説明

電子ユニット

【課題】 生産性を向上させつつ、電子装置の接続信頼性を向上させた電子ユニットを提供する。
【解決手段】 本発明の電子ユニット1は、基板10と、ハードディスクユニット20と、レール30と、基板10に配設される第1コネクタ11,および,ハードディスクユニット20に配設される第2コネクタ21からなる一対のコネクタと、基板10に形成される第1嵌合孔12,および,ハードディスクユニット20に形成される第2嵌合孔22に嵌合する位置規定部材40と、を備えている。
位置規定部材40は、第1嵌合孔12と嵌合することで、上記着脱方向と直交する方向に関して、位置規定部材40に対する基板10の相対的な移動を抑制すると共に、第2嵌合孔22と嵌合することで、上記着脱方向と直交する方向に関して、位置規定部材40に対するハードディスクユニット20の相対的な移動を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタの着脱により電子装置が着脱するように構成された電子ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載のナビゲーションシステムでは、記憶装置としてハードディスクを搭載するものが増加している。
車載ナビゲーションシステムの内部構造を図9に示す。車載ナビゲーションシステムの主要部であるナビゲーションシステム本体100は、ハードディスク101と、ハードディスク101と着脱可能な基板102と、を備えている。
【0003】
ハードディスク101には、図10に示すように、基板102と電気的に接続するコネクタ103が備えられている。このハードディスク101と、ホルダ104と、を組み付けることで、ハードディスクユニット105が形成される(図11(a)参照)。
【0004】
基板102は、上記コネクタ103と対になるコネクタ106を備えており、レール107と組み付けられる(図11(a)参照)。
ハードディスク101と基板102との接続は、ハードディスクユニット105をレール107に挿入し、コネクタ103とコネクタ106とを接続させることで実現する(図11(b)参照)。
【0005】
ナビゲーションシステムにて用いられるハードディスクは、基本的にはパソコン等にて用いられる規格品であり、コネクタの端子の位置は厳しく規定されていないため、上述した方法では、ハードディスクユニットを基板ユニットに挿入した際に、ハードディスクユニットおよび基板ユニットそれぞれに取り付けられたコネクタの端子の位置ズレが発生することがある。
【0006】
端子の位置ズレが大きい状態でコネクタを嵌合すると、端子が変形、破損し電気的接続が不可能になったり、嵌合後、位置ズレした端子の応力がコネクタを固定しているはんだ付け部に伝わり、クリープによるはんだクラックが発生し、接触不良となる虞がある。よって、上述した取り付け構造を有するナビゲーションシステムでは、ハードディスクユニットを基板ユニットに挿入した際にコネクタ同士がずれることなく嵌合することが望まれる。
【0007】
そこで、従来は、次のような組み付け方法が採用されていた。
まず、図12に示すように、組み付け冶具108にホルダ104をセットし、次にハードディスク101のコネクタ103の各端子が組み付け冶具108の櫛形形状部分109に合うようにセットする。この状態でハードディスク101とホルダ104とをねじ止めし、ハードディスクユニット105におけるホルダ104とコネクタ103との位置関係を正確に規定する。
【0008】
次に、図13に示すように、組み付け冶具110にレール107をセットし、次に基板102のコネクタ106が組み付け冶具110のコネクタ合わせ溝111に接触するように基板102をセットする。この状態で、レール107と基板102とをねじ止めし、レール107とコネクタ106との位置関係を正確に規定する。
【0009】
その後、ハードディスクユニット105を基板102のレール107に挿入して接続する。
このような方法を用いると、ホルダ104とコネクタ103との位置関係,および,レール107とコネクタ106との位置関係,が正しく規定されるため、ホルダ104をレール107に挿入したとき、コネクタ同士のずれを抑制することができる。
【0010】
しかしながら、上述した方法では、製造工程において冶具を使用する工程が2度必要であると共に、所定のインターバルで端子位置の精度を検査して工程能力を管理する必要があるため、生産性が悪いという問題があった。
【0011】
