電子装置、回路基板、及び電子装置の製造方法
【課題】回路基板の電極パッドを拡幅化することなく、電子部品の端子を回路基板の電極パッドに確実に実装する半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】電子部品の第1の端子120aにより加圧された際に前記第1の端子に対して回路基板200の実装表面と平行な第1の抗力F1aを作用させる、前記回路基板上に形成された第1の電極223aに、前記第1の端子を接触させると共に、前記電子部品の第2の端子120bにより加圧された際に前記第2の端子に対して前記第1の抗力を相殺する第2の抗力F1bを作用させる、前記回路基板上に形成された第2の電極223bに、前記第2の端子を接触させる工程と、前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧する工程と、を備える電子装置の製造方法。
【解決手段】電子部品の第1の端子120aにより加圧された際に前記第1の端子に対して回路基板200の実装表面と平行な第1の抗力F1aを作用させる、前記回路基板上に形成された第1の電極223aに、前記第1の端子を接触させると共に、前記電子部品の第2の端子120bにより加圧された際に前記第2の端子に対して前記第1の抗力を相殺する第2の抗力F1bを作用させる、前記回路基板上に形成された第2の電極223bに、前記第2の端子を接触させる工程と、前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧する工程と、を備える電子装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に電子部品をフリップチップ実装した電子装置、回路基板、電子装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置の小型化、薄型化、高密度化に伴い、回路基板に形成される電極パッドのファインピッチ化が進んでいる。ファインピッチ化は、電極パッド自身の狭幅化を進め、回路基板に電子部品をフリップチップ実装するときに、電子部品の端子を回路基板の電極パッドに確実に搭載することが困難となってきている。このような問題を解決するものとして、例えば、回路基板上の電極パッドに開口部(凹部)を形成しておき、半導体素子の端子を当該開口部の内縁に摺動させながら、開口部内に案内する技術が知られている(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−21751号公報
【特許文献2】特開2005−353854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電極パッドに開口部を形成するためには、電極パッドに、当該開口部を規定するための壁部を形成しなければならない。このため、電極パッドは、少なくとも壁部の寸法分だけ幅広にせざるを得ない。これが電極パッドのファインピッチ化の妨げとなっていた。
【0005】
開示技術は、回路基板の電極パッドを拡幅化することなく、電子部品の端子を回路基板の電極パッドに確実に実装することができる電子装置、回路基板、電子装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の電子装置の一観点によれば、電子部品の第1の端子により加圧された際に前記第1の端子に対して回路基板の実装表面と平行な第1の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第1の電極に、前記第1の端子を接触させると共に、前記電子部品の第2の端子により加圧された際に前記第2の端子に対して前記第1の抗力を相殺する第2の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第2の電極に、前記第2の端子を接触させる工程と、前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧する工程と、を備える電子装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
開示の電子装置によれば、回路基板の電極パッドを拡幅化することなく、電子部品の端子を回路基板の電極パッドに確実に実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態にかかる半導体装置の斜視図である。
【図2】第1の実施形態にかかる半導体装置の断面図である。
【図3】第1の実施形態にかかる半導体チップの下面図である。
【図4】第1の実施形態にかかる半導体チップの断面図である。
【図5】第1の実施形態にかかる回路基板の上面図である。
【図6】第1の実施形態にかかる回路基板の断面図である。
【図7】第1の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の説明図である。
【図8】第1の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の説明図である。
【図9】第1の実施形態にかかる半導体チップの位置決めプロセスの説明図である。
【図10】第1の実施形態にかかる半導体チップの位置決めプロセスの説明図である。
【図11】第1の実施形態にかかる半導体チップの位置決めの説明図である。
【図12】第1の実施形態の変形例にかかる半導体装置の断面図である。
【図13】第1の実施形態の変形例にかかる回路基板の上面図である。
【図14】第1の実施形態の変形例にかかる回路基板の断面図である。
【図15】第2の実施形態にかかる半導体装置の断面図である。
【図16】第2の実施形態にかかる回路基板の上面図である。
【図17】第2の実施形態にかかる半導体チップの位置決めプロセスの説明図である。
【図18】第2の実施形態にかかる半導体チップの位置決めプロセスの説明図である。
【図19】第2の実施形態にかかる半導体チップの位置決めの説明図である。
【図20】第2の実施形態の変形例1にかかる半導体チップの位置決めの説明図である。
【図21】第2の実施形態の変形例2にかかる半導体チップの位置決めの説明図である。
【図22】第3の実施形態にかかる半導体装置の断面図である。
【図23】第3の実施形態にかかる回路基板の上面図である。
【図24】第3の実施形態にかかる回路基板の断面図である。
【図25】第3の実施形態にかかる回路基板の製造方法の説明図である。
【図26】第3の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の説明図である。
【図27】第3の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の説明図である。
【図28】第3の実施形態にかかる半導体チップの位置決めプロセスの説明図である。
【図29】第3の実施形態の変形例にかかる半導体装置の断面図である。
【図30】第3の実施形態の変形例にかかる回路基板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
以下、図1〜図11を参照しながら、第1の実施形態を説明する。
[半導体装置の構成]
先ず、図1〜図6を参照して、半導体装置の構成を説明する。
【0010】
図1は、第1の実施形態にかかる半導体装置の斜視図である。図2は、第1の実施形態にかかる半導体装置の断面図であって、図1のII−IIにおける断面を示している。
【0011】
図1又は図2に示すように、半導体装置は、所謂BGA(Ball Grid Array)型の半導体パッケージであって、半導体チップ100と、半導体チップ100を実装する回路基板200と、半導体チップ100及び回路基板200の隙間に充填されるアンダーフィル樹脂300と、外部接続端子として回路基板200に取り付けられる半田ボール400と、を備える。
[半導体チップの構成]
半導体チップ100は、例えば半導体ウェハに複数の素子領域を形成して、ダイシングにより個片化したものを想定している。しかし、本実施形態は、半導体チップに限定されるものではなく、他の電子部品を用いても良い。
【0012】
図3は、第1の実施形態にかかる半導体チップ100の下面図である。図4は、第1の実施形態にかかる半導体チップ100の断面図であって、(a)は、図3のIVa−IVaにおける断面、(b)は、図3のIVb−IVbにおける断面を示している。
【0013】
図3又は図4に示すように、半導体チップ100は、チップ本体110と、複数のバンプ120と、を備える。
【0014】
チップ本体110は、平面視で略矩形状に形成され、第1のチップ縁110a、第2のチップ縁110b、第3のチップ縁110c、及び第4のチップ縁110d、を備える。第1のチップ縁110a及び第2のチップ縁110bは、半導体チップ100の中心C1を基準として逆側に配置されていて、互いに平行に延在している。又、第3のチップ縁110c及び第4のチップ縁110dは、半導体チップ100の中心C1を基準として逆側に配置されていて、互いに平行に、且つ、第1のチップ縁110a及び第2のチップ縁110bと直交するように延在している。
【0015】
第1〜第4のチップ縁110a〜110dは、何れも約4mmに設定されている。チップ本体110の厚さは、約0.2mmに設定されている。但し、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、チップ本体110は、平面視で直方体状、三角形状、五角形状、それ以上の多角形状、又は円形状あるいは楕円形状であっても良い。
【0016】
複数のバンプ120は、第1のバンプ120a、第2のバンプ120b、第3のバンプ120c、及び第4のバンプ120dに分類される。
第1〜第4のバンプ120a〜120dは、個数及びピッチ間隔が互いに等しく、それぞれ第1〜第4のチップ縁110a〜110dに沿って配列されている。又、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔が、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔に等しくなるように、配置されている。
【0017】
第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ、チップ本体110に接続される第1の部分121a〜121dと、第1の部分121a〜121dに接続される第2の部分122a〜122dと、を備える。
【0018】
第1の部分121a〜121dは、略円柱状に形成され、それぞれの軸心方向の中途部には、第1〜第4の最大径部123a〜123dが形成されている。第2の部分122a〜122dは、それぞれチップ本体110から離間するにつれて徐々に縮径するように、即ちテーパ状に形成されている。第2の部分122a〜122dは、チップ本体110の外側、即ち第1〜第4のチップ縁110a〜110d側に、それぞれ第1〜第4の欠損部124a〜124dを備えている。第1〜第4の欠損部124a〜124dは、半導体チップ100を回路基板200に実装するとき形成されるものであって、それぞれ、後述する回路基板200の第1〜第4の上面電極223a〜223dに対応した形状、即ち第1〜第4の突起部226a〜226dに対応した形状をしている。
【0019】
第1の部分121a〜121d及び第2の部分122a〜122dは、同じ材料で形成されている。第1〜第4のバンプ120a〜120dの材料としては、例えば金などの金属が用いられる。第1〜第4のバンプ120a〜120dの製造方法としては、例えばボールボンディングを用いれば良い。
【0020】
本実施形態では、第1〜第4のバンプ120a〜120dが全て同数である。しかし、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、第1のバンプ120a及び第2のバンプ120bが同数であり、第3のバンプ120c及び第4のバンプ120dが同数であれば、第1〜第4のバンプ120a〜120dの全てが同数である必要はない。
【0021】
又、本実施形態では、第1〜第4のバンプ120a〜120dが全て等しいピッチ間隔で配列されている。しかし、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、第1のバンプ120a及び第2のバンプ120bが等しいピッチ間隔で配列され、第3のバンプ120c及び第4のバンプ120dが等しいピッチ間隔で配列されていれば、第1〜第4のバンプ120a〜120dの全てが等しいピッチ間隔で配列される必要はない。
【0022】
さらに、本実施形態において、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔が、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔に等しくなるように、配置されている。しかし、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、半導体チップ100の形状や設計等に応じて、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔が、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔と異なるように、第1〜第4のバンプ120a〜120dを配置しても良い。
[回路基板の構成]
図5は、第1の実施形態にかかる回路基板200の上面図である。図6は、第1の実施形態にかかる回路基板200の断面図であって、図5のVI−VIにおける断面を示している。尚、図5に第1〜第4のバンプ120a〜120dを仮想線(二点鎖線)で示しているが、図面の明瞭化のために、それぞれ3つに限定している。
【0023】
回路基板200は、所謂ガラスエポキシ基板である。しかし、本実施形態は、これに限定されるものではなく、他のプリント基板、例えばガラスコンポジット基板やセラミック基板を用いても良い。
【0024】
図5又は図6に示すように、回路基板200は、コア材210と、上面配線層220と、下面配線層230と、を備える。
【0025】
コア材210は、例えばガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させたものである。コア材210は、平面視で略矩形状に形成され、第1の基板縁210a、第2の基板縁210b、第3の基板縁210c、及び第4の基板縁210d、を備える。第1の基板縁210a及び第2の基板縁210bは、回路基板200の中心C2を基準として逆側に配置されていて、互いに平行に延在している。又、第3の基板縁210c及び第4の基板縁210dは、回路基板200の中心C2を基準として逆側に配置されていて、互いに平行に、且つ、第1の基板縁210a及び第2の基板縁210bに直交するように延在している。
【0026】
コア材210の所定位置には、複数のスルーホール211が形成されている。スルーホール211は、コア材210を上下に貫通し、その内部には、ビア212が埋め込まれている。ビア212は、スルーホール211の内面に形成された導電膜213と、導電膜213の内側に充填された絶縁材214と、を含む。導電膜213は、上面配線層220及び下面配線層230を接続して、両者間の導通をはかっている。導電膜213の材料としては、例えばCuを用いても良い。絶縁材214の材料としては、例えばポリイミド系やエポキシ系の樹脂を用いても良い。
【0027】
上面配線層220は、コア材210の上面、即ち半導体チップ100と対向する表面に形成され、コア材210側から順に、上面配線パターン221、上面絶縁膜222、及び複数の上面電極223を備えている。
【0028】
上面配線パターン221は、コア材210の上面に形成されている。上面配線パターン221の材料としては、例えばCuなどの金属が用いられる。上面配線パターン221の製造方法は、特に限定されるものではない。例えば、コア材210の上面全体にCu箔などの金属箔を形成した後、フォトリソフラフィ技術によりレジストパターンを形成して、当該レジストパターンをマスクとして、金属箔をエッチングしても良い。
【0029】
上面絶縁膜222は、上面配線パターン221及び上面電極223の層間に配置されている。上面絶縁膜222の材料としては、例えばエポキシ系やポリイミド系の樹脂を用いても良い。上面絶縁膜222の所定位置には、複数のビア224が埋め込まれている。ビア224は、上面絶縁膜222を上下に貫通し、上面配線パターン221と上面電極223とを電気的に接続している。ビア224の材料としては、例えばCuなどの金属を用いても良い。
【0030】
複数の上面電極223は、第1の上面電極223a、第2の上面電極223b、第3の上面電極223c、及び第4の上面電極223dに分類される。第1〜第4の上面電極223a〜223dは、半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dと個数及びピッチ間隔が等しく、それぞれ第1〜第4の基板縁210a〜210dに沿って配列されている。又、第1〜第4の上面電極223a〜223dは、第1の上面電極223aと第2の上面電極223bとの間隔が、第3の上面電極223cと第4の上面電極223dとの間隔に等しくなるように、配置されている。
【0031】
第1〜第4の上面電極223a〜223dは、それぞれ、第1〜第4のパッド部225a〜225dと、第1〜第4のパッド部225a〜225d上に配置される第1〜第4の突起部226a〜226dと、を備える。図5では、図面の明瞭化をはかるために、第1〜第4の突起部226a〜226dにハッチングを施している。以下の実施形態でも同様である。
【0032】
第1〜第4のパッド部225a〜225dは、長方形状に形成され、それぞれ第1〜第4の基板辺210a〜210dに直交するように配置されている。第1〜第4のパッド部225a〜225dの材料としては、導電性材料、例えばCuなどの金属を用いても良い。
【0033】
第1〜第4の突起部226a〜226dは、それぞれ第1〜第4のパッド部225a〜225dの長手方向の中途部に配置され、第1〜第4のパッド部225a〜225d上に、第1〜第4の搭載部227a〜227dと、第1〜第4の延在部228a〜228dと、を規定している。第1〜第4の突起部226a〜226dの材料としては、半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dよりも剛性が高い導電性材料又は絶縁性材料が用いられる。導電性材料としては、例えばCuなどの金属を用いても良い。絶縁性材料としては、例えばエポキシ樹脂などの樹脂を用いても良い。
【0034】
第1〜第4の搭載部227a〜227dは、半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dが搭載される領域であって、それぞれ第1〜第4の突起部226a〜226dを基準として、回路基板200の内側に配置されている。第1〜第4の延在部228a〜228dは、それぞれ第1〜第4の突起部226a〜226dを基準として、回路基板200の外側に配置されている。
【0035】
又、第1〜第4の突起部226a〜226dは、回路基板200の内側に指向する部分に、それぞれ第1〜第4の規制面229a〜229dを備える。第1〜第4の規制面229a〜229dは、それぞれ第1〜第4の基板縁210a〜210dに平行に延び、半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dが回路基板200の実装表面と平行に移動するのを規制する。
【0036】
以上のような第1〜第4の突起部226a〜226dは、第1の規制面229aと第2の規制面229bとの間隔が、第3の規制面229cと第4の規制面229dとの間隔に等しくなるように、配置されている。
【0037】
半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ第1〜第4の規制面229a〜229dを基準として、回路基板200の内側から外側に跨るように配置され、第1〜第4の搭載部227a〜227d及び第1〜第4の突起部226a〜226dの双方に接続される。
【0038】
従って、第1の規制面229aと第2の規制面229bとの間隔G1は、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔G2よりも大きく、且つ、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔G2に、第1、第2のバンプ120a、120bの直径dの2倍(=2d)を加算した距離G3よりも小さい。同様に、第3の規制面229cと第4の規制面229dとの間隔G1は、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔G2よりも大きく、且つ、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔G2に、第3、第4のバンプ120c、120dの直径dの2倍(=2d)を加算した距離G3よりも小さい。
