説明

電力変換装置

【課題】交流電圧を直流電圧に変換し、当該直流電圧のレベルを調整可能な構成において、損失の低減および小型化を図ることが可能な電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力変換装置101は、第1の蓄電素子C21を含み、第1の半波整流回路D1から受けた第1の極性の電圧に基づいて第1の蓄電素子C21を充電することにより直流電圧を生成し、かつ直流電圧のレベルを調整可能な第1の昇降圧回路51と、第2の蓄電素子C22を含み、第2の半波整流回路D2から受けた第1の極性と逆極性である第2の極性の電圧に基づいて第2の蓄電素子C22を充電することにより直流電圧を生成し、かつ直流電圧のレベルを調整可能な第2の昇降圧回路52とを備える。第1の蓄電素子C21および第2の蓄電素子C22は、互いに電気的に接続されているか、または1つの蓄電素子として共通化されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関し、特に、交流電圧を直流電圧に変換する電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭の交流電力を用いて電気自動車(EV:Electric Vehicle)およびプラグイン方式のハイブリッドカー(HV:Hybrid Vehicle)等の駆動用の主電池を充電するための電力変換装置が開発されている。
【0003】
電気自動車およびプラグイン方式のハイブリッドカーの特長の一つは、家庭用コンセント等の外部電源を用いて主電池である車載バッテリを充電できることである。そして、AC100VまたはAC200Vの家庭用コンセントを用いて車載バッテリを充電するには、交流電圧(AC)をバッテリ用の直流電圧(DC)に変換するためのAC/DCコンバータが必要となる。
【0004】
AC/DCコンバータの一例として、たとえば、特許文献1(特開平10−304670号公報)には、以下のような構成が開示されている。すなわち、特許文献1の図4bに示される昇圧方式のAC/DCコンバータにおいては、半導体スイッチおよびインダクタで電源を短絡してリアクトルに磁気エネルギーを蓄積し、スイッチオフ時に蓄積した磁気エネルギーを電流エネルギーに変換して、負荷側へ電流を供給する。
【0005】
このAC/DCコンバータでは、入力電圧である交流電圧のピーク値より出力電圧が大きくなる。たとえば、交流電圧の振幅が200Vの場合には、出力直流電圧のレベルは280V以上となる。このため、入力電圧の大きさによっては、負荷に過大な電圧が印加されてしまう場合がある。
【0006】
このような問題点を解決するために、特許文献1の図4cに示される昇降圧方式のAC/DCコンバータにおいては、スイッチおよびリアクトルで整流回路の出力を短絡し、リアクトルの両端には、コンデンサおよび転流ダイオードが直列に接続されている。コンデンサは、スイッチオフによってリアクトルに発生した誘導起電力によって、転流ダイオードを経由して充電される。
【0007】
このAC/DCコンバータでは、スイッチを制御する信号のデューティを変えることにより、出力電圧の降圧および昇圧の両方が可能となり、出力電圧を任意のレベルに設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−304670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の図4cに示される昇降圧方式のAC/DCコンバータでは、スイッチがオフ状態のとき、当該スイッチに入力電圧および出力電圧の和に相当する電圧が印加される。このため、特許文献1の図4bに示される昇圧方式のAC/DCコンバータと比べて、スイッチの耐圧を大きくする必要があり、当該スイッチのサイズが大きくなってしまう。また、リアクトルも同様に、その耐圧を大きくする必要があり、サイズが大きくなってしまう。さらに、特許文献1の図4bに示される昇圧方式のAC/DCコンバータと比べて、スイッチおよびリアクトルに流れる電流が大きくなるため、損失が大きくなり、効率が低下してしまう。
【0010】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、交流電圧を直流電圧に変換し、当該直流電圧のレベルを調整可能な構成において、損失の低減および小型化を図ることが可能な電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電力変換装置は、交流電圧を直流電圧に変換するための電力変換装置であって、上記交流電圧を半波整流して第1の極性の電圧を出力するための第1の半波整流回路と、上記交流電圧を半波整流して上記第1の極性と逆極性である第2の極性の電圧を出力するための第2の半波整流回路と、第1の蓄電素子を含み、上記第1の半波整流回路から受けた電圧に基づいて上記第1の蓄電素子を充電することにより直流電圧を生成し、かつ上記直流電圧のレベルを調整可能な第1の昇降圧回路と、第2の蓄電素子を含み、上記第2の半波整流回路から受けた電圧に基づいて上記第2の蓄電素子を充電することにより直流電圧を生成し、かつ上記直流電圧のレベルを調整可能な第2の昇降圧回路とを備え、上記第1の蓄電素子および上記第2の蓄電素子は、互いに電気的に接続されているか、または1つの蓄電素子として共通化されている。
【0012】
このような構成により、特許文献1の図4cに示される昇降圧方式のAC/DCコンバータと比べて、昇降圧回路における各電気部品に印加される電圧を小さくすることができるため、各電気部品における損失を低減して効率を向上し、かつ小型化を図ることができる。また、交流電圧が高い場合であっても、負荷に過大な電圧が印加されることを防ぐことが可能となる。また、半波整流回路を用いることにより、全波整流回路を用いる構成と比べて小型化を図ることができる。
【0013】
好ましくは、上記第1の昇降圧回路は、第1のインダクタと、上記第1の半波整流回路から受けた電圧を上記第1のインダクタに供給するか否かを切り替えるための第1のスイッチ素子と、上記第1のインダクタと上記第1の蓄電素子との間に接続された第1のダイオードとを含み、上記第2の昇降圧回路は、上記第1のインダクタと直列に接続された第2のインダクタと、上記第2の半波整流回路から受けた電圧を上記第2のインダクタに供給するか否かを切り替えるための第2のスイッチ素子と、上記第2のインダクタと上記第2の蓄電素子との間に接続された第2のダイオードとを含み、上記第1の蓄電素子と上記第2の蓄電素子とが直列に接続されている。
【0014】
このような構成により、交流電圧を直流電圧に変換し、当該直流電圧のレベルを調整可能な構成において、簡易な回路で損失の低減および小型化を図ることができる。
【0015】
好ましくは、上記第1の昇降圧回路は、第1のインダクタと、上記第1の半波整流回路から受けた電圧を上記第1のインダクタに供給するか否かを切り替えるための第1のスイッチ素子とを含み、上記第2の昇降圧回路は、上記第1のインダクタと直列に接続された第2のインダクタと、上記第2の半波整流回路から受けた電圧を上記第2のインダクタに供給するか否かを切り替えるための第2のスイッチ素子とを含み、上記第1のインダクタおよび上記第2のインダクタは共通化されており、上記第1の昇降圧回路および上記第2の昇降圧回路は、上記第1の蓄電素子および上記第2の蓄電素子として共通の蓄電素子と、上記第1のインダクタおよび上記第2のインダクタと上記共通の蓄電素子との間に接続されたダイオードとを含む。
【0016】
このような構成により、第1のインダクタおよび第2のインダクタを共通化しない構成と比べて、インダクタの小型化を図り、回路の簡素化を図ることができる。
【0017】
