電子カメラ
【課題】外界の視野像を視認し易くする。
【解決手段】厚みの薄いシースルー表示部11は、カメラボディ13の上面に起立する起立位置と、カメラボディ13の背面に設けた背面表示部21に画面が重なるように倒伏する倒伏位置との間で回転自在に支持されている。シースルー表示部11が倒伏位置のときには、スルー画像が背面表示部21に表示される。スルー画像は、シースルー表示部11を透して視認することができる。シースルー表示部11を起立位置に回転すると、スルー画像の背面表示部21への表示を禁止して撮像範囲を表すマーク12をシースルー表示部11に表示する。
【解決手段】厚みの薄いシースルー表示部11は、カメラボディ13の上面に起立する起立位置と、カメラボディ13の背面に設けた背面表示部21に画面が重なるように倒伏する倒伏位置との間で回転自在に支持されている。シースルー表示部11が倒伏位置のときには、スルー画像が背面表示部21に表示される。スルー画像は、シースルー表示部11を透して視認することができる。シースルー表示部11を起立位置に回転すると、スルー画像の背面表示部21への表示を禁止して撮像範囲を表すマーク12をシースルー表示部11に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シースルー表示部を備える電子カメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子ビューファインダ(EVF)を採用する電子カメラでは、ファインダ内の観察視野が狭いため、例えば高速で移動している被写体をファインダ内から見失うことがよくある。また、カメラボディの背面に設けた大型の液晶表示部にスルー画像を表示させてフレーミングを行う電子カメラも多い。しかし、大型の背面表示部に表示されるスルー画像を見ながらフレーミングをしても、ズーム操作をするとさらに観察視野が狭くなるため、背面表示部の画面から被写体を見失うおそれがある。このようになると、その被写体をファインダの視野内に再び捕えることは困難になる。そこで、撮影者には、いったんファインダから視線を外して肉眼でその被写体の位置を確認する等の手間がかかる。
【0003】
また、EVFや液晶表示部に表示される画像には、デジタル変換や画像処理等を経てから表示部に表示するため、実際の被写体の動きと画面表示との間で若干のズレ(タイムラグ)が生じる。このため、スポーツ等で動く被写体を撮る時は、ベストのタイミングでシャッタレリーズを行ったつもりでもほんの少し遅れて写ってしまうおそれがある。
【0004】
このような問題を解決するために、ホログラムの技術をスポーツファインダに応用したビデオカメラのファインダ装置が知られている(特許文献1)。このファインダ装置は、被写体像を透過させるスクリーンにホログラムにより撮影画像を投影することによって、外界の視野像と撮像素子で撮像している撮影画像とを重畳表示させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−65183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のファインダ装置は、外界の視野像に重ねて撮像画像が重畳表示されるため、撮像範囲が認識し難い欠点がある。また、透過型のスクリーンに加えて、撮像範囲をスクリーンに投影する投射手段を内蔵する必要があるため、ファインダ装置を設けたカメラを考慮すると大型化してフレーミングし辛い。さらに、投射手段は、三色のレーザー光をカラー液晶表示器に投射するための光源等、複雑な構造であるため高価になる。
【0007】
また、特許文献1に記載のファインダ装置は、撮像画像を常に表示しているので、カメラの電池が消耗し易い欠点があった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、第1の目的としては安価でかつ簡便でしかも撮像範囲が視認し易いシースルー表示部を備えた電子カメラを提供することを目的とし、また別の目的としては電池の消耗を極力抑えるように工夫した電子カメラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明を例示する電子カメラの一態様は、撮影光学系により結像される外界の像を撮像する撮像手段と、カメラボディの背面から覗いた時に前記外界の視野像に重ねて画像を表示することができるシースルー表示部と、外界の視野像を視認するフレーミング位置と前方がカメラボディに隠される非フレーミング位置との間でシースルー表示部を移動自在に支持する支持手段と、シースルー表示部の位置を検出するシースルー表示部位置検出手段と、シースルー表示部がフレーミング位置の時に撮像手段の撮像範囲を示すマークの画像をシースルー表示部に表示する表示画像制御手段と、を備えたものである。
【0010】
撮像範囲を示すマークは、シースルー表示部と撮影者の目との距離、及びシースルー表示部の画面サイズとに基づいてシースルー表示部の画面上での範囲が決められる。
【0011】
支持手段としては、フレーミング位置と非フレーミング位置との間で回転自在に支持するようにしてもよい。この場合、フレーミング位置は、シースルー表示部がボディの上面に起立する起立位置になり、また、非フレーミング位置は、ボディの背面に設けた背面表示部に画面が重なるように倒伏する倒伏位置になる。
【0012】
シースルー表示部が倒伏位置の時には、スルー画像を背面表示部に表示する。このとき、スルー画像は、シースルー表示部を透して視認することができる。また、シースルー表示部を起立位置にした場合には、スルー画像を背面表示部に表示することを禁止する。これにより、カメラの電池の消耗を防ぐことができる。
【0013】
撮影範囲を示すマークは、撮影レンズの変倍に応じて拡大、又は縮小して表示するのが好適である。また、撮像手段で取り込んだ画像データのうちの前記マーク内に対応する画像データをトリミングして背面表示部に表示するマーク内画像表示制御手段を備えてもよい。さらに、撮像手段で撮影中に、撮影に関する情報をシースルー表示部、又は背面表示部に表示する撮影情報表示制御手段を備えてもよい。
【0014】
ところで、有名選手や知人のプロフィール等、被写体となる人物に関する情報(人物情報)を撮影中に知りたいときがある。この場合には、顔画像を含む人物情報を予め記録した記憶手段と、撮像手段で取り込んだ画像データに基づいて顔画像を検出する顔画像検出手段と、検出した顔画像に対して記憶手段に記憶した顔画像を照合して類似度の高い人物を特定する人物特定手段と、特定した人物に関する情報を記憶手段から取得して背面表示部に表示する人物情報表示制御手段と、を備えてもよい。類似度は、顔画像から特徴量を求め、特徴量同士を比較することで求まる。
【0015】
表示する人物情報としては、顔画像以外に、氏名、年齢、誕生日、及び交友関係等がある。なお、過去に撮影して記録しておいた画像データを表示してもよい。この場合には、過去の画像データを読み出して顔画像を検出し、検出した顔画像を照合して類似度が閾値より高いものを抽出して抽出した顔画像、又はその顔画像を含む画像データを表示してもよい。
【0016】
顔画像検出手段は、顔画像を複数検出する場合がある。この場合には、人物情報表示制御手段が人物情報を背面表示部に複数表示する。この場合、数が多くなると各情報表示が小さくなり見えにくい。そこで、顔画像検出手段で検出した複数の顔画像領域のサイズ、又は被写体距離、あるいは記憶手段に人物情報毎に登録されている優先度に応じて最上位となる人物情報を、他の人物情報よりも目立つように表示するようにするのが好適である。
【0017】
また、外界の視野像の被写体や背景に類似する参照画像を背面表示部に表示すれば、フレーミングして構図を決める時の参考になるので好適である。この場合には、参照用の画像データとその特徴量とを関連付けして予め記録した記憶手段と、撮像手段で撮像した画像データに基づいて特徴量を抽出する特徴抽出手段と、抽出した画像データの特徴量に対して記憶手段に記憶した特徴量と照合して類似度の高い参照用の画像データを特定する参照画像特定手段と、特定した参照用の画像データを背面表示部、又はシースルー表示部に表示する参照画像表示制御手段と、を備えればよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の電子カメラによれば、外界の視野像に画像を重ねて表示するシースルー表示部をフレーミング位置と非フレーミング位置との間で移動自在に設け、フレーミング位置の時に外界の視野像に重ねて撮像範囲を示すマークが表示されるので、安価かつ簡便で、しかも撮像範囲が視認し易くなる効果がある。
【0019】
また、本発明の別の形態によれば、シースルー表示部をフレーミング位置に移動した時に、背面表示部へのスルー画像の表示を停止するので、カメラの電池の消耗を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態の電子カメラを示す正面側斜視図であり、シースルー表示部を起立位置に回転した状態を示している。
【図2】図1で説明した電子カメラを示す背面側斜視図であり、シースルー表示部を起立位置に回転した状態を示している。
【図3】図1で説明した電子カメラを示す背面側斜視図であり、シースルー表示部を倒伏位置に回転した状態を示している。
【図4】図1で説明した電子カメラを示す右側面図であり、シースルー表示部を倒伏位置に回転した状態を示している。
【図5】図1で説明した電子カメラの電気的構成の概略を示すブロック図である。
【図6】図1で説明した電子カメラの動作手順を示すフローチャートである。
【図7】ワイド端の時の撮像範囲を示すマークをシースルー表示部に表示した状態を示す説明図である。
【図8】テレ端の時の撮像範囲を示すマークをシースルー表示部に表示した状態を示す説明図である。
【図9】撮影情報をシースルー表示部に表示するようにした実施形態の電子カメラを示す説明図である。
【図10】図9で説明した電子カメラの動作手順を示すフローチャートである。
【図11】撮影情報としてエラー情報をシースルー表示部に表示するようにした実施形態の電子カメラを示す説明図である。
【図12】図11で説明した電子カメラの動作手順を示すフローチャートである。
【図13】シースルー表示部に表示されるマーク内の画像を背面表示部に表示するようにした第3実施形態の電子カメラの電気的構成の要部を示すブロック図である。
【図14】図13で説明した電子カメラの動作手順を示すフローチャートである。
【図15】シースルー表示部に表示されるマーク内の画像を背面表示部に表示した状態を示す説明図であり、ワイド端時の大きさのマークを示している。
【図16】シースルー表示部に表示されるマーク内の画像を背面表示部に表示した状態を示す説明図であり、テレ端時の大きさのマークを示している。
【図17】撮影情報を背面表示部に表示するようにした実施形態の電子カメラを示す説明図である。
【図18】特定した人物に関する情報を背面表示部に表示するようにした実施形態の電子カメラの電気的構成の要部を示すブロック図である。
【図19】図18で説明した電子カメラの動作手順を示すフローチャートである。
【図20】図18で説明した電子カメラで人物情報を背面表示部に表示した状態を示す説明図である。
【図21】複数の人物情報を背面表示部に表示する場合の実施形態の電子カメラを示す説明図である。
【図22】人物情報に類似する過去の画像を背面表示部に表示する場合の実施形態の電子カメラを示す説明図である。
【図23】撮像素子から取り込んだ画像データに類似する過去の画像を背面表示部に表示するようにした実施形態の電子カメラの電気的構成の要部を示すブロック図である。
【図24】図23で説明した電子カメラの動作手順を示すフローチャートである。
【図25】撮像素子から取り込んだ画像データに類似する過去の画像を背面表示部に表示した状態を示す説明図である。
【図26】見本画像を背面表示部及びシースルー表示部に表示するようにした実施形態の電子カメラを示す説明図である。
【図27】図26で説明した電子カメラの動作手順を示すフローチャートである。
【図28】自分撮りモードを選択して自分の顔画像をシースルー表示部の前面に表示するようにした電子カメラを示す斜視図である。
【図29】自分撮りモードを有する撮電子カメラの電気的構成の要部を示すブロック図である。
【図30】図29で説明した電子カメラの動作手順を示すフローチャートである。
【図31】シースルー表示部が着脱自在に取り付けられる電子カメラを示す斜視図である。
