説明

電子機器及びプログラム

【課題】従来よりも誤操作・誤登録を防止することができ、地点登録等を直感的に容易に確実に行うことができ、使い勝手のよい電子機器を提供する。
【解決手段】リモコンの左ボタンの押下が検出された場合、GPS受信器によって受信した現在位置を、制御部に有するメモリに登録候補地点として保持し、(b)(c)の順に示すようにミニメニュー50を表示部5の右側から左側へむけてスライドイン表示させる。ミニメニュー50はそのミニメニューの機能を示すタイトルを表示するタイトル表示部52とリモコンの左ボタンの押下が検出された際に行う処理内容を表示する左ボタン処理内容表示部54を備える。左ボタン処理内容表示部54はマイキャンセル登録地点の登録の実行する旨の選択項目である実行メニュー項目名54aと、実行メニュー項目名54aの左側に設けた左ボタン17dの方向を指し示す左矢印54bとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによるリモコンの操作に基づき現在位置に関する情報を登録地点情報として記憶し、記憶した登録地点情報に基づき所定の処理を行う電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からリモコンにて各種の設定を行う電子機器が存在する。例えば、リモコンの中央キーを押下することで表示部にメニューを表示し、左右キーでメニューを選択して中央キーで決定する構成など知られている(特許文献1)。
【0003】
一方で、例えば、車載されるレーダー探知機のように、ユーザによってリモコンの所定のボタンが押下された場合に、現在位置に関する情報を登録地点情報として記憶し、記憶した登録地点情報に基づき所定の処理を行う電子機器が知られている。所定の処理としては、例えば、登録地点情報として記憶された位置が現在位置に接近した場合に、登録地点近傍である旨を報知する処理が挙げられる。
【特許文献1】特開2005−79607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器が検出する現在位置は、車両の移動に伴い変化するため、ユーザによってリモコンの所定のボタンが押下された時点の位置をすぐに登録する必要がある。そのため、このような地点登録を、特許文献1に記載のようなメニューから選択して行う構成を採ると、メニューの選択のために時間がかかり、登録時点での位置とユーザが登録したいと思った位置とがずれてしまうという問題がある。また、移動する車両内では、複雑なメニュー操作を要求すると、ユーザが操作しにくい場合が多いという問題がある。
【0005】
一方で、各機能別にリモコンのボタンの数を多くすると各ボタンに割り当てられた機能が何であるのかをユーザが把握するのが困難になったり、コストがかかったりするため、できるだけ少ないボタンに多くの機能を割り当てる必要もある。
【0006】
そこで、現在のレーダー探知機では、リモコン上の所定のボタンの長押しが検出された場合に、その検出された時点の現在位置に関する情報を登録地点情報として記憶する構成を採っている。
【0007】
ところが、このような構成の場合、前記所定のボタンの短押しに割り当てた別の機能の指示をしようとした際に、長押しをしてしまって誤って地点登録がなされるという問題が発生する場合があった。またそもそも長押しという操作自体が理解しにくい場合があった。さらには、リモコンとして赤外線リモコンを採用しているため、受光部にリモコンを向けながらボタンを一定時間押し続ける必要があるが、赤外線の経路上の遮蔽物の存在や、車両における直射日光の影響や車両の振動による操作のしにくさ等の原因により、長押ししたとしても短押しに相当する信号しか受信できないことがあって、誤操作や誤登録が発生し、操作性が悪くなる場合があった。
【0008】
そこで、本発明は、係る問題を解決するためになされたもので、従来よりも誤操作・誤登録を防止することができ、地点登録等を直感的に容易に確実に行うことができ、使い勝手のよい電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、(1)現在位置を検出する位置検出手段と、複数のボタンを配置したリモコンと、ユーザによる前記リモコンの操作に基づき前記位置検出手段によって検出された現在位置に関する情報を記憶する登録地点情報記憶処理と、記憶した登録地点情報に基づき所定の処理を行う制御手段とを備える電子機器であって、前記リモコンは、地点登録の開始指示を入力する地点登録開始指示ボタンを備え、前記制御手段は、前記リモコンから前記地点登録指示ボタンの押下が入力された場合に、当該地点登録開始指示ボタンの前記リモコン上の配置位置に関連した方向から地点登録を行うか否かに関する情報をスライドインするように表示手段に表示させ、前記リモコンからの地点登録を実行するか否かの選択を受け付け、前記リモコンによって地点登録を実行する旨の指示が入力された場合には、前記位置検出手段によって検出された現在位置に関する情報を前記登録地点情報として記憶する構成とした。
【0010】
本発明によれば、ユーザが地点登録を行ないたい場合、リモコンの地点登録開始指示ボタンを押下すれば、表示手段に地点登録開始指示ボタンのリモコン上の配置位置に関連した方向から地点登録を行うか否かに関する情報がスライドインして表示される。そして、リモコンからの地点登録を実行するか否かの選択を受け付けられ、リモコンによって地点登録を実行する旨の指示を入力すれば、位置検出手段によって検出された現在位置に関する情報が登録地点情報として記憶される。
【0011】
このようにリモコンの地点登録開始指示ボタンを1回押下するだけで、現在位置の地点登録を行うのではなく、リモコンによって地点登録を実行する旨の指示を入力するまでは登録がなされないようにすることで、誤登録を防止することができる。
【0012】
また、地点登録開始指示ボタンを押下すると、表示手段に地点登録開始指示ボタンのリモコン上の配置位置に関連した方向へ地点登録を行うか否かに関する情報がスライドインして表示されるので、地点登録ボタンのリモコンの配置位置とスライドインの方向とが一致するか否かから、正しいボタンを押下したかどうか直感的に判断することができる。
【0013】
例えば、リモコン上に上下左右の4つのボタンを設ける場合において、左に位置するボタンを地点登録開始指示ボタンとした場合、地点登録開始指示ボタンのリモコン上の配置位置に関連した方向として左へ地点登録を行うか否かに関する情報をスライドインさせて表示する。
【0014】
