電子乗車券及び自動改札機
【課題】電子乗車券を利用して利用者に有用な情報を提供できるようにすることである。
【解決手段】電子ペーパー付き乗車券11のCPU23は、改札を通過するときに、発車駅の駅名、改札時刻をメモリ24に記録する。また、CPU23は、降車駅の改札時に、降車駅を発駅とし、出発駅を行き先とする時刻表情報を自動改札機から取得し、取得した時刻表情報を表示部13に表示する。
【解決手段】電子ペーパー付き乗車券11のCPU23は、改札を通過するときに、発車駅の駅名、改札時刻をメモリ24に記録する。また、CPU23は、降車駅の改札時に、降車駅を発駅とし、出発駅を行き先とする時刻表情報を自動改札機から取得し、取得した時刻表情報を表示部13に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子乗車券と電子乗車券の改札を行う自動改札機に関する。
【背景技術】
【0002】
ICチップを搭載したICカードや携帯電話機に乗車券の機能を持たせることが実現されている。また、携帯端末に駅周辺の情報、地図情報、広告情報を表示させることも考えられている。
【0003】
特許文献1には、携帯電話機を使用して駅の自動改札機を入退場するときに、インターネット網を介してコンテンツ情報を携帯電話機に配信することが記載されている。
特許文献2には、出札装置、改札装置に時刻表のデータベースを有し、乗車券の出札、あるいは改札時に複数の列車の発車時刻、到着時刻等のデータを乗車券に印刷することが記載されている。
【特許文献1】特開2005−242686号公報
【特許文献2】特開2003−178335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電車を利用するときには、復路の電車の時刻を知るために時刻表をメモしたり、時刻表を持参したりすることが行われている。
特許文献2の発明は、乗車券に発車時刻、到着時刻等を印刷するものであるが、紙の乗車券に印刷できる情報量は限られており、多数の乗車時刻情報を印刷することは難しい。また、特許文献1の発明には、インターネットを介してコンテンツを携帯電話機にダウンロードすることは記載されているが、利用者が手軽に時刻表を確認できるようにすることは記載されていない。
【0005】
また、目的の駅に予定時刻に到着する乗車ルートをインターネットを利用して調べることはできる。しかしながら、外出したときにルート検索結果を確認できるようにするためには、そのルート検索結果を記憶させた携帯端末を利用者が携帯するか、ルート検索結果を印刷して保持する必要があった。
【0006】
本発明の課題は、電子乗車券を利用して利用者に有用な情報を提供できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電子乗車券は、券面の一部または全体を表示領域とする表示部と、少なくとも出発駅に関する情報を記憶する記憶手段と、降車駅での改札時に、降車駅を発駅とし出発駅を行き先とする時刻表情報を取得して前記表示部に表示させる制御手段とを備える。
【0008】
この発明によれば、時刻表をメモしたり、時刻表を持参したりする必要がなくなるので利用者にとって非常に便利である。
上記の発明の電子乗車券において、前記制御手段は、降車駅の改札時に、前記表示部の表示情報の書き換えを禁止する表示保持プロテクト情報を有効に設定する。
【0009】
このように構成することで、電子乗車券の券面に表示される表示情報が書き換えられるのを防止できる。
上記の発明の電子乗車券において、前記表示部は、電源オフ時に表示状態を自己保持する電子ペーパーからなる。
【0010】
このように構成することで電源オフ時にも表示状態が保持される。
上記の発明の電子乗車券において、前記制御手段は、出発駅の駅名、出発時刻、降車駅の駅名及び降車時刻からなるルート検索結果を取得し、取得した前記ルート検索結果を前記表示部に表示させる。
【0011】
このように構成することで、例えば、利用者が検索した出発時刻、降車時刻等が電子乗車券の券面に表示されるので出発時刻、到着時刻を簡単に確認することができる。
上記の発明の電子乗車券において、前記制御手段は、出発駅の自動改札機を通過するときに、改札時刻が前記ルート検索結果の発車時刻を過ぎているか否かを判定し、前記発車時刻を過ぎているときには、前記自動改札機に出発駅から降車駅までのルート検索を行わせ、新たなルート検索結果を前記自動改札機から取得し、取得したルート検索結果を前記表示部に表示させる。
【0012】
このように構成することで、改札を通過するときに、改札時刻が発車時刻を過ぎているときには、新たなルート検索が行われ、そのルート検索結果が電子乗車券に表示されるので、利用者は常に適正なルート検索結果を見ることができる。
【0013】
上記の発明の電子乗車券において、前記制御手段は、有効期限付広告情報を取得し、前記有効期限付広告情報を前記表示部に表示させると共に、前記有効期限付広告情報の書き換えを禁止する表示保持プロテクト情報を有効に設定し、情報端末または駅の自動改札機と無線通信する際に、前記有効期限付広告情報の有効期限を過ぎているか否かを判定し、有効期限を過ぎているときには、前記有効期限付広告情報の前記表示保持プロテクト情報を無効にする。
【0014】
このように構成することで、有効期限を過ぎた表示情報を有効期限内の広告情報、あるいは他の情報に書き換えて電子乗車券の券面に表示させることができる。
本発明の自動改札機は、降車駅での改札時に、降車駅を出発駅とし、乗車時の出発駅を行き先とする時刻表情報をサーバから検索する検索手段と、前記時刻表情報を前記電子乗車券へ無線通信を行う無線通信手段とを備える。
【0015】
この発明によれば、電子乗車券の券面の表示部に復路の時刻表を表示させることができるので、時刻表をメモしたり、時刻表を持参したりする必要がなくなり利用者の利便性が向上する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、利用者は乗車駅及び降車駅で自動改札機を通過するという、従来通りの動作で、電子乗車券に復路の時刻情報が表示されるため、時刻表をメモしておかなくとも電子乗車券の券面に表示される時刻表を見るだけで復路の発車時刻を確認できる。また、復路の時刻表が確認できるため、帰路に利用する電車を予定することが出来るので時間を有効に活用することが出来る。さらに、乗車予定の出発時刻が分かるため、出発間際の駆け込み乗車などを減らすことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、実施の形態の電子ペーパー付き乗車券(電子乗車券)11の外観図である。
電子ペーパー付き乗車券11は、乗車情報(例えば、定期券の乗車区間と有効期限)が印刷または表示される領域12を有する。さらに、コレステリック液晶からなる電子ペーパーで構成される表示部13とを有す、領域12を表示領域とする場合には、この表示部13の一部を利用する。コレステリック液晶は、電源オフの状態でも表示状態を保持するメモリ性液晶表示素子である。表示部13は、液晶タイプの表示素子に限らず、有機EL、電気泳動方式、電磁粉流体等の電子ペーパーで構成しても良い。また、乗車券、定期券しては、ICカード型で改札機では無線を利用して、電気的に非接触で必要のデータの授受できるタイプのいわゆる非接触型ICカードを利用したものが一般的である。
【0018】
図2は、電子ペーパー付き乗車券11の内部回路を示す図である。電子ペーパー付き乗車券11は、アンテナ21と、無線によるデータの送受信を制御する無線コントローラ22と、CPU23と、メモリ24と、ディスプレイコントローラ25と、液晶ドライバ26と、電子ペーパーからなる表示部13と、整流回路27と、スイッチ28とからなる。このカードは、複数のアプリケーションを搭載し、定期券、料金の清算を行うアプリ、電子ペーパーを制御するアプリ等複数のアプリが動作可能に構成されている。そのためにカード内には、マルチアプリケーションOS(オペレーティングシステム)が搭載され、各アプリと協業して動作する。
【0019】
図3に示す自動改札機31の無線リーダ・ライタ32より発信される無線を、アンテナ21が受信し、電磁誘導により発生する電力を電子ペーパー付き乗車券11の整流回路27へ供給する。
【0020】
整流回路27は、電力が供給されると、直流の電源電圧を生成し、その電源電圧をCPU23を含んだ回路各部とスイッチ28に供給する。スイッチ28は、CPU23からの指示に従ってオン、オフするスイッチであり、オン状態のときには電源電圧を液晶ドライバ26と表示部13に供給し、表示部13に書き換えが必要ない時はオフ状態とし供給を停止する。
【0021】
無線コントローラ22は自動改札機31から無線通信により送信される駅名、改札日時、曜日等の入場データを受信する。出発駅の改札入場時、CPU23は無線コントローラ22で受信された出発駅の駅名、改札日時、曜日等の入場データをメモリ24に書き込む。また、降車駅の改札退場時、CPU23は降車駅の自動改札機31から、降車駅を発駅とし出発駅を行き先とする時刻表情報を取得し、メモリ24に書き込む。さらに、その時刻表情報をディスプレイコントローラ25に出力して表示部13に表示させる。さらに、CPU23は乗車料金清算に関わるアプリを動作させ、改札退場時の乗車料金の清算も行う。すなわち、メモリ24に記憶されている入場データにより出発駅を認識し、また降車駅の自動改札機31からの情報に基づいて、入場、退場駅が定期の区間内であれが入場、退場の管理を行い退場可能として、定期の区間を越えて乗車されたのであれば、予めカード内に保有している現金情報から乗車料金の清算を行い、予めカード内に保有してい場合には清算が必要として、自動改札機31の表示部にメッセージを表示するよう自動改札機31との間でデータの授受を行う。
【0022】
メモリ24は、電源がオフ状態でもデータが保持されるフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成されている。このメモリ24には、電子ペーパー付き乗車券11が定期券型の乗車券の場合には、定期券に関する情報として、乗車区間と有効期間、氏名、年齢、性別等の乗車情報が記録される。また、現金をプリチャージする乗車券の場合には、プリチャージされた金額、入場駅、退場駅等の情報が記録されている。
【0023】
図3は、駅の自動改札機31を示す図である。自動改札機31は、電子ペーパー付き乗車券11に記録されている情報を無線通信により読み取ると共に、駅名、改札時刻、時刻表情報等を電子ペーパー付き乗車券11に無線送信するための無線リーダ・ライタ32と、時刻表情報の検索、ルート検索等を実行する制御部(図示せず)等を有する。無線リーダ・ライタ32は、電子ペーパー付き乗車券11との間で無線通信を行う無線通信回路を有する。
【0024】
利用者は、自動改札機31の乗車券等挿入口33に電子ペーパー付き乗車券11を挿入し、あるいは、無線リーダ・ライタ32に電子ペーパー付き乗車券11を近接させて、ICカードに記録されている乗車区間等の乗車情報を自動改札機31に読み取らせ、駅への入場を可能とし、乗車券等排出口34より電子ペーパー付き乗車券11を受け取る。あるいは本体上部の無線リーダ・ライタ32に接触もしくは近接させ、電子ペーパー付き乗車券11に記録されている乗車情報等を読み取らせ、自動改札口31を通過して駅に入場する。自動改札機31の制御部は、無線リーダ・ライタ32により電子ペーパー付き乗車券11のメモリ24に記録されている乗車情報等(乗車区間、有効期限等の情報)を読み取り入場の可否を判定する。
【0025】
図4は、本発明の第1の実施の形態における電子ペーパー付き乗車券11の処理を示すフローチャートである。以下の処理は、電子ペーパー付き乗車券11のCPU23により実行される。なお、図4のフローチャートには、自動改札機31が実行する処理も含めて示してある。
【0026】
利用者が電子ペーパー付き乗車券11を往路の出発駅の自動改札機31a(以下、往路の出発駅の自動改札機31を自動改札機31aと呼ぶ)の乗車券等挿入口33に挿入、あるいは無線リーダ・ライタ32に接触または近接させると、自動改札機31aは無線電波を発信する。そして、電子ペーパー付き乗車券11は自動改札機31aの無線リーダ・ライタ32より発信される無線電波をアンテナ21により受信し、起電力を発生させ、整流回路21へ電力の供給を開始する(図4、S11)。
