を、前記第二の液圧レザバから、第二の開口部分を通して、前記ポンプチャンバへと通す工程をさらに包含する、項39に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体医薬の送達のための、液圧作動式流体送達システムであって:
該液体医薬を貯蔵するための流体貯蔵チャンバであって、それを通って該液体医薬が排出され得る吐出オリフィスを有する、流体貯蔵チャンバ;
可動障壁により該流体貯蔵チャンバに機能的に接続されているポンプチャンバであって、ここで、該ポンプチャンバによって引き起こされる該可動障壁の移動速度は、患者の制御下での変更可能な投薬を生じるように調節され得る、ポンプチャンバ;
第一のアクチュエータに機能的に接続されており、そしてその中に貯蔵された高粘度流体を有する液圧流体レザバであって、固定された開口部分により該ポンプチャンバに流体接続されている、液圧流体レザバ;
該ポンプチャンバに物理的に作用する第二のアクチュエータであって、ここで、該第二のアクチュエータが該第一のアクチュエータとは独立して制御される、第二のアクチュエータ;ならびに
該流体貯蔵チャンバから個体に排出される液体医薬の送達のための吐出オリフィスに機能的に接続された針であって、ここで、該第一のアクチュエータでの該システムの作動の際に該ポンプチャンバが連続的に拡張し;ここで、該第一のアクチュエータを作動させることが、該高粘度流体を該固定された開口部分を通って一定の速度で該ポンプチャンバ内に流入させ、それにより、該可動障壁を移動させて該流体貯蔵チャンバを圧縮し、そしてある量の該液体医薬を該オリフィスを通って排出させ;ここで、該第二のアクチュエータを作動させることが独立して該可動障壁を移動させて該流体貯蔵チャンバを圧縮し、それによりある量の該液体医薬を排出させ;そしてここで、同時に該第一のアクチュエータおよび第二のアクチュエータの両方を作動させることが該可動障壁を移動させて該流体貯蔵チャンバを、いずれかのアクチュエータを単独で作動させることに比較して増加した速度で圧縮する、針
を備える、液圧作動式流体送達システム。
【請求項2】
液体医薬の送達のための液圧作動式流体送達システムであって:
該流体医薬を貯蔵するための流体貯蔵チャンバであって、それを通って該液体医薬が排出され得る吐出オリフィスを有する、流体貯蔵チャンバ;
可動障壁により該流体貯蔵チャンバに機能的に接続された拡張可能なポンプチャンバ;
第一のアクチュエータに機能的に接続されており、そしてその中に貯蔵された高粘度流体を有する液圧流体レザバであって、固定された開口部分により該ポンプチャンバに流体接続されている、液圧流体レザバ;および
該ポンプチャンバに物理的に作用して該可動障壁を移動させる第二のアクチュエータであって、ここで、該第二のアクチュエータが該第一のアクチュエータとは独立して制御され、そしてここで、該第二のアクチュエータに起因する該可動障壁の移動が患者の制御下である、第二のアクチュエータ;
を備え、ここで、
該第一のアクチュエータの作動の際に該ポンプチャンバが連続的に拡張し、該第一のアクチュエータが、該高粘度流体を該固定された開口部分を通って比較的に一定の速度で該ポンプチャンバ内に流入させ、それにより、該可動障壁を移動させてそして第一のある量の該液体医薬を該オリフィスを通って排出させ、そして該第二のアクチュエータを作動させることが独立して該可動障壁を移動させてそのことにより第二の量の該流体医薬を該第一の量の該流体医薬に加えて、排出させる、
液圧作動式流体送達システム。
【請求項3】
流体送達デバイスであって:
液圧流体を有する液圧ポンプチャンバ;
該液圧ポンプチャンバに連結され、そして患者に送達可能な流体を含むように構成された流体レザバ;
該液圧ポンプチャンバに連結され、そして該液圧ポンプチャンバを加圧するように構成され、そして該液圧ポンプチャンバを通して該流体レザバにエネルギーを移動するように構成された第一のアクチュエータ;および
該液圧ポンプチャンバに連結され、そして該液圧ポンプチャンバを加圧するように構成され、そして該液圧ポンプチャンバを通して該流体レザバにエネルギーを移動するように構成された第二のアクチュエータ
を備える、流体送達デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載の流体送達デバイスであって、前記第一のアクチュエータおよび前記液圧ポンプチャンバの間に連結された液圧基礎チャンバならびに該液圧基礎チャンバおよび該液圧ポンプチャンバを流体的に連結する流れ拘束器をさらに備える、流体送達デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記流れ拘束器が、エネルギーを前記液圧基礎チャンバから前記液圧ポンプチャンバに移動して前記流体を前記流体レザバから持続された基礎速度で送達するように構成される、流体送達デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記持続された基礎速度が比較的に一定である、流体送達デバイス。
【請求項7】
請求項5に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記持続された基礎速度が5時間を超える期間にわたる、流体送達デバイス。
【請求項8】
請求項5に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記持続された基礎速度がおよそ24時間の期間にわたる、流体送達デバイス。
【請求項9】
請求項3に記載の流体送達デバイスであって、前記第一のアクチュエータおよび前記第二のアクチュエータおよび前記液圧ポンプチャンバの間に連結された液圧基礎チャンバならびに前記液圧基礎チャンバおよび該液圧ポンプチャンバを流体連結する流れ拘束器をさらに備える、流体送達デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記第一のアクチュエータおよび第二のアクチュエータが圧縮バネである、流体送達デバイス。
【請求項11】
請求項9に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記第一のアクチュエータおよび第二のアクチュエータが平行に前記液圧ポンプチャンバに連結される、流体送達デバイス。
【請求項12】
請求項3に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記第二のアクチュエータが選択的に前記液圧ポンプチャンバを加圧して、前記持続された基礎速度に加えて前記流体のボーラス用量を送達するように構成されている、流体送達デバイス。
【請求項13】
請求項3に記載の流体送達デバイスであって、前記液圧ポンプチャンバおよび前記流体レザバを分離する可動ピストンをさらに備える、流体送達デバイス。
【請求項14】
請求項3に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記第一のアクチュエータが1つ以上のバネを含む、流体送達デバイス。
