電力変換装置
【課題】交流電源1を直接スイッチングして、任意の振幅および周波数の交流電圧を得る直接型の電力変換装置において、出力側からの回生電流により入力電流波形が歪む。
【解決手段】交流電源1と、負荷2と、交流電源1と負荷2との間に配置され入出力電流が連続となる双方向スイッチ群3と、双方向スイッチ群3の双方向スイッチのオン、オフを制御する制御部7を備えた電力変換装置において、前記制御部7は、双方向スイッチ群3の入出力電流が不連続(前記双方向スイッチ群3の入出力間が遮断される状態)となる制御期間を有するようにしたことで、回生電流による入力電流波形歪みを防止することが出来る。
【解決手段】交流電源1と、負荷2と、交流電源1と負荷2との間に配置され入出力電流が連続となる双方向スイッチ群3と、双方向スイッチ群3の双方向スイッチのオン、オフを制御する制御部7を備えた電力変換装置において、前記制御部7は、双方向スイッチ群3の入出力電流が不連続(前記双方向スイッチ群3の入出力間が遮断される状態)となる制御期間を有するようにしたことで、回生電流による入力電流波形歪みを防止することが出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置の制御技術に関するもので、特に入力電流の歪み抑制に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電力変換装置のブロック図を図17(a)に示す。電力変換装置は交流電源1を入力として双方向スイッチ群3に入力し、双方向スイッチ群3の出力には交流電動機22が接続される。また図17(b)は、双方向スイッチング群を構成するスイッチの構成例を示している。双方向スイッチ群3を構成するスイッチのオン、オフは制御部7により制御される。図15、図16に双方向スイッチQ1がオン、双方向スイッチQ2がオフの状態から双方向スイッチQ1がオフ、双方向スイッチQ2がオンの状態へと転流する場合の双方向スイッチ群3における転流シーケンスの動作原理を示す。図15は電流が交流電源1から交流電動機22に流れている場合の転流シーケンス、図16は電流が交流電動機22から交流電源1に流れている場合の転流シーケンスを示す。
【0003】
図15に示す交流電源1より交流電動機22に電流が流れている場合には、まずスイッチTr12をオフとする。このとき、交流電動機22に流れる電流はスイッチTr11を通して流れているので電流を遮断することはない。次にスイッチTr21をオンする。このとき電源電圧がV11>V22の場合にはスイッチTr11を介した実線のループを電流が流れ、V22>V11の場合にはスイッチTr21を介した破線のループを電流が流れスイッチTr11からスイッチTr21へ転流する。次にスイッチTr11をオンとするが、V11>V22のときはこの時点でスイッチTr11からスイッチTr21へ転流が起きる。最後にスイッチTr22をオンとして転流を完了する。次に図16に示す交流電動機22より交流電源1に電流が流れている場合には、まずスイッチTr11をオフとする。このとき、交流電動機22に流れる電流はスイッチTr12を通して流れているので電流を遮断することはない。次にスイッチTr22をオフとする。このとき電源電圧がV11<V22の場合にはスイッチTr12を介した実線のループを電流が流れ、V22<V11の場合にはスイッチTr22を介した破線のループを電流が流れスイッチTr11からスイッチTr21への転流が起きる。最後にスイッチTr21をオンとして転流を完了する。以上の転流シーケンスを用いることで、電流を遮断することなく、かつ、電源短絡を起こさないで、転流することが出来る(特許文献1参照)。
【0004】
このように電源電圧および電源電流の向きを考慮したスイッチ切替えにより、双方向スイッチ群3への入出力電流を遮断することなく、また電源短絡を起こすことなく転流を行うことが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3824189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の双方向スイッチ群3を構成するスイッチのオン、オフ制御を行う電力変換装置では、交流電源1が単相交流電源で負荷2がモータの場合、電源半周期毎に電源からの電力供給が低下するため、モータが発電機として作用し、モータからの回生電流が双方向スイッチ群3を介して入力電流波形に現れる。この回生電流により入力電流波形が歪んでしまうことが課題であった。本発明は回生電流による入力電流波形の歪みを防止する電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の電力変換装置は、交流電源と、負荷と、交流電源と負荷との間に配置され入出力電流が連続となる双方向スイッチ群と、双方向スイッチ群の双方向スイッチのオン、オフを、双方向スイッチ群の入出力電流が不連続となる期間を有するように制御する制御部と、を設けたものである。これにより回生電流による入力電流波形歪みを防止することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の電力変換装置は、回生電流による入力電流波形の歪みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1における電力変換装置を示す図
【図2】同実施の形態1における電力変換装置の詳細を示す図
【図3】双方向スイッチ群の詳細を示す図
【図4】(a)(b)は、同実施の形態1における電力変換装置に流れる回生電流の経路を示す図
【図5】歪みのある入力電流の電流波形を示す図
【図6】歪み防止のため制御部が動作する期間を示す図
【図7】歪み防止のため制御部が動作する期間の設定を示す図
【図8】(a)(b)は、モータ回転数に対する歪み防止期間調整の一例を示す図
【図9】(a)(b)は、交流電源電圧に対する歪み防止期間調整を示す図
【図10】電圧検出部の検出結果を用いた歪み防止期間調整を示す図
【図11】電圧検出部の検出結果に基づく歪み防止期間調整を示す図