【0039】
さらに、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれの中心軸Oa〜Odが第1〜第4の規制面229a〜229dを基準として、回路基板200の内側に位置するように、配置される。
【0040】
従って、第1の規制面229aと第2の規制面229bとの間隔G1は、第1のバンプ120aの中心軸Oaと第2のバンプ120bの中心軸Obとの間隔G4よりも大きい。又、図解は省略するが、第3の規制面229cと第4の規制面229dとの間隔G1は、第3のバンプ120cの中心軸Ocと第4のバンプ120dとの中心軸Odの間隔G4よりも大きい。
【0041】
下層配線層230は、コア材210の下面、即ち半田ボール400が取り付けられる表面に形成され、コア材210側から順に、下面配線パターン231、下面絶縁膜232、及び複数の下面電極233を備えている。
【0042】
下面配線パターン231は、コア材210の下面に形成されている。下面配線パターン231の材料としては、例えばCuなどの金属を用いても良い。下面配線パターン231の製造方法は、特に限定されるものではない。例えば、コア材210の下面全体にCu箔などの金属箔を形成した後、フォトリソフラフィ技術によりレジストパターンを形成して、当該レジストパターンをマスクとして金属箔をエッチングしても良い。
【0043】
下面絶縁膜232は、下面配線パターン231及び下面電極233の層間に配置されている。下面絶縁膜232の材料としては、例えばエポキシ系やポリイミド系の樹脂を用いても良い。下面絶縁膜232の所定位置には、複数のビア234が埋め込まれている。ビア234は、下面絶縁膜232を上下に貫通し、下面配線パターン231と下面電極233とを電気的に接続している。ビア234の材料としては、例えばCuなどの金属を用いても良い。
【0044】
複数の下面電極233は、回路基板200の下面全体にマトリクス状に配列されている。これらの下面電極233には、それぞれ半田ボール400が取り付けられる。半田ボール400は、半導体装置を他の実装基板(マザーボード)に実装するときに、外部接続端子として機能するものである。
【0045】
図1又は図2に示すように、アンダーフィル樹脂300は、半導体チップ100と回路基板200との隙間に充填され、半導体チップ100及び回路基板200を接合している。又、アンダーフィル樹脂300は、自身の材料が凝固するときに生じる収縮力により、半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dを回路基板200の第1〜第4の上面電極223a〜223dに押圧して、第1〜第4のバンプ120a〜120dと第1〜第4の上面電極223a〜223dとを電気的に接続している。従って、第1〜第4のバンプ120a〜120dと、第1〜第4の上面電極223a〜223dとを接続するときに、別途に導電性接着材などを用いなくても良い。アンダーフィル樹脂300の周辺部は、半導体チップ100の周囲にはみ出して、所謂フィレット310を形成している。フィレット310は、回路基板200の上面から半導体チップ100の側面に及んでおり、半導体チップ100と回路基板200との接合強度を高めている。アンダーフィル樹脂300として、例えばエポキシ系樹脂、具体的にはエポキシ樹脂にシリカ製のフィラーを添加した材料を用いても良い。
[半導体装置の製造方法]
次に、図7、図8を参照して、半導体装置の製造方法を説明する。
【0046】
図7、図8は、第1の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の説明図である。
【0047】
先ず、図7(a)に示すように、回路基板200の上面に、例えばディスペンス法により、エポキシ系樹脂Lを供給する。エポキシ系樹脂Lとしては、例えばエポキシ樹脂にシリカなどのフィラーを添加したものである。
【0048】
次に、図7(b)に示すように、加圧ヘッドHの下面に、半導体チップ100を吸着して、第1〜第4のバンプ120a〜120dの中心軸Oa〜Odが、それぞれ第1〜第4の規制面229a〜229dを基準として、回路基板200の内側に配置されるように、半導体チップ100を位置決めする。このとき、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ、チップ本体110から離間するにつれて縮径する円錐状に形成されている。即ち、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ尖鋭な先端部を備えている。
【0049】
次に、図8(c)に示すように、半導体チップ100を吸着した加圧ヘッドHを降下させて、半導体チップ100を回路基板200に接近させる。これにより、回路基板200上に供給されたエポキシ系樹脂Lが半導体チップ100により押し広げられて、半導体チップ100及び回路基板200の隙間が充填される。
【0050】
そして、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の上面電極223a〜223dに接触したら、半導体チップ100の回路基板200への加圧を開始する。このときの加重は、半導体チップ100の寸法、第1〜第4のバンプ120a〜120dの寸法、又は第1〜第4のバンプ120a〜120dの個数などにより異なるが、例えば2kgf〜8kgfに設定される。これにより、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、後述する位置決めプロセスを経て、第1〜第4の上面電極223a〜223dに対して、正確に位置決めされる。第1〜第4のバンプ120a〜120dが正確に位置決めされると、半導体チップ100も同様に、回路基板200に対して、正確に位置決めされる。
【0051】
そして、さらに半導体チップ100を加圧して、第1〜第4のバンプ120a〜120dを、それぞれ第1〜第4の突起部226a〜226d及び第1〜第4の搭載部227a〜227dに接続する。このとき、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、第1〜第4の突起部226a〜226d及び第1〜第4の搭載部227a〜227dの形状に応じて変形する。これにより、第1〜第4のバンプ120a〜120dの尖鋭な先端部が平坦化され、半導体チップ100の内側の部分には、それぞれ第1〜第4の欠損部124a〜124dが形成される。
【0052】
そして、第1〜第4のバンプ120a〜120dが、それぞれ第1〜第4の突起部226a〜226d及び第1〜第4の搭載部227a〜227dに接続されたら、加圧ヘッドHに設けられたヒータ(図示しない)により、半導体チップ100を加熱して、半導体チップ100及び回路基板200の隙間に存在するエポキシ系樹脂Lを凝固させる。これにより、エポキシ系樹脂Lが収縮して、半導体チップ100及び回路基板200が接合される。
【0053】
次に、図8(d)に示すように、回路基板200の下面電極233に、それぞれ半田ボール400を取り付ける。以上で、第1の実施形態にかかる半導体装置が完成する。
[半導体チップの位置決めプロセス]
次に、図9、図10を参照して、半導体チップ100の位置決めプロセスを説明する。
【0054】
図9、図10は、第1の実施形態にかかる半導体チップ100の位置決めプロセスの説明図であって、第1、第2のバンプ120a、120bと第1、第2の上面電極223a、223bとの連携の様子を示している。
【0055】
先ず、図9(a)に示すように、半導体チップ100を吸着した加圧ヘッドH(図示しない)を駆動して、第1〜第4のバンプ120a〜120dの中心軸Oa〜Odが、第1〜第4の規制面229a〜229dを基準として、回路基板200の内側に配置されるように、半導体チップ100を位置決めする。但し、加圧ヘッドHの吸着面は、静止摩擦係数が小さいため、吸着した半導体チップ100が加圧ヘッドHの吸着面上で位置ずれを起こすことがある。従って、加圧ヘッドHを駆動して半導体チップ100を位置決めしても、半導体チップ100の実際の位置は、あるべき位置から僅かにずれていることがある。これを踏まえ、以下の説明では、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、第1の基板縁210a側(図9の左側)に僅かにずれていると想定する。
【0056】
次に、加圧ヘッドHを降下させて、半導体チップ100を回路基板200に接近させる。このとき、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、第1の基板縁210a側(図9の左側)にずれていると、図9(b)に示すように、最初に第1のバンプ120aが第1の突起部226aに接触する。第2のバンプ120bは、第2の突起部226bに接触していない。
【0057】
第1のバンプ120aが第1の突起部226aに接触したら、半導体チップ100の回路基板200への加圧を開始する。半導体チップ100が回路基板200に加圧されると、第1の突起部226aから第1のバンプ120aに、回路基板200の実装表面に平行な第1の抗力F1aが作用する。これにより、半導体チップ100は、第1〜第4のバンプ120a〜120dと共に、回路基板200の第2の基板縁210b側(図9の右側)に移動する。このとき、第1のバンプ120aは、第1の突起部226a上を矢印A方向に滑動しながら、回路基板200の第2の基板縁210b側に移動する。
【0058】
そして、図10(c)に示すように、第2のバンプ120bが第2の突起部226bに接触すると、第2の突起部226bから第2のバンプ120bに、第1の抗力F1aを相殺する第2の抗力F1bが作用して、半導体チップ100の移動を停止させる。即ち、第2のバンプ120bが第2の規制面229bに突き当たることで、半導体チップ100の移動が規制される。こうして、第1、第2のバンプ120a、120bは、第1、第2の上面電極223a、223bの長手方向、即ち回路基板200のX方向において、正確に位置決めされる。そして、第1、第2のバンプ120a、120bが、回路基板200のX方向において、正確に位置決めされると、半導体チップ100も同様に、回路基板のX方向において、正確に位置決めされる。
【0059】
以上のように、半導体チップ100が、回路基板200のX方向において、正確に位置決めされると、図11に示すように、第3、第4のバンプ120c、120dも同様に、回路基板200のX方向において、正確に位置決めされる。即ち、第3、第4のバンプ120c、120dは、第3、第4の上面電極223c、223dの幅方向、即ち短手方向に対して、正確に位置決めされる。従って、半導体チップ100のファインピッチ化に付随して、第3、第4の上面電極223c、223dの幅寸法が小さくなっても、第3、第4のバンプ120c、120dを、第3、第4の上面電極223c、223dに、確実に実装することができる。しかも、半導体チップ100の加圧開始時に、第1、第2のバンプ120a、120bの中心軸Oa、Obを第1、第2の規制面229a、229bの内側に配置するだけなので、位置決め作業が困難になることもない。
【0060】
ここでは、半導体チップ100が回路基板100のX方向において、第1の基板縁210a側(図9の左側)に僅かにずれていることを想定していたが、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、第2の基板縁210b側に僅かにずれているときも同様である。
【0061】
半導体チップ100が回路基板200のX方向において正確に位置決めされたら、さらに半導体チップ100を回路基板200に加圧する。すると、第1、第2のバンプ120a、120bは、第1、第2の突起部226a、226bの内側に塑性流動して、図10(d)に示すように、第1、第2の突起部226a、226b及び第1、第2の搭載部227a、227b上に接続される。このときも、第1、第2のバンプ120a、120bは、それぞれ第1、第2の突起部226a、226bの内側に掛止されている。即ち、第1、第2のバンプ120a、120bには、それぞれ第1、第2の抗力F1a、F2bが作用している。従って、半導体チップ100を回路基板200に加圧している過程で、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、位置ずれを起こすことがない。よって、半導体チップ100を回路基板200に実装する過程で、第3、第4のバンプ120c、120dが第3、第4の上面電極223c、223dから脱落することもない。
【0062】
これまで、第1、第2のバンプ120a、120bと、第1、第2の上面電極223a、223bとの連携に着目して説明してきたが、第3、第4のバンプ120c、120dと、第3、第4の上面電極223c、223dとの連携も同様である。
【0063】
例えば、半導体チップ100が回路基板200のY方向において、第3の基板縁210c側にずれていると、半導体チップ100を回路基板200に接近させる過程で、最初に第3のバンプ120cが第3の突起部226cに接触する。そして、半導体チップ100の回路基板200への加圧を開始すると、第3の突起部226cから第3のバンプ120cに、回路基板200の実装表面に平行な第3の抗力F1cが作用する。これにより、半導体チップ100は、第1〜第4のバンプ120a〜120dと共に、回路基板200の第4の基板縁210d側に移動する。そして、第4のバンプ120dが第4の突起部226dに接触すると、第4の突起部226dから第4のバンプ120dに、第3の抗力F1cを相殺する第4の抗力F1dが作用して、半導体チップ100の移動を停止させる。こうして、第3、第4のバンプ120c、120dは、第3、第4の上面電極223c、223dの長手方向、即ち回路基板200のY方向において、正確に位置決めされる。そして、第3、第4のバンプ120c、120dが、回路基板200のY方向において、正確に位置決めされると、半導体チップ100も同様に、回路基板200のY方向において、正確に位置決めされる。
【0064】
以上のように、半導体チップ100が、回路基板200のY方向において、正確に位置決めされると、図11に示すように、半導体チップ100の第1、第2のバンプ120a、120bも同様に、回路基板200のY方向において、正確に位置決めされる。即ち、第1、第2のバンプ120a、120bは、第1、第2の上面電極223a、223bの幅方向、即ち短手方向に対して、正確に位置決めされる。従って、半導体チップ100のファインピッチ化に付随して、第1、第2の上面電極223a、223bの幅寸法が小さくなっても、第1、第2のバンプ120a、120bを、第1、第2の上面電極223a、223bに、確実に実装することができる。しかも、半導体チップ100の加圧開始時に、第3、第4のバンプ120c、120dの中心軸Oc、Odを第3、第4の規制面229c、229dの内側に配置するだけなので、位置決め作業が困難になることもない。
【0065】
ここでは、半導体チップ100が回路基板100のY方向において、第3の基板縁210c側に僅かにずれていることを想定していたが、半導体チップ100が回路基板200のY方向において、第4の基板縁210d側に僅かにずれているときも同様である。
【0066】
半導体チップ100が回路基板200のY方向において正確に位置決めされたら、さらに半導体チップ100を回路基板200に加圧する。すると、第3、第4のバンプ120c、120dは、第3、第4の突起部226c、226dの内側に塑性流動して、第3、第4の突起部226c、226d及び第3、第4の搭載部227c、227d上に接続される。このときも、第3、第4のバンプ120c、120dは、それぞれ第3、第4の突起部226c、226dの内側に掛止されている。即ち、第3、第4のバンプ120c、120dには、それぞれ第3、第4の抗力F1c、F2dが作用している。従って、半導体チップ100を回路基板200に加圧している過程で、半導体チップ100が回路基板200のY方向において、位置ずれを起こすことがない。よって、半導体チップ100を回路基板200に実装する過程で、第1、第2のバンプ120a、120bが第1、第2の上面電極223a、223bから脱落することもない。
【0067】
尚、これまで、半導体チップ100のX方向及びY方向の位置決めを、別個に説明してきたが、半導体チップ100のX方向及びY方向の位置決めは、同時に進行するものである。
【0068】
以上のように、本実施形態では、半導体チップ100が回路基板200のX方向又はY方向に僅かにずれていても、半導体チップ100を回路基板200に接近させる過程で、半導体チップ100の位置が徐々に補正されて、半導体チップ100が正確に位置決めされる。即ち、半導体チップ100を回路基板200に接近させると、第1〜第4のバンプ120a〜120dが自ら正しい位置に近づき、半導体チップ100が正確に位置決めされるのである。しかも、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の規制面229a〜229dに掛止されているので、半導体チップ100を回路基板200に加圧する過程で、半導体チップ100が位置ずれを起こすこともない。即ち、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の上面電極223a〜223dから脱落することもない。
【0069】
本実施形態によれば、第1〜第4のパッド部225a〜225d上に、それぞれ第1〜第4の突起部226a〜226dを形成するだけで、半導体チップ100を正確に位置決めすることができる。従って、回路基板200に形成される第1〜第4の上面電極を拡幅化する必要がない。よって、半導体チップ100の更なるファインピッチ化にも充分に対応することができる。
【0070】
尚、本実施形態では、全ての第1の上面電極223aが第1の突起部226aを備えているが、本実施形態は、これに限定されない。例えば、第1の上面電極223aの少なくとも1つが第1の突起部226aを備えていれば良い。第2〜第4の上面電極223b〜223dも同様である。
[変形例]
以下、図12〜図14を参照しながら、第1の実施形態の変形例を説明する。
【0071】
図12は、第1の実施形態の変形例にかかる半導体装置の断面図であって、図2に対応する断面を示している。図13は、第1の実施形態の変形例にかかる回路基板200の上面図である。図14は、第1の実施形態の変形例にかかる回路基板200の断面図であって、図13のXIV−XIVにおける断面を示している。図13に第1〜第4のバンプ120a〜120dを仮想線(二点鎖線)で示しているが、図面の明瞭化のために、それぞれ3つに限定している。
【0072】
本変形例にかかる第1〜第4の上面電極523a〜523dは、それぞれ第1〜第4の突起部526a〜526dを備えている。第1〜第4の突起部526a〜526dは、第1〜第4のパッド部225a〜225d上に配置されているが、第1の実施形態にかかる第1〜第4の突起部226a〜226dよりも、回路基板200の内側に配置されている。
【0073】
第1〜第4の突起部526a〜526dは、第1〜第4のパッド部225a〜225d上に、それぞれ第1〜第4の搭載部527a〜527dと、第1〜第4の延在部528a〜528dと、を規定している。但し、第1〜第4の搭載部527a〜527dは、第1の実施形態にかかる第1〜第4の搭載部227a〜227dとは逆側、即ち第1〜第4の突起部526a〜526dを基準として、回路基板200の外側に配置される。又、第1〜第4の延在部528a〜528dは、第1の実施形態にかかる第1〜第4の延在部228a〜228dとは逆側、即ち第1〜第4の突起部526a〜526dを基準として、回路基板200の内側に配置されている。
【0074】
第1〜第4の突起部526a〜526bは、回路基板200の外側に指向する部分に、それぞれ第1〜第4の規制面529a〜529dを備えている。第1〜第4の規制面529a〜529dは、それぞれ第1〜第4の基板縁210a〜210dに平行に延び、半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dが回路基板200の実装表面と平行に移動するのを規制する。即ち、第1〜第4の規制面529a〜529dは、第1〜第4の突起部526a〜526dに形成されているが、第1の実施形態にかかる第1〜第4の規制面229a〜229dとは逆側に位置している。
【0075】
以上のような第1〜第4の突起部526a〜526dは、第1の規制面529aと第2の規制面529bとの間隔が、第3の規制面529cと第4の規制面529dとの間隔に等しくなるように、配置されている。
【0076】
半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ第1〜第4の規制面529a〜529dを基準として、回路基板200の内側から外側に跨るように配置され、第1〜第4の搭載部527a〜527d及び第1〜第4の突起部526a〜526dの双方に接続される。
【0077】
