集合配管及びその製造方法
【課題】複数の配管を複数の連結部材により連結した集合配管の形状の崩れをなくして自動車の車体への組付性を向上させる。
【解決手段】互いに略平行に配列された複数の配管Ta〜Tdを複数箇所において連結する合成樹脂製の連結部材は、各配管Ta〜Tdと一体的に結合されており、一部の連結部材には、集合配管を車体に取り付けるための係止部が一体的に形成されている。互いに当接される第1及び第2成形型20,30の接合面20a,30aには、連結部材を成形する第1及び第2凹部21,31並びにこの各凹部内を横切り各配管を保持する断面が半円形の複数の第1及び第2支持溝24a,24b,34a,34bが形成されている。各配管を間に挟んで両成形型を閉じ、各凹部により形成されるキャビティ内に溶融樹脂を充填し、冷却硬化させて各配管と一体的に結合された各連結部材を形成する。
【解決手段】互いに略平行に配列された複数の配管Ta〜Tdを複数箇所において連結する合成樹脂製の連結部材は、各配管Ta〜Tdと一体的に結合されており、一部の連結部材には、集合配管を車体に取り付けるための係止部が一体的に形成されている。互いに当接される第1及び第2成形型20,30の接合面20a,30aには、連結部材を成形する第1及び第2凹部21,31並びにこの各凹部内を横切り各配管を保持する断面が半円形の複数の第1及び第2支持溝24a,24b,34a,34bが形成されている。各配管を間に挟んで両成形型を閉じ、各凹部により形成されるキャビティ内に溶融樹脂を充填し、冷却硬化させて各配管と一体的に結合された各連結部材を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車体に組み付けられる複数の配管を複数箇所において連結部材により連結した集合配管及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の集合配管としては、例えば特許文献1(特開2006−220169号公報)に開示された配管クランプにより複数の配管を複数箇所において連結したものがある。この配管クランプは、複数の挿通孔がそれぞれ形成される配管保持部と、それらの配管保持部を連結する連結部とによって構成され、合成ゴムなどの弾性材料によって一体成形されたものである。挿通孔の内面には多数の突出部が内方に突出して設けられ、各挿通孔に挿通された複数の配管はその外周面が各突出部の側面に当接することにより支持されて互いに連結される。
【0003】
またこの種の集合配管としては、図15及び図16に示すように、第1の連結部材1及び第2の連結部材1A(図16のみに図示)により、複数の配管Ta〜Tdを複数箇所において互いに連結したものもある。各第1の連結部材1は合成樹脂により一体成形したもので、図15に示すように、細長い連結部本体2には断面が半円形の4個の保持凹部3a〜3dが形成され、各保持凹部3a〜3dの一側から立ち上がる板状の基部4a〜4dの先端から鋭角で屈折されて各保持凹部3a〜3dの中心方向に向かう薄板状の弾性爪部5a〜5dが形成されている。下側に突出部2aが形成された連結部本体2の中央部には略凸形状の通し孔6が形成され、この通し孔6の内面には八の字状に互いに向かい合う上下各1対の弾性板状部7a,7bが形成され、突出部2aの下面に形成された凹部8と通し孔6の間の仕切り壁には連通孔8aが形成されている。突出部2aを含む連結部本体2の中央部と通し孔6と弾性板状部7a,7bと凹部8と連通孔8aが、連結部材1を車体Bに係止する係止部H3を構成している。なお突出部2aにはその一側の途中から保持凹部3bの中心方向に向かう薄板状の弾性爪部5eが形成されている。第2の連結部材1Aは係止部H3を備えておらず、その分だけ全長が短くなっている点を除き第1の連結部材1と同じであるので詳細な構造の説明は省略する。
【0004】
各配管Ta〜Tdは、4箇所において第1の連結部材1の各弾性爪部5a〜5eを押し開いて各保持凹部3a〜3d内に押し込まれ、各弾性爪部5a〜5eの弾性復元により抜け止め保持され、また両端の2箇所において、同様にして第2の連結部材1Aにより抜け止め保持されて、図16に示すような複数の配管Ta〜Tdが複数箇所において第1及び第2の連結部材1,1Aにより連結された集合配管が形成される。そしてこの集合配管の各係止部H3を車体Bに固定された各スタッド9に接近させ、各連通孔8aを通して各スタッド9を各1対の弾性板状部7a,7bの間に挿入し、各弾性板状部7a,7bの先端の爪部7xにより弾性的に挟持することにより、集合配管は第1の連結部材1を介して車体Bに組み付けられる。
【特許文献1】特開特開2006−220169号公報(段落〔0027〕、段落〔0029〕、図5、図6)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の集合配管では、通常はそれぞれ複数の配管と連結部材をサブ組立した状態で自動車の車体に組み付けるが、特許文献1に開示された配管クランプを使用した集合配管では、サブ組立に際して各配管クランプの挿通孔に各配管を挿通して所定位置まで移動させる必要があるのでサブ組立に手間がかかる。また各配管は各挿通孔内面の突出部に摩擦係合されているだけであり、各配管と各配管クランプとは相対的に回転及び軸線方向の移動が可能であるので、サブ組立された集合配管は運搬中などに外力が加われば形状が崩れ、また各配管クランプの位置がずれるなどして、車体に対する組み付けの際の手間が増大するという問題がある。また配管クランプは各配管の曲がり部分にかかる位置に配置することはできないので、各配管は形状の自由度が制約されることがある。
【0006】
図15及び図16に示す構造によれば、配管Ta〜Tdと連結部材1のサブ組立に際しては、各連結部材1の保持凹部3a〜3dに側方から各配管Ta〜Tdを押し込めばよいのでサブ組立に要する手間は軽減される。しかしながら各配管Ta〜Tdは車体Bの形状に合わせて屈曲する必要があるので、各配管Ta〜Tdの各部の外径の外径の真円度及び寸法精度を高く保つことは必ずしも容易ではない。このため、配管Ta〜Tdの一部のものが対応する保持凹部3a〜3d内に完全に入りきらずにはみ出すことがあり、そのような保持凹部3a〜3dに対応する弾性爪部5a〜5eは充分に戻りきらず、従って抜け止め作用が得られないので、そのような配管Ta〜Tdは対応する保持凹部3a〜3dから外れて連結部材1により保持されなくなるという問題が生じることがある。
【0007】
この問題は各保持凹部3a〜3dを大きくすることにより避けることはできるが、そのようにすると各配管Ta〜Tdと各連結部材1とは相対的に回転及び軸線方向の移動が自由になるので、サブ組立された集合配管は運搬中などに外力が加われば形状が崩れ、また各連結部材1,1Aの位置がずれるなどして車体Bに対する組み付けの手間が増大するという問題が生じる。また各配管の形状の自由度についても、特許文献1に開示された配管クランプを使用した場合と同様の制約がある。本発明はこのような各問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このために、本発明による集合配管は、互いに略平行に配列された複数の配管を複数箇所において合成樹脂製の連結部材により連結してなり、自動車の車体に組み付けて使用する集合配管において、各連結部材は複数箇所において各配管と一体的に結合されて複数の配管を連結するものとし、一部の連結部材には、集合配管を車体に取り付けるための係止部を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
前項に記載の集合配管において、係止部は連結部材と一体的に形成され各配管と略平行に延びる少なくとも1個の弾性板状部を有するものとし、この弾性板状部の先端部を車体に固定された取付具に係合することにより集合配管を車体に組み付けることが好ましい。
【0010】
前前項に記載の集合配管において、係止部を設けた一部の連結部材は、各配管と一体的に結合され少なくとも2つの各配管を含む平面とほゞ直交する方向に通り抜ける保持穴が形成された連結部本体と、保持穴内に係合されることにより連結部本体に保持されて係止部を構成する係止部本体よりなり、連結部本体は一体的に形成された少なくとも1個の弾性板状部を有し、この弾性板状部の先端部を車体に固定された取付具に係合することにより集合配管を車体に組み付けることが好ましい。
【0011】
また、本発明による集合配管の製造方法は、互いに略平行に配列された複数の配管を複数箇所において合成樹脂製の連結部材により連結してなり、自動車の車体に組み付けて使用する集合配管の製造方法において、第1接合面を有し、この第1接合面に連結部材の半部を成形する第1凹部及びこの第1凹部内を横切り複数の配管を密接して載置可能な断面が半円形の複数の第1支持溝が形成された第1成形型と、この第1成形型に対し接近離隔可能に設けられて、第1接合面と当接可能な第2接合面を有し、この第2接合面に連結部材の残る半部を成形する第2凹部及びこの第2凹部内を横切り複数の配管に密接してこれを覆う断面が半円形の複数の第2支持溝が形成された第2成形型を使用し、第1成形型の第1接合面の各第1支持溝上に各配管を載置した後に、両成形型を接近させ両接合面を互いに当接させて第1及び第2凹部によりキャビティを形成し、このキャビティ内に溶融樹脂を充填し、冷却硬化させて各配管と一体的に結合された各連結部材を形成することを特徴とするものである。
【0012】
前項に記載の集合配管の製造方法において、一部の連結部材には、各配管と略平行に延びる少なくとも1個の弾性板状部を一体的に有するとともにこの弾性板状部の先端部が車体に固定された取付具に係合することにより集合配管を車体に組み付ける係止部を一体的に設け、この係止部を設けた連結部材を成形する第1成形型及び第2成形型の何れか一方には、各第1支持溝または第2支持溝と略平行に第1凹部または第2凹部の一部から互いに反対方向に進退可能で互いに当接される先端部に弾性板状部を成形する成形凹部を有する1対のスライド中子をさらに設け、各スライド中子を前進させそれらの先端を互いに当接させて各成形凹部により空間を形成するのと前後して、両成形型を接近させ両接合面を互いに当接させて第1及び第2凹部により形成されるキャビティを前記空間に連通させることが好ましい。
【0013】
前2項に記載の集合配管の製造方法において、各配管は金属管の表面に合成樹脂よりなる被覆を一体的に設けたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
上述のように、本発明の集合配管によれば、互いに略平行に配列された複数の配管を複数箇所において合成樹脂製の連結部材により連結してなり、自動車の車体に組み付けて使用する集合配管において、各連結部材は複数箇所において各配管と一体的に結合されて複数の配管を連結するものとしたので、各配管と連結部材が相対的に移動されることはない。従って集合配管の運搬中などに外力が加わっても集合配管の形状が崩れたり各連結部材の位置がずれたりすることはなく高精度に保たれるので、一部の連結部材には集合配管を車体に取り付けるための係止部を設けたことと相まって、車体に対する集合配管の組み付けを容易にすることができる。また各配管と各連結部材は一体的に結合されて、それらの間の結合強度が大きいので、各連結部材の横幅を小さくし、あるいは使用する連結部材の数を減らして、集合配管の製造コストを低下させることができる。
【0015】
前項に記載の集合配管において、係止部は連結部材と一体的に形成され各配管と略平行に延びる少なくとも1個の弾性板状部を有するものとし、この弾性板状部の先端部を車体に固定された取付具に係合することにより集合配管を車体に組み付けるようにした請求項2の発明によれば、弾性板状部の先端部を取付具に係合するだけで集合配管を車体に取り付けることができるので、車体に対する集合配管の組み付けは一層容易となる。
【0016】
