説明

防災警報連携システム、防災警報連携方法、警報器及び緊急警報装置

【課題】警報器との連携により緊急警報装置を設置していない部屋や、放送電波の受信環境の良くない場所であっても、地震発生や津波到来などの防災情報を確実に知ることを可能とする。
【解決手段】緊急警報報装置100はAM放送、FM放送、又はTV放送による緊急地震速報、緊急警報または津波警報といった緊急情報信号を検知して報知出力させると共に緊急情報信号に基づく連携信号を住警器10−1〜10−5に向けて送信させる。住警器10−1〜10−5は、警戒エリアの異状を検出した場合に異状を報知させると共に、緊急情報装置から緊急情報信号に基づく連携信号を受信した場合に、この連携信号に対応する防災情報を報知出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災やガス漏れなどの異状を検知して警報する警報器を利用して地震や津波などの防災警報を出力させる防災警報連携システム、防災警報連携方法、警報器及び緊急警報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅における火災やガス漏れなどの異状を検出して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用災警報器を住警器と言う。
【0003】
例えばこのような住警器にあっては、住警器内にセンサ部と警報部を一体に備え、センサ部で火災の検出信号から火災を検知すると警報部から所定パターンの火災警報を出力させるようにしており、専用の受信設備等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
【0004】
また、複数の住警器間で通信を行うことによって、任意の住警器で火災警報が出力されると、他の住警器でも連動して火災警報を出力させる連動型の警報システムも提案され、実用化されている。
【0005】
このような連動型の警報システムでは、住警器で火災を検知した場合には、火災を検知した連動元の住警器は、メッセージを含む所定パターンの火災警報音、例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を出力し、一方、連動先の住警器では例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった火災警報音を出力するようにしている。
【0006】
一方、テレビ放送、FM放送及びAM放送を利用して地震情報を知らせる地震警報システムとして、地震などの大規模災害が発生した場合や、津波警報が発表された場合などに行われる緊急警報放送があり、また、地震が発生した場合に揺れが到達する前に、強い揺れが予想される地域に対し予測を発表する緊急地震速報がある。
【0007】
緊急警報放送は、東海地震の警戒宣言が発令された場合、津波警報が発表された場合、或いは自治体の知事や長から避難指示が発動された場合などに、テレビ放送、FM放送及びAM放送により緊急警報信号を送信して受信機の電源を自動的にオンし、緊急警報放送を再生出力させる。
【0008】
また緊急地震速報は、推定最大震度5弱以上で発表となり、テレビ放送、FM放送及びAM放送により緊急地震速報信号を送信し、強い揺れが予想される地域に対し、地震動により重大な災害が起こるおそれのある旨を警告する。
【0009】
このような緊急警報放送や緊急地震速報に対応して専用の受信機として機能する緊急警報装置が実用化され、普及している。
【0010】
例えば緊急地震速報に対応した緊急警報装置にあっては、例えば特定のFMラジオ放送を選局して受信待機状態にあり、緊急地震速報が所定のチャイム音を2回流した後に例えば「緊急地震放送です。強い揺れに警戒してください」という自動音声を2回流すことから、例えば最初のチャイム音を解析して緊急地震速報信号を検出して放送再生動作を起動し、チャイム音に続く自動音声をスピーカから設定音量で出力して地震発生を知らせるようにしている。
【0011】
また緊急警報放送に対応した緊急警報装置にあっては、アナログ放送の緊急警報放送の場合は、開始信号として最初に送られてくる可聴音域の電子音(ピロピロ音)であるFSK信号を検知した場合に放送再生動作を起動し、津波警報などの緊急警報放送を受信再生するようにしている。
【0012】
更に、緊急地震速報と緊急警報放送の両方に対応した緊急警報装置も実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2007−094719号公報
【特許文献2】実用新案登録第3154579号公報
【特許文献3】特開2009−244937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、このような従来の緊急地震速報や緊急警報放送の受信を検知して自動的に再生させる緊急警報装置にあっては、緊急警報装置からの音が聞こえる範囲でしか緊急地震速報や津波警報などの放送を聴くことができず、緊急警報装置を部屋毎に設置する必要があるが、コスト高になったり、各所に設置スペースを確保しなければならないといった問題がある。
【0015】
また、緊急警報装置は、基本的にはテレビ放送、FM放送及びAM放送などの受信機であることから、部屋によっては電波事情が悪く電波が充分な強度で受信できない場合があり、このような場所に設置しても有効に機能しない恐れもある。
【0016】
本発明は、警報器との連携により緊急警報装置を設置していない部屋や、放送電波の受信環境の良くない場所であっても地震発生や津波到来などの防災情報を確実に知ることを可能とする防災警報連携システム、防災警報連携方法、警報器及び緊急警報装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(防災警報連携システム)
本発明は、防災警報連携システムに於いて、
放送設備から送信された緊急情報信号の受信を検知した場合に、前記緊急情報信号に基づく連携信号を送信する緊急警報装置と、
監視領域の異状を検知した場合に警報を報知出力すると共に、緊急警報装置から緊急情報信号に基づく連携信号を受信した場合に、当該連携信号に対応する防災情報を報知出力する警報器と、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
ここで、警報器は、
防災情報を報知する報知部と、
緊急警報装置から送信された緊急情報信号に基づく連携信号の受信を検知した場合に、報知部に、当該連携信号に対応する防災情報を報知出力させる連携先制御部と、
を備える。
【0019】
警報器の連携先制御部は、他の警報器から中継送信された緊急情報信号に基づく連携信号の受信を検知した場合に、報知部に、当該連携信号に対応する防災情報を報知出力させると共に、前記緊急情報信号に基づく連携信号を他の警報器へ中継送信する。
【0020】
緊急警報装置は、
AM放送、FM放送又はテレビ放送のいずれかの放送信号を受信する受信部と、
連携信号を警報器に送信する送信部と、
緊急情報信号の受信を検知した場合に、緊急情報信号に基づく連携信号を生成して送信部から警報器へ送信させる連携元制御部と、
を備える。
【0021】
緊急情報信号は、緊急地震速報信号、緊急警報信号或いは津波警報信号である。
【0022】
(防災警報連携方法)
本発明は、防災警報連携方法に於いて、
緊急警報装置により、放送設備から送信された緊急情報信号の受信を検知した場合に、緊急情報信号に基づく連携信号を送信し
警報器により、監視領域の異状を検知した場合に警報を報知出力すると共に、緊急警報装置から緊急情報信号に基づく連携信号を受信した場合に、当該連携信号に対応する防災情報を報知出力する、ことを特徴とする。
【0023】
本発明による防災警報連携方法の他の特徴は、前述した防災警報連携システムと基本的に同じになる。
【0024】
(警報器)
本発明は、監視領域の異状を検知して警報する警報器に於いて、
防災情報を報知する報知部と、
放送設備から送信された緊急情報信号に基づく連携信号を、外部機器からの信号を受信して検知した場合に、報知部に、当該連携信号に対応する防災情報を報知出力させる連携先制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【0025】
