説明

電子的名刺情報利用方法及び装置

【課題】従来、名刺データベースを作成する場合に、自分だけまたは職場等の組織の狭い範囲内では限られていていた。
【解決手段】名刺交換した相手の名刺情報だけでなくて、名刺交換した相手の所有している名刺データベースに含まれる各員にもアクセス可能とするか、または自己のデータベースに相手の所有している名刺データベースを格納して使用可能な名刺データベースの範囲を広げた電子的名刺情報利用方法及び装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子的名刺情報利用技術に関し、特に携帯端末、パソコン等の通信ネットワークを介して交換した電子的名刺情報を活用する電子的名刺情報利用方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビジネスの世界では、初対面の人に会った時のコミュニケーションのツールとして名刺は必須不可欠となっている。ビジネス関係を確立するには、初対面では相互に名刺を交換するのが一般的又は慣例である。また、現在のビジネスマンにとって、携帯電話やPパソコン等の使用が必須となっている。
【0003】
電子化名刺情報システムが幾つかの文献に開示されている。個人個人の名刺情報を企業等団体で個人個人がデータベース化して有効に使うには企業等団体としては重複することもあり、また量の面で限度がある。そこで特許文献1のように企業等団体の構成員が交換した名刺情報をデータベースに蓄積して共有化し、必要に応じて参照・閲覧することにより電子化名刺情報の有効活用およびビジネス等の円滑化を図ることが可能な電子化名刺情報利用方法および装置の提供はより広い範囲の情報が蓄積されることを理由に考えられてきた。
【0004】
【特許文献1】特開2005−182444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、企業等の組織にあっては、各構成員(社員等)がコンタクトする相手と交換した名刺情報を企業等団体の組織内又はグループで共有化することが好ましいことであるが、それだけでは限界があり、もっと広範囲な名刺情報があれば有益なことが多いと思うことが多々あったし、これまでの名刺情報の共有化だけでは不十分であった。
【0006】
本発明は、従来技術の上述した課題に鑑みなされたものであり、名刺交換した相手のデータベースも、蓄積データとして取り込むための発明であり、さらに広い範囲の名刺データが蓄積するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1は、自己の名刺情報および相手から受け取った名刺情報を内部に記録保持する機能を有する端末同士で交換される電子化された名刺情報を名刺データベースに蓄積して利用する電子的名刺情報利用方法において、前記相手が所有する名刺情報が格納された名刺データベースにアクセスして閲覧可能にする電子的名刺情報利用方法を提供するものである。
【0008】
本発明の請求項2は、自己の名刺情報および相手から受け取った名刺情報を内部に記録保持する機能を有する端末同士で交換される電子化された名刺情報を名刺データベースに蓄積して利用する電子的名刺情報利用方法において、前記相手が所有する名刺情報が格納された前記名刺データベースを前記自己の名刺データベースに格納し、閲覧可能にする電子的名刺情報利用方法を提供するものである。
【0009】
本発明の請求項3は、前記相手が所有する名刺情報が格納された名刺データベースにアクセスする前に、前記相手が所有する名刺情報が格納された名刺データベースに含まれた各員にアクセスしてよいかどうかについて問い合わせるメールを発信する請求項1に記載の電子的名刺情報利用方法を提供するものである。
【0010】
本発明の請求項4は、前記相手が所有する名刺情報が格納された前記名刺データベースを前記自己の名刺データベースに格納する前に、前記相手が所有する名刺情報を前記自己の名刺データベースに格納してよいかどうかについて問い合わせるメールを前記相手の名刺データベースの各員に発信する請求項2に記載の電子的名刺情報利用方法を提供するものである。
【0011】
