雨天養生システム
【課題】この発明は、建築中の建物の上側を覆うテントや、雨や日除けのために張られる一般テント等に使用される雨天養生システムに関する。
【解決手段】この発明の雨天養生システムは、建設中の建物Hの周囲に組立てられた足場Uに当該建物Hの上方を覆うように切妻状に固定されたテント用シート1と、該テント用シート1の両妻側の下方に所定間隔空け、段重ねして勾配方向に並列するように前記足場Uに固定されてなる庇テントRとを具備すると共に、テント用シート1には風抜き口7を形成されており、前記間隔21と前記風抜き口7から風を抜くことができる。
【解決手段】この発明の雨天養生システムは、建設中の建物Hの周囲に組立てられた足場Uに当該建物Hの上方を覆うように切妻状に固定されたテント用シート1と、該テント用シート1の両妻側の下方に所定間隔空け、段重ねして勾配方向に並列するように前記足場Uに固定されてなる庇テントRとを具備すると共に、テント用シート1には風抜き口7を形成されており、前記間隔21と前記風抜き口7から風を抜くことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築中の建物の上側を覆い、雨や太陽光等から当該建物を守るために使用される雨天養生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建築現場において養生のために足場の上部等にテントを張設することや、雨や日除けのためにパイプ等で組んだ骨組みにテントを張設することは周知である。例えば、木造住宅を建築する際には、屋根が施工されるまで降雨により柱材等が濡れることを防いだり、日除けとして、建築中の建物を覆うテントが張設される。このようなテントは、足場や建物に適宜固定されて張設されているが、該テントが風を受けた場合にはその風圧が足場等に作用し、風が強い場合には足場や建物が損壊するおそれもあるので、テントを外すようにしていた。
【0003】
これに対し、開口を設けて風を逃がすテント用シートが考案されている。例えば、図9に示すように、勾配上側のシート帯100A,100Bの下端部が勾配下側のシート帯100B,100Cの上端部の上に夫々段重ねされて勾配方向に並列して配置され、各シート帯100と直交し且つ所定間隔を空けて配置されている複数の固着ライン101により、シート帯100Bを勾配上下側に隣接するシート帯100A,100Cに対して弛ませることでシート帯弛緩部Pを形成し、また、これにより風抜き口102AB,102BCが形成されるように、シート帯100A,100B,100Cが固着され切妻状に足場等に固定されるテント用シート103である。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
【特許文献1】特開2005−330756号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の発明に係るテント用シート103においては、風抜き口102AB,102BCが設けられているので、強い風が吹いた際にもこれらから風が抜け、該テント用シート103を取付けている足場等への負担は小さくなっている。しかし、建設中の戸建住宅等が大きくなるにつれて、使用されるテント用シートの面積は大きくなる。そのため、前述のようにテント用シートが取付けられる足場等の負担もそれに伴い大きくなり、耐え切れなくなった足場等が損壊する、という問題が生じる可能性がある。
【0006】
本発明は、これらの点に鑑みてなされたものであり、建築中の建物の上側を覆い、雨や太陽光等から当該建物を守るために使用される設備において、雨水が浸入することなく、吹き上げる風及び吹きつける風のいずれに対しても風を逃がすことができ、さらに、雨水が溜まることのない雨天養生システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の雨天養生システムは、建設中の建物の周囲に組立てられた足場に当該建物の上方を覆うように切妻状に固定されたテント用シートと、該テント用シートの両妻側の下方に所定間隔空け、段重ねして該テント用シートの勾配方向に並列するように前記足場に固定されてなる庇テントと、を具備することを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の雨天養生システムは、前記テント用シートは、前記足場の一端側から他端側へ該テント用シートの棟方向に開閉自在であることを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の雨天養生システムは、前記庇テントは、前記テント用シートの開閉方向と直交する方向に前記足場に固定された支点を中心に回動自在であることを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の雨天養生システムは、前記テント用シートは、複数の横方向に長尺な可撓性のシート帯を勾配上側のシート帯の下端部が勾配下側のシート帯の上端部の上に段重ねして勾配方向に並列して配置されるようにこれらシート帯と直交し且つ所定間隔を空けて配置されている複数の固着ラインに固着し、この各シート帯を横方向に固着ラインによって区分して形成される多数のシート帯区分は隣接する2つの固着ラインに緊張して張るように固着されたシート帯緊張部と該シート帯緊張部の勾配方向の上下側において該シート帯緊張部に対して弛緩するように固着されたシート帯弛緩部とを有することにより、シート帯緊張部とシート帯弛緩部の段重ねした箇所において風抜き口が形成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項5記載の雨天養生システムは、前記庇テントが、前記テント用シートと同様の構成であることを特徴としている。
【0012】
請求項6記載の雨天養生システムは、前記テント用シート、及び、前記庇テントの勾配面において千鳥状に、前記シート帯弛緩部が設けられたことを特徴としている。
【0013】
請求項7記載の雨天養生システムは、前記テント用シート、及び、前記庇テントの少なくとも一方の前記シート帯弛緩部の裏面にネットが設けられたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の雨天養生システムによれば、切妻状に足場に固定されたテント用シートと、該テント用シートの両妻側の下方に所定間隔空け、段重ねして勾配方向に並列するように前記足場に固定された庇テントと、を具備している。そのため、例えば建設中の建物等が大きい場合において、本発明に係る雨天養生システムを使用する際に、切妻状に固定されたテント用シートと、庇テントとの間は所定間隔空けられているので、当該間隔から風が抜けるため、これらを固定する足場にかかる負担を軽減することができ、該足場等の損壊を防ぐことができる。さらに、切妻状に固定されたテント用シートだけで、建設中の建物等を覆う場合と比較して、当該テント用シートの面積を小さくすることができ、これらを固定する足場等にかかる負担をより軽減することができる。
【0015】
請求項2記載の雨天養生システムによれば、前記テント用シートは前記足場の一端側から他端側へ該テント用シートの棟方向に開閉自在である。そのため、作業中に突然雨が降ってきた際にも、建物の上方を覆うようにテント用シートを素早くを広げれば、建設中の建物等が雨水に晒される心配がない。また、雨が止んだ際にも建物の上方を素早く開放することができ、すぐに作業に取りかかることができ、さらに、クレーン等も使用可能となる。
【0016】