従って、第1の規制面529aと第2の規制面529bとの間隔G1は、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔G2よりも大きく、且つ、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔G2に、第1、第2のバンプ120a、120bの直径dの2倍(=2d)を加算した距離G3よりも小さい。同様に、第3の規制面529cと第4の規制面529dとの間隔G1は、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔G2よりも大きく、且つ、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔G2に、第3、第4のバンプ120c、120dの直径dの2倍(=2d)を加算した距離G3よりも小さい。
【0078】
さらに、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれの中心軸Oa〜Odが第1〜第4の規制面529a〜529dを基準として、回路基板200の外側に位置するように配置される。
【0079】
従って、第1の規制面529aと第2の規制面529bとの間隔G1は、第1のバンプ120aの中心軸Oaと第2のバンプ120bの中心軸Obとの間隔G4よりも小さい。同様に、第3の規制面529cと及び第4の規制面529dの間隔G1は、第3のバンプ120cの中心軸Oc及び第4のバンプ120dの中心軸Odの間隔G4よりも小さい。
【0080】
本変形例のように、第1〜第4の突起部526a〜526dにおける、回路基板200外側を指向する部位に、それぞれ第1〜第4の規制面529a〜529dを形成しても良い。本変形例を採用した場合、第1〜第4のバンプ120a〜120dの中心軸Oa〜Odが、第1〜第4の規制面529a〜529dを基準として、回路基板200の外側に配置されるように、半導体チップ100を位置決めして、半導体チップ100を回路基板200に加圧すれば、前述のように、半導体チップ100を正確に位置決めすることができる。但し、第1〜第4の規制面529a〜529dは、第1の実施形態にかかる第1〜第4の規制面229a、229dとは逆向きに配置されているので、本変形例にかかる第1〜第4の抗力は、第1の実施形態にかかる第1〜第4の抗力とは逆向きに作用する。
[第2の実施形態]
以下、図15〜図19を参照しながら、第2の実施形態を説明する。尚、第1の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付して、その説明を省略することとする。
[半導体装置の構成]
先ず、図15を参照して、半導体装置の構成を説明する。
【0081】
図15は、第2の実施形態にかかる半導体装置の断面図であって、第4のバンプ120dが含まれる断面を示している。即ち、図15は、図2とは異なる断面を示している。
【0082】
図15に示すように、第2の実施形態にかかる回路基板200は、第1の実施形態とは異なる第1〜第4の上面電極623a〜623dを備える。
[回路基板の構成]
図16は、第2の実施形態にかかる回路基板200の上面図である。図16に示すように、第2の実施形態にかかる第1〜第4の上部電極623a〜623dは、それぞれ第1〜第4の突起部626a〜626dを備えている。図16では、図面の明瞭化をはかるために、第1〜第4の突起部626a〜626dにハッチングを施している。
【0083】
第1〜第4の突起部626a〜626dは、第1〜第4のパッド部625a〜625d上に配置されているが、第1の実施形態にかかる第1〜第4のパッド部225a〜225dと異なり、第1〜第4のパッド部625a〜625dの長手方向に沿うように配置されている。
【0084】
第1〜第4の突起部626a〜626dは、第1〜第4のパッド部625a〜625d上に、それぞれ第1〜第4の搭載部627a〜627dを規定している。第1〜第4の突起部626a〜626dの幅寸法、即ち短手方向の寸法は、第1〜第4のパッド部625a〜625dの幅寸法、即ち短手方向の寸法の約半分に設定されている。
【0085】
第1〜第4のパッド部626a〜625d上における、第1〜第4の突起部626a〜626dの位置は、第1〜第4のパッド部626a〜626dごとに異なる。
【0086】
例えば、第1の突起部626aは、第1のパッド部625aの第4の基板縁210d側の端部に位置していて、第3の基板縁210c側の部位に、第1の規制面629aが形成されている。第2の突起部626bは、第2のパッド部625bの第3の基板縁210c側の端部に位置していて、第4の基板縁210d側の部位に、第2の規制面629bが形成されている。第3の突起部626cは、第3のパッド部625cの第2の基板縁210b側の端部に位置していて、第1の基板縁210a側の部位に、第3の規制面629cが形成されている。第4の突起部626dは、第4のパッド部625dの第1の基板縁210a側の端部に位置していて、第2の基板縁210b側の部位に、第4の規制面629dが形成されている。
【0087】
第1〜第4の規制面629a〜629dは、それぞれ向きが異なるが、何れも半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dが回路基板200の実装表面と平行に移動するのを規制する。
【0088】
以上のような第1、第2の上面電極623a、623bは、第1の規制面629aが第2の規制面629bよりも第4の基板縁210d側に位置するように配置されている。従って、本実施形態にかかる第1の上面電極623a及び第2の上面電極623bは、回路基板200の第4の基板縁210d(又は第3の基板縁210c)から等距離に配置されているわけではない。又、第3、第4の上面電極623c、623dは、第3の規制面629cが第4の規制面629dよりも第2の基板縁210b側に位置するように配置されている。従って、第3の上面電極623c及び第4の上面電極623dは、回路基板200の第2の基板縁210b(又は第1の基板縁210a)から等距離に配置されているわけではない。このように第1〜第4の上面電極623a〜623dを配置することにより、半導体チップ100を回路基板200に接近させたときに、第1〜第4のバンプ120a〜120dが、それぞれ第1〜第4の規制面629a〜629dに接触することができるのである。
[半導体チップの位置決めプロセス]
次に、図17、図18を参照して、半導体チップ100の位置決めプロセスを説明する。
【0089】
図17、図18は、第2の実施形態にかかる半導体チップ100の位置決めプロセスの説明図である。図17、図18中の符号120a〜120dは、第1〜第4のバンプ120a〜120dの外形ではなく、第1〜第4のバンプ120a〜120dの断面を示している。ここでは、第1〜第4の突起部626a〜626dの上面が含まれる平面で、第1〜第4のバンプ120a〜120dを切断している。
【0090】
先ず、半導体チップ100を吸着した加圧ヘッドHを駆動して、図17(a)に示すように、第1〜第4のバンプ120a〜120dの中心軸Oa〜Odが、それぞれ第1〜第4の搭載部627a〜627d上に配置されるように、半導体チップ100を位置決めする。そして、加圧ヘッドHを降下させて、半導体チップ100を回路基板200に接近させる。尚、半導体チップ100及び加圧ヘッドHは、図17、図18に示されていない。
【0091】
このとき、半導体チップ100が第4の基板縁210d側(図17の下側)にずれていると、図17(b)に示すように、最初に第1のバンプ120aが第1の突起部626aに接触する。第2〜第4のバンプ120b〜120dは、第2〜第4の突起部626b〜626dに接触していない。
【0092】
そして、第1のバンプ120aが第1の突起部626aに接触したら、加圧ヘッドHによる半導体チップ100の回路基板200への加圧を開始する。半導体チップ100が回路基板200に加圧されると、第1の突起部626aから第1のバンプ120aに、回路基板200の実装表面と平行な第1の抗力F2aが作用する。これにより、半導体チップ100は、第1〜第4のバンプ120a〜120dと共に、矢印B方向に移動する。
【0093】
このとき、半導体チップ100が回転をせずに移動すれば、第2〜第4のバンプ120b〜120dは、図18(c)に示すように、それぞれ第2〜第4の突起部626b〜626dに、ほとんど同時に接触する。
【0094】
第2のバンプ120bが第2の突起部626bに接触すると、第2の突起部626bから第2のバンプ120bに、第1の抗力F2aを相殺する第2の抗力F2bが作用して、半導体チップ100の移動を停止させる。又、第3、第4のバンプ120c、120dが第3、第4の突起部626c、626dに接触すると、第3、第4の突起部626c、626dから第3、第4のバンプ120c、120cに、それぞれ回路基板200の実装表面と平行で、互いに相殺する第3、第4の抗力F2c、F2dが作用する。第3、第4の抗力F2c、F2dは、第1、第2の抗力F2a、F2bに起因する回転モーメントを相殺するので、半導体チップ100が第1〜第4の抗力F2a〜F2dにより回転することはない。このように、第1〜第4のバンプ120a〜120dが、それぞれ第1〜第4の突起部626a〜626dに接触すると、第1〜第4のバンプ120a〜120dの移動及び回転が規制され、半導体チップ100が静止する。こうして、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、第1〜第4の上面電極623a〜623dに対して、正確に位置決めされる。そして、第1〜第4のバンプ120a〜120dが正確に位置決めされると、半導体チップ100も同様に、回路基板200に対して、正確に位置決めされる。
【0095】
これまで、半導体チップ100が回転をせずに移動する場合を説明したが、加圧ヘッドHの吸着力や静止摩擦係数によっては、半導体チップ100が回転しながら移動することもある。例えば、図17(b)に示すように、第1の突起部626aから第1のバンプ120aに第1の抗力F2aが作用すると、半導体チップ100が時計方向に回転することがある。このような場合、第2のバンプ120bが第2の突起部626bに接触する前に、第3、第4のバンプ120c、120dが第3、第4の突起部626c、626dに接触する。これにより、第3、第4の突起部626c、626dから第3、第4のバンプ120c、120dに、互いに相殺する第3、第4の抗力F2c、F2dが作用して、半導体チップ100の回転が止められる。即ち、第3、第4のバンプ120c、120dが第3、第4の突起部626c、626dに接触すると、第1の抗力F2aに起因する回転モーメントを相殺するように、第3、第4の抗力F2c、F2dが作用して、半導体チップ100の回転が規制されるのである。そして、半導体チップ100は、第1の抗力F2aに起因して、第1〜第4のバンプ120a〜120dと共に、矢印B方向に移動する。そして、第2のバンプ120bが第2の突起部626bに接触すると、第2の突起部626bから第2のバンプ120bに、第1の抗力F2aを相殺する第2の抗力F2bが作用して、半導体チップ100の移動を停止させる。このように、第1〜第4のバンプ120a〜120dが、それぞれ第1〜第4の規制面629a〜629dに接触すると、半導体チップ100の移動及び回転が規制され、半導体チップ100が静止する。こうして、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、第1〜第4の上面電極623a〜623dに対して、正確に位置決めされる。そして、第1〜第4のバンプ120a〜120dが位置決めされると、図19に示すように、半導体チップ100も同様に、回路基板200に対して、正確に位置決めされる。
【0096】
従って、半導体チップ100のファインピッチ化に付随して、第1〜第4の上面電極623a〜623dの幅寸法が小さくなっても、第1〜第4のバンプ120a〜120dを、第1〜第4の上面電極623a〜623dに対して、正確に位置決めすることができる。しかも、半導体チップ100の加圧開始時に、第1〜第4のバンプ120a〜120dの中心軸Oa〜Odを第1〜第4の搭載部627a〜627d上に配置するだけなので、位置決め作業が困難になることもない。
【0097】
半導体チップ100が正確に位置決めされたら、さらに半導体チップ100を回路基板200に加圧する。すると、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、第1〜第4の突起部626a〜626dから第1〜第4の搭載部627a〜627d側に塑性流動して、図18(d)に示すように、それぞれ第1〜第4の突起部626a〜626d及び第1〜第4の搭載部627a〜627d上に接続される。このときも、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ第1〜第4の突起部626a〜626dに掛止されている。即ち、第1〜第4のバンプ120a〜120dには、それぞれ第1〜第4の抗力F2a〜F2dが作用している。従って、半導体チップ100を回路基板200に加圧している過程で、半導体チップ100が回路基板200のX方向又はY方向において、位置ずれを起こすことがない。よって、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の上面電極623a〜623dから脱落することもない。
【0098】
以上のように、本実施形態では、半導体チップ100が回路基板200に対して僅かにずれていても、半導体チップ100を回路基板200に接近させる過程で、第1〜第4のバンプ120a〜120dの位置が徐々に補正されて、半導体チップ100が正確に位置決めされる。即ち、半導体チップ100を回路基板200に接近させると、第1〜第4のバンプ120a〜120dが自ら正しい位置に近づき、半導体チップ100が正確に位置決めされるのである。しかも、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の規制面629a〜629dに掛止されているので、半導体チップ100を回路基板200に加圧する過程で、半導体チップ100が位置ずれを起こすこともない。即ち、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の上面電極623a〜623dから脱落することもない。
【0099】
本実施形態によれば、第1〜第4のパッド部625a〜625d上に、それぞれ第1〜第4の突起部626a〜626dを形成するだけで、半導体チップ100を正確に位置決めすることができる。従って、回路基板200に形成される第1〜第4の上面電極を拡幅化する必要がない。よって、半導体チップ100の更なるファインピッチ化にも充分に対応することができる。
【0100】
尚、本実施形態では、全ての第1の上面電極623aが第1の突起部626aを備えている。しかし、本実施形態は、これに限定されない。例えば、第1の上面電極623aの少なくとも1つが第1の突起部626aを備えていれば良い。第2〜第4の上面電極623b〜623dも同様である。
【0101】
又、本実施形態において、第1の上面電極623aは、第2の上面電極623bよりも、第4の基板縁210d側に配置されている。しかし、本実施形態は、これに限定されるものではない。即ち、第1の規制面629aが第2の規制面629bよりも第4の基板縁210d側に位置するのであれば、第1、第2の上面電極623a、623bの配置や形状は特に限定されない。例えば、第1、第2の上面電極623a、623bを第4の基板縁210dから等距離に配置すると共に、第1、第2の突起部626a、626bの幅寸法意を第1、第2のパッド部625a、625bの幅寸法の半分未満に設定しても良い。このようにしても、第1の規制面629aを第2の規制面629bよりも第4の基板縁210d側に配置することができる。第3、第4の上面電極623c、623dも同様である。
[変形例1]
以下、図20を参照しながら、第2の実施形態の変形例1を説明する。
【0102】
図20は、第2の実施形態の変形例1にかかる半導体チップ100の位置決めの説明図である。
【0103】
本変形例にかかる回路基板200は、半導体チップ100が第3、第4のバンプ120c、120dを備えていないことを想定して、図20に示すように、第1、第2のバンプ120a、120bに対応する第1、第2の上面電極723a、723bだけを備えている。第1、第2の上面電極723a、723bは、何れも、第1、第2のパッド部725a、725b上における、第1、第2の突起部726a〜726bの位置により、第1のタイプT1と第2のタイプT2とに分類される。図20では、図面の明瞭化をはかるために、第1、第2の突起部726a、726bにハッチングを施している。
【0104】
第1のタイプT1に含まれる第1の上面電極723a及び第2のタイプT2に含まれる第1の上面電極723aは、個数及びピッチ間隔が等しい。同様に、第1のタイプT1に含まれる第2の上面電極723b及び第2のタイプT2に含まれる第2の上面電極723bは、個数及びピッチ間隔が等しい。
【0105】
第1のタイプT1は、第1、第2のパッド部725a、725bの第3の基板縁210c側の端部に、それぞれ第1、第2の突起部726a、726bを備え、第1、第2の突起部726a、726bの第4の基板縁210d側に指向する部位に、第1、第2の規制面729a、729bが形成されている。そして、第1のタイプT1にかかる第1、第2の突起部726a、726bは、第1、第2のパッド部725a、725b上の、第4の基板縁210d側の位置に、それぞれ第1、第2の搭載部727a、727bを規定している。
【0106】
第2のタイプT2は、第1、第2のパッド部725a、725bの第4の基板縁210d側の端部に、それぞれ第1、第2の突起部726a、726bを備え、第1、第2の突起部726a、726bの第3の基板縁210c側に指向する部位に、第1、第2の規制面729a、729bが形成されている。そして、第2のタイプT2にかかる第1、第2の突起部726a、726bは、第1、第2のパッド部725a、725b上の、第3の基板縁210c側の位置に、それぞれ第1、第2の搭載部727a、727bを規定している。
【0107】
即ち、第1の規制面729aの向きは、第1のタイプT1と第2のタイプT2とで逆転している。同様に、第2の規制面729bの向きは、第1のタイプT1と第2のタイプT2とで逆転している。又、第1の搭載部727aの位置は、第1のタイプT1と第2のタイプT2とで逆転している。同様に、第2の搭載部727bの位置は、第1のタイプT1と第2のタイプT2とで逆転している。
【0108】
以上のような第1、第2の上面電極723a、723bは、第1のタイプT1と第2のタイプT2との境界部分に、それぞれのピッチ間隔よりも大きい隙間、即ち上面電極が形成されていない区間Ra、Rbが配置されている。このように第1、第2の上面電極723a、723bを配置することにより、半導体チップ100を回路基板200に接近させたときに、第1、第2のバンプ120a、120bの中心軸Oa、Obが、それぞれ第1、第2の搭載部727a、727b上に配置され、且つ、第1、第2のバンプ120a、120bが、それぞれ第1の規制面729a、729bに接触することができるのである。
【0109】
本変形例を採用した場合、第1、第2のバンプ120a、120bの中心軸Oa、Obが、それぞれ回路基板200の第1、第2の搭載部727a、727b上に配置されるように、半導体チップ100を位置決めして、半導体チップ100を回路基板200に加圧すれば、前述のように、半導体チップ100を正確に位置決めすることができる。
【0110】
但し、本変形例にかかる第1、第2の上面電極723a、723bは、第2の実施形態と異なるので、半導体チップ100を回路基板200に加圧する際に、第1、第2のバンプ120a、120bに作用する抗力は、第2の実施形態にかかる第1の抗力F2a、F2bと異なる。
【0111】
例えば、半導体チップ100を回路基板200に加圧する際、第1のタイプT1では、第1の上面電極723aの第1の突起部726aから第1のバンプ120aに、回路基板200の実装表面と平行な第1の抗力Ft1aが作用する。又、第2の上面電極723bの第2の突起部726bから第2のバンプ120bに、回路基板200の実装表面と平行な第3の抗力Ft1bが作用する。そして、第2のタイプT2では、第1の上面電極723aの第1の突起部726aから第1のバンプ120aに、第1の抗力Ft1aを相殺する第2の抗力Ft2aが作用する。又、第2の上面電極723bの第2の突起部726bから第2のバンプ120bに、第3の抗力Ft1bを相殺する第4の抗力Ft2bが作用する。
【0112】