【図12】モータ回転数に対する歪み防止期間調整を示す図
【図13】歪み防止のため制御部が動作する期間の設定における他の一例を示す図
【図14】モータ回転数に対する歪み防止期間調整の他の一例を示す図
【図15】従来技術の転流シーケンスの動作原理を示す図(電流が交流電源1から交流電動機22に流れている場合)
【図16】従来技術の転流シーケンスの動作原理を示す図(電流が交流電動機22から交流電源1に流れている場合)
【図17】従来技術の電力変換装置を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の発明の電力変換装置は、交流電源と、負荷と、前記交流電源と前記負荷との間に配置され、入出力電流が連続となる双方向スイッチ群と、前記双方向スイッチ群の双方向スイッチのオン、オフを、前記双方向スイッチ群の入出力電流が不連続となる期間を有するように制御する制御部と、を備えたことで、負荷からの回生電流が発生した場合、この回生電流による入力電流歪みを防止することが出来る。
【0011】
第2の発明の電力変換装置は、交流電源の位相を検出する電源位相検出部又は交流電源の電圧を検出する電圧検出部又は前記双方向スイッチ群への入力電流を検出する第1の電流検出部又は負荷電流を検出する第2の電流検出部、のうち少なくとも1つを備え、前記制御部は、前記電源位相検出部又は前記電圧検出部又は前記第1の電流検出部又は前記第2の電流検出部のうち少なくとも1つの検出結果を用いて、双方向スイッチ群の入出力電流が不連続となる制御期間を設定することで、負荷からの回生電流が流れている期間を推定した入力電流波形歪み防止を実現することが出来る。
【0012】
第3の発明の電力変換装置は、前記制御部は、電圧検出部により検出される電圧値の符号と第1の電流検出部により検出される電流値の符号が異なり、かつ前記第2の電流検出部により検出される電流値から求められる相電流が予め設定する範囲内となる場合に、前記交流電源と、相電流が予め設定する範囲内となった相との間の経路に流れる電流を不連続することで、負荷からの回生電流期間を判別して入力電流波形歪み防止を実現することが出来る。更に入出力電流を不連続にすることでの充電部の電圧上昇を抑制することが出来る。
【0013】
第4の発明は、前記電源位相検出部と、前記第2の電流検出部と、を備え、前記制御部は、前記電源位相検出部により検出される電源位相が予め設定する範囲内で、かつ前記第2の電流検出部により検出される電流値から求められる相電流が予め設定する範囲内となる場合に、前記交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との経路に流れる電流を不連続にすることで、負荷からの回生電流期間を推定した入力電流波形歪み防止を実現することが出来る。更に入出力電流を不連続にすることでの充電部の電圧上昇を抑制することが出来る。
【0014】
第5の発明は、前記電圧検出部と、前記第2の電流検出部と、を備え、前記制御部は、電圧検出部により検出される交流電源電圧値が予め設定する範囲内で、かつ第2の電流検出部により検出される電流値から求められる相電流が予め設定する範囲内となる場合に、交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との経路に流れる電流を不連続にすることで、交流電源電圧値(実効値)が変動した場合でも負荷からの回生電流期間を推定した入力電流波形歪み防止を実現することが出来る。更に入出力電流を不連続にすることでの充電部の電圧上昇を抑制することが出来る。
【0015】
第6の発明は、前記制御部は、交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との経路に流れる電流を不連続にする電源位相範囲を双方向スイッチ群の出力周波数、交流電源電圧(実効値)の少なくとも一方を用いて調整できるようにすることで、負荷からの回生電流期間を入出力の状態を考慮して正確に推定した入力電流波形歪み防止を実現することが出来る。
【0016】
第7の発明は、前記制御部は、交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との経路に流れる電流を不連続にする交流電源電圧値の範囲を双方向スイッチ群の出力周波数を用いて調整できるようにすることで、負荷からの回生電流期間を出力の状態を考慮して正確に推定した入力電流波形歪み防止を実現することが出来る。
【0017】
第8の発明は、前記制御部は、交流電源と第2の電流検出部により検出される電流値が予め設定する範囲内であることが検出された相との経路に流れる電流を不連続にする交流電源電圧値の範囲を電源位相検出部の検出値を用いて調整できるようにすることで、負荷からの回生電流期間を正確に推定した入力電流波形歪み防止を実現することが出来る。
【0018】
第9の発明は、前記双方向スイッチ群は、Ganを用いた半導体スイッチにより構成されることで、導通損失およびスイッチング損失の削減によるシステム全体の高効率化を実現することが出来る。
【0019】
第10の発明は、前記交流電源に単相交流電源、負荷に誘導性モータを用いることにより電源半周期毎に負荷が発電機として作用するシステムにおいて、回生電流による入力電流波形歪み防止を実現することが出来る。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における電力変換装置の構成を示すブロック図、図2はその詳細図を示している。
【0022】
交流電源1である単相交流電源は、双方向スイッチ群3により直接スイッチングされた電力を負荷2であるモータ21に供給する。双方向スイッチ群3は制御部7により双方向スイッチのオン・オフを制御され、任意の周波数および振幅に可変調整された電圧をモータ21へ供給する。双方向スイッチ群3の入力電圧は第1の全波整流ダイオード群4により全波整流され、双方向スイッチ群3の出力電圧は第2の全波整流ダイオード群5により全波整流される。コンデンサ等で構成される充電部6は第1の全波整流ダイオード群4及び第2の全波整流ダイオード群5に並列に接続される。交流電源1の位相を検出する電源位相検出部8と、交流電源1の電圧を検出する電圧検出部9と、前記双方向スイッチ群3への入力電流を検出する第1の電流検出部10と、負荷2であるモータ21へ供給される負荷電流を検出する第2の電流検出部11を備える。