ところで、ハードディスクの取り付けに関して、ガイドフレームが形成されたホルダを用いる装置が提案されている。この装置では、ホルダをレールに挿入すると、ガイドフレームが基板に備えられたコネクタの側面と接触して、コネクタ同士の嵌合位置が揃う。そのため、コネクタ同士の位置ズレが抑制され、無理な嵌合によってコネクタの端子に大きな応力が掛かることを防止している(特許文献1参照)。この装置の製造工程においては、基板のコネクタとレールとの位置関係を規定する工程が不要であるため、ハードディスクのコネクタとホルダとの位置関係を規定するためにのみ冶具を使用すればよく、生産性が向上する。
【特許文献1】特開2007−35376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述した装置は、ガイドフレームがコネクタを介して基板と接続する構成である。そのため、ハードディスクユニットの取り付け時や、車両が振動した際など、ガイドフレームに何らかの力が加わると、コネクタに大きな負荷が掛かることになり、基板と基板側コネクタとの接続部分の破損が起こり易いという問題があった。
【0013】
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、生産性を向上させつつ、電子装置の接続信頼性を向上させた電子ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した問題を解決するためになされた請求項1に記載の電子ユニットは、基板と、電子装置と、一対のコネクタと、を備えている。
上記一対のコネクタは、基板に配設される第1コネクタ,および,電子装置に配設される第2コネクタからなり、第1コネクタおよび第2コネクタを着脱方向に相対的に移動させることで、第1コネクタおよび第2コネクタが着脱可能となり、この着脱により電子装置が着脱する。
【0015】
そして、この電子ユニットは、基板に備えられる第1接続部,および,電子装置に備えられる第2接続部に接続する位置規定部材を備えている。上記位置規定部材は、第1接続部と接続することで、着脱方向と直交する方向に関して、位置規定部材に対する基板の相対的な移動を抑制すると共に、第2接続部と接続することで、着脱方向と直交する方向に関して、位置規定部材に対する電子装置の相対的な移動を抑制する。
【0016】
このように構成された電子ユニットであれば、位置規定部材を取り付けることで、上記着脱方向と直交する方向に関する基板と電子装置との相対的な移動を抑制できるため、第1コネクタおよび第2コネクタを位置規定部材により定まる位置関係に保つことができる。よって、基板側の第1コネクタの位置を予め基板側のレールに対して精度よく取り付ける必要がなくなる結果、製造工程において冶具を用いて基板側の第1コネクタとレールとを取り付ける工程を除くことができ、電子ユニットの生産性を向上させることができる。
【0017】
また、位置規定部材が基板と電子装置とを接続するので、電子装置に対して上記着脱方向と直交する方向へ何らかの力が加わったとしても、その方向には位置規定部材を介して電子装置と基板との位置関係が固定されることとなるので、コネクタに大きな負荷が掛かることを抑制でき、電子装置の接続信頼性を向上させることができる。
【0018】
このように、上述した電子ユニットであれば、生産性を向上させつつ、電子装置の接続信頼性を向上させることができる。
上述した位置規定部材を基板および電子装置に接続する具体的な構成は特に限定されない。例えば、上述した位置規定部材を、基板および電子装置にねじなどを用いて接続する構成が考えられる。
【0019】
また、上記以外の構成として、請求項1の構成を、請求項2に記載の電子ユニットのように、第1接続部が、基板におけるコネクタの着脱方向と交差する面に形成された嵌合孔であり、第2接続部が、電子装置におけるコネクタの着脱方向と交差する面に形成された嵌合孔であり、位置規定部材が、第1接続部および第2接続部と嵌合することで、第1接続部および第2接続部との接続を実現する構成が考えられる。
【0020】
このように構成された電子ユニットであれば、コネクタの着脱方向に沿って位置規定部材を移動させ、第1接続部および第2接続部に嵌合させることで、基板および電子装置に対して位置規定部材を接続できるので、組み付けの作業を容易にすることができる。さらに、基板または電子装置に予め位置規定部材が取り付けておく構成とすれば、基板と電子装置との着脱の動作と嵌合の動作を同時に行うことができ、組み付けの作業がさらに簡便なものとなる。
【0021】
なお、位置規定部材は、請求項3に記載したように、上記着脱方向と直交する方向に関して、第1コネクタと第2コネクタとが着脱可能な位置関係で第1接続部および第2接続部を接続する構成としてもよい。
