説明

電子機器

【課題】開口部等の存在する回路基板における開口部近傍の撓みを抑制する。
【解決手段】本発明に係る電子機器は、電子部品134と電子部品134の周囲に位置するボールグリッドアレイ133とが設けられたメイン処理装置130を、開口120cと開口120cの周囲に位置するパッド122とが設けられたメイン基板120に対して、ボールグリッドアレイ133とパッド122とが電気的に接続するように実装する。また、メイン処理装置130と熱的に接続された第1の受熱ブロック140を、第1の押圧部材150がメイン基板120の方向に押圧する。そして本発明に係る電子機器は、支持部材160が、メイン基板120を開口周縁120dで支持することにより、メイン基板120の開口部近傍が撓むことを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体パッケージ等の電子部品を、回路基板上にボールグリッドアレイ(BGA)等にて実装する技術がある。このとき発熱量の大きな電子部品に対しては、受熱ブロック等の放熱部材を押圧して当接させ、該放熱部材を介して当該電子部品の冷却を行う。しかし、この押圧による圧力は回路基板にも同様に加わることとなるため、回路基板が撓み、電子部品が回路基板から剥離する恐れがある。
【0003】
これに対し、回路基板に当接する補強ブラケットを設けて当該回路基板の反りを防止する技術がある(例えば、特許文献1)。特許文献1には、パーソナルコンピュータのシャーシに固定され、かつ、回路基板の裏面に当接して回路基板を支持し、回路基板に加わる負荷による回路基板の反りを防止する補強ブラケットを備えることにより、回路基板の反り及び回路基板に対する電子部品の剥離を防止する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−110258
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電子部品を実装する回路基板に開口部が存在する場合がある。例えば、電子部品の基板側にBGAよりも高い凸部が存在し、当該凸部と回路基板との当接を避けるために回路基板に開口部が設けられる場合等である。このような回路基板は開口部近傍における強度が低く、放熱部材からの圧力により撓みやすいため、回路基板の開口部近傍の撓みを防止する必要がある。しかしながら特許文献1記載の技術は、回路基板に開口部等が存在する場合について考慮していないため、開口部近傍の回路基板の撓みを抑制することができない恐れがある。
【0006】
そこで本発明では、開口部の存在する回路基板において、開口部近傍の撓みを抑制することのできる電子機器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の電子機器は、
第1の電子部品と当該第1の電子部品の周囲に位置する複数の接続端子とが設けられた発熱体と、開口部と、当該開口部の周囲に位置し、前記複数の接続端子と夫々電気的に接続した複数のパッドとが設けられた第1の回路基板と、前記発熱体と対向した受熱部を有し、前記発熱体と熱的に接続された受熱部材と、前記受熱部材を前記第1の回路基板の方向に押圧した押圧部材と、前記発熱体が実装された面の反対側から、前記第1の回路基板の開口部の周縁を支持した支持部材とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記の発明に拠れば、開口部等の存在する回路基板において、開口部近傍の撓みを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る電子機器の斜視図。
【図2】本発明の実施形態に係る電子機器の内部構造を示す図。
【図3】本発明の実施形態に係るメイン基板及びメイン基板に実装される構成を示す図。
【図4】本発明の実施形態に係る実装構造の縦断面を示す図。
【図5】従来の実装構造の縦断面を示す図。
【図6】本発明の実施形態に係る支持部材の斜視図。
【図7】本発明の実施形態に係る実装構造の縦断面を示す図。
【図8】本発明の実施形態に係る実装構造の水平断面を示す図。
【図9】本発明の第2実施形態に係る支持部材を示す図。
【図10】本発明の第2実施形態に係る支持部材を示す図。
【図11】本発明の第3実施形態に係る実装構造の縦断面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電子機器の斜視図である。この電子機器は、例えばテレビ放送を受信する受信装置10として実現されている。そして受信装置10は、筐体20と、筐体20を覆う化粧カバー30、筐体内の空気を排気又は筐体外の空気を吸気するための通気孔40、化粧カバー30の前面を覆うフロント扉50等を備えている。ここで受信装置10は、例えば各種のテレビ番組を受信する機能、複数のテレビ番組を同時に録画する機能及び長時間番組を録画する機能等を有しており、また、これら機能を実現するための半導体パッケージを備えている。そして本発明は半導体パッケージを実装する回路基板の撓みを防止するためのものであるが、その詳細については図4乃至図11を参照して説明する。