【0023】
以上のように構成された電力変換装置において、以下にその動作、作用を説明する。
【0024】
まず、モータ21からの回生電流により入力電流波形に歪みが発生した場合の制御部7による双方向スイッチ群3の制御方法について説明する。図3は双方向スイッチ群3の構成を詳細に記載した図である。単相入力、三相出力型の電力変換装置では図3に示すようにQ11とQ12で1つの双方向スイッチを構成するとした場合、Q21とQ22、Q31とQ32、Q41とQ42、Q51とQ52、Q61とQ62の6つの双方向スイッチにより双方向スイッチ群3は構成される。
【0025】
図4は1相(U相)に着目した場合の回生電流を示す。このように回生電流が流れているときは、交流電源1の電圧Vrsの符号と双方向スイッチ群3への入力電流Irの符号とが異なる。このような状態におけるモータ21からの回生電流による入力電流波形歪みを防止するために制御部7は図4(a)ではQ12をオフあるいはQ12、Q21をオフする。図4(b)ではQ21をオフあるいはQ21,Q12をオフする。つまり双方向スイッチ群3の入出力電流を連続的ではなく不連続(双方向スイッチ群3の入出力間が遮断される状態)にすることで、モータ21で発生する回生電流が入力電流に現れるのを防いで、回生電流が入力電流波形に影響を与えることを防止する。
【0026】
図5は交流電源1の電圧Vrsの電圧波形と回生電流の影響で歪みのある入力電流Irの電流波形を示す。回生電流による入力電流波形の歪みは交流電源1の電圧Vrsがゼロ付近となる期間Tswの間に発生する。よって電圧検出部9により検出される交流電源1の電圧Vrsの符号と、第1の電流検出部10により検出される入力電流Irの符号が異なる場合、つまり期間Tswにおいて双方向スイッチ群3の入出力電流が不連続となるように制御部7によるスイッチ制御を行う。
【0027】
図6は歪み防止のため制御部が動作する期間を示している。ここで、期間Tswで図4(a)(b)のQ12、Q21をオフする場合、図6に示すように、第2の電流検出部11による相電流の検出値が予め設定する範囲内(−Ith<Iu<Ith)であるときに実施するようにする。この予め設定する電流範囲は充電部6の充電容量C、許容される電圧上昇値VとするとCV>∫(Ith)dtの関係を保つ範囲(Tsw2)とする。つまり期間Tsw2で実施することで、双方向スイッチ群3の入出力電流を不連続とすることによる充電部6の電圧上昇を抑制することが出来る。なお、V相におけるQ32、Q41、W相におけるQ52、Q61も同様である。
【0028】
次に双方向スイッチ群3の入出力電流を不連続にする期間Tswの別の設定方法について説明を行う。まず電源位相検出部8の検出結果を用いてTswを設定する場合について図7を用いて説明する。図7に交流電源1の電圧Vrsの電圧波形を示す。交流電源1が単相交流電源の場合、交流電源1の電圧Vrsがゼロ付近で回生電流による入力電流波形の歪みが発生する。このため交流電源1の電圧位相θが0°(360°)付近、180°付近の予め設定された電源位相範囲(θ1<θ<θ2、θ3<θ<θ4)をTswに設定して、双方向スイッチ群3の入出力電流が不連続になるよう制御部7により双方向スイッチ群3を制御することで、入力電流波形歪みを防止することが出来る。
【0029】
ここで回生電流はモータ21が発電機として作用して発生するため、期間Tswはモータ回転数に依存することになる。よって図8に示すように、モータ回転数が高くなるとTswが長くなるよう、θ1からθ4をモータ回転数に合わせて調整できるようにすることで、モータ回転数によらず入力電流波形歪みを防止することが出来る。
【0030】
更に、回生電流は入出力の大小関係にも依存する。すなわち、出力側のモータ回転数が同じであれば、入力側である交流電源1の電圧が低い方が回生電流による入力電流への影響は大きくなる。よって図9に示すように交流電源1の電圧値(実効値)が低くなるとTswが長くなるようにθ1からθ4を電圧検出部9により検出される交流電源1の電圧値(実効値)に合わせて調整できるようにすることで交流電源1の電圧(実効値)によらず入力電流波形歪みを防止することが出来る。
【0031】
次に電圧検出部9の検出結果(瞬時電圧値)を用いてTswを設定する場合について図10を用いて説明する。図10に交流電源1の電圧Vrsの電圧波形を示す。交流電源1が単相交流電源の場合、交流電源1の電圧Vrsがゼロ付近で回生電流による入力電流波形の歪みが発生する。このため交流電源1の電圧Vrsがゼロ付近となる予め設定された交流電源1の電圧範囲(−Vth<Vrs<Vth)をTswに設定して、双方向スイッチ群3の入出力電流が不連続になるように制御部7により双方向スイッチ群3を制御することで、入力電流波形歪みを防止することが出来る。この場合、図11に示すように交流電源1の電圧値(実効値)が高い場合のTswをTswH、低い場合をTswLとするとTswH<TswLとなり入出力の大小関係を考慮した設定がされる。
【0032】
ここで回生電流はモータ21が発電機として作用して発生するため期間Tswはモータ回転数に依存することになる。よって図12に示すようにモータ回転数が高くなるとTswが長くなるようVthをモータ回転数に合わせて調整できるようにすることでモータ回転数によらず入力電流波形歪みを防止することが出来る。
【0033】