より好ましくは、上記第1の半波整流回路から上記第1の極性の電圧が出力される期間において、上記第1のスイッチ素子のオン状態およびオフ状態が繰り返し切り替えられ、上記第2のスイッチ素子はオフ状態であり、上記第2の半波整流回路から上記第2の極性の電圧が出力される期間において、上記第2のスイッチ素子のオン状態およびオフ状態が繰り返し切り替えられ、上記第1のスイッチ素子はオフ状態である。
【0018】
このような構成により、2つの半波整流回路から出力された異なる極性の電圧を、適切なスイッチ制御により昇圧または降圧することができる。また、昇降圧を行なわない期間における各昇降圧回路の消費電力を低減することができる。
【0019】
好ましくは、上記電力変換装置は、さらに、入力側および出力側間を絶縁しながら、上記第1の昇降圧回路および上記第2の昇降圧回路から受けた直流電圧を負荷に伝達するための電力伝達用絶縁回路を備える。
【0020】
このような構成により、大きな容積を占める電源トランスを使用することなく交流電圧を直流電圧に変換し、かつ交流電源側と負荷側とを電気的に絶縁することができる。
【0021】
またこの発明の別の局面に係わる電力変換装置は、交流電圧を直流電圧に変換するための電力変換装置であって、上記交流電圧を全波整流して出力するための全波整流回路と、上記全波整流回路から受けた電圧を分圧して第1の分圧電圧および第2の分圧電圧を生成するための分圧回路と、第1の蓄電素子を含み、上記第1の分圧電圧に基づいて上記第1の蓄電素子を充電することにより直流電圧を生成し、かつ上記直流電圧のレベルを調整可能な第1の昇降圧回路と、第2の蓄電素子を含み、上記第2の分圧電圧に基づいて上記第2の蓄電素子を充電することにより直流電圧を生成し、かつ上記直流電圧のレベルを調整可能な第2の昇降圧回路とを備え、上記第1の蓄電素子および上記第2の蓄電素子は、互いに電気的に接続されているか、または1つの蓄電素子として共通化されている。
【0022】
このような構成により、特許文献1の図4cに示される昇降圧方式のAC/DCコンバータと比べて、昇降圧回路における各電気部品に印加される電圧を小さくすることができるため、各電気部品における損失を低減して効率を向上し、かつ小型化を図ることができる。また、交流電圧が高い場合であっても、負荷に過大な電圧が印加されることを防ぐことが可能となる。また、半波整流回路を用いる構成と比べて、第1の昇降圧回路および第2の昇降圧回路を選択的に動作させる必要がないため、当該直流電圧の変動を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、交流電圧を直流電圧に変換し、当該直流電圧のレベルを調整可能な構成において、損失の低減および小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る昇降圧回路における電圧、電流および制御信号を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路によるスイッチング動作を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る昇降圧回路における電圧、電流および制御信号を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る昇降圧回路における電圧、電流および制御信号を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0026】
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【0027】
図1を参照して、電力変換装置101は、ダイオード(半波整流回路)D1,D2と、昇降圧回路51,52と、電力伝達用絶縁回路54と、制御部14とを備える。昇降圧回路51は、キャパシタC11と、トランジスタTR11と、インダクタL11と、ダイオードD11と、キャパシタC21とを含む。昇降圧回路52は、キャパシタC12と、トランジスタTR12と、インダクタL12と、ダイオードD12と、キャパシタC22とを含む。電力伝達用絶縁回路54は、キャパシタC1,C2と、入力スイッチ部21と、出力スイッチ部22とを含む。入力スイッチ部21は、トランジスタTR21,TR22を含む。出力スイッチ部22は、トランジスタTR23,TR24を含む。トランジスタTR11,TR12,TR21,TR22,TR23,TR24は、たとえばIGBTである。なお、電力変換装置101において、これらの各トランジスタの代わりに他の種類のスイッチ素子を用いてもよい。
【0028】
電力変換装置101は、交流電源201から供給された交流電力を直流電力に変換して負荷202に供給する。負荷202は、たとえば、EVおよびプラグイン方式のHV等の駆動用の主電池である。
【0029】
ダイオードD1のアノードおよびダイオードD2のカソードが交流電源201の正側端子に接続されている。
【0030】
昇降圧回路51において、トランジスタTR11は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD1のカソードおよびキャパシタC11の第1端に接続されたコレクタと、ダイオードD11のカソードおよびインダクタL11の第1端に接続されたエミッタとを有する。ダイオードD11のアノードとキャパシタC21の第1端とが接続されている。キャパシタC11の第2端と、インダクタL11の第2端と、キャパシタC21の第2端と、交流電源201の負側端子とが接続されている。キャパシタC11の第1端が正側であり、第2端が負側である。キャパシタC21の第1端が負側であり、第2端が正側である。
【0031】
昇降圧回路52において、トランジスタTR12は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD2のアノードおよびキャパシタC12の第1端に接続されたエミッタと、ダイオードD12のアノードおよびインダクタL12の第1端に接続されたコレクタとを有する。ダイオードD12のカソードとキャパシタC22の第1端とが接続されている。キャパシタC12の第2端と、インダクタL12の第2端と、キャパシタC22の第2端と、交流電源201の負側端子とが接続されている。キャパシタC12の第1端が負側であり、第2端が正側である。キャパシタC22の第1端が正側であり、第2端が負側である。
【0032】
電力伝達用絶縁回路54において、トランジスタTR21は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、昇降圧回路52のキャパシタC22の第1端およびダイオードD5のカソードに接続されたコレクタと、ダイオードD5のアノードおよびキャパシタC1の第1端に接続されたエミッタとを有する。トランジスタTR22は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、昇降圧回路51のキャパシタC21の第1端およびダイオードD6のアノードに接続されたエミッタと、ダイオードD6のカソードおよびキャパシタC1の第2端に接続されたコレクタとを有する。トランジスタTR23は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD7のカソードおよびキャパシタC1の第1端に接続されたコレクタと、ダイオードD7のアノードおよびキャパシタC2の第1端に接続されたエミッタとを有する。トランジスタTR24は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD8のカソードおよびキャパシタC2の第2端に接続されたコレクタと、ダイオードD8のアノードおよびキャパシタC1の第2端に接続されたエミッタとを有する。キャパシタC1,C2の第1端が正側であり、第2端が負側である。