連携先制御部は、他の警報器から中継送信された緊急情報信号に基づく連携信号の受信を検知した場合に、報知部に、当該連携信号に対応する防災情報を報知出力させると共に、緊急情報に基づく連携信号を他の警報器へ中継送信する。
【0026】
(緊急警報装置)
本発明は、緊急警報装置に於いて、
AM放送、FM放送又はテレビ放送のいずれかの放送信号を受信する受信部と、
連携信号を外部機器に送信する送信部と、
受信部で受信された放送信号から緊急情報信号の受信を検知した場合に、緊急情報信号に基づく連携信号を生成して前記送信部から外部機器へ送信させる連携元制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、例えば火災などの異状を検出して警報を出力すると共に他の警報器に異状を示す連動信号を送信して警報を連動させる警報器で構成された住宅等の警報システムに、地震放送を受信して地震警報や津波警報を報知させる緊急警報装置を設け、緊急警報装置で放送による緊急地震速報や津波警報などの緊急情報信号を受信して再生すると共に緊急情報信号に基づく連携信号を警報器に送信させ、警報器で受信した当該連携信号に対応した防災情報を報知出力して緊急地震速報や津波警報などを知らせることができ、住宅の一箇所に緊急警報装置を設置しているだけで、警報器を設置している他の部屋で緊急地震速報や津波警報などを知らせることができ、緊急警報装置が最小限の台数で済むことから低コストで済み、また警報器が設置されていれば、どの部屋に居ても確実に地震発生や津波到来を知って即座に対応することができる。
【0028】
また緊急警報装置は警報器に連携していることから、居住者が常にいるような場所を選んで緊急警報装置を設置するという場所的な制約がなく、放送電波が良好に受信できる電波事情の良い場所を選んで設置することができ、放送による緊急地震速報や津波警報などを確実に受信して緊急警報装置自身及び連携している警報器から地震発生や津波の到来を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】FM放送を受信する緊急警報装置と複数の住警器で構成される本発明による警報連携システムを概略構成を示した説明図
【図2】図1に設けた無線連動型の住警器の外観を示した説明図
【図3】図1の警報連携システムに設けた住警器と緊急警報装置の実施形態を示したブロック図
【図4】本実施形態で使用する連動信号のフォーマット構成を示した説明図
【図5】図3の住警器による処理の概略を例示したフローチャート
【図6】図5に続く処理の概略を例示したフローチャート
【図7】図3の緊急警報装置による処理の概略を例示したフローチャート
【図8】TV放送を受信する図1の警報連携システムに設けた緊急警報装置の他の実施形態を示したブロック図
【図9】AM放送を受信する図1の警報連携システムに設けた緊急警報装置の他の実施形態を示したブロック図
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は住宅に設置された警報システムと緊急警報装置を連携した本発明による防災警報連携システムの概略構成を示した説明図である。
【0031】
図1の例にあっては、住宅24に設けられている台所、居間、主寝室、子供部屋、階段室のそれぞれの警戒領域に、火災を検知して連動警報する無線式の住警器(住宅用火災警報器)住警器10−1〜10−5を設置し、連動型の警報システムを構築している。なお、住警器10−1~10−5をそれぞれ区別せずに総称する場合は住警器10という。
【0032】
住警器10は、連動信号を無線により相互に送受信する機能を備え、住宅各所の、それぞれ対応する監視領域について火災発生の有無を監視している。いま住宅24の居間で万一、火災が発生したとすると、住警器10−1が火災を検知して警報を開始する。この火災を検知して警報を開始することを、住警器における「発報」という。
【0033】
住警器10−1が発報するとき、住警器10−1は連動元として機能し、連動先となる他の住警器10−2〜10−5に対し、所定の無線通信プロトコルに従って火災連動信号を無線送信する。他の住警器10−2〜10−5は、連動元の住警器10−1からの火災連動信号を有効受信した場合に、警報音と警報表示により連動先としての警報動作を行う。
【0034】
ここで、住警器10は、受信した連動信号に含まれるグループ符号がメモリに記憶しているグループ符号に一致し、且つ信号内容を正常認識した場合に、この連動信号を有効受信したことを検知するようにしている。さらに、連動信号を有効受信した住警器10は必要に応じて連動信号の中継送信を行う。グループ符号は警報システム毎に固有の符号として設定されており、各住警器はこの符号によって自己の属する警報システムに関連する連動信号のみを識別処理することができる。
【0035】
連動元となった住警器10−1の警報動作としては、例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる火災警報音を出力する。一方、連動先の住警器10−2〜10−5にあっては、「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる火災警報音を出力する。
【0036】
また連動元となった住警器10−1の火災警報に伴う警報表示としては、例えばLEDを点灯する。一方、連動先の住警器10−2〜10−5にあっては、LEDを点滅する。これによって、連動元警報と連動先警報におけるLEDによる警報表示を区別できるようにしている。
【0037】
なお、連動元のLEDを点滅とし、連動先のLEDを点灯としても良いし、連動元警報と連動先警報のいずれについても、同じLEDの明滅または点滅、点灯表示であっても良い。また例えば赤色LEDと黄色LEDを設け、連動元は赤色LEDを駆動し、連動先は黄色LEDを駆動するといった2色表示としても良い。もちろん、2つのLEDを一体として、赤色と黄色の両方を発光可能な2色LEDも採用できる。
【0038】
住警器10−1〜10−5が警報音を出している状態で、警報停止スイッチを操作すると、警報音及び警報表示の停止処理が行われる。このとき例えば、連動元である住警器10−1で警報停止操作が行われた場合には、全ての住警器10−2〜10−5の警報を停止し、連動先である住警器10−2〜10−5のいずれかで警報停止操作が行われた場合には、連動元の住警器10−1の警報は停止せず、連動先の住警器10−2〜10−5の警報を停止するようにする。
【0039】
住警器10における所定の無線通信プロトコルによる送受信は、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠する。もちろん日本国内以外で使用する場合は、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。特定小電力無線局に準拠した住警器10の送信電力は1mW以下であり、1mWの場合、見通し通信距離は約100メートル程度となる。
【0040】
一方、住宅24の放送電波環境の良い例えば居間には緊急警報装置100を設置している。緊急警報装置100は、FM放送、TV放送(デジタルTV放送)又はAM放送として送信されてくる放送信号を受信しており、これを解析して緊急情報信号が検知された場合、緊急情報の再生音を出力する。
【0041】
緊急警報装置100により受信再生する緊急情報放送には、緊急地震速報(EEW:Earthquake Early Warning)と緊急警報放送(EWS:Emergency Warning System)がある。緊急地震速報は、一般向けの場合、推定最大震度5弱以上で気象庁から発表される警報であり、強い揺れが予想される地域に対し、地震動により重大な災害が起こるおそれのある旨を警告する放送である。緊急地震速報は例えば「(チャイム音2回)緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」を2回繰り返す。緊急警報装置100は、例えば最初のチャイム音の信号を解析して緊急地震速報信号を検知して受信待機状態から再生動作に切り替え、「緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」を設定音量で出力する。
