説明

電子楽器

【課題】少ない鍵盤数でも多彩な楽音を出力することができる電子楽器を提供する。
【解決手段】複数の機能部のうち鍵盤部以外の他の機能部との相対位置を検知する位置検知手段と、鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部と前記他の機能部との相対位置に応じて各鍵に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶手段と、楽音信号を生成し、出力する楽音生成手段と、前記鍵盤部から出力される操作信号及び前記位置検知手段の検知出力を取り込み、操作された鍵及び前記位置検知手段により検知された前記相対位置に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように前記楽音生成手段を制御する制御手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子楽器に係り、特にアコーディオンのように携帯した状態で使用する電子楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の電子楽器として、ショルダーキーボード等の携帯用電子楽器が知られている。(例えば、特許文献1参照)。このショルダーキーボードは、キーボードコントローラを小型軽量化し、ギターのようにショルダーストラップを付けて肩から吊り下げて演奏できるようにしたものであり、鍵盤部と、各種スイッチ等が配設された操作子部とが屈曲可能な形で結合することにより、その結合部の変位情報に応じて楽音情報を制御するように構成されている。
【特許文献1】特許第2638028号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に示す電子楽器にあっては、楽器本体の結合部の変位情報に基づく楽音制御は、あくまでもこの屈曲部(結合部)とは、別に設けた鍵盤等によって発せられた音の音色を変えるための補助手段であり、より広いオクターブ範囲に及ぶような楽音からなる複雑な曲を演奏しようとする場合は、鍵盤の数を増やすしか方法がなかった。このため、楽器本体が大型化し、携帯して演奏するには不向きであるという問題があった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、少ない鍵盤数でも多彩な楽音を出力することができる電子楽器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明の電子楽器は、複数の鍵を有し、操作された鍵を示す操作信号を出力する鍵盤部を含む複数の機能部が結合部を介して相対的に位置変更可能に構成された電子楽器であって、前記複数の機能部のうち前記鍵盤部以外の他の機能部との相対位置を検知する位置検知手段と、前記鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部と前記他の機能部との相対位置に応じて各鍵に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶手段と、楽音信号を生成し、出力する楽音生成手段と、前記鍵盤部から出力される操作信号及び前記位置検知手段の検知出力を取り込み、操作された鍵及び前記位置検知手段により検知された前記相対位置に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように前記楽音生成手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0006】
上記構成の本発明の電子楽器では、位置検知手段により前記鍵盤部と、前記複数の機能部のうち前記鍵盤部以外の他の機能部との相対位置が検知される。
【0007】
また、記憶手段には、前記鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部と前記他の機能部との相対位置に応じて各鍵に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されており、制御手段は、前記鍵盤部から出力される操作信号及び前記位置検知手段の検知出力を取り込み、操作された鍵及び前記位置検知手段により検知された前記相対位置に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように前記楽音生成手段を制御する。
【0008】
これにより、鍵盤部と他の機能部との相対位置に応じて各鍵に楽音が割り当てられ、位置検知手段によりお検知された鍵盤部と他の機能部との相対位置に応じて楽音が出力されるので、少ない鍵数で多彩な楽音を出力することが可能となる。
【0009】
また、本発明の電子楽器は、複数の鍵を有し、操作された鍵を示す操作信号を出力する鍵盤部を含む複数の機能部が結合部を介して開閉可能に構成された電子楽器であって、前記鍵盤部に対して前記複数の機能部のうち前記鍵盤部以外の他の機能部のなす角度を検知する角度検知手段と、前記鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部と前記他の機能部とのなす角度に応じて各鍵に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶手段と、楽音信号を生成し、出力する楽音生成手段と、前記鍵盤部から出力される操作信号及び前記角度検知手段の検知出力を取り込み、操作された鍵及び前記角度検知手段により検知された前記角度に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように前記楽音生成手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
上記構成の本発明の電子楽器では、角度検知手段により前記鍵盤部に対して前記複数の機能部のうち前記鍵盤部以外の他の機能部のなす角度が検知される。
【0011】
また、記憶手段には、前記鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部と前記他の機能部とのなす角度に応じて各鍵に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されており、制御手段は、前記鍵盤部から出力される操作信号及び前記角度検知手段の検知出力を取り込み、操作された鍵及び前記角度検知手段により検知された前記角度に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように前記楽音生成手段を制御する。
【0012】
これにより、鍵盤部に対して他の機能部のなす角度に応じて各鍵に楽音が割り当てられ、角度検知手段によりお検知された鍵盤部と他の機能部とのなす角度に応じて楽音が出力されるので、少ない鍵数で多彩な楽音を出力することが可能となる。
【0013】
また、本発明の電子楽器は、複数の鍵を有し、操作された鍵を示す操作信号を出力する鍵盤部を含む複数の機能部が結合部を介してスライド可能に構成された電子楽器であって、前記鍵盤部に対する前記複数の機能部のうち前記鍵盤部以外の他の機能部のスライド量を検知するスライド量検知手段と、前記鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部に対する前記他の機能部のスライド量に応じて各鍵に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶手段と、楽音信号を生成し、出力する楽音生成手段と、前記鍵盤部から出力される操作信号及び前記スライド量検知手段の検知出力を取り込み、操作された鍵及び前記スライド量検知手段により検知された前記スライド量に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように前記楽音生成手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0014】