尚、本変形例は、半導体チップ100が第3、第4のバンプ120c、120dを備えていないことを想定しているが、これに限定されるものではない。例えば、半導体チップ100が第1〜第4のバンプ120a〜120dを備えていても良い。その場合、第3、第4のバンプ120c、120dを接続するための第3、第4の上面電極(図示しない)の形態は、特に限定されるものではない。しかし、本変形例にかかる第1、第2の上面電極723a、723bに対応する上面電極(図示しない)を、回路基板200の第3、第4の基板縁210c、210dに沿うように配置して、これらを第3、第4の上面電極としても良い。
[変形例2]
以下、図21を参照しながら、第2の実施形態の変形例2を説明する。
【0113】
図21は、第2の実施形態の変形例2にかかる半導体チップ100の位置決めの説明図である。
【0114】
図21に示すように、本変形例にかかる第2の上面電極723bは、第1、第2のタイプT1、T2の配置が第1の実施形態と反転している。本変形例のように、第1、第2のタイプT1、T2の配置が反転していても、変形例1と同様に、半導体チップ100を正確に位置決めすることができる。但し、第1、第2のタイプT1、T2の配置の反転に付随して、第1のタイプT1と第2のタイプT2との境界部分に形成された、第2の上面電極723bが形成されていない区間Rbは、第2の上面電極723bのピッチ間隔よりも小さくなる。
【0115】
尚、本変形例では、第2の上面電極723bにつき、第1、第2のタイプT1、T2の配置を変形例1から反転させているが、これに限定されるものではなく、第1、第2の上面電極723a、723bの何れか、もしくは双方につき、第1、第2のタイプT1、T2の配置を変形例1から反転させても良い。
[第3の実施形態]
以下、図22〜図28を参照しながら、第3の実施形態を説明する。尚、第1、第2の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付して、その説明を省略することとする。
[半導体装置の構成]
先ず、図22〜図24を参照して、半導体装置の構成を説明する。
【0116】
図22は、第3の実施形態にかかる半導体装置の断面図であって、図2に対応する断面を示している。図22に示すように、第3の実施形態にかかる回路基板200は、第1の実施形態とは異なる第1〜第4の上面電極823a〜823dを備える。さらに、第3の実施形態にかかる回路基板200は、変形吸収膜821を備える。
[回路基板の構成]
図23は、第3の実施形態にかかる回路基板200の上面図である。図24は、第3の実施形態にかかる回路基板200の断面図であって、図23のIIXIV−IIXIVにおける断面を示している。
【0117】
図23又は図24に示すように、第3の実施形態にかかる回路基板200は、第1の実施形態にかかる第1〜第4のパッド部225a〜225dを備えているが、第1〜第4の突起部226a〜226dを備えていない。そして、第1の実施形態にかかる第1〜第4のパッド部225a〜225dを、それぞれ第1〜第4の内部配線パターン225a〜225dとして用いている。
【0118】
さらに、第3の実施形態にかかる回路基板200は、第1〜第4の内部配線パターン225a〜225d及び上面絶縁膜222を被覆する変形吸収膜821を備えている。変形吸収膜821の材料としては、第1〜第4の内部配線パターン225a〜225d及び上面絶縁膜222よりも剛性が低い材料、例えばエポキシ樹脂やフェノール樹脂が用いられる。変形吸収膜821の膜厚は、例えば約20μm〜40μmである。
【0119】
変形吸収膜821は、第1〜第4の内部配線パターン225a〜225d及び上面絶縁膜222上に形成され、第1〜第4の内部配線パターン225a〜225dに対応する位置には、それぞれ第1〜第4のポスト部822a〜822dが埋め込まれている。第1〜第4のポスト部822a〜822dは、第1〜第4の内部配線パターン225a〜225dの幅方向全体に形成され、それぞれ第1〜第4の内部配線パターン225a〜225dに電気的に接続されている。第1〜第4のポスト部822a〜822dの材料としては、変形吸収膜821よりも剛性が高い導電性材料、例えばCuなどの金属が用いられる。第1〜第4のポスト部822a〜822dの膜厚は、変形吸収膜821の膜厚と同等である。
【0120】
第3の実施形態にかかる第1〜第4の上面電極823a〜823dは、第1〜第4の内部配線パターン225a〜225dに対応するように配列され、それぞれ第1〜第4の固定部824a〜824dと、第1〜第4の可撓梁部825a〜825dと、を備える。
【0121】
第1〜第4の固定部824a〜824dは、それぞれ第1〜第4のポスト部822a〜822d上に配置され、第1〜第4のポスト部822a〜822dに電気的に接続されている。第1〜第4の可撓梁部825a〜825dは、それぞれ変形吸収膜821上に配置され、半導体チップ100の第1〜第4のポスト部822a〜822dから離間するにつれて、コア材210に接近するように撓んでいる。
【0122】
半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ第1〜第4の可撓梁部825a〜825dに接続される。従って、第1のポスト部822aと第2のポスト部822bとの間隔G1は、第1のバンプ120aの中心軸Oaと第2のバンプ120bのObとの間隔G4よりも大きくなるように設定される。より好ましくは、第1のポスト部822aと第2のポスト部822bとの間隔G1は、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔G2に、第1、第2のバンプ120a、120bの直径dの2倍(=2d)を加算した距離G3よりも大きくなるように設定される。これを採用すれば、第1、第2のバンプ120a、120bの全体を、第1、第2の可撓梁部825a、825bに接続することができる。即ち、第1、第2のバンプ120a、120bが第1、第2の固定部824a、824bに接続されないように、半導体チップ100を位置決めすることができる。同様に、第3のポスト部822cと第4のポスト部822dとの間隔G1は、第3のバンプ120cの中心軸Ocと第4のバンプ120dの中心軸Odとの間隔G4よりも大きくなるように設定される。より好ましくは、第3のポスト部822cと第4のポスト部822dとの間隔G1は、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔G2に、第3、第4のバンプ120c、120dの直径dの2倍(=2d)を加算した距離G3よりも大きくなるように設定される。これを採用すれば、第3、第4のバンプ120c、120dの全体を、第3、第4の可撓梁部825c、825dに接続することができる。即ち、第3、第4のバンプ120c、120dが第3、第4の固定部824c、824dに接続されないように、半導体チップ100を位置決めすることができる。
[回路基板の製造方法]
次に、図25を参照して、回路基板の製造方法を説明する。
【0123】
図25は、第3の実施形態にかかる回路基板200の製造方法の説明図である。
【0124】
先ず、図25(a)に示すように、所謂ガラスエポキシ基板200aを用意する。ガラスエポキシ基板200aは、第1の実施形態にかかる回路基板200から第1〜第4の突起部226a〜226dを除き、本実施形態にかかる第1〜第4の内部配線パターン225a〜225dとして利用する第1〜第4のパッド部225a〜225dを残したものである。
【0125】
次に、図25(b)に示すように、ガラスエポキシ基板200aの上面に、変形吸収膜821を成膜する。変形吸収膜821の成膜方法としては、例えばスクリーン印刷法やスピンコート法を用いても良い。変形吸収膜821の膜厚は、例えば20mm〜40mmとする。そして、変形吸収膜821における、第1〜第4の内部配線パターン225a〜225dに対応する位置に、それぞれ開口821aを形成する。開口821aの形成方法としては、例えばレーザ加工やエッチング法が用いられる。レーザ加工を採用する場合、第1〜第4の内部配線パターン225a〜225dを加工停止面としても良い。エッチング法を採用する場合、変形吸収膜821の材料に応じたエッチャントを用いれば良い。例えば、変形吸収膜821の材料がエポキシ樹脂であれば、エッチャントとして、例えば濃硫酸、クロム酸、アルカリ過マンガン酸塩などを用いても良い。尚、変形吸収膜821を成膜した後に、変形吸収膜821の表面を平坦化するために、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)を実施しても良い。
【0126】
次に、図25(c)に示すように、変形吸収膜821上に、例えばCuなどのシード層(図示しない)を形成して、当該シード層を給田層として、電解メッキにより、例えばCuなどの金属膜(図示しない)を形成する。このとき、変形吸収膜821に形成された開口821a内に金属膜が埋め込まれ、第1〜第4のポスト部822a〜822dとなる。そして、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)により、金属膜の不要な部分を除去して、該金属膜の表面を平坦化する。そして、金属膜上にレジストパターン(図示しない)を形成し、当該レジストパターンをマスクとして、金属膜をエッチングすることにより、第1〜第4の上面電極823a〜823dを形成する。
【0127】
以上で、第3の実施形態にかかる回路基板200が完成する。このように、通常の半導体装置に使用されるガラスエポキシ基板に、成膜及びエッチングを実施するだけで、簡単に回路基板200を製造することができる。
[半導体装置の製造方法]
次に、図26、図27を参照して、半導体装置の製造方法を説明する。
【0128】
図26、図27は、第3の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の説明図である。
【0129】
先ず、図26(a)に示すように、回路基板200の上面に、例えばディスペンス法により、エポキシ系樹脂Lを供給する。エポキシ系樹脂Lとしては、例えばエポキシ樹脂にシリカなどのフィラーを添加したものである。
【0130】
次に、図26(b)に示すように、加圧ヘッドHの下面に、半導体チップ100を吸着して、第1〜第4のバンプ120a〜120dの中心軸Oa〜Odが、それぞれ第1〜第4の可撓梁部825a〜825d上に配置されるように、半導体チップ100を位置決めする。このとき、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ、チップ本体110から離間するにつれて縮径する円錐状に形成されている。即ち、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ尖鋭な先端部を備えている。
【0131】
次に、図27(c)に示すように、半導体チップ100を吸着した加圧ヘッドHを降下させて、半導体チップ100を回路基板200に接近させる。これにより、回路基板200上に供給されたエポキシ系樹脂Lが半導体チップ100により押し広げられて、半導体チップ100及び回路基板200の隙間が充填される。
【0132】
そして、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の可撓梁部825a〜825dに接触したら、半導体チップ100の回路基板200への加圧を開始する。すると、第1〜第4の可撓梁部825a〜825dは、それぞれ第1〜第4のバンプ120a〜120dに押圧されて、コア材210に接近するように湾曲する。これにより、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、後述する位置決めプロセスを経て、第1〜第4の上面電極823a〜823dに対して、正確に位置決めされる。第1〜第4のバンプ120a〜120dが正確に位置決めされると、半導体チップ100も同様に、回路基板200に対して、正確に位置決めされる。
【0133】
そして、さらに半導体チップ100を加圧して、第1〜第4のバンプ120a〜120dを、それぞれ第1〜第4の可撓梁部825a〜825dに接続する。このとき、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、第1〜第4の可撓梁部823a〜823dの形状に応じて変形する。これにより、第1〜第4のバンプ120a〜120dの尖鋭な先端部が平坦化される。
【0134】
そして、第1〜第4のバンプ120a〜120dが、それぞれ第1〜第4の可撓梁部825a〜825dに接続されたら、半導体チップ100を回路基板200に加圧したまま、加圧ヘッドHに設けられたヒータ(図示しない)で半導体チップ100を加熱して、半導体チップ100及び回路基板200の隙間に存在するエポキシ系樹脂Lを凝固させる。これにより、エポキシ系樹脂Lが収縮して、半導体チップ100及び回路基板200が接合される。このように、半導体チップ100を回路基板200に加圧しながら、半導体チップ100を回路基板200に接合するので、完成後の半導体装置においても、第1〜第4の可撓梁部825a〜825dは、コア材210側に湾曲している。
【0135】
次に、図27(d)に示すように、回路基板200の下面電極233に、それぞれ半田ボール400を取り付ける。以上で、第3の実施形態にかかる半導体装置が完成する。
[半導体チップの位置決めプロセス]
次に、図28を参照して、半導体チップ100の位置決めプロセスを説明する。
【0136】
図28は、第3の実施形態にかかる半導体チップ100の位置決めプロセスの説明図であって、第1、第2のバンプ120a、120bと第1、第2の上面電極823a、823bとの連携の様子を示している。
【0137】
先ず、図28(a)に示すように、半導体チップ100を吸着した加圧ヘッドH(図示しない)を駆動して、第1〜第4のバンプ120a〜120dの中心軸Oa〜Odが、第1〜第4の可撓梁部825a〜825d上に配置されるように、半導体チップ100を位置決めする。
【0138】
次に、加圧ヘッドHを降下させて、半導体チップ100を回路基板200に接近させる。そして、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の可撓梁部825a〜825dに接触したら、半導体チップ100の回路基板200への加圧を開始する。すると、第1〜第4の可撓梁部825a〜825dは、それぞれ回路基板200の内側に進むにつれてコア材210に接近するように湾曲する。これにより、図28(b)に示すように、第1〜第4の可撓梁部825a〜825dから第1〜第4のバンプ120a〜120dに、それぞれ第1〜第4の抗力F3a〜F3dが作用する。このとき、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、第1の基板縁210a側(図28の左側)にずれていると、第1のポスト部822aと第1のバンプ120aのとの距離は、第2のポスト部822bと第2のバンプ120bとの距離よりも小さくなる。即ち、第1のバンプ120aは、第1のポスト部822aに近い位置で第1の可撓梁部825aに接触するが、第2のバンプ120bは、第2のポスト822bに遠い位置で第2の可撓梁部825bに接触する。従って、第1、第2のバンプ120a、120bの降下量が同じであるにも関わらず、第1の可撓梁部825aは、第2の可撓梁部825bよりも大きく撓むことになる。このため、第1の可撓梁部825aの上面部分は、第2の可撓梁部825bの上面部分よりも急峻な角度で傾斜する。従って、第1の可撓梁部825aから第1のバンプ120aに作用する第1の抗力F3aは、第2の可撓梁部825bから第2のバンプ120bに作用する第2の抗力F3bよりも大きくなる。このため、第1、第2のバンプ120a、120bは、第1、第2の抗力F3a、F3bの合力により、第1、第2の可撓梁部825a、825b上を滑動しながら、第2の基板縁210b側(図28の右側)に移動する。
【0139】
第1、第2のバンプ120a、120bが第2の基板縁210b側に移動すると、第1、第2の可撓梁部825a、825bの撓みは、徐々に均一化されていく。そして、図28(c)に示すように、第1のバンプ120aから第1のポスト部822aまでの距離が、第2のバンプ120bから第2のポスト部822bまでの距離に等しくなると、第1、第2の可撓梁部825a、825bの撓みが同等になる。すると、第1、第2のバンプ120a、120bに作用していた第1、第2の抗力F3a、F3bが釣り合い、即ち互いに相殺して、半導体チップ100の移動が停止する。こうして、第1、第2のバンプ120a、120bは、第1、第2の可撓梁部825a、825bの長手方向、即ち回路基板200のX方向において、正確に位置決めされる。そして、第1、第2のバンプ120a、120bが、回路基板200のX方向において、正確に位置決めされると、半導体チップ100も同様に、回路基板200のX方向において、正確に位置決めされる。
【0140】
以上のように、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、正確に位置決めされると、第1の実施形態と同様に、第3、第4のバンプ120c、120dも、回路基板200のX方向において、正確に位置決めされる。即ち、第3、第4のバンプ120c、120dは、第3、第4の上面電極823c、823dの幅方向、即ち短手方向に対して、正確に位置決めされる。従って、半導体チップ100のファインピッチ化に付随して、第3、第4の上面電極823c、823dの幅寸法が小さくなっても、第3、第4のバンプ120c、120dを、第3、第4の上面電極823a、823bに、確実に実装することができる。しかも、半導体チップ100の加圧開始時に、第1、第2のバンプ120a、120bを第1、第2の可撓梁部825a、825b上に配置するだけなので、位置決め作業が困難になることもない。
【0141】
これまで、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、第1の基板縁210a側(図28の左側)にずれていることを想定していたが、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、第2の基板縁210b側(図28の右側)に僅かにずれているときも同様である。
【0142】
半導体チップ100が回路基板200のX方向において正確に位置決めされたら、さらに半導体チップ100を回路基板200に加圧する。すると、第1、第2のバンプ120a、120bは、尖鋭な先端部が平坦化され、第1、第2の可撓梁部825a、825bに接続される。このときも、第1、第2のバンプ120a、120bは、それぞれ第1、第2の可撓梁部825a、825bの、傾斜した上面部分に掛止されている。即ち、第1、第2のバンプ120a、120bには、それぞれ第1、第2の抗力F3a、F3bが作用している。従って、半導体チップ100を回路基板200に加圧している過程で、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、位置ずれを起こすことがない。よって、半導体チップ100を回路基板200に実装する過程で、第3、第4のバンプ120c、120dが第3、第4の可撓梁部825c、825dから脱落することもない。
【0143】
これまで、第1、第2のバンプ120a、120bと第1、第2の上面電極823a、823bとの連携に着目して説明してきたが、第3、第4のバンプ120c、120dと第3、第4の上面電極823c、823dとの連携も同様である。
【0144】
例えば、半導体チップ100が回路基板200のY方向において、第3の基板縁210c側にずれていると、第3の可撓梁部825cから第3のバンプ120cに作用する第3の抗力F3cは、第4の可撓梁部825dから第4のバンプ120dに作用する第4の抗力F3dよりも大きくなる。このため、第3、第4のバンプ120c、120dは、第3、第4の抗力F3c、F3dの合力により、第3、第4の可撓梁部825c、825d上を滑動しながら、第4の基板縁210d側に移動する。
【0145】
第3、第4のバンプ120c、120dが第4の基板縁210d側に移動すると、第3、第4の可撓梁部825c、825dの撓みは、徐々に均一化されていく。そして、第3のバンプ120cから第3のポスト部822cまでの距離が、第4のバンプ120dから第4のポスト部822dまでの距離に等しくなると、第3、第4の可撓梁部825c、825dの撓みが同等になる。すると、第3、第4のバンプ120c、120dに作用していた第3、第4の抗力F3c、F3dが釣り合い、即ち互いに相殺して、半導体チップ100の移動が停止する。こうして、第3、第4のバンプ120c、120dは、第3、第4の可撓梁部825c、825dの長手方向、即ち回路基板200のY方向において、正確に位置決めされる。そして、第3、第4のバンプ120c、120dが、回路基板200のY方向において、位置決めされると、半導体チップ100も同様に、回路基板200のY方向において、正確に位置決めされる。
【0146】