【図32】着脱自在な筒型のシースルー表示部を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
[第1実施形態]
本発明の一態様を例示する電子カメラ10は、図1ないし図3に示すように、シースルー表示部11を起立位置(図1、図2参照)と倒伏位置(図3参照)との間で回転自在に設け、起立位置のときにカメラボディ13の背面側から覗いてフレーミングを行う時に外界の視野像と重ねて撮像範囲を表すマーク12をシースルー表示部11に表示し、かつカメラボディ13の背面に設けた背面表示部21へのスルー画像の表示を禁止するようにしている。
【0022】
電子カメラ10には、カメラボディ13の前面に撮影レンズ14を保持するレンズ鏡胴15が組み込まれている。上面には、レリーズボタン16、電源スイッチ17が設けられ、またシースルー表示部11が起立して設けられている。カメラボディ13の右側面には、メモリカードが着脱自在に装填されるメモリカードスロットを覆う蓋18が設けられている。
【0023】
シースルー表示部11は、厚みの薄い透光性を有する自己発光型の有機EL(Electro Luminescence)パネルで構成されている。なお、シースルー表示部11としては、透光性を有する透明液晶等でもよく、その種類は適宜変更可能である。このシースルー表示部11は、ヒンジ19に内蔵したフレキシブル基板(図示なし)を通じて、カメラボディ13に内蔵する電気基板との間で電気的な接続が行われている。
【0024】
電子カメラ10の背面には、詳しくは図2に示すように、ヒンジ19、操作部20、及び内蔵の背面表示部(LCD又は有機EL)21が設けられている。背面表示部21には、再生画像やスルー画像、撮影モード等を選択するメニュー画面等が表示される。操作部20は、ズーム操作部22、背面表示部にメニュー画面を表示させるメニューボタン23、及びメニュー画面内でカーソルなどを移動させる十字キー24等から構成される。なお、十字キー24には、選択内容を決定する際に操作する決定キーが中央に配されている。
【0025】
ヒンジ19は、シースルー表示部11を、カメラボディ13の上面に起立して撮影者がフレーミングを行う起立位置(図2に示す位置)と、背面表示部21に画面が重なるように倒伏する倒伏位置(図3に示す位置)との間で回転自在に支持しており、本発明の支持手段を構成している。
【0026】
起立位置では、図4に示すように、シースルー表示部11がカメラボディ13から突出し、背面側から覗いたときに外界の視野像が視認することができる。撮影者の外界の視野像は、撮影レンズ14の撮影範囲を包含している。
【0027】
ヒンジ19の内部には、シースルー表示部11の回転位置を検出するシースルー表示部位置検出器25が設けられている。シースルー表示部位置検出器25は、シースルー表示部11の回転位置を監視し、起立位置に回転した時に起立信号を送出する。なお、シースルー表示部位置検出器25としては、起立位置の他に、倒伏位置を検出するものでもよいし、両方の位置を検出するものでもよい。
【0028】
倒伏位置では、前方がカメラボディ13で隠される位置、すなわち、背面表示部21に画面が重なる位置にシースルー表示部11が回転する。ここで、シースルー表示部11と背面表示部21との画面サイズを略同じ、又はシースルー表示部の画面の方を背面表示部の画面に対して小さめに形成しておくのが好適である。倒伏位置にした時には、背面表示部21に表示されるスルー画像、又は再生画像を、シースルー表示部11を透して視認することができる。起立位置の時にシースルー表示部11を透して視認される外界の視野像は、撮像範囲を包含している。
【0029】
電子カメラ10は、図5に示すように、CPU26を備えている。CPU26には、不揮発性メモリ27、及びバッファメモリ28が接続されており、不揮発性メモリ27には、CPU26が種々の制御を行う際に参照される制御プログラムなどが格納されている。CPU26は、不揮発性メモリ27に格納されている制御プログラムに従い、バッファメモリ28を一時記憶作業領域として利用して各部(回路)の制御を行い、電子カメラ10の各部(回路)の機能を作動させる。
【0030】
撮影レンズ14から入射する被写体光は、CCDやCMOS等の撮像素子29の撮像面に結像する。撮像素子駆動回路30は、CPU26からの制御信号に基づいて撮像素子29を駆動させる。これにより、撮像素子29の撮像面に結像した被写体像は、アナログの撮像信号に変換されて、AFE(Analog Front End)回路を構成するCDS31、及びAMP21に順に出力される。変換された撮像信号は、AFE回路で所定のアナログ処理が施され、A/D(Analog/Digital変換器)33においてデジタル信号に変換される。
【0031】
ASIC(Application Specific Integrated Circuit)34は、画像処理回路を構成しており、A/D33でデジタル信号に変換された撮像信号を入力し、この撮像信号に対して、ホワイトバランス処理やガンマ補正等の画像処理を施す。画像処理を施した画像データは、SDRAM35にいったん記憶される。SDRAM35に記憶した画像データは、CPU26の制御により読み出されてYC変換処理回路36で輝度信号Yと色差信号Cr,Cbとに変換され、その後、圧縮伸長処理回路37で圧縮処理が施されてからメディアコントローラ38を介してメモリカード39に記録される。なお、符号46は、CPU30と各部(回路)とを繋ぐバスである。
【0032】
スルー画像を背面表示部21に表示する場合、表示制御部44は、VRAMで展開された画像データを表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換して背面表示部21に出力する。
【0033】
AE・AF検出回路40は、SDRAM35に取り込んだ画像データに基づいて明暗差(コントラスト)を検出し、検出結果をCPU26に送る。CPU26は、AE・AF検出回路40から得られる明暗差(コントラスト)を確認しながらレンズ駆動部41を、明暗差が大きくなる合焦位置に撮影レンズ14が移動するように制御する。また、CPU26は、AE・AF検出回路40で検出した被写体輝度に基づいてその時点で設定されているISO感度に対する絞り値とシャッタスピードを算出し、算出した値に基づいて、電子シャッタや電子アイリスを制御する。なお、絞り兼用のレンズシャッタを設けて機械的にシャッタ及び絞りを制御してもよい。
【0034】
CPU26は、表示部切替え部42と表示情報生成部43とを有している。表示部切替え部42は、シースルー表示部11の倒伏位置の時に、撮像素子29から随時取り込まれるスルー画像を背面表示部21に表示するよう背面表示部用の表示制御部44を制御する。また、シースルー表示部位置検出器25から起立信号を受け取ることに応答して、背面表示部21へのスルー画像の表示を禁止する。
【0035】
表示情報生成部43は、シースルー表示部11の起立位置を検出することに応答して撮像素子29の撮像範囲を表すマーク12を生成し、生成したマーク12の画像データをシースルー表示部用の表示制御部45に送る。また、ズーム操作部22での操作に応答して倍率が変化する撮像範囲に基づいて、シースルー表示部11の画面中心を基準にして拡大、又は縮小して範囲(大きさ)を変えたマーク12を生成する。
【0036】
表示情報生成部43は、シースルー表示部11と撮影者の目(顔)との距離、及びシースルー表示部11の画面サイズとに基づいてシースルー表示部11の画面上でのマーク12の範囲を決める。なお、この実施形態では、シースルー表示部11の画面サイズは既知であり、また、シースルー表示部11と撮影者の目(顔)との距離は、撮影者の目(顔)の位置が一定と仮定して予め決めた値を使用する。
【0037】
なお、撮影者距離検出手段として、投光器及び受光器からなる測距手段をカメラボディ13の背面に設け、測距手段で撮影者の目(顔)までの距離を検出し、表示情報生成部43は、検出した距離に応じてマーク12の範囲を決めてもよい。また、撮影者位置検出手段としてサブカメラをカメラボディ13の背面に設け、シースルー表示部11の画面中央に対して撮影者の目(顔)の座標位置(上下左右の位置)をサブカメラから取得した画像に基づいて検出し、表示情報生成部43が検出した座標位置に基づいてシースルー表示部11の画面上でのマーク12の表示位置を決めるようにしてもよい。勿論、撮影者距離検出手段と撮影者位置検出手段とを併用してマーク12の表示位置、及び範囲を決めるようにしてもよい。
【0038】
シースルー表示部用、及び背面表示部用の表示制御部44,45は、グラフィックコントローラ、及びVRAM等で構成されている。VRAMは、グラフィックコントローラにより制御されて、画像データが書き込まれ、シリアルポ−トから表示部11又は21に画像データを出力する。シースルー表示部11には、マーク12の画像が表示され、また、背面表示部21にはスルー画像が表示される。
【0039】
次に上記構成の作用を、図6を参照しながら説明する。電子カメラ10の不使用状態(収納状態)では、図3に示すように、シースルー表示部11が背面表示部21の画面に重なる倒伏位置になっている。
【0040】
電源スイッチ17をオンすると(S−1)、撮影レンズ14、及び撮像素子29を通じて画像信号が連続的に取り込まれる。取り込んだ画像信号は、デジタルの画像データに変換され、変換した画像データは、ASIC34で各種画像処理を施してからスルー画像として背面表示部21に表示される(S−2)。背面表示部21に表示されるスルー画像は、シースルー表示部11を透して見ることができる。
【0041】
スルー画像を表示中、CPU26は、AE・AF検出回路40で検出したコントラストに応じて撮影レンズ14を大まかなピッチで移動させて撮像画像の中央の被写体にピントが合うように各部を制御し、また、AE・AF検出回路40で検出した被写体輝度に応じた露出値になるように電子シャッタ及び電子アイリスを制御する。
【0042】
シースルー表示部位置検出器25は、電源スイッチ17をオンした後に、シースルー表示部11の回転位置を監視している(S−3)。シースルー表示部11を起立位置に回転すると、シースルー表示部位置検出器25がこれを検出して起立信号をCPU26に送る。CPU26の表示部切替え部42は、起立信号を受け取ることに応答して、背面表示部21へのスルー画像の表示を禁止する(S−4)。
【0043】
また、表示情報生成部43は、起立信号を受け取ることに応答して、撮像範囲を表すマーク12を生成し、生成したマーク12の画像データをシースルー表示部用の表示制御部45に送る。シースルー表示部用の表示制御部45は、マーク12の画像データをシースルー表示部11に表示する(S−4)。これにより、シースルー表示部11には、図7に示すように、撮像範囲を表すマーク12の画像が外界49の視野像50に重畳して表示される。ここで、背面表示部21には、何も表示されないので、電子カメラ10の電池の消耗を防ぐことができる。
【0044】
なお、マーク12としては、矩形枠や括弧等にするのが好適である。さらに、マーク12の外の領域に薄い色48を表示して半透過状態にしてもよい。さらにまた、マーク12は、パララックスを補正する分ずらして表示するのが好適である。
【0045】
ズーム操作部22でズーム操作がなされると(S−6)、表示情報生成部43は、ズーム操作に応答して倍率が変化する撮像範囲に基づいて大きさを変えたマーク12を生成する(S−7)。これにより、テレ端のときには、図8に示すように、ワイド端のときと比べて、シースルー表示部11を透して見られる撮影者の外界49の視野像50に対してマーク12が小サイズで表示される。
【0046】
[第2実施形態]
第2実施形態の電子カメラ52は、撮影に関する情報(撮影情報)53をシースルー表示部11に表示する実施形態である。図5で説明した表示情報生成部43は、撮影情報53に基づいて文字画像54を生成してシースルー表示部11に表示するように制御する。撮影情報53としては、図9に示すように、撮影時点の露出補正値、ISO感度、絞り値、及びシャッタ速度等の値になっている。表示するタイミングとしては、図10に示すように、シースルー表示部11が起立位置に回転した後に表示する(S−8)。また、撮影情報53の表示は、レリーズボタン16の半押し操作に応答して中止する(S−9)。なお、レリーズボタン16の半押し操作に応答して撮影情報53を表示して、全押し操作に応答して撮影情報53の表示を中止するように構成をしてもよい。
【0047】