請求項3記載の雨天養生システムによれば、前記庇テントは前記テント用シートの開閉方向と直交する方向に足場に固定された支点を中心に回動自在である。そのため、作業中に突然雨が降ってきた際にも素早く当該庇テントを設置することができ建設中の建物等が雨水に晒される心配がない。また、雨が止んだ際にも庇テントを素早く折畳むことができ、すぐに作業に取りかかることができるという利点がある。
【0017】
請求項4記載の雨天養生システムによれば、テント用シートは、複数の横方向に長尺な可撓性のシート帯を勾配上側のシート帯の下端部が勾配下側のシート帯の上端部の上に段重ねして勾配方向に並列して配置したので、勾配に従って流れ落ちる雨水がシート帯間から内側へ浸入することがなく、且つ、シート帯緊張部とシート帯弛緩部の段重ねした箇所において風抜き口が形成されているので、吹き上げる風に対しては該シート帯と勾配下側のシート帯との間に形成された風抜き口が開口して風を逃がし、吹きつける風に対しては該シート帯と勾配上側のシート帯との間に形成された風抜き口が開口して風を逃がす。これにより、吹き上げる風及び吹きつける風のいずれに対しても風を逃がしてテント用シートに作用する風圧を軽減することができ、また、風抜き口が開口した状態でも雨水が浸入しない。
【0018】
請求項5記載の雨天養生システムによれば、庇テントが、前記テント用シートと同様の構成である。そのため、切妻状に固定されたテント用シートだけでなく、庇テントにおいても、前述のように雨水の浸入を防ぐと共に、風の通りをよくすることができ、これらが固定される足場等にかかる負担をさらに軽減することができる。
【0019】
請求項6記載の雨天養生システムによれば、前記テント用シート、及び、前記庇テントの勾配面において千鳥状に、前記シート帯弛緩部が設けられているので、テント用シートの全面に平均して多数の風抜き口を形成することができ、局所的に大きな風圧を受けることがない。
【0020】
請求項7記載の雨天養生システムによれば、前記テント用シート、及び、前記庇テントの少なくとも一方の前記シート帯弛緩部の裏面にネットが設けられている。そのため、シート帯におけるシート帯弛緩部の弛みをネットが規制するため、勾配に従って流れる雨水が該シート帯弛緩部に溜まることがなく、雨水がシート帯表面をスムーズに流れる落ちる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
この発明の雨天養生システムにおける最良の実施形態について、以下に説明する。この実施例の雨天養生システムは、図1に示すように、建設中の建物Hの周囲に組立てられた足場Uに当該建物Hの上方を覆うように切妻状に固定されたテント用シート1と、該テント用シート1の両妻側の下方に所定間隔空け、段重ねして勾配方向に並列するように前記足場Uに固定されてなる庇テントRとを具備している。
【0022】
そして、前記テント用シート1は、図3乃至7に示すように、複数の横方向に長尺な可撓性のシート帯2を勾配上側のシート帯2の下端部が勾配下側のシート帯2の上端部の上に段重ねして勾配方向に並列して配置されるようにこれらシート帯2と直交し且つ所定間隔を空けて配置されている複数の固着ライン3に固着し、この各シート帯2を横方向に固着ライン3によって区分して形成される多数のシート帯区分4は隣接する2つの固着ライン3に緊張して張るように固着されたシート帯緊張部5と該シート帯緊張部5の勾配方向の上下側において該シート帯緊張部5に対して弛緩するように固着されたシート帯弛緩部6とを有することにより、シート帯緊張部5とシート帯弛緩部6の段重ねした箇所において風抜き口7が形成されている。
【0023】
図1に示すように、切妻状に形成されたテント用シート1は、複数の可撓性のシート帯2A〜2F,2Xが一部重ねられて勾配方向に並列されており、3つのシート帯2A〜2Cと、3つのシート帯2D〜2Fとが各勾配面を夫々形成するように構成され、棟に相当する中央部にシート帯2Xが設けられている。テント用シート1の棟に相当する中央部が足場U間に架設されたワイヤ10a上に載せられて、又は、テント用シート1に設けられたハト目や布テープ等の連結部11を介してカラビナ等で吊り下げられて、ワイヤ10aから各勾配面が垂れ下がるように切妻屋根状にテント用シート1が張られる。そして、軒先に相当する縁部や、固着ライン3上に適宜設けられた、ハト目や布テープ等の連結部11にもワイヤ10bが挿通されて足場Uや建築物(不図示)に固定されている。また、連結部11の取付け位置や、数等はテント用シート1の大きさや形状、また、足場Uの大きさや形状等によって適宜変更することができる。
【0024】
また、テント用シート1はワイヤ10aに対して摺動可能であり、各シート帯2A〜2Fは可撓性であるので、テント用シート1の縁部を足場Uから外して該足場Uの一方側から他方側へテント用シート1の棟方向である、図1に示す矢印M方向に開閉することができ、当該テント用シート1で覆われていた足場Uの上部を開放することができる。なお、このようなテント用シート1の張設方法は一例であって、必ずしも切妻屋根状に張設する必要はなく、所定の勾配で張設するのであれば片流れ屋根や差掛け屋根のような形状にテント用シート1を張設してもよい。
【0025】
シート帯2A〜2F,2Xは、織布、樹脂シート若しくは織布に樹脂をコーティングしたもの等からなり、防水性を有し且つ軽量のものが好適である。本願実施例では、例えば約900mm幅の6枚のシート帯2A〜2Fを3枚ずつで1つの勾配面としているが、シート帯2の幅や勾配面当りのシート帯2の並列数は適宜変更することができる。また、3枚のシート帯2A〜2Cにより構成される勾配面と、他の3枚のシート帯2D〜2Fにより構成される勾配面とは同様であるので、切妻屋根状に張設されるテント用シート1の片側の勾配面を構成する各シート帯2A〜2Cを例に説明する。
【0026】
本願実施例における各シート帯2A〜2Cは、例えば図3に示すように、勾配方向に並列して、即ち長手方向が勾配方向と直交するようにして、勾配上側から勾配下側へシート帯2A,2B,2Cの順序で配置されており、勾配上側のシート帯2Aの下端部が勾配直下側のシート帯2Bの上端部の上に段重ねされ、該シート帯2Bの下端部が更に勾配直下側のシート帯2Cの上端部の上に段重ねされている。各シート帯2A〜2Cの重ね代は、勾配面に従って流れ落ちる雨水が重ね合わせ部分からテント用シート1の内側へ浸入せず、且つ、風抜き口7が開口し易いように設定し、例えば本願実施例のように約900mm幅の各シート帯2A〜2Cであれば約300mm程度が好適であるが、これらの重ね代は適宜変更することができる。
【0027】
このように、各シート帯2が夫々段重ねされて勾配方向に並列に配置された各シート帯2A〜2Cは、図2に示すように、所定間隔、例えば約900mm間隔で、こららシート帯と直交し且つ所定間隔を空けて配置されている複数の固着ライン3に固着されることにより一体とされるが、図5に示すように、この各シート帯2を横方向に固着ライン3によって区分して形成される多数のシート帯区分4は、隣接する2つの固着ライン3に緊張して張るように固着されたシート帯緊張部5と該シート帯緊張部5の勾配方向の上下側において該シート帯緊張部5に対して弛緩するように固着されたシート帯弛緩部6とから形成されている。詳細には、図5に示すように、シート帯2Bの固着ライン3で挟まれたシート帯区分42Bの長手方向の距離を、その勾配上側のシート帯2Aのシート帯区分42A及び勾配下側のシート帯2Cのシート帯区分42Cの長手方向の距離である約900mmより大きくすることでシート帯区分42Bに、シート帯弛緩部6を形成している。これにより、シート帯2Bにおけるシート帯弛緩部6の上端部とシート帯2Aにおけるシート帯緊張部5の下端部とを段重ねした箇所、及びシート帯2Bにおけるシート帯弛緩部6の下端部とシート帯2Cにおけるシート帯緊張部5の上端部とを段重ねした箇所に開口が形成され、該開口が夫々風抜き口7AB,7BCとなっている。
