電圧センス監視インターフェースを備えたメモリモジュール
メモリデバイス及びシステムは、可変負荷にわたる電圧許容誤差に対処するための電圧センスラインを含む。該メモリデバイス及びシステムは、メモリモジュール上の回路構成に結合された第1の複数ピンと、該メモリモジュール上の電力レールに結合された第2の複数ピンとを有したメモリモジュールコネクタを備える。該第2の複数ピンは、外部から該メモリモジュールへの該電力レールの監視を可能にする。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
コンピュータ、サーバ、通信デバイス、ワークステーション、及びこれらに類するものは、メモリモジュール内にデータを格納し、該メモリモジュールは、典型的には、事前に調整された電力を、単一モジュールインターフェースコネクタを通じてマザーボードから受け取る。複数の調整されたバイアス電圧が、通常提供され、及び、それらの調整されたバイアス電圧には、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)メモリ集積回路(IC)正電源電圧(VDD)DRAM入力/出力(I/O)ドライバ正電源電圧(VDDQ)、及びDRAM I/O基準供給電圧(VREF)を含めることができる。VREFは、通常、低電流であり、単一入力ピンによって提供される。VDD及びVDDQ及びそれぞれのリターンライン(VSS及びVSSQ)は、モジュールインターフェースコネクタに沿って分配(分散)された複数ピンを通じて提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
メモリモジュール電力システムは、幾つかの理由のために一定の基準電圧を維持することが困難である。例えば、メモリモジュール上のメモリデバイス集積回路からのレギュレータ出力の遠隔位置は、レギュレータ過渡負荷応答時間を制限する。広範囲のレギュレータ出力電流供給量に対処するために用いられる大出力静電容量は、過渡応答時間を更に制限する。更には、システム基板のスイッチング調整が、高周波スイッチングノイズを生じさせ、該高周波スイッチングノイズは、メモリモジュールバイアス電圧に加えられて、メモリモジュールタイミングを変え、及び実メモリ動作速度を制限する。
【0003】
大メモリであっても、より高速なメモリモジュール性能を達成させるために、メモリシステム電力生成、調整、及び分配に関連したファクタを含む重要な制限ファクタが対処されるべきである。
【0004】
メモリ技術が進歩し、電圧が低減されて電力消費が改善されると、電圧に対する許容誤差(又は許容範囲:トレランス)もまた減少する。メモリサブシステムにわたる(デュアルインラインメモリモジュール(DIMMs)などの)メモリモジュール上の指定電圧レベルを維持することが、よりいっそう困難になる。指定電圧レベルを維持することは、異なる電力仕様を有した複数のメモリ構成にわたっては特に難しく、従って、それにより、電力面にわたって電力降下(電力ドロップ)が生じさせられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
メモリデバイス及びシステムの実施形態は、可変負荷にわたる電圧許容誤差に対処するための電圧センスラインを含む。メモリモジュール上の回路構成に結合された第1の複数ピンと、該メモリモジュール上の電力レール(電力パターン)に結合された第2の複数ピンと、を有したメモリモジュールコネクタを、該メモリデバイス及びシステムが備える。該第2の複数ピンは、外部から該メモリモジュールまでの該電力レールを監視することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】可変負荷にわたる電圧許容誤差に対処するための電圧センスラインを含むメモリ装置の実施形態を表す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図1B】可変負荷にわたる電圧許容誤差に対処するための電圧センスラインを含むメモリ装置の実施形態を表す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図1C】可変負荷にわたる電圧許容誤差に対処するための電圧センスラインを含むメモリ装置の実施形態を表す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図1D】可変負荷にわたる電圧許容誤差に対処するための電圧センスラインを含むメモリ装置の実施形態を表す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図1E】可変負荷にわたる電圧許容誤差に対処するための電圧センスラインを含むメモリ装置の実施形態を表す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図1F】可変負荷にわたる電圧許容誤差に対処するための電圧センスラインを含むメモリ装置の実施形態を表す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図2A】メモリ信号線のためのオンチップ(ダイ)ターミネーションを用いるシステムの一実施形態を示す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図2B】メモリ信号線のためのオンチップ(ダイ)ターミネーションを用いるシステムの一実施形態を示す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図2C】メモリ信号線のためのオンチップ(ダイ)ターミネーションを用いるシステムの一実施形態を示す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図3A】コンピュータメモリ内の電力を管理するための方法における1つか又は複数の実施形態か又は態様を示すフローチャートを示す図である。
【図3B】コンピュータメモリ内の電力を管理するための方法における1つか又は複数の実施形態か又は態様を示すフローチャートを示す図である。
【図3C】コンピュータメモリ内の電力を管理するための方法における1つか又は複数の実施形態か又は態様を示すフローチャートを示す図である。
【図3D】コンピュータメモリ内の電力を管理するための方法における1つか又は複数の実施形態か又は態様を示すフローチャートを示す図である。
【図4】電力面の平均的な読み出しを可能にするために、センスラインが典型的には、システム基板上に置かれている従来の電力管理アプローチを表す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【0007】
構造と動作方法との両方に関する本発明の実施形態は、以下の説明と添付図面とを参照することによって最も良く理解されるであろう。
【実施例】
【0008】
詳細な説明
メモリデバイス及びシステムの様々な実施形態は、可変負荷にわたる(又は可変負荷の両端にかかる)電力を管理するための、メモリモジュールピン定義に加えられた電圧センスラインを含み、DRAMsのようなメモリデバイスにおける指定電圧の改善されたメンテナンスを可能にする。
【0009】
調整されたバイアス電圧を、メモリ集積回路付近のメモリモジュール上の電力レール(又は電力パターン)から直接検知することによって、負荷における電圧検知を可能し、且つ、可変負荷にわたる厳しい許容誤差(トレランス)にミートさせる能力を実質的に改善させることが可能な、メモリデバイス及びシステム構成が、本明細書内において開示されている。それとは対照的に、従来のシステムは、システム基板上の電力レールを検知するものであり、フーリーバッファードデュアルインラインメモリモジュール(FBD)、ダブルデータレート3(DDR3)DRAM、及び実現可能な将来の技術などの新技術にとっては不適切である。例示的なメモリデバイス及びシステム構成において、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)電力レールは、DRAMsの付近のデュアルインラインメモリモジュール(DIMMs)上において検知され、それにより、厳重な電圧要件のメンテナンスが可能になる。
【0010】
図1Aを参照すると、概略ブロック及び回路図は、可変負荷にわたる電圧許容誤差(電圧トレランス)に対処するための電圧センスラインを含むメモリ装置100Aの一実施形態を表している。メモリモジュール106上の回路構成に結合された第1の複数ピン104と、メモリモジュール106上の電力レール110に結合された第2の複数ピン108とを有したメモリモジュールコネクタ102を、メモリ装置100Aが備える。該第2の複数ピン108は、外部からメモリモジュール106までの電力レール110を監視することを可能にする。
【0011】
メモリモジュール106は、メモリモジュールコネクタ102と、該メモリモジュールコネクタ102に結合された回路基板112と、該回路基板112に実装された複数の集積回路114とを更に備える。
【0012】
電力検知に用いるためにメモリモジュール106上の電力レール110からの信号を、メモリモジュール106の外部へとルーティングする電圧センスラインに、第2の複数ピン108が対応する。
【0013】
一例の構成では、第2の複数ピン108は、メモリモジュール106上の電力引き込み(power draw)の中心部からの信号を、電力検知のために、メモリモジュール106の外部へとルーティングすることができる。しかしながら、電力レール100A上の任意の位置からの検知も実現され得る。