次に電圧検出部9の検出結果(瞬時電圧値)と電源位相検出部8の検出結果を用いてTswを設定する場合について図13を用いて説明する。図13に交流電源1の電圧Vrsの電圧波形を示す。交流電源1が単相交流電源の場合、交流電源1の電圧Vrsがゼロ付近で回生電流による入力電流波形の歪みが発生する。このため交流電源1の電圧Vrsがゼロ付近となる予め設定された交流電源1の電圧範囲をTswに設定して、双方向スイッチ群3の入出力電流が不連続になるように制御部7により、双方向スイッチ群3を制御することで入力電流波形歪みを防止することが出来る。ここで予め設定する交流電源1の電圧範囲を交流電源1の電圧位相90°<θ<270°ではV4<Vrs<V2、交流電源1の電圧位相0°<θ<90°あるいは270°<θ<360°ではV3<Vrs<V1に切替えることで、交流電源1の電圧Vrsのゼロクロスに対してTswを非対称に設定できる。(V4<V3<0<V2<V1)また、この場合、図11に示すように交流電源1の電圧値(実効値)が高い場合のTswをTswH、低い場合をTswLとするとTswH<TswLとなり入出力の大小関係を考慮した設定がされる。
【0034】
ここで回生電流はモータ21が発電機として作用して発生するため期間Tswはモータ回転数に依存することになる。よって図14に示すようにモータ回転数が高くなるとTswが長くなるようV1からV4をモータ回転数に合わせて調整できるようにすることでモータ回転数によらず入力電流波形歪みを防止することが出来る。
【0035】
このように本発明では、交流電源1を双方向スイッチ群3により直接スイッチングして得られた任意の振幅および周波数の交流電力によりモータ駆動を行う電力変換装置において、モータ21からの回生電流による入力電流波形歪みを防止することができる。
【0036】
更に、双方向スイッチ群3をGanで構成される双方向スイッチで構成することで導通損失低減、スイッチング損失低減を図ることができシステム効率向上につながる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上のように、本発明は従来の電力変換装置と比較して、入力電流波形歪みを防止することができるため、入力電流において国際規格であるIEC高調波電流規制が適用されるエアコンや冷蔵庫などの圧縮機駆動用の電力変換装置に応用が可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 交流電源
2 負荷
3 双方向スイッチ群
4 第1の全波整流ダイオード群
5 第2の全波整流ダイオード群
6 充電部
7 制御部
8 電源位相検出部
9 電圧検出部
10 第1の電流検出部
11 第2の電流検出部
21 モータ
22 交流電動機
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置の制御技術に関するもので、特に入力電流の歪み抑制に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電力変換装置のブロック図を図17(a)に示す。電力変換装置は交流電源1を入力として双方向スイッチ群3に入力し、双方向スイッチ群3の出力には交流電動機22が接続される。また図17(b)は、双方向スイッチング群を構成するスイッチの構成例を示している。双方向スイッチ群3を構成するスイッチのオン、オフは制御部7により制御される。図15、図16に双方向スイッチQ1がオン、双方向スイッチQ2がオフの状態から双方向スイッチQ1がオフ、双方向スイッチQ2がオンの状態へと転流する場合の双方向スイッチ群3における転流シーケンスの動作原理を示す。図15は電流が交流電源1から交流電動機22に流れている場合の転流シーケンス、図16は電流が交流電動機22から交流電源1に流れている場合の転流シーケンスを示す。
【0003】
図15に示す交流電源1より交流電動機22に電流が流れている場合には、まずスイッチTr12をオフとする。このとき、交流電動機22に流れる電流はスイッチTr11を通して流れているので電流を遮断することはない。次にスイッチTr21をオンする。このとき電源電圧がV11>V22の場合にはスイッチTr11を介した実線のループを電流が流れ、V22>V11の場合にはスイッチTr21を介した破線のループを電流が流れスイッチTr11からスイッチTr21へ転流する。次にスイッチTr11をオンとするが、V11>V22のときはこの時点でスイッチTr11からスイッチTr21へ転流が起きる。最後にスイッチTr22をオンとして転流を完了する。次に図16に示す交流電動機22より交流電源1に電流が流れている場合には、まずスイッチTr11をオフとする。このとき、交流電動機22に流れる電流はスイッチTr12を通して流れているので電流を遮断することはない。次にスイッチTr22をオフとする。このとき電源電圧がV11<V22の場合にはスイッチTr12を介した実線のループを電流が流れ、V22<V11の場合にはスイッチTr22を介した破線のループを電流が流れスイッチTr11からスイッチTr21への転流が起きる。最後にスイッチTr21をオンとして転流を完了する。以上の転流シーケンスを用いることで、電流を遮断することなく、かつ、電源短絡を起こさないで、転流することが出来る(特許文献1参照)。
【0004】
このように電源電圧および電源電流の向きを考慮したスイッチ切替えにより、双方向スイッチ群3への入出力電流を遮断することなく、また電源短絡を起こすことなく転流を行うことが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3824189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の双方向スイッチ群3を構成するスイッチのオン、オフ制御を行う電力変換装置では、交流電源1が単相交流電源で負荷2がモータの場合、電源半周期毎に電源からの電力供給が低下するため、モータが発電機として作用し、モータからの回生電流が双方向スイッチ群3を介して入力電流波形に現れる。この回生電流により入力電流波形が歪んでしまうことが課題であった。本発明は回生電流による入力電流波形の歪みを防止する電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の電力変換装置は、交流電源と、負荷と、交流電源と負荷との間に配置され入出力電流が連続となる双方向スイッチ群と、双方向スイッチ群の双方向スイッチのオン、オフを、双方向スイッチ群の入出力電流が不連続となる期間を有するように制御する制御部と、を設けたものである。これにより回生電流による入力電流波形歪みを防止することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の電力変換装置は、回生電流による入力電流波形の歪みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1における電力変換装置を示す図
