電子機器用アダプタ及びハイブリッド電源
ハイブリッド電源が、燃料電池と、該燃料電池と燃料カートリッジ又は外部バッテリとの間のインターフェースと、燃料電池又は外部バッテリからのエネルギを受け入れ、当該エネルギを充電式電池へ伝達するように構成されたスイッチング式DC/DCブースト型変換器と、を有する。また、ハイブリッド電源は、DC/DC変換器まわりに配置されたフィードバック制御ループに含まれ、DC/DC変換器の作動を部分的に制御してハイブリッド電源の燃料電池側の放電電流を一定にする燃料電池電流検出器/比較器も有する。充電器などのAC電源を接続部材に結合するアダプタも開示されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器への電力供給に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器は、通常、一次電池又は二次電池のいずれかによって電力の供給を受けている。携帯電子機器市場の成長及び使われ方のパターンの変化により、電子機器へ電力を供給する再充電可能な電源が発展してきた。一次電池は、二次電池より大きいエネルギ密度を有するものの、内部抵抗が二次電池より大きいため、電力消費の速い(放電率が0.2Cを超える)電子機器には向かない。二次電池は、大きい負荷を扱えるが、多くの用途にとってエネルギ容量が十分でない。
【0003】
燃料電池は中身に高エネルギ燃料を用いることができるため、携帯機器用電源に内蔵されると、従来のバッテリシステムより駆動時間が長くなる。例えば、ダイレクト・メタノール燃料電池(DMFC)や水素PEM燃料電池(H2FC)などのいくつかの燃料電池技術が、現在、携帯電力用途において商品化のために開発中である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いずれの方式も、燃料を使い切ったときには、電源に燃料を補充できなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、アダプタは、バッテリ又は燃料源を電子機器に電力を供給する燃料電池システムへつなげる接続部材に接続するための適切な結合金具を備えた部材を有する。
【0006】
本発明の一態様によれば、アダプタは、燃料源を燃料電池システムへつなげる接続部材に接続するための適切な結合金具を備えた第一の部材と、上記アダプタの入力に入った電力を上記部材の1組の間隔を空けて配置されたバッテリ端子における出力電力レベルへ変換する電子部品を備えた第二の部材と、上記第一の部材の入力と該第二の部材の出力の間に結合された第一の1組のワイヤと、上記第二の部材の入力から電子プラグまでを結合する第二の1組のワイヤと、を有する。
【0007】
本発明の一態様によれば、ハイブリッド電源が、燃料電池システムと燃料カートリッジ又はバッテリとの間のインターフェースと、該インターフェースに結合されたスイッチング式DC/DCブースト型変換器とを有し、該スイッチング式DC/DCブースト型変換器は、上記インターフェースに接続された燃料電池又は外部バッテリからエネルギを受け入れ、上記エネルギを充電式電池へ伝達するように構成され、上記燃料電池から略一定の電流ドレインを提供するように構成される。
【0008】
本発明の一態様によれば、ハイブリッド電源が、燃料電池と、該燃料電池と燃料カートリッジ又は外部バッテリとの間のインターフェースと、該インターフェースに接続された上記燃料電池又は外部バッテリからのエネルギを受け入れ、該エネルギを充電式電池へ伝達するように構成されたスイッチング式DC/DCブースト型変換器と、該DC/DC変換器まわりに配置されたフィードバック制御ループに含まれ、上記変換器の作動を部分的に制御して上記ハイブリッド電源の燃料電池側の放電電流を一定にする燃料電池電流検出器/比較器と、を有する。
【0009】
本発明の一態様によれば、ハイブリッド電源が、燃料電池と、燃料カートリッジ、バッテリ、又は、電力アダプタを受け付け可能な接続部材と、充電式電池と、上記燃料電池、バッテリ、又は、アダプタからのエネルギを受け入れ、該エネルギを上記充電式電池へ伝達するDC/DCブースト型変換器と、を有する。
【0010】
本発明のこれら態様は、燃料カートリッジが一時的に入手不可能な状況において、燃料電池ハイブリッド駆動機器を作動させる便利な手法を提供する。これは、当該機器の燃料カートリッジ収容スペースと置き換え可能なバッテリ又はバッテリカートリッジから燃料電池ハイブリッドシステムへエネルギを供給することによって実現される。上記収容スペースに挿入された燃料カートリッジ又はバッテリにより、埋め込まれた充電式電池が充電され、当該機器に電力が供給される。その際、使用済みのプラグイン燃料カートリッジ又はバッテリカートリッジを交換することができる。この手法により、様々な電圧のバッテリを収容することが可能となり、燃料カートリッジ収容スペースに嵌め込むことができるあらゆる入手可能な一次電池又は充電済み二次電池の化学反応を利用して燃料電池ハイブリッド電源にエネルギを供給することができる非常にフレキシブルな手法が提供される。また、この手法により、充電器又は他の携帯型でない電源が当該機器へ電力を供給できるようになる。例えば自動車に一般的に備えられたシガレットライターなどの電力ポートから当該機器へ電力が供給されるようにアダプタを構成することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
添付図面と以下の説明において、本発明の1以上の実施形態の詳細を説明する。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、これら詳細な説明及び図面並びに請求項から明らかである。
【実施例】
【0012】
図1には、携帯用で電動式の電子機器12(以下、機器12)が図示されている。機器12は、ハウジング11を有する。ハウジング11は、エネルギ源(図示せず)を収容する収容スペース14と、この収容スペース14を密閉する蓋16とを有する。また、機器12は、接続部材20を有する。接続部材20は、収容スペース14内に配置され、バッテリ電源(例えば、一次電池、又は、二次電池(例えば充電式電池16など)など)、又は、燃料電池(図示せず)へ燃料(水素)を供給する源である燃料カートリッジ、とのインターフェースをとる。図では、蓋16が、収容スペース14のうち接続部材20に垂直な一辺まわりに軸回転するものとして図示されているが、バッテリ及び燃料カートリッジの挿入を容易にするために、接続部材20に対向する面に収容スペース14への挿入口を設けることが望ましい場合もある。
【0013】
接続部材20は、燃料カートリッジとバッテリとを区別することができる。接続部材20は、燃料電池によって駆動される機器が、燃料カートリッジが一時的に入手不可能な状況でもあっても、作動できるようにする便利な手法を提供する。電源は、接続部材20を用いて、1つ以上の一次電池又は充電済み二次電池が燃料カートリッジ収容スペース内へ挿入されたことを自動的に検出する。また、接続部材20により、携帯電子機器12をこの1つ以上の一次電池又は二次電池によって作動させることができるため、消費者は燃料カートリッジが一時的に存在しない状況においても当該機器が使用できるようになる。携帯電子機器12は、任意の種類の携帯機器でよく、例えば、携帯電話、ポータブルコンピュータ、又は、オーディオ/ビデオ機器、などである。携帯電子機器12は、概して、作動可能部分、すなわち当該機器のうち機器機能を提供する部分(図示せず)と、携帯電子機器12の小型電源となる燃料電池(図示せず)と、ハウジング11内に全体が収容された接続部材20とを有する。
【0014】
図2Aを参照する。接続部材20は、燃料電池22と燃料カートリッジ又はバッテリ(図示せず)との間のインターフェースとなる。インターフェース20は、燃料カートリッジ(図示せず)がインターフェース20と接続し、燃料を携帯電子機器12内に配置された燃料電池22へ供給できるようにするのに適切な結合金具32を備える。結合金具32は、燃料を取り込むインターフェースポートとなる。インターフェースポート32は、単なる弁でもよく、或いは、単に、液体又は気体の燃料の通路となり得る吸入ポートなどの構成であってもよい。インターフェースポート32は、燃料カートリッジの対応するポートと強固に密閉結合する。結合金具32によって、液体又は気体の燃料は、排出ポート33を経由して、燃料電池22内へ流れることができるため、燃料電池の作動が可能となる。また、インターフェース20は、結合金具32と同じ面に、角形バッテリシステムのバッテリ端子との接触を可能とする一組のバネ式バッテリ端子接点34a、34bを有する。燃料電池22は、接続部材20に接続された燃料カートリッジから燃料を受け取る。燃料電池22は、受け取った燃料を電気エネルギへ変換する。変換された電気エネルギは、携帯電子機器12に動作上の機能性を提供する電子回路24に電力を供給するのに用いられる。また、電子回路24は、接続部材20へ接続されたバッテリからも電力の供給を受けることができる。
【0015】
図2Aに示した一実施例において、電気エネルギは、接続部材20から延びる電気接続線37a、37bを通じて供給される。燃料電池22は、接続部材20に接続された電気接続線39a、39bを有する。バッテリ供給電力と燃料電池供給電力とを切り替えて接続線37a、37bへ電力を供給する回路を図5及び6に示す。図2Bに示した別の一実施例においては、バッテリからの電気エネルギは、接続部材20から延びる電気接続線37a’、37b’を通じて供給され、燃料電池22は機器回路24に接続された電気接続線39a’、39b’を備える。このように、本構成において、図5及び6に示したバッテリ供給電力と燃料電池供給電力とを切り替える回路は、機器回路24上に配置される。
【0016】
接続部材20は、接続部材20から突き出た吸入ポート32を備えるものとして図示されているが、この吸入ポートは、燃料カートリッジから突き出た排出ポートを受け入れる開口部であってもよいことは明らかである。
【0017】
図3には、燃料カートリッジ38及び角形バッテリ40が図示されている。燃料カートリッジ38は、図示するように、インターフェース20(図2)に対応する燃料供給インターフェースを有する。この燃料供給インターフェースは、排出ポート42を有する。角形一次電池又は二次電池40は、同じく図示するように、角形パッケージの同じ面に一組のバッテリ端子(接点受容部)44を有する。
【0018】
加えて、同じく図示するように、バッテリはインターフェース20(図2)の吸入ポートを受け入れるくぼみを有することができ、燃料カートリッジは角形パッケージの同じ面に一組のバッテリ端子(接点受容部)44を有することができる。これら角形パッケージ上の一組のバッテリ端子(接点受容部)44は、電気的にアクティブでなく、燃料カートリッジが接続部材20へ接続されたことを示す適切な回路と共に用いられるように短絡させてもよい。図3に示した構成により、インターフェース20は、燃料電池カートリッジ38又はバッテリ40のいずれか一方を受け入れることができるため、燃料カートリッジの燃料供給弁機構及びバッテリ端子の双方がインターフェース20(図2)上の対応する接続部品と結合する。
【0019】
上記のような端子接点を用いる手法に適合すると考えられるバッテリは、例えば、デュラセル(Duracell)社製の角形リチウム一次電池などのバッテリシステムである。他のバッテリ構成も、上記のようなバッテリ端子構成に適合する可能性はある。
【0020】
図4には、例えば単3形、単4形、又は、単6形などの円筒形バッテリを角形バッテリの代わりにインターフェース20と結合させるのに用いることを可能にする角形バッテリケース44が図示されている。このようなケースが燃料電池駆動機器向けの安価なアクセサリーとして販売されれば、消費者は円筒形バッテリを購入し、それらを当該ケース内に挿入することでこれをバックアップカートリッジとして用いることができるようになる。また、このようなケース44においては、円筒形バッテリの背面端子が角形ケースの前面端子の一方に接続される。1つのオプションの一例を図4に示す。図4では、3つの単4形バッテリがインターフェース20と共に用いることができる角形ケース内に収容されている。