本発明の請求項5は、前記相手の前記名刺データベースと前記自己の名刺データベースのフォーマットを一致させるフォーマット調整手段を備えた請求項1乃至は請求項2に記載の電子的名刺情報利用方法を提供するものである。
【0012】
本発明の請求項6は、自己の名刺情報および相手から受け取った名刺情報を内部に記録保持する機能を有する端末同士で交換される電子化された名刺情報を蓄積して利用する電子化電子的名刺情報利用装置で、前記相手が所有する名刺情報が格納された名刺データベースにアクセスして閲覧可能にする電子的名刺情報利用装置を提供するものである。
【0013】
本発明の請求項7は、自己の名刺情報および相手から受け取った名刺情報を内部に記録保持する機能を有する端末同士で交換される電子化された名刺情報を名刺データベースに蓄積して利用する電子的名刺情報利用する装置で、前記相手が所有する名刺情報が格納された前記名刺データベースを自己の名刺データベースに格納し、閲覧可能にする電子化電子的名刺情報利用装置を提供するものである。
【0014】
本発明の請求項8は、前記相手が所有する名刺情報が格納された名刺データベースにアクセスする前に、前記相手が所有する名刺情報が格納された名刺データベースに含まれた各員にアクセスしてよいかどうかについて問い合わせるメールを発信する請求項6に記載の電子的名刺情報利用装置を提供するものである。
【0015】
本発明の請求項9は、前記相手が所有す名刺情報が格納された前記名刺データベースを前記自己の名刺データベースに格納する前に、前記相手が所有する名刺情報を前記自己の名刺データベースに格納してよいかどうかについて前記相手の名刺データベースの各員に問い合わせるメールを発信する請求項7に記載の電子的名刺情報利用装置を提供するものである。
【0016】
本発明の請求項10は、前記相手の前記名刺データベースと前記自己の名刺データベースのフォーマットを一致させるフォーマット調整手段を備えた請求項6乃至は請求項7に記載の電子的名刺情報利用装置を提供するものである。
【0017】
本発明により、名刺交換した際に、相手の名刺情報はもちろんのこと、相手の持っている名刺データベースを自己の名刺データベースに記憶、またはアクセス可能とするものであり、広範囲な名刺データベースを得ることができる。また、個人情報保護を鑑み、必要に応じて各人に問い合わせのメールを送信する。また相手方の名刺データベースを自己のデータベースに格納する際に相手方の名刺データベースを自己のデータベースとフォーマットを合わせる。
【発明の効果】
【0018】
上述したように、本発明の電子的名刺情報利用方法及び装置は、名刺交換した際に、相手の名刺も、相手の名刺データベースも利用できるものであり、広範囲な名刺データシステムを得ることができる。
【0019】
さらに、個人情報を保護の観点から個人との契約がない場合は、個々にメール等で了解を求めて相手方の名刺データベースの構成員に問い合わせをして了解が得られた者の名刺データをデータベースにいれるか、またはアクセス可能とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。
【0021】
図1は本発明の実施形態の一つを示すブロック図である。1AはA氏の名刺管理サーバ、2Aは名刺データベース、3AはA氏のユーザー端末、4AはA氏の名刺スキャナ、5Aは小型コンピュータを含むPDA(Personal Digital Assistantの略で以下PDAという)、名刺スキャナ4Aは交換した相手方の名刺を名刺スキャナ5Aで読み込んだ画像をユーザー端末3Aを介して名刺管理サーバ1Aに格納する。または、PDA5Aで直接入力し、ユーザー端末を介して名刺管理サーバ1Aに格納する。また、1BはB氏の名刺管理サーバ、2Bは名刺データベース、3BはB氏のユーザー端末、4BはB氏の名刺スキャナ、5BはPDA、名刺スキャナ4Bは交換した相手方の名刺を名刺スキャナ5Bで読み込んだ画像をユーザー端末3Bを介して名刺管理サーバ1Bに格納する。または、PDA5Bで直接入力し、ユーザー端末を介して名刺管理サーバ1Bに格納する。名刺管理サーバ1A、1Bでは、入力された名刺情報を記憶する名刺データベース2A、2B、パソコン等のユーザー端末3A、3BあるいはPDA5A、5B等のモバイル機器に提示できる。またダウンロードサーバ6を備えたダウンロードシステムを使用してPDA7を介して名刺情報を読み取ることもでき、また携帯電話9やPDA10に対して名刺情報をダウンロードすることができる。