【0028】
シート帯2Cでは、各固着ライン間において間欠して、即ち、図3に示すように、シート帯区分44C,46Cにおいて、前記シート帯区分42Cと同様のシート帯弛緩部6が設けられ、その上端部及び下端部に風抜き口7が夫々形成されている。その他のシート帯2A,2Bでも同様のシート帯弛緩部6が設けられているが、各シート帯弛緩部6は、シート帯2A〜2Cにより構成される勾配面において千鳥状に設けられている。即ち、シート帯2Aでは、シート帯2Cと同様に、シート帯区分42A,44A,46Aにシート帯弛緩部6が設けられ、シート帯2Bでは、シート帯2A,2Cにおいてシート帯弛緩部6が設けられない間欠部分であるシート帯区分41B,43B,45B,47Bにシート帯弛緩部6が設けられている。そして、各シート帯2A〜2Cのシート帯弛緩部6における弛み部Yの寸法は風抜き口7とする開口の大きさを考慮して設定され、本願実施例においては、例えば約1000mmとなっているが、これらの寸法は適宜変更することができる。
【0029】
シート帯弛緩部6の裏面には、図8に示すように、ネット8が設けられている。そして、本願実施例においてネット8は、例えば樹脂製若しくは布製からなり、その網目の大きささが例えば約10mm角程度のネット8が好適である。さらに本願実施例においては、図8に示すネット8の弛み部Zは、シート帯弛緩部6における弛み部Yの寸法よりも若干短く、例えば、約950mmに形成されている。そして、これらのネット8の取付け位置は風抜き口7の開口を妨げることがないように、ネット8がシート帯弛緩部6における弛み部Yよりも勾配下方向に設けられることが好ましい。しかし、ネット8の取付け位置及び大きさは、本願実施例に限定されるものではなく、シート帯2の大きさや、勾配等によって適宜変更することができる。
【0030】
このように、切妻状に形成されたテント用シート1は、図3乃至図8に示すように、千鳥状にシート帯弛緩部6が形成され、各シート帯2A〜2C及びネット8が各固着ライン3に縫合するようにして固着されている。そして、図には詳細に示していないが、切妻屋根状に張設されるテント用シート1の他の勾配面を構成するシート帯2D〜2Fも同様に、千鳥状にシート帯弛緩部6が形成され、各固着ライン3に縫合するようにして固着されている。また、各勾配面の最上側となるシート帯2Aとシート帯2Dとは、図2及び図3に示すように、シート帯2A,2Dの上端部にシート帯2Xが段重ねされて各固着ライン3に縫合するようにして固着され、1枚のテント用シート1が構成されている。なお、本願実施例では、各シート帯2A〜2F,2Xを縫合することにより固着ライン3に縫合するようにして固着しているが、接着剤による接着や熱融着等の他の固着手段を用いてもよい。
【0031】
そして、庇テントRは、テント用シート1と同様の構成であり、複数の可撓性のシート帯2G〜2Iが一部重ねられて勾配方向に並列されるようにして形成されている。詳細な構成はネット8が設けられていないこと以外は、切妻状に形成されたテント用シート1と同様であるので省略するが、この場合にも、テント用シート1はシート帯2G〜Iが縫合され、前述のようにシート帯緊張部5、及びシート帯弛緩部6が形成されることで風抜き口7が形成されている。
【0032】
庇テントRは、図2に示すように、切妻状に形成されたテント用シート1の両妻側の下方に所定間隔空け、段重ねして勾配方向に並列して配置されている。この場合には、前述の切妻状に形成されたテント用シート1と同様にシート帯弛緩部7の裏面にネット8を設けてもよいが、本実施形態においては、庇テントRに使用されるテント用シート1にはネット8を設けていない。これは、後述のように庇テントRとしてテント用シート1を使用する際には枠部12に取付けられるため、該枠部12の剛性により庇テントRの上面には雨水が溜まりにくくネット8を使用せずとも足場Uへの負担を十分に軽減できるからである。また、庇テントRに使用されるテント用シート1の大きさや形状、及び枠部12や、さらには足場U等への取付方法は適宜変更することができる。
【0033】
そして、庇テントRは、図9、及び図10に示すように、その一辺が取付具13を介して足場Uに回転自在に取付けられた略矩形の枠部12に取付けられている。そして、一端側が前記枠部12の勾配方向に架設される縦側片部材14に回転自在に取付けられ、他端側が取付具13を介して回動自在に足場Uに取付けられた支持部材15によって該枠部12は支持されている。また、支持部材15は、図10の2点鎖線で示されるように、一端側が足場Uに回転自在に取付けられた第1の支持部材16に、縦側片部材14に一端側が回転自在に取付けられた第2の支持部材17を挿入するようにして構成されている。そして、第2の支持部材17の下端部が取付具13とが当接するまで第1の支持部材16に挿入されることで、庇テントRは所定勾配を保持した状態で足場Uに固定されている。そのため、晴天の時等、庇テントRを使用しない場合には図10に示す2点鎖線に示すように、足場Uに沿わせるように、当該庇テントRをテント用シート1の開閉方向と直交するように折畳むことができる。また、庇テントRの勾配は、水平方向に対して例えば20度程度の角度で保持されていることが好ましいが、これらの角度は適宜変更することができ、また、枠部12には、図11に示すように、補強のためにブレース18等を該枠部12に設けることもできる。
【0034】
そして、図2に示すように、切妻状に形成されたテント用シート1の妻部分と庇テントRの端部との重なり部分19は、例えば800mm程度設けられていることが内部に雨水が浸入せず、効果的に風を抜くことができるので好ましいが、当該重なり部分19の幅は適宜変更することができる。また、庇テントR、若しくは、切妻状に形成されたテント用シート1と、建設中の建物Hとの間20は、例えば作業スペースとして少なくとも1500mm程度確保されていることが好ましく、さらには2000mm程度確保されていることがより好ましい。
【0035】
以下、図5に示す、切妻状に形成され足場Uに固定されるシート帯区分42A,42B,42Cにおける風抜き口7AB,7BCを例に、吹き上げる風及び吹きつける風の抜け方及び雨水の流れ方について説明する。
【0036】
図5に示すように、シート帯2Bのシート帯区分42Bにシート帯弛緩部6を形成し、シート帯2Bのシート帯弛緩部6の上端部と、シート帯2Aのシート帯緊張部5の下端部との段重ねした箇所、及びシート帯2Bのシート帯弛緩部6の下端部と、シート帯2Cのシート帯緊張部5の上端部と段重ねした箇所に夫々風抜き口7AB,7BCが形成されている。テント用シート1の内側から風が吹き上げた場合には、各シート帯2A,2B,2Cが風を受けて上側へ孕もうとするが、図6に示すように、風抜き口7ABは、風圧によりシート帯区分42Bのシート帯2Bの上端部がシート帯区分42Aのシート帯2Aの下端部に押し付けられるので殆ど開口しない状態となる。従って、風抜き口7ABを風は殆ど通過しない。一方、風抜き口7BCは、風圧によりシート帯区分42Bのシート帯2Bの下端部が上側へ孕み、シート帯区分42Cのシート帯2Cの上端部に対する弛み分だけ開口した状態となる。従って、テント用シート1の内側から吹き上げる風は、風抜き口7BCを通過してテント用シート1の外側へ抜ける。
【0037】
