説明

電子写真装置

【課題】省電力モード時など、付加された両面印刷ユニットの動作が不必要な時には、両面印刷ユニットの電源をオフすることにより、消費電力を低減させ、省電力規格を満足させる電子写真装置を提案する。
【解決手段】カラーレーザプリンタ本体に付加された両面印刷ユニット600に、制御装置100の指示により両面印刷ユニット600内の各構成部品に対し電力の供給をオンオフする回路を備えたユニット専用電源515を設け、カラーレーザプリンタ本体が省電力モードで、かつ省電力モード解除後の両面印刷の急速な立上りが不要なときには、制御装置100は、両面印刷ユニット600のユニット専用電源515の電源をオフする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レ−ザプリンタ等の電子写真プリンタや電子写真複写機等の電子写真装置に係り、特に転写装置を持つ電子写真装置に対する、オプションユニット構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、中間転写体を有する電子写真装置におけるカラー画像の形成方法は、感光体上の静電潜像を各色の現像装置により現像し、現像されたトナ−像を一旦中間転写体上に転写し、その上で色重ねを行い、その後、搬送手段により搬送された用紙に中間転写体上のカラートナー像を一括転写し作成する方法である。
【0003】このように、中間転写体を有するカラー電子写真装置では、感光体上のトナー像を、感光体から中間転写体に一回転写し、さらに中間転写体から用紙へと二回転写を行って画像を形成し、その後、定着装置により用紙上のカラートナー像を加熱定着して、装置外へ排出するようになっている。
【0004】また、両面印刷を可能にする両面印刷ユニット付きのカラー電子写真装置は、一旦定着装置にて用紙表面(A面)の第一のカラートナー像を加熱定着後、再び本用紙を両面印刷ユニット内で反転し、用紙の裏面(B面)を次の印刷面としてカラー電子写真装置の搬送手段に搬送し、A面を印刷した時と同様の方法により、B面を印刷するのが一般的である。
【0005】さらに、近年は、環境に対する配慮から省エネルギー化をより進める傾向が顕著になってきており、省電力を定めた規格〔ex.エナジースター:機器により異なるが、例えば装置が動作していない状態(スリープ時)で消費電力45W以下〕を取得していない時には、市場で受け入れられない場合さえある。
【0006】従来、カラー電子写真装置では、制御装置(主に制御基板)、光センサ、表示素子等を駆動するのに5Vの電圧電源を使用し、また、モータ、ファン、クラッチ、ソレノイド等のアクチュエータには、構成上効率などの関係で24Vなど5Vよりも高い電圧電源を使用しており、これら異種の電源を持つ場合が多い。
【0007】一般に省電力モード時は、装置が動作する必要がないため、全アクチュエータ及びヒータをオフにして、消費電力を減らす。またさらに、24V電源もオフするように工夫する場合もある。
【0008】しかし、制御装置(CPUを含む)を駆動している5V電源は、オフできない場合もある。同5V電源を使用して構成する場合が多いセンサ等の部品は動作しており、また、いかに省電力モード時とはいえ、オペレータに状態を報知するための表示装置など、安全上または機能上、必ず残す必要があるものもある。
【0009】また、オプションユニットである両面印刷ユニットやソーターなどを、本体のカラー電子写真装置に付加した場合においても、各オプションユニット分、消費エネルギーが増えてよい場合は少なく、オプションユニットも含めたシステムとして、定められた省電力規格を守る必要がある。
【0010】一方、カラー電子写真装置本体のみで、既に省電力規格値に対し余裕が少ない場合には、さらなる本体の消費電力削減の改善を行うなど工夫がされるが、オプションユニットが複数の場合、またオプションユニット自体で消費するエネルギーが多い場合には、全てのオプションユニットを接続し、省電力規格値を守ることには、おのずと限界がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来技術のカラー電子写真装置では、省電力規格を充分に満足できない場合があるという問題があった。