【0014】
図1Aと組み合わせて図1Bを参照すると、概略ブロック及び回路図は、電圧検知を可能にする、別の実施形態のメモリ装置100Bを表している。メモリ装置100Bは、1つか又は複数のモジュール106を有した複数のメモリモジュール106を更に備えることが可能である。集積回路114には、少なくとも1つのメモリ集積回路114Mを含めることができる。
【0015】
図1Aと組み合わせて図1Cを参照すると、概略ブロック及び回路図は、回路120を更に備える、別の実施形態のメモリ装置100Cを表している。該回路120は、複数のメモリモジュール106の電力レール110からの電力信号を組み合わせる(又は合成させる)。様々な実施態様において、その組み合わされた信号は、任意の選択された割合で組み合わされ得る。例えば、それらの信号は、平均化され得るか、或いは、任意の適合可能な数学的組み合わせが結果として生じる手法で組み合わされ(又は合成され)得る。必要であれば、最大か、最小か、平均か、相乗平均か、或いは他の統計的な関数を実現することができる。
【0016】
図1D及び図1Eに示されるように、それぞれのメモリ装置の実施形態100D、100Eは、複数のメモリモジュール106の電力レール110からの少なくとも1つの電力信号を監視する回路116を更に備えることができる。その電力信号監視回路116は、図1D内に示されるように1つか又は複数のメモリモジュール106上にか、或いは、図1E内に示されるようにメモリモジュールの外部に、配置され得る。
【0017】
図1Fを参照すると、概略ブロック及び回路図は、電圧検知を可能にする、別の実施形態のメモリ装置100Fを表している。メモリ装置100Fは、1つか又は複数のメモリモジュール106を含む。該メモリモジュール106は、メモリモジュールコネクタ102と、該メモリモジュールコネクタ102に結合された回路基板112と、該回路基板112に実装された複数のメモリ集積回路114Mと、を備える。メモリモジュール106のうちの少なくとも1つは、回路基板112に結合された電圧測定回路122と、該電圧測定回路122に結合されたレジスタ124と、を更に備えることができる。該電圧測定回路122は、メモリモジュール106上の電圧を測定する。該レジスタ124は、メモリモジュール106上の測定した電圧を表す値を保持する。バスインターフェース126は、レジスタ124に結合され得り、及び、第2の複数ピン108に結合され得る。
【0018】
ある特定例の実施形態において、メモリモジュール106は、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)上に実装された複数のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)集積回路を有した該デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)とすることができる。バスインターフェース126は、インターインテグレーテッドサーキット(I2C)マルチマスターシリアルコンピュータバスとすることができるか、或いは、システムマネージメントバス(SMBus)とすることができる。
【0019】
メモリ装置100Fには、シリアルプレゼンスデテクト(SPD)をサポートする電気的に消去書込み可能な読出し専用メモリ(EEPROM)128を更に含めることができる。SPDメモリ空間は、測定したメモリモジュール電圧が含まれるように割り当てられる。
【0020】
幾つかの実施態様において、メモリ装置100Fにはまた、測定したメモリモジュール電圧を、シリアルプレゼンスデテクト(SPD)メモリ128から読み出し、及び、該測定したメモリモジュール電圧に基づいて動的電力システム調整を実施する、ロジック130を含めることができる。
【0021】
図1A〜図1E内に示されたメモリ装置は、単一DRAMセンスラインか又は平均化アプローチのいずれかを用いている例を示す。図1Fは、システム設計者が前記電圧検知アプローチの利点を活用する一実施態様の一例を表す。説明のためのそれらの例は、4つのDIMMsを含んでいるが、本概念(コンセプト)は、任意の数のDIMMsについても当てはまる。
【0022】
図1A〜図1F内に示されたメモリ装置の実施形態では、調整されたバイアス電圧が、メモリデバイス集積回路付近のメモリモジュール上において検知される。それとは対照的に、図4は、電力面の平均的な読み出しを提供することを目的として、電力面負荷の中央付近のシステム基板上か又はマザーボード上のどこかにセンスラインが典型的には配置されている従来のアプローチを示している。この従来のアプローチは、DRAM電圧を、検知地点電圧に中心に置かせ、そしてそのことは、一般には適切ではあるが、残念なことには、DIMM入力電圧を検知することのためだけに良好である。従来のアプローチの欠点は、検知地点と、レールを使用するDRAMsとの間において電力降下(電力ドロップ)が発生するということである。DDR3 DIMMsは、1.5Vレール上で17Wほどに使用されることが現在推定され、それにより、動作の合間にシステムがアイドルの時には電流引き込み(又は電流消費:current draw)は1〜2Aほどにも低くすることができるにもかかわらず、11Aの負荷が生じる結果となる。電力レール上のDIMMソケット端子についてのインピーダンスの控えめな推定値は、端子当りに20〜30mオームを有した22電力コネクタと64グランドピンとに基づき、約1.5mオームである。DIMM上の電力面がまた、約1.5〜2mオームの抵抗を追加する。総計3オームと仮定すると、最小負荷と最大負荷との間の10Aの差分は、約30mVである。DDR3に関して、1.5Vレールの許容誤差は、75mVであり、従って、30mVの差分は、割り当てられなければならない電力レールバジェットのかなりの部分であり、それにより、電力源は、より厳しいレギュレーション、及び/又は、極めて低い許容誤差電圧設定ポイントを有する必要がある。
【0023】
図1A〜図1F内に示されたメモリ装置の実施形態において、電圧センスラインは、例えば、電力引き込み(又は電力消費:power draw)の中心部におけるDIMMs電力レールから、システム基板によって電力検知に使用されるための端部ピンへとルーティングされ得る。一例の構成において、DIMMソケットコネクタからの2つのピンを、センスラインに割り当てることができる。システム設計者は、従って、センスライン信号を、電力源へと戻すようにルーティングすることができる。システム内に複数のDIMMsが組み込まれている場合には、システム設計者は、1つのDIMMからの単一ペアの信号を用いて電圧を検知することができるか、或いは、結果(又は影響)を平均化するために信号を組み合わせることができる。結果(又は影響)を平均化することは、システム基板から検知する(図4内に示された)従来のシステムと同様の結果を得ているように思えるかもしれないが、組み合わせるか又は平均化する技法は、ソケットにおける電圧よりも、DRAMsにおける電圧を、実際に平均化する利点を有しており、従って、ソケット及びDRAM電力面の電圧降下(電圧ドロップ)を考慮に入れている。
【0024】
図1A〜図1F内に示されたメモリ装置の実施形態によって、DRAMsにおけるDIMM上で電圧が検知されることが可能になり、様々なDRAM数量でのDIMMsを用いた結果生じる、及び、時間経過に伴う電力引き込み(power draw)における変化に起因して生じる、DIMMソケット及びDIMM電力面にわたる損失の変動を無くすことができる。従って、損失によって消費される電力バジェット許容誤差の一部が低減され、設計の残りを、よりフレキシブルにすることが可能となり、電力源のためのより緩い許容誤差を可能にすることによって、コストを潜在的に節約することが可能になる。
【0025】
図2Aを参照すると、概略ブロック及び回路図は、メモリ集積回路に近い位置におけるセンス電圧を測定するメモリ装置200Aの一実施形態を表している。メモリ装置200Aは、DIMMなどのメモリモジュールにおける電圧センスアーキテクチャにより構成されており、負荷における電圧を検知することを可能にし、該電圧センスアーキテクチャは、可変負荷にわたる厳しい許容誤差にミートさせるための能力を実質的に改善させることができる。DRAMのできるだけ近くでDIMM上の電圧を測定することにより、DRAMsなどのメモリ集積回路に印加される電圧の厳重な制御が、該電圧センスアーキテクチャによって可能となり、その情報をシステムへと戻すように伝達して、システム構成要素の挙動を調整するために該情報が用いられることが可能になる。
【0026】
該電圧センスアーキテクチャによって、DRAMsにおける指定電圧のより良好なメンテナンスが可能となる。システムには、(例えば、48個以上の)多くのDIMMsを含めることができるので、センスラインを各DIMMに接続することには、かなりの量の基板スペースが必要とされることになる。例示的な電圧センスアーキテクチャは、メモリサブシステム内の既存の接続性を利用し、DIMMスロットのインフラ及び業界標準ピン配列に対する変更を必要としない。
【0027】
メモリ装置200Aは、回路基板212と、該回路基板212に結合された電圧測定回路222とを備えたメモリモジュール206を含む。該電圧測定回路222は、メモリモジュール206上の電圧を測定する。レジスタ224が、電圧測定回路222に結合されており、メモリモジュール206上の測定電圧を表す値を保持する。バスインターフェース226が、レジスタ224に結合されている。