逆に、テント用シート1の外側から風が吹きつけた場合には、各シート帯2A,2B,2Cが風を受けて下側へ孕もうとするが、図7に示すように、風抜き口7ABは、風圧によりシート帯区分42Bのシート帯2Bの上端部が下側へ孕み、シート帯区分42Bのシート帯2Aの下端部に対する弛み分だけ開口した状態となる。従って、テント用シート1の外側から吹きつける風は、風抜き口7ABを通過してテント用シート1の内側へ抜ける。一方、風抜き口7BCは、風圧によりシート帯区分42Bのシート帯2Bの下端部がシート帯区分42Cのシート帯2Cの上端部に押し付けられるので殆ど開口しない状態となる。従って、風抜き口7BCを風は殆ど通過しない。このように、テント用シート1の内側から吹き上げる風に対しては風抜き口7BCが開口して風を逃がし、外側から吹きつける風に対しては風抜き口7ABが開口して風を逃がすので、吹き上げる風及び吹きつける風のいずれに対してもテント用シート1に作用する風圧を軽減することができる。
【0038】
また、各シート帯2A,2B,2Cは、勾配上側のシート帯2の下端部が勾配下側のシート帯2の上端部の上に段重ねされているので、勾配に従って流れ落ちる雨水が各シート帯2間から内側へ浸入することがない。そして、テント用シート1の内側から風が吹き上げている場合には、図6に示すように、風抜き口7ABは殆ど開口していないので雨水が風抜き口7ABから内側へ浸入することはなく、また、風抜き口7BCは開口しているが、シート帯区分42Bにおいてシート帯2Bの下端部は上側へ孕んでいるので、雨水は風抜き口7BCの両側へ流れて風抜き口7BCから内側へ浸入することもない。仮に、風抜き口7BCに雨水が流れたとしても、該雨水は勾配下側のシート帯区分42Cのシート帯2Cに受けられて、更に勾配に従って流れ落ちる。
【0039】
一方、テント用シート1の外側から風が吹きつけている場合には、図7に示すように、風抜き口7ABは開口しているが、該風抜き口7ABから流れ落ちた雨水は勾配下側のシート帯区分42Bのシート帯2Bに受けられて、更に勾配に従って流れ落ちるので、雨水が風抜き口7ABから内側へ浸入することはなく、また、風抜き口7BCは、殆ど開口していないので雨水が風抜き口7BCから内側へ浸入することもない。このように、吹き上げる風又は吹きつける風により風抜き口7AB,7BCが開口した状態であっても、雨水がテント用シート1の内側へ浸入することはない。
【0040】
さらに、図8に示すように、シート帯弛緩部6の裏面にネット8が設けられているため、ネット8がシート帯2におけるシート帯弛緩部6の弛みを規制し、勾配に従って流れる雨水Wが、その途中で該シート帯弛緩部6に溜まることなくスムーズに流れ落ちる。これにより、溜まった雨水Wを作業者が、自ら取除く必要がないと共に、溜まった雨水Wの重さに耐えることができなくなったシート帯2が破損する、さらには、テント用シート1を取付けた足場Uが損壊する、という問題が生じることがない。
【0041】
他の風抜き口7についても同様なので詳細には説明しないが、テント用シート1の各勾配面においてシート帯区分4に千鳥状にシート帯弛緩部6が設けられることにより、各勾配面の全面に平均して多数の風抜き口7が形成されているので、局所的な風圧を受けることがなく、吹き上げる風又は吹きつける風のいずれに対してもテント用シート1の全面から風を逃がすことができる。なお、庇テントRと、テント用シート1とは、ネット8の有無以外は同様の構成であり、これらの風抜き口7についても同様であるので詳細には説明しないが、吹き上げる風又は吹きつける風のいずれに対しても当該庇テントRの全面から風を逃がすことができるのは勿論である。
【0042】
切妻状に足場Uに固定されたテント用シート1と庇テントRの間の風の通り方を以下に示す。
【0043】
図2に示すように、切妻状に形成されたテント用シート1と、庇テントRとの間には間隔21が設けられているので、吹き上げる風が吹いた際には、矢印Sに示すように、当該間隔21を通って風が抜け、吹きつける風が吹いた際には、矢印Tに示すように、当該間隔21を通って風が抜けるのである。そのため、前述したように、テント用シート1、及び庇テントRに形成された風抜き口7から風が吹き抜けるという効果に加えて、間隔21から風が吹き抜けるので足場Uへの負担を軽減できる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
なお、本実施の形態では、テント用シート1、及び庇テントRから構成される雨天養生システムを住宅建築の養生用として使用する場合を例に説明したが、本発明に係る雨天養生システムが養生以外の用途にも使用可能であることは当然である。また、本実施の形態では、風抜き口7を勾配面において千鳥状に形成したが、テント用シート1、及び庇テントRの使用目的に応じて風抜き口7を形成する箇所や数を適宜変更できることも当然である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施形態に係る雨天養生システムの概略図
【図2】実施形態に係る雨天養生システムの側面図
【図3】実施形態に係るテント用シートの一方の勾配面の構成を示す表面図
【図4】実施形態に係るテント用シートの一方の勾配面の構成を示す裏面図
【図5】実施形態に係るテント用シートの固着ライン間の風抜き口を示す斜視図
【図6】実施形態に係るテント用シートの吹き上げる風を受けた場合の風抜き口を示す斜視図
【図7】実施形態に係るテント用シートの吹きつける風を受けた場合の風抜き口を示す斜視図
【図8】実施形態に係るテント用シートの裏側からの斜視図
【図9】枠部に庇テントが取付けられた状態を示す図
【図10】実施形態に係る庇テントの側面図
【図11】他の実施形態に係る枠部の上視図
【図12】従来技術に係るテント用シートの斜視図
【符号の説明】
【0046】
1 テント用シート
2 シート帯
3 固着ライン
4 シート帯区分
5 シート帯緊張部
6 シート帯弛緩部
7 風抜き口
8 ネット
Y 弛み部
R 庇テント
U 足場
H 建物
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築中の建物の上側を覆い、雨や太陽光等から当該建物を守るために使用される雨天養生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建築現場において養生のために足場の上部等にテントを張設することや、雨や日除けのためにパイプ等で組んだ骨組みにテントを張設することは周知である。例えば、木造住宅を建築する際には、屋根が施工されるまで降雨により柱材等が濡れることを防いだり、日除けとして、建築中の建物を覆うテントが張設される。このようなテントは、足場や建物に適宜固定されて張設されているが、該テントが風を受けた場合にはその風圧が足場等に作用し、風が強い場合には足場や建物が損壊するおそれもあるので、テントを外すようにしていた。
【0003】
これに対し、開口を設けて風を逃がすテント用シートが考案されている。例えば、図9に示すように、勾配上側のシート帯100A,100Bの下端部が勾配下側のシート帯100B,100Cの上端部の上に夫々段重ねされて勾配方向に並列して配置され、各シート帯100と直交し且つ所定間隔を空けて配置されている複数の固着ライン101により、シート帯100Bを勾配上下側に隣接するシート帯100A,100Cに対して弛ませることでシート帯弛緩部Pを形成し、また、これにより風抜き口102AB,102BCが形成されるように、シート帯100A,100B,100Cが固着され切妻状に足場等に固定されるテント用シート103である。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