【0011】
次に図2を参照して受信装置10の構造を説明する。図2は図1のF1―F1線に沿う断面から見た受信装置10の構造を示す図である。
受信装置10は、筐体20、底板60及び天板61等を備えている。また受信装置10は筐体20の内部に、画像処理基板70、画像処理チップ80、ヒートシンク90、チューナ基板100、チューナモジュール110、分配器111、メイン基板120、接続部材121、メイン処理装置130、第1の受熱ブロック140、第1の押圧部材150、支持部材160、板部材170、I/Oコントローラ180、第2の受熱ブロック190、第2の押圧部材200、第1のヒートパイプ210、第2のヒートパイプ220、放熱部材230等を備えている。
【0012】
画像処理基板70は、画像処理に係る電子部品を実装するための基板であり、底板60の上方に水平に配置されている。画像処理基板70には例えば画像を処理するための画像処理チップ80等が実装されており、当該画像処理チップ80には、当該画像処理チップを冷却するためのヒートシンク90が取り付けられている。
【0013】
チューナ基板100は、テレビ放送受信に係る電子部品を実装するための基板であり、画像処理基板70の上方に水平に配置されている。そしてチューナ基板100には、テレビ放送信号を受信する複数のチューナモジュール110及びチューナモジュール110に接続された分配器111等が実装されている。
【0014】
メイン基板120は、メイン処理装置130等を実装するための基板である。メイン基板120は、チューナ基板100の上方に位置しており、接続部材121により筐体に水平に取り付けられている。そしてメイン基板120は、チューナ基板100と対向する面120aと、筐体20の天板61と対向する面120bと、面120aから面120bを貫通する開口120c(図2では非図示)を有している。またメイン基板120の面120aには、メイン処理装置130のボールグリッドアレイ133を接続するためのパッド122(図2では非図示)が設けられている。
【0015】
ここでメイン基板120の面120aには、メイン処理装置130、第1の押圧部材150、I/Oコントローラ180、第2の押圧部材200、図示しないコンデンサやメモリ等の複数の電子部品が実装されている。一方、面120aの反対側の面である面120bには、支持部材160、板部材170、図示しない複数の電子部品が取り付けられている。
【0016】
メイン処理装置130は、例えば画像処理を行う半導体パッケージ等であり、BGA等によってメイン基板120の開口120c(図2では非図示)を覆うように実装される。そしてメイン処理装置130は、メイン処理装置130の動作時に熱を発生する発熱体であり、動作時に発生する熱を第1の受熱ブロック140やヒートパイプ210等を介して放熱する。
【0017】
第1の受熱ブロック140は、メイン処理装置130に当接し、メイン処理装置130から発生する熱を受熱する。第1の受熱ブロック140を構成する材料の例としては、銅やアルミ等の熱伝導率の高い材料が挙げられる。また第1の受熱ブロック140は、第1のヒートパイプ210を熱的に接続するための穴(非図示)を有しており、メイン処理装置130から受熱した熱を、当該穴に接続された第1のヒートパイプ210を介して放熱することができる。
【0018】
なお、ここではメイン処理装置130に対して第1の受熱ブロック140が熱的に接続され、さらに第1の受熱ブロック140に対して第1のヒートパイプ210が熱的に接続されるとして説明したが、受信装置10は、第1の受熱ブロック140を備えていなくても良い。例えば扁平形状を有するヒートパイプをメイン処理装置130に熱的に接続し、当該ヒートパイプを第1の押圧部材150が押圧するものであっても良い。このように第1の受熱ブロック140を用いずにヒートパイプをメイン処理装置130に熱的に接続することで、筐体20内の空きスペースを広くすることが可能である。
【0019】
第1の押圧部材150は、メイン基板120に取り付けられた押さえバネであり、第1の受熱ブロック140をメイン処理装置130に対して押圧する。
支持部材160は、メイン基板120を、開口120c(図2では非図示)の開口周縁120d(図2では非図示)で支持する部材である。ここで支持部材160を構成する材料の例として、例えば金属やプラスチック等が挙げられる。
【0020】
板部材170は、メイン基板120に取り付けられ、支持部材160を支える為の部材である。板部材170の例としては、金属製のバックプレートや回路基板等が挙げられる。
【0021】
I/Oコントローラ180は、例えばBGA等によりメイン基板120に実装される。
第2の受熱ブロック190は、例えば銅やアルミ等の熱伝導率の高い材料からなる部材であり、I/Oコントローラ180に当接し、I/Oコントローラ180から発生する熱を受熱する。また第2の受熱ブロック190は、第2のヒートパイプ220を熱的に接続するための穴を有しており、I/Oコントローラ180から受熱した熱を、当該穴に接続された第2のヒートパイプ220を介して放熱することができる。
