説明

防水カバー及びその製造方法

【課題】吸音性に優れ、しかも安価な防水カバー及びその製造方法を提供する。
【解決手段】自動車ドア2のインナパネル4とドアトリム6の間に介装される防水カバー1であって、該防水カバー1の少なくとも一部に複数の独立気泡17が形成された吸音シート16を有し、該吸音シート16が、凸状のキャップ18が複数形成されたキャップフィルム19と、平坦なバックフィルム20を接着させることにより形成された独立気泡17を有するものであり、前記キャップフィルム19がインナパネル4と対向し、前記バックフィルム20がドアトリム6と対向するようにして介装される防水カバー1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車ドアのインナパネルとドアトリムの間に介装され、車室内に水が浸入するのを防止する防水カバー及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車ドアから車室内への水の浸入を防止するため、自動車ドアのインナパネルとドアトリムの間には防水カバーが配置される。このような防水カバーとしては、従来、ポリエチレンシートなどが用いられてきた。ポリエチレンシートは裁断された後に、必要に応じて、立体形状に成形される。こうして得られた防水カバーは、インナパネルにブチルテープなどを用いて固定されることにより配置される。
【0003】
さらに、近年、車室内の静粛性を向上させるため、吸音性を有する防水カバーが求められている。これまでに、ポリエチレンシートに不織布や発泡ウレタンからなる吸音材を張り付けることにより吸音性を向上させた防水カバーなどが知られている。しかしながら、これらの吸音材は高価であるため、コストの増加を招いていた。
【0004】
特許文献1には、柔軟な弾性を有する高分子有機材料により形成される第1層と、柔軟な弾性を有する高分子有機材料により形成されて前記第1層に沿い積層状に固着してなる第2層とを備え、当該第2層に前記第1層から離れる方向へ隆起した部分を多数形成することにより気泡部を形成してなる自動車用吸音シートが記載されている。そして、エンジン音等の騒音の伝搬の向きに前記第2層が対向するように前記吸音シートを設けることにより、前記吸音シートに入射した騒音の反射が、各気泡部のもとに、良好に抑制されるとされている。しかしながら、当該自動車用吸音シートは、吸音性が未だ不十分であった。
【0005】
特許文献2には、自動車の乗員室内に敷設して前記乗員室内の静粛性を高める自動車用内装材であって、前記乗員室を構成する鋼板パネルの前記乗員室側の面に積層された、2枚の樹脂フィルムの間に気体を複数の小分室に分割して封入して成る気体包含層と、該気体包含層の、前記鋼板パネル側と反対側の面側に積層された重質層とから構成されている自動車用内装材が記載されている。当該自動車用内装材は、広い周波数において吸音性、遮音性及び振動遮断性に優れると記載されている。実施例には、ドアパネルの内側パネルの乗員室側となる面に気体包含層が積層され、当該気体包含層の乗員室側の面に緩衝材層(フェルト)が積層され、さらに当該緩衝材層の乗員室側の面及び前記内側パネルの乗員室側の面を覆う重量層(ドアトリム)が前記内側パネルに取り付けられた自動車用内装材が記載されている。しかしながら、当該自動車用吸音シートは、吸音性が未だ不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−208618号公報
【特許文献2】特開平11−217051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、吸音性に優れ、しかも安価な防水カバー及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、自動車ドアのインナパネルとドアトリムの間に介装される防水カバーであって、該防水カバーの少なくとも一部に複数の独立気泡が形成された吸音シートを有し、該吸音シートが、凸状のキャップが複数形成されたキャップフィルムと、平坦なバックフィルムを接着させることにより形成された独立気泡を有するものであり、前記キャップフィルムがインナパネルと対向し、前記バックフィルムがドアトリムと対向するようにして介装されることを特徴とする防水カバーを提供することによって解決される。
【0009】
このとき、前記独立気泡の底面の最大内接円の直径が5〜50mmであることが好適である。凸状のキャップの高さが1〜20mmであることも好適である。
【0010】
前記キャップフィルムと前記バックフィルムが接着した接着部の厚さが30〜350μmであることも好適である。凸状のキャップにおける前記キャップフィルムの厚さが5〜300μmであることも好適である。前記バックフィルムの厚さが5〜300μmであることも好適である。
【0011】
前記吸音シートが、前記バックフィルムが接着していない側の前記キャップフィルムに、ライナーフィルムが接着したものであることが好適である。このとき、前記ライナーフィルムの厚さが5〜300μmであることが好適である。
【0012】
前記キャップフィルム、前記バックフィルム及び前記ライナーフィルムの少なくともいずれかが、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンと、熱可塑性エラストマー又はエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種の樹脂とを含有する樹脂組成物からなるものであることも好適である。