【0012】本発明の目的は、省電力モード時など、付加された両面印刷ユニットの動作が不必要な時には、両面印刷ユニットの電源をオフすることにより、消費電力を低減させ、省電力規格を満足させる電子写真装置を提案することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明における電子写真装置の特徴とするところは、電子写真装置本体に付加された両面印刷ユニットに、制御装置の指示により両面印刷ユニット内の各構成部品に対し電力の供給をオンオフする回路を備えたユニット専用電源装置を設けることにある。
【0014】具体的には本発明は次に掲げる装置を提供する。本発明は、感光体と、該感光体に形成された静電潜像をトナー現像する現像装置と、前記トナー像を転写する用紙を充填しておく充填装置と、前記用紙を搬送する搬送手段と、前記感光体上のトナー像を前記用紙に転写する転写装置と、前記用紙上のトナー像を用紙に加熱定着させる定着手段と、前記各手段を制御する制御装置とを備えた電子写真装置本体、及び前記電子写真装置本体に付加され、前記トナー像が加熱定着された用紙を反転し再び前記搬送手段まで搬送する両面印刷ユニットを有する電子写真装置において、前記両面印刷ユニットは、前記制御装置の指示により前記両面印刷ユニット内の各構成部品に対し電力の供給をオンオフする回路を備えたユニット専用電源装置を有することを特徴とする電子写真装置を提供する。
【0015】好ましくは、前記制御装置は、前記電子写真装置本体が省電力モードで、かつ前記省電力モード解除後の前記両面印刷の急速な立上りが不要なときには、前記ユニット専用電源装置の電源をオフする。
【0016】好ましくは、前記両面印刷ユニットは、前記各構成部品の中の特定構成部品に対し前記電力の供給を前記ユニット専用電源装置から受けるか、或いは前記電子写真装置本体内の電源装置から受けるかを、選択する回路を有する。
【0017】好ましくは、前記特定構成部品が常時電力の供給が必要なときには、前記電子写真装置本体内の電源装置から前記電力の供給を受ける。
【0018】好ましくは、前記ユニット専用電源は、一次側のAC入力部で前記電力の供給のオンオフを行なうように構成されている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態例に係る電子写真装置を、図を用いて説明する。
【0020】図6は、本発明の一実施の形態例に係る両面印刷ユニット付きカラ−レ−ザプリンタの縦断側面図である。
【0021】図6に示すように、両面印刷ユニット付きカラ−レ−ザプリンタは、カラーレーザプリンタ本体700と、第二給紙カセット30と、両面印刷ユニット600とから構成されている。
【0022】ここでは詳述していないが、本両面印刷ユニット600の構成として、カラーレーザプリンタ本体700に接続する場合、カラーレーザプリンタ本体700を変更せず接続できる構成とする場合と、カラーレーザプリンタ本体700を一部変更して接続する構成の場合とが考えられるが、図4は、両面印刷ユニット600を接続した後の構成を示しており、接続方法に関しては、図示していない。
【0023】特に細かな接続方法に関し規定するものではなく、カラーレーザプリンタ本体700に、両面印刷ユニット600を接続する時に、カラーレーザプリンタ本体700に対し変更を必要とするか、しないかの要否を問わず、カラーレーザプリンタ本体700に付加することを規定するものである。
【0024】従って、ここでは、付加するものとして両面印刷ユニットを例に取り、以後詳述するが、他にカラーレーザプリンタ本体700に付加するオプション的なユニットに応用しても良い。
【0025】まず、両面印刷ユニットを使用ぜすに用紙8の片面(A面)にのみ印刷する場合の動作を、次に説明する。
【0026】感光体である感光ベルト1は案内ロ−ラ2a〜2cの廻りに一定の速度で回動されながら、帯電器3により一様に帯電される。その後、各色の画像信号に従って露光装置4から発出されるレ−ザ光4aにより露光されて各色に対応する静電潜像が順次形成され、4つの現像器5Y、5M、5C、5Kの対応する色の現像剤を使用する現像器により該静電潜像が順次現像されて各色のトナ−像が形成される。