【0022】
名刺管理サーバ1A、格納された名刺データのデータベース2Aは例えば図5のようにする。名刺を受取ると予め決められたフォーマットの名刺の場合は、そのまま入力できるが、名刺用紙は多様であり、その際には例えば名刺の各項目に図5の上欄のように各項目に番号を付し、名刺スキャナ4Aで読み取って、それに付属する不図示のOCR(光学式文字読取装置)で付した番号を読み取ってデータベースに入力する。または前述したように、PDAを用いて直接入力し名刺データベース2Aに入力してもよいことは言うまでもない。
【0023】
図2は、本発明の実施形態の一つを示すフローチャートである。
まず、S1で名刺交換を行い、上述のように、名刺スキャナ4A、4Bで読み込んで、OCR(光学式文字読取装置)で読み取った電子データをユーザー端末3A、3Bを介して名刺管理サーバ1A、2A内の名刺データベース2A、2BにS2で示すように記憶する。または、名刺交換するとともにPDA5A、5Bを使って入力しユーザー端末3A、3Bを介して名刺管理サーバ1A、1Bの名刺データベース2A、2BにS2で示すようにそれぞれ記憶する。次にS3で示すように名刺を受取った相手のグループの名刺データベースとグループの各構成員との間の契約等でデータベースにアクセスして全員の名刺が開示可能かどうかを判定する。もし契約等が存在し、全員の開示が可能な場合はS6に示すように開示が可能となる。もしも契約等が存在しないで各構成員の了解が必要なときはS4に示すように各構成員にメールを発信して問い合わせを行い、S4で示すように開示してもよいと判定された構成員のみを選択し、S6に示すように開示可能となる。次にS7で示すように個人を認識するIDとパスワードを入力してS8で示すように開示を受ける。
【0024】
図3は、本発明の実施形態のもう一つの形態を示すブロック図である。
図3に示した実施形態と図1に示した実施形態との違いは図1の形態では図1はA氏がB氏と名刺交換をした時に、A氏はB氏の属している名刺データベースにアクセスすることを示すものであるが、図3はA氏がB氏と名刺交換をしたときに、B氏の属している名刺データベースをA氏の所有している名刺データベースに結合することを示すものである。図3のブロック図で示した流れを図4のフローチャートで示す。
【0025】
まず、S1で名刺交換を行い、上述のように、名刺スキャナ4Aで読み込んで、OCR(光学式文字読取装置)で読み取った電子データをユーザー端末3Aを介して名刺管理サーバ1Aの名刺データベース2AにS2で示すように記憶する。次にS3で示すように名刺を受取った相手のグループの名刺データベースとグループの各構成員との間の契約等でデータベースにアクセスして全員の名刺が開示可能かどうかを判定する。もし契約等が存在し、全員の開示が可能な場合はS6に示すように名刺データベースを結合する。もしも契約等が存在しないで各構成員の了解が必要なときはS4に示すように各構成員にメールを発信して問い合わせを行い、S4で示すように開示してもよいと判定された構成員のみを選択し、S6に示すように名刺データベースを結合し、次にS7で示すように名刺データベースを開示可能となる。
【0026】
図5は名刺データベースを示し、記入した項目と入力例を示す。名刺をスキャナで読み取るか、予め決められた名刺のフォームに従ってPDAから入力し、検索が可能となり、必要なときに検索を行って人材を探すことが可能となる。
【0027】
また、名刺交換を行った相手方のそのグループ内での立場を確認することも必要に応じて行ってもよい。
【0028】
上述のように本発明により名刺交換して名刺交換した相手方の名刺データベースにアクセス可能とするか、相手方の名刺データベースを自分の名刺データベースと結合し、多くの名刺情報を入手可能となる。また個人情報法に配慮して相手からの名刺データベースのグループの構成員にも必要に応じて問い合わせを行って名刺情報を利用可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施例のブロック図
【図2】本発明の第1の実施例を示すフローチャート
【図3】本発明の第2の実施例のブロック図