【0028】
メモリモジュール206は、回路基板212に結合されたメモリモジュールコネクタ202と、回路基板212に実装された複数のメモリ集積回路214Mとを更に備えることが可能である。
【0029】
メモリモジュールコネクタ202は、メモリモジュール上の回路構成に結合された第1の複数ピン204と、バスインターフェース226に結合され且つメモリモジュール206上の電力レール210に結合された第2の複数ピン208とを備えることが可能である。第2の複数ピン208及びバスインターフェース226によって、外部からメモリモジュール206への電力レール210上の電圧を監視することが可能になる。
【0030】
幾つかの実施形態において、メモリモジュール206は、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)上に実装された複数のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)集積回路214Mを有した該デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)とすることができる。バスインターフェース226は、インターインテグレーテッドサーキット(I2C)マルチマスターシリアルコンピュータバスとすることができるか、或いは、システムマネージメントバス(SMBus)とすることができる。メモリ装置200Aには、シリアルプレゼンスデテクト(SPD)をサポートする電気的に消去書込み可能な読出し専用メモリ(EEPROM)228を更に含めることができる。SPDメモリ空間は、測定したメモリモジュール電圧が含まれるように割り当てられる。
【0031】
図2Aと組み合わせて図2Bを参照すると、メモリ装置200Bは、測定したメモリモジュール電圧を、シリアルプレゼンスデテクト(SPD)メモリ228から読み出して、及び該測定したメモリモジュール電圧に基づいて動的電力システム調整を実施する、ロジック230を更に備えることが可能である。
【0032】
図2Aと組み合わせて図2Cを参照すると、概略ブロック及び回路図は、メモリ集積回路に極めて接近した電圧検知を可能にする、別の実施形態のメモリ装置200Cを表している。メモリ装置200Cは、複数のメモリモジュール206と、複数のメモリモジュール206の電力レール210からの電力信号を組み合わせる(又は合成する)回路220とを備えることが可能である。
【0033】
図1A〜図1F内に示された構成とは対照的に、各DIMM上に電圧センスラインを含める代りに、図2A〜図2C内に示された電圧センスアーキテクチャ構成は、DIMMプリント回路基板上の多くの部品のうちの1つの部品へと統合され得る単一組み込み回路を用いて、DIMM上の電圧の管理を可能にする。該単一組み込み回路は、DIMM電圧を測定して、I2Cか又はSMBusなどのローカルサイドバンド相互接続経路に取り付けられたレジスタを設定する。JEDECによって標準化されたDIMMsに対して指定されたSPDを変更することによって、SPD EEPROM内に確保されたレジスタ空間は、現在の電圧値か又は以前の値の履歴が書き込まれるよう割り当てられ得る。電圧情報を格納するためにSPD空間を用いることによって、追加的なI2Cデバイスアドレスが割り当てられる必要がなくなる。I2Cか又はSMBusなどのインターフェースのサイドバンド経路上の伝達によって、ベースボード管理コントローラ(BMC)か、電力源か、電力調整集積回路(IC)か、又はメモリコントローラなどの、サイドバンドバス上のデバイスが、DRAMにできるだけ近い位置のDIMMから現在の電圧を読み出すことが可能になる。電圧レベルについての情報は、測定した電圧に基づく動的電力システム調整のために、システム内へとフィードバックされ得る。DIMMsは、所望の値にできるだけ近くに電圧を維持するために一定時間間隔でポーリングされ得る。追加的には、(例えば、より高い静電容量か、より高い電力引き込み(又は電力消費)か、又はより激しい仕事量の状態の)最悪ケースのDIMMsを識別(又は特定)することができ、電圧レベルをより綿密に追跡することができる。
【0034】
電圧センスアーキテクチャによって、DRAMsにおけるDIMM上において電圧が検知されることが可能になり、様々なDRAM数量でDIMMsを用いた結果生じる、及び、時間経過に伴う電力引き込み(power draw)における変化に起因して生じる、DIMMソケット及びDIMM電力面にわたる損失の変動を無くすことができる。従って、この損失によって消費される電力バジェット許容誤差の一部を低減することができ、設計の残りを、よりフレキシブルすることが可能となり、電力源のためのより緩い許容誤差を可能にすることによって、コストを潜在的に節約することが可能になる。電圧センスアーキテクチャは、システム基板上にルーティングされる追加的な配線(トレース)の必要性を無くすことができ、及び、電圧検知目的のためのピンの配置転換を無くすことができる。電圧センスアーキテクチャは、DIMMにおいて生成された情報の利用を可能にするために、システムファームウェアに対する簡単な修正によって実施され得り、電力源の挙動についての決定が、システムファームウェアか又はベースボード管理コントローラ(BMC)によってなされ得るので、従って、DIMMsからのフィードバック情報を組み込むための電力源の再設計を行うことなくなされ得るので、設計を更に簡略化することができる。
【0035】
図3A〜図3Dを参照すると、フローチャートは、例えば、可変負荷にわたる厳しい許容誤差にミートさせるために、コンピュータメモリ内の電力を管理するための方法における1つか又は複数の実施形態又は態様を示している。図3Aは、メモリモジュール上の電力レールにおける電力を検知し(302)、及び、メモリモジュールの電力レールからの検知した電力を示す信号を、該メモリモジュール外部の監視位置へと、ルーティングする(304)ことを含む、コンピュータメモリ内の電力を管理するための方法(300)を示す。
【0036】
検知電力を示す信号は、電力引き込みの中心部からか、或いは、メモリモジュール上の電力レール上における任意の適合可能な位置から、該メモリモジュール外部で電力検知に使用されるために該メモリモジュール外部の監視位置へと、ルーティングされ得る。
【0037】
図3Bを参照すると、電力管理方法(310)には、メモリモジュールに実装されたメモリ集積回路付近の位置でメモリモジュール上の電圧を測定し(312)、及び、その測定電圧をメモリモジュール外部の位置に伝達する(314)ことを、更に含めることができる。システム構成要素の動作は、該測定電圧に基づき、メモリモジュール外部の位置において調整される(316)。
【0038】
図3Cを参照すると、幾つかの実施形態において、電力管理方法(320)には、複数のメモリモジュールの電力レールからの検知電力を示す信号を、メモリモジュール外部の監視位置へとルーティングし(322)、及び、複数のメモリモジュールの電力レールからの電力信号を組み合わせる(324)ことを、更に含めることができる。
【0039】
図3D内に示されるように、電力管理方法(330)の一実施形態には、メモリモジュールに実装されたメモリ集積回路付近の位置でメモリモジュール上の電圧を測定し(332)、その測定電圧を表す値をメモリモジュール上のレジスタ内へとロードし(334)、及び、メモリモジュール上のバスインターフェースを介して該レジスタへのアクセスを可能にする(336)、ことを含めることができる。該レジスタは、メモリモジュール外部の位置からアクセスされ得る(338)。動的電力システム調整が、測定したメモリモジュール電圧に基づいて、実施され得る(340)。
【0040】
本明細書内において使用されている可能性がある用語「実質的に」か、「本質的に」か、又は「約」は、その対応する用語に対する工業界で容認された許容誤差に関するものである。そのような工業界で容認された許容誤差は、1パーセント未満〜20パーセントまでの範囲にわたり、機能性、値、プロセス変動、サイズ、動作速度、及びこれらに類するものに対応する(但しこれらに限定されない)。本明細書内において使用されている可能がある用語「結合される」は、直接結合(直接的な結合)と、別の構成要素か、素子か、回路か、又はモジュールを介した間接結合(間接的な結合)とを含み、ここで、間接結合については、その介在する構成要素か、素子か、回路か、又はモジュールは、信号の情報を変更しないが、その電流レベル、電圧レベル、及び/又は電力レベルを調整する場合がある。推定される結合は、例えば、推定により、1つの要素が別の要素に結合される場合には、「結合される」場合と同様の手法で2つの要素間を直接的に及び間接的に結合することを含む。
【0041】
例示的なブロック図及びフローチャートは、製造プロセス中の処理ステップか又はブロックを表している。その特定の例は、特定の処理ステップか又は作用を例示しているが、多くの代替の実施態様も実現可能であり、シンプルな設計を選択することによって通常なされる。作用及びステップは、機能、目的、標準規格に対する適合、レガシー構成、及びこれらに類するものの考慮事項に基づいて、本明細書内の特定の説明とは異なる順序で実行され得る。
【0042】
