説明

電動パワーステアリング装置およびこれを備えた車両

【課題】誤組判定を行うことで安価な電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】本発明の電動パワーステアリング装置は、車両1の操舵操作をアシストする電動パワーステアリング装置Sであって、運転者が操作するステアリングホイール3と、ステアリングホイール3の回転角度を検出するステアリングホイール回転角度検出手段と、車両1の転舵輪2l、2rを操舵するアシスト力を伝達するステアリングアシスト力伝達手段5と、ステアリングアシスト力伝達手段5に接続され、アシスト力を付与するモータ7と、モータ7の回転角度を検出するモータ回転角度検出手段と、モータ7を制御するステアリング制御手段8とを備え、ステアリング制御手段8は、ステアリングホイール3の回転角度とモータ7の回転角度とを基準減速比と比較し、ステアリングアシスト力伝達手段5とステアリング制御手段8とが適合しているか否かを判定する適合判定手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四輪等の車両において、ステアリングECUとギアボックスとが適合しているかを確認する電動パワーステアリング装置およびこれを備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、四輪等の車両において、ステアリングECUとギアボックスとが互いに適合しているかを判定する技術に関しては、次の特許文献1、2がある。
特許文献1には、車両を操舵するステアリングホイール(以下、ハンドルと称す)の回転方向とハンドルをアシストする方向の位置を判断する技術が記載されている。
【0003】
特許文献2には、車両を操舵するハンドルの仕様情報と実際に得られたハンドルの情報とを比較して一致性を判断することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−299590号公報
【特許文献2】特開2006−224722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、同一車であっても、ハンドルとこれをアシストするモータの伝達系であるギアボックスの種類の違いや同じギアボックスでも減速比が違うものが存在するため、ギアボックスとECUの制御プログラムとの組み合わせは複雑化してきている。そのため、車両製造時、メンナンス時等にギアボックスとECUとの誤組みに対する対処が難しくなっている。
【0006】
EPS(Electric Power Steering System:電動パワーステアリングシステム)において異なるギアボックス形式(構造)に対して同一構造のECU(Electric Control Unit)を用いる場合、一般的にはECUのカプラー仕様による分別等の誤組対策が必要となる。
一方、EPSに用いるモータの回転方向が逆になることがある。例えば、右ハンドルまたは左ハンドルに組み合わされるギアボックスで、モータの回転する方向が逆の場合がある。
【0007】
すなわち、ある車はハンドルを右に操舵したときに、ギアボックスAのモータは、右回転する一方、他の車はハンドルを右に操舵したときに、ギアボックスBのモータは、左回転する。これは、左ハンドル車と、右ハンドル車の場合に生じる場合が多い。
【0008】
本発明は上記実状に鑑み、誤組判定を行うことで構造の作り分けなどを行う必要がない安価な電動パワーステアリング装置およびこれを備えた車両の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成すべく、第1の本発明に関わる電動パワーステアリング装置は、車両における運転者の操舵操作をアシストする電動パワーステアリング装置であって、前記運転者が前記車両を操舵するために操作するステアリングホイールと、前記ステアリングホイールの回転角度を検出するステアリングホイール回転角度検出手段と、前記車両の転舵輪に連結され前記転舵輪を操舵するアシスト力を伝達するステアリングアシスト力伝達手段と、前記ステアリングアシスト力伝達手段に接続され、前記アシスト力を付与するモータと、前記モータの回転角度を検出するモータ回転角度検出手段と、前記モータを制御するステアリング制御手段とを備え、前記ステアリング制御手段は、前記ステアリングホイールの回転角度と前記モータの回転角度とを基準減速比と比較し、前記ステアリングアシスト力伝達手段と前記ステアリング制御手段とが適合しているか否かを判定する適合判定手段を有している。
第1の本発明によれば、ステアリングアシスト力伝達手段とステアリング制御手段との誤組を防止できる。
【0010】
第2の本発明に関わる電動パワーステアリング装置は、第1の本発明の電動パワーステアリング装置において、前記適合判定手段は、前記ステアリングホイールの回転方向と前記モータの回転方向との方向関係を基準回転方向情報と比較し、前記ステアリングアシスト力伝達手段と前記ステアリング制御手段とが適合しているか否かを判定する。