【特許文献1】特開2005−330756号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の発明に係るテント用シート103においては、風抜き口102AB,102BCが設けられているので、強い風が吹いた際にもこれらから風が抜け、該テント用シート103を取付けている足場等への負担は小さくなっている。しかし、建設中の戸建住宅等が大きくなるにつれて、使用されるテント用シートの面積は大きくなる。そのため、前述のようにテント用シートが取付けられる足場等の負担もそれに伴い大きくなり、耐え切れなくなった足場等が損壊する、という問題が生じる可能性がある。
【0006】
本発明は、これらの点に鑑みてなされたものであり、建築中の建物の上側を覆い、雨や太陽光等から当該建物を守るために使用される設備において、雨水が浸入することなく、吹き上げる風及び吹きつける風のいずれに対しても風を逃がすことができ、さらに、雨水が溜まることのない雨天養生システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の雨天養生システムは、建設中の建物の周囲に組立てられた足場に当該建物の上方を覆うように切妻状に固定されたテント用シートと、該テント用シートの両妻側の下方に所定間隔空け、段重ねして該テント用シートの勾配方向に並列するように前記足場に固定されてなる庇テントと、を具備することを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の雨天養生システムは、前記テント用シートは、前記足場の一端側から他端側へ該テント用シートの棟方向に開閉自在であることを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の雨天養生システムは、前記庇テントは、前記テント用シートの開閉方向と直交する方向に前記足場に固定された支点を中心に回動自在であることを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の雨天養生システムは、前記テント用シートは、複数の横方向に長尺な可撓性のシート帯を勾配上側のシート帯の下端部が勾配下側のシート帯の上端部の上に段重ねして勾配方向に並列して配置されるようにこれらシート帯と直交し且つ所定間隔を空けて配置されている複数の固着ラインに固着し、この各シート帯を横方向に固着ラインによって区分して形成される多数のシート帯区分は隣接する2つの固着ラインに緊張して張るように固着されたシート帯緊張部と該シート帯緊張部の勾配方向の上下側において該シート帯緊張部に対して弛緩するように固着されたシート帯弛緩部とを有することにより、シート帯緊張部とシート帯弛緩部の段重ねした箇所において風抜き口が形成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項5記載の雨天養生システムは、前記庇テントが、前記テント用シートと同様の構成であることを特徴としている。
【0012】
請求項6記載の雨天養生システムは、前記テント用シート、及び、前記庇テントの勾配面において千鳥状に、前記シート帯弛緩部が設けられたことを特徴としている。
【0013】
請求項7記載の雨天養生システムは、前記テント用シート、及び、前記庇テントの少なくとも一方の前記シート帯弛緩部の裏面にネットが設けられたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の雨天養生システムによれば、切妻状に足場に固定されたテント用シートと、該テント用シートの両妻側の下方に所定間隔空け、段重ねして勾配方向に並列するように前記足場に固定された庇テントと、を具備している。そのため、例えば建設中の建物等が大きい場合において、本発明に係る雨天養生システムを使用する際に、切妻状に固定されたテント用シートと、庇テントとの間は所定間隔空けられているので、当該間隔から風が抜けるため、これらを固定する足場にかかる負担を軽減することができ、該足場等の損壊を防ぐことができる。さらに、切妻状に固定されたテント用シートだけで、建設中の建物等を覆う場合と比較して、当該テント用シートの面積を小さくすることができ、これらを固定する足場等にかかる負担をより軽減することができる。
【0015】
請求項2記載の雨天養生システムによれば、前記テント用シートは前記足場の一端側から他端側へ該テント用シートの棟方向に開閉自在である。そのため、作業中に突然雨が降ってきた際にも、建物の上方を覆うようにテント用シートを素早くを広げれば、建設中の建物等が雨水に晒される心配がない。また、雨が止んだ際にも建物の上方を素早く開放することができ、すぐに作業に取りかかることができ、さらに、クレーン等も使用可能となる。
【0016】
請求項3記載の雨天養生システムによれば、前記庇テントは前記テント用シートの開閉方向と直交する方向に足場に固定された支点を中心に回動自在である。そのため、作業中に突然雨が降ってきた際にも素早く当該庇テントを設置することができ建設中の建物等が雨水に晒される心配がない。また、雨が止んだ際にも庇テントを素早く折畳むことができ、すぐに作業に取りかかることができるという利点がある。
【0017】
請求項4記載の雨天養生システムによれば、テント用シートは、複数の横方向に長尺な可撓性のシート帯を勾配上側のシート帯の下端部が勾配下側のシート帯の上端部の上に段重ねして勾配方向に並列して配置したので、勾配に従って流れ落ちる雨水がシート帯間から内側へ浸入することがなく、且つ、シート帯緊張部とシート帯弛緩部の段重ねした箇所において風抜き口が形成されているので、吹き上げる風に対しては該シート帯と勾配下側のシート帯との間に形成された風抜き口が開口して風を逃がし、吹きつける風に対しては該シート帯と勾配上側のシート帯との間に形成された風抜き口が開口して風を逃がす。これにより、吹き上げる風及び吹きつける風のいずれに対しても風を逃がしてテント用シートに作用する風圧を軽減することができ、また、風抜き口が開口した状態でも雨水が浸入しない。
【0018】
請求項5記載の雨天養生システムによれば、庇テントが、前記テント用シートと同様の構成である。そのため、切妻状に固定されたテント用シートだけでなく、庇テントにおいても、前述のように雨水の浸入を防ぐと共に、風の通りをよくすることができ、これらが固定される足場等にかかる負担をさらに軽減することができる。
【0019】
請求項6記載の雨天養生システムによれば、前記テント用シート、及び、前記庇テントの勾配面において千鳥状に、前記シート帯弛緩部が設けられているので、テント用シートの全面に平均して多数の風抜き口を形成することができ、局所的に大きな風圧を受けることがない。
【0020】
請求項7記載の雨天養生システムによれば、前記テント用シート、及び、前記庇テントの少なくとも一方の前記シート帯弛緩部の裏面にネットが設けられている。そのため、シート帯におけるシート帯弛緩部の弛みをネットが規制するため、勾配に従って流れる雨水が該シート帯弛緩部に溜まることがなく、雨水がシート帯表面をスムーズに流れる落ちる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
この発明の雨天養生システムにおける最良の実施形態について、以下に説明する。この実施例の雨天養生システムは、図1に示すように、建設中の建物Hの周囲に組立てられた足場Uに当該建物Hの上方を覆うように切妻状に固定されたテント用シート1と、該テント用シート1の両妻側の下方に所定間隔空け、段重ねして勾配方向に並列するように前記足場Uに固定されてなる庇テントRとを具備している。
【0022】
