説明

難燃剤プラスチックを生産する方法

【課題】本発明は、インサイチュでのフィラーの改変を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、ハロゲンフリー難燃剤である水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムに基づく、充填された、ハロゲンフリー自己消火性のポリマー化合物(HFFR化合物)の安価な製造方法に関する。適合性促進添加物の量の不均一な増加のみによって、そのフィラーの別個のコーティングを用いるのと類似のレオロジーおよび力学的な材料特性を有する満足いく防炎効果をもたらすという予測とは逆に、インサイチュ配合を用いると、適合性促進添加物の同じ添加量を用いる場合でさえ、コストが明らかに減少することに加え、部分的には、このようにして得られた自己消火性化合物のさらにより材料特性が達成され得ることが示された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハロゲンフリー難燃剤フィラーに基づく自己消火性ポリマー化合物の調製のための配合プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
ハロゲンフリー難燃剤フィラー(例えば、水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウム)は、ポリマーへの最適な組み込みの目的のために、および化合物の特性を改善するためにフィラー表面においてコーティングされる。これは、例えば、DE−PS 2659933に従う脂肪酸の塩を用いて、またはEP−A92233に従う酸基を含むポリマーを用いて行われる。
【0003】
フィラーとポリマーマトリクスとの間の適合剤としてのフィラー表面処理における脂肪酸誘導体およびポリシロキサンの使用が改善された材料特性をもたらすことが示された(WO96/26240)。さらに、列挙される適合剤の使用は、より経済的な、天然または合成のフィラーをより高い特性の寛容性で使用することを可能にする。しかし、より安いフィラー材料の使用によって獲得される価格の利点は、別途高いコーティング工程によって、再び部分的または完全に相殺される。コーティングおよび次の配合という高い別個の作業工程の結果として、このように生成される高品質の化合物の広範な使用は、特により低い価格分野においてしばしば不可能になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このことで、大量生産される物品(これらだけのためではないが)のためにも、ハロゲン含有またはリン含有の難燃剤化合物を、適合性促進添加物でハロゲンフリー難燃剤を改変するためのより安いプロセスへと置き換えるために、価格の面で好ましい代替を見出すという課題がもたらされた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
驚くべきことに、この課題は、請求項1に記載のプロセスによって達成され得る。このプロセスは、取り込みの際に、表面改変されていないフィラーおよび適合性促進添加物を用いてポリマーのインサイチュ配合することによる。
したがって、本発明は、以下をも提供する。
(1) a)少なくとも1つの熱可塑性または架橋可能なポリマーまたは熱可塑性エラストマー、
b)少なくとも1つのハロゲンフリーの難燃剤の水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを含むフィラーを5重量%〜90重量%、
c)適合性促進添加物であって:
i)ハロゲンフリー難燃剤フィラー100部あたり、0.01〜10部の量のポリマー脂肪酸、ケト脂肪酸、脂肪アルキルオキサゾリンまたはビスオキサゾリンからなる群より選択される少なくとも1つの脂肪酸誘導体、および必要に応じてハロゲンフリー難燃剤フィラー100部あたり、0.01〜20部の量のシロキサン誘導体、ならびに/または
ii)ハロゲンフリー難燃剤フィラー100部あたり、0.01〜10部の量の少なくとも1つの脂肪酸、およびハロゲンフリー難燃剤フィラー100部あたり0.01〜20部の量のシロキサン誘導体、
から構成される、添加物、
を含む、充填された難燃剤熱可塑性または架橋可能なポリオレフィンまたは熱可塑性産業用プラスチックまたは熱可塑性エラストマーまたはゴム混合物の調製のためのプロセスであって、
表面改変を有しない該フィラー(b)および該適合性促進添加物(c)を用いて該ポリマー(a)をインサイチュで難燃剤化合物へと処理する工程、
を特徴とする、プロセス。
(2) 前記合成水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウム、あるいは天然の水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウムを含む鉱物、あるいは天然の水酸化マグネシウムまたは天然の炭酸水素マグネシウム、あるいはそれらの混合物を、コーティングしていないハロゲンフリー難燃剤フィラーとして用いることを特徴とする、項目1に記載のプロセス。
