隣接セル関係リストの初期設定
【課題】CSG基地局のサービス圏内の閉域加入者グループ(CSG)セルに特に有利なやり方で、隣接セル関係リストが設定される。
【解決手段】CSGに属する無線端末だけが、CSGセルにアクセスしてCSGセルからサービスを受けることを許可され、無線端末はCSG基地局から受信した信号の信号品質測定結果をそれぞれのサービス提供基地局に報告してはならないということを一般的に示す情報が、CSGセルに隣接する各セルの中の無線端末に提供される。CSGセルが以前に同じ環境で起動された場合、そのCSGセルについての隣接セル関係情報が、他のネットワークノードを使って更新される。そうでないならば、そのCSGセルの隣接セル関係リストが初期設定される。新たな隣接セル関係がその隣接セル関係リストに追加された場合、CSG基地局は新たに追加された隣接セルから隣接セル関係リストのエントリを引き継ぐ。
【解決手段】CSGに属する無線端末だけが、CSGセルにアクセスしてCSGセルからサービスを受けることを許可され、無線端末はCSG基地局から受信した信号の信号品質測定結果をそれぞれのサービス提供基地局に報告してはならないということを一般的に示す情報が、CSGセルに隣接する各セルの中の無線端末に提供される。CSGセルが以前に同じ環境で起動された場合、そのCSGセルについての隣接セル関係情報が、他のネットワークノードを使って更新される。そうでないならば、そのCSGセルの隣接セル関係リストが初期設定される。新たな隣接セル関係がその隣接セル関係リストに追加された場合、CSG基地局は新たに追加された隣接セルから隣接セル関係リストのエントリを引き継ぐ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術分野は無線通信に関し、詳細には、隣接セル関係を含むセルラー無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
代表的な無線通信システムでは、無線端末またはユーザ装置端末UEと呼ばれる無線通信端末は、無線アクセスネットワーク(RAN)を介してインターネットのような他のネットワークと通信する。無線アクセスネットワーク(RAN)は、ある地理的エリアをカバーし、その地理的エリアはセルに分かれ、各セルは、1つの基地局、例えば無線基地局(RBS)のサービス圏内にあり、無線基地局は、ネットワークによっては、「ノードB」と呼ばれたり、エンハンストノードBすなわち「eNodeB」と呼ばれたりすることもある。各基地局は、典型的には複数のセルにサービス提供する。一般的な配置の1つは、3セル基地局配置であり、この場合、1つの基地局は3つのセルにサービス提供する。無線端末は主に、その無線端末が存在するサービス提供セルの中のサービス提供基地局によってサービスが提供される。一部の技術では、通信リンクは、特定の無線端末とそのサービス提供セルとの間で確立されるだけでなく、その無線端末と他のセルとの間でも確立される。この場合、端末は、大規模ダイバーシチまたはソフトハンドオーバと呼ばれるものを用いて、複数の基地局によってサービス提供される。
【0003】
基地局は、無線端末との間で信号を送受信する。信号は、特定の無線端末との間で送受信される専用信号と、セルの中の無線端末の部分集合を対象とするマルチキャスト信号と、セルの中のすべての無線端末に対する基地局からの同報信号とのうち、いずれであってもよい。基地局は、サービス提供セルの同報チャネルを用いて、セルの中のすべての無線端末に対して情報を同報する。
【0004】
最近、ブロードバンドインターネットサービスに接続し、かつ、フェムトセルと呼ばれることもある極めて小さいエリアをカバーする、小規模基地局の導入が進んできた。フェムトセルは、WiFiの「ホットスポット」と類似しているが、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)ではなくセルラーネットワークの一部である。フェムト基地局は、もっと大型の「大規模(マクロ)」基地局と多くの意味で同様に機能するのだが、それよりはるかに小規模に、例えば共同住宅、家屋、事務所等の、狭い空間に合わせて設計された低出力で機能する。ピコとは、「小さい」を意味するこれらの小規模基地局の別名であり、この場合、「フェムト」は、さらに小型であることを意味する。フェムト基地局は、大規模基地局タワー同士が接近していることが原因で、あるいは単に、信号を妨害する建物やその他の障害物の材料が原因で、通常の大規模基地局と移動電話との間の信号品質が悪い、より狭い室内または閉じた空間の中で、より良い信号を提供する。従来型基地局を用いる代わりに、移動端末は、フェムト基地局を用いてIPネットワークにアクセスする。
【0005】
図1は、小規模基地局と従来型の大規模基地局とを含むセルラー通信システムの一例を示す。第1の建物1は、大規模基地局3から無線信号を受信する無線端末2を含む。無線基地局3は、直接かまたは無線アクセスネットワーク4を通して、コアネットワーク5に接続している。コアネットワーク5は、インターネット6およびその他のネットワークへのアクセスを提供する。第2の建物7は、小規模基地局9から無線信号を受信するもう1つの無線端末8を含む。小規模基地局9は、典型的には何らかのブロードバンドアクセスメカニズム(有線またはワイヤレス)を介して、直接かまたは無線アクセスネットワーク4を通してコアネットワーク5に接続していてもよい。この場合もやはり、コアネットワーク5は、インターネット6およびその他のネットワークへのアクセスを提供する。小規模基地局は建物7の内側に位置しており、かつ、典型的には建物7の内部またはその近接地におけるカバー範囲を提供することだけを目的としているため、その送信出力は、大規模基地局3の送信出力より相当低いことがあり、大規模基地局は、はるかに大きくて多様なサービスエリアを有し、また同時に高速のデータ速度サービスを提供している。
【0006】
小規模基地局は通常、例えば、あるグループ内のユーザだけがその小規模基地局からサービスを受けることができるような、限定されたユーザグループを有する小さなセルエリアにサービス提供する。多くの場合、ユーザは、小規模基地局を小売店で購入して、それを電気のコンセントと家庭内、事務所内、学校内等のデータネットワークとにつなぐことによってそれを設置してもよい。これらの小規模基地局は、ホーム基地局、フェムト基地局、ピコ基地局等と呼ばれることもある。大型の大規模基地局が、限定されたユーザグループだけにアクセスを許可してサービスを提供してもかまわないが、小規模基地局の方がより代表的な例である。本願では、限定されたユーザグループだけにアクセスを許可してサービスを提供する基地局であれば、いずれも閉域加入者グループ(CSG)基地局と呼ばれる。CSG基地局は、限定された無線端末の集合だけにアクセスを許可する1つまたは複数のCSGセルにサービス提供する。また、CSGセルは、例えば企業ネットワークをサポートするための、アクセス制限を伴うネットワークを編成するのに用いられてもよい。このように閉鎖されたり制限されたりすることがそれほどではない基地局は、「開放型」基地局と呼ばれる。
【0007】
現在のセルラー無線システムには、例えば、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)を用いて運用される第三世代(3G)のユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)と、直交周波数多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:OFDMA)を用いて運用されるUMTSのLong Term Evolution(LTE)のような第四世代(4G)システムとが含まれる。LTEおよびSystem Architecture Evolution(SAE)の標準化作業における1つの重要な焦点は、新たなネットワークは導入が簡単で、かつ、運用のコスト効率が高いということを保証することである。その構想は、新たなシステムは、できるだけ多くの側面で自己最適化し、自己構成するであろうということである。そのような側面の1つは、従来型の大規模セルレイヤと同じ周波数帯域上で、原則的に構成を行わず、閉域加入者グループセル(CSGセル)を自動統合して処理することである。
【0008】
CSG基地局の設置には、さまざまな動機がありうるし、そして、さまざまな問題もある。例えば、自分のCSG基地局に接続しているエンドユーザは、大規模基地局に接続している場合と同じサービスを依然として受けつつ、大規模ネットワークと比べて価格/性能比を向上させることを望む。またユーザが、大規模セルに滞在している場合より速いデータ速度とより良いサービス品質とを期待することすらある。加えて期待されているのは、CSG基地局の設置手順が簡単かつ原則として自動的であることであり、それには、大幅な手動設定をしなくても、承認されたユーザのためにCSG基地局との間のハンドオーバをサポートすることが含まれる。問題の1つは、場合によってはCSG基地局が大規模基地局より呼管理能力が低いことから生じるものであり、従って、CSG基地局は、加入機能および承認機能を実行する能力が劣ることがある。そのような場合には、CSG基地局に対する多くの未承認のハンドオーバ要求と、それに応じたその後のハンドオーバ拒否とが、CSG基地局の性能を妨げるであろう。もう1つの問題は、CSG基地局を用いることを承認される新規ユーザの追加が便利であることが望ましいということである。さらに、同一の運用事業者への特定の加入を行っているすべてのユーザが、いずれかのCSG基地局かまたはCSG基地局の部分集合を使用することを承認されている場合に、運用事業者がCSG基地局を販売できれば有利である。
【0009】
LTEおよびWCDMAにおけるハンドオーバはモバイル支援付きであるが、このハンドオーバがモバイル支援付きというのはつまり、サービス提供基地局からおよびハンドオーバ「候補」基地局に関連する他の代替セルから受信した信号の品質(例えば信号強度)について無線端末が行った測定の結果を、無線端末が自分のサービス提供基地局に報告することを意味する。他の代替セルはセル識別子を用いて識別される。そのような物理的識別子の限定的でない例として、WCDMAならセルのダウンリンクのスクランブルコード番号、そしてLTEならセルの参照信号の波形を記述する物理セル識別子がある。無線端末は、(基地局が複数のセルにサービス提供していると仮定すると)同じ基地局のサービス圏内の別のセルについて報告してもよいし、異なる基地局のサービス圏内の別のセルについて報告してもよい。
【0010】
隣接セル関係(NCR)リストは、ハンドオーバのためのセルリスティング関連の(例えば隣接)候補セルに関連するリストである。各候補セルについて、リスト情報には、物理セルIDとグローバルに一意のセルIDとを含むセル識別子と、例えば通信リンクがサービス提供基地局と候補セルの基地局との間でどのように確立されうるかといった接続性情報と、そして、例えばCSGセル、マクロセル、マイクロセル等のようなセルのタイプの情報とが含まれる。隣接セル関係リストは、基地局の中に記憶されてもよいが、場合によっては複数のノードの中のNCRリストを定期的に更新するかたちで、他のノードの中にも記憶されてよい。
【0011】
無線端末による測定結果報告の送信は、典型的には、トリガされるか、すなわち、イベントトリガによって行われるか、イベントトリガによって周期的に行われるか、または周期的に行われる。イベントトリガによる報告の場合、無線端末は、設定された基準に適合した場合、自分のサービス提供基地局に報告を送信する。そのような基準の一例は、新規セルの品質が、サービス提供セルと所定のオフセットとの間の範囲内にある所定の時間内に測定されることである。所定の時間とオフセットとは、サービス提供基地局によって無線端末に提供される。そのような基準の別の例は、以前はサービス提供セルと所定のオフセットとの間の範囲内にあったセルが、所定の時間だけ範囲外に移動することである。イベントトリガによる報告は、結果として、1つのイベントをトリガした時に1つの測定結果報告をもたらす。イベントトリガによる周期的報告の場合、無線端末は、イベントのトリガの後で所定数の周期の間かまたは別のトリガ条件に適合するまでの間かいずれか一方の間、測定結果報告を周期的に送信し続ける。周期的報告の場合、無線端末は定期的に測定結果を報告する。例えばGSM(登録商標)のような第二世代システムの場合、典型的にはこれであった。
【0012】
無線端末は典型的には、トリガイベントが適合しているかどうか調べる場合にすべてのセルを検討する。他方、何らかの形でアクセス禁止と示されている代替セルについては、無線端末が検討も報告もしないことが望ましい。複数のセルの禁止ステータスを伝達する1つのやり方は、サービス提供基地局が、セルのブラックリストをサービス提供セルの同報チャネルで同報する(すなわち、サービス提供セルがセル識別子のブラックリストを同報する)ことである。もう1つのやり方は、無線端末が、サービス提供基地局によって同報された「ホワイト」リストに含まれるセルだけをサービス提供セルの同報チャネルで報告することである。ホワイトリストは、逆ブラックリストと考えられてもよい。ブラックリストに多数のセルが存在するときには、ホワイトリストをシグナリングする方が効率的であろうし、逆も同様である。第3のやり方は、禁止セルの各サービス提供基地局が、禁止セルへのアクセスは禁じられていることを示すメッセージを、自分の同報チャネルで同報することである。すべての無線端末は、セルについて報告する前にこの指示をチェックすべきである。そのような指標の例として、「Cell Barred(禁止セル)」、「Cell Restricted(制限セル)」、または「CSGセル」等がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
CSG基地局が典型的な「開放型」基地局として導入される場合には、CSG基地局は、CSGの一部ではない未承認無線端末のための多くのハンドオーバ要求を処理する可能性が高いであろうし、また結果として、これらの要求を拒否しなければならない。これは、CSG基地局にとって重大かつ不要な処理負荷を生じる。従って、ハンドオーバ関連のシグナリングおよびCSGセルに関して、さまざまな問題がある。
【0014】
しかしまた、CSGセルについてハンドオーバ測定結果を報告しない無線端末に関する問題も存在する。その1つは、無線端末は、新規に導入されたCSGセルを許可された候補セルであるとは考えない可能性があるため、新規に導入されたCSGセルをどのようにして初期設定するかである。もう1つの問題は、特にCSGが個人の家屋内で使われる場合に、長い期間の間にCSGセルの基地局の電源がオフにされる可能性があるということである。そのCSGセルがアクティブであったとき以来、ネットワークのステータスが変化したかもしれない、例えば、ローカルな基地局識別子が、再割当てされたり修正されたりしたかもしれず、それは、隣接セル関係が変化したことを意味する。また、CSGセルは、前回起動された後で移動したかもしれない。例えば、CSGセルが、オフィスや、会議施設のような別のビジネスサイトやクライアントサイトへ、あるいは別の家へ移動したかもしれない。そのようなCSGセルについての以前の隣接セル関係情報は、CSGセルの隣接先はもはや隣接先ではない可能性が高いことから、ほとんど無価値であるかもしれない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
隣接セル関係リストは、CSG基地局のサービス圏内の閉域加入者グループ(CSG)セルに特に有利な複数のやり方で初期設定され、管理される(CSGに属する無線端末だけが、CSGセルにアクセスしてCSGセルからサービスを受けることを許可される)。無線端末は、測定結果報告のトリガの中でCSGセルを検討するように自分のサービス提供基地局によって命令されないかぎり、CSG基地局から受信した信号の信号品質測定結果を自分の各サービス提供基地局に報告してはならないということを一般的に示す情報が、CSGセルに隣接する各セルの中の無線端末に提供される。あるCSGセルが起動されると、同じ環境で以前そのCSGセルが起動されたことがあるかどうかが判定される。そうであるならば、そのCSGセルについての隣接セル関係情報が、他のネットワークノードを使って更新される。そうでないならば、そのCSGセルの隣接セル関係リストが初期設定される。
【0016】
環境とは、隣接セル関係に影響を与えるネットワーク環境のことである。例えば、CSGセルが前回起動された後でのCSGセルの位置の変化は、環境の変化である。もう1つの例示的な環境の変化は、CSGセルが前回起動された後でのセルネットワーク内の複数のセルについての隣接セル関係情報の変化である。たとえそのCSGセルが同じ位置に存在している場合でも、他の各隣接セルが移動していたり、接続情報を変更していたり、あるいはそれらのセルIDを変更していたりすることがある。更新手順の間に、起動されたセルの隣接セル関係リスト情報が、環境の変化が生じたと結論付けられるほど十分に変化したことが発見される可能性もある。
【0017】
CSGセルは、以下のとおり初期設定される。まず、各無線端末は、それらがCSG基地局によって送信された信号を所定の信号品質で、または所定の信号品質を上回る品質で受信した場合には、あるいは、CSG基地局によって送信された信号の受信信号品質が、サービス提供基地局によって送信された信号の信号品質より所定の量だけ高い場合には、各無線端末は、たとえ各無線端末がCSGセルについて報告しないように命令されていたとしても、CSGセルについての信号品質の測定結果をそれらの各サービス提供セルに報告してもよいことを、それらのサービス提供基地局によって通知される。次いで、CSGセルのための隣接セルリストの中に所定数の隣接セルが含まれている場合、各無線端末は、CSGセルの閉域加入者グループの中のこれらの各無線端末だけが、CSG基地局からの受信信号品質がどのくらい良いかに関らず、CSGセルについての信号品質測定結果をそれらの各サービス提供セルに報告してもよいことを通知される。これらのステップは、サービス提供基地局によって行われても、CSG基地局によって行われても、あるいはCSG基地局に接続しているネットワークノードによって行われてもよい。加えて、アイドル状態の1つの無線端末が、CSGセルについての信号品質測定結果は非CSGセルについての信号品質測定結果を上回っていると判定する場合、その端末は、CSGセルへの登録を試行してもよい。
【0018】
サービス提供セルは、サービス提供されている無線端末からの実際の測定結果報告、例えば、サービス提供基地局が自分の隣接セル関係リストにすでにリスト済みの未承認無線端末によって報告されたCSGセルの数に基づいて、上述した所定の閾値と所定の量とを調整してもよい。
【0019】
ネットワークノードは、関連する基地局を有する各セルについて隣接セル関係リストを記憶するためのメモリと制御装置とを有する。ネットワークノード内の制御装置が、セルが運用のために最近起動されたと判定すると、制御装置は、メモリ内に記憶された隣接セル関係リスト情報に基づいて、起動されたセルの隣接セルである第1のセルを識別する。次いで制御装置は、起動されたセルについての隣接セルリストの中に所定数の隣接セルが含まれるまで、第1のセルに関連する1つ以上の隣接セル関係を、起動されたセルに関連する隣接セル関係として追加する。限定的でなく例示的な一実施形態において、各基地局は、開放型アクセスセルに関連する開放型基地局と、CSGに属する無線端末だけがCSGセルにアクセスしてCSGセルからサービスを受けることが許可されているようなCSGセルにサービス提供している閉域加入者グループ(CSG)基地局とを含む。この例では、起動されたセルはCSGセルであり、そして、ネットワークノード内のメモリは、(i)各開放型セルについての隣接セル関係リストと、(ii)各CSGセルについての隣接セル関係リストと、そして(iii)複数の無線端末の各々について、その無線端末がアクセスしてそこからサービスを受けることが承認されているすべてのCSGセルを識別するCSG承認リストとを記憶する。ネットワークノードは、1つ以上の適切なインタフェースを介して開放型基地局と閉域基地局とに接続している中央ノードであってもよい。中央ノードの一例として、運用支援システム(OSS)がある。