【0013】
本発明の防水カバーが、前記吸音シートのみからなるものであることが好適である。このとき、前記吸音シートの周縁部に前記独立気泡を有さないことが好適である。
【0014】
本発明の防水カバーが、前記吸音シートに、それより面積が広い基材シートが積層されたものであることも好適である。
【0015】
上記課題は、フィルムを熱成形することによって前記キャップフィルムを得た後に、該キャップフィルムを前記バックフィルムと接着させる防水カバーの製造方法を提供することによっても解決される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の防水カバーは、軽量かつ薄肉であるうえに、吸音性に優れ、しかも安価である。したがって、このような防水カバーは、重量やスペースに対する制限が厳しい自動車ドア用の防水カバーとして好適に用いられるとともに、当該防水カバーが配置された自動車は、車室内の静粛性が向上する。さらに、本発明の製造方法によれば、このような防水カバーが簡便に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の防水カバーを含む自動車ドアの概略を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の防水カバーの斜視図である。
【図3】本発明の吸音シートの斜視図である。
【図4】実施例1及び比較例1における、吸音特性の測定により得られた入射音の周波数と吸音率との関係を示す図である。
【図5】実施例2及び比較例2における、吸音特性の測定により得られた入射音の周波数と吸音率との関係を示す図である。
【図6】実施例3及び比較例3における、吸音特性の測定により得られた入射音の周波数と吸音率との関係を示す図である。
【図7】実施例4及び比較例4における、吸音特性の測定により得られた入射音の周波数と吸音率との関係を示す図である。
【図8】実施例5及び比較例5における、吸音特性の測定により得られた入射音の周波数と吸音率との関係を示す図である。
【図9】実施例1〜5における、吸音特性の測定により得られた入射音の周波数と吸音率との関係を示す図である。
【図10】実施例6、比較例6及び実施例2における、吸音特性の測定により得られた入射音の周波数と吸音率との関係を示す図である。
【図11】実施例7、比較例7及び実施例4における、吸音特性の測定により得られた入射音の周波数と吸音率との関係を示す図である。
【図12】実施例8及び比較例8における、吸音特性の測定により得られた入射音の周波数と吸音率との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の防水カバー1を含む自動車ドア2の概略を示す分解斜視図である。これを用いて、本発明の防水カバー1の使用態様の一例を簡単に説明する。自動車ドア2は、鋼板製のアウタパネル3とインナパネル4とからなるドア本体5と、上記インナパネル4の窓開口より下方部分の車室内側の側面に装着される化粧用のドアトリム6とから構成される。インナパネル4とドアトリム6の間に防水カバー1が介装されて、車室内に水が浸入するのを防止する。上記アウタパネル3とインナパネル4との間の空間内には、窓ガラスを昇降させるウィンドウレギュレータやスピーカ7等の装備部品が収容される。
【0019】
上記防水カバー1には、通常、スピーカ挿入孔8が開けられており、スピーカ挿入孔8にスピーカ7を挿入し、スピーカ7と防水カバー1との間で水が漏れないように密着させる。当該スピーカ7は、上記インナパネル4に設けられた開口部9内に装着され、スピーカ7内に水が浸入するのを防止できるように防水手段が設けられている。また、防水カバー1には、必要に応じて、緩衝材用ケース挿入孔10、11が開けられる。当該緩衝材用ケース挿入孔10、11に、緩衝材用ケース12、13を挿入して、水が漏れないように接着させる。当該緩衝材用ケース12、13内には、側方からの衝撃を吸収するための緩衝材14、15が挿入される。ここで、緩衝材用ケース12、13を用いる代わりに、防水カバー1を成形して凹部を形成し、当該凹部に緩衝材14、15を挿入してもよい。防水カバー1には、その他、配線などが貫通するスリットが必要に応じて設けられている。
【0020】
図2は、本発明の防水カバー1の一例を示す斜視図である。図2に示されている防水カバー1は、吸音シート16に基材シート22が積層された態様のものである。本発明の防水カバー1は、当該防水カバー1の少なくとも一部に複数の独立気泡17が形成された吸音シート16を有する。図3に、本発明の吸音シートの一例の斜視図を示す。本発明の吸音シート16は、凸状のキャップ18が複数形成されたキャップフィルム19と、平坦なバックフィルム20を接着させることにより形成された独立気泡17を有する。防水カバー1を自動車ドア2に介装するに際して、前記キャップフィルム19は、インナパネル4と対向し、前記バックフィルム20がドアトリム6と対向するようにして介装される必要がある。これにより、本発明の防水カバー1は、車室内の騒音に対する優れた吸音性を有するようになる。本発明の防水カバー1は、車室内の騒音を効率よく吸音することにより、車室内の静寂性を効果的に高めることができる。
