開口部周り化粧部材、開口部周り施工構造、及び開口部周り施工方法
【課題】施工が容易で、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り化粧部材、開口部周り施工構造、及び開口部周り施工方法を提供すること。
【解決手段】建物の開口部5の周りに配される開口部周り化粧部材10。開口部の上下左右の4辺に沿って配される上下左右のLジョイナー100と、該Lジョイナー100に係合すると共に下地材2の前面20に固定される上下左右の額縁部材11とを有する。Lジョイナー100は、前板部と内側板部とジョイナー側係合部とを有する。額縁部材11は、外向面部111と内向面部112と化粧部113と額縁側係合部と固定板部114とを有する。
【解決手段】建物の開口部5の周りに配される開口部周り化粧部材10。開口部の上下左右の4辺に沿って配される上下左右のLジョイナー100と、該Lジョイナー100に係合すると共に下地材2の前面20に固定される上下左右の額縁部材11とを有する。Lジョイナー100は、前板部と内側板部とジョイナー側係合部とを有する。額縁部材11は、外向面部111と内向面部112と化粧部113と額縁側係合部と固定板部114とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の開口部の周りに配される開口部周り化粧部材、開口部周り施工構造、及び、これを構築する開口部周り施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、図14に示すごとく、リフォーム時において、建物外壁面の窓等の既存の開口部周りの4辺に施工される開口部周り化粧部材90及びこれを用いて開口部周り施工構造9を構築する開口部周り施工方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
上記開口部周り化粧部材90は、図14に示すごとく、開口部周りの4辺に沿って配された胴縁80に配設される4本のLジョイナー95と、該Lジョイナー95の前面において開口部の直線部分に配される4本の直線状部材91と、開口部のコーナー部に配される4個のコーナー部材92と、直線状部材91とコーナー部材92とを接続する8個の接続具94(省略可能)とにより構成される。
【0004】
しかしながら、上記開口部周り施工構造9は、開口部周り化粧部材90を構成する部品点数が多いため、コスト高になることに加え、施工に時間がかかってしまうおそれがある。
また、上記直線状部材91及び上記コーナー部材92には、リフォーム用外壁板81の端部810を収容するための凹溝93が形成されており、該凹溝93の前後の幅と新たに張り付けようとする外壁板81の厚みとは略同等でなければならない。そのため、使用できる外壁板81の厚みが限定されるという問題もある。
【0005】
また、開口部周り化粧部材90とLジョイナー95との間に隙間が生じてしまい、雨水が浸入するおそれがあると共に、外観意匠性に優れた開口部周り施工構造9を得ることが困難となるおそれがある。
【0006】
【特許文献1】特許第3502832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来の問題点に鑑み、施工が容易で、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り化粧部材、開口部周り施工構造及び開口部周り施工方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、建物の開口部の周りに配される開口部周り化粧部材であって、
上記開口部の上下左右の4辺に沿って、外壁板の下地として配される下地材に固定される上下左右のLジョイナーと、
該Lジョイナーに係合すると共に下地材の前面に固定される上下左右の額縁部材とを有し、
上記Lジョイナーは、上記下地材の前面に固定される前板部と、該前板部の一端から後方に延びて下地材の内側面に配される内側板部と、上記前板部の一端から前方に突出形成されたジョイナー側係合部とを有し、
上記額縁部材は、上記外壁板の端部に対向配置される外向面部と、上記開口部に面して配される内向面部と、上記外向面部及び上記内向面部の前端を連結すると共に上記開口部周りを化粧する化粧部と、上記内向面部の後端部において上記ジョイナー側係合部に係合可能な額縁側係合部と、上記外向面部の後端から上記額縁側係合部と反対側に延設されて上記下地材に固定される固定板部とを有することを特徴とする開口部周り化粧部材にある(請求項1)。
【0009】
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記開口部周り化粧部材は、主に上記Lジョイナーと上記額縁部材とにより構成される。これにより、上記開口部周り化粧部材を構成する部品点数を少なくすることができるため、上記開口部周り化粧部材を用いた開口部周り施工構造を容易かつ安価に施工することができる。
【0010】
また、上記Lジョイナーは、上記前板部と上記内側板部とを有する。そのため、上記前板部を上記下地材の前面に固定すると共に、上記固定板部を上記下地材の内側面に配置することができる。したがって、外壁板の下地として配される上記下地材を覆い隠すことができるため、上記開口部周り化粧部材を用いて外観意匠性に優れた開口部周り施工構造を得ることができる。
【0011】
また、上記Lジョイナーは、上記ジョイナー側係合部を有し、上記額縁部材は、上記額縁側係合部と上記固定板部とを有する。これにより、上記額縁側係合部を上記ジョイナー側係合部に係合すると共に、上記固定板部を上記下地材に固定することができるため、上記額縁部材を上記下地材に安定した状態で固定することができる。即ち、上記額縁部材を幅方向の2箇所において上記下地材に固定することができる。それ故、上記額縁部材の上記固定板部と反対側の部分が前方に浮き上がることがなく、上記額縁部材と上記Lジョイナーとの間の開口部側に隙間が発生するという不具合を回避することができる。したがって、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り施工構造を得ることができる。
【0012】
また、上記額縁部材は、上記外壁板の端部に対向配置して配設されている上記外向面部を有する。そして、上記外壁板の端部は、上記外向面部に対向配置して施工される。したがって、上記外壁板の端部を上記額縁部材に嵌合する等の必要がないため、施工誤差等があった場合にも、上記開口部周り施工構造を容易かつ確実に施工することができる。また、上記開口部周り施工構造に用いられる上記外壁板は一定の厚みに限定されることがない。
【0013】
以上のごとく、本発明によれば、施工が容易で、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り施工構造を構築できる開口部周り化粧部材を提供することができる。
【0014】
第2の発明は、建物の開口部の周りに開口部周り化粧部材を配設してなる開口部周り施工構造であって、
上記開口部周り施工構造は、上記開口部の上下左右の4辺に沿って外壁板の下地として配された下地材と、
該下地材に取り付けられた上記開口部周り化粧部材と、
該開口部周り化粧部材の外側に端部を対向配置させた上記外壁板とを有し、
上記開口部周り化粧部材は、上記下地材に固定される上下左右のLジョイナーと、該Lジョイナーに係合すると共に下地材の前面に固定される上下左右の額縁部材とを有し、上記Lジョイナーは、前板部と、該前板部の一端から後方に延びる内側板部と、上記前板部の一端から前方に突出形成されたジョイナー側係合部とを有し、上記額縁部材は、外向面部と、内向面部と、上記外向面部及び上記内向面部の前端を連結する化粧部と、上記内向面部の後端部に形成された額縁側係合部と、上記外向面部の後端から上記額縁側係合部と反対側に延設された固定板部とを有し、
上記Lジョイナーは、上記前板部を上記下地材の前面に固定すると共に、上記内側板部を上記下地材の内側面に配置するように配設されており、
上記額縁部材は、上記額縁側係合部を上記ジョイナー側係合部に係合させると共に、上記固定板部を上記下地材に固定し、上記外向面部を上記外壁板の端部に対向配置し、上記化粧部によって開口部周りを化粧するような状態で配設されていることを特徴とする開口部周り施工構造にある(請求項8)。
【0015】
上記開口部回り化粧部材は、主に、上記Lジョイナーと上記額縁部材とにより構成される。したがって、上記開口部周り化粧部材を構成する部品点数を少なくすることができるため、上記開口部周り施工構造を容易かつ安価に施工することができる。
【0016】
また、上記Lジョイナーは、上記前板部を上記下地材の前面に固定すると共に、上記内側板部を上記下地材の内側面に配置するように配設されている。これにより、上記外壁板の下地として配される上記下地材を覆い隠すことができるため、外観意匠性に優れた上記開口部周り施工構造を得ることができる。
【0017】
また、上記額縁部材は、上記額縁側係合部を上記ジョイナー側係合部に係合すると共に、上記固定板部を上記下地材に当接した状態で固定されるため、上記額縁部材は上記下地材に対して安定固定された状態となる。即ち、上記額縁部材を上記下地材に固定するに当たっては、上記Lジョイナーと係合した状態で上記固定板部を釘固定することになるので、上記額縁部材と上記Lジョイナーとの間の開口部側に隙間が発生するという不具合を回避することができる。したがって、外観意匠性及び耐候性に優れた上記開口部周り施工構造を得ることができる。
【0018】
また、上記額縁部材は、上記外壁板の端部に対向配置して配設されている上記外向面部を有する。そして、上記外壁板の端部は上記外向面部に対向配置している。したがって、上記外壁板の端部を上記額縁部材に嵌合する等の必要がないため、上記開口部周り施工構造を容易かつ確実に施工することができる。また、上記開口部周り施工構造に用いられる上記外壁板は一定の厚みに限定されることがない。
【0019】
以上のごとく、本発明によれば、施工が容易で、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り施工構造を提供することができる。
【0020】
