集塵用ノズル及びこれを用いた工業用集塵装置
【課題】製鋼所等の工場内において、還元剤などとして使用される副原料が、粉塵として工場内に飛散したり、工場内の至る所に堆積した場合など、当該粉塵が床面に固着した場合であっても、効果的に除去して集塵することが可能な集塵用ノズル及びこれを用いた工業用粉塵装置を提供する。
【解決手段】工場等の床面に飛散した粉塵を吸引して集塵するための集塵用ノズル36において、前記集塵用ノズルの先端には、粉塵を吸引して集塵するための吸引用の開口部37が設けられているとともに、前記集塵用ノズルの吸引用開口部の内部には、当該吸引用の開口部を介して圧縮空気を床面に向けて噴射する噴射口62を設けるように構成した。
【解決手段】工場等の床面に飛散した粉塵を吸引して集塵するための集塵用ノズル36において、前記集塵用ノズルの先端には、粉塵を吸引して集塵するための吸引用の開口部37が設けられているとともに、前記集塵用ノズルの吸引用開口部の内部には、当該吸引用の開口部を介して圧縮空気を床面に向けて噴射する噴射口62を設けるように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製鋼所等の工場内において発生する粉塵を集める集塵用ノズル及びこれを用いた工業用集塵装置に関し、特に、床面に固着した粉塵を効果的に除去して集塵することが可能な集塵用ノズル及びこれを用いた工業用集塵装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2004−361003号公報
【特許文献2】特開2007−78243号公報
【0003】
従来、上記製鋼所等の工場内においては、回収したスクラップ等を電気炉にて溶解するとともに、当該電気炉内に炭素(C)や酸化カルシウム(CaO)、マグネシウム(Mg)等を含有する還元剤を副原料として投入し、所望の特性を有する鋼材を得ている。その際、上記還元剤として用いられる炭素(C)や酸化カルシウム(CaO)、マグネシウム(Mg)等を含有する副原料は、例えば、粉末状のものが袋詰めされた状態で製鋼所等の工場内に運び込まれ、袋から出された状態で所定の集積部に集積され、適宜小型のクレーン等で電気炉中へと搬送されて供給される。
【0004】
その際、上記還元剤として用いられる炭素(C)や酸化カルシウム(CaO)、マグネシウム(Mg)等を含有する副原料は、細かい粉末状態となっているため、袋から出す際に、周囲に飛び散ったり、粉塵として舞い上がり易く、製鋼所等の工場内の至る所に粉塵として堆積しやすい性質を有している。
【0005】
そのため、上記製鋼所等の工場内においては、所定の集積部の周囲に飛び散ったり、製鋼所等の工場内の至る所に粉塵として堆積した副原料を集めて、電気炉内に供給するために、工業用の集塵装置が使用されている。
【0006】
なお、上記工業用の集塵装置としては、集塵する対象が異なるものの、特開2004−361003号公報等に開示された製鋼用の電気炉におけるスクラップ装入時の集塵装置が、既に提案されている。
【0007】
かかる工業用の集塵装置としては、吸引装置によって負圧に吸引される集塵用ホッパに吸引ホースを接続し、当該吸引ホースの先端に取り付けられた集塵用のノズルによって、工場内の集積部の周囲、あるいは工場内の至る所に飛散して堆積した副原料としての粉塵を集塵するように構成したものが用いられている。この工業用集塵装置によって集められた粉塵は、集塵用ホッパから取り出して袋詰めし、当該袋詰めされた粉塵を工場内の集積部に集積して、この集積部から小型クレーン等によって電気炉まで搬送し、回収された粉塵を電気炉中に供給することによって、還元剤として使用することが行なわれている。
【0008】
また、上記工業用の集塵装置では、集塵作業が終了すると、集塵用ホッパ内を負圧に吸引する吸引装置を停止させるが、当該吸引装置を停止させる際に、集塵用ホッパに設けられた外気取り入れ用のバルブを手動によって開き、集塵用ホッパ内を大気圧に戻すようになっており、集塵用ホッパ内が負圧のまま吸引装置を停止させた場合における、吸引装置の逆転による損傷や故障を防止するようにしている。
【0009】
ところが、上記従来の工業用集塵装置は、単に、工場等の粉塵を集塵する機能しか備えていないため、集塵した粉塵を電気炉等で再利用するには、一旦袋詰めする必要があり、袋詰めされた粉塵を一旦工場内の集積部に集積した後、当該電気炉へと供給する必要がある。そのため、上記従来の工業用粉塵装置は、集塵した粉塵を再利用するのに、袋詰め等の作業や、袋詰めされた粉塵を集積部に集積する作業、更に集積部に集積された粉塵を再度供給する作業など、多数の工程を必要とし、作業性が悪いという問題点を有していた。また、上記従来の工業用集塵装置では、当該工業用集塵装置で集められた粉塵を一旦袋詰めして、当該袋詰めされた粉塵を集積部に集積する際に、やはり、周囲に飛び散ったり、粉塵として舞い上がり易く、製鋼所等の工場内の至る所に粉塵として堆積し易く、集塵した還元剤の再利用効率が悪いという問題点をも有していた。
【0010】
そこで、かかる問題点を解決するために、工業用集塵装置によって集塵された粉塵を袋詰めせずに、当該粉塵を電気炉へと空気圧によって送る吹込装置に投入し、この吹込装置から電気炉へと粉塵を空気圧によって搬送するように構成したものが既に提案されており、既に実施されてもいる。
【0011】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記従来の工業用集塵装置の場合には、当該工業用集塵装置によって集塵された粉塵を吹込装置に投入する作業が必要となり、粉塵は微細な粒子等からなるため、非常に飛散しやすく、この粉塵を吹込装置に投入する際にも、人手に頼らざるを得ず、作業性が悪いという問題点を有していた。
【0012】
また、上記従来の工業用集塵装置の場合には、当該工業用集塵装置によって集塵された粉塵を吹込装置に投入する作業が必要となり、粉塵は微細な粒子等からなるため、非常に飛散しやすく、粉塵を吹込装置に投入する作業を行う作業者が、粉塵を吸い込み易く、十分な防塵対策を採る必要があるといった問題点をも有していた。
【0013】
そこで、本出願人は、上記従来技術の問題点を解決し、製鋼所等の工場内において、還元剤などとして使用される副原料が、粉塵として工場内に飛散したり、工場内の至る所に堆積した場合などに、この粉塵を効率よく集塵することができるのは勿論のこと、集めた粉塵を電気炉等の所望の被供給部に自動的に供給することができ、作業性及び人体への安全性を大幅に向上させた工業用粉塵装置を提供するため、特開2007−78243号公報に開示されたものを既に提案している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、 上記従来の工業用集塵装置の場合には、清掃対象物として、工場内の集積部の周囲や工場内の至る所に飛散して堆積した副原料としての粉塵に、油分が混入したり高含水状態となって粘性が高くなり、更に踏み固められると工場の床面に固着すると、集塵用ノズルによって吸引しただけでは、容易に除去することができなくなるという問題点を有していた。
【0015】
かかる問題点を解決するためには、油分が混入したり高含水状態となって粘性が高くなり、更に踏み固められて工場の床面に固着した副原料としての粉塵を、コンプレッサー等に接続されたホースを介して圧縮空気として中圧エアを吹き付けて掘削することが考えられる。
【0016】
しかし、この場合には、コンプレッサー等に接続されたホースを介して吹き付けられる圧縮空気として中圧エアが、周囲の空気を巻き上げて工場全体に発塵し、作業環境はもとより重要な電子機器等の設備機械へ悪影響を及ぼすという新たな問題点を有していた。
【0017】
また、コンプレッサー等に接続されたホースを介して圧縮空気を吹き付ける作業を、集塵作業と別に行う必要があり、作業性が低下するという問題点をも有している。
【0018】
さらに、上記従来の工業用集塵装置の場合には、集塵作業の終了時に、外気取り入れ用のバルブを開くのを忘れて吸引装置を停止させると、吸引装置が逆転して損傷や故障を生じるという問題点をも有していた。
【0019】
又、上記従来の工業用集塵装置の場合には、集塵用ホッパ内に大量の粉塵が回主されると、当該集塵用ホッパ内の粉塵が重量によって加圧され、集塵用ホッパの内壁に固着して、回収した粉塵の取り出しが困難となるという問題点をも有していた。
【0020】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、製鋼所等の工場内において、還元剤などとして使用される副原料が、粉塵として工場内に飛散したり、工場内の至る所に堆積した場合など、当該粉塵が床面に固着した場合であっても、効果的に除去して集塵することが可能な集塵用ノズル及びこれを用いた工業用粉塵装置を提供することにある。
【0021】
また、この発明は、上記目的と併せて、集塵作業を終了する際に、吸引装置が損傷したり故障することを防止することが可能な工業用粉塵装置を提供することにある。
【0022】
さらに、この発明は、上記目的と併せて、集塵用ホッパ内に回主した粉塵を容易に取り出すことが可能な工業用粉塵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載された発明は、工場等の床面に飛散した粉塵を吸引して集塵するための集塵用ノズルにおいて、
前記集塵用ノズルの先端には、粉塵を吸引して集塵するための吸引用の開口部が設けられているとともに、前記集塵用ノズルの吸引用開口部の内部には、当該吸引用の開口部を介して圧縮空気を床面に向けて噴射する噴射口を設けたことを特徴とする集塵用ノズルである。
【0024】
また、請求項2に記載された発明は、工場等の床面に飛散した粉塵を吸引して集塵するための工業用集塵装置において、
