説明

電子基板

【課題】基板の回路パターンで形成されたコイルで発生する熱を効率的に放熱するように構成された電子基板を提供する。
【解決手段】DC−DCコンバータ100には、一端側から冷却部103に放熱可能に形成された放熱部材161〜163が備えられている。放熱部材161〜163は、それぞれの一端が熱伝導性絶縁シート102を挟んで冷却部103に接するように配置されている。また、放熱部材161〜163のそれぞれの他端は、配線回路152〜154にそれぞれ接続されている。これにより、配線回路152〜154を伝導する熱を、放熱部材161〜163を経由して冷却部103に放出することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱量が大きい電子基板の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用DC−DCコンバータは、スイッチング用MOS−FET、電圧変換用トランス、整流用ダイオード、平滑化用チョークコイルの4つの部品で構成される方式のものが一般的である。ハイブリッド自動車用のDC−DCコンバータでは、高電圧・大電流によってそれぞれの部品からの発熱が大きくなるため、それぞれがウォータージャケット等の冷却部品で個別に冷却されるように構成されている。すなわち、それぞれが別個に冷却部品に搭載され、各部品間をバスバー等によって電気的に接続する構造となっている(例えば引用文献1)。
【0003】
上記のような構成では、接続部分におけるネジ締結作業あるいは溶接作業が多くなり、組立工数が増大するのみならず、接続部分の接触抵抗のばらつきに起因した電気的問題を回避するために、回路上にも専用の部品を付加する必要が生じる。
このような問題への対策として、電圧変換用トランス及び平滑化用チョークコイルを構成するコイルを、スイッチング用MOS−FET及び整流用ダイオードを搭載する基板の回路パターンで形成することで、これらの部品を一体化することができ、これにより接続箇所を削減することができる。
【特許文献1】特開2005−143215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、同一基板上にスイッチング用MOS−FET、整流用ダイオード、電圧変換用トランス及び平滑化用チョークコイルを形成して一体化した場合には、各部品間を電気的に接続する配線回路を経由して熱が伝導されやすくなる。同一基板上に上記の各部品を一体化して形成した電子基板の一例を図12に示す。図12は、DC−DCコンバータを構成する従来の電子基板900の断面図である。
【0005】
電圧変換用トランス920及び平滑化用チョークコイル940を構成するコイルを回路パターンで形成した場合、そこでの発熱がスイッチング用MOS−FET910及び整流用ダイオード930に比べて大きくなる。その結果、トランス920及びチョークコイル940での発熱が配線回路952〜954を経由してMOS−FET910やダイオード930に伝わり、これらを高温に加熱してしまう。MOS−FET910やダイオード930は、所定以上の高温になると信頼性が確保できなくなるといった問題が生じる。
【0006】
また、電圧変換用トランス920及び平滑化用チョークコイル940を構成するコイルを回路パターンで形成し、かつそれに用いる基板面積を小さくするためには、少なくとも4層の導体層を有する多層基板を用いる必要がある。4層の多層基板を用いる場合、基板の総厚や総重量を抑制するために、導体層1層当たりの厚さを薄くするのが好ましい。
【0007】
しかしながら、1層当たりの厚さを薄くしすぎると、電圧変換用トランス及び平滑化用チョークコイルを構成するコイルからの発熱量が多大となって基板温度が上昇する。基板温度が上昇しすぎると、基板に形成されているスルーホールや層間絶縁材料の信頼性を確保するのが困難になってしまう。さらに、コイルで発生する熱が増大すると、配線回路を伝ってMOS−FET及びダイオードをさらに高温にしてその信頼性確保を困難にしてしまう。
【0008】
上記のような大電流高放熱の電子基板では、大電流を導通させるために導体厚さを絶縁材と同程度の0.5mm前後にしているが、低コスト化の実現には絶縁体のみならず導体層もさらに薄くするのがよい。それとともに、放熱しやすくするために導体幅を大きくするのが好ましいが、特にチョークコイルではフェライトコアの寸法制限から、コイル部分の導体幅を大きくすることができないといった問題がある。その結果、コイル部分での発熱が大きくなってしまうため、基板に用いる絶縁樹脂材としても耐熱性の高いものを使用する必要があった。このように、導体の低コスト化(薄肉化)と絶縁樹脂材の低コスト化(低耐熱材の使用)を両立させることが困難であった。
【0009】
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、基板の回路パターンで形成されたコイルで発生する熱を効率的に放熱するように構成された電子基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の電子基板の第1の態様は、回路パターンにてコイルを形成した1以上の導体層を有する電子基板であって、前記コイルに電気的に接続された配線回路と、前記コイルと前記配線回路のいずれか1つ以上から放熱可能に形成された放熱部材と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
