説明

電子機器表示窓のタッチ入力機能付き保護パネル及び電子機器

【課題】 表面フラット性に優れるとともにFPC接続部における信頼性に優れた電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネル及び電気機器を提供する。
【解決手段】 端部が下部電極シートと上部電極シートとの間に挿入され、熱圧着により上部回路及び下部回路の出力端と接続されたFPCとを備える電子機器表示窓の保護パネルにおいて、前記下部電極シートは、前記熱圧着よって下面の前記FPCの熱圧着部分に対応する部分に熱圧着痕又は前記FPC内の回路段差に起因する凹凸が形成されており、かつ前記下部電極シートの下面と貼り合わせられる保護パネル本体との間で前記FPCの熱圧着部分に対応する部分に貼合用緩衝空間を有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PDA(Personal Digital Assistant)、ハンディターミナルなど携帯情報端末、コピー機、ファクシミリなどOA(Office Automation)機器、スマートフォン、 携帯電話機、携帯ゲーム機器、電子辞書、カーナビシステム、小型PC(Personal Computer)、各種家電品等の用途に用いられ、表面フラット性及びFPC(Flexible Printed Circuit)接続部における信頼性に優れた電子機器表示窓のタッチ入力機能付き保護パネル及びその保護パネルを有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、スマートフォン等の電子機器におけるケーシングは、合成樹脂製の前面ケーシングと背面ケーシングを組み合わせて構成されたものが一般的であり、通常、前面ケーシングの表面には液晶表示窓を保護するために保護パネルが融着等により固定されている。
【0003】
一方で、前記携帯電話機、スマートフォン等の電子機器では、液晶表示画面に対してタッチ入力を可能とするために、液晶表示画面上にタッチパネルを載置することが行なわれる場合がある。この場合、ケーシングの液晶表示窓は、下方に配置したタッチパネルへの入力を阻害する保護パネルは設けられないため、開口したままである。
【0004】
しかし、最近、前記保護パネルにタッチ入力機能を付加したものが特許文献1に新たに開示されている。すなわち、図10〜図12に示すように、透明板からなる保護パネル本体107と、透明樹脂フィルムの上面に矩形の下部透明電極102と当該下部透明電極2の周囲に設けられた下部回路105bとを有し、前記保護パネル本体107の上面に貼り合わされた下部電極シート101と、透明樹脂フィルムの下面に矩形の上部透明電極104と当該上部透明電極104の周囲に設けられた上部回路105aとを有し、前記下部電極シート101と電極102,104間に間隙120を形成して周縁部で接着された上部電極シート103と、透明樹脂フィルムの少なくとも一方の面に前記下部回路105b及び前記上部回路105aを隠蔽して透明窓部108aを形成する加飾層109を有し、前記上部電極シート103の上面に貼り合わされた加飾シート108と、端部が前記下部電極シート107と前記上部電極シート103との間に挿入され、熱圧着により前記下部回路105b及び前記上部回路105aの出力端123,124と接続されたFPC118とを備え(図10参照)、開口113aを有するケーシング113のパネル嵌め込み部122に、その外側面が周囲と同一平面を形成するように隙間なく嵌め込み保持可能に構成されると共に、前記透明窓部108aを通して外部から視認可能にその下側に配置されたディスプレイ装置115を保護する電子機器表示窓の保護パネル100である(図11及び図12参照)。
【0005】
このように構成された電子機器表示窓の保護パネル100は、液晶表示画面に対してタッチ入力が可能でありながら、当該保護パネルの透明窓部108a表面及び当該透明窓部108a周囲の加飾部109表面とケーシング113の外表面113bとの間に段差が生じない(図12参照)ので、前記透明窓部108aが前記ケーシング113のデザインに溶込んで見える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2005/064451号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の前記保護パネル100には、以下のような問題があった。
【0008】
すなわち、前記保護パネル100は、前記保護パネル本体107と、前記下部電極シート101と、前記上部電極シート103と、前記加飾シート108とを全て貼り合わせた後に、前記FPC118の導電性接着剤が設けられた端部を前記下部電極シート101と前記上部電極シート103との間に挿入して熱圧着により前記下部回路105b及び前記上部回路105aの出力端123,124と接続している。通常、熱圧着加工は、前記FPC118の端部を前記下部電極シート107と前記上部電極シート103との間に挿入した状態でスライドテーブルに載せ、所定位置までスライド移動させた後、シリコンラバー等の弾性部材で被覆された真鍮等の金属ヘッドを表面に備えたヒーター130を下降させて押圧する(図13参照)。
【0009】