吸引手段によって内部が負圧に保持される集塵槽と、
前記集塵槽に吸引用の管状部材を介して接続された集塵用ノズルとを備え、
前記集塵用ノズルの先端には、粉塵を吸引して集塵するための吸引用の開口部が設けられているとともに、前記集塵用ノズルの吸引用開口部の内部には、当該吸引用の開口部を介して圧縮空気を床面に向けて噴射する噴射口を設けたことを特徴とする工業用集塵装置である。
【0025】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記集塵用ノズルには、当該集塵用ノズル内の圧力が所定値以上となった場合に開いて外気を取り入れる外気取入用の弁機構が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の工業用集塵装置である。
【0026】
又、請求項4に記載された発明は、前記集塵槽には、集塵作業を終了する際に、前記吸引手段を停止させる停止手段を操作すると、当該吸引手段の停止動作に先立って、前記集塵槽内を外部に連通させることによって大気圧に戻す自動弁が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の工業用集塵装置である。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、製鋼所等の工場内において、還元剤などとして使用される副原料が、粉塵として工場内に飛散したり、工場内の至る所に堆積した場合など、当該粉塵が床面に固着した場合であっても、効果的に除去して集塵することが可能な集塵用ノズル及びこれを用いた工業用粉塵装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
実施の形態1
図2乃至図4はこの発明の実施の形態1に係る集塵用ノズルを適用した工業用集塵装置をそれぞれ示す構成図である。
【0030】
この工業用集塵装置1は、図2乃至図4に示すように、縦長の直方体状の枠体として形成されたフレーム体2を備えており、当該フレーム体2は、大別して、下方の約2/3を占めるスタンドフレーム3と、上方の約1/3を占めるトップフレーム4とから構成されている。上記スタンドフレーム3は、図5乃至図7に示すように、4本の支柱フレーム5と、これら4本の支柱フレーム5を互いに連結する水平方向に張り渡された梁フレーム6と、支柱フレーム5と梁フレーム6とを斜めに連結する補強フレーム7とから構成されている。また、上記4本の支柱フレーム5の下端部には、円板状のベースプレート8が溶接等によって固着されている。
【0031】
また、上記トップフレーム4は、4本の支柱フレーム9と、これら4本の支柱フレーム9の上端部に水平方向に張り渡された梁フレーム10とから構成されており、4本の支柱フレーム9の上端部には、図6に示すように、略三角形状の上部フランジ11が固着されているとともに、当該上部フランジ11には、図5に示すように、ワイヤー12を介して図示しないクレーンで吊り上げるための吊り上げプレート13が溶接等によって固着されている。
【0032】
さらに、上記工業用集塵装置1には、図2乃至図4に示すように、スタンドフレーム3の上部に、集塵槽としての集塵用ホッパ15が配置されているとともに、その下部には、吹込手段の吹込槽16が配置されている。上記集塵用ホッパ15は、その上部17が平面正方形の直方体状に形成されているとともに、その下部18は、下端部が細くなった略四角錐形状に形成されている。なお、上記集塵用ホッパ15の上部17は、当該集塵用ホッパ15に要求される容積を満たすために、その高さは、適宜設定される。
【0033】
上記集塵用ホッパ15の下部18は、図8に示すように、その左右に位置する両側壁19、20の正面形状が、約70度の開口角度を有するように左右対称に形成されており、その前後に位置する両側壁21、22は、図2に示すように、前側の側面21の傾斜角度が44度で、後側の側面22の傾斜角度が24度と急な斜面となるように非対称形状に形成されている。なお、上記集塵用ホッパ15の内部は、気密状に形成されており、後述するように、吸引手段によって内部の空気を吸引することによって負圧に保持することが可能となっている。
【0034】
また、上記工業用粉塵装置1には、図2に示すように、その上端部に集塵用ホッパ15内を負圧とする吸引手段としての吸引装置23が装着されている。この吸引装置23は、例えば、トップフレーム4に対応した位置に配設されている。上記吸引装置23は、真空ポンプ等からなる吸引ポンプ24と、当該吸引ポンプ24を回転駆動する駆動モータ25とから構成されている。なお、上記吸引ポンプ24としては、例えば、吸引風量が4.2m3 /min、吸引圧力が−49kpaのものが用いられる。
【0035】
上記吸引ポンプ24の吸引口26は、図2に示すように、吸引管27を介してバグフィルムタ等からなるフィルタ28に連結されており、当該フィルタ28は、逆洗用電磁弁29及びエアタンク30を介して、集塵用ホッパ15の内部に連結されている。また、上記吸引ポンプ24の排出口31は、図3及び図4に示すように、特殊サイレンサ32を介して外部に排気するように構成されている。
【0036】
また、上記集塵用ホッパ15には、図8に示すように、例えば、当該集塵用ホッパ15の側壁33aに穿設された吸引口34から、吸引用の管状部材としての吸引用配管35aと、同じく吸引用の管状部材としての長尺な吸引用ホース35を介して集塵用ノズル36が接続されている。
【0037】
ところで、この実施の形態では、前記集塵用ノズルの先端には、粉塵を吸引して集塵するための吸引用の開口部が設けられているとともに、前記集塵用ノズルの吸引用開口部の内部には、当該吸引用の開口部を介して圧縮空気を床面に向けて噴射する噴射口を設けるように構成されている。
【0038】
すなわち、上記集塵用ノズル36は、吸引用ホース35の先端部に連結され、清掃作業を行う際に作業者が把持する把持部材を兼ねた清掃用ハンドリングパイプ60の先端に取り付けられている。上記清掃用ハンドリングパイプ60としては、例えば、直径50mm、長さ1000mmのSUS製のパイプが用いられる。この清掃用ハンドリングパイプ60は、吸引用ホース35を介して集塵用ホッパ15に接続されており、集塵用ホッパ15によって−80kPa程度の圧力(負圧)で吸引されている。
【0039】
上記集塵用ノズル36は、清掃用ハンドリングパイプ60と同様に、SUS等の金属によって形成されており、その先端部に向けて扇型形状に広がるようにテーパー状に形成されている。なお、集塵用ノズル36の高さ方向にも、先端部が細くなるように小さなテーパーが付けられている。また、この集塵用ノズル36の先端には、図1に示すように、床面に平行な方向の開口幅が相対的に長く、高さ方向が短い細長い矩形状に形成された吸引用の開口部37が形成されており、当該吸引用開口部37先端の開口面61は、図12に示すように、集塵用ノズル36を水平に保持した際に、水平面に対して所定の角度θだけ傾斜するように設定されている。そのため、上記集塵用ノズル36は、床面に対して所定の角度だけ傾斜した状態で使用する際に、吸引用開口部37先端の開口面61が、床面と略平行乃至床面に対して小さな角度をなして傾斜するように設定されており、効率良く集塵作業が行えるようになっている。
【0040】
また、上記集塵用ノズル36の内部には、吸引用の開口部37を介して圧縮空気を床面に向けて噴射する噴射口(ジェット噴射ノズル)62が設けられている。この噴射口62は、集塵用ノズル36の上端面36aに、当該集塵用ノズル36の上端面を貫通するように溶接等の手段によって取り付けられている。上記噴射口62は、金属製の短く且つ直径の小さい環状部材によって形成されており、当該噴射口62は、集塵用ノズル36の吸引用開口部37を介して、工場の床面等に圧縮空気を直接噴射するように構成されている。上記噴射口62は、図12に示すように、床面に平行な方向に相対的に長く設定された開口部37の中央部に設けられており、当該噴射口62から噴射される圧縮空気が、開口部37から外部に漏れるのを防止するように構成されている。さらに、上記噴射口62の噴射角度は、図12に示すように、集塵用ノズル36を水平に保持した際に、水平面に対して45度傾斜するように設定されている。そのため、上記集塵用ノズル36は、床面に対して45度傾斜した状態で使用することによって、噴射口62から工場の床面等に対して圧縮空気を略垂直に噴射することが可能となっている。なお、上記集塵用ノズル36の先端部には、その角部に切り欠き部36aが設けられている。
【0041】
上記噴射口62の集塵用ノズル36の上端面から露出した端部には、45度に湾曲した継手63を介して、清掃用ハンドリングパイプ60と平行に配設された高圧エア用チューブ64に連結されているとともに、当該高圧エア用チューブ64の基端部には、開閉バルブ65を介して直径10mmの高圧エア用チューブ66が連結されている。この高圧エア用チューブ66には、図示しないコンプレッサーから例えば930kpa程度の高圧の圧縮空気が供給されるようになっている。なお、上記噴射口62から圧縮空気を噴射する必要がない場合は、開閉バルブ65を閉じることによって、通常の吸引作業のみを行うことができる。
【0042】
また、上記コンプレッサーから供給される高圧の圧縮空気の量は、例えば、930kpa程度の圧力で、毎分240L/min程度に設定されている。これに対して、上記集塵用ノズル36から吸引される空気の量は、例えば、−80kpa程度の圧力で、毎分9,000L/minと圧縮空気の量に比較して非常に多く程度に設定されている。そのため、上記の如く噴射口62から圧縮空気を噴射することによる集塵用ノズル36から吸引する清掃効率への影響は、{(9000−240)/9000}×100=97.3%と低下量が微小であり、無視することができる程度のものである。
