説明

開口を有するコンクリート梁の補強構造、開口を有するコンクリート梁の製造方法、梁構造、開口を有するコンクリート梁の開口補強用鋼管

【課題】コンクリート梁に大開口を設けることができ、かつ、性能確認を容易に行うことのできる開口の補強構造を提供する。
【解決手段】開口を有する鉄筋コンクリート梁20を補強する補強構造10は、開口12の内側に設置された円筒状の鋼管11と、鉄筋コンクリート梁20の幅方向に配置された複数梁主筋16を取り囲むようなコの字型に成形され、両端が鋼管11の外周面に接合されたフラットバー13と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口を有するコンクリート梁の補強構造、製造方法、梁構造及び開口の補強に用いられる開口補強用鋼管に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄筋コンクリート造の建物を構築する際に、設備配管等を設置するため、鉄筋コンクリート梁を貫通するように開口を設けることがある。しかし、鉄筋コンクリート梁に開口を設けると、開口周辺のコンクリートに局所的な応力が作用し、鉄筋コンクリート梁の強度が低下してしまうため、鉄筋コンクリート梁に開口を設ける際には、開口の径は一般には梁せいの1/3以下と制限されている。このため、梁部材に大開口を設ける必要がある、設備機器を集中管理するオフィスビルなどには、鉄筋コンクリート構造を用いることは難しかった。
【0003】
そこで、鉄筋コンクリート梁の強度を確保しつつ、開口を設ける方法として、例えば特許文献1には、鉄筋コンクリート梁を貫通するように鋼管を設け、この鋼管の両端付近にリング状の鉄板を固着し、このリング状の鉄板にせん断補強筋を固着した鉄筋コンクリート梁の開口補強構造が記載されている。
【特許文献1】特開平6―193196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この開口補強構造を用いて大きな径を有する開口を設けようとすると、施工の際には、リング状の鉄板が障害となるため、梁主筋の配筋作業に手間がかかってしまう。また、リング状の鉄板を避けて配筋の設計をしなければならず、例えば梁主筋を2段配筋できないなど、設計の自由度が損なわれる。また、リング状の鉄板を設けるので、鋼材の使用量が増え、経済性が損なわれる。
【0005】
そこで、発明者らは、例えば、図11に示すように、鉄筋コンクリート梁115の開口112の内側に設置された鋼管111と、鋼管111の外周面に溶接されたせん断補強筋113とからなる開口を有する鉄筋コンクリート梁の補強構造100を提案している(特願2006−292836号参照)。
【0006】
しかしながら、この方法では、円筒形の鋼管111の外周面にせん断補強筋113を突き合せ溶接しなければならないが、鉄筋と鋼管の突き合せ溶接は一般的に行われておらず、溶接手法が確立されていない。このため、UT検査や非破壊検査により溶接部の性能確認を行わなければならず、コスト高の原因となっていた。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、コンクリート梁に大開口を設けることができ、かつ、性能確認を容易に行うことのできる開口の補強構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の鉄筋コンクリート梁の補強構造は、開口を有する鉄筋コンクリート又は鉄骨鉄筋コンクリートからなるコンクリート梁を補強する構造であって、前記開口の内側に設置された円筒状の開口補強部材と、前記コンクリート梁の幅方向に並んで配置された複数の梁主筋を取り囲むように屈曲されて構成され、両端が前記開口補強部材の外周面に接合された鋼板と、を備えることを特徴とする。
上記のコンクリート梁の補強構造において、前記開口補強部材は、前記開口の軸方向に分割された複数の鋼管からなるものであってもよい。
【0009】
また、上記の手筋コンクリート梁の補強構造において、前記鋼板は断面がコの字型に構成されていてもよい。
また、前記開口補強部材は、軸方向に分割された複数の鋼管からなり、前記鋼板は、前記開口補強部材の外周面に夫々接合され、前記コンクリート梁の幅方向両端の梁主筋の外周に沿って略直角に屈曲し、先端同士が接合され又は重ね合わされた一対の鋼板からなるものであってもよい。
【0010】
また、上記のコンクリート梁の補強構造において、前記開口の径がコンクリート梁の梁せいの1/3以上、かつ、梁せいより、前記コンクリート梁の上下のかぶり厚と、前記鋼板の厚さと、梁主筋の径と、の合計を減じた値以下であってもよい。
【0011】