そして、前記テント用シート1は、図3乃至7に示すように、複数の横方向に長尺な可撓性のシート帯2を勾配上側のシート帯2の下端部が勾配下側のシート帯2の上端部の上に段重ねして勾配方向に並列して配置されるようにこれらシート帯2と直交し且つ所定間隔を空けて配置されている複数の固着ライン3に固着し、この各シート帯2を横方向に固着ライン3によって区分して形成される多数のシート帯区分4は隣接する2つの固着ライン3に緊張して張るように固着されたシート帯緊張部5と該シート帯緊張部5の勾配方向の上下側において該シート帯緊張部5に対して弛緩するように固着されたシート帯弛緩部6とを有することにより、シート帯緊張部5とシート帯弛緩部6の段重ねした箇所において風抜き口7が形成されている。
【0023】
図1に示すように、切妻状に形成されたテント用シート1は、複数の可撓性のシート帯2A〜2F,2Xが一部重ねられて勾配方向に並列されており、3つのシート帯2A〜2Cと、3つのシート帯2D〜2Fとが各勾配面を夫々形成するように構成され、棟に相当する中央部にシート帯2Xが設けられている。テント用シート1の棟に相当する中央部が足場U間に架設されたワイヤ10a上に載せられて、又は、テント用シート1に設けられたハト目や布テープ等の連結部11を介してカラビナ等で吊り下げられて、ワイヤ10aから各勾配面が垂れ下がるように切妻屋根状にテント用シート1が張られる。そして、軒先に相当する縁部や、固着ライン3上に適宜設けられた、ハト目や布テープ等の連結部11にもワイヤ10bが挿通されて足場Uや建築物(不図示)に固定されている。また、連結部11の取付け位置や、数等はテント用シート1の大きさや形状、また、足場Uの大きさや形状等によって適宜変更することができる。
【0024】
また、テント用シート1はワイヤ10aに対して摺動可能であり、各シート帯2A〜2Fは可撓性であるので、テント用シート1の縁部を足場Uから外して該足場Uの一方側から他方側へテント用シート1の棟方向である、図1に示す矢印M方向に開閉することができ、当該テント用シート1で覆われていた足場Uの上部を開放することができる。なお、このようなテント用シート1の張設方法は一例であって、必ずしも切妻屋根状に張設する必要はなく、所定の勾配で張設するのであれば片流れ屋根や差掛け屋根のような形状にテント用シート1を張設してもよい。
【0025】
シート帯2A〜2F,2Xは、織布、樹脂シート若しくは織布に樹脂をコーティングしたもの等からなり、防水性を有し且つ軽量のものが好適である。本願実施例では、例えば約900mm幅の6枚のシート帯2A〜2Fを3枚ずつで1つの勾配面としているが、シート帯2の幅や勾配面当りのシート帯2の並列数は適宜変更することができる。また、3枚のシート帯2A〜2Cにより構成される勾配面と、他の3枚のシート帯2D〜2Fにより構成される勾配面とは同様であるので、切妻屋根状に張設されるテント用シート1の片側の勾配面を構成する各シート帯2A〜2Cを例に説明する。
【0026】
本願実施例における各シート帯2A〜2Cは、例えば図3に示すように、勾配方向に並列して、即ち長手方向が勾配方向と直交するようにして、勾配上側から勾配下側へシート帯2A,2B,2Cの順序で配置されており、勾配上側のシート帯2Aの下端部が勾配直下側のシート帯2Bの上端部の上に段重ねされ、該シート帯2Bの下端部が更に勾配直下側のシート帯2Cの上端部の上に段重ねされている。各シート帯2A〜2Cの重ね代は、勾配面に従って流れ落ちる雨水が重ね合わせ部分からテント用シート1の内側へ浸入せず、且つ、風抜き口7が開口し易いように設定し、例えば本願実施例のように約900mm幅の各シート帯2A〜2Cであれば約300mm程度が好適であるが、これらの重ね代は適宜変更することができる。
【0027】
このように、各シート帯2が夫々段重ねされて勾配方向に並列に配置された各シート帯2A〜2Cは、図2に示すように、所定間隔、例えば約900mm間隔で、こららシート帯と直交し且つ所定間隔を空けて配置されている複数の固着ライン3に固着されることにより一体とされるが、図5に示すように、この各シート帯2を横方向に固着ライン3によって区分して形成される多数のシート帯区分4は、隣接する2つの固着ライン3に緊張して張るように固着されたシート帯緊張部5と該シート帯緊張部5の勾配方向の上下側において該シート帯緊張部5に対して弛緩するように固着されたシート帯弛緩部6とから形成されている。詳細には、図5に示すように、シート帯2Bの固着ライン3で挟まれたシート帯区分42Bの長手方向の距離を、その勾配上側のシート帯2Aのシート帯区分42A及び勾配下側のシート帯2Cのシート帯区分42Cの長手方向の距離である約900mmより大きくすることでシート帯区分42Bに、シート帯弛緩部6を形成している。これにより、シート帯2Bにおけるシート帯弛緩部6の上端部とシート帯2Aにおけるシート帯緊張部5の下端部とを段重ねした箇所、及びシート帯2Bにおけるシート帯弛緩部6の下端部とシート帯2Cにおけるシート帯緊張部5の上端部とを段重ねした箇所に開口が形成され、該開口が夫々風抜き口7AB,7BCとなっている。
【0028】
シート帯2Cでは、各固着ライン間において間欠して、即ち、図3に示すように、シート帯区分44C,46Cにおいて、前記シート帯区分42Cと同様のシート帯弛緩部6が設けられ、その上端部及び下端部に風抜き口7が夫々形成されている。その他のシート帯2A,2Bでも同様のシート帯弛緩部6が設けられているが、各シート帯弛緩部6は、シート帯2A〜2Cにより構成される勾配面において千鳥状に設けられている。即ち、シート帯2Aでは、シート帯2Cと同様に、シート帯区分42A,44A,46Aにシート帯弛緩部6が設けられ、シート帯2Bでは、シート帯2A,2Cにおいてシート帯弛緩部6が設けられない間欠部分であるシート帯区分41B,43B,45B,47Bにシート帯弛緩部6が設けられている。そして、各シート帯2A〜2Cのシート帯弛緩部6における弛み部Yの寸法は風抜き口7とする開口の大きさを考慮して設定され、本願実施例においては、例えば約1000mmとなっているが、これらの寸法は適宜変更することができる。
【0029】
シート帯弛緩部6の裏面には、図8に示すように、ネット8が設けられている。そして、本願実施例においてネット8は、例えば樹脂製若しくは布製からなり、その網目の大きささが例えば約10mm角程度のネット8が好適である。さらに本願実施例においては、図8に示すネット8の弛み部Zは、シート帯弛緩部6における弛み部Yの寸法よりも若干短く、例えば、約950mmに形成されている。そして、これらのネット8の取付け位置は風抜き口7の開口を妨げることがないように、ネット8がシート帯弛緩部6における弛み部Yよりも勾配下方向に設けられることが好ましい。しかし、ネット8の取付け位置及び大きさは、本願実施例に限定されるものではなく、シート帯2の大きさや、勾配等によって適宜変更することができる。
【0030】
このように、切妻状に形成されたテント用シート1は、図3乃至図8に示すように、千鳥状にシート帯弛緩部6が形成され、各シート帯2A〜2C及びネット8が各固着ライン3に縫合するようにして固着されている。そして、図には詳細に示していないが、切妻屋根状に張設されるテント用シート1の他の勾配面を構成するシート帯2D〜2Fも同様に、千鳥状にシート帯弛緩部6が形成され、各固着ライン3に縫合するようにして固着されている。また、各勾配面の最上側となるシート帯2Aとシート帯2Dとは、図2及び図3に示すように、シート帯2A,2Dの上端部にシート帯2Xが段重ねされて各固着ライン3に縫合するようにして固着され、1枚のテント用シート1が構成されている。なお、本願実施例では、各シート帯2A〜2F,2Xを縫合することにより固着ライン3に縫合するようにして固着しているが、接着剤による接着や熱融着等の他の固着手段を用いてもよい。
【0031】