(3) 前記ハロゲンフリー難燃剤フィラーが70重量%のフィラーの量まで、炭酸カルシウムを置き換えることを特徴とする、項目1または2に記載のプロセス。
(4)個々の成分がニーダーにおいて配合される、項目1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。
(5)前記ポリマーまたは前記ポリマー系がローリングミルにおいて直接溶融された後、個々の成分がローリングミル内で配合されることを特徴とする、項目1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。
(6)前記配合は、コニーダーによって実施されることを特徴とする、項目1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。
(7)前記配合は、ツインスクリューの押し出し機において行われることを特徴とする、項目1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。
(8)前記配合は、連続ミキサにおいて行われることを特徴とする、項目1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。
【0006】
このプロセスを用いると、適合性促進添加物の量の不均一な増加のみによって、そのフィラーの別個のコーティングを用いるのと類似のレオロジーおよび力学的な材料特性を有する満足いく防炎効果をもたらすという予測とは逆に、インサイチュ配合を用いると、適合性促進添加物の同じ添加量を用いる場合でさえ、コストが明らかに減少することに加え、部分的には、このようにして得られた自己消火性化合物のさらにより良好な材料特性が達成され得ることが示された。
【0007】
ハロゲンフリー難燃剤フィラーおよび適合性促進添加物を用いる本発明に従うインサイチュ配合プロセスは、好ましくは、熱可塑性または架橋可能なポリオレフィン、熱可塑性エラストマーおよびゴム化合物の防炎仕上げのために適切である。いくつかの例は、ポリエチレンおよびそのコポリマー、ポリプロピレンおよびそのコポリマー、ポリアミド、脂肪族ポリケトンまたはエチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)およびスチレンブタジエンゴム(SBR)である。
【0008】
有効な防炎仕上げのためのマグネシウムの適切な水酸化物は、例えば、天然のMg(OH)型(例えば、水滑石(brucite;ブルーサイト)など)または海水型、天然のヒドロキシ炭酸マグネシウム(例えば、ハンタイル(huntile)または水苦土石(hydromagnesite;ヒドロマグネサイト)など)、あるいは例えば商標MAGNIFIN(登録商標)としてMartinswerk GmbHにより販売される合成水酸化マグネシウムである。マグネシウムの水酸化物は、好ましくは高温範囲において(すなわち、約340℃までで処理され得るポリマー、好ましくは熱可塑性または架橋可能なポリオレフィン、熱可塑性エラストマーおよびゴム化合物において)防炎仕上げとして使用される。
【0009】
アルミニウムの適切な水酸化物は、例えば、天然のAl(OH)含有物質(例えば、水礬土石またはギブス石など)、(Al・xHO)含有物質(ここでx<3)(例えば、ベーマイト、または例えば、Martinswerk GmbH(Bergheim(Germany))により商標MARTIFIN(登録商標)もしくはMARTINAL(登録商標)で販売される合成アルミニウム水酸化物)である。アルミニウムの水酸化物は、特に、熱可塑性または架橋可能なポリオレフィン(例えば、ポリエチレンなど)、そのコポリマー(例えば、エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)など)、またはそのゴム混合物(これらは、約200℃までで処理され得る)とともに化合物において便利に用いられる。
【0010】
充填されるポリマーの要求される適切なプロファイルに依存して、列挙されるアルミニウムの水酸化物および/またはマグネシウムの水酸化物は、単独でまたは任意の混合比で用いられ得、そしてまた、剥離挙動、硬度の挙動もしくは風化挙動)を制御するために、1つ以上のアルミニウム、マグネシウム、チタンもしくはジルコニウムの酸化物またはさらなるフィラー材料(例えば、炭酸カルシウム、タルクまたは焼成粘土もしくは無焼成粘土など)と混合して用いられ得る。列挙される酸化物は、取引上の品質制御の慣習において用いられ得る。
【0011】