【図4】本発明の第2の実施例を示すフローチャート
【図5】名刺データベース例
【符号の説明】
【0030】
1A 名刺管理サーバ
1B 名刺管理サーバ
2A 名刺データベース
2B 名刺データベース
3A ユーザー端末
3B ユーザー端末
4A 名刺スキャナ
4B 名刺スキャナ
5A PDA
5B PDA
6 ダウンロードサーバ
7 PDA
8 インターネット
9 携帯電話
10 PDA


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己の名刺情報および相手から受け取った名刺情報を内部に記録保持する機能を有する端末同士で交換される電子化された名刺情報を名刺データベースに蓄積して利用する電子的名刺情報利用方法において、
前記相手が所有する名刺情報が格納された名刺データベースにアクセスして閲覧可能にする電子的名刺情報利用方法。
【請求項2】
自己の名刺情報および相手から受け取った名刺情報を内部に記録保持する機能を有する端末同士で交換される電子化された名刺情報を名刺データベースに蓄積して利用する電子的名刺情報利用方法において、
前記相手が所有する名刺情報が格納された前記名刺データベースを前記自己の名刺データベースに格納し、閲覧可能にする電子的名刺情報利用方法。
【請求項3】
前記相手が所有する名刺情報が格納された名刺データベースにアクセスする前に、前記相手が所有する名刺情報が格納された名刺データベースに含まれた各員にアクセスしてよいかどうかについて問い合わせるメールを発信する請求項1に記載の電子的名刺情報利用方法。
【請求項4】
前記相手が所有する名刺情報が格納された前記名刺データベースを前記自己の名刺データベースに格納する前に、前記相手が所有する名刺情報を前記自己の名刺データベースに格納してよいかどうかについて問い合わせるメールを前記相手の名刺データベースの各員に発信する請求項2に記載の電子的名刺情報利用方法。
【請求項5】
前記相手の前記名刺データベースと前記自己の名刺データベースのフォーマットを一致させるフォーマット調整手段を備えた請求項1乃至は請求項2に記載の電子的名刺情報利用方法。
【請求項6】
自己の名刺情報および相手から受け取った名刺情報を内部に記録保持する機能を有する端末同士で交換される電子化された名刺情報を蓄積して利用する電子的名刺情報利用装置で、前記相手が所有する名刺情報が格納された名刺データベースにアクセスして閲覧可能にする電子的名刺情報利用装置。
【請求項7】
自己の名刺情報および相手から受け取った名刺情報を内部に記録保持する機能を有する端末同士で交換される電子化された名刺情報を名刺データベースに蓄積して利用する電子的名刺情報利用する装置で、
前記相手が所有する名刺情報が格納された前記名刺データベースを自己の名刺データベースに格納し、閲覧可能にする電子化電子的名刺情報利用装置。
【請求項8】
前記相手が所有する名刺情報が格納された名刺データベースにアクセスする前に、前記相手が所有する名刺情報が格納された名刺データベースに含まれた各員にアクセスしてよいかどうかについて問い合わせるメールを発信する請求項6に記載の電子的名刺情報利用装置。
【請求項9】
前記相手が所有す名刺情報が格納された前記名刺データベースを前記自己の名刺データベースに格納する前に、前記相手が所有する名刺情報を前記自己の名刺データベースに格納してよいかどうかについて前記相手の名刺データベースの各員に問い合わせるメールを発信する請求項7に記載の電子的名刺情報利用装置。
【請求項10】
前記相手の前記名刺データベースと前記自己の名刺データベースのフォーマットを一致させるフォーマット調整手段を備えた請求項6乃至は請求項7に記載の電子的名刺情報利用装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−3901(P2009−3901A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−167010(P2007−167010)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(707000336)アジアビジネスカード株式会社 (11)
【Fターム(参考)】