上記構成の本発明の電子楽器では、スライド量検知手段により前記鍵盤部に対する前記複数の機能部のうち前記鍵盤部以外の他の機能部のスライド量が検知される。
【0015】
また、記憶手段には、前記鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部に対する前記他の機能部のスライド量に応じて各鍵に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されており、制御手段は、前記鍵盤部から出力される操作信号及び前記スライド量検知手段の検知出力を取り込み、操作された鍵及び前記スライド量検知手段により検知された前記スライド量に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように前記楽音生成手段を制御する。
【0016】
これにより、鍵盤部に対する他の機能部のスライド量に応じて各鍵に楽音が割り当てられ、スライド量検知手段により検知された鍵盤部に対する他の機能部のスライド量に応じて楽音が出力されるので、少ない鍵数で多彩な楽音を出力することが可能となる。
【0017】
また、本発明の電子楽器は、複数の鍵を有し、操作された鍵を示す操作信号を出力する鍵盤部を含む複数の機能部が結合部を介して相対的に回動可能に構成された電子楽器であって、前記鍵盤部に対し前記複数の機能部のうち前記鍵盤部以外の他の機能部を回動させた際の前記鍵盤部と前記他の機能部とが重なった部分の面積を示す重なり量を検知する重なり量検知手段と、前記鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部と前記他の機能部との前記重なり量に応じて各鍵に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶手段と、楽音信号を生成し、出力する楽音生成手段と、前記鍵盤部から出力される操作信号及び前記重なり量検知手段の検知出力を取り込み、操作された鍵及び前記重なり量検知手段により検知された前記重なり量に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように前記楽音生成手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0018】
上記構成の本発明の電子楽器では、重なり量検知手段により前記鍵盤部に対し前記複数の機能部のうち前記鍵盤部以外の他の機能部を回動させた際の前記鍵盤部と前記他の機能部とが重なった部分の面積を示す重なり量が検知される。
【0019】
また、記憶手段には、前記鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部と前記他の機能部との前記重なり量に応じて各鍵に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されており、制御手段は、前記鍵盤部から出力される操作信号及び前記重なり量検知手段の検知出力を取り込み、操作された鍵及び前記重なり量検知手段により検知された前記重なり量に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように前記楽音生成手段を制御する。
【0020】
これにより、鍵盤部に対する他の機能部の重なり量に応じて各鍵に楽音が割り当てられ、スライド量検知手段により検知された鍵盤部に対する他の機能部の重なり量に応じて楽音が出力されるので、少ない鍵数で多彩な楽音を出力することが可能となる。
【0021】
また、本発明の電子楽器は、複数の鍵を有し、操作された鍵を示す操作信号を出力する鍵盤部に対し、他の機能部が直交する二方向であるX,Y方向にスライド可能に構成された電子楽器であって、前記鍵盤部に対する前記他の機能部のX方向の移動量を検知する第1の移動量検知手段と、前記鍵盤部に対する前記他の機能部のY方向の移動量を検知する第2の移動量検知手段と、前記鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部に対する前記他の機能部のX、Y方向に、楽音についての異なるパラメータを割り当て、前記他の機能部のX、Y方向の各移動量に応じて、それぞれ、各鍵に割り当てられている楽音のパラメータの内容との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶手段と、楽音信号を生成し、出力する楽音生成手段と、前記鍵盤部から出力される操作信号及び前記第1、第2の移動量検知手段の検知出力を取り込み、操作された鍵及び前記第1、第2の移動量検知手段により検知されたX,Y方向の移動量に対応する楽音のパラメータの内容を、前記テーブルを参照して求め、該求めた前記楽音のパラメータの内容により規定される楽音に相当する楽音信号を出力するように前記楽音生成手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0022】
上記構成の本発明の電子楽器では、第1の移動量検知手段により前記鍵盤部に対する前記他の機能部のX方向の移動量が検知され、第2の移動量検知手段により前記鍵盤部に対する前記他の機能部のY方向の移動量が検知される。
【0023】
また、記憶手段には、前記鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部に対する前記他の機能部のX、Y方向に、楽音についての異なるパラメータを割り当て、前記他の機能部のX、Y方向の各移動量に応じて、それぞれ、各鍵に割り当てられている楽音のパラメータの内容との対応関係を示すテーブルが予め記憶されており、制御手段は、前記鍵盤部から出力される操作信号及び前記第1、第2の移動量検知手段の検知出力を取り込み、操作された鍵及び前記第1、第2の移動量検知手段により検知されたX,Y方向の移動量に対応する楽音のパラメータの内容を、前記テーブルを参照して求め、該求めた前記楽音のパラメータの内容により規定される楽音に相当する楽音信号を出力するように楽音生成手段を制御する。
【0024】
これにより、鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部に対する前記他の機能部のX、Y方向に、楽音についての異なるパラメータが割り当てられ、第1、第2の移動量検知手段により検知されたX,Y方向の移動量に対応する楽音のパラメータにより規定される楽音が出力されるので、少ない鍵数で多彩な楽音を出力することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明の電子楽器によれば、鍵盤部と他の機能部との相対位置に応じて各鍵に楽音が割り当てられ、位置検知手段によりお検知された鍵盤部と他の機能部との相対位置に応じて楽音が出力されるので、少ない鍵数で多彩な楽音を出力することが可能となる。
という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
本発明に係る電子楽器は、複数の鍵を有し、操作された鍵を示す操作信号を出力する鍵盤部を含む複数の機能部が結合部を介して相対的に位置変更可能に構成されている。
【0028】
本発明の各実施形態に係る電子楽器に共通する電気的構成を図1に示す。同図に示すように、本発明に係る電子楽器1は、鍵盤部10と、複数の機能部のうち鍵盤部10以外の他の機能部との相対位置を検知する位置検知手段11と、鍵盤部10における各鍵100と、鍵盤部10と前記他の機能部との相対位置に応じて各鍵100に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶部12と、楽音を生成し、出力する楽音生成部13と、鍵盤部10から出力される操作信号及び位置検知手段11の検知出力を取り込み、操作された鍵100及び位置検知手段11により検知された前記相対位置に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように楽音生成部13を制御する制御回路14と、楽音生成部13から出力される楽音信号を増幅する増幅器15と、増幅器15から出力される楽音信号を受けて発音するスピーカ16とを有している。