【0021】
前記キャップフィルム19の材料の樹脂組成物としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)などのポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;アクリル樹脂を主成分として含有するものなどが挙げられる。なかでも、耐水性が優れ、かつ安価なポリエチレンを主成分とする樹脂組成物が好適であり、柔軟性に優れるLDPE又はLLDPEを主成分とするものが特に好適である。キャップフィルム19が柔軟であることにより、スピーカ振動に由来するビビリ音や、運転中の風による振動音が低減する。LDPEの密度は、通常0.90g/cmを超え、0.93g/cm以下である。密度が0.90g/cm以下である場合には、強度が低下するとともに、形態保持性も低下するおそれがある。一方、密度が0.93g/cmを超えると、柔軟性が低下し、ビビリ音や振動音の抑制効果が低下するおそれがある。LLDPEの密度は、通常0.90g/cmを超え、0.94g/cm以下である。密度が0.90g/cm以下である場合には、強度が低下するとともに、形態保持性も低下するおそれがある。一方、密度が0.94g/cmを超えると、柔軟性が低下し、ビビリ音や振動音の抑制効果が低下するおそれがある。
【0022】
前記キャップフィルム19の材料の前記樹脂組成物は、さらに他の樹脂を含有していてもよい。前記樹脂組成物に含有させる他の樹脂の含有量は、50重量%以下であることが好適である。前記樹脂組成物に含有させる他の樹脂の含有量が50重量%を超える場合には、キャップフィルム19の強度が低下するおそれがある。
【0023】
前記キャップフィルム19の材料である樹脂組成物が、LDPE又はLLDPEと、熱可塑性エラストマー又はエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種の樹脂とを含有する樹脂組成物であることが好適である。LDPE又はLLDPEとともに、これらの樹脂が含有することにより、前記キャップフィルム19がさらに柔軟になり、スピーカ振動に由来するビビリ音や、運転中の風による振動音がさらに低減する。前記樹脂組成物中における、LDPE又はLLDPEとともに含有させる上述の樹脂の含有量は、2〜50重量%であることが好適である。LDPE又はLLDPEとともに含有させる上述の樹脂の含有量が2重量%未満の場合には、キャップフィルム19を柔軟にさせる効果が得られないおそれがある。一方、50重量%を超える場合には、キャップフィルム19の強度が低下するおそれがある。
【0024】
前記キャップフィルム19の材料である樹脂組成物に、LDPE又はLLDPEとともに含有させる熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系熱可塑性エラストマー又はスチレン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられ、なかでも、LDPEやLLDPEとの相容性がよいオレフィン系熱可塑性エラストマーが好適であり、エチレン−プロピレン共重合体がより好適である。
【0025】
前記キャップフィルム19の材料である樹脂組成物が、LDPE又はLLDPEと、エチレン−プロピレン共重合体を含有する樹脂組成物であることがより好適である。この場合には、LDPE又はLLDPEと、エチレン−プロピレン共重合体の相容性が良好である。エチレン−プロピレン共重合体の密度は通常0.85g/cm以上、0.90g/cm以下である。密度が0.85g/cm未満の場合には、樹脂の結晶性が極めて低くエチレン−プロピレン共重合体自身のハンドリングが困難になるおそれがある。一方、密度が0.90g/cmを超えたのでは、キャップフィルム19に柔軟性や振動吸収性を付与する効果が不十分となるおそれがある。
【0026】
ここで、エチレン−プロピレン共重合体として、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)を使用することもできる。このときのジエン成分の含有量は通常10重量%以下であり、5重量%以下であることが好ましく、2重量%以下であることがより好ましい。少量のジエン成分が含まれているエチレン−プロピレン−ジエン共重合体は汎用のエラストマー材料として安価に入手することが可能であるから、エチレンとプロピレンのみからなる共重合体と同様に使用することができる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合体を使用する際には、LDPE又はLLDPEと混練する際に架橋剤を使用して、樹脂組成物中でエチレン−プロピレン−ジエン共重合体を架橋させても構わないが、製造コスト面からは、通常特に架橋させる必要はない。
【0027】
前記樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、その他の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、無機フィラー、滑剤、熱安定剤もしくは酸化防止剤などが挙げられる。このような添加剤の含有量は、通常、10重量%以下である。
【0028】