第2の本発明によれば、ステアリングアシスト力伝達手段とステアリング制御手段との回転方向の誤組を防止できる。
【0011】
第3の本発明に関わる電動パワーステアリング装置は、第1または第2の本発明の電動パワーステアリング装置において、前記適合判定手段は、前記ステアリングホイールの回転角度の変化量の絶対値と前記モータの回転角度の変化量の絶対値を基準変化量減速比と比較し、前記ステアリングアシスト力伝達手段と前記ステアリング制御手段とが適合しているか否かを判定する。
第3の本発明によれば、ステアリングアシスト力伝達手段とステアリング制御手段との誤組を、ステアリングホイールの回転角度の変化量の絶対値とモータの回転角度の変化量の絶対値を基準変化量減速比と比較することで、防止できる。
【0012】
第4の本発明に関わる電動パワーステアリング装置は、第1から第3のうちの何れかの本発明の電動パワーステアリング装置において、前記モータの駆動を制御するモータ駆動制御手段を備え、前記適合判定手段が適合判定を終了するまでは、前記モータ駆動制御手段を作動させない駆動停止手段を有している。
第4の本発明によれば、適合判定手段が適合判定を終了するまでは、駆動停止手段によりモータ駆動制御手段を作動させないため、ステアリングアシスト力伝達手段とステアリング制御手段とが誤組か正組か明確でない状態での作動を防止できる。
【0013】
第5の本発明に関わる電動パワーステアリング装置は、第1から第4のうちの何れかの本発明の電動パワーステアリング装置において、前記適合判定手段が不適合と判定した場合には、前記駆動停止手段は前記モータ駆動制御手段を作動させない。
第5の本発明によれば、適合判定手段が不適合と判定した場合には、駆動停止手段はモータ駆動制御手段を作動させないため、誤組のステアリングアシスト力伝達手段とステアリング制御手段での作動を防止できる。
【0014】
第6の本発明に関わる電動パワーステアリング装置は、第4の本発明の電動パワーステアリング装置において、前記適合判定手段が適合と判定した場合には、前記モータ駆動制御手段の停止を解除して作動させる駆動停止解除手段を有している。
第6の本発明によれば、適合判定手段がステアリングアシスト力伝達手段とステアリング制御手段とが適合であると判定した場合に、モータ駆動制御手段の停止を解除して作動させることができる。
【0015】
第7の本発明に関わる電動パワーステアリング装置は、第1から第6のうちの何れかの本発明の電動パワーステアリング装置において、前記適合判定手段が不適合と判定した場合には、警告を発する警告発生手段を有している。
第7の本発明によれば、ステアリングアシスト力伝達手段とステアリング制御手段とが不適合の場合に、警告により報知することができる。
【0016】
第8の本発明に関わる電動パワーステアリング装置は、第1から第6のうちの何れかの本発明の電動パワーステアリング装置において、前記適合判定手段が不適合と判定した場合には、当該不適合が適合となるように設定を変更する設定変更手段を有している。
第8の本発明によれば、ステアリングアシスト力伝達手段とステアリング制御手段とが不適合の場合に、当該不適合が適合となるように設定を変更するので、ステアリングアシスト力伝達手段とステアリング制御手段とが不適合の場合に適合したものとできる。
【0017】
第9の本発明に関わる電動パワーステアリング装置は、第1の本発明の電動パワーステアリング装置において、ステアリング制御手段が前記車両に取り付け、取り外されたことを検知するステアリング制御検知手段と、前記ステアリングアシスト力伝達手段が前記車両に取り付け、取り外されたことを検知する伝達手段検知手段とを有し、前記ステアリング制御手段または前記ステアリングアシスト力伝達手段が前記車両に取り付けられた際に、前記ステアリング制御手段は、前記ステアリングホイールの回転角度と前記モータの回転角度とを基準減速比と比較し、前記ステアリングアシスト力伝達手段と前記ステアリング制御手段が適合しているか否かを判定する。
第9の本発明によれば、ステアリング制御手段またはステアリングアシスト力伝達手段が車両に取り付けられた際に、ステアリングアシスト力伝達手段とステアリング制御手段が適合しているか否かを判定できる。
【0018】
第10の本発明に関わる車両は、第1から第9の何れかの本発明の電動パワーステアリング装置を備えている。
第10の本発明によれば、ステアリングアシスト力伝達手段とステアリング制御手段との誤組を防止できる車両を得られる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に関わる電動パワーステアリング装置およびこれを備えた車両は、誤組判定を行うことで構造の作り分けなどを行う必要がない安価な電動パワーステアリング装置およびこれを備えた車両を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る実施形態1の車両の操舵に係る電動パワーステアリングシステムを示す概念図である。
【図2】実施形態1のAタイプ、Bタイプ、Cタイプのステアリングギアボックスを用いた場合のハンドルの回転角度または回転角度の変化量とギアボックスに接続されるアシストモータの回転角度または回転角度の変化量との関係を示す図である。