【0021】
1つ以上の円筒形一次/二次電池を用いることができる他の構成も考えられる。円筒形バッテリが1つだけ用いられる場合、バッテリが完全に挿入されたときにバッテリがバッテリ端子と適切に接続されるように、バッテリ端子の一方が円筒形バッテリ収容スペースの蓋に設けられるように両バッテリ端子を再構成する必要がある。このような構成において、燃料弁は、バッテリ端子として機能すると共に、円筒形一次/二次電池との単純な電気接続又は燃料カートリッジの燃料供給弁との接続のいずれかが可能となるように具体的に構成される必要が生じ得る。このような円筒形バッテリを用いる二重構造は、図2に示した2つのバッテリ端子を一方の端子群として用いること、及び、円筒形バッテリ収容スペースの蓋の背面に閉まったときに円筒形バッテリの背面端子と接触する他方の端子群を設けること、によって実現される。
【0022】
燃料電池駆動機器において一次/二次電池を燃料の代わりに用いると、当該機器の作動について実行可能なバックアップオプションが提供される。燃料カートリッジ収容スペースの蓋も燃料カートリッジの特徴の1つである。バッテリ端子突起がバッテリを検知した場合、この検知によって、バッテリが存在する燃料カートリッジ収容スペース(例えば図1)の蓋が閉まるようにすることもできる。これにより、蓋を閉じる動作がより効率的になると共に、バッテリの幾何学的デザインが燃料カートリッジ収容スペースにうまく適合していない場合にバッテリが入れられた当該機器の見た目を良くすることができる。
【0023】
バッテリ端子突起と共に用いられる燃料供給弁結合機構(図示せず)は、(端子間に電圧が測定されないなど)バッテリの不存在を検出したが、端子が存在する場所において別の信号を検出した場合、燃料弁システムを燃料カートリッジへと物理的にドッキングさせることができるように結合機構を作動させる。一例として、燃料カートリッジ上の角形バッテリにおいてバッテリ端子が存在するところ、又は、燃料カートリッジ38が用いられる場合にはその接点受容部44が存在するところ、に2つの小さい金属板が設けられる。これら端子は短絡させられる。バッテリ端子突起に接続された回路が端子間に電圧は掛かっていないが若干の抵抗が存在することを検知した場合、当該回路はインターフェース20を挿入された燃料カートリッジ38と機械的にドッキングさせる機構を始動させる。
【0024】
図5には、燃料電池22とバッテリ(図示せず)を受け入れることができる外部バッテリ端子との間に接続されたシリコンダイオード50が図示されている。これら端子は、下記のACアダプタ又はDCアダプタを受け入れることもできる。燃料電池22が電力を供給しているとき、ダイオード50には順方向バイアスが掛かり、外部バッテリ端子44は開回路となる。外部バッテリが接点44に接続されると、ダイオード50には逆方向バイアスが掛かり(燃料が供給されない状態では燃料電池の電圧はバッテリ電圧より低い値へ低下する)、バッテリが機器12へ電力を供給する。ダイオード50は、燃料電池22がバッテリによって充電されるのを防止する。このような充電は、エネルギロスとなるだけでなく、燃料電池22の損傷を招き得る。
【0025】
DC/DC変換器59は、DC/DC変換器59の出力と機器12との間に結合される。このDC/DC変換器59は、昇圧(ブースト)DC/DC変換器14であり、充電式電池と共に用いられ、燃料電池の作動を最適にする。
【0026】
図6には、トランジスタベースの切替回路60が図示されている。この構成には、実質的なエネルギ損失無しで燃料/バッテリを切り替えられるという利点がある(例えば、図5では、ダイオード通過時に電圧が低下する)。燃料電池カートリッジ(図示せず)が挿入され、燃料電池22が電力を供給するとき、外部バッテリ端子44は開回路であり、P型MOSFET(Q1)のゲートはR1(例えば、1メガオーム(MΩ)の抵抗)を通じてバイアスされる。この場合、Q1はオン状態であって燃料電池から負荷(機器電子部品24)へ導き、Q2はオフ状態である。外部バッテリが挿入されると、Q1のゲート電圧は正となり、トランジスタをオフとするため、2つの電源が並列に接続されることが防止される。また、Q2はR2(例えば、1MΩの抵抗)を通じてバイアスされ、バッテリ電力を負荷へ導く。DC/DC変換器59は、燃料電池の作動を最適化する昇圧(ブースト)DC/DC変換器14である。
【0027】
図5又は6の回路は、インターフェース20又は小型燃料電池を用いる携帯電子機器12に内蔵されてもよい。携帯電子機器のサイズや電源の利用可能容量などの仕様は用途に応じて決定されればよい。ただし、容量の大きい燃料カートリッジの代わりに挿入された複数の角形バッテリ又はバッテリケース或いは1以上の円筒形バッテリによる実施例が最適であると考えられる。また、回路仕様も、用途、及び、燃料電池システムの電圧出力対バッテリに置き換えた際の電圧出力に応じて決定されればよい。
【0028】
図7には、昇圧(ブースト)DC/DC変換器59の作動を制御して燃料電池の作動を最適化する回路130が図示されている。回路130は、DC/DC変換器59用のバイアス及び制御回路132と、一次電流感知増幅器及び電源シャットダウン134と、充電遮断スイッチ136とを含む。加えて、ヒューズ138による保護が備えられる。回路130は、燃料電池が最適な作動点で作動できるように、燃料電池から引き出される電流量が一定となるように構成される。作動中、燃料電池は、一定の電流をDC/DC変換器59へ供給することができる。DC/DC変換器59は、充電式電池へ電圧を供給する。この電圧は、当該電池を充電するため、又は、負荷機器へ電力を供給するために用いられる。
【0029】
昇圧(ブースト)DC/DC変換器59は、例えば、リニアテクノロジー(Linear Technology)社製のLTC3400(U1)である。例えばマキシム(Maxim)社製のMAX1765など他の機器を用いることもできる。他のほとんどのDC/DC変換器がおよそ80%以下の効率であるのに比べて、LTC3400(U1)は90%を超える優れた効率を有する。変換器59用のバイアス回路132は、変換効率を向上させるのに最適な変換器59に結合されたインダクタL1(例えば、6.8uh)を含む。本例において、昇圧(ブースト)DC/DC変換器59の入力電圧は、0.7〜5.5ボルト(V)の範囲にある。出力電圧は、2つの外部抵抗R1及びR2を通じて、調整可能である。出力電圧は、内部電圧基準値(例えば、出力電圧が出力Voutにおいて4Vのとき、1.25V)と等しくなるように、変換器59のフィードバック入力(FB)上で調整される。変換器59が正常に作動するには、出力電圧を入力電圧より高く保たなければならない。したがって、出力電圧レベルが4.0Vに制限される場合、入力電圧は0.7〜3.3Vの範囲に制限されることになる。このような入力電圧は、2〜4つの燃料電池を直列につなげることにより供給可能である。入力電圧が出力電圧を0.7Vより大きく上回ると、DC/DC変換器内のボディダイオードが順方向バイアスとなり、一次側から二次側へ電流が移動する。この移動は、両バッテリの内部抵抗と2つのシステム間の電圧差とのみによって制限されるため、突入電流が高くなる。
【0030】
この変換器について、内部出力電流の上限は600ミリアンペア(mA)である。電流の上限がより低い20〜400mAの範囲であると、効率が向上し、サイズ及びコストを低減できるため、望ましい。回路14は、外部構成要素の中から特定用途向けに一次電流を外部からプログラムするのに用いることができるインダクタL1及び電流検出抵抗を除いたほとんどのものを組み込んだASICであると理想的である。コンデンサC1、C2、及びC3は、変換器59の入出力におけるスイッチングパルスをフィルタリングして発振させるのに用いられる。C4は、変換器を「ソフトスタート」させ、安定性を向上させるのに用いられる。
【0031】
回路130は、電源シャットダウンンセクションを備えた一次電流検出器/増幅器134を有する。この一次電流センサ/増幅器134は、一次電流検出抵抗として機能する抵抗R4及びR5を備えたオペアンプU2を有する。抵抗R4及びR5の値は、抵抗R5での電圧降下(又はIR損失)が最小限となるように、非常に低い値(例えば、100mAで0.25オーム)である。非常に低い(平均25ミリボルト(mV))IRドロップは、オペアンプU2によって50倍に増幅される。オペアンプU2のゲインは、変換器59のフィードバック入力FBに接続されたダイオードD1の出力において1.25Vに達するように、R2/R3比によって設定される。このように、ダイオードD1を通るR1出力電圧信号及び入力電流信号は、相互に干渉せずに、「最大−唯一」ベースで、変換器のフィードバック入力において合計され、内部基準電圧と比較される。システムは、いずれの信号が先に1.25Vに達した場合でもそれに反応し、変換器のスイッチングを停止して出力電圧を下げる。これにより、出力電圧が一定で、同時に、入力電流も一定であるタイプのバッテリ充電源が実現される。
【0032】
出力電圧が4Vに制限されると、出力電流もIout=Im×Vin/Voutに制限される。これにより、電圧変換器がリチウムイオン充電器となる。ただし、CV/CC(一定電圧/一定電流)出力が要求される。通常、リチウムイオン化学反応は、V=4.1V又は4.2V、I<1C速度を必要とする。ハイブリット電源においては、V=4V、I<<1C速度とする。これは、より安全で、追加の保護ボードを必要としない。異常な状態が予想される場合、重複する保護が用いられる。例えば、より高い電圧(例えば、負荷電圧が3.3Vより大きい、或いは、開回路電圧が4.3Vより大きい)を燃料電池端子に掛けることは、上記システムにとっては危険である可能性がある。
【0033】
オペアンプU2は、電力が供給されているとき、数十マイクロアンペアを排出するため、電力節約シャットダウン機構が設けられ、オペアンプU2のシャットダウンピンを用いて、システムの零入力電流を低減する。変換器59が作動中でスイッチングを行っているとき、ダイオードD2を通るパルスは、オペアンプU2のシャットダウンピンでの電圧をオペアンプU2をイネーブルさせるのに十分に下げ、アイドル状態のとき、プルアップ抵抗R8を通る電流が、コンデンサC5を充電し、オペアンプU2への電力を遮断する。
【0034】
また、回路130は、スイッチ回路136を含む。リチウムイオン電池は、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)スイッチQ1を通じて、DC/DC変換器59の出力へ接続される。スイッチ回路136は、燃料電池が、放電中、DC/DC変換器59の入力側が遮断電圧に達したときに、DC/DC変換器59の出力を通じてリチウムイオン電池が放電(数mA)するのを防ぐ。また、スイッチ回路136は、任意のタイプの燃料電池を2〜4つ直列に並べたものに適したレベルへシステムの一次遮断電圧を調整するのにも用いることができる。充電スイッチ回路136は、変換器59の入力が遮断電圧に達する前に、遮断する。図示した実施例は、2〜4つのメタノール燃料電池スタックの場合である。MOSFET・Q1は、バイポータ・トランジスタQ2のエミッタ・コレクタ接合を通じて、当該エミッタ・コレクタ接合はR7を通じて、それぞれ燃料電池からバイアスされる。一次電圧が約0.7V未満まで降下すると、Q2はオフとなり、Q1をオフにさせ、充電が停止する。抵抗R6は、開状態のとき、Q2を通る漏れ電流を沈め、それがQ2の高インピーダンスゲートをバイアスしないようにする。充電を「オフ」にすると変換器出力Voutから負荷が取り除かれ、よって燃料電池からも負荷が取り除かれるため、燃料電池の電圧は上昇し、充電が再開され、回路136が再び起動し、任意の遮断電圧について燃料電池のすべての利用可能エネルギが充電式バッテリ16へ移るまでスイッチングされる。本手法は、この点で他の手法と異なる。通常は、電源の遮断電圧に初めて達したときに機器が遮断するため、燃料電池の中に少量のエネルギは未使用のまま残っているのが普通である。本手法により、燃料電池は、停止前にすべてのエネルギを供給できるようになる。
