説明

集合住宅用監視システム

【課題】管理人の監視業務への負担を軽減できるようにするとともに、管理人が各住戸への来訪者および各住戸から外出する居住者をできるだけ見落とさないようにする。
【解決手段】呼び出しが行われてから所定時間が経過するまで、または、電気錠20が内側から解錠されるまでだけカメラ1の画像を表示装置33に表示させるとともに、電気錠20が内側から解錠されてから所定時間が経過するまで、または、電気錠20が外側から施錠されるまでだけカメラ1の画像を表示装置33に表示させるので、来訪者または外出する居住者の画像が確実に表示される。また、来訪者または外出する居住者が玄関近傍に居る場合にのみ、画像が表示されるので、画像が表示される時間を短縮することができる。従って、管理人の監視業務への負担を軽減させることができ、管理人が住戸への来訪者および住戸から外出する居住者をできるだけ見落とさないようにすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅において、各住戸の玄関付近に居る来訪者や居住者を、カメラによって撮影された画像を用いて監視を行う集合住宅用監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の住戸が集まって構成されている集合住宅では、管理人が常駐する管理人室などで、集合住宅への来訪者や居住者を監視することが行われることがある。集合住宅への来訪者を監視するために、例えば、集合住宅の共同玄関にカメラ付ロビーインターホンを設置し、ロビーインターホンからの呼び出しに対して住戸側の住宅情報盤が応答通話して、共同玄関の電気錠が解錠されたときに、カメラによって撮影された画像を録画する画像録画装置を駆動させ、住宅情報盤による応答通話が終了した後に、所定時間の遅れをもって画像録画装置を停止させる技術が知られている(例えば、特許文献1など)。
【0003】
この特許文献1に記載の技術では、画像録画装置だけではなく、共同玄関の様子を確認するためのモニタテレビが管理人室に設置されているため、管理人がモニタテレビを監視することで、来訪者だけではなく、居住者の外出についても管理人が監視することができる。このとき、カメラが共同玄関に設置されているため、管理人はカメラ付ロビーインターホンからモニタテレビに出力される画像のみを監視していれば、集合住宅への来訪者および集合住宅から外出する居住者の全てを監視することができる。
【0004】
しかしながら、カメラが各住戸の玄関に設置されている場合には、各住戸の玄関に設置されたカメラによって画像が撮影されるため、モニタテレビなどの表示装置に表示される画像も複数の画像となる。そのため、管理人はそれらの画像を同時に監視しなければならなくなり、表示装置に表示される画像が増えるに従って、管理人が各住戸への来訪者や居住者の外出を見落としてしまったり、管理人の監視業務への負担が増してしまったりするという問題があった。
【0005】
ここで、公知資料1に記載された技術を各住戸のインターホンに適用し、各住戸の玄関に設置されたインターホンからの呼び出しに対して住戸内で応答通話して、玄関の電気錠が解錠されたときに、カメラによって撮影された画像を表示装置に表示し、応答通話が終了した後に、所定時間の遅れをもって表示装置の表示を停止させることで、表示装置に画像が表示される時間を短縮することが考えられる。このようにすれば、来訪者の画像が確実に表示装置に表示されるので、管理人が各住戸への来訪者を見落とすことがなくなる。また、管理人が各住戸の玄関付近を撮影した画像の全てを確認する必要がなくなるので、管理人の監視業務への負担を軽減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−322038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来技術では、各住戸への来訪者をカメラによって撮影することはできるが、各住戸から外出する居住者をカメラによって撮影することはできないという問題があった。本発明は、これらの問題を解決するために成されたものであり、各住戸の玄関付近を撮影するカメラを設置した場合に、管理人の監視業務への負担を軽減させることができるようにするとともに、管理人が各住戸への来訪者および各住戸から外出する居住者をできるだけ見落とさないようにすることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明では、玄関を出入りする人を監視するためのカメラおよび来訪者が居住者を呼び出すためのインターホン子機を各住戸に設置し、インターホン子機により呼び出しが行われてから所定時間が経過するまでの間、または、所定時間が経過するまでに玄関の電気錠が内側から解錠されるまでの間だけカメラによって撮影された画像を表示装置に表示させるとともに、玄関の電気錠が内側から解錠されてから所定時間が経過するまでの間、または、所定時間が経過するまでに玄関の電気錠が外側から施錠されるまでの間だけカメラによって撮影された画像を表示装置に表示させるようにしている。