この種の集合配管では、車体に取り付けるための係止部を設けた一部の連結部材とこれを設けないその他の連結部材の2種類の連結部材を使用しており、係止部を設けた一部の連結部材は構造が複雑化するため製造コストが増大する。しかしながら前前項に記載の集合配管において、係止部を設けた一部の連結部材は、各配管と一体的に結合され少なくとも2つの各配管を含む平面とほゞ直交する方向に通り抜ける保持穴が形成された連結部本体と、保持穴内に係合されることにより連結部本体に保持されて係止部を構成する係止部本体よりなり、連結部本体は一体的に形成された少なくとも1個の弾性板状部を有し、この弾性板状部の先端部を車体に固定された取付具に係合することにより集合配管を車体に組み付けるようにした請求項3の発明によれば、係止部を設けた一部の連結部材を構成する連結部本体と係止部本体は何れも構造が簡略化されて製造が容易となるとともに、係止部を設けた一部の連結部材の連結部本体とこれを設けないその他の連結部材とを同一部材として共通化することができるので、2種類の連結部材の全体としての製造コストを低下させて、集合配管の製造コストを低下させることができる。
【0017】
また、本発明による集合配管の製造方法によれば、互いに略平行に配列された複数の配管を複数箇所において合成樹脂製の連結部材により連結してなり、自動車の車体に組み付けて使用する集合配管の製造方法において、第1接合面を有し、この第1接合面に連結部材の半部を成形する第1凹部及びこの第1凹部内を横切り複数の配管を密接して載置可能な断面が半円形の複数の第1支持溝が形成された第1成形型と、この第1成形型に対し接近離隔可能に設けられて、第1接合面と当接可能な第2接合面を有し、この第2接合面に連結部材の残る半部を成形する第2凹部及びこの第2凹部内を横切り複数の配管に密接してこれを覆う断面が半円形の複数の第2支持溝が形成された第2成形型を使用し、第1成形型の第1接合面の各第1支持溝上に各配管を載置した後に、両成形型を接近させ両接合面を互いに当接させて第1及び第2凹部によりキャビティを形成し、このキャビティ内に溶融樹脂を充填し、冷却硬化させて各配管と一体的に結合された各連結部材を形成するようにしたので、各配管の外径の真円度や寸法精度が低くても、溶融樹脂の冷却硬化により形成される各連結部材は各配管の表面に密着結合されて一体的に形成される。このようにして製造された集合配管は連結部材と各配管との間の結合強度が大きくなるので、集合配管の運搬中などに外力が加わっても集合配管の形状が崩れることはなく高精度に保たれて、車体に対する集合配管の組み付けを容易にすることができる。また各配管と各連結部材は一体的に結合されて、それらの間の結合強度が大きいので、各連結部材の横幅を小さくし、あるいは使用する連結部材の数を減らして、集合配管の製造コストを低下させることができる。さらに、連結部材が各配管の曲がり部分にかかるように配置された場合でも、各連結部材は各配管の表面に密着結合されて一体的に形成されるので、各配管の曲げ形状の自由度を高めることができる。
【0018】
前項に記載の集合配管の製造方法において、一部の連結部材には、各配管と略平行に延びる少なくとも1個の弾性板状部を一体的に有するとともにこの弾性板状部の先端部が車体に固定された取付具に係合することにより集合配管を車体に組み付ける係止部を一体的に設け、この係止部を設けた連結部材を成形する第1成形型及び第2成形型の何れか一方には、各第1支持溝または第2支持溝と略平行に第1凹部または第2凹部の一部から互いに反対方向に進退可能で互いに当接される先端部に弾性板状部を成形する成形凹部を有する1対のスライド中子をさらに設け、各スライド中子を前進させそれらの先端を互いに当接させて各成形凹部により空間を形成するのと前後して、両成形型を接近させ両接合面を互いに当接させて第1及び第2凹部により形成されるキャビティを前記空間に連通させるようにした請求項5の発明によれば、集合配管を車体に組み付けるための係止部は連結部材の成形と同時に一体的に成形されるので、集合配管を車体に組み付けるための別体の部材を不要として部品点数を減少させることができる。
【0019】
前2項に記載の集合配管の製造方法において、各配管は金属管の表面に合成樹脂よりなる被覆を一体的に設けた請求項6の発明によれば、連結部材となる溶融樹脂は各配管の表面の合成樹脂よりなる被覆に溶着などにより容易に結合され、連結部材と各配管との間の結合強度が増大するので、集合配管の形状は一層崩れにくくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
先ず図1〜図8により、本発明による集合配管の第1実施形態の説明をする。この第1実施形態による集合配管は、図1に示すように、互いに略平行に配列された複数の配管Ta〜Tdを複数箇所において第1の連結部材10と第2の連結部材40により連結したものであり、自動車の車体に組み付けて使用するものである。各配管Ta〜Tdはフュ−エルチューブ、キャニスターチューブ、ブレーキチューブなどであり、何れも金属管Txの表面に合成樹脂よりなる被覆Tyを一体的に設けたものである(図2参照)。第1の連結部材10は車体への係止部Hが一体形成されたものであり、第2の連結部材40はそのような係止部を有しないものである。各配管Ta〜Tdは車体への取り付け部分の形状に沿わせて屈曲されており、また図示は省略したが、その両端はホースを介して供給源及び供給先に連結されている。
【0021】
次に図2〜図5により、第1の連結部材10の説明をする。図2〜図4に示すように、第1の連結部材10は、合成樹脂よりなる細長いブロック状の連結部本体11を主要な構成部材とするもので、下側に四角い張出し部11aが設けられた中央部には係止部Hが一体的に形成されている。係止部Hの両側にはそれぞれ2本の大径の配管Ta,Tbと2本の小径の配管Tc,Tdが一平面上に平行に並んで配置され、各配管Ta〜Tdは連結部本体11内を横切って通るように埋設されて連結部本体11と一体的に結合されている。
【0022】
係止部Hは、各配管Ta〜Tdと平行に貫通する四角い通し孔12が形成された連結部本体11の中央部と、この通し孔12の内面に設けられた4個のアンカ部材14a〜14dと、張出し部11aの下面に形成された四角い凹部13により構成されている。通し孔12の上面には四角い大きな開口12aが形成され、通し孔12と凹部13の間の仕切り壁には各配管Ta〜Tdと平行方向に細長い連通孔13a(図4参照)が形成されている。各アンカ部材14a〜14dは、主として図2及び図5に示すように、上下に配置されて通し孔12の左右の側壁から内向きに向かって斜め上方に延び、連結部本体11の中央部と一体形成された左右各1対の弾性板状部14xを主要な構成部材とするものである。
【0023】
各弾性板状部14xは、各配管Ta〜Tdと平行に延びるように連結部本体11と一体的に形成された薄板状で、図5に示すように、通し孔12の側壁に取り付けられる根本側の両側には曲げ弾性を調整するための切欠き14yが形成されており、先端部付近には通し孔12の中心側に向かって突出する爪部14zが全幅にわたって形成されている。上側となる2個のアンカ部材14a,14bは爪部14zが各2個であり、下側となる2個のアンカ部材14c,14dは爪部14zが各3個で下方に延びる突出板14wが設けられている。この第1実施形態では、右側となる各アンカ部材14b,14dは、左側となる各アンカ部材14a,14cより多少下側に配置されている。
【0024】
第2の連結部材40は、図8に示すように、合成樹脂よりなる細長いブロック状の連結部本体41を主要な構成部材とし、第1の連結部材10と同様、各配管Ta〜Tdは連結部本体41内を横切って延びるように埋設されて一体的に結合されている。この第2の連結部材40は、係止部Hを備えておらず、その分だけ大径の配管Ta,Tbと小径の配管Tc,Tdの間の距離が小さくなっている点を除き第1の連結部材10と同じであるので、構造の詳細な説明は省略する。
【0025】
この第1実施形態では、図1に示すように、各配管Ta〜Tdは、3箇所にモールドされて一体的に結合された第1の連結部材10と、両端の2箇所にモールドされて一体的に結合された第2の連結部材40により互いに連結され、このようにして複数の配管Ta〜Tdが複数箇所において第1及び第2の連結部材10,40により連結された集合配管が形成される。そしてこの集合配管の各第1の連結部材10の係止部Hを車体Bに固定された各スタッド(取付具)19に接近させ、図2に示すように各連通孔13aを通して各スタッド19を2対のアンカ部材14a〜14dの弾性板状部14xの間に挿入し、それらの各先端の爪部14zにより弾性的に挟持して摩擦係合することにより、集合配管は各第1の連結部材10を介して車体Bに組み付けられる。
【0026】
次に上述した第1実施形態の集合配管の製造方法の説明をする。先ず図6及び図7により、各配管Ta〜Tdを連結する第1の連結部材10の成形に使用する成形装置の説明をする。この成形装置は下型(第1成形型)20と、この下型20に対し接近離隔可能な上型(第2成形型)30と、互いに接近離隔可能に下型20上に設けられた1対のスライド中子25により構成されている。3個の下型20は、図1に示す3個の第1の連結部材10と対応する位置となるように配置されて、固定側機枠(図示省略)上に固定されている。3個の上型30は、固定側機枠に対し昇降される可動側機枠(図示省略)の各下型20と対応する位置に、各下型20に対し接近離隔されるように案内支持されている。各下型20に案内支持される両スライド中子25は、最接近した状態ではそれぞれの先端面が互いに当接される。
【0027】
下型20の上面(第1接合面)20aには、第1の連結部材10の連結部本体11の下半部を成形する細長い第1凹部21が形成され、また中央部を除くこの第1凹部21内を直交して横切るように各配管Ta〜Tdを略密接して載置するための断面が半円形で大径及び小径各2個の第1支持溝24a,24bが形成されている。下型20の上面20aには、また、第1凹部21の中央部と直交して、各スライド中子25の下半部を長手方向摺動自在に案内支持する1本の第1案内溝22が、連結部本体11の張出し部11aの分だけ第1凹部21よりも深く形成されている。この第1案内溝22の第1凹部21と交差する中央部には、連結部本体11の凹部13及び連通孔13aを成形するための突出部23並びにそれを囲む四角い溝部23aが形成されている。
【0028】
上型30の下面(第2接合面)30aには、下型20の第1凹部21と対応する位置に、連結部本体11の上半部を成形する細長い第2凹部31が形成され、また下型20の各第1支持溝24a,24bと対応する位置に、第2凹部31内を直交して横切るように、上型30の下面30aが下型20の上面20aに当接した状態では各配管Ta〜Tdを略密接して覆う断面が半円形で大径及び小径各2個の第2支持溝34a,34bが形成されている。また上型30の下面30aには、下型20の第1案内溝22と対応する位置に各スライド中子25の上半部を長手方向摺動自在に案内支持する1本の第2案内溝32が形成されている。この第2案内溝32は第2凹部31と同じ深さで第2凹部31と交差する中央部には、連結部本体11の開口12aを成形するための突出部33が形成されている。上型30は、可動側機枠が最下降された状態において、可動側機枠との間に設けた流体圧シリンダ装置(図示省略)により各下型20に対し接近離隔されるように作動され、最接近状態では各上型30の下面30aが対応する下型20の上面20aと当接されるようになっている。
【0029】
各スライド中子25は全体として四角く細長いブロック状であり、その先端部25aは係止部Hの通し孔12を成形するものであって断面形状が四角形でやや小さく形成され、この先端部25aの先端面と側面の間にわたり各アンカ部材14a〜14dの弾性板状部14xを形成するための4つの成形凹部26が設けられている。各スライド中子25は、先端部25aが互いに向かい合うように配置され、下半部が下型20の第1案内溝22により長手方向摺動自在に案内支持され、図7に示す離隔位置と、各先端部25aの先端面が突出部23の中央で互いに当接される接近位置の間で往復されるように、下型20との間に設けた流体圧シリンダ装置(図示省略)により作動される。
【0030】
また第2の連結部材40の成形に使用する成形装置は、図示は省略したが、連結部本体41の下半部を成形する細長い凹部及び大径及び小径各2個の支持溝が形成された上面を有する下型と、連結部本体41の上半部を成形する細長い凹部及び大径及び小径各2個の支持溝が形成された下面を有する上型よりなるものである。この成形装置の構成、固定側及び可動側機枠に対する取付関係及び作用は、スライド中子25及びこれに関連する案内溝22,32等を備えていない点を除き、上述した第1の連結部材10の成形に使用する成形装置と同じであるので、その詳細な説明は省略する。