【0035】
ハイブリッド電源システムを設計する際には、最適化すべきいくつかのパラメータが存在する。例えば、燃料電池12のエネルギは、当該機器の所望総駆動時間をカバーするように最適化される。充電式バッテリ16のエネルギは、当該機器の1サイクルの所望の連続駆動時間をカバーするように最適化される。充電式電池の電力は、当該機器のピーク電力に合わせて選択され、充電速度はほぼフル充電の燃料電池を用いると当該機器の所望の断続的なパフォーマンスを満足させることができるように最適化される。
【0036】
多くの機器20において、当初指定されていたサイズよりも小さいリチウムイオンバッテリで必要なピーク電力を提供でき、永続的に充電することにより、満足のいくパフォーマンスを継続的に発揮し得る。
【0037】
上記充電手法は、入力電圧が出力電圧よりも低いときに機能する電圧ブースト変換器に基づく。DC/DC変換器内の内部スイッチングトランジスタは、順方向バイアスされたダイオードを有する。このダイオードは、入力電圧が出力電圧を約0.2〜0.4V上回ると、電流制限なしに、入力から出力へ直接導通させる。リチウムイオン充電式電池の典型的な放電電圧レンジは、4.2V〜3.2Vである。2.4Vで遮断する保護回路が、バッテリに組み込まれ、リチウムイオン電池の劣化が防止される。
【0038】
この回路が負荷(機器)が3.2Vで遮断するように設計された場合、入力負荷電圧は3.3V(2〜4つの燃料電池を直列)を超えることはない。
【0039】
昇圧(ブースト)変換器を降圧(バック)DC/DC変換器で置き換えることによって、出力電圧よりも高い入力電力を用いたハイブリッド電源を設計することが可能である。これは、より望ましくない。なぜなら、直列に並べられた複数の電池は、同じ容量の1〜2つの大型電池よりエネルギ密度が低いからである。複数の電池を直列に用いる際には、セル電圧をいかにバランスさせるかが問題となる。また、燃料補給も困難で、高くつく。燃料電池用途では、上記の降圧させる変形例の場合、8〜20個の電池が必要となる。
【0040】
図8には、昇圧(ブースト)DC/DC変換器の構成が図示されている。回路160は、DC/DC変換器14用のバイアス及び制御回路と、一次電流検出比較器164と、電力遮断回路162に接続された充電遮断比較器66と、を有する。加えて、ヒューズ168による保護が備えられる。回路160は、燃料電池が最適な作動点で作動できるように、燃料電池から引き出される電流量が一定となるように構成される。作動中、燃料電池は、一定の電流をDC/DC変換器59へ供給することができる。DC/DC変換器59の出力は、充電式電池へ接続される。この電圧は、当該電池を充電するため、又は、負荷機器18へ電力を供給するために用いられる。
【0041】
昇圧(ブースト)DC/DC変換器59は、例えば、リニアテクノロジー(Linear Technology)社製のLTC3400(U1)である。例えば上述のマキシム(Maxim)社製のMAX1765など他の機器を用いることもできる。変換器59用の外部構成要素は、変換効率が最適となるように選択された変換器59に結合されたインダクタL11(例えば、6.8uh)を含む。本例において、昇圧(ブースト)DC/DC変換器59の入力電圧は、0.7〜5.5Vの範囲にある。出力電圧は、2つの外部抵抗R11及びR12を通じて、調整可能である。出力電圧は、内部電圧基準値(例えば、出力電圧が出力Voutにおいて4Vのとき、1.25V)と等しくなるように、変換器59のフィードバック入力(FB)上で調整される。変換器59が正常に作動するには、出力電圧を入力電圧より高く保たなければならない。これにより、最小出力電圧3.2Vが、入力電圧を0.7〜3.3Vの範囲に制限する。このような入力電圧は、2〜4つの燃料電池を直列につなげることにより供給可能である。入力電圧が出力電圧を上回ると、一次側から二次側へ電流が直接移動する。この移動は、燃料電池及びリチウムイオンバッテリの内部抵抗によってのみ制限されるため、突入電流が高くなる。
【0042】
上述のように、DC/DC変換器59の内部出力電流の上限が20〜400mAのレンジに下がると、効率が向上し、サイズ及びコストを低減できるため、望ましい。これは、おそらく特定用途向けに一次電流値をプログラムするのに用いることができるインダクタL1及び電流検出抵抗を除いたほとんどの外部構成要素を組み込んだASICによって実現され得る。コンデンサC11、C12、及びC13は、変換器の入出力におけるスイッチングパルスをフィルタリングして発振させるのに用いられる。C18は、DC/DC変換器を「ソフトスタート」させるのに用いられる。
【0043】
回路164は、電源シャットダウンンセクションを備えた一次電流検出器/比較器162を有する。この一次電流検出器/比較器162は、一次電流検出抵抗として機能する抵抗R14及びR15を備えたオペアンプU5−A(1組のデュアルパッケージオペアンプから成る1つのオペアンプ)を有する。抵抗R14及びR15の値は、抵抗R15での電圧降下(又はIR損失)が最小限となるように、非常に低い値(例えば、100mAで0.25オーム)である。非常に低い(平均25mV)IRドロップは、オペアンプU2によって(基準電圧源D2及び電圧分割器R19/R13によって生成された)基準電圧と比較される。一次電流が予めセットされた上限を超えると、オペアンプU2の出力は高くなり、変換器を遮断する。抵抗R20及びオペアンプU5−Aのネガティブフィードバックループに接続されたコンデンサC16は、遅延を導入し、比較器の応答を安定させる積分器を形成する。ダイオードD1は、電圧制御回路と電流制御回路の間の干渉を防ぐ。このように、R11を通ってきた出力電圧信号とダイオードD1を通ってきた入力電流信号とが、相互に干渉せずに、「最大−唯一」ベースで、変換器のフィードバック入力において合計され、内部基準電圧と比較される。システムは、いずれの信号が先に1.25Vに達した場合でもそれに反応し、変換器59のスイッチングを停止して出力電圧を下げる。
【0044】
リチウムイオン電池は、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)スイッチQ11を通じて、DC/DC変換器59の出力へ接続される。シャットダウン制御回路166は、燃料電池が、放電中、DC/DC変換器の入力側が遮断電圧(本例では、4〜6つの直列に並べられた燃料電池に対して1.4V)に達したときに、DC/DC変換器59の出力を通じてリチウムイオン電池が放電(数mA)するのを防ぐ。また、回路166は、システムの一次遮断電圧を選択された燃料電池タイプにとって望ましいレベルへ調整するのにも用いることができる。Q11を経由するシャットダウン回路66は、変換器の入力が遮断電圧に達する前に遮断する。MOSFET・Q11は、DC/DC変換器59への入力電圧が所定の閾値を下回ったときに、抵抗R24を通じて比較器として検出するのに用いられるオペアンプU5−Bの出力を通じてバイアスされる。上記所定の閾値は、抵抗R17及びR23並びにツェナー(定電圧)ダイオードD2によって決定される。本例において、U5−Bのネガティブフィードバックループに、R18を用いることによって、ヒステリシスが導入される。Vが1.40V以下の場合、変換器は、トランジスタQ12によって形成されたインバータ回路162を通じてシャットダウンされ、充電は、Q11を通じて遮断され、リチウムイオン電池の放電が変換器出力を通じて防止される。Vが1.45V以上の場合、DC/DC変換器は「オン」であり、回路は充電中である。入力電圧が1.4V未満で、且つ、この入力電圧がQ11及びQ12を駆動するのに用いられているとき、「燃料カートリッジ交換」信号がアサートされる。一次電圧が約1.4V未満まで降下すると、Q2がオフとなり、U1をオフにさせ、充電が停止する。抵抗R16は、開状態のとき、Q11の高インピーダンスゲートにおける漏れ電流を沈め、バイアスされるのを防ぐ。充電を「オフ」にすると変換器出力Voutから負荷が取り除かれ、よって燃料電池からも負荷が取り除かれるため、燃料電池の電圧が復活し、充電が再び「オン」となる。スイッチング及び充電は、任意の遮断電圧について燃料電池のすべての利用可能エネルギが上述のように移動するまで、減衰デューティサイクルで継続される。
【0045】
リチウムイオンバッテリ16は、充電経路及び出力のいずれとも直列に配置されたヒューズ(F1)を備えたヒューズ回路168を有する。ヒューズ回路168は、安全のために用いられ、短絡状態のときには永続的に開放される。
【0046】
深放電でのパルス充電及び陽極触媒再活性化を可能にする電圧パルスはいずれも、燃料電池のみの電源に対するハイブリッド電源10構成の利点を一層拡大させるのに貢献する。
【0047】
図9には、(例えば図5〜8の)ハイブリッド電源171を有する携帯電子機器170が示されている。ハイブリッド電源171は、一次電池172からのエネルギを受け入れ、当該エネルギを二次電池(例えば充電式電池)176へ供給するスイッチング式DC/DCブースト型変換器174を有する。一実施形態において、一次電池172は、燃料電池であり、燃料電池172へ燃料源(水素)を供給する燃料カートリッジ(図示せず)を有する。
【0048】
充電式電池176は、電力を必要に応じて機器178へ供給する。機器178は、任意の種類の電子機器でよく、特に、例えば携帯電話のようなワイヤレス機器やPDAやデジタルカメラなどの携帯機器である。スイッチング式DC/DCブースト型変換器172は、充電式電池176の充電電圧より小さい固定された出力電圧を提供するように構成されると共に、充電式電池の充電電流の一部に電流が制限される。この構成において、スイッチング式DC/DCブースト型変換器172は、充電式電池176用の充電器としても機能する。充電式電池176は、充電可能なリチウムイオンタイプとすることができる。好ましい実施例は、例えば、リチウムイオン式充電式電池や、リチウムポリマー式充電式電池などである。これら充電式電池は、他の潜在的充電式電池よりも比較的長い時間機器178へ電力を提供することができ、長い期間連続して使用しても効率的である。
【0049】
一次電源172は、例えば、アルカリ電池や、亜鉛空気電池や、燃料電池などである。この構成において、一次電源は、燃料カートリッジが使用不可のときのバックアップとして用いられる。別の実施形態として、接続部品20へ接続されたACアダプタ180であってもよい。
【0050】
外部AC/DCアダプタ構成180は、ACコンセントに差し込まれてもよく、或いは、自動車のシガレットライターへ差し込まれてもよい。図示するように、アダプタ180は、1組のワイヤ183を通じて、一体化された接続部材/充電器アダプタ184に接続されたプラグ182を含む。一体化された接続部材/充電器アダプタ184は、接続部材20へ直接接続される。一体化された接続部材/充電器アダプタ184は、端子24a、34bに接続されるバッテリ端子181a、181bと、接続部材20の吸入ポート32の一端を受け入れる開口部181cとを有する。また、一体化された接続部材/充電器アダプタ184は、AC電圧を端子91a、91bにおける適正なレートの出力DC電圧へ変換し、このDC電力を接続部材20の外部バッテリ端子34a、34bへ伝達する必須の電子部品(図示せず)も有する。この電力は、機器78に埋め込まれたハイブリッドシステムの充電式電池を充電するのに用いられる。
【0051】