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明によれば、インターホン子機により呼び出しが行われてから所定時間の間、または、インターホン子機により呼び出しが行われてから玄関の電気錠が内側から解錠されるまでの間の画像のみが表示装置に表示されるので、来訪者の画像が確実に表示装置に表示されるようになる。また、玄関の電気錠が内側から解錠されてから所定時間の間、または、玄関の電気錠が内側から解錠されてから玄関の電気錠が外側から施錠されるまでの間の画像のみが表示装置に表示されるので、外出する居住者の画像が確実に表示装置に表示されるようになる。従って、各住戸への来訪者、または、各住戸から外出する居住者が玄関近傍に居る場合にのみ、画像が表示装置に表示されるので、表示装置に画像が表示される時間を短縮することができる。これにより、管理人の監視業務への負担を軽減させることができ、管理人が各住戸への来訪者および各住戸から外出する居住者をできるだけ見落とさないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態による集合住宅監視システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の集合住宅監視システムによる表示装置に画像が表示される状態の例を示す図である。
【図3】本実施形態の集合住宅監視システムによる表示装置に画像が表示される状態の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による集合住宅監視システムの構成例を示すブロック図である。同図において、1はカメラであり、住戸の玄関を出入りする人を撮影して画像情報を出力する。ここで、カメラ1は、玄関近傍の壁面などに設置されている。2はインターホン子機であり、住戸の玄関の外側(廊下側)に設置され、来訪者が居住者を呼び出したり、来訪者が居住者と通話したりする際に使用される。10はインターホン親機であり、住戸内に設置され、インターホン子機2により呼び出しが行われたことを報知したり、インターホン子機2による呼び出しに応答したりする際に居住者によって使用される。ここで、インターホン子機2は、子機制御部3、呼出操作部4、子機インターフェース5、子機通話部6を備えて構成されている。また、インターホン親機10は、親機制御部11、親機インターフェース12、報知部13、親機通話部14を備えて構成されている。
【0012】
子機制御部3は、インターホン子機2の各構成要素を後述するように制御するためのものであり、CPU(Central Processing Unit)などにより構成されている。呼出操作部4は、ボタンなどにより構成されており、来訪者が居住者を呼び出す際に操作される。子機インターフェース5は、インターホン子機2とインターホン親機10とを接続して通信を行う。子機通話部6は、インターホン子機2とインターホン親機10との間で通話路が形成された場合に、インターホン子機2にて入力された音声を音声信号に変換し、インターホン親機10から入力した音声信号を音声に変換してインターホン子機2の周囲に出力する。
【0013】
親機制御部11は、インターホン親機10の各構成要素を後述するように制御するためのものであり、CPUなどにより構成されている。親機インターフェース12は、インターホン親機10とインターホン子機2とを接続して通信を行う。報知部13は、スピーカーやランプなどにより構成されており、インターホン子機2によって呼び出しが行われたことを報知する。具体的には、スピーカーから報知音を出力したり、ランプを点滅させたりして報知を行う。親機通話部14は、インターホン親機10とインターホン子機2との間で通話路が形成された場合に、インターホン親機10にて入力された音声を音声信号に変換し、インターホン子機2から入力した音声信号を音声に変換してインターホン親機10の周囲に出力する。
【0014】
ここで、インターホン子機2の呼出操作部4が来訪者により操作されると、子機制御部3は、呼出信号を生成する。子機インターフェース5は、子機制御部3により生成された呼出信号をインターホン親機10の親機インターフェース12へ出力する。インターホン親機10では、親機インターフェース12が呼出信号を入力する。すると、親機制御部11は、報知部13を動作させる。この状態で、報知部13による報知に気付いた居住者が図示しない応答操作部により応答すると、親機制御部11は、報知部13の動作を停止する。それとともに、親機制御部11は、親機インターフェース12を制御して、インターホン子機2との間で通話路を形成する。親機インターホン10と子機インターホン2との間で通話路が形成されると、親機通話部14および子機通話部6により居住者と来訪者との間で通話が可能となる。
【0015】