【請求項15】
請求項3に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記患者に送達可能な前記流体がインスリンである、流体送達デバイス。
【請求項16】
請求項3に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記液圧流体が、使用の際におよそISO VG 1500以上の粘度を有する、流体送達デバイス。
【請求項17】
請求項3に記載の流体送達デバイスであって、前記ポンプチャンバおよび前記第一のアクチュエータを分離する可動プランジャをさらに備える、流体送達デバイス。
【請求項18】
請求項3に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記ポンプチャンバおよび前記流体レザバがポリマーから構成される、流体送達デバイス。
【請求項19】
流体送達デバイスであって:
粘性液圧流体を有する液圧ポンプチャンバであって、該液圧流体の粘度が少なくとも約ISO VG 1000以上である、液圧ポンプチャンバ;
該液圧ポンプチャンバに連結し、そして患者に送達可能な流体を含むように構成される、流体レザバ;
開放ループアクチュエータ;
該開放ループアクチュエータおよび該液圧ポンプチャンバの間に連結された液圧レザバチャンバであって、該開放ループアクチュエータが該液圧レザバチャンバ中の該液圧流体を加圧するように構成される、液圧レザバチャンバ;および
流れ拘束器であって、該液圧レザバチャンバおよび該液圧ポンプチャンバを流体連結してエネルギーを該液圧レザバチャンバから該流体レザバに移動してそして患者に送達可能な該流体を該流体レザバから持続された基礎速度で送達する、流れ拘束器
を備える、流体送達デバイス。
【請求項20】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記液圧流体中の任意の不溶性不純物粒子が1mm以下の最大直径を有する、流体送達デバイス。
【請求項21】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記液圧流体中の任意の不溶性不純物粒子が500nm以下の最大直径を有する、流体送達デバイス。
【請求項22】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記液圧流体中の任意の不溶性不純物粒子が100nm以下の最大直径を有する、流体送達デバイス。
【請求項23】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記液圧流体中の任意の不溶性不純物粒子が該液圧流体の総体積の0.1%未満を含む、流体送達デバイス。
【請求項24】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記液圧流体中の任意の不溶性不純物粒子が該液圧流体の総体積の0.01%未満を含む、流体送達デバイス。
【請求項25】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記液圧流体中の任意の不溶性不純物粒子が該液圧流体の総体積の0.001%未満を含む、流体送達デバイス。
【請求項26】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、前記液圧ポンプチャンバおよび前記流体レザバを分離する可動ピストンをさらに備える、流体送達デバイス。
【請求項27】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記開放ループアクチュエータが1つ以上のバネを有する、流体送達デバイス。
【請求項28】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記患者に送達可能な前記流体がインスリンである、流体送達デバイス。
【請求項29】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記持続された基礎速度が比較的に一定である、流体送達デバイス。
【請求項30】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記持続された基礎速度が5時間を超える期間にわたる、流体送達デバイス。
【請求項31】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記持続された基礎速度がおよそ24時間にわたる、流体送達デバイス。
【請求項32】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記液圧流体が、使用の際におよそISO VG 1500以上の粘度を有する、流体送達デバイス。
【請求項33】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、前記液圧レザバチャンバおよび前記開放ループアクチュエータを分離する可動プランジャをさらに備える、流体送達デバイス。
【請求項34】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記液圧ポンプチャンバおよび前記流体レザバがポリマーから構成される、流体送達デバイス。
【請求項35】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記液圧流体中の任意の不溶性不純物粒子がそれぞれ、前記流れ拘束器の直径よりも小さい最大直径を有する、流体送達デバイス。
【請求項36】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記開放ループアクチュエータが純粋に機械的である、流体送達デバイス。
【請求項37】
請求項36に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記開放ループアクチュエータが2つのバネを含む、流体送達デバイス。
【請求項38】
請求項19に記載の流体送達デバイスであって、ここで、前記開放ループアクチュエータが少なくとも5lbsの力を生成する、流体送達デバイス。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−63276(P2013−63276A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−249271(P2012−249271)
【出願日】平成24年11月13日(2012.11.13)
【分割の表示】特願2009−44928(P2009−44928)の分割
【原出願日】平成16年4月23日(2004.4.23)
【出願人】(510188919)バレリタス, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】