説明

電子機器及びその制御方法

【課題】操作部材との電気的な接続を必要とすることなく、操作部材に対するユーザの操作を精度良く検出する技術を提供する。
【解決手段】本発明の電子機器は、所定の機能と対応付けられた振動パターンを示す1以上の条件データを記憶する記憶手段と、ユーザの操作に応じ、固有の機械的な振動パターンを発生させる発生手段と、電子機器の振動を検出する検出手段と、検出手段により検出された振動が、記憶手段に記憶された条件データに合致する振動か否かを判定する判定手段と、判定手段により、検出手段により検出された振動が、記憶手段に記憶された条件データが示す振動パターンに合致すると判定された場合に、条件データが示す振動パターンに対応付けられた機能を実行するように電子機器を制御する制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及びその制御方法に関し、特には、与えられた操作指示を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PDA(Personal Digital Assistant)やデジタルカメラといった電子機器は、ユーザの持ち運びの利便性を考慮して小型化が進んできている。
【0003】
図13は、従来の電子機器の一例としての撮像装置の構成例を示す図である。レンズ鏡筒102は、ズームレンズ・フォーカスレンズ・手振れ補正レンズといった光学レンズや絞り115やNDフィルタによって構成される。レンズシステム制御部132は、カメラシステム制御部からの指令に基づき、ズームレンズ・フォーカスレンズなどの光学レンズを制御する。撮像素子106は、変換された画像を電気信号に変換する。AD変換器121は、信号処理のため撮像素子106からのアナログ信号出力をデジタル信号に変換する。
【0004】
光学処理系は、被写体からの光をレンズ鏡筒102を介して撮像素子106の撮像面に結像する。絞り115の制御量と撮像素子106で露光される光量に基づいて絞り115を制御して露光量を調節し、適切な光量の物体光を撮像素子106に露光する。
【0005】
画像処理回路122は、AD変換器121を介し撮像素子106から受けた撮像素子106の画素数に対応する画像信号を処理する信号処理回路である。画像処理回路122は、ホワイトバランス回路、ガンマ補正回路、補間演算による高解像度化を行う補間演算回路等を有する。
【0006】
メモリ107は、記憶部であり画像データや制御プログラムや種々の情報を格納する。メモリ107には電源をオフしても記憶が消えないデータを復元できる不揮発性メモリ107−1と電源をオフすると記憶が消える揮発性のワークメモリ107−2の両方が存在する。カメラシステム制御部124は、CPUで構成され、メモリ107に記憶されたプログラムや種々の情報によりシステム全体を制御する。カメラシステム制御部124は、押しボタンスイッチ113やダイヤルスイッチ131に対する操作を検出して各部を制御し、レリーズスイッチ111に対する操作を検出して撮像のタイミング信号などの出力信号を生成して出力する。このため、図13に示すように、従来例では、カメラシステム制御部124とダイヤルスイッチ131との間、カメラシステム制御部124と押しボタンスイッチ113との間には、電気的に接続するための配線が必要であり、この配線が装置の大型化やコストの増加を招いていた。また、レンズシステム制御部132は、カメラシステム制御部124の制御に応じて、適切にレンズなどを制御する。
【0007】
記録処理回路123は、画像処理回路122の画像出力につき公知の方法を用いて静止画像や動画像の圧縮を行い、記録媒体129に記録する。また記録処理回路123は、メモリ107への画像ファイルの出力を行うと共に、表示部114に出力する像を生成し、保存する。レリーズスイッチ111は、撮影開始を指示する。具体的には、押下ストロークの約半分の押下で撮影準備指示がなされ(SW1)、最後まで押し下げると撮影動作の指示がなされる(SW2)。手振れ検出センサ108は、ユーザの手振れを検出するジャイロセンサによって構成される。
【0008】
また携帯型情報処理装置は、振動を検出するセンサ技術も進歩しており、加速度センサやジャイロセンサを用いて装置の振動や振り量を検出することができる。特許文献1および特許文献2では、これらのセンサ技術により、装置自体が振られたことや装置の姿勢の変位を検出して装置の操作に利用することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第4009887号
【特許文献2】特開平10−49290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1及び特許文献2に開示されるように、ユーザが装置を振った振り量やユーザが装置の姿勢を変えた変位量を装置に対する指示として検出する場合、振り量や姿勢の変位量はユーザの操作によって大きな差があるため、装置が誤検出を起こしてしまうことがあった。
【0011】
電気接点を用いた操作部を使用すればこのような誤検出を防ぐことができる。しかし、装置の小型化に伴い、操作部を設置するスペースや、操作部とその操作を検出する回路との間を接続する配線のための装置内部のスペースを確保できなくなってきている。
【0012】