また、本発明のコンクリート梁の製造方法は、開口を有する鉄筋コンクリート又は鉄骨鉄筋コンクリートからなるコンクリート梁の製造方法であって、前記開口の内側部分に円筒状の開口補強部材を設置し、断面がコの字型に構成された鋼板を、前記コンクリート梁の幅方向に配置された複数の梁主筋を取り囲むように配置し、前記鋼板の両端を前記開口補強部材に接合し、前記コンクリート梁を構成するコンクリートを打設することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のコンクリート梁の製造方法は、開口を有する鉄筋コンクリート又は鉄骨鉄筋コンクリートからなるコンクリート梁の製造方法であって、前記コンクリート梁の幅方向両端の梁主筋の外周に沿って略直角に屈曲する一対の鋼板が外周面に接合され、前記開口の軸方向に複数に分割された鋼管からなる、円筒状の開口補強部材を前記開口の内側部分に設置し、前記コンクリート梁を構成するコンクリートを打設することを特徴とする。
また、本発明の梁構造は、上記のコンクリート梁の製造方法により製造されたコンクリート梁を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の開口補強部材は、開口を有する鉄筋コンクリート又は鉄骨鉄筋コンクリートかなるコンクリート梁の前記開口を補強するために、前記開口の内側に設置される円筒状の鋼管からなる開口補強部材であって、外周面に前記コンクリート梁の梁主筋を取り囲むような断面がコの字型に構成された鋼板の両端が外周面に接合されていることを特徴とする。
また、本発明の開口補強部材は、開口を有する鉄筋コンクリート又は鉄骨鉄筋コンクリートかなるコンクリート梁の前記開口を補強するために、前記開口の内側に設置される円筒状の複数の鋼管からなる開口補強部材であって、前記コンクリート梁の幅方向両端の梁主筋の外周に沿って略直角に屈曲する一対の鋼板が外周面に夫々接合されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、鋼板が鋼管の外周面に溶接接合される構成であるため、一般的な溶接手法が適用できるため、目視により溶接部の性能確認が可能となる。これにより、別途UT検査や非破壊検査などを行う必要がなく、手間とコストを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
<第1実施形態>
以下、本発明の開口の補強構造の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1(A)は、本実施形態の補強構造10が適用された鉄筋コンクリート梁20の長手方向鉛直断面図であり、同図(B)は、同図(A)におけるA−A´断面図である。同図に示すように鉄筋コンクリート梁20は幅方向に貫通する開口12を有しており、この開口12を利用して設備配管などが行われる。
【0016】
図1に示すように、鉄筋コンクリート梁20の開口12付近以外の部分は、通常の鉄筋コンクリート梁と同様に梁主筋16と、梁主筋16を囲むように配設されたせん断補強筋17とを備える。本実施形態の補強構造10は、開口の内側に設置された鋼管11と、鋼管11の外周面に上下方向に延びるように接合された帯状の鋼板であるフラットバー13とで構成される。フラットバー13は、断面がコの字型に成形されており、両端が鋼管11の外周面に溶接接合されている。
【0017】
このような補強構造10を備えた鉄筋コンクリート梁20は、予め、外周面にフラットバー13が接合された鋼管11を開口12の内側部分に配置し、梁主筋を配筋し、型枠を配置し、鉄筋コンクリート梁を構成するコンクリート14を打設することにより構築することができる。
【0018】
一般に、鉄筋コンクリート梁に開口を設けると、内部荷重の流れが変化し、開口の周辺の内部応力が局所的に高くなる。このため、開口の周辺より破壊を生じてしまい、鉄筋コンクリート梁の強度が低下してしまう。かかる理由により、鉄筋コンクリート梁には大開口を設けることができず、鉄筋コンクリート梁に開口を設ける場合には、開口の径が梁せいの1/3以下となるように制限されていた。
【0019】
これに対して、本実施形態の開口補強構造10によれば、開口12の内側に鋼管11が設置されているため、無開口の場合に鉄筋コンクリート梁の開口12に相当する部分のコンクリート部材が負担する圧縮荷重を鋼管11が負担する。これにより、開口12を設けることによる応力分布の変化を抑えることができるため、開口12の周辺のコンクリートに局所的に大きな圧縮応力が作用することを抑止できる。また、フラットバー13は鋼管11に堅く溶接されているため、上下のフラットバー13に作用する荷重が互いに伝達され、上下のフラットバー13が一体となり、せん断力に抵抗する。さらに、開口12の周辺のコンクリート部材に亀裂が入っても、フラットバー13によりコンクリート部材が欠落することを防止する。