【0022】
第2の押圧部材200は、メイン基板120に取り付けられた押さえバネであり、第2の受熱ブロック190を、I/Oコントローラ180に対して押圧する。
第1のヒートパイプ210は、第1の受熱ブロック140に対して熱的に接続された熱輸送パイプであり、第1の受熱ブロック140の熱を受熱し、受熱した熱をヒートシンク230に輸送する機能を有する。また第2のヒートパイプ220は、第2の受熱ブロック190に対して熱的に接続された熱輸送パイプであり、第2の受熱ブロック190の熱を受熱し、受熱した熱をヒートシンク230に輸送する機能を有する。
【0023】
ヒートシンク230は、第1のヒートパイプ210及び第2のヒートパイプ220から輸送された熱を受熱/放熱する。ここでヒートシンク230は、互いに間隔をもって平行に配置された放熱フィン231を備えている。そしてヒートシンク230は、第1のヒートパイプ210及び第2のヒートパイプ220と熱的に接続され、当該第1のヒートパイプ210及び第2のヒートパイプ220から受熱した熱を放熱フィン231から放熱する。
【0024】
次に図3を参照して、メイン基板120及びメイン基板120に実装される構成部品等について説明する。図3は、メイン基板120等を面120a側から見た図である。
【0025】
メイン基板120は、接続部材121(図3では非図示)を取り付ける為の穴301を備えている。またメイン基板120の面120aには、図2において前述した通り、メイン処理装置130、第1の押圧部材150、I/Oプロセッサ180、第2の押圧部材200等が実装されている。そしてメイン基板120の面120aの反対側の面120bには、支持部材160(図3では非図示)及び板部材170(図3では非図示)があり、支持部材160は、メイン処理装置130が覆っている開口120c(図3では非図示)を、メイン処理装置130の反対側から支持している。
【0026】
ここで、第1の押圧部材150は十字形の形状を有し、第1の押圧部材150をメイン基板120に対してハトメ等により接続するための穴301と、押圧部材150を第1の受熱ブロック140に対してハトメ等により接続するための穴302とを備えている。
【0027】
また第2の押圧部材200はN字形の形状を有し、第2の押圧部材200をメイン基板120に取り付ける為の穴303、第2の受熱ブロック190に接続するための穴304等を備えている。
【0028】
次に図4を参照して、本実施例に係る実装構造を説明する。図4は、図3のF3−F3線に沿った縦断面図である。
メイン基板120は、面120a、面120b、開口部である開口120c、開口120cの開口周縁部である開口周縁120d、開口120cの内周面である開口内周面120e等を備えている。なお、ここで開口周縁部とは、面120bの、開口120cの周囲の周状の領域を指している。また面120aにおいて、開口120cの周囲にはメイン処理装置130のボールグリッドアレイ133を電気的に接続するためのパッド122が設けられている。
【0029】
まず、メイン基板120の面120aに実装される構成を説明する。メイン基板120の面120aには、パッド122を介してメイン処理装置130が実装されている。ここでメイン処理装置130は、半導体素子131、処理装置基板132、ボールグリッドアレイ133、電子部品134等を備えている。
【0030】
半導体素子131は、例えば画像処理等を行う半導体素子であり、処理装置基板132の面132aに実装されている。また電子部品134は、例えばコンデンサや抵抗等の1以上の個数の電子部品であり、処理装置基板132の面132aの反対の面である面132bに実装されている。
【0031】
そしてボールグリッドアレイ133は、処理装置基板132の面132bにおいて電子部品134の周囲に設けられた複数のハンダボール等の接続部材であり、処理装置基板132の面132bとメイン基板120の面120aにあるパッド122とをハンダにより接続することにより、メイン処理装置130とメイン基板120とを電気的に接続する。
【0032】
ここで、電子部品134の高さがボールグリッドアレイ133よりも高い場合、電子部品134とメイン基板120とが当接することとなる。また、電子部品134がボールグリッドアレイ133より低い場合であっても、第1の押圧部材150からの押圧により処理装置基板132がメイン基板120に向かって歪む場合には、やはり電子部品134とメイン基板120とが当接する恐れがある。そこで本実施例に係る電子機器は、電子部品134の少なくとも一部がメイン基板120の開口120c内に位置する、あるいは電子部品134がメイン基板120の開口120cに対向するようにメイン処理装置130を実装することにより、電子部品134とメイン基板120とが当接することを防止している。
【0033】
第1の受熱ブロック140は、半導体素子131と第1の押圧部材150の間に位置しており、面140aと、面140aの反対側の面140bとを有している。そして第1の受熱ブロック140の面140bは、第1の押圧部材150からの押圧によって半導体素子131の面131aに押し当てられている。また第1の受熱ブロック140の内部には、第1のヒートパイプ210が通っている。