本発明は、上述の課題に鑑みなされたものであり、操作部材との電気的な接続を必要とすることなく、操作部材に対するユーザの操作を検出する電子機器及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以上の課題を解決するために、本発明の電子機器は、所定の機能と対応付けられた振動パターンを示す1以上の条件データを記憶する記憶手段と、ユーザの操作に応じ、固有の機械的な振動パターンを発生させる発生手段と、前記電子機器の振動を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された振動が、前記記憶手段に記憶された条件データに合致する振動か否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記検出手段により検出された振動が、前記記憶手段に記憶された条件データが示す振動パターンに合致すると判定された場合に、該条件データが示す振動パターンに対応付けられた機能を実行するように前記電子機器を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、操作部材との電気的な接続を必要とすることなく、操作部材に対するユーザの操作を検出する電子機器及びその制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の撮像装置の構成図。
【図2】撮像装置の斜視図。
【図3】撮像装置の背面図。
【図4】押しボタンスイッチの構成と動作を示す断面図。
【図5】押しボタンスイッチによる振動の測定データを示す図。
【図6】不揮発メモリに書き込まれる条件データのテーブルを示す図。
【図7】条件データの波形データの例を示す図。
【図8】測定データからスイッチ動作を判定するフロー図。
【図9】押しボタンスイッチの構成と動作を示す断面図。
【図10】押しボタンスイッチによる振動の測定データを示す図。
【図11】ダイヤルスイッチの構成と動作を示す図。
【図12】ダイヤルスイッチの振動測定データからスイッチ動作を判定するフロー図。
【図13】従来の撮像装置の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念および下位概念など種々の概念を理解するのに役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけでない。
【0017】
<実施形態1>
(撮像装置の構成)
図1、図2及び図3は、本発明の実施形態に係る電子機器の一例としての撮像装置を示す図である。図1〜図3において、同じ物には同じ番号を記載してある。
【0018】
図1は、実施形態1における撮像装置の構成例を示す図である。図1において、図13で説明した構成と同様な部分については、説明を省略する。
【0019】
図13の従来例と図1の実施形態1の構成で異なる点について説明する。まず、従来例で接続されていたカメラシステム制御部124とダイヤルスイッチ131との間、およびカメラシステム制御部124と押しボタンスイッチ113との間の電気的な配線をなくした。したがって、カメラシステム制御部124と押しボタンスイッチ113との間は、物理的に分離している。従来例で説明したように、この配線が装置の大型化やコストの増加を招いていたためである。また、加速度センサ130を追加し、AD変換器と接続した。
【0020】
振動発生部133−1は、ダイヤルスイッチ131に、振動発生部133−2はボタンスイッチ113にそれぞれ配置され、各スイッチの操作によって、振動を発生する。加速度センサ130は、この振動発生部133から発生した振動検出し、検出した信号をAD変換器121へ送る。AD変換器121は、アナログの検出信号をデジタル信号に変換し、カメラシステム制御部124へ送信する。
【0021】
メモリ107は、記憶部であり画像データや制御プログラムや種々の情報を格納する。メモリ107には電源をオフしても記憶が消えないデータを復元できる不揮発性メモリ107−1と電源をオフすると記憶が消える揮発性メモリ107−2の両方が存在する。本発明では、加速度センサ130で発生する振動に対応付けられた1以上の振動パターンを予め記憶する場合には、不揮発性メモリ107−1を使用する。カメラシステム制御部124は、不揮発性メモリ107−1に記憶された所定の振動パターンに基づき、振動発生部133で発生した機械的な振動がその所定のパターンか否かを判定するパターン判定部を有する。
【0022】
図2は、撮像装置101を斜め正面から見た概略図である。図2において、後述する加速度センサの検出軸方向も示している。ストロボ202は、被写体を照射する。レリーズスイッチ111は、撮影開始を指示する。具体的には、押下ストロークの約半分の押下で撮影準備指示がなされ(SW1)、最後まで押し下げると撮影動作の指示がなされる(SW2)。レンズ鏡筒102の各レンズと絞り115は、レンズシステム制御部132で適正なズーム位置や適正なフォーカス位置や適正な露出に制御される。ダイヤルスイッチ131aは、回転操作部材であり、メニュー表示や項目選択、例えばシャッター速度などを切り替えるためのものである。
【0023】
座標軸203は、撮像装置101に関する3軸の振動軸X、Y、Zを示す。Z軸は、図示の撮像装置101においては、レンズ鏡筒102の光軸と平行な軸である。加速度センサ130は、撮像装置101に対して203に示すX軸、Y軸、Z軸の3次元の振動を検出することができる。3次元の振動を検出する方法には、公知の技術で静電容量によるもの、抵抗変化によるものなどが存在する。
