説明

電力ケーブル接続構造およびそれを用いた風力発電装置

【課題】上下方向に沿って布設された電力ケーブルにねじり荷重が作用する場合に、このねじり荷重による電力ケーブルの破損を防止することができる電力ケーブル接続構造を提供する。
【解決手段】上側の電力ケーブル7の導体26に接続された上側金属部材2と、下側の電力ケーブル25の導体27に接続された下側金属部材13と、上側の電力ケーブルの絶縁体6に接続され、上側金属部材を内蔵する上側絶縁部材1と、下側の電力ケーブルの絶縁体24に接続され、下側金属部材を内蔵する下側絶縁部材13と、上側絶縁部材を収容する上側接続容器9と、下側絶縁部材を収容する下側接続容器17とを具備し、上側金属部材は下側金属部材に回転可能に接続され、上側絶縁部材は下側絶縁部材に回転可能に接続され、上側接続容器は下側接続容器に回転可能に接続されているとともに、上側絶縁部材と下側絶縁部材との間には間隙29が形成され、この間隙に絶縁油8が充填されている構造とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下方向に沿って布設された電力ケーブルにねじり荷重が作用する場合に、上記ねじり荷重による電力ケーブルの破損を防止するために使用される空転機構付きの電力ケーブル接続構造およびそれを用いた風力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電装置では、ブレードを取り付けたナセルが風向きに応じて回転する。ナセルの中には発電機が収容されており、この発電機により得られた電力は、タワー内に上下方向に沿って布設された電力ケーブルを通して外部に供給される。
【0003】
上記風力発電装置では、ナセル内(または外)およびタワー内で電力ケーブルの捕縛部が形成されており、これら上下2箇所のケーブル捕縛部間において、上記電力ケーブルにはナセルの回転によるねじり荷重が作用する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記のように電力ケーブルにねじり荷重が作用する場合に、このねじり荷重による電力ケーブルの破損を防止するための手段としては、例えば下記1〜3のものが考えられる。
1.電力ケーブルの可撓性を向上させる手段
この手段は、電力ケーブルとして可撓性に優れたキャブタイヤ電力ケーブルを使用する方法である。
2.アキュームレータぜんまい式電力ケーブルの採用
この手段は、電力ケーブルの軸方向と直角方向に平面状に電力ケーブルをぜんまいのごとく何重にも巻いたアキュームレータぜんまい部を形成する方法である。この方法では、電力ケーブルにねじり荷重が発生した場合、アキュームレータぜんまい部の電力ケーブルの曲げ半径が微小に変化することによって、ねじり荷重を吸収することができる。
3.空転機構の採用
空転機構は、クレーンの吊り上げロープや電力ケーブルの管路布設の場合のロープに使用されている。しかし、電力ケーブルの電力通電機能と電気絶縁機能を損なうことなく、電力ケーブル自体に空転機構を付加した接続部の事例は見当たらない。
【0005】
【特許文献1】特開2000−274347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前述した1〜3の手段は、下記の欠点を有するものであった。
1.電力ケーブルの可撓性を向上させる手段
低温下(例えば−50℃)では、電力ケーブルの有機質の構成材料は非常に硬くなり、ねじり荷重による変形が起こらなくなる。また、このような低温下では、絶縁体やシースのクラック、遮蔽編組の切断などが生じ、電力ケーブルの機能が喪失する可能性がある。さらに、低温でもある程度の柔軟性が得られる材料を用い、電力ケーブルを低温下でねじることができたとしても、残留歪の内在が過大となり、経過時間によってはクリープ破断が生じる可能性が高く、信頼性のある手段とはなり得ない。
2.アキュームレータぜんまい式電力ケーブルの採用
低温下(例えば−50℃)においても、キャブタイヤ電力ケーブルであれば、アキュームレータぜんまい部の電力ケーブルの曲げ半径が微小に変化することは可能である。しかし、電力ケーブルが高圧電力ケーブル、特高圧電力ケーブルになると、電力ケーブル外径は50ミリを超え、3相交流の3心電力ケーブルではアキュームレータぜんまい部の直径は1.5メートルを超えるため、設置スペースや自重の増加で実用的なものにはならない。
3.空転機構の採用