なお、記憶した登録地点情報に基づき行う所定の処理としては、例えば、登録地点に接近した際にその旨を報知する処理や、登録地点がナビゲーションのルート上にある場合にその旨を報知する処理など、従来からレーダー探知機やナビゲーション装置等で行われている登録地点情報を利用した各種の処理とすることができる。
【0015】
(2)前記制御手段は、前記記憶した登録地点情報に基づく所定の処理として、複数の異なる機能を実現するための処理を設け、当該各機能に対応して登録地点情報を記憶するものであり、前記リモコン上の異なる配置位置に前記各機能別に地点登録指示ボタンを配置し、前記リモコン上の配置位置に関連した方向は、当該各機能別の地点登録指示ボタン間の相対配置位置に基づく方向とするとよい。
【0016】
例えば、複数の異なる機能として機能A、機能B、機能C、機能Dの4つの機能を実現するための処理を設け、リモコン上に上下左右の4つのボタンを設ける場合において、機能Aの地点登録指示ボタンとして上ボタン、機能Bの地点登録指示ボタンとして下ボタン、機能Cの地点登録指示ボタンとして右ボタン、機能Dの地点登録指示ボタンとして左ボタンを配置した場合、前記リモコン上の配置位置に関連した方向は、当該各機能別の地点登録指示ボタン間の相対配置位置に基づく方向、すなわち、上ボタンであれば上方向、下ボタンであれば下方向、右ボタンであれば右方向、左ボタンであれば左方向へ地点登録を行うか否かに関する情報をスライドインするように表示手段に表示させる。
【0017】
このようにすれば、機能ごとにスライドインする方向が異なり、かつ、スライドインする方向はリモコン上の異なる配置位置に配置された各機能別の地点登録ボタンの相対配置位置に基づく方向となるので、ユーザはメニューのスライドインしてきた(入ってきた)方向で、どの機能に対応する地点登録がなされるのかを感じ取ることができる。したがって、誤って別の機能の地点登録ボタンを押下した場合にも、容易に誤りに気づくことができ、誤操作・誤登録を防止することができるとともに、直感的な操作で容易に確実な地点登録を行うことができる。
なお、リモコン上の配置位置に関連した方向は、当該各機能別の地点登録指示ボタン間の相対配置位置に基づく方向とするとよい。各機能別の地点登録指示ボタン間の相対配置位置に基づく方向としては、例えば、図1(a)のように、第一地点登録指示ボタン84aと第二地点登録指示ボタン84bをリモコン本体80の対角方向に配置した場合、第一地点登録指示ボタン84aは第二地点登録ボタン84bに対して相対的に左位置にあり、上位置にあるので、第一地点登録指示ボタン84aが押下された場合には、左方向を各機能別の地点登録指示ボタン間の相対配置位置に基づく方向としてもよいし、上方向を各機能別の地点登録指示ボタン間の相対配置位置に基づく方向としてもよい。また例えば第二地点登録ボタン84bの中心から第一地点登録指示ボタン84aの中心へと向かう方向としてもよい。なお、リモコン本体上での上方向とは、例えば、リモコン上に印字した文字や絵が読める方向に向けた際の文字や絵の上方向となる方向のように、通常の使用態様において向く方向を基準として決定すればよい。
【0018】
(3)上記(2)の構成を前提として、例えば、前記複数の異なる機能として二つの異なる機能を有し、第一の機能に対応する地点登録開始指示ボタンと前記第二の機能に対応する地点登録開始ボタンとは、上下方向または左右方向のいずれかの前記相対配置位置に配置し、前記相対配置位置に基づく方向は、当該相対配置位置方向とするとよい。
【0019】
すなわち、図1(b)のように左右方向、つまり、第一の機能に対応する地点登録開始指示ボタン84cを左位置、第二の機能に対応する地点登録開始ボタン84dを右位置の相対配置位置に配置した場合、第一の機能に対応する地点登録開始指示ボタン84cが押下された場合には相対配置位置方向は左方向となり、第二の機能に対応する地点登録開始ボタン84dが押下された場合には相対配置位置方向は右方向となる。つまり、地点登録開始指示ボタン84cが押下された場合には左方向へ地点登録を行うか否かに関する情報をスライドインするように表示手段に表示させ、地点登録開始指示ボタン84dが押下された場合には右方向へ地点登録を行うか否かに関する情報をスライドインするように表示手段に表示させる。
【0020】
(4)上記(3)の構成を前提として、速度測定装置の発する信号に対応する信号を検知する信号検知手段を備え、前記制御手段は、前記信号検知手段によって速度測定装置の発する信号に対応する信号を検知した場合に警報を行う速度測定装置検知警報機能を備え、前記第一の機能は、前記登録地点情報として記憶された位置が前記位置検出手段によって検出された現在位置と所定の位置関係になった場合に、ユーザによって登録された地点である旨の報知を行う機能であり、前記第二の機能は、前記登録地点情報として記憶された位置が当該現在位置と所定の位置関係である場合には、前記速度測定装置検知警報機能による警報を抑制する機能とするとよい。
【0021】
前記速度測定装置検知警報機能は実施形態におけるレーダー波警報機能に相当し、第一の機能は実施形態におけるマイエリア機能に相当し、第二の機能は実施形態におけるマイキャンセルエリア機能に相当する。
【0022】
(5)前記地点登録を実行する旨の指示の入力は、当該地点登録開始指示ボタンの押下を検出して行い、前記地点登録を実行しない旨の指示は、当該地点登録開始指示ボタン以外のボタンの押下を検出して行い、前記リモコンからの地点登録を実行するか否かの選択を受け付ける際に、前記地点登録を実行する旨の選択項目の表示を、当該地点登録開始指示ボタンのリモコン上の配置位置に関連した方向を指し示す表示とともに行い、前記地点登録を実行しない旨の選択項目の表示を、当該地点登録開始指示ボタン以外のボタンのリモコン上の配置位置に関連した方向を指し示す表示とともに行うとよい。
【0023】
前記地点登録を実行する旨の指示の入力は、地点登録開始指示ボタンの押下を検出して行うので、地点登録ボタンを2回押下すれば現在位置に関する情報が登録地点情報として記憶されることになる。一方、はじめの地点登録開始指示ボタンの押下後に、当該地点登録開始指示ボタン以外のボタンの押下を検出した場合には、前記地点登録を実行しない。
【0024】