【0043】
さらに、上記集塵用ノズル36の上端面には、図12及び図13に示すように、外気取入用の弁機構67が設けられている。この集塵用ノズル36によって大量の粉塵を同時に吸引する場合などには、集塵用ノズル36の吸引用の開口部37が粉塵によって一時的に塞がれてしまい、清掃用ハンドリングパイプ60や吸引用ホース35内を流れる空気の流速がほとんどゼロとなって、清掃用ハンドリングパイプ60や吸引用ホース35の管径が小さくなるレデュース部などにおいて、吸引した粉塵が堆積して目詰まりを起こしてしまい、その後、集塵用ノズル36の吸引用開口部37を粉塵の中から取り出しても、空気の吸引が再開されずに、清掃用ハンドリングパイプ60や吸引用ホース35が詰まってしまう虞れがある。
【0044】
そこで、この実施の形態では、集塵用ノズル36の上端面に外気取入用の弁機構67が設けられており、清掃用ハンドリングパイプ60や吸引用ホース35が詰まりそうになった場合に、集塵用ノズル36内の圧力が所定値以上に高くなると、外気取入用の弁機構67が開いて外気を集塵用ノズル36の内部に取り入れて、清掃用ハンドリングパイプや吸引用ホース35内を流れる空気の流速がほとんどゼロになることを回避し、清掃用ハンドリングパイプや吸引用ホース35の詰まりを防止するように構成されている。
【0045】
上記外気取入用の弁機構67は、図13に示すように、集塵用ノズル36の上端面に開口された外気取入用開口68と、当該外気取入用開口68を開閉するため、集塵用ノズル36の上端面の裏側にネジ止め70等によって取り付けられた平板状の弁体69を備えている。この平板状の弁体69としては、例えば、所定のバネ定数を有するステンレス等の金属製の薄板から構成されており、当該平板状の弁体は、図14に示すように、長手方向に沿って平行に形成された2つの長孔71を介して、集塵用ノズル36の上端面の裏側にタッププレート72によって2箇所ネジ止めすることによって取り付けられている。
【0046】
そして、上記平板状の弁体69は、図14に示すように、所定の位置を所定の荷重で押圧することによって、所定の変形(撓み量)が得られるように、ネジ止め70の位置が調節され、集塵用ノズル36内の圧力が所定値以上に高くなると開くようになっている。
【0047】
さらに、上記集塵用ホッパ15の下端部には、図2、図4及び図8に示すように、連通部40を介して、吹込装置16の吹込槽41が、集塵用ホッパ15の内部と連通口42を介して連通した状態で設けられている。また、上記連通口42には、図10に示すように、当該連通口42を開閉する円板状のバルブ板43が開閉可能に配置されている。このバルブ板43は、図2に示すように、吹込槽41に取り付けられた排出弁44によって開閉されるようになっている。
【0048】
上記吹込槽41は、図8に示すように、その上部45が円筒形状に形成されているとともに、その下部46は、下方に向けて略円錐形状に細く形成されている。上記吹込槽41内の底部近傍には、焼結金属やパンチングメタル等からなる多孔板47が設けられており、当該多孔板47の下部には、図示しないコンプレッサーから、加圧空気を供給するための加圧空気供給用のパイプ48(図2参照)が連結されている。また、上記吹込槽41の下部46には、その底部に、当該吹込槽41の内部を洗浄する際に、外部の空気を吹込槽41内に導入するための外気導入口49が設けれており、当該外気導入口49は、図2に示すように、開閉バルブ50によって通常は閉じられている。なお、上記コンプレッサーとしては、例えば、工場に予め配置されているものがホースを介して接続されて用いられるが、当該コンプレッサーを工業用粉塵装置1に搭載するように構成しても良い。
【0049】
さらに、上記吹込槽41の上部45には、図2に示すように、上限レベルを検知するレベル計51aが取り付けられているとともに、その下部46には、下限レベルを検知するレベル計51bが取り付けられており、当該吹込槽41内の粉塵100の高さを計測可能となっている。また、この吹込槽41の下部46には、その側面に、吹込槽41内に収容された粉塵を、図示しない電気炉等の被供給部へと空気圧によって供給する吹込口52が開口されており、この吹込口52は、吐出弁53によって開閉されるように構成されている。なお、上記吹込口52の吹込槽41内に位置する部分52aは、多孔板47の上部に対向するように配置されており、当該多孔板47を通過する加圧空気によって粉塵100を確実に吹込口52に吹き込むことが可能となっている。
【0050】
なお、図2及び図4中、55は電気制御・操作盤を、56は所望の弁等を空気圧で開閉するように駆動する配管系2をそれぞれ示している。
【0051】
さらに、この実施の形態では、図15及び図16に示すように、集塵用ホッパ15の内部にて回収した粉塵が固化して、集塵用ホッパ15から取り出すことが困難となった場合に、集塵槽としての集塵用ホッパ15の内面に圧縮空気を送ることによって、集塵用ホッパ15の内部にて固化した粉塵をスムーズに排出することが可能となっている。
【0052】
上記集塵用ホッパ15の下部18は、上述したように、図2に示す如く、その前後に位置する両側壁21、22が、前側の側面21の傾斜角度が44度で、後側の側面22の傾斜角度が24度と急な斜面となるように非対称形状に形成されており、対向する両側壁21、22の間で回収した粉塵がアーチ形状に堆積して固化するのを防止するように構成されている。
【0053】
しかし、上記集塵用ホッパ15の下部18は、四角錐形状に形成されているため、円錐形状に形成した場合に比較して、集塵用ホッパ15の内面に回収した粉塵が固化した状態で付着しやすい。
【0054】
そこで、この実施の形態では、図15及び図16に示すように、集塵用ホッパ15の下部18において、その四隅の角部を断面略三角形状に閉塞する幅の狭いコーナープレート73を、四隅の角部に長手方向に沿って溶接等の手段によって設け、集塵用ホッパ15の下部18の角部に回収した粉塵が固化し難く形成されているとともに、当該コーナープレート73と集塵用ホッパ15の下部18内面との間に形成された断面略三角形状の空間74に、その上端部のノズル75から圧縮空気を所定のタイミングで送ることによって、コーナープレート73の下端部から集塵用ホッパ15の下部18内に向けて噴射される圧縮空気によって、集塵用ホッパ15の下部18内に堆積した粉塵を、エアースライダー作用によって効果的に落下させるように構成されている。なお、上記集塵用ホッパ15の角部は、特に2つの側面が接するため、回収した粉塵が付着して固化する懸念がある。
【0055】
なお、上記コーナープレートと集塵用ホッパ15の下部18内面との間に形成された断面略三角形状の空間には、その上端部から圧縮空気を送る以外に、図15に示すように、コーナープレート73の下端部近傍から送るように構成しても良い。
【0056】
また、上記コーナープレート73と集塵用ホッパ15の下部18内面との間に形成された断面略三角形状の空間74には、図15に示すように、コンプレッサー76から手動バルブ77及び配管78を介して圧縮空気が供給される。
【0057】
なお、上記コーナープレート73は、図15に示すように、集塵用ホッパ15の下部18の2/3程度の位置まで設けられている。
【0058】
また、この実施の形態では、図2に示すように、工業用集塵装置1を用いて工場等の床面の清掃作業を終了するに当たり、電気制御・操作盤55を操作して、吸引ポンプ24を回転駆動する駆動モータ25を停止させる。
【0059】
ただし、この場合には、電気制御・操作盤55を操作して、吸引ポンプ24を回転駆動する駆動モータ25を停止させるボタンを操作すると、図15に示すように、集塵用ホッパ15の上端部に設けられた自動バルブ80が、空気圧で開閉するように駆動する配管系56を介して先に開き、集塵用ホッパ15内を大気圧に戻した後に、電気制御・操作盤55に設けられたタイマー回路を介して、所定時間だけ遅延した状態で駆動モータ25を停止させるように構成されている。
【0060】
以上の構成において、この実施の形態に係る工業用粉塵装置の場合には、次のようにして、製鋼所等の工場内において、還元剤などとして使用される副原料が、粉塵として工場内に飛散したり、工場内の至る所に堆積した場合などに、この粉塵を効率よく集塵することができるのは勿論のこと、集めた粉塵を電気炉等の所望の被供給部に自動的に供給することができ、作業性及び人体への安全性を大幅に向上させることが可能となっている。
【0061】
また、この実施の形態に係る工業用粉塵装置の場合には、次のようにして、製鋼所等の工場内において、還元剤などとして使用される副原料が、粉塵として工場内に飛散したり、工場内の至る所に堆積した場合など、当該粉塵が床面に固着した場合であっても、効果的に除去して集塵することが可能となっている。
【0062】
さらに、この実施の形態に係る工業用粉塵装置の場合には、次のようにして、集塵作業を終了する際に、吸引装置が損傷したり故障することを防止することが可能となっている。
【0063】
又、この実施の形態に係る工業用粉塵装置の場合には、次のようにして、集塵用ホッパ内に回主した粉塵を容易に取り出すことが可能となっている。
【0064】
すなわち、この実施の形態に係る工業用粉塵装置1の場合には、図2に示すように、操作者が電気制御・操作盤55を操作して、吸引ポンプ24を動作させ、図9に示すように、吸引用のホース35を介して集塵用のノズル36から、製鋼所等の工場内の床面等に飛散したり堆積した粉塵100を吸引して、集塵用ホッパ15内に集めるようになっている。その際、上記集塵用ホッパ15と吹込槽41との間に設けられる連通口42は、排出弁44を動作させて、バルブ板43によって閉じた状態となっている。
【0065】