本開示は、様々な実施形態を説明しているが、これらの実施形態は、例示的なものとして理解されるべきであり、特許請求の範囲を限定しない。記載された実施形態における多くの変形形態、修正、追加、及び改善が可能である。例えば、本明細書内において開示した構成及び方法を提供するための必要なステップを、当業者は容易に実現するであろうし、及び、処理パラメータ、材料、及び寸法は、例示だけを目的として付与されているということを当業者は理解するであろう。パラメータ、材料、及び寸法は、特許請求の範囲内におけるものである所望の構成並びに修正を達成するために変更され得る。本明細書内において開示した実施形態の変形形態及び修正は、添付の特許請求の範囲内にあるまま、実施され得る。
【背景技術】
【0001】
背景
コンピュータ、サーバ、通信デバイス、ワークステーション、及びこれらに類するものは、メモリモジュール内にデータを格納し、該メモリモジュールは、典型的には、事前に調整された電力を、単一モジュールインターフェースコネクタを通じてマザーボードから受け取る。複数の調整されたバイアス電圧が、通常提供され、及び、それらの調整されたバイアス電圧には、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)メモリ集積回路(IC)正電源電圧(VDD)DRAM入力/出力(I/O)ドライバ正電源電圧(VDDQ)、及びDRAM I/O基準供給電圧(VREF)を含めることができる。VREFは、通常、低電流であり、単一入力ピンによって提供される。VDD及びVDDQ及びそれぞれのリターンライン(VSS及びVSSQ)は、モジュールインターフェースコネクタに沿って分配(分散)された複数ピンを通じて提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
メモリモジュール電力システムは、幾つかの理由のために一定の基準電圧を維持することが困難である。例えば、メモリモジュール上のメモリデバイス集積回路からのレギュレータ出力の遠隔位置は、レギュレータ過渡負荷応答時間を制限する。広範囲のレギュレータ出力電流供給量に対処するために用いられる大出力静電容量は、過渡応答時間を更に制限する。更には、システム基板のスイッチング調整が、高周波スイッチングノイズを生じさせ、該高周波スイッチングノイズは、メモリモジュールバイアス電圧に加えられて、メモリモジュールタイミングを変え、及び実メモリ動作速度を制限する。
【0003】
大メモリであっても、より高速なメモリモジュール性能を達成させるために、メモリシステム電力生成、調整、及び分配に関連したファクタを含む重要な制限ファクタが対処されるべきである。
【0004】
メモリ技術が進歩し、電圧が低減されて電力消費が改善されると、電圧に対する許容誤差(又は許容範囲:トレランス)もまた減少する。メモリサブシステムにわたる(デュアルインラインメモリモジュール(DIMMs)などの)メモリモジュール上の指定電圧レベルを維持することが、よりいっそう困難になる。指定電圧レベルを維持することは、異なる電力仕様を有した複数のメモリ構成にわたっては特に難しく、従って、それにより、電力面にわたって電力降下(電力ドロップ)が生じさせられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
メモリデバイス及びシステムの実施形態は、可変負荷にわたる電圧許容誤差に対処するための電圧センスラインを含む。メモリモジュール上の回路構成に結合された第1の複数ピンと、該メモリモジュール上の電力レール(電力パターン)に結合された第2の複数ピンと、を有したメモリモジュールコネクタを、該メモリデバイス及びシステムが備える。該第2の複数ピンは、外部から該メモリモジュールまでの該電力レールを監視することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】可変負荷にわたる電圧許容誤差に対処するための電圧センスラインを含むメモリ装置の実施形態を表す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図1B】可変負荷にわたる電圧許容誤差に対処するための電圧センスラインを含むメモリ装置の実施形態を表す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図1C】可変負荷にわたる電圧許容誤差に対処するための電圧センスラインを含むメモリ装置の実施形態を表す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図1D】可変負荷にわたる電圧許容誤差に対処するための電圧センスラインを含むメモリ装置の実施形態を表す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図1E】可変負荷にわたる電圧許容誤差に対処するための電圧センスラインを含むメモリ装置の実施形態を表す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図1F】可変負荷にわたる電圧許容誤差に対処するための電圧センスラインを含むメモリ装置の実施形態を表す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図2A】メモリ信号線のためのオンチップ(ダイ)ターミネーションを用いるシステムの一実施形態を示す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図2B】メモリ信号線のためのオンチップ(ダイ)ターミネーションを用いるシステムの一実施形態を示す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図2C】メモリ信号線のためのオンチップ(ダイ)ターミネーションを用いるシステムの一実施形態を示す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【図3A】コンピュータメモリ内の電力を管理するための方法における1つか又は複数の実施形態か又は態様を示すフローチャートを示す図である。
【図3B】コンピュータメモリ内の電力を管理するための方法における1つか又は複数の実施形態か又は態様を示すフローチャートを示す図である。
【図3C】コンピュータメモリ内の電力を管理するための方法における1つか又は複数の実施形態か又は態様を示すフローチャートを示す図である。
【図3D】コンピュータメモリ内の電力を管理するための方法における1つか又は複数の実施形態か又は態様を示すフローチャートを示す図である。
【図4】電力面の平均的な読み出しを可能にするために、センスラインが典型的には、システム基板上に置かれている従来の電力管理アプローチを表す概略ブロック及び回路図を示す図である。
【0007】
構造と動作方法との両方に関する本発明の実施形態は、以下の説明と添付図面とを参照することによって最も良く理解されるであろう。
【実施例】
【0008】
詳細な説明
メモリデバイス及びシステムの様々な実施形態は、可変負荷にわたる(又は可変負荷の両端にかかる)電力を管理するための、メモリモジュールピン定義に加えられた電圧センスラインを含み、DRAMsのようなメモリデバイスにおける指定電圧の改善されたメンテナンスを可能にする。
【0009】
調整されたバイアス電圧を、メモリ集積回路付近のメモリモジュール上の電力レール(又は電力パターン)から直接検知することによって、負荷における電圧検知を可能し、且つ、可変負荷にわたる厳しい許容誤差(トレランス)にミートさせる能力を実質的に改善させることが可能な、メモリデバイス及びシステム構成が、本明細書内において開示されている。それとは対照的に、従来のシステムは、システム基板上の電力レールを検知するものであり、フーリーバッファードデュアルインラインメモリモジュール(FBD)、ダブルデータレート3(DDR3)DRAM、及び実現可能な将来の技術などの新技術にとっては不適切である。例示的なメモリデバイス及びシステム構成において、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)電力レールは、DRAMsの付近のデュアルインラインメモリモジュール(DIMMs)上において検知され、それにより、厳重な電圧要件のメンテナンスが可能になる。
【0010】
図1Aを参照すると、概略ブロック及び回路図は、可変負荷にわたる電圧許容誤差(電圧トレランス)に対処するための電圧センスラインを含むメモリ装置100Aの一実施形態を表している。メモリモジュール106上の回路構成に結合された第1の複数ピン104と、メモリモジュール106上の電力レール110に結合された第2の複数ピン108とを有したメモリモジュールコネクタ102を、メモリ装置100Aが備える。該第2の複数ピン108は、外部からメモリモジュール106までの電力レール110を監視することを可能にする。
【0011】
メモリモジュール106は、メモリモジュールコネクタ102と、該メモリモジュールコネクタ102に結合された回路基板112と、該回路基板112に実装された複数の集積回路114とを更に備える。
【0012】
電力検知に用いるためにメモリモジュール106上の電力レール110からの信号を、メモリモジュール106の外部へとルーティングする電圧センスラインに、第2の複数ピン108が対応する。
【0013】
一例の構成では、第2の複数ピン108は、メモリモジュール106上の電力引き込み(power draw)の中心部からの信号を、電力検知のために、メモリモジュール106の外部へとルーティングすることができる。しかしながら、電力レール100A上の任意の位置からの検知も実現され得る。
【0014】