さらに、リモコンからの地点登録を実行するか否かの選択を受け付ける際に、地点登録を実行する旨の選択項目の表示を、当該地点登録開始指示ボタンのリモコン上の配置位置に関連した方向を指し示す表示とともに行い、地点登録を実行しない旨の選択項目の表示を、当該地点登録開始指示ボタン以外のボタンのリモコン上の配置位置に関連した方向を指し示す表示とともに行う。例えば、左位置に位置するボタンを地点登録開始指示ボタンとした場合には、地点登録を実行する旨の選択項目の表示を、左方向を指し示す表示とともに行う。例えば地点登録を実行する旨の選択項目として「登録」という文字を表示するとともにこの文字の左側に左矢印を表示する。一方、例えば、右位置に位置するボタンを「地点登録開始指示ボタン以外のボタン」とした場合には、地点登録を実行しない旨の選択項目の表示を、右方向を指し示す表示とともに行う。例えば地点登録を実行する旨の選択項目として「中止」という文字を表示するとともにこの文字の右側に右矢印を表示する。
【0025】
このようにすれば、リモコン上の配置位置に関連した方向を指し示す表示を見て、地点登録を実行するか否かを入力するボタンを容易に知ることができる。また、同じ位置のボタンを2回押下すれば登録されることになるので、画面を見ずに直感的な登録操作ができるようになる。
【0026】
(6)なお、前記地点登録をするか中止するかの指示を選択するための選択ボタンと、選択した指示を決定する決定ボタンを設け、前記リモコンからの地点登録を実行するか否かの選択を受け付ける際に、表示手段に地点登録をするか否かを選択するための選択項目を、前記地点登録ボタンの配置方向とは異なる方向に表示するとともに、前記選択ボタンが押下された場合に当該選択項目間のフォーカスを移動させ、前記決定ボタンが押下された場合に当該フォーカスのある選択項目を選択された指示とするようにしてもよい。
【0027】
(7)前記制御手段は、前記リモコンから前記地点登録指示ボタンの押下が入力された場合に、記憶されている前記登録地点情報に基づく位置と前記現在位置検出手段が検出した現在位置とが所定の位置範囲内にある場合には、前記地点登録に替えて地点削除の処理を行うとよい。「前記地点登録に替えて地点削除の処理を行う」とは、(1)〜(5)における「地点登録」を「地点削除」に読み替える。ただし、「地点登録指示ボタン」という文字列中の「地点登録」は読み替えを行わない。
【0028】
例えば、(1)に(7)を適用すると、「現在位置を検出する位置検出手段と、複数のボタンを配置したリモコンと、ユーザによる前記リモコンの操作に基づき前記位置検出手段によって検出された現在位置に関する情報を記憶する登録地点情報記憶処理と、記憶した登録地点情報に基づき所定の処理を行う制御手段とを備える電子機器であって、前記リモコンは、地点登録の開始指示を入力する地点登録開始指示ボタンを備え、前記制御手段は、前記リモコンから前記地点登録指示ボタンの押下が入力された場合に、当該地点登録開始指示ボタンの前記リモコン上の配置位置に関連した方向へ地点削除を行うか否かに関する情報をスライドインするように表示手段に表示させ、前記リモコンからの地点削除を実行するか否かの選択を受け付け、前記リモコンによって地点削除を実行する旨の指示が入力された場合には、当該登録地点情報を削除する。(5)に(7)を適用すると、前記地点削除を実行する旨の指示の入力は、当該地点登録開始指示ボタンの押下を検出して行い、前記地点削除を実行しない旨の指示は、当該地点登録開始指示ボタン以外のボタンの押下を検出して行い、前記リモコンからの地点削除を実行するか否かの選択を受け付ける際に、前記地点削除を実行する旨の選択項目の表示を、当該地点登録開始指示ボタンのリモコン上の配置位置に関連した方向を指し示す表示とともに行い、前記地点削除を実行しない旨の選択項目の表示を、当該地点登録開始指示ボタン以外のボタンのリモコン上の配置位置に関連した方向を指し示す表示とともに行うこととなる。(6)に(7)を適用すると、前記地点削除をするか中止するかの指示を選択するための選択ボタンと、選択した指示を決定する決定ボタンを設け、前記リモコンからの地点削除を実行するか否かの選択を受け付ける際に、表示手段に地点削除をするか否かを選択するための選択項目を、前記地点登録ボタンの配置方向とは異なる方向に表示するとともに、前記選択ボタンが押下された場合に当該選択項目間のフォーカスを移動させ、前記決定ボタンが押下された場合に当該フォーカスのある選択項目を選択された指示とすることとなる。
【0029】
(8)前記リモコンから前記地点登録指示ボタンの押下が入力された際の現在位置を保持しておき、前記登録地点情報として記憶する前記位置検出手段によって検出する現在位置は、当該保持しておいた現在位置を用いるとよい。このようにすれば、例えば、地点登録を実行する旨の指示を入力するまでに時間がかかり、その間に現在位置が移動してしまったとしても、最初に地点登録指示ボタンの押下された際の現在位置が用いられることとなる。したがって、ユーザが登録したいとおもった位置を確実に登録することができる。
【0030】
(9)前記リモコンは赤外線リモコンであり、前記表示を行う3インチ以下の画面を有する車載用の電子機器とするとよい。画面サイズが3インチ以下であり、特に、車両内に設置する機器で、赤外線リモコンである場合に、本発明は特に優れた効果を発揮する。 なお、リモコンが赤外線リモコンである場合、配置の上方向は図1に示すように赤外線送受信部82のある側の辺に近い側とする。このようにすることで、電子機器に対して赤外線送受信部82を向けて操作した際に、スライドインする方向と押下したボタンの配置位置とが一致し、直感的な操作が容易にできる。
(10)前記(1)〜(9)のいずれかに記載の電子機器としての機能は、コンピュータに実現させるためのプログラムとして構成するとよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、従来よりも誤操作・誤登録を防止することができ、地点登録等を直感的に容易に確実に行うことができ、使い勝手のよい電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図2,図3は、本発明の電子機器として好適な一実施形態であるレーダー探知機の構成を示している。図2に示すように、ケース本体1の上面にソーラーパネル2並びにスイッチ部3を配置し、ケース本体1の前面側(車両へ配置される側)内部に速度測定装置の発する周波数帯のマイクロ波を検知するマイクロ波受信器4を配置し、ケース本体1の後面側(ユーザ側へ配置される側)に表示部5と警報ランプ6と赤外線通信機7とリモコン受信器16を配置している。また、ケース本体1の上面側内部には、GPS受信器8を配置する。さらに、ケース本体1の一方の側面には、アダプタージャック9を配置し、他方の側面には電源スイッチ10並びに図示省略するDCジャックを配置する。また、ケース本体1内には、スピーカ20も内蔵している。本実施形態では、表示部5は2.2インチの液晶ディスプレイであり、表示部5を実装するケース本体1の後方側の高さHは、その他の部位の高さH0よりも大きくしている。このようにレーダー探知機の表示部としては3インチ以下の画面を用いるのが好適である。