【0027】
CPU23は、自動改札機31aから無線送信される、駅名、改札日時、曜日、のデータを受信し、それらのデータをメモリ24に記録する(S12)。
目的の降車駅に到着して利用者が電子ペーパー付き乗車券11を往路の降車駅の自動改札装置31b(以下、往路の降車駅の自動改札機31を自動改札機31bと呼ぶ)の乗車券等挿入口33に挿入、あるいは無線リーダ・ライタ32に接触または近接させると、降車駅の自動改札機31bは無線電波を発信する。そして、電子ペーパー付き乗車券11は自動改札機31bの無線リーダ・ライタ32より発信される無線電波をアンテナ21により受信し、起電力を発生させ、整流回路21へ電力の供給を開始する(S13)。
【0028】
電子ペーパー付き乗車券11は、自動改札機31bから無線送信される降車駅の駅名、曜日、改札時刻のデータを受信し、それらのデータをメモリ24に記録する(S14)。
次に、自動改札機31の入退場時にメモリ24に記録された出発駅の駅名と降車駅の駅名を参照し(S15)、降車駅を出発駅、出発駅を降車駅として復路の乗車、降車駅の順路を決定する(S16)。
【0029】
さらに、自動改札機31の入退場時にメモリ24に記録された降車駅の退場時の曜日を参照して(S17)、退場時に記録された曜日データが平日であれば平日用の時刻表、休日であれば休日用の時刻表、決定する(S18)。
【0030】
さらに、自動改札機31の入退場時にメモリ24に記録された降車駅の改札時刻を参照し(S19)、改札時刻、つまり現在時刻から当日終電までの時刻を決定する(S20)。
【0031】
次に、出発駅、降車駅、電車の上下、平日/休日の区別、現在時刻から終電までの時刻を指定して、自動改札機31bに対して指定した条件に合致する時刻表情報の送信を要求する(S21)。自動改札機31bは送信要求を受信すると、目的とする降車駅、平日または休日のダイヤ、該当する時間帯の時刻表情報に基づき、図示しない各駅の時刻表、また、特別な時刻表(年末年始、工事による変更された時刻表)等を格納したファイルを有するサーバにより検索した復路の時刻表情報を電子ペーパー付き乗車券11に無線送信する。
【0032】
電子ペーパー付き乗車券11は、自動改札機31bから無線送信される復路の時刻表情報の受信が完了すると(S22)、復路の時刻表情報をメモリ24に記録し、CPU23は表示部(電子ペーパー)13に表示するための画像処理を行い、表示部(電子ペーパー)13に液晶ドライバ26を介して表示する(S23)。さらに、表示した時刻表情報の書き換えを禁止するために表示保持プロテクトをオン(有効)に設定する(S24)。
【0033】
表示保持プロテクトは、例えば、表示部13に表示されている時刻表情報と関連づけてメモリ24の所定アドレスにオンを示す情報を記憶されており、該当する表示保持プロテクト情報がオンに設定されているときには、表示情報の書き換えが行われないようにCPU23がこのメモリ24のアドレスを読取、制御している。
【0034】
次に、利用者が復路の出発駅(往路の降車駅)の自動改札機31bに電子ペーパー付き乗車券11を挿入、あるいは無線リーダ・ライタ32に接触または近接させると、復路の出発駅の自動改札機31bは無線電波を発信する。そして、電子ペーパー付き乗車券11は自動改札機31bの無線リーダ・ライタ32より発信される無線電波をアンテナ21により受信し、起電力を発生させ、整流回路21へ電力の供給を開始する(S25)。
【0035】
電子ペーパー付き乗車券11は、自動改札機31bから無線送信される、駅名、改札日時、曜日、のデータをメモリ24に記録する(S26)。利用者が復路の出発駅に入場した時点で復路の時刻表を表示する必要がなくなるので、時刻表の表示保持プロテクト情報を解除(無効に)する(S27)。自動改札機31bを通過する際に、一般的に手法を利用して乗車料金の清算を行う。
【0036】
上記の処理により、往路の降車駅の改札を出るときに、往路の降車駅を出発駅とした、時刻表が電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示される。同時に、表示されている時刻表情報に対する表示保持プロテクト情報がオンに設定され、時刻表情報の書き換えが禁止される。そして、利用者が再び往路の降車駅の改札を入場した時点で、復路の時刻表情報の表示保持プロテクト情報が解除されて電子ペーパー付き乗車券11の表示情報の書き換えが可能となる。
【0037】
利用者が復路の行き先に到着し、復路の降車駅(往路の出発駅)の自動改札機31aに電子ペーパー付き乗車券11を挿入、あるいは無線リーダ・ライタ32に接触または近接させると、降車駅の自動改札機31aは無線電波を発信する。そして、電子ペーパー付き乗車券11は自動改札機31bの無線リーダ・ライタ32より発信される無線電波をアンテナ21により受信し、起電力を発生させ、整流回路21へ電力の供給を開始する(S28)。
【0038】
電子ペーパー付き乗車券11は、自動改札機31aから無線送信される降車駅の駅名、改札日時、曜日のデータを受信し、それらのデータをメモリ24に記録する(S29)。
電子ペーパー付き乗車券11は、メモリ24に記録されている出発駅の駅名と、降車駅の駅名を参照する(S30)。さらに、改札時の曜日を参照し(S31)、改札時刻を参照する(S32)。その後、ステップS33において、ステップS16、S18、S20、S21〜S23と同じ処理を実行する。すなわち、復路の出発駅方面を行き先とし、曜日により特定されるダイヤで、かつ現在時刻から終電までの時間帯の時刻表情報を表示部13に表示する。なお、現在時刻が所定の時刻以降の場合には、時刻表の取得範囲を、現在時刻から当日終電までの時間帯ではなく、現在時刻から翌日終電までの時間帯に変更しても構わない。また、終電までの時間帯ではなく、現在時刻を始点として所定時間分の時間帯に変更しても構わない。
【0039】
図5は、表示保持プロテクト情報の設定・解除のタイミングの説明図である。
往路の出発駅の自動改札機31aに電子ペーパー付き乗車券11を挿入、あるいは接触または近接させると、出発駅の駅名、改札時刻等が電子ペーパー付き乗車券11のメモリ24に記録され、同時に表示保持プロテクト情報が解除(無効に)される。
【0040】
利用者が往路の降車駅に到着し、降車駅の自動改札機31bを通過すると、降車駅の駅名、曜日、改札時刻等が電子ペーパー付き乗車券11のメモリ24に書き込まれる。さらに、降車駅を出発駅とし、往路の出発駅を行き先とする時刻表情報が電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示され、同時に表示保持プロテクト情報がオンに設定される。これにより時刻表情報の表示が書き換えられるのを防止できる。
【0041】
図6は、降車駅の改札を通過した時点の電子ペーパー付き乗車券11の表示状態を示している。目的地の降車駅の自動改札機31bを通過すると、図6に示すように、表示部13に降車駅を出発駅とした出発駅方面の現在時刻から終電までの時刻表が表示され、表示部13の一部である下部分の表示領域12に定期券の情報である定期の乗車区間と有効期限を示す乗車情報が表示される。
【0042】
図5に戻り、復路の出発駅(往路の降車駅)の自動改札機31bから入場すると、駅名、曜日、改札時刻等が電子ペーパー付き乗車券11のメモリ24に書き込まれ、表示保持プロテクト情報が解除される。
【0043】
利用者が復路の目的地である降車駅に到着し、降車駅の自動改札機31aを通過すると、降車駅の駅名、曜日、改札時刻が電子ペーパー付き乗車券11のメモリ24に書き込まれる。さらに、降車駅を出発駅とし、往路の出発駅を行き先とする時刻表情報が電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示され、同時に時刻表情報の表示保持プロテクト情報がオンに設定される。また、降車駅が通常の乗降駅であり、すなわち、自宅の最寄りの駅であり、特に時刻表が必要ない場合には、電子ペーパー付き乗車券11の表示部13には定期券の情報である定期の区間、有効期限、氏名、性別を表示し、表示保持プロテクトを解除するようにしてもよい。
【0044】
上述した第1の実施の形態によれば、目的の降車駅の自動改札機31bを通過した時点で、電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に往路の降車駅を発駅とした往路の出発駅方面を行き先とする時刻表が表示されるので、利用者は復路の電車の発車時刻を簡単に入手することができる。さらに、降車駅の自動改札機31bを通過したときに、表示保持プロテクト情報がオンに設定されるので、電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示される時刻表情報が書き換えられるのを防止できる。
【0045】
上述した第1の実施の形態では、時刻表の行き先を決定する処理、上下方向(移動方向)、平日/休日時刻表を決定する処理、表示保持プロテクト情報の設定及び解除する処理等を、電子ペーパー付き乗車券11のCPU23が実行する場合について説明したが、CPU23ではなく、自動改札機31bがこの処理を実行する形態も考えられる。その場合には、到着した目的の降車駅の自動改札機31bが電子ペーパー付き乗車券11から乗車駅の駅名、日時、曜日のデータを受信し、これに基づいて降車駅を出発駅、出発駅を降車駅として復路の乗車、降車駅の順路を決定する。すなわち、自動改札機bの退場時が平日であれば平日用の時刻表、休日であれば休日用の時刻表、およびその駅での上下線方向を決定しする。さらに、現在時刻から終電までの時刻を図示しない各駅の時刻表、また、特別な時刻表(年末年始、工事による変更された時刻表)等を格納したファイルを有するサーバにより決定する。そして、該検索した復路の時刻表情報を電子ペーパー付き乗車券11に無線送信する。そして自動改札機31からの指示に従って電子ペーパー付き乗車券11のCPU23がメモリ24へのデータの書き込みを行っても良い。この場合、電子ペーパー付き乗車券11のCPU23の処理負担が軽減される。
【0046】
次に、図7は、第2の実施の形態の電子ペーパー付き乗車券11の処理を示すフローチャートである。以下の処理は、電子ペーパー付き乗車券11のCPU23により実行される。なお、図7のフローチャートには、自動改札機31が実行する処理も併せて示してある。
【0047】
この第2の実施の形態は、図8(A)に示すパーソナルコンピュータ41や、図8(B)に示す駅構内に設置される検索端末42を使用して利用者が乗車ルートを検索し、そのルート検索結果を無線のリーダ/ライタ43等で電子ペーパー付き乗車券11にダウンロードして表示させる場合の例である。
【0048】
電子ペーパー付き乗車券11は、パーソナルコンピュータ41や検索端末42から、ルート検索結果をダウンロードすると、出発駅、経由駅、目的地、出発時刻、経由時刻、目的時刻をメモリ24に記録する(図7、S41)。さらに、ダウンロードしたルート検索結果をメモリ24に記録し、表示部13に表示する。そして、表示情報が書き換えられるのを防止するために表示保持プロテクト情報をオンに設定する(S42)。
【0049】
利用者が電子ペーパー付き乗車券11を出発駅の自動改札機31aに挿入、あるいは無線リーダ・ライタ32に接触または近接させると、自動改札機31aは無線電波を発信する。そして、電子ペーパー付き乗車券11は自動改札機31aの無線リーダ・ライタ32より発信される無線電波をアンテナ21により受信し、起電力を発生させ、整流回路21へ電力の供給を開始する(図7、S43)。
【0050】
電子ペーパー付き乗車券11に電力が供給されると、内部のCPU23が、出発駅の駅名、曜日、改札時刻のデータを受信し、受信したデータをメモリ24に記録する(S44)。
【0051】
次に、メモリ24に記録されているルート検索結果の出発駅、出発時刻Aと、改札駅の自動改札機31aから受信した駅名、改札時刻Bを参照する(S45)。
次に、改札時刻Bがルート検索結果の出発時刻Aより前か、後かを判定する(S46)。改札時刻Bがルート検索結果の出発時刻Aより前のときには(S46、YES)、ルート検索結果の出発時刻、経由時刻、到着時刻を修正する必要がないので、ステップS47に進み、表示保持プロテクト情報をオンのままにする。