電力ケーブルが高圧電力ケーブルや特高圧電力ケーブルになると、空転機構部分の電気絶縁機能を維持するための構造上の課題が多くなる。例えば、電力ケーブルの通常の接続部の沿層電気絶縁は絶縁体同士に圧力をかけ、常時強く密着させるが、密着面の摩擦抵抗は極端に強く、電気絶縁特性を維持したまま空転させることは不可能である。
【0007】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、上下方向に沿って布設された電力ケーブルにねじり荷重が作用する場合に、上記ねじり荷重による電力ケーブルの破損を防止することができる空転機構付きの電力ケーブル接続構造およびそれを用いた風力発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記目的を達成するため、タワー型の風力発電装置において、特高圧(22〜35kV)の単心電力ケーブルが3相の俵積みで上下方向に沿って布設された場合で、ナセルに接続された上側のケーブル捕縛部が旋回運動をする場合について考察した。電力ケーブルの重量を保持するために、旋回運動をする上側のケーブル捕縛部から下側数メートル程度で、タワー内において電力ケーブルを捕縛する必要がある。上側のケーブル捕縛部は、ナセル内の電力機器との接続部が近くにあるため、自らねじられる荷重が電力機器との接続部に影響を与えないように強く捕縛される。また、タワー内の下側のケーブル捕縛部も、電力ケーブルの自重を保持するため強く捕縛される。
【0009】
上記のように電力ケーブルが強く捕縛された結果、上側の捕縛部が旋回すると、それぞれの単心電力ケーブルは自らねじられる荷重を受け、ねじり変形する。旋回角度、ねじり変形の頻度によっては、繰り返し荷重で電力ケーブルに絶縁体やシースの亀裂、遮蔽編組の切断などの重大な損傷が生じる。また、ねじり変形に伴い3相の単心電力ケーブル同士が撚られる動きが生じ、これによっても絶縁体、シースに曲げ荷重が生じるが、旋回角度に制限があれば、曲げ変形程度は微小であり、大きな問題とはならないと推定される。
【0010】
電力ケーブルがねじられる荷重を受ける環境が低温(例えば−50℃)であると、電力ケーブルの構成材料は非常に硬くなり、上側の捕縛部の旋回を妨げるか、ねじり荷重による変形が起こらなくなり、電力ケーブルが容易に損傷することになる。また、前記のように、低温でもある程度の柔軟性が得られる材料を用い、電力ケーブルを低温下でねじることができたとしても、残留歪の内在が過大となり、経過時間によってはクリープ破断が生じる可能性が高く、信頼性のある手段とはなり得ない。
【0011】
以上に対し、本発明者は、旋回する上側のケーブル捕縛部と固定された下側のケーブル捕縛部との間の電力ケーブルを切断し、切断した両電力ケーブル間に電力ケーブルが各相毎に空転できる接続部を設け、各相の電力ケーブルがねじられる荷重を吸収することにより、低温下でも上側の捕縛部の旋回を妨げることなく、ねじられる電力ケーブルの損傷を防止できることを見出した。
【0012】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、下記(1)〜(5)の電力ケーブル接続構造および下記(6)、(7)の風力発電装置を提供する。
(1)上下方向に沿って布設された上側の電力ケーブルと下側の電力ケーブルとを接続する電力ケーブル接続構造であって、
上側の電力ケーブルの導体に接続された上側金属部材と、
下側の電力ケーブルの導体に接続された下側金属部材と、
上側の電力ケーブルの絶縁体に接続され、前記上側金属部材を内蔵する上側絶縁部材と、
下側の電力ケーブルの絶縁体に接続され、前記下側金属部材を内蔵する下側絶縁部材と、
前記上側絶縁部材を収容する上側接続容器と、
前記下側絶縁部材を収容する下側接続容器とを具備し、
前記上側金属部材は前記下側金属部材に回転可能に接続され、
前記上側絶縁部材は前記下側絶縁部材に回転可能に接続され、
前記上側接続容器は前記下側接続容器に回転可能に接続されているとともに、
前記上側絶縁部材と前記下側絶縁部材との間には間隙が形成され、前記間隙に絶縁油が充填されていることを特徴とする電力ケーブル接続構造。
(2)前記上側金属部材は、下部に凹部または凸部が形成された棒状導体であり、
前記下側金属部材は、上部に凸部または凹部が形成され棒状導体であり、
前記上側金属部材の凹部または凸部と、前記下側金属部材の凸部または凹部とは互いに係合していることを特徴とする(1)の電力ケーブル接続構造。
(3)前記上側絶縁部材は、下部に凸部または凹部が形成されたブッシングであり、
前記下側絶縁部材は、上部に凹部または凸部が形成されたブッシングであり、