【0031】
この第1実施形態の集合配管の製造装置は、不作動状態では、図6及び図7に示すように、上型30は下型20から離隔される位置にあり、両スライド中子25は互いに離隔され、可動側機枠は上昇されて上型30は下型20から上方に大きく離隔されている。この状態で各下型20の各第1支持溝24a,24b上に各配管Ta〜Tdを載置した後に、可動側機枠を下降させて図6及び図7に示す最下降位置とし、各スライド中子25を流体圧シリンダ装置により接近させてそれらの先端を互いに当接させ、これと前後して上型30を流体圧シリンダ装置により下型20に接近させて、上型30の下面30aを下型20の上面20aに当接させると同時に、上型30の第2案内溝32の上底面を各スライド中子25の上面25bに当接させれば、各配管Ta〜Tdは両成形型20,30の間に保持され、両凹部21,31により第1の連結部材10の連結部本体11を成形するキャビティが形成され、成形凹部26により形成されるアンカ部材14a〜14dを成形する空間もスライド中子25の先端部25aの側面の開口部を介してこのキャビティに連通される。またこれと同時に第2の連結部材40の成形に使用する成形装置(図示省略)も作動されて第2の連結部材40を成形するキャビティも形成される。そして第1の連結部材10の下型20及び第2の連結部材40の下型(図示省略)の一部に形成したゲート(図示省略)からこれらのキャビティ及び空間内に溶融樹脂を射出して充填し、冷却硬化させれば、各配管Ta〜Tdが3個の第1の連結部材10と2個の第2の連結部材40により一体的に結合された第1実施形態の集合配管が成形される。そして流体圧シリンダ装置により上型30を下型20から離隔させ、各スライド中子25を後退させて離隔させ、可動側機枠を最上昇位置とすればこの第1実施形態の集合配管を取り出すことができる。
【0032】
このようにして得られた第1実施形態の集合配管は、各配管Ta〜Tdの外径の真円度や寸法精度が低くても、あるいは各連結部材10,40を各配管Ta〜Tdの曲がり部分にかかるように配置した場合でも、各連結部材10,40は各配管Ta〜Tdの表面に密着して一体的に結合され、各配管Ta〜Tdと連結部材10,40が相対的に移動されることはなく、従って集合配管は運搬中などに外力が加わっても形状が崩れることはなく高精度に保たれる、従って、車体Bに対する集合配管の組み付けが容易となる。また第1の連結部材10には集合配管を車体Bに取り付けるための係止部Hが一体的に形成されているので、車体Bに対する集合配管の組み付けは一層容易となる。また各配管Ta〜Tdと各連結部材10,40は一体的に結合されて、それらの間の結合強度が大きいので、各連結部材10,40の配管Ta〜Tdの長手方向における横幅を小さくし、あるいは使用する連結部材10,40の数を減らして、集合配管の製造コストを低下させることができる。この第1実施形態の集合配管の連結部材10の数は3個であり、図16に示す従来技術の集合配管の連結部材1の数(4個)よりも少なくなっている。さらに、連結部材が各配管Ta〜Tdの曲がり部分にかかるように配置された場合でも、各連結部材10,40は各配管Ta〜Tdの表面に密着結合されて一体的に形成されるので、各配管Ta〜Tdの曲げ形状の自由度を高めることができる。
【0033】
また上述した第1実施形態の集合配管では、車体Bに固定された各スタッド19を各第1の連結部材10の各弾性板状部14xの先端部の爪部14zの間に挿入し、弾性的に挟持して摩擦係合することにより車体Bに組み付けたので、車体Bに対する集合配管の組み付けはきわめて容易である。なお、各連結部材10に形成する弾性板状部14xは1個だけとし、その弾性板状部14xと向かい合う係止部Hの一部との間に車体Bのスタッド19を弾性的に挟持することにより摩擦係合して車体Bに組み付けるようにしても同様の効果が得られる。
【0034】
また上述した第1実施形態の集合配管の製造方法によれば、溶融樹脂の硬化により形成される各連結部材10,40は、各配管Ta〜Tdの外径の真円度や寸法精度が低くても各配管Ta〜Tdの表面に密着結合されて一体的に形成され、連結部材10,40と各配管Taとの間の結合強度が大きくなるので、集合配管の運搬中などに外力が加わっても集合配管の形状が崩れることはなくなり、車体に対する集合配管の組み付けが容易となる。また各配管Ta〜Tdと各連結部材10,40は一体的に結合されて、それらの間の結合強度が大きいので、各連結部材10,40の配管Ta〜Tdの長手方向における横幅を小さくし、あるいは使用する連結部材10,40の数を減らして、集合配管の製造コストを低下させることができる。さらに、連結部材が各配管Ta〜Tdの曲がり部分にかかるように配置された場合でも、各連結部材10,40は各配管Ta〜Tdの表面に密着結合されて一体的に形成されるので、各配管Ta〜Tdの曲げ形状の自由度を高めることができる。
【0035】
また上述した第1実施形態の集合配管の製造方法では、各配管Ta〜Tdは金属管Txの表面に合成樹脂よりなる被覆Tyを一体的に設けたものとしており、このようにすれば溶融樹脂の硬化により形成される各連結部材10,40は各配管Ta〜Tdの表面の合成樹脂よりなる被覆に溶着などにより容易に結合されて連結部材10,40と各配管Taとの間の結合強度が増大するので、形状が一層崩れにくい集合配管が得られる。
【0036】
次に図9〜図11により、本発明による集合配管の第2実施形態の説明をする。この第2実施形態による集合配管は、第1実施形態の集合配管と同様、各配管Ta〜Tdをこれらと一体結合された第1の連結部材10A及び第2の連結部材40により連結したものである。この第2実施形態の集合配管は、第1の連結部材10A、特にその係止部H1が第1実施形態の第1の連結部材10の係止部Hと相違するのみであるので、主としてこの相違点につき説明する。
【0037】
図9及び図10に示すように、第2実施形態の第1の連結部材10Aは、合成樹脂よりなり車体への係止部H1が一体形成された細長いブロック状の連結部本体11Aを主要な構成部材とするもので、係止部H1は連結部本体11Aの下側中央部に形成した段状凹部11bと、これから下向きに突出するよう一体形成されたアンカ部材14Aにより構成されている。アンカ部材14Aは、各配管Ta〜Tdと略平行に連結部本体11Aの段状凹部11bから下向きに突出する板状基部14A1と、その先端縁から段状凹部11b側に戻る向きに斜めに延びる左右1対の弾性板状部14A2よりなり、このアンカ部材14Aの先端縁の両端部には面取り14A4が形成されている。段状凹部11bと平行に向かい合う各弾性板状部14A2の先端面の板状基部14A1側には、段状凹部11b側に向かって延びる小さいストッパ14A3が形成されている。その他の第1の連結部材10Aの構成及び第2の連結部材40は、前述した第1の実施形態と同じである。
【0038】
この第2実施形態では、車体Bにはコ字状に折曲されて背面に係止部H1を係合する四角い穴部19bが形成された取付具19Aが固定されている(図9参照)。各配管Ta〜Tdをこれらと一体結合される第1の連結部材10Aと第2の連結部材40により連結した集合配管は、各第1の連結部材10Aのアンカ部材14Aを車体Bに固定された各取付具19Aに接近させ、弾性板状部14A2を弾性変形させて取付具19Aの穴部19b内に押し込み、図9に示すように各弾性板状部14A2の先端部が穴部19bを通り過ぎ弾性復元されて各ストッパ14A3が穴部19bに当接されれば、弾性板状部14A2の先端部が取付具19Aに係合されて、各第1の連結部材10Aを介して車体Bに組み付けられる。
【0039】
次に上述した第2実施形態の集合配管の製造方法の説明をする。図11により、各配管Ta〜Tdを連結する第1の連結部材10Aの成形に使用する成形装置の説明をする。この成形装置は、図6及び図7で説明した第1実施形態の成形装置と同様、下型(第1成形型)20Aと、この下型20Aに対し接近離隔可能な上型(第2成形型)30Aと、下型20A上に設けられて互いに接近離隔可能な1対のスライド中子25Aにより構成されている。3個の下型20Aと3個の上型30Aは、第1実施形態の場合と同様にして、固定側機枠及び可動側機枠にそれぞれ取り付けられている。また各下型20Aに案内支持された両スライド中子25Aは、最接近した状態ではそれぞれの先端面が互いに当接される。
【0040】
下型20Aの上面20Aaには、前述した第1実施形態の場合と同様、第1の連結部材10Aの連結部本体11Aの下半部を成形する細長い第1凹部21Aが形成され、また計4個の第1支持溝24Aa,24Abが形成されている。下型20Aの上面20Aaには、また、深さが次に述べるスライド中子25Aとほゞ同じで突出部23及び溝部23aが設けられていない点を除き第1実施形態の第1案内溝22と同様な案内溝22Aが形成されている。
【0041】
上型30Aの下面30Aaには、前述した第1実施形態の場合と同様、下型20Aの第1凹部21Aと対応する位置に、連結部本体11Aの上半部を成形する細長い第2凹部31Aが形成され、また計4個の第2支持溝34Aa,34Abが形成されている。第1実施形態の場合と同様、上型30Aは、可動側機枠が最下降された状態において各下型20Aに対し接近離隔されるように案内支持されて、可動側機枠との間に設けた流体圧シリンダ装置により作動され、最接近状態では各上型30Aの下面30Aaが対応する下型20Aの上面20Aaと当接されるようになっている。
【0042】
各スライド中子25Aは全体として四角く細長いブロック状であり、段状をなすその先端部25Aaは連結部材10Aの中央の下半部を成形するものであり、この先端部25Aaの先端面と上面の間にわたりアンカ部材14Aを形成するための成形凹部26Aが設けられている。各スライド中子25Aは、第1実施形態の場合と同様、図11に示す離隔位置と、各先端部25Aaの先端面が突出部23の中央で互いに当接される接近位置の間で往復される。
【0043】
この第2実施形態の集合配管の製造装置でも、不作動状態では、両スライド中子25Aが互いに離隔され、可動側機枠が上昇されて上型30Aは下型20Aから上方に大きく離隔されている。この状態において、各下型20Aの各第1支持溝24Aa,24Ab上に各配管Ta〜Tdを載置し、可動側機枠を最下降位置とし、各シリンダ装置を作動させて、各スライド中子25Aの先端を互いに当接させ、これと前後して各上型30Aの下面30Aaを各下型20Aの上面20Aa及びスライド中子25Aの上面25Abに当接させれば、両凹部21A,31A及び先端部25Aaにより第1の連結部材10Aの連結部本体11Aを成形するキャビティが形成され、成形凹部26Aにより形成されるアンカ部材14Aを成形する空間もスライド中子25Aの先端部25Aaの上面の開口部を介してこのキャビティに連通される。またこれと同時に第2の連結部材40の成形に使用する成形装置(図示省略)も作動されて第2の連結部材40を成形するキャビティも形成される。そして下型20Aの一部に形成したゲート(図示省略)からこのキャビティ及び空間内に溶融樹脂を射出して充填し、冷却硬化させれば、各配管Ta〜Tdが3個の第1の連結部材10Aと2個の第2の連結部材40により一体的に結合された第2実施形態の集合配管が成形される。そして流体圧シリンダ装置により上型30Aを下型20Aから離隔させ、各スライド中子25Aを後退させて離隔させ、可動側機枠を最上昇位置とすればこの第2実施形態の集合配管を取り出すことができる。
【0044】
このようにして得られた第2実施形態の集合配管も、第1実施形態の集合配管と同様、各配管Ta〜Tdの外径の真円度や寸法精度が低くても、あるいは各連結部材10A,40を各配管Ta〜Tdの曲がり部分にかかるように配置した場合でも、各連結部材10A,40は各配管Ta〜Tdの表面に密着して一体的に結合され、運搬中などに外力が加わっても形状が崩れることはなく高精度に保たれる、従って、車体Bに対する集合配管の組み付けが容易となり、また第1の連結部材10Aには集合配管を車体Bに取り付けるための係止部H1が一体的に形成されているので、車体Bに対する集合配管の組み付けは一層容易となる。また各配管Ta〜Tdと各連結部材10A,40は一体的に結合されて、それらの間の結合強度が大きいので、各連結部材10A,40の配管Ta〜Tdの長手方向における横幅を小さくし、あるいは使用する連結部材10A,40の数を減らして、集合配管の製造コストを低下させることができる。さらに、連結部材が各配管Ta〜Tdの曲がり部分にかかるように配置された場合でも、各連結部材10A,40は各配管Ta〜Tdの表面に密着結合されて一体的に形成されるので、各配管Ta〜Tdの曲げ形状の自由度を高めることができる。