【図2】同実施の形態1における電力変換装置の詳細を示す図
【図3】双方向スイッチ群の詳細を示す図
【図4】(a)(b)は、同実施の形態1における電力変換装置に流れる回生電流の経路を示す図
【図5】歪みのある入力電流の電流波形を示す図
【図6】歪み防止のため制御部が動作する期間を示す図
【図7】歪み防止のため制御部が動作する期間の設定を示す図
【図8】(a)(b)は、モータ回転数に対する歪み防止期間調整の一例を示す図
【図9】(a)(b)は、交流電源電圧に対する歪み防止期間調整を示す図
【図10】電圧検出部の検出結果を用いた歪み防止期間調整を示す図
【図11】電圧検出部の検出結果に基づく歪み防止期間調整を示す図
【図12】モータ回転数に対する歪み防止期間調整を示す図
【図13】歪み防止のため制御部が動作する期間の設定における他の一例を示す図
【図14】モータ回転数に対する歪み防止期間調整の他の一例を示す図
【図15】従来技術の転流シーケンスの動作原理を示す図(電流が交流電源1から交流電動機22に流れている場合)
【図16】従来技術の転流シーケンスの動作原理を示す図(電流が交流電動機22から交流電源1に流れている場合)
【図17】従来技術の電力変換装置を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の発明の電力変換装置は、交流電源と、負荷と、前記交流電源と前記負荷との間に配置され、入出力電流が連続となる双方向スイッチ群と、前記双方向スイッチ群の双方向スイッチのオン、オフを、前記双方向スイッチ群の入出力電流が不連続となる期間を有するように制御する制御部と、を備えたことで、負荷からの回生電流が発生した場合、この回生電流による入力電流歪みを防止することが出来る。
【0011】
第2の発明の電力変換装置は、交流電源の位相を検出する電源位相検出部又は交流電源の電圧を検出する電圧検出部又は前記双方向スイッチ群への入力電流を検出する第1の電流検出部又は負荷電流を検出する第2の電流検出部、のうち少なくとも1つを備え、前記制御部は、前記電源位相検出部又は前記電圧検出部又は前記第1の電流検出部又は前記第2の電流検出部のうち少なくとも1つの検出結果を用いて、双方向スイッチ群の入出力電流が不連続となる制御期間を設定することで、負荷からの回生電流が流れている期間を推定した入力電流波形歪み防止を実現することが出来る。
【0012】
第3の発明の電力変換装置は、前記制御部は、電圧検出部により検出される電圧値の符号と第1の電流検出部により検出される電流値の符号が異なり、かつ前記第2の電流検出部により検出される電流値から求められる相電流が予め設定する範囲内となる場合に、前記交流電源と、相電流が予め設定する範囲内となった相との間の経路に流れる電流を不連続することで、負荷からの回生電流期間を判別して入力電流波形歪み防止を実現することが出来る。更に入出力電流を不連続にすることでの充電部の電圧上昇を抑制することが出来る。
【0013】
第4の発明は、前記電源位相検出部と、前記第2の電流検出部と、を備え、前記制御部は、前記電源位相検出部により検出される電源位相が予め設定する範囲内で、かつ前記第2の電流検出部により検出される電流値から求められる相電流が予め設定する範囲内となる場合に、前記交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との経路に流れる電流を不連続にすることで、負荷からの回生電流期間を推定した入力電流波形歪み防止を実現することが出来る。更に入出力電流を不連続にすることでの充電部の電圧上昇を抑制することが出来る。
【0014】
第5の発明は、前記電圧検出部と、前記第2の電流検出部と、を備え、前記制御部は、電圧検出部により検出される交流電源電圧値が予め設定する範囲内で、かつ第2の電流検出部により検出される電流値から求められる相電流が予め設定する範囲内となる場合に、交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との経路に流れる電流を不連続にすることで、交流電源電圧値(実効値)が変動した場合でも負荷からの回生電流期間を推定した入力電流波形歪み防止を実現することが出来る。更に入出力電流を不連続にすることでの充電部の電圧上昇を抑制することが出来る。
【0015】
第6の発明は、前記制御部は、交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との経路に流れる電流を不連続にする電源位相範囲を双方向スイッチ群の出力周波数、交流電源電圧(実効値)の少なくとも一方を用いて調整できるようにすることで、負荷からの回生電流期間を入出力の状態を考慮して正確に推定した入力電流波形歪み防止を実現することが出来る。
【0016】
第7の発明は、前記制御部は、交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との経路に流れる電流を不連続にする交流電源電圧値の範囲を双方向スイッチ群の出力周波数を用いて調整できるようにすることで、負荷からの回生電流期間を出力の状態を考慮して正確に推定した入力電流波形歪み防止を実現することが出来る。
【0017】
第8の発明は、前記制御部は、交流電源と第2の電流検出部により検出される電流値が予め設定する範囲内であることが検出された相との経路に流れる電流を不連続にする交流電源電圧値の範囲を電源位相検出部の検出値を用いて調整できるようにすることで、負荷からの回生電流期間を正確に推定した入力電流波形歪み防止を実現することが出来る。