【0042】
緊急警報放送は、地震などの対規模災害が発生した場合や、津波警報が発表された場合などに行われる警報であり、待機状態にあるテレビやラジオ受信機のスイッチを自動的にオンさせる。緊急警報放送の開始と終了には、第1種開始信号、第2種開始信号及び終了信号を使用する。第1種開始信号は、東海地震の警戒宣言が発表された場合、または自治体の知事や長から避難指示が発動された場合などに送信され、受信機を自動的にオンさせる。また。第2種開始信号は、津波警報が発表された場合にのみ送信され、同じは受信機を自動的にオンさせる。終了信号は第1種または第2種開始信号の送信から所定時間後に送信され、受信機を自動的にオフざせる。また受信機の動作を確認するために試験信号を例えば月1回所定の時刻に送信しており、この試験信号は終了信号と同一であり、終了信号のみを受信した場合は受信機が正常に動作するかの確認動作を行わせる。
【0043】
なお、以下の説明では、緊急地震速報、津波警報および緊急警報をまとめて表す場合は、緊急情報といい、また、これらを表す信号を緊急地震速報信号、津波警報信号および緊急警報信号といい、まとめて表す場合は緊急情報信号という。
【0044】
本発明で使用する緊急警報装置100は、FM放送、TV放送(デジタルTV放送)又はAM放送として送信されてくる放送信号を受信しており、これを解析して緊急地震速報信号、津波警報信号または緊急警報信号の受信が検知された場合、放送音を再生出力する。
【0045】
また本発明にあっては、緊急警報装置100を警報システムに設けた住警器10に連携するため、緊急警報装置100で緊急地震速報信号、津波警報信号または緊急警報信号の受信が検知された場合、住警器10と同じ無線通信プロトコルに従って緊急地震速報信号に基づく連携信号、津波警報信号に基づく連携信号または緊急警報信号に基づく連携信号を生成して送信するようにしている。
【0046】
ここで、緊急地震速報に基づく連携信号、津波警報に基づく連携信号または緊急警報基づく連携信号を、以下の説明では、それぞれ緊急地震速報連携信号、津波警報連携信号または緊急警報連携信号という。
【0047】
また、本発明の防災警報連携システムにおける信号の関係を整理すると次のようになる。まず警報システム内で住警器同士が連動する場合を「連動」といい、また警報システム以外の緊急警報装置100からの信号により連動する場合を「連携」という。
【0048】
また警報システム内で住警器10同士が送受信する信号を「連動信号」といい、警報システム外の緊急警報装置100から住警器10に送信する信号を「連携信号」という。前者の連動信号には、火災連動信号、火災復旧連動信号、警報停止連動信号及び障害連動信号があり、後者の連携信号には緊急地震速報連携信号、津波警報連携信号および緊急警報連携信号がある。
【0049】
このような緊急警報装置100の連携機能に対応して警報システムを構築する住警器10は、緊急警報装置100から送信された緊急地震速報連携信号、津波警報連携信号または緊急警報連携信号を受信し、これを解読して有効受信を検知した場合、それぞれに対応して所定の防災情報を報知出力するようにしている。
【0050】
住警器10は、緊急警報装置100からの緊急地震速報連携信号の有効受信を検知した場合、緊急地震速報に対応する防災情報として例えば「ピーピー 緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」といった音声メッセージを繰り返し報知出力すると共にLEDを例えば点灯する。
【0051】
また住警器10は、緊急警報装置100からの津波警報連携信号の有効受信を検知した場合、津波警報に対応する防災情報として例えば「ピーピー 津波警報が発令されました。海岸には近づかず、高台に避難してください。」といった音声メッセージを繰り返し報知出力すると共にLEDを例えば点灯する。
【0052】
更に住警器10は、緊急警報装置100からの緊急警報連携信号の有効受信を検知した場合、緊急警報に対応する防災情報として例えば「ピーピー 緊急警報が発令されました。」といった音声メッセージを繰り返し報知出力すると共にLEDを例えば点灯する。
【0053】
住警器10から報知出力されたそれぞれの防災情報は、所定時間経過後または所定回数報知後に停止する。
【0054】
図2は本発明で使用する無線連動型の煙式住警器の外観を示した説明図であり、図2(A)に正面図を、図2(B)に側面図を示している。なお、取付フック15を設けているほうを上側とする。
【0055】
図2において、本実施形態の住警器10の筐体はカバー12と本体14で構成されている。カバー12の中央には突出部を設け、突出部の周囲に複数の煙流入口を開口し、その内部には検煙部16を配置し、火災に伴う煙が検煙部16に流入して所定濃度に達した場合に後述する警報制御部で火災を検知するようにしている。検煙部16としては例えば、公知の散乱光式検煙機構が適用できる。
【0056】
カバー12の左下側には音響孔18が設けられ、この背後にブザーやスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。カバー12の下側には警報停止スイッチ20が設けられている。
【0057】
警報停止スイッチ20は、半透明部材で形成されたスイッチカバーを押圧操作すると、内蔵のプッシュスイッチ(図示せず)が押圧されるようになっている。スイッチカバー内部のプッシュスイッチ近傍には、警報等の表示を行うLED22が配置されている。
【0058】
警報停止スイッチ20は外部から住警器10の機能の自己点検実施を指示する点検スイッチとしての機能を兼ねている。例えば、火災警報出力中に警報停止スイッチ20が操作されると火災警報を停止し、通常状態で警報停止スイッチ20が操作されると所定の機能について自己点検を実施し、LED22やスピーカ等により結果を報知する。ここで通常状態とは、少なくとも火災警報出力中または障害警報出力中でない状態を指す。
【0059】
また本体14の裏側上部にはその略中央部に挿通孔を有する取付フック15が設けられており、設置する部屋の壁面等にビスなどをねじ込み、この取付フック15の挿通孔にビスを通して引っかけることで、壁面に住警器10を所謂壁掛け状に固定設置することができる。
【0060】
図3は図1の警報システムに設けた緊急警報装置及び住警器の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。また図3では、住宅24の居間に設置した住警器10−1について示しているが、本実施形態の場合は他の住警器10−2〜10−5についても同様の構成となる。
【0061】
図3において、まず住警器10−1を説明する。住警器10−1にはワンチップCPUとして知られたプロセッサ28を設け、プロセッサ28に対しては所定の無線通信プロトコルの送受信を行う無線通信部30、メモリ32、センサ部34、報知部36、操作部38、および電池電源40を設け、電池電源40は必要各部に電源を供給している。
【0062】
無線通信部30は送信回路42及び受信回路44を備え、それぞれアンテナ31を接続している。無線通信部30は、アンテナ31を介して他の住警器10−2〜10−5との間で、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に準拠した無線通信プロトコルに従って火災、火災復旧、警報停止、障害などの各種連動信号を送受信すると共に、緊急警報装置100からの各種の連携信号を受信する。
【0063】
無線通信部30の送信回路42における無線通信プロトコルによる連動信号の送信は、所定時間T1、例えばT1=3秒に亘り連動信号を送信する動作を、所定時間T2、例えばT2=2秒の休止時間を空けて例えば4回繰り返している。このT1=3秒送信、T=2秒休止は特定小電力無線局の標準規格に準拠したものである。またT1=3秒の送信動作は、その内の最初から例えば2.8秒はダミー信号の送信であり、残り0.2秒の時間に連動信号の反復送信を行う。
【0064】
