説明

電子機器

【課題】
撮影した画像データの機密性が高く、また、製造コストを抑えることができる電子機器を提供する。
【解決手段】
画像を鮮鋭化し、輪郭部分近傍を強調する鮮鋭化処理部71、鮮鋭化された登録画像と照合画像とを照合し類似度を導出する類似度導出部72、導出された類似度に基づき、登録画像の特徴と照合画像の特徴とが一致するか否かを判定する照合結果判定部73を備え、登録画像の特徴と照合画像の特徴とが一致すると判定されたときに、登録画像と対応するディレクトリ内に記録されている画像に対する操作を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PC(パーソナルコンピュータ)やデジタルカメラなどの電子機器が広く普及している。この種の電子機器を家族や会社など複数の人物で共有して使用する場合もよくある。そのような場合、誰でも簡単に記録媒体に記録されているデータ類の再生、表示、複製、削除、編集などを行うことができるため、プライバシーやセキュリティの面での安全性に問題があった。そこで近年、データの機密性に配慮した電子機器が提案されている。例えば、特許文献1には、指紋検出装置を有するシャッターボタンを備える撮像装置に関する発明が開示されている。係る撮像装置は、指紋検出機能を有するシャッターボタンに触れることよって指紋検出機能が検出した指紋を予め記憶しておく記憶手段を備え、前記記憶手段によって記憶された指紋と前記指紋検出機能を有するシャッターボタンに触れることによって指紋検出機能が新たに検出した指紋とを照合し、前記記憶手段によって記憶された指紋と新たに検出した指紋の特徴が一致した場合に撮像装置に記録されている画像ファイルに対する操作を許可する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-115624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1にかかる発明によると、指紋を検出するための指紋検出装置が必要となる。しかし、指紋検出装置をはじめとする生態認証装置を電子機器に備えることで、プライバシーやセキュリティ面における安全性は高くなるが、それに伴い当該電子機器の製造コストが高くなるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、記録媒体に第1データを格納するためのフォルダを生成する生成手段、第2データを、前記フォルダと関連付ける関連付け手段、前記関連付け手段によって関連付けられた前記フォルダに格納された前記第1データに対する操作を制限する制限手段、第3データと前記第2データとの特徴が略一致するか否かを判定する判定手段、前記判定手段により特徴が略一致すると判定された場合に前記制限手段による制限状態を解除する解除手段、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、電子機器が取得したデータの機密性を維持すると共に当該電子機器の製造コストを抑えることができる電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る撮像装置の内部構造の概略を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る撮像装置の静止画撮影時の基本動作の概略を示すフローチャートである。
【図3】外部メモリ27のフォルダ構造の概略を示す図解図である。
【図4】TABLEの構造の概略を示す図解図である。
【図5】登録画像撮影時及び照合画像撮影時における撮像装置の表示部の状態を示す図解図である。
【図6】フォルダロック処理の基本動作の概略を示すフローチャートである。
【図7】フォルダロック解除処理の基本動作の概略を示すフローチャートである。
【図8】画像照合部7bの内部構造の概略を示すフローチャートである。
【図9】画像照合処理の基本動作の概略を示すフローチャートである。
【実施例】
【0008】
本発明の一実施形態である撮像装置について、図面を参照して説明する。尚、撮像装置は静止画を撮影できるものであれば、動画の撮影が可能であっても構わない。
(撮像装置の構成)
まず、撮像装置の内部構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る撮像装置の内部構成を示すブロック図である。
【0009】
図1の撮像装置は、入射される光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの固体撮像素子(イメージセンサ)1と、被写体の光学像をイメージセンサ1に結像させるズームレンズとズームレンズの焦点距離すなわち光学ズーム倍率を変化させるモータとズームレンズの焦点を被写体に合わせるためのモータとを有するレンズ部3を備える。