こうすることによって、上記集塵用ホッパ15の内部には、製鋼所等の工場内の床面等に飛散したり堆積した粉塵100が集塵されて収容される。この粉塵100は、例えば、還元剤として用いられる炭素(C)や酸化カルシウム(CaO)、マグネシウム(Mg)等を含有する副原料からなっている。
【0066】
その際、上記工業用集塵装置を使用する場合には、清掃対象物として、工場内の集積部の周囲や工場内の至る所に飛散して堆積した副原料としての粉塵に、油分が混入したり高含水状態となって粘性が高くなり、更に踏み固められると工場の床面に固着すると、集塵用ノズルによって吸引しただけでは、容易に除去することができなくなることがある。
【0067】
かかる場合には、図1に示すように、図示しないコンプレッサーを起動するとともに、集塵用ノズル36の清掃用ハンドリングパイプ60と平行に配設された高圧エア用チューブ64の開閉バルブ65を開いて、集塵用ノズル36に設けられた噴射口62から高圧空気を工場の床面等に噴射することにより、高圧空気の圧力によって工場の床面に固着した粉塵を容易に除去することができ、同時に工場の床面から剥離した粉塵を集塵用ノズル36によって吸引することで、周囲に飛散させることなく除去することができる。
【0068】
なお、上記噴射口62からの高圧空気の噴射は、集塵用ノズル36から吸引しながら行われるので、高圧空気が集塵用ノズル36から外部に漏出して、周囲の粉塵を巻き上げることも防止できる。
【0069】
次に、上記工業用粉塵装置1の場合には、集塵工程が終了すると、駆動モータを停止させることによって吸引ポンプ24を停止させた後、集塵用ホッパ15と吹込槽41との間に設けられた連通口42を、排出弁44を所定時間だけ動作させて、バルブ板43によって開いた状態とする。
【0070】
このとき、電気制御・操作盤55を操作して、吸引ポンプ24を回転駆動する駆動モータ25を停止させるボタンを操作すると、図15に示すように、集塵用ホッパ15の上端部に設けられた自動バルブ80が、空気圧で開閉するように駆動する配管系56を介して先に開き、集塵用ホッパ15内を大気圧に戻した後に、電気制御・操作盤55に設けられたタイマー回路を介して、所定時間だけ遅延した状態で駆動モータ25を停止させるようになっている。
【0071】
そのため、上記工業用粉塵装置1の場合には、集塵工程を終了する際に、集塵用ホッパ15内が負圧のまま、駆動モータを停止させて吸引ポンプ24を停止させる虞れがなく、集塵作業を終了する際に、吸引装置が損傷したり故障することを防止することが可能となっている。
【0072】
すると、上記集塵用ホッパ15の内部に集塵された粉塵100は、図2に示すように、自重によって吹込槽41の内部に落下するが、当該集塵用ホッパ15内の粉塵100が自重によって十分落下しない場合には、吹込槽41の内部をホースによって負圧にするようにしても良い。そして、上記吹込槽41の内部には、所定量の粉塵100が収容される。その際、上記吹込槽41内の粉塵100の量は、レベル計51a、51bによって検知される。
【0073】
また、やはり、上記集塵用ホッパ15内の粉塵100が自重によって十分落下しない場合には、吹込槽41の内部をホースによって負圧にするのではなく、図15及び図16に示すように、集塵用ホッパ15の下部18内面とコーナープレートとの間に形成された断面略三角形状の空間に、その上端部から圧縮空気を所定のタイミングで送ることによって、コーナープレートの下端部から集塵用ホッパ15の下部18内に向けて噴射される圧縮空気によって、集塵用ホッパ15の下部18内に堆積した粉塵を、エアースライダー作用によって効果的に落下させることができる。
【0074】
したがって、この実施の形態に係る工業用粉塵装置の場合には、集塵用ホッパ内に回主した粉塵を容易に取り出すことが可能となっている。
【0075】
その後、上記集塵用ホッパ15と吹込槽41との間に設けられた連通口42は、排出弁44を動作させることによって、バルブ板43により閉じられる。この状態で、今度は、操作者が電気制御・操作盤55を操作して、図示しないコンプレッサーを動作させ、図11に示すように、当該コンプレッサーによって加圧空気を吹込槽41底部の加圧空気供給用のパイプ48から供給し、吹込槽41の内部に収容された粉塵100を、多孔板47を介して供給される加圧空気によって、吹込口52から供給する。上記吹込口52から供給された粉塵は、当該吹込口52に接続された供給用のホースを介して、図示しない製鋼用の電気炉内へと供給され、当該粉塵100は、還元剤としての副原料として使用されるようになっている。
【0076】
このように、上記実施の形態に係る工業用粉塵装置1の場合には、集塵用ホッパ15の内部に集塵した粉塵100を、当該集塵用ホッパ15の下部に配設された吹込槽41へと収容した後、この吹込槽41から加圧空気によって供給用のホースを介して、図示しない製鋼用の電気炉内へと自動的に供給することができ、製鋼所等の工場内において、還元剤などとして使用される副原料が、粉塵100として工場内に飛散したり、工場内の至る所に堆積した場合などに、これらの粉塵100を効率よく集塵することができるのは勿論のこと、集めた粉塵100を電気炉等の所望の被供給部に自動的に供給することができ、作業性及び人体への安全性を大幅に向上させることが可能となっている。
【0077】
なお、上記工業用粉塵装置1は、図17に示すように、フレーム体2の上端部に取り付けたワイヤを介してクレーンKによって吊り下げることで、任意の場所に移動可能となっているとともに、製鋼所等の工場の高所においても、集塵作業を行うことが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置の集塵ノズルを示す平面図及び側面図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置を示す正面図である。
【図3】図3はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置を示す平面図である。
【図4】図4はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置を示す側面図である。
【図5】図5はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置のフレーム体を示す正面図である。
【図6】図6はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置のフレーム体を示す平面図である。
【図7】図7はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置のフレーム体を示す側面図である。
【図8】図8はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置の集塵用ホッパと吹込槽とを示す正面図である。
【図9】図9はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置の使用状態を示す説明図である。
【図10】図10は連通部の開閉機構を示す構成図である。
【図11】図11はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置の使用状態を示す説明図である。
【図12】図12(a)〜(c)はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置の集塵ノズルを示す平面図、一部破断の正面図及び側面図である。
【図13】図13(a)〜(c)はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置の集塵ノズルを示す拡大平面図、縦断面図及びA−A線断面図である。
【図14】図14(a)〜(c)は弁機構の構成部材を示す部品図である。
【図15】図15(a)〜(d)は集塵ホッパをそれぞれ示す構成図である。
【図16】図16(a)(b)は集塵ホッパの要部をそれぞれ示す構成図である。
【図17】図17はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置を吊り上げた状態を示す斜視説明図である。
【符号の説明】
【0079】
1:工業用集塵装置、2:フレーム体、15:集塵用ホッパ(集塵槽)、23:吸引装置、36:集塵用ノズル、37:吸引用開口部、62:噴射口。
【技術分野】
【0001】
この発明は、製鋼所等の工場内において発生する粉塵を集める集塵用ノズル及びこれを用いた工業用集塵装置に関し、特に、床面に固着した粉塵を効果的に除去して集塵することが可能な集塵用ノズル及びこれを用いた工業用集塵装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2004−361003号公報
【特許文献2】特開2007−78243号公報
【0003】
従来、上記製鋼所等の工場内においては、回収したスクラップ等を電気炉にて溶解するとともに、当該電気炉内に炭素(C)や酸化カルシウム(CaO)、マグネシウム(Mg)等を含有する還元剤を副原料として投入し、所望の特性を有する鋼材を得ている。その際、上記還元剤として用いられる炭素(C)や酸化カルシウム(CaO)、マグネシウム(Mg)等を含有する副原料は、例えば、粉末状のものが袋詰めされた状態で製鋼所等の工場内に運び込まれ、袋から出された状態で所定の集積部に集積され、適宜小型のクレーン等で電気炉中へと搬送されて供給される。
【0004】
その際、上記還元剤として用いられる炭素(C)や酸化カルシウム(CaO)、マグネシウム(Mg)等を含有する副原料は、細かい粉末状態となっているため、袋から出す際に、周囲に飛び散ったり、粉塵として舞い上がり易く、製鋼所等の工場内の至る所に粉塵として堆積しやすい性質を有している。