この発明の電子基板の他の態様は、前記放熱部材は、一端が所定の冷却部に放熱可能となるように形成され、他端が前記配線回路に接続されていることを特徴とする。
【0012】
この発明の電子基板の他の態様は、回路素子が実装されて前記配線回路に接続され、一端が前記所定の冷却部に放熱可能となるように形成され、他端が前記回路素子から放熱可能となるように形成された別の放熱部材を備えることを特徴とする。
【0013】
この発明の電子基板の他の態様は、前記放熱部材もしくは前記別の放熱部材の一端側にはさらに、前記所定の冷却部に放熱可能となるように形成された別の配線回路が接続されていることを特徴とする。
【0014】
この発明の電子基板の他の態様は、前記放熱部材は、前記基板内に垂直に形成された銅ポストであることを特徴とする。
【0015】
この発明の電子基板の他の態様は、前記放熱部材は、前記基板に形成されたスルーホールであることを特徴とする。
【0016】
この発明の電子基板の他の態様は、前記コイルは、1次コイルと2次コイルが別の導体層に形成されたトランスであることを特徴とする。
【0017】
この発明の電子基板の他の態様は、前記トランスは、4層以上の導体層に形成されていることを特徴とする。
【0018】
この発明の電子基板の他の態様は、前記コイルは、平滑化用チョークコイルであることを特徴とする。
【0019】
この発明の電子基板の他の態様は、前記平滑化用チョークコイルは、2層以上の前記導体層に形成されたコイルで構成されていることを特徴とする。
【0020】
この発明の電子基板の他の態様は、前記導体層の厚さは0.1mm以上かつ1mm以下であることを特徴とする。
【0021】
この発明の電子基板の他の態様は、前記冷却部材は、前記コイルの始点と終点との間の所定の位置に形成されたコイル拡張部であることを特徴とする。
【0022】
この発明の電子基板の他の態様は、前記コイル拡張部は、少なくとも前記コイルの始点と終点との間の略中央部に形成されていることを特徴とする。
【0023】
この発明の電子基板の他の態様は、前記コイルの略中心位置及び外周近傍に2以上の形成物が配置されており、前記コイル拡張部は、前記形成物と重ならない位置に配置されていることを特徴とする。
【0024】
この発明の電子基板の他の態様は、前記形成物は、所定の磁性材を挿通させるための貫通穴であることを特徴とする。
【0025】
この発明の電子基板の他の態様は、前記コイル拡張部は、前記コイルの始点または終点から離れるほど幅が拡張されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明の電子基板によれば、基板の回路パターンで形成されたコイルで発生する熱を効率的に放熱することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図面を参照して本発明の好ましい実施の形態における電子基板の構成について詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
【0028】
本発明の電子基板は、同一基板上にコイルと回路素子とが搭載されており、コイルで発生する熱がコイルと回路素子とを電気的に接続する配線回路を経由して回路素子に伝わり、回路素子を高温に加熱してしまうのを防止するように構成されている。以下では、電子基板としてハイブリッド自動車に用いられるDC−DCコンバータを例に説明する。
【0029】
本発明の第1の実施の形態に係る電子基板を、図1を用いて以下に説明する。図1は、本実施形態の電子基板の一実施例であるDC−DCコンバータ100の概略構成を示す断面図である。DC−DCコンバータ100は、回路素子としてスイッチング用MOS−FET110と整流用ダイオード130とを備え、コイルとして電圧変換用トランス120と平滑化用チョークコイル140とを備えている。
【0030】
MOS−FET110及び、ダイオード130が基板101上に実装されており、トランス120、及びチョークコイル140は、基板101に配線により形成されており、これらが配線回路152〜154で電気的に接続されている。また、外部からMOS−FET110に電力供給するための配線回路151と、チョークコイル140から外部に電力供給するための配線回路155が設けられている。配線回路151〜155は、例えば基板101上にパターンを形成して設けることができる。
【0031】
ハイブリッド自動車等に用いられるDC−DCコンバータ100では、MOS−FET110に入力される電圧及び電流は例えば288V/20Aであり、チョークコイル140から出力される電圧及び電流は例えば15V/100Aとなっている。DC−DCコンバータ100は、高電圧の直流電流をMOS−FET110で交流電流に変換してトランス120で降圧し、降圧された交流電流をダイオード130で整流した後チョークコイル140で平滑化している。上記の例ように、DC−DCコンバータ100は高電圧・大電流で動作しているため、各部品からの発熱が大きくなる。なかでも、回路パターンでコイルを形成しているトランス120及びチョークコイル140では、その発熱量が無視できなくなる。
【0032】