【0027】この感光ベルト1表面上の各色のトナ−像は、感光ベルト1の表面と接触しながら同期回転する中間転写体である転写ドラム6の表面に重ねて転写され、該転写ドラム6の表面上でカラ−トナ−像となる。
【0028】給紙カセット7に蓄積された記録媒体である用紙8は、給紙ロ−ラ9により抽出及び搬送されてレジストロ−ラ10に送られ、整紙及び転写ドラム6表面上のカラ−トナ−像と搬送タイミングを整合制御した後に転写ロ−ラ11に向けて送り出される。
【0029】また、30は第二の給紙カセットを示しており、この第二給紙カセット30内の用紙31も同様に、第二給紙ローラ32により抽出及び搬送されてレジストロ−ラ10に送られる。
【0030】上記転写ロ−ラ11は、転写装置の一部を構成するもので、送りこまれた用紙8を転写ドラム6に接触させながらその背面から機械的な押圧力と転写電界を与えることにより、該転写ドラム6表面上のカラ−トナ−像を用紙8の片面(A面)に転写する。
【0031】なお、転写ロ−ラ11は、転写ドラム6の表面上に感光ベルト1上の各色のトナ−像を転写してカラ−トナ−像を形成する過程では作用しないように転写ロ−ラ接離装置12により引き上げられ、カラ−トナ−像が完成して用紙8に転写する過程で作用するように転写ドラム6に向けて押し出される。
【0032】また、転写電界を発生するために転写ロ−ラ11に与える転写電圧は、図示しない高圧電源13から与えられる。
【0033】交流コロナを発生する除電装置であるAC除電器14は、同様に入力信号のデュ−ティ−比等により任意に連続的に出力電圧を変更できる除電用の交流電圧が同様に高圧電源13から与えられて、カラ−トナ−像が転写された用紙8の背面に残留する電荷を中和して除電することにより用紙8を転写ドラム6から剥離する。
【0034】転写ドラム6から剥離した用紙8は定着装置15に送られ、該定着装置15を通過する間にカラ−トナ−像が用紙8表面上に熱定着される。カラ−トナ−像が熱定着された用紙8は、排紙ロ−ラ22を経て排紙トレ−23上に排出される。
【0035】ベルトクリ−ナ25は、感光ベルト1の表面に残留するトナ−を清掃し、ドラムクリ−ナ24は転写ドラム6の表面に残留するトナ−を清掃する。なお、ドラムクリ−ナ24は、転写ドラム6の表面に単色トナ−像を繰り返し転写してカラ−トナ−像を形成する過程では清掃作用が働かないよう引き上げられ、完成したカラ−トナ−像を用紙8に転写した後に転写ドラム6の表面に作用するように押圧される。
【0036】そして、後述する制御装置100は、図示しない操作パネル50からの入力信号及び後述する情報処理装置200からの入力信号に応じて、上記の各構成手段を制御する。
【0037】次に、両面印刷ユニット600を使用し用紙8の裏面(B面)を印刷する場合の動作を、説明する。
【0038】両面印刷ユニット600は、用紙8の搬送を行う駆動モータ601と602とを備え、排紙ロ−ラ22から排出された用紙8をそのまま排紙トレー23に出すか、両面印刷ユニット600の方に送るかを切り替える搬送路切り替え手段603と、駆動モータ601により駆動力を得ている両面印刷ユニット送りローラ604a,604b,604cと、両面印刷ユニットレジストローラ605と、駆動モータ602により駆動力を得ている送りローラ606a,606b,606cと、及び用紙の送りを検出する用紙センサ607a,607bとから構成されている。
【0039】カラーレーザプリンタ本体700の排紙ローラ22を出た用紙8は、搬送路切り替え手段603により送りローラ604a側に送られ、送りローラ604aに達した用紙8の先端は一旦機外に排出されるが、用紙8の後端が搬送路切り替え手段603を通過した後、駆動モータ601を逆回転させ、送りローラ604aを反回転させ、用紙8を両面印刷ユニット600内に送る。
【0040】この時、用紙8はスイッチバックされた形となり、用紙8の後端が、両面印刷ユニット600内で、先端となり搬送されることになる。用紙センサ607aは両面印刷ユニット600内に用紙8が搬送されてきたかの監視を行う。その後、両面印刷ユニットレジストローラ605で一旦用紙8を停止、整合した後、再び搬送を開始し、用紙センサ607bを通過後、この点を起点として、送りローラ606a,606b,606cを所定時間後に再度停止する。