そして、庇テントRは、テント用シート1と同様の構成であり、複数の可撓性のシート帯2G〜2Iが一部重ねられて勾配方向に並列されるようにして形成されている。詳細な構成はネット8が設けられていないこと以外は、切妻状に形成されたテント用シート1と同様であるので省略するが、この場合にも、テント用シート1はシート帯2G〜Iが縫合され、前述のようにシート帯緊張部5、及びシート帯弛緩部6が形成されることで風抜き口7が形成されている。
【0032】
庇テントRは、図2に示すように、切妻状に形成されたテント用シート1の両妻側の下方に所定間隔空け、段重ねして勾配方向に並列して配置されている。この場合には、前述の切妻状に形成されたテント用シート1と同様にシート帯弛緩部7の裏面にネット8を設けてもよいが、本実施形態においては、庇テントRに使用されるテント用シート1にはネット8を設けていない。これは、後述のように庇テントRとしてテント用シート1を使用する際には枠部12に取付けられるため、該枠部12の剛性により庇テントRの上面には雨水が溜まりにくくネット8を使用せずとも足場Uへの負担を十分に軽減できるからである。また、庇テントRに使用されるテント用シート1の大きさや形状、及び枠部12や、さらには足場U等への取付方法は適宜変更することができる。
【0033】
そして、庇テントRは、図9、及び図10に示すように、その一辺が取付具13を介して足場Uに回転自在に取付けられた略矩形の枠部12に取付けられている。そして、一端側が前記枠部12の勾配方向に架設される縦側片部材14に回転自在に取付けられ、他端側が取付具13を介して回動自在に足場Uに取付けられた支持部材15によって該枠部12は支持されている。また、支持部材15は、図10の2点鎖線で示されるように、一端側が足場Uに回転自在に取付けられた第1の支持部材16に、縦側片部材14に一端側が回転自在に取付けられた第2の支持部材17を挿入するようにして構成されている。そして、第2の支持部材17の下端部が取付具13とが当接するまで第1の支持部材16に挿入されることで、庇テントRは所定勾配を保持した状態で足場Uに固定されている。そのため、晴天の時等、庇テントRを使用しない場合には図10に示す2点鎖線に示すように、足場Uに沿わせるように、当該庇テントRをテント用シート1の開閉方向と直交するように折畳むことができる。また、庇テントRの勾配は、水平方向に対して例えば20度程度の角度で保持されていることが好ましいが、これらの角度は適宜変更することができ、また、枠部12には、図11に示すように、補強のためにブレース18等を該枠部12に設けることもできる。
【0034】
そして、図2に示すように、切妻状に形成されたテント用シート1の妻部分と庇テントRの端部との重なり部分19は、例えば800mm程度設けられていることが内部に雨水が浸入せず、効果的に風を抜くことができるので好ましいが、当該重なり部分19の幅は適宜変更することができる。また、庇テントR、若しくは、切妻状に形成されたテント用シート1と、建設中の建物Hとの間20は、例えば作業スペースとして少なくとも1500mm程度確保されていることが好ましく、さらには2000mm程度確保されていることがより好ましい。
【0035】
以下、図5に示す、切妻状に形成され足場Uに固定されるシート帯区分42A,42B,42Cにおける風抜き口7AB,7BCを例に、吹き上げる風及び吹きつける風の抜け方及び雨水の流れ方について説明する。
【0036】
図5に示すように、シート帯2Bのシート帯区分42Bにシート帯弛緩部6を形成し、シート帯2Bのシート帯弛緩部6の上端部と、シート帯2Aのシート帯緊張部5の下端部との段重ねした箇所、及びシート帯2Bのシート帯弛緩部6の下端部と、シート帯2Cのシート帯緊張部5の上端部と段重ねした箇所に夫々風抜き口7AB,7BCが形成されている。テント用シート1の内側から風が吹き上げた場合には、各シート帯2A,2B,2Cが風を受けて上側へ孕もうとするが、図6に示すように、風抜き口7ABは、風圧によりシート帯区分42Bのシート帯2Bの上端部がシート帯区分42Aのシート帯2Aの下端部に押し付けられるので殆ど開口しない状態となる。従って、風抜き口7ABを風は殆ど通過しない。一方、風抜き口7BCは、風圧によりシート帯区分42Bのシート帯2Bの下端部が上側へ孕み、シート帯区分42Cのシート帯2Cの上端部に対する弛み分だけ開口した状態となる。従って、テント用シート1の内側から吹き上げる風は、風抜き口7BCを通過してテント用シート1の外側へ抜ける。
【0037】
逆に、テント用シート1の外側から風が吹きつけた場合には、各シート帯2A,2B,2Cが風を受けて下側へ孕もうとするが、図7に示すように、風抜き口7ABは、風圧によりシート帯区分42Bのシート帯2Bの上端部が下側へ孕み、シート帯区分42Bのシート帯2Aの下端部に対する弛み分だけ開口した状態となる。従って、テント用シート1の外側から吹きつける風は、風抜き口7ABを通過してテント用シート1の内側へ抜ける。一方、風抜き口7BCは、風圧によりシート帯区分42Bのシート帯2Bの下端部がシート帯区分42Cのシート帯2Cの上端部に押し付けられるので殆ど開口しない状態となる。従って、風抜き口7BCを風は殆ど通過しない。このように、テント用シート1の内側から吹き上げる風に対しては風抜き口7BCが開口して風を逃がし、外側から吹きつける風に対しては風抜き口7ABが開口して風を逃がすので、吹き上げる風及び吹きつける風のいずれに対してもテント用シート1に作用する風圧を軽減することができる。
【0038】
また、各シート帯2A,2B,2Cは、勾配上側のシート帯2の下端部が勾配下側のシート帯2の上端部の上に段重ねされているので、勾配に従って流れ落ちる雨水が各シート帯2間から内側へ浸入することがない。そして、テント用シート1の内側から風が吹き上げている場合には、図6に示すように、風抜き口7ABは殆ど開口していないので雨水が風抜き口7ABから内側へ浸入することはなく、また、風抜き口7BCは開口しているが、シート帯区分42Bにおいてシート帯2Bの下端部は上側へ孕んでいるので、雨水は風抜き口7BCの両側へ流れて風抜き口7BCから内側へ浸入することもない。仮に、風抜き口7BCに雨水が流れたとしても、該雨水は勾配下側のシート帯区分42Cのシート帯2Cに受けられて、更に勾配に従って流れ落ちる。
【0039】
一方、テント用シート1の外側から風が吹きつけている場合には、図7に示すように、風抜き口7ABは開口しているが、該風抜き口7ABから流れ落ちた雨水は勾配下側のシート帯区分42Bのシート帯2Bに受けられて、更に勾配に従って流れ落ちるので、雨水が風抜き口7ABから内側へ浸入することはなく、また、風抜き口7BCは、殆ど開口していないので雨水が風抜き口7BCから内側へ浸入することもない。このように、吹き上げる風又は吹きつける風により風抜き口7AB,7BCが開口した状態であっても、雨水がテント用シート1の内側へ浸入することはない。
【0040】
さらに、図8に示すように、シート帯弛緩部6の裏面にネット8が設けられているため、ネット8がシート帯2におけるシート帯弛緩部6の弛みを規制し、勾配に従って流れる雨水Wが、その途中で該シート帯弛緩部6に溜まることなくスムーズに流れ落ちる。これにより、溜まった雨水Wを作業者が、自ら取除く必要がないと共に、溜まった雨水Wの重さに耐えることができなくなったシート帯2が破損する、さらには、テント用シート1を取付けた足場Uが損壊する、という問題が生じることがない。
【0041】