【図3】実施形態1の適合判定手段の仕様固有情報を示す図である。
【図4】実施形態1のステアリングECUの適合判定手段による適合判定の制御の流れを示すフロー図である。
【図5】実施形態2のステアリングECUの適合判定手段による減速比と回転方向を用いる適合判定制御の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
<<実施形態1>>
図1は、本発明に係る実施形態1の車両1の操舵に係る電動パワーステアリングシステム(電動パワーステアリング装置)を示す概念図である。
実施形態1の四輪等の車両1の前方には、車両1の進行方向を変える右前輪2rおよび左前輪2lと、左・右前輪2l、2rの操舵のために運転者が操作するステアリングホイール3(以下、ハンドル3と称す)とを備えている。
【0022】
ハンドル3は、運転者のハンドル3の操舵操作を左・右前輪2l、2rに伝えるステアリングコラム4a、ピニオンシャフト4bを介して、ステアリングギアボックス5(以下、ギアボックス5と称す)に接続されている。
ギアボックス5において、ピニオンシャフト4bに設けられたピニオンギア(図示せず)が、ラックギア(図示せず)と噛みあっている。
【0023】
ラックギアが設けられたラック軸はダストブーツ6c内でラックギアと同じ往復直線運動(図1の矢印α2方向)を行うタイロッド6aと接続され、タイロッド6aはタイロッド6aの往復直線運動を往復回転運動(図1の矢印α3)に変換するナックルアーム6bの一方端に接続され、ナックルアーム6bの他方端には左・右前輪2l、2rがそれぞれ固定されている
【0024】
この構成により、ユーザによるハンドル3の回転操作(図1の矢印α1方向)が、ピニオンシャフト4bのギアボックス5内のピニオンギア、ラックギアを介して、左・右前輪2l、2rが配置される方向のタイロッド6aの直線運動(図1の矢印α2方向)に変換され、ナックルアーム6bの直線運動から回転運動への変換により、右前輪2rおよび左前輪2lの図1の矢印α3方向の回転動作として伝達される。これにより、運転者のハンドル3の操舵(回転)操作に応じて車両1の進行方向が変更される。
なお、ピニオンシャフト4b、ギアボックス5、タイロッド6a等はサブフレーム11に支持されている。
【0025】
ギアボックス5には、ハンドル3の操舵(回転)操作をアシストするEPS(電動パワーステアリングシステムS)用のアシストモータ7が図示しない減速機構を介して、ピニオンシャフト4bまたはラックギアに接続されている。これにより、アシストモータ7の回転とハンドル3の回転の減速比は、当該減速機構によって規定されている。
アシストモータ7は、パワーハーネスp1を介して、ステアリングECU8から電力が供給される。つまり、ステアリングECU8は、アシストモータ7を駆動するモータ駆動制御手段を備えている。
【0026】
ステアリングECU8は、運転者のハンドル3の操作をアシストする電動パワーステアリングシステムSを制御する制御装置である。
ステアリングECU8は、アシストモータ7の軸に設けられアシストモータ7の回転角度を検知するモータ回転角度検出手段のレゾルバ(図示せず)に、レゾルバハーネスp2を介して、接続されている。これにより、アシストモータ7の回転角度の情報がレゾルバからステアリングECU8に送信される。
【0027】
ピニオンシャフト4bまたはステアリングコラム4aには、そのトルクを検知するためのトルクセンサ(図示せず)が設置されており、トルクセンサは、トルクセンサハーネスp3を介して、ステアリングECU8に接続されている。トルクセンサから、ピニオンシャフト4bまたはステアリングコラム4aのトルクの情報が、トルクセンサハーネスp3を介して、ステアリングECU8に送信される。
【0028】
また、運転者に各種表示を行うインストルメントパネル(図示せず)(以下、インパネと称す)近くには、赤色等の警告光を点灯するワーニングランプ(警告灯)wlが設けられている。ワーニングランプwlは、ワーニングハーネスp4を介して、ステアリングECU8に接続されている。運転者に警告が必要な場合、ステアリングECU8の警告発生手段の制御によりワーニングランプwlが赤色等に点灯するように制御される。
その他、車両1のインパネ近くには、図示しない警告音発生器がステアリングECU8に接続されて設けられており、運転者に警告が必要な場合には、ステアリングECU8の警告発生手段の制御により、警告音発生器から警告音が発生される。
【0029】
また、車両1には、電動パワーステアリングシステムSを駆動したり、エンジン(図示せず)を始動等するためのバッテリ9が、過電流を防止するヒューズ9aを介して、キャビンハーネスp5によってステアリングECU8に接続されている。
その他、ステアリングECU8には、ハンドル3の回転角を検知する舵角センサ(図示せず)(ステアリングホイール回転角度検出手段)から、ハンドル3の回転角の情報が入力される。