【0041】この後、カラ−レ−ザプリンタ本体700とのタイミングを合わせ、送りローラ606a,606b,606cを回転させ、レジストローラ10まで用紙を搬送し、送りローラ606a,606b,606cの回転を停止する。この後は、先の用紙8のA面を印刷した時と同様の方法により、用紙8のB面を印刷する。
【0042】図1は、図6の両面印刷ユニット付きカラ−レ−ザプリンタの制御装置100の構成を示すブロック図である。制御装置100は、CPU101と、CPU101の制御プログラムを格納しているROM102と、CPU101が制御プログラムを実行するのに必要なワ−ク用メモリとしてのRAM103とを中心にして構成されている。
【0043】CPU101は、図示しない操作パネル50やワ−ドプロセッサやパ−ソナルコンピュ−タ等の情報処理装置200と交信し、該情報処理装置200が発生する印字デ−タを露光制御部105に伝達する。露光制御部105は、露光装置4を制御してレ−ザ光4aを発生する。
【0044】周辺機器制御駆動回路部106は、電子写真工程の機構群を制御するための制御部であり、CPU101に制御されて、各モ−タの駆動指示信号、高圧用電源13の発生電圧を制御する電圧制御信号等を出力する。
【0045】クロック供給回路107は、感光ベルト1、搬送ロ−ラ9及び定着装置15等を駆動するメインモ−タ20に、駆動用のクロックを供給する。現像モータ21は、各現像器を駆動する。
【0046】用紙センサ部108は、用紙8の搬送状態を示す用紙搬送経路上に配置された用紙検出センサ等を示し、それらの信号もCPU101に入力される。
【0047】通電制御回路110は、定着装置15内の発熱体18へ通電制御を行なう通電制御手段である。
【0048】電子写真装置本体内の電源装置である低圧電源70は、制御装置100、及び各種周辺機器駆動部品に電力を供給すると共に、両面印刷ユニット600にも、一部電力を供給する。
【0049】接続検知電力供給検知回路800は、カラーレーザプリンタ本体700に両面印刷ユニット600が接続されているか否かを検知し、さらに、接続されている場合には、両面印刷ユニット600が電力の供給を必要とするか否かを検知する回路である。
【0050】両面印刷ユニット600が電力の供給を必要とする場合には、CPU101からの指示により電力供給回路801を操作し、両面印刷ユニット600への電力供給を実施する。
【0051】両面電源オンオフ信号500は、CPU101の制御信号により、両面印刷ユニット600内の電源を、供給または切断する信号である。
【0052】図2は、両面印刷ユニット600内に配置されたユニット制御装置510の構成を示すブロック図である。
【0053】ユニット制御装置510は、ユニット内機器制御駆動回路部514、及び駆動モータ601,602等の構成部品と、該構成部品の一部である特定構成部品であるユニットCPU511と、ユニットCPU511の制御プログラムを格納しているROM512と、ユニットCPU511が制御プログラムを実行するのに必要なワ−ク用メモリとしてのRAM513とを中心にして構成されている。但し、これらのROM512、RAM513はユニットCPU511内に納められている。
【0054】ユニットCPU511は、制御装置100と交信し、制御装置100からの問い合わせに対し、両面印刷ユニット600の各駆動装置の情報や、その時のユニットの状態等を制御装置100に伝達する。
【0055】本実施の形態例のように、ユニットCPU511を持つ構成のユニット制御装置510では、省電力モード時に、ユニットCPU511の電源をオフする場合は、再度電源が投入される毎に、イニシャル処理、制御装置100との交信処理の再開等、を実施する必要を生ずる。また、ユニットCPU511内のRAM513に両面印刷ユニット600の状態情報を保持している場合などは、電源をオフすることにより情報が失われる。このため、省電力モード解除後、すぐには、両面印刷ユニット600での両面印刷を行なうことはできない。