【0033】
ダイオードD1は、交流電源201から供給される交流電圧を半波整流して正電圧を出力する。また、ダイオードD2は、交流電源201から供給される交流電圧を半波整流して負電圧を出力する。
【0034】
昇降圧回路51は、キャパシタC21を含み、ダイオードD1から受けた正電圧に基づいてキャパシタC21を充電することにより直流電圧を生成し、かつ直流電圧のレベルを調整可能である。
【0035】
昇降圧回路52は、キャパシタC21と電気的に接続されたキャパシタC22を含み、ダイオードD2から受けた負電圧に基づいてキャパシタC22を充電することにより直流電圧を生成し、かつ直流電圧のレベルを調整可能である。
【0036】
昇降圧回路51において、トランジスタTR11は、ダイオードD1から受けた電圧をインダクタL11に供給するか否かを切り替える。ダイオードD11は、キャパシタC21とインダクタL11との間に接続されている。
【0037】
昇降圧回路52において、インダクタL12は、インダクタL11と直列に接続されている。トランジスタTR12は、ダイオードD2から受けた電圧をインダクタL12に供給するか否かを切り替える。ダイオードD12は、キャパシタC22とインダクタL12との間に接続されている。
【0038】
また、キャパシタC11,C12を設けることにより、ダイオードD1およびD2からの電圧をそれぞれ安定させることができる。
【0039】
また、キャパシタC21,C22を設けることにより、電力伝達用絶縁回路54への入力電流のリップルを防ぎ、回路動作の安定化を図るという効果が得られる。
【0040】
より詳細には、昇降圧回路51において、トランジスタTR11は、キャパシタC11と電気的に接続され、キャパシタC11との接続ノード経由で受けた電圧すなわちダイオードD1から受けた電圧をスイッチングする。インダクタL11は、トランジスタTR11がオンしたときに電流を増加させてエネルギーを蓄積する。そして、トランジスタTR11がオフしたときに、インダクタL11に蓄積されたエネルギーがダイオードD11を通してキャパシタC21へ放出され、キャパシタC21が充電される。
【0041】
制御部14は、制御信号をトランジスタTR11に出力することにより、トランジスタTR11のスイッチングを制御する。これにより、昇降圧回路51は、ダイオードD1から受けた電圧を直流電圧に変換するとともに昇圧または降圧する。
【0042】
昇降圧回路52において、トランジスタTR12は、キャパシタC12と電気的に接続され、キャパシタC12との接続ノード経由で受けた電圧すなわちダイオードD2から受けた電圧をスイッチングする。インダクタL12は、トランジスタTR12がオンしたときに電流を増加させてエネルギーを蓄積する。そして、トランジスタTR12がオフしたときに、インダクタL12に蓄積されたエネルギーがダイオードD12を通してキャパシタC22へ放出され、キャパシタC22が充電される。
【0043】
また、制御部14は、制御信号をトランジスタTR12に出力することにより、トランジスタTR12のスイッチングを制御する。これにより、昇降圧回路52は、ダイオードD2から受けた電圧を直流電圧に変換するとともに昇圧または降圧する。
【0044】
ここで、昇降圧回路51または昇降圧回路52の入力電圧をViとし、出力電圧をVaとし、トランジスタTR11またはTR12のオンデューティ比をDとすると、出力電圧Vaは以下のように表される。
Va=−{D/(1−D)}×Vi
【0045】
この式から分かるように、昇降圧回路51または昇降圧回路52は、デューティ比の設定次第で、入力電圧よりも高い出力電圧および低い出力電圧のいずれを得ることも可能である。すなわち、Vi<VaおよびVi>Vaの両方を実現することができる。
【0046】
なお、昇降圧回路51および昇降圧回路52の出力電圧はそれぞれ入力電圧に対して極性が反転するので、昇降圧回路51および昇降圧回路52と電力伝達用絶縁回路54との電気的接続の極性は反転されている。
【0047】
また、昇降圧回路51および昇降圧回路52は、力率改善回路としての機能も有している。すなわち、トランジスタTR11およびTR12は、制御部14により、昇降圧回路51および昇降圧回路52の入力電圧の位相と入力電流の位相とを合わせるようにそれぞれ制御される。
【0048】
電力伝達用絶縁回路54は、入力側および出力側間を絶縁しながら、昇降圧回路51,52から受けた電力を伝達する。
【0049】
より詳細には、入力スイッチ部21は、昇降圧回路51および昇降圧回路52において昇圧または降圧された電力すなわちキャパシタC21,C22に蓄えられた電力をトランジスタTR21のコレクタおよびトランジスタTR22のエミッタにおいて受けて、キャパシタC1に供給する。出力スイッチ部22は、キャパシタC1に蓄えられた電力をキャパシタC2に供給する。キャパシタC2に蓄えられた電力は、放電されて負荷202へ出力される。
【0050】
制御部14は、制御信号をトランジスタTR21〜TR24に出力することにより、トランジスタTR21〜TR24のオンおよびオフをそれぞれ切り替える。電力伝達用絶縁回路54は、制御部14のスイッチ制御により、昇降圧回路51,52および負荷202間を絶縁しながら、昇降圧回路51,52から受けた電力を負荷202に伝達する。
【0051】
[動作]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る昇降圧回路の動作について図面を用いて説明する。
【0052】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る昇降圧回路における電圧、電流および制御信号を示す図である。図2において、V1,V2は、それぞれキャパシタC11,C12の両端電圧である。また、G11,G12は、制御部14からトランジスタTR11およびTR12のゲートへそれぞれ出力される制御信号である。
【0053】
図2を参照して、ダイオードD1から正電圧が出力される期間において、トランジスタTR11のオン状態およびオフ状態が繰り返し切り替えられ、トランジスタTR12はオフ状態である。
【0054】
また、ダイオードD2から負電圧が出力される期間において、トランジスタTR12のオン状態およびオフ状態が繰り返し切り替えられ、トランジスタTR11はオフ状態である。
【0055】
ここで、交流電源201から供給される交流電圧の振幅が200Vであり、負荷202に供給すべき直流電圧が300Vである場合について考える。この場合において、交流電源201から供給される交流電圧の周波数は、たとえば60Hzまたは50Hzである。また、制御部14から各トランジスタへ出力される制御信号の周期は、たとえば50マイクロ秒である。
【0056】
入力電圧Viすなわち交流電源201から供給される交流電圧の極性が正の期間において、制御部14は、昇降圧回路51におけるトランジスタTR11をPWM(Pulse Width Modulation)制御する。
【0057】
より詳細には、昇降圧回路51において、トランジスタTR11がオンすると、電流I1が流れ、インダクタL11にエネルギーが蓄積される。また、トランジスタTR11がオフすると、インダクタL11に誘起電圧が発生し、電流I2が流れ、キャパシタC21が充電される。
【0058】
制御部14は、昇降圧回路51におけるトランジスタTR11をPWM制御することにより、キャパシタC21の両端電圧Va1を−150Vに制御する。
【0059】
一方、入力電圧Viすなわち交流電源201から供給される交流電圧の極性が負の期間において、制御部14は、昇降圧回路52におけるトランジスタTR12をPWM制御する。
