説明

電力供給システム

【課題】情報の伝達と電力の伝送との間に時間差を設けることで、バスライン同士の接続により他の電力供給システムと接続することが可能な電力供給システムを提供すること。
【解決手段】情報を表す情報信号と電力とが重畳される、少なくとも2本以上の導線からなるバスラインと、バスラインに接続され、電力を供給する少なくとも一つの電源サーバと、バスラインに接続され、電源サーバから電力の供給を受ける少なくとも一つのクライアントと、を備える2以上のシステムを、バスライン間を導線で接続することで相互に接続し、導線は、バスラインを構成する各導線と接続する2以上の電極を備えるコネクタを含み、一の電極は、コネクタをバスラインに接続する際に他の電極より先にバスラインと接続される構造を有する、電力供給システムが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システムに関し、より詳細には、情報信号が電力に重畳して供給される電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータやゲーム機のような電子機器の多くは、機器の動作やバッテリの充電のために、商用電源より交流(AC)の電力を入力して機器に合わせた電力を出力するACアダプタが用いられている。通常、電子機器では直流(DC)によって動作するが、電圧や電流はそれぞれの機器で異なる。従って、機器に合わせた電力を出力するACアダプタの規格も、機器毎に異なることになり、同じような形状を有するACアダプタであっても互換性を有しないことになる、機器の増加に伴ってACアダプタの数も増加してしまう問題があった。
【0003】
このような問題に対して、バッテリやACアダプタ等の機器に電力を供給する電源供給ブロックと、当該電源供給ブロックから電力が供給される電源消費ブロックとを、直流の1つの共通バスラインに接続した電源バスシステムが提案されている(例えば特許文献1)。かかる電源バスシステムにおいては直流の電流がバスラインを流れている。また、かかる電源バスシステムにおいては、各ブロックは自らがオブジェクトとして記述されており、各ブロックのオブジェクトがバスラインを介して相互に情報(状態データ)の送受信を行っている。また各ブロックのオブジェクトは、他のブロックのオブジェクトからの要求に基づいて情報(状態データ)を生成し、回答データとして送信している。そして、回答データを受信したブロックのオブジェクトは、受信した回答データの内容に基づいて電力の供給や消費を制御することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−306191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような電源バスシステムは、バスライン同士を接続することで他の電源バスシステムと接続することができるように思われる。しかし、各電源バスシステムには固有のタイミングで電源供給ブロックから電力が出力されているので、バスライン同士をいきなり接続して電源バスシステム間を接続しまうと、電力の出力が競合してしまう問題があった。電力の出力が競合してしまうと、クライアントが規格と異なる電力を受けてしまうおそれがあり、クライアントの動作に支障を来たしてしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、情報の伝達と電力の伝送との間に時間差を設けることで、バスライン同士の接続により他の電力供給システムと接続することが可能な、新規かつ改良された電力供給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、情報を表す情報信号と電力とが重畳される、少なくとも2本以上の導線からなるバスラインと、バスラインに接続され、電力を供給する少なくとも一つの電源サーバと、バスラインに接続され、電源サーバから電力の供給を受ける少なくとも一つのクライアントと、を備える2以上のシステムを、バスライン間を導線で接続することで相互に接続し、導線は、バスラインを構成する各導線と接続する2以上の電極を備えるコネクタを含み、コネクタは、バスラインに接続する際に、一の電極が他の電極より先にバスラインと接続される構造を有する、電力供給システムが提供される。
【0008】
上記各システムは、電源サーバからの電力の供給を制御する同期サーバをさらに備え、同期サーバは、他のシステムとの接続を検知する検知パケットを定期的に送出し、他のシステムに含まれる同期サーバが送出した検知パケットを検出すると、検知パケットの送出を停止し、当該システムに含まれる電源サーバおよびクライアントに対して同期サーバの変更を通知してもよい。
【0009】
同期サーバは、電源サーバから電力を供給する期間の直前に、電力の供給開始を通知する開始パケットを送出してもよい。そして、クライアントは、開始パケットの受信に基づいて電源サーバからの電力供給を受けるようにしてもよい。
【0010】
他の電極より先にバスラインと接続される電極は、他の電極よりも短くてもよい。
【0011】
バスライン上に設けられ、ねじ孔を有し、コネクタがねじ孔に差し込まれた後にねじ込まれることで該コネクタと結合する結合部をさらに備え、コネクタを結合部に差し込むと該結合部によりバスライン中の一の導線のみが接続され、コネクタを結合部にねじ込むことでバスライン中の他の導線も接続されるようにしてもよい。
【0012】