ところが、熱圧着加工において、前記加飾シート108側からヒーター130を押し当てると、熱圧着痕131、又は前記FPC118内の回路段差に起因する凹凸132が前記加飾シート108の上面で目立ち、前記保護パネル100は表面フラット性が損なわれてしまう(図17参照)。
【0010】
これを防止するために、前記保護パネル本体107側から当該保護パネル本体107越しにヒーター130を押し当てると(図14参照)、熱と圧が十分に前記FPC118の端部に設けられた導電性接着剤に伝わらず、前記保護パネル100は電気的接続のない、機能不良品となってしまう。
【0011】
また、前記FPC118の導電性接着剤が設けられた端部を前記下部電極シート101と前記上部電極シート103との間に挿入し、前記下部電極シート101側から当該下部電極シート101越しにヒーター130を押し当てて熱圧着を行なった後に(図15参照)、前記保護パネル本体107を貼り合わせるようにすることも考えた。この場合、熱圧着時点では、熱圧着痕131又は前記FPC118内の回路段差に起因する凹凸132が前記下部電極シート101下面に現れるだけであるため表面フラット性が損なわれることなく、又熱と圧が十分に前記FPC118の端部に設けられた導電性接着剤に伝わるためFPC接続部における信頼性も得られる。しかし、これを前記保護パネル本体107、特にガラス材質のものと貼り合わせると、前記下部電極シート101の貼合面がフラットに矯正される力が働き(図16参照)、前記熱圧着痕131又はFPC118内の回路段差に起因する前記凹凸132が前記加飾シート108の上面に転移出現してしまう(図17参照)。
【0012】
本発明の目的は、以上のような課題を考慮し、表面フラット性に優れるとともにFPC接続部における信頼性に優れた、電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネル及び電気機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記目的を達成するために、以下のように構成している。
【0014】
本発明の第1態様によれば、開口を有するケーシングのパネル嵌め込み部に、その外側面が周囲と同一平面を形成するように隙間なく嵌め込み保持可能に構成されると共に、透明窓部を通して外部から視認可能にその下側に配置されたディスプレイ装置を保護する電子機器表示窓の保護パネルであって、
透明板からなる保護パネル本体と、
透明樹脂フィルムの上面に矩形の下部透明電極と当該下部透明電極の周囲に設けられた下部回路とを有し、前記保護パネル本体の上面に貼り合わされた下部電極シートと、
透明樹脂フィルムの下面に矩形の上部透明電極と当該上部透明電極の周囲に設けられた上部回路とを有し、前記下部電極シートと電極間に間隙を形成して周縁部で接着された上部電極シートと、
透明樹脂フィルムの少なくとも一方の面に前記下部回路及び前記上部回路を隠蔽して前記透明窓部を形成する加飾層を有し、前記上部電極シートの上面に貼り合わされた加飾シートと、
端部が前記下部電極シートと前記上部電極シートとの間に挿入され、熱圧着により前記上部回路及び前記下部回路の出力端と接続されたFPCとを備え、
さらに、前記下部電極シートは、前記熱圧着よって下面の前記FPCの熱圧着部分に対応する部分に熱圧着痕又は前記FPC内の回路段差に起因する凹凸が形成されており、かつ前記保護パネル本体との間で前記FPCの熱圧着部分に対応する部分に貼合用緩衝空間を有する、電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネルを提供する。
【0015】
本発明の第2態様によれば、前記貼合用緩衝空間が、前記保護パネル本体の上面の前記FPCの熱圧着部分に対応する部分に形成された掘込部のみからなるものである、第1態様に記載の電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネルを提供する。
【0016】
本発明の第3態様によれば、前記掘込部の底面が、マット加工されている、第2態様に記載の電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネルを提供する。
【0017】
本発明の第4態様によれば、前記掘込部の底面が、ライン加工されている、第2態様に記載の電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネルを提供する。
【0018】
本発明の第5態様によれば、前記保護パネル本体と前記下部電極シートとの貼合に用いるPSA(Pressure Sensitive Adhesive)が前記FPCの熱圧着部分に対応する部分において貫通孔を有しており、前記貼合用緩衝空間が、当該貫通孔と前記保護パネル本体の上面の前記FPCの熱圧着部分に対応する部分に形成された掘込部とからなるものである、第1態様に記載の電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネルを提供する。
【0019】
本発明の第6態様によれば、前記保護パネル本体と前記下部電極シートとの貼合に用いるPSAが前記FPCの熱圧着部分に対応する部分において貫通孔を有しており、前記貼合用緩衝空間が、当該貫通孔のみからなるものである、第1態様の電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネルを提供する。