前記上側絶縁部材の凸部または凹部と、前記下側絶縁部材の凹部または凸部とは互いに係合していることを特徴とする(1)または(2)の電力ケーブル接続構造。
(4)前記上側接続容器と前記下側接続容器との間に、前記上側絶縁部材と下側絶縁部材との間の間隙と連通する空間部が形成され、前記空間部に絶縁油が充填されていることを特徴とする(1)〜(3)の電力ケーブル接続構造。
(5)前記電力ケーブル接続構造は、上側の電力ケーブルの捕縛部と下側の電力ケーブルの捕縛部との間に存在していることを特徴とする(1)〜(4)の電力ケーブル接続構造。
(6)ナセル内の電力機器に接続された上側の電力ケーブルと、タワー内に布設された下側の電力ケーブルとが(1)〜(5)の電力ケーブル接続構造により接続されていることを特徴とする風力発電装置。
(7)前記上側の電力ケーブルおよび前記下側の電力ケーブルは、それぞれ高圧電力ケーブルまたは特高圧電力ケーブルであることを特徴とする(6)の風力発電装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電力ケーブル接続構造によれば、上下方向に沿って布設された電力ケーブルにねじり荷重が作用する場合に、上記ねじり荷重による電力ケーブルの破損を防止することができる。
【0014】
すなわち、本発明では、電力ケーブルの布設形態により電力ケーブルがねじられる荷重を受ける場合、電力ケーブルの一部に空転接続部を設け、ねじられる荷重が発生しても上側の電力ケーブルが空転することによって、電力ケーブルにねじりによる歪が発生することを抑制する。電力ケーブルは常態でも繰り返しねじられれば電気絶縁性能および機械的性能に障害を与え、通常より耐用年数は短くなるが、本発明によればこれを防止することができる。
【0015】
また、低温下(例えば−50℃)では電力ケーブルの構成材料は非常に硬くなり、ねじり荷重による変形が起こらなくなるが、本発明における空転接続部は低温でも空転の摩擦が増加しないようにすることは容易であり、布設形態から生じるねじれの発生を許容することができ、低温下でも上側の電力ケーブルの回転を妨げることなく、ねじられる電力ケーブルの損傷を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。図1は本発明に係る電力ケーブル接続構造の一実施形態を示す電力ケーブル1相分の断面図、図2は図1の電力ケーブル接続構造の電力ケーブル3相分の正面図、図3は図1の電力ケーブル接続構造の電力ケーブル3相分の平面図である。
【0017】
本例の電力ケーブル接続構造は、特許文献1に示されたようなタワー型の風力発電装置において、ナセル内の電力機器に接続された3相の高圧電力ケーブルまたは特高圧電力ケーブルを切断した後、ナセル内の電力機器に接続された上側の電力ケーブルと、タワー内に布設された下側の電力ケーブルとを接続する際に使用される(図2、図3参照)。上側の電力ケーブルはナセル内(または外)で捕縛され、下側の電力ケーブルはタワー内で捕縛されており、本例の電力ケーブル接続構造は、上側の電力ケーブルの捕縛部と下側の電力ケーブルの捕縛部との間に存在している。なお、電力ケーブルは切断することなく、上下の電力ケーブルを別々に布設してもよい。
【0018】
本例の電力ケーブル接続構造は、上側の電力ケーブル7の導体26に圧縮端子3および圧縮端子固定リング4を用いて接続された略円柱状の棒状導体からなる上側金属部材2と、下側の電力ケーブル25の導体27に圧縮端子22を用いて接続された略円柱状の棒状導体からなる下側金属部材13と、上側の電力ケーブル7の絶縁体6に接続され、上側金属部材2を内蔵するブッシングからなる上側絶縁部材1と、下側の電力ケーブル25の絶縁体24に接続され、下側金属部材13を内蔵するブッシングからなる下側絶縁部材13と、上側絶縁部材13の下部を収容する略有頭円筒状の上側接続容器9と、下側絶縁部材13の上下方向中間部を収容する略有底円筒状の下側接続容器17とを具備する。なお、上側絶縁部材1、下側絶縁部材13は、上側金属部材2、下側金属部材13の全部を内蔵するものであってもよく、一部を内蔵するものであってもよい。また、上側接続容器9、下側接続容器17は、上側絶縁部材1、下側絶縁部材13の全部を収容するものであってもよく、一部を収容するものであってもよい。
【0019】