【0018】
第9の発明は、前記双方向スイッチ群は、Ganを用いた半導体スイッチにより構成されることで、導通損失およびスイッチング損失の削減によるシステム全体の高効率化を実現することが出来る。
【0019】
第10の発明は、前記交流電源に単相交流電源、負荷に誘導性モータを用いることにより電源半周期毎に負荷が発電機として作用するシステムにおいて、回生電流による入力電流波形歪み防止を実現することが出来る。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における電力変換装置の構成を示すブロック図、図2はその詳細図を示している。
【0022】
交流電源1である単相交流電源は、双方向スイッチ群3により直接スイッチングされた電力を負荷2であるモータ21に供給する。双方向スイッチ群3は制御部7により双方向スイッチのオン・オフを制御され、任意の周波数および振幅に可変調整された電圧をモータ21へ供給する。双方向スイッチ群3の入力電圧は第1の全波整流ダイオード群4により全波整流され、双方向スイッチ群3の出力電圧は第2の全波整流ダイオード群5により全波整流される。コンデンサ等で構成される充電部6は第1の全波整流ダイオード群4及び第2の全波整流ダイオード群5に並列に接続される。交流電源1の位相を検出する電源位相検出部8と、交流電源1の電圧を検出する電圧検出部9と、前記双方向スイッチ群3への入力電流を検出する第1の電流検出部10と、負荷2であるモータ21へ供給される負荷電流を検出する第2の電流検出部11を備える。
【0023】
以上のように構成された電力変換装置において、以下にその動作、作用を説明する。
【0024】
まず、モータ21からの回生電流により入力電流波形に歪みが発生した場合の制御部7による双方向スイッチ群3の制御方法について説明する。図3は双方向スイッチ群3の構成を詳細に記載した図である。単相入力、三相出力型の電力変換装置では図3に示すようにQ11とQ12で1つの双方向スイッチを構成するとした場合、Q21とQ22、Q31とQ32、Q41とQ42、Q51とQ52、Q61とQ62の6つの双方向スイッチにより双方向スイッチ群3は構成される。
【0025】
図4は1相(U相)に着目した場合の回生電流を示す。このように回生電流が流れているときは、交流電源1の電圧Vrsの符号と双方向スイッチ群3への入力電流Irの符号とが異なる。このような状態におけるモータ21からの回生電流による入力電流波形歪みを防止するために制御部7は図4(a)ではQ12をオフあるいはQ12、Q21をオフする。図4(b)ではQ21をオフあるいはQ21,Q12をオフする。つまり双方向スイッチ群3の入出力電流を連続的ではなく不連続(双方向スイッチ群3の入出力間が遮断される状態)にすることで、モータ21で発生する回生電流が入力電流に現れるのを防いで、回生電流が入力電流波形に影響を与えることを防止する。
【0026】
図5は交流電源1の電圧Vrsの電圧波形と回生電流の影響で歪みのある入力電流Irの電流波形を示す。回生電流による入力電流波形の歪みは交流電源1の電圧Vrsがゼロ付近となる期間Tswの間に発生する。よって電圧検出部9により検出される交流電源1の電圧Vrsの符号と、第1の電流検出部10により検出される入力電流Irの符号が異なる場合、つまり期間Tswにおいて双方向スイッチ群3の入出力電流が不連続となるように制御部7によるスイッチ制御を行う。
【0027】
図6は歪み防止のため制御部が動作する期間を示している。ここで、期間Tswで図4(a)(b)のQ12、Q21をオフする場合、図6に示すように、第2の電流検出部11による相電流の検出値が予め設定する範囲内(−Ith<Iu<Ith)であるときに実施するようにする。この予め設定する電流範囲は充電部6の充電容量C、許容される電圧上昇値VとするとCV>∫(Ith)dtの関係を保つ範囲(Tsw2)とする。つまり期間Tsw2で実施することで、双方向スイッチ群3の入出力電流を不連続とすることによる充電部6の電圧上昇を抑制することが出来る。なお、V相におけるQ32、Q41、W相におけるQ52、Q61も同様である。
【0028】
次に双方向スイッチ群3の入出力電流を不連続にする期間Tswの別の設定方法について説明を行う。まず電源位相検出部8の検出結果を用いてTswを設定する場合について図7を用いて説明する。図7に交流電源1の電圧Vrsの電圧波形を示す。交流電源1が単相交流電源の場合、交流電源1の電圧Vrsがゼロ付近で回生電流による入力電流波形の歪みが発生する。このため交流電源1の電圧位相θが0°(360°)付近、180°付近の予め設定された電源位相範囲(θ1<θ<θ2、θ3<θ<θ4)をTswに設定して、双方向スイッチ群3の入出力電流が不連続になるよう制御部7により双方向スイッチ群3を制御することで、入力電流波形歪みを防止することが出来る。
【0029】
ここで回生電流はモータ21が発電機として作用して発生するため、期間Tswはモータ回転数に依存することになる。よって図8に示すように、モータ回転数が高くなるとTswが長くなるよう、θ1からθ4をモータ回転数に合わせて調整できるようにすることで、モータ回転数によらず入力電流波形歪みを防止することが出来る。
【0030】
更に、回生電流は入出力の大小関係にも依存する。すなわち、出力側のモータ回転数が同じであれば、入力側である交流電源1の電圧が低い方が回生電流による入力電流への影響は大きくなる。よって図9に示すように交流電源1の電圧値(実効値)が低くなるとTswが長くなるようにθ1からθ4を電圧検出部9により検出される交流電源1の電圧値(実効値)に合わせて調整できるようにすることで交流電源1の電圧(実効値)によらず入力電流波形歪みを防止することが出来る。
【0031】