【0020】
基地局が、制御装置と、サービス提供される各セルについて隣接セル関係リストを記憶するためのメモリとを含む。基地局内の制御装置が、サービス提供される1つのセルは最近運用のために起動されたと判定すると、基地局内の制御装置は、メモリ内に記憶された隣接セル関係リスト情報に基づいて、起動されたセルの隣接セルである第1のセルを識別する。次いで基地局内の制御装置は、第1のセルにサービス提供する第1の基地局に対して、第1のセルの隣接セル関係リストについて問い合わせを行い、その後、起動されたセルについての隣接セルリストの中に所定数の隣接セルが含まれるまで、第1のセルに関連する1つ以上の隣接セル関係を、起動されたセルに関連する隣接セル関係として追加する。限定的でなく例示的な一実施形態において、各基地局は、開放型アクセスセルに関連する開放型基地局と、CSGに属する無線端末だけがCSGセルにアクセスしてCSGセルからサービスを受けることが許可されているようなCSGセルにサービス提供する閉域加入者グループ(CSG)基地局とを含む。この例では、起動されたセルはCSGセルであり、そして、CSG基地局内のメモリは、各CSGセルについての隣接セル関係リストを記憶する。
【0021】
隣接セルに関連する隣接基地局によって送信される信号を受信する無線端末が、関連する信号品質を判定して、所定の信号品質閾値を上回るものを識別する。アクセス制限セルを監督するアクセス制限基地局の信号品質測定結果が、非アクセス制限基地局に関連する信号品質測定結果を所定の量だけ上回っているかどうかの判定が行われる。そうであるならば、端末は、アクセス制限基地局へ登録要求を送信する。CSGセルに対応する信号品質測定結果が、非CSGセルに対応する信号品質測定結果を所定の量だけ上回っていないのならば、無線端末は、それの関連する信号品質測定値が所定の信号品質閾値を上回るような非CSGセルのうちの1つへ登録要求を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】セルラー通信システム内の大規模基地局と小規模基地局とを図解する図である。
【図2】マクロセルおよび大規模基地局並びにCSGセルおよびCSG基地局を備えたセルラー通信システムを図解する図である。
【図3】大規模基地局とCSG基地局とを含む例示的なLTE移動無線通信システムの機能ブロック図である。
【図4】基地局の、限定的でなく例示的な機能ブロック図である。
【図5】無線端末の、限定的でなく例示的な機能ブロック図である。
【図6】セルリストを記憶する中央ノードの、限定的でなく例示的な機能ブロック図である。
【図7】起動されたCSGセルについての、限定的でなく例示的な手順を図解するフローチャート図である。
【図8】起動されたCSGセルについての隣接セル関係を迅速に構築するための、限定的でなく例示的な手順を図解するフローチャート図である。
【図9】起動されたCSGセルについての隣接セル関係を迅速に構築するための、限定的でなく例示的な手順を、CSGセルについての最初の一時的なUE測定結果報告と連結して図解するフローチャート図である。
【図10】最初にCSGセルについての広域のUE測定結果報告を用いた後に狭域のUE測定結果報告を用いる、起動されたCSGセルについての、限定的でなく例示的な手順を図解するフローチャート図である。
【図11A】セル報告手順の、限定的でなく例示的な集合を図解するフローチャート図である。
【図11B】図11Aのセル報告手順を実装するための、限定的でないシグナリングを図解する図である。
【図12】CSGセルの近くでUEが起動された場合のセル選択手順の、限定的でなく例示的な1つの集合を図解するフローチャート図である。
【図13】CSGセルの近くでUEが起動された場合のセル選択手順の、限定的でなく例示的なもう1つの集合を図解するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の記述において、記述された技術の理解を提供するために、限定ではなく説明を目的として、例えば特定のノード、機能的エンティティ、技法、プロトコル、標準等の具体的詳細について記述する。それ以外の場合、不要な詳細によって記述を分かりにくくしないよう、よく知られた方法、デバイス、技法等の詳細説明は省略する。図面には、個別の機能ブロックを示す。当業者であれば、これらのブロックの機能は、個別のハードウェア回路を用いて、または、適切にプログラムされたマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータと関連してソフトウェアプログラムとデータとを用いて、または、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル・ロジック・アレーを用いて、または、1つ以上のデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)を用いて、または、これらの組み合わせを用いて実装されてもよいことを理解するであろう。
【0024】
図2は、マクロセルおよび大規模基地局並びにCSGセルおよびCSG基地局を備えたセルラー通信システムを概念的に図解する図である。この簡略化した例では、2つの隣接するマクロセルM1およびM2と、対応する大規模基地局である大規模BS1と大規模BS2とを示す。マクロセルM1の中には、CSGセル1と、それに関連するCSG基地局CSG BS1とがある。マクロセルM1に隣接して、CSGセル2と、それに関連するCSG基地局CSG BS2とがある。R1乃至R4として示す同報無線信号が、これらの各基地局からUE/無線端末に到達することを示す。大規模BS1は、現時点で無線端末のサービス提供基地局であると想定されており、無線端末は、大規模BS2、CSG BS1、およびCSG BS2についての受信信号品質測定結果報告をサービス提供基地局である大規模BS1へと送信する能力を有する。無線端末がCSGセル1またはCSGセル2に近づくと、無線端末がそのセルのCSGのメンバであるかどうかによって、これらのCSGセルの1つに対するハンドオーバの機会がある。
【0025】
本願の技術は、LTEシステムに好適であり、従って、説明のための限定的でなく例示的な文脈を提供するため、LTEシステムの文脈で記述されることもある。しかし、本技術は、例えばWCDMA等の、いかなる現代のセルラー通信システムに用いられてもよく、LTEに限定されない。図3は、LTEタイプの移動通信システム10の一例を図解する図である。E−UTRAN12には、無線インタフェースによってユーザ装置(UE)端末20に対するE−UTRAユーザプレーンおよび制御プレーンのプロトコル終端を提供する、E−UTRANノードB(eNodeB)18(1つだけ図示する)が含まれる。また、2つのCSG基地局19も示す。基地局18および基地局19は、S1インタフェースを介して、Mobility Management Entity(MME)を有するEvolved Packet Core(EPC)14と、そして、System Architecture Evolution(SAE)Gatewayと通信する。この例では、MME/SAE Gatewayは単一ノード22として示されており、いろいろな意味でUMTSおよびGSM/EDGEにおけるSGSN/GGSNに類似している。しかし、MMEとSAEとは、別個のノードであってもよい。MME/SAEゲートウェイ同士が、S10インタフェースを介して通信してもよい。MME/SAEに、例えば隣接セル関係(NCR)リスト、ブラックリストおよびホワイトリストまたはそのいずれか等を含めて、基地局のためのセルリストを記憶するためのメモリ23が含まれてもよい。E−UTRAN12とEPC14とは一緒に、公衆陸上移動通信網(PLMN)を形成する。各MME/SAEゲートウェイ22は、直接的または間接的に、インターネット16および他のネットワークに接続されている。基地局18および19は、場合によってはMME/SAE22を介して、HLRデータベースおよび/またはVLRデータベースを含むHome Subscriber Server(HSS)24と通信してもよい。
【0026】
無線ネットワークは、効率的な無線端末UE測定結果報告手順をサポートするため、基地局/セルの一意でない物理的識別子(ローカル識別子と以下で呼ぶ)を用いることが多い。しかし、基地局/セルは、グローバルに一意であるセル識別子も有している。前述のLTEの例示的な実施形態については、Cell Global Identifier(CGI)と呼ばれる各セルのための一意の識別子と、PLMNにおける各セルについて一意であるほど十分長くはない、同じセルのためのPhysical Cell Identity(PCI)と呼ばれる物理レイヤ1識別子/ローカル識別子とが存在すると想定される。測定結果報告には、帯域幅を節約して使うため、短い方のPCIが用いられる。LTEでは、現行の例示的な想定は、504個の一意のPCI値を有することである。受信信号品質測定結果については、無線端末は、受信基地局の同報参照シンボルを監視して基地局の参照シンボル受信電力(RSRP)を測定する。最初のセル選択およびハンドオーバを行う場合には、これらの測定結果が用いられる。従って、各無線端末の視点からは、無線端末が検出できるPCIとCGIとの間にローカルな1対1マッピングが存在することは重要である。これは、セル関係が確立されているならば、無線端末がそのサービス提供基地局にPCIを報告するときに、サービス提供基地局が報告されたPCIをサービス提供セルの隣接セル関係リストの中のエントリに関連付けることができるということを意味する。WCDMAシステムでは、一例において512個の異なるスクランブルコードがある場合、PCIは「スクランブルコード」に対応してもよい。PCI値は、セルの最初の設定手順の一部としてネットワーク内の各セルに割り当てられる。これらのPCI値は、時間の経過と共に、再検討[再割当て?変更?]されてもよい。1つの方策は、PCIの集合を部分集合に(例えばいろいろなPCI値の範囲に)分割して、各部分集合を特定のセルタイプに対して予約することであってもよい。限定的でない一例として、CSGセルに、1から20までの範囲でPCIが割り当てられてもよい。
【0027】
次に、図2および図3に示すシステムならびに他の同様のシステムにおいて、自分自身のCSGセルを探索する無線端末に関連するリソースを削減して、無線端末が承認されないかぎり、不要なCSGセル測定および報告を制限する技術について記述する。これによって、ネットワーク全体の性能が向上する。無線端末はBSからCSGセルへのハンドオーバの間サポートされ、それと同時に他方では、未承認のCSGセルに関する測定および報告をネットワーク内のすべての無線端末に行わせることの悪影響が、大幅に削減される。
【0028】
限定的でなく例示的な一実施形態において、あるCSGセルはあるCSGへのアクセスだけを制限することを示す指標を、すべてのCSG基地局がCSGセルの同報チャネルで同報する。そのような指標の例として、禁止セル、制限セル、またはCSGセルがある。指標は、測定結果報告のトリガの中で特定のCSGセルに関連する信号品質測定結果を検討するように無線端末に命令する特定の命令がサービス提供基地局から無線端末に送信されないかぎり、同報チャネルでCSGセルから受信したそのような指標を含む同報信号の信号品質を無線端末は報告すべきでないという一般的な規則を、実施する。限定的でなく例示的な別の実施形態では、サービス提供セルの隣接セルとして登録されたすべてのCSGセルの物理的セルID(例えばLTEにおけるPCI)を含めて、サービス提供基地局が「ブラックリスト」をサービス提供セルの同報チャネルで同報する。これによって、未承認の無線端末からの、CSGセルからの測定結果の報告が回避される。同様のタイプのメッセージを無線端末に伝達するための他の技法もありうる。
【0029】
サービス提供基地局は、望ましい場合には、たとえそのCSGセルにサービス提供しているCSG基地局がそのCSGセルの同報チャネルで、あるCSGセルはあるCSGへのアクセスを制限しているか、または、そのCSGセルが、サービス提供セルの同報チャネルでサービス提供基地局によって同報される「ブラックリスト」上で識別されているか、または、その他のやり方で禁止セルとして識別されていることを示すような指標を同報した場合であったとしても、測定結果報告トリガの中で特定のCSGセルに関する測定結果を各無線端末が検討すべきであることを無線端末に通知するメッセージを1つ以上の無線端末に送信してもよい。そのような指標の例として、禁止セル、制限セル、またはCSGセルがある。さらに、「ブラックリスト」が、専用のやり方で個々の無線端末に対してシグナリングされてもよい。
【0030】
ブラックリストのかたちで用いられるこの禁止セル情報は、基地局のサービス圏内のセルに無線端末が接続する場合に、例えばセルへのハンドオーバまたはセルへの無線端末登録が成功した後で、基地局によって取得されてもよい。その場合、サービス提供基地局は、中央ノード(例えばLTEにおけるMMEまたはWCDMAにおけるSGSN、例えばHSSのような加入者および加入情報データベース、あるいは、無線端末文脈情報を維持管理するその他の何らかのノード)に確認して、大規模基地局に隣接するいずれかのCSGセルにアクセスすることを無線端末が承認されているかどうか判定する。中央ノードは、サービス提供基地局にこれらの隣接CSGセルのリストをシグナリングする。次いでサービス提供基地局は、無線端末が、サービス提供基地局の隣接セル関係(NCR)リスト上の1つ以上のCSGセルにアクセスすることを承認されているならば、たとえこれらのCSGセルにサービス提供するCSG基地局がこれらのCSGセルはあるCSGへのアクセスを制限しているか、または、これらのCSGセルが「ブラックリスト」で識別されていることを示す指標をこれらのCSGセルの同報チャネルで同報したとしても、これらのリストされ承認されたCSGセルを測定結果報告トリガの際に検討するように無線端末に要求する命令を、無線端末に送信する。サービス提供基地局は、新たな「ブラックリスト」を無線端末へ送信していずれかの従来のブラックリストを差し替えることによって、ブラックリストを更新してもよい。このようにして、承認された無線端末だけが測定結果報告トリガの際にCSGセルを「候補セル」として検討する。未承認の無線端末は、測定結果報告トリガの際にCSGセルを検討しない。
【0031】
また、ブラックリストの中で用いられる禁止セル情報は、無線端末登録の間に例えばHSSのような中央ノードから基地局によって取得されてもよい。次いで、この禁止セル情報は、例えば、無線端末に関連する情報がハンドオーバの間に1つのサービス提供基地局から次の目標基地局にその中で移転されうるメッセージ「コンテナ」を用いて、ハンドオーバの間に次の目標基地局に渡されてもよい。
【0032】
隣接セル関係リストを編成するための1つの例示的な方法が、2007年2月28日に出願され、「Self Configuring and Optimisation of Cell Neighbours in Wireless Telecommunications Networks」と題された、同一出願人によるPCT出願第PCT/EP2007/001737号の中に記述されており、その開示を参照により本願に援用する。運用事業者やCSGセルの所有者等は、中央ノードの中に記憶されたCSGセルと承認済み無線端末との間の関連情報に、ユーザインタフェースを介してアクセスしてもよい。サービス提供基地局は、無線端末測定結果報告を処理してハンドオーバ手順を実行する際、それらがCSGセルに関するものかあるいは別のマクロセルに関するものかどうかとは無関係に処理して実行することが好ましい。しかし、目標セルのタイプ、例えばCSGセルに合わせたハンドオーバ手順が用いられてもよい。
【0033】
マクロセルまたは開放型セルのサービス範囲が存在しない場合に無線端末がセル選択を行う場合、無線端末は、マクロセルまたは開放型セルのサービス範囲がある場合の一般原則とは逆に、制限セル、禁止セル、またはブラックリストにあるセルをセル接続候補として検討してもよい。また無線端末は、自分自身のCSGセルへの接続を最初に試行するため、自分自身のセル識別子の値(例えばCGIまたはPCI)を把握し続けてもよい。それが失敗した場合には、無線端末が知らない他のCSGセルが承認されていることがあるため、無線端末は、自分が検出することができる別のセルへの接続を試行する。LTEの文脈では、無線端末が接続を承認されている各CSGセルの現行のPCI値またはCGI値を無線端末に通知するように、コアネットワークノードと無線端末との間の現行のNon−Access Stratum(NAS)プロトコルが拡張されてもよい。別の例示的な代替案は、ショートメッセージサービス(SMS)またはマルチメディアメッセージサービス(MMS)メッセージあるいはそれに類似したものを、この情報を有する無線端末に送信することである。
【0034】
図4は、開放型基地局18とCSG基地局19とのいずれか一方であってもよい基地局の、限定的でなく例示的な機能ブロック図である。基地局18または19は、無線インタフェースによって無線端末と通信するための1つ以上のアンテナ30に接続している1つ以上の無線トランシーバ32を有する。無線トランシーバ32は、無線トランシーバ32を介して送信されることになる情報と無線トランシーバ32から受信される信号とについてベースバンド処理を行うベースバンドプロセッサ36を有するデータ処理システム34に接続する。またデータ処理システム34は、サービス享受無線端末からだけでなく、ハンドオーバおよびセル選択動作で用いるセル選択手順の際に、並びに、隣接セル関係リストを生成する際にアクセスを開始する無線端末からも、場合によってはスキャンされた同報情報と無線信号品質測定結果とをトランシーバ32から受信する、セル報告プロセッサ38も有する。隣接セル関係リストは、メモリ40の中に記憶される。基地局は、1つ以上のインタフェース42を介して他のネットワークエンティティと通信する。セル報告プロセッサ38は、NCRリストの更新および初期設定に関連する処理を行ってもよい。
【0035】
図4がCSG基地局である場合の一例において、CSG基地局は、CSG基地局の所有者または運用事業者が、CSG基地局が新たな環境にあることを中央ノードに通知するメッセージを(例えばインタフェース42を介して)CSG基地局から中央ノードへ送信することを可能にする、ソフトウェアに基づくメカニズム(例えばCSGセルの内部のウェブサーバまたは小型LCDユーザインタフェース)およびハードウェアまたはそのいずれかに基づくメカニズム(例えばCSG基地局ユニットに取り付けられたスイッチまたはノブ)を有してもよい。また、CSGセルが禁止されているかどうかを、すなわち、各無線端末がCSGセルについての測定結果をそれらのサービス提供基地局に報告すべきでないか、すべきであるかどうかを示す、CSGセル内のシグナリングまたはメッセージが、対話によって抑制されても/可能になってもよい。
【0036】