【0029】
ここで、位置検知手段11により検知される「相対位置」とは、鍵盤部と他の機能部とが、結合部を介して鍵盤部と他の機能部のどちらか一方に対して、どれだけ離間しているかを示すパラメータである。具体的には、上記相対位置は、鍵盤部と他の機能部とが開閉可能に構成されている場合には鍵盤部と他の機能部とのなす角度であり、また、鍵盤部と他の機能部とがいずれか一方に対してスライド可能に構成されている場合には、鍵盤部または他の機能部のうちいずれか一方を基準にした他方のスライド量である。
【0030】
また、上記相対位置は、鍵盤部と他の機能部とが結合部を介して相対的に回動可能に構成されている場合には、鍵盤部と他の機能部のうちのいずれか一方を基準にしていずれか一方を回動させた際における鍵盤部と他の機能部とが重なった面積を示す重なり量であり、さらに、鍵盤部と他の機能部とがいずれか一方を基準にして他方が直交する二方向であるX、Y方向にスライド可能に構成されている場合には、そのX、Y方向の移動量である。
【0031】
なお、記憶部12は本発明の記憶手段に、楽音生成部13は本発明の楽音生成手段に、制御回路14は本発明の制御手段に、それぞれ相当する。
【0032】
上記構成において、位置検知手段11により鍵盤部10と、複数の機能部のうち鍵盤部10以外の他の機能部との相対位置が検知される。
【0033】
また、記憶手段12には、鍵盤部10における各鍵100と、鍵盤部10と前記他の機能部との相対位置に応じて各鍵100に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている。
【0034】
制御回路14は、鍵盤部10から出力される操作信号及び位置検知手段11の検知出力を取り込み、操作された鍵100及び位置検知手段11により検知された前記相対位置に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように楽音生成部13を制御する。
【0035】
これにより、鍵盤部10と他の機能部との相対位置に応じて各鍵盤に楽音が割り当てられ、位置検知手段11によりお検知された鍵盤部10と他の機能部との相対位置に応じて楽音が出力されるので、少ない鍵盤数で多彩な楽音を出力することが可能となる。
【0036】
以下、本発明の各実施形態に係る電子楽器について説明する。
【0037】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る電子楽器について図2〜図6を参照して説明する。図2には、本発明の第1実施形態に係る電子楽器の外観構成が示されている。本実施形態に係る電子楽器1Aは、複数の鍵100を有し、操作された鍵を示す操作信号を出力する鍵盤部10と、図示してない、各種操作子が設けられた操作子部20が結合部30を介して開閉可能に構成されている。
【0038】
また、操作子部20には、鍵盤部10の鍵100を操作して指定した楽音の音高、音色等の各パラメータを調整する操作子が設けられていると共に、楽音を発音するスピーカ16が設けられている。
【0039】
鍵盤部10と操作子部20とを開閉可能に結合する結合部30は、図3に示すように、構成されている。
【0040】
すなわち、鍵盤部10の操作子20側と結合される端部には、ヒンジカラー300、301が設けられている。また、操作子部20の鍵盤部10側と結合される端部は、基部302、303を有しており、基部302、303には、それぞれ長さの異なるヒンジシャフト304、305が突設されている。ヒンジシャフト304、ヒンジシャフト305は、それぞれ基部302、303に固設されている。
【0041】
鍵盤部10と操作子部20とを結合する際には、操作子部20に設けられた長い方のヒンジシャフト304に、鍵盤部10に設けられたヒンジカラー300を挿通させ、次いで操作子部20に設けられた短い方のヒンジシャフト305に、鍵盤部10に設けられたヒンジカラー301を挿通させ、ヒンジカラー300が挿通されているヒンジシャフト304に、さらにヒンジストッパ306を挿通させる。
【0042】
このように、結合部30は、鍵盤部10に設けられたヒンジカラー300、301、操作子部20に設けられた基部302、303、ヒンジシャフト304、305、及ヒンジストッパ306からなり、ヒンジ部を構成している。
【0043】
さらに、操作子部20または鍵盤部10には、鍵盤部10の鍵100、または操作子部20の操作子を操作することにより、指定された楽音を生成し、出力するために必要な電子回路が内蔵されている。
【0044】
本発明の第1実施形態に係る電子楽器1Aの電気的構成を図5に示す。同図において、第1実施形態に係る電子楽器1Aは、複数の鍵100を有する鍵盤部10と、鍵盤部10に対して操作子部20のなす角度を検知する角度検知手段11Aと、鍵盤部10における各鍵100と、鍵盤部10と操作子部20とのなす角度に応じて各鍵に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶部12Aと、楽音信号を生成し、出力する楽音生成部13と、鍵盤部10から出力される操作信号及び角度検知手段11Aの検知出力を取り込み、操作された鍵及び角度検知手段11Aにより検知された、鍵盤部10と操作子部20とのなす角度に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように楽音生成部13を制御する制御回路14Aと、増幅器15と、スピーカ16とを有している。
【0045】
図4は、電子楽器1Aの縦断面を示している。角度検出手段11Aは、鍵盤部10と操作子部20とを開閉可能に結合するヒンジ部として機能する結合部30のヒンジシャフト305の外周面には、磁石110が埋設されており、この磁石110が埋設された面に対向するヒンジカラー301の内周面には所定の角度間隔で、例えば、鍵盤部10に対し、操作子部20を閉じた状態を基準(0°)として鍵盤部10と操作子部20とのなす角度が45°の角度毎に複数の磁気センサ120が埋設されている。磁石110と磁気センサ120とで、角度検知手段11Aが構成されている。
【0046】
鍵盤部10と操作子部20とのなす角度と各磁気センサの検知出力との対応関係を制御回路14A側で認識できるようにしておく。これは、制御回路14A内のメモリに各角度位置に埋設された各磁気センサ120の出力が入力される入力端子との対応関係を記憶させておき、上記制御回路14Aの上記各磁気センサ120の検知出力が入力される入力端子に入力された検知出力のうち最大の検知出力が入力された入力端子に対応する角度を鍵盤部10と操作子部20とのなす角度として把握するようにすればよい。
鍵盤部10に対して操作子部20を開閉した際に、磁石110と対向する位置にある磁気センサ120により最も大きい検知出力が得られることにより、制御回路14A側では、鍵盤部10と操作子部20とのなす角度を認識することができる。
【0047】
この磁気センサとして、例えば、本実施形態ではホール素子が使用される。なお、磁気センサは磁気を検知できるものであればよく、ホール素子に限定されない。また、角度検知手段11Aは、磁石110と磁気センサ120との組み合わせによる構成に限らず、鍵盤部10と操作子部20とのなす角度を検知できる構成であれば良く、上記構成に限定されない。例えば、発光素子と、受光素子との組み合わせにより角度検知手段を構成してもよい。
【0048】