【0033】
図3に示すように、赤外線通信機7は携帯電話機12等の赤外線通信機を内蔵した通信装置との間でデータの送受を行なう。アダプタージャック9は、メモリカードリーダ13を接続する端子である。アダプタージャック9にメモリカードリーダ13を接続することで、そのメモリカードリーダ13に装着されたメモリカード14に格納されたデータを内部に取り込むことができる。より具体的には、メモリカード14に格納されたデータは、新規な目標物の情報(経度・緯度を含む位置情報,種別情報等)などの更新情報があり、その更新情報が制御部18経由で装置に内蔵されるデータベース19に格納(ダウンロード)され、データ更新がされる。なお、メモリカードリーダ13の機能は、本体ケース1内に内蔵するように構成してもよい。
【0034】
データベース19は、制御部18のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)により実現できる。なお、データベース19には、出荷時に一定の目標物に関する情報が登録しており、その後に追加された目標物についてのデータ等が上記のようにしてデータ更新することができる。また、データ更新は、赤外線通信機7を介して行なうこともできる。
【0035】
DCジャックは、図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。更に、本実施形態のレーダー探知機は、無線受信器15を備えている。無線受信器15は、飛来する所定周波数の無線を受信する。
【0036】
リモコン受信器16は、赤外線によりリモコン(携帯機:子機)17とデータ通信をし、装置に対する各種の設定を行なう。また、スイッチ部3も制御部18に接続され(図示省略)、リモコン17と同様の設定を行えるようになっている。
【0037】
図4は、リモコン17の構成を示す図である。リモコン17は、上ボタン17aと、右ボタン17bと、下ボタン17cと、左ボタン17dと、決定ボタン17eと、機能ボタン17fと、キャンセルボタン17gと、リモコン送信器17hを有する。ユーザは、リモコン送信器17hをリモコン受信器16へ向けてボタンを押下する。リモコン送信器17hは、ボタン17a〜17gの押下を検出した場合、いずれのボタンが押下されかを示す情報を、赤外線通信により送信し、制御部18はリモコン受信器16で受信した赤外線通信信号からいずれのボタンが押下されたかを示す情報を入力して取得し、押下されたボタンに応じた処理を行なう。
【0038】
また、制御部18は、上記の各種の入力機器(GPS受信器8、マイクロ波受信器4、無線受信器15等)から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器(表示部5,警報ランプ6,スピーカ20等)を利用して所定の警報・メッセージを出力する。なお、これらの基本構成は、基本的に従来のものと同様のものを用いることができる。
【0039】
なお、本実施形態のレーダー探知機における機能は、制御部18に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部18のEEPROM上に格納され、これを制御部18に有するコンピュータが実行することで実現される。
【0040】
制御部18の有するプログラムによってコンピュータが実現する機能としては、待ち受け画面表示機能、レーダースコープ表示機能、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能、マイキャンセルエリア機能、マイエリア機能などが挙げられる。
【0041】
待ち受け画面表示機能は、図5(a)に示すように、GPS受信器8によって検出した自車両の速度、緯度、経度、高度を表示する機能である。レーダースコープ表示機能は、図5(b)に示すように、GPS受信器8によって検出した現在位置から所定の範囲内(例えば約1kmの範囲内)にある目標物を、データベース19に記憶された位置情報に基づいて検索し、自車位置と目標物の位置との相対的な位置関係を表示部5に表示させる機能である。図5(b)中の左側の「W」が西、右側の「E」が東、上側の「N」が北の方角を示し、「W」と「E」を結ぶ左右方向の線と「N」から下へ伸びる上下方向の線との交点にあるアイコンが自車位置と自車の進行方向を示している。また「L」「RD」「P」「N」等の文字を有するアイコンが目標物の種類と位置を示す。図5(a)に示すような待ち受け画面表示機能実行中にリモコン17の機能ボタン17fの押下が検出された場合、図5(b)に示すようなレーダースコープ表示機能に切り替え、レーダースコープ表示機能実行中にリモコン17の機能ボタン17fの押下が検出された場合、待ち受け画面表示機能に切り替える処理を行う。
【0042】
GPS警報機能は、待ち受け画面表示機能またはレーダースコープ表示機能の実行中に、目標物と現在位置の距離が所定の距離(例えば500m以内)になった場合に、表示部5にその旨を表示し、スピーカ20からその旨を示す音声を出力する処理である。例えば、図5(b)のレーダースコープ機能の実行中に、図中上方にある目標物「L」(ループコイルを示す)と自車位置との距離が500mになった場合には、図5(c)のように、目標物であるループコイルの模式図または写真を表示部5に表示するとともに、音声合成にてスピーカ20から「500m先、ループコイルです」と音声を出力する。
【0043】
レーダー波警報機能は、マイクロ波受信器4によって速度測定装置(レーダー)から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合に、表示部5に対して警報画面を表示するとともに、スピーカ20から警報音を出力する機能である。例えば、レーダーの発するマイクロ波の周波数帯のマイクロ波がマイクロ波受信器4によって検出された場合に、図6(a)に示すように、レーダーの模式図または写真を表示部5に表示するとともに、音声合成にてスピーカ20から「レーダーです。速度注意」と警告音声を出力する。
【0044】