また、ステアリングECU8には、電子制御燃料噴射装置に係る車速信号等が入力されるとともに、車両1の姿勢を示すヨーレートの情報がヨーレートセンサから入力される。
【0030】
本構成により、ステアリングECU8は、トルクセンサの情報を基に運転者のハンドル3の操作を判断し、車速等の車両1の状態の情報から、ハンドル3への必要なアシスト力を、モータ駆動制御手段によりアシストモータ7を駆動させて発生させ、電動パワーステアリングシステムSを駆動させる。
【0031】
ところで、車両1は、同じ車種でも、グレードであったり、仕様により、ギアボックス5は異なるものが設置される。また、各ギアボックス5に対応したステアリングECU8がそれぞれ車両1に設置されることになる。
このように、製造時には、各車両1に対応するステアリングECU8、ギアボックス5が車両1のそれぞれのカプラに取り付けられる。また、メンテナンス時に、ステアリングECU8、ギアボックス5のうちの少なくとも何れかが交換された場合には、当該車両1に対応するステアリングECU8、ギアボックス5のうちの少なくとも何れかが、車両1のカプラに取り付けられることになる。
【0032】
例えば、図1に示すように、ギアボックス5は、アシストモータ7によりアシスト力が直接ラックギアに伝達される型(R軸EPSと称す)の減速比(アシストモータ7の減速比)10のAタイプや、アシストモータ7によるアシスト力がピニオンギアに伝達される型(P軸EPSと称す)の減速比(アシストモータ7の減速比)20のBタイプ、また、アシストモータ7によるアシスト力がピニオンギアに伝達される型(P軸EPS)の減速比20.5のCタイプの3種類が挙げられる。
【0033】
図2は、図1に示すAタイプ、Bタイプ、Cタイプのステアリングギアボックス5を用いた場合のハンドル3の回転角度または回転角度の変化量(ΔHr)とギアボックス5に接続されるアシストモータ7の回転角度または回転角度の変化量(ΔMr)との関係を示す図である。
ギアボックス5は、Aタイプの減速比:10、Bタイプの減速比:20、Cタイプの減速比:20.5により、ハンドル3の回転角度または回転角度の変化量(ΔHr)とアシストモータ7の回転角度または回転角度の変化量(ΔMr)との関係が異なることが明らかである。
【0034】
そして、車両1は同じ車種でも、グレードであったり、仕様により、Aタイプのギアボックス5、Bタイプのギアボックス5や、Cタイプのギアボックス5等の各車両1に対応するギアボックス5が取り付けられることとなる。
また、Aタイプのギアボックス5に対応して、減速比:10が設定されたAタイプのステアリングECU8が取り付けられる。
同様に、Bタイプのギアボックス5に対応して、減速比:20が設定されたBタイプのステアリングECU8が取り付けられる。
同様に、Cタイプのギアボックス5に対応して、減速比:20.5が設定されたCタイプのステアリングECU8が取り付けられる。
【0035】
ここで、Aタイプと、BタイプおよびCタイプとは、ギアボックス5の構造が異なる。また、BタイプとCタイプとは、ギアボックス5の構造は同じであるが、Bタイプの減速比:20に対して、Cタイプの減速比が20.5であり、BタイプとCタイプとは、減速比が異なる。
なお、Aタイプの減速比は、10であり、Bタイプの減速比:20とCタイプの減速比が20.5とも異なる。
【0036】
このように、車両1によって異なるタイプのギアボックス5、ステアリングECU8がそれぞれ取り付けられるため、製造時、メンテナンスの交換時等にギアボックス5やステアリングECU8の誤った取り付けを防ぐための適合判定手段が、ステアリングECU8に備わっている。
【0037】
適合判定手段は、ハンドル3側の回転センサである舵角センサで取得した値と、ギアボックス5側のモータ回転センサであるレゾルバで取得した値とを比較し、ステアリングECU8とギアボックス5とが適合しているかを判定する。
【0038】
図3は、適合判定手段の仕様固有情報Iを示す図である。
適合判定手段はギアボックス5とステアリングECU8とが適合しているか判定するために、図3に示す仕様固有情報Iをテーブル等の形式でROM(Read Only Memory)等の記憶部に記憶している。なお、仕様固有情報Iは、制御プログラムのソースコードに記述してもよいが、車両1の追加、制御プログラムのメンテナンス等の関係から、仕様固有情報Iはソースコードとは独立したテーブル等のデータ形式とするのが望ましい。
【0039】
仕向けI1は、ステアリングECU8をアメリカ向けの車両1に搭載するか、アジア向けの車両1に搭載するか等を識別するためのステアリングECU8の仕向け情報である。
減速比I2は、各ステアリングECU8に設定された減速比(アシストモータ7の減速比)が設定されている。
回転方向情報(drom)I3は、各ステアリングECU8が搭載される車両1が右ハンドルか左ハンドルか等で異なるハンドル3の回転方向に対するアシストモータ7の回転方向(例えば、時計回り回転か反時計回り回転かの情報)である。
【0040】