20は電気錠であり、後述する施錠信号を入力することで、玄関の扉をロックする。また、電気錠20は、後述する解錠信号を入力することで、玄関の扉のロックを解除する。また、電気錠20は、電気錠20の状態(電気錠20が解錠状態であるか、施錠状態であるか)を示す電気錠情報を生成して出力する。21は解錠装置であり、住戸内に設置されており、操作されることにより解錠信号を生成して電気錠20へ出力する。22は施錠装置であり、住戸の玄関の外側に設置されており、操作されることにより施錠信号を生成して電気錠20へ出力する。本実施形態では、解錠装置21は住戸内にのみ設置されているが、解錠装置21を住戸内だけではなく、玄関の外側に設置するようにしても良い。この場合、玄関の外側に設置された解錠装置21は、操作だけでは動作せず、特定の鍵や暗証番号の入力などを併用することで動作可能である。また、本実施形態では、施錠装置22は玄関の外側にのみ設置されているが、施錠装置22を玄関の外側だけではなく、住戸内に設置するようにしても良い。
【0016】
30は管理人室親機であり、管理人室に設置されている。ここで、管理人室親機30は、制御装置31、タイマー32、表示装置33を備えて構成されている。制御装置31は、CPUやインターフェースなどにより構成されており、後述する表示装置33を制御する。また、制御装置31は、カメラ1および電気錠20に接続されており、カメラ1から画像情報を入力し、電気錠20から電気錠情報を入力する。また、制御装置31は、親機インターフェース12にも接続されており、親機インターフェース12が呼出信号を入力したか否かを監視している。タイマー32は、時間を計測するためのものである。ここで、制御装置31では、タイマー32が計測する所定時間が設定されている。この所定時間は、来訪者が呼出操作部4を操作してから居住者が応答するまでの一般的な時間を含む時間(例えば、1分程度)である。また、この所定時間は、居住者が解錠装置21を操作してから外出するまでの一般的な時間を含む時間(例えば、1分程度)でもある。なお、これらの所定時間は共通であっても良いし、異なっていても良い。
【0017】
表示装置33は、カメラ1により撮影された画像を示す画像情報を入力して表示するためのものであり、ディスプレイなどにより構成されている。ここで、表示装置33は、制御装置31から画像情報を入力しているため、カメラ1が画像を撮影していても、制御装置31が画像情報を出力していない場合には、表示装置33は画像を表示することができない。
【0018】
また、親機インターフェース12が呼出信号を入力したと制御装置31にて判断した場合に、制御装置31は、タイマー32を動作させるとともに、カメラ1から入力した画像情報を表示装置33へ出力する。この状態で、制御装置31は、タイマー32が計測した時間が所定時間に到達したか否かを判定する。タイマー32が計測した時間が所定時間に到達していないと制御装置31にて判断した場合に、制御装置31は、電気錠20から電気錠20が解錠状態であることを示す電気錠情報を入力したか否かを判定する。そして、電気錠20が解錠状態であることを示す電気錠情報を制御装置31が入力した場合、制御装置31は、カメラ1から入力した画像情報の表示装置33への出力を停止する。また、タイマー32が計測した時間が所定時間に到達したと制御装置31にて判断した場合に、制御装置31は、カメラ1から入力した画像情報の表示装置33への出力を停止する。
【0019】
また、親機インターフェース12が呼出信号を入力していないと制御装置31にて判断した場合に、制御装置31は、電気錠20から電気錠20が解錠状態であることを示す電気錠情報を入力したか否かを判定する。電気錠20が解錠状態であることを示す電気錠情報を入力していない場合、制御装置31は、親機インターフェース12が呼出信号を入力したか否かを監視する状態に戻る。
【0020】
一方、電気錠20が解錠状態であることを示す電気錠情報を入力した場合、制御装置31は、タイマー32を動作させるとともに、カメラ1から入力した画像情報を表示装置33へ出力する。この状態で、制御装置31は、タイマー32が計測した時間が所定時間に到達したか否かを判定する。タイマー32が計測した時間が所定時間に到達していないと制御装置31にて判断した場合に、制御装置31は、電気錠20から電気錠20が施錠状態であることを示す電気錠情報を入力したか否かを判定する。そして、電気錠20が施錠状態であることを示す電気錠情報を制御装置31が入力した場合、制御装置31は、カメラ1から入力した画像情報の表示装置33への出力を停止する。また、タイマー32が計測した時間が所定時間に到達したと制御装置31にて判断した場合に、制御装置31は、カメラ1から入力した画像情報の表示装置33への出力を停止する。
【0021】