また、記憶部12Aには、既述したように鍵盤部10と操作子部20とのなす角度に応じて鍵盤部10の各鍵100に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが記憶されているが、そのテーブルの一例を図6に示す。同図に示すように、鍵盤部10と操作子部20とのなす角度をθとすると、θ=0°〜45°、45°〜90°、90°〜135°、135°〜180°の各角度範囲に対して各鍵100(鍵1、鍵2、鍵3、…)に楽音が割り当てられている。
【0049】
なお、記憶部12Aは本発明の記憶手段に、楽音生成部13は本発明の楽音生成手段に、制御回路14Aは本発明の制御手段に、それぞれ相当する。
【0050】
上記構成において、ユーザが、電子楽器1Aの鍵盤部10と操作子部20とのなす角度θを、例えば、θ=60°まで開き、記憶部12Aに記憶されているテーブルにおける鍵2に相当する鍵100を操作すると、制御回路14Aは、オクターブ4のE♭の楽音が記憶部12Aのテーブルより読出し、「オクターブ4のE♭」の楽音に相当する楽音信号を出力するように楽音生成部13を制御する。楽音生成部では、制御回路14Aの制御下に「オクターブ4のE♭」の楽音に相当する楽音信号を、増幅器15を介してスピーカ16に出力する。
【0051】
スピーカ16では、増幅器15の出力を受けて「オクターブ4のE♭」の楽音を発音する。
【0052】
また、ユーザが楽器1Aの鍵盤部10と操作子部20とのなす角度θを、例えば、θ=150°まで開き、記憶部12Aに記憶されているテーブルにおける鍵2に相当する鍵100を操作すると、制御回路14Aは、オクターブ4のE♭の楽音が記憶部12Aのテーブルより読出し、「オクターブ5のE♭」の楽音に相当する楽音信号を出力するように楽音生成部13を制御する。この結果、スピーカ16では、増幅器15の出力を受けて「オクターブ5のE♭」の楽音を発音する。このように、同じ鍵を操作しても割り当てられた異なる楽音が発音されることとなる。
【0053】
勿論、上記テーブルに同じ音を異なる角度θに割り当てることにより鍵盤部10をと操作子部20とのなす角度が異なっていても同じ楽音を発音させるようすることもできる。
【0054】
また、上記テーブルにおいて、楽音が切り替わる角度θ(例えば、45°等)では、図6に示すように必ずその角度の前後、どちらかの音に割り当てても良いし、音の切り替わりがスムーズになるように、例えば、角度θが40°から50°の間で徐々に楽音を変化させるよう角度θに対して楽音を割り当てるようにしてもよい。
【0055】
更に、40°から50°までの角度θでは楽音を変更する前後の楽音が発音されるように上記テーブルを構成するようにしてもよい。
【0056】
本発明の第1実施形態に係る電子楽器によれば、鍵盤部に対して他の機能部である操作子部のなす角度に応じて各鍵に楽音が割り当てられ、角度検知手段により検知された鍵盤部と操作子部とのなす角度に応じて楽音が出力されるので、少ない鍵数で多彩な楽音を出力することが可能となる。
【0057】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る電子楽器について図7〜図10を参照して説明する。図7には、本発明の第2実施形態に係る電子楽器の外観構成が示されている。本実施形態に係る電子楽器1Bは、複数の鍵100を有し、操作された鍵を示す操作信号を出力する鍵盤部10と、図示してない、各種操作子が設けられた操作子部20が結合部40を介してX方向にスライド可能に構成されている。すなわち、鍵盤部10、操作子部20の長手方向の一端部が重なり合って上記長手方向に直交する方向Xにスライド可能に構成されている。
【0058】
また、操作子部20には、鍵盤部10の鍵100を操作して指定した楽音の音高、音色等の各パラメータを調整する操作子が設けられており、鍵盤部10には楽音を発音するスピーカ16が設けられている。
【0059】
また、結合部40近傍には、鍵盤部10に対する他の機能部としての操作子部20のスライド量を検知するスライド量検知手段11Bが設けられている。
【0060】
さらに、操作子部20または鍵盤部10には、鍵盤部10の鍵100、または操作子部20の操作子を操作することにより、指定された楽音を生成し、出力するために必要な電子回路が内蔵されている。
【0061】
本発明の第2実施形態に係る電子楽器1Bの電気的構成を図9に示す。同図において、第2実施形態に係る電子楽器1Bは、複数の鍵100を有する鍵盤部10と、鍵盤部10に対する操作子部20のスライド量を検知するスライド量検知手段11Bと、鍵盤部10に対する操作子部20のスライド量に応じて各鍵に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶部12Bと、楽音信号を生成し、出力する楽音生成部13と、鍵盤部10から出力される操作信号及びスライド量検知手段11Bの検知出力を取り込み、操作された鍵及びスライド量検知手段11Bにより検知された前記スライド量に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように楽音生成部13を制御する制御回路14Bと、増幅器15と、スピーカ16とを有している。
【0062】
スライド量検知手段11Bは、電子楽器1Bの部分拡大図である図8に示すように、結合部40における鍵盤部10側の上記スライド方向Xに直交する方向の端部に沿って所定間隔で配設された複数の磁石130と、操作子部20の前記X方向にその端部から所定間隔で配設された複数の磁気センサ140とを有している。結合部40における鍵盤部10側のスライド方向Xに直交する方向の端部に沿って複数の磁石130が所定間隔で配設された位置を第1の基準位置とする。
【0063】
磁気センサ140は、操作子部20における結合部40側の端部から離れる程、前記磁石の配列される方向と同方向に配列される数が多くなるように、配列されている。
【0064】
具体的には、例えば、操作子部20における結合部40側の端部近傍の第2の基準位置(この第2の基準位置に磁気センサ140が0個、配設されている。)から10mm間隔で1個、2個、3個、…と、スライド可能な範囲内で磁気センサ140が1つずつ増加するように配列されている。そして、前記複数の磁石130の配列間隔と、X方向と直交する方向の磁気センサ140の配列間隔は、ほぼ同一になるように設定されている。
【0065】
また、前記複数の磁石130の配設数は、磁気センサ140の前記X方向に配列された素子数の最大値と同じかそれより大きくなるように設定されている。
【0066】
したがって、鍵盤部20における複数の磁石130が所定間隔で配設された前記第1の基準位置と、操作子部20の第2の基準位置とが一致しているとき、すなわち、スライド量が0のときには、複数の磁気センサのうち、いずれの磁気センサ140にも磁石が近接することはないので、磁気検知出力は得られない。
【0067】
ここで、上記第1、第2の基準位置が一致した位置より操作子部20をX方向でかつ鍵盤部10側にスライドさせると、スライド量Lに応じて複数の磁石130に対して近接する磁気センサ140が1個(L=0〜10mm)、2個(L=10〜20mm)、3個(L=20〜30mm)、4個(L=30〜40mm)…と増加するので、制御回路14Bが複数の磁気センサ140の出力状態(検知出力の有無、もしくは出力レベル)をモニタすることにより、制御回路14B側で鍵盤部10に対する操作子部20のスライド量Lを認識することができる。
【0068】
この磁気センサ140として、例えば、本実施形態ではホール素子が使用される。なお、磁気センサは磁気を検知できるものであればよく、ホール素子に限定されない。
【0069】
また、スライド量検知手段11Bは、磁石130と磁気センサ140との組み合わせによる構成に限らず、鍵盤部10に対する操作子部20のスライド量を検知できる構成であれば良く、上記構成に限定されない。例えば、発光素子と、受光素子との組み合わせによりスライド量検知手段11Bを構成してもよい。