図1Aと組み合わせて図1Bを参照すると、概略ブロック及び回路図は、電圧検知を可能にする、別の実施形態のメモリ装置100Bを表している。メモリ装置100Bは、1つか又は複数のモジュール106を有した複数のメモリモジュール106を更に備えることが可能である。集積回路114には、少なくとも1つのメモリ集積回路114Mを含めることができる。
【0015】
図1Aと組み合わせて図1Cを参照すると、概略ブロック及び回路図は、回路120を更に備える、別の実施形態のメモリ装置100Cを表している。該回路120は、複数のメモリモジュール106の電力レール110からの電力信号を組み合わせる(又は合成させる)。様々な実施態様において、その組み合わされた信号は、任意の選択された割合で組み合わされ得る。例えば、それらの信号は、平均化され得るか、或いは、任意の適合可能な数学的組み合わせが結果として生じる手法で組み合わされ(又は合成され)得る。必要であれば、最大か、最小か、平均か、相乗平均か、或いは他の統計的な関数を実現することができる。
【0016】
図1D及び図1Eに示されるように、それぞれのメモリ装置の実施形態100D、100Eは、複数のメモリモジュール106の電力レール110からの少なくとも1つの電力信号を監視する回路116を更に備えることができる。その電力信号監視回路116は、図1D内に示されるように1つか又は複数のメモリモジュール106上にか、或いは、図1E内に示されるようにメモリモジュールの外部に、配置され得る。
【0017】
図1Fを参照すると、概略ブロック及び回路図は、電圧検知を可能にする、別の実施形態のメモリ装置100Fを表している。メモリ装置100Fは、1つか又は複数のメモリモジュール106を含む。該メモリモジュール106は、メモリモジュールコネクタ102と、該メモリモジュールコネクタ102に結合された回路基板112と、該回路基板112に実装された複数のメモリ集積回路114Mと、を備える。メモリモジュール106のうちの少なくとも1つは、回路基板112に結合された電圧測定回路122と、該電圧測定回路122に結合されたレジスタ124と、を更に備えることができる。該電圧測定回路122は、メモリモジュール106上の電圧を測定する。該レジスタ124は、メモリモジュール106上の測定した電圧を表す値を保持する。バスインターフェース126は、レジスタ124に結合され得り、及び、第2の複数ピン108に結合され得る。
【0018】
ある特定例の実施形態において、メモリモジュール106は、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)上に実装された複数のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)集積回路を有した該デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)とすることができる。バスインターフェース126は、インターインテグレーテッドサーキット(I2C)マルチマスターシリアルコンピュータバスとすることができるか、或いは、システムマネージメントバス(SMBus)とすることができる。
【0019】
メモリ装置100Fには、シリアルプレゼンスデテクト(SPD)をサポートする電気的に消去書込み可能な読出し専用メモリ(EEPROM)128を更に含めることができる。SPDメモリ空間は、測定したメモリモジュール電圧が含まれるように割り当てられる。
【0020】
幾つかの実施態様において、メモリ装置100Fにはまた、測定したメモリモジュール電圧を、シリアルプレゼンスデテクト(SPD)メモリ128から読み出し、及び、該測定したメモリモジュール電圧に基づいて動的電力システム調整を実施する、ロジック130を含めることができる。
【0021】
図1A〜図1E内に示されたメモリ装置は、単一DRAMセンスラインか又は平均化アプローチのいずれかを用いている例を示す。図1Fは、システム設計者が前記電圧検知アプローチの利点を活用する一実施態様の一例を表す。説明のためのそれらの例は、4つのDIMMsを含んでいるが、本概念(コンセプト)は、任意の数のDIMMsについても当てはまる。
【0022】
図1A〜図1F内に示されたメモリ装置の実施形態では、調整されたバイアス電圧が、メモリデバイス集積回路付近のメモリモジュール上において検知される。それとは対照的に、図4は、電力面の平均的な読み出しを提供することを目的として、電力面負荷の中央付近のシステム基板上か又はマザーボード上のどこかにセンスラインが典型的には配置されている従来のアプローチを示している。この従来のアプローチは、DRAM電圧を、検知地点電圧に中心に置かせ、そしてそのことは、一般には適切ではあるが、残念なことには、DIMM入力電圧を検知することのためだけに良好である。従来のアプローチの欠点は、検知地点と、レールを使用するDRAMsとの間において電力降下(電力ドロップ)が発生するということである。DDR3 DIMMsは、1.5Vレール上で17Wほどに使用されることが現在推定され、それにより、動作の合間にシステムがアイドルの時には電流引き込み(又は電流消費:current draw)は1〜2Aほどにも低くすることができるにもかかわらず、11Aの負荷が生じる結果となる。電力レール上のDIMMソケット端子についてのインピーダンスの控えめな推定値は、端子当りに20〜30mオームを有した22電力コネクタと64グランドピンとに基づき、約1.5mオームである。DIMM上の電力面がまた、約1.5〜2mオームの抵抗を追加する。総計3オームと仮定すると、最小負荷と最大負荷との間の10Aの差分は、約30mVである。DDR3に関して、1.5Vレールの許容誤差は、75mVであり、従って、30mVの差分は、割り当てられなければならない電力レールバジェットのかなりの部分であり、それにより、電力源は、より厳しいレギュレーション、及び/又は、極めて低い許容誤差電圧設定ポイントを有する必要がある。
【0023】
図1A〜図1F内に示されたメモリ装置の実施形態において、電圧センスラインは、例えば、電力引き込み(又は電力消費:power draw)の中心部におけるDIMMs電力レールから、システム基板によって電力検知に使用されるための端部ピンへとルーティングされ得る。一例の構成において、DIMMソケットコネクタからの2つのピンを、センスラインに割り当てることができる。システム設計者は、従って、センスライン信号を、電力源へと戻すようにルーティングすることができる。システム内に複数のDIMMsが組み込まれている場合には、システム設計者は、1つのDIMMからの単一ペアの信号を用いて電圧を検知することができるか、或いは、結果(又は影響)を平均化するために信号を組み合わせることができる。結果(又は影響)を平均化することは、システム基板から検知する(図4内に示された)従来のシステムと同様の結果を得ているように思えるかもしれないが、組み合わせるか又は平均化する技法は、ソケットにおける電圧よりも、DRAMsにおける電圧を、実際に平均化する利点を有しており、従って、ソケット及びDRAM電力面の電圧降下(電圧ドロップ)を考慮に入れている。
【0024】
図1A〜図1F内に示されたメモリ装置の実施形態によって、DRAMsにおけるDIMM上で電圧が検知されることが可能になり、様々なDRAM数量でのDIMMsを用いた結果生じる、及び、時間経過に伴う電力引き込み(power draw)における変化に起因して生じる、DIMMソケット及びDIMM電力面にわたる損失の変動を無くすことができる。従って、損失によって消費される電力バジェット許容誤差の一部が低減され、設計の残りを、よりフレキシブルにすることが可能となり、電力源のためのより緩い許容誤差を可能にすることによって、コストを潜在的に節約することが可能になる。
【0025】
図2Aを参照すると、概略ブロック及び回路図は、メモリ集積回路に近い位置におけるセンス電圧を測定するメモリ装置200Aの一実施形態を表している。メモリ装置200Aは、DIMMなどのメモリモジュールにおける電圧センスアーキテクチャにより構成されており、負荷における電圧を検知することを可能にし、該電圧センスアーキテクチャは、可変負荷にわたる厳しい許容誤差にミートさせるための能力を実質的に改善させることができる。DRAMのできるだけ近くでDIMM上の電圧を測定することにより、DRAMsなどのメモリ集積回路に印加される電圧の厳重な制御が、該電圧センスアーキテクチャによって可能となり、その情報をシステムへと戻すように伝達して、システム構成要素の挙動を調整するために該情報が用いられることが可能になる。
【0026】
該電圧センスアーキテクチャによって、DRAMsにおける指定電圧のより良好なメンテナンスが可能となる。システムには、(例えば、48個以上の)多くのDIMMsを含めることができるので、センスラインを各DIMMに接続することには、かなりの量の基板スペースが必要とされることになる。例示的な電圧センスアーキテクチャは、メモリサブシステム内の既存の接続性を利用し、DIMMスロットのインフラ及び業界標準ピン配列に対する変更を必要としない。
【0027】
メモリ装置200Aは、回路基板212と、該回路基板212に結合された電圧測定回路222とを備えたメモリモジュール206を含む。該電圧測定回路222は、メモリモジュール206上の電圧を測定する。レジスタ224が、電圧測定回路222に結合されており、メモリモジュール206上の測定電圧を表す値を保持する。バスインターフェース226が、レジスタ224に結合されている。
【0028】
メモリモジュール206は、回路基板212に結合されたメモリモジュールコネクタ202と、回路基板212に実装された複数のメモリ集積回路214Mとを更に備えることが可能である。