ステアリングECU8は、適合判定手段により、車両1にステアリングECU8およびギアボックス5が適合しているかの判定を行っている場合、判定を終了するまでは、アシストモータ7のモータ駆動制御手段を作動させないように制御し、かつ、適合判定手段が不適合と判定した場合にモータ駆動制御手段を作動させない駆動停止手段を有している。また、ステアリングECU8は、モータ駆動制御手段によるアシストモータ7の停止を解除するモータ駆動停止解除手段を有している。
【0041】
また、ステアリングECU8は、適合判定手段が、ステアリングECU8またはギアボックス5の何れかが車両1に適合しているかの判定を行い、適合判定手段が不適合と判定した場合に、ワーニングランプwlの警告灯や警告音等で警告を発生するように制御する警告発生手段を有している。
その他、ステアリングECU8には、ステアリングECU8の車両1への組付けを検知するECU組付け検知センサ(図示せず)や、ギアボックス5の車両1への搭載を検知するギアボックス組付け検知センサ(図示せず)が取り付けられている。
【0042】
そして、ステアリングECU8の適合判定手段は、ステアリングECU8やギアボックス5が車両1に組付けられたことを検知した場合には、組付けフラグが“0”から“1”に立てられる。組付けフラグが立つ状況は、車両製造時や、ステアリングECU8やギアボックス5の修理の為の交換等が挙げられる。この組付けフラグが、後述するステアリングECUの適合判定手段の制御フロー(図4、図5)を開始するトリガーとなる。
【0043】
次に、ステアリングECU8の適合判定手段によって行われるギアボックス5とステアリングECU8とが適合しているか判定する適合判定制御について、図4に従って説明する。
図4は、実施形態1のステアリングECU8の適合判定手段による適合判定制御の流れを示すフロー図である。
本制御は、車両1の製造時、メンテナンスのギアボックス5やステアリングECU8の交換時等に、ギアボックス5やステアリングECU8が車両1に組み付けられたり、交換された際に行われる。
【0044】
具体的には、ECU組付け検知センサ、ギアボックス組付け検知センサのうちの何れかが、ステアリングECU8、ギアボックス5の車両1への組み付けを検知した際、すなわち、組付けフラグが“0”から“1”に立てられた場合に、次に説明する図4の適合判定制御が行われる。
【0045】
電動パワーステアリング(EPS)Sの組付け完了後であり、イグニッションオンとなったときに、組付けフラグが“1”であれば、図4のフローがスタートする。まず、S101では、ステアリングECU8が、ハンドル3の操舵角とアシストモータ7の回転角を取得は可能だが、アシストモータ7を駆動しないスタンバイ状態にある。
【0046】
そして、製造員、検査員等によるハンドル3の操舵によって得られた回転角度または操舵角偏差(回転角度の変化量)(ΔHr)を舵角センサで取得するとともに、アシストモータ7の回転角度または回転角偏差(回転角度の変化量)(ΔMr)をレゾルバ等の電気角センサから取得する(S102)。そして、実際のギアボックス5の減速比уken1を、ハンドル3の回転角度または操舵角偏差(ΔHr)の絶対値とアシストモータ7の回転角度または回転角偏差(ΔMr)の絶対値とを用いて、次式(1)により、算出する(S103)。
【0047】
【数1】

なお、絶対値を用いず算出して、符号を無視して判定に用いてもよい。
【0048】
続いて、車両1に搭載されたステアリングECU8が制御に用いる仕様固有情報I(図3参照)の減速比уrom1(I2)と、実際のギアボックス5の減速比уken1とが同じか否か比較し判定する(S104)。ステアリングECU8が制御に用いる減速比уrom1(I2)と、実際のギアボックス5の減速比уken1とが異なると判定された場合(S104でNo)、ステアリングECU8の警告発生手段がインパネにワーニングランプwlを点灯したり、警告音を鳴らして、不適合なギアボックス5やステアリングECU8が設置されていることを知らせる(S105)。そして、モータ駆動停止手段は、モータ駆動制御手段のアシストモータ7の駆動の停止を継続する(S106)。
【0049】
一方、S104において、ステアリングECU8が制御に用いる減速比уrom1(I2)と、実際のギアボックス5の減速比уken1とが同じであると判定された場合(S104でYes)、S107において、駆動停止解除手段によりモータ駆動停止手段の停止を解除して、電動パワーステアリングシステム(EPS)Sの停止を解除する。なお、この際、搭載されたステアリングECU8およびギアボックス5が適合している旨の表示をインパネで行うこととしてもよい。
以上が、図4に示すステアリングECU8の適合判定手段による適合判定の制御の流れである。
【0050】
なお、図4のS104で、ステアリングECU8が制御に用いる減速比уrom1と、実際のギアボックス5の減速比уken1とが異なると判定された場合(S104でNo)に、ステアリングECU8に設定される減速比уrom1を、自動的に実際のギアボックス5の減速比уken1と同じになるように設定する設定変更手段を備えることとしてもよい。具体的には、ステアリングECU8は、組み合わせられる可能性がある複数のギアボックス5に対応した複数のアシストマップを有している。例えば、初期は、Aタイプのギアボックス5に対応したアシストマップが選択されているとする。ギアボックス5の減速比を比較することで、ステアリングECU8とギアボックス5が適合しているかを確認し、不適合の場合には、設定変更手段が、その減速比に適合したアシストマップを選択しなおすことも可能である。