バスライン上に設けられ、コネクタが差し込まれるメス型コネクタをさらに備え、メス型コネクタは、コネクタが差し込まれるとコネクタの一の電極のみをバスラインに接続し、コネクタが差し込まれた状態で所定の角度コネクタが回転されると、他の電極もバスラインに接続するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明によれば、情報の伝達と電力の伝送との間に時間差を設けることで、バスライン同士の接続により他の電力供給システムと接続することが可能な、新規かつ改良された電力供給システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
また、以下の順序に従って本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
〔1〕電力供給システムの構成
〔2〕電源サーバの構成
〔3〕クライアントの構成
〔4〕電力供給システム同士を接続する際の問題点
〔5〕複数の電力供給システムを接続するためのコネクタの構成例
〔6〕通信プロトコルの一例
〔7〕複数の電力供給システムを接続するためのコネクタの変形例
〔8〕まとめ
【0016】
〔1〕電力供給システムの構成
まず、本発明の一実施形態にかかる電力供給システムの構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる電力供給システムの構成について説明する説明図である。以下、図1を用いて本発明の一実施形態にかかる電力供給システムの構成について説明する。
【0017】
図1に示したように、本発明の一実施形態にかかる電力供給システム1は、電源サーバ100と、クライアント200と、を含んで構成される。電源サーバ100とクライアント200とは、バスライン10を介して接続されている。同様に、本発明の一実施形態にかかる電力供給システム2は、電源サーバ101と、クライアント201と、を含んで構成される。電源サーバ101とクライアント201とは、バスライン11を介して接続されている。
【0018】
電源サーバ100は、クライアント200に対して直流電力を供給するものである。また、電源サーバ100は、クライアント200との間で情報信号を送受信する。本実施形態においては、電源サーバ100とクライアント200との間の直流電力の供給および情報信号の送受信は、バスライン10で共用されている。電力供給システム2における、電源サーバ101およびクライアント201の関係も、電力供給システム1における電源サーバ100およびクライアント200の関係と同様である。電源サーバ100の構成については後述する。
【0019】
クライアント200は、電源サーバ100から直流電力の供給を受けるものである。また、クライアント200は、電源サーバ100との間で情報信号を送受信する。クライアント200の構成については後述する。
【0020】
なお、図1に示した電力供給システム1では、1つの電源サーバ100と、2つのクライアント200とを図示しているが、本発明においては、電源サーバの数とおよびクライアントの数はかかる例に限定されないことは言うまでも無い。電力供給システム2における電源サーバ101とクライアント201についても同様である。
【0021】
以上、図1を用いて本発明の一実施形態にかかる電力供給システムの構成について説明した。次に、本発明の一実施形態にかかる電源サーバ100の構成について説明する。
【0022】
〔2〕電源サーバの構成
図2は、本発明の一実施形態にかかる電源サーバ100の構成について説明する説明図である。以下、図2を用いて本発明の一実施形態にかかる電源サーバ100の構成について説明する。
【0023】
図2に示したように、本発明の一実施形態にかかる電源サーバ100は、AC/DCコンバータ110と、サーバコントローラ120と、モデム130と、インダクタ140と、スイッチ150と、を含んで構成される。
【0024】
AC/DCコンバータ110は、商用電源160から供給される交流の電力を、クライアント200に供給できるように直流の電力に変換する交流/直流変換部である。AC/DCコンバータ110で交流から直流へ変換された電力はバスライン10を経由してクライアント200に供給される。なお、バスライン10のうちの1本と、AC/DCコンバータ110との間には、図2に示したようにインダクタ140およびスイッチ150が設けられる。インダクタ140は、AC/DCコンバータ110の出力部に通常設けられるバイパスコンデンサによって、通信路のインピーダンスを低下させないために設けられるものである。また、スイッチ150は、電源サーバ100からいきなりバスライン10に電力が出力されないようにするために設けられるものである。
【0025】
サーバコントローラ120は、電源サーバ100による電力供給のための各種機能を実行するための制御部である、サーバコントローラ120は、例えば、マイクロプロセッサおよび当該マイクロプロセッサを動作させる周辺回路から構成される。サーバコントローラ120が実行する制御には、例えば、AC/DCコンバータ110から供給される電力をバスライン10と接続するか否かの制御、クライアント200との間の通信における通信プロトコルの制御がある。他にも、サーバコントローラ120が実行する制御には、例えば、クライアント200との間の情報信号の送受信制御などがある。またサーバコントローラ120は、その電力仕様(サーバプロファイル)や情報信号のためのプロトコル、通信により取得したクライアント200の情報などを内部情報として記憶する記憶部(図示せず)を備えている。
【0026】