【0052】
他方、改札時刻Bが出発時刻Aを過ぎている場合には(S46、NO)、ステップS48に進み、自動改札機31aに対してルート検索を依頼する。そして、自動改札機31aから現在時刻を基準としたルート検索結果のデータをダウンロードし、メモリ24に記録する(S49)。自動改札機31aからダウンロードし、メモリ24に記録したルート検索結果を表示するために、表示保持プロテクト情報を一時解除し(S50)、ルート検索結果を表示部13に表示させる(S51)。そして、その表示情報に対する表示保持プロテクト情報をオンに設定する(S52)。
【0053】
乗換駅で改札を通過する場合には(S53、YES)、ステップS43に戻り、上述した処理を実行する。すなわち、ステップS44において、乗換駅の駅名、改札時刻をメモリ24に記録し、ステップS46において、乗り換え時刻がルート検索結果の経由駅時刻より前か、後かを判定する。乗換駅の改札時刻がルート検索結果の経由駅時刻を過ぎているときには、ステップS49において、自動改札機31aから新たなルート検索結果をダウンロードする。ステップS50〜S52の処理は出発駅と同じ処理を行う。
【0054】
乗換駅が無く、降車駅の自動改札機31bが電子ペーパー付き乗車券11の挿入、あるいは無線リーダ・ライタ32に接触または近接させると、電子ペーパー付き乗車券11に対して電力の供給を開始する(S54)。
【0055】
電子ペーパー付き乗車券11は、降車駅の自動改札機31bから無線送信される出発駅の駅名、曜日、改札時刻のデータを受信し、受信したデータをメモリ24に記録する(S55)。降車駅の自動改札機31bを出た時点で、乗車ルートに関する情報は不要となるので、ルート検索結果に対する表示保持プロテクト情報を解除する(S56)。
【0056】
図9は、第2の実施の形態の電子ペーパー付き乗車券11の表示状態を示す図である。出発駅の自動改札機31aを通過した時点で、電子ペーパー付き乗車券11のメモリ24に記録されているルート検索結果、あるいは自動改札機31aにおける再検索結果が電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示され、同時に表示保持プロテクト情報がオンに設定される。
【0057】
図9の電子ペーパー付き乗車券11の表示例は、出発駅が「矢野口」で、目的地が「東京」の場合の出発時刻「12時01分」と、乗換駅「川崎」の乗換駅時刻「12時42分」と、降車予定駅である「東京」の到着時刻「13時12分」と路線名が表示された場合の例である。
【0058】
上述した第2の実施の形態によれば、パーソナルコンピュータ41や駅の検索端末42で検索したルート検索結果の情報が、電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示されるので、利用者は、出発時刻、乗換駅、路線名、乗換時刻、到着時刻等を手軽に確認することができる。また、出発駅または乗換駅の改札時刻が、ルート検索結果の出発時刻、乗換時刻を過ぎている場合には、自動改札機31により再度ルート検索が行われ、最新のルート検索結果が自動的に電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示される。これにより利用者はいつでも最適な出発時刻、乗換時刻、到着時刻を電子ペーパー付き乗車券11の表示から確認できる。
【0059】
なお、上述した第1の実施の形態と第2の実施の形態を組み合わせも良い。例えば、乗車前と乗車中は、電子ペーパー付き乗車券11の表示部13にルート検索結果を表示し、同時にその表示情報に対する表示保持プロテクト情報をオンにする。そして、降車駅の自動改札機31bを通過した時点で表示保持プロテクト情報を解除し、降車駅を発駅とし、往路の出発駅方面を行き先とする時刻表情報を電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示する。さらに、時刻表情報の表示を保護するために表示保持プロテクト情報をオンに設定する。
【0060】
このように構成することで、乗車前及び乗車区間では、出発時刻、経由駅時刻(乗換時刻)、到着時刻、乗換駅等が電子ペーパー付き乗車券11に表示されるので、利用者は発車時刻に遅れないように乗車することができる。また、降車駅の改札を通過した時点で、復路の時刻表情報が電子ペーパー付き乗車券11に表示されるので、利用者は、電子ペーパー付き乗車券11に表示される時刻表を見て電車の復路の発車時刻を調べることができる。
【0061】
次に、図10は、本発明の第3の実施の形態の電子ペーパー付き乗車券11の処理を示すフローチャートである。この第3の実施の形態は、電子ペーパー付き乗車券11に有効期限付き広告コンテンツを表示させる場合の例である。
【0062】
図11は、駅構内に設置された情報端末51を示す図であり、図12は、電車のつり革に取り付けられた無線リーダ・ライタ52を示す図である。駅の情報端末51やつり革の無線リーダ・ライタ52を利用して有効期限付き広告コンテンツや地図情報等を電子ペーパー付き乗車券11にダウンロードすることができる。
【0063】
利用者は、コンビニエンスストアや駅の情報端末51に電子ペーパー付き乗車券11を挿入、接触あるいは近接させて有効期限付広告コンテンツを取得する(S61)。このとき取得された有効期限付広告コンテンツ、例えば、クーポンは、電子ペーパー付き乗車券11のメモリ24に記録されて表示部13に表示される。同時に、電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示される広告コンテンツが書き換えられるのを防止するために、表示情報に対する表示保持プロテクト情報をオンに設定する(S62)。
【0064】
次に、駅の自動改札機31(または情報端末51)が、電子ペーパー付き乗車券11が挿入、接触あるいは近接されたことを検出すると、電子ペーパー付き乗車券11に対して電力の供給を開始する(S63)。電子ペーパー付き乗車券11は、自動改札機31から駅名、曜日、改札時刻のデータが無線送信されると、それらのデータをメモリ24に記録する(S64)。
【0065】
次に、電子ペーパー付き乗車券11のCPU23は、無線送信された改札時刻が表示部13に表示されているクーポンの有効期限を過ぎているか否かを、自動改札機31より受信した改札時刻と比較し、判定する(S65)。
【0066】
改札時刻がクーポンの有効期限を過ぎていない場合には(S65、NO)、ステップS66に進み、表示保持プロテクト情報をオンのままにする。
改札時刻がクーポンの有効期限を過ぎている場合には(S65、YES)、ステップS67に進み、表示保持プロテクト情報を解除する。ステップS66またはS67の次には、新たな広告クーポン情報をダウンロードする(S68)。
【0067】
クーポンの有効期限を過ぎていない場合には、表示保持プロテクト情報はオンの状態が維持されているので、ステップS68で新しいクーポン情報がダウンロードされた場合には、ダウンロードされたクーポン情報はメモリ24の所定の領域に記録される(S69)。
【0068】
他方、改札時刻がクーポンの有効期限を過ぎている場合には、ステップS70において、新たにダウンロードしたクーポン情報を電子ペーパー付き乗車券11に表示し、ステップS71において、表示したクーポン情報を保護するために表示保持プロテクト情報をオンに設定する。
【0069】
利用者がクーポン発行元で電子ペーパー付き乗車券11に記録したクーポンの割引サービルを受けるときには(S72)、クーポン発行元の決済端末等が電子ペーパー付き乗車券11の挿入、接触あるいは近接を検出して(S73)、クーポンの割引を適用して決済を行う(S74)。このときクーポンが使用済みとなるのでクーポンの表示保持プロテクトを解除する(S75)。
【0070】
次に、次のクーポン情報がメモリ24に記録されているか否かを判定する(S76)。クーポン情報がメモリ24に記録されている場合には(S76、YES)、ステップS77に進み、次のクーポン情報を電子ペーパー付き乗車券11に表示させ、ステップS62に戻る。
【0071】
他方、次のクーポン情報がメモリ24に記録されていない場合には(S76、NO)、ステップS78に進み、電子ペーパー付き乗車券11の表示は書き換えずに、ステップS61に戻る。
【0072】
図13は、電子ペーパー付き乗車券11の表示状態を示す図である。図13に示す電子ペーパー付き乗車券61は、券面全体がコレステリック液晶等の電子ペーパーで構成されており、通常は、券面全体に定期券の乗車情報である乗車区間と有効期間等が表示され、情報端末等から地図、クーポン等のコンテンツをダウンロードすると、券面の一部に乗車情報が表示され、他の領域にダウロードしたコンテンツが表示される。
【0073】
図13を参照して電子ペーパー付き乗車券61に表示される情報とその書き換えタイミングについて説明する。
非乗車区間の店舗内の端末62の無線リーダ・ライタ62aに電子ペーパー付き乗車券61を近づけてコンテンツ、例えば、地図のダウンロードを行うと、券面の表示が書き換えられる。そして、券面の一部に定期券の情報が表示され、他の領域に利用者がダウンロードした地図が表示される。
【0074】
また、駅の自動改札機31の無線リーダ・ライタ63に電子ペーパー付き乗車券61を接触させると、それまで券面の一部の領域に表示されていた地図情報が、定期券の情報に書き換えられる。駅の自動改札機31は、通信ネットワーク64を介してサーバ65と接続されており、サーバ65に保存されている時刻表情報、乗車ルートの情報をダウンロードできる。
【0075】
電車内において、つり革に内蔵されたリーダ・ライタ52に電子ペーパー付き乗車券11を接触または近づけて種々の情報をダウンロードすることができる。例えば、リーダ・ライタ52からクーポン情報をダウンロードすると、電子ペーパー付き乗車券11の券面の表示が書き換えられ、図13に示すように、券面の一部に定期券の情報が表示され、他の領域にクーポン情報が表示される。このとき、表示保持プロテクト情報がオンに設定され、クーポン情報の表示が保護される。無線リーダ・ライタ52は、電車内のサーバ66と無線等を利用してデータを送受信することができ、車内のサーバ66は無線基地局67を介して通信ネットワーク64と接続されている。
【0076】
定期券型の電子ペーパー付き乗車券11の場合には、電子ペーパー付き乗車券11のメモリ24には利用者の年齢、性別等が記録されているので、無線リーダ・ライタ52でそれらの情報を読み取ることで、利用者の年代、性別に適合した広告情報をサーバ65から検索して電子ペーパー付き乗車券11に無線送信することができる。これにより、それぞれの利用者が興味を持つ可能性の高い広告情報を提供することができる。
【0077】
コンビニエンスストアにおいてクーポンを使用して商品を購入する場合には、決済端末68の無線リーダ・ライタ69に電子ペーパー付き乗車券11を近づけると、クーポンが使用済みとなり、クーポンの表示保持プロテクト情報が解除される。その結果、電子ペーパー付き乗車券61に表示されていたクーポンの表示が書き換えられ、メモリ24に記録されている情報、例えば、降車駅を発駅とする時刻表が表示される。
【0078】
上述した第3の実施の形態によれば、駅構内の情報端末51、店舗内の情報端末62、電車のつり革に内蔵された無線リーダ・ライタ52等から、利用者が自由に広告情報をダウンロードして電子ペーパー付き乗車券11、61に表示させることができる。同時にクーポン情報に対する表示保持プロテクト情報がオンに設定されるのでクーポン情報が書き換えられるのを防止できる。そして、電子ペーパー付き乗車券11、61を使用して自動改札機31を通過するときに、クーポンの有効期限を過ぎているか否かが判定され、有効期限を過ぎている場合には、表示保持プロテクト情報が解除され、次のクーポン情報または時刻表が表示される。従って、電子ペーパー付き乗車券11、61には、常に利用者に有用な情報が表示される。
【0079】