【0005】
そのため、上記製鋼所等の工場内においては、所定の集積部の周囲に飛び散ったり、製鋼所等の工場内の至る所に粉塵として堆積した副原料を集めて、電気炉内に供給するために、工業用の集塵装置が使用されている。
【0006】
なお、上記工業用の集塵装置としては、集塵する対象が異なるものの、特開2004−361003号公報等に開示された製鋼用の電気炉におけるスクラップ装入時の集塵装置が、既に提案されている。
【0007】
かかる工業用の集塵装置としては、吸引装置によって負圧に吸引される集塵用ホッパに吸引ホースを接続し、当該吸引ホースの先端に取り付けられた集塵用のノズルによって、工場内の集積部の周囲、あるいは工場内の至る所に飛散して堆積した副原料としての粉塵を集塵するように構成したものが用いられている。この工業用集塵装置によって集められた粉塵は、集塵用ホッパから取り出して袋詰めし、当該袋詰めされた粉塵を工場内の集積部に集積して、この集積部から小型クレーン等によって電気炉まで搬送し、回収された粉塵を電気炉中に供給することによって、還元剤として使用することが行なわれている。
【0008】
また、上記工業用の集塵装置では、集塵作業が終了すると、集塵用ホッパ内を負圧に吸引する吸引装置を停止させるが、当該吸引装置を停止させる際に、集塵用ホッパに設けられた外気取り入れ用のバルブを手動によって開き、集塵用ホッパ内を大気圧に戻すようになっており、集塵用ホッパ内が負圧のまま吸引装置を停止させた場合における、吸引装置の逆転による損傷や故障を防止するようにしている。
【0009】
ところが、上記従来の工業用集塵装置は、単に、工場等の粉塵を集塵する機能しか備えていないため、集塵した粉塵を電気炉等で再利用するには、一旦袋詰めする必要があり、袋詰めされた粉塵を一旦工場内の集積部に集積した後、当該電気炉へと供給する必要がある。そのため、上記従来の工業用粉塵装置は、集塵した粉塵を再利用するのに、袋詰め等の作業や、袋詰めされた粉塵を集積部に集積する作業、更に集積部に集積された粉塵を再度供給する作業など、多数の工程を必要とし、作業性が悪いという問題点を有していた。また、上記従来の工業用集塵装置では、当該工業用集塵装置で集められた粉塵を一旦袋詰めして、当該袋詰めされた粉塵を集積部に集積する際に、やはり、周囲に飛び散ったり、粉塵として舞い上がり易く、製鋼所等の工場内の至る所に粉塵として堆積し易く、集塵した還元剤の再利用効率が悪いという問題点をも有していた。
【0010】
そこで、かかる問題点を解決するために、工業用集塵装置によって集塵された粉塵を袋詰めせずに、当該粉塵を電気炉へと空気圧によって送る吹込装置に投入し、この吹込装置から電気炉へと粉塵を空気圧によって搬送するように構成したものが既に提案されており、既に実施されてもいる。
【0011】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記従来の工業用集塵装置の場合には、当該工業用集塵装置によって集塵された粉塵を吹込装置に投入する作業が必要となり、粉塵は微細な粒子等からなるため、非常に飛散しやすく、この粉塵を吹込装置に投入する際にも、人手に頼らざるを得ず、作業性が悪いという問題点を有していた。
【0012】
また、上記従来の工業用集塵装置の場合には、当該工業用集塵装置によって集塵された粉塵を吹込装置に投入する作業が必要となり、粉塵は微細な粒子等からなるため、非常に飛散しやすく、粉塵を吹込装置に投入する作業を行う作業者が、粉塵を吸い込み易く、十分な防塵対策を採る必要があるといった問題点をも有していた。
【0013】
そこで、本出願人は、上記従来技術の問題点を解決し、製鋼所等の工場内において、還元剤などとして使用される副原料が、粉塵として工場内に飛散したり、工場内の至る所に堆積した場合などに、この粉塵を効率よく集塵することができるのは勿論のこと、集めた粉塵を電気炉等の所望の被供給部に自動的に供給することができ、作業性及び人体への安全性を大幅に向上させた工業用粉塵装置を提供するため、特開2007−78243号公報に開示されたものを既に提案している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、 上記従来の工業用集塵装置の場合には、清掃対象物として、工場内の集積部の周囲や工場内の至る所に飛散して堆積した副原料としての粉塵に、油分が混入したり高含水状態となって粘性が高くなり、更に踏み固められると工場の床面に固着すると、集塵用ノズルによって吸引しただけでは、容易に除去することができなくなるという問題点を有していた。
【0015】
かかる問題点を解決するためには、油分が混入したり高含水状態となって粘性が高くなり、更に踏み固められて工場の床面に固着した副原料としての粉塵を、コンプレッサー等に接続されたホースを介して圧縮空気として中圧エアを吹き付けて掘削することが考えられる。
【0016】
しかし、この場合には、コンプレッサー等に接続されたホースを介して吹き付けられる圧縮空気として中圧エアが、周囲の空気を巻き上げて工場全体に発塵し、作業環境はもとより重要な電子機器等の設備機械へ悪影響を及ぼすという新たな問題点を有していた。
【0017】
また、コンプレッサー等に接続されたホースを介して圧縮空気を吹き付ける作業を、集塵作業と別に行う必要があり、作業性が低下するという問題点をも有している。
【0018】
さらに、上記従来の工業用集塵装置の場合には、集塵作業の終了時に、外気取り入れ用のバルブを開くのを忘れて吸引装置を停止させると、吸引装置が逆転して損傷や故障を生じるという問題点をも有していた。
【0019】
又、上記従来の工業用集塵装置の場合には、集塵用ホッパ内に大量の粉塵が回主されると、当該集塵用ホッパ内の粉塵が重量によって加圧され、集塵用ホッパの内壁に固着して、回収した粉塵の取り出しが困難となるという問題点をも有していた。
【0020】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、製鋼所等の工場内において、還元剤などとして使用される副原料が、粉塵として工場内に飛散したり、工場内の至る所に堆積した場合など、当該粉塵が床面に固着した場合であっても、効果的に除去して集塵することが可能な集塵用ノズル及びこれを用いた工業用粉塵装置を提供することにある。
【0021】
また、この発明は、上記目的と併せて、集塵作業を終了する際に、吸引装置が損傷したり故障することを防止することが可能な工業用粉塵装置を提供することにある。
【0022】
さらに、この発明は、上記目的と併せて、集塵用ホッパ内に回主した粉塵を容易に取り出すことが可能な工業用粉塵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載された発明は、工場等の床面に飛散した粉塵を吸引して集塵するための集塵用ノズルにおいて、
前記集塵用ノズルの先端には、粉塵を吸引して集塵するための吸引用の開口部が設けられているとともに、前記集塵用ノズルの吸引用開口部の内部には、当該吸引用の開口部を介して圧縮空気を床面に向けて噴射する噴射口を設けたことを特徴とする集塵用ノズルである。
【0024】
また、請求項2に記載された発明は、工場等の床面に飛散した粉塵を吸引して集塵するための工業用集塵装置において、
吸引手段によって内部が負圧に保持される集塵槽と、
前記集塵槽に吸引用の管状部材を介して接続された集塵用ノズルとを備え、
前記集塵用ノズルの先端には、粉塵を吸引して集塵するための吸引用の開口部が設けられているとともに、前記集塵用ノズルの吸引用開口部の内部には、当該吸引用の開口部を介して圧縮空気を床面に向けて噴射する噴射口を設けたことを特徴とする工業用集塵装置である。
【0025】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記集塵用ノズルには、当該集塵用ノズル内の圧力が所定値以上となった場合に開いて外気を取り入れる外気取入用の弁機構が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の工業用集塵装置である。
【0026】
又、請求項4に記載された発明は、前記集塵槽には、集塵作業を終了する際に、前記吸引手段を停止させる停止手段を操作すると、当該吸引手段の停止動作に先立って、前記集塵槽内を外部に連通させることによって大気圧に戻す自動弁が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の工業用集塵装置である。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、製鋼所等の工場内において、還元剤などとして使用される副原料が、粉塵として工場内に飛散したり、工場内の至る所に堆積した場合など、当該粉塵が床面に固着した場合であっても、効果的に除去して集塵することが可能な集塵用ノズル及びこれを用いた工業用粉塵装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
実施の形態1
図2乃至図4はこの発明の実施の形態1に係る集塵用ノズルを適用した工業用集塵装置をそれぞれ示す構成図である。
【0030】
この工業用集塵装置1は、図2乃至図4に示すように、縦長の直方体状の枠体として形成されたフレーム体2を備えており、当該フレーム体2は、大別して、下方の約2/3を占めるスタンドフレーム3と、上方の約1/3を占めるトップフレーム4とから構成されている。上記スタンドフレーム3は、図5乃至図7に示すように、4本の支柱フレーム5と、これら4本の支柱フレーム5を互いに連結する水平方向に張り渡された梁フレーム6と、支柱フレーム5と梁フレーム6とを斜めに連結する補強フレーム7とから構成されている。また、上記4本の支柱フレーム5の下端部には、円板状のベースプレート8が溶接等によって固着されている。