モデム130は、バスライン10を介した、電源サーバ100とクライアント200との間の情報信号の送受信を可能とするものである。本実施形態にかかる電力供給システム1においては、情報信号と電力とは、同一の一対の導線を共有する。従って、混信しないように、周波数分割により、情報信号と電力とを分離する必要がある。本実施形態にかかる電力供給システム1では、電源サーバ100とクライアント200との間では、バスライン10を介して情報信号の送受信が行われる。この情報信号の送受信は、電力の伝送で使用する周波数帯域(例えば400Hz以下程度の低周波帯域)と混信しないように、十分高い周波数帯域を使用して行われる。モデム130は、この十分高い周波数帯域を使用して行われる情報信号の送受信における、信号の変調・復調を行うものである。
【0027】
以上、本発明の一実施形態にかかる電源サーバ100の構成について説明した。次に、本発明の一実施形態にかかるクライアント200の構成について説明する。
【0028】
〔3〕クライアントの構成
図3は、本発明の一実施形態にかかるクライアント200の構成について説明する説明図である。以下、図3を用いて本発明の一実施形態にかかるクライアント200の構成について説明する。
【0029】
図3に示したように、本発明の一実施形態にかかるクライアント200は、DC/DCコンバータ210と、クライアントコントローラ220と、モデム230と、インダクタ240と、スイッチ250、260と、バッテリ270と、を含んで構成される。
【0030】
DC/DCコンバータ210は、電源サーバ100から供給された直流の電力を、クライアント200に接続された負荷280が必要とする電流・電圧に変換するものである。そして、図3に示したように、DC/DCコンバータ210とバスライン10のうちの1本のバスラインとの間には、インダクタ240、およびスイッチ250、260が設けられている。これらのインダクタおよびスイッチは、上述した電源サーバ100のインダクタ140およびスイッチ150と同様に機能する。
【0031】
クライアントコントローラ220は、クライアント200が電源供給を受けるために、各種機能を実行するためのものである。クライアントコントローラ220は、上述したサーバコントローラ120と同様に、例えば、マイクロプロセッサおよび当該マイクロプロセッサを動作させる周辺回路から構成される。クライアントコントローラ220は、例えば、電源サーバ100から供給された電力をどのように消費するかの決定、電源サーバ100との間の情報信号の通信におけるプロトコルの制御などを行う。また、クライアントコントローラ220は、情報信号の送受信のためのプロトコルや、クライアント200の仕様に関するクライアント情報(クライアント電源プロファイル)などを内部情報として記憶する記憶部(図示せず)を備えている。
【0032】
モデム230は、バスライン10を介した、電源サーバ100とクライアント200との間の情報信号の送受信を可能とするものである。モデム230は、上述したモデム130と同じく、十分高い周波数帯域を使用して行われる情報信号の送受信における、信号の変調・復調を行うものである。
【0033】
なお、クライアント200は、負荷280の消費電力がゼロまたは少ない場合に、電源サーバ100から供給された電力をバッテリ270に蓄積することができる。
【0034】
以上、本発明の一実施形態にかかるクライアント200の構成について説明した。
【0035】
〔4〕電力供給システム同士を接続する際の問題点
ここで、図1に示した電力供給システム1と電力供給システム2とを、バスライン10、11を介して接続する場合を考える。上述したように、一の電力供給システムは、バスライン同士を接続することで、他の電力供給システムと接続することができるように思われる。しかし、各電力供給システムには固有のタイミングで電源サーバ100、101から電力が出力されているので、バスライン同士をいきなり接続して2つの電力供給システムを接続しまうと、電力の出力が競合してしまう問題がある。
【0036】
図1を参照して上記問題点を具体的に説明すると以下の通りである。図1では、バスライン10、11はそれぞれ2本の導線からなる。そこで、バスライン10、11を接続する場合には、例えば2ピンのコネクタを用いることになる。しかし、ピンの長さが同一であると、バスラインを構成する2本の導線が同時に接続されることになる。2本の導線が同時に接続されてしまうと、電源サーバ100および電源サーバ101からの電力の出力が競合してしまうおそれがある。
【0037】
電力供給システム1、2においては、直流電源または低周波の交流電源から供給される電力に高周波の情報が重畳されて、バスライン10、11を流れている。この直流電源または低周波の交流電源から供給される電力は、バスライン10、11を構成する導線の内、1つの導線とだけ接続された状態では供給されない。しかし、高周波の情報は、バスライン10、11を構成する導線の内、1つの導線とだけ接続されただけの状態であってもバスライン上を流れることができる。
【0038】
そこで、本発明の一実施形態においては、時間差を設けてバスライン10、11を構成する導線に1本ずつ接続できるように、バスライン10、11を接続するコネクタを構成することを特徴としている。以下において、複数の電力供給システムを接続するためのプラグやコネクタの構成と、当該プラグおよびコネクタによって他の電力供給システムと接続する際における通信処理について説明する。
【0039】
〔5〕複数の電力供給システムを接続するためのコネクタの構成例
まず、バスライン10、11を接続するためのコネクタの構成例について説明する。図4は、本発明の一実施形態にかかる電力供給システム同士を接続するためのコネクタ300を示す説明図である。また図4には、バスライン10に設けられるジャック12も併せて図示している。