【0020】
本発明の第7態様によれば、前記保護パネル本体の材質が、ガラスである、第1〜6態様のいずれか1つの態様に記載の電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネルを提供する。
【0021】
本発明の第8態様によれば、第1〜7態様のいずれか1つの態様に記載の電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネルが、前記ケーシングの前記開口の前記パネル嵌め込み部に、前記保護パネルの外側面が周囲と同一平面を形成するように隙間なく、嵌め込み保持されている、電子機器を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明に従えば、前記保護パネル本体を除くその他の部材を貼り合わせた後に、前記FPCの導電性接着剤が設けられた端部を前記下部電極シートと前記上部電極シートとの間に挿入して前記下部電極シート側から熱圧着し、最後に、上面の前記FPCの熱圧着部分に対応する部分に掘込部を有する前記保護パネル本体を貼り合わせることにより、表面フラット性に優れるとともにFPC接続部における信頼性に優れた、電子機器表示窓のタッチ入力機能付き保護パネル及び電子機を得ることができる。すなわち、前記下部電極シート側から熱圧着するので、熱圧着痕又は前記FPC内の回路段差に起因する凹凸が当該下部電極シートの前記下部透明電極側とは反対面に現れるが、表面フラット性が損なわれることなく、又熱と圧が十分に前記FPCの端部に設けられた導電性接着剤に伝わるためFPC接続部における信頼性も得られる。そして、前記下部電極シートは、前記保護パネル本体との間で前記FPCの熱圧着部分に対応する部分に貼合用緩衝空間を有するので、前記熱圧着痕又は前記FPC内の回路段差に起因する凹凸に対してフラットに矯正される力が働かず、表面フラット性は維持されたままとなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る電子機器表示窓の保護パネルの一実施例を示す分解図である。
【図2】図2は、図1に示す本発明の前記第1実施形態に係る保護パネルの断面図である。
【図3】図3は、図2に示す本発明の前記第1実施形態に係る保護パネルの要部拡大断面図である。
【図4】図4は、図1に示す前記第1実施形態に係る保護パネルのFPC熱圧着工程の一例を説明する断面図である。
【図5】図5は、図1に示す前記第1実施形態に係る保護パネルの保護パネル本体貼合工程の一例を説明する断面図である。
【図6】図6は、本発明の電子機器表示窓の保護パネルを用いたケーシングにおける実装構造の例を示す分解図である。
【図7】図7は、図6のケーシングにおける実装構造の例を示す断面図である。
【図8】図8は、図1に示す前記第1実施形態に係る保護パネルの掘込部の例を説明する要部拡大断面図である。
【図9】図9は、本発明の電子機器表示窓の保護パネルにおける掘込部底面の加工例を説明する部分拡大斜視図である。
【図10】図10は、従来技術に係る電子機器表示窓の保護パネルの分解図である。
【図11】図11は、電子機器表示窓の保護パネルを用いたケーシングにおける実装構造の例を示す分解図である。
【図12】図12は、図11のケーシングにおける実装構造の例を示す断面図である。
【図13】図13は、図10に示す保護パネルのFPC熱圧着工程の一例を説明する断面図である。
【図14】図14は、図10に示す保護パネルのFPC熱圧着工程の他の例を説明する断面図である。
【図15】図15は、図10に示す保護パネルのFPC熱圧着工程の他の例を説明する断面図である。
【図16】図16は、図15に示す熱圧着工程の後に行なわれる貼合工程の一例を説明する断面図である。
【図17】図17は、従来技術に係る電子機器表示窓の保護パネルに発生する不良を示す斜視図である。
【図18】図18は、本発明の前記第2実施形態に係る保護パネルの断面図である。
【図19】図19は、図18に示す本発明の前記第3実施形態に係る保護パネルの要部拡大断面図である。
【図20】図20は、本発明の前記第2実施形態に係る保護パネルの断面図である。
【図21】図21は、図20に示す本発明の前記第3実施形態に係る保護パネルの要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の記述を続ける前に、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。
【0025】
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る電子機器表示窓の保護パネルを示す分解図、図2は図1に示す保護パネルの断面図である。
【0026】
図1及び図2の電子機器表示窓の保護パネル14は、図6及び図7に示すように開口を有するケーシング13のパネル嵌め込み部22に、その外側面が周囲と同一平面を形成するように隙間なく嵌め込み保持可能に構成されると共に、透明窓部8aを通して外部から視認可能にその下側に配置されたディスプレイ装置15を保護するものである。
【0027】