また、利用者が電子ペーパー付き乗車券11、61に表示されているクーポンを利用して商品を購入したときには、決済端末によりそのクーポンに対する表示保持プロテクト情報が解除され、電子ペーパー付き乗車券11、61に記録されている次のクーポン情報、あるいは他のコンテンツ(例えば、時刻表)の表示に自動的に切り替わる。これにより、電子ペーパー付き乗車券11には、常に利用可能なクーポン情報、あるいは利用者に役立つ情報が表示される。
【0080】
図14は、上述した第1〜第3の実施の形態における表示保持プロテクト情報の書き換えタイミングの比較表である。
復路の時刻表を電子ペーパー付き乗車券11に表示させる場合には、電子ペーパー付き乗車券11を使用して往路の出発駅の自動改札機31を通過した時点で(入改札)、電子ペーパー付き乗車券11の表示保持プロテクト情報が解除される。次に往路の降車駅の自動改札機31を通過した時点で(出改札)、復路の時刻表情報が表示され、同時にその時刻表情報に対する表示保持プロテクト情報がオン(プロテクトがかかった状態)になる。そして、復路の出発駅の自動改札機31を通過した時点で、復路の時刻表情報の表示保持プロテクト情報が解除される。さらに、復路の降車駅の自動改札機31を通過した時点で、復路の降車駅を出発駅とし、復路の出発駅方面を行き先とする時刻表が電子ペーパー付き乗車券11に表示され、同時にその表示情報の表示保持プロテクト情報がオンに設定される。
【0081】
また、ルート検索結果を電子ペーパー付き乗車券11に表示させる場合には、最初に、ルート検索結果を端末装置から電子ペーパー付き乗車券11にダウンロードして電子ペーパー付き乗車券11にルート検索結果が表示された時点で、その表示情報に対する表示保持プロテクト情報がオンに設定される。
【0082】
次に、電子ペーパー付き乗車券11を使用して出発駅の自動改札機31を通過した時点で、入改札時刻がルート検索結果の出発予定時刻の前か、後かを判定し、入改札時刻が出発予定時刻より前であれば、ルート検索結果の表示保持プロテクト情報をオンのままにする。このとき、入改札時刻が出発予定時刻と同じか、過ぎていれば、ルート検索結果を書き換えるために表示保持プロテクト情報を解除する。そして、自動改札機31がルート検索を行い、ルート検索結果を電子ペーパー付き乗車券11に表示させる。ルート検索結果の書き換えが行われると、その表示情報に対する表示保持プロテクト情報がオンに設定される。
【0083】
次に、電子ペーパー付き乗車券11を使用して乗換駅の自動改札機31を通過した時点で、入改札時刻が、ルート検索結果の乗換時刻より前か、後かを判定する。乗換入改札時刻が乗換時刻より前であれば、表示保持プロテクト情報をオンのままにする。他方、乗換駅の入改札時刻が乗換時刻を過ぎている場合には、表示保持プロテクト情報を一時的に解除して再度ルート検索を行う。そして、新たなルート検索結果を電子ペーパー付き乗車券11に表示させ、表示保持プロテクト情報を再度オンに設定する。
【0084】
次に、電子ペーパー付き乗車券11を使用して降車駅の自動改札機31を通過した時点で、ルート検索結果が不要となるので、その表示情報の表示保持プロテクト情報が解除される。
【0085】
電子ペーパー付き乗車券11に有効期限付き広告情報を表示させる場合には、利用者が有効期限付き広告情報(例えば、クーポン情報)を端末装置から電子ペーパー付き乗車券11にダウンロードして表示させた時点で、その表示情報の表示保持プロテクト情報をオンに設定する。
【0086】
次に、電子ペーパー付き乗車券11を使用して自動改札機31を通過した時点で、クーポンの有効期限が改札時刻(更新時刻)より前か、後かを判定する。有効期限が改札時刻より後で、クーポンの有効期間内のときには、その表示情報の表示保持プロテクト情報をオンのままにする。他方、クーポンの有効期限が過ぎている場合には、その表示情報の表示保持プロテクト情報を解除する。
【0087】
本発明は上述した実施の形態に限らず、例えば、以下のように構成しても良い。
(1)実施の形態では、利用者が検索端末を利用して予めルート検索を行って、ルート検索結果を電子ペーパー付き乗車券11にダウンロードする場合について説明したが、目的地までの乗車券を購入する場合のように、出発駅と降車駅が予め電子ペーパー付き乗車券11に記録されているときには、出発駅の自動改札機31を通過した時点で自動改札機31がルート検索を行って、乗車ルートと乗換駅と、複数の出発時刻、乗換時刻、到着時刻等を電子ペーパー付き乗車券11に表示させるようにしても良い。
(2)電子ペーパー付き乗車券の表示部13の表示領域を分割し、同時に複数の情報を表示し、それぞれの表示情報に対して表示保持プロテクト情報を設定できるようにしても良い。このように構成することで、例えば、時刻表情報とクーポン情報というように、利用者が利用したい複数の表示情報を同時に表示させることができる。
(3)実施の形態は、電子乗車券が定期券の場合について説明したが、定期券に限らず、他の乗車券にも適用できる。
【0088】
(付記1) 券面の一部または全体を表示領域とする表示部と、
少なくとも出発駅に関する情報を記憶する記憶手段と、
降車駅での改札時に、降車駅を発駅とし前記出発駅を行き先とする時刻表情報を取得して前記表示部に表示させる制御手段とを備える電子乗車券。
(付記2) 前記制御手段は、降車駅の改札時に、前記表示部の表示情報の書き換えを禁止する表示保持プロテクト情報を有効に設定する付記1記載の電子乗車券。
(付記3) 前記表示部は、電源オフ時に表示状態を自己保持する電子ペーパーからなる付記1記載の電子乗車券。
(付記4) 前記制御手段は、出発駅の駅名、出発時刻、降車駅の駅名及び降車時刻からなるルート検索結果を取得し、取得した前記ルート検索結果を前記表示部に表示させる付記1記載の電子乗車券。
(付記5) 前記制御手段は、出発駅の自動改札機を通過するときに、改札時刻が前記ルート検索結果の発車時刻を過ぎているか否かを判定し、前記発車時刻を過ぎているときには、前記自動改札機に出発駅から降車駅までのルート検索を行わせ、ルート検索結果を前記自動改札機から取得し、取得したルート検索結果を前記表示部に表示させる付記4記載の電子乗車券。
(付記6) 前記制御手段は、前記ルート検索結果を前記表示部に表示させたときに、表示情報の書き換えを禁止する前記表示プロテクト情報を有効に設定する付記4記載の電子乗車券。
(付記7) 前記制御手段は、出発駅の自動改札機を通過するときに、改札時刻が前記ルート検索結果の発車時刻を過ぎているか否かを判定し、前記発車時刻を過ぎているときには、前記表示保持プロテクト情報を無効にし、前記自動改札機に出発駅から降車駅までのルート検索を行わせ、新たなルート検索結果を前記自動改札機から取得し、取得したルート検索結果を前記表示部に表示させた時点で、取得した前記ルート検索結果に対する前記表示プロテクト情報を有効に設定する付記6記載の電子乗車券。
(付記8) 前記制御手段は、降車駅の改札を通過する時点で、前記ルート検索結果に対する前記表示保持プロテクト情報を無効にする付記6記載の電子乗車券。
(付記9) 前記制御手段は、有効期限付広告情報を取得し、前記有効期限付広告情報を前記表示部に表示させると共に、前記有効期限付広告情報の書き換えを禁止する表示保持プロテクト情報を有効に設定し、情報端末または駅の自動改札機と無線通信する際に、前記有効期限付広告情報の有効期限を過ぎているか否かを判定し、前記有効期限を過ぎているときには、前記有効期限付広告情報の前記表示保持プロテクト情報を無効にする付記1または2記載の電子乗車券。
(付記10) 降車駅での改札時に、降車駅を出発駅とし、乗車時の出発駅を行き先とする時刻表情報をサーバから検索する検索手段と、
前記時刻表情報を前記電子乗車券へ無線通信を行う無線通信手段と、を備える自動改札機。
(付記11) 前記検索手段は、降車駅での改札時に、前記電子乗車券の表示部に時刻表情報を表示させた時点で、表示情報の書き換えを禁止する表示保持プロテクト情報を有効に設定する付記10記載の自動改札機。
(付記12) 前記検索手段は、出発駅の改札時に、出発駅の駅名、出発時刻、降車駅の駅名及び降車時刻からなるルート検索結果を取得し、取得した前記ルート検索結果を前記電子乗車券の券面の表示部に表示させる付記10記載の自動改札機。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】電子ペーパー付き乗車券の外観図である。
【図2】電子ペーパー付き乗車券の回路図である。
【図3】自動改札機の外観図である。
【図4】第1の実施の形態の電子ペーパー付き乗車券の処理を示すフローチャートである。
【図5】表示保持プロテクト情報の設定・解除のタイミングの説明図である。
【図6】第1の実施の形態の電子ペーパー付き乗車券の表示状態を示す図である。
【図7】第2の実施の形態の電子ペーパー付き乗車券の処理を示すフローチャートである。
【図8】検索端末の一例を示す図である。
【図9】第2の実施の形態の電子ペーパー付き乗車券の表示状態を示す図である。
【図10】第3の実施の形態の電子ペーパー付き乗車券の処理を示すフローチャートである。
【図11】駅構内に設置された情報端末を示す図である。
【図12】つり革に内蔵された無線リーダ・ライタを示す図である。
【図13】電子ペーパー付き乗車券の表示状態を示す図である。
【図14】表示保持プロテクト情報の書き換えタイミングの比較表である。
【符号の説明】
【0090】
11、61 電子ペーパー付き乗車券
13 表示部
21 アンテナ
22 無線コントローラ
23 CPU
24 メモリ
31 自動改札機
32、52 無線リーダ・ライタ
42 検索端末
51 情報端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子乗車券と電子乗車券の改札を行う自動改札機に関する。
【背景技術】
【0002】
ICチップを搭載したICカードや携帯電話機に乗車券の機能を持たせることが実現されている。また、携帯端末に駅周辺の情報、地図情報、広告情報を表示させることも考えられている。
【0003】
特許文献1には、携帯電話機を使用して駅の自動改札機を入退場するときに、インターネット網を介してコンテンツ情報を携帯電話機に配信することが記載されている。
特許文献2には、出札装置、改札装置に時刻表のデータベースを有し、乗車券の出札、あるいは改札時に複数の列車の発車時刻、到着時刻等のデータを乗車券に印刷することが記載されている。
【特許文献1】特開2005−242686号公報
【特許文献2】特開2003−178335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電車を利用するときには、復路の電車の時刻を知るために時刻表をメモしたり、時刻表を持参したりすることが行われている。
特許文献2の発明は、乗車券に発車時刻、到着時刻等を印刷するものであるが、紙の乗車券に印刷できる情報量は限られており、多数の乗車時刻情報を印刷することは難しい。また、特許文献1の発明には、インターネットを介してコンテンツを携帯電話機にダウンロードすることは記載されているが、利用者が手軽に時刻表を確認できるようにすることは記載されていない。
【0005】
また、目的の駅に予定時刻に到着する乗車ルートをインターネットを利用して調べることはできる。しかしながら、外出したときにルート検索結果を確認できるようにするためには、そのルート検索結果を記憶させた携帯端末を利用者が携帯するか、ルート検索結果を印刷して保持する必要があった。
【0006】
本発明の課題は、電子乗車券を利用して利用者に有用な情報を提供できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電子乗車券は、券面の一部または全体を表示領域とする表示部と、少なくとも出発駅に関する情報を記憶する記憶手段と、降車駅での改札時に、降車駅を発駅とし出発駅を行き先とする時刻表情報を取得して前記表示部に表示させる制御手段とを備える。
【0008】
この発明によれば、時刻表をメモしたり、時刻表を持参したりする必要がなくなるので利用者にとって非常に便利である。
上記の発明の電子乗車券において、前記制御手段は、降車駅の改札時に、前記表示部の表示情報の書き換えを禁止する表示保持プロテクト情報を有効に設定する。
【0009】
このように構成することで、電子乗車券の券面に表示される表示情報が書き換えられるのを防止できる。