【0020】
したがって、本実施形態の開口補強構造10によれば、開口12を設けることによる鉄筋コンクリート梁20の強度の低下を抑えることができ、鉄筋コンクリート梁20に、鉄筋コンクリート梁20の梁せいの1/3以上、かつ、梁せいより、鉄筋コンクリート梁20の上下のかぶり厚と、フラットバー13の径と、梁主筋16の径との合計を減じた値以下の径の開口12を設けることが可能になる。
【0021】
また、特許文献1記載の開口補強構造に比べて鋼材の使用量が少ないため、コストを削減することができる。さらに、補強構造10は、従来の開口補強構造に比べてコンパクトであるため、設計の自由度が向上する。
【0022】
また、本実施形態の補強構造10では、図1に示すように、フラットバー13を鋼管11の外周面に溶接接合している。かかる構成により、一般的な溶接手法を用いることで、目視による溶接部の性能確認ができるため、UT検査や非破壊検査などの性能確認を別途行う必要がなくなり、コストや手間を削減することができる。
【0023】
なお、本実施形態では、一体成形された鋼管11を開口12の内側に設置しているが、これに限らず、軸方向に複数に分割された鋼管を設置する構成としてもよい。鉄筋コンクリート梁20には作用する荷重は、主に面内方向に作用する荷重であるため、上記のような軸方向に複数に分割された鋼管を用いても強度が低下してしまうことはない。このように軸方向に複数に分割された鋼管を用いることで、鋼管を軽量化できるため、揚重装置を用いることなく、容易に鋼管を配置することができる。
【0024】
また、本実施形態では、予め、フラットバー13を鋼管11の外周面に接合しておく構成としたが、これに限らず、現場において、鋼管11を配置した後、鋼管11の外周面にフラットバー13を溶接接合してもよい。
【0025】
また、本実施形態では、一のフラットバー13により全ての梁主筋を外側より取り囲むようを配置する構成としたが、これに限らず、例えば図2に示すように、鋼管11の外周面に軸方向に並ぶように複数のフラットバー13を溶接接合し、これらのフラットバー13により梁主筋を取り囲む構成としてもよい。
【0026】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態の開口補強構造について説明する。
図3は、第2実施形態の開口補強構造30が適用された鉄筋コンクリート梁40の長手方向鉛直断面図であり、同図(B)は、同図(A)におけるB−B´断面図である。同図に示すように、本実施形態の開口の補強構造30は、端面同士が当接するように設置された一対の鋼管21A,21Bからなる円筒状の開口補強部材21と、鋼管21A、21Bに接合された一対のフラットバー23A,23Bとで構成される。フラットバー23A,23Bは、一端が鋼管21A,21Bの外周面に接合され、夫々、梁の幅方向両端の梁主筋16の外周に沿って、約90°屈曲されており、フラットバー23A,23Bの先端同士は接合部25において溶接接合されている。
【0027】
上記の補強構造30は、以下のようにして構築することができる。図4は、本実施形態の補強構造30を構築する方法を説明するための図である。
まず、同図(A)に示すように、通常の鉄筋コンクリート梁を構築する場合と同様に、鉄筋コンクリート梁40を構成する梁主筋16を配筋する。
次に、同図(B)に示すように、予めフラットバー23A,23Bが接合された鋼管21A,21Bを端面同士が当接するように開口12に相当する位置に梁の側面方向より設置する。
次に、同図(C)に示すように、型枠を配置し、鉄筋コンクリート梁40を構成するコンクリート24を打設する。
以上の工程により開口の補強構造を有する鉄筋コンクリート梁40を構築することができる。
【0028】
本実施形態の補強構造30によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、上記説明した実施形態では、開口補強部材21が2つの鋼管21A、21Bに分割される構成としたが、これに限らず、3つ以上に分割される構成としてもよい。
また、本実施形態では、フラットバー23A,23Bを接合部25において溶接接合する構成としたが、これに限らず、フラットバー23A,23Bを重ね合わせて重ね継手を構成してもよいし、ジョイント部材を用いて接合してもよい。
また、上記各実施形態では、鉄筋コンクリート梁20、40の長手方向に複数のフラットバー13A,13B、23A,23Bを配置する構成としたが、これに限らず、幅広い鋼板により梁主筋16を取り囲む構成としてもよい。