【0022】
このように構成された電子ユニットであれば、位置規定部材で基板と電子装置とを接続した状態で基板に電子装置を取り付けると、コネクタ同士が正しい位置で接続することとなる。よって、各コネクタ間の接続端子同士がずれた状態で接続した場合のように大きな応力が掛かることがなくなるため、コネクタの破損が抑制でき、接続の信頼性をさらに高めることができる。
【0023】
ところで、基板と電子装置との取り付け構造に関して、電子装置の着脱方向への移動を案内するためのレール部材が用いられることがある。上述した電子ユニットは、請求項4に記載したように、位置規定部材が、レール部材と基板とを固定するように構成してもよい。
【0024】
このように構成された電子ユニットであれば、レール部材を基板に取り付けるためのねじなどの部品を位置規定部材とは別に用意して取り付ける必要がなくなるため、部品削減と製造の工数削減とを実現できる。
【0025】
上述した電子ユニットにおける電子装置は、請求項5に記載したように、ハードディスクを備える装置であってもよい。
ハードディスクユニットは重量が大きいため、コネクタに掛かる負荷が大きくなりやすい。しかしながら、上述した電子ユニットであれば、重量の大きいハードディスクであっても、着脱可能に取り付けできると共に、コネクタへの負荷を大きくせず、電子装置の取り付け信頼性を向上させることができる。
【0026】
また、上記電子ユニットは、請求項6に記載したように、車両に搭載されて用いられるものであってもよい。
車両に搭載された装置は走行中に振動を受ける機会が多いが、上述した電子ユニットであれば、コネクタへの負荷を大きくせず、基板への取り付け信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(1)全体構成
本発明の電子ユニット1は、車両に搭載されて用いられるナビゲーションシステムの一部を構成するものであって、図1に示すように、基板10と、ハードディスクユニット20と、レール30と、基板10に配設される第1コネクタ11,および,ハードディスクユニット20に配設される第2コネクタ21からなる一対のコネクタと、位置規定部材40と、を備えている。
【0028】
上述した一対のコネクタは、第1コネクタ11および第2コネクタ21を着脱方向(図1における矢印A方向)に相対的に移動させることで、第1コネクタ11および第2コネクタ21が着脱可能となるものであって、第1コネクタ11と第2コネクタ21との着脱によりハードディスクユニット20が基板10に対して着脱する。
【0029】
基板10は、上記着脱方向と直交する方向に広がる板状の部材であって、図2(a)に示すように、一方の面に上述した第1コネクタ11が配設されると共に、図2(b)に示すように、他方の面にナビゲーションシステムの他の構成要素と接続するための外部接続コネクタ13が配設されている。また、基板10には、上記着脱方向と直交する方向に貫通する円形の第1嵌合孔12が2箇所に形成されている。
【0030】
ハードディスクユニット20は、ハードディスク23と、ハードディスク23を内部に収納するホルダ24と、からなる。
上述したホルダ24は、図3(a)に示すように、ホルダ24における上記着脱方向と直交する面25において、基板10に配設された第1コネクタ11がハードディスク23の第2コネクタ21と着脱可能とするための開口26と、上記着脱方向と直交する方向に貫通する2箇所の円形の第2嵌合孔22と、が形成されている。なお、ホルダ24を矢印B方向から見た図を図3(b)に示す。
【0031】
レール30は、ハードディスク23の上記着脱方向における移動の案内を行うものであって、図1に示すように、ハードディスクユニット20が上記着脱方向に挿入可能な形状に形成されている。また、基板10と接触する面に、レール30を基板10に固定するためのねじ穴31が形成されている。
【0032】
位置規定部材40は、図4に示すように、一方の端部にねじ頭41が形成された軸状部材であって、ねじ頭41の側から順に基板位置決め部42,ねじ部43,ホルダ位置決め部44が形成されており、他方の端部は先端が細くなる円錐形状となっている。
【0033】
上記ねじ頭41は、上記一方の端部において軸方向に十字溝が形成されており、ドライバなどを十字溝に差し込んで軸状部材の軸(図4におけるC)を回転軸として回転させると、位置規定部材40全体が上述した軸を回転軸として回転する。このねじ頭41は、第1嵌合孔12を通過しないように、軸と直交する方向に関して第1嵌合孔12より大きく形成されている。