第3の発明は、建物の開口部の周りに開口部周り化粧部材を配設して、開口部周りを施工する方法であって、
上記開口部周り化粧部材は、前板部と該前板部の一端から後方に延びる内側板部と上記前板部の一端から前方に突出形成されたジョイナー側係合部とを備えるLジョイナーと、外向面部と内向面部と上記外向面部及び上記内向面部の前端を連結する化粧部と内向面部の後端部に形成された額縁側係合部とを備える額縁部材とを、それぞれ4本有してなり、
上記開口部周りの施工に当たっては、開口部の上下左右の4辺に沿って外壁板の下地として配された下地材に、Lジョイナーを固定するLジョイナー固定工程と、
上記Lジョイナーに上記額縁部材を係合させると共に、上記下地材に固定する額縁部材取付工程と、
上記額縁部材に端部を対向配置するように外壁板を取り付ける外壁板取付工程と、
上記外壁板の端部と上記額縁部材との間にシーリング材を打設するシーリング材打設工程とを行い、
上記Lジョイナー固定工程においては、上記前板部を上記下地材の前面に固定すると共に、上記内側板部を上記下地材の内側面に配置するように上記下地材を配設し、
上記額縁取付工程においては、上記額縁側係合部を上記ジョイナー側係合部に係合させると共に、上記固定板部を上記下地材に固定し、上記化粧部によって開口部周りを化粧するような状態で上記額縁部材を配設し、
上記外壁板取付工程においては、上記外壁板の端部を上記外向面部に対向配置することを特徴とする開口部周り施工方法にある(請求項16)。
【0021】
上記開口部周り施工方法において用いる上記開口部周り化粧部材は、主に、上記Lジョイナーと上記額縁部材とにより構成される。したがって、上記開口部周り化粧部材を構成する部品点数を少なくすることができるため、上記Lジョイナー固定工程及び上記額縁取付工程を簡略化することができ、上記開口部周り施工構造を容易かつ安価に構築することができる。
【0022】
上記Lジョイナー固定工程においては、上記前板部を上記下地材の前面に固定すると共に、上記内側板部を上記下地材の内側面に配置するように上記下地材を配設する。これにより、上記外壁板の下地として配される上記下地材を覆い隠すことができるため、上記開口部周り施工方法によれば、外観意匠性に優れた開口部周り施工構造を得ることができる。
【0023】
また、上記額縁取付工程においては、上記額縁側係合部を上記ジョイナー側係合部に係合させると共に、上記固定板部を上記下地材に固定する。これにより、上記額縁部材を上記下地材に安定した状態で固定することができる。即ち、上記額縁部材を幅方向の2箇所において上記下地材に固定することができる。それ故、上記額縁部材の上記固定板部と反対側の部分が前方に浮き上がることがないため、上記額縁部材と上記Lジョイナーとの間の開口部側に隙間が発生するという不具合を回避することができる。したがって、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り施工構造を得ることができる。
【0024】
また、上記外壁板取付工程においては、上記外壁板の端部を上記外向面部に対向配置する。これにより、上記外壁板の端部を上記額縁部材に嵌合する等の必要がないため、施工誤差等があった場合にも、開口部周り施工構造を容易、かつ確実に施工することができる。また、上記開口部周り施工構造に用いられる上記外壁板は一定の厚みに限定されることがない。
【0025】
また、上記シーリング材打設工程においては、上記外壁板の端部と上記額縁部材との間にシーリング材を打設する。そのため、防水性に優れた開口部周り施工構造を得ることができる。また、施工現場において上記外壁板を切断しても、切断面である上記外壁板の端部を外部に露出することがないため、腐食等の不具合が生じるおそれがなく、耐候性に優れた開口部周り施工構造を得ることができる。
【0026】
以上のごとく、本発明によれば、施工が容易で、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り施工構造を構築することができる開口部周り施工方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
第1の発明(請求項1)、第2の発明(請求項8)、及び第3の発明(請求項16)において、上記開口部周り化粧部材、上記開口部周り施工構造、及び、これを構築する上記開口部周り施工方法は、新築用及びリフォーム用のいずれにも適用することができる。
また、上記外壁板としては、例えば、窯業系材料からなるものを用いることができる。
また、上記下地材は、例えば、木製あるいは軽量鉄骨等からなる胴縁とすることができる。
【0028】
本発明においては、建物の外側方向を前方、建物の内側方向を後方として説明する。
また、上記開口部周り化粧部材等の各部材については、上記開口部周りに施工した状態において、上、下、右、左となる向きを、それぞれ、上、下、右、左として表す。
【0029】
上記額縁部材は、長手方向に連続する中空部を有し、上記化粧部、上記内向面部及び上記外向面部は上記中空部の一部を形成していることが好ましい(請求項2、請求項9)。
この場合には、装飾性に優れた上記額縁部材を得ることができると共に、軽量化を図ることができるため、安価で外観意匠性に優れた額縁部材を容易に得ることができる。
【0030】
上記額縁部材は、上記中空部の両端部をそれぞれ塞ぐキャップ部材を取り付けてなることが好ましい(請求項3、請求項10)。
この場合には、上記キャップ部材を取り付けることにより、上記中空部の端部を確実に塞ぐことができるため、雨水等の水が上記中空部に浸入することを防ぐことができる。また、上記額縁部材の端部を切断して形成した場合にも、上記額縁部材の切断面を覆い隠すことができる。そのため、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り化粧部材及び開口部周り施工構造を得ることができる。
【0031】
上記額縁部材のうち、上記開口部の上辺及び下辺にそれぞれ配される上辺額縁部材及び下辺額縁部材は、上記内向面部を前方へ向かうほど外側へ広がるように傾斜させてなり、上記上辺額縁部材の上記内向面部と上記下辺額縁部材の上記内向面部とは、互いに同じ傾斜角度を有しており、かつ、上記キャップ部材の外側面は、上記内向面部の傾斜に沿うように傾斜していることが好ましい(請求項4、請求項11)。
【0032】
この場合には、上記下辺額縁部材の内向面部に落下した雨水を前方へ排出することができ、雨水が溜まることを防ぐことができる。また、上記上辺額縁部材の上記内向面部と上記下辺額縁部材の上記内向面部とが互いに同じ傾斜角度を有する。そのため、上記開口部の左辺及び右辺にそれぞれ配される上記額縁部材の上端と下端とに配されるキャップ部材を上記上辺額縁部材及び上記下辺額縁部材の内向面部に当接させる場合、同じ形状のキャップ部材を上下反転させて使用することができる。それ故、上記開口部周り化粧部材の部品の種類を減らして、安価かつ施工容易な開口部周り施工構造を得ることができる。
【0033】
上記額縁部材のうち、上記開口部の上辺及び下辺にそれぞれ配される上辺額縁部材及び下辺額縁部材は、上記化粧部の下端から下方へ突出した突出板部を有することが好ましい(請求項5、請求項12)。
この場合には、上記突出板部が水切りとしての機能を発揮して、排水性を向上させることができる。
【0034】
上記額縁部材は、アルミの押し出し成形品からなることが好ましい(請求項6、請求項13)。
この場合には、成形性に富むアルミの押し出し成形品を用いるため、装飾性に優れた開口部周り化粧部材及び開口部周り施工構造を得ることができる。
【0035】
上記Lジョイナーの上記前板部と上記額縁部材との間には、空隙部が形成されるよう構成されていることが好ましい(請求項7、請求項15)。
この場合には、上記額縁部材が前方に浮き上がってしまうことを防ぐことができる。即ち、上記Lジョイナーを固定する際には、例えば、ビスや釘等により上記前板部を上記下地材の前面に固定することになる。このとき、ビスや釘等の頭部を上記空隙部に配置することができる。これにより、ビスや釘等の頭部が邪魔になって、該頭部の厚み分上記額縁部材が前方に浮き上がってしまうという不具合を防ぐことができる。
【0036】
上記開口部周り施工構造は、リフォーム用であって、上記下地材は、既存壁の前面に固定されていることが好ましい(請求項14)。
この場合には、施工が容易であり、外観意匠性に優れ、かつ安価なリフォーム用開口部周り施工構造を得ることができる。
【実施例】
【0037】
本発明の実施例にかかる開口部周り化粧部材10、開口部周り施工構造1及び開口部周り施工方法につき図1〜図13を用いて説明する。
本例の開口部周り施工構造1は、図1、図10、図11に示すごとく、建物外壁面の開口部5の周りに開口部周り化粧部材10を配設してなる。そして、開口部5の上下左右の4辺に沿って外壁板3の下地として配された胴縁等の下地材2と、該下地材2に取り付けられた開口部周り化粧部材10と、該開口部周り化粧部材10の外側に端部30を対向配置させた外壁板3とを有する。
【0038】
そして、開口部周り化粧部材10は、下地材2に固定される上下左右のLジョイナー100と、該Lジョイナー100に係合すると共に下地材2の前面20に固定される上下左右の額縁部材11とを有する。額縁部材11としては、開口部5周りの上辺に配される上辺額縁部材11a、下辺に配される下辺額縁部材11b、左辺に配される左辺額縁部材11c、右辺に配される右辺額縁部材11dとがある。以下において、単に額縁部材11というときは、上記4種類の額縁部材のいずれをも示すものとする。
【0039】
Lジョイナー100は、図9〜図12に示すごとく、前板部101と、該前板部101の一端から後方に向かって延びる内側板部102と、前板部101の一端から前方に向かって突出形成されたジョイナー側係合部103とを有する。
また、Lジョイナー100は、図2、図10〜図12に示すごとく、前板部101を下地材2の前面20に固定すると共に、内側板部102を下地材2の内側面21に配置するように配設されている。
【0040】