上側金属部材2の下部には円筒状のレセプタクルにより凹部11が形成されているとともに、下側金属部材13の上部には円柱状の凸部(プラグ)14が形成され、凹部11に凸部14を挿入することにより、上側金属部材2が下側金属部材13に回転可能かつ電力通電可能に接続されている。凹部11は、回転時の摩擦を最小に抑えるため、円筒の壁部にすり割りを入れて内径方向に収縮応力を発生させるチューリップ型レセプタクルにより形成することが好ましい。なお、上側金属部材に凸部を設け、下側金属部材に凹部を設けてもよい。
【0020】
上側絶縁部材1の下部には凸部28が形成されているとともに、下側絶縁部材13の上部は凹部29が形成され、凹部29に凸部28を挿入することにより、上側絶縁部材1が下側絶縁部材13に回転可能に接続されている。また、上側絶縁部材1と下側絶縁部材13との間には間隙30が形成され、この間隙30に絶縁油8が充填されている。上記間隙の幅は、1〜200mmとすることが適当である。なお、上側絶縁部材に凹部を設け、下側絶縁部材に凸部を設けてもよい。
【0021】
本例においては、上側絶縁部材1に上側接続容器9が固定されている。また、下側絶縁部材13には取り付け用架台19が固定され、この取り付け用架台19にベース盤18が固定されているとともに、このベース盤18に下側接続容器17が固定されている。そして、上側接続容器9は、ボールベアリング10および回転運動用Oリング15を用いて下側接続容器17に回転可能に接続されている。また、上側接続容器9と下側接続容器17との間には、上側絶縁部材1と下側絶縁部材13との間の間隙30と連通する空間部31が形成され、この空間部31に絶縁油8が充填されている。
【0022】
なお、図中5は導電ゴムおよび絶縁ゴムからなるI型電力ケーブルコネクタ、23は導電ゴムおよび絶縁ゴムからなるT型電力ケーブルコネクタ、20はT型電力ケーブルコネクタ用絶縁栓、21はゴム製の絶縁栓用キャップ、16は平面固定用Oリングを示す。
【0023】
本例の電力ケーブル接続構造は、風力発電装置のナセルの回転により上側の電力ケーブル7にねじり荷重が加わったときに、上側金属部材2、上側絶縁部材1および上側接続容器9がそれぞれ回転することにより、上側の電力ケーブル7が回転し、これによって上記ねじり荷重を吸収し、ねじり荷重による電力ケーブルの破損を防止するものである(図2、図3参照)。なお、下側金属部材13、下側絶縁部材13および下側接続容器17は回転せず、固定状態にある。
【0024】
本例における電力ケーブル接続部の機能は、切断された電力ケーブルの各構成材料の特性を復元しつつ、電力ケーブルを接続することである。したがって、空転機構を追加しても、電力ケーブルの各構成材料の機能や特性の復元を行わなければならない。本例の電力ケーブル接続構造では、導体、絶縁体、遮蔽・シース、電力ケーブルの接続を下記のように行うことにより、上記目的を達成している。
【0025】
(導体の接続)
円柱形のプラグと円筒形のレセプタクルを用いることによって、空転および電力通電を行っている。本例では、空転時の摩擦を最小に抑えるため、レセプタクルとしては前述したチューリップ型のものが好ましい。
【0026】
(絶縁体の接続)
通常の電力ケーブル接続部の沿層方向の電気絶縁特性の復元は、電力ケーブル絶縁体または電力ケーブル絶縁体に付加した絶縁材料同士に圧力をかけ、強く密着させることで行っている。したがって、空転機構を付与するには従来にない絶縁構造を考案する必要がある。本例では、国際的に規格化されているブッシングを空転側に用い、固定側は同じくブッシング構造ではあるが、空転側ブッシングの凸部形状を収納できる凹部形状としている。凹凸嵌合の間隙の幅は、空転中にブッシング同士が接触しないように1mm以上とすることが好ましく、コンパクト性を追求するためは200mm以下とすることが好ましい。間隙には絶縁およびスムースな回転のために絶縁油を満たしておく。低温下で使用する場合は、絶縁油としてシリコーン油などの低温下でも粘度が高くならないものを選択すればよい。
【0027】
(遮蔽・シースの接続)
固定側接続容器(下側接続容器)、空転側接続容器(上側接続容器)ともブッシングに固定した金属製の筒で形成し、接続容器同士はボールベアリングおよび気密封止のためのOリングを介して結合し、空転しても接続容器同士が容易には外れないようにした。ボールベアリングは、金属製で常時金属製の接続容器と接触しているので、遮蔽の導通接続は、接続容器を組み立てることにより同時に行うことができる。シース機能に関しては、金属製の接続容器をOリングを介して結合するので、湿気の浸入もなく、機械的な保護も充分にある。
【0028】
(電力ケーブルの接続)