MOS−FET110、トランス120、ダイオード130、及びチョークコイル140のそれぞれで発生する熱を放出するために、従来より、それぞれが個別に冷却部103で冷却されるように構成され、実装されているMOS−FET110やダイオード130は、その表面に取り付けられる図示しないヒートシンクを介して冷却部103に接続される構成としている。但し、それぞれの絶縁性を確保するために、冷却部103との間に熱伝導性絶縁シートが設けられている。
【0033】
しかし、導体のパターン厚や幅の関係で、トランス120及びチョークコイル140における発熱量が無視できないため、トランス120及びチョークコイル140における発熱の一部が配線回路152〜154を経由してMOS−FET110及びダイオード130に伝導される(図12参照)。MOS−FET110及びダイオード130は、それ自身の発熱に加えてトランス120及びチョークコイル140からも加熱されるため、一層高温になってしまう。
【0034】
そこで、本実施形態のDC−DCコンバータ100では、一端側から冷却部103に放熱可能に形成された放熱部材161〜163が備えられている。放熱部材161〜163は、それぞれの一端が熱伝導性絶縁シート102を挟んで冷却部103に接するように配置されている。また、放熱部材161〜163のそれぞれの他端は、配線回路152〜154にそれぞれ接続されている。なお、ここでは配線回路152〜154のすべてに放熱部材161〜163を設けているが、放熱量等に応じて適宜省略することも可能である。
【0035】
放熱部材161〜163を上記のように配置することにより、配線回路152〜154を伝導する熱を、放熱部材161〜163を経由して冷却部103に放出することが可能となる。すなわち、トランス120及びチョークコイル140から回路素子側に配線回路152〜154を伝導する熱の多くが、途中で放熱部材161〜163側に伝導されて冷却部103に放出される。
【0036】
MOS−FET110、トランス120、ダイオード130、及びチョークコイル140で発生した熱が、配線回路152〜154及び放熱部材161〜163を伝導する状態を模式的に図2に示す。図2では、トランス120及びチョークコイル140で発生した多量の熱が、配線回路152〜154をMOS−FET110及びダイオード130側に伝導されるが、途中で放熱部材161〜163側に移動して冷却部103に放熱される状態を示している。放熱部材161〜163は、一端側が冷却部103で冷却されているため、MOS−FET110及びダイオード130側に伝導するよりも多くの熱を冷却部103側に伝導することができる。
【0037】
放熱部材161〜163として、基板101内に銅ポストを形成して用いることができる。あるいは、基板101内にスルーホールを形成して用いてもよい。放熱部材161〜163の一端側は、冷却部103との間に熱伝導性絶縁シートを配置することで、電気的に絶縁されている。これに対し、放熱部材161〜163の他端側は、配線回路152〜154に直接接続されて導電状態となっている。これにより、熱伝導性も高めることができる。
【0038】
図1に示した実施例では、配線回路152〜154に放熱部材161〜163を接続するようにしたが、別の実施例として、配線回路151または/及び配線回路155にも放熱部材を接続するようにしてもよい。また、従来、図示しないヒートシンクを介して冷却部103に熱的に接続していたMOS−FET110及びダイオード130の下にも別の放熱部材を接続するようにしてもよい。別の放熱部材は、配線回路151〜155を介してMOS−FET110及びダイオード130に接続することも、配線回路151〜155を介さず、直接MOS−FET110及びダイオード130に接続することも可能である。
配線回路151と155の両方に放熱部材を接続し、MOS−FET110及びダイオード130の下にも配線回路を介して別の放熱部材を接続した実施例を図3に示す。図3に示すように、DC−DCコンバータ100’の入出力部である配線回路151、155に放熱部材164、165を設け、MOS−FET110及びダイオード130の下に配線回路を介して別の放熱部材171、172を設けることで、MOS−FET110、ダイオード130及びチョークコイル140の冷却効果をさらに高めることができ、その結果基板101の温度を下げることができる。
【0039】
本発明の第2の実施の形態に係る電子基板を、図4及び図5を用いて以下に説明する。図4及び図5は、本実施形態の電子基板の一実施例であるDC−DCコンバータ200の概略構成を示す断面図及び平面図である。本実施形態では、回路素子やコイルを搭載する基板として、2層以上の導体層を有する多層基板を用いる。図4に示す実施例では、4層の導体層からなる多層基板201を用いている。多層基板201は、4層の導体層202とその間を絶縁するための3層の絶縁層203で構成されている。
【0040】
電圧変換用トランス220及び平滑化用チョークコイル240を構成するコイルを基板の回路パターンで形成する場合、それに必要な基板面積を小さくするためには、4層以上の導体層202を有する多層基板201を用いるのがよい。導体層202を4層とした場合には、多層基板201の総厚や総重量が導体層202の1層当たりの厚さ及び重量の4倍以上となるため、導体層202の厚さをできるだけ薄くするのが望ましい。しかし、導体層202の厚さを薄くしすぎると、トランス220及びチョークコイル240の各コイルからの発熱量が多大となってしまう。また、コイルで発生する熱が過大になる場合には、配線回路252〜254から放熱部材261〜263に移動しないでMOS−FET210及びダイオード230に伝導される熱量が増え、これらの回路素子を高温化してしまう。