無線警報機能は、無線受信器15によって、緊急車両の発する無線を受信した場合に、その走行の妨げとならないよう、警報を発する機能である。レーダー波警報機能と同様に、緊急車両の模式図または写真を警報画面として表示部5に表示するとともに、音声合成にてスピーカ20から「緊急車両です。走行注意」と警報音声を出力する。
【0045】
レーダー波警報機能により、マイクロ波受信器4によって速度測定装置(レーダー)から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合には、表示部5に警報画面の表示を行ない、スピーカ20から警報音声を出力するのであるが、速度測定装置から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号は、自動ドア等の誤警報源からも発せられているため、誤警報源からの信号によってもレーダー波の受信警報をしてしまう場合がある。
【0046】
この問題を解決するため、本レーダー探知機は、マイキャンセルエリア機能を備える。マイキャンセルエリア機能は、マイキャンセル登録地点の登録またはマイキャンセル登録地点の削除を行うマイキャンセルエリア登録・削除処理と、マイキャンセルエリアにおける警報抑制処理とによって実現される。
【0047】
マイキャンセルエリアにおける警報抑制処理は、レーダー波警報機能における処理内において、マイキャンセルエリアとして登録された範囲内(例えば、マイキャンセル登録地点から半径200m以内)で、マイクロ波受信器4によって速度測定装置から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合には、表示部5への警報画面の表示を行なわず、スピーカ20から警報音声の出力も行わない処理である。
【0048】
マイキャンセルエリアへの登録・削除処理は、マイキャンセルエリアへの登録・削除処理中と後述するマイエリアへの登録・削除処理中以外の処理の実行中にリモコン17の左ボタン17dの押下が検出された場合に開始する処理である。例えば、図6(a)のレーダー波警報機能の実行中に、この警報が、誤警報であることが分かった場合には、ユーザは、リモコン17の左ボタン17dを押下することでマイキャンセルエリア登録・削除処理を開始させることができる。
【0049】
すなわち制御部18は、リモコン受信器16を介して左ボタン17dの押下に対応する信号を受けた場合にマイキャンセルエリア登録・削除処理を開始する。マイキャンセルエリア登録・削除処理では、まず、GPS受信器8によって取得した現在位置を、制御部18に有するメモリに登録候補地点として保持する。次に、表示部5に対して、図6(b)(c)の順に示すように、ミニメニュー50を表示部5の右側から左側へスライドインさせるように表示する。すなわちミニメニュー50を表示部5の右側から左側へむけて移動表示させ、所定の停止位置で停止させて表示する。なお、所定の停止位置としては、図6(c)に示すように表示部5の画面中心よりもスライドインしてきた側(右側)に寄った位置とする。
【0050】
ミニメニュー50は、そのミニメニューの機能を示すタイトルを表示するタイトル表示部52と、リモコン17の左ボタン17dの押下が検出された際に行う処理内容を表示する左ボタン処理内容表示部54と、リモコン17の右ボタン17bの押下が検出された際に行う処理内容を表示する右ボタン処理内容表示部56を備える。左ボタン処理内容表示部54は、マイキャンセル登録地点の登録またはマイキャンセル登録地点の削除を実行する旨の選択項目である実行メニュー項目名54aと、実行メニュー項目名54aの左側に設けた左ボタン17dの方向を指し示す左矢印54bとを有する。また、右ボタン処理内容表示部56は、マイキャンセル登録地点の登録またはマイキャンセル登録地点の削除を実行しない旨(中止する旨)の選択項目である中止メニュー項目名56aと、中止メニュー項目名56aの右側に設けた右ボタン17bの方向を指し示す右矢印56bとを有する。
【0051】
実行メニュー項目名54aとしては、マイキャンセル登録地点の登録用の処理を行う場合には「登録」を表示し、マイキャンセル登録地点の削除用の処理を行う場合には「削除」を表示する。
【0052】
マイキャンセル登録地点の登録用の処理を行うか、マイキャンセル登録地点の削除用の処理を行うかは、制御部18に有するメモリに保持しておいた登録候補地点の位置から200m以内の範囲にデータベース19に記憶されたマイキャンセル登録地点があるか否かによって決定する。ある場合にはマイキャンセル登録地点の削除用の処理を行い、ない場合にはマイキャンセル登録地点の登録用の処理を行う。
【0053】
マイキャンセル登録地点の登録用の処理を行う場合、制御部18は、リモコン17からのマイキャンセル登録地点の地点登録を実行するか否かの選択を受け付ける。すなわち、一定時間(例えば5秒間)、リモコン17の押下を監視する。なお一定時間経過後には、ミニメニュー50を消去してマイキャンセルエリア登録・削除処理を終了する。リモコン17の押下の監視中に、リモコン受信器16を介して左ボタン17dの押下に対応する信号を受けた場合には、メモリに保持しておいた登録候補地点をマイキャンセル登録地点としてデータベース19に記憶し、ミニメニュー50の表示を消去し、図6(a)の表示に戻す。このミニメニュー50の表示の消去は、スライドイン時と同一の方向である左方向にスライドアウトさせることで行う。
【0054】
この処理の結果、以後のレーダー波警報機能における処理においては、このデータベース19に記憶されたマイキャンセル登録地点から半径200m以内からエリアにおいて、マイクロ波受信器4によって速度測定装置から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合であっても、図6(a)に示した表示部5への警報画面の表示を行なわれず、スピーカ20から警報音声の出力も行われなれなくなる。これにより、誤警報を防止することができる。
【0055】
一方、マイキャンセル登録地点の削除用の処理を行う場合、制御部18は、リモコン17からのマイキャンセル登録地点の地点削除を実行するか否かの選択を受け付ける。すなわち、一定時間(例えば5秒間)、リモコン17の押下を監視する。なお一定時間経過後には、ミニメニュー50を消去してマイキャンセルエリア登録・削除処理を終了する。リモコン17の押下の監視中に、リモコン受信器16を介して左ボタン17dの押下に対応する信号を受けた場合には、制御部18に有するメモリに保持しておいた登録候補地点の位置から200m以内の範囲にデータベース19に記憶されたマイキャンセル登録地点を削除して、ミニメニュー50の表示を消去し、図6(a)の表示に戻す。このミニメニュー50の表示の消去は、スライドイン時と同一の方向である左方向にスライドアウトさせることで行う。