以上のように、半導体チップ100が回路基板200のY方向において、正確に位置決めされると、第1の実施形態と同様に、第1、第2のバンプ120a、120bも、回路基板200のY方向において、正確に位置決めされる。即ち、第1、第2のバンプ120a、120bは、第1、第2の上面電極823a、823bの幅方向、即ち短手方向に対して、正確に位置決めされる。従って、半導体チップ100のファインピッチ化に付随して、第1、第2の上面電極823a、823bの幅寸法が小さくなっても、第1、第2のバンプ120a、120bを、第1、第2の上面電極823a、823bに、確実に実装することができる。しかも、半導体チップ100の加圧開始時に、第3、第4のバンプ120c、120dを、第3、第4の可撓梁部825c、825d上に配置するだけなので、位置決め作業が困難になることもない。
【0147】
これまで、半導体チップ100が回路基板200のY方向において、第3の基板縁210c側にずれていることを想定していたが、半導体チップ100が回路基板200のY方向において、第4の基板縁210d側に僅かにずれているときも同様である。
【0148】
半導体チップ100が回路基板200のY方向において正確に位置決めされたら、さらに半導体チップ100を回路基板200に加圧する。すると、第3、第4のバンプ120c、120dは、尖鋭な先端部が平坦化され、第3、第4の可撓梁部825c、825dに接続される。このときも、第3、第4のバンプ120c、120dは、それぞれ第3、第4の可撓梁部825c、825dの、傾斜した上面部分に掛止されている。即ち、第3、第4のバンプ120c、120dには、それぞれ第3、第4の抗力F3c、F3dが作用している。従って、半導体チップ100を回路基板200に加圧している過程で、半導体チップ100が回路基板200のY方向において、位置ずれを起こすことがない。よって、半導体チップ100を回路基板200に実装する過程で、第1、第2のバンプ120a、120bが第1、第2の可撓梁部825a、825bから脱落することもない。
【0149】
尚、ここでは、半導体チップ100のX方向及びY方向の位置決めを、別個に説明してきたが、半導体チップ100のX方向及びY方向の位置決めは、同時に進行するものである。
【0150】
以上のように、本実施形態では、半導体チップ100が回路基板200のX方向又はY方向に僅かにずれていても、半導体チップ100を回路基板200に接近させる過程で、半導体チップ100の位置が徐々に補正されて、半導体チップ100が正確に位置決めされる。即ち、半導体チップ100を回路基板200に接近させると、第1〜第4のバンプ120a〜120dが自ら正しい位置に近づき、半導体チップ100が正確に位置決めされるのである。しかも、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の可撓梁部825a〜825dの、傾斜した上面部分に掛止されているので、半導体チップ100を回路基板200に加圧する過程で、半導体チップ100が位置ずれを起こすこともない。即ち、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の可撓梁部825a〜825dから脱落することもない。
【0151】
本実施形態によれば、第1〜第4の上面電極823a〜823dに、第1〜第4のポスト部822a〜822d上に配置される第1〜第4の固定部824a〜824dと、変形吸収膜821上に配置される第1〜第4の可撓梁部825a〜825dと、を備えるだけで、半導体チップ100を正確に位置決めすることができる。従って、回路基板200に形成される第1〜第4の上面電極823a〜823dを拡幅化する必要がない。よって、半導体チップ100の更なるファインピッチ化にも充分に対応することができる。
【0152】
尚、本実施形態では、変形吸収膜821の材料として、第1〜第4のポスト部822a〜822dよりも剛性が低いものを用いているが、半導体チップ100を回路基板200に実装するときに、第1〜第4のポスト部822a〜822dよりも剛性が低ければ良い。例えば、変形吸収膜821の材料として、熱可塑性樹脂を用いれば、半導体チップ100を加熱したときに、熱硬化性樹脂が軟化するため、第1〜第4の可撓梁部825a〜825dは、より撓みやすい。しかも、半導体チップ100の加熱後、変形吸収膜821の温度が低下すると、変形吸収膜821が自然に硬化するので、半導体装置の完成後でも、回路基板200に所望の強度を持たせることができる。但し、半導体装置の運用時の発熱により、変形吸収膜821が軟化、流動化しないように、材料を選択する必要がある。又、変形吸収膜821の材料として、Bステージ樹脂を用いれば、半導体チップ100を加熱したときに、変形吸収膜821がBステージに遷移して軟化するため、第1〜第4の可撓梁部825a〜825dは、より撓みやすい。しかも、半導体チップ100を、さらに加熱すれば、変形吸収膜821がCステージに移行して自然に硬化するので、半導体装置の完成後でも、回路基板200に所望の強度を持たせることができる。但し、半導体チップ100の加熱温度と、変形吸収膜821がBステージに遷移する温度、即ちBステージ温度とが対応するように、材料を選択する必要がある。
[変形例]
以下、図29、図30を参照しながら、第3の実施形態の変形例を説明する。
【0153】
図29は、第3の実施形態の変形例にかかる半導体装置の断面図であって、図22に対応する断面を示している。図30は、第3の実施形態の変形例にかかる回路基板200の断面図であって、図24に対応する断面を示している。
【0154】
本変形例にかかる第1〜第4の上面電極923a〜923dは、第1〜第4のポスト部922a〜922dを基点として、第3の実施形態とは逆側、即ち回路基板200の外側に延びている。即ち、第1〜第4の上面電極923a〜923dは、第1〜第4のポスト部922a〜922d上に配置される第1〜第4の固定部924a〜924dと、変形吸収膜821上に配置され、第1〜第4の固定部924a〜924dから回路基板200の外側に延びる第1〜第4の可撓梁部925a〜925dと、を備える。
【0155】
半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ第1〜第4の可撓梁部925a〜925d上に搭載される。従って、第1のポスト部922aの外側の側面から第2のポスト部922bの外側の側面までの距離G1は、第1のバンプ120aの中心軸Oaと第2のバンプ120bの中心軸Obとの間隔G4よりも小さくなるように設定される。より好ましくは、第1のポスト部922aの外側の表面から第2のポスト部922bの外側の表面までの距離G1は、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔G2よりも小さくなるように設定される。これを採用すれば、第1、第2のバンプ120a、120bの全体を、第1、第2の可撓梁部925a、925bに接続することができる。即ち、第1、第2のバンプ120a、120bが第1、第2の固定部924a、924bに接続されないように、半導体チップ100を位置決めすることができる。同様に、第3のポスト部922cの外側の表面から第4のポスト部922dの外側の表面までの間隔G1は、第3のバンプ120cの中心軸Ocと第4のバンプ120dの中心軸Odとの間隔G4よりも小さくなるように設定される。より好ましくは、第3のポスト部922cの外側の表面から第4のポスト部922dの外側の表面までの距離G1は、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔G2よりも小さくなるように設定される。これを採用すれば、第3、第4のバンプ120c、120dの全体を、第3、第4の可撓梁部925c、925dに接続することができる。即ち、第3、第4のバンプ120c、120dが第3、第4の固定部924c、924dに接続されないように、半導体チップ100を位置決めすることができる。
【0156】
本変形例のように、第1〜第4の上面電極923a〜923dを、第1〜第4のポスト部922a〜922dを基点として、第3の実施形態とは逆側に延在させても良い。本変形例を採用した場合、第1〜第4のバンプ120a〜120dの中心軸Oa〜Odが、第1〜第4の可撓梁部925a〜925d上に配置されるように、半導体チップ100を位置決めして、半導体チップ100を回路基板200に加圧すれば、前述のように、半導体チップ100を正確に位置決めすることができる。但し、第1〜第4の可撓梁部925a〜925dは、第3の実施形態にかかる第1〜第4の可撓梁部825a〜825dとは逆向きに傾斜するので、本変形例にかかる第1〜第4の抗力は、第3の実施形態にかかる第1〜第4の抗力とは逆向きに作用する。
【0157】
以下、これらの実施形態を付記として記載する。
[付記1]
第1の電極及び第2の電極を有する回路基板と、
第1の端子及び第2の端子を有する電子部品と、を備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記第1の端子が接続される第1のパッド部及び前記第2の端子が接続される第2のパッド部を含み、
前記第1の電極は、前記第1のパッド部に対して、前記第1のパッド部及び前記第2のパッド部を通過する直線に平行な第1の方向に配置された、前記第1の突起部に接触する第1の突起部を含み、
前記第2の電極は、前記第2のパッド部に対して、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に配置された、前記第2の突起部に接触する第2の突起部を含み、
前記第1の端子の中心軸は、前記第1の突起部の前記第1のパッド部側に配置され、
前記第2の端子の中心軸は、前記第2の突起部の前記第2のパッド部側に配置されることを特徴とする電子装置。
[付記2]
第1の電極、第2の電極、第3の電極、及び第4の電極を有する回路基板と、
第1の端子、第2の端子、第3の端子、及び第4の端子を有する電子部品と、を備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極は、第1の直線上に配置された、前記第1の端子及び前記第2の端子が接続される第1のパッド部及び第2のパッド部を含み、
前記第3の電極及び前記第4の電極は、前記第1のパッド部及び前記第2のパッド部間で前記第1の直線と交差する第2の直線上であって、前記第1の直線をはさんで配置された、前記第3の端子及び前記第4の端子が接続される第3の電極及び第4の電極を含み、
前記第1の電極は、前記第1のパッド部に対して、前記第1の直線を基準としたときの前記第3のパッド部と同じ側に配置された、前記第1の端子に接触する第1の突起部を含み、
前記第2の電極は、前記第2のパッド部に対して、前記第1の直線を基準としたときの前記第4のパッド部と同じ側に配置された、前記第2の端子に接触する第2の突起部を含み、
前記第3の電極は、前記第3のパッド部に対して、前記第2の直線を基準としたときの前記第1のパッド部と同じ側に配置された、前記第3の端子に接触する第3の突起部を含み、
前記第4の電極は、前記第4のパッド部に対して、前記第2の直線を基準としたときの前記第2のパッド部と同じ側に配置された、前記第4の端子に接触する第4の突起部を含み、
前記第1の端子の中心軸は、前記第1の突起部の前記第1のパッド部側に配置され、
前記第2の端子の中心軸は、前記第2の突起部の前記第2のパッド部側に配置され、
前記第3の端子の中心軸は、前記第3の突起部の前記第3のパッド部側に配置され、
前記第4の端子の中心軸は、前記第4の突起部の前記第4のパッド部側に配置されることを特徴とする電子装置。
[付記3]
回路基板と、前記回路基板に実装される電子部品と、を備え、
前記回路基板は、
基材と、
前記基材の上方に形成される第1の支持体及び第2の支持体と、
前記第1の支持体上に配置される第1の固定部と、前記第1の固定部に対して、前記第1の支持体及び前記第2の支持体を通過する直線に平行な第1の方向に配置される第1の梁部と、を含む第1の電極と、
前記第2の支持体上に配置される第2の固定部と、前記第2の固定部に対して、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に配置される第2の梁部と、を含む第2の電極と、
前記第1の梁部及び前記第2の梁部下に配置され、前記第1の支持体及び前記第2の支持体よりも剛性の低い膜体と、を備え、
前記電子部品は、
部品本体と、
前記部品本体に設けられ、前記第1の梁部上に接続される第1の端子と、
前記部品本体に設けられ、前記第2の梁部上に接続される第2の端子と、を備えることを特徴とする電子装置。
[付記4]
付記3に記載の電子装置において、
前記第1の梁部は、前記第1の支持体から前記第1の方向に離間するにつれて前記基材に近づき、
前記第2の梁部は、前記第2の支持体から前記第2の方向に離間するにつれて前記基材に近づくことを特徴とする電子装置。
[付記5]
付記3に記載の電子装置において、
前記膜体は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする電子装置。
[付記6]
付記3に記載の電子装置において、
前記膜体は、Bステージ樹脂であることを特徴とする電子装置。
[付記7]
電子部品が実装される回路基板において、
基材と、
前記基材の上方に配置される第1の電極及び第2の電極と、
を備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記電子部品の第1の端子及び第2の端子が接続される第1のパッド部及び第2のパッド部を含み、
前記第1の電極は、前記第1のパッド部に対して、前記第1のパッド部及び前記第2のパッド部を通過する第1の直線に平行な第1の方向に配置された、前記第1の端子により加圧された際に、前記第1の端子の側面を前記第1のパッド部側に押圧する第1の突起部を含み、
前記第2の電極は、前記第2のパッド部に対して、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に配置された、前記第2の端子により加圧された際に、前記第2の端子の側面を前記第2のパッド部側に押圧する第2の突起部を含むことを特徴とする回路基板。
[付記8]
電子部品が実装される回路基板において、
基材と、
前記基材の上方に配置された第1の電極、第2の電極、第3の電極、及び第4の電極を備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極は、第1の直線上に配置された、前記電子部品の第1の端子及び第2の端子が接続される第1のパッド部及び第2のパッド部を含み、
前記第3の電極及び前記第4の電極は、前記第1のパッド部及び前記第2のパッド部間で前記第1の直線と交差する第2の直線上であって、前記第1の直線をはさんで配置された、前記電子部品の第3の端子及び第4の端子が接続される第3のパッド部及び第4のパッド部を含み、
前記第1の電極は、前記第1のパッド部に対して、前記第1の直線を基準としたときの前記第3のパッド部と同じ側に配置された、前記第1の端子が加圧された際に、前記第1の端子の側面を前記第1のパッド部側に押圧する第1の突起部と、を含み、
前記第2の電極は、前記第2のパッド部に対して、前記第1の直線を基準としたときの前記第4のパッド部と同じ側に配置された、前記第2の端子が加圧された際に、前記第2の端子の側面を前記第2のパッド部側に押圧する第2の突起部と、を含み、
前記第3の電極は、前記第3のパッド部に対して、前記第2の直線を基準としたときの前記第1のパッド部と同じ側に配置された、前記第3の端子が加圧された際に、前記第3の端子の側面を前記第3のパッド部側に押圧する第3の突起部と、を含み、
前記第4の電極は、前記第4のパッド部に対して、前記第2の直線を基準としたときの前記第2のパッド部と同じ側に配置された、前記第4の端子が加圧された際に、前記第4の端子の側面を前記第4のパッド部側に押圧する第4の突起部と、を含むことを特徴とする回路基板。
[付記9]
電子部品が実装される回路基板において、
基材と、
前記基材の上方に形成される第1の支持体及び第2の支持体と、
前記第1の支持体上に配置される第1の固定部と、前記電子部品の第1の端子が接続される第1の梁部であって、前記第1の固定部に対して、前記第1の支持体及び前記第2の支持体を通過する直線に平行な第1の方向に配置され、前記第1の端子により加圧された際に、前記第1の固定部から離間するにつれて前記基材に接近するように撓むことにより、前記第1の端子を前記第1のパッド部側に押圧する第1の梁部と、を含む第1の電極と、
前記第2の支持体上に配置される第2の固定部と、前記電子部品の第2の端子が接続される第2の梁部であって、前記第2の固定部に対して、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に配置され、前記第2の端子により加圧された際に、前記前記第2の固定部から離間するにつれて前記基材側に接近するように撓むことにより、前記第2の端子を前記第2のパッド部側に押圧する第2の梁部と、を含む第2の電極と、
前記第1の梁部及び前記第2の梁部下に配置され、前記第1の支持体及び前記第2の支持体よりも剛性の低い膜体と、を備えることを特徴とする回路基板。
[付記10]
付記9に記載の回路基板において、
前記膜体は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする回路基板。
[付記11]
付記9に記載の回路基板において、
前記膜体は、Bステージ樹脂であることを特徴とする回路基板。
[付記12]
電子部品の第1の端子により加圧された際に前記第1の端子に対して回路基板の実装表面と平行な第1の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第1の電極に、前記第1の端子を接触させると共に、前記電子部品の第2の端子により加圧された際に前記第2の端子に対して前記第1の抗力を相殺する第2の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第2の電極に、前記第2の端子を接触させる工程と、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧する工程と、
を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
[付記13]
付記12に記載の電子装置の製造方法において、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧するときに、前記第1の端子の側面を、前記第1の電極に形成された第1の突起部の側部のうち、前記第1の電極及び前記第2の電極を通過する第1の直線に平行な第1の方向の先方に位置する部位に当接させると共に、前記第2の端子の側面を、前記第2の電極に形成された第2の突起部の側部のうち、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向の先方に位置する部位に当接させる電子装置の製造方法。
[付記14]
付記12に記載の電子装置の製造方法において、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に接触させるときに、前記電子部品の第3の端子により加圧された際に前記第3の端子に対して前記回路基板の実装表面と平行かつ前記第1の抗力及び前記第2の効力と交差する第3の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第3の電極に、前記第3の端子を接触させると共に、前記電子部品の第4の端子により加圧された際に前記第4の端子に対して前記第3の抗力を相殺する第4の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第4の電極に、前記第4の端子を接触させ、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧するときに、前記第3の端子及び前記第4の端子を前記第3の電極及び前記第4の電極に加圧することを特徴とする電子装置の製造方法。
[付記15]
付記14に記載の電子装置の製造方法において、
前記第3の電極及び前記第4の電極は、前記第1の電極及び前記第2の電極間で前記第1の直線と交差する第2の直線上であって、前記第1の直線をはさんで配置され、
前記第1の端子、前記第2の端子、前記第3の端子、及び前記第4の端子を、前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極、及び前記第4の電極に加圧するときに、前記第1の端子の側面及び前記第2の端子の側面を、それぞれ前記第1の電極に形成された第1の突起部の側部及び前記第2の電極に形成された第2の突起部の側部のうち、前記第1の直線及び前記第2の直線の交差点を中心とする第1の回転方向の先方に位置する部位に当接させ、前記第3の端子の側面及び前記第4の端子の側面を、それぞれ前記第3の電極に形成された第3の突起部の側部及び前記第2の電極に形成された第4の突起部の側部のうち、前記第1の直線及び前記第2の直線の交差点を中心とする第1の回転方向とは反対である第2の回転方向の先方に位置する部位に当接させる、ことを特徴とする電子装置の製造方法。
[付記16]