額縁部材11は、図1、図3〜図8に示すごとく、外壁板3の端部30が対向配置される外向面部111と、開口部5に面して配される内向面部112と、外向面部111及び内向面部112の前端を連結すると共に開口部5周りを化粧する化粧部113と、内向面部112の後端部に形成された額縁側係合部115と、外向面部111の後端から額縁側係合部115と反対側に延設された固定板部114とを有する。
【0041】
また、額縁部材11は、図10、図11に示すごとく、額縁側係合部115をジョイナー側係合部103に係合させると共に、固定板部114を下地材2に固定し、外向面部111に外壁板3の端部30を対向配置し、化粧部113によって開口部5周りを化粧するような状態で配設されている。
【0042】
また、ジョイナー側係合部103は、図9〜図11に示すごとく、内側板部102の前端から前方に突出すると共に、前板部101と同じ方向に鈎状に屈曲している。
一方、額縁側係合部115は、図3〜図5に示すごとく内向面部112の後端部において、後方に突出すると共に固定板部114と反対方向へ鈎状に屈曲形成されている。
また、図6、図7に示すごとく、上辺額縁部材11a及び下辺額縁部材11bは、化粧部113の下端から下方へ突出した突出板部117を有する。
【0043】
また、開口部周り化粧部材10は、図3〜図8、図10、図11に示すごとく、長手方向に連続する中空部116を有し、化粧部113及び外向面部111は中空部116の一部を形成している。即ち、開口部周り化粧部材10は、外向面部111、内向面部112、化粧部113、固定板部114の他に、固定板部114と同一平面上に形成された背面板部122と、背面板部122よりも前方に形成されると共に背面板部122と内向面部112とを連結する後板部123とを有する。そして、化粧部113、外向面部111、内向面部112、背面板部122、及び後板部123によって囲まれた空間として中空部116が形成されている。
【0044】
図3〜図5に示すごとく、後板部123は、内向面部112の後端から外向面部111に向かうと共に、背面板部122に向かって屈曲してなる。また、上記背面板部122は、外向面部111の後端と後板部123の後端とを連結している。
また、図10、図11に示すごとく、開口部周り化粧部材10を施工した状態において、Lジョイナー100の前板部101と額縁部材11との間には、空隙部140が形成されるよう構成されている。即ち、額縁側係合部115と固定板部114との間の後板部123が固定板部114、額縁側係合部115の後端よりも前方に形成されていることにより、空隙部140が形成されている。
【0045】
また、額縁部材11は、図1、図6〜図8に示すごとく、中空部116の両端部をそれぞれ塞ぐキャップ部材118をキャップ用ビス120にて取り付けてなる。即ち、キャップ用ビス120をキャップ部材118に設けられた孔に挿通した状態で、上記キャップ用ビス120を額縁部材11の中空部116に設けた螺合部121に螺合する。これにより、額縁部材11の両端部にキャップ部材118を留め付ける。
また、上記螺合部121は、図6〜図8に示すごとく、外向面部111及び内向面部112の裏側面に、中空部116の内側に向かって開口した状態で、略円筒形状に長手方向に連続して形成されている。
【0046】
また、図1、図10に示すごとく、上下左右の額縁部材11は、上辺額縁部材11a及び下辺額縁部材11bの内向面部112に左辺額縁部材11c及び右辺額縁部材11dの両端に取り付けたキャップ部材118c、118dを当接させた状態で配置されている。
【0047】
また、図10に示すごとく、額縁部材11のうち、開口部の上辺及び下辺にそれぞれ配される上辺額縁部材11a及び下辺額縁部材11bは、内向面部112を前方へ向かうほど外側へ広がるように傾斜させてなる。そして、上辺額縁部材11aの内向面部112と下辺額縁部材11bの内向面部112とは、互いに同じ傾斜角度を有しており、かつ、左辺額縁部材11c及び右辺額縁部材11dのキャップ部材118c及び118dの外側面119は、内向面部112の傾斜に沿うように傾斜している。即ち、左辺額縁部材11c及び右辺額縁部材11dのキャップ部材118c、118dの外側面119は、上辺額縁部材11a及び下辺額縁部材11bの内向面部112に面接触して配置されている。
【0048】
また、額縁部材11及びLジョイナー100は、アルミの押し出し成形品からなる。
また、外壁板3は、窯業系建築材料からなるものを用いている。
また、開口部周り施工構造1は、リフォーム用であって、図10、図11に示すごとく、下地材2は、既存壁300の前面に固定されている。即ち、既存壁300に形成された開口部5の周りにおける既存壁300の前面に、下地材2として縦胴縁と横胴縁とが固定されている。
【0049】
また、図12に示すごとく、Lジョイナー100の内側板部102の裏側面104には、下地材2の前後の厚みに応じて内側板部102の長さを調節することができるリブ切り込み105が設けられている。即ち、このリブ切り込み105は、図13に示すごとく、下地材2の厚みが小さいときに内側板部102をリブ切り込み105で容易に切断して使用しやすくするために設けてある。
【0050】
また、図1、図10、図11に示すごとく、外壁板3の端部30と額縁部材11の外向面部111との間には、シーリング材4が打設されている。即ち、外壁板3の端部30と額縁部材11の外向面部111と固定板部114とに当接させた状態でバックアップ材40が配設され、バックアップ材40の前方にシーリング材4が打設されている。
また、より一層の防水性能を確保するために、図1に示すごとく、Lジョイナー100同士の突付け部に捨てシーリング材400を打設することもできる。
【0051】
また、上記開口部周り施工構造1を構築するに当たっては、下記のLジョイナー固定工程と額縁部材取付工程と外壁板取付工程とシーリング材打設工程とを行うことにより、開口部周り施工構造1を構築することができる。
【0052】
Lジョイナー固定工程においては、図2、図12に示すごとく、Lジョイナー100の前板部101を下地材2の前面20にビス6にて固定すると共に、内側板部102を下地材2の内側面21に配置する。
額縁取付工程においては、図1、図10、図11に示すごとく、額縁側係合部115をジョイナー側係合部103に係合させると共に、固定板部114を釘7にて下地材2に固定し、化粧部113によって開口部5周りを化粧するような状態で額縁部材11を配設する。
【0053】
外壁板取付工程においては、外壁板3の端部30を外向面部111に対向配置すると共に、釘7にて下地材2に固定する。
シーリング材打設工程においては、外壁板3の端部30と額縁部材11との間にシーリング材4を打設する。
【0054】
尚、図5、図10は、基本的には、左辺額縁部材11cを示すが、右辺額縁部材11dもこれと同じ形状である。即ち、右辺額縁部材11dは、図5、図10の状態から配置を反転させて使用される。また、図11において、符号310は既存の建物の構造躯体を構成する柱、符号320は既存の建物の開口部5に配されていたサッシ(窓枠)を示す。
【0055】
次に、本例の作用効果につき説明する。
開口部回り化粧部材10は、主にLジョイナー100と額縁部材11とにより構成される。したがって、開口部周り化粧部材10を構成する部品点数を少なくすることができるため、開口部周り施工構造1を容易、かつ安価に施工することができる。
【0056】
また、Lジョイナー100は、前板部101を下地材2の前面20に固定すると共に、内側板部102を下地材2の内側面21に配置するように配設されている。これにより、外壁板3の下地として配される下地材2を覆い隠すことができるため、外観意匠性に優れた開口部周り施工構造1を得ることができる。
【0057】
また、額縁部材11は、額縁側係合部115をジョイナー側係合部103に係合すると共に、固定板部114を下地材2に当接した状態で固定されるため、額縁部材11は下地材2に対して安定固定された状態となる。即ち、額縁部材11を下地材2に固定するに当たっては、Lジョイナー100と係合した状態で固定板部114を釘固定することになるので、額縁部材11とLジョイナー100との間の開口部側に隙間が発生するという不具合を回避することができる。したがって、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り施工構造1を得ることができる。
【0058】
また、額縁部材11は、外向面部111を有し、外壁板3の端部30は外向面部111に対向配置している。したがって、外壁板3の端部30を額縁部材11に嵌合する等の必要がないため、開口部周り施工構造1を容易かつ確実に施工することができる。また、開口部周り施工構造1に用いられる外壁板3は一定の厚みに限定されることがない。
【0059】
また、シーリング材打設工程においては、外壁板3の端部30と額縁部材11との間にシーリング材4を打設する。そのため、防水性に優れた開口部周り施工構造1を得ることができる。また、施工現場において外壁板3を切断しても、切断面である外壁板3の端部30を外部に露出することがないため、腐食等の不具合が生じるおそれがなく、耐候性に優れた開口部周り施工構造1を得ることができる。
【0060】
額縁部材11は、中空部116を有するため、装飾性に優れた額縁部材11を得ることができると共に、軽量化を図ることができる。それ故、安価で外観意匠性に優れた額縁部材11を容易に得ることができる。
【0061】
額縁部材11は、中空部116の両端部をそれぞれ塞ぐキャップ部材118、128、138を取り付けてなる。これにより、雨水等の水が中空部116に浸入することを防ぐことができると共に、額縁部材11の端部を切断して形成した場合にも、額縁部材11の切断面を覆い隠すことができる。これにより、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り化粧部材10及び開口部施工構造1を得ることができる。
【0062】
また、下辺額縁部材11bは、内向面部112を前方へ向かうほど外側へ広がるように、即ち、前方下方へ傾斜させてなる。これにより、下辺額縁部材11bの内向面部112に落下した雨水を前方へ排出することができ、雨水が溜まることを防ぐことができる。また、上辺額縁部材11aの内向面部112と下辺額縁部材11bの内向面部112とは、互いに同じ傾斜角度を有する。そのため、同じ形状のキャップ部材118c、118dを上下反転させて使用することができる。それ故、開口部周り化粧部材10の部品の種類を減らして、安価かつ施工容易な開口部周り施工構造1を得ることができる。