【0070】
また、記憶部12Bには、鍵盤部10における各鍵100と、鍵盤部10に対する前記操作子部20のスライド量Lに応じて各鍵100に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが記憶されており、そのテーブルの一例を図10に示す。同図において、L=0〜10mm,L=10〜20mm,L=20〜30mm,L=30〜40mmの各スライド量に対して各鍵100(鍵1、鍵2、鍵3、…)に楽音が割り当てられている。
【0071】
鍵盤部10に対する前記操作子部20のスライド量Lに応じて各鍵100に割り当てられている楽音は、単音のみならず、和音でもよく、図10に示したテーブルの例では、スライド量Lの大きさによって、各鍵100に割り当てられた楽音の数を変化させるようにしてある。
【0072】
上記構成において、ユーザが、電子楽器1Bの鍵盤部10に対して操作子部20を可動範囲内で、X方向(図8参照)にスライドさせ、スライド量Lを、例えば、L=0〜10mmまで開き、記憶部12Bに記憶されているテーブルにおける鍵1に相当する鍵100を操作すると、スライド量検知部11Bにより鍵盤部10に対する前記操作子部20のスライド量Lが検知される。
【0073】
制御回路14Bは、スライド量検知部11Bの検知出力及び鍵盤部10から出力される操作信号を取り込み、操作された鍵100及びスライド量を特定する。
【0074】
制御回路14Bは、操作された鍵100及び操作子部20のスライド量Lから、記憶部12Bに記憶されているテーブルを参照し、「C,E」の2つの楽音を上記テーブルより読出し、「C,E」の楽音に相当する楽音信号を出力するように楽音生成部13を制御する。
【0075】
楽音生成部13では、制御回路14Bの制御下に「C,E」の楽音に相当する楽音信号を、増幅器15を介してスピーカ16に出力する。
【0076】
スピーカ16では、増幅器15の出力を受けて「C,E」の楽音を発音する。
【0077】
また、ユーザが、電子楽器1Bの鍵盤部10に対して操作子部20を可動範囲内で、X方向にスライドさせ、スライド量Lを、例えば、L=20〜30mmまで開き、記憶部12Bに記憶されているテーブルにおける鍵1に相当する鍵100を操作すると、制御回路14Bは、スライド量検知部11Bの検知出力及び鍵盤部10から出力される操作信号を取り込み、操作された鍵100及びスライド量を特定する。
【0078】
制御回路14Bは、操作された鍵100及び操作子部20のスライド量Lから、記憶部12Bに記憶されているテーブルを参照し、「C,E,G」の3つの楽音を上記テーブルより読出し、「C,E,G」の楽音に相当する楽音信号を出力するように楽音生成部13を制御する。
【0079】
楽音生成部13では、制御回路14Bの制御下に「C,E、G」の楽音に相当する楽音信号を、増幅器15を介してスピーカ16に出力する。
【0080】
スピーカ16では、増幅器15の出力を受けて「C,E、G」の楽音を発音する。
【0081】
このように、同じ鍵を操作しても割り当てられた異なる楽音が発音されることとなる。
【0082】
勿論、上記テーブルに同じ音を異なる角度θに割り当てることにより鍵盤部10をと操作子部20とのなす角度が異なっていても同じ楽音を発音させるようにすることもできる。
【0083】
また、上記テーブルにおいて、楽音が切り替わるスライド量(例えば、L=10mm等)では、図10に示すように必ずそのスライド量Lの前後、どちらかの音に割り当てても良い。
【0084】
本発明の第2実施形態に係る電子楽器によれば、鍵盤部に対する他の機能部である操作子部のスライド量に応じて各鍵に楽音が割り当てられ、スライド量検知手段により検知された鍵盤部に対する操作子部のスライド量に応じて楽音が出力されるので、少ない鍵数で多彩な楽音を出力することが可能となる。
【0085】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る電子楽器について図11〜図14を参照して説明する。図11には、本発明の第3実施形態に係る電子楽器の外観構成が示されている。
【0086】
本実施形態に係る電子楽器1Cは、複数の鍵100を有し、操作された鍵を示す操作信号を出力する鍵盤部10と、図示してない、各種操作子が設けられた操作子部20が結合部としての軸50を介して相対的に回動可能に構成されている。
【0087】
また、操作子部20には、鍵盤部10の鍵100を操作して指定した楽音の音高、音色等の各パラメータを調整する操作子(図示せず)が設けられており、鍵盤部10には楽音を発音するスピーカ16が設けられている。
【0088】
また、鍵盤部10と操作子部20とを結合する軸(結合部)50近傍には、鍵盤部10に対し操作子部20を軸50を中心に回動させた際の鍵盤部10と操作子部20とが重なった部分の面積を示す重なり量を検知する重なり量検知手段11Cが設けられている。
【0089】
さらに、操作子部20または鍵盤部10には、鍵盤部10の鍵100、または操作子部20の操作子を操作することにより、指定された楽音を生成し、出力するために必要な電子回路が内蔵されている。
【0090】
本発明の第3実施形態に係る電子楽器1Cの電気的構成を図13に示す。同図において、第3実施形態に係る電子楽器1Cは、複数の鍵100を有する鍵盤部10と、鍵盤部10に対し操作子部20を結合部である軸50を中心に回動させた際の鍵盤部10と操作子部20とが重なった部分の面積を示す重なり量を検知する重なり量検知手段11Cと、鍵盤部10における各鍵100と、鍵盤部10と操作子部20との前記重なり量に応じて各鍵100に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶部12Cと、楽音信号を生成し、出力する楽音生成部13と、鍵盤部10から出力される操作信号及び重なり量検知手段11Cの検知出力を取り込み、操作された鍵及び重なり量検知手段11Cにより検知された重なり量に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように楽音生成部13を制御する制御回路14Cと、増幅器15と、スピーカ16とを有している。
【0091】
重なり量検知手段11Cは、本実施形態では、図12(A)に示すように、鍵盤部10における軸50の近傍に設けられた磁気センサ350と、操作子部20における軸50近傍に設けられた磁石351とで構成されている。磁気センサ350と磁石351の配列は、図12(B)に示すようになる。すなわち、鍵盤部10における軸50が設けられた隅部において、磁気センサ350が、鍵盤部10の短手方向の他の隅部に向かって所定の間隔で、かつ個数が上記短手方向と直交する方向に順次、増加するように配列されている。
【0092】
他方、操作子部20における軸50が設けられた隅部には、操作子部20の長手方向の側面に沿って一列に所定間隔で複数の磁石351が配設されている。
【0093】
したがって、鍵盤部10に対して軸50を中心に操作子部20を回動させると、鍵盤部10に対して操作子部20の重なり量が増加するにつれて、磁石351の磁界を検知する磁気センサ350の数が比例して増加するので、制御回路14Cでは、磁石351による磁界を検知した磁気センサの数を把握することにより、た鍵盤部10に対する操作子部20の重なり量を把握することができる。
【0094】
また、記憶部12Cには、鍵盤部10における各鍵100と、鍵盤部10に対する前記操作子部20の重なり量に応じて各鍵100に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが記憶されており、そのテーブルの一例を図14に示す。本実施形態では、既述したように、鍵盤部10に対する前記操作子部20の重なり量は、操作子部10に配設された磁石351による磁界を検知した磁気センサ350の個数で把握するようにしているので、図14のテーブルも磁石を検知した磁気センサ数と鍵盤部10の鍵との関係で楽音を割り当てるようにしている。