【0034】
第1の押圧部材150は、メイン基板120に取り付けられており、第1の押圧部材150の面150aと第1の受熱ブロック140の面140aとが接するよう設けられている。そして第1の押圧部材150は、第1の受熱ブロック140を半導体素子131の方向へ押圧する。これにより、第1の受熱ブロック140の面140bは、半導体素子131の面131aに対して押し当てられることとなり、半導体素子131と第1の受熱ブロック140とが熱的に接続されることとなる。
【0035】
続いて、メイン基板120の面120bにある構成を説明する。メイン基板120の面120bには、支持部材160、板部材170、電子部品401等が取り付けられる。
【0036】
支持部材160は、支持面160a、板部材当接面160b、凸部160c等を備えており、メイン基板120の開口120cを覆う形状を有する。ここで支持面160aは、メイン基板120を開口周縁120dで支持する。また板部材当接面160bは、板部材170と接している。そして凸部160cは、メイン基板120の開口120cに嵌め込まれ、支持部材160がメイン基板120と平行する方向にずれることを防ぐことができる。なお、支持部材160の詳細については図6乃至図8を参照して説明する。
【0037】
板部材170は、メイン基板120に取り付けられる。ここで板部材170は、板部材170の面170bが支持部材160の板部材当接面160bに接することにより、支持部材160を支えている。
【0038】
次に、図5を参照して、メイン基板120の開口120c近傍(開口周縁120d)を支持する部材がない場合の電子機器における基板構造について説明する。図5は、開口周縁120dを支持する部材がない場合の電子機器における基盤構造の縦断面を示す図である。
【0039】
ここで第1の押圧部材150は、第1の受熱ブロック140を半導体素子131に対して押圧する。これによりメイン基板120は、処理装置基板132の面132bやボールグリッドアレイ133からの圧力を受けることとなる。しかし図5の構造では、基板120を開口周縁120dで支持する部材が無いため、この圧力により基板120の開口近傍402が撓み、また、開口近傍402が撓むことにより開口近傍のボールグリッドアレイ403等がメイン基板120から剥離する恐れがある。
【0040】
一方、図4等に記載の電子機器は、メイン基板120の開口周縁120dを支持部材160が支持することにより、第1の押圧部材150からの押圧によってメイン基板120の開口近傍402が撓むことを防ぐものである。
【0041】
次に図6を参照して、支持部材160及び板部材170の説明を行う。
支持部材160の斜視図を図6(A)に示す。支持部材160は、支持面160a、板部材当接面160b、凸部160c、凸部先端面160d、内周面160e、第1の外周面160f、凹部底面160g、第2の外周面160h、等を備えている。
【0042】
ここで、支持面160aはメイン基板120の開口周縁120dに当接する面、板部材当接面160bは板部材170の面170bに当接する面、凸部160cはメイン基板120の開口120cに嵌め込まれる部分である。そして凸部先端面160dは凸部160cの端面、内周面160eは凸部160cの内周面、第1の外周面160fは凸部160cの外周面、凹部底面160gは電子部品134等に対向する、凸部160cに囲われる凹部の底面、第2の外周面160hは板部材当接面160bに対して起立する面である。
【0043】
続いて板部材170の斜視図を図6(B)に示す。板部材170は、接続部170a、面170b等を備えている。ここで接続部170aは板部材170とメイン基板120とを接続する。また、面170bはメイン基板120の面120bと対向する面である。
【0044】
次に図7及び図8を参照して、メイン基板120、メイン処理装置130、支持部材160、板部材170等の各構成の位置関係等を説明する。図7は、図3のF3−F3線に沿った縦断面における、メイン基板120、メイン処理装置130、支持部材160、板部材170等を示す図である。また図8は、図4におけるF5−F5線に沿った平面断面図である。
【0045】
ここでA1〜A6、B1〜B6、及びC1は、図3のF3−F3線に沿った縦断面における、メイン基板120、メイン処理装置130、支持部材160、板部材170等の各構成/各構成間の幅や高さ、距離等を示している。
【0046】
具体的には、A1は処理装置基板132の面132bとメイン基板120の面120bとの間の距離を、A2はメイン基板120の開口内周面120eと、最外周側にある電子部品134の側面134aとの隙間の幅を、A3は最も高い電子部品134の高さを、A4はメイン基板120の開口120cの幅を、A5は電子部品401の側面401aとメイン基板120の開口内周面120eとの間の距離を、A6は電子部品401の高さを示している。
【0047】