【0040】
図4に示したように、コネクタ300は、長さが異なるピン310、311を含んで構成される。図4に示したコネクタ300は、ジャック12へ差し込むことで、先に一方のピン310のみをバスライン10へ導通させることができ、その後コネクタ300をさらにジャック12の奥まで差し込むことで、ピン311もバスライン10へ導通させることができる。
【0041】
上述したように、高周波の情報は、1つの導線とだけ接続されただけの状態であってもバスライン上を流れることができる。従って、電力供給システム1、2は、コネクタ300がジャック12に差し込まれる際に、一方のピン310のみがバスライン10に導通している状態で、高周波の情報をバスライン10、11に流すことができる。
【0042】
コネクタ300の一方のピン310がバスライン10に導通し、異なる電力供給システム間で通信経路が確立したならば、速やかに両電力供給システムにおける電源サーバからの給電の停止およびクライアントの受電の停止を実施することが望ましい。以下では、電源サーバからの給電の停止およびクライアントの受電の停止を実現するための通信プロトコルの一例について説明する。
【0043】
〔6〕通信プロトコルの一例
まず、本発明の一実施形態にかかる電力供給システム1における電力供給処理の一例を説明する。本発明の一実施形態にかかる電力供給システム1における電力供給処理については、例えば、本願の発明者と同一の発明者による、特開2008−123051号公報に開示された発明も併せて参照されたい。本発明の一実施形態にかかる電力供給システム1では、電源サーバ100からクライアント200への電力供給処理は、電源サーバ100からバスライン10に対して定期的に出力される同期パケットに基づいて行われる。同期パケットは、例えば1.1秒間隔で送信される。クライアント200は、バスライン10を伝送されてくる同期パケットによって電源サーバ100の存在を認識し、電源サーバ100にアクセスすることができる。クライアント200からのアクセスを受けた電源サーバ100は、クライアント200に対して自身のアドレスを送信する。電源サーバ100のアドレスを受信したクライアント200は、電源サーバ100に対して、受信したアドレス宛に電力供給を要求する情報信号を送信する。クライアント200からの電力供給を要求する情報信号を受信した電源サーバ100は、クライアント200に対して電力を供給する。
【0044】
図11は、本発明の一実施形態にかかる電力供給システム1による電力供給処理について説明する説明図である。以下、図11を用いて、本発明の一実施形態にかかる電力供給システム1による電力供給処理についてより詳細に説明する。
【0045】
図11に示したように、電源サーバ100は、バスライン10に対して定期的に同期パケットA1、A2、A3、・・・を出力する。また、電源サーバ100は、クライアント200に電力を供給するために、クライアント200との間で送受信される情報信号である情報パケットB1、B2、B3、・・・および電力エネルギーをパケット化した電力パケットC1、C2、C3、・・・を出力する。一方、クライアント200は、電源サーバ100から電力の供給を受けるために、電源サーバ100との間で送受信される情報信号である情報パケットD1、D2、D3、・・・を出力する。
【0046】
電源サーバ100は、所定の間隔(例えば1秒間隔)のタイムスロットの開始時に、同期パケットA1、A2、A3、・・・を出力する。タイムスロットは、情報パケットが送信される情報スロットと、電力パケットが送信される電力スロットとからなる。情報スロットIS1、IS2、IS3、・・・は、電源サーバ100とクライアント200との間で情報パケットのやり取りが行われる区間である。また電源スロットPS1、PS2、PS3、・・・は、電源サーバ100からクライアント200へ供給される電力パケットC1、C2、C3、・・・が出力される区間である。情報パケットは、情報スロットIS1、IS2、IS3、・・・の区間においてのみ出力可能なパケットである。従って、1つの情報スロットにおいて情報パケットの送受信が完了しない場合には複数の情報スロットに渡って情報パケットが送信される。一方、電力パケットは、電源スロットPS1、PS2、PS3、・・・の区間においてのみ出力可能なパケットである。
【0047】
電源サーバ100は、自身が供給可能な電力仕様を示すサーバ電源プロファイルを1または2以上有しており、クライアント200は、自身の仕様に適合する電力を供給可能な電源サーバ100から、電力の供給を受けるものとする。このとき、クライアント200は、電源サーバ100からサーバ電源プロファイルを取得して、自身に対する電源サーバ100の仕様(サーバ電源プロファイル)を決定する。このためにまず、クライアント200は、電源サーバ100が出力する同期パケットA1を検出して、同期パケットA1に含まれる電源サーバ100のアドレスを取得する。アドレスは、例えばMACアドレスとすることができる。次いで、クライアント200は、電源サーバ100に対して、電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイルの数の送信を要求する情報パケットD1を送信する。
【0048】
情報パケットD1を受信した電源サーバ100は、情報パケットB1において、電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイルの数であるサーバ電源プロファイル数を送信する。情報パケットB1を受信したクライアント200は、電源サーバ100のサーバ電源プロファイルの数だけサーバ電源プロファイルの内容を電源サーバ100から取得する。例えば電源サーバ100が2つのサーバ電源プロファイルを有する場合、クライアント200は、まず、1つめのサーバ電源プロファイルを取得する。1つめのサーバ電源プロファイルを取得したクライアント200は、電源の使用を要求する情報パケットD2として電源サーバ100に送信する。