この場合、S105、S106は行わず、設定後にS107に移行することとなる。
【0051】
なお、図4のS102〜S104において、ハンドル3の操舵を左ENDから右ENDまで行い、このとき電動パワーステアリングシステム(EPS)Sのアシストモータ7によりハンドル3の操舵のアシストを行い、その際のハンドル3の切れ角に相当するアシストモータ7の回転角度の累積уken2を、予め記憶部に設定されている内部データуrom2(図3参照)と比較することで、車両1に搭載されたギアボックス5とステアリングECU8とが誤組か否かの一致性を判断してもよい。
【0052】
実施形態1によれば、ステアリングECU8とギアボックス5との誤組を防止できる。また、車の特性として、同形式のギアボックス5の減速比の組間違いを防止できる。
そのため、ステアリングECU8とギアボックス5とが適合したものを車両1に搭載できる。
さらに、ステアリングECU8とギアボックス5との組間違いを容易に発見することができるため、製造コスト、メンテナンスコストの削減が可能である。
【0053】
<<実施形態2>>
次に、実施形態2の車両1の操舵に係る電動パワーステアリングシステムSについて、図5に従って説明を行う。
図5は、実施形態2のステアリングECU8の適合判定手段による減速比と回転方向を用いる適合判定制御の流れを示すフロー図である。
実施形態2の車両1の操舵に係る電動パワーステアリングシステムSは、実施形態1で説明したギア比の変化量でギアボックス5とステアリングECU8との適合を判定するのに加え、ハンドル3の回転方向に対するアシストモータ7の回転方向も適合判定手段で検知するようにしたものである。例えば、車両1が右ハンドル車か、左ハンドル車かの場合についても判定できるようにしたものである。
【0054】
そこで、実施形態2では、図3に示す回転方向情報I3をさらに用いることになる。
本制御は、実施形態1と同様に、車両1の製造時や、ギアボックス5やステアリングECU8を交換する際に行われる。
【0055】
実施形態1と同様に、ECU組付け検知センサ、ギアボックス組付け検知センサのうちの何れかが、ステアリングECU8、ギアボックス5が取り付けられたと検知した際に、図5の適合判定制御が行われる。すなわち、組付けフラグが“0”から“1”に立てられた場合に、図5の適合判定制御が行われる。
その他の構成は、実施形態1と同様であるから、同一の構成要素には、同一の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
【0056】
図5のS201〜S204は、実施形態1の図4のS101〜S104と同様であるから、説明を省略する。
図5のS204において、ステアリングECU8が制御に用いる減速比уrom1と、実際のギアボックス5の減速比уken1とが異なると判定された場合(S204でNo)、図5のS205の警告1として、インパネにワーニングランプ(警告灯)wlを点灯したり、警告音を鳴らして、不適合なギアボックス5、ステアリングECU8が設置されていることを報知する。そして、モータ駆動停止手段は、モータ駆動制御手段のアシストモータ7の駆動の停止を継続する(S206)。
【0057】
一方、S204において、ステアリングECU8が制御に用いる減速比уrom1と、実際のギアボックス5の減速比уken1とが同じであると判定された場合(S204でYes)、S207に移行し、ハンドル3の回転方向を舵角センサで取得するとともに、このときのアシストモータ7の回転方向をレゾルバ等の電気角センサで取得し、実際のハンドル3の回転方向に対するアシストモータ7の回転方向の回転方向情報dkenを取得する。
【0058】
続いて、図3に示す仕様固有情報Iとして記憶される当該車両1のステアリングECU8の回転方向情報(drom)I3と、実際の搭載されたギアボックス5の回転方向情報dkenとが一致するか否か判定する(S208)。
一致しない場合(S208でNo)、S209の警告2として、警告発生手段がインパネにワーニングランプ(警告灯)wlを点灯したり、警告音を鳴らして、回転方向が不適合なステアリングECU8、ギアボックス5が組み付けられていることを報知する。そして、駆動停止手段が、モータ駆動制御手段のアシストモータ7の駆動の停止を継続する(S210)。
【0059】
S208において、図3に示す仕様固有情報Iとして記憶される当該車両1のステアリングECU8の回転方向情報(drom)I3と、実際の搭載されたギアボックス5の回転方向情報dkenとが一致する場合(S208でYes)、S211で、ステアリングECU8が制御に用いる減速比уrom1と、実際のギアボックス5の減速比уken1とが同じであるか判定する。