【0010】
また、図1の撮像装置は、イメージセンサ1から出力されるアナログ信号である画像信号をデジタル信号に変換するAFE(Analog Front End)5と、AFE5からのデジタル信号となる画像信号に対して、階調補正等の各種画像処理を施す画像処理部7と、静止画を撮影する場合は画像処理部7からの画像信号に対してJPEG(Joint Photographic Experts Group)圧縮方式など、動画を撮影する場合は画像処理部7からの画像信号と集音マイクを含む音声処理部(図示せず)から出力される音声信号とに対してMPEG(Moving Picture Experts Group)圧縮方式などの圧縮符号化処理を施す圧縮処理部9と、圧縮処理部9で圧縮符号化された圧縮符号化信号をSDメモリカード(SD Memory Card)などの外部メモリ27に記録するドライバ部29と、ドライバ部29で外部メモリ27から読み出した圧縮符号化信号を伸長して復号化する伸長処理部11と、伸長処理部11で復号されて得られた画像信号に基づく画像の表示を行うLCD(Liquid Crystal Display)等を有する表示部13と、を更に備える。
【0011】
また、図1の撮像装置は、各ブロックの動作タイミングを一致させるためのタイミング制御信号を出力するタイミングジェネレータ(TG)15と、撮像装置内全体の駆動動作を制御するCPU(Central Processing Unit)17と、各動作のための各プログラムを記憶するとともにプログラム実行時のデータの一時保管を行うメモリ19と、静止画撮影用のシャッターボタンを含む、ユーザからの指示が入力される操作部21と、を更に備える。
【0012】
また、図1の撮像装置は、CPU17と各ブロックとの間でデータのやりとりを行うためのバス23と、メモリ19と各ブロックとの間でデータのやりとりを行うためのバス25と、を更に備える。
【0013】
レンズ部3は、画像処理部7で検出した画像信号に応じてCPU17が、モータを駆動して焦点、絞りの制御を行うものである。
【0014】
また、画像処理部7は、AFE5から出力された画像信号に応じた画像の一部を切り出すための画像切り出し部7a及び画像の照合を行なうための画像照合部7bを更に備える。
(撮像装置の基本動作 撮影時)
次に、図2を参照して、この撮像装置の静止画撮影時の基本動作についてフローチャートを用いて説明する。ユーザが撮像装置の電源をONにすると、撮像装置の駆動モードつまりイメージセンサ1の駆動モードがプレビューモードに設定される(S200)。プレビューモードとは、撮影対象となる画像を記録することなく表示部13に表示するモードであり、撮影対象を定め、構図を決定するために用いることができる。続いて撮影モードの入力待ち状態となり、人物撮影に適したモード、移動物の撮影に適したモード、逆光での撮影に適したモード等、撮像装置の機能や撮影シーンに応じたモードが選択される。撮影モードが入力されない場合は通常撮影モードが選択されたものとする(S202)。
【0015】
プレビューモードでは、イメージセンサ1の光電変換動作によって得られたアナログの画像信号は、AFE5においてデジタル画像信号に変換されて、画像処理部9で色分離、ホワイトバランス調整、YUV変換などの画像処理が施され、メモリ19に書き込まれる。メモリ19に書き込まれた画像信号は、逐次、表示部13に表示される。この結果、撮影領域を表すリアルタイム動画像(プレビュー画像)が表示部23に表示される。
続いてユーザが、撮影の対象とする被写体に対して所望の画角となるように、光学ズームでのズーム倍率を設定する(S204)。その際、画像処理部9に入力された画像信号を基にCPU37によってレンズ部3を制御して、最適な露光制御(Automatic Exposure;AE)・焦点合わせ制御(Automatic Focus;AF)が行われる(S206)。ユーザが撮影画角、構図を決定し、操作部41のシャッターボタンを半押しすると(S208でYes)、AEの調整を行い(S210)、AFの最適化処理を行う(S212)。
【0016】
その後、シャッターボタンが全押しされると(S214でYes)、TG35より、イメージセンサ1、AFE5、画像処理部9及び圧縮処理部13それぞれに対してタイミング制御信号が与えられ、各部の動作タイミングを同期させ、イメージセンサ1の駆動モードを静止画撮影モードに設定し(S216)、イメージセンサ1から出力されるアナログ画像信号をAFE5でデジタル画像信号に変換して画像処理部9内のフレームメモリに書き込む(S218)。このデジタル信号がこのフレームメモリから読み込まれ、画像処理部9において輝度信号及び色差信号の生成を行う信号変換処理などの各種画像処理が施され、画像処理が施された信号が圧縮処理部13においてJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式に圧縮された(S220)後、外部メモリ47に圧縮画像を書き込み(S222)、撮影を完了する。その後、プレビューモードに戻る。