ブッシングの電力ケーブルコネクタへの嵌合部は、国際的に寸法が規格化されているものであり、電力ケーブルコネクタはブッシング寸法に見合ったものを選択すればよい。固定側電力ケーブルコネクタは、汎用で取付けが確実かつ容易で、分岐接続への拡大性もあるT型コネクタが好ましい。空転側電力ケーブルコネクタは、上側捕縛部が旋回したときに電力ケーブルが旋回する空間の範囲を狭くするために、I型コネクタの使用が好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る電力ケーブル接続構造の一実施形態を示す電力ケーブル1相分の断面図である。
【図2】図1の電力ケーブル接続構造の電力ケーブル3相分の正面図である。
【図3】図1の電力ケーブル接続構造の電力ケーブル3相分の平面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 上側絶縁部材
2 上側金属部材
6 絶縁体
7 上側の電力ケーブル
8 絶縁油
9 上側接続容器
11 凹部
12 下側絶縁部材
13 下側金属部材
14 凸部
17 下側接続容器
24 絶縁体
25 下側の電力ケーブル
26 導体
27 導体
28 凸部
29 凹部
30 間隙
31 空間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に沿って布設された上側の電力ケーブルと下側の電力ケーブルとを接続する電力ケーブル接続構造であって、
上側の電力ケーブルの導体に接続された上側金属部材と、
下側の電力ケーブルの導体に接続された下側金属部材と、
上側の電力ケーブルの絶縁体に接続され、前記上側金属部材を内蔵する上側絶縁部材と、
下側の電力ケーブルの絶縁体に接続され、前記下側金属部材を内蔵する下側絶縁部材と、
前記上側絶縁部材を収容する上側接続容器と、
前記下側絶縁部材を収容する下側接続容器とを具備し、
前記上側金属部材は前記下側金属部材に回転可能に接続され、
前記上側絶縁部材は前記下側絶縁部材に回転可能に接続され、
前記上側接続容器は前記下側接続容器に回転可能に接続されているとともに、
前記上側絶縁部材と前記下側絶縁部材との間には間隙が形成され、前記間隙に絶縁油が充填されていることを特徴とする電力ケーブル接続構造。
【請求項2】
前記上側金属部材は、下部に凹部または凸部が形成された棒状導体であり、
前記下側金属部材は、上部に凸部または凹部が形成され棒状導体であり、
前記上側金属部材の凹部または凸部と、前記下側金属部材の凸部または凹部とは互いに係合していることを特徴とする請求項1に記載の電力ケーブル接続構造。
【請求項3】
前記上側絶縁部材は、下部に凸部または凹部が形成されたブッシングであり、
前記下側絶縁部材は、上部に凹部または凸部が形成されたブッシングであり、
前記上側絶縁部材の凸部または凹部と、前記下側絶縁部材の凹部または凸部とは互いに係合していることを特徴とする請求項1または2に記載の電力ケーブル接続構造。
【請求項4】
前記上側接続容器と前記下側接続容器との間に、前記上側絶縁部材と下側絶縁部材との間の間隙と連通する空間部が形成され、前記空間部に絶縁油が充填されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力ケーブル接続構造。
【請求項5】
前記電力ケーブル接続構造は、上側の電力ケーブルの捕縛部と下側の電力ケーブルの捕縛部との間に存在していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力ケーブル接続構造。
【請求項6】
ナセル内の電力機器に接続された上側の電力ケーブルと、タワー内に布設された下側の電力ケーブルとが請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力ケーブル接続構造により接続されていることを特徴とする風力発電装置。
【請求項7】
前記上側の電力ケーブルおよび前記下側の電力ケーブルは、それぞれ高圧電力ケーブルまたは特高圧電力ケーブルであることを特徴とする請求項6に記載の風力発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−240020(P2009−240020A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80707(P2008−80707)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(591086843)古河電工産業電線株式会社 (40)
【Fターム(参考)】