【0045】
またこの第2実施形態の集合配管は、各第1の連結部材10Aのアンカ部材14Aを車体Bに固定された各取付具19Aの穴部19b内に挿入し、各弾性板状部14A2の先端面を各取付具19A係止することにより車体Bに組み付けたので、車体Bに対する集合配管の組み付けはきわめて容易である。
【0046】
またこの第2実施形態の集合配管の製造方法によれば、第1実施形態の集合配管と同様、溶融樹脂の冷却硬化により形成される各連結部材10A,40は、各配管Ta〜Tdの外径の真円度や寸法精度が低くても各配管Ta〜Tdの表面に密着結合されて一体的に形成され、連結部材10A,40と各配管Taとの間の結合強度が大きくなり、集合配管の運搬中などに外力が加わっても集合配管の形状が崩れることはなくなるので、車体Bに対する集合配管の組み付けが容易となる。また溶融樹脂の硬化により形成される各連結部材10A,40は、連結部材10A,40が各配管Ta〜Tdの曲がり部分にかかるように配置された場合でも、各配管Ta〜Tdの表面に密着結合されて一体的に形成されるので、各配管Ta〜Tdの曲げ形状の自由度を高めることができる。
【0047】
次に図12〜図14により、本発明による集合配管の第3実施形態の説明をする。この第3実施形態による集合配管は、第1及び第2実施形態の集合配管と同様、各配管Ta〜Tdをこれらと一体結合された第1の連結部材10B及び第2の連結部材11Bにより連結したものである。この第3実施形態では、第1の連結部材10Bは、連結部本体11Bと、これと別体に形成されこれに係合保持されて係止部H2を構成する係止部本体12Bにより構成されており、またこの第1の連結部材10Bの連結部本体11Bが第2の連結部材と共通化されている点が第1実施形態と相違しているだけであるので、この相違点についてのみ説明する。
【0048】
図12に示すように、第3実施形態の第1の連結部材10Bの連結部本体11Bは、細長いブロック状で、その中央部は各配管Ta〜Tdを含む平面と直交する方向の厚さが両側部よりも多少薄い一定厚で、その平面と直交する方向にこの中央部を通り抜ける大きく四角い保持穴11cが形成されており、それ以外の構成は第1実施形態の連結部本体11とほゞ同じである。また係止部本体12Bは四角いブロック状で、図13及び14に示すように、下半部の水平断面は第1実施形態の連結部本体11の張出し部11aと同じ寸法で、上半部の水平断面は連結部本体11Bの保持穴11cに下側から実質的に隙間なく挿入可能となるように上半部に比して一方の幅が狭くなっている。この上半部の上部は保持穴11cより上方に突出し、この突出部分の連結部本体11Bの長手方向と平行な両側面の中央部には、保持穴11c内への係止部本体12Bの上半部の挿入は許容するが、離脱は阻止する断面がくさび状の1対の係止突起12Bcが形成され、この係止突起12Bcにより係止部本体12Bは抜け止めされて連結部本体11B内に係合保持される。
【0049】
係止部本体12Bには、第1実施形態の係止部Hと同様、連結部本体11Bに係合保持された状態において各配管Ta〜Tdと平行に貫通する四角い通し孔12Baが形成されてその内面には4個のアンカ部材14a〜14dが一体形成され、通し孔12b1とその下側の凹部13の間の仕切り壁には細長い連通孔13aが形成され、通し孔12b1の上面には四角い開口12Bbが形成されている。通し孔12Ba、開口12Bb、凹部13、連通孔13a、アンカ部材14a〜14dなどの構造は、上述した第1実施形態と同じである。
【0050】
第3実施形態の第2の連結部材11Bは、第1の連結部材10Bの連結部本体11Bと同一の部材であり、第2の連結部材11Bに係止部H2を構成する係止部本体12Bを係合保持させれば第1の連結部材10Bとなる。
【0051】
この第3実施形態では、図1に示すように、各配管Ta〜Tdは、5箇所にモールドされて一体的に結合された第2の連結部材(第1の連結部材10Bの連結部本体)11Bにより互いに連結されて集合配管が形成され、次いで両端部の2個を除く3個の第2の連結部材11Bには係止部H2を構成する係止部本体12Bが係合保持されて、第1の連結部材10Bに変換される。このようにして形成された集合配管の各第1の連結部材10Bの係止部Hを、第1実施形態の場合と同様、車体Bに固定された各スタッド19に接近させ各連通孔13aを通して各スタッド19を2対のアンカ部材14a〜14dの弾性板状部14xの間に挿入し、それらの各先端の爪部14zにより弾性的に挟持して摩擦係合することにより、集合配管は各第1の連結部材10Bを介して車体Bに組み付けられる。
【0052】
係止部H2を構成する係止部本体12Bを係合保持するためにこの第3実施形態の連結部材10Bの連結部本体(第2の連結部材)11Bに形成される保持穴11cは、各配管Ta〜Tdを含む平面と直交する方向に通り抜けている。従って図示は省略したが、この第3実施形態の連結部材10Bの連結部本体(第2の連結部材)11Bの成形に使用する成形型は抜き方向が一方向で足りるので、スライド中子を必要としない簡単な2つ割り型とすることができる。また係止部本体12Bの成形型も、同様に簡単な2つ割り型とすることができる。従って連結部本体11Bと係止部本体12Bは何れも構造が簡略化されて製造が容易となるとともに、係止部H2を設けた第1の連結部材10Bの連結部本体11Bとこれを設けない第2の連結部材11Bとは同一部品となって共通化されるので、第1の連結部材10Bと第2の連結部材11Bの全体としての製造コストを低下させて、集合配管Ta〜Tdの製造コストを低下させることができる。
【0053】
なお上述した第3実施形態では、別体に成形されて第2の連結部材11Bに係合保持される係止部H3に設けるアンカ部材14a〜14dは第1実施形態の形式のものとしたが、第2実施形態の形式のアンカ部材を使用することも可能である。
【0054】
また上述した各実施形態は、配管Ta〜Tdが4本、第1の連結部材10,10Aが3個、第2の連結部材40が2個の場合につき説明したが、本発明は配管Ta〜Tdの寸法形状に応じてそれぞれの数を任意の複数として実施することができる。なおスライド中子25,25Aは、下型20,20Aと上型30,30Aの何れに設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1〜第3実施形態による集合配管の全体構造を示す斜視図である。
【図2】図1の2−2線に沿って示す第1の連結部材の拡大正面図である。
【図3】図2の3−3断面図である。
【図4】図2及び図3に示す第1の連結部材の平面図である。
【図5】第1実施形態による集合配管で使用する第1の連結部材の係止部の要部であるアンカ部材の詳細構造を示す部分拡大図である。
【図6】本発明の第1実施形態による集合配管を製造する製造装置の要部である第1の連結部材の成形に使用する成形装置の図4の6−6断面に対応する断面図である。
【図7】図6の7−7断面図である。
【図8】第1実施形態による集合配管で使用する第2の連結部材の全体構造を示す正面図である。
【図9】本発明の第2実施形態による集合配管で使用する第1の連結部材の全体構造を示す正面図である。
【図10】図9の右側面図である。
【図11】本発明の第2実施形態による集合配管を製造する製造装置の要部である第1の連結部材の成形に使用する成形装置の図7に相当する断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態による集合配管で使用する第1の連結部材の連結部本体を示す正面図である。
【図13】図12に示す第3実施形態による集合配管で使用する第1の連結部材の係止部本体を示す正面図である。
【図14】図13の14−14断面図である。
【図15】従来技術による集合配管の一例で使用する第1の連結部材の全体構造を示す正面図である。
【図16】図15に示す従来技術による第1の連結部材を使用した集合配管の全体構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0056】
10,10A,10B,40…連結部材(第1の連結部材、第2の連結部材)、11B…連結部本体、11c…保持穴、12B…係止部本体、14x,14A2…弾性板状部、19,19A…取付具(スタッド)、20,20A…第1成形型(下型)、20a,20Aa…第1接合面(上面)、21,21A…第1凹部、24a,24b,24Aa,24Ab…第1支持溝、25,25A…スライド中子、26,26A…成形凹部、30,30A…第2成形型(上型)、30a,30Aa…第2接合面(下面)、31,31A…第2凹部、34a,34b,34Aa,34Ab…第2支持溝、B…車体、H,H1,H2…係止部、Ta〜Td…配管、Tx…金属管、Ty…被覆。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車体に組み付けられる複数の配管を複数箇所において連結部材により連結した集合配管及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の集合配管としては、例えば特許文献1(特開2006−220169号公報)に開示された配管クランプにより複数の配管を複数箇所において連結したものがある。この配管クランプは、複数の挿通孔がそれぞれ形成される配管保持部と、それらの配管保持部を連結する連結部とによって構成され、合成ゴムなどの弾性材料によって一体成形されたものである。挿通孔の内面には多数の突出部が内方に突出して設けられ、各挿通孔に挿通された複数の配管はその外周面が各突出部の側面に当接することにより支持されて互いに連結される。
【0003】
またこの種の集合配管としては、図15及び図16に示すように、第1の連結部材1及び第2の連結部材1A(図16のみに図示)により、複数の配管Ta〜Tdを複数箇所において互いに連結したものもある。各第1の連結部材1は合成樹脂により一体成形したもので、図15に示すように、細長い連結部本体2には断面が半円形の4個の保持凹部3a〜3dが形成され、各保持凹部3a〜3dの一側から立ち上がる板状の基部4a〜4dの先端から鋭角で屈折されて各保持凹部3a〜3dの中心方向に向かう薄板状の弾性爪部5a〜5dが形成されている。下側に突出部2aが形成された連結部本体2の中央部には略凸形状の通し孔6が形成され、この通し孔6の内面には八の字状に互いに向かい合う上下各1対の弾性板状部7a,7bが形成され、突出部2aの下面に形成された凹部8と通し孔6の間の仕切り壁には連通孔8aが形成されている。突出部2aを含む連結部本体2の中央部と通し孔6と弾性板状部7a,7bと凹部8と連通孔8aが、連結部材1を車体Bに係止する係止部H3を構成している。なお突出部2aにはその一側の途中から保持凹部3bの中心方向に向かう薄板状の弾性爪部5eが形成されている。第2の連結部材1Aは係止部H3を備えておらず、その分だけ全長が短くなっている点を除き第1の連結部材1と同じであるので詳細な構造の説明は省略する。
【0004】
各配管Ta〜Tdは、4箇所において第1の連結部材1の各弾性爪部5a〜5eを押し開いて各保持凹部3a〜3d内に押し込まれ、各弾性爪部5a〜5eの弾性復元により抜け止め保持され、また両端の2箇所において、同様にして第2の連結部材1Aにより抜け止め保持されて、図16に示すような複数の配管Ta〜Tdが複数箇所において第1及び第2の連結部材1,1Aにより連結された集合配管が形成される。そしてこの集合配管の各係止部H3を車体Bに固定された各スタッド9に接近させ、各連通孔8aを通して各スタッド9を各1対の弾性板状部7a,7bの間に挿入し、各弾性板状部7a,7bの先端の爪部7xにより弾性的に挟持することにより、集合配管は第1の連結部材1を介して車体Bに組み付けられる。