図10を参照する。アダプタの電子部品は、図示するように、別体のユニット184’に内蔵されてもよい。この場合、別体のユニット184’は、1組のワイヤ183を通じてプラグ182に接続され、機器アダプタ186に接続された別の1組のワイヤ187を通じて電力を伝達する。機器アダプタ186は、図示するように、インターフェース20へ接続される。この構成は、アダプタ184(図9)によって生成される熱が当該機器にとって望ましくない場合や、スペース上の制約により一体化されたアダプタ/変換器(図9)を内蔵できず、アダプタ186を用いて接続部材20へ適合させる機能及びユニット184’への電圧を変換する機能を分離する場合に、好ましい。
【0052】
また、プラグ及びアダプタ184又は184’は、DC電力を適正な出力DC電力レベルへ変換するように構成・設計されてもよい。図5〜8の構成を用いることができるDC構成においては、より低い又はより高い電圧への変換が必要でなくなる。このように、AC電力又は自動車のバッテリ電力が利用可能であるとき、燃料カートリッジ又はバッテリのコストを節約することができる。外部アダプタは、最大機器電力を提供する必要はなく、外部バッテリと類似した低いレートの充電電力さえ提供すればよい。
【0053】
ワイヤのペアは、それぞれが接続されているボディに固定されてもよく、或いは、適切なプラグ又はコネクタ(図示せず)を通じて接続されてもよい。
【0054】
本発明の複数の実施形態を説明したが、本発明の意図及び範囲を逸脱することなく様々な変形例が可能であることは明らかである。例えば、図5又は6の回路は、接続部材20の内部に存在するものとして記載されているが、スランドアローン回路として接続部材20の外に位置してもよく、或いは、携帯電子機器12の作動上の機能性を提供する電子回路の一部として設けられてもよい。したがって、他の実施形態も請求項の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】ブロック図である。
【図2A】燃料電池及び機器電子部品へ結合するための接続部材構造の概略斜視図である。
【図2B】燃料電池及び機器電子部品へ結合するための接続部材構造の概略斜視図である。
【図3】バッテリ及び燃料カートリッジの構成の一例を示す概略斜視図である。
【図4】バッテリ及び燃料カートリッジの構成の一例を示す概略斜視図である。
【図5】燃料電池ベースのハイブリッド式DC電源用の電子回路の概略図である。
【図6】燃料電池ベースのハイブリッド式DC電源用の電子回路の概略図である。
【図7】燃料電池ベースのハイブリッド式DC電源用の制御回路の概略図である。
【図8】燃料電池ベースのハイブリッド式DC電源用の別の制御回路の概略図である。
【図9】外部AC電力充電器を備えた燃料電池ベースのハイブリッド式DC電源のブロック図である。
【図10】別の外部AC電力充電器構成を備えた燃料電池ベースのハイブリッド式DC電源のブロック図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器への電力供給に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器は、通常、一次電池又は二次電池のいずれかによって電力の供給を受けている。携帯電子機器市場の成長及び使われ方のパターンの変化により、電子機器へ電力を供給する再充電可能な電源が発展してきた。一次電池は、二次電池より大きいエネルギ密度を有するものの、内部抵抗が二次電池より大きいため、電力消費の速い(放電率が0.2Cを超える)電子機器には向かない。二次電池は、大きい負荷を扱えるが、多くの用途にとってエネルギ容量が十分でない。
【0003】
燃料電池は中身に高エネルギ燃料を用いることができるため、携帯機器用電源に内蔵されると、従来のバッテリシステムより駆動時間が長くなる。例えば、ダイレクト・メタノール燃料電池(DMFC)や水素PEM燃料電池(H2FC)などのいくつかの燃料電池技術が、現在、携帯電力用途において商品化のために開発中である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いずれの方式も、燃料を使い切ったときには、電源に燃料を補充できなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、アダプタは、バッテリ又は燃料源を電子機器に電力を供給する燃料電池システムへつなげる接続部材に接続するための適切な結合金具を備えた部材を有する。
【0006】
本発明の一態様によれば、アダプタは、燃料源を燃料電池システムへつなげる接続部材に接続するための適切な結合金具を備えた第一の部材と、上記アダプタの入力に入った電力を上記部材の1組の間隔を空けて配置されたバッテリ端子における出力電力レベルへ変換する電子部品を備えた第二の部材と、上記第一の部材の入力と該第二の部材の出力の間に結合された第一の1組のワイヤと、上記第二の部材の入力から電子プラグまでを結合する第二の1組のワイヤと、を有する。
【0007】
本発明の一態様によれば、ハイブリッド電源が、燃料電池システムと燃料カートリッジ又はバッテリとの間のインターフェースと、該インターフェースに結合されたスイッチング式DC/DCブースト型変換器とを有し、該スイッチング式DC/DCブースト型変換器は、上記インターフェースに接続された燃料電池又は外部バッテリからエネルギを受け入れ、上記エネルギを充電式電池へ伝達するように構成され、上記燃料電池から略一定の電流ドレインを提供するように構成される。
【0008】
本発明の一態様によれば、ハイブリッド電源が、燃料電池と、該燃料電池と燃料カートリッジ又は外部バッテリとの間のインターフェースと、該インターフェースに接続された上記燃料電池又は外部バッテリからのエネルギを受け入れ、該エネルギを充電式電池へ伝達するように構成されたスイッチング式DC/DCブースト型変換器と、該DC/DC変換器まわりに配置されたフィードバック制御ループに含まれ、上記変換器の作動を部分的に制御して上記ハイブリッド電源の燃料電池側の放電電流を一定にする燃料電池電流検出器/比較器と、を有する。
【0009】
本発明の一態様によれば、ハイブリッド電源が、燃料電池と、燃料カートリッジ、バッテリ、又は、電力アダプタを受け付け可能な接続部材と、充電式電池と、上記燃料電池、バッテリ、又は、アダプタからのエネルギを受け入れ、該エネルギを上記充電式電池へ伝達するDC/DCブースト型変換器と、を有する。
【0010】
本発明のこれら態様は、燃料カートリッジが一時的に入手不可能な状況において、燃料電池ハイブリッド駆動機器を作動させる便利な手法を提供する。これは、当該機器の燃料カートリッジ収容スペースと置き換え可能なバッテリ又はバッテリカートリッジから燃料電池ハイブリッドシステムへエネルギを供給することによって実現される。上記収容スペースに挿入された燃料カートリッジ又はバッテリにより、埋め込まれた充電式電池が充電され、当該機器に電力が供給される。その際、使用済みのプラグイン燃料カートリッジ又はバッテリカートリッジを交換することができる。この手法により、様々な電圧のバッテリを収容することが可能となり、燃料カートリッジ収容スペースに嵌め込むことができるあらゆる入手可能な一次電池又は充電済み二次電池の化学反応を利用して燃料電池ハイブリッド電源にエネルギを供給することができる非常にフレキシブルな手法が提供される。また、この手法により、充電器又は他の携帯型でない電源が当該機器へ電力を供給できるようになる。例えば自動車に一般的に備えられたシガレットライターなどの電力ポートから当該機器へ電力が供給されるようにアダプタを構成することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
添付図面と以下の説明において、本発明の1以上の実施形態の詳細を説明する。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、これら詳細な説明及び図面並びに請求項から明らかである。
【実施例】
【0012】
図1には、携帯用で電動式の電子機器12(以下、機器12)が図示されている。機器12は、ハウジング11を有する。ハウジング11は、エネルギ源(図示せず)を収容する収容スペース14と、この収容スペース14を密閉する蓋16とを有する。また、機器12は、接続部材20を有する。接続部材20は、収容スペース14内に配置され、バッテリ電源(例えば、一次電池、又は、二次電池(例えば充電式電池16など)など)、又は、燃料電池(図示せず)へ燃料(水素)を供給する源である燃料カートリッジ、とのインターフェースをとる。図では、蓋16が、収容スペース14のうち接続部材20に垂直な一辺まわりに軸回転するものとして図示されているが、バッテリ及び燃料カートリッジの挿入を容易にするために、接続部材20に対向する面に収容スペース14への挿入口を設けることが望ましい場合もある。
【0013】
接続部材20は、燃料カートリッジとバッテリとを区別することができる。接続部材20は、燃料電池によって駆動される機器が、燃料カートリッジが一時的に入手不可能な状況でもあっても、作動できるようにする便利な手法を提供する。電源は、接続部材20を用いて、1つ以上の一次電池又は充電済み二次電池が燃料カートリッジ収容スペース内へ挿入されたことを自動的に検出する。また、接続部材20により、携帯電子機器12をこの1つ以上の一次電池又は二次電池によって作動させることができるため、消費者は燃料カートリッジが一時的に存在しない状況においても当該機器が使用できるようになる。携帯電子機器12は、任意の種類の携帯機器でよく、例えば、携帯電話、ポータブルコンピュータ、又は、オーディオ/ビデオ機器、などである。携帯電子機器12は、概して、作動可能部分、すなわち当該機器のうち機器機能を提供する部分(図示せず)と、携帯電子機器12の小型電源となる燃料電池(図示せず)と、ハウジング11内に全体が収容された接続部材20とを有する。
【0014】
図2Aを参照する。接続部材20は、燃料電池22と燃料カートリッジ又はバッテリ(図示せず)との間のインターフェースとなる。インターフェース20は、燃料カートリッジ(図示せず)がインターフェース20と接続し、燃料を携帯電子機器12内に配置された燃料電池22へ供給できるようにするのに適切な結合金具32を備える。結合金具32は、燃料を取り込むインターフェースポートとなる。インターフェースポート32は、単なる弁でもよく、或いは、単に、液体又は気体の燃料の通路となり得る吸入ポートなどの構成であってもよい。インターフェースポート32は、燃料カートリッジの対応するポートと強固に密閉結合する。結合金具32によって、液体又は気体の燃料は、排出ポート33を経由して、燃料電池22内へ流れることができるため、燃料電池の作動が可能となる。また、インターフェース20は、結合金具32と同じ面に、角形バッテリシステムのバッテリ端子との接触を可能とする一組のバネ式バッテリ端子接点34a、34bを有する。燃料電池22は、接続部材20に接続された燃料カートリッジから燃料を受け取る。燃料電池22は、受け取った燃料を電気エネルギへ変換する。変換された電気エネルギは、携帯電子機器12に動作上の機能性を提供する電子回路24に電力を供給するのに用いられる。また、電子回路24は、接続部材20へ接続されたバッテリからも電力の供給を受けることができる。
【0015】
図2Aに示した一実施例において、電気エネルギは、接続部材20から延びる電気接続線37a、37bを通じて供給される。燃料電池22は、接続部材20に接続された電気接続線39a、39bを有する。バッテリ供給電力と燃料電池供給電力とを切り替えて接続線37a、37bへ電力を供給する回路を図5及び6に示す。図2Bに示した別の一実施例においては、バッテリからの電気エネルギは、接続部材20から延びる電気接続線37a’、37b’を通じて供給され、燃料電池22は機器回路24に接続された電気接続線39a’、39b’を備える。このように、本構成において、図5及び6に示したバッテリ供給電力と燃料電池供給電力とを切り替える回路は、機器回路24上に配置される。
【0016】