【0041】
導体層202の1層当たりの厚さが0.1mmを下回る場合、ハイブリッド自動車用のDC−DCコンバータ等で一般的に通電されている100A程度の電流を導体層202に形成されたコイルに流すと、このコイルの温度が180℃を超えてしまうことになり、半田の溶融温度に達してしまう。導体層202の1層当たりの厚さを0.3mm程度とした場合には、コイルの温度が150℃となって半田の溶融温度までの余裕が得られる。この場合、絶縁層203に用いる絶縁材料に選択の幅が広がることから、DC−DCコンバータ200のコストダウンを図ることも可能となる。
【0042】
一方、導体層202の1層当たりの厚さを0.7mm以上とすると、4層の導体層202と絶縁層203を含めた多層基板201の総厚が3.5mmを超えてしまう。このような厚さの多層基板201では、通常のエッチング装置に投入することができず、特殊な装置が必要となってコストアップの原因となってしまう。さらに、導体層202の1層当たりの厚さを1mm以上とすると、多層基板201の総厚が5mm以上となり、製造装置を新たに導入する必要が生じて一層のコストアップとなってしまう。
【0043】
導体層202の厚さとコイル温度及び製造コストとの関係の一例を図6に示す。コイル温度は、導体層202の厚さを大きくするとともに低下していく。これに対し、多層基板200の製造コストは、導体層202の厚さを大きくするとともに上昇しており、特に導体層202の厚さが0.7mmを超えるときと1mmを超える時に急激に上昇している。
【0044】
本実施形態のDC−DCコンバータ200では、上記のような事情を考慮して導体層202の1層当たりの厚さを好適に設定しており、これによりコイルからの発熱量が多大とならないようにするとともに、低コストで作製できるようにしている。本実施形態の導体層202の1層当たりの厚さは、0.1mm以上かつ1mm以下とするのがよい。より好ましくは、0.3mm以上かつ0.7mm以下とするのがよい。
【0045】
図4、5に示した本実施形態のDC−DCコンバータ200では、第1層の導体層202aが各部品間を接続する配線回路251〜255に用いられており、このうち、MOS−FET210、トランス220、ダイオード230及びチョークコイル240を相互に接続する配線回路252〜254に放熱部材261〜263が接続されている。また、MOS−FET210、ダイオード230の下には、冷却部103と熱的に接続されるように配線回路を介して別の放熱部材271、272が接続されている。ここでは、放熱部材261〜263および271、272が、第2層〜第4層の導体層202b〜202dとは絶縁されるように配置されている。これにより、トランス220及びチョークコイル240の各コイルで発生した熱が、配線回路252〜254を経由してMOS−FET210及びダイオード230側に伝導される途中で、その大部分が放熱部材261〜263側に移動して冷却部103に放熱されるようにしている。さらには、MOS−FET210、ダイオード230で発生する熱も別の放熱部材271、272を介して、冷却部103に放熱されるようになる。このような構成とすることで、基板101の温度をさらに下げることができる。
【0046】
放熱部材261〜263および271、272の一実施例を、図7を用いてさらに詳細に説明する。図7に示す放熱部材260aは、多層基板201に設けられた銅ポストで形成されており、放熱部材261〜263のいずれにも用いることができる。ここでは、配線回路251〜255が第1層目の導体層202aに形成されているものとしている。また、導体層202aの配線回路251〜255以外の部分、及び導体層202b〜202dは、コイルや別の回路等を形成するのに用いられる。放熱部材260aは、一端が熱伝導性絶縁シート102を介して冷却部103に接し、他端が第1層目の導体層202a、すなわち配線回路252〜254のいずれかに半田204で接続されている。また、放熱部材260aの外周も半田204で多層基板201に固定されている。但し、放熱部材260aと第2層目〜第4層目の導体層202b〜202dとの間は、絶縁層203と同じ絶縁材料で絶縁されている。
【0047】
なお、上記では配線回路252〜254のいずれもが第1層目の導体層202aに形成されているものとしたが、配線回路が別の層に形成されていてもよく、その場合には、放熱部材260aは、少なくとも配線回路が形成されている導体層202と熱伝導性絶縁シート102との間に設けられる。
【0048】
放熱部材261〜263および271、272の別の実施例を、図8を用いて詳細に説明する。図8に示す放熱部材260bは、冷却部103への放熱の機能に加えて、配線回路252〜254のいずれかを電気的に接続するのにも用いられている。一例として第1層目の導体層202aに形成された配線回路250aがMOS−FET210またはダイオード230に接続され、第4層目の導体層202dに形成された配線回路250bがトランス220またはチョークコイル240に接続されているものとする。この場合、配線回路250aと配線回路250bとを電気的に接続することで、配線回路252〜254のいずれかが形成される。図8に示す放熱部材260bは、配線回路250aと配線回路250bとの電気的な接続にも用いられている。