また、無線通信部30の受信回路44における無線通信プロトコルによる受信は、住警器10−1と同じグループに属する他の住警器10−2〜10−5からの連動信号又は緊急警報装置から連携信号を間欠受信する。間欠受信は、所定周期T3毎に、例えばT3=7秒毎に受信可能時間T4、例えばT4=100ミリ秒のあいだ受信動作を繰り返しており、受信可能時間T4の間に送信ダミー信号をキャリアセンスにより検知すると所定時間のあいだ連続受信に切替えてダミー信号に続く連動信号または連携信号を受信する。
【0065】
なお、受信した信号はプロセッサ28に設けた連携先制御部60で解読される。以下、この解読までを含めて受信と呼ぶことがある。また特に、解読の結果有効な信号と判定されることを区別して表す場合には有効受信と呼ぶ。
【0066】
また無線通信部30の無線通信プロトコルでは、住警器10−1自身が火災又は火災以外の事象を検知して連動信号を送信した場合、または緊急警報装置100からの連携信号を受信して他の住警器に送信した場合、住警器10−1と同じグループに属し、これを受信した他の住警器10−2〜10−5から、当該連動信号を正常に受信したことを示す確認応答信号(以下「ACK信号」と云う)が有効受信されるか否か監視している。
【0067】
他の住警器のうち、ACK信号が受信されないものを検知した場合、住警器10−1はACK信号が受信された他の住警器に対し中継要求有り連動信号または連携信号を送信し、中継要求有りの連動信号または連携信号を受信した住警器からAKC信号未応答の住警器へ中継要求有りの連動信号または連携信号を中継送信させる。中継要求有りの連動信号または連携信号を中継受信したAKC信号未応答の住警器は中継要求有りの連動信号または連携信号に対しACK信号を返信し、このACK信号が他の住警器の中継(返信の中継)を経て連動元の住警器10−1で受信される。これによってもACK信号が受信されない住警器がある場合には、通信障害等と判定し、所定の報知処理や連動処理、後述する連携処理等を行う。
【0068】
無線通信部30の無線通信プロトコルで送受信する連動信号46は、図4に示すように、連番48、送信元識別符号50、グループ符号52及び事象符号54を含むフォーマットとして構成されている。連番48は住警器毎に独立して生成される符号であり、連動信号46の生成順或いは送信順を示す連続番号である。これに基づいて例えば再中継の禁止等の管理を行うことができる。送信元識別符号50は各住警器を特定する例えば住警器のシリアル番号等であり、グループ符号52は図1のように住宅24に設置した住警器10−1〜10−5のグループ内で相互に連動を行う連動グループを構成するための符号である。
【0069】
事象符号54は、火災などの事象内容を表す符号であり、本実施形態にあっては4ビット符号を使用しており、例えば
0001=火災
0010=ACK
0011=警報停止
0100=復旧
0101=センサ障害
0110=ローバッテリー障害
としている。
【0070】
なお、先述した「中継要求有り」を示す符号はここでは省略しているが、ビット数を増やすことで、当然これも事象符号に追加することができる。
【0071】
更に本実施形態にあっては緊急警報装置100から送信してくる連携信号も、図4に示した連動信号46と同じフォーマット構成であり、連携信号に対応した事象符号として、
0111=緊急地震速報
1000=津波警報
1001=緊急警報
を追加している。なお、中継送信する連動信号または連携信号には、送信元(連動元)の住警器を示す識別符号と中継を行う住警器の識別符号の両方を付加する。更に、送信先を指定する識別符号を付加しても良い。
【0072】
また、先述した「中継要求有り」を示す符号はここでは省略しているが、例えば「1111」に割り当てることで当然これも事象符号に追加することができる。また、その他例えば「0000」を定期的な通信確認用に割り当てても良い。もちろん、ビット数を増やすことで更に多くの事象符号を割り当てることができる。
【0073】
センサ部34には、例えば散乱光式の煙検知原理によって煙を検知して、煙濃度に応じた煙検出信号を出力する検煙部16を設けている。
【0074】
報知部36には警報音等を出力する音響出力器であるスピーカ58と警報表示等を行うLED22を、図示しないそれぞれの駆動回路と共に設けている。スピーカ56は、連携先制御部60からの制御を受けて、住警器10−1がメモリ32等に記憶している各種のデータ等に基づいて音声メッセージや警報音等を出力する。LED22は点滅や明滅、点灯などにより、火災などの異状その他事象を表示により報知する。
【0075】
操作部38には警報停止スイッチ20を設けている。警報停止スイッチ20は、報知部36からスピーカ56により火災や障害の警報音が出力されている場合又はLED22により警報表示が行われている場合にのみ警報停止スイッチとして機能する。例えば連動元を示す警報中に警報停止スイッチ20を操作すると、警報音及び警報表示は停止され、一方、連動先を示す警報中に警報停止スイッチ20を操作すると、警報音は停止されるが、警報表示は停止または所定時間後に停止されるといった警報停止処理が行われる。
【0076】
一方、連動元や連動先を示す警報が行われていない通常監視状態においては、警報停止スイッチ20は点検スイッチとして機能し、この状態で警報停止スイッチ20が操作すると、所定の自己点検動作が実行されて報知部36から点検結果を示す音声メッセージなどが出力される。
【0077】
メモリ44は、連動信号の生成に使用する連番48、識別符号50、グループ符号52等
を記憶している。
【0078】
電池電源46は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、必要各部へ電源を供給する。電池容量としては住警器10−1における回路部全体の低消費電力化により、例えば10年の寿命を保証している。
【0079】
プロセッサ28にはプログラムの実行により実現される機能として、連携先制御部60の機能を設けている。
【0080】
連携先制御部60は、センサ部34に設けた検煙部16からの煙検出信号に基づく火災の有無、操作部38による警報停止指示入力の有無、点検指示入力の有無及びモード設定の有無、センサ部34に設けた検煙部16からの検知信号が低下して火災検知状態が解消される火災復旧の有無、センサ障害や故障、ローバッテリー障害有無等の事象を検知する。
【0081】
また連携先制御部60は受信回路42を介して他の住警器10−2〜10−5からの連動信号の解読結果として得られた連動信号有効受信の有無およびその連動内容等の情報を検知する。
【0082】
また連携先制御部60は、受信回路42を介して緊急警報装置100からの連携信号の解読結果として得られた連携信号有効受信の有無およびその連携内容等の情報を検知する。
【0083】
また連携先制御部60は、センサ部34に設けた検煙部16の煙検出信号に基づき火災有りを検知した場合に、報知部36のスピーカ56から連動元を示す警報動作として火災警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です 確認して下さい」の音声メッセージを繰り返し出力させる制御を行うと共に、LED22を点灯させて連動元を示す火災警報表示を行わせる制御を行い、また更に、無線通信部30の送信回路42に対して所定の無線通信プロトコルに従った火災連動信号をアンテナ31から他の住警器10−2〜10−5に向けて送信させる制御を行う。
【0084】
また連携先制御部60は、アンテナ31および無線通信部30の受信回路42を介して他の住警器10−2〜10−5から送信または中継送信された火災連動信号の有効受信を検知した場合に、連動先を示す警報として報知部36のスピーカ56から警報音例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」となる音声メッセージを繰り返し出力させる制御を行うと共にLED22を例えば点滅させて連動先を示す警報表示を行わせる制御を行う。また更に、送信回路42に、連動元からの火災連動信号を受信したことに伴う応答信号(返信)としてACK信号を送信させる制御を行う。
【0085】
また連携先制御部60は、連動元を示す火災警報音の出力中に自己の警報停止スイッチ20の操作を検知した場合、報知部36を制御してスピーカ56からの警報音出力とLED22の警報表示出力による火災警報動作を停止させると共に、無線通信部30の送信回路42から警報停止連動信号をアンテナ31を介して他の住警器10−2〜10−5に向けて送信させる制御を行う。