【0034】
また、基板位置決め部42は、上述した軸を中心軸とする円柱形状であり、第1嵌合孔12に軽圧入で嵌合する直径にて形成されている。
また、ねじ部43は、ねじ山が形成されており、図1に示すように、レール30に形成されたねじ穴31に螺入してレール30と基板10とを固定する。このねじ山は、ねじ部43が第1嵌合孔12を通過できるように、軸と直交する方向の高さが調節されている。
【0035】
また、ホルダ位置決め部44は、上述した軸を中心軸とする円柱形状であり、第2嵌合孔22に軽圧入で嵌合する直径にて形成されている。このホルダ位置決め部44は、ホルダ位置決め部44がレール30のねじ穴31を通過する直径となるように調節されている。
【0036】
電子ユニット1が組み付けられた状態において、この位置規定部材40は、図1に示すように、位置規定部材40の軸が、板状部材である基板10,および,ホルダ24の面25と直交する位置関係となっており、基板位置決め部42およびホルダ位置決め部44が、それぞれ第1嵌合孔12および第2嵌合孔22と嵌合している。また、ねじ部43がねじ穴31に螺入し、レール30と基板10とを固定している。
【0037】
位置規定部材40は、第1嵌合孔12と嵌合することで、上記着脱方向と直交する方向に関して、位置規定部材40に対する基板10の相対的な移動を抑制すると共に、第2嵌合孔22と嵌合することで、上記着脱方向と直交する方向に関して、位置規定部材40に対するハードディスクユニット20の相対的な移動を抑制する。
(2)ハードディスクユニット20の組み付け
ハードディスクユニット20において、ハードディスク23とホルダ24とは、以下のように組み付けを行う。
【0038】
まず、組み付け冶具50にホルダ24をセットする。ここでは、図5に示すように、組み付け冶具50の突起部51に第2嵌合孔22を嵌め合わせる。次に、ハードディスク23を、第2コネクタ21の端子が組み付け冶具50の櫛形形状部分52に合うようにセットする。この状態におけるハードディスク23とホルダ24とを図5における矢印D方向から見た図を図6に示す。そして、ハードディスク23とホルダ24とを上述したようにセットした状態でねじ止めして固定する。
【0039】
この組み付け冶具50における突起部51と櫛形形状部分52との位置関係は、基板10の第1嵌合孔12に位置規定部材40が嵌合した状態における位置規定部材40と第1コネクタ11との位置関係と同様に規定されている。よって、上述した方法であれば、第1コネクタ11と第2コネクタ21とが着脱可能となるように第2コネクタ21と第2嵌合孔22との位置関係が規定された状態で、ハードディスク23とホルダ24との組み付けを行うことができる。
(3)電子ユニット1の組み付け
電子ユニット1の組み付けは、基板10の第1コネクタ11にハードディスクユニット20の第2コネクタ21を接続することで実現される。ハードディスクユニット20を基板10のレール30に合わせて挿入すると、第2嵌合孔22と位置規定部材40のホルダ位置決め部44が接近する。位置規定部材40の先端は円錐形状となっているため、第2嵌合孔22の中心と位置規定部材40の軸がずれていても、その位置規定部材40の先端は第2嵌合孔22に挿入される(図7(a)参照)。そして、挿入を継続すると、第2嵌合孔22を形成するホルダ24の端面が位置規定部材40の先端の側面と接触する。さらに挿入を継続すると、ホルダ24の端面が上記側面に沿ってスライドするため、ハードディスクユニット20が、第2嵌合孔22の中心と位置規定部材40の軸とが一致する位置関係となるまで移動する(図7(b)参照)。このように第2嵌合孔22と位置規定部材40とが2箇所で嵌合することで、基板10とハードディスクユニット20との上記着脱方向と直交する方向に関する位置が定められる。
【0040】
上述したように位置規定部材40と第1コネクタ11の位置関係,および,第2嵌合孔22と第2コネクタ21の位置関係が定まっていることから、位置規定部材40と第2嵌合孔22とが嵌合した状態でハードディスクユニット20をさらに挿入すると、第1コネクタ11と第2コネクタ21とが正常に接続される。
(4)効果
このように構成された電子ユニット1であれば、位置規定部材40を取り付けることにより、第1コネクタ11と第2コネクタ21とを着脱可能な正しい位置関係とした状態で、上記着脱方向と直交する方向に関する基板10とハードディスクユニット20との相対的な移動を抑制することができる。
【0041】