関連するポリマーマトリクスにおけるフィラーのレベルは、防炎の所望の程度とは独立して変動し、原則として、その化合物の5重量%と90重量%との間、好ましくはその化合物の約20重量%と約70重量%との間である。
【0012】
本発明に従って、ハロゲンフリーの難燃剤フィラーのインサイチュ配合は、ポリマー脂肪酸、ケト脂肪酸、脂肪アルキルオキサゾリン、脂肪アルキルビスオキサゾリンおよび必要に応じてシロキサン誘導体からなる群より選択される脂肪酸誘導体を有する改変体において、あるいは脂肪酸およびシロキサン誘導体を有する別の改変体において生じる。
【0013】
ポリマー脂肪酸とは、対応する脂肪酸のオリゴマー化(例えば、二量体化または三量体化)によって調製される化合物を意味する。適切な代表例は、例えば、ポリステアリン酸、ポリラウリル酸またはポリデカン酸(Henkel Referate 28,1992,p.39ff)である。
【0014】
ケト脂肪酸とは、ケト基含有脂肪酸を意味し、好ましくは10〜30のC原子を有する。ケト脂肪酸の好ましい代表例は、ケトステアリン酸(Henkel Referate
28,1992,p.34ff)である。
【0015】
脂肪酸アルキルオキサゾリンとは、2位にアルキルまたはヒドロキシアルキルが置換されたオキサゾリンを意味する。アルキル基は、好ましくは、7〜21のC原子を有する。ビスオキサゾリンとは、ジイソシアネートとの反応によってヒドロキシアルキルオキサゾリンから合成される化合物である。好ましい代表例は、例えば、2‐ウンデシル‐オキサゾリン(Henkel Referate 28,1992,p.43ff)である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下の説明において、量は、重量あたりの部で与えられる。
【0017】
上記の脂肪酸誘導体は、単独でまたは組み合わせのいずれかで、100部のフィラーあたり、0.01〜10部、好ましくは0.05〜5部の量で使用される。
【0018】
脂肪酸とは、第二の改変では、飽和または不飽和のいずれかの天然の脂肪酸(好ましくは10〜30のC原子を有する)、一不飽和または多不飽和のヒドロキシ脂肪酸(好ましくは10〜30のC原子を有し、例えば、ヒドロキシネルボン酸またはリシノレイン酸など)、あるいは飽和ヒドロキシ脂肪酸(例えば、ヒドロキシステアリン酸など)、ならびに以前の化合物の誘導体を意味する。適切な天然の脂肪酸は、例えば、ステアリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、またはリノレイン酸である。脂肪酸塩または改変された脂肪酸(例えば、ステアリン酸グリシジルメタクリレート)は、脂肪酸誘導体として使用され得る。飽和脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸あるいはそれらの誘導体が好ましくは使用される。
【0019】
上記の脂肪酸は、100部のフィラーあたり、0.01〜10部、好ましくは0.05〜5部の量で、単独でまたは組み合わせのいずれかで使用され得る。
【0020】
脂肪酸に関する改変体において、シロキサン化合物は、必要とされる特性プロファイルを達成するために絶対必要である。
【0021】
シロキサン成分の加えられる量は、100部のフィラーあたり、0.01〜20部、好ましくは、0.05〜10部である。
【0022】
適切なシロキサン誘導体は、オリゴアルキルシロキサン、ポリジアルキルシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサンなど)、ポリアルキルアリールシロキサン(例えば、ポリフェニルメチルシロキサンなど)またはポリジアリールシロキサン(例えば、ポリフェニルシロキサンなど)である。
【0023】
上記のシロキサンは、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、カルボキシ基、またはグリシジル基などのような反応基で官能基化され得る。
【0024】
必要に応じて上記の基で官能基化された、高分子量のポリジアルキルシロキサンが、シロキサン誘導体として好ましく用いられる。
【0025】
特定の経済的な化合物を調製するために、好ましい実施形態のハロゲンフリー難燃剤フィラーにおいて、70重量%までのフィラー、好ましくは50重量%までのフィラーが、炭酸カルシウムによって置き換えられ得、防炎効果における減少が伴い得る。
【0026】
液体凝集状態で部分的に存在する適合性促進添加物は、例えば、発熱性(pyrogenic)ケイ酸または沈降(precipitation)ケイ酸のようなキャリア材料とともに使用され得る。
【0027】
好ましい発熱性ケイ酸は、DegussaからのAerosil(登録商標)型である。好ましい沈降ケイ酸は、DegussaからのSipernat(登録商標)型である。
【0028】
上記のキャリア材料は、100部のフィラーあたり、0.1〜10部の量で、適合性促進添加物とは独立して使用され得る。