前記樹脂組成物を用いて、キャップフィルム19を成形する。このときの成形方法は特に限定されない。通常、Tダイを使用した押出し成形、インフレーション成形などにより平坦なフィルムを製膜した後に、得られたフィルムに真空成形などによりキャップ18を形成することによりキャップフィルム19を得ることができる。キャップ18の形成には、通常、キャップ18の形状に対応する形状の凹部が表面に形成され、当該凹部の底が真空吸引源に接続された成形ロールが用いられる。
【0029】
前記バックフィルム20の材料である樹脂組成物としては、前記キャップフィルム19の材料である樹脂組成物として上述したものを使用することができる。バックフィルム20とキャップフィルム19の接着性の観点からは、バックフィルム20の材料である樹脂組成物は、キャップフィルム19の材料の樹脂組成物と同じものを用いることが好ましい。この場合には、熱融着によりキャップフィルム19とバックフィルム20を簡便にかつ強固に接着させることができる。
【0030】
前記バックフィルム20の成形方法は特に限定されない。通常、Tダイを使用した押出し成形、インフレーション成形などにより製膜することにより、平坦なバックフィルム20を得ることができる。
【0031】
凸状のキャップ18が複数形成されたキャップフィルム19と、平坦なバックフィルム20を接着させることにより独立気泡17が形成された吸音シート16を得る。このとき、キャップフィルム19における、キャップ18が形成されている部分以外の平坦な部分において、バックフィルム20を接着させる。これにより、キャップフィルム19に複数形成されているキャップ18の底の開口部がバックフィルム20により塞がれ、複数の独立気泡17が形成される。通常、キャップフィルム19における、キャップ18が形成されている部分以外の平坦な部分全体がバックフィルム20と接着する。以下、吸音シート16におけるキャップフィルム19とバックフィルム20が接着した部分を接着部21と呼ぶことがある。
【0032】
キャップフィルム19とバックフィルム20の接着方法は特に限定されない。キャップフィルム19とバックフィルム20を熱融着により接着させる方法や接着シートを介してキャップフィルム19とバックフィルム20を接着させる方法などを用いることができる。コストや接着性の観点からは、キャップフィルム19とバックフィルム20を熱融着により直接接着する方法が好適である。キャップフィルム19の材料の樹脂組成物とバックフィルム20の材料の樹脂組成物が異なる場合には、接着シートを介してキャップフィルム19とバックフィルム20を接着させる方法が好適である。
【0033】
キャップフィルム19とバックフィルム20を熱融着により直接接着させる場合には、例えば、上述の成形ロールを用いてキャップフィルム19にキャップ18を形成した直後に、当該成形ロールに密着しているキャップフィルム19の当該成形ロールが接触していない側に、軟化したバックフィルム20を熱融着させる方法が用いられる。接着シートを介してキャップフィルム19とバックフィルム20を接着させる場合には、例えば、上述の成形ロールを用いてキャップフィルム19にキャップ18を形成した直後に、当該成形ロールに密着しているキャップフィルム19の当該成形ロールが接触していない側に、軟化した接着シートを介してバックフィルム20を接着させる方法が用いられる。
【0034】
本発明において、吸音シート16における、キャップフィルム19とバックフィルム20が接着した接着部21の厚さが30〜350μmであることが好適である。接着部21の厚さがこのような範囲である場合には、接着部21に音が到達した際に、接着部21が強く膜振動するため、吸音性がより向上する。接着部21の厚さが30μm未満の場合には、吸音性が低下するおそれがある。接着部21の厚さが55μm以上であることがより好適であり、70μm以上であることがさらに好適である。接着部21の厚さが350μmを超える場合には、防水カバー1が重くなり過ぎたり、コスト高になるおそれがある。前記厚さが250μm以下であることがより好適であり、200μm以下であることがさらに好適である。
【0035】
本発明において、吸音シート16において、凸状のキャップ18におけるキャップフィルム19の厚さが5〜300μmであることが好適である。凸状のキャップ18におけるキャップフィルム19の厚さが5μm未満である場合には、防水カバー16の強度が低下するおそれがある。凸状のキャップ18におけるキャップフィルム19の厚さが300μmを超える場合には、防水カバー1が重くなり過ぎたり、コスト高になるおそれがある。凸状のキャップ18における前記キャップフィルム19の厚さが200μm以下であることがより好適である。
【0036】
本発明において、吸音シート16における、バックフィルム20の厚さが5〜300μmであることが好適である。バックフィルム20の厚さが5μm未満である場合には、防水カバー1の強度が低下するおそれがある。バックフィルム20の厚さが300μmを超える場合には、防水カバー1が重くなり過ぎたり、コスト高になるおそれがある。前記バックフィルム20の厚さが200μm以下であることがより好適である。
【0037】
本発明において、吸音シート16に形成される独立気泡17の形状は特に限定されず、例えば、円筒形、角筒状、円錐状、角錐状及び半球状などが挙げられる。吸音シート16中における、独立気泡17の配置は特に限定されず、千鳥状や格子状などが挙げられる。