接続部材20は、接続部材20から突き出た吸入ポート32を備えるものとして図示されているが、この吸入ポートは、燃料カートリッジから突き出た排出ポートを受け入れる開口部であってもよいことは明らかである。
【0017】
図3には、燃料カートリッジ38及び角形バッテリ40が図示されている。燃料カートリッジ38は、図示するように、インターフェース20(図2)に対応する燃料供給インターフェースを有する。この燃料供給インターフェースは、排出ポート42を有する。角形一次電池又は二次電池40は、同じく図示するように、角形パッケージの同じ面に一組のバッテリ端子(接点受容部)44を有する。
【0018】
加えて、同じく図示するように、バッテリはインターフェース20(図2)の吸入ポートを受け入れるくぼみを有することができ、燃料カートリッジは角形パッケージの同じ面に一組のバッテリ端子(接点受容部)44を有することができる。これら角形パッケージ上の一組のバッテリ端子(接点受容部)44は、電気的にアクティブでなく、燃料カートリッジが接続部材20へ接続されたことを示す適切な回路と共に用いられるように短絡させてもよい。図3に示した構成により、インターフェース20は、燃料電池カートリッジ38又はバッテリ40のいずれか一方を受け入れることができるため、燃料カートリッジの燃料供給弁機構及びバッテリ端子の双方がインターフェース20(図2)上の対応する接続部品と結合する。
【0019】
上記のような端子接点を用いる手法に適合すると考えられるバッテリは、例えば、デュラセル(Duracell)社製の角形リチウム一次電池などのバッテリシステムである。他のバッテリ構成も、上記のようなバッテリ端子構成に適合する可能性はある。
【0020】
図4には、例えば単3形、単4形、又は、単6形などの円筒形バッテリを角形バッテリの代わりにインターフェース20と結合させるのに用いることを可能にする角形バッテリケース44が図示されている。このようなケースが燃料電池駆動機器向けの安価なアクセサリーとして販売されれば、消費者は円筒形バッテリを購入し、それらを当該ケース内に挿入することでこれをバックアップカートリッジとして用いることができるようになる。また、このようなケース44においては、円筒形バッテリの背面端子が角形ケースの前面端子の一方に接続される。1つのオプションの一例を図4に示す。図4では、3つの単4形バッテリがインターフェース20と共に用いることができる角形ケース内に収容されている。
【0021】
1つ以上の円筒形一次/二次電池を用いることができる他の構成も考えられる。円筒形バッテリが1つだけ用いられる場合、バッテリが完全に挿入されたときにバッテリがバッテリ端子と適切に接続されるように、バッテリ端子の一方が円筒形バッテリ収容スペースの蓋に設けられるように両バッテリ端子を再構成する必要がある。このような構成において、燃料弁は、バッテリ端子として機能すると共に、円筒形一次/二次電池との単純な電気接続又は燃料カートリッジの燃料供給弁との接続のいずれかが可能となるように具体的に構成される必要が生じ得る。このような円筒形バッテリを用いる二重構造は、図2に示した2つのバッテリ端子を一方の端子群として用いること、及び、円筒形バッテリ収容スペースの蓋の背面に閉まったときに円筒形バッテリの背面端子と接触する他方の端子群を設けること、によって実現される。
【0022】
燃料電池駆動機器において一次/二次電池を燃料の代わりに用いると、当該機器の作動について実行可能なバックアップオプションが提供される。燃料カートリッジ収容スペースの蓋も燃料カートリッジの特徴の1つである。バッテリ端子突起がバッテリを検知した場合、この検知によって、バッテリが存在する燃料カートリッジ収容スペース(例えば図1)の蓋が閉まるようにすることもできる。これにより、蓋を閉じる動作がより効率的になると共に、バッテリの幾何学的デザインが燃料カートリッジ収容スペースにうまく適合していない場合にバッテリが入れられた当該機器の見た目を良くすることができる。
【0023】
バッテリ端子突起と共に用いられる燃料供給弁結合機構(図示せず)は、(端子間に電圧が測定されないなど)バッテリの不存在を検出したが、端子が存在する場所において別の信号を検出した場合、燃料弁システムを燃料カートリッジへと物理的にドッキングさせることができるように結合機構を作動させる。一例として、燃料カートリッジ上の角形バッテリにおいてバッテリ端子が存在するところ、又は、燃料カートリッジ38が用いられる場合にはその接点受容部44が存在するところ、に2つの小さい金属板が設けられる。これら端子は短絡させられる。バッテリ端子突起に接続された回路が端子間に電圧は掛かっていないが若干の抵抗が存在することを検知した場合、当該回路はインターフェース20を挿入された燃料カートリッジ38と機械的にドッキングさせる機構を始動させる。
【0024】
図5には、燃料電池22とバッテリ(図示せず)を受け入れることができる外部バッテリ端子との間に接続されたシリコンダイオード50が図示されている。これら端子は、下記のACアダプタ又はDCアダプタを受け入れることもできる。燃料電池22が電力を供給しているとき、ダイオード50には順方向バイアスが掛かり、外部バッテリ端子44は開回路となる。外部バッテリが接点44に接続されると、ダイオード50には逆方向バイアスが掛かり(燃料が供給されない状態では燃料電池の電圧はバッテリ電圧より低い値へ低下する)、バッテリが機器12へ電力を供給する。ダイオード50は、燃料電池22がバッテリによって充電されるのを防止する。このような充電は、エネルギロスとなるだけでなく、燃料電池22の損傷を招き得る。
【0025】
DC/DC変換器59は、DC/DC変換器59の出力と機器12との間に結合される。このDC/DC変換器59は、昇圧(ブースト)DC/DC変換器14であり、充電式電池と共に用いられ、燃料電池の作動を最適にする。
【0026】
図6には、トランジスタベースの切替回路60が図示されている。この構成には、実質的なエネルギ損失無しで燃料/バッテリを切り替えられるという利点がある(例えば、図5では、ダイオード通過時に電圧が低下する)。燃料電池カートリッジ(図示せず)が挿入され、燃料電池22が電力を供給するとき、外部バッテリ端子44は開回路であり、P型MOSFET(Q1)のゲートはR1(例えば、1メガオーム(MΩ)の抵抗)を通じてバイアスされる。この場合、Q1はオン状態であって燃料電池から負荷(機器電子部品24)へ導き、Q2はオフ状態である。外部バッテリが挿入されると、Q1のゲート電圧は正となり、トランジスタをオフとするため、2つの電源が並列に接続されることが防止される。また、Q2はR2(例えば、1MΩの抵抗)を通じてバイアスされ、バッテリ電力を負荷へ導く。DC/DC変換器59は、燃料電池の作動を最適化する昇圧(ブースト)DC/DC変換器14である。
【0027】
図5又は6の回路は、インターフェース20又は小型燃料電池を用いる携帯電子機器12に内蔵されてもよい。携帯電子機器のサイズや電源の利用可能容量などの仕様は用途に応じて決定されればよい。ただし、容量の大きい燃料カートリッジの代わりに挿入された複数の角形バッテリ又はバッテリケース或いは1以上の円筒形バッテリによる実施例が最適であると考えられる。また、回路仕様も、用途、及び、燃料電池システムの電圧出力対バッテリに置き換えた際の電圧出力に応じて決定されればよい。
【0028】
図7には、昇圧(ブースト)DC/DC変換器59の作動を制御して燃料電池の作動を最適化する回路130が図示されている。回路130は、DC/DC変換器59用のバイアス及び制御回路132と、一次電流感知増幅器及び電源シャットダウン134と、充電遮断スイッチ136とを含む。加えて、ヒューズ138による保護が備えられる。回路130は、燃料電池が最適な作動点で作動できるように、燃料電池から引き出される電流量が一定となるように構成される。作動中、燃料電池は、一定の電流をDC/DC変換器59へ供給することができる。DC/DC変換器59は、充電式電池へ電圧を供給する。この電圧は、当該電池を充電するため、又は、負荷機器へ電力を供給するために用いられる。
【0029】
昇圧(ブースト)DC/DC変換器59は、例えば、リニアテクノロジー(Linear Technology)社製のLTC3400(U1)である。例えばマキシム(Maxim)社製のMAX1765など他の機器を用いることもできる。他のほとんどのDC/DC変換器がおよそ80%以下の効率であるのに比べて、LTC3400(U1)は90%を超える優れた効率を有する。変換器59用のバイアス回路132は、変換効率を向上させるのに最適な変換器59に結合されたインダクタL1(例えば、6.8uh)を含む。本例において、昇圧(ブースト)DC/DC変換器59の入力電圧は、0.7〜5.5ボルト(V)の範囲にある。出力電圧は、2つの外部抵抗R1及びR2を通じて、調整可能である。出力電圧は、内部電圧基準値(例えば、出力電圧が出力Voutにおいて4Vのとき、1.25V)と等しくなるように、変換器59のフィードバック入力(FB)上で調整される。変換器59が正常に作動するには、出力電圧を入力電圧より高く保たなければならない。したがって、出力電圧レベルが4.0Vに制限される場合、入力電圧は0.7〜3.3Vの範囲に制限されることになる。このような入力電圧は、2〜4つの燃料電池を直列につなげることにより供給可能である。入力電圧が出力電圧を0.7Vより大きく上回ると、DC/DC変換器内のボディダイオードが順方向バイアスとなり、一次側から二次側へ電流が移動する。この移動は、両バッテリの内部抵抗と2つのシステム間の電圧差とのみによって制限されるため、突入電流が高くなる。
【0030】
この変換器について、内部出力電流の上限は600ミリアンペア(mA)である。電流の上限がより低い20〜400mAの範囲であると、効率が向上し、サイズ及びコストを低減できるため、望ましい。回路14は、外部構成要素の中から特定用途向けに一次電流を外部からプログラムするのに用いることができるインダクタL1及び電流検出抵抗を除いたほとんどのものを組み込んだASICであると理想的である。コンデンサC1、C2、及びC3は、変換器59の入出力におけるスイッチングパルスをフィルタリングして発振させるのに用いられる。C4は、変換器を「ソフトスタート」させ、安定性を向上させるのに用いられる。
【0031】
回路130は、電源シャットダウンンセクションを備えた一次電流検出器/増幅器134を有する。この一次電流センサ/増幅器134は、一次電流検出抵抗として機能する抵抗R4及びR5を備えたオペアンプU2を有する。抵抗R4及びR5の値は、抵抗R5での電圧降下(又はIR損失)が最小限となるように、非常に低い値(例えば、100mAで0.25オーム)である。非常に低い(平均25ミリボルト(mV))IRドロップは、オペアンプU2によって50倍に増幅される。オペアンプU2のゲインは、変換器59のフィードバック入力FBに接続されたダイオードD1の出力において1.25Vに達するように、R2/R3比によって設定される。このように、ダイオードD1を通るR1出力電圧信号及び入力電流信号は、相互に干渉せずに、「最大−唯一」ベースで、変換器のフィードバック入力において合計され、内部基準電圧と比較される。システムは、いずれの信号が先に1.25Vに達した場合でもそれに反応し、変換器のスイッチングを停止して出力電圧を下げる。これにより、出力電圧が一定で、同時に、入力電流も一定であるタイプのバッテリ充電源が実現される。
【0032】
出力電圧が4Vに制限されると、出力電流もIout=Im×Vin/Voutに制限される。これにより、電圧変換器がリチウムイオン充電器となる。ただし、CV/CC(一定電圧/一定電流)出力が要求される。通常、リチウムイオン化学反応は、V=4.1V又は4.2V、I<1C速度を必要とする。ハイブリット電源においては、V=4V、I<<1C速度とする。これは、より安全で、追加の保護ボードを必要としない。異常な状態が予想される場合、重複する保護が用いられる。例えば、より高い電圧(例えば、負荷電圧が3.3Vより大きい、或いは、開回路電圧が4.3Vより大きい)を燃料電池端子に掛けることは、上記システムにとっては危険である可能性がある。