【0029】
特許請求の範囲の請求項1に従って得られた、充填された化合物はまた、繊維状強化因子を含み得る。
【0030】
繊維状材料としては、例えば、ガラス繊維、ストーン繊維(stone fibre)、金属繊維、多結晶セラミック繊維(単結晶、いわゆる「ウイスカー」を含む)、および合成ポリマーに由来する類似のすべての繊維(例えば、アラミド繊維、カーボン繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維およびポリエステル繊維など)が挙げられる。
【0031】
所望の場合、その化合物は、適切な色素および/または着色料および/またはさらなる用途特異的添加物もしくは補助剤(例えば、ポリエチレンろう)またはまたプラスチック系もしくはそれらの混合物を安定化するための安定化剤とともに提供され得る。
【0032】
さらに、例えば、トリアリルシアヌレートおよび/または過酸化物類のような架橋剤が、その化合物がさらなる処理工程において架橋されるべき場合に添加され得る。
【0033】
インサイチュ配合のために、充填されていないポリマーは、処置されていないハロゲンフリーの難燃剤フィラーとともに、適切なミキサ、好ましくは高い剪断力を有するミキサにおいて言及される添加物とともに便利に提供される。この添加は、種々の温度で、特定の時間間隔で選択されたシーケンスで、およびその添加物に適合されたプロセスパラメータを用いて行われ得る。同様に、ハロゲンフリーの難燃剤フィラーとのその添加物のプレミックスをそのミキサに供給することも可能である。
【0034】
好ましいバージョンにおいて、その配合は、例えば、Werner&Pfleiderer社からのインターロッキングローターシステムを有するGK E 5などのニーダーにおいて行われる。
【0035】
さらなる好ましいバージョンにおいて、その配合は、例えば、Collin社からのW150M型加熱可能なローリングミルにおいて行われる。適合性促進添加物および必要に応じてさらなる凝集物で処置されていないフィラーは、ローリングミルにおいてそれまでに融解されたポリマーに加えられる。選択されたシーケンスでの添加は、種々の温度で特定の時間間隔で、およびその添加物に適合したプロセスパラメータを用いて行われ得る。
【0036】
さらなる配合凝集物として、本発明に従うプロセスのために、例えば、Buss Compounding Systems AG社(Pratteln、Switzerland)により製造されるツインスクリュー押し出し機または共ニーダー、またはいわゆる連続ミキサ(例えば、Farrel社(Ansonia,Conneticut,U.S.A.)により販売される)などの当該分野において慣用されるさらなる混合凝集物が使用され得る。
【実施例】
【0037】
本発明の実施例において、phrとは、ポリマー100重量部あたりの重量部数を意味する。
【0038】
(実施例V1(比較))
150phrのコーティングされていない水酸化マグネシウムフィラー(MDH)MAGNIFIN(登録商標)H5(Martinswerk GmbH)をニーダーGK5E(Werner&Pfleiderer;回転速度50rpm、冷却水温度50℃、機械充填レベル75%)中で、インサイチュで、0.4phrの抗酸化剤Irganox(登録商標)1010(Ciba)を添加して処理して100phrのエチレン/酢酸ビニルポリマー(EVA)Escorene Ultra(登録商標)UL00119(EVA,19重量%VAコポリマー、Exxon)を有する化合物を形成させた。その混合物を180℃の配合温度でやめた。
【0039】
(実施例V2(比較))
WO96/26240に記載されるように、10kgのMDHフィラーMAGNIFIN(登録商標)H5を、脂肪酸混合物Pristerene(登録商標)4900(フィラーの1.5重量%、Unichema Chemie)およびシリコーンオイルAK150(フィラーの0.3重量%、Wacker Chemie)を用いてHenschelミキサ中でコーティングした。
【0040】
150phrのこのようにコーティングしたMDHフィラーを実施例V1のように処理して、100phrのEscorene Ultra(登録商標)UL00119および0.4phrのIrganox(登録商標)1010を有する化合物を形成させた。この混合を、180℃の配合温度でやめた。
【0041】
(実施例1)
150phrのコーティングされていないMDHフィラーMAGNIFIN(登録商標)H5を、実施例V1に記載されるニーダー中で0.4phrのIrganox(登録商標)1010、シリコーンオイルAK150(フィラーの0.3重量%)およびPristerene(登録商標)4900(フィラーの1.5重量%)を加えてインサイチュで処理して、100phr Escorene Ultra(登録商標)UL00119を形成した。混合を180℃の配合温度でやめた。