この電子機器表示窓の保護パネル14は、透明板からなる保護パネル本体7と、透明樹脂フィルムの上面に矩形の下部透明電極2と当該下部透明電極2の周囲に設けられた下部回路5bとを有し、前記保護パネル本体7の上面に貼り合わされた下部電極シート1と、透明樹脂フィルムの下面に矩形の上部透明電極4と当該上部透明電極4の周囲に設けられた上部回路5aとを有し、前記下部電極シート1と電極2,4間に間隙20を形成して周縁部で接着された上部電極シート3と、透明樹脂フィルムの少なくとも一方の面に前記下部回路5b及び前記上部回路5aを隠蔽して透明窓部8aを形成する加飾層9を有し、前記上部電極シート3の上面に貼り合わされた加飾シート8と、端部が前記下部電極シート7と前記上部電極シート3との間に挿入され、熱圧着により前記上部回路5a及び前記下部回路5bの出力端23,24と接続されたFPC18とを備えている。指やペン等で前記加飾シート8表面を押圧すると、前記上部電極シート3及び加飾シート8が一体となって下方に撓み、その結果、前記上部電極シート3及び前記下部電極シート1の内面に形成された電極2,4どうしが接触することによって入力位置が検出される
【0028】
前記保護パネル本体7に用いる前記透明板の材質としては、透視性に優れ、液晶パネルや有機ELパネルなどのディスプレイ装置15を破損から保護できる材料を用いる。例えば、前記透明板の材質としては、ガラス、又は、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル系樹脂、若しくはAN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、前記透明板の材質としては、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂、又は、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、若しくは、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を用いることができる。とくに、市場のトレンドとして薄型製品の要求が強く、薄くて硬いガラスを前記透明板の材質として用いるのが好ましい。
【0029】
本発明の前記第1実施形態の特徴は、前記下部電極シート1が、前記熱圧着よって下面の前記FPC18の熱圧着部分に対応する部分に熱圧着痕31又は前記FPC18内の回路段差に起因する凹凸32を形成されており、かつ前記保護パネル本体7との間で前記FPC18の熱圧着部分に対応する部分に貼合用緩衝空間を有することにある。前記下部電極シート1側からの熱圧着(図4参照)の直後、熱圧着痕31又は前記FPC18内の回路段差に起因する凹凸32が当該下部電極シート1の前記下部透明電極2側とは反対面に現れているが、表面フラット性損なわれることなく、又熱と圧が十分に前記FPCの端部に設けられた導電性接着剤に伝わるためFPC接続部における信頼性も得られる。そして、前記下部電極シート1は、前記保護パネル本体7との間で前記FPC18の熱圧着部分に対応する部分に貼合用緩衝空間を有するように貼り合わせられるので、前記熱圧着痕31又は前記FPC18内の回路段差に起因する凹凸32に対してフラットに矯正される力が働かず、表面フラット性は維持されたままとなる。
【0030】
図1及び図2では、前記貼合用緩衝空間は、前記保護パネル本体7の上面の前記FPC18の熱圧着部分に対応する部分に形成された掘込部33のみからなるものである。図5及び図3に、貼合前後の掘込部33付近の様子をそれぞれ拡大して示す。前記掘込部33の形成方法としては、ルーター加工などを用いることができる。前記掘込部33の大きさは、保護パネルの強度維持の観点からできるだけ小さく設けるのが好ましいが、前記熱圧着痕31又は前記FPC18内の回路段差に起因する凹凸32が収まるように、前記FPC18の熱圧着部分と同一以上の大きさは必要である(図1参照)。また、前記掘込部33は前記保護パネル本体7の側方に臨むように形成することもできるが、保護パネルの強度維持の観点から前記保護パネル本体7の外縁よりも内側に離れて形成するようにするのが好ましい。また、前記掘込部33の深さは、前記熱圧着痕31又は前記FPC18内の回路段差に起因する凹凸32がPSA16を介して当該掘込部33の底面にちょうど接触する程度(例えば、深さ0.025mm)、又は、前記熱圧着痕31又は前記FPC18内の回路段差に起因する凹凸32及びPSA16が当該掘込部33の底面と大きく離間する程度(例えば、深さ0.1mm)とするのが好ましい。前者は前記保護パネル本体7に貼合されるシートが前記接触部分で支持されるため撓みにくく(図8(a)参照)、後者は前記保護パネル本体7に貼合されるシートが撓んでも元に戻る(図8(b)参照)からである。前記掘込部33の深さが、前記熱圧着痕31又は前記FPC18内の回路段差に起因する凹凸32及びPSA16が当該掘込部33の底面と僅かに離間する程度である場合、前者は前記保護パネル本体7に貼合されるシートが一旦撓むと、前記掘込部33の底面に接着してそのまま元に戻らず、保護パネル表面に緩やかではあるが凹みを生ずるおそれがある(図8(c)参照)。
【0031】