(撮像装置の基本動作 画像再生時)
外部メモリ27に記録された動画を再生することが、操作部21を通じて指示されると、再生を選択された圧縮信号が、ドライバ部29によって読み出されて伸長処理部17に与えられる。そして、伸長処理部17において、圧縮符号方式に基づいて、伸長復号されて、画像信号が取得される。そして、画像信号が表示部13に与えられて画像が再生される。これにより、外部メモリ27に記録された圧縮信号に基づく画像が再生される。
(フォルダロック機能)
本発明にかかる撮像装置は、撮影者以外の人物が、無断で外部メモリ27に記録されている画像ファイルを操作できないようにするためのフォルダロック機能を備えている。フォルダロックがかけられているフォルダに記録されている画像ファイルに対しては、後述する照合処理を行い、該照合処理によってロックが解除されない限り、再生、表示、コピー、削除、編集等の操作を行うことはできない。
【0017】
フォルダロック機能は、例えば、次のようにして実現される。図3は本実施例にかかる撮像装置の外部メモリ27のフォルダ階層構造を示している。DCIMフォルダには、撮像装置によって撮影された画像が記録されている。図3に示す階層構造では、DCIMフォルダF1の下層に123ABCDEフォルダF2が作成され、さらに123ABCDEフォルダF2の下層に撮影日を示す20090101フォルダF3a及び20090102フォルダF3bを作成し、撮影画像を撮影日別に分類して記録している。例えば、20090101フォルダF3aに格納されているDCIM0001.jpgは2009年1月1日に1番目に撮影された画像を意味している。
【0018】
また、F3a及びF3bのフォルダと同一階層にNINSYOフォルダF3cを作成する。NINSYOフォルダF3cには、後述するフォルダロック実行時に撮影した登録画像RP及びフォルダロック解除に用いるTABLEが保存されている。
【0019】
図4に示すようにTABLEには、フォルダロックされたフォルダ名とフォルダロック実行時に撮影した登録画像の画像ファイル名が対応づけて記録される。
【0020】
登録画像RPは、例えば、人間の手相や指紋、顔などの個々で特徴が異なる部分を含む画像であり、フォルダロックを解除するには画像を新たに撮影し、当該登録画像と当該新たに撮影した画像を照合することで認証を行う。フォルダロックの解除については後述する。
【0021】
本実施例では、登録画像は人物の手相であるものとする。照合の結果、登録画像に含まれる手相の特徴と新たに撮影した照合画像に含まれる手相の特徴が一致した場合、当該フォルダロックが解除され、該フォルダ内に記録されている画像ファイルのファイル操作が可能となる。
【0022】
ここで、フォルダロック及び登録画像の撮影及び登録方法について説明する。使用者によって操作部21を介してフォルダロック処理を行う操作がなされると、表示部13にフォルダの一覧がリスト表示され、使用者はロックをかけたいフォルダを操作部21を介して選択する。使用者がロックをかけたいフォルダを選択すると、CPU17は、選択されたフォルダのフォルダ名をTABLEのフォルダ名欄に書き込む。
【0023】
続いて、撮像装置は、認証画像撮影モードに移行する。認証画像撮影モード時の基本的な撮影処理動作は、上述した静止画撮影時と同一であるが、図5に示すようにプレビューモード時にレンズ部を介して得られた画像と共に矩形枠13aを表示する。使用者は、この矩形枠13a内に自分の掌が収まるように撮影構図を調整し撮影を行う。このとき、使用者の掌が矩形枠13a内に収まるよう誘導するようにしても良い。
【0024】
シャッタボタン21sが押下されると、画像処理部7及び圧縮処理部9で上述した処理が施された後、矩形枠13a内に含まれる部分画像を切り出し、切り出した部分画像を外部メモリ27のNINSYOフォルダF3c内に記録する。
【0025】
掌の撮影が完了すると、CPU17は、撮影した画像にファイル名を付けて外部メモリ47のNINSYOフォルダF3cに記録すると共に、当該ファイル名を選択されたフォルダ名と対応付けてTABLEの画像ファイル名欄に書き込む。この結果、当該フォルダ内に記録されている画像ファイルに対するファイル操作が禁止される。
【0026】
尚、認証画像撮影モード中に認証画像の撮影を行わず、認証画像撮影モードがキャンセルされた場合、CPU17はTABLEに書き込んだフォルダ名を削除する。
【0027】
