説明

関節炎の状態を治療するための製剤

本発明は、関節リウマチ、より一般的には関節炎の状態を治療するための、鎮痛薬/抗炎症薬、免疫調節物質、および軟骨再生物質の組合せを含み、特にサリゲニン、ボスウェリア酸、プロシアニジン、N−アセチルグルコサミン、およびグルクロン酸またはグルクロノラクトンのいずれかを含む製剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関節リウマチ、より一般的には関節炎の状態を治療するための、鎮痛薬/抗炎症薬、免疫調節物質、および軟骨修復物質の組合せを含む製剤に関する。これらの物質の組合せは、様々な作用機序を介して作用し、痛みを緩和し、関節の損傷の進行を防ぐ。
【背景技術】
【0002】
関節リウマチは、かなりの部分の高齢者を冒す慢性の変性疾患であり、患者に深刻な問題を引き起こす。関節リウマチおよび関節炎の状態の病因は、最初は免疫系であり、次いで関節内の表面を侵食し不可逆性で痛みを伴う変形損傷を起こす炎症の状態である。
【発明の開示】
【0003】
本発明は、長期治療の後でも重大な副作用なく、特に効果的な治療効果をもたらすことのできる有効成分の組合せを含む組成物に関する。
【0004】
本発明の薬剤製剤は、
純粋なサリゲニン、もしくはその誘導体、またはサリゲニンに富むサリックスルブラ(Salix rubra)抽出物から選択されるそれらを含む抽出物と;
実質的に純粋なボスウェリア酸、またはその半合成誘導体、またはボスウェリア酸に富むフランキンセンス(Boswellia serrata)抽出物と;
ヨーロッパブドウ(Vitis vinifera)由来もしくはカメリア シネンシス(Camellia sinensis)由来のプロシアニンジン、またはレインもしくはその親油性誘導体と;
N−アセチルグルコサミンと;
グルクロン酸、またはグルクロノラクトンと、
を含む。
【0005】
サリゲニン誘導体の例には酢酸エステルまたは酪酸エステルが含まれ、ボスウェリア酸の誘導体には薬剤上許容される塩またはエステルが含まれる。
【0006】
本発明の製剤は、好ましくは、
サリゲニンを25重量%含むサリックスルブラ抽出物と;
ボスウェリア酸を20重量%含むフランキンセンス抽出物と;
ヨーロッパブドウ由来もしくはカメリア シネンシス由来の、場合によりリン脂質と複合体を形成したプロシアニンジン、またはレインもしくはその親油性誘導体と;
N−アセチルグルコサミンと;
グルクロン酸、またはグルクロノラクトンと、
を含む。
【0007】
サリックスルブラ抽出物と、フランキンセンス抽出物と、プロシアニンジンと、N−アセチルグルコサミンと、グルクロン酸またはグルクロノラクトンとは、重量比でそれぞれ2:1:1:1:1で製剤中に存在するのが好ましい。
【0008】
製剤は、典型的には、25%サリックス抽出物を100〜500mg、プロシアニンジンを場合によりリン脂質との複合体の形態で50〜150mg、フランキンセンス抽出物を20〜200mg、グルコサミンと、グルクロン酸またはグルクロノラクトンと、をそれぞれ10〜500mgを含む。
【0009】
ヨーロッパブドウ由来のプロアントシアニジンは、GB−A−1541469もしくはFR−A−2092743で、またはEP 348781で開示されたものにより得ることができ、対応するリン脂質複合体はUS 4963527から知られ、カメリア シネンシス抽出物は、例えば、EP 814823に開示されている。
【0010】
ボスウェリア(Boswellia)およびボスウェリア酸抽出物は、サリゲニンに富むサリックスルブラ抽出物と同様に、既知の方法により調製することができ、また市販されてもいる。
【0011】
製剤は、軟ゼラチンカプセルもしくは硬ゼラチンカプセルの形態、錠剤、または経口投与に適した他の形態である。好ましくは担体としてメマツヨイグサ(Enothera biennis)油を含むカプセル剤である。
【0012】
ヨーロッパブドウまたはカメリア シネンシス由来のプロシアニンジンは、抗ラジカル作用を有し、プロテオグリカン加水分解性金属プロテアーゼを阻害し、またシクロオキシゲナーゼ2(COX−2)と相乗的に作用しサリックスおよびボスウェリア抽出物中に存在する成分を阻害する。
【0013】
プロアントシアニジンの代わりに、ある種のアントラキノン、主にレイン(rhein)または例えばジアセレイン(diacerhein)のようなレインの親油性誘導体、を使用することができるが、これらは細胞の増殖を減少させ、プロテオグリカン合成を刺激する。
【0014】