【0056】
この処理の結果、この地点でのマイキャンセルエリア登録地点が削除されるため、以後のレーダー波警報機能における処理においては、この地点でマイクロ波受信器4によって速度測定装置から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合、図6(a)に示した表示部5への警報画面の表示が行われ、スピーカ20から警報音声の出力も行われることとなる。
【0057】
なお、制御部18は、リモコン17からのマイキャンセル登録地点の地点登録を実行するか否かの選択を受け付けている際、または、リモコン17からのマイキャンセル登録地点の地点削除を実行するか否かの選択を受け付けている際、リモコン受信器16を介して右ボタン17bの押下に対応する信号を受けた場合には、ミニメニュー50の表示を消去し、図6(a)の表示に戻す。このミニメニュー50の表示の消去は、スライドイン時とは逆の右方向にスライドアウトさせることで行う。すなわち、スライドアウト時は、図6(c)(b)(a)の順に表示されることとなる。
【0058】
以上のように左ボタン17dを1回押下するだけで、現在位置の地点登録や削除を行うのではなく、2回押下しなければ登録や削除がなされないようにすることで、誤登録・誤削除を防止することができる。
【0059】
またこのようにミニメニュー50を構成することで、左矢印54bの指し示す方向にあるリモコン17上のボタンである左ボタン17dを押下すれば実行メニュー項目名54bとして表示された「登録」や「削除」がなされること、右矢印56bの指し示す方向にあるリモコン17上のボタンである右ボタン17bを押下すれば中止メニュー項目名56bとして表示された「中止」がなされることが、直感的に理解できる。また、左ボタン17dを2回押下すれば登録または削除され、左ボタン17dを1回押下した後、反対側の右ボタン17bを押下すれば登録または削除は中止されることになるので、慣れれば画面を見ずに直感的な登録操作ができるようになる。
【0060】
また、制御部18が、リモコン17からのマイキャンセル登録地点の地点登録を実行するか否かの選択を受け付けている際、リモコン受信器16を介して上ボタン17aまたは下ボタン17cの押下に対応する信号を受けた場合には、図6(c)の「登録」にあるフォーカス(反転表示状態)を「中止」のほうに移す表示を行う。再度上ボタン17aまたは下ボタン17dの押下に対応する信号を受けた場合には「中止」にあるフォーカスを「登録」のほうへ移す表示を行う。決定ボタン17eの押下に対応する信号を受けた場合には、現在フォーカスのある項目に対応する前述した処理へ移行する。この処理は地点削除の場合も同様である。このようにミニメニュー50を見ながらリモコン17を操作してマイキャンセルエリアの登録・削除を行うこともできる。
【0061】
さらには、登録を行う場合には、最初の左ボタン17dの押下時にGPS受信器8によって受信した現在位置を、制御部18に有するメモリに登録候補地点として保持し、再度、左ボタン17dの押下があった場合に、この保持しておいた登録候補地点をマイキャンセル登録地点としてデータベース19に記憶する。そのため、一度目の左ボタン17dの押下から2度目の左ボタン17dの押下までに現在位置が移動したとしても、ユーザが登録したいとおもった時点である一度目の左ボタン17dの押下の時点の現在位置を、確実にマイキャンセル登録地点として登録することができる。
【0062】
次にマイエリア機能について説明する。マイエリア機能は、ユーザが登録したマイエリア登録地点から所定の距離(例えば500m以内)になった場合に、表示部5に対して「マイエリアです」と表示するとともに、スピーカ20から音声で「マイエリアです」と報知する機能である。
【0063】
マイエリアの登録・削除処理はマイキャンセルエリアへの登録・削除処理中とマイエリアへの登録・削除処理中以外の処理の実行中にリモコン17の右ボタン17bの押下が検出された場合に開始する処理である。例えば、図7(a)のレーダースコープ機能の実行中に、ユーザは、リモコン17の右ボタン17bを押下することでマイエリア登録処理を開始させることができる。
【0064】
すなわち制御部18は、リモコン受信器16を介して右ボタン17bの押下に対応する信号を受けた場合にマイエリア登録・削除処理を開始する。マイエリア登録・削除処理では、まず、GPS受信器8によって取得した現在位置を、制御部18に有するメモリに登録候補地点として保持する。次に、表示部5に対して、図7(b)(c)の順に示すように、ミニメニュー60を表示部5の左側から右側へスライドインさせるように表示する。すなわちミニメニュー60を表示部5の左側から右側へむけて移動表示させ、所定の停止位置で停止させて表示する。なお、所定の停止位置としては、図7(c)に示すように表示部5の画面中心よりもスライドインしてきた側(左側)に寄った位置とする。
【0065】
ミニメニュー60は、そのミニメニューの機能を示すタイトルを表示するタイトル表示部62と、リモコン17の右ボタン17bの押下が検出された際に行う処理内容を表示する右ボタン処理内容表示部64と、リモコン17の左ボタン17dの押下が検出された際に行う処理内容を表示する左ボタン処理内容表示部66を備える。右ボタン処理内容表示部64は、マイエリア登録地点の登録またはマイエリア登録地点の削除を実行する旨の選択項目である実行メニュー項目名64aと、実行メニュー項目名64aの右側に設けた右ボタン17bの方向を指し示す右矢印64bとを有する。また、左ボタン処理内容表示部66は、マイエリア登録地点の登録またはマイエリア登録地点の削除を実行しない旨(中止する旨)の選択項目である中止メニュー項目名66aと、中止メニュー項目名66aの右側に設けた左ボタン17dの方向を指し示す左矢印66bとを有する。
【0066】
実行メニュー項目名64aとしては、マイエリア登録地点の登録用の処理を行う場合には「登録」を表示し、マイエリア登録地点の削除用の処理を行う場合には「削除」を表示する。
【0067】
マイエリア登録地点の登録用の処理を行うか、マイエリア登録地点の削除用の処理を行うかは、制御部18に有するメモリに保持しておいた登録候補地点の位置から500m以内の範囲にデータベース19に記憶されたマイエリア登録地点があるか否かによって決定する。ある場合にはマイエリア登録地点の削除用の処理を行い、ない場合にはマイエリア登録地点の登録用の処理を行う。