また、上記の各実施形態では、開口の補強構造10、30を鉄筋コンクリート梁20、40に適用した場合を説明したが、これと同様に鉄骨鉄筋コンクリート梁に開口を設ける場合にも適用することができる。
【0029】
次に、鉄筋コンクリート梁に本発明の開口補強構造を設けることで、開口を設けることによる鉄筋コンクリート梁の強度の低下を抑止できることを、有限要素法を用いた数値解析により確認したので、以下説明する。
【0030】
図5(A)は、本解析で用いた鉄筋コンクリート梁を模した試験体(試験体NO.1)を示す図であり、同図(B)は、試験体の開口近傍を拡大した図である。本解析では、試験体として一般的な鉄筋コンクリート梁の1/2の縮小モデルを用いた。なお、実物大の試験体を用いて解析を行った場合に比べて、せん断強度等は1/4倍になる。試験体は、断面形状:350×450mm(実物大では700×900mm)、内法スパン:1800mm(実物大では3600mm)、開口径:225mm(実物大では450mm)(梁せいの1/2)、鋼管の厚さ:6mm(実物大では12mm)、鋼管及びフラットバーの降伏応力:280MPa(鋼種SS400に相当)、梁主筋:4−D25上下、梁主筋降伏応力:1170MPa(異型PC鋼棒に相当)、せん断補強筋:4−D10@80mm、せん断補強筋降伏応力:350MPa(鋼種SD295に相当)、コンクリート強度:40N/mmとした。
【0031】
本解析では、試験体の中央に開口及び開口補強構造を設けた試験体(試験体NO.1)、開口及び開口補強構造を設けていない試験体(試験体NO.2)、試験体の中央に開口を設け、開口補強構造を設けていない試験体(試験体NO.3)を用い、各試験体に正負交互に変化するせん断荷重を作用させて、荷重−変位曲線及び載荷後の破壊状況について調べた。
【0032】
図6〜図8は、各試験体の変位18mm(変形角1/100rad)時のひび割れ状況及び変形性状を示す図であり、夫々、試験体NO.1〜NO.3を示す。図7と図8を比較するとわかるように、試験体NO.2は、試験体が全体的に均一に変形しているが、試験体NO.3は、開口12の周囲に変形が集中している。これは、無開口である試験体NO.2には、局所的な応力の集中が生じないが、開口12を有する試験体NO.3では、コンクリート部材の内部応力の流れが変化し、開口12の周囲の部分に作用する応力が増大しているためである。
【0033】
しかし、図6に示すように、試験体NO.1は、開口の周辺に変形が集中せず、試験体全体に均一に変形が生じている。このことから、開口補強構造を設けることにより応力の流れの変化が抑止され、開口の周囲の応力集中を抑えられることが確認できる。
【0034】
また、図9及び図10は、各試験体の荷重―変形関係を示すグラフであり、図9及び図10は、夫々、試験体NO.2及び試験体NO.3を試験体NO.1と比較した図である。図9に示すように、試験体NO.2の最大せん断力は422kN程度であるが、試験体NO.3の最大せん断力は222kN程度と非常に小さい。このことから、鉄筋コンクリート梁に開口を設けると、開口の周辺より破壊が生じてしまうため、鉄筋コンクリート梁の強度が低下することがわかる。
【0035】
これに対し、図10に示すように、試験体NO.1の最大せん断耐力(447kN)は、試験体NO.2の最大せん断耐力に比べ同等以上であることがわかる。このことから、開口補強構造により開口の周囲への応力の集中を抑え、鉄筋コンクリート梁の強度の低下を抑止し、無開口の鉄筋コンクリート梁と同等の強度を確保できることがわかる。
【0036】
以上説明したように、本解析により、開口12を有する鉄筋コンクリート梁に本発明の開口補強構造を設けることで、開口が形成されていない鉄筋コンクリート梁と同程度の強度を持つことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】(A)は、第1実施形態の補強構造が適用された鉄筋コンクリート梁の長手方向鉛直断面図であり、同図(B)は、同図(A)におけるA−A´断面図である。
【図2】鋼管の外周面に軸方向に並ぶように複数のフラットバーを接合した開口補強構造を示す図である。
【図3】第2実施形態の開口補強構造が適用された鉄筋コンクリート梁の長手方向鉛直断面図であり、同図(B)は、同図(A)におけるB−B´断面図である。
【図4】第2実施形態の補強構造を構築する方法を説明するための図である。
【図5】(A)は、本解析で用いた鉄筋コンクリート梁を模した試験体(試験体NO.1)を示す図であり、同図(B)は、試験体の開口近傍を拡大した図である。