【0031】
また、上記トップフレーム4は、4本の支柱フレーム9と、これら4本の支柱フレーム9の上端部に水平方向に張り渡された梁フレーム10とから構成されており、4本の支柱フレーム9の上端部には、図6に示すように、略三角形状の上部フランジ11が固着されているとともに、当該上部フランジ11には、図5に示すように、ワイヤー12を介して図示しないクレーンで吊り上げるための吊り上げプレート13が溶接等によって固着されている。
【0032】
さらに、上記工業用集塵装置1には、図2乃至図4に示すように、スタンドフレーム3の上部に、集塵槽としての集塵用ホッパ15が配置されているとともに、その下部には、吹込手段の吹込槽16が配置されている。上記集塵用ホッパ15は、その上部17が平面正方形の直方体状に形成されているとともに、その下部18は、下端部が細くなった略四角錐形状に形成されている。なお、上記集塵用ホッパ15の上部17は、当該集塵用ホッパ15に要求される容積を満たすために、その高さは、適宜設定される。
【0033】
上記集塵用ホッパ15の下部18は、図8に示すように、その左右に位置する両側壁19、20の正面形状が、約70度の開口角度を有するように左右対称に形成されており、その前後に位置する両側壁21、22は、図2に示すように、前側の側面21の傾斜角度が44度で、後側の側面22の傾斜角度が24度と急な斜面となるように非対称形状に形成されている。なお、上記集塵用ホッパ15の内部は、気密状に形成されており、後述するように、吸引手段によって内部の空気を吸引することによって負圧に保持することが可能となっている。
【0034】
また、上記工業用粉塵装置1には、図2に示すように、その上端部に集塵用ホッパ15内を負圧とする吸引手段としての吸引装置23が装着されている。この吸引装置23は、例えば、トップフレーム4に対応した位置に配設されている。上記吸引装置23は、真空ポンプ等からなる吸引ポンプ24と、当該吸引ポンプ24を回転駆動する駆動モータ25とから構成されている。なお、上記吸引ポンプ24としては、例えば、吸引風量が4.2m3 /min、吸引圧力が−49kpaのものが用いられる。
【0035】
上記吸引ポンプ24の吸引口26は、図2に示すように、吸引管27を介してバグフィルムタ等からなるフィルタ28に連結されており、当該フィルタ28は、逆洗用電磁弁29及びエアタンク30を介して、集塵用ホッパ15の内部に連結されている。また、上記吸引ポンプ24の排出口31は、図3及び図4に示すように、特殊サイレンサ32を介して外部に排気するように構成されている。
【0036】
また、上記集塵用ホッパ15には、図8に示すように、例えば、当該集塵用ホッパ15の側壁33aに穿設された吸引口34から、吸引用の管状部材としての吸引用配管35aと、同じく吸引用の管状部材としての長尺な吸引用ホース35を介して集塵用ノズル36が接続されている。
【0037】
ところで、この実施の形態では、前記集塵用ノズルの先端には、粉塵を吸引して集塵するための吸引用の開口部が設けられているとともに、前記集塵用ノズルの吸引用開口部の内部には、当該吸引用の開口部を介して圧縮空気を床面に向けて噴射する噴射口を設けるように構成されている。
【0038】
すなわち、上記集塵用ノズル36は、吸引用ホース35の先端部に連結され、清掃作業を行う際に作業者が把持する把持部材を兼ねた清掃用ハンドリングパイプ60の先端に取り付けられている。上記清掃用ハンドリングパイプ60としては、例えば、直径50mm、長さ1000mmのSUS製のパイプが用いられる。この清掃用ハンドリングパイプ60は、吸引用ホース35を介して集塵用ホッパ15に接続されており、集塵用ホッパ15によって−80kPa程度の圧力(負圧)で吸引されている。
【0039】
上記集塵用ノズル36は、清掃用ハンドリングパイプ60と同様に、SUS等の金属によって形成されており、その先端部に向けて扇型形状に広がるようにテーパー状に形成されている。なお、集塵用ノズル36の高さ方向にも、先端部が細くなるように小さなテーパーが付けられている。また、この集塵用ノズル36の先端には、図1に示すように、床面に平行な方向の開口幅が相対的に長く、高さ方向が短い細長い矩形状に形成された吸引用の開口部37が形成されており、当該吸引用開口部37先端の開口面61は、図12に示すように、集塵用ノズル36を水平に保持した際に、水平面に対して所定の角度θだけ傾斜するように設定されている。そのため、上記集塵用ノズル36は、床面に対して所定の角度だけ傾斜した状態で使用する際に、吸引用開口部37先端の開口面61が、床面と略平行乃至床面に対して小さな角度をなして傾斜するように設定されており、効率良く集塵作業が行えるようになっている。
【0040】
また、上記集塵用ノズル36の内部には、吸引用の開口部37を介して圧縮空気を床面に向けて噴射する噴射口(ジェット噴射ノズル)62が設けられている。この噴射口62は、集塵用ノズル36の上端面36aに、当該集塵用ノズル36の上端面を貫通するように溶接等の手段によって取り付けられている。上記噴射口62は、金属製の短く且つ直径の小さい環状部材によって形成されており、当該噴射口62は、集塵用ノズル36の吸引用開口部37を介して、工場の床面等に圧縮空気を直接噴射するように構成されている。上記噴射口62は、図12に示すように、床面に平行な方向に相対的に長く設定された開口部37の中央部に設けられており、当該噴射口62から噴射される圧縮空気が、開口部37から外部に漏れるのを防止するように構成されている。さらに、上記噴射口62の噴射角度は、図12に示すように、集塵用ノズル36を水平に保持した際に、水平面に対して45度傾斜するように設定されている。そのため、上記集塵用ノズル36は、床面に対して45度傾斜した状態で使用することによって、噴射口62から工場の床面等に対して圧縮空気を略垂直に噴射することが可能となっている。なお、上記集塵用ノズル36の先端部には、その角部に切り欠き部36aが設けられている。
【0041】
上記噴射口62の集塵用ノズル36の上端面から露出した端部には、45度に湾曲した継手63を介して、清掃用ハンドリングパイプ60と平行に配設された高圧エア用チューブ64に連結されているとともに、当該高圧エア用チューブ64の基端部には、開閉バルブ65を介して直径10mmの高圧エア用チューブ66が連結されている。この高圧エア用チューブ66には、図示しないコンプレッサーから例えば930kpa程度の高圧の圧縮空気が供給されるようになっている。なお、上記噴射口62から圧縮空気を噴射する必要がない場合は、開閉バルブ65を閉じることによって、通常の吸引作業のみを行うことができる。
【0042】
また、上記コンプレッサーから供給される高圧の圧縮空気の量は、例えば、930kpa程度の圧力で、毎分240L/min程度に設定されている。これに対して、上記集塵用ノズル36から吸引される空気の量は、例えば、−80kpa程度の圧力で、毎分9,000L/minと圧縮空気の量に比較して非常に多く程度に設定されている。そのため、上記の如く噴射口62から圧縮空気を噴射することによる集塵用ノズル36から吸引する清掃効率への影響は、{(9000−240)/9000}×100=97.3%と低下量が微小であり、無視することができる程度のものである。
【0043】
さらに、上記集塵用ノズル36の上端面には、図12及び図13に示すように、外気取入用の弁機構67が設けられている。この集塵用ノズル36によって大量の粉塵を同時に吸引する場合などには、集塵用ノズル36の吸引用の開口部37が粉塵によって一時的に塞がれてしまい、清掃用ハンドリングパイプ60や吸引用ホース35内を流れる空気の流速がほとんどゼロとなって、清掃用ハンドリングパイプ60や吸引用ホース35の管径が小さくなるレデュース部などにおいて、吸引した粉塵が堆積して目詰まりを起こしてしまい、その後、集塵用ノズル36の吸引用開口部37を粉塵の中から取り出しても、空気の吸引が再開されずに、清掃用ハンドリングパイプ60や吸引用ホース35が詰まってしまう虞れがある。
【0044】
そこで、この実施の形態では、集塵用ノズル36の上端面に外気取入用の弁機構67が設けられており、清掃用ハンドリングパイプ60や吸引用ホース35が詰まりそうになった場合に、集塵用ノズル36内の圧力が所定値以上に高くなると、外気取入用の弁機構67が開いて外気を集塵用ノズル36の内部に取り入れて、清掃用ハンドリングパイプや吸引用ホース35内を流れる空気の流速がほとんどゼロになることを回避し、清掃用ハンドリングパイプや吸引用ホース35の詰まりを防止するように構成されている。
【0045】
上記外気取入用の弁機構67は、図13に示すように、集塵用ノズル36の上端面に開口された外気取入用開口68と、当該外気取入用開口68を開閉するため、集塵用ノズル36の上端面の裏側にネジ止め70等によって取り付けられた平板状の弁体69を備えている。この平板状の弁体69としては、例えば、所定のバネ定数を有するステンレス等の金属製の薄板から構成されており、当該平板状の弁体は、図14に示すように、長手方向に沿って平行に形成された2つの長孔71を介して、集塵用ノズル36の上端面の裏側にタッププレート72によって2箇所ネジ止めすることによって取り付けられている。
【0046】
そして、上記平板状の弁体69は、図14に示すように、所定の位置を所定の荷重で押圧することによって、所定の変形(撓み量)が得られるように、ネジ止め70の位置が調節され、集塵用ノズル36内の圧力が所定値以上に高くなると開くようになっている。
【0047】
さらに、上記集塵用ホッパ15の下端部には、図2、図4及び図8に示すように、連通部40を介して、吹込装置16の吹込槽41が、集塵用ホッパ15の内部と連通口42を介して連通した状態で設けられている。また、上記連通口42には、図10に示すように、当該連通口42を開閉する円板状のバルブ板43が開閉可能に配置されている。このバルブ板43は、図2に示すように、吹込槽41に取り付けられた排出弁44によって開閉されるようになっている。