【0063】
また、上辺額縁部材11a及び下辺額縁部材11bは、突出板部117を有するため、突出板部117が水切りの機能を発揮して、排水性を向上させることができる。
また、額縁部材11は、成形性に富むアルミの押し出し成形品からなるため、装飾性に優れた開口部周り化粧部材10及び開口部周り施工構造1を得ることができる。
【0064】
また、Lジョイナー100の前板部101と額縁部材11との間には、空隙部140が形成される。これにより、ビス6の頭部を空隙部140に配置することができるため、ビス6の頭部が邪魔になってビス6の頭部の厚み分額縁部材11が前方に浮き上がってしまうという不具合を防ぐことができる。
【0065】
以上のごとく、本例によれば、施工が容易で、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り化粧部材、開口部周り施工構造、及び開口部周り施工方法を提供することができる。
【0066】
尚、例えば、上下左右の額縁部材11は、左辺額縁部材11c及び右辺額縁部材11dの内向面部112に上辺額縁部材11a及び下辺額縁部材11bの両端に取り付けたキャップ部材118a、118bを当接させた状態で開口部5周りに配置されていてもよい。
上記実施例の開口部周り施工構造1はリフォーム用であるが、もちろん、新築にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施例における、開口部周り施工構造の斜視説明図。
【図2】実施例における、下地材にLジョイナーを固定した状態を示す斜視説明図。。
【図3】実施例における、上辺額縁部材の断面説明図。
【図4】実施例における、下辺額縁部材の斜視説明図。
【図5】実施例における、左辺及び右辺額縁部材の斜視説明図。
【図6】実施例における、上辺額縁部材の斜視説明図。
【図7】実施例における、下辺額縁部材の斜視説明図。
【図8】実施例における、左辺及び右辺額縁部材の斜視説明図。
【図9】実施例における、Lジョイナーの斜視説明図。
【図10】実施例における、開口部周り施工構造の縦断面説明図。
【図11】実施例における、開口部周り施工構造の横断面説明図。
【図12】実施例における、Lジョイナーと下地材の位置関係を示す断面説明図。
【図13】実施例における、下地材の厚みが小さい場合のLジョイナーと下地材の位置関係を示す断面説明図。
【図14】従来例における、開口部周り施工構造の斜視説明図。
【符号の説明】
【0068】
1 開口部周り施工構造
10 開口部周り化粧部材
100 Lジョイナー
101 前板部
102 内側板部
103 ジョイナー側係合部
11 額縁部材
111 外向面部
112 内向面部
113 化粧部
114 固定板部
115 額縁側係合部
2 下地材
20 前面
3 外壁板
30 端部
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の開口部の周りに配される開口部周り化粧部材、開口部周り施工構造、及び、これを構築する開口部周り施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、図14に示すごとく、リフォーム時において、建物外壁面の窓等の既存の開口部周りの4辺に施工される開口部周り化粧部材90及びこれを用いて開口部周り施工構造9を構築する開口部周り施工方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
上記開口部周り化粧部材90は、図14に示すごとく、開口部周りの4辺に沿って配された胴縁80に配設される4本のLジョイナー95と、該Lジョイナー95の前面において開口部の直線部分に配される4本の直線状部材91と、開口部のコーナー部に配される4個のコーナー部材92と、直線状部材91とコーナー部材92とを接続する8個の接続具94(省略可能)とにより構成される。
【0004】
しかしながら、上記開口部周り施工構造9は、開口部周り化粧部材90を構成する部品点数が多いため、コスト高になることに加え、施工に時間がかかってしまうおそれがある。
また、上記直線状部材91及び上記コーナー部材92には、リフォーム用外壁板81の端部810を収容するための凹溝93が形成されており、該凹溝93の前後の幅と新たに張り付けようとする外壁板81の厚みとは略同等でなければならない。そのため、使用できる外壁板81の厚みが限定されるという問題もある。
【0005】
また、開口部周り化粧部材90とLジョイナー95との間に隙間が生じてしまい、雨水が浸入するおそれがあると共に、外観意匠性に優れた開口部周り施工構造9を得ることが困難となるおそれがある。
【0006】
【特許文献1】特許第3502832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来の問題点に鑑み、施工が容易で、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り化粧部材、開口部周り施工構造及び開口部周り施工方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、建物の開口部の周りに配される開口部周り化粧部材であって、
上記開口部の上下左右の4辺に沿って、外壁板の下地として配される下地材に固定される上下左右のLジョイナーと、
該Lジョイナーに係合すると共に下地材の前面に固定される上下左右の額縁部材とを有し、
上記Lジョイナーは、上記下地材の前面に固定される前板部と、該前板部の一端から後方に延びて下地材の内側面に配される内側板部と、上記前板部の一端から前方に突出形成されたジョイナー側係合部とを有し、
上記額縁部材は、上記外壁板の端部に対向配置される外向面部と、上記開口部に面して配される内向面部と、上記外向面部及び上記内向面部の前端を連結すると共に上記開口部周りを化粧する化粧部と、上記内向面部の後端部において上記ジョイナー側係合部に係合可能な額縁側係合部と、上記外向面部の後端から上記額縁側係合部と反対側に延設されて上記下地材に固定される固定板部とを有することを特徴とする開口部周り化粧部材にある(請求項1)。
【0009】
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記開口部周り化粧部材は、主に上記Lジョイナーと上記額縁部材とにより構成される。これにより、上記開口部周り化粧部材を構成する部品点数を少なくすることができるため、上記開口部周り化粧部材を用いた開口部周り施工構造を容易かつ安価に施工することができる。
【0010】
また、上記Lジョイナーは、上記前板部と上記内側板部とを有する。そのため、上記前板部を上記下地材の前面に固定すると共に、上記固定板部を上記下地材の内側面に配置することができる。したがって、外壁板の下地として配される上記下地材を覆い隠すことができるため、上記開口部周り化粧部材を用いて外観意匠性に優れた開口部周り施工構造を得ることができる。
【0011】
また、上記Lジョイナーは、上記ジョイナー側係合部を有し、上記額縁部材は、上記額縁側係合部と上記固定板部とを有する。これにより、上記額縁側係合部を上記ジョイナー側係合部に係合すると共に、上記固定板部を上記下地材に固定することができるため、上記額縁部材を上記下地材に安定した状態で固定することができる。即ち、上記額縁部材を幅方向の2箇所において上記下地材に固定することができる。それ故、上記額縁部材の上記固定板部と反対側の部分が前方に浮き上がることがなく、上記額縁部材と上記Lジョイナーとの間の開口部側に隙間が発生するという不具合を回避することができる。したがって、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り施工構造を得ることができる。
【0012】
また、上記額縁部材は、上記外壁板の端部に対向配置して配設されている上記外向面部を有する。そして、上記外壁板の端部は、上記外向面部に対向配置して施工される。したがって、上記外壁板の端部を上記額縁部材に嵌合する等の必要がないため、施工誤差等があった場合にも、上記開口部周り施工構造を容易かつ確実に施工することができる。また、上記開口部周り施工構造に用いられる上記外壁板は一定の厚みに限定されることがない。
【0013】
以上のごとく、本発明によれば、施工が容易で、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り施工構造を構築できる開口部周り化粧部材を提供することができる。
【0014】
第2の発明は、建物の開口部の周りに開口部周り化粧部材を配設してなる開口部周り施工構造であって、
上記開口部周り施工構造は、上記開口部の上下左右の4辺に沿って外壁板の下地として配された下地材と、
該下地材に取り付けられた上記開口部周り化粧部材と、
該開口部周り化粧部材の外側に端部を対向配置させた上記外壁板とを有し、
上記開口部周り化粧部材は、上記下地材に固定される上下左右のLジョイナーと、該Lジョイナーに係合すると共に下地材の前面に固定される上下左右の額縁部材とを有し、上記Lジョイナーは、前板部と、該前板部の一端から後方に延びる内側板部と、上記前板部の一端から前方に突出形成されたジョイナー側係合部とを有し、上記額縁部材は、外向面部と、内向面部と、上記外向面部及び上記内向面部の前端を連結する化粧部と、上記内向面部の後端部に形成された額縁側係合部と、上記外向面部の後端から上記額縁側係合部と反対側に延設された固定板部とを有し、
上記Lジョイナーは、上記前板部を上記下地材の前面に固定すると共に、上記内側板部を上記下地材の内側面に配置するように配設されており、
上記額縁部材は、上記額縁側係合部を上記ジョイナー側係合部に係合させると共に、上記固定板部を上記下地材に固定し、上記外向面部を上記外壁板の端部に対向配置し、上記化粧部によって開口部周りを化粧するような状態で配設されていることを特徴とする開口部周り施工構造にある(請求項8)。
【0015】