【特許文献1】特開特開2006−220169号公報(段落〔0027〕、段落〔0029〕、図5、図6)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の集合配管では、通常はそれぞれ複数の配管と連結部材をサブ組立した状態で自動車の車体に組み付けるが、特許文献1に開示された配管クランプを使用した集合配管では、サブ組立に際して各配管クランプの挿通孔に各配管を挿通して所定位置まで移動させる必要があるのでサブ組立に手間がかかる。また各配管は各挿通孔内面の突出部に摩擦係合されているだけであり、各配管と各配管クランプとは相対的に回転及び軸線方向の移動が可能であるので、サブ組立された集合配管は運搬中などに外力が加われば形状が崩れ、また各配管クランプの位置がずれるなどして、車体に対する組み付けの際の手間が増大するという問題がある。また配管クランプは各配管の曲がり部分にかかる位置に配置することはできないので、各配管は形状の自由度が制約されることがある。
【0006】
図15及び図16に示す構造によれば、配管Ta〜Tdと連結部材1のサブ組立に際しては、各連結部材1の保持凹部3a〜3dに側方から各配管Ta〜Tdを押し込めばよいのでサブ組立に要する手間は軽減される。しかしながら各配管Ta〜Tdは車体Bの形状に合わせて屈曲する必要があるので、各配管Ta〜Tdの各部の外径の外径の真円度及び寸法精度を高く保つことは必ずしも容易ではない。このため、配管Ta〜Tdの一部のものが対応する保持凹部3a〜3d内に完全に入りきらずにはみ出すことがあり、そのような保持凹部3a〜3dに対応する弾性爪部5a〜5eは充分に戻りきらず、従って抜け止め作用が得られないので、そのような配管Ta〜Tdは対応する保持凹部3a〜3dから外れて連結部材1により保持されなくなるという問題が生じることがある。
【0007】
この問題は各保持凹部3a〜3dを大きくすることにより避けることはできるが、そのようにすると各配管Ta〜Tdと各連結部材1とは相対的に回転及び軸線方向の移動が自由になるので、サブ組立された集合配管は運搬中などに外力が加われば形状が崩れ、また各連結部材1,1Aの位置がずれるなどして車体Bに対する組み付けの手間が増大するという問題が生じる。また各配管の形状の自由度についても、特許文献1に開示された配管クランプを使用した場合と同様の制約がある。本発明はこのような各問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このために、本発明による集合配管は、互いに略平行に配列された複数の配管を複数箇所において合成樹脂製の連結部材により連結してなり、自動車の車体に組み付けて使用する集合配管において、各連結部材は複数箇所において各配管と一体的に結合されて複数の配管を連結するものとし、一部の連結部材には、集合配管を車体に取り付けるための係止部を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
前項に記載の集合配管において、係止部は連結部材と一体的に形成され各配管と略平行に延びる少なくとも1個の弾性板状部を有するものとし、この弾性板状部の先端部を車体に固定された取付具に係合することにより集合配管を車体に組み付けることが好ましい。
【0010】
前前項に記載の集合配管において、係止部を設けた一部の連結部材は、各配管と一体的に結合され少なくとも2つの各配管を含む平面とほゞ直交する方向に通り抜ける保持穴が形成された連結部本体と、保持穴内に係合されることにより連結部本体に保持されて係止部を構成する係止部本体よりなり、連結部本体は一体的に形成された少なくとも1個の弾性板状部を有し、この弾性板状部の先端部を車体に固定された取付具に係合することにより集合配管を車体に組み付けることが好ましい。
【0011】
また、本発明による集合配管の製造方法は、互いに略平行に配列された複数の配管を複数箇所において合成樹脂製の連結部材により連結してなり、自動車の車体に組み付けて使用する集合配管の製造方法において、第1接合面を有し、この第1接合面に連結部材の半部を成形する第1凹部及びこの第1凹部内を横切り複数の配管を密接して載置可能な断面が半円形の複数の第1支持溝が形成された第1成形型と、この第1成形型に対し接近離隔可能に設けられて、第1接合面と当接可能な第2接合面を有し、この第2接合面に連結部材の残る半部を成形する第2凹部及びこの第2凹部内を横切り複数の配管に密接してこれを覆う断面が半円形の複数の第2支持溝が形成された第2成形型を使用し、第1成形型の第1接合面の各第1支持溝上に各配管を載置した後に、両成形型を接近させ両接合面を互いに当接させて第1及び第2凹部によりキャビティを形成し、このキャビティ内に溶融樹脂を充填し、冷却硬化させて各配管と一体的に結合された各連結部材を形成することを特徴とするものである。
【0012】
前項に記載の集合配管の製造方法において、一部の連結部材には、各配管と略平行に延びる少なくとも1個の弾性板状部を一体的に有するとともにこの弾性板状部の先端部が車体に固定された取付具に係合することにより集合配管を車体に組み付ける係止部を一体的に設け、この係止部を設けた連結部材を成形する第1成形型及び第2成形型の何れか一方には、各第1支持溝または第2支持溝と略平行に第1凹部または第2凹部の一部から互いに反対方向に進退可能で互いに当接される先端部に弾性板状部を成形する成形凹部を有する1対のスライド中子をさらに設け、各スライド中子を前進させそれらの先端を互いに当接させて各成形凹部により空間を形成するのと前後して、両成形型を接近させ両接合面を互いに当接させて第1及び第2凹部により形成されるキャビティを前記空間に連通させることが好ましい。
【0013】
前2項に記載の集合配管の製造方法において、各配管は金属管の表面に合成樹脂よりなる被覆を一体的に設けたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
上述のように、本発明の集合配管によれば、互いに略平行に配列された複数の配管を複数箇所において合成樹脂製の連結部材により連結してなり、自動車の車体に組み付けて使用する集合配管において、各連結部材は複数箇所において各配管と一体的に結合されて複数の配管を連結するものとしたので、各配管と連結部材が相対的に移動されることはない。従って集合配管の運搬中などに外力が加わっても集合配管の形状が崩れたり各連結部材の位置がずれたりすることはなく高精度に保たれるので、一部の連結部材には集合配管を車体に取り付けるための係止部を設けたことと相まって、車体に対する集合配管の組み付けを容易にすることができる。また各配管と各連結部材は一体的に結合されて、それらの間の結合強度が大きいので、各連結部材の横幅を小さくし、あるいは使用する連結部材の数を減らして、集合配管の製造コストを低下させることができる。
【0015】
前項に記載の集合配管において、係止部は連結部材と一体的に形成され各配管と略平行に延びる少なくとも1個の弾性板状部を有するものとし、この弾性板状部の先端部を車体に固定された取付具に係合することにより集合配管を車体に組み付けるようにした請求項2の発明によれば、弾性板状部の先端部を取付具に係合するだけで集合配管を車体に取り付けることができるので、車体に対する集合配管の組み付けは一層容易となる。
【0016】
この種の集合配管では、車体に取り付けるための係止部を設けた一部の連結部材とこれを設けないその他の連結部材の2種類の連結部材を使用しており、係止部を設けた一部の連結部材は構造が複雑化するため製造コストが増大する。しかしながら前前項に記載の集合配管において、係止部を設けた一部の連結部材は、各配管と一体的に結合され少なくとも2つの各配管を含む平面とほゞ直交する方向に通り抜ける保持穴が形成された連結部本体と、保持穴内に係合されることにより連結部本体に保持されて係止部を構成する係止部本体よりなり、連結部本体は一体的に形成された少なくとも1個の弾性板状部を有し、この弾性板状部の先端部を車体に固定された取付具に係合することにより集合配管を車体に組み付けるようにした請求項3の発明によれば、係止部を設けた一部の連結部材を構成する連結部本体と係止部本体は何れも構造が簡略化されて製造が容易となるとともに、係止部を設けた一部の連結部材の連結部本体とこれを設けないその他の連結部材とを同一部材として共通化することができるので、2種類の連結部材の全体としての製造コストを低下させて、集合配管の製造コストを低下させることができる。
【0017】
また、本発明による集合配管の製造方法によれば、互いに略平行に配列された複数の配管を複数箇所において合成樹脂製の連結部材により連結してなり、自動車の車体に組み付けて使用する集合配管の製造方法において、第1接合面を有し、この第1接合面に連結部材の半部を成形する第1凹部及びこの第1凹部内を横切り複数の配管を密接して載置可能な断面が半円形の複数の第1支持溝が形成された第1成形型と、この第1成形型に対し接近離隔可能に設けられて、第1接合面と当接可能な第2接合面を有し、この第2接合面に連結部材の残る半部を成形する第2凹部及びこの第2凹部内を横切り複数の配管に密接してこれを覆う断面が半円形の複数の第2支持溝が形成された第2成形型を使用し、第1成形型の第1接合面の各第1支持溝上に各配管を載置した後に、両成形型を接近させ両接合面を互いに当接させて第1及び第2凹部によりキャビティを形成し、このキャビティ内に溶融樹脂を充填し、冷却硬化させて各配管と一体的に結合された各連結部材を形成するようにしたので、各配管の外径の真円度や寸法精度が低くても、溶融樹脂の冷却硬化により形成される各連結部材は各配管の表面に密着結合されて一体的に形成される。このようにして製造された集合配管は連結部材と各配管との間の結合強度が大きくなるので、集合配管の運搬中などに外力が加わっても集合配管の形状が崩れることはなく高精度に保たれて、車体に対する集合配管の組み付けを容易にすることができる。また各配管と各連結部材は一体的に結合されて、それらの間の結合強度が大きいので、各連結部材の横幅を小さくし、あるいは使用する連結部材の数を減らして、集合配管の製造コストを低下させることができる。さらに、連結部材が各配管の曲がり部分にかかるように配置された場合でも、各連結部材は各配管の表面に密着結合されて一体的に形成されるので、各配管の曲げ形状の自由度を高めることができる。
【0018】
前項に記載の集合配管の製造方法において、一部の連結部材には、各配管と略平行に延びる少なくとも1個の弾性板状部を一体的に有するとともにこの弾性板状部の先端部が車体に固定された取付具に係合することにより集合配管を車体に組み付ける係止部を一体的に設け、この係止部を設けた連結部材を成形する第1成形型及び第2成形型の何れか一方には、各第1支持溝または第2支持溝と略平行に第1凹部または第2凹部の一部から互いに反対方向に進退可能で互いに当接される先端部に弾性板状部を成形する成形凹部を有する1対のスライド中子をさらに設け、各スライド中子を前進させそれらの先端を互いに当接させて各成形凹部により空間を形成するのと前後して、両成形型を接近させ両接合面を互いに当接させて第1及び第2凹部により形成されるキャビティを前記空間に連通させるようにした請求項5の発明によれば、集合配管を車体に組み付けるための係止部は連結部材の成形と同時に一体的に成形されるので、集合配管を車体に組み付けるための別体の部材を不要として部品点数を減少させることができる。
【0019】
前2項に記載の集合配管の製造方法において、各配管は金属管の表面に合成樹脂よりなる被覆を一体的に設けた請求項6の発明によれば、連結部材となる溶融樹脂は各配管の表面の合成樹脂よりなる被覆に溶着などにより容易に結合され、連結部材と各配管との間の結合強度が増大するので、集合配管の形状は一層崩れにくくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
先ず図1〜図8により、本発明による集合配管の第1実施形態の説明をする。この第1実施形態による集合配管は、図1に示すように、互いに略平行に配列された複数の配管Ta〜Tdを複数箇所において第1の連結部材10と第2の連結部材40により連結したものであり、自動車の車体に組み付けて使用するものである。各配管Ta〜Tdはフュ−エルチューブ、キャニスターチューブ、ブレーキチューブなどであり、何れも金属管Txの表面に合成樹脂よりなる被覆Tyを一体的に設けたものである(図2参照)。第1の連結部材10は車体への係止部Hが一体形成されたものであり、第2の連結部材40はそのような係止部を有しないものである。各配管Ta〜Tdは車体への取り付け部分の形状に沿わせて屈曲されており、また図示は省略したが、その両端はホースを介して供給源及び供給先に連結されている。
【0021】