【0049】
情報パケットD2を受信した電源サーバ100は、サーバコントローラ120の記憶部(図示せず)に記憶された第1のサーバ電源プロファイルを、情報パケットB2としてクライアント200に送信する。電源サーバ100から情報パケットB2を受信したクライアント200は、第2のサーバ電源プロファイルを取得するための情報パケットを送信する。しかし、この時点では情報スロットIS1が終了し、電源パケットを送信するための電源スロットPS1が開始している。従って、かかる情報パケットは次の情報スロットIS2において送信される。また、電源スロットPS1においては、クライアント200が電源サーバ100から供給を受ける電源仕様が確定していないため、電力の供給は行われない。
【0050】
電源スロットPS1が終了し、次のタイムスロットの開始を示す同期パケットA2が電源サーバ100から出力される。その後、電源サーバ100から情報パケットB2を受信したクライアント200は、第2のサーバ電源プロファイルを取得するための情報を情報パケットD3として送信する。
【0051】
情報パケットD3を受信した電源サーバ100は、サーバコントローラ120の記憶部(図示せず)に記憶された第2のサーバ電源プロファイルを、情報パケットB3としてクライアント200に送信する。情報パケットB3を受信して電源サーバ100の有する2つのサーバ電源プロファイルを取得したクライアント200は、自身に適合する電源仕様のサーバ電源プロファイルを選択する。そして、クライアント200は、電源サーバ100に対して選択したサーバ電源プロファイルを確定させるための情報パケットD4を送信する。
【0052】
情報パケットD4を受信した電源サーバ100は、クライアント200に対して第1のサーバ電源プロファイルを確定したことを通知するため、情報パケットB4として電源仕様が確定した旨の応答を表す情報を、クライアント200に送信する。その後、情報スロットIS2が終了して電源スロットPS2が開始すると、電源サーバ100はクライアント200に対して電源パケットC1を出力し、電源供給を行う。なお、電力パケットの送信のタイミングについては、送信開始時間設定リクエストを表す情報を用いることにより、電力供給開始時間をクライアント200から電源サーバ100に指定することができる。
【0053】
このように、従来においては、クライアント200は情報スロットにおいて電源サーバ100との交渉を行い、次の電力スロットにおいて電源サーバ100から電力を受け取る権利を獲得すると、電源スロットの開始時に、無条件で電力受信の回路を閉じていた。本実施形態では、この仕様を一部変更し、クライアントは、通信開始時に検出した同期サーバから送信された同期パケットを受信しない限り、電力受信回路を閉じずにに待機し続ける。なお、同期パケットに送信元のMACアドレスを含め、クライアントは、当該MACアドレスを参照することでどの同期サーバから送信されたパケットの電力部分であるかを判定するようにしてもよい。また、クライアントに登録されていない同期サーバからの同期パケットを受信した場合には。クライアントは直ちにスイッチ250、260を開放して電力受信回路を開く。これは、バスラインが異なる電力供給システムのバスラインと接続された(ホットコネクションされた)ことを示すからである。この仕様により、ホットコネクション時に別の電力供給システムからの電力パケットを誤って受信することを回避することができる。
【0054】
従来の電力供給システムにおいては、同期パケットは概ね1.1秒周期で送出されていた。しかし、同期パケットのみではホットコネクションの検出に時間がかかりすぎてしまう。そこで、本実施形態ではビーコンパケットを定義して、ホットコネクションの検出にビーコンパケットを用いる。
【0055】
図5は、本発明の一実施形態にかかる電力供給システムにおいて、電源サーバ100、101が送信するビーコンパケットについて示す説明図である。本実施形態においては、電源サーバ100、101は、それぞれ電力送信期間中にビーコンパケットを50ミリ秒間隔で転送する。なお、ビーコンパケットのフォーマットは同期パケットと同一であるが、電源パケット種別の値を同期パケットに割り当てられている値と異なる値に設定することで、同期パケットと区別する必要がある。クライアント200、201は、受信したビーコンパケットの内容に応じて、電力パケットを受信するか、または破棄するかを判別する。クライアント200、201は、電力受信回路を閉じて電力を受け取れる状態にある場合に、不明のMACアドレスを有するビーコンパケットを受信したときは、直ちに電力受信回路を開き、その電源スロットにおける電力の受け取りを放棄する。また、複数の電力供給システムが接続されると、同期サーバの変更が伴う。従って、クライアント200、201は、新しい同期サーバのアドレスへの更新処理を行った後に、当該同期サーバから送信される自分宛の同期パケットを待機する。
【0056】
2つの異なる電力供給システムを動的に結合すると、システム上には2つの同期サーバが存在することになる。1つの電力供給システム上に2つ以上の同期サーバが同時に存在すると、通信プロトコルに混乱を招くことになるので、一の同期サーバ以外の同期サーバは、同期サーバとしての役割を放棄しなければならない。このため、本実施形態においては、先に自分以外の同期パケット、または自分の管理下にない電源サーバからのビーコンパケットを受信した同期サーバは、以降の同期パケットの送信を停止し、同期サーバの役割を放棄する。また、同期サーバの役割を放棄した同期サーバは、次の情報スロットのタイミングで、同期サーバの変更通知を電力供給システム上にブロードキャストする。