【0095】
図14において、磁石351による磁界を検知した磁気センサ350の個数をSとすると、S=1,S=2,S=3,S=4の各重なり量Sに対して各鍵100(鍵1、鍵2、鍵3、…)に楽音が割り当てられている。因みに、S=1のときは、スライド量は0であるが一定の重なり量が有る。図14に示すように、上記重なり量Sにより変化させる楽音のパラメータは、「音名」のみでなく、「調」を含めてもよい。
【0096】
検知した磁気センサが1個のとき(重なり量Sが1)のときは、C調であり、鍵1〜3には、それぞれC、C#、Dが割り当てられているが、検知した磁石の個数、すなわち磁気センサの数が2個になると、移調してF調となり、F、F#、Gと変化する。
【0097】
なお、鍵盤部10に対する前記操作子部20の重なり量の他の判定手段として、鍵盤部の、操作子部と重なる位置に照度を検出するようなフォトセンサを配置する方法もある。操作子の開閉量によって変化する照度を重なり量として、各鍵盤に対する音の割り当てを変更する。光源は操作子部に設けてもよいし、本体以外の光(部屋の明かり等)を使用しても良い。
【0098】
なお、記憶部12Cは本発明の記憶手段に、楽音生成部13は本発明の楽音生成手段に、制御回路14Cは本発明の制御手段に、それぞれ相当する。
【0099】
上記構成において、ユーザが電子楽器1Cの鍵盤部10に対し操作子部20を、軸50を中心に重なり量Sが、例えば、S=0〜10mmとなるまで操作子部20を回動させ、記憶部12Cに記憶されているテーブルにおける鍵1に相当する鍵100を操作すると、重なり量検知部11Cにより鍵盤部10に対する前記操作子部20の重なり量Sが検知される。
【0100】
制御回路14Cは、重なり量検知部11Cの検知出力及び鍵盤部10から出力される操作信号を取り込み、操作された鍵100及び重なり量を特定する。重なり量Sを、例えば、1個の磁石351が1個の磁気センサ350により検知された状態である重なり量S=1まで開き、記憶部12Cに記憶されているテーブルにおける鍵1に相当する鍵100を操作すると、重なり量検知部11Cにより鍵盤部10に対する前記操作子部20の重なり量S(=1)が検知される。
【0101】
制御回路14Cは、重なり量検知部11Cの検知出力及び鍵盤部10から出力される操作信号を取り込み、操作された鍵100が鍵1であること及び重なり量S=1を特定する。
【0102】
制御回路14Cは、操作された鍵1及び操作子部20の重なり量S=1から、記憶部12Cに記憶されているテーブルを参照し、「C調」の音名「C」の楽音を上記テーブルより読出し、「C調」の音名「C」の楽音に相当する楽音信号を出力するように楽音生成部13を制御する。
【0103】
楽音生成部13では、制御回路14Cの制御下に「C調」の音名「C」の楽音に相当する楽音信号を、増幅器15を介してスピーカ16に出力する。
【0104】
スピーカ16では、増幅器15の出力を受けて「C調」の音名「C」の楽音を発音する。
【0105】
また、ユーザが、電子楽器1Cの鍵盤部10に対し操作子部20を、軸50を中心に例えば、重なり量S=3、すなわち、磁石351が3個が、3個の磁気センサ350により検知された状態となるまで操作子部20を回動させ、記憶部12Cに記憶されているテーブルにおける鍵1に相当する鍵100を操作すると、制御回路14Cは、重なり量検知部11Cの検知出力及び鍵盤部10から出力される操作信号を取り込み、操作された鍵が鍵1であること及び重なり量S=3を特定する。
【0106】
制御回路14Cは、操作された鍵1及び操作子部20の重なり量S=2から、記憶部12Cに記憶されているテーブルを参照し、「F調」の音名「F」の楽音を上記テーブルより読出し、「F調」の音名「F」の楽音に相当する楽音信号を出力するように楽音生成部13を制御する。
【0107】
楽音生成部13では、制御回路14Cの制御下に「F調」の音名「F」の楽音に相当する楽音信号を、増幅器15を介してスピーカ16に出力する。
【0108】
スピーカ16では、増幅器15の出力を受けて「F調」の音名「F」の楽音を発音する。
【0109】
このように、同じ鍵を操作しても割り当てられた異なる楽音が発音されることとなる。
【0110】
勿論、上記テーブルに同じ音を異なる角度θに割り当てることにより鍵盤部10と操作子部20との重なり量が異なっていても同じ楽音を発音させるようにすることもできる。
【0111】
本発明の第3実施形態に係る電子楽器によれば、鍵盤部に対する他の機能部の重なり量に応じて各鍵に楽音が割り当てられ、スライド量検知手段により検知された鍵盤部に対する他の機能部の重なり量に応じて楽音が出力されるので、少ない鍵数で多彩な楽音を出力することが可能となる。
【0112】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係る電子楽器について図15〜図20を参照して説明する。図15には、本発明の第4実施形態に係る電子楽器の外観構成が示されており、図16には、鍵盤部10側と他の機能部としての操作子部20側とを分解した外観構成が示されている。また、図17は、本実施形態に係る電子楽器の平面図(図17(A))、横断面図(図17(B))及び縦断面図(図17(C))である。
【0113】
図15〜図17において、本実施形態に係る電子楽器1Dは、複数の鍵100を有し、操作された鍵を示す操作信号を出力する鍵盤部10と、図示してない、各種操作子が設けられた操作子部20とを有し、鍵盤部10に対して他の機能部としての操作子部20が直交する二方向であるX,Y方向にスライド可能に構成されている。
【0114】
すなわち、鍵盤部10の一側面には操作子部20を直交するX,Yに方向のうちX方向にスライドさせるレール400が固設されている。このレール400は、鍵盤部10における鍵100が設けられた表面上方に突設されたレール溝401を有している。
【0115】
一方、操作子部20の一側面には、操作子部20を上記Y方向にスライドさせるレール500がスライド可能に取り付けられている。すなわち、レール500の長手方向の下部にはレール溝501が設けられており、このレール溝501には操作子部20に設けられた断面T字状に形成された係合突片が係合し、操作子部20がレール溝501に沿って移動できるように取り付けられている。
【0116】
また、レール溝501の端部には、断面T字状に形成された係合突片502が設けられており、操作子部20の側面に形成された上記係合突片をレール500のレール溝501に係合させた状態で、レール500の係合突片502を鍵盤部10に固設されたレール400のレール溝401に係合させる。
【0117】
これにより、鍵盤部10に対して他の機能部としての操作子部20が直交する二方向であるX,Y方向に移動することができる。
【0118】
また、鍵盤部10に固設されたレール400と操作子部20との間には、鍵盤部10に対する操作子部20のX方向の移動量を検知する第1の移動量検知手段が設けられており、レール500とレール溝501に係合突片が係合している操作子部20との間には、鍵盤部10に対する操作子部20のY方向の移動量を検知する第2の移動量検知手段がそれぞれ、設けられている。具体的には、後述する。
【0119】
また、操作子部20には、鍵盤部10の鍵100を操作して指定した楽音の音高、音色等の各パラメータを調整する操作子(図示せず)が設けられており、鍵盤部10または、操作子部20には楽音を発音するスピーカが設けられている。
【0120】
さらに、操作子部20または鍵盤部10には、鍵盤部10の鍵100、または操作子部20の操作子を操作することにより、指定された楽音を生成し、出力するために必要な電子回路が内蔵されている。