各無線端末の承認は、インタフェース42を介したシグナリングに基づいて行われる。さらに、新たな隣接セルが発見されると、それに続いて、その新規セルのサービス提供基地局に対する接続性情報、および、例えばセルタイプのような、セルについての他の情報を確立するために、インタフェース42による通信が行われる。候補セルが報告されると、セル報告プロセッサ38が、トランシーバ32から測定結果を受信することによって、候補セルの監視を続けてもよい。候補セルに関連する測定結果は、ハンドオーバプロセッサ43へ送信され、ハンドオーバプロセッサ43は、ハンドオーバが有利であると考えられるかどうか、いつならハンドオーバが有利であると考えられるかについて判定する。ハンドオーバプロセッサ43がハンドオーバを続行すると判定した場合、ハンドオーバ手順が、シグナリングを介して、トランシーバ32を用いて無線端末と、インタフェース42のうちの1つを介して次のサービス提供基地局と、そして、インタフェース42のうちの1つを介してコアネットワークノードに対して行われる。
【0037】
図5は、無線端末の、限定的でなく例示的な機能ブロック図である。無線端末20は、無線インタフェースによって各基地局と通信するための1つ以上のアンテナ58に接続している無線トランシーバ60を有する。無線トランシーバ60は、無線トランシーバ60を介して送信されることになる情報と無線トランシーバ60から受信される信号とについてベースバンド処理を行うベースバンドプロセッサ64を有するデータ処理システム62に接続する。またデータ処理システム62は、トランシーバ60を制御して無線信号品質を測定し(および場合によってはフィルタにかけ)、同報信号とCSG基地局を含む各隣接基地局からのこれらの信号が有する情報とをスキャンし、そしてサービス提供基地局によって構成された1つ以上の条件を評価することによって測定結果報告トリガを行う、無線信号測定プロセッサ66を有する。トリガ条件が適合すると、測定プロセッサは、測定結果報告をサービス提供基地局へ送信する。上記で説明したように、測定結果報告トリガにおいて測定プロセッサ66は、制限されているCSGセルと制限されているにもかかわらずサービス提供基地局が無線端末に対して特別に考慮するように命令してはいなかったCSGセルとを除くすべてのセルを検討する。また無線端末20は、ユーザが無線端末をプログラムして無線端末と通信することを可能にするため、ユーザインタフェース68を有する。
【0038】
図6は、中央ノード70の、限定的でなく例示的な機能ブロック図である。中央ノード70は、管理機能、データ処理機能、および制御機能を実行するための制御装置78を有しており、そして、適切なインタフェース76を介して他のネットワークノードと通信する。CSGセル‐無線端末承認リスト74と、ネットワーク内の各種のセル(開放型セルとCSGの両方)のための隣接セル関係リスト72と、そしてその他のリストとを記憶するため、例えばデータベースのようなメモリが提供される。CSGセル‐無線端末承認リスト74は、場合によっては別の中央ノード内の情報を使ってリストを更新することによって、インタフェース76を介して更新される。無線端末の識別子(例えばIMSI)が、ネットワーク運用事業者によってかCSG基地局の所有者かいずれか一方によってCSGセル‐無線端末承認リスト74に追加されても/リスト内で置換されても/リストから削除されてもよい。これは、例えば電話番号を識別子として用いて、運用事業者のウェブインタフェースを介して行い、次いでそれらの識別子を無線端末のIMSIに変換することもできる。1つのセルの隣接セル関係リストは、その1つのセルにサービス提供している基地局と各リストを比較することによって更新することもできる。
【0039】
図7は、起動されたCSGセルについての、限定的でなく例示的な手順を図解するフローチャートである。CSGセルが起動されると(ステップS1)、CSGセルは、中央ノード70との接続を確立し、そして接続手順の一部として中央ノード70は、例えばCSGセルのIPアドレスのような、CSG接続性情報について通知を受ける。ステップ2で、例えばCSGセルの基地局が中央ノード70に確認することによって、CSGセルが前回起動されたときのCSGセルの状態と同じネットワーク環境にCSGセルがあるのかどうかの判定が行われる。環境とは、隣接セル関係に影響を与えるネットワーク環境のことである。例えば、CSGセルが前回起動された後でのCSGセルの位置の変化は、環境の変化である。しばらく起動されていなかった後にセルが起動される場合、セルは、ユーザプレーンの接続性と制御プレーンとの接続を両方共確立し直す必要がありうる。この手順は、新規に導入されるセルの初期構成にかなり類似している可能性がある。この手順の一部として、中央ノードがCSGセルに関する位置情報を検出することができる。それはCSGセルのIPアドレスか、サブネットワーク情報か、インターネットサービスプロバイダか、または、場合によっては設置者のセル所有者によって入力された、セルが報告する位置情報か、またはそれらの組み合わせであってもよい。もう1つの例示的な環境の変化は、CSGセルが前回起動された後でのセルネットワーク内の複数のセルについての隣接セル関係情報の変化である。たとえCSGセルが同じ位置に存在している場合でも、他の各隣接セルが移動していたり、接続性情報を変更していたり、あるいはそれらのセルIDを変更していたりすることがある。更新手順の間に、起動されたセルの隣接セル関係リスト情報が、環境の変化が生じたと結論付けられるほど十分に変化したことが発見されることがある。上記のように、CSG基地局は、CSG基地局が新たな環境にあることを示す信号をCSG基地局の所有者または運用事業者が中央ノードに送信することを可能にするメカニズムを提供してもよい。
【0040】
環境が同じである場合には、CSGセルについての隣接セル関係リスト情報が、中央ノード70を使って更新される(ステップS3)。更新することには、例えば、例えばセルIDの変更や、セルIPアドレスの変更等のような、CSGセルのNCRリスト内の隣接セルに関する現行情報を更新することが含まれてもよい。起動された「第1の」セルの隣接セル関係リストには、ハンドオーバ候補セルについての情報、例えば候補セルのPCI、CGI、および(他の基地局または中央ノードまたはその両方への)接続性情報が含まれる。第1のセルが前回起動された後で、他のセルのPCIが変更されたり、一部のセルが除去されたり移動したりして、結果的にそれらの接続性情報が変更された可能性がある。情報が大幅に変更されたと更新手順によって判定された場合、環境が変化したと想定されてもよく、そしてセルは代わりに初期設定される。
【0041】
第1のセルの隣接セル関係リストの中にある第2のセルとの接続が維持される場合、第1のセルは、第2のセルの現在ステータスについて問い合わせを行うことができる。第2のセルの隣接セル関係リストを用いて、第1のセルは、第2のセルについての自分の隣接セル関係リスト情報を更新する。セル関係情報は中央ノード70の中に記憶されると想定すると、更新方法の代替案は、第1のセルが、自分の隣接セル関係リストの中の第2のセルについてのセル関係情報を、中央ノード70のメモリの中に記憶されたNCRリストからのこれらの第2のセルについての現行のセル情報を用いて更新することである。さらに第1のセルは、第2のセルの隣接セル関係リストから自分自身の隣接セル関係リストへセルを追加することを検討してもよい。これは、第1のセルの隣接セルリストの中にあるすべての第2のセルについて検討することもできるし、過去において最大数のハンドオーバを行った第2のセルに制限することもできる。
【0042】
環境が同じでない場合には、CSGセルと他のセルとの間で隣接セル関係を確立する必要がある。加えて、CSGセルが、新規の物理セルIDを無作為に選んでもよい。CSGセルは最初は、セル起動後の、例えばCSGセルの中のセル関係の数が閾値を上回るとか、あるいはタイマが満了する等の一定期間は、(「禁止セル」、「制限セル」、「CSGセル」等のように)禁止されていることを例えば示さないことによって、そのCSGセルについての無線端末測定結果が他のセルに報告されることを可能にする(ステップS4)。またCSGセルは、無線端末が少なくとも一度いずれかの他のセルにCSGセルについて報告することを可能にする初期設定フラグを同報してもよい。また、この初期設定フラグは、あいまいさを回避するため、無線端末がCSGセルのグローバル識別子(例えばCGI)を検出してそのグローバル識別子を信号品質測定結果と共にそのサービス提供セルに報告すべきであることを無線端末に示すことができてもよいだろう。さらに、CSG基地局は、CSG基地局の所有者または運用事業者が、ハードウェアとソフトウェアとのいずれか一方を介してCSGセルのアクセス制限プロパティを変更することができるようにするメカニズムを有してもよい。次いで、CSGセルについて十分な数の隣接セルが識別されたかどうかの判定が行われる(ステップS5)。そうでない場合は、ステップS4でCSGセルについての無線端末測定結果が、他のセルに報告され続ける。そうである場合は、その後CSGセルは、承認されたCSG無線端末がCSGセルについての無線端末測定を他のセルに対して報告することだけを許可する(ステップS6)。
【0043】
初期設定プロセスにおいて、隣接セル関係リストの確立は、いろいろなやり方で行いうる。以下に述べる3つの例示的なメカニズム、すなわち、迅速な隣接セル関係構築と、いずれかの移動装置から報告されることになる測定結果の最初の承認と、無線端末起動の際の特定無線端末選択手順とを、個々に用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。第1のメカニズムは、いかなるタイプのセルに用いられてもよいが、第2および第3のメカニズムは、主にCSGセルに用いられる。
【0044】
図8は、起動されたセルについての隣接セル関係を迅速に構築するための、限定的でなく例示的な手順を図解するフローチャート図である。セルが起動された(ステップS10)後、起動されたセルの基地局、すなわち第1の基地局/セルと呼ばれる基地局によって、第1の隣接セル関係リストが隣接セルエントリを伴って存在するかどうかの決定が行われる(ステップS11)。そうでない場合は、第1の起動されたセルの隣接関係リストは空である。従って、第1のセルの基地局は、第2の隣接セルの基地局からかまたは中央ノードから、第2の隣接セルについてすでに存在している1つ以上の隣接セル関係を取得する(ステップS12)。必ずというわけではないが、できれば、第2のセルの隣接セルリストのすべてのエントリが、第1のセルの隣接セル関係リストへとコピーされることが好ましい。しかし、基地局の接続性情報が第1の基地局と第2の基地局との間で異なる可能性が高いことから、第1の基地局は、リストされた各隣接セルとの接続性を検証する必要がある。さらに、すべてのセル関係は相互的であってもよく、従って、第1のセルは、第2のセルの隣接セル関係リストの中の全てのセルには隣接セルに見える。この手順は、第2のセルの隣接セル関係リストからの1つ以上の他のセルを使って繰り返されてもよいし、その後で測定されてUEに報告されたいずれかの隣接セルを介して繰り返されてもよい。
【0045】
図9は、起動されたCSGセルについての隣接セル関係を迅速に構築するための、限定的でなく例示的な手順を、CSGセルについての最初の一時的なUE測定結果報告と連結して図解するフローチャートである。ステップS1乃至S4は、図7の場合と同じである。ステップS4の後、図8で述べたようにステップS11とS12とが行われる。CSGセルについて隣接セルが十分存在すると識別された後、CSGセルは、承認されたCSG無線端末が他のセルに対してCSGセルについてのUE測定結果報告を行うことだけを許す(ステップS6)。
【0046】
図10は、最初にCSGセルについての広域のUE測定結果報告を用いた後に狭域のUE測定結果報告を用いる、起動されたCSGセルについての、限定的でなく例示的な手順を図解するフローチャートである。ステップS1乃至S3は、図7の場合と同じである。しかしステップS2では、CSGセル環境が変化した場合には、CSGセルは、サービス享受無線端末測定結果報告について「広域」の報告ウィンドウを用いる(ステップS15)。広域の報告ウィンドウとは、サービス享受無線端末が、隣接セル関係情報を生成するために、かなり低い受信信号品質の候補セルを報告することを意味する。広域の報告ウィンドウは、検出されたすべてのセルが最初は報告されるという意味で、無限であってもよい。しかし、何らかの条件が満たされた後では(例えば、確立されたセル関係の数が閾値を上回る(ステップS16))、CSGセルは、比較的狭域の報告ウィンドウが用いられる、初期設定後の状態になる(ステップS17)。狭域の報告ウィンドウとは、サービス享受無線端末が、例えば所定の閾値によって判定される、高い受信信号品質の候補セルだけを報告することを意味する。
【0047】
図11Aは、セル報告手順の、限定的でなく例示的な集合を図解するフローチャートであり、図11Bは、図11Aのセル報告手順を実装するための、限定的でないシグナリングを図解する図である。それらの図は、サービス提供基地局がどのようにして、禁止セルであるにもかかわらず高品質で受信されたCSGセルの同報信号を報告するように無線端末に命令することがあるかを図解する。無線端末は、サービス提供基地局によって送信された信号の信号品質を、他の各基地局によって送信された信号の信号品質と比較する。同一出願人による、2008年3月23日に出願され、「Closed Subscriber Group Cell Handover」と題された米国出願11/においては、サービス提供基地局からブラックリストをシグナリングすることによってかまたはCSGセルによって同報シグナリングすることによってかいずれか一方で、禁止されたセルを除外するように無線端末に命令することが可能である。図11Bでは、無線端末(UE)は、候補セルを捜し(ステップS20)、そして、検出された候補セルの中から禁止セルを識別する(ステップS21)。端末は、検出された禁止/CSGセルによって送信された信号の信号品質を、サービス提供セルの信号から受信された信号品質と比較する。いずれかの禁止/CSGセルの信号品質が、ここではx dBとして示す所定の量だけサービス提供セルの信号品質を上回った場合、サービス提供セルにそれが報告される(ステップS23およびS24)。そうでない場合は、端末は、報告トリガ条件に適合するすべての開放型セルについて信号品質測定結果を報告する(ステップS22)。所定の量、例えばx dBは、例えば報告された禁止セルをサービス提供セルがどのくらいの頻度ですでに知っていたかという統計値に基づいて、時間の経過と共に調整されてもよい。
【0048】
図11Bは、サービス提供基地局と無線端末との間の例示的なシグナリングを図解する。まず第1に、所定の基準が満たされたならば無線端末は禁止セルについて報告すべきであると、サービス提供基地局が無線端末に通知する。この基準は、ステップS23で説明したように、禁止セルの信号の信号品質がサービス提供セルの信号の信号品質を所定量だけ上回ることであってもよい。禁止セルの測定結果によって基準が満たされた場合には、無線端末は、CSGセルの物理IDを含めて、報告をサービス提供基地局へ送信する。サービス提供セルは、CSGセルのセルグローバルIDを復号して報告するよう無線端末に要求することによって、応答してもよい。
【0049】
図12および13は、特定の無線端末のセル選択手順に関する図である。図12は、CSGセルの近くで無線端末が起動された場合のセル選択手順の、限定的でなく例示的な1つの集合を図解するフローチャートである。移動端末は、禁止セル、制限セル、CSGセルであると同報されたり、ブラックリストに掲載されたりしている禁止セルについて報告したり、それに登録(に接続)したりすべきでないという一般原則に加えて、この限定的でなく例示的な実施形態は、新たなセル選択の選択肢を追加する。無線端末は、起動後、隣接セルからの同報信号を捜す。検出されたセルは、受信信号品質に従ってソートされる(ステップS30)。最良の信号品質測定結果を有するセルがアクセス禁止セルまたはアクセス制限セルであるかどうか判定が行われる(ステップS31)。そうである場合は、無線端末は、この最良のアクセス制限セルは、最良の非アクセス制限隣接セルより大幅に良いかどうか(例えばx dBのような何らかの所定の量によって)判定し(ステップS33)、そのセルに登録/セルを選択/セルに接続することを試行する(ステップS34)。
【0050】
サービス提供基地局は、サービス圏内のすべてのアクティブな無線端末かまたはそれらの部分集合に対して、禁止セルについての信号品質測定結果を少なくとも一度報告するよう要求してもよい。無線端末は、これをサービス提供基地局に一度報告するだけでよく、そして、報告は、望ましくはローカルおよびグローバルセル識別子を有するべきであり、場合によってはCSGセルに対応する無線条件の測定結果を有するべきである。結果として無線端末は、単に自分が偶然CSGセルの近くにいたという理由で、サービス提供セルにとっては未知であるCSGセルについて報告してもよい。無線端末が承認されている場合、サービス提供セルと報告されたCSGセルとの間で隣接関係が設定されてもよく、そして、サービス提供セルは、次いで、新たに検出された承認されたCSGセルへのハンドオーバを行うように無線端末に命令することができる。そのような一回限りの報告手順が、要望どおりにまたは何らかの条件に基づいてサービス提供基地局によって有効化されたり無効化されたりしてもよい。
【0051】
図13は、CSGセルの近くで無線端末が起動された場合のセル選択手順の、限定的でなく例示的なもう1つの集合を図解するフローチャートである。ここで、未承認無線端末によるCSGへの登録の報告または試行またはその両方を制限するため、少なくとも1つのアクセス制限セルにアクセスできる無線端末だけに、選択手順においてCSGセルを検討する資格を持たせる。ステップS30乃至S32は、図12に関連して記述したものと同様である。ステップS31において最良のセルがアクセス制限セルである場合には、無線端末が少なくとも1つのアクセス制限セルにアクセスすることを承認されているかどうかステップS35で判定が行われる。そうでない場合は、無線端末は、最良の非アクセス制限セルを選択して、登録を開始する(ステップS32)。そうでなければ、無線端末は、最良のアクセス制限セルを選択して、登録を開始する(ステップS36)。
【0052】
上述の本技術は、迅速なCSGセル隣接セル関係リスト初期設定手順を提供しており、それは、CSGが前回起動された後で記憶された隣接先についての情報から恩恵を受ける。CSGセルの信号品質報告を制限するメカニズムの導入と共に、新規CSGセルをネットワーク内で自動的に統合することを目的として、新規CSGセルの報告を可能にする必要が生じる。本技術は、いくつかの事例において無線端末からの測定情報を提供するメカニズムについて述べる。例示する1つの事例は、あるセルのサービス圏内の無線端末が、禁止されていると考えられるCSGセルを検出するが、そのCSGセルからの信号の受信信号品質は、サービス提供基地局からの信号の信号品質を少なくとも所定の量だけ上回るような場合である。この状況では、その無線端末がそのCSGセルに十分近いならば、禁止されたCSGセルについての信号品質測定結果を検出して報告することは可能である。他の隣接セルから隣接情報を引き継ぐことや、広域セル報告を使うCSGセル初期状態などのようなその他のメカニズムも、CSGセルに関連する隣接セル関係情報を迅速にネットワーク内で収集して確立するための、迅速な隣接セル関係の確立をサポートする。さらに、CSGセルの禁止ステータスは、他のセルへの隣接セル関係の効率的かつ効果的な確立を円滑に行うことを目的として、CSGセルが初期設定されるときに最初に除去されてもよい。
【0053】