【0042】
(実施例2)
80phr Escorene Ultra(登録商標)UL00328(EVA、27重量%、VAコポリマー、EXXON)および20phr mLLDPE ML2518FL(Exxon)を、150phrのコーティングされていない水酸化アルミニウムフィラー(ATH)MARTINAL(登録商標)ON4608(Martinswerk GmbH)、シリコーンオイルAK150(フィラーの0.5重量%)、Pristerene(登録商標)4912(フィラーの2.5重量%、Unichema Chemie)および0.5phr Irganox(登録商標)1010を用いて130℃のロール温度でローリングミル中でインサイチュで配合した。第一に、このポリマー系をシートが形成されるまでロール上で融解した。次いで、コーティングされていないフィラーおよび添加物を添加した。配合時間は35分であった。
【0043】
(実施例V3(比較))
WO96/26240に記載されるように、10kgのコーティングされていないATHフィラーMARTINAL(登録商標)ON4608を、Pristerene(登録商標)4912(フィラーの2.5重量%)およびシリコーンオイルAK150(フィラ
ーの0.5重量%)を用いてHenschelミキサにおいてコーティングした。150phrのこのようにコーティングしたATHフィラーを80phr Escorene Ultra(登録商標)UL00328および20phr mLLDPE ML2518FLを130℃のロール温度で用いてローリングミル上で配合した。第一に、このポリマー系をシートが形成されるまでそのロール上で融解した。次いで、このコーティングされたフィラーおよび0.5phr Irganox(登録商標)1010を加えた。配合時間は35分であった。
【0044】
(実施例V4(比較))
186phrのコーティングされていないMDHフィラー(MDH)MAGNIFIN(登録商標)H5および100phrのNovolen(登録商標)3200 H(BASELL)を、175℃のロール温度でローリングミル上で配合した。第一に、このポリマーを、シートが形成されるまでそのロール上で融解した。次いで、コーティングされていないフィラーを加えた。配合時間は35分であった。
【0045】
(実施例3)
186phrのコーティングされていないMDHフィラーMAGNIFIN(登録商標
)H5および100phrのNovolen(登録商標)3200Hを、175℃のロール温度でローリングミル上でシリコーンオイルAK150(フィラーの0.5重量%)およびPristerene(登録商標)4912(フィラーの1.0重量%)を加えてインサイチュで配合した。第一に、このポリマーを、シートが形成されるまでそのロール上で融解した。配合時間は35分であった。
【0046】
(実施例V5(比較))
10kg MDHフィラーMAGNIFIN(登録商標)H5を、WO96/26240に記載されるように、Pristerene(登録商標)4912(フィラーの1.0重量%)およびシリコーンオイルAK150(フィラーの0.5重量%)を用いて、Henschelミキサにおいてコーティングした。
【0047】
186phrのこのようにコーティングしたMDHフィラーを175℃のロール温度で100phrのNovolen(登録商標)3200Hを用いてローリングミル上で配合した。第一に、このポリマー系を、シートが形成されるまでロール上で融解した。次いで、コーティングされたフィルターを加えた。配合時間は35分であった。
【0048】
適用実施例の試験されたパラメータの試験結果を表1に示す。
【0049】
表に対する凡例および測定方法:
ポリプロピレン化合物についての押し出しされた試験片における張力強度/破壊時の伸長:DIN53455に従う。
【0050】
EVA化合物についての押し出しされパンチされた試験片における張力強度/破壊時の伸長:DIN53504に従う。
【0051】
融解流指数(MFI):DIN53735に従う。
【0052】
比抵抗:DIN53482に従う。
【0053】
n.m.:測定せず。
【0054】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【公開番号】特開2009−13419(P2009−13419A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218814(P2008−218814)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【分割の表示】特願2002−571584(P2002−571584)の分割
【原出願日】平成14年1月28日(2002.1.28)
【出願人】(594066006)アルベマール・コーポレーシヨン (155)
【Fターム(参考)】