【0086】
なお、住警器10−1は、連動元を示す火災警報音の出力中に他の住警器10−2〜10−5からの警報停止連動信号の有効受信を連携先制御部60で検知した場合、連携先制御部60は、火災警報音と火災警報表示のうち少なくとも一方を、少なくとも所定期間が経過するまで停止制御せずに、連動元が識別できるようにする。
【0087】
また連携先制御部60は、連動先を示す警報音の出力中に警報停止スイッチ20の操作又は他の住警器10−2〜10−5から警報停止連動信号の有効受信を検知した場合、報知部36を制御してスピーカ56からの音声メッセージによる警報音とLED22の警報表示による火災警報を動作停止させる制御を行う。
【0088】
さらに、連携先制御部60は、火災連動信号受信時と同様に、警報停止連動信号受信に伴うACK信号を返信する制御を行う。なお、後述する各ケースでも同様であるので、住警器間の通信に伴うACK信号の返信については説明を省略する。
【0089】
また連携先制御部60には、図示しない電圧監視回路と協働して電池電源40から供給される電源電圧が所定レベル未満となるローバッテリー障害の監視機能を設けている。また連携先制御部60には、センサ部34の障害(部品劣化や故障等含む)を監視するセンサ障害監視機能を設けている。
【0090】
また連携先制御部60は、アンテナ31及び無線通信部30の受信回路44を介して、緊急警報装置100から送信されるか、または他の住警器10−2〜10−5で中継送信された緊急地震速報連携信号、津波警報連携信号または緊急警報連携信号が受信され、これを解読して有効受信を検知した場合、それぞれに対応した防災情報を示す所定の音声メッセージを報知部36のスピーカ56から出力させると共に例えばLED22を点灯、点滅又は明滅させる制御を行う。
【0091】
ここで緊急地震速報に対応する防災情報としては例えば「ピーピー 緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」といった音声メッセージを繰り返し報知出力すると共にLEDを例えば点灯する。また津波警報に対応する防災情報としては例えば「ピーピー 津波警報が発令されました。海岸には近づかず、高台に避難してください。」といった音声メッセージを繰り返し報知出力すると共にLEDを例えば点灯する。更に緊急警報に対応する防災情報としては例えば「ピーピー 緊急警報が発令されました。」といった音声メッセージを繰り返し報知出力すると共にLEDを例えば点灯する。
【0092】
また連携先制御部60は、更に、無線通信部30の送信回路42に対して受信した連携信号をアンテナ31から他の住警器10−2〜10−5に向けて送信させる制御を行う。また更に連携先制御部60は、送信回路42に、緊急警報装置100からの連携信号を受信したことに伴う応答信号(返信)としてACK信号を送信させる制御を行う。
【0093】
次に緊急警報装置100を説明する。緊急警報装置100は、プロセッサ102、FMアンテナ106が接続されたFM受信部104、音声増幅部108、スピーカ110、表示部112、操作部114、メモリ116、アンテナ120が接続された無線通信部118で構成され、プロセッサ102にはプログラムの実行で実現する機能として連携元制御部124を設けている。
【0094】
FM受信部104は操作部114の操作で選局されたFM局にチューナを同調してその放送電波をFMアンテナ106により受信し、放送信号を復調して音声信号として出力する。音声増幅部108は待機状態で動作を停止しており、そのためスピーカ110から受信されたFM放送の再生出力は行われない。
【0095】
プロセッサ102に設けた連携元制御部124の解析処理により、緊急地震速報信号、津波警報信号または緊急警報信号の有効受信を検知すると音声増幅部108を動作状態に切り替え、その時、FM受信部104から再生出力された緊急地震速報信号、津波警報信号または緊急警報信号の放送内容をスピーカ110から再生出力する。表示部112は待機受信表示、緊急地震速報受信表示、津波警報受信表示、緊急警報受信表示、選局周波数表示などのFM放送受信に必要な各種の表示を行う。
【0096】
無線通信部118には送信回路122が設けられ、アンテナ120から住警器10−1〜10−5に各種の連携信号を送信できるようにしている。無線通信部118の無線通信プロトコルとしては、住警器10と同様に、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30またはSTD−T67に準拠した構成を備える。なお、FMアンテナ106とFM受信部104は請求項の受信部に対応し、アンテナ120と送信回路122は請求項の送信部に対応する。
【0097】
メモリ116には、住警器10−1のメモリ32と同様に、連動信号の順番を示す連続番号である連番、緊急警報装置100を特定するID(識別子)となる送信元符号、連動グループを構成するためのグループ符号などを記憶している。
【0098】
プロセッサ102に設けた連携元制御部124は、FM受信部104で受信復調されたFM放送信号を入力して解析し、緊急地震速報信号、津波警報信号または緊急警報信号の有効受信の有無を検知している。
【0099】
連携元制御部124による緊急地震速報信号の解析と検知は、緊急地震速報放送信号の最初に流れる2回のチャイム音の解析処理により緊急地震速報信号が有効受信されたことを検知し、これに基づき音声増幅部108を例えば所定時間動作させて緊急地震速報を再生してスピーカ110から出力させる制御を行う。連携元制御部124による緊急地震速報のチャイム音解析は、例えば特許文献3に記載されたベクトル相関法などで行う。
【0100】
また、連携元制御部124による津波警報信号の解析と検知は、津波警報信号の最初の10秒間に流れる第2種開始信号の受信を解析して検知し、これに基づき音声増幅部108を例えば所定時間動作させて津波警報放送を再生させてスピーカ110から出力させる制御を行う。また第2種開始信号の解析検知から所定時間後、例えば10分後に送信されてくる終了信号の受信を解析して検知した場合、これに基づき音声増幅部108の動作を停止させてスピーカ110から放送音の出力を停止させる制御を行うようにしても良い。
【0101】
更に、連携元制御部124による緊急警報信号の解析と検知は、緊急警報信号の最初の10秒間に流れる第1種開始信号の有効を解析して検知した場合、これに基づき音声増幅部108を所定時間動作させて緊急警報放送を再生させてスピーカ110から出力させる制御を行う。また第1種開始信号の解析検知から所定時間後、例えば10分後に送信されてくる終了信号の受信を解析して検知した場合、これに基づき音声増幅部108の動作を停止させてスピーカ110から放送音の出力を停止させる制御を行うようにしても良い。
【0102】
ここで、アナログ放送における第1種開始信号、第2種開始信号及び終了信号は、音声信号を使用し、デジタル信号のビット1を1024Hzの音声信号、ビット0を640Hzの音声信号に周波数変調したFSK信号を64bpsの通信速度で送信しており、ピロピロ音として聞くことができる。
【0103】
一方、デジタル放送では、緊急警報放送識別子として定められた所定のデータで送信されることから、これを受信解析して検知することになる。
【0104】
連携元制御部124は、前述したように緊急地震速報信号、津波警報信号または緊急警報信号を受信解析して検知した場合、音声増幅部108を動作させてその時の放送音を再生させてスピーカ110から出力させる制御を行うと共に、住警器10と同じ無線通信プロトコルに従った緊急地震速報連携信号、津波警報連携信号または緊急警報連携信号を生成し、無線通信部118に送信を指示して送信回路122からアンテナ120を介して住警器10へ送信させる制御を行う。
【0105】
また連携元制御部124は、音声増幅部108を動作させてその時の放送音を再生してスピーカ110から出力を開始させた後、緊急地震速報については所定時間が経過した場合、津波警報または緊急警報については例えば終了信号の有効受信を解析検知した場合、音声増幅部108の動作を停止させてスピーカ110から放送音の出力を停止させる制御を行う。
【0106】