また、撮影情報としては、図11に示すように、撮影に関するエラー情報、例えばフォーカスエラーや、電池の残量警告(エラー)等を表示してもよい。フォーカスエラーは、CPU26が監視しており(S−10)、CPU26は、エラーを検出すると、図11に示すように、シースルー表示部11に「ピントが合っていません」等の文字55の画像を表示するよう制御する。この場合、CPU26は、図12に示すように、撮影準備動作後に、フォーカスエラーが出力されなくなるまでエラー表示を出力する(S−11)。また、電池の残量警告の場合には、CPU26が電池の残量を監視し、残量が閾値を下回った時に、「電池交換」又は「電池充電」を表示するよう制御すればよい。なお、撮影情報としては文字に限らず、アイコン、絵文字や記号等の画像を表示してもよい。また、エラー情報の表示の場合には、点滅表示にしてもよい。
【0048】
[第3実施形態]
第3実施形態は、シースルー表示部を起立位置にしたときに、シースルー表示部11に表示するマーク12内の画像を、背面表示部21に表示するようにした実施形態である。この実施形態の電子カメラ56は、図13に示すように、CPU26にマーク内画像表示制御部57を備えている。
【0049】
図14に示すように、シースルー表示部11が起立位置になることに応答して(S−3)、表示情報生成部43は、図5で説明したように、撮像範囲を表すマーク12を生成し、生成したマーク12の画像データをシースルー表示部用の表示制御部45に送る。シースルー表示部用の表示制御部45は、マーク12の画像をスルー画像に位置合わせしてから合成してシースルー表示部11に表示する(S−5)。
【0050】
マーク内画像表示制御部57は、撮像素子29から取り込んだデジタルの画像データをSDRAM35から読み出し、読み出した画像データのうちのマーク12内に対応する画像データをトリミングし、トリミングした画像データ(トリミング画像データ)58を背面表示部用の表示制御部44に送り、図15、及び図16に示すように、トリミング画像58を背面表示部21に画面いっぱいに表示するように制御する(S−12)。
【0051】
なお、図15に示すマーク12はワイド端のときのサイズになっており、また、図16に示すマーク12はテレ端のときサイズになっている。この実施形態では、シースルー表示部11によって全体の視野像を把握できるので、スポーツをしている人物等動きのある被写体の決定的瞬間を捉えやすい効果がある。
【0052】
[第4実施形態]
第4実施形態の電子カメラ59では、図17に示すように、シースルー表示部11を起立位置にしたときに、撮影に関する情報(撮影情報)60を背面表示部21に表示する。第2実施形態(図9に示した例)と比べて第4実施形態では、撮影情報を背面表示部21に表示する点に違いがある。撮影情報60は、背面表示部21に表示されるトリミング画像58(図15(第3実施形態)で説明した画像)に重ねて表示してもよい。この場合、撮影情報60が上になるように表示するのが望ましい。撮影情報60としては、図9及び図10で説明したように、撮影時点の露出補正値、ISO感度、絞り値、及びシャッタ速度等の値になっている。また、エラー情報の場合には、点滅表示にしてもよい。さらに、撮影情報60の表示は、レリーズボタン16の半押し操作で中止するのが望ましい。さらにまた、レリーズボタン16の半押し操作に応答して撮影情報60を表示して、全押し操作に応答して撮影情報60の表示を中止するようにしてもよい。
【0053】
[第5実施形態]
第5実施形態の電子カメラは、シースルー表示部11を起立位置にしたときに、撮像している人物を特定し、特定した人物に関する情報(人物情報)を背面表示部21に表示する実施形態である。この実施形態の電子カメラ61は、図18に示すように、顔画像検出部62、人物特定部63、及び、表示情報生成部64を備えている。メモリカード65には、データベース(記憶手段)が予め記憶されている。データベースには、顔画像、顔画像の特徴量、及び顔画像に関連する人物に関する情報(人物情報)が関連付けられて登録されている。
【0054】
顔画像検出部62は、図19に示すように、シースルー表示部11の起立位置への移動に応答して(S−3)、SDRAM35にいったん取り込まれているデジタルの画像データに基づいて顔画像領域を検出する(S−13)。顔画像を検出した場合、表示情報生成部64は、顔画像の領域を示す矩形マーク66(図20参照)を生成し、生成した矩形マーク66をシースルー表示部11の画面上に重畳して表示するように表示制御部45を制御する(S−14)。矩形マーク66は、その範囲内の顔画像にフォーカスを合わせるAF枠であってもよい。
【0055】
その後、人物特定部63は、検出した顔画像の特徴量を抽出し、抽出した特徴量に基づいてデータベースに記憶した特徴量を照合して類似度の高い人物を特定する(S−15)。
【0056】
特徴量としては、目、鼻、口等のパーツの位置を設定し、検出した顔画像とデータベースに登録されている各顔画像との特徴量をパーツの位置で比較して一定の相関を有する画像を類似度が高い画像と判定すればよい。
【0057】
類似度の高い人物を特定した場合(S−16)、表示情報生成部64は、特定した人物情報をデータベースから読み出し、読み出した人物情報を表示画像として生成し、生成した人物情報の画像データ67を背面表示部21に表示するように、背面表示部用の表示制御部44を制御する(S−17)。ここで、人物情報68としては、図20に示すように、例えば正面の顔画像データ、氏名、年齢、誕生日、及び関係等の情報になっている。
【0058】
データベースは、テキストファイルと画像データとで構成される。テキストファイルには、人物名、その人物の氏名、年齢、誕生日、関係等、その人物の正面顔の画像データのアドレス、及びその画像データの特徴量等が関連付けされて記載されている。正面顔の画像データは、テキストファイルに記述されているアドレスの数だけ用意されている。よって、背面表示部21には、図20に示すように、特定した人物の正面側の顔画像、及び氏名、年齢、誕生日、関係等が表示される。
【0059】
なお、データベースとしては、メモリカード65ではなく、カメラボディ13に内蔵のメモリに予め記憶してもよい。また、人物情報の表示は、レリーズボタン16の半押し操作に応答して中止するのが望ましい。さらにまた、レリーズボタン16の半押し操作に応答して人物情報を表示して、全押し操作に応答してその表示を中止するようにしてもよい。ここで、第5実施形態で説明した表示情報生成部64と表示制御部44とが本発明の人物情報表示制御手段を構成する。
【0060】
ところで、第5実施形態で説明した電子カメラ61では、複数の顔画像領域を検出した場合、人物情報を背面表示部21に縮小して複数並べて表示する。この場合、顔画像の数が多くなればなるほど人物情報を縮小して表示するため、見難くなるおそれがある。
【0061】
[第6実施形態]
そこで、第6実施形態の電子カメラ69では、図21に示すように、複数の顔画像の領域を検出した場合、CPU26の表示情報生成部64(図18参照)が、顔画像検出部62(図18参照)で検出した複数の顔画像領域のサイズに基づいて特定した一つの人物情報を、他の人物情報よりも目立つように表示するのが望ましい。
【0062】
例えば図21に示す例では、顔画像検出部62で検出した複数の顔画像領域を示す矩形マーク66a〜66cのうちのサイズが最も大きい矩形マーク66aの顔画像に対応する人物情報70を、他の人物情報71,72よりも大きく目立つように表示する。なお、顔画像領域を示す矩形マーク66のサイズは、大きくなるほど被写体距離が近距離になるため、AE・AF検出回路40(図5参照)で検出される被写体距離に基づいて特定した一つの顔画像に応じた人物情報を、他の人物情報よりも目立つように表示してもよい。さらに、データベースに人物毎に優先度を登録しておき、特定される人物の優先度に基づいて目立つように表示してもよい。
【0063】
[第7実施形態]
また、人物情報としては、図22に示すように、特定した人物73に関連する画像74、例えば過去に撮影した画像のうちの特定した人物の顔が写っている参照画像を背面表示部21に表示するようにしてもよい。
【0064】
この場合、データベースとしては、メモリカード65(図18参照)に記録した過去の画像群となり、人物特定部63(図18参照)は、検出した顔画像に基づいて類似度の高い顔画像を、データベースに記録した画像から検出される顔画像を照合して人物を特定する。表示情報生成部64(図18参照)は、特定した人物の顔画像、または画像をデータベースから読み出し、複数有る場合には背面表示部21に整列して表示することができるように合成や、拡大又は縮小して1つの画像データを生成し、生成した画像データを背面表示部用の表示制御部44(図18参照)に送る。これにより、特定した人物と同じ、又は類似する人物の過去撮り画像が背面表示部21に表示部される。これにより、過去撮り画像(参照画像)を参照しながら構図を決めることができ、よって、見本となる構図を参考にしたり、同じポーズや構図で撮影することを防ぐことができる。
【0065】
[第8実施形態]
第8実施形態の電子カメラ75では、シースルー表示部11を起立位置に回転することを応答して、スルー画像に類似する画像を、過去に撮影した画像群等のデータベースから検索し、類似する画像(参照画像)を背面表示部21に表示して、同じような構図の画像を撮影することを防止するようにしている。
【0066】
第8実施形態の電子カメラ75のCPU26は、図23に示すように、特徴抽出部76、及び参照画像特定部77を備えている。CPU26は、図24に示すように、シースルー表示部11を起立位置に回転することを応答して、撮像素子29から取り込んだデジタルの画像データ(取り込み画像データ)に基づいてスルー画像を生成し、生成したスルー画像をシースルー表示部11に表示するように制御する(S−18)。これにより、図25に示すように、シースルー表示部11には、スルー画像80が表示される。
【0067】
特徴抽出部76は、取り込み画像データに基づいて特徴量を抽出する(S−19)。特徴量としては、色、形状、テクスチャ、及び特徴点等の特徴量である。参照画像特定部は、抽出した特徴量に対してデータベースに記憶した特徴量を照合し、類似度の高い特徴量を有する参照用の画像データを特定する(S−20)。データベースとしては、例えば過去にメモリカード79に記録した画像群としてもよい。
【0068】
参照用の画像データを特定した場合には(S−21)、表示制御部78は、参照用の画像データを背面表示部21に表示するように、背面表示部用の表示制御部44を制御する(S−22)。これにより、図25に示すように、背面表示部21には、参照用の画像81が表示される。そして、参照用の画像データを特定しなかった場合には、「画像無し」等のメッセージを背面表示部21に表示する(S−23)。参照用の画像81やメッセージの表示は、レリーズボタン16の半押し操作に応答して中止する(S−24)。そして、全押し操作後に記録画像を背面表示部21に表示するのが好適である。
【0069】
なお、過去に撮影した画像のうちの所望する画像を背面表示部21に表示してもよい。この場合には、予め用意したデータベース、例えば過去にメモリカードに記録した画像群から任意の画像を選択する選択操作部を設け、CPU26が選択操作部で選択した画像を背面表示部21に再生するように表示制御部44を制御すればよい。これによれば、所望する参照画像を構図の参考にすることができる。
【0070】
[第9実施形態]
第9実施形態では、図26、及び図27に示すように、参照画像82を背面表示部21に加えてシースルー表示部11に表示するようにしている(S−25)。この実施形態では、スルー画像をシースルー表示部11に表示しない。これによれば、参照画像82を外界83の視野像84と重ねて見ることができるので、構図の手本を参考にすることができる。
【0071】
シースルー表示部11に表示する参照画像82としては、略半透過の透過率に画像処理を施した画像、一色のみに画像処理を施した画像、外形輪郭を抽出して外形輪郭のみの画像に画像処理を施した画像等で表示するのが、外界83の視野像84が視認し易くなるため、好適である。
【0072】
この実施形態でも、参照用の画像81やメッセージの表示を、レリーズボタン16の半押し操作に応答して中止する(S−26)。そして、全押し操作後に記録画像を背面表示部21に表示するのが好適である。
【0073】