他の風抜き口7についても同様なので詳細には説明しないが、テント用シート1の各勾配面においてシート帯区分4に千鳥状にシート帯弛緩部6が設けられることにより、各勾配面の全面に平均して多数の風抜き口7が形成されているので、局所的な風圧を受けることがなく、吹き上げる風又は吹きつける風のいずれに対してもテント用シート1の全面から風を逃がすことができる。なお、庇テントRと、テント用シート1とは、ネット8の有無以外は同様の構成であり、これらの風抜き口7についても同様であるので詳細には説明しないが、吹き上げる風又は吹きつける風のいずれに対しても当該庇テントRの全面から風を逃がすことができるのは勿論である。
【0042】
切妻状に足場Uに固定されたテント用シート1と庇テントRの間の風の通り方を以下に示す。
【0043】
図2に示すように、切妻状に形成されたテント用シート1と、庇テントRとの間には間隔21が設けられているので、吹き上げる風が吹いた際には、矢印Sに示すように、当該間隔21を通って風が抜け、吹きつける風が吹いた際には、矢印Tに示すように、当該間隔21を通って風が抜けるのである。そのため、前述したように、テント用シート1、及び庇テントRに形成された風抜き口7から風が吹き抜けるという効果に加えて、間隔21から風が吹き抜けるので足場Uへの負担を軽減できる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
なお、本実施の形態では、テント用シート1、及び庇テントRから構成される雨天養生システムを住宅建築の養生用として使用する場合を例に説明したが、本発明に係る雨天養生システムが養生以外の用途にも使用可能であることは当然である。また、本実施の形態では、風抜き口7を勾配面において千鳥状に形成したが、テント用シート1、及び庇テントRの使用目的に応じて風抜き口7を形成する箇所や数を適宜変更できることも当然である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施形態に係る雨天養生システムの概略図
【図2】実施形態に係る雨天養生システムの側面図
【図3】実施形態に係るテント用シートの一方の勾配面の構成を示す表面図
【図4】実施形態に係るテント用シートの一方の勾配面の構成を示す裏面図
【図5】実施形態に係るテント用シートの固着ライン間の風抜き口を示す斜視図
【図6】実施形態に係るテント用シートの吹き上げる風を受けた場合の風抜き口を示す斜視図
【図7】実施形態に係るテント用シートの吹きつける風を受けた場合の風抜き口を示す斜視図
【図8】実施形態に係るテント用シートの裏側からの斜視図
【図9】枠部に庇テントが取付けられた状態を示す図
【図10】実施形態に係る庇テントの側面図
【図11】他の実施形態に係る枠部の上視図
【図12】従来技術に係るテント用シートの斜視図
【符号の説明】
【0046】
1 テント用シート
2 シート帯
3 固着ライン
4 シート帯区分
5 シート帯緊張部
6 シート帯弛緩部
7 風抜き口
8 ネット
Y 弛み部
R 庇テント
U 足場
H 建物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設中の建物の周囲に組立てられた足場に当該建物の上方を覆うように切妻状に固定されたテント用シートと、
該テント用シートの両妻側の下方に所定間隔空け、段重ねして該テント用シートの勾配方向に並列するように前記足場に固定されてなる庇テントと、を具備することを特徴とする雨天養生システム。
【請求項2】
前記テント用シートは、前記足場の一端側から他端側へ該テント用シートの棟方向に開閉自在であることを特徴とする請求項1記載の雨天養生システム。
【請求項3】
前記庇テントは、前記テント用シートの開閉方向と直交する方向に前記足場に固定された支点を中心に回動自在であることを特徴とする請求項1又は2記載の雨天養生システム。
【請求項4】
前記テント用シートは、複数の横方向に長尺な可撓性のシート帯を勾配上側のシート帯の下端部が勾配下側のシート帯の上端部の上に段重ねして勾配方向に並列して配置されるようにこれらシート帯と直交し且つ所定間隔を空けて配置されている複数の固着ラインに固着し、この各シート帯を横方向に固着ラインによって区分して形成される多数のシート帯区分は隣接する2つの固着ラインに緊張して張るように固着されたシート帯緊張部と該シート帯緊張部の勾配方向の上下側において該シート帯緊張部に対して弛緩するように固着されたシート帯弛緩部とを有することにより、シート帯緊張部とシート帯弛緩部の段重ねした箇所において風抜き口が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3記載の雨天養生システム。
【請求項5】
前記庇テントが、前記テント用シートと同様の構成であることを特徴とする請求項1乃至4記載の雨天養生システム。
【請求項6】
前記テント用シート、及び、前記庇テントの勾配面において千鳥状に、前記シート帯弛緩部が設けられたことを特徴とする請求項1乃至5記載の雨天養生システム。
【請求項7】
前記テント用シート、及び、前記庇テントの少なくとも一方の前記シート帯弛緩部の裏面にネットが設けられたことを特徴とする請求項1乃至6記載の雨天養生システム。
【請求項1】
建設中の建物の周囲に組立てられた足場に当該建物の上方を覆うように切妻状に固定されたテント用シートと、
該テント用シートの両妻側の下方に所定間隔空け、段重ねして該テント用シートの勾配方向に並列するように前記足場に固定されてなる庇テントと、を具備することを特徴とする雨天養生システム。
【請求項2】
前記テント用シートは、前記足場の一端側から他端側へ該テント用シートの棟方向に開閉自在であることを特徴とする請求項1記載の雨天養生システム。
【請求項3】
前記庇テントは、前記テント用シートの開閉方向と直交する方向に前記足場に固定された支点を中心に回動自在であることを特徴とする請求項1又は2記載の雨天養生システム。
【請求項4】
前記テント用シートは、複数の横方向に長尺な可撓性のシート帯を勾配上側のシート帯の下端部が勾配下側のシート帯の上端部の上に段重ねして勾配方向に並列して配置されるようにこれらシート帯と直交し且つ所定間隔を空けて配置されている複数の固着ラインに固着し、この各シート帯を横方向に固着ラインによって区分して形成される多数のシート帯区分は隣接する2つの固着ラインに緊張して張るように固着されたシート帯緊張部と該シート帯緊張部の勾配方向の上下側において該シート帯緊張部に対して弛緩するように固着されたシート帯弛緩部とを有することにより、シート帯緊張部とシート帯弛緩部の段重ねした箇所において風抜き口が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3記載の雨天養生システム。
【請求項5】
前記庇テントが、前記テント用シートと同様の構成であることを特徴とする請求項1乃至4記載の雨天養生システム。
【請求項6】
前記テント用シート、及び、前記庇テントの勾配面において千鳥状に、前記シート帯弛緩部が設けられたことを特徴とする請求項1乃至5記載の雨天養生システム。
【請求項7】
前記テント用シート、及び、前記庇テントの少なくとも一方の前記シート帯弛緩部の裏面にネットが設けられたことを特徴とする請求項1乃至6記載の雨天養生システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−68288(P2009−68288A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−239556(P2007−239556)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】
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