また、前記掘込部33の底面は、平滑であってもよいが、マット加工されているのがより好ましい(図9(a)参照)。前記ルーター加工によれば、通常、前記掘込部33を形成すると同時に当該掘込部33の底面がマット状態とすることができる。前記掘込部33の底面がマット加工されていることにより、貼合に用いるPSA16が前記下部電極シート1の下面全面に形成されていたとしても、前記掘込部33の底面との接着性を低下させることができるため、前述したような前記保護パネル本体7に貼合されるシートが一旦撓んだ後に前記掘込部33の底面に接着してそのまま元に戻らないという事態を防げる。また、同じ目的で、前記掘込部33の底面をルーターでライン加工してもよい(図9(b)参照)。
【0032】
前記下部電極シート7及び前記上部電極シート3に用いる透明樹脂フィルムの材質としては、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリエーテルケトン系等のエンジニアリングプラスチック、アクリル系、ポリエチレンテレフタレート系、ポリブチレンテレフタレート系などの樹脂フィルムなどを用いることができる。
【0033】
前記下部透明電極2及び前記上部透明電極4は、透明導電膜より構成される。透明導電膜の材料としては、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、若しくはITO等の金属酸化物や、金、銀、銅、錫、ニッケル、アルミニウム、若しくはパラジウム等の金属、又は、導電性ポリマーの薄膜がある。前記下部透明電極2及び前記上部透明電極4の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD法、又は、ロールコーター法などを用いて、透明樹脂フィルムの全面に導電性被膜を形成した後、不要な部分をエッチングで除去する。エッチングは、電極として残したい部分に、フォトリソ法又はスクリーン法などによりレジストを形成した後、塩酸などのエッチング液に浸漬するか、又は、エッチング液を噴射してレジストが形成されていない部分の導電性被膜を除去し、次いで、溶剤に浸漬することによりレジストを膨潤または溶解させて除去する。又は、レーザーによる導電性被膜のエッチングも可能である。
【0034】
前記下部回路5b及び前記上部回路5aは、バスバー又は引き回し線等の所定のパターンで形成される。また、前記下部回路5b及び前記上部回路5aの材料としては、金、銀、銅、若しくはニッケルなどの金属、又は、カーボンなどの導電性を有するペーストが用いられる。これらの形成方法としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、若しくはフレキソ印刷などの印刷法、又は、フォトレジスト法、又は、刷毛塗法などがある。なお、前記下部回路5b及び前記上部回路5aの形成に関しては、タッチパネルのように狭額縁化について心配する必要はない。なぜなら、本第1実施形態の保護パネル14は、携帯電話機等の電子機器60の液晶表示窓を有する前面ケーシング13に一体的に配置され、ディスプレイ装置15の寸法による制限を受けないからである。
【0035】
前記下部電極シート1と前記上部電極シート3とを電極2,4間に間隙20を形成して周縁部で接着するには、枠状に打抜いた両面接着テープ6、又は、両面接着テープ6の代わりに、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニル樹脂などからなる絶縁性のPSAを用いる。PSAの塗布方法としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、若しくは、フレキソ印刷などの通常印刷法などを用いるとよい。なお、前記下部電極シート1と前記上部電極シート3との接着においては、後から前記FPC18の端部を挿入するため、この挿入領域は接着しない。
【0036】
なお、前記下部電極シート7と前記上部電極シート3との間にはスペーサー10が設けられており、それぞれの対向面に設けられている両電極2,4が誤接触しないように構成されている。スペーサー10としては、透明な光硬化型樹脂をフォトプロセスで微細なドット状に形成して得ることができる。また、印刷法により、微細なドットを多数形成して、スペーサー10とすることもできる。
【0037】
前記加飾シート8に用いる透明樹脂カバーフィルムの材質としては、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリエーテルケトン系等のエンジニアリングプラスチックの樹脂フィルム、アクリル系の樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート系の樹脂フィルム、又は、ポリブチレンテレフタレート系の樹脂フィルムなどを用いることができる。
【0038】
前記加飾シート8は、透明樹脂カバーフィルムの少なくとも一方の面には透明窓部8aを有する加飾層9が形成され、前記上部電極シート3の上面に貼り合わされる。前記したように前記下部電極シート7及び前記上部電極シート3に不透明な回路5b,5aが設けられるため、これを被覆して隠蔽するためである。加飾層9で被覆される部分が加飾部11となり、加飾層9で被覆されない部分が透明窓部8aとなる。また、前記加飾シート8は前記下部電極シート7の後退部34を被覆して、開口を有するケーシング13のパネル嵌め込み部22に前記保護パネル14を嵌め込んだときに隙間が見えないようにする。
【0039】