【0048】
上記吹込槽41は、図8に示すように、その上部45が円筒形状に形成されているとともに、その下部46は、下方に向けて略円錐形状に細く形成されている。上記吹込槽41内の底部近傍には、焼結金属やパンチングメタル等からなる多孔板47が設けられており、当該多孔板47の下部には、図示しないコンプレッサーから、加圧空気を供給するための加圧空気供給用のパイプ48(図2参照)が連結されている。また、上記吹込槽41の下部46には、その底部に、当該吹込槽41の内部を洗浄する際に、外部の空気を吹込槽41内に導入するための外気導入口49が設けれており、当該外気導入口49は、図2に示すように、開閉バルブ50によって通常は閉じられている。なお、上記コンプレッサーとしては、例えば、工場に予め配置されているものがホースを介して接続されて用いられるが、当該コンプレッサーを工業用粉塵装置1に搭載するように構成しても良い。
【0049】
さらに、上記吹込槽41の上部45には、図2に示すように、上限レベルを検知するレベル計51aが取り付けられているとともに、その下部46には、下限レベルを検知するレベル計51bが取り付けられており、当該吹込槽41内の粉塵100の高さを計測可能となっている。また、この吹込槽41の下部46には、その側面に、吹込槽41内に収容された粉塵を、図示しない電気炉等の被供給部へと空気圧によって供給する吹込口52が開口されており、この吹込口52は、吐出弁53によって開閉されるように構成されている。なお、上記吹込口52の吹込槽41内に位置する部分52aは、多孔板47の上部に対向するように配置されており、当該多孔板47を通過する加圧空気によって粉塵100を確実に吹込口52に吹き込むことが可能となっている。
【0050】
なお、図2及び図4中、55は電気制御・操作盤を、56は所望の弁等を空気圧で開閉するように駆動する配管系2をそれぞれ示している。
【0051】
さらに、この実施の形態では、図15及び図16に示すように、集塵用ホッパ15の内部にて回収した粉塵が固化して、集塵用ホッパ15から取り出すことが困難となった場合に、集塵槽としての集塵用ホッパ15の内面に圧縮空気を送ることによって、集塵用ホッパ15の内部にて固化した粉塵をスムーズに排出することが可能となっている。
【0052】
上記集塵用ホッパ15の下部18は、上述したように、図2に示す如く、その前後に位置する両側壁21、22が、前側の側面21の傾斜角度が44度で、後側の側面22の傾斜角度が24度と急な斜面となるように非対称形状に形成されており、対向する両側壁21、22の間で回収した粉塵がアーチ形状に堆積して固化するのを防止するように構成されている。
【0053】
しかし、上記集塵用ホッパ15の下部18は、四角錐形状に形成されているため、円錐形状に形成した場合に比較して、集塵用ホッパ15の内面に回収した粉塵が固化した状態で付着しやすい。
【0054】
そこで、この実施の形態では、図15及び図16に示すように、集塵用ホッパ15の下部18において、その四隅の角部を断面略三角形状に閉塞する幅の狭いコーナープレート73を、四隅の角部に長手方向に沿って溶接等の手段によって設け、集塵用ホッパ15の下部18の角部に回収した粉塵が固化し難く形成されているとともに、当該コーナープレート73と集塵用ホッパ15の下部18内面との間に形成された断面略三角形状の空間74に、その上端部のノズル75から圧縮空気を所定のタイミングで送ることによって、コーナープレート73の下端部から集塵用ホッパ15の下部18内に向けて噴射される圧縮空気によって、集塵用ホッパ15の下部18内に堆積した粉塵を、エアースライダー作用によって効果的に落下させるように構成されている。なお、上記集塵用ホッパ15の角部は、特に2つの側面が接するため、回収した粉塵が付着して固化する懸念がある。
【0055】
なお、上記コーナープレートと集塵用ホッパ15の下部18内面との間に形成された断面略三角形状の空間には、その上端部から圧縮空気を送る以外に、図15に示すように、コーナープレート73の下端部近傍から送るように構成しても良い。
【0056】
また、上記コーナープレート73と集塵用ホッパ15の下部18内面との間に形成された断面略三角形状の空間74には、図15に示すように、コンプレッサー76から手動バルブ77及び配管78を介して圧縮空気が供給される。
【0057】
なお、上記コーナープレート73は、図15に示すように、集塵用ホッパ15の下部18の2/3程度の位置まで設けられている。
【0058】
また、この実施の形態では、図2に示すように、工業用集塵装置1を用いて工場等の床面の清掃作業を終了するに当たり、電気制御・操作盤55を操作して、吸引ポンプ24を回転駆動する駆動モータ25を停止させる。
【0059】
ただし、この場合には、電気制御・操作盤55を操作して、吸引ポンプ24を回転駆動する駆動モータ25を停止させるボタンを操作すると、図15に示すように、集塵用ホッパ15の上端部に設けられた自動バルブ80が、空気圧で開閉するように駆動する配管系56を介して先に開き、集塵用ホッパ15内を大気圧に戻した後に、電気制御・操作盤55に設けられたタイマー回路を介して、所定時間だけ遅延した状態で駆動モータ25を停止させるように構成されている。
【0060】
以上の構成において、この実施の形態に係る工業用粉塵装置の場合には、次のようにして、製鋼所等の工場内において、還元剤などとして使用される副原料が、粉塵として工場内に飛散したり、工場内の至る所に堆積した場合などに、この粉塵を効率よく集塵することができるのは勿論のこと、集めた粉塵を電気炉等の所望の被供給部に自動的に供給することができ、作業性及び人体への安全性を大幅に向上させることが可能となっている。
【0061】
また、この実施の形態に係る工業用粉塵装置の場合には、次のようにして、製鋼所等の工場内において、還元剤などとして使用される副原料が、粉塵として工場内に飛散したり、工場内の至る所に堆積した場合など、当該粉塵が床面に固着した場合であっても、効果的に除去して集塵することが可能となっている。
【0062】
さらに、この実施の形態に係る工業用粉塵装置の場合には、次のようにして、集塵作業を終了する際に、吸引装置が損傷したり故障することを防止することが可能となっている。
【0063】
又、この実施の形態に係る工業用粉塵装置の場合には、次のようにして、集塵用ホッパ内に回主した粉塵を容易に取り出すことが可能となっている。
【0064】
すなわち、この実施の形態に係る工業用粉塵装置1の場合には、図2に示すように、操作者が電気制御・操作盤55を操作して、吸引ポンプ24を動作させ、図9に示すように、吸引用のホース35を介して集塵用のノズル36から、製鋼所等の工場内の床面等に飛散したり堆積した粉塵100を吸引して、集塵用ホッパ15内に集めるようになっている。その際、上記集塵用ホッパ15と吹込槽41との間に設けられる連通口42は、排出弁44を動作させて、バルブ板43によって閉じた状態となっている。
【0065】
こうすることによって、上記集塵用ホッパ15の内部には、製鋼所等の工場内の床面等に飛散したり堆積した粉塵100が集塵されて収容される。この粉塵100は、例えば、還元剤として用いられる炭素(C)や酸化カルシウム(CaO)、マグネシウム(Mg)等を含有する副原料からなっている。
【0066】
その際、上記工業用集塵装置を使用する場合には、清掃対象物として、工場内の集積部の周囲や工場内の至る所に飛散して堆積した副原料としての粉塵に、油分が混入したり高含水状態となって粘性が高くなり、更に踏み固められると工場の床面に固着すると、集塵用ノズルによって吸引しただけでは、容易に除去することができなくなることがある。
【0067】
かかる場合には、図1に示すように、図示しないコンプレッサーを起動するとともに、集塵用ノズル36の清掃用ハンドリングパイプ60と平行に配設された高圧エア用チューブ64の開閉バルブ65を開いて、集塵用ノズル36に設けられた噴射口62から高圧空気を工場の床面等に噴射することにより、高圧空気の圧力によって工場の床面に固着した粉塵を容易に除去することができ、同時に工場の床面から剥離した粉塵を集塵用ノズル36によって吸引することで、周囲に飛散させることなく除去することができる。
【0068】
なお、上記噴射口62からの高圧空気の噴射は、集塵用ノズル36から吸引しながら行われるので、高圧空気が集塵用ノズル36から外部に漏出して、周囲の粉塵を巻き上げることも防止できる。
【0069】
次に、上記工業用粉塵装置1の場合には、集塵工程が終了すると、駆動モータを停止させることによって吸引ポンプ24を停止させた後、集塵用ホッパ15と吹込槽41との間に設けられた連通口42を、排出弁44を所定時間だけ動作させて、バルブ板43によって開いた状態とする。
【0070】
このとき、電気制御・操作盤55を操作して、吸引ポンプ24を回転駆動する駆動モータ25を停止させるボタンを操作すると、図15に示すように、集塵用ホッパ15の上端部に設けられた自動バルブ80が、空気圧で開閉するように駆動する配管系56を介して先に開き、集塵用ホッパ15内を大気圧に戻した後に、電気制御・操作盤55に設けられたタイマー回路を介して、所定時間だけ遅延した状態で駆動モータ25を停止させるようになっている。
【0071】
そのため、上記工業用粉塵装置1の場合には、集塵工程を終了する際に、集塵用ホッパ15内が負圧のまま、駆動モータを停止させて吸引ポンプ24を停止させる虞れがなく、集塵作業を終了する際に、吸引装置が損傷したり故障することを防止することが可能となっている。
【0072】