【0121】
本発明の第4実施形態に係る電子楽器1Dの電気的構成を図18に示す。同図において、第4実施形態に係る電子楽器1Dは、複数の鍵100を有する鍵盤部10と、鍵盤部10に対する操作子部20のX方向の移動量を検知する第1の移動量検知手段50と、鍵盤部10に対する操作子部20のY方向の移動量を検知する第2の移動量検知手段51と、鍵盤部10における各鍵100と、鍵盤部10に対する操作子部20のX、Y方向に、楽音についての異なるパラメータを割り当て、操作子部20のX、Y方向の各移動量に応じて、それぞれ、各鍵に割り当てられている楽音のパラメータの内容との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶部12Dと、楽音信号を生成し、出力する楽音生成部13と、前記鍵盤部から出力される操作信号及び前記第1、第2の移動量検知手段50、51の検知出力を取り込み、操作された鍵100及び第1、第2の移動量検知手段50、51により検知されたX,Y方向の移動量に対応する楽音のパラメータの内容を、前記テーブルを参照して求め、該求めた前記楽音のパラメータの内容により規定される楽音に相当する楽音信号を出力するように楽音生成部13を制御する制御回路14Dと、増幅器15と、スピーカ16とを有している。
【0122】
鍵盤部10に対する操作子部20のX方向の移動量を検知する第1の移動量検知手段50は、レール400のレール溝401の長手方向に所定の基準位置から例えば、10mm間隔で複数の磁気センサが配設されており、かつレール溝401に沿って移動する操作子部20のレール溝401に対面する側面に配設された磁石とを有しており、この各磁気センサのうち、どの磁気センサが前記磁石による磁気を検知するかによりX方向の位置を検知するようになっている。
【0123】
また、鍵盤部10に対する操作子部20のY方向の移動量を検知する第2の移動量検知手段51は、レール500の係合突片502が設けられた端部側の所定の基準位置からレール500のレール溝501に沿って例えば、10mm間隔で複数の磁気センサが配設されており、かつレール溝501に沿って移動する操作子部20におけるレール溝501に対面する側面に配設された磁石とを有しており、上記複数の磁気センサのうち、どの磁気センサが前記磁石による磁気を検知するかによりY方向の位置を検知するようになっている。
【0124】
この磁気センサとして、例えば、本実施形態ではホール素子が使用される。なお、磁気センサは磁気を検知できるものであればよく、ホール素子に限定されない。
【0125】
また、第1、第2の移動量検知手段50、51は、磁石と磁気センサとの組み合わせによる構成に限らず、鍵盤部10に対する操作子部20のX、Y方向の移動量を検知できる構成であれば良く、上記構成に限定されない。例えば、発光素子と、受光素子との組み合わせにより第1、第2の移動量検知手段50、51を構成してもよい。
【0126】
また、記憶部12Dには、鍵盤部10における各鍵100と、鍵盤部10に対する操作子部20のX、Y方向に、楽音についての異なるパラメータを割り当て、操作子部20のX、Y方向の各移動量に応じて、それぞれ、各鍵に割り当てられている楽音のパラメータの内容との対応関係を示すテーブルが記憶されており、そのテーブルの一例を図19、図20に示す。
【0127】
この例では、操作子部20のX方向の移動量に楽音のパラメータとして「オクターブ」が、操作子部20のY方向の移動量に楽音のパラメータとして「音名」を割り当てられている。具体的には、図19に示すように、X=0〜10mm,X=10〜20mm,X=20〜30mm,X=30〜40mmの各移動量に対してオクターブ2、3、4、5が割り当てられている。
【0128】
また、操作子部20のY方向の移動量については、Y=0〜10mm,Y=10〜20mm,Y=20〜30mm,Y=30〜40mmの各移動量に対して各鍵100(鍵1、2、3、…)に「音名」が割り当てられている。
【0129】
上記構成において、ユーザが電子楽器1Dの操作子部20をレール400に沿ってX方向の基準位置よりX方向にX=0〜10mmの範囲内でスライドさせ、かつ操作子部20をY方向の基準位置よりレール500に沿ってY=20〜30mmの範囲内でスライドさせた後、鍵盤部10記憶部12Dに記憶されているテーブル(図20参照)における鍵1に相当する鍵盤部10における鍵100を操作すると、第1、第2の移動量検知手段50、51により、鍵盤部10に対する操作子部20のX、Y方向の移動量X、Yが検知される。
【0130】
制御回路14Dは、第1、第2の移動量検知手段50、51の検知出力及び鍵盤部10から出力される操作信号を取り込み、操作された鍵100及び鍵盤部10に対する操作子部20のX、Y方向の移動量X、Yを特定する。
【0131】
制御回路14Dは、操作された鍵100及び鍵盤部10に対する操作子部20のX、Y方向の移動量X、Yから、記憶部12Dに記憶されている図19、図20に示すテーブルを参照し、移動量X(=0〜10mm)から楽音のパラメータとしてオクターブ「2」を、また移動量Y(=20〜30)から楽音のパラメータとして音名「C#」を、それぞれ上記テーブルより読出し、オクターブ「2」でかつ音名「C#」の楽音に相当する楽音信号を出力するように楽音生成部13を制御する。
【0132】
楽音生成部13では、制御回路14Dの制御下にオクターブ「2」でかつ音名「C#」の楽音に相当する楽音信号を、増幅器15を介してスピーカ16に出力する。
【0133】
スピーカ16では、増幅器15の出力を受けてオクターブ「2」でかつ音名「C#」の楽音を発音する。
【0134】
なお、本実施形態では、第1、第2の移動量検知手段50、51を磁石と磁気センサの組み合わせで構成し、鍵盤部10に固設されたレール400と操作子部20との間に、鍵盤部10に対する操作子部20のX方向の移動量を検知する第1の移動量検知手段を、レール500とレール溝501に係合突片が係合している操作子部20との間に、鍵盤部10に対する操作子部20のY方向の移動量を検知する第2の移動量検知手段をそれぞれ、設けるようにしたが、これに限定されない。
【0135】
例えば、図21に示すように、レール400が側面に固定された鍵盤部10における操作子部20と重なり合う側の隅部に1個の磁石451を配設し、かつ操作子部20が操作子部20側の対向する隅部のX方向の基準位置からX方向に磁気センサ450を所定距離(例えば、10mm)毎に順次、Y方向(X方向と直交する方向)に向けて順次個数が増加するように配設する。磁気センサ450のY方向の設置間隔は例えば、10mmである。この磁石と磁気センサの配列を除けば、他の構成は既述した構成と同一である。
【0136】
本発明の第4の実施形態に係る電子楽器によれば、鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部に対する前記他の機能部のX、Y方向に、楽音についての異なるパラメータが割り当てられ、第1、第2の移動量検知手段により検知されたX,Y方向の移動量に対応する楽音のパラメータにより規定される楽音が出力されるので、少ない鍵数で多彩な楽音を出力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明に係る電子楽器の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電子楽器の外観構成を示す斜視図。
【図3】図2に示した本発明の第1実施形態に係る電子楽器の分解斜視図。
【図4】図2に示した本発明の第1実施形態に係る電子楽器の縦断面図。
【図5】本発明の第1実施形態に係る電子楽器の電気的構成を示すブロック図。
【図6】図5に示した本発明の第1実施形態に係る電子楽器における記憶部に記憶されているテーブルの内容の一例を示す図。
【図7】本発明の第2実施形態に係る電子楽器の外観構成を示す斜視図。