【0049】
放熱部材260bは、配線回路250aと配線回路250bとを電気的に接続するとともに、トランス220またはチョークコイル240から配線回路250bに伝導される熱を熱伝導性絶縁シート102を介して冷却部103に放熱するようにしている。これにより、配線回路250bから配線回路250aに伝導してMOS−FET210またはダイオード230に加えられる熱量を低減している。放熱部材260bは、多層基板201にスルーホールを設けて形成することができる。スルーホールの内壁には半田204の層が形成されており、これにより配線回路250aと配線回路250bとが電気的に接続されるとともに、熱伝導性絶縁シート102までの熱伝導性を高めている。
【0050】
なお、図8において、トランス220またはチョークコイル240に接続される配線回路250bは、冷却部103側の第4層目の導体層202dに形成するのがよい。これにより、トランス220またはチョークコイル240から伝導される熱が、熱伝導性絶縁シート102を介して配線回路250bからも冷却部103に放熱される。
【0051】
次に、多層基板201の各導体層202を用いて形成されるコイルの一実施例を、図9を用いて説明する。図9は、トランス220の一実施例を示す断面図である。但し、図9では、導体層202間に配置されている絶縁層203の記載を省略している。トランス220は、コイル221aと221bとからなる一次コイル221と、コイル222aと222bとからなる二次コイル222とで構成されている。高電圧側の一次コイル221は、コイル221a、221bがそれぞれ第1層目の導体層202aと第4層目の導体層202dで例えば4ターンのコイルに形成されている。また、低電圧側の二次コイル222は、それぞれのコイル222a、222bがそれぞれ第2層目の導体層202bと第3層目の導体層202cで例えば1ターンのコイルに形成されている。
【0052】
一次コイル221を構成するコイル221a、221bは、それぞれに接続された配線回路252a、252bを経由してMOS−FET210に接続され、二次コイル222を構成するコイル222a、222bは、それぞれに接続された配線回路253a、253bを経由してダイオード230に接続されている。第4層目の導体層202dに形成されたコイル221bは、熱伝導性絶縁シート102に直接接しており、ここでの発熱は熱伝導性絶縁シート102を介して冷却部103に放出される。
【0053】
一方、第1層目に形成された一次コイル221側のコイル221aにおける発熱は、配線回路252a及び放熱部材261を経由して冷却部103に放出される。また、第2層目及び第3層目に形成された二次コイル222側のコイル222a、222bにおける発熱は、放熱部材262a、262bを経由して冷却部103に放出される。これにより、一次コイル221側のコイル221a及び二次コイル222側のコイル222a、222bのいずれもが、冷却部103までの放熱経路を有している。
【0054】
図9に示した実施例では、配線回路252aに接続された放熱部材261が、一次コイル221側のコイル221aで発生した熱を冷却部103側に放熱する役割のみを有しているのに対し、二次コイル222側のコイル222a、222bに接続された放熱部材262a、262bは、それぞれのコイルで発生した熱を冷却部103側に放熱するとともに、コイル222a、222bと配線回路253a、253bとをそれぞれ電気的に接続する役割も有している。このように、放熱部材261、262a、262bを用いることで、各コイルで発生した熱を効率的に冷却部103側に放出することができ、トランス220に接続されたMOS−FET210及びダイオード230への伝熱を抑制して信頼性を確保することができる。
【0055】
次に、多層基板201の各導体層202を用いて形成されるチョークコイル240の一実施例を、図10を用いて説明する。図10(a)は、チョークコイル240の一実施例を示す平面図であり、図10(b)は断面図である。但し、ここでは、導体層202間に配置されている絶縁層203の記載を省略している。チョークコイル240は、4つのコイル240a〜240dで構成されており、それぞれ第1層目〜第4層目の各導体層202a〜202dに形成されている。
【0056】
コイル240aは、配線回路254を経由してダイオード230に接続され、スルーホール241a〜241cを介してコイル240b〜240dへと順次接続されている。そして、第4層目に形成されたコイル240dが、スルーホール241dを介して配線回路255に接続されて負荷に電力を供給する。本実施例のチョークコイル240では、ダイオード230に接続された高温側の配線回路254に放熱部材263を設けており、該放熱部材263から熱伝導性絶縁シート102を介して冷却部103に放熱される。また、第4層目のコイル240dは、熱伝導性絶縁シート102を介して冷却部103に直接放熱される。これにより、第1層目のコイル240aと第4層目のコイル240dの両側からチョークコイル240が冷却される構成となっている。
【0057】
多層基板201の各導体層202を用いて形成されるチョークコイルの別の実施例を、図11を用いて説明する。図11(a)は、別の実施例のチョークコイル240’を示す平面図であり、図11(b)は断面図である。但し、ここでも、導体層202間に配置されている絶縁層203の記載を省略している。チョークコイル240’は、上記実施例と同様に4つのコイル240a〜240dで構成されており、それぞれ第1層目〜第4層目の各導体層202a〜202dに形成されている。