よって、基板10側の第1コネクタ11の位置を予め基板10側のレール30に対して精度よく取り付ける必要がなくなる結果、製造工程において冶具を用いて基板10側の第1コネクタ11とレール30とを取り付ける工程を除くことができる。
【0042】
また、位置規定部材40が基板10とハードディスクユニット20とを正しい位置関係で接続するので、コネクタの位置ズレによる応力によってコネクタが破損することを防止できる。さらに、ハードディスクユニット20に対して上記着脱方向と直交する方向へなんらかの力が加わったとしても、その方向には位置規定部材40を介してハードディスクユニット20と基板10とが固定されることとなるので、コネクタに大きな応力が掛かることがなくなり、コネクタの破損を抑制して接続の信頼性を高めることができる。
【0043】
また、上述した電子ユニット1であれば、第1コネクタ11と第2コネクタ21とを接続すると同時に、位置規定部材40と第2嵌合孔22との嵌合が実現できるので、組み付けの作業を容易にすることができる。
【0044】
また、上述した電子ユニット1であれば、レール30を基板10に取り付けるためのねじなどの部品を位置規定部材40とは別に準備して取り付ける必要がなくなるため、部品削減と製造の工数削減とを実現できる。
【0045】
また、上述した電子ユニット1であれば、走行による振動を受ける機会が多い車載の機器に用いられるものであったり、重量の大きいハードディスク23を備えるものであっても、充分に接続信頼性を保つことができる。
(5)変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0046】
例えば、上記実施形態においては、位置規定部材40をコネクタの着脱方向に沿って相対的に移動させることで基板10およびハードディスクユニット20に嵌合させて接続する構成を例示したが、位置規定部材40を取り付けることで基板10およびハードディスクユニット20の上記着脱方向と直交する方向に関する相対的な移動を抑制できれば、位置規定部材40を取り付ける具体的な構成は特に限定されない。例えば、位置規定部材は、基板10およびハードディスクユニット20それぞれに対するねじ止めにより接続する構成であってもよい。
【0047】
また、上記実施形態においては、第1嵌合孔12および第2嵌合孔22は円形の孔であって、位置規定部材40における円柱形状の基板位置決め部42およびホルダ位置決め部44と嵌合する構成を例示したが、嵌合する形状は円形に限定されない。例えば、位置規定部材が角柱であって、その角柱が嵌合する形状に第1嵌合孔および第2嵌合孔を形成する構成であってもよい。このような構成であれば、位置規定部材が嵌合孔にて回転する虞がなくなり、一つの位置規定部材にて上記着脱方向と直交する方向に対する基板10とハードディスクユニット20の相対的な移動を抑制できる。
【0048】
また、上記実施形態においては、位置規定部材40が予め取り付けられた基板10に対してハードディスクユニット20を挿入する構成を例示したが、位置規定部材40はハードディスクユニット20側に予め取り付けられている構成であってもよく、また、コネクタ同士を接続した後に取り付ける構成であってもよい。
【0049】
また、上記実施形態においては、ハードディスクユニット20を取り付けてなる電子ユニット1を例示したが、ハードディスク以外の装置を取り付ける構成であってもよい。
また、上記実施形態においては、第2嵌合孔22がホルダ24の2箇所に形成される構成について例示したが、1箇所のみに形成される構成であってもよい。その場合は、図8に示すように、2つの位置規定部材40が嵌合する孔のうち、一方が第2嵌合孔22であり、もう一方が二つの孔の並ぶ方向に長さを持つ長穴27とするとよい。このような構成であれば、基板10に取り付けられた2つの位置規定部材40の間隔と、ホルダ24に形成された2つの嵌合孔の間隔とに差がある場合であっても、容易に基板10とハードディスクユニット20を着脱することができる。
(6)本発明との対応関係
以上説明した実施形態において、ハードディスクユニット20が本発明における電子装置であり、第1嵌合孔12および第2嵌合孔22が、本発明における第1接続部および第2接続部である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の電子ユニットを示す側面図
【図2】基板を示す側面図
【図3】ホルダを示す側面図
【図4】位置規定部材を示す側面図
【図5】ハードディスクユニットの取り付け冶具を示す側面図
【図6】ハードディスクとホルダとの接続状態を示す側面図
【図7】位置規定部材と第2嵌合孔との嵌合時の動作を示す図