上記開口部回り化粧部材は、主に、上記Lジョイナーと上記額縁部材とにより構成される。したがって、上記開口部周り化粧部材を構成する部品点数を少なくすることができるため、上記開口部周り施工構造を容易かつ安価に施工することができる。
【0016】
また、上記Lジョイナーは、上記前板部を上記下地材の前面に固定すると共に、上記内側板部を上記下地材の内側面に配置するように配設されている。これにより、上記外壁板の下地として配される上記下地材を覆い隠すことができるため、外観意匠性に優れた上記開口部周り施工構造を得ることができる。
【0017】
また、上記額縁部材は、上記額縁側係合部を上記ジョイナー側係合部に係合すると共に、上記固定板部を上記下地材に当接した状態で固定されるため、上記額縁部材は上記下地材に対して安定固定された状態となる。即ち、上記額縁部材を上記下地材に固定するに当たっては、上記Lジョイナーと係合した状態で上記固定板部を釘固定することになるので、上記額縁部材と上記Lジョイナーとの間の開口部側に隙間が発生するという不具合を回避することができる。したがって、外観意匠性及び耐候性に優れた上記開口部周り施工構造を得ることができる。
【0018】
また、上記額縁部材は、上記外壁板の端部に対向配置して配設されている上記外向面部を有する。そして、上記外壁板の端部は上記外向面部に対向配置している。したがって、上記外壁板の端部を上記額縁部材に嵌合する等の必要がないため、上記開口部周り施工構造を容易かつ確実に施工することができる。また、上記開口部周り施工構造に用いられる上記外壁板は一定の厚みに限定されることがない。
【0019】
以上のごとく、本発明によれば、施工が容易で、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り施工構造を提供することができる。
【0020】
第3の発明は、建物の開口部の周りに開口部周り化粧部材を配設して、開口部周りを施工する方法であって、
上記開口部周り化粧部材は、前板部と該前板部の一端から後方に延びる内側板部と上記前板部の一端から前方に突出形成されたジョイナー側係合部とを備えるLジョイナーと、外向面部と内向面部と上記外向面部及び上記内向面部の前端を連結する化粧部と内向面部の後端部に形成された額縁側係合部とを備える額縁部材とを、それぞれ4本有してなり、
上記開口部周りの施工に当たっては、開口部の上下左右の4辺に沿って外壁板の下地として配された下地材に、Lジョイナーを固定するLジョイナー固定工程と、
上記Lジョイナーに上記額縁部材を係合させると共に、上記下地材に固定する額縁部材取付工程と、
上記額縁部材に端部を対向配置するように外壁板を取り付ける外壁板取付工程と、
上記外壁板の端部と上記額縁部材との間にシーリング材を打設するシーリング材打設工程とを行い、
上記Lジョイナー固定工程においては、上記前板部を上記下地材の前面に固定すると共に、上記内側板部を上記下地材の内側面に配置するように上記下地材を配設し、
上記額縁取付工程においては、上記額縁側係合部を上記ジョイナー側係合部に係合させると共に、上記固定板部を上記下地材に固定し、上記化粧部によって開口部周りを化粧するような状態で上記額縁部材を配設し、
上記外壁板取付工程においては、上記外壁板の端部を上記外向面部に対向配置することを特徴とする開口部周り施工方法にある(請求項16)。
【0021】
上記開口部周り施工方法において用いる上記開口部周り化粧部材は、主に、上記Lジョイナーと上記額縁部材とにより構成される。したがって、上記開口部周り化粧部材を構成する部品点数を少なくすることができるため、上記Lジョイナー固定工程及び上記額縁取付工程を簡略化することができ、上記開口部周り施工構造を容易かつ安価に構築することができる。
【0022】
上記Lジョイナー固定工程においては、上記前板部を上記下地材の前面に固定すると共に、上記内側板部を上記下地材の内側面に配置するように上記下地材を配設する。これにより、上記外壁板の下地として配される上記下地材を覆い隠すことができるため、上記開口部周り施工方法によれば、外観意匠性に優れた開口部周り施工構造を得ることができる。
【0023】
また、上記額縁取付工程においては、上記額縁側係合部を上記ジョイナー側係合部に係合させると共に、上記固定板部を上記下地材に固定する。これにより、上記額縁部材を上記下地材に安定した状態で固定することができる。即ち、上記額縁部材を幅方向の2箇所において上記下地材に固定することができる。それ故、上記額縁部材の上記固定板部と反対側の部分が前方に浮き上がることがないため、上記額縁部材と上記Lジョイナーとの間の開口部側に隙間が発生するという不具合を回避することができる。したがって、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り施工構造を得ることができる。
【0024】
また、上記外壁板取付工程においては、上記外壁板の端部を上記外向面部に対向配置する。これにより、上記外壁板の端部を上記額縁部材に嵌合する等の必要がないため、施工誤差等があった場合にも、開口部周り施工構造を容易、かつ確実に施工することができる。また、上記開口部周り施工構造に用いられる上記外壁板は一定の厚みに限定されることがない。
【0025】
また、上記シーリング材打設工程においては、上記外壁板の端部と上記額縁部材との間にシーリング材を打設する。そのため、防水性に優れた開口部周り施工構造を得ることができる。また、施工現場において上記外壁板を切断しても、切断面である上記外壁板の端部を外部に露出することがないため、腐食等の不具合が生じるおそれがなく、耐候性に優れた開口部周り施工構造を得ることができる。
【0026】
以上のごとく、本発明によれば、施工が容易で、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り施工構造を構築することができる開口部周り施工方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
第1の発明(請求項1)、第2の発明(請求項8)、及び第3の発明(請求項16)において、上記開口部周り化粧部材、上記開口部周り施工構造、及び、これを構築する上記開口部周り施工方法は、新築用及びリフォーム用のいずれにも適用することができる。
また、上記外壁板としては、例えば、窯業系材料からなるものを用いることができる。
また、上記下地材は、例えば、木製あるいは軽量鉄骨等からなる胴縁とすることができる。
【0028】
本発明においては、建物の外側方向を前方、建物の内側方向を後方として説明する。
また、上記開口部周り化粧部材等の各部材については、上記開口部周りに施工した状態において、上、下、右、左となる向きを、それぞれ、上、下、右、左として表す。
【0029】
上記額縁部材は、長手方向に連続する中空部を有し、上記化粧部、上記内向面部及び上記外向面部は上記中空部の一部を形成していることが好ましい(請求項2、請求項9)。
この場合には、装飾性に優れた上記額縁部材を得ることができると共に、軽量化を図ることができるため、安価で外観意匠性に優れた額縁部材を容易に得ることができる。
【0030】
上記額縁部材は、上記中空部の両端部をそれぞれ塞ぐキャップ部材を取り付けてなることが好ましい(請求項3、請求項10)。
この場合には、上記キャップ部材を取り付けることにより、上記中空部の端部を確実に塞ぐことができるため、雨水等の水が上記中空部に浸入することを防ぐことができる。また、上記額縁部材の端部を切断して形成した場合にも、上記額縁部材の切断面を覆い隠すことができる。そのため、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り化粧部材及び開口部周り施工構造を得ることができる。
【0031】
上記額縁部材のうち、上記開口部の上辺及び下辺にそれぞれ配される上辺額縁部材及び下辺額縁部材は、上記内向面部を前方へ向かうほど外側へ広がるように傾斜させてなり、上記上辺額縁部材の上記内向面部と上記下辺額縁部材の上記内向面部とは、互いに同じ傾斜角度を有しており、かつ、上記キャップ部材の外側面は、上記内向面部の傾斜に沿うように傾斜していることが好ましい(請求項4、請求項11)。
【0032】
この場合には、上記下辺額縁部材の内向面部に落下した雨水を前方へ排出することができ、雨水が溜まることを防ぐことができる。また、上記上辺額縁部材の上記内向面部と上記下辺額縁部材の上記内向面部とが互いに同じ傾斜角度を有する。そのため、上記開口部の左辺及び右辺にそれぞれ配される上記額縁部材の上端と下端とに配されるキャップ部材を上記上辺額縁部材及び上記下辺額縁部材の内向面部に当接させる場合、同じ形状のキャップ部材を上下反転させて使用することができる。それ故、上記開口部周り化粧部材の部品の種類を減らして、安価かつ施工容易な開口部周り施工構造を得ることができる。
【0033】
上記額縁部材のうち、上記開口部の上辺及び下辺にそれぞれ配される上辺額縁部材及び下辺額縁部材は、上記化粧部の下端から下方へ突出した突出板部を有することが好ましい(請求項5、請求項12)。
この場合には、上記突出板部が水切りとしての機能を発揮して、排水性を向上させることができる。
【0034】
上記額縁部材は、アルミの押し出し成形品からなることが好ましい(請求項6、請求項13)。
この場合には、成形性に富むアルミの押し出し成形品を用いるため、装飾性に優れた開口部周り化粧部材及び開口部周り施工構造を得ることができる。
【0035】
上記Lジョイナーの上記前板部と上記額縁部材との間には、空隙部が形成されるよう構成されていることが好ましい(請求項7、請求項15)。
この場合には、上記額縁部材が前方に浮き上がってしまうことを防ぐことができる。即ち、上記Lジョイナーを固定する際には、例えば、ビスや釘等により上記前板部を上記下地材の前面に固定することになる。このとき、ビスや釘等の頭部を上記空隙部に配置することができる。これにより、ビスや釘等の頭部が邪魔になって、該頭部の厚み分上記額縁部材が前方に浮き上がってしまうという不具合を防ぐことができる。
【0036】
上記開口部周り施工構造は、リフォーム用であって、上記下地材は、既存壁の前面に固定されていることが好ましい(請求項14)。