また、所望する画像を、過去に撮りためた画像群から選択し、選択した画像を参照画像としてシースルー表示部11に表示してもよい。これによれば、例えば運動会のゴール撮影や、鉄道写真撮影では、目標の人物や電車がピントを合わせた位置に来た時にシャッタを切る置きピン撮影が行われる。このとき、移動してくる被写体が撮影範囲のどの位置にどのくらいの大きさで入ってくるか等、事前に知るすべがない。このとき、過去に撮ったゴールする人や電車の画像をシースルー表示部11に表示すれば、大まかな構図をつかむことできる、という効果を奏することができる。
【0074】
[第10実施形態]
第10実施形態の電子カメラ85では、撮影モードのうちの自分撮りモードを選択することに応答して、図28に示すように、シースルー表示部86の前面(被写体側の面)86aに、撮影者の顔画像となるスルー画像87を表示するように構成している。実際には、三脚(図示なし)を使用して電子カメラ85を支持している。なお、撮影者自身が電子カメラ85を手で持って支持してもよい。
【0075】
電子カメラ85は、図29に示すように、シースルー表示部86、及びモード選択操作部88を備えている。シースルー表示部86は、例えば両面表示有機ELディスプレイになっており、光透過性を有する前側、及び後側の表示部89,90を対向して配した構成になっている。前側表示部89は、前側表示部用の表示制御部91により、また、後側表示部90は、後側表示部用の表示制御部92によりそれぞれ表示が制御される。
【0076】
両面表示有機ELディスプレイは、ガラス等の透明な基板上に第1の透明電極を形成し、第1の有機EL層、中間電極、第2の有機EL層、第2の透明電極を順次積層した構成になっている。第1の有機EL、及び第2の有機EL(後側表示部90)で表示される画像は、それぞれ第1の透明電極、及び第2の透明電極を透って表示される。そして、それぞれの有機ELは、独立に動作する。ここで、第1の透明電極、第1の有機EL層、及び中間電極が前側表示部89に、また、中間電極、第2の有機EL層、及び第2の透明電極が後側表示部90にそれぞれ相当する。
【0077】
図30に示すように、シースルー表示部86を起立位置に回転した後に、モード選択操作部88で自分撮り撮影モードを選択することに応答して(S−27)、CPU26は、前側表示部用の表示制御部91を制御して、スルー画像87を前側表示部89に表示する(S−28)。ここで、スルー画像87を前側表示部89に表示する間、CPU26は、後側表示部90への画像の表示を禁止する。
【0078】
ところで、自分撮りモードには、セルフタイマーによる自動レリーズと、レリーズボタン16による手動レリーズとの2つのモードがあり、何れか一方が選択される。図30では、手動レリーズを選択した場合を説明している。よって、撮影者は、前側表示部89に写る自分の顔画像を見ながら構図を決め、シャッタレリーズを行う。自動レリーズを選択した場合には、所定時間過後に自動的にシャッタレリーズが行われる。
【0079】
なお、通常撮影モードの場合には(S−29)、スルー画像を後側表示部90に表示する(S−30)。そして、スルー画像を後側表示部90に表示する間は、CPU26は、前側表示部89への画像の表示を禁止する。
【0080】
ところで、シースルー表示部86としては、前側、及び後側の表示部を単一の表示制御部(駆動回路)で制御するようにしてもよい。この場合には、同一画像が前側、及び後側の表示部に表示される。このため、前側表示部に表示される画像は、後側表示部に表示される画像と比べて左右反転して表示される。このように構成すると、三脚を使用したセルタイマー撮影時にどちら側からでも撮像範囲が分かるため、構図合わせが簡便に行える。
【0081】
さらに、シースルー表示部86としては、陽極と陰極の両方に透明な材料を使い、両側に光が出ていく有機ELディスプレイを使用してもよい。この場合も同一画像が表示されるため、シースルー表示部の前側からは、後側から視認される画像に対して左右反転した画像が視認される。
【0082】
さらにまた、シースルー表示部86としては、半透過型液晶表示パネルを用いてもよい。この場合も、同一画像が表示されるため、前側に表示される画像は、後側に表示される画像と比べて左右反転した画像として認識される。
【0083】
以上のように、上記各実施形態では、シースルー表示部を起立位置と倒伏位置との間で移動自在に設けているが、本発明ではこれに限らず、シースルー表示部の両端をスライドレール等で移動自在に支持し、シースルー表示部を垂直、又は水平方向に向けてスライド自在に設けてもよい。この場合、起立位置としては、カメラボディ13から横(左、又は右方向)、もしくは下に突出する位置であってもよい。
【0084】
[第11実施形態]
図31に示す電子カメラ94には、シースルー表示部95を着脱自在に取り付けるための表示用取付け部96が設けられている。表示用取付け部96は、アクセサリー機器、例えばストロボ等を取り付けるためのアクセサリーシューになっている。なお、表示用取付け部96をアクセサリーシューとは別に設けても良い。
【0085】
表示用取付け部96には、アクセサリー機器との間で電気的接続を行うための接点群97に加えて、シースルー表示部95に設けた取付け部98との間で電気的接続を行うための表示信号用接点群99が設けられている。なお、図示していないが、シースルー表示部95の取付け部98には、表示信号用接点群99に接続される接点群が設けられている。
【0086】
電子カメラ94には、カメラボディ13の背面に背面表示部(図示なし)が設けられており、シースルー表示部95と背面表示部とには、前述した各実施形態で説明したような表示がなされる。
【0087】
なお、図32に示すように、着脱自在なシースルー表示部100としては、断面円形の筒型をした保持枠101の内部に透明な表示部102を設けた構成であってもよい。
【符号の説明】
【0088】
10、52,56,5961,69,75,85,94 電子カメラ
11,86,95,100 シースルー表示部
12 マーク
21 背面表示部
19 ヒンジ
25 シースルー表示部位置検出器
【技術分野】
【0001】
本発明は、シースルー表示部を備える電子カメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子ビューファインダ(EVF)を採用する電子カメラでは、ファインダ内の観察視野が狭いため、例えば高速で移動している被写体をファインダ内から見失うことがよくある。また、カメラボディの背面に設けた大型の液晶表示部にスルー画像を表示させてフレーミングを行う電子カメラも多い。しかし、大型の背面表示部に表示されるスルー画像を見ながらフレーミングをしても、ズーム操作をするとさらに観察視野が狭くなるため、背面表示部の画面から被写体を見失うおそれがある。このようになると、その被写体をファインダの視野内に再び捕えることは困難になる。そこで、撮影者には、いったんファインダから視線を外して肉眼でその被写体の位置を確認する等の手間がかかる。
【0003】
また、EVFや液晶表示部に表示される画像には、デジタル変換や画像処理等を経てから表示部に表示するため、実際の被写体の動きと画面表示との間で若干のズレ(タイムラグ)が生じる。このため、スポーツ等で動く被写体を撮る時は、ベストのタイミングでシャッタレリーズを行ったつもりでもほんの少し遅れて写ってしまうおそれがある。
【0004】
このような問題を解決するために、ホログラムの技術をスポーツファインダに応用したビデオカメラのファインダ装置が知られている(特許文献1)。このファインダ装置は、被写体像を透過させるスクリーンにホログラムにより撮影画像を投影することによって、外界の視野像と撮像素子で撮像している撮影画像とを重畳表示させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−65183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のファインダ装置は、外界の視野像に重ねて撮像画像が重畳表示されるため、撮像範囲が認識し難い欠点がある。また、透過型のスクリーンに加えて、撮像範囲をスクリーンに投影する投射手段を内蔵する必要があるため、ファインダ装置を設けたカメラを考慮すると大型化してフレーミングし辛い。さらに、投射手段は、三色のレーザー光をカラー液晶表示器に投射するための光源等、複雑な構造であるため高価になる。
【0007】
また、特許文献1に記載のファインダ装置は、撮像画像を常に表示しているので、カメラの電池が消耗し易い欠点があった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、第1の目的としては安価でかつ簡便でしかも撮像範囲が視認し易いシースルー表示部を備えた電子カメラを提供することを目的とし、また別の目的としては電池の消耗を極力抑えるように工夫した電子カメラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明を例示する電子カメラの一態様は、撮影光学系により結像される外界の像を撮像する撮像手段と、カメラボディの背面から覗いた時に前記外界の視野像に重ねて画像を表示することができるシースルー表示部と、外界の視野像を視認するフレーミング位置と前方がカメラボディに隠される非フレーミング位置との間でシースルー表示部を移動自在に支持する支持手段と、シースルー表示部の位置を検出するシースルー表示部位置検出手段と、シースルー表示部がフレーミング位置の時に撮像手段の撮像範囲を示すマークの画像をシースルー表示部に表示する表示画像制御手段と、を備えたものである。
【0010】
撮像範囲を示すマークは、シースルー表示部と撮影者の目との距離、及びシースルー表示部の画面サイズとに基づいてシースルー表示部の画面上での範囲が決められる。
【0011】
支持手段としては、フレーミング位置と非フレーミング位置との間で回転自在に支持するようにしてもよい。この場合、フレーミング位置は、シースルー表示部がボディの上面に起立する起立位置になり、また、非フレーミング位置は、ボディの背面に設けた背面表示部に画面が重なるように倒伏する倒伏位置になる。
【0012】
シースルー表示部が倒伏位置の時には、スルー画像を背面表示部に表示する。このとき、スルー画像は、シースルー表示部を透して視認することができる。また、シースルー表示部を起立位置にした場合には、スルー画像を背面表示部に表示することを禁止する。これにより、カメラの電池の消耗を防ぐことができる。
【0013】
撮影範囲を示すマークは、撮影レンズの変倍に応じて拡大、又は縮小して表示するのが好適である。また、撮像手段で取り込んだ画像データのうちの前記マーク内に対応する画像データをトリミングして背面表示部に表示するマーク内画像表示制御手段を備えてもよい。さらに、撮像手段で撮影中に、撮影に関する情報をシースルー表示部、又は背面表示部に表示する撮影情報表示制御手段を備えてもよい。
【0014】
ところで、有名選手や知人のプロフィール等、被写体となる人物に関する情報(人物情報)を撮影中に知りたいときがある。この場合には、顔画像を含む人物情報を予め記録した記憶手段と、撮像手段で取り込んだ画像データに基づいて顔画像を検出する顔画像検出手段と、検出した顔画像に対して記憶手段に記憶した顔画像を照合して類似度の高い人物を特定する人物特定手段と、特定した人物に関する情報を記憶手段から取得して背面表示部に表示する人物情報表示制御手段と、を備えてもよい。類似度は、顔画像から特徴量を求め、特徴量同士を比較することで求まる。
【0015】
表示する人物情報としては、顔画像以外に、氏名、年齢、誕生日、及び交友関係等がある。なお、過去に撮影して記録しておいた画像データを表示してもよい。この場合には、過去の画像データを読み出して顔画像を検出し、検出した顔画像を照合して類似度が閾値より高いものを抽出して抽出した顔画像、又はその顔画像を含む画像データを表示してもよい。
【0016】
顔画像検出手段は、顔画像を複数検出する場合がある。この場合には、人物情報表示制御手段が人物情報を背面表示部に複数表示する。この場合、数が多くなると各情報表示が小さくなり見えにくい。そこで、顔画像検出手段で検出した複数の顔画像領域のサイズ、又は被写体距離、あるいは記憶手段に人物情報毎に登録されている優先度に応じて最上位となる人物情報を、他の人物情報よりも目立つように表示するようにするのが好適である。
【0017】