N−アセチルグルコサミン、グルクロン酸、またはグルクロノラクトンは、結合組織の構築単位と考えられ、前述した成分とともに、症状の改善に寄与する重要な回復プロセスとしての関節でのプロテオグルカンの再合成を促進するものであるので、これらにより、本発明の製剤の治療上の特性(プロファイル)が完全なものとなる。
【0015】
本発明の組成物は、一日あたり1回または繰り返しの投与を行う連日投与で、回復または症状が緩和するまで長期間投与することができる。
(実施例)
本発明は、以下の実施例によりさらに説明される。
【0016】
実施例I セルロースカプセルの調製
各カプセルは以下のものを含有する。
サリックスルブラ抽出物(サリゲニン25%) 200mg
フランキンセンス抽出物(ボスウェリア酸20%) 100mg
緑茶抽出物(プロシアニジン70%) 100mg
N−アセチルグルコサミン 100mg
グルクロノラクトン 100mg
メマツヨイグサ油 700mgまでの適量
実施例II カプセルの調製
各カプセルは以下のものを含有する。
サリックス抽出物(サリゲニン25%) 200mg
フランキンセンス抽出物(ボスウェリア酸20%) 100mg
ジアセレイン 100mg
N−アセチルグルコサミン 100mg
グルクロノラクトン 100mg
メマツヨイグサ油 700mgまでの適量
実施例Iの製剤を、関節リウマチまたは関節炎の状態に罹患している患者に投与したところ、痛みの緩和、冒された四肢の可動性の改善、関節の生体組織検査、および健康感の面で着実な臨床上の結果を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
純粋サリゲニンもしくはその誘導体、またはサリゲニンに富むサリックスルブラ抽出物から選択されるそれらを含む抽出物と;
実質的に純粋なボスウェリア酸もしくはその半合成誘導体、またはボスウェリア酸に富むフランキンセンス抽出物と;
ヨーロッパブドウ由来もしくはカメリアシネンシス由来のプロシアニンジン、またはレインもしくはその親油性誘導体と;
N−アセチルグルコサミンと;
グルクロン酸またはグルクロノラクトンと、
を含む製剤。
【請求項2】
サリゲニンを25重量%含むサリックスルブラ抽出物と;
ボスウェリア酸を20%含むフランキンセンス抽出物と;
ヨーロッパブドウ由来もしくはカメリアシネンシス由来の、場合によりリン脂質と複合体を形成したプロシアニンジン、またはレインもしくはその親油性誘導体と;
N−アセチルグルコサミンと;
グルクロン酸またはグルクロノラクトンと、
を含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
サリックスルブラ抽出物と、フランキンセンス抽出物と、プロシアニンジンと、N−アセチルグルコサミンと、グルクロン酸またはグルクロノラクトンとが、重量比でそれぞれ2:1:1:1:1で存在する、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
25%サリックスルブラ抽出物を100〜500mg、場合によりリン脂質との複合体の形態であるプロシアニンジンを50〜150mg、フランキンセンス抽出物を20〜200mg、グルコサミンと、グルクロン酸またはグルクロノラクトンと、をそれぞれ10〜500mg含む、請求項2に記載の製剤。
【請求項5】
担体としてメマツヨイグサ油を含むカプセル剤の形態である、請求項1から3のいずれかに記載の製剤。
【請求項6】
関節リウマチおよび関節炎の状態を治療するための、医薬の、栄養補助食品の、または食餌の組成物を調製するための、
純粋サリゲニンもしくはその誘導体、またはサリゲニンに富むサリックスルブラ抽出物から選択されるそれらを含む抽出物と;
実質的に純粋なボスウェリア酸もしくはその半合成誘導体、またはボスウェリア酸に富むフランキンセンス抽出物と;
ヨーロッパブドウ由来もしくはカメリアシネンシス由来のプロシアニンジン、またはレインもしくはその親油性誘導体と;
N−アセチルグルコサミンと;
グルクロン酸またはグルクロノラクトンと;
の組合せの使用。

【公表番号】特表2007−513051(P2007−513051A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515812(P2006−515812)
【出願日】平成16年6月1日(2004.6.1)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005875
【国際公開番号】WO2005/002611
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(591092198)インデナ エッセ ピ ア (52)
【Fターム(参考)】