上記の発明の電子乗車券において、前記表示部は、電源オフ時に表示状態を自己保持する電子ペーパーからなる。
【0010】
このように構成することで電源オフ時にも表示状態が保持される。
上記の発明の電子乗車券において、前記制御手段は、出発駅の駅名、出発時刻、降車駅の駅名及び降車時刻からなるルート検索結果を取得し、取得した前記ルート検索結果を前記表示部に表示させる。
【0011】
このように構成することで、例えば、利用者が検索した出発時刻、降車時刻等が電子乗車券の券面に表示されるので出発時刻、到着時刻を簡単に確認することができる。
上記の発明の電子乗車券において、前記制御手段は、出発駅の自動改札機を通過するときに、改札時刻が前記ルート検索結果の発車時刻を過ぎているか否かを判定し、前記発車時刻を過ぎているときには、前記自動改札機に出発駅から降車駅までのルート検索を行わせ、新たなルート検索結果を前記自動改札機から取得し、取得したルート検索結果を前記表示部に表示させる。
【0012】
このように構成することで、改札を通過するときに、改札時刻が発車時刻を過ぎているときには、新たなルート検索が行われ、そのルート検索結果が電子乗車券に表示されるので、利用者は常に適正なルート検索結果を見ることができる。
【0013】
上記の発明の電子乗車券において、前記制御手段は、有効期限付広告情報を取得し、前記有効期限付広告情報を前記表示部に表示させると共に、前記有効期限付広告情報の書き換えを禁止する表示保持プロテクト情報を有効に設定し、情報端末または駅の自動改札機と無線通信する際に、前記有効期限付広告情報の有効期限を過ぎているか否かを判定し、有効期限を過ぎているときには、前記有効期限付広告情報の前記表示保持プロテクト情報を無効にする。
【0014】
このように構成することで、有効期限を過ぎた表示情報を有効期限内の広告情報、あるいは他の情報に書き換えて電子乗車券の券面に表示させることができる。
本発明の自動改札機は、降車駅での改札時に、降車駅を出発駅とし、乗車時の出発駅を行き先とする時刻表情報をサーバから検索する検索手段と、前記時刻表情報を前記電子乗車券へ無線通信を行う無線通信手段とを備える。
【0015】
この発明によれば、電子乗車券の券面の表示部に復路の時刻表を表示させることができるので、時刻表をメモしたり、時刻表を持参したりする必要がなくなり利用者の利便性が向上する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、利用者は乗車駅及び降車駅で自動改札機を通過するという、従来通りの動作で、電子乗車券に復路の時刻情報が表示されるため、時刻表をメモしておかなくとも電子乗車券の券面に表示される時刻表を見るだけで復路の発車時刻を確認できる。また、復路の時刻表が確認できるため、帰路に利用する電車を予定することが出来るので時間を有効に活用することが出来る。さらに、乗車予定の出発時刻が分かるため、出発間際の駆け込み乗車などを減らすことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、実施の形態の電子ペーパー付き乗車券(電子乗車券)11の外観図である。
電子ペーパー付き乗車券11は、乗車情報(例えば、定期券の乗車区間と有効期限)が印刷または表示される領域12を有する。さらに、コレステリック液晶からなる電子ペーパーで構成される表示部13とを有す、領域12を表示領域とする場合には、この表示部13の一部を利用する。コレステリック液晶は、電源オフの状態でも表示状態を保持するメモリ性液晶表示素子である。表示部13は、液晶タイプの表示素子に限らず、有機EL、電気泳動方式、電磁粉流体等の電子ペーパーで構成しても良い。また、乗車券、定期券しては、ICカード型で改札機では無線を利用して、電気的に非接触で必要のデータの授受できるタイプのいわゆる非接触型ICカードを利用したものが一般的である。
【0018】
図2は、電子ペーパー付き乗車券11の内部回路を示す図である。電子ペーパー付き乗車券11は、アンテナ21と、無線によるデータの送受信を制御する無線コントローラ22と、CPU23と、メモリ24と、ディスプレイコントローラ25と、液晶ドライバ26と、電子ペーパーからなる表示部13と、整流回路27と、スイッチ28とからなる。このカードは、複数のアプリケーションを搭載し、定期券、料金の清算を行うアプリ、電子ペーパーを制御するアプリ等複数のアプリが動作可能に構成されている。そのためにカード内には、マルチアプリケーションOS(オペレーティングシステム)が搭載され、各アプリと協業して動作する。
【0019】
図3に示す自動改札機31の無線リーダ・ライタ32より発信される無線を、アンテナ21が受信し、電磁誘導により発生する電力を電子ペーパー付き乗車券11の整流回路27へ供給する。
【0020】
整流回路27は、電力が供給されると、直流の電源電圧を生成し、その電源電圧をCPU23を含んだ回路各部とスイッチ28に供給する。スイッチ28は、CPU23からの指示に従ってオン、オフするスイッチであり、オン状態のときには電源電圧を液晶ドライバ26と表示部13に供給し、表示部13に書き換えが必要ない時はオフ状態とし供給を停止する。
【0021】
無線コントローラ22は自動改札機31から無線通信により送信される駅名、改札日時、曜日等の入場データを受信する。出発駅の改札入場時、CPU23は無線コントローラ22で受信された出発駅の駅名、改札日時、曜日等の入場データをメモリ24に書き込む。また、降車駅の改札退場時、CPU23は降車駅の自動改札機31から、降車駅を発駅とし出発駅を行き先とする時刻表情報を取得し、メモリ24に書き込む。さらに、その時刻表情報をディスプレイコントローラ25に出力して表示部13に表示させる。さらに、CPU23は乗車料金清算に関わるアプリを動作させ、改札退場時の乗車料金の清算も行う。すなわち、メモリ24に記憶されている入場データにより出発駅を認識し、また降車駅の自動改札機31からの情報に基づいて、入場、退場駅が定期の区間内であれが入場、退場の管理を行い退場可能として、定期の区間を越えて乗車されたのであれば、予めカード内に保有している現金情報から乗車料金の清算を行い、予めカード内に保有してい場合には清算が必要として、自動改札機31の表示部にメッセージを表示するよう自動改札機31との間でデータの授受を行う。
【0022】
メモリ24は、電源がオフ状態でもデータが保持されるフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成されている。このメモリ24には、電子ペーパー付き乗車券11が定期券型の乗車券の場合には、定期券に関する情報として、乗車区間と有効期間、氏名、年齢、性別等の乗車情報が記録される。また、現金をプリチャージする乗車券の場合には、プリチャージされた金額、入場駅、退場駅等の情報が記録されている。
【0023】
図3は、駅の自動改札機31を示す図である。自動改札機31は、電子ペーパー付き乗車券11に記録されている情報を無線通信により読み取ると共に、駅名、改札時刻、時刻表情報等を電子ペーパー付き乗車券11に無線送信するための無線リーダ・ライタ32と、時刻表情報の検索、ルート検索等を実行する制御部(図示せず)等を有する。無線リーダ・ライタ32は、電子ペーパー付き乗車券11との間で無線通信を行う無線通信回路を有する。
【0024】
利用者は、自動改札機31の乗車券等挿入口33に電子ペーパー付き乗車券11を挿入し、あるいは、無線リーダ・ライタ32に電子ペーパー付き乗車券11を近接させて、ICカードに記録されている乗車区間等の乗車情報を自動改札機31に読み取らせ、駅への入場を可能とし、乗車券等排出口34より電子ペーパー付き乗車券11を受け取る。あるいは本体上部の無線リーダ・ライタ32に接触もしくは近接させ、電子ペーパー付き乗車券11に記録されている乗車情報等を読み取らせ、自動改札口31を通過して駅に入場する。自動改札機31の制御部は、無線リーダ・ライタ32により電子ペーパー付き乗車券11のメモリ24に記録されている乗車情報等(乗車区間、有効期限等の情報)を読み取り入場の可否を判定する。
【0025】
図4は、本発明の第1の実施の形態における電子ペーパー付き乗車券11の処理を示すフローチャートである。以下の処理は、電子ペーパー付き乗車券11のCPU23により実行される。なお、図4のフローチャートには、自動改札機31が実行する処理も含めて示してある。
【0026】
利用者が電子ペーパー付き乗車券11を往路の出発駅の自動改札機31a(以下、往路の出発駅の自動改札機31を自動改札機31aと呼ぶ)の乗車券等挿入口33に挿入、あるいは無線リーダ・ライタ32に接触または近接させると、自動改札機31aは無線電波を発信する。そして、電子ペーパー付き乗車券11は自動改札機31aの無線リーダ・ライタ32より発信される無線電波をアンテナ21により受信し、起電力を発生させ、整流回路21へ電力の供給を開始する(図4、S11)。
【0027】
CPU23は、自動改札機31aから無線送信される、駅名、改札日時、曜日、のデータを受信し、それらのデータをメモリ24に記録する(S12)。
目的の降車駅に到着して利用者が電子ペーパー付き乗車券11を往路の降車駅の自動改札装置31b(以下、往路の降車駅の自動改札機31を自動改札機31bと呼ぶ)の乗車券等挿入口33に挿入、あるいは無線リーダ・ライタ32に接触または近接させると、降車駅の自動改札機31bは無線電波を発信する。そして、電子ペーパー付き乗車券11は自動改札機31bの無線リーダ・ライタ32より発信される無線電波をアンテナ21により受信し、起電力を発生させ、整流回路21へ電力の供給を開始する(S13)。
【0028】
電子ペーパー付き乗車券11は、自動改札機31bから無線送信される降車駅の駅名、曜日、改札時刻のデータを受信し、それらのデータをメモリ24に記録する(S14)。
次に、自動改札機31の入退場時にメモリ24に記録された出発駅の駅名と降車駅の駅名を参照し(S15)、降車駅を出発駅、出発駅を降車駅として復路の乗車、降車駅の順路を決定する(S16)。
【0029】
さらに、自動改札機31の入退場時にメモリ24に記録された降車駅の退場時の曜日を参照して(S17)、退場時に記録された曜日データが平日であれば平日用の時刻表、休日であれば休日用の時刻表、決定する(S18)。
【0030】
さらに、自動改札機31の入退場時にメモリ24に記録された降車駅の改札時刻を参照し(S19)、改札時刻、つまり現在時刻から当日終電までの時刻を決定する(S20)。
【0031】
次に、出発駅、降車駅、電車の上下、平日/休日の区別、現在時刻から終電までの時刻を指定して、自動改札機31bに対して指定した条件に合致する時刻表情報の送信を要求する(S21)。自動改札機31bは送信要求を受信すると、目的とする降車駅、平日または休日のダイヤ、該当する時間帯の時刻表情報に基づき、図示しない各駅の時刻表、また、特別な時刻表(年末年始、工事による変更された時刻表)等を格納したファイルを有するサーバにより検索した復路の時刻表情報を電子ペーパー付き乗車券11に無線送信する。
【0032】
電子ペーパー付き乗車券11は、自動改札機31bから無線送信される復路の時刻表情報の受信が完了すると(S22)、復路の時刻表情報をメモリ24に記録し、CPU23は表示部(電子ペーパー)13に表示するための画像処理を行い、表示部(電子ペーパー)13に液晶ドライバ26を介して表示する(S23)。さらに、表示した時刻表情報の書き換えを禁止するために表示保持プロテクトをオン(有効)に設定する(S24)。
【0033】
表示保持プロテクトは、例えば、表示部13に表示されている時刻表情報と関連づけてメモリ24の所定アドレスにオンを示す情報を記憶されており、該当する表示保持プロテクト情報がオンに設定されているときには、表示情報の書き換えが行われないようにCPU23がこのメモリ24のアドレスを読取、制御している。
【0034】
次に、利用者が復路の出発駅(往路の降車駅)の自動改札機31bに電子ペーパー付き乗車券11を挿入、あるいは無線リーダ・ライタ32に接触または近接させると、復路の出発駅の自動改札機31bは無線電波を発信する。そして、電子ペーパー付き乗車券11は自動改札機31bの無線リーダ・ライタ32より発信される無線電波をアンテナ21により受信し、起電力を発生させ、整流回路21へ電力の供給を開始する(S25)。