【0056】このような不都合が発生する場合には、ユニットCPU511の電源をオフしない構成が望ましい。本実施の形態例では、ユニットCPU511の電力は、低圧電源70から直接供給を受けるように構成されている。
【0057】接続報知電力供給報知回路517は、制御装置100に、両面印刷ユニット600が接続されたか否かを知らせ、さらに電力の供給が必要か否かを知らせる回路である。上述のように、ユニットCPU511に電力の供給が必要な場合には、本回路にて電力の供給が必要であると報知する。
【0058】制御装置100は、本回路からの信号の状態にて(例えば、電力供給報知の場合:供給要 “L" / 供給否 “H")、接続の状態、及び電力供給の要否を検知する。
【0059】ユニット内機器制御駆動回路部514は、駆動モータ601,602、及び搬送路切り替え手段603、等を制御するための制御部であり、ユニットCPU511に制御されて、各モ−タの駆動指示信号、及び搬送路切り替え手段603を制御する制御信号、等を出力する。
【0060】ユニット専用電源515は、ユニット内機器制御駆動回路部514、及び駆動モータ601,602等の、両面印刷ユニット600内の各構成部品に電力を供給する電源である。
【0061】ユニット専用電源515は、制御装置100からの制御信号、及び低圧電源70より供給される電力、で動作する両面電源オンオフ回路516を内部に備えており、両面電源オンオフ回路516により、AC入力の供給/切断を実施する。すなわち、ユニット専用電源515は、制御装置100からの指示により、ユニット内機器制御駆動回路部514、駆動モータ601、602等への電力供給をオンオフできるように構成されている。
【0062】両面電源オンオフ回路516は、図3に示すように、例えば、リレーで構成され、低圧電源70から供給される24V又は5V電源に接続したコイルを、制御装置100からの制御信号にてON/OFFすることにより、ユニット専用電源515に入力されるAC入力をオンオフしている。
【0063】上述は、ユニットCPU511を持つ構成においてユニットCPU511をオフできない場合に対して詳述しているが、オプションユニットの構成上CPUをオフしても良い場合、すなわち省電力モード解除後の前記両面印刷の急速な立上りが不要なときには、ユニット専用電源515からの電力の供給を受けてもよく、低圧電源70からか、或いはユニット専用電源515からかの選択回路を設けても良い。
【0064】両面印刷ユニット600内の各構成手段を駆動する場合に必要な電力は、その内容にもよるが、各駆動手段停止時に約2W程度であった。これは、従来通常に両面印刷ユニット600を使用した状態で、省電力規格値に対し充分な(少なくても1W以上)マージンが無い場合には問題となり、不必要は状態時には、両面印刷ユニット600をオフできることが省電力につながる。
【0065】一般に、電力の供給のオンオフを、電源の二次側(5V/24V生成部)にて行うと、二次側からの供給電力が無くても、一次側の損失分で、電源としては、何がしかの電力を消費してしまう。
【0066】すなわち、二次側回路の切断により、両面印刷ユニット内部品への電力供給をやめても、電源として電力を消費し、結果として目的とする省電力規格値にインパクトを与えてしまう。
【0067】このように、電源の二次側で消費する電力に対して一次側での消費電力は、損失等が大きく、さらに二次側の消費電流値が少ない程、その損失は大きく、二次側電流値の約40%〜70%で除する値となる。例えば、二次側での消費電流値が、24V/40mA(24V駆動部品の回路電流値)、5V/40mA(センサ消費電流)あったとすると、その電源のAC入力部では、約2.9W〜1.6W消費することとなる。カラーレーザプリンタ本体700での、省電力規格値に対するマージンが少ない場合には、問題となる。
【0068】これに対し、本実施の形態例では、ユニット専用電源515の一次側AC入力部にて電力の供給、切断の動作を行なうため、仮に二次側での微少電流が発生しても省電力規格値に対するマージンが十分にとれ、省電力を実施できる。
【0069】図4は、図2のユニット制御装置510の他の実施の形態例の構成を示し、ユニット制御装置内にCPUを持たない例を示したものである。この場合、CPUを持たないので、接続報知電力供給報知回路517を、電力の供給が不必要な状態に設定しておけば良い。(電力供給報知:供給要 “L" / 供給否 “H")従って、本実施の形態例は、各構成部品に供給する電力を全てオフする場合を示している。