さまざまな実施形態を示して詳細に記述してきたけれども、請求項は特定の実施形態または例に限定されない。上記の記述のいずれも、いずれかの特定の要素、ステップ、範囲、または機能が必須であって、請求項の範囲に含まれなければならないことを意味すると解釈されるべきではない。特許化される対象の範囲は、請求項によってのみ定義される。法的保護の程度は、認められた各請求項およびそれらの等価物の中で記載された言葉によって定義される。当業者には既知である、上記の好適実施形態の諸要素へのすべての構造的および機能的等価物は、明示的に参照により本願に援用し、かつ、本諸請求項によって包含されることを意図している。加えて、デバイスまたは方法が、本発明による解決が求められている問題のそれぞれおよび問題のすべてに対処する必要はなく、なぜなら、それは本諸請求項によって包含されることになるからである。いずれの請求項も、「ための手段」または「ためのステップ」という言葉が用いられない限り、35USC§112のパラグラフ6を行使することを意図していない。さらに、実施形態、構成要素、またはステップが請求項の中に記載されているかどうかを問わず、本明細書の中のいかなる実施形態、特徴、構成要素、またはステップも、公衆に捧げられることを意図していない。
【技術分野】
【0001】
本技術分野は無線通信に関し、詳細には、隣接セル関係を含むセルラー無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
代表的な無線通信システムでは、無線端末またはユーザ装置端末UEと呼ばれる無線通信端末は、無線アクセスネットワーク(RAN)を介してインターネットのような他のネットワークと通信する。無線アクセスネットワーク(RAN)は、ある地理的エリアをカバーし、その地理的エリアはセルに分かれ、各セルは、1つの基地局、例えば無線基地局(RBS)のサービス圏内にあり、無線基地局は、ネットワークによっては、「ノードB」と呼ばれたり、エンハンストノードBすなわち「eNodeB」と呼ばれたりすることもある。各基地局は、典型的には複数のセルにサービス提供する。一般的な配置の1つは、3セル基地局配置であり、この場合、1つの基地局は3つのセルにサービス提供する。無線端末は主に、その無線端末が存在するサービス提供セルの中のサービス提供基地局によってサービスが提供される。一部の技術では、通信リンクは、特定の無線端末とそのサービス提供セルとの間で確立されるだけでなく、その無線端末と他のセルとの間でも確立される。この場合、端末は、大規模ダイバーシチまたはソフトハンドオーバと呼ばれるものを用いて、複数の基地局によってサービス提供される。
【0003】
基地局は、無線端末との間で信号を送受信する。信号は、特定の無線端末との間で送受信される専用信号と、セルの中の無線端末の部分集合を対象とするマルチキャスト信号と、セルの中のすべての無線端末に対する基地局からの同報信号とのうち、いずれであってもよい。基地局は、サービス提供セルの同報チャネルを用いて、セルの中のすべての無線端末に対して情報を同報する。
【0004】
最近、ブロードバンドインターネットサービスに接続し、かつ、フェムトセルと呼ばれることもある極めて小さいエリアをカバーする、小規模基地局の導入が進んできた。フェムトセルは、WiFiの「ホットスポット」と類似しているが、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)ではなくセルラーネットワークの一部である。フェムト基地局は、もっと大型の「大規模(マクロ)」基地局と多くの意味で同様に機能するのだが、それよりはるかに小規模に、例えば共同住宅、家屋、事務所等の、狭い空間に合わせて設計された低出力で機能する。ピコとは、「小さい」を意味するこれらの小規模基地局の別名であり、この場合、「フェムト」は、さらに小型であることを意味する。フェムト基地局は、大規模基地局タワー同士が接近していることが原因で、あるいは単に、信号を妨害する建物やその他の障害物の材料が原因で、通常の大規模基地局と移動電話との間の信号品質が悪い、より狭い室内または閉じた空間の中で、より良い信号を提供する。従来型基地局を用いる代わりに、移動端末は、フェムト基地局を用いてIPネットワークにアクセスする。
【0005】
図1は、小規模基地局と従来型の大規模基地局とを含むセルラー通信システムの一例を示す。第1の建物1は、大規模基地局3から無線信号を受信する無線端末2を含む。無線基地局3は、直接かまたは無線アクセスネットワーク4を通して、コアネットワーク5に接続している。コアネットワーク5は、インターネット6およびその他のネットワークへのアクセスを提供する。第2の建物7は、小規模基地局9から無線信号を受信するもう1つの無線端末8を含む。小規模基地局9は、典型的には何らかのブロードバンドアクセスメカニズム(有線またはワイヤレス)を介して、直接かまたは無線アクセスネットワーク4を通してコアネットワーク5に接続していてもよい。この場合もやはり、コアネットワーク5は、インターネット6およびその他のネットワークへのアクセスを提供する。小規模基地局は建物7の内側に位置しており、かつ、典型的には建物7の内部またはその近接地におけるカバー範囲を提供することだけを目的としているため、その送信出力は、大規模基地局3の送信出力より相当低いことがあり、大規模基地局は、はるかに大きくて多様なサービスエリアを有し、また同時に高速のデータ速度サービスを提供している。
【0006】
小規模基地局は通常、例えば、あるグループ内のユーザだけがその小規模基地局からサービスを受けることができるような、限定されたユーザグループを有する小さなセルエリアにサービス提供する。多くの場合、ユーザは、小規模基地局を小売店で購入して、それを電気のコンセントと家庭内、事務所内、学校内等のデータネットワークとにつなぐことによってそれを設置してもよい。これらの小規模基地局は、ホーム基地局、フェムト基地局、ピコ基地局等と呼ばれることもある。大型の大規模基地局が、限定されたユーザグループだけにアクセスを許可してサービスを提供してもかまわないが、小規模基地局の方がより代表的な例である。本願では、限定されたユーザグループだけにアクセスを許可してサービスを提供する基地局であれば、いずれも閉域加入者グループ(CSG)基地局と呼ばれる。CSG基地局は、限定された無線端末の集合だけにアクセスを許可する1つまたは複数のCSGセルにサービス提供する。また、CSGセルは、例えば企業ネットワークをサポートするための、アクセス制限を伴うネットワークを編成するのに用いられてもよい。このように閉鎖されたり制限されたりすることがそれほどではない基地局は、「開放型」基地局と呼ばれる。
【0007】
現在のセルラー無線システムには、例えば、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)を用いて運用される第三世代(3G)のユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)と、直交周波数多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:OFDMA)を用いて運用されるUMTSのLong Term Evolution(LTE)のような第四世代(4G)システムとが含まれる。LTEおよびSystem Architecture Evolution(SAE)の標準化作業における1つの重要な焦点は、新たなネットワークは導入が簡単で、かつ、運用のコスト効率が高いということを保証することである。その構想は、新たなシステムは、できるだけ多くの側面で自己最適化し、自己構成するであろうということである。そのような側面の1つは、従来型の大規模セルレイヤと同じ周波数帯域上で、原則的に構成を行わず、閉域加入者グループセル(CSGセル)を自動統合して処理することである。
【0008】
CSG基地局の設置には、さまざまな動機がありうるし、そして、さまざまな問題もある。例えば、自分のCSG基地局に接続しているエンドユーザは、大規模基地局に接続している場合と同じサービスを依然として受けつつ、大規模ネットワークと比べて価格/性能比を向上させることを望む。またユーザが、大規模セルに滞在している場合より速いデータ速度とより良いサービス品質とを期待することすらある。加えて期待されているのは、CSG基地局の設置手順が簡単かつ原則として自動的であることであり、それには、大幅な手動設定をしなくても、承認されたユーザのためにCSG基地局との間のハンドオーバをサポートすることが含まれる。問題の1つは、場合によってはCSG基地局が大規模基地局より呼管理能力が低いことから生じるものであり、従って、CSG基地局は、加入機能および承認機能を実行する能力が劣ることがある。そのような場合には、CSG基地局に対する多くの未承認のハンドオーバ要求と、それに応じたその後のハンドオーバ拒否とが、CSG基地局の性能を妨げるであろう。もう1つの問題は、CSG基地局を用いることを承認される新規ユーザの追加が便利であることが望ましいということである。さらに、同一の運用事業者への特定の加入を行っているすべてのユーザが、いずれかのCSG基地局かまたはCSG基地局の部分集合を使用することを承認されている場合に、運用事業者がCSG基地局を販売できれば有利である。
【0009】
LTEおよびWCDMAにおけるハンドオーバはモバイル支援付きであるが、このハンドオーバがモバイル支援付きというのはつまり、サービス提供基地局からおよびハンドオーバ「候補」基地局に関連する他の代替セルから受信した信号の品質(例えば信号強度)について無線端末が行った測定の結果を、無線端末が自分のサービス提供基地局に報告することを意味する。他の代替セルはセル識別子を用いて識別される。そのような物理的識別子の限定的でない例として、WCDMAならセルのダウンリンクのスクランブルコード番号、そしてLTEならセルの参照信号の波形を記述する物理セル識別子がある。無線端末は、(基地局が複数のセルにサービス提供していると仮定すると)同じ基地局のサービス圏内の別のセルについて報告してもよいし、異なる基地局のサービス圏内の別のセルについて報告してもよい。
【0010】
隣接セル関係(NCR)リストは、ハンドオーバのためのセルリスティング関連の(例えば隣接)候補セルに関連するリストである。各候補セルについて、リスト情報には、物理セルIDとグローバルに一意のセルIDとを含むセル識別子と、例えば通信リンクがサービス提供基地局と候補セルの基地局との間でどのように確立されうるかといった接続性情報と、そして、例えばCSGセル、マクロセル、マイクロセル等のようなセルのタイプの情報とが含まれる。隣接セル関係リストは、基地局の中に記憶されてもよいが、場合によっては複数のノードの中のNCRリストを定期的に更新するかたちで、他のノードの中にも記憶されてよい。
【0011】
無線端末による測定結果報告の送信は、典型的には、トリガされるか、すなわち、イベントトリガによって行われるか、イベントトリガによって周期的に行われるか、または周期的に行われる。イベントトリガによる報告の場合、無線端末は、設定された基準に適合した場合、自分のサービス提供基地局に報告を送信する。そのような基準の一例は、新規セルの品質が、サービス提供セルと所定のオフセットとの間の範囲内にある所定の時間内に測定されることである。所定の時間とオフセットとは、サービス提供基地局によって無線端末に提供される。そのような基準の別の例は、以前はサービス提供セルと所定のオフセットとの間の範囲内にあったセルが、所定の時間だけ範囲外に移動することである。イベントトリガによる報告は、結果として、1つのイベントをトリガした時に1つの測定結果報告をもたらす。イベントトリガによる周期的報告の場合、無線端末は、イベントのトリガの後で所定数の周期の間かまたは別のトリガ条件に適合するまでの間かいずれか一方の間、測定結果報告を周期的に送信し続ける。周期的報告の場合、無線端末は定期的に測定結果を報告する。例えばGSM(登録商標)のような第二世代システムの場合、典型的にはこれであった。
【0012】
無線端末は典型的には、トリガイベントが適合しているかどうか調べる場合にすべてのセルを検討する。他方、何らかの形でアクセス禁止と示されている代替セルについては、無線端末が検討も報告もしないことが望ましい。複数のセルの禁止ステータスを伝達する1つのやり方は、サービス提供基地局が、セルのブラックリストをサービス提供セルの同報チャネルで同報する(すなわち、サービス提供セルがセル識別子のブラックリストを同報する)ことである。もう1つのやり方は、無線端末が、サービス提供基地局によって同報された「ホワイト」リストに含まれるセルだけをサービス提供セルの同報チャネルで報告することである。ホワイトリストは、逆ブラックリストと考えられてもよい。ブラックリストに多数のセルが存在するときには、ホワイトリストをシグナリングする方が効率的であろうし、逆も同様である。第3のやり方は、禁止セルの各サービス提供基地局が、禁止セルへのアクセスは禁じられていることを示すメッセージを、自分の同報チャネルで同報することである。すべての無線端末は、セルについて報告する前にこの指示をチェックすべきである。そのような指標の例として、「Cell Barred(禁止セル)」、「Cell Restricted(制限セル)」、または「CSGセル」等がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
CSG基地局が典型的な「開放型」基地局として導入される場合には、CSG基地局は、CSGの一部ではない未承認無線端末のための多くのハンドオーバ要求を処理する可能性が高いであろうし、また結果として、これらの要求を拒否しなければならない。これは、CSG基地局にとって重大かつ不要な処理負荷を生じる。従って、ハンドオーバ関連のシグナリングおよびCSGセルに関して、さまざまな問題がある。
【0014】
しかしまた、CSGセルについてハンドオーバ測定結果を報告しない無線端末に関する問題も存在する。その1つは、無線端末は、新規に導入されたCSGセルを許可された候補セルであるとは考えない可能性があるため、新規に導入されたCSGセルをどのようにして初期設定するかである。もう1つの問題は、特にCSGが個人の家屋内で使われる場合に、長い期間の間にCSGセルの基地局の電源がオフにされる可能性があるということである。そのCSGセルがアクティブであったとき以来、ネットワークのステータスが変化したかもしれない、例えば、ローカルな基地局識別子が、再割当てされたり修正されたりしたかもしれず、それは、隣接セル関係が変化したことを意味する。また、CSGセルは、前回起動された後で移動したかもしれない。例えば、CSGセルが、オフィスや、会議施設のような別のビジネスサイトやクライアントサイトへ、あるいは別の家へ移動したかもしれない。そのようなCSGセルについての以前の隣接セル関係情報は、CSGセルの隣接先はもはや隣接先ではない可能性が高いことから、ほとんど無価値であるかもしれない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
隣接セル関係リストは、CSG基地局のサービス圏内の閉域加入者グループ(CSG)セルに特に有利な複数のやり方で初期設定され、管理される(CSGに属する無線端末だけが、CSGセルにアクセスしてCSGセルからサービスを受けることを許可される)。無線端末は、測定結果報告のトリガの中でCSGセルを検討するように自分のサービス提供基地局によって命令されないかぎり、CSG基地局から受信した信号の信号品質測定結果を自分の各サービス提供基地局に報告してはならないということを一般的に示す情報が、CSGセルに隣接する各セルの中の無線端末に提供される。あるCSGセルが起動されると、同じ環境で以前そのCSGセルが起動されたことがあるかどうかが判定される。そうであるならば、そのCSGセルについての隣接セル関係情報が、他のネットワークノードを使って更新される。そうでないならば、そのCSGセルの隣接セル関係リストが初期設定される。
【0016】
環境とは、隣接セル関係に影響を与えるネットワーク環境のことである。例えば、CSGセルが前回起動された後でのCSGセルの位置の変化は、環境の変化である。もう1つの例示的な環境の変化は、CSGセルが前回起動された後でのセルネットワーク内の複数のセルについての隣接セル関係情報の変化である。たとえそのCSGセルが同じ位置に存在している場合でも、他の各隣接セルが移動していたり、接続情報を変更していたり、あるいはそれらのセルIDを変更していたりすることがある。更新手順の間に、起動されたセルの隣接セル関係リスト情報が、環境の変化が生じたと結論付けられるほど十分に変化したことが発見される可能性もある。
【0017】
CSGセルは、以下のとおり初期設定される。まず、各無線端末は、それらがCSG基地局によって送信された信号を所定の信号品質で、または所定の信号品質を上回る品質で受信した場合には、あるいは、CSG基地局によって送信された信号の受信信号品質が、サービス提供基地局によって送信された信号の信号品質より所定の量だけ高い場合には、各無線端末は、たとえ各無線端末がCSGセルについて報告しないように命令されていたとしても、CSGセルについての信号品質の測定結果をそれらの各サービス提供セルに報告してもよいことを、それらのサービス提供基地局によって通知される。次いで、CSGセルのための隣接セルリストの中に所定数の隣接セルが含まれている場合、各無線端末は、CSGセルの閉域加入者グループの中のこれらの各無線端末だけが、CSG基地局からの受信信号品質がどのくらい良いかに関らず、CSGセルについての信号品質測定結果をそれらの各サービス提供セルに報告してもよいことを通知される。これらのステップは、サービス提供基地局によって行われても、CSG基地局によって行われても、あるいはCSG基地局に接続しているネットワークノードによって行われてもよい。加えて、アイドル状態の1つの無線端末が、CSGセルについての信号品質測定結果は非CSGセルについての信号品質測定結果を上回っていると判定する場合、その端末は、CSGセルへの登録を試行してもよい。
【0018】
サービス提供セルは、サービス提供されている無線端末からの実際の測定結果報告、例えば、サービス提供基地局が自分の隣接セル関係リストにすでにリスト済みの未承認無線端末によって報告されたCSGセルの数に基づいて、上述した所定の閾値と所定の量とを調整してもよい。
【0019】
ネットワークノードは、関連する基地局を有する各セルについて隣接セル関係リストを記憶するためのメモリと制御装置とを有する。ネットワークノード内の制御装置が、セルが運用のために最近起動されたと判定すると、制御装置は、メモリ内に記憶された隣接セル関係リスト情報に基づいて、起動されたセルの隣接セルである第1のセルを識別する。次いで制御装置は、起動されたセルについての隣接セルリストの中に所定数の隣接セルが含まれるまで、第1のセルに関連する1つ以上の隣接セル関係を、起動されたセルに関連する隣接セル関係として追加する。限定的でなく例示的な一実施形態において、各基地局は、開放型アクセスセルに関連する開放型基地局と、CSGに属する無線端末だけがCSGセルにアクセスしてCSGセルからサービスを受けることが許可されているようなCSGセルにサービス提供している閉域加入者グループ(CSG)基地局とを含む。この例では、起動されたセルはCSGセルであり、そして、ネットワークノード内のメモリは、(i)各開放型セルについての隣接セル関係リストと、(ii)各CSGセルについての隣接セル関係リストと、そして(iii)複数の無線端末の各々について、その無線端末がアクセスしてそこからサービスを受けることが承認されているすべてのCSGセルを識別するCSG承認リストとを記憶する。ネットワークノードは、1つ以上の適切なインタフェースを介して開放型基地局と閉域基地局とに接続している中央ノードであってもよい。中央ノードの一例として、運用支援システム(OSS)がある。
【0020】