また、外界の視野像の被写体や背景に類似する参照画像を背面表示部に表示すれば、フレーミングして構図を決める時の参考になるので好適である。この場合には、参照用の画像データとその特徴量とを関連付けして予め記録した記憶手段と、撮像手段で撮像した画像データに基づいて特徴量を抽出する特徴抽出手段と、抽出した画像データの特徴量に対して記憶手段に記憶した特徴量と照合して類似度の高い参照用の画像データを特定する参照画像特定手段と、特定した参照用の画像データを背面表示部、又はシースルー表示部に表示する参照画像表示制御手段と、を備えればよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の電子カメラによれば、外界の視野像に画像を重ねて表示するシースルー表示部をフレーミング位置と非フレーミング位置との間で移動自在に設け、フレーミング位置の時に外界の視野像に重ねて撮像範囲を示すマークが表示されるので、安価かつ簡便で、しかも撮像範囲が視認し易くなる効果がある。
【0019】
また、本発明の別の形態によれば、シースルー表示部をフレーミング位置に移動した時に、背面表示部へのスルー画像の表示を停止するので、カメラの電池の消耗を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態の電子カメラを示す正面側斜視図であり、シースルー表示部を起立位置に回転した状態を示している。
【図2】図1で説明した電子カメラを示す背面側斜視図であり、シースルー表示部を起立位置に回転した状態を示している。
【図3】図1で説明した電子カメラを示す背面側斜視図であり、シースルー表示部を倒伏位置に回転した状態を示している。
【図4】図1で説明した電子カメラを示す右側面図であり、シースルー表示部を倒伏位置に回転した状態を示している。
【図5】図1で説明した電子カメラの電気的構成の概略を示すブロック図である。
【図6】図1で説明した電子カメラの動作手順を示すフローチャートである。
【図7】ワイド端の時の撮像範囲を示すマークをシースルー表示部に表示した状態を示す説明図である。
【図8】テレ端の時の撮像範囲を示すマークをシースルー表示部に表示した状態を示す説明図である。
【図9】撮影情報をシースルー表示部に表示するようにした実施形態の電子カメラを示す説明図である。
【図10】図9で説明した電子カメラの動作手順を示すフローチャートである。
【図11】撮影情報としてエラー情報をシースルー表示部に表示するようにした実施形態の電子カメラを示す説明図である。
【図12】図11で説明した電子カメラの動作手順を示すフローチャートである。
【図13】シースルー表示部に表示されるマーク内の画像を背面表示部に表示するようにした第3実施形態の電子カメラの電気的構成の要部を示すブロック図である。
【図14】図13で説明した電子カメラの動作手順を示すフローチャートである。
【図15】シースルー表示部に表示されるマーク内の画像を背面表示部に表示した状態を示す説明図であり、ワイド端時の大きさのマークを示している。
【図16】シースルー表示部に表示されるマーク内の画像を背面表示部に表示した状態を示す説明図であり、テレ端時の大きさのマークを示している。
【図17】撮影情報を背面表示部に表示するようにした実施形態の電子カメラを示す説明図である。
【図18】特定した人物に関する情報を背面表示部に表示するようにした実施形態の電子カメラの電気的構成の要部を示すブロック図である。
【図19】図18で説明した電子カメラの動作手順を示すフローチャートである。
【図20】図18で説明した電子カメラで人物情報を背面表示部に表示した状態を示す説明図である。
【図21】複数の人物情報を背面表示部に表示する場合の実施形態の電子カメラを示す説明図である。
【図22】人物情報に類似する過去の画像を背面表示部に表示する場合の実施形態の電子カメラを示す説明図である。
【図23】撮像素子から取り込んだ画像データに類似する過去の画像を背面表示部に表示するようにした実施形態の電子カメラの電気的構成の要部を示すブロック図である。
【図24】図23で説明した電子カメラの動作手順を示すフローチャートである。
【図25】撮像素子から取り込んだ画像データに類似する過去の画像を背面表示部に表示した状態を示す説明図である。
【図26】見本画像を背面表示部及びシースルー表示部に表示するようにした実施形態の電子カメラを示す説明図である。
【図27】図26で説明した電子カメラの動作手順を示すフローチャートである。
【図28】自分撮りモードを選択して自分の顔画像をシースルー表示部の前面に表示するようにした電子カメラを示す斜視図である。
【図29】自分撮りモードを有する撮電子カメラの電気的構成の要部を示すブロック図である。
【図30】図29で説明した電子カメラの動作手順を示すフローチャートである。
【図31】シースルー表示部が着脱自在に取り付けられる電子カメラを示す斜視図である。
【図32】着脱自在な筒型のシースルー表示部を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
[第1実施形態]
本発明の一態様を例示する電子カメラ10は、図1ないし図3に示すように、シースルー表示部11を起立位置(図1、図2参照)と倒伏位置(図3参照)との間で回転自在に設け、起立位置のときにカメラボディ13の背面側から覗いてフレーミングを行う時に外界の視野像と重ねて撮像範囲を表すマーク12をシースルー表示部11に表示し、かつカメラボディ13の背面に設けた背面表示部21へのスルー画像の表示を禁止するようにしている。
【0022】
電子カメラ10には、カメラボディ13の前面に撮影レンズ14を保持するレンズ鏡胴15が組み込まれている。上面には、レリーズボタン16、電源スイッチ17が設けられ、またシースルー表示部11が起立して設けられている。カメラボディ13の右側面には、メモリカードが着脱自在に装填されるメモリカードスロットを覆う蓋18が設けられている。
【0023】
シースルー表示部11は、厚みの薄い透光性を有する自己発光型の有機EL(Electro Luminescence)パネルで構成されている。なお、シースルー表示部11としては、透光性を有する透明液晶等でもよく、その種類は適宜変更可能である。このシースルー表示部11は、ヒンジ19に内蔵したフレキシブル基板(図示なし)を通じて、カメラボディ13に内蔵する電気基板との間で電気的な接続が行われている。
【0024】
電子カメラ10の背面には、詳しくは図2に示すように、ヒンジ19、操作部20、及び内蔵の背面表示部(LCD又は有機EL)21が設けられている。背面表示部21には、再生画像やスルー画像、撮影モード等を選択するメニュー画面等が表示される。操作部20は、ズーム操作部22、背面表示部にメニュー画面を表示させるメニューボタン23、及びメニュー画面内でカーソルなどを移動させる十字キー24等から構成される。なお、十字キー24には、選択内容を決定する際に操作する決定キーが中央に配されている。
【0025】
ヒンジ19は、シースルー表示部11を、カメラボディ13の上面に起立して撮影者がフレーミングを行う起立位置(図2に示す位置)と、背面表示部21に画面が重なるように倒伏する倒伏位置(図3に示す位置)との間で回転自在に支持しており、本発明の支持手段を構成している。
【0026】
起立位置では、図4に示すように、シースルー表示部11がカメラボディ13から突出し、背面側から覗いたときに外界の視野像が視認することができる。撮影者の外界の視野像は、撮影レンズ14の撮影範囲を包含している。
【0027】
ヒンジ19の内部には、シースルー表示部11の回転位置を検出するシースルー表示部位置検出器25が設けられている。シースルー表示部位置検出器25は、シースルー表示部11の回転位置を監視し、起立位置に回転した時に起立信号を送出する。なお、シースルー表示部位置検出器25としては、起立位置の他に、倒伏位置を検出するものでもよいし、両方の位置を検出するものでもよい。
【0028】
倒伏位置では、前方がカメラボディ13で隠される位置、すなわち、背面表示部21に画面が重なる位置にシースルー表示部11が回転する。ここで、シースルー表示部11と背面表示部21との画面サイズを略同じ、又はシースルー表示部の画面の方を背面表示部の画面に対して小さめに形成しておくのが好適である。倒伏位置にした時には、背面表示部21に表示されるスルー画像、又は再生画像を、シースルー表示部11を透して視認することができる。起立位置の時にシースルー表示部11を透して視認される外界の視野像は、撮像範囲を包含している。
【0029】
電子カメラ10は、図5に示すように、CPU26を備えている。CPU26には、不揮発性メモリ27、及びバッファメモリ28が接続されており、不揮発性メモリ27には、CPU26が種々の制御を行う際に参照される制御プログラムなどが格納されている。CPU26は、不揮発性メモリ27に格納されている制御プログラムに従い、バッファメモリ28を一時記憶作業領域として利用して各部(回路)の制御を行い、電子カメラ10の各部(回路)の機能を作動させる。
【0030】
撮影レンズ14から入射する被写体光は、CCDやCMOS等の撮像素子29の撮像面に結像する。撮像素子駆動回路30は、CPU26からの制御信号に基づいて撮像素子29を駆動させる。これにより、撮像素子29の撮像面に結像した被写体像は、アナログの撮像信号に変換されて、AFE(Analog Front End)回路を構成するCDS31、及びAMP21に順に出力される。変換された撮像信号は、AFE回路で所定のアナログ処理が施され、A/D(Analog/Digital変換器)33においてデジタル信号に変換される。
【0031】
ASIC(Application Specific Integrated Circuit)34は、画像処理回路を構成しており、A/D33でデジタル信号に変換された撮像信号を入力し、この撮像信号に対して、ホワイトバランス処理やガンマ補正等の画像処理を施す。画像処理を施した画像データは、SDRAM35にいったん記憶される。SDRAM35に記憶した画像データは、CPU26の制御により読み出されてYC変換処理回路36で輝度信号Yと色差信号Cr,Cbとに変換され、その後、圧縮伸長処理回路37で圧縮処理が施されてからメディアコントローラ38を介してメモリカード39に記録される。なお、符号46は、CPU30と各部(回路)とを繋ぐバスである。
【0032】
スルー画像を背面表示部21に表示する場合、表示制御部44は、VRAMで展開された画像データを表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換して背面表示部21に出力する。
【0033】
AE・AF検出回路40は、SDRAM35に取り込んだ画像データに基づいて明暗差(コントラスト)を検出し、検出結果をCPU26に送る。CPU26は、AE・AF検出回路40から得られる明暗差(コントラスト)を確認しながらレンズ駆動部41を、明暗差が大きくなる合焦位置に撮影レンズ14が移動するように制御する。また、CPU26は、AE・AF検出回路40で検出した被写体輝度に基づいてその時点で設定されているISO感度に対する絞り値とシャッタスピードを算出し、算出した値に基づいて、電子シャッタや電子アイリスを制御する。なお、絞り兼用のレンズシャッタを設けて機械的にシャッタ及び絞りを制御してもよい。
【0034】
CPU26は、表示部切替え部42と表示情報生成部43とを有している。表示部切替え部42は、シースルー表示部11の倒伏位置の時に、撮像素子29から随時取り込まれるスルー画像を背面表示部21に表示するよう背面表示部用の表示制御部44を制御する。また、シースルー表示部位置検出器25から起立信号を受け取ることに応答して、背面表示部21へのスルー画像の表示を禁止する。
【0035】
表示情報生成部43は、シースルー表示部11の起立位置を検出することに応答して撮像素子29の撮像範囲を表すマーク12を生成し、生成したマーク12の画像データをシースルー表示部用の表示制御部45に送る。また、ズーム操作部22での操作に応答して倍率が変化する撮像範囲に基づいて、シースルー表示部11の画面中心を基準にして拡大、又は縮小して範囲(大きさ)を変えたマーク12を生成する。
【0036】
表示情報生成部43は、シースルー表示部11と撮影者の目(顔)との距離、及びシースルー表示部11の画面サイズとに基づいてシースルー表示部11の画面上でのマーク12の範囲を決める。なお、この実施形態では、シースルー表示部11の画面サイズは既知であり、また、シースルー表示部11と撮影者の目(顔)との距離は、撮影者の目(顔)の位置が一定と仮定して予め決めた値を使用する。
【0037】
なお、撮影者距離検出手段として、投光器及び受光器からなる測距手段をカメラボディ13の背面に設け、測距手段で撮影者の目(顔)までの距離を検出し、表示情報生成部43は、検出した距離に応じてマーク12の範囲を決めてもよい。また、撮影者位置検出手段としてサブカメラをカメラボディ13の背面に設け、シースルー表示部11の画面中央に対して撮影者の目(顔)の座標位置(上下左右の位置)をサブカメラから取得した画像に基づいて検出し、表示情報生成部43が検出した座標位置に基づいてシースルー表示部11の画面上でのマーク12の表示位置を決めるようにしてもよい。勿論、撮影者距離検出手段と撮影者位置検出手段とを併用してマーク12の表示位置、及び範囲を決めるようにしてもよい。
【0038】
シースルー表示部用、及び背面表示部用の表示制御部44,45は、グラフィックコントローラ、及びVRAM等で構成されている。VRAMは、グラフィックコントローラにより制御されて、画像データが書き込まれ、シリアルポ−トから表示部11又は21に画像データを出力する。シースルー表示部11には、マーク12の画像が表示され、また、背面表示部21にはスルー画像が表示される。
【0039】
次に上記構成の作用を、図6を参照しながら説明する。電子カメラ10の不使用状態(収納状態)では、図3に示すように、シースルー表示部11が背面表示部21の画面に重なる倒伏位置になっている。
【0040】
電源スイッチ17をオンすると(S−1)、撮影レンズ14、及び撮像素子29を通じて画像信号が連続的に取り込まれる。取り込んだ画像信号は、デジタルの画像データに変換され、変換した画像データは、ASIC34で各種画像処理を施してからスルー画像として背面表示部21に表示される(S−2)。背面表示部21に表示されるスルー画像は、シースルー表示部11を透して見ることができる。
【0041】
スルー画像を表示中、CPU26は、AE・AF検出回路40で検出したコントラストに応じて撮影レンズ14を大まかなピッチで移動させて撮像画像の中央の被写体にピントが合うように各部を制御し、また、AE・AF検出回路40で検出した被写体輝度に応じた露出値になるように電子シャッタ及び電子アイリスを制御する。
【0042】
シースルー表示部位置検出器25は、電源スイッチ17をオンした後に、シースルー表示部11の回転位置を監視している(S−3)。シースルー表示部11を起立位置に回転すると、シースルー表示部位置検出器25がこれを検出して起立信号をCPU26に送る。CPU26の表示部切替え部42は、起立信号を受け取ることに応答して、背面表示部21へのスルー画像の表示を禁止する(S−4)。
【0043】
また、表示情報生成部43は、起立信号を受け取ることに応答して、撮像範囲を表すマーク12を生成し、生成したマーク12の画像データをシースルー表示部用の表示制御部45に送る。シースルー表示部用の表示制御部45は、マーク12の画像データをシースルー表示部11に表示する(S−4)。これにより、シースルー表示部11には、図7に示すように、撮像範囲を表すマーク12の画像が外界49の視野像50に重畳して表示される。ここで、背面表示部21には、何も表示されないので、電子カメラ10の電池の消耗を防ぐことができる。
【0044】
なお、マーク12としては、矩形枠や括弧等にするのが好適である。さらに、マーク12の外の領域に薄い色48を表示して半透過状態にしてもよい。さらにまた、マーク12は、パララックスを補正する分ずらして表示するのが好適である。
【0045】
ズーム操作部22でズーム操作がなされると(S−6)、表示情報生成部43は、ズーム操作に応答して倍率が変化する撮像範囲に基づいて大きさを変えたマーク12を生成する(S−7)。これにより、テレ端のときには、図8に示すように、ワイド端のときと比べて、シースルー表示部11を透して見られる撮影者の外界49の視野像50に対してマーク12が小サイズで表示される。
【0046】
[第2実施形態]
第2実施形態の電子カメラ52は、撮影に関する情報(撮影情報)53をシースルー表示部11に表示する実施形態である。図5で説明した表示情報生成部43は、撮影情報53に基づいて文字画像54を生成してシースルー表示部11に表示するように制御する。撮影情報53としては、図9に示すように、撮影時点の露出補正値、ISO感度、絞り値、及びシャッタ速度等の値になっている。表示するタイミングとしては、図10に示すように、シースルー表示部11が起立位置に回転した後に表示する(S−8)。また、撮影情報53の表示は、レリーズボタン16の半押し操作に応答して中止する(S−9)。なお、レリーズボタン16の半押し操作に応答して撮影情報53を表示して、全押し操作に応答して撮影情報53の表示を中止するように構成をしてもよい。
【0047】
また、撮影情報としては、図11に示すように、撮影に関するエラー情報、例えばフォーカスエラーや、電池の残量警告(エラー)等を表示してもよい。フォーカスエラーは、CPU26が監視しており(S−10)、CPU26は、エラーを検出すると、図11に示すように、シースルー表示部11に「ピントが合っていません」等の文字55の画像を表示するよう制御する。この場合、CPU26は、図12に示すように、撮影準備動作後に、フォーカスエラーが出力されなくなるまでエラー表示を出力する(S−11)。また、電池の残量警告の場合には、CPU26が電池の残量を監視し、残量が閾値を下回った時に、「電池交換」又は「電池充電」を表示するよう制御すればよい。なお、撮影情報としては文字に限らず、アイコン、絵文字や記号等の画像を表示してもよい。また、エラー情報の表示の場合には、点滅表示にしてもよい。
【0048】
[第3実施形態]
第3実施形態は、シースルー表示部を起立位置にしたときに、シースルー表示部11に表示するマーク12内の画像を、背面表示部21に表示するようにした実施形態である。この実施形態の電子カメラ56は、図13に示すように、CPU26にマーク内画像表示制御部57を備えている。
【0049】
図14に示すように、シースルー表示部11が起立位置になることに応答して(S−3)、表示情報生成部43は、図5で説明したように、撮像範囲を表すマーク12を生成し、生成したマーク12の画像データをシースルー表示部用の表示制御部45に送る。シースルー表示部用の表示制御部45は、マーク12の画像をスルー画像に位置合わせしてから合成してシースルー表示部11に表示する(S−5)。
【0050】
マーク内画像表示制御部57は、撮像素子29から取り込んだデジタルの画像データをSDRAM35から読み出し、読み出した画像データのうちのマーク12内に対応する画像データをトリミングし、トリミングした画像データ(トリミング画像データ)58を背面表示部用の表示制御部44に送り、図15、及び図16に示すように、トリミング画像58を背面表示部21に画面いっぱいに表示するように制御する(S−12)。
【0051】
なお、図15に示すマーク12はワイド端のときのサイズになっており、また、図16に示すマーク12はテレ端のときサイズになっている。この実施形態では、シースルー表示部11によって全体の視野像を把握できるので、スポーツをしている人物等動きのある被写体の決定的瞬間を捉えやすい効果がある。
【0052】
[第4実施形態]
第4実施形態の電子カメラ59では、図17に示すように、シースルー表示部11を起立位置にしたときに、撮影に関する情報(撮影情報)60を背面表示部21に表示する。第2実施形態(図9に示した例)と比べて第4実施形態では、撮影情報を背面表示部21に表示する点に違いがある。撮影情報60は、背面表示部21に表示されるトリミング画像58(図15(第3実施形態)で説明した画像)に重ねて表示してもよい。この場合、撮影情報60が上になるように表示するのが望ましい。撮影情報60としては、図9及び図10で説明したように、撮影時点の露出補正値、ISO感度、絞り値、及びシャッタ速度等の値になっている。また、エラー情報の場合には、点滅表示にしてもよい。さらに、撮影情報60の表示は、レリーズボタン16の半押し操作で中止するのが望ましい。さらにまた、レリーズボタン16の半押し操作に応答して撮影情報60を表示して、全押し操作に応答して撮影情報60の表示を中止するようにしてもよい。
【0053】
[第5実施形態]
第5実施形態の電子カメラは、シースルー表示部11を起立位置にしたときに、撮像している人物を特定し、特定した人物に関する情報(人物情報)を背面表示部21に表示する実施形態である。この実施形態の電子カメラ61は、図18に示すように、顔画像検出部62、人物特定部63、及び、表示情報生成部64を備えている。メモリカード65には、データベース(記憶手段)が予め記憶されている。データベースには、顔画像、顔画像の特徴量、及び顔画像に関連する人物に関する情報(人物情報)が関連付けられて登録されている。
【0054】
顔画像検出部62は、図19に示すように、シースルー表示部11の起立位置への移動に応答して(S−3)、SDRAM35にいったん取り込まれているデジタルの画像データに基づいて顔画像領域を検出する(S−13)。顔画像を検出した場合、表示情報生成部64は、顔画像の領域を示す矩形マーク66(図20参照)を生成し、生成した矩形マーク66をシースルー表示部11の画面上に重畳して表示するように表示制御部45を制御する(S−14)。矩形マーク66は、その範囲内の顔画像にフォーカスを合わせるAF枠であってもよい。
【0055】
その後、人物特定部63は、検出した顔画像の特徴量を抽出し、抽出した特徴量に基づいてデータベースに記憶した特徴量を照合して類似度の高い人物を特定する(S−15)。
【0056】
特徴量としては、目、鼻、口等のパーツの位置を設定し、検出した顔画像とデータベースに登録されている各顔画像との特徴量をパーツの位置で比較して一定の相関を有する画像を類似度が高い画像と判定すればよい。
【0057】
類似度の高い人物を特定した場合(S−16)、表示情報生成部64は、特定した人物情報をデータベースから読み出し、読み出した人物情報を表示画像として生成し、生成した人物情報の画像データ67を背面表示部21に表示するように、背面表示部用の表示制御部44を制御する(S−17)。ここで、人物情報68としては、図20に示すように、例えば正面の顔画像データ、氏名、年齢、誕生日、及び関係等の情報になっている。
【0058】
データベースは、テキストファイルと画像データとで構成される。テキストファイルには、人物名、その人物の氏名、年齢、誕生日、関係等、その人物の正面顔の画像データのアドレス、及びその画像データの特徴量等が関連付けされて記載されている。正面顔の画像データは、テキストファイルに記述されているアドレスの数だけ用意されている。よって、背面表示部21には、図20に示すように、特定した人物の正面側の顔画像、及び氏名、年齢、誕生日、関係等が表示される。
【0059】
なお、データベースとしては、メモリカード65ではなく、カメラボディ13に内蔵のメモリに予め記憶してもよい。また、人物情報の表示は、レリーズボタン16の半押し操作に応答して中止するのが望ましい。さらにまた、レリーズボタン16の半押し操作に応答して人物情報を表示して、全押し操作に応答してその表示を中止するようにしてもよい。ここで、第5実施形態で説明した表示情報生成部64と表示制御部44とが本発明の人物情報表示制御手段を構成する。
【0060】
ところで、第5実施形態で説明した電子カメラ61では、複数の顔画像領域を検出した場合、人物情報を背面表示部21に縮小して複数並べて表示する。この場合、顔画像の数が多くなればなるほど人物情報を縮小して表示するため、見難くなるおそれがある。
【0061】
[第6実施形態]
そこで、第6実施形態の電子カメラ69では、図21に示すように、複数の顔画像の領域を検出した場合、CPU26の表示情報生成部64(図18参照)が、顔画像検出部62(図18参照)で検出した複数の顔画像領域のサイズに基づいて特定した一つの人物情報を、他の人物情報よりも目立つように表示するのが望ましい。
【0062】
例えば図21に示す例では、顔画像検出部62で検出した複数の顔画像領域を示す矩形マーク66a〜66cのうちのサイズが最も大きい矩形マーク66aの顔画像に対応する人物情報70を、他の人物情報71,72よりも大きく目立つように表示する。なお、顔画像領域を示す矩形マーク66のサイズは、大きくなるほど被写体距離が近距離になるため、AE・AF検出回路40(図5参照)で検出される被写体距離に基づいて特定した一つの顔画像に応じた人物情報を、他の人物情報よりも目立つように表示してもよい。さらに、データベースに人物毎に優先度を登録しておき、特定される人物の優先度に基づいて目立つように表示してもよい。
【0063】
[第7実施形態]
また、人物情報としては、図22に示すように、特定した人物73に関連する画像74、例えば過去に撮影した画像のうちの特定した人物の顔が写っている参照画像を背面表示部21に表示するようにしてもよい。
【0064】
この場合、データベースとしては、メモリカード65(図18参照)に記録した過去の画像群となり、人物特定部63(図18参照)は、検出した顔画像に基づいて類似度の高い顔画像を、データベースに記録した画像から検出される顔画像を照合して人物を特定する。表示情報生成部64(図18参照)は、特定した人物の顔画像、または画像をデータベースから読み出し、複数有る場合には背面表示部21に整列して表示することができるように合成や、拡大又は縮小して1つの画像データを生成し、生成した画像データを背面表示部用の表示制御部44(図18参照)に送る。これにより、特定した人物と同じ、又は類似する人物の過去撮り画像が背面表示部21に表示部される。これにより、過去撮り画像(参照画像)を参照しながら構図を決めることができ、よって、見本となる構図を参考にしたり、同じポーズや構図で撮影することを防ぐことができる。
【0065】
[第8実施形態]
第8実施形態の電子カメラ75では、シースルー表示部11を起立位置に回転することを応答して、スルー画像に類似する画像を、過去に撮影した画像群等のデータベースから検索し、類似する画像(参照画像)を背面表示部21に表示して、同じような構図の画像を撮影することを防止するようにしている。
【0066】
第8実施形態の電子カメラ75のCPU26は、図23に示すように、特徴抽出部76、及び参照画像特定部77を備えている。CPU26は、図24に示すように、シースルー表示部11を起立位置に回転することを応答して、撮像素子29から取り込んだデジタルの画像データ(取り込み画像データ)に基づいてスルー画像を生成し、生成したスルー画像をシースルー表示部11に表示するように制御する(S−18)。これにより、図25に示すように、シースルー表示部11には、スルー画像80が表示される。
【0067】
特徴抽出部76は、取り込み画像データに基づいて特徴量を抽出する(S−19)。特徴量としては、色、形状、テクスチャ、及び特徴点等の特徴量である。参照画像特定部は、抽出した特徴量に対してデータベースに記憶した特徴量を照合し、類似度の高い特徴量を有する参照用の画像データを特定する(S−20)。データベースとしては、例えば過去にメモリカード79に記録した画像群としてもよい。
【0068】
参照用の画像データを特定した場合には(S−21)、表示制御部78は、参照用の画像データを背面表示部21に表示するように、背面表示部用の表示制御部44を制御する(S−22)。これにより、図25に示すように、背面表示部21には、参照用の画像81が表示される。そして、参照用の画像データを特定しなかった場合には、「画像無し」等のメッセージを背面表示部21に表示する(S−23)。参照用の画像81やメッセージの表示は、レリーズボタン16の半押し操作に応答して中止する(S−24)。そして、全押し操作後に記録画像を背面表示部21に表示するのが好適である。
【0069】
なお、過去に撮影した画像のうちの所望する画像を背面表示部21に表示してもよい。この場合には、予め用意したデータベース、例えば過去にメモリカードに記録した画像群から任意の画像を選択する選択操作部を設け、CPU26が選択操作部で選択した画像を背面表示部21に再生するように表示制御部44を制御すればよい。これによれば、所望する参照画像を構図の参考にすることができる。
【0070】
[第9実施形態]
第9実施形態では、図26、及び図27に示すように、参照画像82を背面表示部21に加えてシースルー表示部11に表示するようにしている(S−25)。この実施形態では、スルー画像をシースルー表示部11に表示しない。これによれば、参照画像82を外界83の視野像84と重ねて見ることができるので、構図の手本を参考にすることができる。
【0071】
シースルー表示部11に表示する参照画像82としては、略半透過の透過率に画像処理を施した画像、一色のみに画像処理を施した画像、外形輪郭を抽出して外形輪郭のみの画像に画像処理を施した画像等で表示するのが、外界83の視野像84が視認し易くなるため、好適である。
【0072】
この実施形態でも、参照用の画像81やメッセージの表示を、レリーズボタン16の半押し操作に応答して中止する(S−26)。そして、全押し操作後に記録画像を背面表示部21に表示するのが好適である。
【0073】
また、所望する画像を、過去に撮りためた画像群から選択し、選択した画像を参照画像としてシースルー表示部11に表示してもよい。これによれば、例えば運動会のゴール撮影や、鉄道写真撮影では、目標の人物や電車がピントを合わせた位置に来た時にシャッタを切る置きピン撮影が行われる。このとき、移動してくる被写体が撮影範囲のどの位置にどのくらいの大きさで入ってくるか等、事前に知るすべがない。このとき、過去に撮ったゴールする人や電車の画像をシースルー表示部11に表示すれば、大まかな構図をつかむことできる、という効果を奏することができる。
【0074】
[第10実施形態]
第10実施形態の電子カメラ85では、撮影モードのうちの自分撮りモードを選択することに応答して、図28に示すように、シースルー表示部86の前面(被写体側の面)86aに、撮影者の顔画像となるスルー画像87を表示するように構成している。実際には、三脚(図示なし)を使用して電子カメラ85を支持している。なお、撮影者自身が電子カメラ85を手で持って支持してもよい。
【0075】
電子カメラ85は、図29に示すように、シースルー表示部86、及びモード選択操作部88を備えている。シースルー表示部86は、例えば両面表示有機ELディスプレイになっており、光透過性を有する前側、及び後側の表示部89,90を対向して配した構成になっている。前側表示部89は、前側表示部用の表示制御部91により、また、後側表示部90は、後側表示部用の表示制御部92によりそれぞれ表示が制御される。
【0076】
両面表示有機ELディスプレイは、ガラス等の透明な基板上に第1の透明電極を形成し、第1の有機EL層、中間電極、第2の有機EL層、第2の透明電極を順次積層した構成になっている。第1の有機EL、及び第2の有機EL(後側表示部90)で表示される画像は、それぞれ第1の透明電極、及び第2の透明電極を透って表示される。そして、それぞれの有機ELは、独立に動作する。ここで、第1の透明電極、第1の有機EL層、及び中間電極が前側表示部89に、また、中間電極、第2の有機EL層、及び第2の透明電極が後側表示部90にそれぞれ相当する。
【0077】
図30に示すように、シースルー表示部86を起立位置に回転した後に、モード選択操作部88で自分撮り撮影モードを選択することに応答して(S−27)、CPU26は、前側表示部用の表示制御部91を制御して、スルー画像87を前側表示部89に表示する(S−28)。ここで、スルー画像87を前側表示部89に表示する間、CPU26は、後側表示部90への画像の表示を禁止する。
【0078】
ところで、自分撮りモードには、セルフタイマーによる自動レリーズと、レリーズボタン16による手動レリーズとの2つのモードがあり、何れか一方が選択される。図30では、手動レリーズを選択した場合を説明している。よって、撮影者は、前側表示部89に写る自分の顔画像を見ながら構図を決め、シャッタレリーズを行う。自動レリーズを選択した場合には、所定時間過後に自動的にシャッタレリーズが行われる。
【0079】
なお、通常撮影モードの場合には(S−29)、スルー画像を後側表示部90に表示する(S−30)。そして、スルー画像を後側表示部90に表示する間は、CPU26は、前側表示部89への画像の表示を禁止する。
【0080】
ところで、シースルー表示部86としては、前側、及び後側の表示部を単一の表示制御部(駆動回路)で制御するようにしてもよい。この場合には、同一画像が前側、及び後側の表示部に表示される。このため、前側表示部に表示される画像は、後側表示部に表示される画像と比べて左右反転して表示される。このように構成すると、三脚を使用したセルタイマー撮影時にどちら側からでも撮像範囲が分かるため、構図合わせが簡便に行える。
【0081】
さらに、シースルー表示部86としては、陽極と陰極の両方に透明な材料を使い、両側に光が出ていく有機ELディスプレイを使用してもよい。この場合も同一画像が表示されるため、シースルー表示部の前側からは、後側から視認される画像に対して左右反転した画像が視認される。
【0082】
さらにまた、シースルー表示部86としては、半透過型液晶表示パネルを用いてもよい。この場合も、同一画像が表示されるため、前側に表示される画像は、後側に表示される画像と比べて左右反転した画像として認識される。
【0083】
以上のように、上記各実施形態では、シースルー表示部を起立位置と倒伏位置との間で移動自在に設けているが、本発明ではこれに限らず、シースルー表示部の両端をスライドレール等で移動自在に支持し、シースルー表示部を垂直、又は水平方向に向けてスライド自在に設けてもよい。この場合、起立位置としては、カメラボディ13から横(左、又は右方向)、もしくは下に突出する位置であってもよい。
【0084】
[第11実施形態]
図31に示す電子カメラ94には、シースルー表示部95を着脱自在に取り付けるための表示用取付け部96が設けられている。表示用取付け部96は、アクセサリー機器、例えばストロボ等を取り付けるためのアクセサリーシューになっている。なお、表示用取付け部96をアクセサリーシューとは別に設けても良い。
【0085】
表示用取付け部96には、アクセサリー機器との間で電気的接続を行うための接点群97に加えて、シースルー表示部95に設けた取付け部98との間で電気的接続を行うための表示信号用接点群99が設けられている。なお、図示していないが、シースルー表示部95の取付け部98には、表示信号用接点群99に接続される接点群が設けられている。
【0086】
電子カメラ94には、カメラボディ13の背面に背面表示部(図示なし)が設けられており、シースルー表示部95と背面表示部とには、前述した各実施形態で説明したような表示がなされる。
【0087】
なお、図32に示すように、着脱自在なシースルー表示部100としては、断面円形の筒型をした保持枠101の内部に透明な表示部102を設けた構成であってもよい。
【符号の説明】
【0088】
10、52,56,5961,69,75,85,94 電子カメラ
11,86,95,100 シースルー表示部
12 マーク
21 背面表示部
19 ヒンジ
25 シースルー表示部位置検出器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系により結像される外界の像を撮像する撮像手段と、
カメラボディの背面から覗いた時に前記外界の視野像に重ねて画像を表示することができるシースルー表示部と、
前記外界の視野像を視認するフレーミング位置と前方が前記カメラボディに隠される非フレーミング位置との間で前記シースルー表示部を移動自在に支持する支持手段と、
前記シースルー表示部の位置を検出するシースルー表示部位置検出手段と、
前記シースルー表示部が前記フレーミング位置の時に前記撮像手段の撮像範囲を示すマークの画像を前記シースルー表示部に表示する表示画像制御手段と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】
請求項1に記載の電子カメラにおいて、
表示画像制御手段は、前記シースルー表示部と撮影者の目との距離、及び前記シースルー表示部の画面サイズとに基づいて前記シースルー表示部の画面上での前記マークの範囲を決めることを特徴とする電子カメラ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子カメラにおいて、
前記支持手段は、前記カメラボディの上面で起立する、前記フレーミング位置に対応する起立位置と、前記カメラボディの背面に設けた背面表示部に画面が重なるように倒伏する、前記非フレーミング位置に対応する倒伏位置との間で前記シースルー表示部を回転自在に支持することを特徴とする電子カメラ。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載の電子カメラにおいて、