また、支持部材160について、B1は凸部先端面160dから支持面160aまでの高さを、B2は第1の外周面160fと内周面160eとの間の凸部先端面160dの幅を、B3は凸部先端面160dから凹部底面160gまでの内周面160eの高さを、B4は第1の外周面160fの一辺の長さを、B5は第1の外周面160fと第2の外周面160hとの間の支持面160aの幅を、B6は支持面160aと板部材当接面160bとの間の高さを示している。また板部材170について、C1は面170bとメイン基板120の面120bとの間の高さを示している。
【0048】
ここで、処理装置基板132の面132bと、支持部材160の凸部先端面160dとは接しないこと、即ちB1がA1よりも短いことが好ましい。これは、支持部材160と処理装置基板132とが当接することによる処理装置基板132の破損等を防ぐためである。
【0049】
また、電子部品134と支持部材160に関して、側面134aと内周面160eとが接することなく、また、面134bと凹部底面160gとも接しないこと、即ちA2の方がB2よりも長いことが好ましい。これは、支持部材160と電子部品134とが当接することによる電子部品134の破損等を防ぐためである。しかしながら、支持部材160を電子部品134に当該電子部品134が破損するような圧力を与えないように接触させる、即ち、B2とA2とを略一致させ、また凹部底面160gと面134bとを略一致させることも可能である。
【0050】
また図8に示すように、A4とB4が略一致し、支持部材160の第1の外周面160fと、メイン基板120の開口内周面120eとが接することが好ましい。このように第1の外周面160fと開口内周面120eとが接することにより、支持部材160がメイン基板120と平行の方向にずれることを防ぐことができる。
【0051】
また図8に示すように、A5がB5よりも長く、支持部材160と電子部品401とが当接しないことが好ましい。これは、支持部材160の当接により電子部品401が破損することを防ぐためである。
【0052】
また、板部材170と電子部品401とが接すると、板部材170により電子部品401が破損する可能性があるため、C1はA6よりも長いことが好ましい。
なお開口120cの平面断面形状は、例えば長方形や円形等の形状であっても良いが、この場合にも支持部材160と電子部品134及び電子部品401とが接しないことが好ましく、また、支持部材160と開口内周面120eとは接することが好ましい。
【0053】
以上述べたように、支持部材160は、電子部品134等を有するメイン処理装置130や電子部品401等に当接することなく、メイン基板120の開口120cを開口近傍120dで支持することができる。
【0054】
本実施形態に拠れば、受信装置10は、開口120cを有するメイン基板120を開口周縁120dで支持することができ、第1の押圧部材150からの押圧によりメイン基板120の開口近傍402が撓むことを防ぐことができる。そして受信装置10は、開口近傍402の撓みによりボールグリッドアレイ133がメイン基板120や処理装置基盤132から剥離することを防ぐことができる。
【0055】
また受信装置10は、支持部材160の凸部160aが開口内周面120eに接することにより、支持部材160がメイン基板120と平行の方向にずれることを防ぐことができる。
【0056】
さらに受信装置10は、開口120cの内部に位置している電子機器134と当接することなく、メイン基板120を開口周縁120dで支持することができ、更にメイン基板120の面120bに電子部品401等の電子部品が実装されている場合であっても、これらの電子部品に接することなくメイン基板120を支持することができる。
【0057】
(第2実施形態)
次に図9及び図10を参照して、第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る電子機器は、メイン基板120の開口周縁120dを、支持部材161あるいは支持部材162により支持するものである。なお、支持部材161及び支持部材162以外の構成に関しては、第1実施例と同様の構成であるため説明を省略する。
【0058】
図9は、第2実施形態に係る支持部材161を示す図であり、図9(A)は支持部材161の斜視図、図9(B)は図9(A)におけるF9−F9断面図、図9(C)は面120a側から見たメイン基板120及び支持部材161を示す図である。なお支持部材161は、第1実施形態における支持部材160と同様にメイン基板120を支持する部材であり、メイン基板120を開口周縁120dの全体(周全体)で支持する。
【0059】
ここで、支持部材161は周状の形状を持ち、支持面161a、面161b、内周面161c等を備えている。
支持面161aは、図9(B)および図9(C)に示すように、メイン基板120を開口周縁120d全体で支持する。
また面161bは、図9(B)に示すように、板部材170の面170bに接しており、板部材170により支えられている。なお板部材170は、非図示の接続部材によりメイン基板120や筐体20等に取り付けられている。