基地局が、制御装置と、サービス提供される各セルについて隣接セル関係リストを記憶するためのメモリとを含む。基地局内の制御装置が、サービス提供される1つのセルは最近運用のために起動されたと判定すると、基地局内の制御装置は、メモリ内に記憶された隣接セル関係リスト情報に基づいて、起動されたセルの隣接セルである第1のセルを識別する。次いで基地局内の制御装置は、第1のセルにサービス提供する第1の基地局に対して、第1のセルの隣接セル関係リストについて問い合わせを行い、その後、起動されたセルについての隣接セルリストの中に所定数の隣接セルが含まれるまで、第1のセルに関連する1つ以上の隣接セル関係を、起動されたセルに関連する隣接セル関係として追加する。限定的でなく例示的な一実施形態において、各基地局は、開放型アクセスセルに関連する開放型基地局と、CSGに属する無線端末だけがCSGセルにアクセスしてCSGセルからサービスを受けることが許可されているようなCSGセルにサービス提供する閉域加入者グループ(CSG)基地局とを含む。この例では、起動されたセルはCSGセルであり、そして、CSG基地局内のメモリは、各CSGセルについての隣接セル関係リストを記憶する。
【0021】
隣接セルに関連する隣接基地局によって送信される信号を受信する無線端末が、関連する信号品質を判定して、所定の信号品質閾値を上回るものを識別する。アクセス制限セルを監督するアクセス制限基地局の信号品質測定結果が、非アクセス制限基地局に関連する信号品質測定結果を所定の量だけ上回っているかどうかの判定が行われる。そうであるならば、端末は、アクセス制限基地局へ登録要求を送信する。CSGセルに対応する信号品質測定結果が、非CSGセルに対応する信号品質測定結果を所定の量だけ上回っていないのならば、無線端末は、それの関連する信号品質測定値が所定の信号品質閾値を上回るような非CSGセルのうちの1つへ登録要求を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】セルラー通信システム内の大規模基地局と小規模基地局とを図解する図である。
【図2】マクロセルおよび大規模基地局並びにCSGセルおよびCSG基地局を備えたセルラー通信システムを図解する図である。
【図3】大規模基地局とCSG基地局とを含む例示的なLTE移動無線通信システムの機能ブロック図である。
【図4】基地局の、限定的でなく例示的な機能ブロック図である。
【図5】無線端末の、限定的でなく例示的な機能ブロック図である。
【図6】セルリストを記憶する中央ノードの、限定的でなく例示的な機能ブロック図である。
【図7】起動されたCSGセルについての、限定的でなく例示的な手順を図解するフローチャート図である。
【図8】起動されたCSGセルについての隣接セル関係を迅速に構築するための、限定的でなく例示的な手順を図解するフローチャート図である。
【図9】起動されたCSGセルについての隣接セル関係を迅速に構築するための、限定的でなく例示的な手順を、CSGセルについての最初の一時的なUE測定結果報告と連結して図解するフローチャート図である。
【図10】最初にCSGセルについての広域のUE測定結果報告を用いた後に狭域のUE測定結果報告を用いる、起動されたCSGセルについての、限定的でなく例示的な手順を図解するフローチャート図である。
【図11A】セル報告手順の、限定的でなく例示的な集合を図解するフローチャート図である。
【図11B】図11Aのセル報告手順を実装するための、限定的でないシグナリングを図解する図である。
【図12】CSGセルの近くでUEが起動された場合のセル選択手順の、限定的でなく例示的な1つの集合を図解するフローチャート図である。
【図13】CSGセルの近くでUEが起動された場合のセル選択手順の、限定的でなく例示的なもう1つの集合を図解するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の記述において、記述された技術の理解を提供するために、限定ではなく説明を目的として、例えば特定のノード、機能的エンティティ、技法、プロトコル、標準等の具体的詳細について記述する。それ以外の場合、不要な詳細によって記述を分かりにくくしないよう、よく知られた方法、デバイス、技法等の詳細説明は省略する。図面には、個別の機能ブロックを示す。当業者であれば、これらのブロックの機能は、個別のハードウェア回路を用いて、または、適切にプログラムされたマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータと関連してソフトウェアプログラムとデータとを用いて、または、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル・ロジック・アレーを用いて、または、1つ以上のデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)を用いて、または、これらの組み合わせを用いて実装されてもよいことを理解するであろう。
【0024】
図2は、マクロセルおよび大規模基地局並びにCSGセルおよびCSG基地局を備えたセルラー通信システムを概念的に図解する図である。この簡略化した例では、2つの隣接するマクロセルM1およびM2と、対応する大規模基地局である大規模BS1と大規模BS2とを示す。マクロセルM1の中には、CSGセル1と、それに関連するCSG基地局CSG BS1とがある。マクロセルM1に隣接して、CSGセル2と、それに関連するCSG基地局CSG BS2とがある。R1乃至R4として示す同報無線信号が、これらの各基地局からUE/無線端末に到達することを示す。大規模BS1は、現時点で無線端末のサービス提供基地局であると想定されており、無線端末は、大規模BS2、CSG BS1、およびCSG BS2についての受信信号品質測定結果報告をサービス提供基地局である大規模BS1へと送信する能力を有する。無線端末がCSGセル1またはCSGセル2に近づくと、無線端末がそのセルのCSGのメンバであるかどうかによって、これらのCSGセルの1つに対するハンドオーバの機会がある。
【0025】
本願の技術は、LTEシステムに好適であり、従って、説明のための限定的でなく例示的な文脈を提供するため、LTEシステムの文脈で記述されることもある。しかし、本技術は、例えばWCDMA等の、いかなる現代のセルラー通信システムに用いられてもよく、LTEに限定されない。図3は、LTEタイプの移動通信システム10の一例を図解する図である。E−UTRAN12には、無線インタフェースによってユーザ装置(UE)端末20に対するE−UTRAユーザプレーンおよび制御プレーンのプロトコル終端を提供する、E−UTRANノードB(eNodeB)18(1つだけ図示する)が含まれる。また、2つのCSG基地局19も示す。基地局18および基地局19は、S1インタフェースを介して、Mobility Management Entity(MME)を有するEvolved Packet Core(EPC)14と、そして、System Architecture Evolution(SAE)Gatewayと通信する。この例では、MME/SAE Gatewayは単一ノード22として示されており、いろいろな意味でUMTSおよびGSM/EDGEにおけるSGSN/GGSNに類似している。しかし、MMEとSAEとは、別個のノードであってもよい。MME/SAEゲートウェイ同士が、S10インタフェースを介して通信してもよい。MME/SAEに、例えば隣接セル関係(NCR)リスト、ブラックリストおよびホワイトリストまたはそのいずれか等を含めて、基地局のためのセルリストを記憶するためのメモリ23が含まれてもよい。E−UTRAN12とEPC14とは一緒に、公衆陸上移動通信網(PLMN)を形成する。各MME/SAEゲートウェイ22は、直接的または間接的に、インターネット16および他のネットワークに接続されている。基地局18および19は、場合によってはMME/SAE22を介して、HLRデータベースおよび/またはVLRデータベースを含むHome Subscriber Server(HSS)24と通信してもよい。
【0026】
無線ネットワークは、効率的な無線端末UE測定結果報告手順をサポートするため、基地局/セルの一意でない物理的識別子(ローカル識別子と以下で呼ぶ)を用いることが多い。しかし、基地局/セルは、グローバルに一意であるセル識別子も有している。前述のLTEの例示的な実施形態については、Cell Global Identifier(CGI)と呼ばれる各セルのための一意の識別子と、PLMNにおける各セルについて一意であるほど十分長くはない、同じセルのためのPhysical Cell Identity(PCI)と呼ばれる物理レイヤ1識別子/ローカル識別子とが存在すると想定される。測定結果報告には、帯域幅を節約して使うため、短い方のPCIが用いられる。LTEでは、現行の例示的な想定は、504個の一意のPCI値を有することである。受信信号品質測定結果については、無線端末は、受信基地局の同報参照シンボルを監視して基地局の参照シンボル受信電力(RSRP)を測定する。最初のセル選択およびハンドオーバを行う場合には、これらの測定結果が用いられる。従って、各無線端末の視点からは、無線端末が検出できるPCIとCGIとの間にローカルな1対1マッピングが存在することは重要である。これは、セル関係が確立されているならば、無線端末がそのサービス提供基地局にPCIを報告するときに、サービス提供基地局が報告されたPCIをサービス提供セルの隣接セル関係リストの中のエントリに関連付けることができるということを意味する。WCDMAシステムでは、一例において512個の異なるスクランブルコードがある場合、PCIは「スクランブルコード」に対応してもよい。PCI値は、セルの最初の設定手順の一部としてネットワーク内の各セルに割り当てられる。これらのPCI値は、時間の経過と共に、再検討[再割当て?変更?]されてもよい。1つの方策は、PCIの集合を部分集合に(例えばいろいろなPCI値の範囲に)分割して、各部分集合を特定のセルタイプに対して予約することであってもよい。限定的でない一例として、CSGセルに、1から20までの範囲でPCIが割り当てられてもよい。
【0027】
次に、図2および図3に示すシステムならびに他の同様のシステムにおいて、自分自身のCSGセルを探索する無線端末に関連するリソースを削減して、無線端末が承認されないかぎり、不要なCSGセル測定および報告を制限する技術について記述する。これによって、ネットワーク全体の性能が向上する。無線端末はBSからCSGセルへのハンドオーバの間サポートされ、それと同時に他方では、未承認のCSGセルに関する測定および報告をネットワーク内のすべての無線端末に行わせることの悪影響が、大幅に削減される。
【0028】
限定的でなく例示的な一実施形態において、あるCSGセルはあるCSGへのアクセスだけを制限することを示す指標を、すべてのCSG基地局がCSGセルの同報チャネルで同報する。そのような指標の例として、禁止セル、制限セル、またはCSGセルがある。指標は、測定結果報告のトリガの中で特定のCSGセルに関連する信号品質測定結果を検討するように無線端末に命令する特定の命令がサービス提供基地局から無線端末に送信されないかぎり、同報チャネルでCSGセルから受信したそのような指標を含む同報信号の信号品質を無線端末は報告すべきでないという一般的な規則を、実施する。限定的でなく例示的な別の実施形態では、サービス提供セルの隣接セルとして登録されたすべてのCSGセルの物理的セルID(例えばLTEにおけるPCI)を含めて、サービス提供基地局が「ブラックリスト」をサービス提供セルの同報チャネルで同報する。これによって、未承認の無線端末からの、CSGセルからの測定結果の報告が回避される。同様のタイプのメッセージを無線端末に伝達するための他の技法もありうる。
【0029】
サービス提供基地局は、望ましい場合には、たとえそのCSGセルにサービス提供しているCSG基地局がそのCSGセルの同報チャネルで、あるCSGセルはあるCSGへのアクセスを制限しているか、または、そのCSGセルが、サービス提供セルの同報チャネルでサービス提供基地局によって同報される「ブラックリスト」上で識別されているか、または、その他のやり方で禁止セルとして識別されていることを示すような指標を同報した場合であったとしても、測定結果報告トリガの中で特定のCSGセルに関する測定結果を各無線端末が検討すべきであることを無線端末に通知するメッセージを1つ以上の無線端末に送信してもよい。そのような指標の例として、禁止セル、制限セル、またはCSGセルがある。さらに、「ブラックリスト」が、専用のやり方で個々の無線端末に対してシグナリングされてもよい。
【0030】
ブラックリストのかたちで用いられるこの禁止セル情報は、基地局のサービス圏内のセルに無線端末が接続する場合に、例えばセルへのハンドオーバまたはセルへの無線端末登録が成功した後で、基地局によって取得されてもよい。その場合、サービス提供基地局は、中央ノード(例えばLTEにおけるMMEまたはWCDMAにおけるSGSN、例えばHSSのような加入者および加入情報データベース、あるいは、無線端末文脈情報を維持管理するその他の何らかのノード)に確認して、大規模基地局に隣接するいずれかのCSGセルにアクセスすることを無線端末が承認されているかどうか判定する。中央ノードは、サービス提供基地局にこれらの隣接CSGセルのリストをシグナリングする。次いでサービス提供基地局は、無線端末が、サービス提供基地局の隣接セル関係(NCR)リスト上の1つ以上のCSGセルにアクセスすることを承認されているならば、たとえこれらのCSGセルにサービス提供するCSG基地局がこれらのCSGセルはあるCSGへのアクセスを制限しているか、または、これらのCSGセルが「ブラックリスト」で識別されていることを示す指標をこれらのCSGセルの同報チャネルで同報したとしても、これらのリストされ承認されたCSGセルを測定結果報告トリガの際に検討するように無線端末に要求する命令を、無線端末に送信する。サービス提供基地局は、新たな「ブラックリスト」を無線端末へ送信していずれかの従来のブラックリストを差し替えることによって、ブラックリストを更新してもよい。このようにして、承認された無線端末だけが測定結果報告トリガの際にCSGセルを「候補セル」として検討する。未承認の無線端末は、測定結果報告トリガの際にCSGセルを検討しない。
【0031】
また、ブラックリストの中で用いられる禁止セル情報は、無線端末登録の間に例えばHSSのような中央ノードから基地局によって取得されてもよい。次いで、この禁止セル情報は、例えば、無線端末に関連する情報がハンドオーバの間に1つのサービス提供基地局から次の目標基地局にその中で移転されうるメッセージ「コンテナ」を用いて、ハンドオーバの間に次の目標基地局に渡されてもよい。
【0032】
隣接セル関係リストを編成するための1つの例示的な方法が、2007年2月28日に出願され、「Self Configuring and Optimisation of Cell Neighbours in Wireless Telecommunications Networks」と題された、同一出願人によるPCT出願第PCT/EP2007/001737号の中に記述されており、その開示を参照により本願に援用する。運用事業者やCSGセルの所有者等は、中央ノードの中に記憶されたCSGセルと承認済み無線端末との間の関連情報に、ユーザインタフェースを介してアクセスしてもよい。サービス提供基地局は、無線端末測定結果報告を処理してハンドオーバ手順を実行する際、それらがCSGセルに関するものかあるいは別のマクロセルに関するものかどうかとは無関係に処理して実行することが好ましい。しかし、目標セルのタイプ、例えばCSGセルに合わせたハンドオーバ手順が用いられてもよい。
【0033】
マクロセルまたは開放型セルのサービス範囲が存在しない場合に無線端末がセル選択を行う場合、無線端末は、マクロセルまたは開放型セルのサービス範囲がある場合の一般原則とは逆に、制限セル、禁止セル、またはブラックリストにあるセルをセル接続候補として検討してもよい。また無線端末は、自分自身のCSGセルへの接続を最初に試行するため、自分自身のセル識別子の値(例えばCGIまたはPCI)を把握し続けてもよい。それが失敗した場合には、無線端末が知らない他のCSGセルが承認されていることがあるため、無線端末は、自分が検出することができる別のセルへの接続を試行する。LTEの文脈では、無線端末が接続を承認されている各CSGセルの現行のPCI値またはCGI値を無線端末に通知するように、コアネットワークノードと無線端末との間の現行のNon−Access Stratum(NAS)プロトコルが拡張されてもよい。別の例示的な代替案は、ショートメッセージサービス(SMS)またはマルチメディアメッセージサービス(MMS)メッセージあるいはそれに類似したものを、この情報を有する無線端末に送信することである。
【0034】
図4は、開放型基地局18とCSG基地局19とのいずれか一方であってもよい基地局の、限定的でなく例示的な機能ブロック図である。基地局18または19は、無線インタフェースによって無線端末と通信するための1つ以上のアンテナ30に接続している1つ以上の無線トランシーバ32を有する。無線トランシーバ32は、無線トランシーバ32を介して送信されることになる情報と無線トランシーバ32から受信される信号とについてベースバンド処理を行うベースバンドプロセッサ36を有するデータ処理システム34に接続する。またデータ処理システム34は、サービス享受無線端末からだけでなく、ハンドオーバおよびセル選択動作で用いるセル選択手順の際に、並びに、隣接セル関係リストを生成する際にアクセスを開始する無線端末からも、場合によってはスキャンされた同報情報と無線信号品質測定結果とをトランシーバ32から受信する、セル報告プロセッサ38も有する。隣接セル関係リストは、メモリ40の中に記憶される。基地局は、1つ以上のインタフェース42を介して他のネットワークエンティティと通信する。セル報告プロセッサ38は、NCRリストの更新および初期設定に関連する処理を行ってもよい。
【0035】
図4がCSG基地局である場合の一例において、CSG基地局は、CSG基地局の所有者または運用事業者が、CSG基地局が新たな環境にあることを中央ノードに通知するメッセージを(例えばインタフェース42を介して)CSG基地局から中央ノードへ送信することを可能にする、ソフトウェアに基づくメカニズム(例えばCSGセルの内部のウェブサーバまたは小型LCDユーザインタフェース)およびハードウェアまたはそのいずれかに基づくメカニズム(例えばCSG基地局ユニットに取り付けられたスイッチまたはノブ)を有してもよい。また、CSGセルが禁止されているかどうかを、すなわち、各無線端末がCSGセルについての測定結果をそれらのサービス提供基地局に報告すべきでないか、すべきであるかどうかを示す、CSGセル内のシグナリングまたはメッセージが、対話によって抑制されても/可能になってもよい。
【0036】
各無線端末の承認は、インタフェース42を介したシグナリングに基づいて行われる。さらに、新たな隣接セルが発見されると、それに続いて、その新規セルのサービス提供基地局に対する接続性情報、および、例えばセルタイプのような、セルについての他の情報を確立するために、インタフェース42による通信が行われる。候補セルが報告されると、セル報告プロセッサ38が、トランシーバ32から測定結果を受信することによって、候補セルの監視を続けてもよい。候補セルに関連する測定結果は、ハンドオーバプロセッサ43へ送信され、ハンドオーバプロセッサ43は、ハンドオーバが有利であると考えられるかどうか、いつならハンドオーバが有利であると考えられるかについて判定する。ハンドオーバプロセッサ43がハンドオーバを続行すると判定した場合、ハンドオーバ手順が、シグナリングを介して、トランシーバ32を用いて無線端末と、インタフェース42のうちの1つを介して次のサービス提供基地局と、そして、インタフェース42のうちの1つを介してコアネットワークノードに対して行われる。
【0037】