【0060】
より詳細には、昇降圧回路52において、トランジスタTR12がオンすると、電流I3が流れ、インダクタL12にエネルギーが蓄積される。また、トランジスタTR12がオフすると、インダクタL12に誘起電圧が発生し、電流I4が流れ、キャパシタC22が充電される。
【0061】
制御部14は、昇降圧回路52におけるトランジスタTR12をPWM制御することにより、キャパシタC22の両端電圧Va2を−150Vに制御する。
【0062】
そして、キャパシタC21の両端電圧Va1およびキャパシタC22の両端電圧Va2の合成電圧、すなわち300Vの直流電圧が、電力伝達用絶縁回路54におけるトランジスタTR21,TR22に印加される。
【0063】
また、制御部14は、昇降圧回路51の入力電圧の位相と入力電流の位相とを合わせるように上記PWM制御を行い、かつ昇降圧回路52の入力電圧の位相と入力電流の位相とを合わせるように上記PWM制御を行なう。これにより、昇降圧回路51および昇降圧回路52の力率が改善される。
【0064】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路が電力伝達を行なう際の動作について図面を用いて説明する。
【0065】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路によるスイッチング動作を示す図である。
【0066】
図3を参照して、まず、制御部14は、期間T1において、トランジスタTR21をオンし、トランジスタTR22をオンし、トランジスタTR23をオフし、トランジスタTR24をオフする。これにより、キャパシタC21,C22に蓄えられた電荷が放電され、放電された電荷がキャパシタC1に蓄えられる。トランジスタTR23およびTR24がオフされていることにより、昇降圧回路51,52および負荷202間の絶縁が確保される。
【0067】
次に、制御部14は、期間T2において、トランジスタTR21〜TR24をオフする。これにより、電力伝達用絶縁回路54の入力側および出力側間の絶縁を確保するためのデッドタイムが設けられる。すなわち、入力スイッチ部21における各スイッチおよび出力スイッチ部22における各スイッチを介して電力伝達用絶縁回路54の入力側および出力側間、すなわち昇降圧回路51,52および負荷202間が短絡することを防ぐことができる。
【0068】
次に、制御部14は、期間T3において、トランジスタTR21をオフし、トランジスタTR22をオフし、トランジスタTR23をオンし、トランジスタTR24をオンする。これにより、キャパシタC1に蓄えられた電荷が放電され、放電された電荷がキャパシタC2に蓄えられる。トランジスタTR21およびTR22がオフされていることにより、昇降圧回路51,52および負荷202間の絶縁が確保される。
【0069】
次に、制御部14は、期間T4において、トランジスタTR21〜TR24をオフする。これにより、期間T2と同様に、電力伝達用絶縁回路54の入力側および出力側間の絶縁を確保するためのデッドタイムが設けられる。
【0070】
ここで、期間T1〜T4において、キャパシタC21,C22は昇降圧回路51,52において昇圧または降圧された電力により充電されており、また、キャパシタC2に蓄えられた電力は放電されて負荷202へ出力されている。また、期間T2およびT4においては、キャパシタC1における電荷の移動はない。
【0071】
そして、制御部14は、これら期間T1、期間T2、期間T3および期間T4をこの順番で繰り返すことにより、電力伝達用絶縁回路54の入力側および出力側間を絶縁しながら、昇降圧回路51,52からの電力を負荷202に伝達する。
【0072】
ところで、特許文献1の図4cに示される昇降圧方式のAC/DCコンバータでは、特許文献1の図4bに示される昇圧方式のAC/DCコンバータと比べて、スイッチの耐圧を大きくする必要があり、当該スイッチのサイズが大きくなってしまう。また、リアクトルも同様に、その耐圧を大きくする必要があり、サイズが大きくなってしまう。さらに、特許文献1の図4bに示される昇圧方式のAC/DCコンバータと比べて、スイッチおよびリアクトルに流れる電流が大きくなるため、損失が大きくなり、効率が低下してしまう。
【0073】
たとえば、特許文献1の図4cに示される昇降圧方式のAC/DCコンバータにおいて、スイッチの耐圧を確保するために、スイッチを2個使いにしてこれらを並列に接続する構成が考えられる。しかしながら、このような構成では、各スイッチの特性のばらつきにより、各スイッチにおける発熱および電流に偏りが発生する。そうすると、たとえばAC/DCコンバータにおける部品選定の際に、より悪条件となる方のスイッチにサイズ等を合わせる必要が生じてしまう。
【0074】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、ダイオードD1は、交流電源201から供給される交流電圧を半波整流して正電圧を出力する。ダイオードD2は、交流電源201から供給される交流電圧を半波整流して負電圧を出力する。昇降圧回路51は、キャパシタC21を含み、ダイオードD1から受けた正電圧に基づいてキャパシタC21を充電することにより直流電圧を生成し、かつ直流電圧のレベルを調整可能である。昇降圧回路52は、キャパシタC22を含み、ダイオードD2から受けた負電圧に基づいてキャパシタC22を充電することにより直流電圧を生成し、かつ直流電圧のレベルを調整可能である。そして、キャパシタC21およびキャパシタC22は、互いに電気的に接続されている。
【0075】
すなわち、交流電圧を2つのダイオードで整流して正電圧および負電圧を生成し、当該交流電圧の正のサイクル用の昇降圧回路、および負のサイクル用の昇降圧回路を設ける。
【0076】
このような構成により、特許文献1の図4cに示される昇降圧方式のAC/DCコンバータと比べて、昇降圧回路における各電気部品に印加される電圧を小さくすることができるため、各電気部品における損失を低減して効率を向上し、かつ小型化を図ることができる。
【0077】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、各昇降圧回路に設けるトランジスタは1つでよく、特許文献1の図4cに示される昇降圧方式のAC/DCコンバータのように、スイッチの耐圧を確保するために、スイッチを2個使いにしてこれらを並列に接続する必要がなくなる。これにより、各スイッチの特性のばらつきを考慮する必要がなくなり、たとえばスイッチの部品選定の際に、より悪条件となる方のスイッチにサイズ等を合わせることを不要とすることができる。
【0078】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、昇降圧回路51において、トランジスタTR11は、ダイオードD1から受けた正電圧をインダクタL11に供給するか否かを切り替える。ダイオードD11は、キャパシタC21とインダクタL11との間に接続されている。また、昇降圧回路52において、インダクタL12は、インダクタL11と直列に接続されている。トランジスタTR12は、ダイオードD2から受けた負電圧をインダクタL12に供給するか否かを切り替える。ダイオードD12は、キャパシタC22とインダクタL12との間に接続されている。そして、キャパシタC21とキャパシタC22とが直列に接続されている。
【0079】
このような構成により、交流電圧を直流電圧に変換し、当該直流電圧のレベルを調整可能な構成において、簡易な回路で損失の低減および小型化を図ることができる。