すると、上記集塵用ホッパ15の内部に集塵された粉塵100は、図2に示すように、自重によって吹込槽41の内部に落下するが、当該集塵用ホッパ15内の粉塵100が自重によって十分落下しない場合には、吹込槽41の内部をホースによって負圧にするようにしても良い。そして、上記吹込槽41の内部には、所定量の粉塵100が収容される。その際、上記吹込槽41内の粉塵100の量は、レベル計51a、51bによって検知される。
【0073】
また、やはり、上記集塵用ホッパ15内の粉塵100が自重によって十分落下しない場合には、吹込槽41の内部をホースによって負圧にするのではなく、図15及び図16に示すように、集塵用ホッパ15の下部18内面とコーナープレートとの間に形成された断面略三角形状の空間に、その上端部から圧縮空気を所定のタイミングで送ることによって、コーナープレートの下端部から集塵用ホッパ15の下部18内に向けて噴射される圧縮空気によって、集塵用ホッパ15の下部18内に堆積した粉塵を、エアースライダー作用によって効果的に落下させることができる。
【0074】
したがって、この実施の形態に係る工業用粉塵装置の場合には、集塵用ホッパ内に回主した粉塵を容易に取り出すことが可能となっている。
【0075】
その後、上記集塵用ホッパ15と吹込槽41との間に設けられた連通口42は、排出弁44を動作させることによって、バルブ板43により閉じられる。この状態で、今度は、操作者が電気制御・操作盤55を操作して、図示しないコンプレッサーを動作させ、図11に示すように、当該コンプレッサーによって加圧空気を吹込槽41底部の加圧空気供給用のパイプ48から供給し、吹込槽41の内部に収容された粉塵100を、多孔板47を介して供給される加圧空気によって、吹込口52から供給する。上記吹込口52から供給された粉塵は、当該吹込口52に接続された供給用のホースを介して、図示しない製鋼用の電気炉内へと供給され、当該粉塵100は、還元剤としての副原料として使用されるようになっている。
【0076】
このように、上記実施の形態に係る工業用粉塵装置1の場合には、集塵用ホッパ15の内部に集塵した粉塵100を、当該集塵用ホッパ15の下部に配設された吹込槽41へと収容した後、この吹込槽41から加圧空気によって供給用のホースを介して、図示しない製鋼用の電気炉内へと自動的に供給することができ、製鋼所等の工場内において、還元剤などとして使用される副原料が、粉塵100として工場内に飛散したり、工場内の至る所に堆積した場合などに、これらの粉塵100を効率よく集塵することができるのは勿論のこと、集めた粉塵100を電気炉等の所望の被供給部に自動的に供給することができ、作業性及び人体への安全性を大幅に向上させることが可能となっている。
【0077】
なお、上記工業用粉塵装置1は、図17に示すように、フレーム体2の上端部に取り付けたワイヤを介してクレーンKによって吊り下げることで、任意の場所に移動可能となっているとともに、製鋼所等の工場の高所においても、集塵作業を行うことが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置の集塵ノズルを示す平面図及び側面図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置を示す正面図である。
【図3】図3はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置を示す平面図である。
【図4】図4はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置を示す側面図である。
【図5】図5はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置のフレーム体を示す正面図である。
【図6】図6はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置のフレーム体を示す平面図である。
【図7】図7はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置のフレーム体を示す側面図である。
【図8】図8はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置の集塵用ホッパと吹込槽とを示す正面図である。
【図9】図9はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置の使用状態を示す説明図である。
【図10】図10は連通部の開閉機構を示す構成図である。
【図11】図11はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置の使用状態を示す説明図である。
【図12】図12(a)〜(c)はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置の集塵ノズルを示す平面図、一部破断の正面図及び側面図である。
【図13】図13(a)〜(c)はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置の集塵ノズルを示す拡大平面図、縦断面図及びA−A線断面図である。
【図14】図14(a)〜(c)は弁機構の構成部材を示す部品図である。
【図15】図15(a)〜(d)は集塵ホッパをそれぞれ示す構成図である。
【図16】図16(a)(b)は集塵ホッパの要部をそれぞれ示す構成図である。
【図17】図17はこの発明の実施の形態1に係る工業用集塵装置を吊り上げた状態を示す斜視説明図である。
【符号の説明】
【0079】
1:工業用集塵装置、2:フレーム体、15:集塵用ホッパ(集塵槽)、23:吸引装置、36:集塵用ノズル、37:吸引用開口部、62:噴射口。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工場等の床面に飛散した粉塵を吸引して集塵するための集塵用ノズルにおいて、
前記集塵用ノズルの先端には、粉塵を吸引して集塵するための吸引用の開口部が設けられているとともに、前記集塵用ノズルの吸引用開口部の内部には、当該吸引用の開口部を介して圧縮空気を床面に向けて噴射する噴射口を設けたことを特徴とする集塵用ノズル。
【請求項2】
工場等の床面に飛散した粉塵を吸引して集塵するための工業用集塵装置において、
吸引手段によって内部が負圧に保持される集塵槽と、
前記集塵槽に吸引用の管状部材を介して接続された集塵用ノズルとを備え、
前記集塵用ノズルの先端には、粉塵を吸引して集塵するための吸引用の開口部が設けられているとともに、前記集塵用ノズルの吸引用開口部の内部には、当該吸引用の開口部を介して圧縮空気を床面に向けて噴射する噴射口を設けたことを特徴とする工業用集塵装置。
【請求項3】
前記集塵用ノズルには、当該集塵用ノズル内の圧力が所定値以上となった場合に開いて外気を取り入れる外気取入用の弁機構が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の工業用集塵装置。
【請求項4】
前記集塵槽には、集塵作業を終了する際に、前記吸引手段を停止させる停止手段を操作すると、当該吸引手段の停止動作に先立って、前記集塵槽内を外部に連通させることによって大気圧に戻す自動弁が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の工業用集塵装置。
【請求項1】
工場等の床面に飛散した粉塵を吸引して集塵するための集塵用ノズルにおいて、
前記集塵用ノズルの先端には、粉塵を吸引して集塵するための吸引用の開口部が設けられているとともに、前記集塵用ノズルの吸引用開口部の内部には、当該吸引用の開口部を介して圧縮空気を床面に向けて噴射する噴射口を設けたことを特徴とする集塵用ノズル。
【請求項2】
工場等の床面に飛散した粉塵を吸引して集塵するための工業用集塵装置において、
吸引手段によって内部が負圧に保持される集塵槽と、
前記集塵槽に吸引用の管状部材を介して接続された集塵用ノズルとを備え、
前記集塵用ノズルの先端には、粉塵を吸引して集塵するための吸引用の開口部が設けられているとともに、前記集塵用ノズルの吸引用開口部の内部には、当該吸引用の開口部を介して圧縮空気を床面に向けて噴射する噴射口を設けたことを特徴とする工業用集塵装置。
【請求項3】
前記集塵用ノズルには、当該集塵用ノズル内の圧力が所定値以上となった場合に開いて外気を取り入れる外気取入用の弁機構が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の工業用集塵装置。
【請求項4】
前記集塵槽には、集塵作業を終了する際に、前記吸引手段を停止させる停止手段を操作すると、当該吸引手段の停止動作に先立って、前記集塵槽内を外部に連通させることによって大気圧に戻す自動弁が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の工業用集塵装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−192200(P2009−192200A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−36362(P2008−36362)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(505348005)株式会社 アイザック・ティ (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(505348005)株式会社 アイザック・ティ (2)
【Fターム(参考)】
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