【0038】
本発明において、吸音シート16に形成される独立気泡17の底面の最大内接円の直径が5〜50mmであることが好適である。最大内接円の直径が上記の範囲である場合には、防水カバー1の吸音性がより向上する。前記直径が5mm未満の場合には、防水カバー1の吸音性が低下するおそれがある。前記直径が8mm以上であることがより好適であり、15mm以上であることがさらに好適である。
【0039】
本発明において、吸音シート16に形成される独立気泡17における、凸状のキャップ18の高さが1〜20mmであることが好適である。凸状のキャップ18の高さとは、独立気泡17の底面からキャップ18の上部までの高さのことである。キャップ18の高さが上記の範囲である場合には、防水カバー1の吸音性がより向上する。キャップ18の高さが1mm未満の場合には、防水カバー1の吸音性が低下するおそれがある。キャップ18の高さが3mm以上であることがより好適であり、5mm以上であることがさらに好適である。一方、キャップ18の高さが20mmを超える場合には、防水カバー1が厚くなり過ぎ、自動車ドア2内に介装することが困難になるおそれがある。
【0040】
本発明において、吸音シート16における、前記独立気泡17が占める面積の比率は、通常60〜80%である。独立気泡17が占める面積とは、吸音シート16に形成された複数の独立気泡17における底面の面積の合計である。
【0041】
本発明において、吸音シート16が、バックフィルム20が接着していない側のキャップフィルム19に、ライナーフィルムがさらに接着したものであることが好適である。これにより、吸音性、特に低周波数における吸音性がより向上する。また、吸音シート16の強度が向上する。さらに、吸音シート16をインナパネル4や他の層と張り合わせる際に、接着が容易になる。
【0042】
前記ライナーフィルムの材料である樹脂組成物としては、キャップフィルム19の材料である樹脂組成物として上述したものを使用することができる。キャップフィルム19とライナーフィルムの接着性の観点からは、ライナーフィルムの材料である樹脂組成物は、キャップフィルム19の材料の樹脂組成物と同じものを用いることが好ましい。この場合には、熱融着によりキャップフィルム19とライナーフィルムを簡便にかつ強固に接着させることができる。
【0043】
本発明において、吸音シート16は、キャップフィルム19、バックフィルム20及び前記ライナーフィルムの少なくともいずれかが、キャップフィルム19の材料である樹脂組成物として上述した、LDPE又はLLDPEと、熱可塑性エラストマー又はエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種の樹脂とを含有する樹脂組成物からなるものであることが好適である。吸音シート16が、非常に柔軟なフィルムを有することにより、スピーカ振動に由来するビビリ音や、運転中の風による振動音が低減する。
【0044】
前記ライナーフィルムの成形方法は特に限定されないが、通常、Tダイを使用した押出し成形、インフレーション成形などにより平坦なライナーフィルムを得ることができる。
【0045】
前記ライナーフィルムをキャップフィルム19に接着させる方法は特に限定されない。例えば、キャップフィルム19とバックフィルム20を接着させた後に、キャップフィルム19におけるキャップ18の上部に、予熱して軟化した前記ライナーフィルムを熱融着させることにより接着させることができる。
【0046】
前記ライナーフィルムの厚さが5〜300μmであることが好適である。ライナーフィルムの厚さが5μm未満である場合には、防水カバーの強度を向上させる効果が得られないおそれがある。ライナーフィルムの厚さが300μmを超える場合には、防水カバーが重くなり過ぎたり、コスト高になるおそれがある。前記ライナーフィルムの厚さが200μm以下であることがより好適である。
【0047】
本発明の防水カバー1は、防水カバー1の少なくとも一部に前記吸音シート16を有するものである。そして、本発明の防水カバー1は、前記キャップフィルム19がインナパネル4と対向し、前記バックフィルム20がドアトリム6と対向するようにして自動車ドア2内に介装される必要がある。本発明者らは、鋭意検討した結果、本発明の防水カバー1をこのようにして自動車ドア2内に介装した場合にのみ、当該防水カバー1が車室内の騒音に対して優れた吸音性を示し、それによって車室内の静寂性が向上することを見出した。
【0048】
本発明の防水カバー1における吸音の詳細なメカニズムは明らかになっていないが、次のようなことが推測される。車室内からの騒音が防水カバー1に到達する際には、音は最初にバックフィルム20に到達する。このとき、バックフィルム20が膜振動することにより、音のエネルギーの一部が熱エネルギーに変換され、吸音効果が得られる。
【0049】
本発明者らの検討の結果、吸音シート16における接着部21の厚さが吸音性に大きく影響することが確認されている。すなわち、本発明において、バックフィルム20が効率的に騒音を吸音することにより防水カバー1の吸音性が向上しているものと考えられる。
【0050】