【0029】
メモリモジュールコネクタ202は、メモリモジュール上の回路構成に結合された第1の複数ピン204と、バスインターフェース226に結合され且つメモリモジュール206上の電力レール210に結合された第2の複数ピン208とを備えることが可能である。第2の複数ピン208及びバスインターフェース226によって、外部からメモリモジュール206への電力レール210上の電圧を監視することが可能になる。
【0030】
幾つかの実施形態において、メモリモジュール206は、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)上に実装された複数のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)集積回路214Mを有した該デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)とすることができる。バスインターフェース226は、インターインテグレーテッドサーキット(I2C)マルチマスターシリアルコンピュータバスとすることができるか、或いは、システムマネージメントバス(SMBus)とすることができる。メモリ装置200Aには、シリアルプレゼンスデテクト(SPD)をサポートする電気的に消去書込み可能な読出し専用メモリ(EEPROM)228を更に含めることができる。SPDメモリ空間は、測定したメモリモジュール電圧が含まれるように割り当てられる。
【0031】
図2Aと組み合わせて図2Bを参照すると、メモリ装置200Bは、測定したメモリモジュール電圧を、シリアルプレゼンスデテクト(SPD)メモリ228から読み出して、及び該測定したメモリモジュール電圧に基づいて動的電力システム調整を実施する、ロジック230を更に備えることが可能である。
【0032】
図2Aと組み合わせて図2Cを参照すると、概略ブロック及び回路図は、メモリ集積回路に極めて接近した電圧検知を可能にする、別の実施形態のメモリ装置200Cを表している。メモリ装置200Cは、複数のメモリモジュール206と、複数のメモリモジュール206の電力レール210からの電力信号を組み合わせる(又は合成する)回路220とを備えることが可能である。
【0033】
図1A〜図1F内に示された構成とは対照的に、各DIMM上に電圧センスラインを含める代りに、図2A〜図2C内に示された電圧センスアーキテクチャ構成は、DIMMプリント回路基板上の多くの部品のうちの1つの部品へと統合され得る単一組み込み回路を用いて、DIMM上の電圧の管理を可能にする。該単一組み込み回路は、DIMM電圧を測定して、I2Cか又はSMBusなどのローカルサイドバンド相互接続経路に取り付けられたレジスタを設定する。JEDECによって標準化されたDIMMsに対して指定されたSPDを変更することによって、SPD EEPROM内に確保されたレジスタ空間は、現在の電圧値か又は以前の値の履歴が書き込まれるよう割り当てられ得る。電圧情報を格納するためにSPD空間を用いることによって、追加的なI2Cデバイスアドレスが割り当てられる必要がなくなる。I2Cか又はSMBusなどのインターフェースのサイドバンド経路上の伝達によって、ベースボード管理コントローラ(BMC)か、電力源か、電力調整集積回路(IC)か、又はメモリコントローラなどの、サイドバンドバス上のデバイスが、DRAMにできるだけ近い位置のDIMMから現在の電圧を読み出すことが可能になる。電圧レベルについての情報は、測定した電圧に基づく動的電力システム調整のために、システム内へとフィードバックされ得る。DIMMsは、所望の値にできるだけ近くに電圧を維持するために一定時間間隔でポーリングされ得る。追加的には、(例えば、より高い静電容量か、より高い電力引き込み(又は電力消費)か、又はより激しい仕事量の状態の)最悪ケースのDIMMsを識別(又は特定)することができ、電圧レベルをより綿密に追跡することができる。
【0034】
電圧センスアーキテクチャによって、DRAMsにおけるDIMM上において電圧が検知されることが可能になり、様々なDRAM数量でDIMMsを用いた結果生じる、及び、時間経過に伴う電力引き込み(power draw)における変化に起因して生じる、DIMMソケット及びDIMM電力面にわたる損失の変動を無くすことができる。従って、この損失によって消費される電力バジェット許容誤差の一部を低減することができ、設計の残りを、よりフレキシブルすることが可能となり、電力源のためのより緩い許容誤差を可能にすることによって、コストを潜在的に節約することが可能になる。電圧センスアーキテクチャは、システム基板上にルーティングされる追加的な配線(トレース)の必要性を無くすことができ、及び、電圧検知目的のためのピンの配置転換を無くすことができる。電圧センスアーキテクチャは、DIMMにおいて生成された情報の利用を可能にするために、システムファームウェアに対する簡単な修正によって実施され得り、電力源の挙動についての決定が、システムファームウェアか又はベースボード管理コントローラ(BMC)によってなされ得るので、従って、DIMMsからのフィードバック情報を組み込むための電力源の再設計を行うことなくなされ得るので、設計を更に簡略化することができる。
【0035】
図3A〜図3Dを参照すると、フローチャートは、例えば、可変負荷にわたる厳しい許容誤差にミートさせるために、コンピュータメモリ内の電力を管理するための方法における1つか又は複数の実施形態又は態様を示している。図3Aは、メモリモジュール上の電力レールにおける電力を検知し(302)、及び、メモリモジュールの電力レールからの検知した電力を示す信号を、該メモリモジュール外部の監視位置へと、ルーティングする(304)ことを含む、コンピュータメモリ内の電力を管理するための方法(300)を示す。
【0036】
検知電力を示す信号は、電力引き込みの中心部からか、或いは、メモリモジュール上の電力レール上における任意の適合可能な位置から、該メモリモジュール外部で電力検知に使用されるために該メモリモジュール外部の監視位置へと、ルーティングされ得る。
【0037】
図3Bを参照すると、電力管理方法(310)には、メモリモジュールに実装されたメモリ集積回路付近の位置でメモリモジュール上の電圧を測定し(312)、及び、その測定電圧をメモリモジュール外部の位置に伝達する(314)ことを、更に含めることができる。システム構成要素の動作は、該測定電圧に基づき、メモリモジュール外部の位置において調整される(316)。
【0038】
図3Cを参照すると、幾つかの実施形態において、電力管理方法(320)には、複数のメモリモジュールの電力レールからの検知電力を示す信号を、メモリモジュール外部の監視位置へとルーティングし(322)、及び、複数のメモリモジュールの電力レールからの電力信号を組み合わせる(324)ことを、更に含めることができる。
【0039】
図3D内に示されるように、電力管理方法(330)の一実施形態には、メモリモジュールに実装されたメモリ集積回路付近の位置でメモリモジュール上の電圧を測定し(332)、その測定電圧を表す値をメモリモジュール上のレジスタ内へとロードし(334)、及び、メモリモジュール上のバスインターフェースを介して該レジスタへのアクセスを可能にする(336)、ことを含めることができる。該レジスタは、メモリモジュール外部の位置からアクセスされ得る(338)。動的電力システム調整が、測定したメモリモジュール電圧に基づいて、実施され得る(340)。
【0040】
本明細書内において使用されている可能性がある用語「実質的に」か、「本質的に」か、又は「約」は、その対応する用語に対する工業界で容認された許容誤差に関するものである。そのような工業界で容認された許容誤差は、1パーセント未満〜20パーセントまでの範囲にわたり、機能性、値、プロセス変動、サイズ、動作速度、及びこれらに類するものに対応する(但しこれらに限定されない)。本明細書内において使用されている可能がある用語「結合される」は、直接結合(直接的な結合)と、別の構成要素か、素子か、回路か、又はモジュールを介した間接結合(間接的な結合)とを含み、ここで、間接結合については、その介在する構成要素か、素子か、回路か、又はモジュールは、信号の情報を変更しないが、その電流レベル、電圧レベル、及び/又は電力レベルを調整する場合がある。推定される結合は、例えば、推定により、1つの要素が別の要素に結合される場合には、「結合される」場合と同様の手法で2つの要素間を直接的に及び間接的に結合することを含む。
【0041】
例示的なブロック図及びフローチャートは、製造プロセス中の処理ステップか又はブロックを表している。その特定の例は、特定の処理ステップか又は作用を例示しているが、多くの代替の実施態様も実現可能であり、シンプルな設計を選択することによって通常なされる。作用及びステップは、機能、目的、標準規格に対する適合、レガシー構成、及びこれらに類するものの考慮事項に基づいて、本明細書内の特定の説明とは異なる順序で実行され得る。
【0042】
本開示は、様々な実施形態を説明しているが、これらの実施形態は、例示的なものとして理解されるべきであり、特許請求の範囲を限定しない。記載された実施形態における多くの変形形態、修正、追加、及び改善が可能である。例えば、本明細書内において開示した構成及び方法を提供するための必要なステップを、当業者は容易に実現するであろうし、及び、処理パラメータ、材料、及び寸法は、例示だけを目的として付与されているということを当業者は理解するであろう。パラメータ、材料、及び寸法は、特許請求の範囲内におけるものである所望の構成並びに修正を達成するために変更され得る。本明細書内において開示した実施形態の変形形態及び修正は、添付の特許請求の範囲内にあるまま、実施され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリモジュールコネクタを含むメモリ装置であって、該メモリモジュールコネクタが、