付記12に記載の電子装置の製造方法において、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧するときに、前記第1の端子による加圧力で前記第1の電極を撓ませることにより、前記第1の電極の上面を、前記回路基板の実装表面に対して傾斜させると共に、前記第2の端子による加圧力で前記第2の電極を撓ませることにより、前記第2の電極の上面を、前記回路基板の実装表面に対して前記第1の電極とは逆側に傾斜させる、ことを特徴とする電子装置の製造方法。
[付記17]
付記12乃至17のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧しながら、前記電子部品を前記回路基板に接合する電子装置の製造方法。
[付記18]
付記17に記載の電子装置の製造方法において、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧する前に、前記回路基板と前記電子部品との間に未硬化のアンダーフィル材を供給する工程を備え、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧するときに、前記アンダーフィル材を硬化させることで、前記電子部品を前記回路基板に接合することを特徴とする電子装置の製造方法。
[付記19]
付記18に記載の電子装置の製造方法において、
前記アンダーフィル材を加熱により硬化させることを特徴とする電子装置の製造方法。
【符号の説明】
【0158】
100:半導体チップ
120a:第1のバンプ
120b:第2のバンプ
120c:第3のバンプ
120d:第4のバンプ
200:回路基板
210:コア材
223a、523a、623a、723a、823a:第1の上面電極
223b、523b、623b、723b、823b:第2の上面電極
223c、523c、623c、723c、823c:第3の上面電極
223d、523d、623d、723d、823d:第4の上面電極
225a、625a、725a:第1のパッド部
225b、625b、725b:第2のパッド部
225c、625c、725c:第3のパッド部
225d、625d、725d:第4のパッド部
226a、526a、626a、726a:第1の突起部
226b、526b、626b、726b:第2の突起部
226c、526c、626c、726c:第3の突起部
226d、526d、626d、726d:第4の突起部
821:変形吸収膜
822a、922a:第1のポスト部
822b、922b:第2のポスト部
822c、922c:第3のポスト部
822d、922d:第4のポスト部
824a、924a:第1の固定部
824b、924b:第2の固定部
824c、924c:第3の固定部
824d、924d:第4の固定部
825a、925a:第1の可撓梁部
825b、925b:第2の可撓梁部
825c、925c:第3の可撓梁部
825d、925d:第4の可撓梁部
F1a、F2a、F3a、Ft1a:第1の抗力
F1b、F2b、F3b、Ft2a:第2の抗力
F1c、F2c、F3c、Ft1b:第3の抗力
F1d、F2d、F3d、Ft2b:第4の抗力
Oa:中心軸
Ob:中心軸
Oc:中心軸
Od:中心軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に電子部品をフリップチップ実装した電子装置、回路基板、電子装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置の小型化、薄型化、高密度化に伴い、回路基板に形成される電極パッドのファインピッチ化が進んでいる。ファインピッチ化は、電極パッド自身の狭幅化を進め、回路基板に電子部品をフリップチップ実装するときに、電子部品の端子を回路基板の電極パッドに確実に搭載することが困難となってきている。このような問題を解決するものとして、例えば、回路基板上の電極パッドに開口部(凹部)を形成しておき、半導体素子の端子を当該開口部の内縁に摺動させながら、開口部内に案内する技術が知られている(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−21751号公報
【特許文献2】特開2005−353854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電極パッドに開口部を形成するためには、電極パッドに、当該開口部を規定するための壁部を形成しなければならない。このため、電極パッドは、少なくとも壁部の寸法分だけ幅広にせざるを得ない。これが電極パッドのファインピッチ化の妨げとなっていた。
【0005】
開示技術は、回路基板の電極パッドを拡幅化することなく、電子部品の端子を回路基板の電極パッドに確実に実装することができる電子装置、回路基板、電子装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の電子装置の一観点によれば、電子部品の第1の端子により加圧された際に前記第1の端子に対して回路基板の実装表面と平行な第1の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第1の電極に、前記第1の端子を接触させると共に、前記電子部品の第2の端子により加圧された際に前記第2の端子に対して前記第1の抗力を相殺する第2の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第2の電極に、前記第2の端子を接触させる工程と、前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧する工程と、を備える電子装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
開示の電子装置によれば、回路基板の電極パッドを拡幅化することなく、電子部品の端子を回路基板の電極パッドに確実に実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態にかかる半導体装置の斜視図である。
【図2】第1の実施形態にかかる半導体装置の断面図である。
【図3】第1の実施形態にかかる半導体チップの下面図である。
【図4】第1の実施形態にかかる半導体チップの断面図である。
【図5】第1の実施形態にかかる回路基板の上面図である。
【図6】第1の実施形態にかかる回路基板の断面図である。
【図7】第1の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の説明図である。
【図8】第1の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の説明図である。
【図9】第1の実施形態にかかる半導体チップの位置決めプロセスの説明図である。
【図10】第1の実施形態にかかる半導体チップの位置決めプロセスの説明図である。
【図11】第1の実施形態にかかる半導体チップの位置決めの説明図である。
【図12】第1の実施形態の変形例にかかる半導体装置の断面図である。
【図13】第1の実施形態の変形例にかかる回路基板の上面図である。
【図14】第1の実施形態の変形例にかかる回路基板の断面図である。
【図15】第2の実施形態にかかる半導体装置の断面図である。
【図16】第2の実施形態にかかる回路基板の上面図である。
【図17】第2の実施形態にかかる半導体チップの位置決めプロセスの説明図である。
【図18】第2の実施形態にかかる半導体チップの位置決めプロセスの説明図である。
【図19】第2の実施形態にかかる半導体チップの位置決めの説明図である。
【図20】第2の実施形態の変形例1にかかる半導体チップの位置決めの説明図である。
【図21】第2の実施形態の変形例2にかかる半導体チップの位置決めの説明図である。
【図22】第3の実施形態にかかる半導体装置の断面図である。
【図23】第3の実施形態にかかる回路基板の上面図である。
【図24】第3の実施形態にかかる回路基板の断面図である。
【図25】第3の実施形態にかかる回路基板の製造方法の説明図である。
【図26】第3の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の説明図である。
【図27】第3の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の説明図である。
【図28】第3の実施形態にかかる半導体チップの位置決めプロセスの説明図である。
【図29】第3の実施形態の変形例にかかる半導体装置の断面図である。
【図30】第3の実施形態の変形例にかかる回路基板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
以下、図1〜図11を参照しながら、第1の実施形態を説明する。
[半導体装置の構成]
先ず、図1〜図6を参照して、半導体装置の構成を説明する。
【0010】
図1は、第1の実施形態にかかる半導体装置の斜視図である。図2は、第1の実施形態にかかる半導体装置の断面図であって、図1のII−IIにおける断面を示している。
【0011】
図1又は図2に示すように、半導体装置は、所謂BGA(Ball Grid Array)型の半導体パッケージであって、半導体チップ100と、半導体チップ100を実装する回路基板200と、半導体チップ100及び回路基板200の隙間に充填されるアンダーフィル樹脂300と、外部接続端子として回路基板200に取り付けられる半田ボール400と、を備える。
[半導体チップの構成]
半導体チップ100は、例えば半導体ウェハに複数の素子領域を形成して、ダイシングにより個片化したものを想定している。しかし、本実施形態は、半導体チップに限定されるものではなく、他の電子部品を用いても良い。
【0012】
図3は、第1の実施形態にかかる半導体チップ100の下面図である。図4は、第1の実施形態にかかる半導体チップ100の断面図であって、(a)は、図3のIVa−IVaにおける断面、(b)は、図3のIVb−IVbにおける断面を示している。
【0013】
図3又は図4に示すように、半導体チップ100は、チップ本体110と、複数のバンプ120と、を備える。
【0014】
チップ本体110は、平面視で略矩形状に形成され、第1のチップ縁110a、第2のチップ縁110b、第3のチップ縁110c、及び第4のチップ縁110d、を備える。第1のチップ縁110a及び第2のチップ縁110bは、半導体チップ100の中心C1を基準として逆側に配置されていて、互いに平行に延在している。又、第3のチップ縁110c及び第4のチップ縁110dは、半導体チップ100の中心C1を基準として逆側に配置されていて、互いに平行に、且つ、第1のチップ縁110a及び第2のチップ縁110bと直交するように延在している。
【0015】
第1〜第4のチップ縁110a〜110dは、何れも約4mmに設定されている。チップ本体110の厚さは、約0.2mmに設定されている。但し、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、チップ本体110は、平面視で直方体状、三角形状、五角形状、それ以上の多角形状、又は円形状あるいは楕円形状であっても良い。
【0016】
複数のバンプ120は、第1のバンプ120a、第2のバンプ120b、第3のバンプ120c、及び第4のバンプ120dに分類される。
第1〜第4のバンプ120a〜120dは、個数及びピッチ間隔が互いに等しく、それぞれ第1〜第4のチップ縁110a〜110dに沿って配列されている。又、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔が、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔に等しくなるように、配置されている。
【0017】
第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ、チップ本体110に接続される第1の部分121a〜121dと、第1の部分121a〜121dに接続される第2の部分122a〜122dと、を備える。
【0018】
第1の部分121a〜121dは、略円柱状に形成され、それぞれの軸心方向の中途部には、第1〜第4の最大径部123a〜123dが形成されている。第2の部分122a〜122dは、それぞれチップ本体110から離間するにつれて徐々に縮径するように、即ちテーパ状に形成されている。第2の部分122a〜122dは、チップ本体110の外側、即ち第1〜第4のチップ縁110a〜110d側に、それぞれ第1〜第4の欠損部124a〜124dを備えている。第1〜第4の欠損部124a〜124dは、半導体チップ100を回路基板200に実装するとき形成されるものであって、それぞれ、後述する回路基板200の第1〜第4の上面電極223a〜223dに対応した形状、即ち第1〜第4の突起部226a〜226dに対応した形状をしている。
【0019】
第1の部分121a〜121d及び第2の部分122a〜122dは、同じ材料で形成されている。第1〜第4のバンプ120a〜120dの材料としては、例えば金などの金属が用いられる。第1〜第4のバンプ120a〜120dの製造方法としては、例えばボールボンディングを用いれば良い。
【0020】
本実施形態では、第1〜第4のバンプ120a〜120dが全て同数である。しかし、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、第1のバンプ120a及び第2のバンプ120bが同数であり、第3のバンプ120c及び第4のバンプ120dが同数であれば、第1〜第4のバンプ120a〜120dの全てが同数である必要はない。
【0021】
又、本実施形態では、第1〜第4のバンプ120a〜120dが全て等しいピッチ間隔で配列されている。しかし、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、第1のバンプ120a及び第2のバンプ120bが等しいピッチ間隔で配列され、第3のバンプ120c及び第4のバンプ120dが等しいピッチ間隔で配列されていれば、第1〜第4のバンプ120a〜120dの全てが等しいピッチ間隔で配列される必要はない。
【0022】
さらに、本実施形態において、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔が、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔に等しくなるように、配置されている。しかし、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、半導体チップ100の形状や設計等に応じて、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔が、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔と異なるように、第1〜第4のバンプ120a〜120dを配置しても良い。
[回路基板の構成]
図5は、第1の実施形態にかかる回路基板200の上面図である。図6は、第1の実施形態にかかる回路基板200の断面図であって、図5のVI−VIにおける断面を示している。尚、図5に第1〜第4のバンプ120a〜120dを仮想線(二点鎖線)で示しているが、図面の明瞭化のために、それぞれ3つに限定している。
【0023】
回路基板200は、所謂ガラスエポキシ基板である。しかし、本実施形態は、これに限定されるものではなく、他のプリント基板、例えばガラスコンポジット基板やセラミック基板を用いても良い。
【0024】
図5又は図6に示すように、回路基板200は、コア材210と、上面配線層220と、下面配線層230と、を備える。
【0025】
コア材210は、例えばガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させたものである。コア材210は、平面視で略矩形状に形成され、第1の基板縁210a、第2の基板縁210b、第3の基板縁210c、及び第4の基板縁210d、を備える。第1の基板縁210a及び第2の基板縁210bは、回路基板200の中心C2を基準として逆側に配置されていて、互いに平行に延在している。又、第3の基板縁210c及び第4の基板縁210dは、回路基板200の中心C2を基準として逆側に配置されていて、互いに平行に、且つ、第1の基板縁210a及び第2の基板縁210bに直交するように延在している。
【0026】
コア材210の所定位置には、複数のスルーホール211が形成されている。スルーホール211は、コア材210を上下に貫通し、その内部には、ビア212が埋め込まれている。ビア212は、スルーホール211の内面に形成された導電膜213と、導電膜213の内側に充填された絶縁材214と、を含む。導電膜213は、上面配線層220及び下面配線層230を接続して、両者間の導通をはかっている。導電膜213の材料としては、例えばCuを用いても良い。絶縁材214の材料としては、例えばポリイミド系やエポキシ系の樹脂を用いても良い。
【0027】
上面配線層220は、コア材210の上面、即ち半導体チップ100と対向する表面に形成され、コア材210側から順に、上面配線パターン221、上面絶縁膜222、及び複数の上面電極223を備えている。
【0028】
上面配線パターン221は、コア材210の上面に形成されている。上面配線パターン221の材料としては、例えばCuなどの金属が用いられる。上面配線パターン221の製造方法は、特に限定されるものではない。例えば、コア材210の上面全体にCu箔などの金属箔を形成した後、フォトリソフラフィ技術によりレジストパターンを形成して、当該レジストパターンをマスクとして、金属箔をエッチングしても良い。
【0029】
上面絶縁膜222は、上面配線パターン221及び上面電極223の層間に配置されている。上面絶縁膜222の材料としては、例えばエポキシ系やポリイミド系の樹脂を用いても良い。上面絶縁膜222の所定位置には、複数のビア224が埋め込まれている。ビア224は、上面絶縁膜222を上下に貫通し、上面配線パターン221と上面電極223とを電気的に接続している。ビア224の材料としては、例えばCuなどの金属を用いても良い。
【0030】
複数の上面電極223は、第1の上面電極223a、第2の上面電極223b、第3の上面電極223c、及び第4の上面電極223dに分類される。第1〜第4の上面電極223a〜223dは、半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dと個数及びピッチ間隔が等しく、それぞれ第1〜第4の基板縁210a〜210dに沿って配列されている。又、第1〜第4の上面電極223a〜223dは、第1の上面電極223aと第2の上面電極223bとの間隔が、第3の上面電極223cと第4の上面電極223dとの間隔に等しくなるように、配置されている。
【0031】
第1〜第4の上面電極223a〜223dは、それぞれ、第1〜第4のパッド部225a〜225dと、第1〜第4のパッド部225a〜225d上に配置される第1〜第4の突起部226a〜226dと、を備える。図5では、図面の明瞭化をはかるために、第1〜第4の突起部226a〜226dにハッチングを施している。以下の実施形態でも同様である。
【0032】
第1〜第4のパッド部225a〜225dは、長方形状に形成され、それぞれ第1〜第4の基板辺210a〜210dに直交するように配置されている。第1〜第4のパッド部225a〜225dの材料としては、導電性材料、例えばCuなどの金属を用いても良い。
【0033】
第1〜第4の突起部226a〜226dは、それぞれ第1〜第4のパッド部225a〜225dの長手方向の中途部に配置され、第1〜第4のパッド部225a〜225d上に、第1〜第4の搭載部227a〜227dと、第1〜第4の延在部228a〜228dと、を規定している。第1〜第4の突起部226a〜226dの材料としては、半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dよりも剛性が高い導電性材料又は絶縁性材料が用いられる。導電性材料としては、例えばCuなどの金属を用いても良い。絶縁性材料としては、例えばエポキシ樹脂などの樹脂を用いても良い。
【0034】
第1〜第4の搭載部227a〜227dは、半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dが搭載される領域であって、それぞれ第1〜第4の突起部226a〜226dを基準として、回路基板200の内側に配置されている。第1〜第4の延在部228a〜228dは、それぞれ第1〜第4の突起部226a〜226dを基準として、回路基板200の外側に配置されている。
【0035】
又、第1〜第4の突起部226a〜226dは、回路基板200の内側に指向する部分に、それぞれ第1〜第4の規制面229a〜229dを備える。第1〜第4の規制面229a〜229dは、それぞれ第1〜第4の基板縁210a〜210dに平行に延び、半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dが回路基板200の実装表面と平行に移動するのを規制する。