ここで、緊急警報装置100の電源は商用AC電源であるが、停電時のバックアップのために電池電源を設けても良い。もちろん電池駆動としても良いが、この場合は機能上または運用上電池寿命の管理に配慮する必要がある。一例として、住警器10と同様の電池電圧監視および電池電圧低下報知機能を設けることも良い。
【0107】
図5及び図6は図3の住警器10−1における処理の概略を例示したフローチャートである。図5において、住警器10−1の電池電源40による電源供給が開始されると、ステップS1で初期化、自己診断、禁止モード設定の有無を含む各種設定情報の読み込み等を実行し、異状がなければステップS2に進み、火災の有無を検知している。ステップS1で初期化異状があった場合には報知部36でその旨を報知して、動作を途中停止するか或いは再度ステップS1の処理を行うようにしているが、図示を省略している。
【0108】
ステップS2において、センサ部34に設けた検煙部16から出力された煙検出信号が所定の火災レベルを超えるとステップS2で火災有りが検知されてステップS3に進み、火災連動信号を生成して他の住警器10−2〜10−5に送信すると共に、ステップS4で報知部36のスピーカ56からの警報メッセージ等による警報音とLED22の例えば点灯による警報表示とにより連動元を示す火災警報を出力する。
【0109】
続いて、ステップS5で検煙部16からの煙検出信号が低下して火災検知状態が解消する火災復旧の有無が検知しており、火災復旧有りを検知するとステップS6で火災復旧連動信号を生成して他の住警器10−2〜10−5に送信すると共に、ステップS7でスピーカ56からの音声メッセージ等による警報音とLED22の点灯による連動元を示す火災警報を停止する。ここで、LED22による警報表示は所定時間経過後に消灯しても良い。
【0110】
続いてステップS8で警報停止スイッチ20の警報停止指示操作の有無を検知しており、警報停止指示操作有りを検知した場合、ステップS9に進んで警報停止連動信号を生成して他の住警器10−2〜10−5に送信し、ステップS10にスピーカ56からの連動元を示す警報音を停止すると共に、LED22の点灯による警報表示を消灯する。この場合、LED22による警報表示は所定時間経過後に消灯しても良い。
【0111】
続いて図6のステップS11に進み、他の住警器10−2〜10−5から送信または中継送信された火災連動信号の有効受信の有無を検知している。他の住警器からの火災連動信号の有効受信有りを検知すると、ステップS12に進んで連動先を示す火災警報として自己の報知部36のスピーカ56から音声メッセージ等による警報音を出力すると共に、例えばLED22の点滅による警報表示を行う。
【0112】
次にステップS13で他の住警器から送信又は中継送信された火災復旧連動信号の有効受信の有無を検知しており、火災復旧連動信号の有効受信を検知すると、ステップS14に進んで連動先の警報音出力を停止すると共に警報表示も停止する。
【0113】
次にステップS15で他の住警器から送信または中継送信された警報停止連動信号の有効受信の有無を検知しており、警報停止連動信号の有効受信有りを検知すると、ステップS16に進んで連動先としての警報音出力を停止すると共に、警報表示も停止する。
【0114】
続いてステップS17に進み、緊急警報装置100から送信または他の住警器10−2〜10−5から中継送信された緊急地震速報連携信号の有効受信の有無を検知しており、緊急地震速報連携信号の有効受信有りを検知した場合はステップS18に進み、緊急地震速報に対応した防災情報である所定の音声メッセージを報知部36のスピーカ56から出力すると共に、例えばLED22を点灯する。
【0115】
続いてステップS19に進み、緊急警報装置100から送信または他の住警器10−2〜10−5から中継送信された津波警報連携信号の有効受信の有無を検知しており、津波警報連携信号の有効受信有りを検知した場合はステップS20に進み、津波警報に対応した防災情報となる所定の音声メッセージを報知部36のスピーカ56から出力すると共に、例えばLED22を点灯する。
【0116】
続いてステップS21に進み、緊急警報装置100から送信または他の住警器10−2〜10−5から中継送信された緊急警報連携信号の有効受信の有無を検知しており、緊急警報連携信号の有効受信有りを検知した場合はステップS22に進み、緊急警報に対応した防災情報となる所定の音声メッセージを報知部36のスピーカ56から出力すると共に、例えばLED22を点灯する。
【0117】
なお、図示を省略しているが、ステップS18、S20、S22で出力した緊急地震速報、津波警報または緊急警報に対応する防災情報は、所定時間の経過後若しくは所定回数報知後に停止させる。
【0118】
また、図示を省略している障害処理は、住警器10−1自身でローバッテリー障害またはセンサ障害が検知された場合、又は、他の住警器10−2〜10−5からローバッテリー障害またはセンサ障害を示す障害連動信号の有効受信が検知された場合、連動元又は連動先を示すローバッテリー障害警報またはセンサ障害警報を所定の警報音と警報表示で行わせることになる。
【0119】
図7は図3に示した緊急警報装置100の処理の概略を例示したフローチャートである。図7において、緊急警報装置100の電源が投入されるとステップS31で初期化及び自己診断を行い、エラーが無ければステップS32に進んで操作部114の選局操作によりFM局の選局処理が行う。ステップS31で初期化異状があった場合には表示部112でその旨を報知して、動作を途中停止するか或いは再度ステップS1の処理を行うようにしているが、図示を省略している。
【0120】
続いてステップS33の受信待機動作に移行する。受信待機動作はFM受信部104を動作状態としてFM放送電波を常時受信再生しているが、音声増幅部108の動作は停止してスピーカ110から放送音を出力しない状態としている。
【0121】
続いてステップS34で受信したFM放送信号の解析を通じて緊急地震速報信号の有効受信の有無を検知しており、緊急地震速報信号の有効受信有りを検知するとステップS35に進み、音声増幅部108を動作し、そのとき受信している緊急地震速報放送を再生してスピーカ110から設定音量で出力する。
【0122】
次にステップS36に進み、緊急地震速報連携信号を生成し、無線通信部118の送信回路122からアンテナ120を介して住警器へ送信する。続いてステップ37で例えば所定時間の経過を検知した場合に音声増幅部108の動作を停止し、放送音の再生出力を停止する。
【0123】
続いてステップS38でFM放送信号の受信解析を通じて津波警報信号(第2種開始信号)の有効受信の有無を検知しており、津波警報信号の有効受信有りを検知するとステップS39に進み、音声増幅部108を動作し、そのとき受信している津波警報放送を再生してスピーカ110から設定音量で出力する。
【0124】
次にステップS40に進み、津波警報連携信号を生成し、無線通信部118の送信回路122からFMアンテナ120を介して住警器へ送信する。続いてステップ41で放送信号を受信解析して例えば終了信号の有効受信有りを検知した場合に。音声増幅部72の動作を停止すせることで、放送音の再生出力を停止する。
【0125】
続いてステップS42でFM放送信号の受信解析を通じて緊急警報信号(第1種開始信号)の有効受信の有無を検知しており、緊急警報信号の有効受信有りを検知するとステップS43に進み、音声増幅部108を動作し、そのとき受信している緊急警報放送を再生してスピーカ110から設定音量で出力する。
【0126】
次にステップS44に進み、津波警報連携信号を生成し、無線通信部118の送信回路122からFMアンテナ120を介して住警器へ送信させる。続いてステップ45ではFM放送信号の受信解析により終了信号の有効受信有りを検知した場合、音声増幅部108の動作を停止することで、放送音の再生出力を停止する。
【0127】
図8は図1に設けた緊急警報装置の他の実施形態を示したブロック図であり、本実施形態にあっては、テレビ放送(デジタルTV放送)を受信解析して緊急情報信号を検知して住警器と連携するようにしたことを特徴とする。
【0128】
これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0129】