【0058】
本実施例では、第4層目のコイル240dが放熱部材273を経由して配線回路254に接続され、さらにダイオード230に接続されている。また、コイル240dからコイル240c〜240aへとスルーホール241c〜241aを介して順次接続されている。そして、第1層目に形成されたコイル240aが、配線回路255に接続されて負荷に電力を供給している。本実施例のチョークコイル240’では、ダイオード230に接続された高温側の配線回路254に放熱部材263を設けるとともに、熱伝導性絶縁シート102に直接接している第4層目のコイル240dに接続することにより、高温側の配線回路254の冷却をさらに効率よく行えるようにしている。なお、本実施形態では、放熱部材263が熱を伝導するとともに、配線回路254とコイル240dとを電気的に接続している。
【0059】
上記のように、配線回路254に放熱部材263を接続することで、チョークコイル240で発生した熱を効率的に冷却部103側に放出することができ、チョークコイル240に接続されたダイオード230への伝熱を抑制して信頼性を確保することができる。
【0060】
本発明の第3の実施形態に係る電子基板を、以下に説明する。大電流高放熱の電子基板では、低コスト化のために導体層を薄くするとともに、放熱性を高めるために導体幅を大きくするのがよいが、例えばチョークコイルではフェライトコアによる寸法制限のため、従来はコイル部分の導体幅を大きくすることができなかった。従来のチョークコイルにおけるフェライトコアの配置例を図13に示す。図13は、従来のチョークコイル800の一例を示す断面図である。チョークコイル800は、導体層にコイルパターン801が形成されている。
【0061】
コイルパターン801の中心には、形成物としてフェライトコアを挿通するための挿通穴811が形成されており、コイルパターン801の左右両側にも挿通穴812、813が形成されている。これにより、コイルパターン801は、挿通穴811と挿通穴812との間、及び挿通穴811と挿通穴813との間に配置される必要があり、従来は、挿通穴811と挿通穴812との距離(あるいは挿通穴811と挿通穴813との距離)よりも小さい一様の幅で形成されていた。そのため、コイルパターン801の幅が制限されて高い放熱性を実現することができなかった。そこで、上記の第2の実施形態では、例えば配線回路802または803に放熱部材を接続して冷却部103への放熱を向上させるように構成していた。
【0062】
これに対し本実施形態の電子基板に備えられたコイル(以下では、本実施形態のコイルという)では、周辺に配置された形成物で寸法が制約されるコイルパターンからの放熱性を改善するために、実施形態1または2に記載の放熱部材に代えてコイルパターンに好適な形状のコイル拡張部を付加している。以下では、本実施形態のコイルとして、上記のチョークコイルを例に説明する。本実施形態のチョークコイルは、フェライトコア等による寸法制限を受けないコイルパターン部分に対して、コイル拡張部を付加してその幅を大きくすることでコイルパターンの放熱性を高める構成としている。特に、放熱性が低く高温になる部分に対して、コイル拡張部を付加してコイル幅を広くすることで放熱性を高めるようにしている。
【0063】
図13に示す従来のチョークコイル800では、配線回路802、803に接続されたコイル始点801a及びコイル終点801bにおける発熱は、配線回路802、803からも熱が伝導して放熱されるため温度が比較的低く、コイル始点801a及びコイル終点801bから離れるほど温度が高くなる。そして、コイル始点801a及びコイル終点801bと対向するコイル中央部801cの温度が最も高くなる。
【0064】
図13に示す従来のチョークコイル800の放熱性を改善した本実施形態の電子基板に設けられるチョークコイルの第1実施例を図14に示す。図14は、本実施例のチョークコイル300の平面図である。本実施例のチョークコイル300では、コイルパターン301のコイル始点301a及びコイル終点301bと対向する部分(コイル中央部)にコイル拡張部302を形成している。上記説明のように、コイルパターン301からの放熱は、コイル始点301a及びコイル終点301bから離れるほど低下して温度が高くなることから、コイル始点301a及びコイル終点301bから離れるほどコイル幅が広くなるようにコイル拡張部302を形成している。このように、本実施例のチョークコイル300では、従来は放熱性が低く高温になっていたコイル始点301a及びコイル終点301bと対向する部分にコイル拡張部302を形成することで、コイルパターン301の放熱性を高くすることが可能となっている。
【0065】
本実施形態の電子基板に設けられるチョークコイルの第2実施例を図15に示す。図15は、本実施例のチョークコイル310の平面図であり、(a)は第1の層のコイルパターン311を、(b)は第2の層のコイルパターン312をそれぞれ示している。第1の層のコイルパターン311は、第1実施例のコイルパターン300と同様に、コイル拡張部313を有している。これに対し、第2の層のコイルパターン312は、従来のコイルパターン801と同様に、コイル幅が一様に形成されている。第2の層のコイルパターン312は、例えば第1実施形態の電子基板100に備えられたチョークコイル140と同様に、冷却部103に接するように配置されている。そのため、コイルパターン312における発熱は冷却部103に直接放出され、コイルパターン312の温度は低く維持される。