【0024】
3軸方向にある、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの振動の大きさに対応付けられたアナログ値は、加速度センサ130から出力さる。一般的に、振動が大きいほど大きなアナログの出力信号が出力される。加速度センサ130からのアナログの出力信号は、AD変換器121を介して、カメラシステム制御部124に入力される。アナログ出力信号のノイズを除去するために、AD変換器121の前にフィルタ回路を入れてもかまわない。フィルタ回路は、HPF(ハイパスフィルタ)LPF(ローパスフィルタ)といった既知のフィルタ回路で構成できる。
【0025】
また、ノイズ除去の方法としては、カメラシステム制御部124のプログラムの中でフィルタ処理をソフトで行うことでもかまわない。さらに、振動の検出にジャイロを用いることも可能である。ジャイロを用いた場合は、角速度を検出することが可能である。角速度を既知の方法で加速度に変換すれば、加速度センサと同様に扱える。撮像装置101の振動を加速度センサ130で検出する場合は、振動が伝わりやすい装置内部の基板上や筐体上に加速度センサ130を実装すれば検出できる。
【0026】
図3は、撮像装置101を背面から見た概略を示す図である。図2と同じ部分には同じ識別番号を付けている。図2と同じ部分の説明は省略する。ボタンスイッチ113a、113bは、操作部材としての押しボタンである。ダイヤルスイッチ131aと131bは、回転操作可能な回転操作部材である。表示部114は、撮像されている被写体像と逐次表示する電子ビューファインダとして利用することが可能である。また、表示部114は、記録媒体129に記録された画像やメニュー画面を表示することができる。操作部材であるボタンスイッチ113a、113b、ダイヤルスイッチ131aと131bは、カメラシステム制御部124と電気的には接続していない。しかし、操作されることで生じるそれぞれ固有の振動パターンを識別することによって、カメラシステム制御部124はどの操作部材が操作されたかを識別することができる。各操作部材にはそれぞれ異なる機能が割り当てられており、カメラシステム制御部124は、振動パターンによってどの操作部材が操作されたかを識別し、それに応じて各操作部材に割り当てられた機能が実現されるように撮像装置の各部を制御する。
【0027】
(押しボタンスイッチの構成)
図4に、押しボタンスイッチ113aの構成の詳細を示す。図4(a)は、押しボタンスイッチ113aが押されていないときの断面を示す図である。押し込み部401は、押しボタンスイッチ113aを用いたユーザ操作のためのユーザ入力部である。保持部402aと402bは、押しボタンスイッチ113を保持する部分である。コイルバネ403は、保持部402aと402bから押し込み部401を突出させる力を生み出す。振動発生部404は、押し込み部401上に取り付けられており、押し込み部401が図中下向きに押し込まれると、振動板402cに接触するように取り付けられた突起部である。
【0028】
押し込み部401が図中下向きに押し込まれると、図6(b)の状態となり、振動発生部404は、振動板402cの上部から下部にくる。この途中で、振動発生部404が振動板402cに接触し、振動板402cを弾く。弾かれた振動板402cは振動し、固有の振動パターンの振動を撮像装置101に与える。加速度センサ130は、この振動板に固有な振動を検出し、固有の振動パターンを示すアナログ出力信号を出力する。このアナログ出力信号は、AD変換器121を介してカメラシステム制御部124に入力される。カメラシステム制御部124は、入力された振動が示す振動パターンによって、押しボタンスイッチ113aの押し込み部401が押し込まれたこと、すなわち押しボタンスイッチ113aが押下されたと判断する。このように、電気的な接続をすることなく、操作部材が操作されたことを検出することができる。
【0029】
図6(b)の押し込まれた状態からユーザが押し込み部401を離すと、コイルバネ403の力により押し込み部401は、図6(a)の状態に戻る。このとき振動発生部404は、振動板402cを下から上に弾くので振動板402cが振動し、このときの固有な振動を加速度センサ130が検出することで押しボタンスイッチ113aが離されたことを検出することができる。なお、振動板402cが上から下に弾かれた場合と、下から上に弾かれた場合とで異なる振動をするように設計する。そして、それぞれの振動パターンによって、押しボタンスイッチ113aが押下されたことと離されたこととを別々に識別することが可能となる。
【0030】
振動板402cの長さや厚さ、硬さ、材質の少なくともひとつを変えることで、振動波形の波長と振幅を変えることができる。従って、複数の押しボタンスイッチを設ける場合には、それぞれ図4のような構成であっても、振動板402cの長さや厚さ、硬さ、材質等をそれぞれ異ならせることで、どの押しボタンスイッチが押されたのかを操作の識別ができる。すなわち、図3の押しボタンスイッチ113bは、押しボタンスイッチ113aと同じ図4のような構成であるが、振動板の構成は、押しボタンスイッチ113aとは異なるものとする。
【0031】
(押しボタンスイッチの操作による振動の例)