【図8】ホルダの変形例を示す図
【図9】ナビゲーションシステムの内部構造を示す斜視図
【図10】ハードディスクを示す側面図
【図11】基板とハードディスクとの接続前の状態を示す斜視図(a)と接続後の状態を示す斜視図(b)
【図12】ハードディスクユニットの取り付け冶具を示す側面図
【図13】レールの取り付け冶具を示す側面図
【符号の説明】
【0051】
1…電子ユニット、10…基板、11…第1コネクタ、12…第1嵌合孔、13…外部接続コネクタ、20…ハードディスクユニット、21…第2コネクタ、22…第2嵌合孔、23…ハードディスク、24…ホルダ、25…面、26…開口、27…長穴、30…レール、31…穴、40…位置規定部材、41…頭、42…基板位置決め部、43…ねじ部、44…ホルダ位置決め部、50…組み付け冶具、51…突起部、52…櫛形形状部分、100…ナビゲーションシステム本体、101…ハードディスク、102…基板、103…コネクタ、104…ホルダ、105…ハードディスクユニット、106…コネクタ、107…レール、108…組み付け冶具、109…櫛形形状部分、110…組み付け冶具、111…コネクタ合わせ溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
電子装置と、
前記基板に配設される第1コネクタ,および,前記電子装置に配設される第2コネクタからなり、前記第1コネクタおよび前記第2コネクタを着脱方向に相対的に移動させることで、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが着脱可能となる一対のコネクタと、を備え、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとの着脱により前記電子装置が基板から着脱するように構成された電子ユニットであって、
前記基板に備えられる第1接続部,および,前記電子装置に備えられる第2接続部に接続する位置規定部材を備え、
前記位置規定部材は、前記第1接続部と接続することで、前記着脱方向と直交する方向に関して、前記位置規定部材に対する前記基板の相対的な移動を抑制すると共に、前記第2接続部と接続することで、前記着脱方向と直交する方向に関して、前記位置規定部材に対する前記電子装置の相対的な移動を抑制する
ことを特徴とする電子ユニット。
【請求項2】
前記第1接続部は、前記基板における前記着脱方向と交差する面に形成された嵌合孔であり、
前記第2接続部は、前記電子装置における前記着脱方向と交差する面に形成された嵌合孔であり、
前記位置規定部材は、前記第1接続部および前記第2接続部と嵌合することで、前記第1接続部および前記第2接続部との接続を実現する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子ユニット。
【請求項3】
前記位置規定部材は、前記着脱方向と直交する方向に関して、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが着脱可能な位置関係で前記第1接続部および前記第2接続部を接続する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子ユニット。
【請求項4】
前記電子ユニットは、前記電子装置の前記着脱方向への移動の案内を行うレール部材を備え、
前記位置規定部材は、前記レール部材と前記基板とを固定する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子ユニット。
【請求項5】
前記電子装置は、ハードディスクドライブを備える装置である
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子ユニット。
【請求項6】
前記電子ユニットは、車両に搭載されて用いられるものである
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の電子ユニット。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図1】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−64664(P2009−64664A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−231465(P2007−231465)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】