【0068】
マイエリア登録地点の登録用の処理を行う場合、制御部18は、リモコン17からのマイエリア登録地点の地点登録を実行するか否かの選択を受け付ける。すなわち、一定時間(例えば5秒間)、リモコン17の押下を監視する。なお一定時間経過後には、ミニメニュー60を消去してマイエリア登録・削除処理を終了する。リモコン17の押下の監視中に、リモコン受信器16を介して右ボタン17bの押下に対応する信号を受けた場合には、メモリに保持しておいた登録候補地点をマイエリア登録地点としてデータベース19に記憶し、ミニメニュー60の表示を消去し、図7(a)の表示に戻す。このミニメニュー60の表示の消去は、スライドイン時と同一の方向である右方向にスライドアウトさせることで行う。
【0069】
この処理の結果、このデータベース19に記憶されたマイエリア登録地点から半径500m以内のエリアにGPS受信器8によって検出された現在位置が入った場合には、マイエリアの報知がなされることになる。
【0070】
一方、マイエリア登録地点の削除用の処理を行う場合、制御部18は、リモコン17からのマイエリア登録地点の地点削除を実行するか否かの選択を受け付ける。すなわち、一定時間(例えば5秒間)、リモコン17の押下を監視する。なお一定時間経過後には、ミニメニュー60を消去してマイエリア登録・削除処理を終了する。リモコン17の押下の監視中に、リモコン受信器16を介して右ボタン17bの押下に対応する信号を受けた場合には、制御部18に有するメモリに保持しておいた登録候補地点の位置から500m以内の範囲にデータベース19に記憶されたマイエリア登録地点を削除して、ミニメニュー60の表示を消去し、図7(a)の表示に戻す。このミニメニュー60の表示の消去は、スライドイン時と同一の方向である右方向にスライドアウトさせることで行う。
この処理の結果、この地点でのマイエリア登録地点が削除されるため、以後この地点でのマイエリアの報知はなされなくなる。
【0071】
なお、制御部18は、リモコン17からのマイエリア登録地点の地点登録を実行するか否かの選択を受け付けている際、または、リモコン17からのマイエリア登録地点の地点削除を実行するか否かの選択を受け付けている際、リモコン受信器16を介して左ボタン17dの押下に対応する信号を受けた場合には、ミニメニュー60の表示を消去し、図7(a)の表示に戻す。ミニメニュー60の表示の消去は、スライドイン時とは逆の左方向にスライドアウトさせることで行う。すなわち、このスライドアウト時は、図7(c)(b)(a)の順に表示されることとなる。
【0072】
また、制御部18が、リモコン17bからのマイエリア登録地点の地点登録を実行するか否かの選択を受け付けている際、リモコン受信器16を介して上ボタン17aまたは下ボタン17cの押下に対応する信号を受けた場合には、図7(c)の「登録」にあるフォーカス(反転表示状態)を「中止」のほうに移す表示を行う。再度上ボタン17aまたは下ボタン17cの押下に対応する信号を受けた場合には「中止」にあるフォーカスを「登録」のほうへ移す表示を行う。決定ボタン17eの押下に対応する信号を受けた場合には、現在フォーカスのある項目に対応する処理へ移行する。この処理は地点削除の場合も同様である。このようにミニメニュー60を見ながらリモコン17を操作してマイエリアの登録・削除を行うこともできる。
【0073】
以上のように、右ボタン17bを1回押下するだけで、現在位置の地点登録や削除を行うのではなく、2回押下しなければ登録や削除がなされないようにすることで、誤登録・誤削除を防止することができる。
【0074】
またこのようにミニメニュー60を構成することで、右矢印64bの指し示す方向にあるリモコン17上のボタンである右ボタン17bを押下すれば実行メニュー項目名64bとして表示された「登録」や「削除」がなされること、左矢印66bの指し示す方向にあるリモコン17上のボタンである左ボタン17dを押下すれば中止メニュー項目名66bとして表示された「中止」がなされることが、直感的に理解できる。また、右ボタン17bを2回押下すれば登録または削除され、右ボタン17bを1回押下した後、反対側の左ボタン17dを押下すれば登録または削除は中止されることになるので、慣れれば画面を見ずに直感的な登録操作ができるようになる。
【0075】
さらには、登録を行う場合には、最初の右ボタン17bの押下時にGPS受信器8によって受信した現在位置を、制御部18に有するメモリに登録候補地点として保持し、再度、右ボタン17bの押下があった場合に、この保持しておいた登録候補地点をマイエリア登録地点としてデータベース19に記憶する。そのため、一度目の右ボタン17bの押下から2度目の右ボタン17bの押下までに現在位置が移動したとしても、ユーザが登録したいとおもった時点である一度目の右ボタン17bの押下の時点の現在位置を、確実にマイエリア登録地点として登録することができる。
【0076】
また、マイキャンセルエリアへの登録・削除処理中とマイエリアへの登録・削除処理中以外の処理の実行中にリモコン17の左ボタン17dを押下すると、表示部5にミニメニュー50が右側から左側へスライドインして表示され、リモコン17の右ボタン17bを押下すると、表示部5にミニメニュー60が左側から右側へスライドインして表示されるので、リモコン17上のボタンの配置位置とスライドインの方向とが一致するか否かから、ユーザが望む機能のほうの正しいボタンを押下したかどうか、直感的に判断することができる。
【0077】
また、ミニメニュー50及びミニメニュー60の所定の停止位置としては、中央位置としてもよいが、図6(c)に示すようにミニメニュー50は表示部5の画面中心よりも右側に寄った位置とし、図7(c)に示すようにミニメニュー60は表示部5の画面中心よりも左側に寄った位置とするなど、押下したボタンによって異なる位置で停止させるようにするとよい。このようにすることで、ミニメニューの停止位置を見るだけで、ユーザが望む機能のほうの正しいボタンを押下したかどうかを、直感的に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】ボタン配置の例を示す説明図である。
【図2】本発明の好適な一実施形態であるレーダー探知機の構成を示す図である。
【図3】レーダー探知機の構成例を示すブロック図である。
【図4】リモコンの構成例を示す図である。
【図5】待ち受け画面・レーダースコープ・GPS警報の表示例を示す図である。