【図6】試験体NO.1の変位18mm(変形角1/100rad)時のひび割れ状況及び変形性状を示す図である。
【図7】試験体NO.2の変位18mm(変形角1/100rad)時のひび割れ状況及び変形性状を示す図である。
【図8】試験体NO.3の変位18mm(変形角1/100rad)時のひび割れ状況及び変形性状を示す図である。
【図9】試験体NO.1と試験体NO.2の荷重―変形関係を示すグラフである。
【図10】試験体NO.1と試験体NO.3の荷重―変形関係を示すグラフである。
【図11】従来の開口補強構造を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
10、30 補強構造
11 鋼管
12 開口
13、23、23A、23B フラットバー
14、24 コンクリート
16 梁主筋
17 せん断補強筋
20、40 鉄筋コンクリート梁
21 開口補強部材
21A、21B 鋼管
100 (従来の)開口補強構造
111 鋼管
112 開口
113 せん断補強筋
115 鉄筋コンクリート梁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する鉄筋コンクリート又は鉄骨鉄筋コンクリートからなるコンクリート梁を補強する構造であって、
前記開口の内側に設置された円筒状の開口補強部材と、
前記コンクリート梁の幅方向に並んで配置された複数の梁主筋を取り囲むように屈曲されて構成され、両端が前記開口補強部材の外周面に接合された鋼板と、を備えることを特徴とする開口を有するコンクリート梁の補強構造。
【請求項2】
前記開口補強部材は、前記開口の軸方向に分割された複数の鋼管からなることを特徴とする請求項1記載の開口を有するコンクリート梁の補強構造。
【請求項3】
前記鋼板は断面がコの字型に構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の開口を有するコンクリート梁の補強構造。
【請求項4】
請求項1又は2記載の開口を有するコンクリート梁の補強構造であって、
前記開口補強部材は、軸方向に分割された複数の鋼管からなり、
前記鋼板は、前記開口補強部材の外周面に夫々接合され、前記コンクリート梁の幅方向両端の梁主筋の外周に沿って略直角に屈曲し、先端同士が接合され又は重ね合わされた一対の鋼板からなることを特徴とする開口を有するコンクリート梁の補強構造。
【請求項5】
前記開口の径がコンクリート梁の梁せいの1/3以上、かつ、梁せいより、前記コンクリート梁の上下のかぶり厚と、前記鋼板の厚さと、梁主筋の径と、の合計を減じた値以下であることを特徴とする請求項1から4何れかに記載の開口を有するコンクリート梁の補強構造。
【請求項6】
開口を有する鉄筋コンクリート又は鉄骨鉄筋コンクリートからなるコンクリート梁の製造方法であって、
前記開口の内側部分に円筒状の開口補強部材を設置し、
断面がコの字型に構成された鋼板を、前記コンクリート梁の幅方向に配置された複数の梁主筋を取り囲むように配置し、
前記鋼板の両端を前記開口補強部材に接合し、
前記コンクリート梁を構成するコンクリートを打設することを特徴とする開口を有するコンクリート梁の製造方法。
【請求項7】
開口を有する鉄筋コンクリート又は鉄骨鉄筋コンクリートからなるコンクリート梁の製造方法であって、
前記コンクリート梁の幅方向両端の梁主筋の外周に沿って略直角に屈曲する一対の鋼板が外周面に接合され、前記開口の軸方向に複数に分割された鋼管からなる、円筒状の開口補強部材を前記開口の内側部分に設置し、
前記コンクリート梁を構成するコンクリートを打設することを特徴とする開口を有するコンクリート梁の製造方法。
【請求項8】
請求項6又は7記載のコンクリート梁の製造方法により製造されたコンクリート梁を含むことを特徴とする梁構造。
【請求項9】
開口を有する鉄筋コンクリート又は鉄骨鉄筋コンクリートかなるコンクリート梁の前記開口を補強するために、前記開口の内側に設置される円筒状の鋼管からなる開口補強部材であって、
外周面に前記コンクリート梁の梁主筋を取り囲むような断面がコの字型に構成された鋼板の両端が外周面に接合されていることを特徴とする開口を有するコンクリート梁の開口補強部材。
【請求項10】
開口を有する鉄筋コンクリート又は鉄骨鉄筋コンクリートかなるコンクリート梁の前記開口を補強するために、前記開口の内側に設置される円筒状の複数の鋼管からなる開口補強部材であって、
前記コンクリート梁の幅方向両端の梁主筋の外周に沿って略直角に屈曲する一対の鋼板が外周面に夫々接合されていることを特徴とする開口を有するコンクリート梁の開口補強用部材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate