説明

電子キーシステム

【課題】電子キーシステムにおいて、無線技術を利用した電子キーの存在する位置の偽装等を困難とすることで、よりセキュリティ性を向上させること。
【解決手段】車両2の走行開始と同時に車載機20から車内に走行開始信号が送信される。電子キー10は走行開始信号を受けると電子キー10の動きを示す運動情報信号を返信する。一方、車載機20は車両側加速度センサ29及び車両側方位センサ25の検出結果に基づき車両2の走行状況を認識する。また、車載機20は、受信した運動情報信号に基づき電子キー10の動きを認識する。車載機20は電子キー10の動きが車両2の走行に伴う動きではないと判断した場合には、電子キー10が車内に存在しないおそれがあるとして車両2の走行を規制する。これにより、不正な走行による車両盗難等を抑制することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無線通信にて車両ドアの解錠、エンジン始動を可能とする電子キーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子キーシステムでは、電子キー及び車両間でのIDコードを含む各種信号の送受信を通じてIDコードの照合が成立したときには車両ドア錠の施解錠、エンジン始動等が可能となる。例えば特許文献1に示す電子キーシステムにおいては、車両は、車内に通信エリアを形成する車内アンテナと、車両周辺に通信エリアを形成する車外アンテナと、を備える。車外通信エリアに存在する電子キーと車両との通信を通じてIDコードの照合が成立したときには、ドアロックの施錠状態を切り替える制御がされる。一方、車内通信エリアに存在する電子キーと車両との通信を通じてIDコードの照合が成立したときには、エンジンの始動が許可される(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−118886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の通信技術の発達により、車両から遠く離れた位置に存在するユーザが携帯する電子キーと車両との間で不正に通信がされるおそれがある。例えば、無線通信技術を利用して遠方に存在する電子キーがあたかも車室内外の通信エリアに存在するかのように偽装することが考えられる。この場合、ドア錠の解錠、あるいはエンジン始動許可等の車両側での制御が不正に実行されるため車両盗難のおそれがある。こうした電子キーの偽装等の新たな不正手口に対する防犯対策の重要性が高まりつつある。
【0005】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、無線技術を利用した電子キーの存在する位置の偽装等を困難とすることで、よりセキュリティ性を向上させた電子キーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、ユーザに携帯されて車両側からの要求信号に応じて自身の識別コードを含む応答信号を送信する電子キーと、車両に搭載されて要求信号を車両の室内外に送信するとともに、前記電子キー側から返信される応答信号の識別コードの照合の成否を通じて車両ドアの解錠及び車両エンジンの始動を可能とする車載機と、を備えた電子キーシステムにおいて、前記車両に設けられる同車両の走行状況を検出する走行状況検出手段と、前記電子キーに設けられて同電子キーの動きの態様を検出するキー側検出手段と、前記電子キーに設けられて、前記車載機から車両の走行開始時に送信される車両が走行を開始する旨を示す走行開始信号に応じて、前記キー側検出手段の検出結果である前記電子キーの動きを示す運動情報信号を送信する制御を実行する制御装置と、を備え、前記車載機は前記走行状況検出手段の検出結果と受信した前記運動情報信号とに基づき前記電子キーに車両の走行に伴う動きの有無を判断し、動きがあると判断した場合には通常走行を許可し、動きがないと判断した場合には車両の走行を規制することをその要旨としている。
【0007】
同構成によれば、車両の走行開始と同時に車載機から車内に走行開始信号が送信される。電子キーは走行開始信号を受けると電子キーの動きを示す運動情報信号を返信する。一方、車載機は走行状況検出手段の検出結果に基づき車両の走行状況を認識する。また、車載機は、受信した運動情報信号に基づき電子キーの動きを認識する。そして、車載機は電子キーが車両の走行に伴い動いていると判断した場合には、車両の通常走行を許可する。一方、車載機は電子キーの動きが車両の走行に伴う動きではないと判断した場合には、車両の走行を規制する。ここで、車両の走行時には、通常、電子キーは車内に存在し、電子キーは車両の走行に応じた動きをする。このため、電子キーの動きが車両の走行に応じたものでないときには電子キーが車内に存在しない、ひいては不正な車両走行のおそれがある。よって、車両の走行開始時に電子キーが車内に存在しないと判断した場合に、車両の通常走行を規制することにより、不正な走行による車両盗難等を抑制することが可能となる。このように、無線通信を通じた識別コードの照合に加え、車両走行開始時における電子キーの動きの妥当性の判断を行うことで、電子キーの存在する位置の偽装が困難となり、電子キーシステムのセキュリティ性を向上させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子キーシステムにおいて、前記電子キーは前記キー側検出手段として前記電子キーの動きに伴い生じる加速度を検出するキー側加速度検出手段を備え、前記車両は前記走行状況検出手段として車両の走行に伴う加速度を検出する車両側加速度検出手段を備えることをその要旨としている。
【0009】
同構成によれば、電子キーにはキー側検出手段としてキー側加速度検出手段が設けられ、車両には走行状況検出手段として車両側加速度検出手段が設けられる。このため、両加速度検出手段の検出結果を比較するだけで、電子キーに車両の走行に応じた動きがあるか否かを容易に判断することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電子キーシステムにおいて、前記電子キーはさらに前記キー側検出手段として、自身の向く方位を検出するキー側方位検出手段を備え、前記車両はさらに前記走行状況検出手段として、自車の向く方位を検出する車両側方位検出手段を備え、前記制御装置は前記運動情報信号に前記キー側方位検出手段の検出結果に基づく前記電子キーの動きの方向を示す情報を付加し、前記車載機は前記車両側加速度検出手段及び前記車両側方位検出手段の検出結果に基づき車両の動き及びその方向を判断するとともに、受信した前記運動情報信号に基づき前記電子キーの動き及びその方向を判断し、前記電子キーの動きが車両の走行方向に応じた方向への動きではないと判断した場合には、車両の走行を規制することをその要旨としている。
【0011】
同構成によれば、車両に車両側方位検出手段を、電子キーにキー側方位検出手段を設けることで、車載機は電子キーに車両の走行方向に応じた方向への動きがあるか否かの判断が可能となる。このように、電子キーの動きの妥当性の判断基準を動きの有無及びその動きの方向とすることで、電子キーの存在する位置の偽装をより困難にして、電子キーシステムのセキュリティ性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電子キーシステムにおいて、無線技術を利用した電子キーの存在する位置の偽装等を困難とすることで、よりセキュリティ性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態における電子キーシステムの構成図。
【図2】本実施形態における車両の上面図。
【図3】本実施形態における合成加速度の推移を示すグラフ。
【図4】本実施形態における所定軸方向における加速度の推移を示すグラフ。
【図5】本実施形態における車両走行制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。
【図6】他の実施形態における車両走行制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明にかかる電子キーシステムを具体化した一実施形態について図1〜図5を参照して説明する。
図1に示されるように、電子キーシステム1は、車両2の運転者によって所持される電子キー10と、車両2に配設された車載機20とを備えている。電子キー10と車載機20との間で自動的に相互通信が行われ、その相互通信が車外及び車内にて成立したことを条件としてドア錠の施解錠及びエンジンの始動が制御される。
【0015】
<電子キー>
電子キー10は、無線通信機能を有し、車載機20との相互通信を通じて、各種車載機器の制御を行う。電子キー10は、CPU、ROM、RAM等からなるコンピュータユニットによって構成された電子キー制御部11と、その電子キー制御部11に電気的に接続されてLF帯の無線信号を受信するLF受信部12と、UHF帯の無線信号を送信するUHF送信部13と、電子キー10の動きを加速度として検出するキー側加速度センサ18と、地磁気を利用して自身の向く方位を検出するキー側方位センサ16とからなる。
【0016】
キー側方位センサ16は自身の向く方位に応じた電圧(信号)を電子キー制御部11に出力する。キー側加速度センサ18は電子キー10が車内に存在する場合における車両2の走行に伴う加速度に応じた電圧(信号)を電子キー制御部11に出力する。なお、キー側加速度センサ18は電子キー10に内蔵可能であって3軸方向(互いに直交するX軸、Y軸、Z軸)の加速度が検出可能であれば、機械式、光学式、半導体式等何れのタイプであってもよい。電子キー制御部11は車外に送信される要求信号を受信すると、キー側方位センサ16及びキー側加速度センサ18を起動させる。
【0017】
LF受信部12は、車載機20から送信されるLF帯の無線信号である要求信号を受信すると、同要求信号をパルス信号に復調し、復調された復調信号を電子キー制御部11へ出力する。電子キー制御部11には例えばEEPROM等からなる不揮発性のメモリ11aが設けられ、そのメモリ11aには電子キー10固有のIDコードが登録されている。電子キー制御部11は、LF受信部12から復調信号が入力されると、受信データを読み取るとともに、メモリ11aに登録されたIDコードを含む応答信号をUHF送信部13へ出力する。そして、電子キー10は、UHF送信部13を介してUHF帯の無線信号として応答信号を車両2側へ送信する。
【0018】
また、LF受信部12は、同じく車載機20から送信されるLF帯の無線信号である車両の走行が開始された旨を示す走行開始信号を受信すると、同走行開始信号をパルス信号に復調し、復調された復調信号を電子キー制御部11へ出力する。電子キー制御部11は、LF受信部12から復調信号が入力されて受信データを読み取ると、キー側加速度センサ18及びキー側方位センサ16の検出結果を含む電子キー10の運動状態を示す運動情報信号を、UHF帯の無線信号としてUHF送信部13を介して車両2側へ送信する。当該運動情報信号は一定時間Tに亘って連続的に送信される。
【0019】
<車載機>
車載機20は、CPU、ROM、RAM等からなるコンピュータユニットを備えて構成されている。車載機20は図1に示すように、各種車載機器を制御する車載制御部21と、その車載制御部21に電気的に接続された車外送信部22と、車内送信部23と、車載受信部24と、地磁気を利用して自車の向く方位を検出する車両側方位センサ25と、車両2の走行に伴う加速度を検出する車両側加速度センサ29とを備えている。
【0020】
また、図1に示すように、車載制御部21には、エンジン始動時に操作されるエンジンスイッチ33と、自動で車両ドアの施解錠を行うドアロック装置34と、車両2のエンジンを始動させるエンジン制御装置35と、フットブレーキ及びサイドブレーキの操作の有無を検出するブレーキセンサ36と、シフトレバーのポジションを検出するレバーポジションセンサ37とが電気的に接続されている。
【0021】
車外送信部22は、図2に示すように、車両2の車両ドアのドアハンドルに設けられる。車外送信部22は、車載制御部21から要求信号が入力されると、その要求信号を所定周波数(LF帯)の無線信号に変調して、予め設定された間欠周期で車外送信アンテナ22aを介して車両2の周辺(車外)に送信する。この要求信号は、図2に一点鎖線で示すように、車両ドアの側方に車両上方からみて底辺が車両2の側部に沿う半円形に形成される車外通信エリア31に送信される。
【0022】
車内送信部23は、図2に示すように、車内において前部及び後部座席(図示略)の中央に配置されている。車内送信部23は、車載制御部21から要求信号が入力されると、その要求信号を所定周波数(LF帯)の無線信号に変調して、予め設定された間欠周期で車内送信アンテナ23aを介して車内に送信する。この要求信号は、図2に一点鎖線で示すように、両車内送信アンテナ23aを中心とする円形の車内通信エリア32に送信される。両車内通信エリア32によって室内の略全域をカバーするように車内通信エリア32は設定されている。
【0023】
図1に示すように、車両側加速度センサ29は車両2の走行に伴う加速度に応じた電圧(信号)を車載制御部21に出力する。なお、キー側加速度センサ18と同様に車両側加速度センサ29は3軸方向の加速度が検出可能であれば何れのタイプであってもよい。
【0024】
車両側方位センサ25は自車の向く方位に応じた電圧(信号)を車載制御部21に出力する。車載制御部21は車両側方位センサ25からの電圧(信号)に基づき、車両2の進行方向(方位)を算出する。
【0025】
車載受信部24は、受信アンテナ24aを介して電子キー10から送信される応答信号若しくは運動情報信号を受信すると、これら信号をパルス信号に復調し、この復調信号を車載制御部21へ出力する。
【0026】
車載制御部21は例えばEEPROM等からなる不揮発性のメモリ21aを備え、そのメモリ21aには対応する電子キー10に設定されたIDコードと同一のIDコード、並びに後述する車両走行制御プログラム等が記憶されている。
【0027】
車載制御部21は、車外送信部22及び車内送信部23に対して要求信号を間欠的にそれぞれ異なるタイミングで出力する。そして、車載制御部21は、車外送信部22及び車内送信部23を通じて送信した要求信号に応答して電子キー10から送信された応答信号が車載受信部24によって受信されると、その応答信号に含まれるIDコードとメモリ21aに記録されたIDコードとの照合を行う。この際、車載制御部21は、電子キー10から送信された応答信号が車外送信部22、車内送信部23のどちらから送信された要求信号に応答したものであるかに基づいて、電子キー10が車外及び車内のいずれに存在するかを判断する。なお、車外送信部22を介して電子キー10とのIDコードの照合を行うことを車外照合と、車内送信部23を介して電子キー10とのIDコードの照合を行うことを車内照合という。
【0028】
車載制御部21は、車外照合が成立した場合には、ドアロック装置34を介して車両ドアを解錠する。また、車内照合が成立した場合にはエンジン始動許可状態とされる。このエンジン始動許可状態において、運転席近傍に設置されるエンジンスイッチ33が操作されると、その操作信号が車載制御部21に出力される。車載制御部21はエンジン始動許可状態において前記操作信号を検知すると、エンジン制御装置35を通じて図示しないセルモータを駆動してエンジンを始動させる。
【0029】
また、エンジン始動後において、車載制御部21はレバーポジションセンサ37の検出結果を通じてシフトレバーがドライブポジションに位置していると判断した状態において、サイドブレーキ及びフットブレーキが解除されたことをブレーキセンサ36の検出結果を通じて判断したときには、車内送信部23を介して車内に所定周波数(LF帯)の走行開始信号を出力する。ここで、走行開始信号は前述した車内通信エリア32に送信される。電子キー10が車内に存在する場合には、走行開始信号に応じて同電子キー10から運動情報信号が返信される。
【0030】
前述のように、車載受信部24は受信した運動情報信号を復調して車載制御部21へ出力する。車載制御部21は車両側方位センサ25及び車両側加速度センサ29の検出結果並びに運動情報信号を総合して電子キー10の動きの妥当性について判断する。
【0031】
以下に、電子キー10の動きの妥当性の判断基準について図3及び図4を参照しつつ詳細に説明する。ここで、電子キー10の動きの妥当性は車両2の走行に応じた電子キー10の動きの有無、及び車両2の走行方向への電子キー10の動きの有無によって判断される。まず、車両2の走行に応じた電子キー10の動きの有無の判断について説明する。
【0032】
車載制御部21は車両側加速度センサ29の検出結果と、運動情報信号に含まれるキー側加速度センサ18の検出結果との比較を通じて車両2の走行に応じた電子キー10の動きの有無の判断を行う。
【0033】
前述のように、電子キー10は走行開始信号の受信後に一定時間Tに亘りキー側加速度センサ18及びキー側方位センサ16の検出結果を運動情報信号に含ませて送信する。車載制御部21は運動情報信号に含まれるキー側加速度センサ18の各軸方向における加速度を合成する。ここで、キー側加速度センサ18の各軸方向とは、図2の円中に拡大して示すように、電子キー10の長辺に沿うX軸方向と、電子キー10の短辺に沿うY軸方向と、X軸及びY軸がなす面に直交するZ軸方向とからなる。
【0034】
図3には車両側加速度センサ29により検出される車両2の合成加速度の推移41及びキー側加速度センサ18により検出される電子キー10の合成加速度の推移42が示されている。図3のグラフにおいては、横軸には時間、縦軸には合成加速度をとっている。ここで、電子キー10が走行開始信号を受信した時刻t1から一定時間Tにおける両合成加速度の推移41,42から、車両2の走行に応じた電子キー10の動きの有無の判断を行う。図3に示すように、電子キー10が走行開始信号を受信した時刻t1においてはシフトレバーがドライブ位置に存在する状態において、フットブレーキ及びサイドブレーキが離されている。そのため、車両2は走行を開始して、それに伴い車両2の加速度は漸増する。なお、車両2の走行は、例えばアクセルペダルの踏み込み、又はフットブレーキの操作が解除されたことによるクリープ現象により開始する。よって、時刻t1から一定時間Tにおいて、図3に実線で示す車両2の加速度の推移41を図3に2点鎖線で示す電子キー10の加速度の推移42と比較することを通じて車両2の走行に応じた電子キー10の動きの有無、ひいては車内に電子キー10が存在するか否かを判断できる。
【0035】
具体的には、車両2の加速度の推移41を中心値として一定の許容範囲Aを設定する。そして、車載制御部21は電子キー10の加速度の推移42が許容範囲A内にあるか否かに基づき車両2の走行状態に応じた電子キー10の動きの有無を判断する。
【0036】
許容範囲Aは、シミュレーション等により、例えば車両2の加速に伴う慣性力による電子キー10の若干の移動や、電子キー10を所持するユーザの微細な動き等による両加速度の推移41,42の差を許容する範囲に設定されている。
【0037】
車載制御部21は電子キー10の加速度の推移42が時刻t1から一定時間Tに亘り許容範囲A内において変化したときには、車両2の走行に応じた電子キー10の動きがある、すなわち電子キー10は車内に存在すると判断する。一方、車載制御部21は電子キー10の加速度の推移42が一定時間T内において許容範囲Aを外れたときには、車両2の走行に応じた電子キー10の動きがない、すなわち電子キー10は車内に存在しないと判断する。
【0038】
また、電子キー10の動きの妥当性は電子キー10の移動方向に基づいても判断される。まず、車載制御部21は運動情報信号に含まれるキー側加速度センサ18の各軸方向の信号(電圧値)のプラス、マイナスで電子キー10の各軸方向における動きの方向を判断できる。
【0039】
図4に示すように、キー側加速度センサ18の所定軸方向の信号(電圧値)がプラスであるときと、マイナスであるときとでは、電子キー10の動きは同一の軸方向において反対方向となる。すなわち、例えば図2に示すように、車内に位置する電子キー10の車両2前後方向に沿って同電子キー10の所定軸が延びる場合には、所定軸上において同一の加速度で電子キー10が移動しても車両2の前進方向に移動した場合と、後進方向に移動した場合とではプラス、マイナスで異なる信号(電圧値)がでる。車載制御部21は各軸方向における加速度に加え、信号(電圧値)のプラス、マイナスを識別することで、加速度の生じる方向、ひいては電子キー10の移動方向を判断することができる。
【0040】
上記の電子キー10の移動方向は同電子キー10に対してどの方向に動いたかという相対移動方向である。そこで、車載制御部21は上記電子キー10の移動方向と運動情報信号に含まれるキー側方位センサ16の検出結果である電子キー10の方位とを照らし合わせることで、電子キー10が何れの方位に動いているか、すなわち絶対移動方向(方位)を算出することができる。また、車載制御部21は電子キー10と同様に、車両側加速度センサ29及び車両側方位センサ25の検出結果に基づき車両2の絶対進行方向(方位)を算出できる。さらに、車載制御部21は車両2の走行開始時において電子キー10の絶対移動方向(方位)と車両2の絶対進行方向(方位)とが一致するか否かを判断する。両方向(方位)が一致した場合には、車両2の走行に応じた方向への電子キー10の動きがあると判断し、一致しない場合には走行に応じた方向への電子キー10の動きがないと判断する。ここでいう一致とは、完全一致のみならず検出誤差等を許容できる範囲値を含むように設定されている。
【0041】
次に、車載制御部21によるエンジン始動から通常走行若しくは走行制限までの処理手順について図5に示すフローチャートを参照しつつ説明する。当該フローチャートは、車載制御部21のメモリ21aに予め格納された車両走行制御プログラムに従って実行される。
【0042】
車載制御部21は車内照合の成立時に車両走行制御プログラムを開始する(スタート)。車内照合が成立したときには、車載制御部21は、エンジン始動許可状態とし(S101)、ブレーキセンサ36を通じてフットブレーキの踏み込みを検知した(S102)状態でエンジンスイッチ33から操作信号が入力されたことを条件として(S103)、エンジン制御装置35に対して駆動信号を出力してエンジンを始動させる(S104)。
【0043】
エンジン始動時においてシフトレバーはパーキングポジションにある。車載制御部21はシフトレバーがドライブポジションに操作されて(S105)、フットブレーキ及びサイドブレーキの操作が解錠されたこと(S106)を検知したときには、車外送信部22を介して車内に車両走行開始信号を送信する(S107)。この車両走行開始信号の送信とともに、車両2は走行を開始する。
【0044】
次に、車載制御部21は車両走行開始信号に対する応答である電子キー10からの運動情報信号の受信の有無を判断する(S108)。車載制御部21は車両走行開始信号に応じた運動情報信号を受信しない(S108でNO)場合には、車載制御部21は車内に電子キー10が存在せずに不正に走行が開始されるおそれがあるとして、車両2の走行速度に例えば10km/hまで等の制限を加え(S109)、通常走行が困難な車両状態とする。この状態にあっては、車両2を不正に持ち去ることは非常に困難となる。
【0045】
一方、車載制御部21は、車載受信部24を介して運動情報信号を受信した場合(S108でYES)、車内に電子キー10が存在するとしてステップS110へ処理を移行する。このステップS110では車載制御部21は上述のように車両2の加速度の推移41を電子キー10の加速度の推移42と比較することで車両2の走行に応じた電子キー10の動きの有無を判断する(S110)。車載制御部21は車両2の走行に応じた電子キー10の動きがないと判断した(S110でNO)場合には、電子キー10の動きの妥当でないとして、上記同様に車両2の走行に制限を加える(S109)。
【0046】
一方、車載制御部21は車両2の走行に応じた電子キー10の動きがあると判断した(S110でYES)場合には、上述のように電子キー10の絶対移動方向(方位)と車両2の絶対進行方向(方位)とが一致するか否かに基づき車両2の走行方向への電子キー10の動きの有無を判断する(S111)。車載制御部21は車両2の走行方向への電子キー10の動きがないと判断した(S111でNO)場合には、電子キー10の動きの妥当でないとして、上記同様に車両2の走行に制限を加える(S109)。
【0047】
一方、車載制御部21は車両2の走行方向への電子キー10の動きがあると判断した(S111でYES)場合には、電子キー10の動きは妥当であるとして、車両2に通常走行を許可する(S112)。通常走行とは車両2の走行速度に制限が課せられない状態をいう。
【0048】
以上のように、車両走行開始時に車両2の走行に応じた電子キー10の動きの妥当性の判断を行うことで、電子キー10の存在する位置の偽装が困難となる。そして、正規の電子キー10が車内に確実に存在すると判断された場合に限り、車両2の通常走行を許可するため、電子キーシステム1のセキュリティ性を向上させることができる。
【0049】
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)車両2の走行開始と同時に車載機20から車内に走行開始信号が送信される。電子キー10は走行開始信号を受けると電子キー10の動きを示す運動情報信号を返信する。一方、車載機20は車両側加速度センサ29及び車両側方位センサ25の検出結果に基づき車両2の走行状況を認識する。また、車載機20は、受信した運動情報信号に基づき電子キー10の動きを認識する。そして、車載機20は電子キー10が車両2の走行に伴い動いていると判断した場合には、車両2の通常走行を許可する。一方、車載機20は電子キー10の動きが車両2の走行に伴う動きではないと判断した場合には、車両2の走行を規制する。ここで、車両2の走行時には、通常、電子キー10は車内に存在し、電子キー10は車両2の走行に応じた動きをする。このため、電子キー10の動きが車両2の走行に応じたものでないときには電子キー10が車内に存在しない、ひいては不正な車両走行のおそれがある。よって、車両2の走行時に電子キー10が車内に存在しないと判断した場合に、車両2の通常走行を規制することにより、不正な走行による車両盗難等を抑制することが可能となる。このように、無線通信を通じたIDコードの照合に加え、車両走行開始時における電子キー10の動きの妥当性の判断を行うことで、電子キー10の存在する位置の偽装が困難となり、電子キーシステム1のセキュリティ性を向上させることができる。
【0050】
(2)電子キー10にはキー側検出手段としてキー側加速度センサ18が設けられ、車両2には走行状況検出手段として車両側加速度センサ29が設けられる。このため、両加速度センサ18,29の検出結果を比較するだけで、電子キー10に車両2の走行に応じた動きがあるか否かを容易に判断することができる。
【0051】
(3)車両2に車両側方位センサ25を、電子キー10にキー側方位センサ16を設けることで、車載機20は電子キー10に車両2の走行方向に応じた方向への動きがあるか否かの判断が可能となる。このように、電子キー10の動きの妥当性の判断基準として動きの有無に、さらに動きの方向を加えることで、電子キー10の存在する位置の偽装をより困難にして、電子キーシステム1のセキュリティ性を向上させることができる。
【0052】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態においては、車両2の走行に応じた電子キー10の動きの有無に加えて走行方向への電子キー10の動きの有無についても判断していた。しかし、車両2の走行に応じた電子キー10の動きの有無のみ判断してもよい。この場合であっても、車外にある電子キー10に車両2の走行に合わせた加速度を適切なタイミングで発生させるのは非常に困難であり、電子キー10の存在する位置の偽装を防止できる。本処理によれば、電子キー10及び車両2の移動方向を検出するキー側方位センサ16及び車両側方位センサ25を省略でき、電子キーシステム1の構成をより簡単にできる。
【0053】
・上記実施形態においては、車両走行開始信号はシフトレバーがドライブポジションに位置している状態において、サイドブレーキ及びフットブレーキが解除されたことをトリガとして送信される。しかし、車両走行開始信号が送信されるトリガはこれに限定されない。例えば、車載制御部21は車両2に搭載される車速センサを通じて、車速がゼロでなくなったことを認識したときに走行開始信号を送信してもよい。
【0054】
・上記実施形態においては、エンジン始動直後の車両2の走行開始時に限り、車両2の走行に応じた電子キー10の動きの有無等の判断を通じて走行速度を制限、又は通常走行を許可していた。しかし、エンジン始動後に一時停止した車両2が再発進をするときにも、車両2の走行に応じた電子キー10の動きの有無等の判断を行ってもよい。この場合、車両2の走行中に電子キー10が車内に存在しなくなったときにも走行速度が制限され、車両2のセキュリティ性を向上させることができる。
【0055】
・上記実施形態においては、車載制御部21はシフトレバーがドライブポジションに位置している状態において、サイドブレーキ及びフットブレーキが解除されたときに走行開始信号を出力していた。しかし、シフトレバーがリバースポジションに位置している状態において、サイドブレーキ及びフットブレーキが解除されたときに走行開始信号を出力してもよい。この場合には、車両2が後進するときにも、車両2の走行に応じた電子キー10の動きの有無を判断できる。
【0056】
・上記実施形態においては、電子キー制御部11はキー側方位センサ16及びキー側加速度センサ18の検出結果を運動情報信号に含ませて送信していた。しかし、電子キー制御部11がキー側方位センサ16及びキー側加速度センサ18の検出結果に基づき電子キー10の動き等に関する判断を行い、その判断結果を運動情報信号に含ませて送信してもよい。具体的には、電子キー制御部11はキー側方位センサ16及びキー側加速度センサ18の検出結果に基づき電子キー10の動きの有無及びその動きの方向(方位)を判断する。そして、電子キー制御部11はその判断結果を運動情報信号に含ませて送信する。車載制御部21は当該運動情報信号に含まれる判断結果と、車両側方位センサ25及び車両側加速度センサ29の検出結果に基づき自ら判断した車両2の動きの有無及びその動きの方向(方位)との比較を通じて電子キー10の動きの妥当性を判断する。
【0057】
・上記実施形態においては、車両2の走行に応じた電子キー10の動きの有無及び走行方向への電子キー10の動きの有無について判断していたが、さらに電子キー10の移動距離についての妥当性を判断してもよい。この場合には、図3に示す電子キー10及び車両2の加速度の推移41,42を時間で2回積分することで移動距離が算出される。電子キー10及び車両2の移動距離の比較を通じてその差がしきい値以下の場合には、車両2の走行距離に対して電子キー10の移動距離は妥当であり、電子キー10は車内に存在すると判断される。しきい値は車内において例えば慣性力により電子キー10が移動する等における両距離の誤差並びに加速度の検出誤差等を許容する値に設定されている。このように、電子キー10の動きの妥当性の判断基準を増やすことで、電子キー10の存在する位置の偽装がより困難となり、電子キーシステム1のセキュリティ性を向上させることができる。
【0058】
・上記実施形態においては、図5のフローチャートで示す車両走行制御プログラムにおいて、ステップS108、S110及びS111の何れかでNOの場合には、ユーザ(電子キー10)の位置及び動きの妥当性が確認できないとして走行速度を制限していたが、走行を不能としてもよい。この場合には、例えば、フットブレーキが自動で緩やかに掛かる等して車両2を停止させる。このように、車両2を停止させた場合であっても、電子キー10の動きの妥当性の判断をより迅速に行うことにより車両2の走行速度が小さい状態、すなわち、車両2が僅かに動く程度で車両2が停止させられるため、その後、車両2の走行が禁止されても安全上、特に問題とはならない。
【0059】
・上記実施形態においては、車載機20に走行状況検出手段として車両側方位センサ25及び車両側加速度センサ29を設けて、車両側方位センサ25及び車両側加速度センサ29の検出結果と、運動情報信号に含まれるキー側方位センサ16及びキー側加速度センサ18の検出結果とに基づき電子キー10の動きの妥当性を判断していた。しかし、車両側方位センサ25及び車両側加速度センサ29を省略して構成しても電子キー10の動きの妥当性の判断は可能である。この場合には、車載機20は走行状況検出手段として車速センサ、舵角センサ等を備えて、それらの検出結果に基づき車両2の動き等を判断する。そして、車載機20は上記判断された車両2の動き等と、キー側方位センサ16及びキー側加速度センサ18の検出結果に基づき判断される電子キー10の動き等との比較を通じて、車両2の走行に応じた電子キー10の動きの有無について判断する。この場合には、車両側方位センサ25及び車両側加速度センサ29を省略でき、車載機20をより簡易に構成できる。
【0060】
・上記実施形態においては、図5のフローチャートで示す車両走行制御プログラムにおいて、ステップS108、S110及びS111の何れかでNOの場合には、ユーザ(電子キー10)の位置及び動きの妥当性が確認できないとして走行速度を制限していた。しかし、走行を開始した車内で電子キー10を振り回した等、電子キー10に想定外の加速度が加えられた場合には、電子キー10の動きが妥当でないとして電子キー10が車内に存在しないと誤判断されるおそれがある。このような場合にはユーザに電子キー10による近距離認証を要求してもよい。具体的には、図1に2点鎖線で示されるように、電子キー10にトランスポンダ51が設けられ、車載機20のエンジンスイッチ33にイモビライザ通信機52が内蔵される。トランスポンダ51及びイモビライザ通信機52間で通信が成立したときには、ユーザが車内にいると判断される。
【0061】
詳しくは、図6のフローチャートに示すように、S108、S110及びS111でNoとなった場合には、車両2の走行速度に制限が課される(S109)。このとき、車載制御部21は電子キー10をエンジンスイッチ33近傍にかざすことを要求する旨を例えば車載ディスプレイ(図示略)に表示等してユーザに知覚させる。それと同時に車載制御部21はイモビライザ通信機52を介してエンジンスイッチ33の近傍領域に駆動電波を送信する(S150)。トランスポンダ51は駆動電波を受けて起動して自身のIDコードを含むトランスポンダ応答信号を送信する。そして、車載制御部21はイモビライザ通信機52を介して受信したトランスポンダ応答信号に含まれるIDコードとメモリ21aに記録されたIDコードとの照合を行う(S151)。車載制御部21はIDコードの照合が成立した場合(S151でYes)には、たとえ、S108、S110及びS111でNoとなった場合であっても電子キー10は車内に存在すると判断し、走行速度の制限を解除(S152)して、S112へ処理を移行する。一方、照合が成立しない場合(S151でNO)には、車載制御部21はイモビライザ通信機52を介して再び駆動電波を送信する(S150)。これにより、電子キー10が車内に存在するか否かの判断がいっそう確実となる。
【0062】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想をその効果と共に記載する。
(イ)請求項2又は3に記載の電子キーシステムにおいて、前記車載機は車両側加速度検出手段の検出結果に基づき前記車両の走行距離を算出し、受信した前記運動情報信号に基づき前記電子キーの移動距離を算出し、前記走行距離及び前記移動距離の差がしきい値を越える場合には、車両の走行を規制する電子キーシステム。
【0063】
同構成によれば、車載機は両加速度検出手段の検出結果に基づき車両の走行距離と電子キーの移動距離を算出する。そして、車載機は車両の走行距離及び電子キーの移動距離を比較して、それらの差はしきい値を越えている場合には、電子キーは車内に存在しないと判断して車両の走行を規制する。
【0064】
(ロ)請求項1〜3の何れか一項に記載の電子キーシステムにおいて、前記電子キーは駆動電波を受けて起動して自身の識別コードを含むトランスポンダ応答信号を返信するトランスポンダを備え、前記車載機は、前記駆動電波を送信し、前記トランスポンダ応答信号を受信するイモビライザ通信機を備え、前記車載機は、車両の走行が規制されている場合、前記駆動電波を送信し、前記トランスポンダから送信される前記トランスポンダ応答信号に含まれる識別コードの照合が成立したときには車両の走行の規制を解除する電子キーシステム。
【0065】
車両走行の開始時に、例えば電子キーを振る等した場合に電子キーが車内に存在するにも関わらず走行が規制される場合がある。上記構成によれば、この場合であっても、電子キーのトランスポンダ及び車載機のイモビライザ通信機間での識別コードの照合が成立することにより、車両の走行の規制を解除することができる。
【符号の説明】
【0066】
1…電子キーシステム、2…車両、10…電子キー、11…電子キー制御部、11a…メモリ、12…LF受信部、13…UHF送信部、16…キー側方位センサ(キー側検出手段、キー側方位検出手段)、18…キー側加速度センサ(キー側検出手段、キー側加速度検出手段)、20…車載機、21…車載制御部(車載制御装置)、21a…メモリ、22…車外送信部、22a…車外送信アンテナ、23…車内送信部、24…車載受信部、25…車両側方位センサ(車両側方位検出手段、走行状況検出手段)、29…車両側加速度センサ(車両側加速度検出手段、走行状況検出手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに携帯されて車両側からの要求信号に応じて自身の識別コードを含む応答信号を送信する電子キーと、車両に搭載されて要求信号を車両の室内外に送信するとともに、前記電子キー側から返信される応答信号の識別コードの照合の成否を通じて車両ドアの解錠及び車両エンジンの始動を可能とする車載機と、を備えた電子キーシステムにおいて、
前記車両に設けられる同車両の走行状況を検出する走行状況検出手段と、
前記電子キーに設けられて同電子キーの動きの態様を検出するキー側検出手段と、
前記電子キーに設けられて、前記車載機から車両の走行開始時に送信される車両が走行を開始する旨を示す走行開始信号に応じて、前記キー側検出手段の検出結果である前記電子キーの動きを示す運動情報信号を送信する制御を実行する制御装置と、を備え、
前記車載機は前記走行状況検出手段の検出結果と受信した前記運動情報信号とに基づき前記電子キーに車両の走行に伴う動きの有無を判断し、動きがあると判断した場合には通常走行を許可し、動きがないと判断した場合には車両の走行を規制する電子キーシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子キーシステムにおいて、
前記電子キーは前記キー側検出手段として前記電子キーの動きに伴い生じる加速度を検出するキー側加速度検出手段を備え、
前記車両は前記走行状況検出手段として車両の走行に伴う加速度を検出する車両側加速度検出手段を備える電子キーシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の電子キーシステムにおいて、
前記電子キーはさらに前記キー側検出手段として、自身の向く方位を検出するキー側方位検出手段を備え、
前記車両はさらに前記走行状況検出手段として、自車の向く方位を検出する車両側方位検出手段を備え、
前記制御装置は前記運動情報信号に前記キー側方位検出手段の検出結果に基づく前記電子キーの動きの方向を示す情報を付加し、
前記車載機は前記車両側加速度検出手段及び前記車両側方位検出手段の検出結果に基づき車両の動き及びその方向を判断するとともに、受信した前記運動情報信号に基づき前記電子キーの動き及びその方向を判断し、前記電子キーの動きが車両の走行方向に応じた方向への動きではないと判断した場合には、車両の走行を規制する電子キーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−25713(P2011−25713A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170198(P2009−170198)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】