次に図2〜図5により、第1の連結部材10の説明をする。図2〜図4に示すように、第1の連結部材10は、合成樹脂よりなる細長いブロック状の連結部本体11を主要な構成部材とするもので、下側に四角い張出し部11aが設けられた中央部には係止部Hが一体的に形成されている。係止部Hの両側にはそれぞれ2本の大径の配管Ta,Tbと2本の小径の配管Tc,Tdが一平面上に平行に並んで配置され、各配管Ta〜Tdは連結部本体11内を横切って通るように埋設されて連結部本体11と一体的に結合されている。
【0022】
係止部Hは、各配管Ta〜Tdと平行に貫通する四角い通し孔12が形成された連結部本体11の中央部と、この通し孔12の内面に設けられた4個のアンカ部材14a〜14dと、張出し部11aの下面に形成された四角い凹部13により構成されている。通し孔12の上面には四角い大きな開口12aが形成され、通し孔12と凹部13の間の仕切り壁には各配管Ta〜Tdと平行方向に細長い連通孔13a(図4参照)が形成されている。各アンカ部材14a〜14dは、主として図2及び図5に示すように、上下に配置されて通し孔12の左右の側壁から内向きに向かって斜め上方に延び、連結部本体11の中央部と一体形成された左右各1対の弾性板状部14xを主要な構成部材とするものである。
【0023】
各弾性板状部14xは、各配管Ta〜Tdと平行に延びるように連結部本体11と一体的に形成された薄板状で、図5に示すように、通し孔12の側壁に取り付けられる根本側の両側には曲げ弾性を調整するための切欠き14yが形成されており、先端部付近には通し孔12の中心側に向かって突出する爪部14zが全幅にわたって形成されている。上側となる2個のアンカ部材14a,14bは爪部14zが各2個であり、下側となる2個のアンカ部材14c,14dは爪部14zが各3個で下方に延びる突出板14wが設けられている。この第1実施形態では、右側となる各アンカ部材14b,14dは、左側となる各アンカ部材14a,14cより多少下側に配置されている。
【0024】
第2の連結部材40は、図8に示すように、合成樹脂よりなる細長いブロック状の連結部本体41を主要な構成部材とし、第1の連結部材10と同様、各配管Ta〜Tdは連結部本体41内を横切って延びるように埋設されて一体的に結合されている。この第2の連結部材40は、係止部Hを備えておらず、その分だけ大径の配管Ta,Tbと小径の配管Tc,Tdの間の距離が小さくなっている点を除き第1の連結部材10と同じであるので、構造の詳細な説明は省略する。
【0025】
この第1実施形態では、図1に示すように、各配管Ta〜Tdは、3箇所にモールドされて一体的に結合された第1の連結部材10と、両端の2箇所にモールドされて一体的に結合された第2の連結部材40により互いに連結され、このようにして複数の配管Ta〜Tdが複数箇所において第1及び第2の連結部材10,40により連結された集合配管が形成される。そしてこの集合配管の各第1の連結部材10の係止部Hを車体Bに固定された各スタッド(取付具)19に接近させ、図2に示すように各連通孔13aを通して各スタッド19を2対のアンカ部材14a〜14dの弾性板状部14xの間に挿入し、それらの各先端の爪部14zにより弾性的に挟持して摩擦係合することにより、集合配管は各第1の連結部材10を介して車体Bに組み付けられる。
【0026】
次に上述した第1実施形態の集合配管の製造方法の説明をする。先ず図6及び図7により、各配管Ta〜Tdを連結する第1の連結部材10の成形に使用する成形装置の説明をする。この成形装置は下型(第1成形型)20と、この下型20に対し接近離隔可能な上型(第2成形型)30と、互いに接近離隔可能に下型20上に設けられた1対のスライド中子25により構成されている。3個の下型20は、図1に示す3個の第1の連結部材10と対応する位置となるように配置されて、固定側機枠(図示省略)上に固定されている。3個の上型30は、固定側機枠に対し昇降される可動側機枠(図示省略)の各下型20と対応する位置に、各下型20に対し接近離隔されるように案内支持されている。各下型20に案内支持される両スライド中子25は、最接近した状態ではそれぞれの先端面が互いに当接される。
【0027】
下型20の上面(第1接合面)20aには、第1の連結部材10の連結部本体11の下半部を成形する細長い第1凹部21が形成され、また中央部を除くこの第1凹部21内を直交して横切るように各配管Ta〜Tdを略密接して載置するための断面が半円形で大径及び小径各2個の第1支持溝24a,24bが形成されている。下型20の上面20aには、また、第1凹部21の中央部と直交して、各スライド中子25の下半部を長手方向摺動自在に案内支持する1本の第1案内溝22が、連結部本体11の張出し部11aの分だけ第1凹部21よりも深く形成されている。この第1案内溝22の第1凹部21と交差する中央部には、連結部本体11の凹部13及び連通孔13aを成形するための突出部23並びにそれを囲む四角い溝部23aが形成されている。
【0028】
上型30の下面(第2接合面)30aには、下型20の第1凹部21と対応する位置に、連結部本体11の上半部を成形する細長い第2凹部31が形成され、また下型20の各第1支持溝24a,24bと対応する位置に、第2凹部31内を直交して横切るように、上型30の下面30aが下型20の上面20aに当接した状態では各配管Ta〜Tdを略密接して覆う断面が半円形で大径及び小径各2個の第2支持溝34a,34bが形成されている。また上型30の下面30aには、下型20の第1案内溝22と対応する位置に各スライド中子25の上半部を長手方向摺動自在に案内支持する1本の第2案内溝32が形成されている。この第2案内溝32は第2凹部31と同じ深さで第2凹部31と交差する中央部には、連結部本体11の開口12aを成形するための突出部33が形成されている。上型30は、可動側機枠が最下降された状態において、可動側機枠との間に設けた流体圧シリンダ装置(図示省略)により各下型20に対し接近離隔されるように作動され、最接近状態では各上型30の下面30aが対応する下型20の上面20aと当接されるようになっている。
【0029】
各スライド中子25は全体として四角く細長いブロック状であり、その先端部25aは係止部Hの通し孔12を成形するものであって断面形状が四角形でやや小さく形成され、この先端部25aの先端面と側面の間にわたり各アンカ部材14a〜14dの弾性板状部14xを形成するための4つの成形凹部26が設けられている。各スライド中子25は、先端部25aが互いに向かい合うように配置され、下半部が下型20の第1案内溝22により長手方向摺動自在に案内支持され、図7に示す離隔位置と、各先端部25aの先端面が突出部23の中央で互いに当接される接近位置の間で往復されるように、下型20との間に設けた流体圧シリンダ装置(図示省略)により作動される。
【0030】
また第2の連結部材40の成形に使用する成形装置は、図示は省略したが、連結部本体41の下半部を成形する細長い凹部及び大径及び小径各2個の支持溝が形成された上面を有する下型と、連結部本体41の上半部を成形する細長い凹部及び大径及び小径各2個の支持溝が形成された下面を有する上型よりなるものである。この成形装置の構成、固定側及び可動側機枠に対する取付関係及び作用は、スライド中子25及びこれに関連する案内溝22,32等を備えていない点を除き、上述した第1の連結部材10の成形に使用する成形装置と同じであるので、その詳細な説明は省略する。
【0031】
この第1実施形態の集合配管の製造装置は、不作動状態では、図6及び図7に示すように、上型30は下型20から離隔される位置にあり、両スライド中子25は互いに離隔され、可動側機枠は上昇されて上型30は下型20から上方に大きく離隔されている。この状態で各下型20の各第1支持溝24a,24b上に各配管Ta〜Tdを載置した後に、可動側機枠を下降させて図6及び図7に示す最下降位置とし、各スライド中子25を流体圧シリンダ装置により接近させてそれらの先端を互いに当接させ、これと前後して上型30を流体圧シリンダ装置により下型20に接近させて、上型30の下面30aを下型20の上面20aに当接させると同時に、上型30の第2案内溝32の上底面を各スライド中子25の上面25bに当接させれば、各配管Ta〜Tdは両成形型20,30の間に保持され、両凹部21,31により第1の連結部材10の連結部本体11を成形するキャビティが形成され、成形凹部26により形成されるアンカ部材14a〜14dを成形する空間もスライド中子25の先端部25aの側面の開口部を介してこのキャビティに連通される。またこれと同時に第2の連結部材40の成形に使用する成形装置(図示省略)も作動されて第2の連結部材40を成形するキャビティも形成される。そして第1の連結部材10の下型20及び第2の連結部材40の下型(図示省略)の一部に形成したゲート(図示省略)からこれらのキャビティ及び空間内に溶融樹脂を射出して充填し、冷却硬化させれば、各配管Ta〜Tdが3個の第1の連結部材10と2個の第2の連結部材40により一体的に結合された第1実施形態の集合配管が成形される。そして流体圧シリンダ装置により上型30を下型20から離隔させ、各スライド中子25を後退させて離隔させ、可動側機枠を最上昇位置とすればこの第1実施形態の集合配管を取り出すことができる。
【0032】
このようにして得られた第1実施形態の集合配管は、各配管Ta〜Tdの外径の真円度や寸法精度が低くても、あるいは各連結部材10,40を各配管Ta〜Tdの曲がり部分にかかるように配置した場合でも、各連結部材10,40は各配管Ta〜Tdの表面に密着して一体的に結合され、各配管Ta〜Tdと連結部材10,40が相対的に移動されることはなく、従って集合配管は運搬中などに外力が加わっても形状が崩れることはなく高精度に保たれる、従って、車体Bに対する集合配管の組み付けが容易となる。また第1の連結部材10には集合配管を車体Bに取り付けるための係止部Hが一体的に形成されているので、車体Bに対する集合配管の組み付けは一層容易となる。また各配管Ta〜Tdと各連結部材10,40は一体的に結合されて、それらの間の結合強度が大きいので、各連結部材10,40の配管Ta〜Tdの長手方向における横幅を小さくし、あるいは使用する連結部材10,40の数を減らして、集合配管の製造コストを低下させることができる。この第1実施形態の集合配管の連結部材10の数は3個であり、図16に示す従来技術の集合配管の連結部材1の数(4個)よりも少なくなっている。さらに、連結部材が各配管Ta〜Tdの曲がり部分にかかるように配置された場合でも、各連結部材10,40は各配管Ta〜Tdの表面に密着結合されて一体的に形成されるので、各配管Ta〜Tdの曲げ形状の自由度を高めることができる。
【0033】
また上述した第1実施形態の集合配管では、車体Bに固定された各スタッド19を各第1の連結部材10の各弾性板状部14xの先端部の爪部14zの間に挿入し、弾性的に挟持して摩擦係合することにより車体Bに組み付けたので、車体Bに対する集合配管の組み付けはきわめて容易である。なお、各連結部材10に形成する弾性板状部14xは1個だけとし、その弾性板状部14xと向かい合う係止部Hの一部との間に車体Bのスタッド19を弾性的に挟持することにより摩擦係合して車体Bに組み付けるようにしても同様の効果が得られる。
【0034】
また上述した第1実施形態の集合配管の製造方法によれば、溶融樹脂の硬化により形成される各連結部材10,40は、各配管Ta〜Tdの外径の真円度や寸法精度が低くても各配管Ta〜Tdの表面に密着結合されて一体的に形成され、連結部材10,40と各配管Taとの間の結合強度が大きくなるので、集合配管の運搬中などに外力が加わっても集合配管の形状が崩れることはなくなり、車体に対する集合配管の組み付けが容易となる。また各配管Ta〜Tdと各連結部材10,40は一体的に結合されて、それらの間の結合強度が大きいので、各連結部材10,40の配管Ta〜Tdの長手方向における横幅を小さくし、あるいは使用する連結部材10,40の数を減らして、集合配管の製造コストを低下させることができる。さらに、連結部材が各配管Ta〜Tdの曲がり部分にかかるように配置された場合でも、各連結部材10,40は各配管Ta〜Tdの表面に密着結合されて一体的に形成されるので、各配管Ta〜Tdの曲げ形状の自由度を高めることができる。
【0035】