図4で記述した構成の押しボタンスイッチの操作によって、加速度センサ130が検出する振動の例を、図5、図6、図7により示す。図5は、X軸方向の振動のみが検出され、Y軸方向とZ軸方向では振動が検出されなかった例である。
【0032】
図5(a)は、X、Y、Zの各軸方向で検出された振動波形501aを示す図である。振動波形501aは、ある程度の振幅を持っており、X軸方向に振動があることがわかる。加速度センサ130は、振動波形301について、振幅期間504aと、振幅505aを取得可能である。振動波形502aは、Y軸方向で検出した振動波形を示し、振動波形503aは、Z軸方向で検出された振動波形を示す。以上のように、図5(a)は、Y軸方向、Z軸方向では振動を検出しない例であるため、振動波形502a、503aは、有意の振幅を有していない。
【0033】
図5(b)では、Y軸方向の振動のみが検出され、X軸方向、Z軸方向では振動が検出されない例である。振動波形502bは、Y軸方向で検出された振動波形を示す。振動波形502bは、ある程度の振幅を持っており、Y軸方向に振動があることがわかる。加速度センサ130は、振動波形502bについて、振幅期間504bと、振幅505bを取得可能である。振動波形501bは、X軸方向で検出された振動波形を示す。振動波形503bは、Z軸方向で検出された振動波形を示す。以上のように、図5(b)は、X軸方向、Z軸方向では振動を検出しない例なので、振動波形501b、503bは、有意の振幅を有していない。
【0034】
図5(c)は、Z軸方向の振動のみが検出され、X軸方向、Y軸方向では振動が検出されない例である。振動波形503cは、Z軸方向で検出された振動波形を示す。振動波形503cはある程度の振幅を持っており、Z軸方向に振動があることがわかる。加速度センサ130は、振動波形503cについて、振幅期間504cと、振幅505cを取得可能である。振動波形501cは、X軸方向で検出された振動波形を示す。振動波形502cは、Y軸方向で検出された振動波形を示す。以上のように、図5(c)は、X軸方向、Y軸方向では振動を検出しない例なので、振動波形501c、502cは、有意の振幅を有していない。
【0035】
同一の押しボタンスイッチであっても、撮像装置101へ取り付ける位置によって図5(a)のようにX軸方向の波形の振動を出力するものとしたり、図5(b)や図5(c)のようなY軸やZ軸方向の波形の振動を出力するものにすることもできる。もちろん、図5のような波形に限られるものではなく、取り付ける位置に応じてさまざまな波形となる。このように、同一の押しボタンスイッチであっても取り付ける位置を異なる位置に設定することで、加速度センサ130で異なる波形を検出するようにすることができ、カメラシステム制御部124に対して異なるボタンとして認識させることができる。複数の同一の押しボタンスイッチを異なるボタンとして取り付ける場合には、それぞれ撮像装置101の異なる面に設置すると、精度よく区別して操作を検出することができる。異なる面に設置するのは、同一の振動を発する押しボタンスイッチを複数備え、加速度センサ130のそれぞれ異なる軸で検出するようにするためである。
【0036】
(スイッチ検出処理)
次に、押しボタンスイッチの操作を検出する処理について説明する。まず、図6に示すテーブルのように、N個のスイッチについて、加速度センサ130で検出されることが想定される各軸の機械的な振動パターン毎に、それぞれ振幅の上限値601、下限値602および各軸の振幅期間の上限値603と下限値604を不揮発性メモリ107−1に1以上記憶しておく。これらの値を以下、条件データを称する。
【0037】
図7に、図6のテーブルのように記憶したスイッチNo=n(以下、スイッチn)についてのX軸の条件データを用いた振動波形の識別の方法を例に示す。振幅が、スイッチnのX軸の上限値704と、スイッチnのX軸の下限値705の間にある振動波形が、スイッチnの振動波形であると識別される候補となる。図7の振動波形701の振幅702は、上限値704と下限値705との間にあるので、スイッチnの振動波形であると識別される候補となる。逆に、振幅が、上限値704と下限値705との間にない振動波形は、スイッチnによるものではないと判定される。また、周期、すなわち振幅がある閾値以上の期間である振幅期間が、スイッチnについて記憶された振幅期間のX軸の上限値と下限値の間にある振動波形が、スイッチnの振動波形であると識別される候補となる。なお、ここでいう振幅期間とは、振幅が所定の閾値以上となった時点から、再び所定の閾値以下となるまでの期間であるものとする。閾値は、有意な振動であると判定するための値であり、振動がない状態でのノイズ変動に対して誤検出しない値である。図7の例では、スイッチnのX軸の振幅の上限値704と下限値705に対しては十分に小さい値に設定しているものとする。振動波形701の振幅期間703は、スイッチnについて記憶された周期のX軸の上限値と下限値の間にあるものとする。従って、X軸の振動波形701は、スイッチnについて記憶されたX軸の条件データに合致すると判定される。同様に、Y軸とZ軸について検出された振動波形もスイッチnについて記憶されたY軸、Z軸の条件データに合致すると、スイッチnが操作されたと識別される。
【0038】
尚、図6のテーブルでは、条件データとして、振幅と振幅期間の情報を記憶する例を示している。しかし、例えば、振動のエネルギ量や平均加速度などの振動に関する情報を条件データとして不揮発性メモリ107−1に記憶し、それを利用しても良い。また、この例により、加速度センサの取り付けとスイッチ操作による振動方向とを考慮することで、3軸方向のうち、1軸方向のみの振動成分の検出か、2軸方向のみの振動成分の検出か、3軸方向のすべての振動成分の検出が行なえることがわかる。
【0039】
図8に、カメラシステム制御部124が行う、押しボタンスイッチの操作を検出する処理のフローチャートを示す。この処理は、不揮発性メモリ107−1に記憶されたプログラムを、揮発性のワークメモリ107−2に展開してカメラシステム制御部124が実行することにより実現される。まずS801では、カメラシステム制御部124が、加速度センサ130によって振幅が閾値以上となる振動を検出したか否かを判定する。閾値以上となる振動を検出するまでは、S801の処理を繰り返すことで閾値以上となる振動が検出されるのを待ち、閾値以上となる振動が検出されるとS802に進む。
【0040】
S802では、S801で検出された振動の振幅期間を計測するためのタイマーをスタートする。続いてS803では、加速度センサ130からの出力される振動の測定データを取得し、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれについてワークメモリ107−2に記憶しているデータ値を超えていれば、これを更新して記憶する。なお、ワークメモリ107−2に記憶しているデータの初期値は、0とする。すなわち、最初のS803の処理では、取得したX軸、Y軸、Z軸の振動を記録する。2回目以降は、測定データが記憶している振動の振幅を上回っていれば、記憶していた振動パターンに上書きして現在の振動を記録する。こうして記録された振動は、加速度センサ130が検出している振動の最大値、すなわち振幅である。
【0041】
S804では、1回分の振幅期間を経過したか否かを判定する。これは、加速度センサ130で検出している振動がS801と同一の閾値以下となったか否かの判定である。閾値以下となった場合には、1回分の振幅期間が経過したと判断し、S806に進む。閾値以下となっていない場合には、まだ1回分の振幅期間が経過してないと判断し、S805に進む。S805では、1回分のサンプリング期間が経過するのを待ち、サンプリング期間が経過すると、S803に進み、S803の測定を繰り返す。
【0042】
S806では、S802でスタートしたタイマーの経過時間を振幅期間として確定し、ワークメモリ107−2に記録する。S807以下では、ワークメモリ107−2に記録された振動の振幅と振幅期間を、各種スイッチの条件データと比較する。まずS807では、スイッチNo用の変数nをn=1に設定する。
【0043】
S808では、ワークメモリ107−2に記録された振動の各軸の振幅が、スイッチnの条件データを満たすか(各軸の上限値と下限値との間の値であるか)否かを判定する。満たしていると判定するとS809へ進み、満たしていないと判定するとS811に進む。S809では、ワークメモリ107−2に記録された振動の各軸の振幅期間が、スイッチnの条件データを満たすか(各軸の上限値、下限値の間の値であるか)否かを判定する。満たしていると判定するとS810へ進み、満たしていないと判定するとS811に進む。
【0044】
S811では、検出した振動は、スイッチnの操作によって行われたものであると確定し、スイッチnに割り当てられた機能を実行する。機能を実行すると処理を終了する。一方、S811ではn=Nであるか否か、すなわちすべてのスイッチの条件データについて比較をしたか否かを判定する。n=Nでないと判定するとS812に進み、変数nに1を足してS808以降の処理を繰り返す。S811でn=N、すなわちすべてのスイッチについて比較し、最後のスイッチNについても比較を終了していると判定すると処理を終了する。この場合は、振動パターンがどのスイッチの条件データも満たさなかった場合であり、カメラシステム制御部124はこの振動は操作部材の操作によるものではないと判断していかなる処理も行わない。
【0045】
以上のように、電気的に接続していない操作部材であっても、その振動パターンを検出することによって、複数個備えられたスイッチについてどの操作部材が操作されたかを識別し、操作に応じた処理を行うことができる。なお、前述の例では、振動板の違いや押しボタンスイッチの配置の違いによる1回分の振幅期間の固有振動パターンで複数の操作部材の識別を行っていたが、複数回分の振幅期間の固有振動パターンを用いて操作部材の識別を行ってもよい。その例を図9の構成の押しボタンスイッチを使って説明する。
【0046】
図9は、押しボタンスイッチの断面図を示す図である。図9の押しボタンスイッチが、図4で説明した押しボタンスイッチと異なる点は、振動発生部(404a・404b)が複数個(この例では2個)あることである。したがって、図4で説明した押しボタンスイッチは、最初の波長の振動が最大値となり、2回目の波長以降は減衰していく振動を発生する(図10(a))のに対し、図9の押しボタンスイッチでは最初の2波長分の振動が最大値となる振動(図10(b))を発生する。このように振動発生部の構成を変えることで、異なるパターンの振動を発生する操作部材とし、その振動の違いから、それぞれの操作部材が操作されたことを区別できるようにしても良い。
【0047】
(回転操作部材の構成)
次に、ダイヤルスイッチ131に対する操作を加速度センサ130で検出した振動に基づいて識別する方法を説明する。図11(a)は、ダイヤルスイッチ131の断面図を示す図である。撮像装置101の筐体1110を斜線で示す。ツマミ部1101と内部回転部1103は、筐体1110を挟むように取り付けられている。
【0048】
図11(b)は、内部回転部1103を正面から見た図である。ダイヤルスイッチ131は、ユーザが回転操作するツマミ部1101と内部回転部1103とツマミ部1101と内部回転部1103を接続する接続軸1102とで構成される。内部回転部1103には、溝1104を設けておく。振動板1105は、バネ性を有し、常に接続軸1102方向に押し付ける力を発生させる。振動板1105が内部回転部1103の溝1104がない部分に当たっているときは、バネの力が蓄えられる。そして、振動板1105が内部回転部1103の溝1104部分にくると、バネの力が接続軸1102方向に開放される。この開放により振動が発生する。ツマミ部1101に対してユーザが回転操作を行うと、内部回転部1103も回転する。このとき、振動板1105が溝1104に出入りすることで、この溝から固有の振動が発生する。
【0049】
加速度センサ130でこの振動を検出し、カメラシステム制御部124が加速度センサ130で検出した振動を条件データと比較することで、ダイヤルスイッチ131が回転操作されたことを識別することができる。すなわち、電気的接続がなくとも回転操作部材への操作を検出することができる。なお、ダイヤルスイッチ131は、操作するときにクリック感を持つと更に良い。このように構成することで、振動板1105が溝1104にはまるとき振動の他にクリック感も持たせることができる。カメラシステム制御部124がダイヤルスイッチ131に対する操作を検出する方法は、条件データとしてダイヤルスイッチ131用のデータを記憶しておき、前述の図8のフローチャートと同様の処理によって検出できるので、説明を省略する。
【0050】
次に、ダイヤルスイッチ131の回転方向検出方法について説明する。ダイヤルスイッチ131は、操作方向である回転方向で機能を変えることが多い。例えば、前述したメニューの選択をユーザがダイヤルスイッチ131で行う場合には、回転方向によりメニューの切り替わる方向を変えるような使い方をする。そのため、ダイヤルスイッチ131については、回転方向の検出が必要になる。加速度センサ130により回転方向を検出するには、回転方向に応じて加速度センサ130が異なる振動を検出するようにすれば良い。
【0051】
図11(c)は、内部回転部1103を正面から見た図である。図11(c)が図11(b)と異なるのは、内部回転部1103の溝1104の形状を変えている点である。図11(c)では、溝1104の形状を、溝の中心から左右非対称とし、振動板1105が溝1104に進入する方向によって異なる振動が発生するように構成している。すなわち、内部回転部1103が回転する方向が、時計回りであるか反時計回りであるかによって、異なる振動を発生する。
【0052】
このように溝1104の形状を変えることにより、振動板1105の振動の振幅を回転方向で変えることができる。回転方向により振幅の大きさを変えることにより、検出された振動の振幅から回転方向を判断することができる。なお、複数のダイヤルスイッチを設け、それぞれのダイヤルスイッチへの操作を識別するためには、前述した押しボタンスイッチのように、異なる振動パターンを発生するように構成するか、設置する位置を変えて異なる軸で振動が検出されるように設置すればよい。異なる振動パターンを発生するようにするには、振動板1105の長さ、厚さ、硬さ、材質、形状等に相違を付けるか、溝1104の形状に相違を与えれば良い。
【0053】
次にスイッチの状態記憶に関して説明する。ここでは、押しボタンスイッチ113とダイヤルスイッチ131を総称してスイッチとする。加速度センサ130の振動検出でスイッチ検出を行う場合、電気的スイッチのように電気的接点を持たないため、スイッチの状態をスイッチ独自で電気的に保持することができない。カメラシステム制御部124は、加速度センサ130の振動波形出力によりスイッチの切り替わりを判断する。そのために、カメラシステム制御部124は、ワークメモリ107−2上に予めスイッチ状態を記憶する変数領域を確保しておく。
【0054】
一般的に、ワークメモリ107−2は、バイト単位で記憶する。1バイト=8ビットであるので、1ビットで1つのスイッチの動作状態(オン/オフ)を表せば、1バイトで8つのスイッチの動作状態(オン/オフ)を記憶できる。スイッチを動作状態(オン/オフ)ではなく、モードとして記憶する場合、モードを数値でコード化することにより記憶できる。1バイトで表現できる数値は、0から255の256個であるので、ワークメモリ107-2は、1バイトで256のモードを記憶できる。記憶するスイッチの動作状態(オン/オフ)の数やモードの数に応じて、ワークメモリ107−2の変数領域が確保される。
【0055】
撮像装置101の電源をオフするときは、電源オン時に再現が必要なスイッチの状態をワークメモリ107-2から不揮発性メモリ107-1に記憶する。例えば、撮像装置101の静止画撮影・動画撮影・再生といった動作を決めるモードは、ダイヤルスイッチ131で行うことが一般的に行われている。ダイヤルスイッチ131でのモードの切り替え方法は後述するが、設定したモードは、撮像装置101の電源をオフして次に電源をオンした時に再開することが望ましい。このような場合、電源オン時に、カメラシステム制御部124は、不揮発性メモリ107-1に記憶したスイッチ状態をワークメモリ107-2に読み込み、前回電源オフを行ったスイッチ状態で撮像装置101の動作を再開すれば良い。
【0056】
次にダイヤルスイッチ131で撮像装置101のモードを切り替える方法を説明する。ダイヤルスイッチ131でモードを切り替える場合、モードの数に応じてワークメモリ107-2に変数領域を確保し、ダイヤルスイッチ131の操作の検出に合わせてワークメモリ107−2の変数の値を変える。ここで、振動パターンのモード遷移を説明する。
【0057】
具体的に、「モードA」、「モードB」、「モードC」の3つの切り替えを例にする。3つのモードは、ダイヤルスイッチ131の回転に合わせて「モードC」→「モードB」→「モードA」→「モードC」の繰り返しで切り替わるものとする。いま、この回転方向をダイヤル時計回りと仮定する。ダイヤルスイッチ131を逆に回転させると、「モードA」→「モードB」→「モードC」→「モードA」というように逆に切り替わるものとする。この回転方向は、ダイヤル反時計回りと仮定する。モードを記憶するために、ワークメモリ107-2に変数領域を確保する。このケースでは3つのモードを記憶するため、1バイトの変数領域を確保すれば良い。モードが増えた場合はモードの数に応じて変数領域を確保する。
【0058】
次に各モードにコードを割り当てる。いま「モードA」=0、「モードB」=1、「モードC」=2とする。カメラシステム制御部124は、前述した複数個のダイヤルスイッチ131を区別する方法により、ダイヤルスイッチ131の切り替わり及び回転方向を加速度センサ130の出力から検出できる。
【0059】
カメラシステム制御部124は、ダイヤルスイッチ131の切り替わり及び回転方向を検出したら、回転方向により変数を次の状態に切り替える。例えば変数が「モードA」のコードである「0」の状態でダイヤルスイッチ131が順方向に1つ切り替わったら、変数を「モードB」のコードであり「1」に変更する。またカメラシステム制御部124は、変数の変更後、撮像装置の動作を「モードB」で決められている動作に切り替える。
【0060】
カメラシステム制御部124が「モードA」のコードである「0」の状態でダイヤルスイッチ131が逆方向に1つ切り替わったことを検出したら、変数を「モードC」のコードである「2」に変更する。そして、カメラシステム制御部124は変数の変更後、撮像装置の動作を「モードB」で決められている動作に切り替える。以降、同様に現在の変数の状態と回転方向によりモードを切り替える動作を行う。
【0061】
以上説明したカメラの動作を、図12のフロー図を用いてその流れを説明する。S1201において、カメラシステム制御部124は、加速度センサ130から振動を検出したかどうかを判定する。振動を検出した場合、S1202へ進む。S1202において、カメラシステム制御部124は、ワークメモリ107−2に予め格納された条件データと検出した振動のパターンを比較する。これは、図8におけるフローで示される処理である。この場合、条件データには、ダイヤルスイッチの固有データも含まれていると仮定する。
【0062】
S1203において、カメラシステム制御部124は、予め格納されえた条件データを用いて、測定データがダイヤル時計回しの振動パターンかどうかを判定する。ダイヤル時計回しの振動である場合にはS1204へ進む。ダイヤル時計回しの振動パターンでない場合には、S1205へ進む。S1204において、カメラシステム制御部124は、ダイヤル時計回しの振動を解析し、どのモード(n+1)からどのモード(n)への遷移時に発生した振動パターンかを判定し、判定したモード(n)で決められている動作に切り替える。そして、S1208へ進む。
【0063】
S1205において、カメラシステム制御部124は、ダイヤル反時計回しの振動か否かを判定する。ダイヤル反時計回しの振動である場合には、S1206へ進む。ダイヤル反時計回しの振動パターンでない場合にはS1207へ進み、その他の処理を行う。S1206において、カメラシステム制御部124は、ダイヤル反時計回しの振動パターンにおいて、どのモード(n−1)からどのモード(n)への遷移時に発生した振動かを判定し、判定したモード(n)で決められている動作に切り替える。そして、S1208へ進む。
【0064】
S1208において、カメラシステム制御部124は、電源のオフ操作が行われたか否かを判定する。電源オフの操作が行われていない場合は、S1201へ戻る。電源のオフ操作が行われた場合は、S1209へ進む。S1209において、カメラシステム制御部124は、判定したモード(n)を不揮発性メモリ107-1に記憶する。S1210とS1511において、カメラシステム制御部124は、カメラの終了処理を行い、電源をオフする。
【0065】
なお、図1では、従来例で接続されていたカメラシステム制御部124とダイヤルスイッチ131との間、およびカメラシステム制御部124と押しボタンスイッチ113との間の電気的な配線をなくした例を説明した。しかしこの例に限らず、カメラシステム制御部124とダイヤルスイッチ131の間では、ダイヤルスイッチ131が回転操作されたことを示す信号を伝えるための電気的な配線のみ無くせばよく、その他の目的の電気的な配線はあっても良い。例えば、ダイヤルスイッチ131に触れたことを検出するためのタッチセンサ等がダイヤルスイッチ131に配されている場合には、カメラシステム制御部124とダイヤルスイッチ131の間に、タッチセンサ用の電気的な配線があってもよい。カメラシステム制御部124と押しボタンスイッチ113との間の電気的な配線も同様に、押しボタンスイッチ113が押されたことを示す信号を伝える電気的な配線のみを減らせばよい。いずれの場合も電気的な配線を従来よりは減らすことが可能である。また、電気的な配線は従来どおり備えておき、かつ、本発明のように操作部材の発する振動パターンで操作を検出する構成も持っていてもよい。このように構成すれば、なんらかの原因で電気的な信号が検出できなかった場合にも、操作部材が操作されたことが検出でき、より確実に操作を判別することができる。
【0066】
以上のように、押しボタンスイッチやダイヤルスイッチに振動発生部を設定し、スイッチの操作により発生した振動を検出する加速度センサを備える構成をとることで、これまで必要とした、スイッチとカメラシステム制御部との間の電気的配線をなくすことが可能となることを示した。
【0067】
なお、カメラシステム制御部の制御は、1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0068】
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルカメラに適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されない。すなわち、本発明はパーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、プリンタ装置に設けられた印刷画像選択および確認のためのディスプレイ、デジタルフォトフレームなど、押しボタンスイッチやダイヤルスイッチなどを用いる装置であれば適用可能である。
【0069】
<他の実施形態>
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、コンピュータ読み取り可能な、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は、本発明を構成することになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
前記電子機器の所定の機能と対応付けられた振動パターンを示す条件データを少なくとも1つ記憶する記憶手段と、
ユーザの操作に応じて固有の機械的な振動パターンを発生させる操作手段と、
前記電子機器の振動を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された振動が、前記記憶手段に記憶された条件データが示す振動パターンに合致する振動か否かを判定する判定手段と、
前記検出手段により検出された振動が、前記記憶手段に記憶された条件データが示す振動パターンに合致すると振動であると前記判定手段により判定された場合に、該条件データが示す振動パターンに対応付けられた機能を実行するように前記電子機器を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶された前記条件データの各々は、前記振動パターン毎に定められた振動の振幅の上限値と下限値、および振動の周期の上限値と下限値を含み、
前記判定手段は、前記検出手段により検出された振動の振幅の値と周期の値との両方が、同一の振動パターンに対して定められた前記振動の振幅の上限値と下限値、および振動の周期の上限値と下限値の範囲に含まれる場合、前記検出手段により検出された振動が、当該同一の振動パターンに合致する振動であると判定することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記電子機器は前記操作手段を複数備え、該複数の操作手段の各々は、固有の機械的な振動パターンを発生するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記操作手段と前記検出手段とが、電気的に分離されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
電子機器の所定の機能と対応付けられた振動パターンを示す条件データを1以上記憶する記憶手段と、ユーザの操作に応じて固有の機械的な振動パターンを発生させる操作手段と、前記電子機器の振動を検出する検出手段とを備える前記電子機器の制御方法であって、
前記検出手段により検出された振動が、前記記憶手段に記憶された条件データが示す振動パターンに合致する振動か否かを判定する判定工程と、
前記検出手段により検出された振動が、前記記憶手段により記憶された条件データが示す振動パターンに合致する振動であると前記判定工程において判定された場合に、該条件データが示す振動パターンに対応付けられた機能を実行するように前記電子機器を制御する制御工程と
を有することを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−134013(P2011−134013A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291397(P2009−291397)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】