メモリモジュール上の回路構成に結合された第1の複数ピンと、
前記メモリモジュール上の電力レールに結合された第2の複数ピンであって、前記メモリモジュールに対する外部からの前記電力レールを監視することを可能にする、第2の複数ピン
とを備えることからなる、メモリ装置。
【請求項2】
電力検知に使用するために前記メモリモジュール上の前記電力レールからの信号を前記メモリモジュール外部へとルーティングする電圧センスラインを、前記第2の複数ピンが備えることを更に含むことからなる、請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項3】
メモリモジュールであって、
前記メモリモジュールコネクタと、
前記メモリモジュールコネクタに結合された回路基板と、
前記回路基板に実装された複数の集積回路であって、少なくとも1つのメモリ集積回路を含む、複数の集積回路
とを備えるメモリモジュール
を更に含むことからなる、請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項4】
複数のメモリモジュールであって、該複数のメモリモジュールのうちの幾つかが、前記メモリモジュールコネクタと、該メモリモジュールコネクタに結合された回路基板と、該回路基板に実装された複数の集積回路とを備えることからなる、複数のメモリモジュールと、
前記複数のメモリモジュールの前記電力レールからの電力信号を組み合わせる回路
とを更に含むことからなる、請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項5】
複数のメモリモジュールであって、該複数のメモリモジュールのうちの幾つかが、前記メモリモジュールコネクタと、該メモリモジュールコネクタに結合された回路基板と、該回路基板に実装された複数の集積回路とを備えることからなる、複数のメモリモジュールと、
前記複数のメモリモジュールの前記電力レールからの少なくとも1つの電力信号を監視する回路
とを更に含むことからなる、請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項6】
メモリモジュールであって、
前記メモリモジュールコネクタと、
前記メモリモジュールコネクタに結合された回路基板と、
前記回路基板に実装された複数のメモリ集積回路と、
前記回路基板に結合された電圧測定回路であって、前記メモリモジュール上の電圧を測定する、電圧測定回路と、
前記電圧測定回路に結合されたレジスタであって、前記メモリモジュール上の前記測定された電圧を表す値を保持する、レジスタと、
前記レジスタに結合されたバスインターフェースであって、前記第2の複数ピンに結合されたバスインターフェース
とを備えることからなるメモリモジュール
を更に含むことからなる、請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項7】
デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)上に実装された複数のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)集積回路を有した該デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)を備える前記メモリモジュールと、
インターインテグレーテッドサーキット(I2C)マルチマスターシリアルコンピュータバスか又はシステムマネージメントバス(SMBus)を備える前記バスインターフェースと、
シリアルプレゼンスデテクト(SPD)をサポートする電気的に消去書込み可能な読出し専用メモリ(EEPROM)であって、前記測定したメモリモジュール電圧を含めるようにSPDメモリ空間が割り当てられることからなる、電気的に消去書込み可能な読出し専用メモリ(EEPROM)と、
測定したメモリモジュール電圧を前記シリアルプレゼンスデテクト(SPD)メモリから読み出して、該測定したメモリモジュール電圧に基づいて動的電力システム調整を実施する、ロジック
とを更に含むことからなる、請求項6に記載のメモリ装置。
【請求項8】
メモリモジュールを備えたメモリ装置であって、該メモリモジュールが、
回路基板と、
前記回路基板に結合された電圧測定回路であって、前記メモリモジュール上の電圧を測定する電圧測定回路と、
前記電圧測定回路に結合されたレジスタであって、前記メモリモジュール上の測定した電圧を表す値を保持するレジスタと、
前記レジスタに結合されたバスインターフェース
とを含むことからなる、メモリ装置。
【請求項9】
前記メモリモジュールであって、
前記メモリモジュールコネクタであって、
メモリモジュール上の回路構成に結合された第1の複数ピンと、
前記バスインターフェースに結合され、且つ、前記メモリモジュール上の電力レールに結合された第2の複数ピンであって、該第2の複数ピン及び前記バスインターフェースが、前記メモリモジュールに対する外部からの前記電力レールの監視を可能にすることからなる、第2の複数ピン
とを備える前記メモリモジュールコネクタ
を更に備える前記メモリモジュール
を更に含むことからなる、請求項8に記載のメモリ装置。
【請求項10】
複数のメモリモジュールと、
前記複数のメモリモジュールの前記電力レールからの複数の電力信号を組み合わせる回路
とを更に含むことからなる、請求項8に記載のメモリ装置。
【請求項11】
デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)上に実装された複数のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)集積回路を有した該デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)を備える前記メモリモジュールと、
インターインテグレーテッドサーキット(I2C)マルチマスターシリアルコンピュータバスか又はシステムマネージメントバス(SMBus)を備える前記バスインターフェースと、
シリアルプレゼンスデテクト(SPD)をサポートする電気的に消去書込み可能な読出し専用メモリ(EEPROM)であって、前記測定したメモリモジュール電圧を含めるようにSPDメモリ空間が割り当てられることからなる、電気的に消去書込み可能な読出し専用メモリ(EEPROM)と、
測定したメモリモジュール電圧を前記シリアルプレゼンスデテクト(SPD)メモリから読み出して、該測定したメモリモジュール電圧に基づいて動的電力システム調整を実施する、ロジック
とを更に含むことからなる、請求項8に記載のメモリ装置。
【請求項12】
コンピュータメモリ内の電力を管理するための方法であって、
メモリモジュール上の電力レールにおける電力を検知し、及び、
前記メモリモジュールの前記電力レールからの前記検知した電力を示す信号を、前記メモリモジュールの外部の監視位置へとルーティングする
ことを含む、方法。
【請求項13】
前記メモリモジュールに実装されたメモリ集積回路付近の場所における前記メモリモジュール上の電圧を測定し、
前記測定した電圧を、前記メモリモジュールの外部の前記位置に伝達し、及び、
前記測定した電圧に基づいて、前記メモリモジュールの外部の前記位置においてシステム構成要素の動作を調整する
ことを更に含むことからなる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
複数のメモリモジュールの前記電力レールからの前記検知した電力を示す信号を、該メモリモジュールの外部の監視位置へとルーティングし、及び、
前記複数のメモリモジュールの前記電力レールからの複数の電力信号を組み合わせる
ことを更に含むことからなる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記メモリモジュールに実装されたメモリ集積回路付近の場所における前記メモリモジュール上の電圧を測定し、
前記測定した電圧を表す値を、前記メモリモジュール上のレジスタ内へとロードし、
前記メモリモジュール上のバスインターフェースを介して前記レジスタに対するアクセスを可能にし、
前記メモリモジュールの外部の位置から前記レジスタにアクセスし、及び、
前記測定したメモリモジュール電圧に基づいて、動的電力システム調整を実施する
ことを更に含むことからなる、請求項12に記載の方法。
【請求項1】
メモリモジュールコネクタを含むメモリ装置であって、該メモリモジュールコネクタが、
メモリモジュール上の回路構成に結合された第1の複数ピンと、
前記メモリモジュール上の電力レールに結合された第2の複数ピンであって、前記メモリモジュールに対する外部からの前記電力レールを監視することを可能にする、第2の複数ピン
とを備えることからなる、メモリ装置。
【請求項2】
電力検知に使用するために前記メモリモジュール上の前記電力レールからの信号を前記メモリモジュール外部へとルーティングする電圧センスラインを、前記第2の複数ピンが備えることを更に含むことからなる、請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項3】