図6は、フォルダロックの処理動作を示すフローチャートである。使用者によってフォルダロックを行う操作がなされるとCPU17はフォルダロック処理を開始し、ステップS600に移行する。
【0028】
ステップS600では、フォルダの一覧が表示部13にリスト表示される。ステップS602では、ロックしたいフォルダが選択されたか否かを判別する。フォルダが選択された場合はステップS604に進み、そうでない場合はステップS614に進む。
【0029】
ステップS604では、選択されたフォルダのフォルダ名をTABLEのフォルダ名欄に書き込む。書き込みが完了するとステップS606に進む。
【0030】
ステップS606では、登録画像撮影モードに移行し、ステップS608では画像が撮影されたか否かを判別する。画像が撮影された場合はステップS610に進み、そうでない場合はステップS618に進む。
【0031】
ステップS610では、撮影した画像から、矩形枠内に含まれる部分画像を切り出す。ステップS612では、切り出した部分画像を登録画像として外部メモリ27に記録すると共に、当該登録画像のファイル名をTABLEの画像ファイル名欄に、フォルダ名と対応付けて書き込む。
【0032】
ステップS614では、選択されたフォルダに格納されている画像ファイルに対する操作を制限する。画像ファイルに対する操作の制限が完了したらフォルダロック処理を終了する。
【0033】
ステップS616では、フォルダ選択がキャンセルされたか否かを判別する。フォルダ選択がキャンセルされた場合はフォルダロック処理を終了する。そうでない場合はステップS602に戻る。
【0034】
ステップS618では、登録画像の撮影がキャンセルされたか否かを判別する。認証画像の撮影がキャンセルされた場合はステップS620に進み、そうでない場合はステップS608に戻る。
【0035】
ステップS620では、ステップS604でTABLEに書き込んだフォルダ名を削除する。フォルダ名の削除が完了したらフォルダロック処理を終了する。
尚、本実施形態では、認証画像の撮影後にフォルダロックをかけたいフォルダを選択しているが、認証画像の撮影を行ってから、ロックをかけたいフォルダを選択するようにしても良い。
(フォルダロック解除機能)
本発明にかかる撮像装置は、上記フォルダロック機能によってかけられたロックを解除するフォルダロック解除機能を備えている。フォルダロックは、認証処理を行うことで解除される。フォルダロックが解除されると、当該フォルダ内に記録されている画像ファイルに対して、再生、表示、コピー、削除、編集等の操作を行うことができるようになる。
【0036】
フォルダロック解除機能は、例えば、次のようにして実現される。使用者によって操作部21を介してフォルダロック解除を行う操作がなされると、表示部13に現在フォルダロックされているフォルダの一覧がリスト表示される。使用者によりロックを解除したいフォルダが選択されると、照合画像撮影モードに移行する。
【0037】
照合画像撮影モードでは、登録画像撮影モードと同様に、プレビューモード時にレンズ部を解して得られた画像と共に矩形枠13aを表示する。使用者は、矩形枠13a内に掌が収まるように撮影構図を調整し撮影を行う。撮影された画像は画像処理部7で処理を施された後、画像切り出し部7aに出力され、画像切り出し部7aで矩形枠13a内に含まれる部分画像を切り出された後、画像照合部7bに出力される。
【0038】
照合画像の撮影が完了すると、CPU17は、外部メモリ27のNINSYOフォルダF3c内にあるTABLEから選択されたフォルダに対応付けて書き込まれている登録画像ファイル名に基づき当該登録画像をNINSYOフォルダF3c内から探索する。
【0039】
登録画像をNINSYOフォルダF3c内から発見すると、当該画像データをドライバ29を介して外部メモリ27から読み出し、伸長処理部11で伸長処理を施してから画像照合部7bに出力する。このとき登録画像がどのような画像であるか使用者に通知するために、一定時間の間、当該画像を表示部13に表示するようにしても良い。
【0040】
画像照合部7bは、登録画像と照合画像とを照合し、登録画像と照合画像の特徴が一致するか否かを判別する。この照合処理については後述する。
【0041】
照合の結果、登録画像と照合画像の特徴が一致した場合、フォルダのロックを解除し、当該フォルダ内に記録されている画像に対するファイル操作が可能となる。
【0042】
一方、登録画像と照合画像の特徴が一致しなかった場合、表示部13にエラーメッセージを表示する。エラーメッセージを表示した後で、再度、照合画像撮影モードに移行する。
【0043】
図7は、フォルダロック解除の処理動作を示すフローチャートである。使用者によってフォルダロック解除を行う操作がなされると、CPU17はフォルダロック解除処理を開始し、ステップS700に移行する。