【0057】
同期サーバの役割を放棄した同期サーバの管理下にあった電源サーバ及びクライアントは、同期サーバの変更通知の受信に伴って、それぞれが内部で記憶している同期サーバのアドレスを、新しい同期サーバのものに更新する。そして、以降は新しい同期サーバからの同期パケットに合わせて動作を行う。ここで、同期サーバの役割を放棄した同期サーバから送信される同期サーバの変更通知は、同期パケットと同一のものを用いることが出来る。その際には電源パケット種別の値を同期パケットに割り当てられている値およびビーコンパケットに割り当てられていると異なる値に設定することが望ましい。
【0058】
なお、ホットコネクションを前提とする電力供給システムにおいては、クライアントが電力を受けている場合、または電源サーバが電力を供給している場合に、別種の電力が重畳されてしまうことは避けなければならない。このため、本実施形態ではビーコンパケットの送出周期を50ミリ秒としたが、このビーコンパケットの送出周期は、バスラインへのコネクタの機械的接続に対して余裕のある周期とすることが望ましい。
【0059】
また、本実施形態のようにホットコネクションを前提とする電力供給システムにおいては、電力の供給が行われる電力パケットの送信の直前に、電力パケットが送信されることを示す開始パケットを同期サーバから送出してもよい。電力パケットの送信の直前に開始パケットを同期サーバから送出し、開始パケットを受信したクライアントにおいて電力を受け取る準備を開始することで、異なるシステムから電力が供給されることに対する保護期間を短くすることができる。図12は、電力パケットの送信の直前に開始パケットE1、E2、・・・が同期サーバから送出されることを示す説明図である。このように、電力パケットの送信の直前に開始パケットを送出し、クライアントで開始パケットを受信することで、クライアントは電源サーバからの電力の供給が開始されることを把握することが出来る。なお、開始パケットのフォーマットは、同期パケットのフォーマットを同じものを用いてもよい。
【0060】
上述したホットコネクション時における2つの電力供給システムの動作を、下記の表1に示す。以下の表では、電力供給システム1をシステムA、電力供給システム2をシステムBとし、動悸サーバAがシステムBからのビーコンパケット(または同期パケット)を先に検出した場合の流れを示している。
【0061】
【表1】

【0062】
以上説明したように通信プロトコルを構成することで、コネクタ300の一方のピン310がバスライン10に導通し、異なる電力供給システム間で通信経路が確立した時点で、電源サーバからの給電の停止およびクライアントの受電の停止を実施することができる。なお、上述の説明では、各電力供給システムにおいて、同期サーバの機能を各電源サーバに備えた場合について示したが、本発明はかかる例に限定されないことはいうまでもない。各電力供給システムにおいて、電源サーバとは別に同期サーバを設け、当該同期サーバから各パケットを送出するようにしてもよい。
【0063】
続いて、異なる電力供給システム間の接続に用いられるコネクタの変形例について説明する。
【0064】
〔7〕複数の電力供給システムを接続するためのコネクタの変形例
図6および図7は、本発明の一実施形態にかかる、異なる電力供給システム間の接続に用いられるコネクタ400、450の断面の形状について説明する説明図である。以下、図6および図7を用いて、本発明の一実施形態にかかる、異なる電力供給システム間の接続に用いられるコネクタ400、450について説明する。
【0065】
コネクタ400はオスのコネクタであり、コネクタ450はメスのコネクタである。コネクタ400およびコネクタ450は、本発明の結合部の一例であるねじ430にねじこむことで相互に接続することができる。コネクタ400は、コンタクト410と、シェル部420と、を含んで構成される。また、コネクタ450は、コンタクト460と、シェル部470と、を含んで構成される。
【0066】
コンタクト410、460は導体で形成されるものである。コネクタ400、450をコネクタ450のコンタクト460と接触することにより、バスライン10の導線10bと、バスライン11の導線11bとが接続される。また、シェル部420、470も導体で形成されるものであり、ねじ430のねじ孔433にシェル部420、470をねじ込むことでコネクタ400、450を固定することが出来る。また、ねじ430も導体で形成されるものであり、ねじ孔433にシェル部420、470をねじ込むことで、バスライン10の導線10aと、バスライン11の導線11aとが接続される。なお、コネクタ400、450を固定するためのねじ溝431、432は、互いに逆ねじになっていることが望ましい。また、コンタクト410、460の周囲には、コンタクト410、460がねじ430を介して導通しないように、絶縁体からなる絶縁部422、472を設けることが望ましい。
【0067】
コネクタ400、450が、図6のようにねじ430に単に差し込まれた状態では、コンタクト410、460は互いに接触していない状態であるので、この状態はバスライン10の導線10a、バスライン11の導線11aのみが接続されている状態である。従って、図6に示した状態では高周波を利用した通信のみが確立されており、直流または低周波の交流による電力伝送は行われない。