【0080】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、ダイオードD1から正電圧が出力される期間において、トランジスタTR11のオン状態およびオフ状態が繰り返し切り替えられ、トランジスタTR12はオフ状態である。また、ダイオードD2から負電圧が出力される期間において、トランジスタTR12のオン状態およびオフ状態が繰り返し切り替えられ、トランジスタTR11はオフ状態である。
【0081】
このような構成により、2つの半波整流回路から出力された異なる極性の電圧を、適切なスイッチ制御により昇圧または降圧することができる。また、昇降圧を行なわない期間における各昇降圧回路の消費電力を低減することができる。
【0082】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、電力伝達用絶縁回路54は、入力側および出力側間を絶縁しながら、昇降圧回路51および昇降圧回路52から受けた直流電圧を負荷に伝達する。
【0083】
このような構成により、大きな容積を占める電源トランスを使用することなく交流電圧を直流電圧に変換し、かつ交流電源側と負荷側とを電気的に絶縁することができる。
【0084】
なお、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置は、電力伝達用絶縁回路54を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。電力変換装置101が電力伝達用絶縁回路54を備えない構成であっても、入力電圧および出力電圧の調整範囲が広い、力率改善に対応したAC/DCコンバータ、およびEV等の充電器を提供することが可能である。
【0085】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置は、並列接続された2つの昇降圧回路を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。並列接続された3つ以上の昇降圧回路を備える構成であってもよい。
【0086】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置は、制御部14を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御部14が電力変換装置101の外部に設けられる構成であってもよい。
【0087】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置において、「インダクタ」は、リアクトルのような大型の部品も含むものとする。
【0088】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0089】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電力変換装置と比べて回路接続を変更した電力変換装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電力変換装置と同様である。
【0090】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【0091】
図4を参照して、電力変換装置102は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置と比べて、昇降圧回路51,52の代わりに昇降圧回路61,62を備える。
【0092】
昇降圧回路61は、キャパシタC11と、トランジスタTR11と、インダクタL21と、ダイオードD11と、キャパシタC31とを含む。昇降圧回路62は、キャパシタC12と、トランジスタTR12と、インダクタL21と、キャパシタC31とを含む。
【0093】
すなわち、電力変換装置102では、電力変換装置101の昇降圧回路51,52におけるインダクタL11およびインダクタL12が、インダクタL21として共通化されている。また、電力変換装置101の昇降圧回路51,52におけるキャパシタC21およびキャパシタC22が、キャパシタC31として共通化されている。また、ダイオードD11は、インダクタL21とキャパシタC31との間に接続されている。
【0094】
キャパシタC11,C12を設けることにより、ダイオードD1およびD2からの電圧をそれぞれ安定させることができる。
【0095】
また、キャパシタC31を設けることにより、電力伝達用絶縁回路54への入力電流のリップルを防ぎ、回路動作の安定化を図るという効果が得られる。
【0096】
より詳細には、昇降圧回路61において、トランジスタTR11は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD1のカソードおよびキャパシタC11の第1端に接続されたコレクタと、ダイオードD11のカソードおよびインダクタL21の第1端に接続されたエミッタとを有する。ダイオードD11のアノードとキャパシタC31の第1端とが接続されている。キャパシタC11の第2端と、インダクタL21の中途点と、交流電源201の負側端子とが接続されている。キャパシタC11の第1端が正側であり、第2端が負側である。
【0097】
昇降圧回路62において、トランジスタTR12は、制御部14からの制御信号を受けるゲートと、ダイオードD2のアノードおよびキャパシタC12の第1端に接続されたエミッタと、インダクタL21の第2端およびキャパシタC31の第2端に接続されたコレクタとを有する。キャパシタC12の第2端と、交流電源201の負側端子とが接続されている。キャパシタC12の第1端が負側であり、第2端が正側である。キャパシタC31の第1端が負側であり、第2端が正側である。
【0098】
昇降圧回路61において、トランジスタTR11は、キャパシタC11と電気的に接続され、キャパシタC11との接続ノード経由で受けた電圧すなわちダイオードD1から受けた電圧をスイッチングする。インダクタL21は、トランジスタTR11がオンしたときに電流を増加させてエネルギーを蓄積する。そして、トランジスタTR11がオフしたときに、インダクタL21に蓄積されたエネルギーがダイオードD11を通してキャパシタC31へ放出され、キャパシタC31が充電される。
【0099】
制御部14は、制御信号をトランジスタTR11に出力することにより、トランジスタTR11のスイッチングを制御する。これにより、昇降圧回路61は、ダイオードD1から受けた電圧を直流電圧に変換するとともに昇圧または降圧する。
【0100】
昇降圧回路62において、トランジスタTR12は、キャパシタC12と電気的に接続され、キャパシタC12との接続ノード経由で受けた電圧すなわちダイオードD2から受けた電圧をスイッチングする。インダクタL21は、トランジスタTR12がオンしたときに電流を増加させてエネルギーを蓄積する。そして、トランジスタTR12がオフしたときに、インダクタL21に蓄積されたエネルギーがダイオードD11を通してキャパシタC31へ放出され、キャパシタC31が充電される。
【0101】
また、制御部14は、制御信号をトランジスタTR12に出力することにより、トランジスタTR12のスイッチングを制御する。これにより、昇降圧回路62は、ダイオードD2から受けた電圧を直流電圧に変換するとともに昇圧または降圧する。
【0102】
ここで、昇降圧回路61または昇降圧回路62の入力電圧をViとし、出力電圧をVaとし、トランジスタTR11またはTR12のオンデューティ比をDとすると、出力電圧Vaは以下のように表される。
Va=−{2×D/(1−D)}×Vi
【0103】
この式から分かるように、昇降圧回路61または昇降圧回路62は、デューティ比の設定次第で、入力電圧よりも高い出力電圧および低い出力電圧のいずれを得ることも可能である。すなわち、Vi<VaおよびVi>Vaの両方を実現することができる。