次に電圧検出部9の検出結果(瞬時電圧値)を用いてTswを設定する場合について図10を用いて説明する。図10に交流電源1の電圧Vrsの電圧波形を示す。交流電源1が単相交流電源の場合、交流電源1の電圧Vrsがゼロ付近で回生電流による入力電流波形の歪みが発生する。このため交流電源1の電圧Vrsがゼロ付近となる予め設定された交流電源1の電圧範囲(−Vth<Vrs<Vth)をTswに設定して、双方向スイッチ群3の入出力電流が不連続になるように制御部7により双方向スイッチ群3を制御することで、入力電流波形歪みを防止することが出来る。この場合、図11に示すように交流電源1の電圧値(実効値)が高い場合のTswをTswH、低い場合をTswLとするとTswH<TswLとなり入出力の大小関係を考慮した設定がされる。
【0032】
ここで回生電流はモータ21が発電機として作用して発生するため期間Tswはモータ回転数に依存することになる。よって図12に示すようにモータ回転数が高くなるとTswが長くなるようVthをモータ回転数に合わせて調整できるようにすることでモータ回転数によらず入力電流波形歪みを防止することが出来る。
【0033】
次に電圧検出部9の検出結果(瞬時電圧値)と電源位相検出部8の検出結果を用いてTswを設定する場合について図13を用いて説明する。図13に交流電源1の電圧Vrsの電圧波形を示す。交流電源1が単相交流電源の場合、交流電源1の電圧Vrsがゼロ付近で回生電流による入力電流波形の歪みが発生する。このため交流電源1の電圧Vrsがゼロ付近となる予め設定された交流電源1の電圧範囲をTswに設定して、双方向スイッチ群3の入出力電流が不連続になるように制御部7により、双方向スイッチ群3を制御することで入力電流波形歪みを防止することが出来る。ここで予め設定する交流電源1の電圧範囲を交流電源1の電圧位相90°<θ<270°ではV4<Vrs<V2、交流電源1の電圧位相0°<θ<90°あるいは270°<θ<360°ではV3<Vrs<V1に切替えることで、交流電源1の電圧Vrsのゼロクロスに対してTswを非対称に設定できる。(V4<V3<0<V2<V1)また、この場合、図11に示すように交流電源1の電圧値(実効値)が高い場合のTswをTswH、低い場合をTswLとするとTswH<TswLとなり入出力の大小関係を考慮した設定がされる。
【0034】
ここで回生電流はモータ21が発電機として作用して発生するため期間Tswはモータ回転数に依存することになる。よって図14に示すようにモータ回転数が高くなるとTswが長くなるようV1からV4をモータ回転数に合わせて調整できるようにすることでモータ回転数によらず入力電流波形歪みを防止することが出来る。
【0035】
このように本発明では、交流電源1を双方向スイッチ群3により直接スイッチングして得られた任意の振幅および周波数の交流電力によりモータ駆動を行う電力変換装置において、モータ21からの回生電流による入力電流波形歪みを防止することができる。
【0036】
更に、双方向スイッチ群3をGanで構成される双方向スイッチで構成することで導通損失低減、スイッチング損失低減を図ることができシステム効率向上につながる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上のように、本発明は従来の電力変換装置と比較して、入力電流波形歪みを防止することができるため、入力電流において国際規格であるIEC高調波電流規制が適用されるエアコンや冷蔵庫などの圧縮機駆動用の電力変換装置に応用が可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 交流電源
2 負荷
3 双方向スイッチ群
4 第1の全波整流ダイオード群
5 第2の全波整流ダイオード群
6 充電部
7 制御部
8 電源位相検出部
9 電圧検出部
10 第1の電流検出部
11 第2の電流検出部
21 モータ
22 交流電動機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源と、負荷と、前記交流電源と前記負荷との間に配置され、入出力電流が連続となる双方向スイッチ群と、前記双方向スイッチ群の双方向スイッチのオン、オフを、前記双方向スイッチ群の入出力電流が不連続となる期間を有するように制御する制御部と、を備えた電力変換装置。
【請求項2】
前記交流電源の位相を検出する電源位相検出部又は前記交流電源の電圧を検出する電圧検出部又は前記双方向スイッチ群への入力電流を検出する第1の電流検出部又は負荷電流を検出する第2の電流検出部、のうち少なくとも1つを備え、
前記制御部は、前記電源位相検出部又は前記電圧検出部又は前記第1の電流検出部又は前記第2の電流検出部のうち少なくとも1つの検出結果を用いて、前記双方向スイッチ群の入出力電流が不連続となる制御期間を設定することを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記電圧検出部と、前記第1の電流検出部と、前記第2の電流検出部と、を備え、
前記制御部は、前記電圧検出部により検出される電圧値の符号と前記第1の電流検出部により検出される電流値の符号が異なり、かつ前記第2の電流検出部により検出される電流値から求められる相電流が予め設定する範囲内となる場合に、前記交流電源と、相電流が予め設定する範囲内となった相との間の経路に流れる電流を不連続することを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記電源位相検出部と、前記第2の電流検出部と、を備え、
前記制御部は、前記電源位相検出部により検出される電源位相が予め設定する範囲内で、かつ前記第2の電流検出部により検出される電流値から求められる相電流が予め設定する範囲内となる場合に、前記交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との間の経路に流れる電流を不連続にすることを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記電圧検出部と、前記第2の電流検出部と、を備え、