また上述した第1実施形態の集合配管の製造方法では、各配管Ta〜Tdは金属管Txの表面に合成樹脂よりなる被覆Tyを一体的に設けたものとしており、このようにすれば溶融樹脂の硬化により形成される各連結部材10,40は各配管Ta〜Tdの表面の合成樹脂よりなる被覆に溶着などにより容易に結合されて連結部材10,40と各配管Taとの間の結合強度が増大するので、形状が一層崩れにくい集合配管が得られる。
【0036】
次に図9〜図11により、本発明による集合配管の第2実施形態の説明をする。この第2実施形態による集合配管は、第1実施形態の集合配管と同様、各配管Ta〜Tdをこれらと一体結合された第1の連結部材10A及び第2の連結部材40により連結したものである。この第2実施形態の集合配管は、第1の連結部材10A、特にその係止部H1が第1実施形態の第1の連結部材10の係止部Hと相違するのみであるので、主としてこの相違点につき説明する。
【0037】
図9及び図10に示すように、第2実施形態の第1の連結部材10Aは、合成樹脂よりなり車体への係止部H1が一体形成された細長いブロック状の連結部本体11Aを主要な構成部材とするもので、係止部H1は連結部本体11Aの下側中央部に形成した段状凹部11bと、これから下向きに突出するよう一体形成されたアンカ部材14Aにより構成されている。アンカ部材14Aは、各配管Ta〜Tdと略平行に連結部本体11Aの段状凹部11bから下向きに突出する板状基部14A1と、その先端縁から段状凹部11b側に戻る向きに斜めに延びる左右1対の弾性板状部14A2よりなり、このアンカ部材14Aの先端縁の両端部には面取り14A4が形成されている。段状凹部11bと平行に向かい合う各弾性板状部14A2の先端面の板状基部14A1側には、段状凹部11b側に向かって延びる小さいストッパ14A3が形成されている。その他の第1の連結部材10Aの構成及び第2の連結部材40は、前述した第1の実施形態と同じである。
【0038】
この第2実施形態では、車体Bにはコ字状に折曲されて背面に係止部H1を係合する四角い穴部19bが形成された取付具19Aが固定されている(図9参照)。各配管Ta〜Tdをこれらと一体結合される第1の連結部材10Aと第2の連結部材40により連結した集合配管は、各第1の連結部材10Aのアンカ部材14Aを車体Bに固定された各取付具19Aに接近させ、弾性板状部14A2を弾性変形させて取付具19Aの穴部19b内に押し込み、図9に示すように各弾性板状部14A2の先端部が穴部19bを通り過ぎ弾性復元されて各ストッパ14A3が穴部19bに当接されれば、弾性板状部14A2の先端部が取付具19Aに係合されて、各第1の連結部材10Aを介して車体Bに組み付けられる。
【0039】
次に上述した第2実施形態の集合配管の製造方法の説明をする。図11により、各配管Ta〜Tdを連結する第1の連結部材10Aの成形に使用する成形装置の説明をする。この成形装置は、図6及び図7で説明した第1実施形態の成形装置と同様、下型(第1成形型)20Aと、この下型20Aに対し接近離隔可能な上型(第2成形型)30Aと、下型20A上に設けられて互いに接近離隔可能な1対のスライド中子25Aにより構成されている。3個の下型20Aと3個の上型30Aは、第1実施形態の場合と同様にして、固定側機枠及び可動側機枠にそれぞれ取り付けられている。また各下型20Aに案内支持された両スライド中子25Aは、最接近した状態ではそれぞれの先端面が互いに当接される。
【0040】
下型20Aの上面20Aaには、前述した第1実施形態の場合と同様、第1の連結部材10Aの連結部本体11Aの下半部を成形する細長い第1凹部21Aが形成され、また計4個の第1支持溝24Aa,24Abが形成されている。下型20Aの上面20Aaには、また、深さが次に述べるスライド中子25Aとほゞ同じで突出部23及び溝部23aが設けられていない点を除き第1実施形態の第1案内溝22と同様な案内溝22Aが形成されている。
【0041】
上型30Aの下面30Aaには、前述した第1実施形態の場合と同様、下型20Aの第1凹部21Aと対応する位置に、連結部本体11Aの上半部を成形する細長い第2凹部31Aが形成され、また計4個の第2支持溝34Aa,34Abが形成されている。第1実施形態の場合と同様、上型30Aは、可動側機枠が最下降された状態において各下型20Aに対し接近離隔されるように案内支持されて、可動側機枠との間に設けた流体圧シリンダ装置により作動され、最接近状態では各上型30Aの下面30Aaが対応する下型20Aの上面20Aaと当接されるようになっている。
【0042】
各スライド中子25Aは全体として四角く細長いブロック状であり、段状をなすその先端部25Aaは連結部材10Aの中央の下半部を成形するものであり、この先端部25Aaの先端面と上面の間にわたりアンカ部材14Aを形成するための成形凹部26Aが設けられている。各スライド中子25Aは、第1実施形態の場合と同様、図11に示す離隔位置と、各先端部25Aaの先端面が突出部23の中央で互いに当接される接近位置の間で往復される。
【0043】
この第2実施形態の集合配管の製造装置でも、不作動状態では、両スライド中子25Aが互いに離隔され、可動側機枠が上昇されて上型30Aは下型20Aから上方に大きく離隔されている。この状態において、各下型20Aの各第1支持溝24Aa,24Ab上に各配管Ta〜Tdを載置し、可動側機枠を最下降位置とし、各シリンダ装置を作動させて、各スライド中子25Aの先端を互いに当接させ、これと前後して各上型30Aの下面30Aaを各下型20Aの上面20Aa及びスライド中子25Aの上面25Abに当接させれば、両凹部21A,31A及び先端部25Aaにより第1の連結部材10Aの連結部本体11Aを成形するキャビティが形成され、成形凹部26Aにより形成されるアンカ部材14Aを成形する空間もスライド中子25Aの先端部25Aaの上面の開口部を介してこのキャビティに連通される。またこれと同時に第2の連結部材40の成形に使用する成形装置(図示省略)も作動されて第2の連結部材40を成形するキャビティも形成される。そして下型20Aの一部に形成したゲート(図示省略)からこのキャビティ及び空間内に溶融樹脂を射出して充填し、冷却硬化させれば、各配管Ta〜Tdが3個の第1の連結部材10Aと2個の第2の連結部材40により一体的に結合された第2実施形態の集合配管が成形される。そして流体圧シリンダ装置により上型30Aを下型20Aから離隔させ、各スライド中子25Aを後退させて離隔させ、可動側機枠を最上昇位置とすればこの第2実施形態の集合配管を取り出すことができる。
【0044】
このようにして得られた第2実施形態の集合配管も、第1実施形態の集合配管と同様、各配管Ta〜Tdの外径の真円度や寸法精度が低くても、あるいは各連結部材10A,40を各配管Ta〜Tdの曲がり部分にかかるように配置した場合でも、各連結部材10A,40は各配管Ta〜Tdの表面に密着して一体的に結合され、運搬中などに外力が加わっても形状が崩れることはなく高精度に保たれる、従って、車体Bに対する集合配管の組み付けが容易となり、また第1の連結部材10Aには集合配管を車体Bに取り付けるための係止部H1が一体的に形成されているので、車体Bに対する集合配管の組み付けは一層容易となる。また各配管Ta〜Tdと各連結部材10A,40は一体的に結合されて、それらの間の結合強度が大きいので、各連結部材10A,40の配管Ta〜Tdの長手方向における横幅を小さくし、あるいは使用する連結部材10A,40の数を減らして、集合配管の製造コストを低下させることができる。さらに、連結部材が各配管Ta〜Tdの曲がり部分にかかるように配置された場合でも、各連結部材10A,40は各配管Ta〜Tdの表面に密着結合されて一体的に形成されるので、各配管Ta〜Tdの曲げ形状の自由度を高めることができる。
【0045】
またこの第2実施形態の集合配管は、各第1の連結部材10Aのアンカ部材14Aを車体Bに固定された各取付具19Aの穴部19b内に挿入し、各弾性板状部14A2の先端面を各取付具19A係止することにより車体Bに組み付けたので、車体Bに対する集合配管の組み付けはきわめて容易である。
【0046】
またこの第2実施形態の集合配管の製造方法によれば、第1実施形態の集合配管と同様、溶融樹脂の冷却硬化により形成される各連結部材10A,40は、各配管Ta〜Tdの外径の真円度や寸法精度が低くても各配管Ta〜Tdの表面に密着結合されて一体的に形成され、連結部材10A,40と各配管Taとの間の結合強度が大きくなり、集合配管の運搬中などに外力が加わっても集合配管の形状が崩れることはなくなるので、車体Bに対する集合配管の組み付けが容易となる。また溶融樹脂の硬化により形成される各連結部材10A,40は、連結部材10A,40が各配管Ta〜Tdの曲がり部分にかかるように配置された場合でも、各配管Ta〜Tdの表面に密着結合されて一体的に形成されるので、各配管Ta〜Tdの曲げ形状の自由度を高めることができる。
【0047】
次に図12〜図14により、本発明による集合配管の第3実施形態の説明をする。この第3実施形態による集合配管は、第1及び第2実施形態の集合配管と同様、各配管Ta〜Tdをこれらと一体結合された第1の連結部材10B及び第2の連結部材11Bにより連結したものである。この第3実施形態では、第1の連結部材10Bは、連結部本体11Bと、これと別体に形成されこれに係合保持されて係止部H2を構成する係止部本体12Bにより構成されており、またこの第1の連結部材10Bの連結部本体11Bが第2の連結部材と共通化されている点が第1実施形態と相違しているだけであるので、この相違点についてのみ説明する。
【0048】
図12に示すように、第3実施形態の第1の連結部材10Bの連結部本体11Bは、細長いブロック状で、その中央部は各配管Ta〜Tdを含む平面と直交する方向の厚さが両側部よりも多少薄い一定厚で、その平面と直交する方向にこの中央部を通り抜ける大きく四角い保持穴11cが形成されており、それ以外の構成は第1実施形態の連結部本体11とほゞ同じである。また係止部本体12Bは四角いブロック状で、図13及び14に示すように、下半部の水平断面は第1実施形態の連結部本体11の張出し部11aと同じ寸法で、上半部の水平断面は連結部本体11Bの保持穴11cに下側から実質的に隙間なく挿入可能となるように上半部に比して一方の幅が狭くなっている。この上半部の上部は保持穴11cより上方に突出し、この突出部分の連結部本体11Bの長手方向と平行な両側面の中央部には、保持穴11c内への係止部本体12Bの上半部の挿入は許容するが、離脱は阻止する断面がくさび状の1対の係止突起12Bcが形成され、この係止突起12Bcにより係止部本体12Bは抜け止めされて連結部本体11B内に係合保持される。
【0049】
係止部本体12Bには、第1実施形態の係止部Hと同様、連結部本体11Bに係合保持された状態において各配管Ta〜Tdと平行に貫通する四角い通し孔12Baが形成されてその内面には4個のアンカ部材14a〜14dが一体形成され、通し孔12b1とその下側の凹部13の間の仕切り壁には細長い連通孔13aが形成され、通し孔12b1の上面には四角い開口12Bbが形成されている。通し孔12Ba、開口12Bb、凹部13、連通孔13a、アンカ部材14a〜14dなどの構造は、上述した第1実施形態と同じである。
【0050】
第3実施形態の第2の連結部材11Bは、第1の連結部材10Bの連結部本体11Bと同一の部材であり、第2の連結部材11Bに係止部H2を構成する係止部本体12Bを係合保持させれば第1の連結部材10Bとなる。
【0051】
この第3実施形態では、図1に示すように、各配管Ta〜Tdは、5箇所にモールドされて一体的に結合された第2の連結部材(第1の連結部材10Bの連結部本体)11Bにより互いに連結されて集合配管が形成され、次いで両端部の2個を除く3個の第2の連結部材11Bには係止部H2を構成する係止部本体12Bが係合保持されて、第1の連結部材10Bに変換される。このようにして形成された集合配管の各第1の連結部材10Bの係止部Hを、第1実施形態の場合と同様、車体Bに固定された各スタッド19に接近させ各連通孔13aを通して各スタッド19を2対のアンカ部材14a〜14dの弾性板状部14xの間に挿入し、それらの各先端の爪部14zにより弾性的に挟持して摩擦係合することにより、集合配管は各第1の連結部材10Bを介して車体Bに組み付けられる。
【0052】