加飾層9は、通常、保護パネルにおいては印刷層として形成する。印刷層の材質としては、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、又は、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。印刷層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、若しくは、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷り又は階調表現を行うには、オフセット印刷法又はグラビア印刷法が適している。また、単色の場合には、グラビアコート法、ロールコート法、若しくは、コンマコート法などのコート法を採用することもできる。
【0040】
また、加飾層9は、金属薄膜層からなるもの、又は、印刷層と金属薄膜層との組み合わせからなるものでもよい。金属薄膜層は、加飾層9として金属光沢を表現するためのものであり、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成することができる。この場合、表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、又は、これらの合金、又は、これらの化合物を使用することができる。金属薄膜層は、通常は、部分的に形成する。また、金属薄膜層を設ける際に、他の層との密着性を向上させるために、前アンカー層や後アンカー層を設けてもよい。
【0041】
また、加飾層9は、透明樹脂カバーフィルムのいずれの面にも形成できるが一例として下面に形成し、前記上部電極シート3の上面と対面するように貼り合わせると、指又はペンなどが、加飾層9に直接接触することがないため、加飾層9が摩耗から保護される。
【0042】
なお、前記加飾シート8表面には、ハードコートフィルムが貼り合わせられていてもよい。
【0043】
また、前記保護パネル本体7と前記下部電極シート1との接着、及び、前記上部電極シート3と前記加飾シート8との接着には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、又は、ビニル樹脂などからなる絶縁性のPSA16,19を用いる。
【0044】
前記FPC18は、公知のものを用いることができる。前記FPC18は、前記保護パネル本体7を除くその他の部材、すなわち前記下部電極シート1と、前記上部電極シート3と、前記加飾シート8を貼り合わせた後に、当該FPC18の導電性接着剤が設けられた端部を前記下部電極シート1と前記上部電極シート3との間に挿入して前前記下部電極シート1側からの熱圧着により前記下部回路5b及び前記上部回路5aの出力端23,24と接続する。前記導電性接着剤としては、公知のフィルム状のACF(Anisotropic Conductive Film)とペースト状のACP(Anisotropic Conductive Paste)などを用いるとよい。
【0045】
前記上部電極シート3と、前記加飾シート8を貼り合わせた厚みは、通常、0.3〜0.8mmとなる。また、前記下部電極シート1の厚みは、通常、0.05〜0.25mmとなる。また、前記保護パネル本体7は、通常、0.4〜1.0mmの厚みのものが用いられる。
【0046】
以上のように構成することにより、本発明の保護パネル14は、前記保護パネル本体7の上面にタッチ入力機能を有するものとなり、図6及び図7に示すように保護パネル14を携帯電話機等の電子機器の開口を有するケーシング13のパネル嵌め込み部22に嵌め込むことにより、電子機器60の外表面における入力が可能である。
【0047】
また、前記貼合用緩衝空間は、図1及び図2に示したもの限定されず、その他の変化例も可能である。例えば、図18は本発明の前記第2実施形態に係る保護パネルの断面図であり、図19は図18に示す本発明の前記第2実施形態に係る保護パネルの要部拡大断面図である。
【0048】
図18及び図19では、前記保護パネル本体7と前記下部電極シート1との貼合に用いる前記PSA16が前記FPC18の熱圧着部分に対応する部分において貫通孔34を有しており、前記貼合用緩衝空間が、当該貫通孔34と前記保護パネル本体7の上面の前記FPC18の熱圧着部分に対応する部分に形成された掘込部33とからなるものである。このように構成することにより、前述したような前記保護パネル本体7に貼合されるシートが一旦撓んだ後に前記掘込部33の底面に接着してそのまま元に戻らないという事態を防げる。
前記PSA16への前記貫通孔34の形成方法は、ダイカットを用いることができる。なお、ダイカットを用いて前記貫通孔34を形成する場合、前記PSA16は芯材ありの方が打抜きやすいためより好ましい。
【0049】
また、図20は本発明の前記第3実施形態に係る保護パネルの断面図であり、図21は図20に示す本発明の前記第3実施形態に係る保護パネルの要部拡大断面図である。
【0050】
図20及び図21では、前記保護パネル本体7と前記下部電極シート1との貼合に用いる前記PSA16が前記FPC18の熱圧着部分に対応する部分において貫通孔34を有しており、前記貼合用緩衝空間が、当該貫通孔34のみからなるものである。前記熱圧着痕31又は前記FPC18内の回路段差に起因する凹凸32の突出量が前記下部電極シート1との貼合に用いる前記PSA16の厚み内に収まる場合には、前記貫通孔34だけでも前記貼合用緩衝空間としての役割を充分果たすことができる。