【0068】
その後、ねじ孔433にコネクタ400、450をねじ込み、図7のようにコンタクト410、460が接触すると、バスライン10の導線10bと、バスライン11の導線11bとが接続される。図7に示した状態では、バスライン10、11の2本の導線が接続されており、高周波を利用した通信と、直流または低周波の交流による電力伝送との両方が行われることになる。
【0069】
図6および図7に示したようにコネクタ400、450を構成することで、バスライン10、11の各導線がそれぞれ時間差を持って接続されることになる。従って、図6および図7に示したようにコネクタ400、450を構成することによって、異なる電力供給システムを接続する際に、まず通信経路が確立する。そして、通信経路が確立したところで、上述したような電源サーバからの給電の停止およびクライアントの受電の停止を実施できる。なお、バスライン10、11の各導線が接続される際の時間差は、ねじ430の長さに依存し、ねじ430の長さを調整することにより、当該時間差の調整が可能となる。
【0070】
図8は、本発明の一実施形態にかかる、異なる電力供給システム間の接続に用いられるメス型コネクタ500の構造について示す説明図である。また、図9は、本発明の一実施形態にかかる、異なる電力供給システム間の接続に用いられるプラグ550の構造について示す説明図である。
【0071】
メス型コネクタ500は、後述するオス型のコネクタであるプラグ550を差し込めるように構成されており、ハウジング510と、円弧状の電極受け穴520、530と、を含んで構成される。電極受け穴520には、メス側電極522が設けられ、電極受け穴530には、メス側電極532が設けられている。メス側電極522は、バスラインを構成する一の導線と接続され、図8に示したように、コネクタ500の円周方向に沿って、電極受け穴520に設けられる。一方、メス側電極532は、バスラインを構成する、上記一の導線と異なる他の導線と接続され、図8に示したように、電極受け穴530の一側に半円状に設けられる。そして、図8に示したように、コネクタ500は、電極受け穴520にのみ凸部524を有している。
【0072】
一方のプラグ550は、コネクタ500に差し込めるように構成されており、オス側電極560、570を含んで構成される。オス側電極560、570は、それぞれバスラインを構成する一の導線に接続される。そして、図9に示したように、プラグ550はオス側電極560にのみ突起562が設けられている。かかる突起562を設けることにより、プラグ550は、オス側電極560を電極受け穴520に、オス側電極570を電極受け穴530に、それぞれ差し込むことが出来る。
【0073】
このようにコネクタ500およびプラグ550を設けることで、バスラインを構成する2本の導線を、時間差を持って接続することができる。すなわち、図10に示したように、コネクタ500にプラグ550が差し込まれた時点では、オス側電極560とメス側電極522のみが接触した状態であり、この状態は、バスラインを構成する2本の導線中、1本の導線のみが接続されている状態である。従って、コネクタ500にプラグ550を差し込んだ時点で通信経路が確立し、通信経路が確立したところで電源サーバからの給電の停止およびクライアントの受電の停止を実施できる。そして、コネクタ500にプラグ550を差し込んだ状態で、プラグ550を時計回りに所定の角度回転させることで、オス側電極570とメス側電極532も接続される。オス側電極570とメス側電極532が接続されることでもう1本の導線も接続されるので、直流または低周波の交流による電力伝送が行われるようになる。
【0074】
以上、異なる電力供給システム間の接続に用いられるコネクタの変形例について説明した。
【0075】
〔8〕まとめ
以上説明したように本発明の一実施形態によれば、異なる電力供給システムを接続する際に、バスラインのそれぞれの導線を、時間差を持って接続することで、独立した動作を実行中の電力供給システム同士を接続することが可能となる。独立した動作を実行中の電力供給システム同士を接続できることで、実使用上の利便性が大きく向上し、使用が大きく簡素化される。また、このように異なる電力供給システムを接続することで、電力供給システムを接続するためのルータのような装置が不要となり、複数の電力供給システムの運用が容易となる。
【0076】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0077】
例えば、上記実施形態では、2つのバスラインを接続するためのプラグをバスライン上に設けられるジャックやコネクタに挿入した時点で、バスライン中の1本の導線が接続されるように構成したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、プラグおよびバスライン上に設けられるコネクタに無線通信機能または非接触通信機能を備え、プラグとコネクタとが所定の距離未満に近接した時点で各バスラインに流れる高周波の信号をお互いの電力供給システムに送信できるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、電力供給システムに適用可能であり、特に、情報信号が電力に重畳して供給される電力供給システムに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態にかかる電力供給システムの構成について説明する説明図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる電源サーバ100の構成について説明する説明図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるクライアント200の構成について説明する説明図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる電力供給システム同士を接続するためのコネクタ300を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる電力供給システムにおいて、電源サーバが送信するビーコンパケットについて示す説明図である。