バックフィルム20のインナパネル4側には、独立気泡17が形成されている。そのため、バックフィルム20とインナパネル4の間には空間が形成されている。したがって、バックフィルム20がインナパネル4と接触することにより膜振動が遮られることがなく、バックフィルム20が膜振動し易いと考えられる。
【0051】
一方、バックフィルム20により吸音されなかった音は、その大部分がバックフィルム20を透過する。透過した音の一部は、キャップフィルム19のキャップ18に到達し、キャップ18が膜振動することにより吸音される。バックフィルム20及びキャップ18を透過した音は、インナパネル4に到達した後に、その大部分が反射して再び吸音シート16に到達する。このとき、キャップ18やバックフィルム20が前述のように膜振動することにより、さらに騒音が吸音される。
【0052】
防水カバー1が、キャップフィルム19がインナパネル4と対向し、バックフィルム20がドアトリム6と対向するようにして介装されるものであることが本発明の最大の特徴である。これによって、バックフィルム20とインナパネル4の間に空間が形成され、バックフィルム20による吸音効果が最大限に発揮されるようになる。このようにして本発明の防水カバー1が、車室内に一旦入った騒音を効率的に吸音することにより、車室内の静寂性が向上するものと考えられる。
【0053】
本発明の防水カバー1は、防水カバー1の少なくとも一部に吸音シート16を有するものであればよい。防水カバー1の全面に吸音シート16が配置されたものであってもよいし、防水カバー1の必要部分にのみ吸音シート16が配置されたものであってもよい。
【0054】
本発明の防水カバー1は、吸音シート16に、それより面積が広い基材シート22が積層されたものであることが好適である。この場合には、基材シート22でインナパネル4を覆うことにより、車室内への水の侵入が防止される。さらに、防水カバー1を立体成形する場合には、基材シート22における、吸音シート16が配置されていない部分を立体成形することによって、容易に成形することができる。通常、基材シート22は、防水カバー1の外形に対応する形状に裁断する。吸音性の観点からは、吸音シート16が基材フィルム22よりもドアトリム側に配置されることが好ましい。基材シート22の材料の樹脂組成物としては、キャップフィルム19の材料の樹脂組成物として前述したものを用いることができる。基材シート22と吸音シート16の接着方法は特に限定されない。例えば、予熱して軟化した基材シート22に吸音シート16を熱融着させることにより接着させる方法、接着剤を使用する方法などが挙げられる。
【0055】
本発明の防水カバー1が吸音シート16のみからなるものであることも好適である。この場合には、防水カバー1のコストがさらに低減する。吸音シート16は、耐水性に優れる。したがって、本発明の防水カバー1が、吸音シート16のみからなる場合であっても車室内への水の侵入が防止される。防水カバー1は吸音シート16を外形形状に裁断した後に、必要に応じて立体形状に成形することにより得ることができる。
【0056】
本発明の防水カバー1が吸音シート16のみからなるものである場合には、吸音シート16の周縁部に独立気泡17を有さないことが好ましい。すなわち、吸音シート16の周縁部が平坦であることにより、吸音シート16のみからなる防水カバー1を容易にかつ密着性よくインナパネル4に取り付けることができる。このような周縁部は、熱プレスなどにより、独立気泡17を押し潰すことにより形成することができる。また、周縁部に相当する部分にキャップ18が形成されていないキャップフィルム19を用いることにより、周縁部に独立気泡17を有さない吸音シート16を作製することもできる。
【0057】
本発明の防水カバー1は、吸音シート16が複数積層されていてもよい。これにより、防水カバー1の吸音性がさらに向上すると考えられる。このとき、独立気泡17の底面の最大内接円の直径及び/又は凸状のキャップ18の高さが異なる吸音シート16を積層することがより好ましい。この場合には、防水カバー1により吸音される音の波長範囲が広がると考えられる。
【0058】
本発明の防水カバー1は、さらに、他の層を有しても構わない。例えば、不織布やフェルトなどの繊維集合体、ポリウレタンなどの発泡体などの多孔質材からなる層などが挙げられる。吸音性の観点からは、他の層が、吸音シート16のキャップフィルム19側に積層されることが好ましい。他の層が吸音シート16のバックフィルム20に積層された場合には、バックフィルム20の膜振動が妨げられ、防水カバー1の吸音性が低下するおそれがある。
【0059】
こうして製造された本発明の防水カバー1は、自動車ドア2のインナパネル4とドアトリム6の間に介装される。具体的には、ブチルゴム製の両面粘着テープをインナパネル4に貼り付けて、それに本発明の防水カバー1を押し付けて、防水カバー1の周囲を粘着テープで接着する態様などが好適である。このとき、配線などが防水カバー1を貫通することもあり、その場合には、配線の貫通部をシールして水が浸入しないようにすることが好ましい。防水カバー1をインナパネル4に接着してからドアトリム6が装着される。
【0060】
車室内の静粛性を向上させるためには、防水カバー1が、一旦車室内に入った騒音に対する吸音性に優れていることが効果的である。さらに、自動車ドア2内に配置される防水カバー1は、重量や厚さが制限される。軽量かつ薄肉であるうえに、一旦車室内に入った騒音に対する吸音性に優れている本発明の防水カバー1は、自動車ドア2用の防水カバー1として優れた特性を有している。しかも、本発明の防水カバー1は安価である。