【0066】
このように、2層以上のコイルパターンを有するチョークコイルにおいて、放熱手段を別に有するコイルパターンに対しては、コイル拡張部を設けて放熱性をさらに高めるように構成する必要はない。本実施例では、別の放熱手段を有さないコイルパターン311に対してのみコイル拡張部313を形成しており、これにより、チョークコイル310のいずれのコイルパターンにおいても、特に温度上昇が大きくなる個所をなくすことができる。
【0067】
本実施形態の電子基板に設けられるチョークコイルの第3実施例を図16に示す。図16は、本実施例のチョークコイル320の平面図である。本実施例のチョークコイル320では、フェライトコア挿通穴821〜824がコイルパターン321を取り囲むように四方に設けられている。本実施例においても、最も高温となるコイル始点321a及びコイル終点321bと対向する挿通穴821と824との間にコイル拡張部322を形成している。これに加えて、本実施例のチョークコイル320では、挿通穴821と822との間及び挿通穴823と824との間にも、それぞれコイル拡張部323、324を形成しており、これによりコイルパターン321の放熱性をさらに高めている。
【0068】
本実施形態の電子基板に設けられるチョークコイルの第4実施例を図17に示す。図17は、本実施例のチョークコイル330の平面図である。本実施例のチョークコイル330では、コイルパターン331の中心に設けられたフェライトコア挿通穴831が矩形状に形成されており、コイル始点331aとコイル終点331bとの間の中心軸Cに対し左右対称に、矩形状の挿通穴832、833が設けられている。このような矩形状の挿通穴831〜833に対し、本実施例のコイルパターン331も挿通穴831を囲んで矩形状に形成されている。チョークコイル331がこのような形状に形成されている本実施例においては、コイル始点331a及びコイル終点331bと対向する辺にコイル拡張部332を形成することで、コイル幅を大きくして放熱性を高めることができる。
【0069】
本実施形態の電子基板に設けられるチョークコイルの第5実施例を図18に示す。図18は、本実施例のチョークコイル340の平面図である。本実施例のチョークコイル340では、コイルパターン341を囲むように矩形状のフェライトコア挿通穴841が形成されている。このような形状の挿通穴841を有する本実施形態のチョークコイル340では、高温となるコイル始点341a及びコイル終点341bと対向するコイル中央部にコイル拡張部342を形成することで、コイル幅をできるだけ大きくしてコイルパターン341の放熱性を高めることができる。
【0070】
本実施形態の電子基板に設けられるチョークコイルの第6実施例を図19に示す。図19は、本実施例のチョークコイル350の平面図である。本実施例のチョークコイル350では、コイルパターン351の幅を制約するフェライトコア挿通穴851、852が、コイル始点351aとコイル終点351bとの間の中心軸Cに対し左右対称に2つ設けられているが、コイル始点351a及びコイル終点351bと対向する側には設けられていない。そこで、本実施例のチョークコイル350では、コイル始点351a及びコイル終点351bと対向する側のコイル中央部にコイル拡張部352を形成し、これによりコイル幅を大きくして放熱性を高めている。本実施例のように、コイル始点351a及びコイル終点351bと対向する側に挿通穴が設けられていない場合には、コイル拡張部352の幅をできるだけ大きくするのが好ましく、またコイル始点351a及びコイル終点351b側からコイル中央部に向けてコイル拡張部352の幅を順次大きくしていくのがよい。
【0071】
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係る電子基板の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態における電子基板の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子基板の一実施例であるDC−DCコンバータの概略構成を示す断面図である。
【図2】配線回路及び放熱部材の熱伝導の状態を模式的に示す断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る電子基板の別の実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る電子基板の一実施例であるDC−DCコンバータの概略構成を示す断面図である。
【図5】第2の実施形態に係るDC−DCコンバータの平面図である。
【図6】導体層の厚さとコイル温度及び製造コストとの関係を示す図である。
【図7】放熱部材の一実施例を示す断面図である。
【図8】放熱部材の別の実施例を示す断面図である。
【図9】トランスの一実施例を示す断面図である。
【図10】チョークコイルの一実施例を示す平面図及び断面図である。
【図11】チョークコイルの別の実施例を示す平面図及び断面図である。
【図12】従来の電子基板の断面図である。
【図13】従来のチョークコイルの一例を示す断面図である。