【0035】
電子ペーパー付き乗車券11は、自動改札機31bから無線送信される、駅名、改札日時、曜日、のデータをメモリ24に記録する(S26)。利用者が復路の出発駅に入場した時点で復路の時刻表を表示する必要がなくなるので、時刻表の表示保持プロテクト情報を解除(無効に)する(S27)。自動改札機31bを通過する際に、一般的に手法を利用して乗車料金の清算を行う。
【0036】
上記の処理により、往路の降車駅の改札を出るときに、往路の降車駅を出発駅とした、時刻表が電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示される。同時に、表示されている時刻表情報に対する表示保持プロテクト情報がオンに設定され、時刻表情報の書き換えが禁止される。そして、利用者が再び往路の降車駅の改札を入場した時点で、復路の時刻表情報の表示保持プロテクト情報が解除されて電子ペーパー付き乗車券11の表示情報の書き換えが可能となる。
【0037】
利用者が復路の行き先に到着し、復路の降車駅(往路の出発駅)の自動改札機31aに電子ペーパー付き乗車券11を挿入、あるいは無線リーダ・ライタ32に接触または近接させると、降車駅の自動改札機31aは無線電波を発信する。そして、電子ペーパー付き乗車券11は自動改札機31bの無線リーダ・ライタ32より発信される無線電波をアンテナ21により受信し、起電力を発生させ、整流回路21へ電力の供給を開始する(S28)。
【0038】
電子ペーパー付き乗車券11は、自動改札機31aから無線送信される降車駅の駅名、改札日時、曜日のデータを受信し、それらのデータをメモリ24に記録する(S29)。
電子ペーパー付き乗車券11は、メモリ24に記録されている出発駅の駅名と、降車駅の駅名を参照する(S30)。さらに、改札時の曜日を参照し(S31)、改札時刻を参照する(S32)。その後、ステップS33において、ステップS16、S18、S20、S21〜S23と同じ処理を実行する。すなわち、復路の出発駅方面を行き先とし、曜日により特定されるダイヤで、かつ現在時刻から終電までの時間帯の時刻表情報を表示部13に表示する。なお、現在時刻が所定の時刻以降の場合には、時刻表の取得範囲を、現在時刻から当日終電までの時間帯ではなく、現在時刻から翌日終電までの時間帯に変更しても構わない。また、終電までの時間帯ではなく、現在時刻を始点として所定時間分の時間帯に変更しても構わない。
【0039】
図5は、表示保持プロテクト情報の設定・解除のタイミングの説明図である。
往路の出発駅の自動改札機31aに電子ペーパー付き乗車券11を挿入、あるいは接触または近接させると、出発駅の駅名、改札時刻等が電子ペーパー付き乗車券11のメモリ24に記録され、同時に表示保持プロテクト情報が解除(無効に)される。
【0040】
利用者が往路の降車駅に到着し、降車駅の自動改札機31bを通過すると、降車駅の駅名、曜日、改札時刻等が電子ペーパー付き乗車券11のメモリ24に書き込まれる。さらに、降車駅を出発駅とし、往路の出発駅を行き先とする時刻表情報が電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示され、同時に表示保持プロテクト情報がオンに設定される。これにより時刻表情報の表示が書き換えられるのを防止できる。
【0041】
図6は、降車駅の改札を通過した時点の電子ペーパー付き乗車券11の表示状態を示している。目的地の降車駅の自動改札機31bを通過すると、図6に示すように、表示部13に降車駅を出発駅とした出発駅方面の現在時刻から終電までの時刻表が表示され、表示部13の一部である下部分の表示領域12に定期券の情報である定期の乗車区間と有効期限を示す乗車情報が表示される。
【0042】
図5に戻り、復路の出発駅(往路の降車駅)の自動改札機31bから入場すると、駅名、曜日、改札時刻等が電子ペーパー付き乗車券11のメモリ24に書き込まれ、表示保持プロテクト情報が解除される。
【0043】
利用者が復路の目的地である降車駅に到着し、降車駅の自動改札機31aを通過すると、降車駅の駅名、曜日、改札時刻が電子ペーパー付き乗車券11のメモリ24に書き込まれる。さらに、降車駅を出発駅とし、往路の出発駅を行き先とする時刻表情報が電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示され、同時に時刻表情報の表示保持プロテクト情報がオンに設定される。また、降車駅が通常の乗降駅であり、すなわち、自宅の最寄りの駅であり、特に時刻表が必要ない場合には、電子ペーパー付き乗車券11の表示部13には定期券の情報である定期の区間、有効期限、氏名、性別を表示し、表示保持プロテクトを解除するようにしてもよい。
【0044】
上述した第1の実施の形態によれば、目的の降車駅の自動改札機31bを通過した時点で、電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に往路の降車駅を発駅とした往路の出発駅方面を行き先とする時刻表が表示されるので、利用者は復路の電車の発車時刻を簡単に入手することができる。さらに、降車駅の自動改札機31bを通過したときに、表示保持プロテクト情報がオンに設定されるので、電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示される時刻表情報が書き換えられるのを防止できる。
【0045】
上述した第1の実施の形態では、時刻表の行き先を決定する処理、上下方向(移動方向)、平日/休日時刻表を決定する処理、表示保持プロテクト情報の設定及び解除する処理等を、電子ペーパー付き乗車券11のCPU23が実行する場合について説明したが、CPU23ではなく、自動改札機31bがこの処理を実行する形態も考えられる。その場合には、到着した目的の降車駅の自動改札機31bが電子ペーパー付き乗車券11から乗車駅の駅名、日時、曜日のデータを受信し、これに基づいて降車駅を出発駅、出発駅を降車駅として復路の乗車、降車駅の順路を決定する。すなわち、自動改札機bの退場時が平日であれば平日用の時刻表、休日であれば休日用の時刻表、およびその駅での上下線方向を決定しする。さらに、現在時刻から終電までの時刻を図示しない各駅の時刻表、また、特別な時刻表(年末年始、工事による変更された時刻表)等を格納したファイルを有するサーバにより決定する。そして、該検索した復路の時刻表情報を電子ペーパー付き乗車券11に無線送信する。そして自動改札機31からの指示に従って電子ペーパー付き乗車券11のCPU23がメモリ24へのデータの書き込みを行っても良い。この場合、電子ペーパー付き乗車券11のCPU23の処理負担が軽減される。
【0046】
次に、図7は、第2の実施の形態の電子ペーパー付き乗車券11の処理を示すフローチャートである。以下の処理は、電子ペーパー付き乗車券11のCPU23により実行される。なお、図7のフローチャートには、自動改札機31が実行する処理も併せて示してある。
【0047】
この第2の実施の形態は、図8(A)に示すパーソナルコンピュータ41や、図8(B)に示す駅構内に設置される検索端末42を使用して利用者が乗車ルートを検索し、そのルート検索結果を無線のリーダ/ライタ43等で電子ペーパー付き乗車券11にダウンロードして表示させる場合の例である。
【0048】
電子ペーパー付き乗車券11は、パーソナルコンピュータ41や検索端末42から、ルート検索結果をダウンロードすると、出発駅、経由駅、目的地、出発時刻、経由時刻、目的時刻をメモリ24に記録する(図7、S41)。さらに、ダウンロードしたルート検索結果をメモリ24に記録し、表示部13に表示する。そして、表示情報が書き換えられるのを防止するために表示保持プロテクト情報をオンに設定する(S42)。
【0049】
利用者が電子ペーパー付き乗車券11を出発駅の自動改札機31aに挿入、あるいは無線リーダ・ライタ32に接触または近接させると、自動改札機31aは無線電波を発信する。そして、電子ペーパー付き乗車券11は自動改札機31aの無線リーダ・ライタ32より発信される無線電波をアンテナ21により受信し、起電力を発生させ、整流回路21へ電力の供給を開始する(図7、S43)。
【0050】
電子ペーパー付き乗車券11に電力が供給されると、内部のCPU23が、出発駅の駅名、曜日、改札時刻のデータを受信し、受信したデータをメモリ24に記録する(S44)。
【0051】
次に、メモリ24に記録されているルート検索結果の出発駅、出発時刻Aと、改札駅の自動改札機31aから受信した駅名、改札時刻Bを参照する(S45)。
次に、改札時刻Bがルート検索結果の出発時刻Aより前か、後かを判定する(S46)。改札時刻Bがルート検索結果の出発時刻Aより前のときには(S46、YES)、ルート検索結果の出発時刻、経由時刻、到着時刻を修正する必要がないので、ステップS47に進み、表示保持プロテクト情報をオンのままにする。
【0052】
他方、改札時刻Bが出発時刻Aを過ぎている場合には(S46、NO)、ステップS48に進み、自動改札機31aに対してルート検索を依頼する。そして、自動改札機31aから現在時刻を基準としたルート検索結果のデータをダウンロードし、メモリ24に記録する(S49)。自動改札機31aからダウンロードし、メモリ24に記録したルート検索結果を表示するために、表示保持プロテクト情報を一時解除し(S50)、ルート検索結果を表示部13に表示させる(S51)。そして、その表示情報に対する表示保持プロテクト情報をオンに設定する(S52)。
【0053】
乗換駅で改札を通過する場合には(S53、YES)、ステップS43に戻り、上述した処理を実行する。すなわち、ステップS44において、乗換駅の駅名、改札時刻をメモリ24に記録し、ステップS46において、乗り換え時刻がルート検索結果の経由駅時刻より前か、後かを判定する。乗換駅の改札時刻がルート検索結果の経由駅時刻を過ぎているときには、ステップS49において、自動改札機31aから新たなルート検索結果をダウンロードする。ステップS50〜S52の処理は出発駅と同じ処理を行う。
【0054】
乗換駅が無く、降車駅の自動改札機31bが電子ペーパー付き乗車券11の挿入、あるいは無線リーダ・ライタ32に接触または近接させると、電子ペーパー付き乗車券11に対して電力の供給を開始する(S54)。
【0055】
電子ペーパー付き乗車券11は、降車駅の自動改札機31bから無線送信される出発駅の駅名、曜日、改札時刻のデータを受信し、受信したデータをメモリ24に記録する(S55)。降車駅の自動改札機31bを出た時点で、乗車ルートに関する情報は不要となるので、ルート検索結果に対する表示保持プロテクト情報を解除する(S56)。
【0056】
図9は、第2の実施の形態の電子ペーパー付き乗車券11の表示状態を示す図である。出発駅の自動改札機31aを通過した時点で、電子ペーパー付き乗車券11のメモリ24に記録されているルート検索結果、あるいは自動改札機31aにおける再検索結果が電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示され、同時に表示保持プロテクト情報がオンに設定される。
【0057】
図9の電子ペーパー付き乗車券11の表示例は、出発駅が「矢野口」で、目的地が「東京」の場合の出発時刻「12時01分」と、乗換駅「川崎」の乗換駅時刻「12時42分」と、降車予定駅である「東京」の到着時刻「13時12分」と路線名が表示された場合の例である。
【0058】
上述した第2の実施の形態によれば、パーソナルコンピュータ41や駅の検索端末42で検索したルート検索結果の情報が、電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示されるので、利用者は、出発時刻、乗換駅、路線名、乗換時刻、到着時刻等を手軽に確認することができる。また、出発駅または乗換駅の改札時刻が、ルート検索結果の出発時刻、乗換時刻を過ぎている場合には、自動改札機31により再度ルート検索が行われ、最新のルート検索結果が自動的に電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示される。これにより利用者はいつでも最適な出発時刻、乗換時刻、到着時刻を電子ペーパー付き乗車券11の表示から確認できる。