【0033】
オペアンプU2は、電力が供給されているとき、数十マイクロアンペアを排出するため、電力節約シャットダウン機構が設けられ、オペアンプU2のシャットダウンピンを用いて、システムの零入力電流を低減する。変換器59が作動中でスイッチングを行っているとき、ダイオードD2を通るパルスは、オペアンプU2のシャットダウンピンでの電圧をオペアンプU2をイネーブルさせるのに十分に下げ、アイドル状態のとき、プルアップ抵抗R8を通る電流が、コンデンサC5を充電し、オペアンプU2への電力を遮断する。
【0034】
また、回路130は、スイッチ回路136を含む。リチウムイオン電池は、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)スイッチQ1を通じて、DC/DC変換器59の出力へ接続される。スイッチ回路136は、燃料電池が、放電中、DC/DC変換器59の入力側が遮断電圧に達したときに、DC/DC変換器59の出力を通じてリチウムイオン電池が放電(数mA)するのを防ぐ。また、スイッチ回路136は、任意のタイプの燃料電池を2〜4つ直列に並べたものに適したレベルへシステムの一次遮断電圧を調整するのにも用いることができる。充電スイッチ回路136は、変換器59の入力が遮断電圧に達する前に、遮断する。図示した実施例は、2〜4つのメタノール燃料電池スタックの場合である。MOSFET・Q1は、バイポータ・トランジスタQ2のエミッタ・コレクタ接合を通じて、当該エミッタ・コレクタ接合はR7を通じて、それぞれ燃料電池からバイアスされる。一次電圧が約0.7V未満まで降下すると、Q2はオフとなり、Q1をオフにさせ、充電が停止する。抵抗R6は、開状態のとき、Q2を通る漏れ電流を沈め、それがQ2の高インピーダンスゲートをバイアスしないようにする。充電を「オフ」にすると変換器出力Voutから負荷が取り除かれ、よって燃料電池からも負荷が取り除かれるため、燃料電池の電圧は上昇し、充電が再開され、回路136が再び起動し、任意の遮断電圧について燃料電池のすべての利用可能エネルギが充電式バッテリ16へ移るまでスイッチングされる。本手法は、この点で他の手法と異なる。通常は、電源の遮断電圧に初めて達したときに機器が遮断するため、燃料電池の中に少量のエネルギは未使用のまま残っているのが普通である。本手法により、燃料電池は、停止前にすべてのエネルギを供給できるようになる。
【0035】
ハイブリッド電源システムを設計する際には、最適化すべきいくつかのパラメータが存在する。例えば、燃料電池12のエネルギは、当該機器の所望総駆動時間をカバーするように最適化される。充電式バッテリ16のエネルギは、当該機器の1サイクルの所望の連続駆動時間をカバーするように最適化される。充電式電池の電力は、当該機器のピーク電力に合わせて選択され、充電速度はほぼフル充電の燃料電池を用いると当該機器の所望の断続的なパフォーマンスを満足させることができるように最適化される。
【0036】
多くの機器20において、当初指定されていたサイズよりも小さいリチウムイオンバッテリで必要なピーク電力を提供でき、永続的に充電することにより、満足のいくパフォーマンスを継続的に発揮し得る。
【0037】
上記充電手法は、入力電圧が出力電圧よりも低いときに機能する電圧ブースト変換器に基づく。DC/DC変換器内の内部スイッチングトランジスタは、順方向バイアスされたダイオードを有する。このダイオードは、入力電圧が出力電圧を約0.2〜0.4V上回ると、電流制限なしに、入力から出力へ直接導通させる。リチウムイオン充電式電池の典型的な放電電圧レンジは、4.2V〜3.2Vである。2.4Vで遮断する保護回路が、バッテリに組み込まれ、リチウムイオン電池の劣化が防止される。
【0038】
この回路が負荷(機器)が3.2Vで遮断するように設計された場合、入力負荷電圧は3.3V(2〜4つの燃料電池を直列)を超えることはない。
【0039】
昇圧(ブースト)変換器を降圧(バック)DC/DC変換器で置き換えることによって、出力電圧よりも高い入力電力を用いたハイブリッド電源を設計することが可能である。これは、より望ましくない。なぜなら、直列に並べられた複数の電池は、同じ容量の1〜2つの大型電池よりエネルギ密度が低いからである。複数の電池を直列に用いる際には、セル電圧をいかにバランスさせるかが問題となる。また、燃料補給も困難で、高くつく。燃料電池用途では、上記の降圧させる変形例の場合、8〜20個の電池が必要となる。
【0040】
図8には、昇圧(ブースト)DC/DC変換器の構成が図示されている。回路160は、DC/DC変換器14用のバイアス及び制御回路と、一次電流検出比較器164と、電力遮断回路162に接続された充電遮断比較器66と、を有する。加えて、ヒューズ168による保護が備えられる。回路160は、燃料電池が最適な作動点で作動できるように、燃料電池から引き出される電流量が一定となるように構成される。作動中、燃料電池は、一定の電流をDC/DC変換器59へ供給することができる。DC/DC変換器59の出力は、充電式電池へ接続される。この電圧は、当該電池を充電するため、又は、負荷機器18へ電力を供給するために用いられる。
【0041】
昇圧(ブースト)DC/DC変換器59は、例えば、リニアテクノロジー(Linear Technology)社製のLTC3400(U1)である。例えば上述のマキシム(Maxim)社製のMAX1765など他の機器を用いることもできる。変換器59用の外部構成要素は、変換効率が最適となるように選択された変換器59に結合されたインダクタL11(例えば、6.8uh)を含む。本例において、昇圧(ブースト)DC/DC変換器59の入力電圧は、0.7〜5.5Vの範囲にある。出力電圧は、2つの外部抵抗R11及びR12を通じて、調整可能である。出力電圧は、内部電圧基準値(例えば、出力電圧が出力Voutにおいて4Vのとき、1.25V)と等しくなるように、変換器59のフィードバック入力(FB)上で調整される。変換器59が正常に作動するには、出力電圧を入力電圧より高く保たなければならない。これにより、最小出力電圧3.2Vが、入力電圧を0.7〜3.3Vの範囲に制限する。このような入力電圧は、2〜4つの燃料電池を直列につなげることにより供給可能である。入力電圧が出力電圧を上回ると、一次側から二次側へ電流が直接移動する。この移動は、燃料電池及びリチウムイオンバッテリの内部抵抗によってのみ制限されるため、突入電流が高くなる。
【0042】
上述のように、DC/DC変換器59の内部出力電流の上限が20〜400mAのレンジに下がると、効率が向上し、サイズ及びコストを低減できるため、望ましい。これは、おそらく特定用途向けに一次電流値をプログラムするのに用いることができるインダクタL1及び電流検出抵抗を除いたほとんどの外部構成要素を組み込んだASICによって実現され得る。コンデンサC11、C12、及びC13は、変換器の入出力におけるスイッチングパルスをフィルタリングして発振させるのに用いられる。C18は、DC/DC変換器を「ソフトスタート」させるのに用いられる。
【0043】
回路164は、電源シャットダウンンセクションを備えた一次電流検出器/比較器162を有する。この一次電流検出器/比較器162は、一次電流検出抵抗として機能する抵抗R14及びR15を備えたオペアンプU5−A(1組のデュアルパッケージオペアンプから成る1つのオペアンプ)を有する。抵抗R14及びR15の値は、抵抗R15での電圧降下(又はIR損失)が最小限となるように、非常に低い値(例えば、100mAで0.25オーム)である。非常に低い(平均25mV)IRドロップは、オペアンプU2によって(基準電圧源D2及び電圧分割器R19/R13によって生成された)基準電圧と比較される。一次電流が予めセットされた上限を超えると、オペアンプU2の出力は高くなり、変換器を遮断する。抵抗R20及びオペアンプU5−Aのネガティブフィードバックループに接続されたコンデンサC16は、遅延を導入し、比較器の応答を安定させる積分器を形成する。ダイオードD1は、電圧制御回路と電流制御回路の間の干渉を防ぐ。このように、R11を通ってきた出力電圧信号とダイオードD1を通ってきた入力電流信号とが、相互に干渉せずに、「最大−唯一」ベースで、変換器のフィードバック入力において合計され、内部基準電圧と比較される。システムは、いずれの信号が先に1.25Vに達した場合でもそれに反応し、変換器59のスイッチングを停止して出力電圧を下げる。
【0044】
リチウムイオン電池は、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)スイッチQ11を通じて、DC/DC変換器59の出力へ接続される。シャットダウン制御回路166は、燃料電池が、放電中、DC/DC変換器の入力側が遮断電圧(本例では、4〜6つの直列に並べられた燃料電池に対して1.4V)に達したときに、DC/DC変換器59の出力を通じてリチウムイオン電池が放電(数mA)するのを防ぐ。また、回路166は、システムの一次遮断電圧を選択された燃料電池タイプにとって望ましいレベルへ調整するのにも用いることができる。Q11を経由するシャットダウン回路66は、変換器の入力が遮断電圧に達する前に遮断する。MOSFET・Q11は、DC/DC変換器59への入力電圧が所定の閾値を下回ったときに、抵抗R24を通じて比較器として検出するのに用いられるオペアンプU5−Bの出力を通じてバイアスされる。上記所定の閾値は、抵抗R17及びR23並びにツェナー(定電圧)ダイオードD2によって決定される。本例において、U5−Bのネガティブフィードバックループに、R18を用いることによって、ヒステリシスが導入される。Vが1.40V以下の場合、変換器は、トランジスタQ12によって形成されたインバータ回路162を通じてシャットダウンされ、充電は、Q11を通じて遮断され、リチウムイオン電池の放電が変換器出力を通じて防止される。Vが1.45V以上の場合、DC/DC変換器は「オン」であり、回路は充電中である。入力電圧が1.4V未満で、且つ、この入力電圧がQ11及びQ12を駆動するのに用いられているとき、「燃料カートリッジ交換」信号がアサートされる。一次電圧が約1.4V未満まで降下すると、Q2がオフとなり、U1をオフにさせ、充電が停止する。抵抗R16は、開状態のとき、Q11の高インピーダンスゲートにおける漏れ電流を沈め、バイアスされるのを防ぐ。充電を「オフ」にすると変換器出力Voutから負荷が取り除かれ、よって燃料電池からも負荷が取り除かれるため、燃料電池の電圧が復活し、充電が再び「オン」となる。スイッチング及び充電は、任意の遮断電圧について燃料電池のすべての利用可能エネルギが上述のように移動するまで、減衰デューティサイクルで継続される。
【0045】
リチウムイオンバッテリ16は、充電経路及び出力のいずれとも直列に配置されたヒューズ(F1)を備えたヒューズ回路168を有する。ヒューズ回路168は、安全のために用いられ、短絡状態のときには永続的に開放される。
【0046】
深放電でのパルス充電及び陽極触媒再活性化を可能にする電圧パルスはいずれも、燃料電池のみの電源に対するハイブリッド電源10構成の利点を一層拡大させるのに貢献する。
【0047】
図9には、(例えば図5〜8の)ハイブリッド電源171を有する携帯電子機器170が示されている。ハイブリッド電源171は、一次電池172からのエネルギを受け入れ、当該エネルギを二次電池(例えば充電式電池)176へ供給するスイッチング式DC/DCブースト型変換器174を有する。一実施形態において、一次電池172は、燃料電池であり、燃料電池172へ燃料源(水素)を供給する燃料カートリッジ(図示せず)を有する。
【0048】