図8において、緊急警報装置100は、プロセッサ102、TVアンテナ206が接続されたデジタルTV受信部204、音声増幅部108、スピーカ110、表示部112、操作部114、メモリ116、アンテナ120が接続された無線通信部118で構成され、プロセッサ102にはプログラムの実行で実現する機能として連携元制御部224が設けられている。
【0130】
ここで、プロセッサ102、音声増幅部108、スピーカ110、表示部112、操作部114、メモリ116、アンテナ120を接続した無線通信部118は、図3に示した緊急警報装置100と基本的に同じであり、デジタルTV受信部204、TVアンテナ206及びプロセッサ102の連携元制御部224が本実施形態に固有のものとなる。なお、デジタルTV受信部204にはワンセグとして知られた携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービスの受信部であっても良い。
【0131】
デジタルTV受信部204は操作部114の操作で選局されたTV局にチューナを同調してそのテレビ放送電波を受信し、音声信号を復調して出力している。
【0132】
プロセッサ102に設けた連携元制御部224は、デジタルTV受信部204で受信復調されたTV放送音声データ信号およびTV放送データ信号を入力して解析し、緊急地震速報信号、津波警報信号または緊急警報信号の有効受信の有無を検知している。
【0133】
連携元制御部224による緊急地震速報信号の解析と検知は、緊急地震速報放送信号の最初に流れる2回のチャイム音を示す音声データ信号の解析により緊急地震速報信号の有効受信を検知し、これに基づき音声増幅部108を所定時間動作して緊急地震速報を再生してスピーカ110から出力する制御を行う。連携元制御部124による緊急地震速報のチャイム音解析は、例えば特許文献3に記載されたベクトル相関法などで行う。
【0134】
また、連携元制御部224による津波警報信号の解析と検知は、津波警報信号の最初の10秒間に流れる第2種開始信号を示す緊急警報放送識別子が有効受信されたことを解析して検知した場合、これに基づき音声増幅部108を所定時間動作して津波警報放送を再生し、スピーカ110から出力する制御を行う。また連携元制御部224は、第2種開始信号を示す緊急警報放送識別子の解析検知から所定時間後、例えば10分後に送信されてくる終了信号を示す緊急警報放送識別子の受信を解析して検知した場合、これに基づき音声増幅部108の動作を停止してスピーカ110から放送音の出力を停止する制御を行う。
【0135】
更に、連携元制御部224による緊急警報信号の解析と検知は、緊急警報信号の最初の10秒間に流れる第1種開始信号を示す緊急警報放送識別子の受信を解析して検知した場合、これに基づき音声増幅部108を所定時間動作して緊急警報放送を再生してスピーカ110から出力する。また連携元制御部224は、第1種開始信号の解析検知から所定時間後、例えば10分後に送信されてくる終了信号を示す緊急警報放送識別子の受信を解析して検知した場合、これに基づき音声増幅部108の動作を停止してスピーカ110から放送音の出力を停止する制御を行う。
【0136】
なお、デジタルTV受信部204に代えてアナログTV受信部を使用する場合の受信解析は、図3に示したFM受信部104で復調した信号を解析検知する連携元制御部124と基本的に同じになる。
【0137】
図9は図1に設けた緊急警報装置の他の実施形態を示したブロック図であり、本実施形態にあっては、AM放送として送信されてくる緊急情報信号を検知して住警器と連携するようにしたことを特徴とする。
【0138】
これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0139】
図9において、緊急警報装置100は、プロセッサ102、AMアンテナ306が接続されたAM受信部304、音声増幅部108、スピーカ110、表示部112、操作部114、メモリ116、アンテナ120が接続された無線通信部118で構成され、プロセッサ102にはプログラムの実行で実現する機能としてと連携元制御部324が設けられている。
【0140】
ここで、プロセッサ102、音声増幅部108、スピーカ110、表示部112、操作部114、メモリ116、アンテナ120が接続された無線通信部118は、図3に示した緊急警報装置100と基本的に同じであり、AAMアンテナ306、AM受信部304及びプロセッサ102の連携元制御部324が本実施形態に固有のものとなる。
【0141】
AM受信部304は操作部114の操作で選局されたAM局にチューナを同調させてその放送電波を受信し、音声信号として復調して出力している。
【0142】
プロセッサ102に設けた連携元制御部324は、AM受信部304で受信復調されたAM放送音声信号を入力して解析し、緊急地震速報信号、津波警報信号または緊急警報信号の有効受信の有無を検知しており、その詳細は図3のFM放送音声信号を解析して制御する連携元制御部124と基本的に同じになる。
【0143】
なお、上記の実施形態における警報システムは複数の住警器を設けて相互に連動させているが、親機と複数の子機を組み合わせた親子式の警報器を設置した警報システムでも良く、親子式の場合は、緊急警報装置からの連携信号を親機に送信した後、親機から子機に送信させて連携をとればよい。
【0144】
また警報システムとしては、親子関係を定めず、各警報器が中継機能を有する分散方式の警報器であっても良い。
【0145】
また、上記の実施形態では複数台の警報器を使用した警報システムを例に取って説明したが、警報器は1台であっても良い。緊急警報装置に連携させる1台の警報器としては、無線連動型の警報器1台であっても良いし、スタンドアローン型として知られた無線連動型でない警報器であっても良い。スタンドアローン型の警報器の場合、緊急警報装置からの連携信号は信号線接続により警報器に送信する。
【0146】
また、上記の実施形態は火災を検知して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器その他各種の警報器を配置した警報システムについても同様に適用できる。
【0147】
また緊急警報装置に連携させる機器としては、警報器以外に、浴室リモコン装置、インターホン装置、告知放送受信機等の音声出力機能を備えた他の機器であっても良い。
【0148】
また上記の実施形態にあっては、緊急警報装置に住警器に連携信号を送信させる無線通信部とアンテナを内蔵しているが、無線通信部とアンテナを備えた中継アダプタを準備し、緊急警報装置と信号線接続し、緊急警報装置から中継アダプタに緊急地震速報信号、津波警報信号または緊急警報信号に基づく連携信号を信号線で送り、中継アダプタで住警器の無線通信プロトコルに従った連携信号に変換して送信させるようにしてもよい。
【0149】
また上記の実施形態にあっては、放送受信信号から緊急地震速報信号、津波警報信号および緊急警報信号の3つを解読検知し、それぞれに基づく連携信号を住警器に送信して対応する防災情報を報知出力させているが、緊急地震速報信号、津波警報信号および緊急警報信号のうちのいずれが2つ又はいずれか1つを解読検知し、それぞれに基づく連携信号を住警器に送信して対応する防災情報を報知出力させても良い。
【0150】
また、警報器や緊急警報装置にフラッシュライト等の表示装置を設けて、警報の報知出力の効果を高めても良い。
【0151】
また、上記の実施形態にあっては、緊急警報装置に、FM受信部、TV受信部又はAMの受信部(チューナ)を個別に設けているが、FM受信部、TV受信部又はAMの受信部を複数設けて切替え選択したり、並列動作させるようにしても良い。
【0152】
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入する等が出来る。
【0153】
また、上記実施の形態で示した各機器のプロセッサは、その機能の一部又は全部を、例えばワイヤードロジック等による他の手段に代えることが出来る。
【0154】
また、緊急警報装置は、FM、TV、AM等の放送信号を上記の実施形態のように直接受信しても良いし、別の装置や設備を介して間接的に受信しても良い。
【0155】
また、上記の実施形態では、電池電源によって動作する住警器を例に取ったが、電池電源以外の電源で動作するものにも本発明を適用できる。