【0051】
なお、前記第2実施形態及び前記第3実施形態においては、前記第1実施形態のように前記掘込部33を前記下部電極シート1との貼合に用いる前記PSA16で覆う構成ではないので、前記下部電極シート1側に前記PSA16を形成してから前記保護パネル本体7と貼り合わせてもよいし、前記保護パネル本体7側に前記PSA16を形成してから前記下部電極シート1を貼り合わせてもよい。
【0052】
<実施例1>
まず、厚み0.5mmのガラス板を用い、ガラス板上面のFPCの熱圧着部分に対応する部分をルーターにて掘り込んで貼合用緩衝空間としての掘込部(端面より内側3mmから6mmの間にかけて、幅12mm、深さ0.025mm)を形成し、縦80mm×横50mmの保護パネル本体を得た。なお、前記掘込部の底面は、前記ルーターによりライン加工が施されている。
【0053】
また、厚み0.1mmのポリカーボネート(PC)フィルムからなる透明絶縁フィルムの片面に厚み20nmのITO膜をスパッタリングにて全面に形成し、エッチングにて不要部のITO膜をエッチング除去することにより矩形状をした下部透明電極を形成した。次に、下部透明電極上全面にエポキシアクリレート系の熱硬化型樹脂を用いスクリーン印刷にて、微細なドッド状のスペーサーを形成した。また下部透明電極の縦方向に対向する二辺に配置される下部バスバーと当該下部バスバーから各々外部に出力するための引き回し線を、下部回路として、銀ペーストをスクリーン印刷して形成した。次いで、スクリーン印刷法により微細なドットを多数形成してスペーサーとし、縦80mm×横50mmの下部電極シートを得た。
【0054】
また、厚み0.125mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる可撓性の透明絶縁フィルムを用い、その一面に厚み20nmのITO膜をスパッタリングにて全面に形成し、縦横が下部電極パネルと同寸法のシート状にカットした後、エッチングにて不要部のITO膜を除去することにより矩形状をした上部透明電極を形成した。また上部透明電極の横方向に対向する二辺に配置される上部バスバーと当該上部バスバーから各々外部に出力するための引き回し線を、上部回路として、銀ペーストをスクリーン印刷することにより形成して縦80mm×横50mmの上部電極シートを得た。
【0055】
また、厚み0.05mmのPETフィルムからなる可撓性の透明絶縁フィルムを用い、片面にポリエステル系樹脂に顔料を分散した着色インキをスクリーン印刷にて縦65mm×横40mmの透明窓部を有する加飾層を形成し、縦80mm×横50mmの加飾シートを得た。
【0056】
さらに、厚み0.125mmのPETフィルムからなる可撓性の透明絶縁フィルムを用い、片面に紫外線硬化型のアクリル系のハードコートをグラビア印刷で塗布し、縦80mm×横50mmのハードコートシートを得た。
【0057】
前記加飾シートの加飾層側の面を前記上部電極シートの前記上部透明電極側とは反対面と厚み0.025mmの基材レスPSAからなるPSAで全面的に貼り合わせた。また、前記上部電極シートと前記下部電極シートとは、それぞれに形成された電極間を隔てるように且つFPCの端部を挿入する領域を除いて厚み0.025mmのPSAからなるPSAで貼り合わせた。
【0058】
次に、前記FPCの導電性接着剤が設けられた端部を前記下部電極シートと前記上部電極シートとの間に挿入した状態でスライドテーブルに載せ、所定位置までスライド移動させた後、ヒーターを下降させて前記下部電極シート側から押圧することにより前記FPCを熱圧着した。このとき、熱圧着痕又は前記FPC内の回路段差に起因する凹凸が当該下部電極シートの前記下部透明電極側とは反対面に現れるが、表面フラット性が損なわれることなく、又熱と圧が十分に前記FPCの端部に設けられた導電性接着剤に伝わるためFPC接続部における信頼性も得られる。
【0059】
最後に、前記保護パネル本体の前記掘込部を有する面と前記下部電極シートの前記下部透明電極側とは反対面を、厚み0.025mmのPSAからなるPSAで全面的に貼り合わせた。
【0060】
<実施例2>
前記保護パネル本体の前記掘込部を有する面と前記下部電極シートの前記下部透明電極側とは反対面を貼り合わせるのに用いた前記PSAを、前記掘込部と見当一致する貫通孔を有するように形成し、当該貫通孔と前記掘込部とで前記貼合用緩衝空間を構成したこと以外は実施例1と同様とした。
【0061】
<実施例3>
前記保護パネル本体に前記掘込部を形成せず、前記貫通孔のみで前記貼合用緩衝空間を構成したこと以外は実施例2と同様とした。
【0062】
実施例1〜3のようにして得られた保護パネルは、この場合も、前記下部電極シートに現れている熱圧着痕又は前記FPC内の回路段差に起因する凹凸にはフラットに矯正される力が働かず、表面フラット性は維持されたままであった。
【0063】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0064】