【0104】
なお、昇降圧回路61および昇降圧回路62の出力電圧はそれぞれ入力電圧に対して極性が反転するので、昇降圧回路61および昇降圧回路62と電力伝達用絶縁回路54との電気的接続の極性は反転されている。
【0105】
また、昇降圧回路61および昇降圧回路62は、力率改善回路としての機能も有している。すなわち、トランジスタTR11およびTR12は、制御部14により、昇降圧回路61および昇降圧回路62の入力電圧の位相と入力電流の位相とを合わせるようにそれぞれ制御される。
【0106】
電力伝達用絶縁回路54は、入力側および出力側間を絶縁しながら、昇降圧回路61,62から受けた電力を伝達する。
【0107】
より詳細には、入力スイッチ部21は、昇降圧回路61および昇降圧回路62において昇圧または降圧された電力すなわちキャパシタC31に蓄えられた電力をトランジスタTR21のコレクタおよびトランジスタTR22のエミッタにおいて受けて、キャパシタC1に供給する。出力スイッチ部22は、キャパシタC1に蓄えられた電力をキャパシタC2に供給する。キャパシタC2に蓄えられた電力は、放電されて負荷202へ出力される。
【0108】
制御部14は、制御信号をトランジスタTR21〜TR24に出力することにより、トランジスタTR21〜TR24のオンおよびオフをそれぞれ切り替える。電力伝達用絶縁回路54は、制御部14のスイッチ制御により、昇降圧回路61,62および負荷202間を絶縁しながら、昇降圧回路61,62から受けた電力を負荷202に伝達する。
【0109】
[動作]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る昇降圧回路の動作について図面を用いて説明する。
【0110】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る昇降圧回路における電圧、電流および制御信号を示す図である。
【0111】
図5を参照して、ダイオードD1から正電圧が出力される期間において、トランジスタTR11のオン状態およびオフ状態が繰り返し切り替えられ、トランジスタTR12はオフ状態である。
【0112】
また、ダイオードD2から負電圧が出力される期間において、トランジスタTR12のオン状態およびオフ状態が繰り返し切り替えられ、トランジスタTR11はオフ状態である。
【0113】
ここで、交流電源201から供給される交流電圧の振幅が200Vであり、負荷202に供給すべき直流電圧が300Vである場合について考える。この場合において、交流電源201から供給される交流電圧の周波数は、たとえば60Hzまたは50Hzである。また、制御部14から各トランジスタへ出力される制御信号の周期は、たとえば50マイクロ秒である。
【0114】
入力電圧Viすなわち交流電源201から供給される交流電圧の極性が正の期間において、制御部14は、昇降圧回路61におけるトランジスタTR11をPWM(Pulse Width Modulation)制御する。
【0115】
より詳細には、昇降圧回路61において、トランジスタTR11がオンすると、電流I1が流れ、インダクタL21にエネルギーが蓄積される。また、トランジスタTR11がオフすると、インダクタL21に誘起電圧が発生し、電流I2が流れ、キャパシタC31が充電される。
【0116】
制御部14は、昇降圧回路61におけるトランジスタTR11をPWM制御することにより、キャパシタC31の両端電圧Va1を−300Vに制御する。
【0117】
一方、入力電圧Viすなわち交流電源201から供給される交流電圧の極性が負の期間において、制御部14は、昇降圧回路62におけるトランジスタTR12をPWM制御する。
【0118】
より詳細には、昇降圧回路62において、トランジスタTR12がオンすると、電流I3が流れ、インダクタL21にエネルギーが蓄積される。また、トランジスタTR12がオフすると、インダクタL21に誘起電圧が発生し、電流I2が流れ、キャパシタC31が充電される。
【0119】
制御部14は、昇降圧回路62におけるトランジスタTR12をPWM制御することにより、キャパシタC31の両端電圧Va1を−300Vに制御する。
【0120】
そして、キャパシタC31の両端電圧Va1すなわち300Vの直流電圧が、電力伝達用絶縁回路54におけるトランジスタTR21,TR22に印加される。
【0121】
また、制御部14は、昇降圧回路61の入力電圧の位相と入力電流の位相とを合わせるように上記PWM制御を行い、かつ昇降圧回路62の入力電圧の位相と入力電流の位相とを合わせるように上記PWM制御を行なう。これにより、昇降圧回路61および昇降圧回路62の力率が改善される。
【0122】
このように、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、各昇降圧回路のインダクタおよびキャパシタが共通化されている。具体的には、交流電圧を2つのダイオードで整流して正電圧および負電圧を生成し、当該交流電圧の正のサイクル用の昇降圧回路、および負のサイクル用の昇降圧回路を設ける。そして、各昇降圧回路の後段を統合する。すなわち、各昇降圧回路においてインダクタを一部共有し、直流電圧を出力するためのキャパシタを共通化する。
【0123】
このような構成により、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置と比べて、インダクタの小型化を図り、回路の簡素化を図ることができる。
【0124】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電力変換装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0125】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0126】
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電力変換装置と比べて全波整流回路を用いる電力変換装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電力変換装置と同様である。
【0127】
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【0128】
図6を参照して、電力変換装置104は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置と比べて、半波整流回路であるダイオードD1,D2の代わりに全波整流回路64を備える。また、電力変換装置104において、キャパシタC11,C12は、分圧回路65として機能する。
【0129】
全波整流回路64は、たとえば、ダイオードD31〜D34からなるダイオードブリッジを含み、交流電源201から供給される交流電力を全波整流して分圧回路65へ出力する。
【0130】
分圧回路65は、全波整流回路64から受けた電圧を分圧して分圧電圧V11および分圧電圧V12を生成する。すなわち、分圧回路65は、全波整流回路64が整流した入力電圧V10を受けて、直列に接続されたキャパシタC11およびキャパシタC12に電力を蓄積することにより、入力電圧V10をキャパシタC11の両端電圧V11とキャパシタC12の両端電圧V12とに分圧する。
【0131】
昇降圧回路51は、キャパシタC21を含み、分圧電圧V11に基づいてキャパシタC21を充電することにより直流電圧を生成し、かつ直流電圧のレベルを調整可能である。
【0132】
昇降圧回路52は、キャパシタC22を含み、分圧電圧V12に基づいてキャパシタC22を充電することにより直流電圧を生成し、かつ直流電圧のレベルを調整可能である。