【図6】マイキャンセルエリア登録・削除処理におけるミニメニューの表示例等を示す説明図である。
【図7】マイエリア登録・削除処理におけるミニメニューの表示例等を示す説明図である。
【符号の説明】
【0079】
1 ケース本体
2 ソーラーパネル
4 マイクロ波受信器
5 表示部
6 ランプ
7 赤外線通信機
8 GPS受信器
9 アダプタージャック
10 電源スイッチ
11 携帯電話機
12 メモリカードリーダ
14 メモリカード
15 無線受信器
16 リモコン受信器
17 リモコン
18 制御部
19 データベース
20 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を検出する位置検出手段と、
複数のボタンを配置したリモコンと、
ユーザによる前記リモコンの操作に基づき前記位置検出手段によって検出された現在位置に関する情報を記憶する登録地点情報記憶処理と、記憶した登録地点情報に基づき所定の処理を行う制御手段とを備える電子機器であって、
前記リモコンは、地点登録の開始指示を入力する地点登録開始指示ボタンを備え、
前記制御手段は、前記リモコンから前記地点登録指示ボタンの押下が入力された場合に、当該地点登録開始指示ボタンの前記リモコン上の配置位置に関連した方向へ地点登録を行うか否かに関する情報をスライドインするように表示手段に表示させ、前記リモコンからの地点登録を実行するか否かの選択を受け付け、前記リモコンによって地点登録を実行する旨の指示が入力された場合には、前記位置検出手段によって検出された現在位置に関する情報を前記登録地点情報として記憶すること
を特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記記憶した登録地点情報に基づく所定の処理として、複数の異なる機能を実現するための処理を設け、当該各機能に対応して前記登録地点情報を記憶するものであり、
前記リモコン上の異なる配置位置に前記各機能別に地点登録指示ボタンを配置し、
前記リモコン上の配置位置に関連した方向は、当該各機能別の地点登録指示ボタン間の相対配置位置に基づく方向とすること
を特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記複数の異なる機能として二つの異なる機能を有し、
第一の機能に対応する地点登録開始指示ボタンと前記第二の機能に対応する地点登録開始ボタンとは、上下方向または左右方向のいずれかの前記相対配置位置に配置し、
前記相対配置位置に基づく方向は、当該相対配置位置方向とすること
を特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
速度測定装置の発する信号に対応する信号を検知する信号検知手段を備え、
前記制御手段は、前記信号検知手段によって速度測定装置の発する信号に対応する信号を検知した場合に警報を行う速度測定装置検知警報機能を備え、
前記第一の機能は、前記登録地点情報として記憶された位置が前記位置検出手段によって検出された現在位置と所定の位置関係になった場合に、ユーザによって登録された地点である旨の報知を行う機能であり、
前記第二の機能は、前記登録地点情報として記憶された位置が当該現在位置と所定の位置関係である場合には、前記速度測定装置検知警報機能による警報を抑制する機能であること
を特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記地点登録を実行する旨の指示の入力は、当該地点登録開始指示ボタンの押下を検出して行い、前記地点登録を実行しない旨の指示は、当該地点登録開始指示ボタン以外のボタンの押下を検出して行い、
前記リモコンからの地点登録を実行するか否かの選択を受け付ける際に、前記地点登録を実行する旨の選択項目の表示を、当該地点登録開始指示ボタンのリモコン上の配置位置に関連した方向を指し示す表示とともに行い、前記地点登録を実行しない旨の選択項目の表示を、当該地点登録開始指示ボタン以外のボタンのリモコン上の配置位置に関連した方向を指し示す表示とともに行うこと
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子機器。
【請求項6】
前記地点登録をするか中止するかの指示を選択するための選択ボタンと、選択した指示を決定する決定ボタンを設け、
前記リモコンからの地点登録を実行するか否かの選択を受け付ける際に、表示手段に地点登録をするか否かを選択するための選択項目を、前記地点登録ボタンの配置方向とは異なる方向に表示するとともに、前記選択ボタンが押下された場合に当該選択項目間のフォーカスを移動させ、前記決定ボタンが押下された場合に当該フォーカスのある選択項目を選択された指示とすること
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御手段は、前記リモコンから前記地点登録指示ボタンの押下が入力された場合に、記憶されている前記登録地点情報に基づく位置と前記現在位置検出手段が検出した現在位置とが所定の位置範囲内にある場合には、前記地点登録に替えて地点削除の処理を行うこと
を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子機器。
【請求項8】
前記リモコンから前記地点登録指示ボタンの押下が入力された際の現在位置を保持しておき、前記登録地点情報として記憶する前記位置検出手段によって検出する現在位置は、当該保持しておいた現在位置を用いること
を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子機器。
【請求項9】
前記リモコンは赤外線リモコンであり、
前記表示を行う3インチ以下の画面を有する車載用の電子機器であること
を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電子機器。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の電子機器としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−154317(P2010−154317A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331025(P2008−331025)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】