ステアリングECU8が制御に用いる減速比уrom1と、実際のギアボックス5の減速比уken1とが同じでないと判定された場合(S211でNo)、終了する。
【0060】
一方、ステアリングECU8が制御に用いる減速比уrom1と、実際のギアボックス5の減速比уken1とが同じであると判定された場合(S211でYes)、S212において、モータ駆動停止解除手段によりモータ駆動制御手段のアシストモータ7の稼働の停止を解除して、電動パワーステアリング装置(EPS)Sの停止を解除する。なお、この際、搭載されたステアリングECU8とギアボックス5との減速比が一致し、かつ、回転方向が適合している旨の表示をインパネで行ってもよい。
以上が、図5に示すステアリングECU8の適合判定手段による減速比と回転方向を用いる適合判定制御の流れである。
【0061】
なお、図5のS204において、ステアリングECU8が制御に用いる減速比уrom1と、実際のギアボックス5の減速比уken1とが異なると判定された場合(S204でNo)に、ステアリングECU8に設定される減速比уrom1を、自動的に実際のギアボックス5の減速比уken1と同じになるように設定する設定変更手段を有することとしてもよい。具体的には、ステアリングECU8は、組み合わせられる可能性がある複数のギアボックス5に対応した複数のアシストマップを有している。例えば、初期は、Aタイプのギアボックス5に対応したアシストマップが選択されているとする。ギアボックス5の減速比を比較することで、ステアリングECU8とギアボックス5が適合しているかを確認し、不適合の場合には、設定変更手段が、その減速比に適合したアシストマップを選択しなおすことも可能である。
この場合、S205、S206は行わなくてもよく、続いて、S207に移行する。
【0062】
また、図5のS208において、車両1のステアリングECU8の回転方向情報(drom)I3と、実際の搭載されたギアボックス5の回転方向情報dkenとが一致しないと判定と判定された場合(S208でNo)に、ステアリングECU8に設定される回転方向情報(drom)を、自動的に実際の回転方向情報dkenに設定し直す設定変更手段を有することとしてもよい。具体的には、ステアリングECU8は、組み合わせられる可能性がある複数のギアボックス5に対応した複数のアシストマップを有している。例えば、初期は、Aタイプのギアボックス5に対応したアシストマップが選択されているとする。ギアボックス5の回転方向を比較することで、ステアリングECU8とギアボックス5が適合しているかを確認し、不適合の場合には、設定変更手段が、その回転方向に適合したアシストマップを選択しなおすことも可能である。
この場合、S209、S210は行わなくてもよく、続いて、S211に移行する。
【0063】
実施形態2によれば、ギアボックス5の回転方向情報dkenを検査に用いることにより、ステアリングECU8とギアボックス5との回転方向が合致しているかの検査を行える。そのため、車両1が右ハンドル車か左ハンドル車に関しても、ステアリングECU8とギアボックス5とが適合しているかの検査を容易に行える。
【0064】
また、実施形態1と同様に、ステアリングECU8とギアボックス5との誤組を防止できる。また、車の特性として、同形式のギアボックス5の減速比の組間違いを防止できる。
さらに、ステアリングECU8とギアボックス5との組間違いを容易に発見することができるため、製造コスト、メンテナンスコストの削減が可能である。
【0065】
なお、図5のS202〜S204において、ハンドル3の操舵を左ENDから右ENDまで行い、このときEPSのアシストモータ7によりハンドル3の操舵のアシストを行い、その際のハンドル3の切れ角に相当するアシストモータ7の回転角度の累積уken2が、予め設定されている内部データуrom2(図3参照)を比較することで、車両1に搭載されたギアボックス5とステアリングECU8とが誤組か否かの一致性を判断してもよい。
【0066】
なお、前記実施形態では、ステアリングECU8に様々な機能を有する場合を説明したが、これらの様々な機能をステアリングECU8の外部に適宜配置してもよい。
また、前記実施形態で説明した図4、図5に示す機能は、その一部をもって構成してもよい。
【0067】
なお、前記実施形態においては、アシストモータ7をギアボックス5に配置した場合を例示したが、ハンドル3の操作をアシストする力を付与できれば、アシストモータ7およびその減速機構をステアリングコラム4aまたはピニオンシャフト4bに配置してもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 車両
2l 左前輪(転舵輪)
2r 右前輪(転舵輪)
3 ステアリングホイール
5 ステアリングギアボックス(ステアリングアシスト力伝達手段)
7 アシストモータ(モータ)
8 ステアリングECU(ステアリング制御手段、適合判定手段、モータ駆動制御手段、駆動停止手段、駆動停止解除手段、警告発生手段、設定変更手段)
I3 回転方向情報(基準回転方向情報)
dken 回転方向情報(方向関係)