【図8】図7に示した本発明の第2実施形態に係る電子楽器におけるA部の拡大図。
【図9】本発明の第2実施形態に係る電子楽器の電気的構成を示すブロック図。
【図10】図9に示した本発明の第2実施形態に係る電子楽器における記憶部に記憶されているテーブルの内容の一例を示す図。
【図11】本発明の第3実施形態に係る電子楽器の外観構成を示す斜視図。
【図12】図11に示した本発明の第3実施形態に係る電子楽器の外観構成を示す分解斜視図、及び鍵盤部における磁気センサと操作子部における磁石との配列関係を示す図。
【図13】本発明の第3実施形態に係る電子楽器の電気的構成を示すブロック図。
【図14】図13に示した本発明の第3実施形態に係る電子楽器における記憶部に記憶されているテーブルの内容の一例を示す図
【図15】本発明の第4実施形態に係る電子楽器の外観構成を示す斜視図。
【図16】図15に示した本発明の第4実施形態に係る電子楽器の分解斜視図。
【図17】本実施形態に係る電子楽器の平面図(図17(A))、横断面図(図17(B))及び縦断面図(図17(C))。
【図18】本発明の第4実施形態に係る電子楽器の電気的構成を示すブロック図。
【図19】図18に示した本発明の第4実施形態に係る電子楽器における記憶部に記憶されているテーブルの内容の一例を示す図。
【図20】図18に示した本発明の第4実施形態に係る電子楽器における記憶部に記憶されているテーブルの内容の他の例を示す図。
【図21】本発明の第4実施形態に係る電子楽器の変形例を示す説明図。
【符号の説明】
【0138】
1、1A,1B,1C,1D…電子楽器、10…鍵盤部、11…位置検知手段、12…記憶部、13…楽音生成部、14…制御回路、15…増幅器、16…スピーカ、20…操作子部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鍵を有し、操作された鍵を示す操作信号を出力する鍵盤部を含む複数の機能部が結合部を介して相対的に位置変更可能に構成された電子楽器であって、
前記複数の機能部のうち前記鍵盤部以外の他の機能部との相対位置を検知する位置検知手段と、
前記鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部と前記他の機能部との相対位置に応じて各鍵に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶手段と、
楽音信号を生成し、出力する楽音生成手段と、
前記鍵盤部から出力される操作信号及び前記位置検知手段の検知出力を取り込み、操作された鍵及び前記位置検知手段により検知された前記相対位置に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように前記楽音生成手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする電子楽器。
【請求項2】
複数の鍵を有し、操作された鍵を示す操作信号を出力する鍵盤部を含む複数の機能部が結合部を介して開閉可能に構成された電子楽器であって、
前記鍵盤部に対して前記複数の機能部のうち前記鍵盤部以外の他の機能部のなす角度を検知する角度検知手段と、
前記鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部と前記他の機能部とのなす角度に応じて各鍵に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶手段と、
楽音信号を生成し、出力する楽音生成手段と、
前記鍵盤部から出力される操作信号及び前記角度検知手段の検知出力を取り込み、操作された鍵及び前記角度検知手段により検知された前記角度に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように前記楽音生成手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする電子楽器。
【請求項3】
複数の鍵を有し、操作された鍵を示す操作信号を出力する鍵盤部を含む複数の機能部が結合部を介してスライド可能に構成された電子楽器であって、
前記鍵盤部に対する前記複数の機能部のうち前記鍵盤部以外の他の機能部のスライド量を検知するスライド量検知手段と、
前記鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部に対する前記他の機能部のスライド量に応じて各鍵に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶手段と、
楽音信号を生成し、出力する楽音生成手段と、
前記鍵盤部から出力される操作信号及び前記スライド量検知手段の検知出力を取り込み、操作された鍵及び前記スライド量検知手段により検知された前記スライド量に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように前記楽音生成手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする電子楽器。
【請求項4】
複数の鍵を有し、操作された鍵を示す操作信号を出力する鍵盤部を含む複数の機能部が結合部を介して相対的に回動可能に構成された電子楽器であって、
前記鍵盤部に対し前記複数の機能部のうち前記鍵盤部以外の他の機能部を回動させた際の前記鍵盤部と前記他の機能部とが重なった部分の面積を示す重なり量を検知する重なり量検知手段と、
前記鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部と前記他の機能部との前記重なり量に応じて各鍵に割り当てられている楽音との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶手段と、
楽音信号を生成し、出力する楽音生成手段と、
前記鍵盤部から出力される操作信号及び前記重なり量検知手段の検知出力を取り込み、操作された鍵及び前記重なり量検知手段により検知された前記重なり量に対応する楽音を、前記テーブルを参照して求め、該求めた楽音に相当する楽音信号を出力するように前記楽音生成手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする電子楽器。
【請求項5】
複数の鍵を有し、操作された鍵を示す操作信号を出力する鍵盤部に対し、他の機能部が直交する二方向であるX,Y方向にスライド可能に構成された電子楽器であって、
前記鍵盤部に対する前記他の機能部のX方向の移動量を検知する第1の移動量検知手段と、
前記鍵盤部に対する前記他の機能部のY方向の移動量を検知する第2の移動量検知手段と、
前記鍵盤部における各鍵と、前記鍵盤部に対する前記他の機能部のX、Y方向に、楽音についての異なるパラメータを割り当て、前記他の機能部のX、Y方向の各移動量に応じて、それぞれ、各鍵に割り当てられている楽音のパラメータの内容との対応関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶手段と、
楽音信号を生成し、出力する楽音生成手段と、
前記鍵盤部から出力される操作信号及び前記第1、第2の移動量検知手段の検知出力を取り込み、操作された鍵及び前記第1、第2の移動量検知手段により検知されたX,Y方向の移動量に対応する楽音のパラメータの内容を、前記テーブルを参照して求め、該求めた前記楽音のパラメータの内容により規定される楽音に相当する楽音信号を出力するように前記楽音生成手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする電子楽器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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