この場合には、施工が容易であり、外観意匠性に優れ、かつ安価なリフォーム用開口部周り施工構造を得ることができる。
【実施例】
【0037】
本発明の実施例にかかる開口部周り化粧部材10、開口部周り施工構造1及び開口部周り施工方法につき図1〜図13を用いて説明する。
本例の開口部周り施工構造1は、図1、図10、図11に示すごとく、建物外壁面の開口部5の周りに開口部周り化粧部材10を配設してなる。そして、開口部5の上下左右の4辺に沿って外壁板3の下地として配された胴縁等の下地材2と、該下地材2に取り付けられた開口部周り化粧部材10と、該開口部周り化粧部材10の外側に端部30を対向配置させた外壁板3とを有する。
【0038】
そして、開口部周り化粧部材10は、下地材2に固定される上下左右のLジョイナー100と、該Lジョイナー100に係合すると共に下地材2の前面20に固定される上下左右の額縁部材11とを有する。額縁部材11としては、開口部5周りの上辺に配される上辺額縁部材11a、下辺に配される下辺額縁部材11b、左辺に配される左辺額縁部材11c、右辺に配される右辺額縁部材11dとがある。以下において、単に額縁部材11というときは、上記4種類の額縁部材のいずれをも示すものとする。
【0039】
Lジョイナー100は、図9〜図12に示すごとく、前板部101と、該前板部101の一端から後方に向かって延びる内側板部102と、前板部101の一端から前方に向かって突出形成されたジョイナー側係合部103とを有する。
また、Lジョイナー100は、図2、図10〜図12に示すごとく、前板部101を下地材2の前面20に固定すると共に、内側板部102を下地材2の内側面21に配置するように配設されている。
【0040】
額縁部材11は、図1、図3〜図8に示すごとく、外壁板3の端部30が対向配置される外向面部111と、開口部5に面して配される内向面部112と、外向面部111及び内向面部112の前端を連結すると共に開口部5周りを化粧する化粧部113と、内向面部112の後端部に形成された額縁側係合部115と、外向面部111の後端から額縁側係合部115と反対側に延設された固定板部114とを有する。
【0041】
また、額縁部材11は、図10、図11に示すごとく、額縁側係合部115をジョイナー側係合部103に係合させると共に、固定板部114を下地材2に固定し、外向面部111に外壁板3の端部30を対向配置し、化粧部113によって開口部5周りを化粧するような状態で配設されている。
【0042】
また、ジョイナー側係合部103は、図9〜図11に示すごとく、内側板部102の前端から前方に突出すると共に、前板部101と同じ方向に鈎状に屈曲している。
一方、額縁側係合部115は、図3〜図5に示すごとく内向面部112の後端部において、後方に突出すると共に固定板部114と反対方向へ鈎状に屈曲形成されている。
また、図6、図7に示すごとく、上辺額縁部材11a及び下辺額縁部材11bは、化粧部113の下端から下方へ突出した突出板部117を有する。
【0043】
また、開口部周り化粧部材10は、図3〜図8、図10、図11に示すごとく、長手方向に連続する中空部116を有し、化粧部113及び外向面部111は中空部116の一部を形成している。即ち、開口部周り化粧部材10は、外向面部111、内向面部112、化粧部113、固定板部114の他に、固定板部114と同一平面上に形成された背面板部122と、背面板部122よりも前方に形成されると共に背面板部122と内向面部112とを連結する後板部123とを有する。そして、化粧部113、外向面部111、内向面部112、背面板部122、及び後板部123によって囲まれた空間として中空部116が形成されている。
【0044】
図3〜図5に示すごとく、後板部123は、内向面部112の後端から外向面部111に向かうと共に、背面板部122に向かって屈曲してなる。また、上記背面板部122は、外向面部111の後端と後板部123の後端とを連結している。
また、図10、図11に示すごとく、開口部周り化粧部材10を施工した状態において、Lジョイナー100の前板部101と額縁部材11との間には、空隙部140が形成されるよう構成されている。即ち、額縁側係合部115と固定板部114との間の後板部123が固定板部114、額縁側係合部115の後端よりも前方に形成されていることにより、空隙部140が形成されている。
【0045】
また、額縁部材11は、図1、図6〜図8に示すごとく、中空部116の両端部をそれぞれ塞ぐキャップ部材118をキャップ用ビス120にて取り付けてなる。即ち、キャップ用ビス120をキャップ部材118に設けられた孔に挿通した状態で、上記キャップ用ビス120を額縁部材11の中空部116に設けた螺合部121に螺合する。これにより、額縁部材11の両端部にキャップ部材118を留め付ける。
また、上記螺合部121は、図6〜図8に示すごとく、外向面部111及び内向面部112の裏側面に、中空部116の内側に向かって開口した状態で、略円筒形状に長手方向に連続して形成されている。
【0046】
また、図1、図10に示すごとく、上下左右の額縁部材11は、上辺額縁部材11a及び下辺額縁部材11bの内向面部112に左辺額縁部材11c及び右辺額縁部材11dの両端に取り付けたキャップ部材118c、118dを当接させた状態で配置されている。
【0047】
また、図10に示すごとく、額縁部材11のうち、開口部の上辺及び下辺にそれぞれ配される上辺額縁部材11a及び下辺額縁部材11bは、内向面部112を前方へ向かうほど外側へ広がるように傾斜させてなる。そして、上辺額縁部材11aの内向面部112と下辺額縁部材11bの内向面部112とは、互いに同じ傾斜角度を有しており、かつ、左辺額縁部材11c及び右辺額縁部材11dのキャップ部材118c及び118dの外側面119は、内向面部112の傾斜に沿うように傾斜している。即ち、左辺額縁部材11c及び右辺額縁部材11dのキャップ部材118c、118dの外側面119は、上辺額縁部材11a及び下辺額縁部材11bの内向面部112に面接触して配置されている。
【0048】
また、額縁部材11及びLジョイナー100は、アルミの押し出し成形品からなる。
また、外壁板3は、窯業系建築材料からなるものを用いている。
また、開口部周り施工構造1は、リフォーム用であって、図10、図11に示すごとく、下地材2は、既存壁300の前面に固定されている。即ち、既存壁300に形成された開口部5の周りにおける既存壁300の前面に、下地材2として縦胴縁と横胴縁とが固定されている。
【0049】
また、図12に示すごとく、Lジョイナー100の内側板部102の裏側面104には、下地材2の前後の厚みに応じて内側板部102の長さを調節することができるリブ切り込み105が設けられている。即ち、このリブ切り込み105は、図13に示すごとく、下地材2の厚みが小さいときに内側板部102をリブ切り込み105で容易に切断して使用しやすくするために設けてある。
【0050】
また、図1、図10、図11に示すごとく、外壁板3の端部30と額縁部材11の外向面部111との間には、シーリング材4が打設されている。即ち、外壁板3の端部30と額縁部材11の外向面部111と固定板部114とに当接させた状態でバックアップ材40が配設され、バックアップ材40の前方にシーリング材4が打設されている。
また、より一層の防水性能を確保するために、図1に示すごとく、Lジョイナー100同士の突付け部に捨てシーリング材400を打設することもできる。
【0051】
また、上記開口部周り施工構造1を構築するに当たっては、下記のLジョイナー固定工程と額縁部材取付工程と外壁板取付工程とシーリング材打設工程とを行うことにより、開口部周り施工構造1を構築することができる。
【0052】
Lジョイナー固定工程においては、図2、図12に示すごとく、Lジョイナー100の前板部101を下地材2の前面20にビス6にて固定すると共に、内側板部102を下地材2の内側面21に配置する。
額縁取付工程においては、図1、図10、図11に示すごとく、額縁側係合部115をジョイナー側係合部103に係合させると共に、固定板部114を釘7にて下地材2に固定し、化粧部113によって開口部5周りを化粧するような状態で額縁部材11を配設する。
【0053】
外壁板取付工程においては、外壁板3の端部30を外向面部111に対向配置すると共に、釘7にて下地材2に固定する。
シーリング材打設工程においては、外壁板3の端部30と額縁部材11との間にシーリング材4を打設する。
【0054】
尚、図5、図10は、基本的には、左辺額縁部材11cを示すが、右辺額縁部材11dもこれと同じ形状である。即ち、右辺額縁部材11dは、図5、図10の状態から配置を反転させて使用される。また、図11において、符号310は既存の建物の構造躯体を構成する柱、符号320は既存の建物の開口部5に配されていたサッシ(窓枠)を示す。
【0055】
次に、本例の作用効果につき説明する。
開口部回り化粧部材10は、主にLジョイナー100と額縁部材11とにより構成される。したがって、開口部周り化粧部材10を構成する部品点数を少なくすることができるため、開口部周り施工構造1を容易、かつ安価に施工することができる。
【0056】
また、Lジョイナー100は、前板部101を下地材2の前面20に固定すると共に、内側板部102を下地材2の内側面21に配置するように配設されている。これにより、外壁板3の下地として配される下地材2を覆い隠すことができるため、外観意匠性に優れた開口部周り施工構造1を得ることができる。
【0057】
また、額縁部材11は、額縁側係合部115をジョイナー側係合部103に係合すると共に、固定板部114を下地材2に当接した状態で固定されるため、額縁部材11は下地材2に対して安定固定された状態となる。即ち、額縁部材11を下地材2に固定するに当たっては、Lジョイナー100と係合した状態で固定板部114を釘固定することになるので、額縁部材11とLジョイナー100との間の開口部側に隙間が発生するという不具合を回避することができる。したがって、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り施工構造1を得ることができる。
【0058】