【0070】次に、両面印刷ユニット600がオプション接続された場合の、制御装置100の動作について、図5を用いて説明する。ここでは、両面印刷ユニット600内にユニットCPU511を持つ場合について説明する。
【0071】始めに、処理301にて、制御装置100は、両面印刷ユニット600が電力の供給を要求しているか否かを判断する。要求がある場合には、処理401で電力供給回路801をオンする。
【0072】通常、制御装置100が省電力モードに勝手になる場合は少なく、上位の情報処理装置200からの要求に対する場合が多い。
【0073】処理302では、制御装置100で情報処理装置200からの省電力モード要求の有無を判断する。
【0074】要求が無い場合には、ここでは詳述しないが、処理402でプリンタの通常処理を実行する。
【0075】要求があった場合には、処理303で制御装置100はモータ、ファン、クラッチ、ソレノイド、及び定着器内のヒータを全て停止する。その後処理304にて、制御装置100は両面印刷ユニット600のユニット専用電源515をオフする。
【0076】次に、処理305で、省電力モードの解除要求が情報処理装置200からあるかの判断を行う。無い場合には、その他の通信処理を実行し処理305に戻る。これは、通常、省電力モード時は、制御装置100は情報処理装置200との通信処理動作以外、印字等の動作を実行しないためである。
【0077】処理305で解除要求があった場合には、処理306で制御装置100は両面印刷ユニット600のユニット専用電源516をオンする。
【0078】次に、処理307にて、処理301で電力供給を受けないと判断した場合には、制御装置100内のCPU101と両面印刷ユニット600内のユニットCPU511とで通信処理を再開し、両面印刷ユニット600の動作のオン準備が完了したことの確認を行う。
【0079】処理301で電力供給を受けると判断した場合には、本処理の制御装置100内のCPU101と両面印刷ユニット600内のユニットCPU511との通信再開処理をスキップできる。
【0080】続いて、処理308にて、制御装置100はカラーレーザプリンタ本体700のヒータファンをオンさせ、モータ、クラッチ、ソレノイドはオンできる状態にしておき、場合によってはオンさせる。
【0081】ここでは詳述していないが、両面印刷ユニット600の電源がオンされた後は、両面印刷ユニット600内のユニットCPU511の指示により、両面印刷ユニット600内の各構成部品は、動作準備処理が行われる。
【0082】本実施の形態例では、省電力モード時の場合について詳述しているが、省電力モード状態以外でも、両面印刷ユニット600として動作が不必要な状態の時に同様な操作を行っても良く、規定するものではない。
【0083】以上のように、両面印刷ユニット600専用のユニット専用電源515を、制御装置100からの制御信号により、各構成部品への電力の供給、切断を選択できる回路構成し、かつ電力の供給、切断する回路部分を一次側AC入力部とすることにより、両面印刷ユニット600の機能動作が不必要な場合、例えば省電力モード時など、ユニット専用電源515をオフすれば、消費電力を削減することができる。
【0084】さらに、電子写真装置本体が省電力モードで、かつ省電力モード解除後の両面印刷の急速な立上りが不要なときには、特定構成部品であるユニットCPU511を含め両面印刷ユニット600の構成部品すべてに対してユニット専用電源515の電源をオフすれば、更に消費電力を削減することができる。
【0085】上述した実施の形態例は、両面印刷ユニットは、カラー電子写真装置本体に対し、変更を加えることなく、例えばユーザーオプション的に、接続する構成としているが、その他、カラー電子写真装置本体に対し、一部変更を加えることにより、例えばメーカオプション的に、接続する構成としても良い。