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、PDA、ハンディターミナルなど携帯情報端末、コピー機、ファクシミリなどOA機器、スマートフォン、 携帯電話機、携帯ゲーム機器、電子辞書、カーナビシステム、小型PC、各種家電品等の用途に用いることができ、産業上有用なものである。
【符号の説明】
【0066】
1 下部電極シート
2 下部透明電極
3 上部電極シート
4 上部透明電極
5a 上部回路
5b 下部回路
6 両面接着テープ
7 保護パネル本体
8 加飾シート
8a 透明窓部
9 加飾層
10 スペーサー
11 加飾部
12 タッチ入力操作面
13 ケーシング
14 保護パネル
15 ディスプレイ装置
16 PSA
17 開口
18 FPC
19 PSA
20 間隙
21 外表面
22 パネル嵌め込み部
23 出力端
24 出力端
30 ヒーター
31 熱圧着痕
32 凹凸
33 掘込部
34 貫通孔
100 保護パネル
101 下部電極シート
103 上部電極シート
106 両面接着テープ
107 保護パネル本体
108 加飾シート
116 PSA
117 開口
118 FPC
119 PSA
131 熱圧着痕
132 凹凸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明の第1態様によれば、開口を有するケーシングのパネル嵌め込み部に、その外側面が周囲と同一平面を形成するように隙間なく嵌め込み保持可能に構成されると共に、透明窓部を通して外部から視認可能にその下側に配置されたディスプレイ装置を保護する電子機器表示窓の保護パネルであって、
透明板からなる保護パネル本体と、
透明樹脂フィルムの上面に矩形の下部透明電極と当該下部透明電極の周囲に設けられた下部回路とを有し、前記保護パネル本体の上面に貼り合わされた下部電極シートと、
透明樹脂フィルムの下面に矩形の上部透明電極と当該上部透明電極の周囲に設けられた上部回路とを有し、前記下部電極シートと電極間に間隙を形成して周縁部で接着された上部電極シートと、
透明樹脂フィルムの少なくとも一方の面に前記下部回路及び前記上部回路を隠蔽して前記透明窓部を形成する加飾層を有し、前記上部電極シートの上面に貼り合わされた加飾シートと、
端部が前記下部電極シートと前記上部電極シートとの間に挿入され、熱圧着により前記上部回路及び前記下部回路の出力端と接続されたFPCとを備え、
さらに、前記下部電極シートは、前記熱圧着よって下面の前記FPCの熱圧着部分に対応する部分に熱圧着痕又は前記FPC内の回路段差に起因する凹凸が形成されており、かつ前記保護パネル本体との間で前記FPCの熱圧着部分に対応する部分に貼合用緩衝空間を有する、電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネル。
【請求項2】
前記貼合用緩衝空間が、前記保護パネル本体の上面の前記FPCの熱圧着部分に対応する部分に形成された掘込部のみからなるものである、請求項1に記載の電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネル。
【請求項3】
前記掘込部の底面が、マット加工されている、請求項2に記載の電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネル。
【請求項4】
前記掘込部の底面が、ライン加工されている、請求項2に記載の電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネル。
【請求項5】
前記保護パネル本体と前記下部電極シートとの貼合に用いるPSAが前記FPCの熱圧着部分に対応する部分において貫通孔を有しており、前記貼合用緩衝空間が、当該貫通孔と前記保護パネル本体の上面の前記FPCの熱圧着部分に対応する部分に形成された掘込部とからなるものである、請求項1に記載の電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネル。
【請求項6】
前記保護パネル本体と前記下部電極シートとの貼合に用いるPSAが前記FPCの熱圧着部分に対応する部分において貫通孔を有しており、前記貼合用緩衝空間が、当該貫通孔のみからなるものである、請求項1に記載の電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネル。
【請求項7】
前記保護パネル本体の材質が、ガラスである、請求項1〜6のいずれか1つに記載の電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネル。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の電子機器表窓のタッチ入力機能付き保護パネルが、前記ケーシングの前記開口の前記パネル嵌め込み部に、前記保護パネルの外側面が周囲と同一平面を形成するように隙間なく、嵌め込み保持されている、電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2010−176397(P2010−176397A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−18403(P2009−18403)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】