図5は、無線端末の、限定的でなく例示的な機能ブロック図である。無線端末20は、無線インタフェースによって各基地局と通信するための1つ以上のアンテナ58に接続している無線トランシーバ60を有する。無線トランシーバ60は、無線トランシーバ60を介して送信されることになる情報と無線トランシーバ60から受信される信号とについてベースバンド処理を行うベースバンドプロセッサ64を有するデータ処理システム62に接続する。またデータ処理システム62は、トランシーバ60を制御して無線信号品質を測定し(および場合によってはフィルタにかけ)、同報信号とCSG基地局を含む各隣接基地局からのこれらの信号が有する情報とをスキャンし、そしてサービス提供基地局によって構成された1つ以上の条件を評価することによって測定結果報告トリガを行う、無線信号測定プロセッサ66を有する。トリガ条件が適合すると、測定プロセッサは、測定結果報告をサービス提供基地局へ送信する。上記で説明したように、測定結果報告トリガにおいて測定プロセッサ66は、制限されているCSGセルと制限されているにもかかわらずサービス提供基地局が無線端末に対して特別に考慮するように命令してはいなかったCSGセルとを除くすべてのセルを検討する。また無線端末20は、ユーザが無線端末をプログラムして無線端末と通信することを可能にするため、ユーザインタフェース68を有する。
【0038】
図6は、中央ノード70の、限定的でなく例示的な機能ブロック図である。中央ノード70は、管理機能、データ処理機能、および制御機能を実行するための制御装置78を有しており、そして、適切なインタフェース76を介して他のネットワークノードと通信する。CSGセル‐無線端末承認リスト74と、ネットワーク内の各種のセル(開放型セルとCSGの両方)のための隣接セル関係リスト72と、そしてその他のリストとを記憶するため、例えばデータベースのようなメモリが提供される。CSGセル‐無線端末承認リスト74は、場合によっては別の中央ノード内の情報を使ってリストを更新することによって、インタフェース76を介して更新される。無線端末の識別子(例えばIMSI)が、ネットワーク運用事業者によってかCSG基地局の所有者かいずれか一方によってCSGセル‐無線端末承認リスト74に追加されても/リスト内で置換されても/リストから削除されてもよい。これは、例えば電話番号を識別子として用いて、運用事業者のウェブインタフェースを介して行い、次いでそれらの識別子を無線端末のIMSIに変換することもできる。1つのセルの隣接セル関係リストは、その1つのセルにサービス提供している基地局と各リストを比較することによって更新することもできる。
【0039】
図7は、起動されたCSGセルについての、限定的でなく例示的な手順を図解するフローチャートである。CSGセルが起動されると(ステップS1)、CSGセルは、中央ノード70との接続を確立し、そして接続手順の一部として中央ノード70は、例えばCSGセルのIPアドレスのような、CSG接続性情報について通知を受ける。ステップ2で、例えばCSGセルの基地局が中央ノード70に確認することによって、CSGセルが前回起動されたときのCSGセルの状態と同じネットワーク環境にCSGセルがあるのかどうかの判定が行われる。環境とは、隣接セル関係に影響を与えるネットワーク環境のことである。例えば、CSGセルが前回起動された後でのCSGセルの位置の変化は、環境の変化である。しばらく起動されていなかった後にセルが起動される場合、セルは、ユーザプレーンの接続性と制御プレーンとの接続を両方共確立し直す必要がありうる。この手順は、新規に導入されるセルの初期構成にかなり類似している可能性がある。この手順の一部として、中央ノードがCSGセルに関する位置情報を検出することができる。それはCSGセルのIPアドレスか、サブネットワーク情報か、インターネットサービスプロバイダか、または、場合によっては設置者のセル所有者によって入力された、セルが報告する位置情報か、またはそれらの組み合わせであってもよい。もう1つの例示的な環境の変化は、CSGセルが前回起動された後でのセルネットワーク内の複数のセルについての隣接セル関係情報の変化である。たとえCSGセルが同じ位置に存在している場合でも、他の各隣接セルが移動していたり、接続性情報を変更していたり、あるいはそれらのセルIDを変更していたりすることがある。更新手順の間に、起動されたセルの隣接セル関係リスト情報が、環境の変化が生じたと結論付けられるほど十分に変化したことが発見されることがある。上記のように、CSG基地局は、CSG基地局が新たな環境にあることを示す信号をCSG基地局の所有者または運用事業者が中央ノードに送信することを可能にするメカニズムを提供してもよい。
【0040】
環境が同じである場合には、CSGセルについての隣接セル関係リスト情報が、中央ノード70を使って更新される(ステップS3)。更新することには、例えば、例えばセルIDの変更や、セルIPアドレスの変更等のような、CSGセルのNCRリスト内の隣接セルに関する現行情報を更新することが含まれてもよい。起動された「第1の」セルの隣接セル関係リストには、ハンドオーバ候補セルについての情報、例えば候補セルのPCI、CGI、および(他の基地局または中央ノードまたはその両方への)接続性情報が含まれる。第1のセルが前回起動された後で、他のセルのPCIが変更されたり、一部のセルが除去されたり移動したりして、結果的にそれらの接続性情報が変更された可能性がある。情報が大幅に変更されたと更新手順によって判定された場合、環境が変化したと想定されてもよく、そしてセルは代わりに初期設定される。
【0041】
第1のセルの隣接セル関係リストの中にある第2のセルとの接続が維持される場合、第1のセルは、第2のセルの現在ステータスについて問い合わせを行うことができる。第2のセルの隣接セル関係リストを用いて、第1のセルは、第2のセルについての自分の隣接セル関係リスト情報を更新する。セル関係情報は中央ノード70の中に記憶されると想定すると、更新方法の代替案は、第1のセルが、自分の隣接セル関係リストの中の第2のセルについてのセル関係情報を、中央ノード70のメモリの中に記憶されたNCRリストからのこれらの第2のセルについての現行のセル情報を用いて更新することである。さらに第1のセルは、第2のセルの隣接セル関係リストから自分自身の隣接セル関係リストへセルを追加することを検討してもよい。これは、第1のセルの隣接セルリストの中にあるすべての第2のセルについて検討することもできるし、過去において最大数のハンドオーバを行った第2のセルに制限することもできる。
【0042】
環境が同じでない場合には、CSGセルと他のセルとの間で隣接セル関係を確立する必要がある。加えて、CSGセルが、新規の物理セルIDを無作為に選んでもよい。CSGセルは最初は、セル起動後の、例えばCSGセルの中のセル関係の数が閾値を上回るとか、あるいはタイマが満了する等の一定期間は、(「禁止セル」、「制限セル」、「CSGセル」等のように)禁止されていることを例えば示さないことによって、そのCSGセルについての無線端末測定結果が他のセルに報告されることを可能にする(ステップS4)。またCSGセルは、無線端末が少なくとも一度いずれかの他のセルにCSGセルについて報告することを可能にする初期設定フラグを同報してもよい。また、この初期設定フラグは、あいまいさを回避するため、無線端末がCSGセルのグローバル識別子(例えばCGI)を検出してそのグローバル識別子を信号品質測定結果と共にそのサービス提供セルに報告すべきであることを無線端末に示すことができてもよいだろう。さらに、CSG基地局は、CSG基地局の所有者または運用事業者が、ハードウェアとソフトウェアとのいずれか一方を介してCSGセルのアクセス制限プロパティを変更することができるようにするメカニズムを有してもよい。次いで、CSGセルについて十分な数の隣接セルが識別されたかどうかの判定が行われる(ステップS5)。そうでない場合は、ステップS4でCSGセルについての無線端末測定結果が、他のセルに報告され続ける。そうである場合は、その後CSGセルは、承認されたCSG無線端末がCSGセルについての無線端末測定を他のセルに対して報告することだけを許可する(ステップS6)。
【0043】
初期設定プロセスにおいて、隣接セル関係リストの確立は、いろいろなやり方で行いうる。以下に述べる3つの例示的なメカニズム、すなわち、迅速な隣接セル関係構築と、いずれかの移動装置から報告されることになる測定結果の最初の承認と、無線端末起動の際の特定無線端末選択手順とを、個々に用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。第1のメカニズムは、いかなるタイプのセルに用いられてもよいが、第2および第3のメカニズムは、主にCSGセルに用いられる。
【0044】
図8は、起動されたセルについての隣接セル関係を迅速に構築するための、限定的でなく例示的な手順を図解するフローチャート図である。セルが起動された(ステップS10)後、起動されたセルの基地局、すなわち第1の基地局/セルと呼ばれる基地局によって、第1の隣接セル関係リストが隣接セルエントリを伴って存在するかどうかの決定が行われる(ステップS11)。そうでない場合は、第1の起動されたセルの隣接関係リストは空である。従って、第1のセルの基地局は、第2の隣接セルの基地局からかまたは中央ノードから、第2の隣接セルについてすでに存在している1つ以上の隣接セル関係を取得する(ステップS12)。必ずというわけではないが、できれば、第2のセルの隣接セルリストのすべてのエントリが、第1のセルの隣接セル関係リストへとコピーされることが好ましい。しかし、基地局の接続性情報が第1の基地局と第2の基地局との間で異なる可能性が高いことから、第1の基地局は、リストされた各隣接セルとの接続性を検証する必要がある。さらに、すべてのセル関係は相互的であってもよく、従って、第1のセルは、第2のセルの隣接セル関係リストの中の全てのセルには隣接セルに見える。この手順は、第2のセルの隣接セル関係リストからの1つ以上の他のセルを使って繰り返されてもよいし、その後で測定されてUEに報告されたいずれかの隣接セルを介して繰り返されてもよい。
【0045】
図9は、起動されたCSGセルについての隣接セル関係を迅速に構築するための、限定的でなく例示的な手順を、CSGセルについての最初の一時的なUE測定結果報告と連結して図解するフローチャートである。ステップS1乃至S4は、図7の場合と同じである。ステップS4の後、図8で述べたようにステップS11とS12とが行われる。CSGセルについて隣接セルが十分存在すると識別された後、CSGセルは、承認されたCSG無線端末が他のセルに対してCSGセルについてのUE測定結果報告を行うことだけを許す(ステップS6)。
【0046】
図10は、最初にCSGセルについての広域のUE測定結果報告を用いた後に狭域のUE測定結果報告を用いる、起動されたCSGセルについての、限定的でなく例示的な手順を図解するフローチャートである。ステップS1乃至S3は、図7の場合と同じである。しかしステップS2では、CSGセル環境が変化した場合には、CSGセルは、サービス享受無線端末測定結果報告について「広域」の報告ウィンドウを用いる(ステップS15)。広域の報告ウィンドウとは、サービス享受無線端末が、隣接セル関係情報を生成するために、かなり低い受信信号品質の候補セルを報告することを意味する。広域の報告ウィンドウは、検出されたすべてのセルが最初は報告されるという意味で、無限であってもよい。しかし、何らかの条件が満たされた後では(例えば、確立されたセル関係の数が閾値を上回る(ステップS16))、CSGセルは、比較的狭域の報告ウィンドウが用いられる、初期設定後の状態になる(ステップS17)。狭域の報告ウィンドウとは、サービス享受無線端末が、例えば所定の閾値によって判定される、高い受信信号品質の候補セルだけを報告することを意味する。
【0047】
図11Aは、セル報告手順の、限定的でなく例示的な集合を図解するフローチャートであり、図11Bは、図11Aのセル報告手順を実装するための、限定的でないシグナリングを図解する図である。それらの図は、サービス提供基地局がどのようにして、禁止セルであるにもかかわらず高品質で受信されたCSGセルの同報信号を報告するように無線端末に命令することがあるかを図解する。無線端末は、サービス提供基地局によって送信された信号の信号品質を、他の各基地局によって送信された信号の信号品質と比較する。同一出願人による、2008年3月23日に出願され、「Closed Subscriber Group Cell Handover」と題された米国出願11/においては、サービス提供基地局からブラックリストをシグナリングすることによってかまたはCSGセルによって同報シグナリングすることによってかいずれか一方で、禁止されたセルを除外するように無線端末に命令することが可能である。図11Bでは、無線端末(UE)は、候補セルを捜し(ステップS20)、そして、検出された候補セルの中から禁止セルを識別する(ステップS21)。端末は、検出された禁止/CSGセルによって送信された信号の信号品質を、サービス提供セルの信号から受信された信号品質と比較する。いずれかの禁止/CSGセルの信号品質が、ここではx dBとして示す所定の量だけサービス提供セルの信号品質を上回った場合、サービス提供セルにそれが報告される(ステップS23およびS24)。そうでない場合は、端末は、報告トリガ条件に適合するすべての開放型セルについて信号品質測定結果を報告する(ステップS22)。所定の量、例えばx dBは、例えば報告された禁止セルをサービス提供セルがどのくらいの頻度ですでに知っていたかという統計値に基づいて、時間の経過と共に調整されてもよい。
【0048】
図11Bは、サービス提供基地局と無線端末との間の例示的なシグナリングを図解する。まず第1に、所定の基準が満たされたならば無線端末は禁止セルについて報告すべきであると、サービス提供基地局が無線端末に通知する。この基準は、ステップS23で説明したように、禁止セルの信号の信号品質がサービス提供セルの信号の信号品質を所定量だけ上回ることであってもよい。禁止セルの測定結果によって基準が満たされた場合には、無線端末は、CSGセルの物理IDを含めて、報告をサービス提供基地局へ送信する。サービス提供セルは、CSGセルのセルグローバルIDを復号して報告するよう無線端末に要求することによって、応答してもよい。
【0049】
図12および13は、特定の無線端末のセル選択手順に関する図である。図12は、CSGセルの近くで無線端末が起動された場合のセル選択手順の、限定的でなく例示的な1つの集合を図解するフローチャートである。移動端末は、禁止セル、制限セル、CSGセルであると同報されたり、ブラックリストに掲載されたりしている禁止セルについて報告したり、それに登録(に接続)したりすべきでないという一般原則に加えて、この限定的でなく例示的な実施形態は、新たなセル選択の選択肢を追加する。無線端末は、起動後、隣接セルからの同報信号を捜す。検出されたセルは、受信信号品質に従ってソートされる(ステップS30)。最良の信号品質測定結果を有するセルがアクセス禁止セルまたはアクセス制限セルであるかどうか判定が行われる(ステップS31)。そうである場合は、無線端末は、この最良のアクセス制限セルは、最良の非アクセス制限隣接セルより大幅に良いかどうか(例えばx dBのような何らかの所定の量によって)判定し(ステップS33)、そのセルに登録/セルを選択/セルに接続することを試行する(ステップS34)。
【0050】
サービス提供基地局は、サービス圏内のすべてのアクティブな無線端末かまたはそれらの部分集合に対して、禁止セルについての信号品質測定結果を少なくとも一度報告するよう要求してもよい。無線端末は、これをサービス提供基地局に一度報告するだけでよく、そして、報告は、望ましくはローカルおよびグローバルセル識別子を有するべきであり、場合によってはCSGセルに対応する無線条件の測定結果を有するべきである。結果として無線端末は、単に自分が偶然CSGセルの近くにいたという理由で、サービス提供セルにとっては未知であるCSGセルについて報告してもよい。無線端末が承認されている場合、サービス提供セルと報告されたCSGセルとの間で隣接関係が設定されてもよく、そして、サービス提供セルは、次いで、新たに検出された承認されたCSGセルへのハンドオーバを行うように無線端末に命令することができる。そのような一回限りの報告手順が、要望どおりにまたは何らかの条件に基づいてサービス提供基地局によって有効化されたり無効化されたりしてもよい。
【0051】
図13は、CSGセルの近くで無線端末が起動された場合のセル選択手順の、限定的でなく例示的なもう1つの集合を図解するフローチャートである。ここで、未承認無線端末によるCSGへの登録の報告または試行またはその両方を制限するため、少なくとも1つのアクセス制限セルにアクセスできる無線端末だけに、選択手順においてCSGセルを検討する資格を持たせる。ステップS30乃至S32は、図12に関連して記述したものと同様である。ステップS31において最良のセルがアクセス制限セルである場合には、無線端末が少なくとも1つのアクセス制限セルにアクセスすることを承認されているかどうかステップS35で判定が行われる。そうでない場合は、無線端末は、最良の非アクセス制限セルを選択して、登録を開始する(ステップS32)。そうでなければ、無線端末は、最良のアクセス制限セルを選択して、登録を開始する(ステップS36)。
【0052】
上述の本技術は、迅速なCSGセル隣接セル関係リスト初期設定手順を提供しており、それは、CSGが前回起動された後で記憶された隣接先についての情報から恩恵を受ける。CSGセルの信号品質報告を制限するメカニズムの導入と共に、新規CSGセルをネットワーク内で自動的に統合することを目的として、新規CSGセルの報告を可能にする必要が生じる。本技術は、いくつかの事例において無線端末からの測定情報を提供するメカニズムについて述べる。例示する1つの事例は、あるセルのサービス圏内の無線端末が、禁止されていると考えられるCSGセルを検出するが、そのCSGセルからの信号の受信信号品質は、サービス提供基地局からの信号の信号品質を少なくとも所定の量だけ上回るような場合である。この状況では、その無線端末がそのCSGセルに十分近いならば、禁止されたCSGセルについての信号品質測定結果を検出して報告することは可能である。他の隣接セルから隣接情報を引き継ぐことや、広域セル報告を使うCSGセル初期状態などのようなその他のメカニズムも、CSGセルに関連する隣接セル関係情報を迅速にネットワーク内で収集して確立するための、迅速な隣接セル関係の確立をサポートする。さらに、CSGセルの禁止ステータスは、他のセルへの隣接セル関係の効率的かつ効果的な確立を円滑に行うことを目的として、CSGセルが初期設定されるときに最初に除去されてもよい。
【0053】
さまざまな実施形態を示して詳細に記述してきたけれども、請求項は特定の実施形態または例に限定されない。上記の記述のいずれも、いずれかの特定の要素、ステップ、範囲、または機能が必須であって、請求項の範囲に含まれなければならないことを意味すると解釈されるべきではない。特許化される対象の範囲は、請求項によってのみ定義される。法的保護の程度は、認められた各請求項およびそれらの等価物の中で記載された言葉によって定義される。当業者には既知である、上記の好適実施形態の諸要素へのすべての構造的および機能的等価物は、明示的に参照により本願に援用し、かつ、本諸請求項によって包含されることを意図している。加えて、デバイスまたは方法が、本発明による解決が求められている問題のそれぞれおよび問題のすべてに対処する必要はなく、なぜなら、それは本諸請求項によって包含されることになるからである。いずれの請求項も、「ための手段」または「ためのステップ」という言葉が用いられない限り、35USC§112のパラグラフ6を行使することを意図していない。さらに、実施形態、構成要素、またはステップが請求項の中に記載されているかどうかを問わず、本明細書の中のいかなる実施形態、特徴、構成要素、またはステップも、公衆に捧げられることを意図していない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CSG基地局(CSG BS)のサービス圏内の閉域加入者グループ(CSG)セルの隣接セル関係リストを管理するための方法であって、前記CSGに属する無線端末(UE)だけが前記CSGセルにアクセスして前記CSGセルからサービスを受けることを許可され、かつ、前記無線端末が前記CSGセルについての前記閉域加入者グループのメンバでない限り、無線端末は前記CSG基地局から受信した信号の信号品質測定結果をそれぞれのサービス提供基地局に報告してはならないということを一般的に示す情報が、前記CSGセルに隣接する前記セルの中の無線端末に提供され、