【0044】
ステップS700では、現在ロックがかけられているフォルダの一覧が表示部13にリスト表示される。ステップS702では、ロックを解除したいフォルダが選択されたか否かを判別する。フォルダが選択された場合はステップS704に進み、そうでない場合はステップS716に進む。
【0045】
ステップS704では、照合画像撮影モードに移行し、ステップS706では、照合画像が撮影されたか否かを判別する。照合画像が撮影された場合はステップS708に進み、そうでない場合はステッブS718に進む。
【0046】
ステップS708では、撮影した画像から、矩形枠13a内に含まれる部分画像を切り出し、切り出した画像を画像照合部7bに出力する。ステップS710では、登録画像と照合画像とを照合し、各画像の特徴が一致するか否かを判定し、判定結果をCPU17に出力する。ステップS712では、判定の結果、登録画像と照合画像の特徴が一致したか否かを判別する。特徴が一致した場合はステップS714に進み、そうでない場合はステップS720に進む。
【0047】
ステップS714では、フォルダロックを解除する。フォルダロックが解除されると、フォルダロック解除処理を終了する。
【0048】
ステップS716では、フォルダロック解除処理がキャンセルされたか否かを判別する。キャンセルされた場合はフォルダロック解除処理を終了し、そうでない場合はステップS702に戻る。
【0049】
ステップS718では、照合画像の撮影がキャンセルされたか否かを判別する。キャンセルされた場合は、フォルダロック解除処理を終了し、そうでない場合はステップS706に戻る。
【0050】
ステップS720では、エラー通知を行う。エラー通知が完了すると、ステップS704に戻る。
(画像照合処理)
ここで、画像照合処理について説明する。画像照合処理は、例えば、画像のパターンマッチングを用いることで実現できる。パターンマッチングを利用して登録画像と照合画像の類似度(similarity measure)SMを導出する。パターンマッチングは、例えば、ディジタル画像処理第2版(CG−ARTS協会出版,2007年3月1日発行)に記載されている手法で行う。類似度は、例えば、SSD(Sum of Squared Difference)やSAD(Sum of Absolute Difference)を用いて導出する。類似度の値は、画像が類似しているほど小さくなる。
【0051】
図8は画像照合部7bの内部構造の概略示すブロック図である。画像照合部7bは、画像のエッジ近傍部分を強調する鮮鋭化処理部71、鮮鋭化した画像に基づき類似度を導出する類似度導出部72、類似度に基づき照合結果を出力する照合結果判定部73を備える。鮮鋭化処理部71は、出力された登録画像及び照合画像に対して鮮鋭化処理を施し、類似度導出部72に出力する。鮮鋭化処理は、例えば、ラプラシアンフィルタを適用することで実現できる。ラプラシアンフィルタとは、注目画素の近傍領域(例えば注目画素を中心とした3×3の画素領域など)における空間二次微分値を係数倍して注目画素から引くことにより、画像をシャープにするフィルタである。即ち、輪郭(エッジ)部分の両側で、明るい(換言すると、画素値が大きい)部分はより明るく、暗い(換言すると、画素値が小さい)部分はより暗くなり、且つ、エッジの傾斜が急になる。その結果、鮮鋭化された画像が得られる。
【0052】
類似度導出部72では、鮮鋭化処理部71から出力された登録画像と照合画像との類似度SMを導出し、導出結果を照合結果判定部73に出力する。
【0053】
照合結果判定部73では、類似度導出部72から出力された類似度SMが閾値TH以下であるか否かを判別し、類似度が閾値以下であれば各画像の特徴が一致すると判断し、類似度が閾値以上であれば各画像の特徴が一致しないと判断する。判断結果は、CPU17に出力される。
【0054】
図9は画像照合処理動作(図7、S710)を示すフローチャートである。ステップS900では、登録画像及び照合画像に対して鮮鋭化処理を施し、エッジ近傍の画素を強調する。鮮鋭化処理が施された各画像は、類似度導出部72に出力される。ステップS902では、鮮鋭化処理部71から出力された登録画像と照合画像との類似度SMを導出し、該導出結果を照合結果判定部73に出力する。
【0055】
ステップ904では、類似度SMが閾値THを下回るか否かを判別する。SM≦THであれば、ステップS906に進み、そうでない場合はステップS908に進む。
【0056】
ステップ906では、登録画像及び照合画像の特徴が一致したと判断し、該判断結果をCPU17に出力する。ステップS908では、登録画像及び照合画像の特徴が一致しなかったと判断し、該判断結果をCPU17に出力する。