係止部H2を構成する係止部本体12Bを係合保持するためにこの第3実施形態の連結部材10Bの連結部本体(第2の連結部材)11Bに形成される保持穴11cは、各配管Ta〜Tdを含む平面と直交する方向に通り抜けている。従って図示は省略したが、この第3実施形態の連結部材10Bの連結部本体(第2の連結部材)11Bの成形に使用する成形型は抜き方向が一方向で足りるので、スライド中子を必要としない簡単な2つ割り型とすることができる。また係止部本体12Bの成形型も、同様に簡単な2つ割り型とすることができる。従って連結部本体11Bと係止部本体12Bは何れも構造が簡略化されて製造が容易となるとともに、係止部H2を設けた第1の連結部材10Bの連結部本体11Bとこれを設けない第2の連結部材11Bとは同一部品となって共通化されるので、第1の連結部材10Bと第2の連結部材11Bの全体としての製造コストを低下させて、集合配管Ta〜Tdの製造コストを低下させることができる。
【0053】
なお上述した第3実施形態では、別体に成形されて第2の連結部材11Bに係合保持される係止部H3に設けるアンカ部材14a〜14dは第1実施形態の形式のものとしたが、第2実施形態の形式のアンカ部材を使用することも可能である。
【0054】
また上述した各実施形態は、配管Ta〜Tdが4本、第1の連結部材10,10Aが3個、第2の連結部材40が2個の場合につき説明したが、本発明は配管Ta〜Tdの寸法形状に応じてそれぞれの数を任意の複数として実施することができる。なおスライド中子25,25Aは、下型20,20Aと上型30,30Aの何れに設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1〜第3実施形態による集合配管の全体構造を示す斜視図である。
【図2】図1の2−2線に沿って示す第1の連結部材の拡大正面図である。
【図3】図2の3−3断面図である。
【図4】図2及び図3に示す第1の連結部材の平面図である。
【図5】第1実施形態による集合配管で使用する第1の連結部材の係止部の要部であるアンカ部材の詳細構造を示す部分拡大図である。
【図6】本発明の第1実施形態による集合配管を製造する製造装置の要部である第1の連結部材の成形に使用する成形装置の図4の6−6断面に対応する断面図である。
【図7】図6の7−7断面図である。
【図8】第1実施形態による集合配管で使用する第2の連結部材の全体構造を示す正面図である。
【図9】本発明の第2実施形態による集合配管で使用する第1の連結部材の全体構造を示す正面図である。
【図10】図9の右側面図である。
【図11】本発明の第2実施形態による集合配管を製造する製造装置の要部である第1の連結部材の成形に使用する成形装置の図7に相当する断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態による集合配管で使用する第1の連結部材の連結部本体を示す正面図である。
【図13】図12に示す第3実施形態による集合配管で使用する第1の連結部材の係止部本体を示す正面図である。
【図14】図13の14−14断面図である。
【図15】従来技術による集合配管の一例で使用する第1の連結部材の全体構造を示す正面図である。
【図16】図15に示す従来技術による第1の連結部材を使用した集合配管の全体構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0056】
10,10A,10B,40…連結部材(第1の連結部材、第2の連結部材)、11B…連結部本体、11c…保持穴、12B…係止部本体、14x,14A2…弾性板状部、19,19A…取付具(スタッド)、20,20A…第1成形型(下型)、20a,20Aa…第1接合面(上面)、21,21A…第1凹部、24a,24b,24Aa,24Ab…第1支持溝、25,25A…スライド中子、26,26A…成形凹部、30,30A…第2成形型(上型)、30a,30Aa…第2接合面(下面)、31,31A…第2凹部、34a,34b,34Aa,34Ab…第2支持溝、B…車体、H,H1,H2…係止部、Ta〜Td…配管、Tx…金属管、Ty…被覆。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに略平行に配列された複数の配管を複数箇所において合成樹脂製の連結部材により連結してなり、自動車の車体に組み付けて使用する集合配管において、
前記各連結部材は前記複数箇所において前記各配管と一体的に結合されて前記複数の配管を連結するものとし、
一部の前記連結部材には、前記集合配管を前記車体に取り付けるための係止部を設けたことを特徴とする集合配管。
【請求項2】
請求項1に記載の集合配管において、
前記係止部は前記連結部材と一体的に形成され前記各配管と略平行に延びる少なくとも1個の弾性板状部を有し、
この弾性板状部の先端部を前記車体に固定された取付具に係合することにより前記集合配管を前記車体に組み付けたことを特徴とする集合配管。
【請求項3】
請求項1に記載の集合配管において、
前記係止部を設けた前記一部の連結部材は、前記各配管と一体的に結合され少なくとも2つの前記各配管を含む平面とほゞ直交する方向に通り抜ける保持穴が形成された連結部本体と、前記保持穴内に係合されることにより前記連結部本体に保持されて前記係止部を構成する係止部本体よりなり、
前記連結部本体は一体的に形成された少なくとも1個の弾性板状部を有し、
この弾性板状部の先端部を前記車体に固定された取付具に係合することにより前記集合配管を前記車体に組み付けたことを特徴とする集合配管。
【請求項4】
互いに略平行に配列された複数の配管を複数箇所において合成樹脂製の連結部材により連結してなり、自動車の車体に組み付けて使用する集合配管の製造方法において、
第1接合面を有し、この第1接合面に前記連結部材の半部を成形する第1凹部及びこの第1凹部内を横切り前記複数の配管を密接して載置可能な断面が半円形の複数の第1支持溝が形成された第1成形型と、
この第1成形型に対し接近離隔可能に設けられて、前記第1接合面と当接可能な第2接合面を有し、この第2接合面に前記連結部材の残る半部を成形する第2凹部及びこの第2凹部内を横切り前記複数の配管に密接してこれを覆う断面が半円形の複数の第2支持溝が形成された第2成形型を使用し、
前記第1成形型の第1接合面の各第1支持溝上に前記各配管を載置した後に、前記両成形型を接近させ前記両接合面を互いに当接させて前記第1及び第2凹部によりキャビティを形成し、
このキャビティ内に溶融樹脂を充填し、冷却硬化させて前記各配管と一体的に結合された前記各連結部材を形成することを特徴とする集合配管の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の集合配管の製造方法において、
一部の前記連結部材には、前記各配管と略平行に延びる少なくとも1個の弾性板状部を一体的に有するとともにこの弾性板状部の先端部が前記車体に固定された取付具に係合することにより前記集合配管を前記車体に組み付ける係止部を一体的に設け、
この係止部を設けた前記一部の連結部材を成形する前記第1成形型及び第2成形型の何れか一方には、前記各第1支持溝または第2支持溝と略平行に前記第1凹部または第2凹部の一部から互いに反対方向に進退可能で互いに当接される先端部に前記弾性板状部を成形する成形凹部を有する1対のスライド中子をさらに設け、
前記各スライド中子を前進させそれらの先端を互いに当接させて前記各成形凹部により空間を形成するのと前後して、前記両成形型を接近させ前記両接合面を互いに当接させて前記第1及び第2凹部により形成される前記キャビティを前記空間に連通させること
を特徴とする集合配管の製造方法。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の集合配管の製造方法において、前記各配管は金属管の表面に合成樹脂よりなる被覆を一体的に設けたものである集合配管の製造方法。
【請求項1】
互いに略平行に配列された複数の配管を複数箇所において合成樹脂製の連結部材により連結してなり、自動車の車体に組み付けて使用する集合配管において、
前記各連結部材は前記複数箇所において前記各配管と一体的に結合されて前記複数の配管を連結するものとし、
一部の前記連結部材には、前記集合配管を前記車体に取り付けるための係止部を設けたことを特徴とする集合配管。
【請求項2】
請求項1に記載の集合配管において、
前記係止部は前記連結部材と一体的に形成され前記各配管と略平行に延びる少なくとも1個の弾性板状部を有し、
この弾性板状部の先端部を前記車体に固定された取付具に係合することにより前記集合配管を前記車体に組み付けたことを特徴とする集合配管。
【請求項3】
請求項1に記載の集合配管において、
前記係止部を設けた前記一部の連結部材は、前記各配管と一体的に結合され少なくとも2つの前記各配管を含む平面とほゞ直交する方向に通り抜ける保持穴が形成された連結部本体と、前記保持穴内に係合されることにより前記連結部本体に保持されて前記係止部を構成する係止部本体よりなり、
前記連結部本体は一体的に形成された少なくとも1個の弾性板状部を有し、
この弾性板状部の先端部を前記車体に固定された取付具に係合することにより前記集合配管を前記車体に組み付けたことを特徴とする集合配管。
【請求項4】
互いに略平行に配列された複数の配管を複数箇所において合成樹脂製の連結部材により連結してなり、自動車の車体に組み付けて使用する集合配管の製造方法において、
第1接合面を有し、この第1接合面に前記連結部材の半部を成形する第1凹部及びこの第1凹部内を横切り前記複数の配管を密接して載置可能な断面が半円形の複数の第1支持溝が形成された第1成形型と、
この第1成形型に対し接近離隔可能に設けられて、前記第1接合面と当接可能な第2接合面を有し、この第2接合面に前記連結部材の残る半部を成形する第2凹部及びこの第2凹部内を横切り前記複数の配管に密接してこれを覆う断面が半円形の複数の第2支持溝が形成された第2成形型を使用し、
前記第1成形型の第1接合面の各第1支持溝上に前記各配管を載置した後に、前記両成形型を接近させ前記両接合面を互いに当接させて前記第1及び第2凹部によりキャビティを形成し、
このキャビティ内に溶融樹脂を充填し、冷却硬化させて前記各配管と一体的に結合された前記各連結部材を形成することを特徴とする集合配管の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の集合配管の製造方法において、
一部の前記連結部材には、前記各配管と略平行に延びる少なくとも1個の弾性板状部を一体的に有するとともにこの弾性板状部の先端部が前記車体に固定された取付具に係合することにより前記集合配管を前記車体に組み付ける係止部を一体的に設け、
この係止部を設けた前記一部の連結部材を成形する前記第1成形型及び第2成形型の何れか一方には、前記各第1支持溝または第2支持溝と略平行に前記第1凹部または第2凹部の一部から互いに反対方向に進退可能で互いに当接される先端部に前記弾性板状部を成形する成形凹部を有する1対のスライド中子をさらに設け、
前記各スライド中子を前進させそれらの先端を互いに当接させて前記各成形凹部により空間を形成するのと前後して、前記両成形型を接近させ前記両接合面を互いに当接させて前記第1及び第2凹部により形成される前記キャビティを前記空間に連通させること
を特徴とする集合配管の製造方法。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の集合配管の製造方法において、前記各配管は金属管の表面に合成樹脂よりなる被覆を一体的に設けたものである集合配管の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−116947(P2010−116947A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289018(P2008−289018)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(000113942)マルヤス工業株式会社 (42)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(000113942)マルヤス工業株式会社 (42)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]