前記制御部は、前記電圧検出部により検出される交流電源電圧値が予め設定する範囲内で、かつ前記第2の電流検出部により検出されるから求められる相電流が予め設定する範囲内となる場合に、前記交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との間の経路に流れる電流を不連続にすることを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との間の経路に流れる電流を不連続にする電源位相範囲を、前記双方向スイッチ群の出力周波数又は電圧検出部の検出値の少なくとも一方を用いて調整できるようにすることを特徴とする請求項4記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との間の経路に流れる電流を不連続にする交流電源電圧値の範囲を、前記双方向スイッチ群の出力周波数を用いて調整できるようにすることを特徴とする請求項5記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との間の経路に流れる電流を不連続にする交流電源電圧値の範囲を、電源位相検出部の検出値を用いて調整できるようにすることを特徴とする請求項5又は請求項7記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記双方向スイッチ群は、Ganを用いた半導体スイッチにより構成される請求項1から8のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記交流電源に単相交流電源、前記負荷に誘導性モータを用いたことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項1】
交流電源と、負荷と、前記交流電源と前記負荷との間に配置され、入出力電流が連続となる双方向スイッチ群と、前記双方向スイッチ群の双方向スイッチのオン、オフを、前記双方向スイッチ群の入出力電流が不連続となる期間を有するように制御する制御部と、を備えた電力変換装置。
【請求項2】
前記交流電源の位相を検出する電源位相検出部又は前記交流電源の電圧を検出する電圧検出部又は前記双方向スイッチ群への入力電流を検出する第1の電流検出部又は負荷電流を検出する第2の電流検出部、のうち少なくとも1つを備え、
前記制御部は、前記電源位相検出部又は前記電圧検出部又は前記第1の電流検出部又は前記第2の電流検出部のうち少なくとも1つの検出結果を用いて、前記双方向スイッチ群の入出力電流が不連続となる制御期間を設定することを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記電圧検出部と、前記第1の電流検出部と、前記第2の電流検出部と、を備え、
前記制御部は、前記電圧検出部により検出される電圧値の符号と前記第1の電流検出部により検出される電流値の符号が異なり、かつ前記第2の電流検出部により検出される電流値から求められる相電流が予め設定する範囲内となる場合に、前記交流電源と、相電流が予め設定する範囲内となった相との間の経路に流れる電流を不連続することを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記電源位相検出部と、前記第2の電流検出部と、を備え、
前記制御部は、前記電源位相検出部により検出される電源位相が予め設定する範囲内で、かつ前記第2の電流検出部により検出される電流値から求められる相電流が予め設定する範囲内となる場合に、前記交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との間の経路に流れる電流を不連続にすることを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記電圧検出部と、前記第2の電流検出部と、を備え、
前記制御部は、前記電圧検出部により検出される交流電源電圧値が予め設定する範囲内で、かつ前記第2の電流検出部により検出されるから求められる相電流が予め設定する範囲内となる場合に、前記交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との間の経路に流れる電流を不連続にすることを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との間の経路に流れる電流を不連続にする電源位相範囲を、前記双方向スイッチ群の出力周波数又は電圧検出部の検出値の少なくとも一方を用いて調整できるようにすることを特徴とする請求項4記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との間の経路に流れる電流を不連続にする交流電源電圧値の範囲を、前記双方向スイッチ群の出力周波数を用いて調整できるようにすることを特徴とする請求項5記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記交流電源と、相電流が予め設定する範囲内であることが検出された相との間の経路に流れる電流を不連続にする交流電源電圧値の範囲を、電源位相検出部の検出値を用いて調整できるようにすることを特徴とする請求項5又は請求項7記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記双方向スイッチ群は、Ganを用いた半導体スイッチにより構成される請求項1から8のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記交流電源に単相交流電源、前記負荷に誘導性モータを用いたことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−200014(P2011−200014A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63817(P2010−63817)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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