【図14】第3の実施形態に係る電子基板に備えられた第1実施例のチョークコイルの平面図である。
【図15】第3の実施形態に係る電子基板に備えられた第2実施例のチョークコイルの平面図である。
【図16】第3の実施形態に係る電子基板に備えられた第3実施例のチョークコイルの平面図である。
【図17】第3の実施形態に係る電子基板に備えられた第4実施例のチョークコイルの平面図である。
【図18】第3の実施形態に係る電子基板に備えられた第5実施例のチョークコイルの平面図である。
【図19】第3の実施形態に係る電子基板に備えられた第6実施例のチョークコイルの平面図である。
【符号の説明】
【0073】
100、200 DC−DCコンバータ
101 基板
102 熱伝導性絶縁シート
103 冷却部
110、210 スイッチング用MOS−FET
120、220 電圧変換用トランス
130、230 整流用ダイオード
140、240、300、310、320、330、340、350、800
平滑化用チョークコイル
151〜155、251〜255、802、803 配線回路
161〜165、260〜263 放熱部材
201 多層基板
202 導体層
203 絶縁層
204 半田
221 一次コイル
222 二次コイル
301、311、312、321、331、341、351、801
コイルパターン
302、313、322〜324、332、342、352 コイル拡張部
811〜813、821〜824、831〜833,841、851、852
挿通穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路パターンにてコイルを形成した1以上の導体層を有する電子基板であって、
前記コイルに電気的に接続された配線回路と、
前記コイルと前記配線回路のいずれか1つ以上から放熱可能に形成された放熱部材と、を備えた
ことを特徴とする電子基板。
【請求項2】
前記放熱部材は、一端が所定の冷却部に放熱可能となるように形成され、他端が前記配線回路に接続されている
ことを特徴とする電子基板。
【請求項3】
回路素子が実装されて前記配線回路に接続され、
一端が前記所定の冷却部に放熱可能となるように形成され、他端が前記回路素子から放熱可能となるように形成された別の放熱部材を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の電子基板
【請求項4】
前記放熱部材もしくは前記別の放熱部材の一端側にはさらに、前記所定の冷却部に放熱可能となるように形成された別の配線回路が接続されている
ことを特徴とする請求項2または3に記載の電子基板
【請求項5】
前記放熱部材は、前記基板内に垂直に形成された銅ポストである
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電子基板。
【請求項6】
前記放熱部材は、前記基板に形成されたスルーホールである
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電子基板。
【請求項7】
前記コイルは、1次コイルと2次コイルが別の導体層に形成されたトランスである
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子基板。
【請求項8】
前記トランスは、4層以上の導体層に形成されている
ことを特徴とする請求項7に記載の電子基板。
【請求項9】
前記コイルは、平滑化用チョークコイルである
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子基板。
【請求項10】
前記平滑化用チョークコイルは、2層以上の前記導体層に形成されたコイルで構成されている
ことを特徴とする請求項9に記載の電子基板。
【請求項11】
前記導体層の厚さは0.1mm以上かつ1mm以下である
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電子基板。
【請求項12】
前記冷却部材は、前記コイルの始点と終点との間の所定の位置に形成されたコイル拡張部である
ことを特徴とする請求項1に記載の電子基板。
【請求項13】
前記コイル拡張部は、少なくとも前記コイルの始点と終点との間の略中央部に形成されている
ことを特徴とする請求項12に記載の電子基板。
【請求項14】
前記コイルの略中心位置及び外周近傍に2以上の形成物が配置されており、前記コイル拡張部は、前記形成物と重ならない位置に配置されている
ことを特徴とする請求項12または13に記載の電子基板。
【請求項15】
前記形成物は、所定の磁性材を挿通させるための貫通穴である
ことを特徴とする請求項14に記載の電子基板。
【請求項16】
前記コイル拡張部は、前記コイルの始点または終点から離れるほど幅が拡張されている
ことを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の電子基板。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−109309(P2010−109309A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311389(P2008−311389)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)
【Fターム(参考)】