充電式電池176は、電力を必要に応じて機器178へ供給する。機器178は、任意の種類の電子機器でよく、特に、例えば携帯電話のようなワイヤレス機器やPDAやデジタルカメラなどの携帯機器である。スイッチング式DC/DCブースト型変換器172は、充電式電池176の充電電圧より小さい固定された出力電圧を提供するように構成されると共に、充電式電池の充電電流の一部に電流が制限される。この構成において、スイッチング式DC/DCブースト型変換器172は、充電式電池176用の充電器としても機能する。充電式電池176は、充電可能なリチウムイオンタイプとすることができる。好ましい実施例は、例えば、リチウムイオン式充電式電池や、リチウムポリマー式充電式電池などである。これら充電式電池は、他の潜在的充電式電池よりも比較的長い時間機器178へ電力を提供することができ、長い期間連続して使用しても効率的である。
【0049】
一次電源172は、例えば、アルカリ電池や、亜鉛空気電池や、燃料電池などである。この構成において、一次電源は、燃料カートリッジが使用不可のときのバックアップとして用いられる。別の実施形態として、接続部品20へ接続されたACアダプタ180であってもよい。
【0050】
外部AC/DCアダプタ構成180は、ACコンセントに差し込まれてもよく、或いは、自動車のシガレットライターへ差し込まれてもよい。図示するように、アダプタ180は、1組のワイヤ183を通じて、一体化された接続部材/充電器アダプタ184に接続されたプラグ182を含む。一体化された接続部材/充電器アダプタ184は、接続部材20へ直接接続される。一体化された接続部材/充電器アダプタ184は、端子24a、34bに接続されるバッテリ端子181a、181bと、接続部材20の吸入ポート32の一端を受け入れる開口部181cとを有する。また、一体化された接続部材/充電器アダプタ184は、AC電圧を端子91a、91bにおける適正なレートの出力DC電圧へ変換し、このDC電力を接続部材20の外部バッテリ端子34a、34bへ伝達する必須の電子部品(図示せず)も有する。この電力は、機器78に埋め込まれたハイブリッドシステムの充電式電池を充電するのに用いられる。
【0051】
図10を参照する。アダプタの電子部品は、図示するように、別体のユニット184’に内蔵されてもよい。この場合、別体のユニット184’は、1組のワイヤ183を通じてプラグ182に接続され、機器アダプタ186に接続された別の1組のワイヤ187を通じて電力を伝達する。機器アダプタ186は、図示するように、インターフェース20へ接続される。この構成は、アダプタ184(図9)によって生成される熱が当該機器にとって望ましくない場合や、スペース上の制約により一体化されたアダプタ/変換器(図9)を内蔵できず、アダプタ186を用いて接続部材20へ適合させる機能及びユニット184’への電圧を変換する機能を分離する場合に、好ましい。
【0052】
また、プラグ及びアダプタ184又は184’は、DC電力を適正な出力DC電力レベルへ変換するように構成・設計されてもよい。図5〜8の構成を用いることができるDC構成においては、より低い又はより高い電圧への変換が必要でなくなる。このように、AC電力又は自動車のバッテリ電力が利用可能であるとき、燃料カートリッジ又はバッテリのコストを節約することができる。外部アダプタは、最大機器電力を提供する必要はなく、外部バッテリと類似した低いレートの充電電力さえ提供すればよい。
【0053】
ワイヤのペアは、それぞれが接続されているボディに固定されてもよく、或いは、適切なプラグ又はコネクタ(図示せず)を通じて接続されてもよい。
【0054】
本発明の複数の実施形態を説明したが、本発明の意図及び範囲を逸脱することなく様々な変形例が可能であることは明らかである。例えば、図5又は6の回路は、接続部材20の内部に存在するものとして記載されているが、スランドアローン回路として接続部材20の外に位置してもよく、或いは、携帯電子機器12の作動上の機能性を提供する電子回路の一部として設けられてもよい。したがって、他の実施形態も請求項の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】ブロック図である。
【図2A】燃料電池及び機器電子部品へ結合するための接続部材構造の概略斜視図である。
【図2B】燃料電池及び機器電子部品へ結合するための接続部材構造の概略斜視図である。
【図3】バッテリ及び燃料カートリッジの構成の一例を示す概略斜視図である。
【図4】バッテリ及び燃料カートリッジの構成の一例を示す概略斜視図である。
【図5】燃料電池ベースのハイブリッド式DC電源用の電子回路の概略図である。
【図6】燃料電池ベースのハイブリッド式DC電源用の電子回路の概略図である。
【図7】燃料電池ベースのハイブリッド式DC電源用の制御回路の概略図である。
【図8】燃料電池ベースのハイブリッド式DC電源用の別の制御回路の概略図である。
【図9】外部AC電力充電器を備えた燃料電池ベースのハイブリッド式DC電源のブロック図である。
【図10】別の外部AC電力充電器構成を備えた燃料電池ベースのハイブリッド式DC電源のブロック図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ又は燃料源を電子機器に電力を供給する燃料電池システムへつなげる接続部材に接続するための適切な結合金具を備えた部材を有するアダプタ。
【請求項2】
請求項1記載のアダプタであって、
前記部材上の前記適切な結合金具は、1組の間隔を空けて配置されたバッテリ端子と、燃料電池接続部材の吸入ポートを受け入れる開口部とを有する、ことを特徴とするアダプタ。
【請求項3】
請求項1記載のアダプタであって、
前記部材は、前記アダプタの入力に入った電力を前記1組の間隔を空けて配置されたバッテリ端子における出力電力レベルへ変換する電子部品を有する、ことを特徴とするアダプタ。
【請求項4】
請求項1記載のアダプタであって、
前記部材は、電子プラグに結合されたワイヤを有する、ことを特徴とするアダプタ。
【請求項5】
アダプタであって、
燃料源を燃料電池システムへつなげる接続部材に接続するための適切な結合金具を備えた第一の部材と、
前記アダプタの入力に入った電力を前記部材の1組の間隔を空けて配置されたバッテリ端子における出力電力レベルへ変換する電子部品を備えた第二の部材と、
前記第一の部材の入力と前記第二の部材の出力の間に結合された第一の1組のワイヤと、
前記第二の部材の入力から電子プラグまでを結合する第二の1組のワイヤと、を有するアダプタ。
【請求項6】
請求項5記載のアダプタであって、
前記部材は、電子プラグに結合されたワイヤを有する、ことを特徴とするアダプタ。
【請求項7】
請求項5記載のアダプタであって、
前記部材上の前記適切な結合金具は、1組の間隔を空けて配置されたバッテリ端子と、燃料電池接続部材の吸入ポートを受け入れる開口部とを有する、ことを特徴とするアダプタ。
【請求項8】
請求項5記載のアダプタであって、
前記部材は、前記アダプタの入力に入った電力を前記1組の間隔を空けて配置されたバッテリ端子における出力電力レベルへ変換する電子部品を有する、ことを特徴とするアダプタ。
【請求項9】
請求項6記載のアダプタであって、
前記部材は、前記アダプタの入力に入った電力を前記1組の間隔を空けて配置されたバッテリ端子における出力電力レベルへ変換する電子部品を有する、ことを特徴とするアダプタ。
【請求項10】
ハイブリッド電源であって、
燃料電池システムと燃料カートリッジ又はバッテリとの間のインターフェースと、
前記インターフェースに結合されたスイッチング式DC/DCブースト型変換器と、を有し、
前記スイッチング式DC/DCブースト型変換器は、
前記インターフェースに接続された燃料電池又は外部バッテリからエネルギを受け入れ、
前記エネルギを充電式電池へ伝達するように構成され、
前記燃料電池から略一定の電流ドレインを提供するように構成される、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項11】
請求項1記載のハイブリッド電源であって、
前記インターフェースの端子間に電圧が掛かったときにそれを検出して、外部バッテリが存在するときは該外部バッテリからの電力を、前記外部バッテリが存在しないときには燃料電池からの電力をそれぞれ充電式電池へ供給するように配置された回路を更に有する、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項12】
請求項11記載のハイブリッド電源であって、
前記回路は、前記燃料電池の出力端子と前記外部バッテリを前記ハイブリッド電源へ接続する接続部材の端子との間に結合されたダイオードを有する、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項13】
請求項11記載のハイブリッド電源であって、
前記回路は、
抵抗を通じてバイアスされ、前記燃料電池からの電力を負荷へ伝達する第一のトランジスタと、
外部バッテリが挿入されたときに前記第一のトランジスタのゲート電圧が該第一のトランジスタをオフとして前記燃料電池から前記外部バッテリへの接続を遮断するように構成された第二のトランジスタとを有し、
前記第二のトランジスタは、第二の抵抗を通じてバイアスされ、前記外部バッテリからの電力を前記負荷へ伝達する、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項14】
請求項11記載のハイブリッド電源であって、
燃料電池電流を検出し、前記変換器の作動を部分的に制御して前記ハイブリッド電源の燃料電池側の放電電流を一定にする燃料電池電流制御を含む回路を更に有する、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項15】
ハイブリッド電源であって、
燃料電池と、
前記燃料電池と燃料カートリッジ又は外部バッテリとの間のインターフェースと、
前記インターフェースに接続された前記燃料電池又は外部バッテリからのエネルギを受け入れ、該エネルギを充電式電池へ伝達するように構成されたスイッチング式DC/DCブースト型変換器と、
前記DC/DC変換器まわりに配置されたフィードバック制御ループに含まれ、前記変換器の作動を部分的に制御して前記ハイブリッド電源の燃料電池側の放電電流を一定にする燃料電池電流検出器/比較器と、を有することを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項16】
請求項15記載のハイブリッド電源であって、
前記燃料電池電流検出器/比較器は、前記燃料電池からの電流レベルを燃料効率を最大化にするのに最適なレベルと略等しいレベルで一定とする、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項17】
請求項15記載のハイブリッド電源であって、
前記燃料電池が特定の用途についての予測平均電力消費をやや上回る電力を提供し、前記充電式バッテリがピーク電力に必要な電力を提供するように構成される、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項18】
請求項15記載のハイブリッド電源であって、
前記充電式電池は、リチウムイオン充電式電池又はリチウムポリマー充電式電池である、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項19】
請求項15記載のハイブリッド電源であって、
前記回路は、前記充電式電池の約90%充電に相当する出力電圧を伝達する、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項20】
ハイブリッド電源であって、
燃料電池と、
燃料カートリッジ、バッテリ、又は、電力アダプタを受け付け可能な接続部材と、
充電式電池と、
前記燃料電池、バッテリ、又は、アダプタからのエネルギを受け入れ、該エネルギを前記充電式電池へ伝達するDC/DCブースト型変換器と、を有することを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項21】