【0036】
以上のような第1〜第4の突起部226a〜226dは、第1の規制面229aと第2の規制面229bとの間隔が、第3の規制面229cと第4の規制面229dとの間隔に等しくなるように、配置されている。
【0037】
半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ第1〜第4の規制面229a〜229dを基準として、回路基板200の内側から外側に跨るように配置され、第1〜第4の搭載部227a〜227d及び第1〜第4の突起部226a〜226dの双方に接続される。
【0038】
従って、第1の規制面229aと第2の規制面229bとの間隔G1は、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔G2よりも大きく、且つ、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔G2に、第1、第2のバンプ120a、120bの直径dの2倍(=2d)を加算した距離G3よりも小さい。同様に、第3の規制面229cと第4の規制面229dとの間隔G1は、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔G2よりも大きく、且つ、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔G2に、第3、第4のバンプ120c、120dの直径dの2倍(=2d)を加算した距離G3よりも小さい。
【0039】
さらに、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれの中心軸Oa〜Odが第1〜第4の規制面229a〜229dを基準として、回路基板200の内側に位置するように、配置される。
【0040】
従って、第1の規制面229aと第2の規制面229bとの間隔G1は、第1のバンプ120aの中心軸Oaと第2のバンプ120bの中心軸Obとの間隔G4よりも大きい。又、図解は省略するが、第3の規制面229cと第4の規制面229dとの間隔G1は、第3のバンプ120cの中心軸Ocと第4のバンプ120dとの中心軸Odの間隔G4よりも大きい。
【0041】
下層配線層230は、コア材210の下面、即ち半田ボール400が取り付けられる表面に形成され、コア材210側から順に、下面配線パターン231、下面絶縁膜232、及び複数の下面電極233を備えている。
【0042】
下面配線パターン231は、コア材210の下面に形成されている。下面配線パターン231の材料としては、例えばCuなどの金属を用いても良い。下面配線パターン231の製造方法は、特に限定されるものではない。例えば、コア材210の下面全体にCu箔などの金属箔を形成した後、フォトリソフラフィ技術によりレジストパターンを形成して、当該レジストパターンをマスクとして金属箔をエッチングしても良い。
【0043】
下面絶縁膜232は、下面配線パターン231及び下面電極233の層間に配置されている。下面絶縁膜232の材料としては、例えばエポキシ系やポリイミド系の樹脂を用いても良い。下面絶縁膜232の所定位置には、複数のビア234が埋め込まれている。ビア234は、下面絶縁膜232を上下に貫通し、下面配線パターン231と下面電極233とを電気的に接続している。ビア234の材料としては、例えばCuなどの金属を用いても良い。
【0044】
複数の下面電極233は、回路基板200の下面全体にマトリクス状に配列されている。これらの下面電極233には、それぞれ半田ボール400が取り付けられる。半田ボール400は、半導体装置を他の実装基板(マザーボード)に実装するときに、外部接続端子として機能するものである。
【0045】
図1又は図2に示すように、アンダーフィル樹脂300は、半導体チップ100と回路基板200との隙間に充填され、半導体チップ100及び回路基板200を接合している。又、アンダーフィル樹脂300は、自身の材料が凝固するときに生じる収縮力により、半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dを回路基板200の第1〜第4の上面電極223a〜223dに押圧して、第1〜第4のバンプ120a〜120dと第1〜第4の上面電極223a〜223dとを電気的に接続している。従って、第1〜第4のバンプ120a〜120dと、第1〜第4の上面電極223a〜223dとを接続するときに、別途に導電性接着材などを用いなくても良い。アンダーフィル樹脂300の周辺部は、半導体チップ100の周囲にはみ出して、所謂フィレット310を形成している。フィレット310は、回路基板200の上面から半導体チップ100の側面に及んでおり、半導体チップ100と回路基板200との接合強度を高めている。アンダーフィル樹脂300として、例えばエポキシ系樹脂、具体的にはエポキシ樹脂にシリカ製のフィラーを添加した材料を用いても良い。
[半導体装置の製造方法]
次に、図7、図8を参照して、半導体装置の製造方法を説明する。
【0046】
図7、図8は、第1の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の説明図である。
【0047】
先ず、図7(a)に示すように、回路基板200の上面に、例えばディスペンス法により、エポキシ系樹脂Lを供給する。エポキシ系樹脂Lとしては、例えばエポキシ樹脂にシリカなどのフィラーを添加したものである。
【0048】
次に、図7(b)に示すように、加圧ヘッドHの下面に、半導体チップ100を吸着して、第1〜第4のバンプ120a〜120dの中心軸Oa〜Odが、それぞれ第1〜第4の規制面229a〜229dを基準として、回路基板200の内側に配置されるように、半導体チップ100を位置決めする。このとき、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ、チップ本体110から離間するにつれて縮径する円錐状に形成されている。即ち、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ尖鋭な先端部を備えている。
【0049】
次に、図8(c)に示すように、半導体チップ100を吸着した加圧ヘッドHを降下させて、半導体チップ100を回路基板200に接近させる。これにより、回路基板200上に供給されたエポキシ系樹脂Lが半導体チップ100により押し広げられて、半導体チップ100及び回路基板200の隙間が充填される。
【0050】
そして、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の上面電極223a〜223dに接触したら、半導体チップ100の回路基板200への加圧を開始する。このときの加重は、半導体チップ100の寸法、第1〜第4のバンプ120a〜120dの寸法、又は第1〜第4のバンプ120a〜120dの個数などにより異なるが、例えば2kgf〜8kgfに設定される。これにより、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、後述する位置決めプロセスを経て、第1〜第4の上面電極223a〜223dに対して、正確に位置決めされる。第1〜第4のバンプ120a〜120dが正確に位置決めされると、半導体チップ100も同様に、回路基板200に対して、正確に位置決めされる。
【0051】
そして、さらに半導体チップ100を加圧して、第1〜第4のバンプ120a〜120dを、それぞれ第1〜第4の突起部226a〜226d及び第1〜第4の搭載部227a〜227dに接続する。このとき、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、第1〜第4の突起部226a〜226d及び第1〜第4の搭載部227a〜227dの形状に応じて変形する。これにより、第1〜第4のバンプ120a〜120dの尖鋭な先端部が平坦化され、半導体チップ100の内側の部分には、それぞれ第1〜第4の欠損部124a〜124dが形成される。
【0052】
そして、第1〜第4のバンプ120a〜120dが、それぞれ第1〜第4の突起部226a〜226d及び第1〜第4の搭載部227a〜227dに接続されたら、加圧ヘッドHに設けられたヒータ(図示しない)により、半導体チップ100を加熱して、半導体チップ100及び回路基板200の隙間に存在するエポキシ系樹脂Lを凝固させる。これにより、エポキシ系樹脂Lが収縮して、半導体チップ100及び回路基板200が接合される。
【0053】
次に、図8(d)に示すように、回路基板200の下面電極233に、それぞれ半田ボール400を取り付ける。以上で、第1の実施形態にかかる半導体装置が完成する。
[半導体チップの位置決めプロセス]
次に、図9、図10を参照して、半導体チップ100の位置決めプロセスを説明する。
【0054】
図9、図10は、第1の実施形態にかかる半導体チップ100の位置決めプロセスの説明図であって、第1、第2のバンプ120a、120bと第1、第2の上面電極223a、223bとの連携の様子を示している。
【0055】
先ず、図9(a)に示すように、半導体チップ100を吸着した加圧ヘッドH(図示しない)を駆動して、第1〜第4のバンプ120a〜120dの中心軸Oa〜Odが、第1〜第4の規制面229a〜229dを基準として、回路基板200の内側に配置されるように、半導体チップ100を位置決めする。但し、加圧ヘッドHの吸着面は、静止摩擦係数が小さいため、吸着した半導体チップ100が加圧ヘッドHの吸着面上で位置ずれを起こすことがある。従って、加圧ヘッドHを駆動して半導体チップ100を位置決めしても、半導体チップ100の実際の位置は、あるべき位置から僅かにずれていることがある。これを踏まえ、以下の説明では、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、第1の基板縁210a側(図9の左側)に僅かにずれていると想定する。
【0056】
次に、加圧ヘッドHを降下させて、半導体チップ100を回路基板200に接近させる。このとき、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、第1の基板縁210a側(図9の左側)にずれていると、図9(b)に示すように、最初に第1のバンプ120aが第1の突起部226aに接触する。第2のバンプ120bは、第2の突起部226bに接触していない。
【0057】
第1のバンプ120aが第1の突起部226aに接触したら、半導体チップ100の回路基板200への加圧を開始する。半導体チップ100が回路基板200に加圧されると、第1の突起部226aから第1のバンプ120aに、回路基板200の実装表面に平行な第1の抗力F1aが作用する。これにより、半導体チップ100は、第1〜第4のバンプ120a〜120dと共に、回路基板200の第2の基板縁210b側(図9の右側)に移動する。このとき、第1のバンプ120aは、第1の突起部226a上を矢印A方向に滑動しながら、回路基板200の第2の基板縁210b側に移動する。
【0058】
そして、図10(c)に示すように、第2のバンプ120bが第2の突起部226bに接触すると、第2の突起部226bから第2のバンプ120bに、第1の抗力F1aを相殺する第2の抗力F1bが作用して、半導体チップ100の移動を停止させる。即ち、第2のバンプ120bが第2の規制面229bに突き当たることで、半導体チップ100の移動が規制される。こうして、第1、第2のバンプ120a、120bは、第1、第2の上面電極223a、223bの長手方向、即ち回路基板200のX方向において、正確に位置決めされる。そして、第1、第2のバンプ120a、120bが、回路基板200のX方向において、正確に位置決めされると、半導体チップ100も同様に、回路基板のX方向において、正確に位置決めされる。
【0059】
以上のように、半導体チップ100が、回路基板200のX方向において、正確に位置決めされると、図11に示すように、第3、第4のバンプ120c、120dも同様に、回路基板200のX方向において、正確に位置決めされる。即ち、第3、第4のバンプ120c、120dは、第3、第4の上面電極223c、223dの幅方向、即ち短手方向に対して、正確に位置決めされる。従って、半導体チップ100のファインピッチ化に付随して、第3、第4の上面電極223c、223dの幅寸法が小さくなっても、第3、第4のバンプ120c、120dを、第3、第4の上面電極223c、223dに、確実に実装することができる。しかも、半導体チップ100の加圧開始時に、第1、第2のバンプ120a、120bの中心軸Oa、Obを第1、第2の規制面229a、229bの内側に配置するだけなので、位置決め作業が困難になることもない。
【0060】
ここでは、半導体チップ100が回路基板100のX方向において、第1の基板縁210a側(図9の左側)に僅かにずれていることを想定していたが、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、第2の基板縁210b側に僅かにずれているときも同様である。
【0061】
半導体チップ100が回路基板200のX方向において正確に位置決めされたら、さらに半導体チップ100を回路基板200に加圧する。すると、第1、第2のバンプ120a、120bは、第1、第2の突起部226a、226bの内側に塑性流動して、図10(d)に示すように、第1、第2の突起部226a、226b及び第1、第2の搭載部227a、227b上に接続される。このときも、第1、第2のバンプ120a、120bは、それぞれ第1、第2の突起部226a、226bの内側に掛止されている。即ち、第1、第2のバンプ120a、120bには、それぞれ第1、第2の抗力F1a、F2bが作用している。従って、半導体チップ100を回路基板200に加圧している過程で、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、位置ずれを起こすことがない。よって、半導体チップ100を回路基板200に実装する過程で、第3、第4のバンプ120c、120dが第3、第4の上面電極223c、223dから脱落することもない。
【0062】
これまで、第1、第2のバンプ120a、120bと、第1、第2の上面電極223a、223bとの連携に着目して説明してきたが、第3、第4のバンプ120c、120dと、第3、第4の上面電極223c、223dとの連携も同様である。
【0063】
例えば、半導体チップ100が回路基板200のY方向において、第3の基板縁210c側にずれていると、半導体チップ100を回路基板200に接近させる過程で、最初に第3のバンプ120cが第3の突起部226cに接触する。そして、半導体チップ100の回路基板200への加圧を開始すると、第3の突起部226cから第3のバンプ120cに、回路基板200の実装表面に平行な第3の抗力F1cが作用する。これにより、半導体チップ100は、第1〜第4のバンプ120a〜120dと共に、回路基板200の第4の基板縁210d側に移動する。そして、第4のバンプ120dが第4の突起部226dに接触すると、第4の突起部226dから第4のバンプ120dに、第3の抗力F1cを相殺する第4の抗力F1dが作用して、半導体チップ100の移動を停止させる。こうして、第3、第4のバンプ120c、120dは、第3、第4の上面電極223c、223dの長手方向、即ち回路基板200のY方向において、正確に位置決めされる。そして、第3、第4のバンプ120c、120dが、回路基板200のY方向において、正確に位置決めされると、半導体チップ100も同様に、回路基板200のY方向において、正確に位置決めされる。
【0064】
以上のように、半導体チップ100が、回路基板200のY方向において、正確に位置決めされると、図11に示すように、半導体チップ100の第1、第2のバンプ120a、120bも同様に、回路基板200のY方向において、正確に位置決めされる。即ち、第1、第2のバンプ120a、120bは、第1、第2の上面電極223a、223bの幅方向、即ち短手方向に対して、正確に位置決めされる。従って、半導体チップ100のファインピッチ化に付随して、第1、第2の上面電極223a、223bの幅寸法が小さくなっても、第1、第2のバンプ120a、120bを、第1、第2の上面電極223a、223bに、確実に実装することができる。しかも、半導体チップ100の加圧開始時に、第3、第4のバンプ120c、120dの中心軸Oc、Odを第3、第4の規制面229c、229dの内側に配置するだけなので、位置決め作業が困難になることもない。
【0065】
ここでは、半導体チップ100が回路基板100のY方向において、第3の基板縁210c側に僅かにずれていることを想定していたが、半導体チップ100が回路基板200のY方向において、第4の基板縁210d側に僅かにずれているときも同様である。
【0066】
半導体チップ100が回路基板200のY方向において正確に位置決めされたら、さらに半導体チップ100を回路基板200に加圧する。すると、第3、第4のバンプ120c、120dは、第3、第4の突起部226c、226dの内側に塑性流動して、第3、第4の突起部226c、226d及び第3、第4の搭載部227c、227d上に接続される。このときも、第3、第4のバンプ120c、120dは、それぞれ第3、第4の突起部226c、226dの内側に掛止されている。即ち、第3、第4のバンプ120c、120dには、それぞれ第3、第4の抗力F1c、F2dが作用している。従って、半導体チップ100を回路基板200に加圧している過程で、半導体チップ100が回路基板200のY方向において、位置ずれを起こすことがない。よって、半導体チップ100を回路基板200に実装する過程で、第1、第2のバンプ120a、120bが第1、第2の上面電極223a、223bから脱落することもない。
【0067】
尚、これまで、半導体チップ100のX方向及びY方向の位置決めを、別個に説明してきたが、半導体チップ100のX方向及びY方向の位置決めは、同時に進行するものである。
【0068】
以上のように、本実施形態では、半導体チップ100が回路基板200のX方向又はY方向に僅かにずれていても、半導体チップ100を回路基板200に接近させる過程で、半導体チップ100の位置が徐々に補正されて、半導体チップ100が正確に位置決めされる。即ち、半導体チップ100を回路基板200に接近させると、第1〜第4のバンプ120a〜120dが自ら正しい位置に近づき、半導体チップ100が正確に位置決めされるのである。しかも、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の規制面229a〜229dに掛止されているので、半導体チップ100を回路基板200に加圧する過程で、半導体チップ100が位置ずれを起こすこともない。即ち、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の上面電極223a〜223dから脱落することもない。
【0069】
本実施形態によれば、第1〜第4のパッド部225a〜225d上に、それぞれ第1〜第4の突起部226a〜226dを形成するだけで、半導体チップ100を正確に位置決めすることができる。従って、回路基板200に形成される第1〜第4の上面電極を拡幅化する必要がない。よって、半導体チップ100の更なるファインピッチ化にも充分に対応することができる。
【0070】
尚、本実施形態では、全ての第1の上面電極223aが第1の突起部226aを備えているが、本実施形態は、これに限定されない。例えば、第1の上面電極223aの少なくとも1つが第1の突起部226aを備えていれば良い。第2〜第4の上面電極223b〜223dも同様である。
[変形例]
以下、図12〜図14を参照しながら、第1の実施形態の変形例を説明する。
【0071】
図12は、第1の実施形態の変形例にかかる半導体装置の断面図であって、図2に対応する断面を示している。図13は、第1の実施形態の変形例にかかる回路基板200の上面図である。図14は、第1の実施形態の変形例にかかる回路基板200の断面図であって、図13のXIV−XIVにおける断面を示している。図13に第1〜第4のバンプ120a〜120dを仮想線(二点鎖線)で示しているが、図面の明瞭化のために、それぞれ3つに限定している。
【0072】
本変形例にかかる第1〜第4の上面電極523a〜523dは、それぞれ第1〜第4の突起部526a〜526dを備えている。第1〜第4の突起部526a〜526dは、第1〜第4のパッド部225a〜225d上に配置されているが、第1の実施形態にかかる第1〜第4の突起部226a〜226dよりも、回路基板200の内側に配置されている。
【0073】
第1〜第4の突起部526a〜526dは、第1〜第4のパッド部225a〜225d上に、それぞれ第1〜第4の搭載部527a〜527dと、第1〜第4の延在部528a〜528dと、を規定している。但し、第1〜第4の搭載部527a〜527dは、第1の実施形態にかかる第1〜第4の搭載部227a〜227dとは逆側、即ち第1〜第4の突起部526a〜526dを基準として、回路基板200の外側に配置される。又、第1〜第4の延在部528a〜528dは、第1の実施形態にかかる第1〜第4の延在部228a〜228dとは逆側、即ち第1〜第4の突起部526a〜526dを基準として、回路基板200の内側に配置されている。