(a)前記CSGセルを起動する工程と、
(b)以前に同じ環境で前記CSGセルが起動されたことがあるかどうかを判定する工程と、
(c)前記同じ環境で前記CSGセルが起動される場合には、1つ以上の他のネットワークノードと情報を比較することによって前記CSGセルについての隣接セル関係情報を更新する工程と、
(d)前記同じ環境で前記CSGセルが起動されない場合には、前記CSGセルについての隣接セル関係情報を初期設定する工程と
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記環境が前記CSGセルの位置を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記環境が前記CSG基地局に関連するネットワーク接続情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記接続情報は、インターネットプロトコルアドレス、または、インターネットプロトコルサブネット情報、または、前記CSG基地局の位置にネットワーク接続を提供するインターネットサービスプロバイダについての情報のような、CSG基地局接続アドレス情報を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記環境が変化したことを前記CSG基地局が中央ノード(70)に通知することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記CSG基地局が新たな環境にあることを通知する前記中央ノードへのメッセージを前記CSG基地局の所有者または運用事業者がトリガすることを許可するための手段(42)を前記CSG基地局が有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記環境が、前記CSGセルがそのメンバであるセルネットワークを含み、別の環境が、前記CSGセルが前回起動された後での前記セルネットワークにおける1つ以上の他のセルについての隣接セル関係情報の変化を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
CSG基地局(CSG BS)のサービス圏内の閉域加入者グループ(CSG)セルを初期設定するための方法であって、前記CSGに属する無線端末(UE)だけが前記CSGセルにアクセスして前記CSGセルからサービスを受けることを許可され、かつ、前記無線端末が前記CSGセルについての前記閉域加入者グループのメンバでない限り、無線端末は前記CSG基地局から受信した信号の信号品質測定結果をそれぞれのサービス提供基地局に報告してはならないということを一般的に示す情報が、前記CSGセルに隣接するセルの中の無線端末に提供される方法であって、前記CSGセルが起動された後で、
無線端末が前記CSG基地局によって送信された信号を所定の信号品質で、または所定の信号品質を上回る品質で受信した場合には、あるいは、前記CSG基地局によって送信された信号の前記受信信号品質が、前記サービス提供基地局によって送信された信号の前記信号品質より所定の量高い場合には、たとえ隣接セルの中の1つ以上の前記無線端末が前記CSGの前記閉域加入者グループに属さないとしても、隣接セルの中の各無線端末は、前記CSGセルについての信号品質測定結果をそれぞれのサービス提供セルに報告してもよいことを、隣接セルの中の前記無線端末に通知する工程を有することを特徴とする方法。
【請求項9】
前記方法が隣接セルの中のサービス提供基地局によって行われることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
CSG基地局(CSG BS)のサービス圏内の閉域加入者グループ(CSG)セルを初期設定するための方法であって、一般的に、前記CSGに属する無線端末(UE)だけが前記CSGセルにアクセスして前記CSGセルからサービスを受けることを許可され、かつ、前記CSGセルは禁止セルであることを前記CSG基地局が前記CSGセルの同報チャネルでシグナリングする方法であって、前記CSGセルが起動された後で、
(a)各隣接セルのサービス圏内の無線端末が前記CSGセルに関連する信号品質測定結果をそれらのサービス提供セルに報告することができるように、前記CSGセルが禁止セルであることをシグナリングすることを停止させる工程と、
(b)前記CSGセルのための隣接セルリストの中に所定数の隣接セルが含まれている場合、前記CSGセルは、前記CSGセルの前記閉域加入者グループに属する無線端末だけが、前記CSGセルについての信号品質測定結果をそれらの各々のサービス提供セルに報告してもよい禁止セルであることを各無線端末に通知する工程と
を有することを特徴とする方法。
【請求項11】
工程(a)および(b)が前記CSG基地局によって行われることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記CSGセルが前回起動されたときの位置とは異なる新たな位置に前記CSGセルが移動した場合、または、前記CSGセルが前回起動された後で前記CSGセルが属するセルネットワークの中で複数のセルについての隣接セル関係情報が変化した場合に、工程(a)および(b)が行われることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記CSGセルが前回起動されたときの位置とは異なる新たな位置に前記CSGセルが移動しなかった場合、または、前記CSGセルが前回起動された後で前記CSGセルが属するセルネットワークの中で複数のセルについての隣接セル関係情報が変化しなかった場合に、工程(a)および(b)が行われず、その場合、前記CSGセルに関連する隣接セル情報が更新されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記CSGセルが起動された後でさらに
前記CSGセルの隣接セルである第1のセルを識別する工程と
前記CSGセルのための隣接セルリストの中に所定数の隣接セルが含まれるまで、前記CSGセルに関連する1つ以上の隣接セルとして第1のセルに関連する1つ以上の隣接セルを追加する工程と
を有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のセルの前記隣接セル関係リスト情報が、中央ノードから前記CSGセルのサービス提供CSG基地局へシグナリングされることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のセルの前記隣接セル関係リスト情報が、前記第1のセルの前記第1のサービス提供基地局から前記CSGセルへシグナリングされることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記CSGセルが前回起動されたときの位置とは異なる新たな位置に前記CSGセルが移動した場合、または、前記CSGセルが前回起動された後で前記CSGセルが属するセルネットワークの中で複数のセルについての隣接セル関係情報が変化した場合に、第1のセルに関連する1つ以上の隣接先の追加が行われることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
CSG基地局(CSG BS)のサービス圏内の閉域加入者グループ(CSG)セルを初期設定するための方法であって、前記CSGに属する無線端末(UE)だけが前記CSGセルにアクセスして前記CSGセルからサービスを受けることを許可され、
隣接基地局によって送信された信号の受信信号品質が、前記CSG基地局によって送信された信号の受信信号品質と比べて報告ウィンドウの範囲内であるならば、隣接セル基地局から受信された信号の信号品質測定結果を前記CSG基地局に報告するために、前記CSGセルのサービス圏内の無線端末に情報を提供する工程を有し、
前記CSG基地局が、隣接セルに関連する信号品質測定結果報告の数を増加させるために、最初に比較的広域の報告ウィンドウを構成し、次いで、前記CSGセルについての隣接セル関係リストにおける確立された隣接関係の数が所定の閾値であるかまたはそれを上回る場合には、前記報告ウィンドウを狭域の報告ウィンドウに再構成することを特徴とする方法。
【請求項19】
セルにサービス提供して、無線端末が閉域加入者グループのメンバでない限り、無線端末はCSG基地局から受信した信号の信号品質測定結果を前記サービス提供基地局に報告してはならないということを一般的に示す情報をサービス享受無線端末(UE)に提供するための基地局(18、19)であって、前記CSG基地局は、
無線トランシーバ回路機構(32)と、
データ処理システム(34)と
を備え、
前記データ処理システムは、無線端末が前記CSG基地局によって送信された信号を所定の信号品質で、または所定の信号品質を上回る品質で受信した場合には、たとえ一部の前記無線端末が前記CSGセルの前記閉域加入者グループの中に存在しないとしても、前記無線端末は、前記CSGセルについての信号品質測定結果を前記サービス提供セルに報告してもよいことを、前記無線トランシーバ回路機構を介して無線端末に通知するように構成された電子回路機構(38)を備えることを特徴とする基地局。
【請求項20】
CSGセルにサービス提供するための閉域加入者グループ(CSG)基地局(18、19)であって、一般的に、前記閉域加入者グループに属する無線端末(UE)だけが前記CSGセルにアクセスして前記CSGセルからサービスを受けることを許可され、かつ、前記CSGセルは禁止されていることを前記CSG基地局が前記CSGセルの同報チャネルでシグナリングし、
前記CSG基地局は、
無線トランシーバ回路機構(32)と、
データ処理システム(34)とを備え、
前記データ処理システムは、電子回路機構(38)が、前記CSGセルが起動された場合に、
(a)隣接セルのサービス圏内の無線端末が前記CSGセルに関連する受信信号品質をそれらのサービス提供セルに報告することができるように、前記CSGセルが禁止されていることを前記無線トランシーバ回路機構を介してシグナリングすることを最初は抑制するタスクと、
(b)その後、前記CSGセルのための隣接セルリストの中に所定数の隣接セルが含まれている場合、前記CSGセルは、前記CSGセルの前記閉域加入者グループに属する無線端末だけが、前記CSGセルについての信号品質測定結果をそれらの各々のサービス提供セルに報告してもよいことを特徴とする禁止セルであることを前記無線トランシーバ回路機構を介してシグナリングするタスクと
を実行するように構成されることを特徴とする閉域加入者グループ(CSG)基地局。
【請求項21】
前記CSGセルが前回起動されたときの位置とは異なる新たな位置に前記CSGセルが移動した場合、または、前記CSGセルが前回起動された後で前記CSGセルが属するセルネットワークの中で複数のセルについての隣接セル関係情報が変化した場合に、タスク(a)および(b)が実行されることを特徴とする請求項20に記載のCSG基地局。
【請求項22】
前記CSGセルが前回起動されたときの位置とは異なる新たな位置に前記CSGセルが移動しなかった場合、または、前記CSGセルが前回起動された後で前記CSGセルが属するセルネットワークの中で複数のセルについての隣接セル関係情報が変化しなかった場合に、タスク(a)および(b)が実行されず、かつ、
前記CSGセルが前回起動されたときの位置とは異なる新たな位置に前記CSGセルが移動しなかった場合、または、前記CSGセルが前回起動された後で前記CSGセルが属するセルネットワークの中で複数のセルについての隣接セル関係情報が変化しなかった場合に、前記CSGセルに関連する隣接セル情報が更新されることを特徴とする請求項20に記載のCSG基地局。
【請求項23】
前記CSG基地局が新たな環境にあることを通知する中央ノードへのメッセージをCSG基地局の所有者または運用事業者がトリガすることを許可するための手段(42)を有することを特徴とする請求項20に記載のCSG基地局。
【請求項24】
各隣接セルのサービス圏内の無線端末が前記CSGセルに関連する受信信号品質をそれらのサービス提供セルに報告することができるように、前記CSGセルが禁止されていることを前記無線トランシーバ回路機構を介してシグナリングすることを抑制することをCSG基地局の所有者または運用事業者に許可するための手段(42)を有することを特徴とする請求項20に記載のCSG基地局。
【請求項25】
各隣接セルのサービス圏内の無線端末が前記CSGセルに関連する受信信号品質をそれらのそれぞれのサービス提供セルに報告しないように命令されるように、前記CSGセルが禁止セルであることを示すシグナリングを前記無線トランシーバ回路機構を介して開始することをCSG基地局の所有者または運用事業者に許可するための手段(42)を有することを特徴とする請求項20に記載のCSG基地局。
【請求項26】
開放型アクセスセルに関連する開放型基地局(大規模BS)と、閉域加入者グループ(CSG)に属する無線端末だけがCSGセルにアクセスしてCSGセルからサービスを受けることが許可されているCSGセルにサービス提供している閉域加入者グループ(CSG)基地局とを含むネットワーク内で用いるネットワークノードであって、前記無線端末が前記閉域加入者グループのメンバでない限り、無線端末は前記CSG基地局から受信した信号の信号品質測定結果をそれぞれのサービス提供基地局に報告してはならないということを一般的に示す情報が、前記CSGセルに隣接するセルの中の無線端末に提供され、前記ネットワークノードは、
CSG基地局環境情報を記憶するためのメモリ(72、78)と、
制御装置(78)とを備え
前記制御装置が、
運用のために最近起動されたCSGセルについての前記CSG基地局環境情報を検出し、
前記CSG基地局が前回起動されて以来の前記記憶された環境情報と比較して、前記CSG基地局が、起動された後、同じ環境にあるのかどうか判定し、
前記CSGセルが同じ環境で起動されていない場合には、前記CSGセルについての隣接セル関係情報を初期設定するように構成されることを特徴とするネットワークノード。
【請求項27】
前記ネットワークノードは前記CSG基地局および他の基地局に接続された中央ノード(70)であり、
前記メモリは、(i)各開放型セルについての隣接セル関係リストと、(ii)各CSGセルについての隣接セル関係リストと、(iii)複数の無線端末の各々について、前記無線端末がアクセスしてサービスを受けることが承認されているすべてのCSGセルを識別するCSG承認リストとを記憶することを特徴とする請求項26に記載のネットワークノード。
【請求項28】
前記CSG基地局が前記ネットワークノードに環境変化について通知することを特徴とする請求項26に記載のネットワークノード。
【請求項29】
前記ネットワークノードが基地局(18、19)であることを特徴とする請求項26に記載のネットワークノード。
【請求項30】
ネットワークノードであって、
関連する基地局を有する各セルについて隣接セル関係リストを記憶するためのメモリ(72、74)と、
制御装置とを備え、
前記制御装置は、
セルが運用のために最近起動されたことを判定し、
前記メモリ内に記憶された隣接セル関係リスト情報に基づいて、前記起動されたセルの隣接セルである第1のセルを識別し、
前記起動されたセルについての隣接セルリストの中に所定数の隣接セルが含まれるまで、前記第1のセルに関連する1つ以上の隣接セルを、起動されたセルに関連する隣接セルとして追加するように構成されることを特徴とするネットワークノード。
【請求項31】
前記ネットワークノードは、前記第1のセルにサービス提供する基地局に前記第1のセルの前記隣接セル関係リスト情報を提供するように構成された中央ノード(70)であることを特徴とする請求項30に記載のネットワークノード。
【請求項32】
前記第1のセルは閉域加入者グループ(CSG)セルであり、かつ、前記第1のセルの前記隣接セル関係リスト情報が、前記第1のセルにサービス提供する第1の基地局によって、前記CSGセルにサービス提供するCSG基地局に提供されることを特徴とする請求項30に記載のネットワークノード。
【請求項33】
無線端末(20)であって、
無線トランシーバ回路機構(60)と、
前記無線トランシーバ回路機構に接続するデータ処理システム(62)とを備え、
前記データ処理システムが、
隣接セルに関連する隣接基地局によって送信された信号を受信して、関連する信号品質を判定し、
所定の信号品質閾値を上回る、隣接基地局によって送信されたこれらの信号を識別し、
アクセス制限セルに関連するアクセス制限基地局によって送信された信号の信号品質が、所定の信号品質閾値を上回る非アクセス制限基地局によって送信された信号の信号品質を上回るかどうかを判定して、そうであるならば、前記アクセス制限基地局へ登録要求を送信するように構成された電子回路機構(66)を有することを特徴とする無線端末。
【請求項34】
前記電子回路機構が、前記CSGセルに対応する前記信号品質測定結果が、非CSGセルに対応する信号品質測定結果を所定の量上回ることがないならば、登録要求を、前記所定の信号品質閾値を上回る信号品質測定結果に関連する非CSGセルのうちの1つへ送信するように構成されることを特徴とする請求項33に記載の無線端末。
【請求項35】
前記識別された信号の一部がアクセス制限セルに対応し、前記電子回路機構が、前記アクセス制限基地局へ登録要求を送信することを試行する前に、前記無線端末がこれらのアクセス制限セルのうちの少なくとも1つにアクセスできるかどうか判定するように構成されることを特徴とする請求項33に記載の無線端末。
【請求項36】
無線端末(20)であって、
無線トランシーバ回路機構(60)と、
前記無線トランシーバ回路機構に接続するデータ処理システム(62)とを備え、
前記データ処理システムが、
隣接セルに関連する隣接基地局によって送信された信号を受信して、関連する信号品質を判定し、
所定の信号品質閾値を上回る、隣接基地局によって送信されたこれらの信号を識別し、
アクセス制限セルに関連するアクセス制限基地局によって送信された信号の信号品質が、非アクセス制限基地局によって送信された信号の信号品質を所定の量上回るかどうかを判定して、そうであるならば、前記トランシーバ回路構成を介して、前記サービス提供基地局へ送信される測定結果報告をトリガするように構成された電子回路機構(66)を有することを特徴とする無線端末。
【請求項37】
前記再構成された所定の量が、前記無線トランシーバ回路機構を介して、前記サービス提供基地局によって再構成されうることを特徴とする請求項36に記載の無線端末。
【請求項1】
CSG基地局(CSG BS)のサービス圏内の閉域加入者グループ(CSG)セルの隣接セル関係リストを管理するための方法であって、前記CSGに属する無線端末(UE)だけが前記CSGセルにアクセスして前記CSGセルからサービスを受けることを許可され、かつ、前記無線端末が前記CSGセルについての前記閉域加入者グループのメンバでない限り、無線端末は前記CSG基地局から受信した信号の信号品質測定結果をそれぞれのサービス提供基地局に報告してはならないということを一般的に示す情報が、前記CSGセルに隣接する前記セルの中の無線端末に提供され、