【0156】
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用でき、さらに用途の異なる警報器を適宜組み合わせたシステムにも適用できる。
【0157】
また、警報器同士は必ずしも連動するものでなくても良く、所定の警報器が緊急警報装置と連携できるものであれば良い。
【0158】
また、警報器や緊急警報装置間の各連携は無線通信によるものでなくても良く、有線通信によっても、また有線通信と無線通信を適宜混在させるものであっても良い。
【0159】
また、緊急警報装置は住警器等の警報器との間で連携を行う機能を有するものであれば良く、その他の機能を複合的に備えるものであっても良い。例えば、緊急警報装置(の機能)は、インターホン装置等に内蔵しても良い。
【0160】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0161】
10,10−1〜10−5:住警器
12:カバー
14:本体
16:検煙部
17:取付フック
18:音響孔
20:警報停止スイッチ
22:LED
24:住宅
25:緊急警報装置
26:中継アダプタ
28,102:プロセッサ
31,120:アンテナ
30,118:無線通信部
32,116:メモリ
34:センサ部
36:報知部
38,114:操作部
40:電池電源
42,122:送信回路
44:受信回路
46:連動信号
48:連番
50:送信元符号
52:グループ符号
54:事象符号
56,110::スピーカ
58,126:警報処理部
66:連携制御部
104:FM受信部
106:FMアンテナ
108:音声増幅部
112:表示部
124,224,324:受信解析部
204:デジタルTV受信部
206:TVアンテナ
304:AM受信部
306:AMアンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送設備から送信された緊急情報信号の受信を検知した場合に、前記緊急情報信号に基づく連携信号を送信する緊急警報装置と、
監視領域の異状を検知した場合に警報を報知出力すると共に、前記緊急警報装置から前記緊急情報信号に基づく連携信号を受信した場合に、当該連携信号に対応する防災情報を報知出力する警報器と、
を備えたことを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項2】
請求項1記載の防災警報連携システムに於いて、
前記警報器は、
前記防災情報を報知する報知部と、
前記緊急警報装置から送信された前記緊急情報信号に基づく連携信号の受信を検知した場合に、前記報知部に、当該連携信号に対応する防災情報を報知出力させる連携先制御部と、
を備えたことを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項3】
請求項2記載の防災警報連携システムに於いて、
前記警報器の連携先制御部は、他の警報器から中継送信された前記緊急情報信号に基づく連携信号の受信を検知した場合に、前記報知部に、当該連携信号に対応する防災情報を報知出力させると共に前記送信部に、前記緊急情報信号に基づく連携信号を他の警報器へ中継送信させることを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項4】
請求項1記載の防災警報連携システムに於いて、
前記緊急警報装置は、
AM放送、FM放送又はテレビ放送のいずれかの放送信号を受信する受信部と、
前記緊急情報信号に基づく連携信号を前記警報器に送信する送信部と、
前記緊急情報信号の受信を検知した場合に、前記緊急情報信号に基づく連携信号を生成して前記送信部から前記警報器へ送信させる連携元制御部と、
を設けたことを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の防災警報連携システムに於いて、前記緊急情報信号は、緊急地震速報信号、緊急警報信号或いは津波警報信号であることを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項6】
緊急警報装置により、放送設備から送信された緊急情報信号の受信を検知した場合に、前記緊急情報信号に基づく連携信号を送信し
警報器により、監視領域の異状を検知した場合に警報を報知出力すると共に、前記緊急警報装置から前記緊急情報信号に基づく連携信号を受信した場合に、当該連携信号に対応する防災情報を報知出力する、ことを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項7】
請求項6記載の防災警報連携方法に於いて、
前記警報器は、
前記防災情報を報知する報知部と、
前記緊急警報装置から送信された前記緊急情報信号に基づく連携信号の受信を検知した場合に、前記報知部に、当該連携信号に対応する防災情報を報知出力させる連携先制御部と、
を備えたことを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項8】
請求項7記載の防災警報連携方法に於いて、
前記警報器の連携先制御部は、他の警報器から送信された前記緊急情報信号に基づく連携信号の受信を検知した場合に、前記報知部に、当該連携信号に対応する防災情報を報知出力させると共に、前記緊急情報に基づく連携信号を他の警報器へ送信することを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項9】
請求項6記載の防災警報連携方法に於いて、
前記緊急警報装置は、
AM放送、FM放送又はテレビ放送のいずれかの放送信号を受信する受信部と、
連携信号を前記警報器に送信する送信部と、
前記緊急情報信号の受信を検知した場合に、前記緊急情報信号に基づく連携信号を生成して前記送信部から前記警報器へ送信させる連携元制御部と、
を設けたことを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれかに記載の防災警報連携方法に於いて、前記緊急情報信号は、緊急地震速報信号、緊急警報信号或いは津波警報信号であることを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項11】
監視領域の異状を検知した場合に警報を報知出力する警報器に於いて、
前記防災情報を報知する報知部と、
放送設備から送信された緊急情報信号に基づく連携信号を、外部機器からの信号を受信して検知した場合に、前記報知部に、当該連携信号に対応する防災情報を報知出力させる連携先制御部と、
を設けたことを特徴とする警報器。
【請求項12】
請求項11記載の警報器に於いて、
前記連携先制御部は、他の警報器から中継送信された前記緊急情報信号に基づく連携信号の受信を検知した場合に、前記報知部に、当該連携信号に対応する防災情報を報知出力させると共に、前記緊急情報に基づく連携信号を他の警報器へ中継送信することを特徴とする警報器。
【請求項13】
請求項11又は12記載の警報器に於いて、前記緊急情報信号は、緊急地震速報信号、緊急警報信号或いは津波警報信号であることを特徴とする警報器。
【請求項14】
放送設備から送信された緊急情報信号の受信する緊急警報装置に於いて、
AM放送、FM放送又はテレビ放送のいずれかの放送信号を受信する受信部と、
連携信号を前記警報器に送信する送信部と、
前記受信部で受信された前記放送信号から緊急情報信号の受信を検知した場合に、前記緊急情報信号に基づく連携信号を生成して前記送信部から外部機器へ送信させる連携元制御部と、
を設けたことを特徴とする緊急警報装置。
【請求項15】
請求項14記載の緊急警報装置に於いて、前記緊急情報信号は、緊急地震速報信号、緊急警報信号或いは津波警報信号であることを特徴とする緊急警報装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−248906(P2011−248906A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2011−134438(P2011−134438)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】