【図6】異なる電力供給システム間の接続に用いられるコネクタの断面の形状について説明する説明図である。
【図7】異なる電力供給システム間の接続に用いられるコネクタの断面の形状について説明する説明図である。
【図8】異なる電力供給システム間の接続に用いられるコネクタの形状について説明する説明図である。
【図9】異なる電力供給システム間の接続に用いられるプラグの形状について説明する説明図である。
【図10】コネクタにプラグが差し込まれた状態を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施形態にかかる電力供給システムによる電力供給処理について説明する説明図である。
【図12】電力パケットの送出の直前に開始パケットが送出される場合について示す説明図である。
【符号の説明】
【0080】
1、2 電力供給システム
10、11 バスライン
10a、10b、11a、11b 導線
12 ジャック
100、101 電源サーバ
110 AC/DCコンバータ
120 サーバコントローラ
130 モデム
140 インダクタ
150 スイッチ
160 商用電源
200、201 クライアント
210 DC/DCコンバータ
220 クライアントコントローラ
230 モデム
240 インダクタ
250、260 スイッチ
270 バッテリ
280 負荷
300 コネクタ
310、311 ピン
400、450 コネクタ
410、460 コンタクト
420、470 シェル部
422、472 絶縁部
430 ねじ
431、432 ねじ溝
433 ねじ孔
500 コネクタ
510 ハウジング
520、530 電極受け穴
524 凸部
522、532 メス側電極
550 プラグ
560、570 オス側電極
562 突起


【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表す情報信号と電力とが重畳される、少なくとも2本以上の導線からなるバスラインと、
前記バスラインに接続され、前記電力を供給する少なくとも一つの電源サーバと、
前記バスラインに接続され、前記電源サーバから前記電力の供給を受ける少なくとも一つのクライアントと、
を備える2以上のシステムを、前記バスライン間を導線で接続することで相互に接続し、
前記導線は、前記バスラインを構成する各導線と接続する2以上の電極を備えるコネクタを含み、
前記コネクタは、前記バスラインに接続する際に、一の前記電極が他の前記電極より先に前記バスラインと接続される構造を有する、電力供給システム。
【請求項2】
前記システムは、前記電源サーバからの前記電力の供給を制御する同期サーバをさらに備え、
前記同期サーバは、他のシステムとの接続を検知する検知パケットを定期的に送出し、他のシステムに含まれる同期サーバが送出した検知パケットを検出すると、検知パケットの送出を停止し、当該システムに含まれる電源サーバおよびクライアントに対して同期サーバの変更を通知する、請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記同期サーバは、前記電源サーバから電力を供給する期間の直前に、電力の供給開始を通知する開始パケットを送出する、請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記クライアントは、前記開始パケットの受信に基づいて前記電源サーバからの電力供給を受ける、請求項3に記載の電力供給システム。
【請求項5】
他の前記電極より先に前記バスラインと接続される電極は、他の電極よりも短い、請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記バスライン上に設けられ、ねじ孔を有し、前記コネクタが前記ねじ孔に差し込まれた後にねじ込まれることで該コネクタと結合する結合部をさらに備え、
前記コネクタを前記結合部に差し込むと該結合部により前記バスライン中の一の導線のみが接続され、前記コネクタを前記結合部にねじ込むことで前記バスライン中の他の導線も接続される、請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項7】
前記バスライン上に設けられ、前記コネクタが差し込まれるメス型コネクタをさらに備え、
前記メス型コネクタは、前記コネクタが差し込まれると前記コネクタの一の電極のみを前記バスラインに接続し、前記コネクタが差し込まれた状態で所定の角度前記コネクタが回転されると、他の電極も前記バスラインに接続する、請求項1に記載の電力供給システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−148172(P2010−148172A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319679(P2008−319679)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】