【0133】
昇降圧回路51において、トランジスタTR11は、キャパシタC11と電気的に接続され、キャパシタC11との接続ノード経由で受けた電圧すなわち分圧回路65から受けた分圧電圧V11をスイッチングする。インダクタL11は、トランジスタTR11がオンしたときに電流を増加させてエネルギーを蓄積する。そして、トランジスタTR11がオフしたときに、インダクタL11に蓄積されたエネルギーがダイオードD11を通してキャパシタC21へ放出され、キャパシタC21が充電される。
【0134】
制御部14は、制御信号をトランジスタTR11に出力することにより、トランジスタTR11のスイッチングを制御する。これにより、昇降圧回路51は、分圧回路65から受けた分圧電圧V11を直流電圧に変換するとともに昇圧または降圧する。
【0135】
昇降圧回路52において、トランジスタTR12は、キャパシタC12と電気的に接続され、キャパシタC12との接続ノード経由で受けた電圧すなわち分圧回路65から受けた分圧電圧V12をスイッチングする。インダクタL12は、トランジスタTR12がオンしたときに電流を増加させてエネルギーを蓄積する。そして、トランジスタTR12がオフしたときに、インダクタL12に蓄積されたエネルギーがダイオードD12を通してキャパシタC22へ放出され、キャパシタC22が充電される。
【0136】
また、制御部14は、制御信号をトランジスタTR12に出力することにより、トランジスタTR12のスイッチングを制御する。これにより、昇降圧回路52は、分圧回路65から受けた分圧電圧V12を直流電圧に変換するとともに昇圧または降圧する。
【0137】
[動作]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る昇降圧回路の動作について図面を用いて説明する。
【0138】
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る昇降圧回路における電圧、電流および制御信号を示す図である。図7において、G11,G12は、制御部14からトランジスタTR11およびTR12のゲートへそれぞれ出力される制御信号である。また、IL1,IL2は、インダクタL11およびL12を通して流れる電流である。また、VP1,VP2は、それぞれ昇降圧回路51の基準電位および昇降圧回路52の基準電位であり、これらは同電位である。
【0139】
図7を参照して、電力変換装置104では、交流電源201から供給される交流電圧の極性に関わらず、トランジスタTR11およびTR12のオン状態およびオフ状態が繰り返し切り替えられる。
【0140】
ここで、交流電源201から供給される交流電圧の振幅が200Vであり、負荷202に供給すべき直流電圧が300Vである場合について考える。この場合において、交流電源201から供給される交流電圧の周波数は、たとえば60Hzまたは50Hzである。また、制御部14から各トランジスタへ出力される制御信号の周期は、たとえば50マイクロ秒である。
【0141】
制御部14は、昇降圧回路51におけるトランジスタTR11をPWM制御する。
【0142】
より詳細には、昇降圧回路51において、トランジスタTR11がオンすると、電流I11が流れ、インダクタL11にエネルギーが蓄積される。また、トランジスタTR11がオフすると、インダクタL11に誘起電圧が発生し、電流I12が流れ、キャパシタC21が充電される。
【0143】
制御部14は、昇降圧回路51におけるトランジスタTR11をPWM制御することにより、キャパシタC21の両端電圧Va1を−150Vに制御する。
【0144】
また、制御部14は、昇降圧回路52におけるトランジスタTR12をPWM制御する。
【0145】
より詳細には、昇降圧回路52において、トランジスタTR12がオンすると、電流I13が流れ、インダクタL12にエネルギーが蓄積される。また、トランジスタTR12がオフすると、インダクタL12に誘起電圧が発生し、電流I14が流れ、キャパシタC22が充電される。
【0146】
制御部14は、昇降圧回路52におけるトランジスタTR12をPWM制御することにより、キャパシタC22の両端電圧Va2を−150Vに制御する。
【0147】
そして、キャパシタC21の両端電圧Va1およびキャパシタC22の両端電圧Va2の合成電圧、すなわち300Vの直流電圧が、電力伝達用絶縁回路54におけるトランジスタTR21,TR22に印加される。
【0148】
また、制御部14は、昇降圧回路51の入力電圧の位相と入力電流の位相とを合わせるように上記PWM制御を行い、かつ昇降圧回路52の入力電圧の位相と入力電流の位相とを合わせるように上記PWM制御を行なう。これにより、昇降圧回路51および昇降圧回路52の力率が改善される。
【0149】
なお、電力変換装置104は、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置と同様に、インダクタL11,L12が一部共有され、キャパシタC11およびキャパシタC12が1つの蓄電素子として共通化される構成であってもよい。
【0150】
このように、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置では、全波整流回路64は、交流電源201から供給される交流電圧を全波整流して出力する。分圧回路65は、全波整流回路64から受けた電圧を分圧して分圧電圧V11および分圧電圧V12を生成する。昇降圧回路51は、キャパシタC21を含み、分圧電圧V11に基づいてキャパシタC21を充電することにより直流電圧を生成し、かつ直流電圧のレベルを調整可能である。昇降圧回路52は、キャパシタC22を含み、分圧電圧V12に基づいてキャパシタC22を充電することにより直流電圧を生成し、かつ直流電圧のレベルを調整可能である。そして、キャパシタC21およびキャパシタC22は、互いに電気的に接続されているか、または1つの蓄電素子として共通化されている。
【0151】
このような構成により、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置と同様に、特許文献1の図4cに示される昇降圧方式のAC/DCコンバータと比べて、昇降圧回路における各電気部品に印加される電圧を小さくすることができるため、各電気部品における損失を低減して効率を向上し、かつ小型化を図ることができる。
【0152】
また、本発明の第3の実施の形態に係る電力変換装置では、各昇降圧回路に設けるトランジスタは1つでよく、特許文献1の図4cに示される昇降圧方式のAC/DCコンバータのように、スイッチの耐圧を確保するために、スイッチを2個使いにしてこれらを並列に接続する必要がなくなる。これにより、各スイッチの特性のばらつきを考慮する必要がなくなり、たとえばスイッチの部品選定の際に、より悪条件となる方のスイッチにサイズ等を合わせることを不要とすることができる。
【0153】
具体的には、昇降圧回路51,52が昇圧または降圧する電圧は分圧回路65によって分圧された電圧である。したがって、分圧を行なわず電力の変換を行なう回路に比べて、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置と同様に、出力電圧を低く制御することができる。
【0154】
たとえば、交流電源201の供給電圧が200Vの交流電圧であり、ピーク電圧が約280Vである場合において、分圧回路65から出力される電圧V11および電圧V12が電圧V10の半分の電圧になると、電圧V11および電圧V12のピーク電圧は約140Vとなる。この場合、昇降圧回路51,52が出力する電圧は140Vの電圧を昇圧または降圧した電圧となり、分圧を行なわない昇降圧回路が出力する電圧の約半分になる。