また、額縁部材11は、外向面部111を有し、外壁板3の端部30は外向面部111に対向配置している。したがって、外壁板3の端部30を額縁部材11に嵌合する等の必要がないため、開口部周り施工構造1を容易かつ確実に施工することができる。また、開口部周り施工構造1に用いられる外壁板3は一定の厚みに限定されることがない。
【0059】
また、シーリング材打設工程においては、外壁板3の端部30と額縁部材11との間にシーリング材4を打設する。そのため、防水性に優れた開口部周り施工構造1を得ることができる。また、施工現場において外壁板3を切断しても、切断面である外壁板3の端部30を外部に露出することがないため、腐食等の不具合が生じるおそれがなく、耐候性に優れた開口部周り施工構造1を得ることができる。
【0060】
額縁部材11は、中空部116を有するため、装飾性に優れた額縁部材11を得ることができると共に、軽量化を図ることができる。それ故、安価で外観意匠性に優れた額縁部材11を容易に得ることができる。
【0061】
額縁部材11は、中空部116の両端部をそれぞれ塞ぐキャップ部材118、128、138を取り付けてなる。これにより、雨水等の水が中空部116に浸入することを防ぐことができると共に、額縁部材11の端部を切断して形成した場合にも、額縁部材11の切断面を覆い隠すことができる。これにより、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り化粧部材10及び開口部施工構造1を得ることができる。
【0062】
また、下辺額縁部材11bは、内向面部112を前方へ向かうほど外側へ広がるように、即ち、前方下方へ傾斜させてなる。これにより、下辺額縁部材11bの内向面部112に落下した雨水を前方へ排出することができ、雨水が溜まることを防ぐことができる。また、上辺額縁部材11aの内向面部112と下辺額縁部材11bの内向面部112とは、互いに同じ傾斜角度を有する。そのため、同じ形状のキャップ部材118c、118dを上下反転させて使用することができる。それ故、開口部周り化粧部材10の部品の種類を減らして、安価かつ施工容易な開口部周り施工構造1を得ることができる。
【0063】
また、上辺額縁部材11a及び下辺額縁部材11bは、突出板部117を有するため、突出板部117が水切りの機能を発揮して、排水性を向上させることができる。
また、額縁部材11は、成形性に富むアルミの押し出し成形品からなるため、装飾性に優れた開口部周り化粧部材10及び開口部周り施工構造1を得ることができる。
【0064】
また、Lジョイナー100の前板部101と額縁部材11との間には、空隙部140が形成される。これにより、ビス6の頭部を空隙部140に配置することができるため、ビス6の頭部が邪魔になってビス6の頭部の厚み分額縁部材11が前方に浮き上がってしまうという不具合を防ぐことができる。
【0065】
以上のごとく、本例によれば、施工が容易で、外観意匠性及び耐候性に優れた開口部周り化粧部材、開口部周り施工構造、及び開口部周り施工方法を提供することができる。
【0066】
尚、例えば、上下左右の額縁部材11は、左辺額縁部材11c及び右辺額縁部材11dの内向面部112に上辺額縁部材11a及び下辺額縁部材11bの両端に取り付けたキャップ部材118a、118bを当接させた状態で開口部5周りに配置されていてもよい。
上記実施例の開口部周り施工構造1はリフォーム用であるが、もちろん、新築にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施例における、開口部周り施工構造の斜視説明図。
【図2】実施例における、下地材にLジョイナーを固定した状態を示す斜視説明図。。
【図3】実施例における、上辺額縁部材の断面説明図。
【図4】実施例における、下辺額縁部材の斜視説明図。
【図5】実施例における、左辺及び右辺額縁部材の斜視説明図。
【図6】実施例における、上辺額縁部材の斜視説明図。
【図7】実施例における、下辺額縁部材の斜視説明図。
【図8】実施例における、左辺及び右辺額縁部材の斜視説明図。
【図9】実施例における、Lジョイナーの斜視説明図。
【図10】実施例における、開口部周り施工構造の縦断面説明図。
【図11】実施例における、開口部周り施工構造の横断面説明図。
【図12】実施例における、Lジョイナーと下地材の位置関係を示す断面説明図。
【図13】実施例における、下地材の厚みが小さい場合のLジョイナーと下地材の位置関係を示す断面説明図。
【図14】従来例における、開口部周り施工構造の斜視説明図。
【符号の説明】
【0068】
1 開口部周り施工構造
10 開口部周り化粧部材
100 Lジョイナー
101 前板部
102 内側板部
103 ジョイナー側係合部
11 額縁部材
111 外向面部
112 内向面部
113 化粧部
114 固定板部
115 額縁側係合部
2 下地材
20 前面
3 外壁板
30 端部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部の周りに配される開口部周り化粧部材であって、
上記開口部の上下左右の4辺に沿って、外壁板の下地として配される下地材に固定される上下左右のLジョイナーと、
該Lジョイナーに係合すると共に下地材の前面に固定される上下左右の額縁部材とを有し、
上記Lジョイナーは、上記下地材の前面に固定される前板部と、該前板部の一端から後方に延びて下地材の内側面に配される内側板部と、上記前板部の一端から前方に突出形成されたジョイナー側係合部とを有し、
上記額縁部材は、上記外壁板の端部に対向配置される外向面部と、上記開口部に面して配される内向面部と、上記外向面部及び上記内向面部の前端を連結すると共に上記開口部周りを化粧する化粧部と、上記内向面部の後端部において上記ジョイナー側係合部に係合可能な額縁側係合部と、上記外向面部の後端から上記額縁側係合部と反対側に延設されて上記下地材に固定される固定板部とを有することを特徴とする開口部周り化粧部材。
【請求項2】
請求項1において、上記額縁部材は、長手方向に連続する中空部を有し、上記化粧部、上記内向面部及び上記外向面部は上記中空部の一部を形成していることを特徴とする開口部周り化粧部材。
【請求項3】
請求項2において、上記額縁部材は、上記中空部の両端部をそれぞれ塞ぐキャップ部材を取り付けてなることを特徴とする開口部周り化粧部材。
【請求項4】
請求項3において、上記額縁部材のうち、上記開口部の上辺及び下辺にそれぞれ配される上辺額縁部材及び下辺額縁部材は、上記内向面部を前方へ向かうほど外側へ広がるように傾斜させてなり、上記上辺額縁部材の上記内向面部と上記下辺額縁部材の上記内向面部とは、互いに同じ傾斜角度を有しており、かつ、上記キャップ部材の外側面は、上記内向面部の傾斜に沿うように傾斜していることを特徴とする開口部周り化粧部材。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項において、上記額縁部材のうち、上記開口部の上辺及び下辺にそれぞれ配される上辺額縁部材及び下辺額縁部材は、上記化粧部の下端から下方へ突出した突出板部を有することを特徴とする開口部周り化粧部材。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項において、上記額縁部材は、アルミの押し出し成形品からなることを特徴とする開口部周り化粧部材。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項において、上記Lジョイナーと上記額縁部材とを組付けた際に、上記Lジョイナーの上記前板部と上記額縁部材との間には、空隙部が形成されるよう構成されていることを特徴とする開口部周り化粧部材。
【請求項8】
建物の開口部の周りに開口部周り化粧部材を配設してなる開口部周り施工構造であって、
上記開口部周り施工構造は、上記開口部の上下左右の4辺に沿って外壁板の下地として配された下地材と、
該下地材に取り付けられた上記開口部周り化粧部材と、
該開口部周り化粧部材の外側に端部を対向配置させた上記外壁板とを有し、
上記開口部周り化粧部材は、上記下地材に固定される上下左右のLジョイナーと、該Lジョイナーに係合すると共に下地材の前面に固定される上下左右の額縁部材とを有し、上記Lジョイナーは、前板部と、該前板部の一端から後方に延びる内側板部と、上記前板部の一端から前方に突出形成されたジョイナー側係合部とを有し、上記額縁部材は、外向面部と、内向面部と、上記外向面部及び上記内向面部の前端を連結する化粧部と、上記内向面部の後端部に形成された額縁側係合部と、上記外向面部の後端から上記額縁側係合部と反対側に延設された固定板部とを有し、
上記Lジョイナーは、上記前板部を上記下地材の前面に固定すると共に、上記内側板部を上記下地材の内側面に配置するように配設されており、
上記額縁部材は、上記額縁側係合部を上記ジョイナー側係合部に係合させると共に、上記固定板部を下地材に固定し、上記外向面部を上記外壁板の端部に対向配置し、上記化粧部によって開口部周りを化粧するような状態で配設されていることを特徴とする開口部周り施工構造。
【請求項9】
請求項8において、上記開口部周り化粧部材は、長手方向に連続する中空部を有し、上記化粧板部、上記内向面部及び上記外向面部は、上記中空部の一部を形成していることを特徴とする開口部周り施工構造。
【請求項10】
請求項9において、上記額縁部材は、上記中空部の両端部をそれぞれ塞ぐキャップ部材を取り付けてなることを特徴とする開口部周り施工構造。
【請求項11】
請求項10において、上記額縁部材のうち、上記開口部の上辺及び下辺にそれぞれ配された上辺額縁部材及び下辺額縁部材は、上記内向面部を前方へ向かうほど外側へ広がるように傾斜させてなり、上記上辺額縁部材の上記内向面部と上記下辺額縁部材の上記内向面部とは互いに同じ傾斜角度を有しており、かつ、上記キャップ部材の外側面は、上記内向面部の傾斜に沿うように傾斜しており、上記内向面部に面接触していることを特徴とする開口部周り施工構造。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか一項において、上記額縁部材のうち、上記開口部の上辺及び下辺にそれぞれ配された上辺額縁部材及び下辺額縁部材は、上記化粧部の下端から下方へ突出した突出板部を有することを特徴とする開口部周り施工構造。