【0059】
なお、上述した第1の実施の形態と第2の実施の形態を組み合わせも良い。例えば、乗車前と乗車中は、電子ペーパー付き乗車券11の表示部13にルート検索結果を表示し、同時にその表示情報に対する表示保持プロテクト情報をオンにする。そして、降車駅の自動改札機31bを通過した時点で表示保持プロテクト情報を解除し、降車駅を発駅とし、往路の出発駅方面を行き先とする時刻表情報を電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示する。さらに、時刻表情報の表示を保護するために表示保持プロテクト情報をオンに設定する。
【0060】
このように構成することで、乗車前及び乗車区間では、出発時刻、経由駅時刻(乗換時刻)、到着時刻、乗換駅等が電子ペーパー付き乗車券11に表示されるので、利用者は発車時刻に遅れないように乗車することができる。また、降車駅の改札を通過した時点で、復路の時刻表情報が電子ペーパー付き乗車券11に表示されるので、利用者は、電子ペーパー付き乗車券11に表示される時刻表を見て電車の復路の発車時刻を調べることができる。
【0061】
次に、図10は、本発明の第3の実施の形態の電子ペーパー付き乗車券11の処理を示すフローチャートである。この第3の実施の形態は、電子ペーパー付き乗車券11に有効期限付き広告コンテンツを表示させる場合の例である。
【0062】
図11は、駅構内に設置された情報端末51を示す図であり、図12は、電車のつり革に取り付けられた無線リーダ・ライタ52を示す図である。駅の情報端末51やつり革の無線リーダ・ライタ52を利用して有効期限付き広告コンテンツや地図情報等を電子ペーパー付き乗車券11にダウンロードすることができる。
【0063】
利用者は、コンビニエンスストアや駅の情報端末51に電子ペーパー付き乗車券11を挿入、接触あるいは近接させて有効期限付広告コンテンツを取得する(S61)。このとき取得された有効期限付広告コンテンツ、例えば、クーポンは、電子ペーパー付き乗車券11のメモリ24に記録されて表示部13に表示される。同時に、電子ペーパー付き乗車券11の表示部13に表示される広告コンテンツが書き換えられるのを防止するために、表示情報に対する表示保持プロテクト情報をオンに設定する(S62)。
【0064】
次に、駅の自動改札機31(または情報端末51)が、電子ペーパー付き乗車券11が挿入、接触あるいは近接されたことを検出すると、電子ペーパー付き乗車券11に対して電力の供給を開始する(S63)。電子ペーパー付き乗車券11は、自動改札機31から駅名、曜日、改札時刻のデータが無線送信されると、それらのデータをメモリ24に記録する(S64)。
【0065】
次に、電子ペーパー付き乗車券11のCPU23は、無線送信された改札時刻が表示部13に表示されているクーポンの有効期限を過ぎているか否かを、自動改札機31より受信した改札時刻と比較し、判定する(S65)。
【0066】
改札時刻がクーポンの有効期限を過ぎていない場合には(S65、NO)、ステップS66に進み、表示保持プロテクト情報をオンのままにする。
改札時刻がクーポンの有効期限を過ぎている場合には(S65、YES)、ステップS67に進み、表示保持プロテクト情報を解除する。ステップS66またはS67の次には、新たな広告クーポン情報をダウンロードする(S68)。
【0067】
クーポンの有効期限を過ぎていない場合には、表示保持プロテクト情報はオンの状態が維持されているので、ステップS68で新しいクーポン情報がダウンロードされた場合には、ダウンロードされたクーポン情報はメモリ24の所定の領域に記録される(S69)。
【0068】
他方、改札時刻がクーポンの有効期限を過ぎている場合には、ステップS70において、新たにダウンロードしたクーポン情報を電子ペーパー付き乗車券11に表示し、ステップS71において、表示したクーポン情報を保護するために表示保持プロテクト情報をオンに設定する。
【0069】
利用者がクーポン発行元で電子ペーパー付き乗車券11に記録したクーポンの割引サービルを受けるときには(S72)、クーポン発行元の決済端末等が電子ペーパー付き乗車券11の挿入、接触あるいは近接を検出して(S73)、クーポンの割引を適用して決済を行う(S74)。このときクーポンが使用済みとなるのでクーポンの表示保持プロテクトを解除する(S75)。
【0070】
次に、次のクーポン情報がメモリ24に記録されているか否かを判定する(S76)。クーポン情報がメモリ24に記録されている場合には(S76、YES)、ステップS77に進み、次のクーポン情報を電子ペーパー付き乗車券11に表示させ、ステップS62に戻る。
【0071】
他方、次のクーポン情報がメモリ24に記録されていない場合には(S76、NO)、ステップS78に進み、電子ペーパー付き乗車券11の表示は書き換えずに、ステップS61に戻る。
【0072】
図13は、電子ペーパー付き乗車券11の表示状態を示す図である。図13に示す電子ペーパー付き乗車券61は、券面全体がコレステリック液晶等の電子ペーパーで構成されており、通常は、券面全体に定期券の乗車情報である乗車区間と有効期間等が表示され、情報端末等から地図、クーポン等のコンテンツをダウンロードすると、券面の一部に乗車情報が表示され、他の領域にダウロードしたコンテンツが表示される。
【0073】
図13を参照して電子ペーパー付き乗車券61に表示される情報とその書き換えタイミングについて説明する。
非乗車区間の店舗内の端末62の無線リーダ・ライタ62aに電子ペーパー付き乗車券61を近づけてコンテンツ、例えば、地図のダウンロードを行うと、券面の表示が書き換えられる。そして、券面の一部に定期券の情報が表示され、他の領域に利用者がダウンロードした地図が表示される。
【0074】
また、駅の自動改札機31の無線リーダ・ライタ63に電子ペーパー付き乗車券61を接触させると、それまで券面の一部の領域に表示されていた地図情報が、定期券の情報に書き換えられる。駅の自動改札機31は、通信ネットワーク64を介してサーバ65と接続されており、サーバ65に保存されている時刻表情報、乗車ルートの情報をダウンロードできる。
【0075】
電車内において、つり革に内蔵されたリーダ・ライタ52に電子ペーパー付き乗車券11を接触または近づけて種々の情報をダウンロードすることができる。例えば、リーダ・ライタ52からクーポン情報をダウンロードすると、電子ペーパー付き乗車券11の券面の表示が書き換えられ、図13に示すように、券面の一部に定期券の情報が表示され、他の領域にクーポン情報が表示される。このとき、表示保持プロテクト情報がオンに設定され、クーポン情報の表示が保護される。無線リーダ・ライタ52は、電車内のサーバ66と無線等を利用してデータを送受信することができ、車内のサーバ66は無線基地局67を介して通信ネットワーク64と接続されている。
【0076】
定期券型の電子ペーパー付き乗車券11の場合には、電子ペーパー付き乗車券11のメモリ24には利用者の年齢、性別等が記録されているので、無線リーダ・ライタ52でそれらの情報を読み取ることで、利用者の年代、性別に適合した広告情報をサーバ65から検索して電子ペーパー付き乗車券11に無線送信することができる。これにより、それぞれの利用者が興味を持つ可能性の高い広告情報を提供することができる。
【0077】
コンビニエンスストアにおいてクーポンを使用して商品を購入する場合には、決済端末68の無線リーダ・ライタ69に電子ペーパー付き乗車券11を近づけると、クーポンが使用済みとなり、クーポンの表示保持プロテクト情報が解除される。その結果、電子ペーパー付き乗車券61に表示されていたクーポンの表示が書き換えられ、メモリ24に記録されている情報、例えば、降車駅を発駅とする時刻表が表示される。
【0078】
上述した第3の実施の形態によれば、駅構内の情報端末51、店舗内の情報端末62、電車のつり革に内蔵された無線リーダ・ライタ52等から、利用者が自由に広告情報をダウンロードして電子ペーパー付き乗車券11、61に表示させることができる。同時にクーポン情報に対する表示保持プロテクト情報がオンに設定されるのでクーポン情報が書き換えられるのを防止できる。そして、電子ペーパー付き乗車券11、61を使用して自動改札機31を通過するときに、クーポンの有効期限を過ぎているか否かが判定され、有効期限を過ぎている場合には、表示保持プロテクト情報が解除され、次のクーポン情報または時刻表が表示される。従って、電子ペーパー付き乗車券11、61には、常に利用者に有用な情報が表示される。
【0079】
また、利用者が電子ペーパー付き乗車券11、61に表示されているクーポンを利用して商品を購入したときには、決済端末によりそのクーポンに対する表示保持プロテクト情報が解除され、電子ペーパー付き乗車券11、61に記録されている次のクーポン情報、あるいは他のコンテンツ(例えば、時刻表)の表示に自動的に切り替わる。これにより、電子ペーパー付き乗車券11には、常に利用可能なクーポン情報、あるいは利用者に役立つ情報が表示される。
【0080】
図14は、上述した第1〜第3の実施の形態における表示保持プロテクト情報の書き換えタイミングの比較表である。
復路の時刻表を電子ペーパー付き乗車券11に表示させる場合には、電子ペーパー付き乗車券11を使用して往路の出発駅の自動改札機31を通過した時点で(入改札)、電子ペーパー付き乗車券11の表示保持プロテクト情報が解除される。次に往路の降車駅の自動改札機31を通過した時点で(出改札)、復路の時刻表情報が表示され、同時にその時刻表情報に対する表示保持プロテクト情報がオン(プロテクトがかかった状態)になる。そして、復路の出発駅の自動改札機31を通過した時点で、復路の時刻表情報の表示保持プロテクト情報が解除される。さらに、復路の降車駅の自動改札機31を通過した時点で、復路の降車駅を出発駅とし、復路の出発駅方面を行き先とする時刻表が電子ペーパー付き乗車券11に表示され、同時にその表示情報の表示保持プロテクト情報がオンに設定される。
【0081】
また、ルート検索結果を電子ペーパー付き乗車券11に表示させる場合には、最初に、ルート検索結果を端末装置から電子ペーパー付き乗車券11にダウンロードして電子ペーパー付き乗車券11にルート検索結果が表示された時点で、その表示情報に対する表示保持プロテクト情報がオンに設定される。
【0082】
次に、電子ペーパー付き乗車券11を使用して出発駅の自動改札機31を通過した時点で、入改札時刻がルート検索結果の出発予定時刻の前か、後かを判定し、入改札時刻が出発予定時刻より前であれば、ルート検索結果の表示保持プロテクト情報をオンのままにする。このとき、入改札時刻が出発予定時刻と同じか、過ぎていれば、ルート検索結果を書き換えるために表示保持プロテクト情報を解除する。そして、自動改札機31がルート検索を行い、ルート検索結果を電子ペーパー付き乗車券11に表示させる。ルート検索結果の書き換えが行われると、その表示情報に対する表示保持プロテクト情報がオンに設定される。
【0083】
次に、電子ペーパー付き乗車券11を使用して乗換駅の自動改札機31を通過した時点で、入改札時刻が、ルート検索結果の乗換時刻より前か、後かを判定する。乗換入改札時刻が乗換時刻より前であれば、表示保持プロテクト情報をオンのままにする。他方、乗換駅の入改札時刻が乗換時刻を過ぎている場合には、表示保持プロテクト情報を一時的に解除して再度ルート検索を行う。そして、新たなルート検索結果を電子ペーパー付き乗車券11に表示させ、表示保持プロテクト情報を再度オンに設定する。
【0084】
次に、電子ペーパー付き乗車券11を使用して降車駅の自動改札機31を通過した時点で、ルート検索結果が不要となるので、その表示情報の表示保持プロテクト情報が解除される。
【0085】
電子ペーパー付き乗車券11に有効期限付き広告情報を表示させる場合には、利用者が有効期限付き広告情報(例えば、クーポン情報)を端末装置から電子ペーパー付き乗車券11にダウンロードして表示させた時点で、その表示情報の表示保持プロテクト情報をオンに設定する。
【0086】
次に、電子ペーパー付き乗車券11を使用して自動改札機31を通過した時点で、クーポンの有効期限が改札時刻(更新時刻)より前か、後かを判定する。有効期限が改札時刻より後で、クーポンの有効期間内のときには、その表示情報の表示保持プロテクト情報をオンのままにする。他方、クーポンの有効期限が過ぎている場合には、その表示情報の表示保持プロテクト情報を解除する。