【0155】
すなわち、昇降圧回路51,52から負荷202へ出力される電圧は、それぞれ分圧回路65が分圧した分圧電圧V11,V12に基づいているため、交流電源201からの交流電圧を分圧しない回路に比べて低い電圧となる。
【0156】
したがって、交流電源201からの交流電圧が高い場合であっても、負荷に過大な電圧が印加されることを防ぐことが可能となる。
【0157】
また、昇降圧回路51,52、および電力伝達用絶縁回路54に印加される電圧が低くなることから、分圧を行なわない電力変換装置に比べて、装置に用いられる素子に必要な耐圧性能を低くすることが可能である。具体的には、昇降圧回路51,52の入力電圧を、分圧を行なわない電力変換装置と比べて約1/2にすることができるため、トランジスタおよびキャパシタに耐圧の低い部品を用いることができる。
【0158】
また、電力変換装置104では、昇降圧回路51,52は、交流電源201から供給される交流電圧の周期ではなく、電力変換装置103における昇降圧回路51,52と同様の周期で動作する。
【0159】
すなわち、電力変換装置101では、昇降圧回路51および昇降圧回路52のいずれかが動作せず、キャパシタC21,C22の放電時間が長くなることから、負荷202への供給電圧の変動が大きくなる。これに対して、電力変換装置104では、昇降圧回路51および昇降圧回路52を選択的に動作させる必要がないため、負荷202への供給電圧の変動を小さくすることができる。
【0160】
ただし、電力変換装置101では、半波整流回路を用いることにより、電力変換装置104と比べてダイオードの数を減らすことができる。
【0161】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電力変換装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0162】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0163】
14 制御部
21 入力スイッチ部
22 出力スイッチ部
31,32 入力スイッチ部
33 出力スイッチ部
51,52,61,62 昇降圧回路
54,55 電力伝達用絶縁回路
64 全波整流回路
65 分圧回路
101,102,104 電力変換装置
C1,C2,C11,C12,C21,C22,C31 キャパシタ
L11,L12,L21 インダクタ
D1,D2 ダイオード(半波整流回路)
TR11,TR12,TR21,TR22,TR23,TR24,TR31,TR32,TR33,TR34,TR35,TR36 トランジスタ
D11,D12,D21,D22,D23,D24,D25,D26,D31〜D34 ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧を直流電圧に変換するための電力変換装置であって、
前記交流電圧を半波整流して第1の極性の電圧を出力するための第1の半波整流回路と、
前記交流電圧を半波整流して前記第1の極性と逆極性である第2の極性の電圧を出力するための第2の半波整流回路と、
第1の蓄電素子を含み、前記第1の半波整流回路から受けた電圧に基づいて前記第1の蓄電素子を充電することにより直流電圧を生成し、かつ前記直流電圧のレベルを調整可能な第1の昇降圧回路と、
第2の蓄電素子を含み、前記第2の半波整流回路から受けた電圧に基づいて前記第2の蓄電素子を充電することにより直流電圧を生成し、かつ前記直流電圧のレベルを調整可能な第2の昇降圧回路とを備え、
前記第1の蓄電素子および前記第2の蓄電素子は、互いに電気的に接続されているか、または1つの蓄電素子として共通化されている、電力変換装置。
【請求項2】
前記第1の昇降圧回路は、
第1のインダクタと、
前記第1の半波整流回路から受けた電圧を前記第1のインダクタに供給するか否かを切り替えるための第1のスイッチ素子と、
前記第1のインダクタと前記第1の蓄電素子との間に接続された第1のダイオードとを含み、
前記第2の昇降圧回路は、
前記第1のインダクタと直列に接続された第2のインダクタと、
前記第2の半波整流回路から受けた電圧を前記第2のインダクタに供給するか否かを切り替えるための第2のスイッチ素子と、
前記第2のインダクタと前記第2の蓄電素子との間に接続された第2のダイオードとを含み、
前記第1の蓄電素子と前記第2の蓄電素子とが直列に接続されている、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記第1の昇降圧回路は、
第1のインダクタと、
前記第1の半波整流回路から受けた電圧を前記第1のインダクタに供給するか否かを切り替えるための第1のスイッチ素子とを含み、
前記第2の昇降圧回路は、
前記第1のインダクタと直列に接続された第2のインダクタと、
前記第2の半波整流回路から受けた電圧を前記第2のインダクタに供給するか否かを切り替えるための第2のスイッチ素子とを含み、
前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタは共通化されており、
前記第1の昇降圧回路および前記第2の昇降圧回路は、
前記第1の蓄電素子および前記第2の蓄電素子として共通の蓄電素子と、
前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタと前記共通の蓄電素子との間に接続されたダイオードとを含む、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記第1の半波整流回路から前記第1の極性の電圧が出力される期間において、前記第1のスイッチ素子のオン状態およびオフ状態が繰り返し切り替えられ、前記第2のスイッチ素子はオフ状態であり、
前記第2の半波整流回路から前記第2の極性の電圧が出力される期間において、前記第2のスイッチ素子のオン状態およびオフ状態が繰り返し切り替えられ、前記第1のスイッチ素子はオフ状態である、請求項2または請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記電力変換装置は、さらに、
入力側および出力側間を絶縁しながら、前記第1の昇降圧回路および前記第2の昇降圧回路から受けた直流電圧を負荷に伝達するための電力伝達用絶縁回路を備える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
交流電圧を直流電圧に変換するための電力変換装置であって、
前記交流電圧を全波整流して出力するための全波整流回路と、
前記全波整流回路から受けた電圧を分圧して第1の分圧電圧および第2の分圧電圧を生成するための分圧回路と、
第1の蓄電素子を含み、前記第1の分圧電圧に基づいて前記第1の蓄電素子を充電することにより直流電圧を生成し、かつ前記直流電圧のレベルを調整可能な第1の昇降圧回路と、
第2の蓄電素子を含み、前記第2の分圧電圧に基づいて前記第2の蓄電素子を充電することにより直流電圧を生成し、かつ前記直流電圧のレベルを調整可能な第2の昇降圧回路とを備え、
前記第1の蓄電素子および前記第2の蓄電素子は、互いに電気的に接続されているか、または1つの蓄電素子として共通化されている、電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−5642(P2013−5642A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136100(P2011−136100)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【Fターム(参考)】