drom ステアリングECUの回転方向情報(基準回転方向情報)
ΔHr ハンドル3の操舵角偏差(ステアリングホイールの回転角度、ステアリングホイールの回転角度の変化量)
ΔMr アシストモータ7の回転角偏差(モータの回転角度、モータの回転角度の変化量)
уrom1 減速比(基準減速比、基準変化量減速比)
S 電動パワーステアリングシステム(電動パワーステアリング装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両における運転者の操舵操作をアシストする電動パワーステアリング装置であって、
前記運転者が前記車両を操舵するために操作するステアリングホイールと、
前記ステアリングホイールの回転角度を検出するステアリングホイール回転角度検出手段と、
前記車両の転舵輪に連結され前記転舵輪を操舵するアシスト力を伝達するステアリングアシスト力伝達手段と、
前記ステアリングアシスト力伝達手段に接続され、前記アシスト力を付与するモータと、
前記モータの回転角度を検出するモータ回転角度検出手段と、
前記モータを制御するステアリング制御手段とを備え、
前記ステアリング制御手段は、前記ステアリングホイールの回転角度と前記モータの回転角度とを基準減速比と比較し、前記ステアリングアシスト力伝達手段と前記ステアリング制御手段とが適合しているか否かを判定する適合判定手段を有する
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項2】
前記適合判定手段は、
前記ステアリングホイールの回転方向と前記モータの回転方向との方向関係を基準回転方向情報と比較し、前記ステアリングアシスト力伝達手段と前記ステアリング制御手段とが適合しているか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項3】
前記適合判定手段は、
前記ステアリングホイールの回転角度の変化量の絶対値と前記モータの回転角度の変化量の絶対値を基準変化量減速比と比較し、前記ステアリングアシスト力伝達手段と前記ステアリング制御手段とが適合しているか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項4】
前記モータの駆動を制御するモータ駆動制御手段を備え、
前記適合判定手段が適合判定を終了するまでは、前記モータ駆動制御手段を作動させない駆動停止手段を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項5】
前記適合判定手段が不適合と判定した場合には、
前記駆動停止手段は、前記モータ駆動制御手段を作動させない
ことを特徴とする請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項6】
前記適合判定手段が適合と判定した場合には、前記モータ駆動制御手段の停止を解除して作動させる駆動停止解除手段を有する
ことを特徴とする請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項7】
前記適合判定手段が不適合と判定した場合には、警告を発する警告発生手段を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちの何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項8】
前記適合判定手段が不適合と判定した場合には、当該不適合が適合となるように設定を変更する設定変更手段を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちの何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項9】
前記ステアリング制御手段が前記車両に取り付け、取り外されたことを検知するステアリング制御検知手段と、前記ステアリングアシスト力伝達手段が前記車両に取り付け、取り外されたことを検知する伝達手段検知手段とを有し、
前記ステアリング制御手段または前記ステアリングアシスト力伝達手段が前記車両に取り付けられた際に、
前記ステアリング制御手段は、前記ステアリングホイールの回転角度と前記モータの回転角度とを基準減速比と比較し、前記ステアリングアシスト力伝達手段と前記ステアリング制御手段が適合しているか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のうちの何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置を備える車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−188012(P2012−188012A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53119(P2011−53119)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】