以下、表示装置33に画像が表示される状態の例を説明する。カメラ1は、玄関前を常時撮影しており、カメラ1は撮影して得られた画像情報を制御装置31に出力している。この状態で、図2(A)に示すように、インターホン子機2が来訪者により操作されると、インターホン親機10は報知を行う。また、制御装置31では、親機インターフェース12が呼出信号を入力したと判断して、タイマー32を動作させる。これと同時に、制御装置31は、カメラ1から入力している画像情報を表示装置33へ出力する。従って、表示装置33は、カメラ1にて撮影した画像を表示する。
【0022】
この状態で、図2(B)に示すように、報知に気付いた居住者が応答すると、親機インターホン10と子機インターホン2との間で通話路が形成され、居住者と来訪者との間で通話が可能となる。この通話を確認した居住者が来訪者の入室を許可した場合(あるいは、居住者が来訪者に直接対応する場合)には、居住者は、解錠装置21を操作する。解錠装置21が操作されると、電気錠20は、玄関の扉のロックを解除するとともに、電気錠20が解錠されていることを示す電気錠情報を制御装置31へ出力する。電気錠20が解錠されていることを示す電気錠情報を入力した制御装置31は、カメラ1から入力している画像情報の表示装置33への出力を停止する。従って、表示装置33は、カメラ1にて撮影した画像を表示しなくなる。
【0023】
一方、図2(A)に示す状態のまま、居住者が留守などにより応答しなかった場合、タイマー32が計測した時間が所定時間に達する。すると、制御装置31は、カメラ1から入力している画像情報の表示装置33への出力を停止する。従って、表示装置33は、カメラ1にて撮影した画像を表示しなくなる。
【0024】
このように、来訪者がインターホン子機2の呼出操作部4を操作してから所定時間が経過するまでの間、または、所定時間が経過する前に居住者がインターホン親機10にて応答して解錠装置21にて電気錠20を解錠するまでの間の画像のみが表示装置33に表示されることになる。
【0025】
次に、表示装置33に画像が表示される状態の他の例を説明する。カメラ1は、玄関前を常時撮影しており、カメラ1は撮影して得られた画像情報を制御装置31に出力している。この状態で、図3(A)に示すように、外出しようとした居住者が解錠装置21を操作すると、電気錠20は、玄関の扉のロックを解除するとともに、電気錠20が解錠されていることを示す電気錠情報を制御装置31へ出力する。電気錠20が解錠されていることを示す電気錠情報を入力した制御装置31は、タイマー32を動作させるとともに、カメラ1から入力している画像情報の表示装置33への出力を開始する。
【0026】
この状態で、居住者が玄関の扉を開けて住戸の外に出て、図3(B)に示すように、施錠装置22を操作すると、電気錠20は、玄関の扉をロックするとともに、電気錠20が施錠されていることを示す電気錠情報を制御装置31へ出力する。電気錠20が施錠されていることを示す電気錠情報を入力した制御装置31は、カメラ1から入力している画像情報の表示装置33への出力を停止する。従って、表示装置33は、カメラ1にて撮影した画像を表示しなくなる。
【0027】
一方、図3(A)に示す状態のまま、居住者が施錠装置22を操作しなかった場合、タイマー32が計測した時間が所定時間に達する。すると、制御装置31は、カメラ1から入力している画像情報の表示装置33への出力を停止する。従って、表示装置33は、カメラ1にて撮影した画像を表示しなくなる。
【0028】
このように、居住者が解錠装置21を操作して電気錠20を解錠してから所定時間が経過するまでの間、または、所定時間が経過する前に施錠装置22にて電気錠20を施錠するまでの間の画像のみが表示装置33に表示されることになる。
【0029】
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、玄関を出入りする人を監視するためのカメラ1および来訪者が居住者を呼び出すためのインターホン子機2を各住戸に設置し、インターホン子機2からの呼び出しを報知するインターホン親機10を各住戸内に設置する。そして、インターホン子機2により呼び出しが行われてから所定時間が経過するまでの間、または、所定時間が経過するまでに玄関の電気錠20が解錠装置21によって住戸の内側から解錠されるまでの間だけカメラ1によって撮影された画像を表示装置33に表示させる。また、玄関の電気錠20が解錠装置21によって住戸の内側から解錠されてから所定時間が経過するまでの間、または、所定時間が経過するまでに玄関の電気錠20が施錠装置22によって外側から施錠されるまでの間だけカメラ1によって撮影された画像を表示装置33に表示させるようにしている。
【0030】
これにより、インターホン子機2により呼び出しが行われてから所定時間の間、または、インターホン子機2により呼び出しが行われてから玄関の電気錠20が内側から解錠されるまでの間の画像のみが表示装置33に表示されるので、来訪者の画像が確実に表示装置33に表示されるようになる。また、玄関の電気錠20が内側から解錠されてから所定時間の間、または、玄関の電気錠20が内側から解錠されてから玄関の電気錠20が外側から施錠されるまでの間の画像のみが表示装置33に表示されるので、外出する居住者の画像が確実に表示装置33に表示されるようになる。従って、各住戸への来訪者、または、各住戸から外出する居住者が玄関近傍に居る場合にのみ、画像が表示装置33に表示されるので、表示装置33に画像が表示される時間を短縮することができる。これにより、管理人の監視業務への負担を軽減させることができ、管理人が各住戸への来訪者および各住戸から外出する居住者をできるだけ見落とさないようにすることができる。