(a)前記CSGセルを起動する工程と、
(b)以前に同じ環境で前記CSGセルが起動されたことがあるかどうかを判定する工程と、
(c)前記同じ環境で前記CSGセルが起動される場合には、1つ以上の他のネットワークノードと情報を比較することによって前記CSGセルについての隣接セル関係情報を更新する工程と、
(d)前記同じ環境で前記CSGセルが起動されない場合には、前記CSGセルについての隣接セル関係情報を初期設定する工程と
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記環境が前記CSGセルの位置を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記環境が前記CSG基地局に関連するネットワーク接続情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記接続情報は、インターネットプロトコルアドレス、または、インターネットプロトコルサブネット情報、または、前記CSG基地局の位置にネットワーク接続を提供するインターネットサービスプロバイダについての情報のような、CSG基地局接続アドレス情報を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記環境が変化したことを前記CSG基地局が中央ノード(70)に通知することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記CSG基地局が新たな環境にあることを通知する前記中央ノードへのメッセージを前記CSG基地局の所有者または運用事業者がトリガすることを許可するための手段(42)を前記CSG基地局が有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記環境が、前記CSGセルがそのメンバであるセルネットワークを含み、別の環境が、前記CSGセルが前回起動された後での前記セルネットワークにおける1つ以上の他のセルについての隣接セル関係情報の変化を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
CSG基地局(CSG BS)のサービス圏内の閉域加入者グループ(CSG)セルを初期設定するための方法であって、前記CSGに属する無線端末(UE)だけが前記CSGセルにアクセスして前記CSGセルからサービスを受けることを許可され、かつ、前記無線端末が前記CSGセルについての前記閉域加入者グループのメンバでない限り、無線端末は前記CSG基地局から受信した信号の信号品質測定結果をそれぞれのサービス提供基地局に報告してはならないということを一般的に示す情報が、前記CSGセルに隣接するセルの中の無線端末に提供される方法であって、前記CSGセルが起動された後で、
無線端末が前記CSG基地局によって送信された信号を所定の信号品質で、または所定の信号品質を上回る品質で受信した場合には、あるいは、前記CSG基地局によって送信された信号の前記受信信号品質が、前記サービス提供基地局によって送信された信号の前記信号品質より所定の量高い場合には、たとえ隣接セルの中の1つ以上の前記無線端末が前記CSGの前記閉域加入者グループに属さないとしても、隣接セルの中の各無線端末は、前記CSGセルについての信号品質測定結果をそれぞれのサービス提供セルに報告してもよいことを、隣接セルの中の前記無線端末に通知する工程を有することを特徴とする方法。
【請求項9】
前記方法が隣接セルの中のサービス提供基地局によって行われることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
CSG基地局(CSG BS)のサービス圏内の閉域加入者グループ(CSG)セルを初期設定するための方法であって、一般的に、前記CSGに属する無線端末(UE)だけが前記CSGセルにアクセスして前記CSGセルからサービスを受けることを許可され、かつ、前記CSGセルは禁止セルであることを前記CSG基地局が前記CSGセルの同報チャネルでシグナリングする方法であって、前記CSGセルが起動された後で、
(a)各隣接セルのサービス圏内の無線端末が前記CSGセルに関連する信号品質測定結果をそれらのサービス提供セルに報告することができるように、前記CSGセルが禁止セルであることをシグナリングすることを停止させる工程と、
(b)前記CSGセルのための隣接セルリストの中に所定数の隣接セルが含まれている場合、前記CSGセルは、前記CSGセルの前記閉域加入者グループに属する無線端末だけが、前記CSGセルについての信号品質測定結果をそれらの各々のサービス提供セルに報告してもよい禁止セルであることを各無線端末に通知する工程と
を有することを特徴とする方法。
【請求項11】
工程(a)および(b)が前記CSG基地局によって行われることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記CSGセルが前回起動されたときの位置とは異なる新たな位置に前記CSGセルが移動した場合、または、前記CSGセルが前回起動された後で前記CSGセルが属するセルネットワークの中で複数のセルについての隣接セル関係情報が変化した場合に、工程(a)および(b)が行われることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記CSGセルが前回起動されたときの位置とは異なる新たな位置に前記CSGセルが移動しなかった場合、または、前記CSGセルが前回起動された後で前記CSGセルが属するセルネットワークの中で複数のセルについての隣接セル関係情報が変化しなかった場合に、工程(a)および(b)が行われず、その場合、前記CSGセルに関連する隣接セル情報が更新されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記CSGセルが起動された後でさらに
前記CSGセルの隣接セルである第1のセルを識別する工程と
前記CSGセルのための隣接セルリストの中に所定数の隣接セルが含まれるまで、前記CSGセルに関連する1つ以上の隣接セルとして第1のセルに関連する1つ以上の隣接セルを追加する工程と
を有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のセルの前記隣接セル関係リスト情報が、中央ノードから前記CSGセルのサービス提供CSG基地局へシグナリングされることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のセルの前記隣接セル関係リスト情報が、前記第1のセルの前記第1のサービス提供基地局から前記CSGセルへシグナリングされることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記CSGセルが前回起動されたときの位置とは異なる新たな位置に前記CSGセルが移動した場合、または、前記CSGセルが前回起動された後で前記CSGセルが属するセルネットワークの中で複数のセルについての隣接セル関係情報が変化した場合に、第1のセルに関連する1つ以上の隣接先の追加が行われることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
CSG基地局(CSG BS)のサービス圏内の閉域加入者グループ(CSG)セルを初期設定するための方法であって、前記CSGに属する無線端末(UE)だけが前記CSGセルにアクセスして前記CSGセルからサービスを受けることを許可され、
隣接基地局によって送信された信号の受信信号品質が、前記CSG基地局によって送信された信号の受信信号品質と比べて報告ウィンドウの範囲内であるならば、隣接セル基地局から受信された信号の信号品質測定結果を前記CSG基地局に報告するために、前記CSGセルのサービス圏内の無線端末に情報を提供する工程を有し、
前記CSG基地局が、隣接セルに関連する信号品質測定結果報告の数を増加させるために、最初に比較的広域の報告ウィンドウを構成し、次いで、前記CSGセルについての隣接セル関係リストにおける確立された隣接関係の数が所定の閾値であるかまたはそれを上回る場合には、前記報告ウィンドウを狭域の報告ウィンドウに再構成することを特徴とする方法。
【請求項19】
セルにサービス提供して、無線端末が閉域加入者グループのメンバでない限り、無線端末はCSG基地局から受信した信号の信号品質測定結果を前記サービス提供基地局に報告してはならないということを一般的に示す情報をサービス享受無線端末(UE)に提供するための基地局(18、19)であって、前記CSG基地局は、
無線トランシーバ回路機構(32)と、
データ処理システム(34)と
を備え、
前記データ処理システムは、無線端末が前記CSG基地局によって送信された信号を所定の信号品質で、または所定の信号品質を上回る品質で受信した場合には、たとえ一部の前記無線端末が前記CSGセルの前記閉域加入者グループの中に存在しないとしても、前記無線端末は、前記CSGセルについての信号品質測定結果を前記サービス提供セルに報告してもよいことを、前記無線トランシーバ回路機構を介して無線端末に通知するように構成された電子回路機構(38)を備えることを特徴とする基地局。
【請求項20】
CSGセルにサービス提供するための閉域加入者グループ(CSG)基地局(18、19)であって、一般的に、前記閉域加入者グループに属する無線端末(UE)だけが前記CSGセルにアクセスして前記CSGセルからサービスを受けることを許可され、かつ、前記CSGセルは禁止されていることを前記CSG基地局が前記CSGセルの同報チャネルでシグナリングし、
前記CSG基地局は、
無線トランシーバ回路機構(32)と、
データ処理システム(34)とを備え、
前記データ処理システムは、電子回路機構(38)が、前記CSGセルが起動された場合に、
(a)隣接セルのサービス圏内の無線端末が前記CSGセルに関連する受信信号品質をそれらのサービス提供セルに報告することができるように、前記CSGセルが禁止されていることを前記無線トランシーバ回路機構を介してシグナリングすることを最初は抑制するタスクと、
(b)その後、前記CSGセルのための隣接セルリストの中に所定数の隣接セルが含まれている場合、前記CSGセルは、前記CSGセルの前記閉域加入者グループに属する無線端末だけが、前記CSGセルについての信号品質測定結果をそれらの各々のサービス提供セルに報告してもよいことを特徴とする禁止セルであることを前記無線トランシーバ回路機構を介してシグナリングするタスクと
を実行するように構成されることを特徴とする閉域加入者グループ(CSG)基地局。
【請求項21】
前記CSGセルが前回起動されたときの位置とは異なる新たな位置に前記CSGセルが移動した場合、または、前記CSGセルが前回起動された後で前記CSGセルが属するセルネットワークの中で複数のセルについての隣接セル関係情報が変化した場合に、タスク(a)および(b)が実行されることを特徴とする請求項20に記載のCSG基地局。
【請求項22】
前記CSGセルが前回起動されたときの位置とは異なる新たな位置に前記CSGセルが移動しなかった場合、または、前記CSGセルが前回起動された後で前記CSGセルが属するセルネットワークの中で複数のセルについての隣接セル関係情報が変化しなかった場合に、タスク(a)および(b)が実行されず、かつ、
前記CSGセルが前回起動されたときの位置とは異なる新たな位置に前記CSGセルが移動しなかった場合、または、前記CSGセルが前回起動された後で前記CSGセルが属するセルネットワークの中で複数のセルについての隣接セル関係情報が変化しなかった場合に、前記CSGセルに関連する隣接セル情報が更新されることを特徴とする請求項20に記載のCSG基地局。
【請求項23】
前記CSG基地局が新たな環境にあることを通知する中央ノードへのメッセージをCSG基地局の所有者または運用事業者がトリガすることを許可するための手段(42)を有することを特徴とする請求項20に記載のCSG基地局。
【請求項24】
各隣接セルのサービス圏内の無線端末が前記CSGセルに関連する受信信号品質をそれらのサービス提供セルに報告することができるように、前記CSGセルが禁止されていることを前記無線トランシーバ回路機構を介してシグナリングすることを抑制することをCSG基地局の所有者または運用事業者に許可するための手段(42)を有することを特徴とする請求項20に記載のCSG基地局。
【請求項25】
各隣接セルのサービス圏内の無線端末が前記CSGセルに関連する受信信号品質をそれらのそれぞれのサービス提供セルに報告しないように命令されるように、前記CSGセルが禁止セルであることを示すシグナリングを前記無線トランシーバ回路機構を介して開始することをCSG基地局の所有者または運用事業者に許可するための手段(42)を有することを特徴とする請求項20に記載のCSG基地局。
【請求項26】
開放型アクセスセルに関連する開放型基地局(大規模BS)と、閉域加入者グループ(CSG)に属する無線端末だけがCSGセルにアクセスしてCSGセルからサービスを受けることが許可されているCSGセルにサービス提供している閉域加入者グループ(CSG)基地局とを含むネットワーク内で用いるネットワークノードであって、前記無線端末が前記閉域加入者グループのメンバでない限り、無線端末は前記CSG基地局から受信した信号の信号品質測定結果をそれぞれのサービス提供基地局に報告してはならないということを一般的に示す情報が、前記CSGセルに隣接するセルの中の無線端末に提供され、前記ネットワークノードは、
CSG基地局環境情報を記憶するためのメモリ(72、78)と、
制御装置(78)とを備え
前記制御装置が、
運用のために最近起動されたCSGセルについての前記CSG基地局環境情報を検出し、
前記CSG基地局が前回起動されて以来の前記記憶された環境情報と比較して、前記CSG基地局が、起動された後、同じ環境にあるのかどうか判定し、
前記CSGセルが同じ環境で起動されていない場合には、前記CSGセルについての隣接セル関係情報を初期設定するように構成されることを特徴とするネットワークノード。
【請求項27】
前記ネットワークノードは前記CSG基地局および他の基地局に接続された中央ノード(70)であり、
前記メモリは、(i)各開放型セルについての隣接セル関係リストと、(ii)各CSGセルについての隣接セル関係リストと、(iii)複数の無線端末の各々について、前記無線端末がアクセスしてサービスを受けることが承認されているすべてのCSGセルを識別するCSG承認リストとを記憶することを特徴とする請求項26に記載のネットワークノード。
【請求項28】
前記CSG基地局が前記ネットワークノードに環境変化について通知することを特徴とする請求項26に記載のネットワークノード。
【請求項29】
前記ネットワークノードが基地局(18、19)であることを特徴とする請求項26に記載のネットワークノード。
【請求項30】
ネットワークノードであって、
関連する基地局を有する各セルについて隣接セル関係リストを記憶するためのメモリ(72、74)と、
制御装置とを備え、
前記制御装置は、
セルが運用のために最近起動されたことを判定し、
前記メモリ内に記憶された隣接セル関係リスト情報に基づいて、前記起動されたセルの隣接セルである第1のセルを識別し、
前記起動されたセルについての隣接セルリストの中に所定数の隣接セルが含まれるまで、前記第1のセルに関連する1つ以上の隣接セルを、起動されたセルに関連する隣接セルとして追加するように構成されることを特徴とするネットワークノード。
【請求項31】
前記ネットワークノードは、前記第1のセルにサービス提供する基地局に前記第1のセルの前記隣接セル関係リスト情報を提供するように構成された中央ノード(70)であることを特徴とする請求項30に記載のネットワークノード。
【請求項32】
前記第1のセルは閉域加入者グループ(CSG)セルであり、かつ、前記第1のセルの前記隣接セル関係リスト情報が、前記第1のセルにサービス提供する第1の基地局によって、前記CSGセルにサービス提供するCSG基地局に提供されることを特徴とする請求項30に記載のネットワークノード。
【請求項33】
無線端末(20)であって、
無線トランシーバ回路機構(60)と、
前記無線トランシーバ回路機構に接続するデータ処理システム(62)とを備え、
前記データ処理システムが、
隣接セルに関連する隣接基地局によって送信された信号を受信して、関連する信号品質を判定し、
所定の信号品質閾値を上回る、隣接基地局によって送信されたこれらの信号を識別し、
アクセス制限セルに関連するアクセス制限基地局によって送信された信号の信号品質が、所定の信号品質閾値を上回る非アクセス制限基地局によって送信された信号の信号品質を上回るかどうかを判定して、そうであるならば、前記アクセス制限基地局へ登録要求を送信するように構成された電子回路機構(66)を有することを特徴とする無線端末。
【請求項34】
前記電子回路機構が、前記CSGセルに対応する前記信号品質測定結果が、非CSGセルに対応する信号品質測定結果を所定の量上回ることがないならば、登録要求を、前記所定の信号品質閾値を上回る信号品質測定結果に関連する非CSGセルのうちの1つへ送信するように構成されることを特徴とする請求項33に記載の無線端末。
【請求項35】
前記識別された信号の一部がアクセス制限セルに対応し、前記電子回路機構が、前記アクセス制限基地局へ登録要求を送信することを試行する前に、前記無線端末がこれらのアクセス制限セルのうちの少なくとも1つにアクセスできるかどうか判定するように構成されることを特徴とする請求項33に記載の無線端末。
【請求項36】
無線端末(20)であって、
無線トランシーバ回路機構(60)と、
前記無線トランシーバ回路機構に接続するデータ処理システム(62)とを備え、
前記データ処理システムが、
隣接セルに関連する隣接基地局によって送信された信号を受信して、関連する信号品質を判定し、
所定の信号品質閾値を上回る、隣接基地局によって送信されたこれらの信号を識別し、
アクセス制限セルに関連するアクセス制限基地局によって送信された信号の信号品質が、非アクセス制限基地局によって送信された信号の信号品質を所定の量上回るかどうかを判定して、そうであるならば、前記トランシーバ回路構成を介して、前記サービス提供基地局へ送信される測定結果報告をトリガするように構成された電子回路機構(66)を有することを特徴とする無線端末。
【請求項37】
前記再構成された所定の量が、前記無線トランシーバ回路機構を介して、前記サービス提供基地局によって再構成されうることを特徴とする請求項36に記載の無線端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−199978(P2012−199978A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−120071(P2012−120071)
【出願日】平成24年5月25日(2012.5.25)
【分割の表示】特願2010−520964(P2010−520964)の分割
【原出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−120071(P2012−120071)
【出願日】平成24年5月25日(2012.5.25)
【分割の表示】特願2010−520964(P2010−520964)の分割
【原出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
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