【請求項13】
請求項8〜12のいずれか一項において、上記額縁部材は、アルミの押し出し成形品からなることを特徴とする開口部周り施工構造。
【請求項14】
請求項8〜13のいずれか一項において、上記開口部周り施工構造は、リフォーム用であって、上記下地材は、既存壁の前面に固定されていることを特徴とする開口部周り施工構造。
【請求項15】
請求項8〜14のいずれか一項において上記Lジョイナーの上記前板部と上記額縁部材との間には、空隙部が形成されていることを特徴とする開口部周り施工構造。
【請求項16】
建物の開口部の周りに開口部周り化粧部材を配設して、開口部周りを施工する方法であって、
上記開口部周り化粧部材は、前板部と該前板部の一端から後方に延びる内側板部と上記前板部の一端から前方に突出形成されたジョイナー側係合部とを備えるLジョイナーと、外向面部と内向面部と上記外向面部及び上記内向面部の前端を連結する化粧部と上記内向面部の後端部に形成された額縁側係合部とを備える額縁部材とを、それぞれ4本有してなり、
上記開口部周りの施工に当たっては、開口部の上下左右の4辺に沿って外壁板の下地として配された下地材に、Lジョイナーを固定するLジョイナー固定工程と、
上記Lジョイナーに額縁部材を係合させると共に、上記下地材に固定する額縁部材取付工程と、
上記額縁部材に端部を対向配置するように外壁板を取り付ける外壁板取付工程と、
上記外壁板の端部と上記額縁部材との間にシーリング材を打設するシーリング材打設工程とを行い、
上記Lジョイナー固定工程においては、上記前板部を上記下地材の前面に固定すると共に、上記内側板部を上記下地材の内側面に配置するように上記下地材を配設し、
上記額縁取付工程においては、上記額縁側係合部を上記ジョイナー側係合部に係合させると共に、上記固定板部を下地材に固定し、上記化粧部によって開口部周りを化粧するような状態で上記額縁部材を配設し、
上記外壁板取付工程においては、上記外壁板の端部を上記外向面部に対向配置することを特徴とする開口部周り施工方法。
【請求項1】
建物の開口部の周りに配される開口部周り化粧部材であって、
上記開口部の上下左右の4辺に沿って、外壁板の下地として配される下地材に固定される上下左右のLジョイナーと、
該Lジョイナーに係合すると共に下地材の前面に固定される上下左右の額縁部材とを有し、
上記Lジョイナーは、上記下地材の前面に固定される前板部と、該前板部の一端から後方に延びて下地材の内側面に配される内側板部と、上記前板部の一端から前方に突出形成されたジョイナー側係合部とを有し、
上記額縁部材は、上記外壁板の端部に対向配置される外向面部と、上記開口部に面して配される内向面部と、上記外向面部及び上記内向面部の前端を連結すると共に上記開口部周りを化粧する化粧部と、上記内向面部の後端部において上記ジョイナー側係合部に係合可能な額縁側係合部と、上記外向面部の後端から上記額縁側係合部と反対側に延設されて上記下地材に固定される固定板部とを有することを特徴とする開口部周り化粧部材。
【請求項2】
請求項1において、上記額縁部材は、長手方向に連続する中空部を有し、上記化粧部、上記内向面部及び上記外向面部は上記中空部の一部を形成していることを特徴とする開口部周り化粧部材。
【請求項3】
請求項2において、上記額縁部材は、上記中空部の両端部をそれぞれ塞ぐキャップ部材を取り付けてなることを特徴とする開口部周り化粧部材。
【請求項4】
請求項3において、上記額縁部材のうち、上記開口部の上辺及び下辺にそれぞれ配される上辺額縁部材及び下辺額縁部材は、上記内向面部を前方へ向かうほど外側へ広がるように傾斜させてなり、上記上辺額縁部材の上記内向面部と上記下辺額縁部材の上記内向面部とは、互いに同じ傾斜角度を有しており、かつ、上記キャップ部材の外側面は、上記内向面部の傾斜に沿うように傾斜していることを特徴とする開口部周り化粧部材。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項において、上記額縁部材のうち、上記開口部の上辺及び下辺にそれぞれ配される上辺額縁部材及び下辺額縁部材は、上記化粧部の下端から下方へ突出した突出板部を有することを特徴とする開口部周り化粧部材。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項において、上記額縁部材は、アルミの押し出し成形品からなることを特徴とする開口部周り化粧部材。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項において、上記Lジョイナーと上記額縁部材とを組付けた際に、上記Lジョイナーの上記前板部と上記額縁部材との間には、空隙部が形成されるよう構成されていることを特徴とする開口部周り化粧部材。
【請求項8】
建物の開口部の周りに開口部周り化粧部材を配設してなる開口部周り施工構造であって、
上記開口部周り施工構造は、上記開口部の上下左右の4辺に沿って外壁板の下地として配された下地材と、
該下地材に取り付けられた上記開口部周り化粧部材と、
該開口部周り化粧部材の外側に端部を対向配置させた上記外壁板とを有し、
上記開口部周り化粧部材は、上記下地材に固定される上下左右のLジョイナーと、該Lジョイナーに係合すると共に下地材の前面に固定される上下左右の額縁部材とを有し、上記Lジョイナーは、前板部と、該前板部の一端から後方に延びる内側板部と、上記前板部の一端から前方に突出形成されたジョイナー側係合部とを有し、上記額縁部材は、外向面部と、内向面部と、上記外向面部及び上記内向面部の前端を連結する化粧部と、上記内向面部の後端部に形成された額縁側係合部と、上記外向面部の後端から上記額縁側係合部と反対側に延設された固定板部とを有し、
上記Lジョイナーは、上記前板部を上記下地材の前面に固定すると共に、上記内側板部を上記下地材の内側面に配置するように配設されており、
上記額縁部材は、上記額縁側係合部を上記ジョイナー側係合部に係合させると共に、上記固定板部を下地材に固定し、上記外向面部を上記外壁板の端部に対向配置し、上記化粧部によって開口部周りを化粧するような状態で配設されていることを特徴とする開口部周り施工構造。
【請求項9】
請求項8において、上記開口部周り化粧部材は、長手方向に連続する中空部を有し、上記化粧板部、上記内向面部及び上記外向面部は、上記中空部の一部を形成していることを特徴とする開口部周り施工構造。
【請求項10】
請求項9において、上記額縁部材は、上記中空部の両端部をそれぞれ塞ぐキャップ部材を取り付けてなることを特徴とする開口部周り施工構造。
【請求項11】
請求項10において、上記額縁部材のうち、上記開口部の上辺及び下辺にそれぞれ配された上辺額縁部材及び下辺額縁部材は、上記内向面部を前方へ向かうほど外側へ広がるように傾斜させてなり、上記上辺額縁部材の上記内向面部と上記下辺額縁部材の上記内向面部とは互いに同じ傾斜角度を有しており、かつ、上記キャップ部材の外側面は、上記内向面部の傾斜に沿うように傾斜しており、上記内向面部に面接触していることを特徴とする開口部周り施工構造。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか一項において、上記額縁部材のうち、上記開口部の上辺及び下辺にそれぞれ配された上辺額縁部材及び下辺額縁部材は、上記化粧部の下端から下方へ突出した突出板部を有することを特徴とする開口部周り施工構造。
【請求項13】
請求項8〜12のいずれか一項において、上記額縁部材は、アルミの押し出し成形品からなることを特徴とする開口部周り施工構造。
【請求項14】
請求項8〜13のいずれか一項において、上記開口部周り施工構造は、リフォーム用であって、上記下地材は、既存壁の前面に固定されていることを特徴とする開口部周り施工構造。
【請求項15】
請求項8〜14のいずれか一項において上記Lジョイナーの上記前板部と上記額縁部材との間には、空隙部が形成されていることを特徴とする開口部周り施工構造。
【請求項16】
建物の開口部の周りに開口部周り化粧部材を配設して、開口部周りを施工する方法であって、
上記開口部周り化粧部材は、前板部と該前板部の一端から後方に延びる内側板部と上記前板部の一端から前方に突出形成されたジョイナー側係合部とを備えるLジョイナーと、外向面部と内向面部と上記外向面部及び上記内向面部の前端を連結する化粧部と上記内向面部の後端部に形成された額縁側係合部とを備える額縁部材とを、それぞれ4本有してなり、
上記開口部周りの施工に当たっては、開口部の上下左右の4辺に沿って外壁板の下地として配された下地材に、Lジョイナーを固定するLジョイナー固定工程と、
上記Lジョイナーに額縁部材を係合させると共に、上記下地材に固定する額縁部材取付工程と、
上記額縁部材に端部を対向配置するように外壁板を取り付ける外壁板取付工程と、
上記外壁板の端部と上記額縁部材との間にシーリング材を打設するシーリング材打設工程とを行い、
上記Lジョイナー固定工程においては、上記前板部を上記下地材の前面に固定すると共に、上記内側板部を上記下地材の内側面に配置するように上記下地材を配設し、
上記額縁取付工程においては、上記額縁側係合部を上記ジョイナー側係合部に係合させると共に、上記固定板部を下地材に固定し、上記化粧部によって開口部周りを化粧するような状態で上記額縁部材を配設し、
上記外壁板取付工程においては、上記外壁板の端部を上記外向面部に対向配置することを特徴とする開口部周り施工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−307497(P2006−307497A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−129829(P2005−129829)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【出願人】(000110860)ニチハ株式会社 (182)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【出願人】(000110860)ニチハ株式会社 (182)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]