【実施例】
【0061】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
【0062】
実施例1
原料のLDPE(密度0.917g/cm、MFR7.84g/10分)をキャップフィルム19用の押出成形機およびバックフィルム20用の押出成形機にそれぞれ投入して、それぞれのTダイからフィルムを押し出した。押し出された軟化した状態の各フィルムを成形ロールに送った。当該成形ロールは、キャップ18の形状に対応する形状の凹部が表面に形成され、当該凹部の底が真空吸引源に接続されたものである。当該成形ロールを用いてキャップフィルム19用のフィルムにキャップ18を成形した後に、キャップフィルム19に軟化した状態のバックフィルム20を熱融着させることにより、吸音シート16を作製した。得られた吸音シート16に形成された独立気泡17の形状は、角が丸みを帯びた円筒状であった。形成された独立気泡17における底面の内径が20mmであり、底面からキャップ18上部までの高さが8mmであった。得られた吸音シート16における、独立気泡17が占める面積の比率は、75%であった。ここで、当該比率は、吸音シート16に形成された複数の独立気泡17における底面の面積の合計を吸音シート16の面積で割ることにより算出した。キャップフィルム19とバックフィルム20が接着した接着部21の厚さが80μmであり、独立気泡17のキャップ18上部におけるキャップフィルム19の厚さが10μmであり、独立気泡17の底面におけるバックフィルム20の厚さが10μmであった。こうして得られた防水カバー16の吸音特性を測定した。防水カバー1の吸音特性の測定には、ブリューエル・ケアー社製4206型インピーダンス管を使用し、JIS:A1405−2に基づいて測定した。吸音特性の測定に際し、バックフィルム20側に音を入射した。測定により得られた入射音の周波数と吸音率との関係を図4および図9に示す。
【0063】
実施例2〜5
実施例1において、各フィルムの厚さ及びキャップ18の大きさの設定を変更したこと以外は、実施例1と同様にして吸音シート16を作製した。得られた各吸音シート16における、各部分の厚さ、並びに、形成された独立気泡17の底面の内径及び底面からキャップ18上部までの高さを表1に示す。得られた各吸音シート16の吸音特性を実施例1と同様にして測定した。測定により得られた入射音の周波数と吸音率との関係を図5〜9に示す。
【0064】
実施例6
バックフィルム20が接着していない側のキャップフィルム19に、ライナーフィルムが接着した吸音シートの作製を行った。ライナーフィルムには、LDPE(密度0.917g/cm、MFR7.84g/10分)からなるフィルムを使用した。実施例2において得られた吸音シート16のキャップ18上部において、予熱することにより軟化したライナーフィルムを熱融着させることにより、ライナーフィルムを有する吸音シート16を得た。得られた吸音16シートにおける、各部分の厚さ、並びに、形成された独立気泡の底面の内径及び底面からキャップ18上部までの高さを表1に示す。得られた吸音シート16の吸音特性を実施例1と同様にして測定した。測定により得られた入射音の周波数と吸音率との関係を図10に示す。なお、データを比較するため、図10には、実施例2の結果も記載している。
【0065】
実施例7
実施例4において得られた吸音シート16を用いたこと以外は、実施例6と同様にして、バックフィルム20が接着していない側のキャップフィルム19に、ライナーフィルムが接着した吸音シート16の作製を行った。得られた吸音シート16における、各部分の厚さ、並びに、形成された独立気泡の底面の内径及び底面からキャップ18上部までの高さを表1に示す。得られた吸音シート16の吸音特性を実施例1と同様にして測定した。測定により得られた入射音の周波数と吸音率との関係を図11に示す。なお、データを比較するため、図11には、実施例4の結果も記載している。
【0066】
実施例8
LLDPE(密度0.923g/cm、MFR0.45g/10分)80重量部及びエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(密度0.88g/cm)20重量部を含有する樹脂組成物からなる平坦なフィルムに、キャップ18の形状に対応する形状の凹部が表面に形成され、当該凹部の底が真空吸引源に接続された成形ロールを用いてキャップ18を成形した。得られたキャップフィルム19に、予熱することにより軟化した接着シートを介して、バックフィルム20[LLDPE(密度0.923g/cm、MFR0.45g/10分)80重量部及びエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(密度0.88g/cm)20重量部を含有する樹脂組成物からなる平坦なフィルム]を接着し、吸音シート16を得た。得られた吸音シート16は、手で触った感触が非常に柔軟であり、吸音シートを手で擦った際に生じる「カサカサ音」が、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体を含有しない、LDPEからなる吸音シートと比較して小さかった。得られた吸音シート16における、各部分の厚さ、並びに、形成された独立気泡の底面の内径及び底面からキャップ18上部までの高さを表1に示す。得られた吸音シート16の吸音特性を実施例1と同様にして測定した。測定により得られた入射音の周波数と吸音率との関係を図12に示す。