請求項21記載のハイブリッド電源であって、
前記燃料電池とバッテリ又は前記電力アダプタを受け付ける前記接続部材の外部バッテリ端子との間にダイオードが結合され、
前記燃料電池が電力を供給するとき、前記ダイオードは順方向バイアスされ、前記外部バッテリ端子は開回路となり、
外部バッテリ又は電力アダプタが前記接点に接続されると、前記ダイオードは逆方向バイアスされ、前記バッテリは電力を前記負荷へ供給する、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項22】
請求項21記載のハイブリッド電源であって、
前記ダイオードは、前記バッテリ又は電力アダプタから前記燃料電池が充電されるのを防止する、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項23】
請求項21記載のハイブリッド電源であって、
前記DC/DC変換器は、前記外部バッテリ端子間に結合される、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項24】
請求項21記載のハイブリッド電源であって、
前記DC/DC変換器は、前記燃料電池の作動を最適化する昇圧(ブースト)DC/DC変換器である、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項25】
請求項24記載のハイブリッド電源であって、
前記回路は、
抵抗を通じてバイアスされ、前記燃料電池からの電力を負荷へ伝達する第一のトランジスタと、
外部バッテリが挿入されたときに前記第一のトランジスタのゲート電圧が該第一のトランジスタをオフとして前記燃料電池から前記外部バッテリへの接続を遮断するように構成された第二のトランジスタとを有し、
前記第二のトランジスタは、第二の抵抗を通じてバイアスされ、前記外部バッテリからの電力を前記負荷へ伝達する、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項1】
バッテリ又は燃料源を電子機器に電力を供給する燃料電池システムへつなげる接続部材に接続するための適切な結合金具を備えた部材を有するアダプタ。
【請求項2】
請求項1記載のアダプタであって、
前記部材上の前記適切な結合金具は、1組の間隔を空けて配置されたバッテリ端子と、燃料電池接続部材の吸入ポートを受け入れる開口部とを有する、ことを特徴とするアダプタ。
【請求項3】
請求項1記載のアダプタであって、
前記部材は、前記アダプタの入力に入った電力を前記1組の間隔を空けて配置されたバッテリ端子における出力電力レベルへ変換する電子部品を有する、ことを特徴とするアダプタ。
【請求項4】
請求項1記載のアダプタであって、
前記部材は、電子プラグに結合されたワイヤを有する、ことを特徴とするアダプタ。
【請求項5】
アダプタであって、
燃料源を燃料電池システムへつなげる接続部材に接続するための適切な結合金具を備えた第一の部材と、
前記アダプタの入力に入った電力を前記部材の1組の間隔を空けて配置されたバッテリ端子における出力電力レベルへ変換する電子部品を備えた第二の部材と、
前記第一の部材の入力と前記第二の部材の出力の間に結合された第一の1組のワイヤと、
前記第二の部材の入力から電子プラグまでを結合する第二の1組のワイヤと、を有するアダプタ。
【請求項6】
請求項5記載のアダプタであって、
前記部材は、電子プラグに結合されたワイヤを有する、ことを特徴とするアダプタ。
【請求項7】
請求項5記載のアダプタであって、
前記部材上の前記適切な結合金具は、1組の間隔を空けて配置されたバッテリ端子と、燃料電池接続部材の吸入ポートを受け入れる開口部とを有する、ことを特徴とするアダプタ。
【請求項8】
請求項5記載のアダプタであって、
前記部材は、前記アダプタの入力に入った電力を前記1組の間隔を空けて配置されたバッテリ端子における出力電力レベルへ変換する電子部品を有する、ことを特徴とするアダプタ。
【請求項9】
請求項6記載のアダプタであって、
前記部材は、前記アダプタの入力に入った電力を前記1組の間隔を空けて配置されたバッテリ端子における出力電力レベルへ変換する電子部品を有する、ことを特徴とするアダプタ。
【請求項10】
ハイブリッド電源であって、
燃料電池システムと燃料カートリッジ又はバッテリとの間のインターフェースと、
前記インターフェースに結合されたスイッチング式DC/DCブースト型変換器と、を有し、
前記スイッチング式DC/DCブースト型変換器は、
前記インターフェースに接続された燃料電池又は外部バッテリからエネルギを受け入れ、
前記エネルギを充電式電池へ伝達するように構成され、
前記燃料電池から略一定の電流ドレインを提供するように構成される、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項11】
請求項1記載のハイブリッド電源であって、
前記インターフェースの端子間に電圧が掛かったときにそれを検出して、外部バッテリが存在するときは該外部バッテリからの電力を、前記外部バッテリが存在しないときには燃料電池からの電力をそれぞれ充電式電池へ供給するように配置された回路を更に有する、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項12】
請求項11記載のハイブリッド電源であって、
前記回路は、前記燃料電池の出力端子と前記外部バッテリを前記ハイブリッド電源へ接続する接続部材の端子との間に結合されたダイオードを有する、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項13】
請求項11記載のハイブリッド電源であって、
前記回路は、
抵抗を通じてバイアスされ、前記燃料電池からの電力を負荷へ伝達する第一のトランジスタと、
外部バッテリが挿入されたときに前記第一のトランジスタのゲート電圧が該第一のトランジスタをオフとして前記燃料電池から前記外部バッテリへの接続を遮断するように構成された第二のトランジスタとを有し、
前記第二のトランジスタは、第二の抵抗を通じてバイアスされ、前記外部バッテリからの電力を前記負荷へ伝達する、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項14】
請求項11記載のハイブリッド電源であって、
燃料電池電流を検出し、前記変換器の作動を部分的に制御して前記ハイブリッド電源の燃料電池側の放電電流を一定にする燃料電池電流制御を含む回路を更に有する、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項15】
ハイブリッド電源であって、
燃料電池と、
前記燃料電池と燃料カートリッジ又は外部バッテリとの間のインターフェースと、
前記インターフェースに接続された前記燃料電池又は外部バッテリからのエネルギを受け入れ、該エネルギを充電式電池へ伝達するように構成されたスイッチング式DC/DCブースト型変換器と、
前記DC/DC変換器まわりに配置されたフィードバック制御ループに含まれ、前記変換器の作動を部分的に制御して前記ハイブリッド電源の燃料電池側の放電電流を一定にする燃料電池電流検出器/比較器と、を有することを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項16】
請求項15記載のハイブリッド電源であって、
前記燃料電池電流検出器/比較器は、前記燃料電池からの電流レベルを燃料効率を最大化にするのに最適なレベルと略等しいレベルで一定とする、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項17】
請求項15記載のハイブリッド電源であって、
前記燃料電池が特定の用途についての予測平均電力消費をやや上回る電力を提供し、前記充電式バッテリがピーク電力に必要な電力を提供するように構成される、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項18】
請求項15記載のハイブリッド電源であって、
前記充電式電池は、リチウムイオン充電式電池又はリチウムポリマー充電式電池である、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項19】
請求項15記載のハイブリッド電源であって、
前記回路は、前記充電式電池の約90%充電に相当する出力電圧を伝達する、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項20】
ハイブリッド電源であって、
燃料電池と、
燃料カートリッジ、バッテリ、又は、電力アダプタを受け付け可能な接続部材と、
充電式電池と、
前記燃料電池、バッテリ、又は、アダプタからのエネルギを受け入れ、該エネルギを前記充電式電池へ伝達するDC/DCブースト型変換器と、を有することを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項21】
請求項21記載のハイブリッド電源であって、
前記燃料電池とバッテリ又は前記電力アダプタを受け付ける前記接続部材の外部バッテリ端子との間にダイオードが結合され、
前記燃料電池が電力を供給するとき、前記ダイオードは順方向バイアスされ、前記外部バッテリ端子は開回路となり、
外部バッテリ又は電力アダプタが前記接点に接続されると、前記ダイオードは逆方向バイアスされ、前記バッテリは電力を前記負荷へ供給する、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項22】
請求項21記載のハイブリッド電源であって、
前記ダイオードは、前記バッテリ又は電力アダプタから前記燃料電池が充電されるのを防止する、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項23】
請求項21記載のハイブリッド電源であって、
前記DC/DC変換器は、前記外部バッテリ端子間に結合される、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項24】
請求項21記載のハイブリッド電源であって、
前記DC/DC変換器は、前記燃料電池の作動を最適化する昇圧(ブースト)DC/DC変換器である、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【請求項25】
請求項24記載のハイブリッド電源であって、
前記回路は、
抵抗を通じてバイアスされ、前記燃料電池からの電力を負荷へ伝達する第一のトランジスタと、
外部バッテリが挿入されたときに前記第一のトランジスタのゲート電圧が該第一のトランジスタをオフとして前記燃料電池から前記外部バッテリへの接続を遮断するように構成された第二のトランジスタとを有し、
前記第二のトランジスタは、第二の抵抗を通じてバイアスされ、前記外部バッテリからの電力を前記負荷へ伝達する、ことを特徴とするハイブリッド電源。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2007−527598(P2007−527598A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518676(P2006−518676)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/020188
【国際公開番号】WO2005/011045
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/020188
【国際公開番号】WO2005/011045
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)
【Fターム(参考)】
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