【0060】
内周面161cは、周状の形状を持つ支持部材161の内周の面である。なお、図9(B)及び図9(C)において、支持部材161の内周面161cとメイン基板120の開口内周面120eとが一致するように示されているが、これらは必ずしも一致する必要はない。即ち、例えば図9(C)において、支持部材161の内周面161cが、開口内周面120eよりも開口の内周(内側)寄りに位置してもよく、あるいは外周(外側)寄りに位置してもよい。しかし、開口内周面120eの位置と支持部材161の内周面161の位置とが水平方向で一致するか、若しくは支持部材161の内周面161の位置が開口内周面120eよりも外周寄りとした方が支持強度を高めることができる。
【0061】
続いて図10を参照して、支持部材162について説明する。ここで図10(A)は支持部材162の斜視図、図10(B)は図10(A)におけるF11−F11断面図、図10(C)は、面120a側から見たメイン基板120及び支持部材162を示す図である。なお支持部材162は、第1実施形態における支持部材160と同様にメイン基板120を支持する部材であり、メイン基板120を開口周縁120dの一部(周の一部)で支持するものである。
【0062】
支持部材162は、4つの角柱から構成されており、支持面162a、面162b、側辺162c等を備えている。
ここで支持面162aは、図10(B)および図10(C)に示すように、メイン基板120を、開口周縁120dの一部で支持する。
また面162bは、板部材170の面170bに接しており、板部材170により支えられている。
側辺162cは、支持面162aに対して起立する辺のうち、開口120cに最も近い辺である。なお、図10(B)には、側辺162cと開口内周面120eの角部とが一致するように示されているが、必ずしも一致する必要は無い。即ち、例えば図10(C)において、支持部材162の側辺162cが、開口内周面120eよりも開口の内周(内側)寄りに位置してもよく、あるいは外周(外側)寄りに位置してもよい。しかし、側辺162cが開口内周面120eと水平方向の位置が一致するか、若しくは側辺162cが開口内周面120eよりも外周寄りとした方が支持強度を高めることができる。
【0063】
なお支持部材162は、四角柱でなくとも例えば円柱等の形状であっても構わない。また、図10(C)には、支持部材162が四角形の開口120cの4つの頂点に配置されるように示されているが、開口120cを支持する部材は、開口周縁120dの一部を支持することができれば任意の位置に配置されてよく、例えば四角形の開口120cの辺の中央等に配置されてもよい。このように支持部材を開口周縁120dの任意の位置に配置することにより、例えば面120bの開口周縁120dの一部に電子部品が実装されている場合等に、当該電子部品との当接を避けることができる。さらに支持部材162は、開口周縁120dを4箇所で支持する必要はなく、例えば1箇所で支持するものであっても良い。このように少ない支持箇所で支持することにより、メイン基板120の面120bが支持部材により覆われる面積を小さくすることができるため、面120bにより多くの電子部品を実装することが可能となる。
【0064】
一方、図10の例のように複数箇所で、対象となるように支持することにより、支持強度を高めることが可能となる。
本実施形態に寄れば、受信装置10は、単純な形状の支持部材を用いてメイン基板120を開口周縁120dで支持することができる。また受信装置10は、基板120の開口周縁120dの一部を支持する支持部材162を備えることにより、基板120の面120bが支持部材によって覆われる面積を小さくすることができる。これにより受信装置10は、基板120の面120bに、より多くの電子部品等を実装することが可能となる。
【0065】
なお、第1及び第2実施形態において、支持部材160、161及び162と板部材170とがネジ等により接続されていても良い。あるいは支持部材と板部材170とが一体の部材であってもよい。このように支持部材と板部材とを接続あるいは一体の部材とすることで、支持部材がメイン基板120と平行の方向にずれることを防ぐことが可能となり、より確実に開口周縁120dを支持することができる。
【0066】
(第3実施形態)
次に図11を参照して、第3実施形態に係る発明を説明する。本実施形態の発明は、支持部材160を支える板部材170として、基板700を用いるものである。なお、本実施形態に係る構成のうち基板700に関する構成以外については、第1及び第2実施形態と同様の構成であるため説明を省略する。
【0067】
図11は、第3実施形態に係る実装構造の縦断面を示す図である。
回路基板700は、面700a、開口対向面700b、電子部品701、電子部品702等を備え、接続部材710を介してメイン基板120に取り付けられている。
【0068】
ここで、面700aはメイン基板120に対向する面であり、また、開口対向面700bは、面700aのうちメイン基板120の開口120cに対向する面である。そして電子部品701は、面700aに実装される電子部品であり、電子部品702は面700bに実装される電子部品である。