前記シースルー表示部が前記非フレーミング位置、又は倒伏位置の時に、前記撮像手段から取得した画像データに基づいて生成されるスルー画像を前記カメラボディの背面に設けた背面表示部に表示し、また、前記シースルー表示部が前記フレーミング位置、又は起立位置の時には前記スルー画像を前記背面表示部に表示することを禁止する表示部切替手段を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の電子カメラにおいて、
前記表示画像制御手段は、前記撮影光学系の焦点距離を変更することに応答して前記マークの画像を拡大、又は縮小して表示することを特徴とする電子カメラ。
【請求項6】
請求項5に記載の電子カメラにおいて、
前記撮像手段で取り込んだ画像データを前記マーク内に対応する画像にトリミングし、トリミングした画像データを前記スルー画像として前記背面表示部に表示するマーク内画像表示制御手段を備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項7】
請求項3から6のいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、
前記フレーミング位置、又は起立位置の時に、撮影に関する情報を前記背面表示部、又は前記シースルー表示部に表示する撮影情報表示制御手段を備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項8】
請求項1から5の何れか1項に記載の電子カメラにおいて、
顔画像を含む人物に関する情報を予め記録した記憶手段と、
前記撮像手段で撮像した画像データに基づいて顔画像を検出する顔画像検出手段と、
前記検出した顔画像に対して前記記憶手段に記憶している顔画像を照合して類似度の高い人物を特定する人物特定手段と、
前記フレーミング位置、又は起立位置の時に、前記特定した人物に関する情報を、前記記憶手段から取得し、取得した前記情報をカメラボディの背面に設けた背面表示部に表示する人物情報表示制御手段と、
を備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項9】
請求項8に記載の電子カメラにおいて、
前記人物に関する情報は、過去に撮影した記録済みの画像データを含むことを特徴とする電子カメラ。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の電子カメラにおいて、
前記人物情報表示制御手段は、前記人物に関する情報を前記背面表示部に複数表示する場合、前記顔画像検出手段で検出した複数の顔画像の領域のサイズ、又は被写体距離、あるいは前記記憶手段に人物情報毎に登録している優先度に基づいて特定する一つの人物に関する情報を、他の人物に関する情報よりも目立つように表示することを特徴とする電子カメラ。
【請求項11】
請求項1から5の何れか1項に記載の電子カメラにおいて、
参照用の画像データとその特徴量とを関連付けして予め記録した記憶手段と、
前記撮像手段で撮像した画像データに基づいて特徴量を抽出する特徴抽出手段と、
前記抽出した特徴量に対して前記記憶手段に記憶した参照用の画像データの特徴量を照合して類似度の高い参照用の画像データを特定する参照画像特定手段と、
前記フレーミング位置、又は起立位置の時に前記特定した参照用の画像データを前記カメラボディの背面に設けた背面表示部、又は前記シースルー表示部に表示する参照画像表示制御手段と、
を備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項12】
外界を撮像してスルー画像を取り込む撮像手段と、
カメラボディの背面から覗いた時に前記外界の視野像に重ねて画像を表示することができるシースルー表示部と、
前記外界の視野像を視認するフレーミング位置と前方が前記カメラボディに隠される非フレーミング位置との間で前記シースルー表示部を移動自在に支持する支持手段と、
前記シースルー表示部の位置を検出するシースルー表示部位置検出手段と、
前記シースルー表示部が前記非フレーミング位置の時に前記スルー画像を前記カメラボディの背面に設けた背面表示部に表示し、また、前記シースルー表示部が前記フレーミング位置の時には前記スルー画像を前記背面表示部に表示することを禁止する表示部切替手段と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項13】
請求項12に記載の電子カメラにおいて、
前記支持手段は、前記カメラボディの上面で起立する、前記フレーミング位置に対応する起立位置と、前記カメラボディの背面に設けた背面表示部に画面が重なるように倒伏する、前記非フレーミング位置に対応する倒伏位置との間で前記シースルー表示部を回転自在に支持することを特徴とする電子カメラ。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の電子カメラにおいて、
前記フレーミング位置、又は起立位置の時に、撮影に関する情報を前記シースルー表示部に表示する撮影情報表示制御手段を備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項1】
撮影光学系により結像される外界の像を撮像する撮像手段と、
カメラボディの背面から覗いた時に前記外界の視野像に重ねて画像を表示することができるシースルー表示部と、
前記外界の視野像を視認するフレーミング位置と前方が前記カメラボディに隠される非フレーミング位置との間で前記シースルー表示部を移動自在に支持する支持手段と、
前記シースルー表示部の位置を検出するシースルー表示部位置検出手段と、
前記シースルー表示部が前記フレーミング位置の時に前記撮像手段の撮像範囲を示すマークの画像を前記シースルー表示部に表示する表示画像制御手段と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】
請求項1に記載の電子カメラにおいて、
表示画像制御手段は、前記シースルー表示部と撮影者の目との距離、及び前記シースルー表示部の画面サイズとに基づいて前記シースルー表示部の画面上での前記マークの範囲を決めることを特徴とする電子カメラ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子カメラにおいて、
前記支持手段は、前記カメラボディの上面で起立する、前記フレーミング位置に対応する起立位置と、前記カメラボディの背面に設けた背面表示部に画面が重なるように倒伏する、前記非フレーミング位置に対応する倒伏位置との間で前記シースルー表示部を回転自在に支持することを特徴とする電子カメラ。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載の電子カメラにおいて、
前記シースルー表示部が前記非フレーミング位置、又は倒伏位置の時に、前記撮像手段から取得した画像データに基づいて生成されるスルー画像を前記カメラボディの背面に設けた背面表示部に表示し、また、前記シースルー表示部が前記フレーミング位置、又は起立位置の時には前記スルー画像を前記背面表示部に表示することを禁止する表示部切替手段を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の電子カメラにおいて、
前記表示画像制御手段は、前記撮影光学系の焦点距離を変更することに応答して前記マークの画像を拡大、又は縮小して表示することを特徴とする電子カメラ。
【請求項6】
請求項5に記載の電子カメラにおいて、
前記撮像手段で取り込んだ画像データを前記マーク内に対応する画像にトリミングし、トリミングした画像データを前記スルー画像として前記背面表示部に表示するマーク内画像表示制御手段を備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項7】
請求項3から6のいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、
前記フレーミング位置、又は起立位置の時に、撮影に関する情報を前記背面表示部、又は前記シースルー表示部に表示する撮影情報表示制御手段を備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項8】
請求項1から5の何れか1項に記載の電子カメラにおいて、
顔画像を含む人物に関する情報を予め記録した記憶手段と、
前記撮像手段で撮像した画像データに基づいて顔画像を検出する顔画像検出手段と、
前記検出した顔画像に対して前記記憶手段に記憶している顔画像を照合して類似度の高い人物を特定する人物特定手段と、
前記フレーミング位置、又は起立位置の時に、前記特定した人物に関する情報を、前記記憶手段から取得し、取得した前記情報をカメラボディの背面に設けた背面表示部に表示する人物情報表示制御手段と、
を備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項9】
請求項8に記載の電子カメラにおいて、
前記人物に関する情報は、過去に撮影した記録済みの画像データを含むことを特徴とする電子カメラ。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の電子カメラにおいて、
前記人物情報表示制御手段は、前記人物に関する情報を前記背面表示部に複数表示する場合、前記顔画像検出手段で検出した複数の顔画像の領域のサイズ、又は被写体距離、あるいは前記記憶手段に人物情報毎に登録している優先度に基づいて特定する一つの人物に関する情報を、他の人物に関する情報よりも目立つように表示することを特徴とする電子カメラ。
【請求項11】
請求項1から5の何れか1項に記載の電子カメラにおいて、
参照用の画像データとその特徴量とを関連付けして予め記録した記憶手段と、
前記撮像手段で撮像した画像データに基づいて特徴量を抽出する特徴抽出手段と、
前記抽出した特徴量に対して前記記憶手段に記憶した参照用の画像データの特徴量を照合して類似度の高い参照用の画像データを特定する参照画像特定手段と、
前記フレーミング位置、又は起立位置の時に前記特定した参照用の画像データを前記カメラボディの背面に設けた背面表示部、又は前記シースルー表示部に表示する参照画像表示制御手段と、
を備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項12】
外界を撮像してスルー画像を取り込む撮像手段と、
カメラボディの背面から覗いた時に前記外界の視野像に重ねて画像を表示することができるシースルー表示部と、
前記外界の視野像を視認するフレーミング位置と前方が前記カメラボディに隠される非フレーミング位置との間で前記シースルー表示部を移動自在に支持する支持手段と、
前記シースルー表示部の位置を検出するシースルー表示部位置検出手段と、
前記シースルー表示部が前記非フレーミング位置の時に前記スルー画像を前記カメラボディの背面に設けた背面表示部に表示し、また、前記シースルー表示部が前記フレーミング位置の時には前記スルー画像を前記背面表示部に表示することを禁止する表示部切替手段と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項13】
請求項12に記載の電子カメラにおいて、
前記支持手段は、前記カメラボディの上面で起立する、前記フレーミング位置に対応する起立位置と、前記カメラボディの背面に設けた背面表示部に画面が重なるように倒伏する、前記非フレーミング位置に対応する倒伏位置との間で前記シースルー表示部を回転自在に支持することを特徴とする電子カメラ。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の電子カメラにおいて、
前記フレーミング位置、又は起立位置の時に、撮影に関する情報を前記シースルー表示部に表示する撮影情報表示制御手段を備えることを特徴とする電子カメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2012−257100(P2012−257100A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129267(P2011−129267)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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