【0087】
本発明は上述した実施の形態に限らず、例えば、以下のように構成しても良い。
(1)実施の形態では、利用者が検索端末を利用して予めルート検索を行って、ルート検索結果を電子ペーパー付き乗車券11にダウンロードする場合について説明したが、目的地までの乗車券を購入する場合のように、出発駅と降車駅が予め電子ペーパー付き乗車券11に記録されているときには、出発駅の自動改札機31を通過した時点で自動改札機31がルート検索を行って、乗車ルートと乗換駅と、複数の出発時刻、乗換時刻、到着時刻等を電子ペーパー付き乗車券11に表示させるようにしても良い。
(2)電子ペーパー付き乗車券の表示部13の表示領域を分割し、同時に複数の情報を表示し、それぞれの表示情報に対して表示保持プロテクト情報を設定できるようにしても良い。このように構成することで、例えば、時刻表情報とクーポン情報というように、利用者が利用したい複数の表示情報を同時に表示させることができる。
(3)実施の形態は、電子乗車券が定期券の場合について説明したが、定期券に限らず、他の乗車券にも適用できる。
【0088】
(付記1) 券面の一部または全体を表示領域とする表示部と、
少なくとも出発駅に関する情報を記憶する記憶手段と、
降車駅での改札時に、降車駅を発駅とし前記出発駅を行き先とする時刻表情報を取得して前記表示部に表示させる制御手段とを備える電子乗車券。
(付記2) 前記制御手段は、降車駅の改札時に、前記表示部の表示情報の書き換えを禁止する表示保持プロテクト情報を有効に設定する付記1記載の電子乗車券。
(付記3) 前記表示部は、電源オフ時に表示状態を自己保持する電子ペーパーからなる付記1記載の電子乗車券。
(付記4) 前記制御手段は、出発駅の駅名、出発時刻、降車駅の駅名及び降車時刻からなるルート検索結果を取得し、取得した前記ルート検索結果を前記表示部に表示させる付記1記載の電子乗車券。
(付記5) 前記制御手段は、出発駅の自動改札機を通過するときに、改札時刻が前記ルート検索結果の発車時刻を過ぎているか否かを判定し、前記発車時刻を過ぎているときには、前記自動改札機に出発駅から降車駅までのルート検索を行わせ、ルート検索結果を前記自動改札機から取得し、取得したルート検索結果を前記表示部に表示させる付記4記載の電子乗車券。
(付記6) 前記制御手段は、前記ルート検索結果を前記表示部に表示させたときに、表示情報の書き換えを禁止する前記表示プロテクト情報を有効に設定する付記4記載の電子乗車券。
(付記7) 前記制御手段は、出発駅の自動改札機を通過するときに、改札時刻が前記ルート検索結果の発車時刻を過ぎているか否かを判定し、前記発車時刻を過ぎているときには、前記表示保持プロテクト情報を無効にし、前記自動改札機に出発駅から降車駅までのルート検索を行わせ、新たなルート検索結果を前記自動改札機から取得し、取得したルート検索結果を前記表示部に表示させた時点で、取得した前記ルート検索結果に対する前記表示プロテクト情報を有効に設定する付記6記載の電子乗車券。
(付記8) 前記制御手段は、降車駅の改札を通過する時点で、前記ルート検索結果に対する前記表示保持プロテクト情報を無効にする付記6記載の電子乗車券。
(付記9) 前記制御手段は、有効期限付広告情報を取得し、前記有効期限付広告情報を前記表示部に表示させると共に、前記有効期限付広告情報の書き換えを禁止する表示保持プロテクト情報を有効に設定し、情報端末または駅の自動改札機と無線通信する際に、前記有効期限付広告情報の有効期限を過ぎているか否かを判定し、前記有効期限を過ぎているときには、前記有効期限付広告情報の前記表示保持プロテクト情報を無効にする付記1または2記載の電子乗車券。
(付記10) 降車駅での改札時に、降車駅を出発駅とし、乗車時の出発駅を行き先とする時刻表情報をサーバから検索する検索手段と、
前記時刻表情報を前記電子乗車券へ無線通信を行う無線通信手段と、を備える自動改札機。
(付記11) 前記検索手段は、降車駅での改札時に、前記電子乗車券の表示部に時刻表情報を表示させた時点で、表示情報の書き換えを禁止する表示保持プロテクト情報を有効に設定する付記10記載の自動改札機。
(付記12) 前記検索手段は、出発駅の改札時に、出発駅の駅名、出発時刻、降車駅の駅名及び降車時刻からなるルート検索結果を取得し、取得した前記ルート検索結果を前記電子乗車券の券面の表示部に表示させる付記10記載の自動改札機。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】電子ペーパー付き乗車券の外観図である。
【図2】電子ペーパー付き乗車券の回路図である。
【図3】自動改札機の外観図である。
【図4】第1の実施の形態の電子ペーパー付き乗車券の処理を示すフローチャートである。
【図5】表示保持プロテクト情報の設定・解除のタイミングの説明図である。
【図6】第1の実施の形態の電子ペーパー付き乗車券の表示状態を示す図である。
【図7】第2の実施の形態の電子ペーパー付き乗車券の処理を示すフローチャートである。
【図8】検索端末の一例を示す図である。
【図9】第2の実施の形態の電子ペーパー付き乗車券の表示状態を示す図である。
【図10】第3の実施の形態の電子ペーパー付き乗車券の処理を示すフローチャートである。
【図11】駅構内に設置された情報端末を示す図である。
【図12】つり革に内蔵された無線リーダ・ライタを示す図である。
【図13】電子ペーパー付き乗車券の表示状態を示す図である。
【図14】表示保持プロテクト情報の書き換えタイミングの比較表である。
【符号の説明】
【0090】
11、61 電子ペーパー付き乗車券
13 表示部
21 アンテナ
22 無線コントローラ
23 CPU
24 メモリ
31 自動改札機
32、52 無線リーダ・ライタ
42 検索端末
51 情報端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
券面の一部または全体を表示領域とする表示部と、
少なくとも出発駅に関する情報を記憶する記憶手段と、
降車駅での改札時に、降車駅を出発駅とし、乗車時の出発駅を行き先とする時刻表情報を取得して前記表示部に表示させる制御手段とを備える電子乗車券。
【請求項2】
前記制御手段は、降車駅の改札時に、前記表示部の表示情報の書き換えを禁止する表示保持プロテクト情報を有効に設定する請求項1記載の電子乗車券。
【請求項3】
前記表示部は、電源オフ時に表示状態を自己保持する電子ペーパーからなる請求項1記載の電子乗車券。
【請求項4】
前記制御手段は、出発駅の駅名、出発時刻、降車駅の駅名及び降車時刻からなるルート検索結果を取得し、取得した前記ルート検索結果を前記表示部に表示させる請求項1記載の電子乗車券。
【請求項5】
前記制御手段は、出発駅の自動改札機を通過するときに、改札時刻が前記ルート検索結果の発車時刻を過ぎているか否かを判定し、前記発車時刻を過ぎているときには、前記自動改札機に出発駅から降車駅までのルート検索を行わせ、ルート検索結果を前記自動改札機から取得し、取得したルート検索結果を前記表示部に表示させる請求項4記載の電子乗車券。
【請求項6】
前記制御手段は、前記ルート検索結果を前記表示部に表示させたときに、表示情報の書き換えを禁止する前記表示プロテクト情報を有効に設定する請求項4記載の電子乗車券。
【請求項7】
前記制御手段は、出発駅の自動改札機を通過するときに、改札時刻が前記ルート検索結果の発車時刻を過ぎているか否かを判定し、前記発車時刻を過ぎているときには、前記表示保持プロテクト情報を無効にし、前記自動改札機に出発駅から降車駅までのルート検索を行わせ、新たなルート検索結果を前記自動改札機から取得し、取得したルート検索結果を前記表示部に表示させた時点で、取得した前記ルート検索結果に対する前記表示プロテクト情報を有効に設定する請求項6記載の電子乗車券。
【請求項8】
前記制御手段は、降車駅の改札を通過する時点で、前記ルート検索結果に対する前記表示保持プロテクト情報を無効にする請求項6記載の電子乗車券。
【請求項9】
前記制御手段は、有効期限付広告情報を取得し、前記有効期限付広告情報を前記表示部に表示させると共に、前記有効期限付広告情報の書き換えを禁止する表示保持プロテクト情報を有効に設定し、情報端末または駅の自動改札機と無線通信する際に、前記有効期限付広告情報の有効期限を過ぎているか否かを判定し、前記有効期限を過ぎているときには、前記有効期限付広告情報の前記表示保持プロテクト情報を無効にする請求項1または2記載の電子乗車券。
【請求項10】
降車駅での改札時に、降車駅を出発駅とし、乗車時の出発駅を行き先とする時刻表情報をサーバから検索する検索手段と、
前記時刻表情報を前記電子乗車券へ無線通信を行う無線通信手段と、を備える自動改札機。
【請求項1】
券面の一部または全体を表示領域とする表示部と、
少なくとも出発駅に関する情報を記憶する記憶手段と、
降車駅での改札時に、降車駅を出発駅とし、乗車時の出発駅を行き先とする時刻表情報を取得して前記表示部に表示させる制御手段とを備える電子乗車券。
【請求項2】
前記制御手段は、降車駅の改札時に、前記表示部の表示情報の書き換えを禁止する表示保持プロテクト情報を有効に設定する請求項1記載の電子乗車券。
【請求項3】
前記表示部は、電源オフ時に表示状態を自己保持する電子ペーパーからなる請求項1記載の電子乗車券。
【請求項4】
前記制御手段は、出発駅の駅名、出発時刻、降車駅の駅名及び降車時刻からなるルート検索結果を取得し、取得した前記ルート検索結果を前記表示部に表示させる請求項1記載の電子乗車券。
【請求項5】
前記制御手段は、出発駅の自動改札機を通過するときに、改札時刻が前記ルート検索結果の発車時刻を過ぎているか否かを判定し、前記発車時刻を過ぎているときには、前記自動改札機に出発駅から降車駅までのルート検索を行わせ、ルート検索結果を前記自動改札機から取得し、取得したルート検索結果を前記表示部に表示させる請求項4記載の電子乗車券。
【請求項6】
前記制御手段は、前記ルート検索結果を前記表示部に表示させたときに、表示情報の書き換えを禁止する前記表示プロテクト情報を有効に設定する請求項4記載の電子乗車券。
【請求項7】
前記制御手段は、出発駅の自動改札機を通過するときに、改札時刻が前記ルート検索結果の発車時刻を過ぎているか否かを判定し、前記発車時刻を過ぎているときには、前記表示保持プロテクト情報を無効にし、前記自動改札機に出発駅から降車駅までのルート検索を行わせ、新たなルート検索結果を前記自動改札機から取得し、取得したルート検索結果を前記表示部に表示させた時点で、取得した前記ルート検索結果に対する前記表示プロテクト情報を有効に設定する請求項6記載の電子乗車券。
【請求項8】
前記制御手段は、降車駅の改札を通過する時点で、前記ルート検索結果に対する前記表示保持プロテクト情報を無効にする請求項6記載の電子乗車券。
【請求項9】
前記制御手段は、有効期限付広告情報を取得し、前記有効期限付広告情報を前記表示部に表示させると共に、前記有効期限付広告情報の書き換えを禁止する表示保持プロテクト情報を有効に設定し、情報端末または駅の自動改札機と無線通信する際に、前記有効期限付広告情報の有効期限を過ぎているか否かを判定し、前記有効期限を過ぎているときには、前記有効期限付広告情報の前記表示保持プロテクト情報を無効にする請求項1または2記載の電子乗車券。
【請求項10】
降車駅での改札時に、降車駅を出発駅とし、乗車時の出発駅を行き先とする時刻表情報をサーバから検索する検索手段と、
前記時刻表情報を前記電子乗車券へ無線通信を行う無線通信手段と、を備える自動改札機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−117154(P2008−117154A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−299535(P2006−299535)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
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