メモリモジュールであって、
前記メモリモジュールコネクタと、
前記メモリモジュールコネクタに結合された回路基板と、
前記回路基板に実装された複数の集積回路であって、少なくとも1つのメモリ集積回路を含む、複数の集積回路
とを備えるメモリモジュール
を更に含むことからなる、請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項4】
複数のメモリモジュールであって、該複数のメモリモジュールのうちの幾つかが、前記メモリモジュールコネクタと、該メモリモジュールコネクタに結合された回路基板と、該回路基板に実装された複数の集積回路とを備えることからなる、複数のメモリモジュールと、
前記複数のメモリモジュールの前記電力レールからの電力信号を組み合わせる回路
とを更に含むことからなる、請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項5】
複数のメモリモジュールであって、該複数のメモリモジュールのうちの幾つかが、前記メモリモジュールコネクタと、該メモリモジュールコネクタに結合された回路基板と、該回路基板に実装された複数の集積回路とを備えることからなる、複数のメモリモジュールと、
前記複数のメモリモジュールの前記電力レールからの少なくとも1つの電力信号を監視する回路
とを更に含むことからなる、請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項6】
メモリモジュールであって、
前記メモリモジュールコネクタと、
前記メモリモジュールコネクタに結合された回路基板と、
前記回路基板に実装された複数のメモリ集積回路と、
前記回路基板に結合された電圧測定回路であって、前記メモリモジュール上の電圧を測定する、電圧測定回路と、
前記電圧測定回路に結合されたレジスタであって、前記メモリモジュール上の前記測定された電圧を表す値を保持する、レジスタと、
前記レジスタに結合されたバスインターフェースであって、前記第2の複数ピンに結合されたバスインターフェース
とを備えることからなるメモリモジュール
を更に含むことからなる、請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項7】
デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)上に実装された複数のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)集積回路を有した該デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)を備える前記メモリモジュールと、
インターインテグレーテッドサーキット(I2C)マルチマスターシリアルコンピュータバスか又はシステムマネージメントバス(SMBus)を備える前記バスインターフェースと、
シリアルプレゼンスデテクト(SPD)をサポートする電気的に消去書込み可能な読出し専用メモリ(EEPROM)であって、前記測定したメモリモジュール電圧を含めるようにSPDメモリ空間が割り当てられることからなる、電気的に消去書込み可能な読出し専用メモリ(EEPROM)と、
測定したメモリモジュール電圧を前記シリアルプレゼンスデテクト(SPD)メモリから読み出して、該測定したメモリモジュール電圧に基づいて動的電力システム調整を実施する、ロジック
とを更に含むことからなる、請求項6に記載のメモリ装置。
【請求項8】
メモリモジュールを備えたメモリ装置であって、該メモリモジュールが、
回路基板と、
前記回路基板に結合された電圧測定回路であって、前記メモリモジュール上の電圧を測定する電圧測定回路と、
前記電圧測定回路に結合されたレジスタであって、前記メモリモジュール上の測定した電圧を表す値を保持するレジスタと、
前記レジスタに結合されたバスインターフェース
とを含むことからなる、メモリ装置。
【請求項9】
前記メモリモジュールであって、
前記メモリモジュールコネクタであって、
メモリモジュール上の回路構成に結合された第1の複数ピンと、
前記バスインターフェースに結合され、且つ、前記メモリモジュール上の電力レールに結合された第2の複数ピンであって、該第2の複数ピン及び前記バスインターフェースが、前記メモリモジュールに対する外部からの前記電力レールの監視を可能にすることからなる、第2の複数ピン
とを備える前記メモリモジュールコネクタ
を更に備える前記メモリモジュール
を更に含むことからなる、請求項8に記載のメモリ装置。
【請求項10】
複数のメモリモジュールと、
前記複数のメモリモジュールの前記電力レールからの複数の電力信号を組み合わせる回路
とを更に含むことからなる、請求項8に記載のメモリ装置。
【請求項11】
デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)上に実装された複数のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)集積回路を有した該デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)を備える前記メモリモジュールと、
インターインテグレーテッドサーキット(I2C)マルチマスターシリアルコンピュータバスか又はシステムマネージメントバス(SMBus)を備える前記バスインターフェースと、
シリアルプレゼンスデテクト(SPD)をサポートする電気的に消去書込み可能な読出し専用メモリ(EEPROM)であって、前記測定したメモリモジュール電圧を含めるようにSPDメモリ空間が割り当てられることからなる、電気的に消去書込み可能な読出し専用メモリ(EEPROM)と、
測定したメモリモジュール電圧を前記シリアルプレゼンスデテクト(SPD)メモリから読み出して、該測定したメモリモジュール電圧に基づいて動的電力システム調整を実施する、ロジック
とを更に含むことからなる、請求項8に記載のメモリ装置。
【請求項12】
コンピュータメモリ内の電力を管理するための方法であって、
メモリモジュール上の電力レールにおける電力を検知し、及び、
前記メモリモジュールの前記電力レールからの前記検知した電力を示す信号を、前記メモリモジュールの外部の監視位置へとルーティングする
ことを含む、方法。
【請求項13】
前記メモリモジュールに実装されたメモリ集積回路付近の場所における前記メモリモジュール上の電圧を測定し、
前記測定した電圧を、前記メモリモジュールの外部の前記位置に伝達し、及び、
前記測定した電圧に基づいて、前記メモリモジュールの外部の前記位置においてシステム構成要素の動作を調整する
ことを更に含むことからなる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
複数のメモリモジュールの前記電力レールからの前記検知した電力を示す信号を、該メモリモジュールの外部の監視位置へとルーティングし、及び、
前記複数のメモリモジュールの前記電力レールからの複数の電力信号を組み合わせる
ことを更に含むことからなる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記メモリモジュールに実装されたメモリ集積回路付近の場所における前記メモリモジュール上の電圧を測定し、
前記測定した電圧を表す値を、前記メモリモジュール上のレジスタ内へとロードし、
前記メモリモジュール上のバスインターフェースを介して前記レジスタに対するアクセスを可能にし、
前記メモリモジュールの外部の位置から前記レジスタにアクセスし、及び、
前記測定したメモリモジュール電圧に基づいて、動的電力システム調整を実施する
ことを更に含むことからなる、請求項12に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【公表番号】特表2012−507789(P2012−507789A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534565(P2011−534565)
【出願日】平成21年9月23日(2009.9.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/057967
【国際公開番号】WO2010/096098
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(511076424)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (155)
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月23日(2009.9.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/057967
【国際公開番号】WO2010/096098
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(511076424)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (155)
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
【Fターム(参考)】
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