【0086】また、本実施の形態例の両面印刷ユニットに限らず、カラー電子写真装置または、電子写真装置に対し付加して構成するオプション的構成部品に、その内部に専用電源を持たせ、前述した同様の構成とすることも可能である。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、省電力モード時など、両面印刷ユニットの機能動作が不必要な場合には、両面印刷ユニットの専用電源を、制御装置の制御信号によりオフすれは、電子写真装置全体の消費電力を削減することができ、省電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例に係る両面印刷ユニット付きカラ−レ−ザプリンタの制御装置の構成を示すプロック図である。
【図2】図1の両面印刷ユニット内に配置されたユニット制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2の両面電源オンオフ回路の構成を示す図である。
【図4】図2のユニット制御装置の他の実施の形態例の構成を示すブロック図である。
【図5】図1の制御装置が実行する動作のフローチャ−ト図である。
【図6】本発明の一実施の形態例に係る両面印刷ユニット付きカラ−レ−ザプリンタの縦断側面図である。
【符号の説明】
1…感光ベルト、5Y〜5K…現像器、6…転写ドラム、11…転写ロ−ラ、12…転写ローラ接離装置、13…高圧電源、15…定着装置、18…発熱体(ヒータ)、20…メインモータ、21…現像モータ、22…排紙ローラ、70…低圧電源、100…制御装置、101…CPU、106…周辺機器制御駆動回路、110…通電制御回路、500…両面電源オンオフ信号、511…ユニットCPU、515…ユニット専用電源、514…ユニット内機器制御駆動回路、516…両面電源オンオフ回路、517…接続報知電力供給報知回路、600…両面印刷ユニット、700…カラーレーザプリンタ本体、800…接続検知電力供給検知回路、801…電力供給回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】感光体と、該感光体に形成された静電潜像をトナー現像する現像装置と、前記トナー像を転写する用紙を充填しておく充填装置と、前記用紙を搬送する搬送手段と、前記感光体上のトナー像を前記用紙に転写する転写装置と、前記用紙上のトナー像を用紙に加熱定着させる定着手段と、前記各手段を制御する制御装置とを備えた電子写真装置本体、及び前記電子写真装置本体に付加され、前記トナー像が加熱定着された用紙を反転し再び前記搬送手段まで搬送する両面印刷ユニットを有する電子写真装置において、前記両面印刷ユニットは、前記制御装置の指示により前記両面印刷ユニット内の各構成部品に対し電力の供給をオンオフする回路を備えたユニット専用電源装置を有することを特徴とする電子写真装置。
【請求項2】請求項1において、前記制御装置は、前記電子写真装置本体が省電力モードで、かつ前記省電力モード解除後の前記両面印刷の急速な立上りが不要なときには、前記ユニット専用電源装置の電源をオフすることを特徴とする電子写真装置。
【請求項3】請求項1において、前記両面印刷ユニットは、前記各構成部品の中の特定構成部品に対し前記電力の供給を前記ユニット専用電源装置から受けるか、或いは前記電子写真装置本体内の電源装置から受けるかを、選択する回路を有することを特徴とする電子写真装置。
【請求項4】請求項3において、前記特定構成部品が常時電力の供給が必要なときには、前記電子写真装置本体内の電源装置から前記電力の供給を受けることを特徴とする電子写真装置。
【請求項5】請求項1において、前記ユニット専用電源は、一次側のAC入力部で前記電力の供給のオンオフを行なうように構成されていることを特徴とする電子写真装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2000−267518(P2000−267518A)
【公開日】平成12年9月29日(2000.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−68997
【出願日】平成11年3月15日(1999.3.15)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】