【0031】
なお、前述した実施形態では、制御装置31は、カメラ1から入力した画像情報を表示装置33へ出力するか否かの制御を行っているが、これに限定されない。例えば、監視画像を録画するための画像録画装置を更に設け、カメラ1から入力した画像情報を画像録画装置へ出力するか否かを制御装置31にて行うようにしても良い。これにより、画像録画装置に記録される画像の容量を節約することができる。
【0032】
また、前述した実施携帯では、カメラ1は常に撮影を行っており、制御装置31はカメラ1から画像情報を入力し、判定状況に応じて画像情報を表示装置33へ出力するか否かの制御を行っているが、これに限定されない。例えば、制御装置31は、判定状況に応じてカメラ1にて撮影を行うか否かを制御するようにしても良い。これにより、カメラ1の動作時間を削減することができる。また、この場合において、カメラ1と表示装置33とを直接接続して、カメラ1から出力された画像情報を表示装置33へ直接入力するようにしても良い。
【0033】
また、前述した実施形態では、制御装置31がカメラ1から入力した画像情報を表示装置33へ出力する際に、管理人に注意を促すような動作を行っていないが、これに限定されない。例えば、来訪者がインターホン子機2の呼出操作部4を操作したタイミングや、居住者が解錠装置21を操作したタイミングで、管理人室親機30にて報知音を鳴らすようにしても良い。これにより、報知音が鳴った場合にのみ管理人は表示装置33を注視すれば良くなるので、管理人の監視業務への負担をより軽減させることができるとともに、管理人が各住戸への来訪者および各住戸から外出する居住者を見落とさないようにすることを、より確実に実現することができる。
【0034】
その他、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 カメラ
2 インターホン子機
3 子機制御部
4 呼出操作部
5 子機インターフェース
6 子機通話部
10 インターホン親機
11 親機制御部
12 親機インターフェース
13 報知部
14 親機通話部
20 電気錠
21 解錠装置
22 施錠装置
30 管理人室親機
31 制御装置
32 タイマー
33 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住戸の玄関を出入りする人を撮影して画像情報を出力するカメラと、
前記玄関の外側に設置され、呼び出しを行うために操作されるインターホン子機と、
前記住戸内に設置され、前記インターホン子機により呼び出しが行われたことを報知するとともに、前記呼び出しに対する応答を行うためのインターホン親機と、
前記玄関に設置され、玄関の扉をロックする電気錠と、
時間を計測するタイマーと、
前記住戸内に設置され、前記電気錠を内側から解錠するために操作される解錠装置と、
前記玄関の外側に設置され、前記電気錠を外側から施錠するために操作される施錠装置と、
管理人室に設置され、前記カメラから出力された画像情報を表示する表示装置と、
前記インターホン子機が操作されたか否かを判定するととも、前記インターホン子機が操作されたと判断した場合に前記タイマーを動作させ、このタイマーによって計測された時間が所定時間に達するまでの間、または、前記タイマーによって計測された時間が所定時間に達するまでに前記電気錠が前記解錠装置によって解錠されるまでの間だけ前記カメラから出力された画像情報を前記表示装置に表示させ、前記インターホン子機が操作されていないと判断した場合に前記電気錠が前記解錠装置によって解錠されたか否かを判定して、前記電気錠が前記解錠装置によって解錠されたと判断した場合に前記タイマーを動作させ、このタイマーによって計測された時間が所定時間に達するまでの間、または、前記タイマーによって計測された時間が所定時間に達するまでに前記電気錠が前記施錠装置によって施錠されるまでの間だけ前記カメラから出力された画像情報を前記表示装置に表示させる制御装置と、
を備えたことを特徴とする集合住宅用監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−95243(P2012−95243A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242876(P2010−242876)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(591253593)株式会社ケアコム (493)
【Fターム(参考)】