(まとめ)
以上述べてきたように、本発明に係る電子機器は、撮影した画像データの機密性を維持すると共に当該電子機器の製造コストを抑えることができる。
【0057】
尚、本実施例においてフォルダロックを解除するための認証鍵として手相の画像を保存するようにしているが、手相の特徴情報を抽出し、当該特徴情報を保存するようにしても良い。
【0058】
また、フォルダロック解除のための照合処理について、パターンマッチングではなく、掌の表面積、指の長さ、関節の位置などに基づき照合を行なう掌形認証を用いても良い。
【0059】
また、本発明の一実施形態として、撮像装置を例として説明してきたが、本発明は、例えば、カメラ付携帯電話などの撮像機能を有する電子機器、PC、ICレコーダーにも適用することができる。
【0060】
PCに適用する場合、予め画像をPCの記録媒体又はPCに装着可能な記録媒体に用意しておき、フォルダロック時に当該画像の特徴部分を指定し、指定された部分を切り出し、当該切り出し画像を登録画像として登録するようにすればよい。フォルダロックを解除する際も上記同様の処理をすればよい。フォルダロック中はフォルダロックに使用した画像をPCから着脱可能な記録媒体に記録し、当該記録媒体をPCから隔離して保存しておくことでデータの機密性は保証される。
【0061】
ICレコーダーに適用する場合、画像の代わりに音声をフォルダロックに使用する。フォルダロックを解除する際はICレコーダーで音声を取得し、当該音声とフォルダロックに使用した音声との特徴が一致した場合にフォルダロックを解除するようにすれば良い。
【0062】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 イメージセンサ
3 レンズ部
5 AFE
7 画像処理部
7a 画像切り出し部
7b 画像照合部
9 圧縮処理部
11 伸長処理部
13 表示部
15 TG
17 CPU
19 メモリ
21 操作部
21s シャッタボタン
23 バス回線
25 バス回線
27 外部メモリ
29 ドライバ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に第1データを格納するためのフォルダを生成する生成手段、
第2データを、前記フォルダと関連付ける関連付け手段、
前記関連付け手段によって関連付けられた前記フォルダに格納された前記第1データに対する操作を制限する制限手段、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
第3データと前記第2データとの特徴が略一致するか否かを判定する判定手段、
前記判定手段により特徴が略一致すると判定された場合に前記制限手段による制限状態を解除する解除手段、
を備えることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記第2データ及び前記第3データは画像であり、前記第1データに対する操作は、画像の再生を行う操作、画像の表示を行う操作、画像の複製を行う操作、画像の削除を行う操作、及び画像の編集を行なう操作の内、少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至2記載の電子機器。
【請求項4】
N(Nは1以上の整数)個のフォルダから、M(Mは1以上の整数でM≦N)個のフォルダを選択させる第1フォルダ選択手段、
第1データを受け付ける第1受付手段、
前記第1データと前記フォルダ選択手段により選択されたM個のフォルダとを関連付ける関連付け手段、
前記M個のフォルダに格納されているデータに対する操作を制限する制限手段、
を備えること特徴とする電子機器。
【請求項5】
前記制限状態にあるM個フォルダから所望のフォルダを選択させる第2フォルダ選択手段、
第2データを受け付ける第2受付手段、
前記第1データと前記第2データとを照合し、特徴が略一致するか否かを判定する判定手段、
前記判別手段により特徴が略一致した場合に前記制限を解除する解除手段、
を備えることを特徴とする請求項4記載の電子機器。
【請求項6】
前記データに対する操作は、データの実行、データの複製、データの削除、データの編集の内、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項4乃至5記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−95980(P2011−95980A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248925(P2009−248925)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】