【0069】
ここで図11のように、メイン基板120の開口120cを支える支持部材として前述の支持部材161や162等を用いれば、開口120cと対向する開口対向面700bに電子部品702を実装することが可能となる。
【0070】
なお回路基板700は、メイン基板120に取り付けられるものでなくても良く、例えば筐体20に取り付けられるものであってもよい。このように回路基板700が筐体20に取り付けられることにより、メイン基板120の面120bが接続部材710によって覆われることを防ぐことができ、面120bにより多くの電子部品等を実装することができる。
【0071】
本実施例に拠れば、受信装置10は、基板700がメイン基板120の面120bに対向するように配置されている場合、回路基板700とメイン基板120との間に支持部材を配置することにより、バックプレート等の板部材を設けることなく支持部材をメイン基板120に当接させることができる。さらに受信装置10は、メイン基板120を開口周縁120dの一部で支持する支持部材を用いることにより、回路基板700の面700aが支持部材によって覆われる面積を小さくすることができ、より多くの電子部品等を面700aに実装することができる。
【0072】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよく、また、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0073】
10…受信装置、20…筐体、30…化粧カバー、40…通気孔、50…フロント扉、60…底板、61…天板、70…画像処理基板、80…画像処理チップ、90…ヒートシンク、100…チューナ基板、110…チューナモジュール、111…分配器、120…メイン基板、121…接続部材、122…パッド、130…メイン処理装置、131…半導体素子、132…メイン処理基板、133…ボールグリッドアレイ、134…電子部品、140…第1の受熱ブロック、150…第1の押圧部材、160…支持部材、170…板部材、180…I/Oコントローラ、190…第2の受熱ブロック、200…第2の押圧部材、210…第1のヒートパイプ、220…第2のヒートパイプ、230…ヒートシンク、231…放熱フィン、401…電子部品、402…開口近傍、403…ボールグリッドアレイ、700…回路基板、701…電子部品、702…電子部品、710…接続部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電子部品と当該第1の電子部品の周囲に位置した複数の接続端子とが設けられた発熱体と、
開口部と、当該開口部の周囲に位置し、前記複数の接続端子と夫々電気的に接続した複数のパッドとが設けられた第1の回路基板と、
前記発熱体と対向した受熱部を有し、前記発熱体と熱的に接続された受熱部材と、
前記受熱部材を前記第1の回路基板の方向に押圧した押圧部材と、
前記発熱体が実装された面の反対側から、前記第1の回路基板の開口部の周縁を支持した支持部材と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記支持部材は、前記開口部の全体を、前記発熱体が実装された面の反対側から覆った
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記支持部材は、前記開口部の周縁の一部を支持した
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記支持部材は、前記第1の回路基板に、前記開口部の周縁及び前記開口部の内周面で前記第1の回路基板に接した
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1の回路基板に取り付けられた板部材を更に備え、
前記支持部材は、前記第1の回路基板と前記板部材との間に位置した
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1の回路基板に対向し、第2の電子部品が実装された第2の回路基板を更に備え、
前記支持部材は、前記第1及び前記第2の回路基板に接したことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項7】
前記第2の電子部品は、前記第2の回路基板の前記第1の回路基板に対向した面に実装され、
前記支持部材は、前記第1の回路基板の前記開口部の周縁の一部を支持した
ことを特徴とする請求項6記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−138958(P2011−138958A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298500(P2009−298500)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】