【0067】
比較例1〜8
実施例1〜8において得られた各吸音シート16における、キャップフィルム19側に音を入射した場合の吸音特性を測定した。測定により得られた入射音の周波数と吸音率との関係を図4〜8、10〜12に示す。
【0068】
【表1】

【0069】
図4〜8に示されるように、キャップフィルム19とバックフィルム20の2層からなる各吸音シート16はバックフィルム20を音源に対向させた場合(実施例1〜5)に優れた吸音性を示した。一方、キャップフィルム19を音源に対向させた場合(比較例1〜5)には、いずれの吸音シート16もバックフィルム20を音源側に対向させた場合よりも吸音性が低下した。また、図9に示されるように、吸音シート16における接着部21の厚さが厚いほど吸音率が高かった。独立気泡17の底面の内径が大きいほど吸音率が高かった。また、底面からキャップ18上部までの高さが高いほど吸音率が高かった。
【0070】
図10及び11に示されるように、バックフィルム20が接着していない側のキャップフィルム19に、ライナーフィルムが接着した吸音シート16は、バックフィルム20を音源に対向させた場合(実施例6及び7)に、4000Hz以下の低い周波数において、ライナーフィルムを有さないもの(実施例2及び4)よりも吸音率が高かった。一方、キャップフィルム19を音源に対向させた場合(比較例6及び7)には、ライナーフィルムを有さないもの(実施例2及び4)より低い(比較例6)か同等(比較例7)の吸音率であった。
【符号の説明】
【0071】
1 防水カバー
2 自動車ドア
3 アウタパネル
4 インナパネル
5 ドア本体
6 ドアトリム
7 スピーカ
8 スピーカ挿入孔
9 開口部
10、11 緩衝材用ケース挿入孔
12、13 緩衝材用ケース
14、15 緩衝材
16 吸音シート
17 独立気泡
18 キャップ
19 キャップフィルム
20 バックフィルム
21 接着部
22 基材シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車ドアのインナパネルとドアトリムの間に介装される防水カバーであって、該防水カバーの少なくとも一部に複数の独立気泡が形成された吸音シートを有し、該吸音シートが、凸状のキャップが複数形成されたキャップフィルムと、平坦なバックフィルムを接着させることにより形成された独立気泡を有するものであり、前記キャップフィルムがインナパネルと対向し、前記バックフィルムがドアトリムと対向するようにして介装されることを特徴とする防水カバー。
【請求項2】
前記独立気泡の底面の最大内接円の直径が5〜50mmである請求項1に記載の防水カバー。
【請求項3】
凸状のキャップの高さが1〜20mmである請求項1又は2に記載の防水カバー。
【請求項4】
前記キャップフィルムと前記バックフィルムが接着した接着部の厚さが30〜350μmである請求項1〜3のいずれかに記載の防水カバー。
【請求項5】
凸状のキャップにおける前記キャップフィルムの厚さが5〜300μmである請求項1〜4のいずれかに記載の防水カバー。
【請求項6】
前記バックフィルムの厚さが5〜300μmである請求項1〜5のいずれかに記載の防水カバー。
【請求項7】
前記吸音シートが、前記バックフィルムが接着していない側の前記キャップフィルムに、ライナーフィルムが接着したものである請求項1〜6のいずれかに記載の防水カバー。
【請求項8】
前記ライナーフィルムの厚さが5〜300μmである請求項7に記載の防水カバー。
【請求項9】
前記キャップフィルム、前記バックフィルム及び前記ライナーフィルムの少なくともいずれかが、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンと、熱可塑性エラストマー又はエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種の樹脂とを含有する樹脂組成物からなる請求項1〜8のいずれかに記載の防水カバー。
【請求項10】
前記吸音シートのみからなる請求項1〜9のいずれかに記載の防水カバー。
【請求項11】
前記吸音シートの周縁部に前記独立気泡を有さない請求項10に記載の防水カバー。
【請求項12】
前記吸音シートに、それより面積が広い基材シートが積層された請求項1〜9のいずれかに記載の防水カバー。
【請求項13】
フィルムを熱成形することによって前記キャップフィルムを得た後に、該キャップフィルムを前記バックフィルムと接着させる請求項1〜12のいずれかに記載の防水カバーの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−180005(P2012−180005A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44031(P2011−44031)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000157278)丸五ゴム工業株式会社 (25)
【出願人】(000199979)川上産業株式会社 (203)
【Fターム(参考)】