【0074】
第1〜第4の突起部526a〜526bは、回路基板200の外側に指向する部分に、それぞれ第1〜第4の規制面529a〜529dを備えている。第1〜第4の規制面529a〜529dは、それぞれ第1〜第4の基板縁210a〜210dに平行に延び、半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dが回路基板200の実装表面と平行に移動するのを規制する。即ち、第1〜第4の規制面529a〜529dは、第1〜第4の突起部526a〜526dに形成されているが、第1の実施形態にかかる第1〜第4の規制面229a〜229dとは逆側に位置している。
【0075】
以上のような第1〜第4の突起部526a〜526dは、第1の規制面529aと第2の規制面529bとの間隔が、第3の規制面529cと第4の規制面529dとの間隔に等しくなるように、配置されている。
【0076】
半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ第1〜第4の規制面529a〜529dを基準として、回路基板200の内側から外側に跨るように配置され、第1〜第4の搭載部527a〜527d及び第1〜第4の突起部526a〜526dの双方に接続される。
【0077】
従って、第1の規制面529aと第2の規制面529bとの間隔G1は、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔G2よりも大きく、且つ、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔G2に、第1、第2のバンプ120a、120bの直径dの2倍(=2d)を加算した距離G3よりも小さい。同様に、第3の規制面529cと第4の規制面529dとの間隔G1は、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔G2よりも大きく、且つ、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔G2に、第3、第4のバンプ120c、120dの直径dの2倍(=2d)を加算した距離G3よりも小さい。
【0078】
さらに、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれの中心軸Oa〜Odが第1〜第4の規制面529a〜529dを基準として、回路基板200の外側に位置するように配置される。
【0079】
従って、第1の規制面529aと第2の規制面529bとの間隔G1は、第1のバンプ120aの中心軸Oaと第2のバンプ120bの中心軸Obとの間隔G4よりも小さい。同様に、第3の規制面529cと及び第4の規制面529dの間隔G1は、第3のバンプ120cの中心軸Oc及び第4のバンプ120dの中心軸Odの間隔G4よりも小さい。
【0080】
本変形例のように、第1〜第4の突起部526a〜526dにおける、回路基板200外側を指向する部位に、それぞれ第1〜第4の規制面529a〜529dを形成しても良い。本変形例を採用した場合、第1〜第4のバンプ120a〜120dの中心軸Oa〜Odが、第1〜第4の規制面529a〜529dを基準として、回路基板200の外側に配置されるように、半導体チップ100を位置決めして、半導体チップ100を回路基板200に加圧すれば、前述のように、半導体チップ100を正確に位置決めすることができる。但し、第1〜第4の規制面529a〜529dは、第1の実施形態にかかる第1〜第4の規制面229a、229dとは逆向きに配置されているので、本変形例にかかる第1〜第4の抗力は、第1の実施形態にかかる第1〜第4の抗力とは逆向きに作用する。
[第2の実施形態]
以下、図15〜図19を参照しながら、第2の実施形態を説明する。尚、第1の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付して、その説明を省略することとする。
[半導体装置の構成]
先ず、図15を参照して、半導体装置の構成を説明する。
【0081】
図15は、第2の実施形態にかかる半導体装置の断面図であって、第4のバンプ120dが含まれる断面を示している。即ち、図15は、図2とは異なる断面を示している。
【0082】
図15に示すように、第2の実施形態にかかる回路基板200は、第1の実施形態とは異なる第1〜第4の上面電極623a〜623dを備える。
[回路基板の構成]
図16は、第2の実施形態にかかる回路基板200の上面図である。図16に示すように、第2の実施形態にかかる第1〜第4の上部電極623a〜623dは、それぞれ第1〜第4の突起部626a〜626dを備えている。図16では、図面の明瞭化をはかるために、第1〜第4の突起部626a〜626dにハッチングを施している。
【0083】
第1〜第4の突起部626a〜626dは、第1〜第4のパッド部625a〜625d上に配置されているが、第1の実施形態にかかる第1〜第4のパッド部225a〜225dと異なり、第1〜第4のパッド部625a〜625dの長手方向に沿うように配置されている。
【0084】
第1〜第4の突起部626a〜626dは、第1〜第4のパッド部625a〜625d上に、それぞれ第1〜第4の搭載部627a〜627dを規定している。第1〜第4の突起部626a〜626dの幅寸法、即ち短手方向の寸法は、第1〜第4のパッド部625a〜625dの幅寸法、即ち短手方向の寸法の約半分に設定されている。
【0085】
第1〜第4のパッド部626a〜625d上における、第1〜第4の突起部626a〜626dの位置は、第1〜第4のパッド部626a〜626dごとに異なる。
【0086】
例えば、第1の突起部626aは、第1のパッド部625aの第4の基板縁210d側の端部に位置していて、第3の基板縁210c側の部位に、第1の規制面629aが形成されている。第2の突起部626bは、第2のパッド部625bの第3の基板縁210c側の端部に位置していて、第4の基板縁210d側の部位に、第2の規制面629bが形成されている。第3の突起部626cは、第3のパッド部625cの第2の基板縁210b側の端部に位置していて、第1の基板縁210a側の部位に、第3の規制面629cが形成されている。第4の突起部626dは、第4のパッド部625dの第1の基板縁210a側の端部に位置していて、第2の基板縁210b側の部位に、第4の規制面629dが形成されている。
【0087】
第1〜第4の規制面629a〜629dは、それぞれ向きが異なるが、何れも半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dが回路基板200の実装表面と平行に移動するのを規制する。
【0088】
以上のような第1、第2の上面電極623a、623bは、第1の規制面629aが第2の規制面629bよりも第4の基板縁210d側に位置するように配置されている。従って、本実施形態にかかる第1の上面電極623a及び第2の上面電極623bは、回路基板200の第4の基板縁210d(又は第3の基板縁210c)から等距離に配置されているわけではない。又、第3、第4の上面電極623c、623dは、第3の規制面629cが第4の規制面629dよりも第2の基板縁210b側に位置するように配置されている。従って、第3の上面電極623c及び第4の上面電極623dは、回路基板200の第2の基板縁210b(又は第1の基板縁210a)から等距離に配置されているわけではない。このように第1〜第4の上面電極623a〜623dを配置することにより、半導体チップ100を回路基板200に接近させたときに、第1〜第4のバンプ120a〜120dが、それぞれ第1〜第4の規制面629a〜629dに接触することができるのである。
[半導体チップの位置決めプロセス]
次に、図17、図18を参照して、半導体チップ100の位置決めプロセスを説明する。
【0089】
図17、図18は、第2の実施形態にかかる半導体チップ100の位置決めプロセスの説明図である。図17、図18中の符号120a〜120dは、第1〜第4のバンプ120a〜120dの外形ではなく、第1〜第4のバンプ120a〜120dの断面を示している。ここでは、第1〜第4の突起部626a〜626dの上面が含まれる平面で、第1〜第4のバンプ120a〜120dを切断している。
【0090】
先ず、半導体チップ100を吸着した加圧ヘッドHを駆動して、図17(a)に示すように、第1〜第4のバンプ120a〜120dの中心軸Oa〜Odが、それぞれ第1〜第4の搭載部627a〜627d上に配置されるように、半導体チップ100を位置決めする。そして、加圧ヘッドHを降下させて、半導体チップ100を回路基板200に接近させる。尚、半導体チップ100及び加圧ヘッドHは、図17、図18に示されていない。
【0091】
このとき、半導体チップ100が第4の基板縁210d側(図17の下側)にずれていると、図17(b)に示すように、最初に第1のバンプ120aが第1の突起部626aに接触する。第2〜第4のバンプ120b〜120dは、第2〜第4の突起部626b〜626dに接触していない。
【0092】
そして、第1のバンプ120aが第1の突起部626aに接触したら、加圧ヘッドHによる半導体チップ100の回路基板200への加圧を開始する。半導体チップ100が回路基板200に加圧されると、第1の突起部626aから第1のバンプ120aに、回路基板200の実装表面と平行な第1の抗力F2aが作用する。これにより、半導体チップ100は、第1〜第4のバンプ120a〜120dと共に、矢印B方向に移動する。
【0093】
このとき、半導体チップ100が回転をせずに移動すれば、第2〜第4のバンプ120b〜120dは、図18(c)に示すように、それぞれ第2〜第4の突起部626b〜626dに、ほとんど同時に接触する。
【0094】
第2のバンプ120bが第2の突起部626bに接触すると、第2の突起部626bから第2のバンプ120bに、第1の抗力F2aを相殺する第2の抗力F2bが作用して、半導体チップ100の移動を停止させる。又、第3、第4のバンプ120c、120dが第3、第4の突起部626c、626dに接触すると、第3、第4の突起部626c、626dから第3、第4のバンプ120c、120cに、それぞれ回路基板200の実装表面と平行で、互いに相殺する第3、第4の抗力F2c、F2dが作用する。第3、第4の抗力F2c、F2dは、第1、第2の抗力F2a、F2bに起因する回転モーメントを相殺するので、半導体チップ100が第1〜第4の抗力F2a〜F2dにより回転することはない。このように、第1〜第4のバンプ120a〜120dが、それぞれ第1〜第4の突起部626a〜626dに接触すると、第1〜第4のバンプ120a〜120dの移動及び回転が規制され、半導体チップ100が静止する。こうして、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、第1〜第4の上面電極623a〜623dに対して、正確に位置決めされる。そして、第1〜第4のバンプ120a〜120dが正確に位置決めされると、半導体チップ100も同様に、回路基板200に対して、正確に位置決めされる。
【0095】
これまで、半導体チップ100が回転をせずに移動する場合を説明したが、加圧ヘッドHの吸着力や静止摩擦係数によっては、半導体チップ100が回転しながら移動することもある。例えば、図17(b)に示すように、第1の突起部626aから第1のバンプ120aに第1の抗力F2aが作用すると、半導体チップ100が時計方向に回転することがある。このような場合、第2のバンプ120bが第2の突起部626bに接触する前に、第3、第4のバンプ120c、120dが第3、第4の突起部626c、626dに接触する。これにより、第3、第4の突起部626c、626dから第3、第4のバンプ120c、120dに、互いに相殺する第3、第4の抗力F2c、F2dが作用して、半導体チップ100の回転が止められる。即ち、第3、第4のバンプ120c、120dが第3、第4の突起部626c、626dに接触すると、第1の抗力F2aに起因する回転モーメントを相殺するように、第3、第4の抗力F2c、F2dが作用して、半導体チップ100の回転が規制されるのである。そして、半導体チップ100は、第1の抗力F2aに起因して、第1〜第4のバンプ120a〜120dと共に、矢印B方向に移動する。そして、第2のバンプ120bが第2の突起部626bに接触すると、第2の突起部626bから第2のバンプ120bに、第1の抗力F2aを相殺する第2の抗力F2bが作用して、半導体チップ100の移動を停止させる。このように、第1〜第4のバンプ120a〜120dが、それぞれ第1〜第4の規制面629a〜629dに接触すると、半導体チップ100の移動及び回転が規制され、半導体チップ100が静止する。こうして、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、第1〜第4の上面電極623a〜623dに対して、正確に位置決めされる。そして、第1〜第4のバンプ120a〜120dが位置決めされると、図19に示すように、半導体チップ100も同様に、回路基板200に対して、正確に位置決めされる。
【0096】
従って、半導体チップ100のファインピッチ化に付随して、第1〜第4の上面電極623a〜623dの幅寸法が小さくなっても、第1〜第4のバンプ120a〜120dを、第1〜第4の上面電極623a〜623dに対して、正確に位置決めすることができる。しかも、半導体チップ100の加圧開始時に、第1〜第4のバンプ120a〜120dの中心軸Oa〜Odを第1〜第4の搭載部627a〜627d上に配置するだけなので、位置決め作業が困難になることもない。
【0097】
半導体チップ100が正確に位置決めされたら、さらに半導体チップ100を回路基板200に加圧する。すると、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、第1〜第4の突起部626a〜626dから第1〜第4の搭載部627a〜627d側に塑性流動して、図18(d)に示すように、それぞれ第1〜第4の突起部626a〜626d及び第1〜第4の搭載部627a〜627d上に接続される。このときも、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ第1〜第4の突起部626a〜626dに掛止されている。即ち、第1〜第4のバンプ120a〜120dには、それぞれ第1〜第4の抗力F2a〜F2dが作用している。従って、半導体チップ100を回路基板200に加圧している過程で、半導体チップ100が回路基板200のX方向又はY方向において、位置ずれを起こすことがない。よって、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の上面電極623a〜623dから脱落することもない。
【0098】
以上のように、本実施形態では、半導体チップ100が回路基板200に対して僅かにずれていても、半導体チップ100を回路基板200に接近させる過程で、第1〜第4のバンプ120a〜120dの位置が徐々に補正されて、半導体チップ100が正確に位置決めされる。即ち、半導体チップ100を回路基板200に接近させると、第1〜第4のバンプ120a〜120dが自ら正しい位置に近づき、半導体チップ100が正確に位置決めされるのである。しかも、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の規制面629a〜629dに掛止されているので、半導体チップ100を回路基板200に加圧する過程で、半導体チップ100が位置ずれを起こすこともない。即ち、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の上面電極623a〜623dから脱落することもない。
【0099】
本実施形態によれば、第1〜第4のパッド部625a〜625d上に、それぞれ第1〜第4の突起部626a〜626dを形成するだけで、半導体チップ100を正確に位置決めすることができる。従って、回路基板200に形成される第1〜第4の上面電極を拡幅化する必要がない。よって、半導体チップ100の更なるファインピッチ化にも充分に対応することができる。
【0100】
尚、本実施形態では、全ての第1の上面電極623aが第1の突起部626aを備えている。しかし、本実施形態は、これに限定されない。例えば、第1の上面電極623aの少なくとも1つが第1の突起部626aを備えていれば良い。第2〜第4の上面電極623b〜623dも同様である。
【0101】
又、本実施形態において、第1の上面電極623aは、第2の上面電極623bよりも、第4の基板縁210d側に配置されている。しかし、本実施形態は、これに限定されるものではない。即ち、第1の規制面629aが第2の規制面629bよりも第4の基板縁210d側に位置するのであれば、第1、第2の上面電極623a、623bの配置や形状は特に限定されない。例えば、第1、第2の上面電極623a、623bを第4の基板縁210dから等距離に配置すると共に、第1、第2の突起部626a、626bの幅寸法意を第1、第2のパッド部625a、625bの幅寸法の半分未満に設定しても良い。このようにしても、第1の規制面629aを第2の規制面629bよりも第4の基板縁210d側に配置することができる。第3、第4の上面電極623c、623dも同様である。
[変形例1]
以下、図20を参照しながら、第2の実施形態の変形例1を説明する。
【0102】
図20は、第2の実施形態の変形例1にかかる半導体チップ100の位置決めの説明図である。
【0103】
本変形例にかかる回路基板200は、半導体チップ100が第3、第4のバンプ120c、120dを備えていないことを想定して、図20に示すように、第1、第2のバンプ120a、120bに対応する第1、第2の上面電極723a、723bだけを備えている。第1、第2の上面電極723a、723bは、何れも、第1、第2のパッド部725a、725b上における、第1、第2の突起部726a〜726bの位置により、第1のタイプT1と第2のタイプT2とに分類される。図20では、図面の明瞭化をはかるために、第1、第2の突起部726a、726bにハッチングを施している。
【0104】
第1のタイプT1に含まれる第1の上面電極723a及び第2のタイプT2に含まれる第1の上面電極723aは、個数及びピッチ間隔が等しい。同様に、第1のタイプT1に含まれる第2の上面電極723b及び第2のタイプT2に含まれる第2の上面電極723bは、個数及びピッチ間隔が等しい。
【0105】
第1のタイプT1は、第1、第2のパッド部725a、725bの第3の基板縁210c側の端部に、それぞれ第1、第2の突起部726a、726bを備え、第1、第2の突起部726a、726bの第4の基板縁210d側に指向する部位に、第1、第2の規制面729a、729bが形成されている。そして、第1のタイプT1にかかる第1、第2の突起部726a、726bは、第1、第2のパッド部725a、725b上の、第4の基板縁210d側の位置に、それぞれ第1、第2の搭載部727a、727bを規定している。
【0106】
第2のタイプT2は、第1、第2のパッド部725a、725bの第4の基板縁210d側の端部に、それぞれ第1、第2の突起部726a、726bを備え、第1、第2の突起部726a、726bの第3の基板縁210c側に指向する部位に、第1、第2の規制面729a、729bが形成されている。そして、第2のタイプT2にかかる第1、第2の突起部726a、726bは、第1、第2のパッド部725a、725b上の、第3の基板縁210c側の位置に、それぞれ第1、第2の搭載部727a、727bを規定している。
【0107】
即ち、第1の規制面729aの向きは、第1のタイプT1と第2のタイプT2とで逆転している。同様に、第2の規制面729bの向きは、第1のタイプT1と第2のタイプT2とで逆転している。又、第1の搭載部727aの位置は、第1のタイプT1と第2のタイプT2とで逆転している。同様に、第2の搭載部727bの位置は、第1のタイプT1と第2のタイプT2とで逆転している。
【0108】
以上のような第1、第2の上面電極723a、723bは、第1のタイプT1と第2のタイプT2との境界部分に、それぞれのピッチ間隔よりも大きい隙間、即ち上面電極が形成されていない区間Ra、Rbが配置されている。このように第1、第2の上面電極723a、723bを配置することにより、半導体チップ100を回路基板200に接近させたときに、第1、第2のバンプ120a、120bの中心軸Oa、Obが、それぞれ第1、第2の搭載部727a、727b上に配置され、且つ、第1、第2のバンプ120a、120bが、それぞれ第1の規制面729a、729bに接触することができるのである。
【0109】
本変形例を採用した場合、第1、第2のバンプ120a、120bの中心軸Oa、Obが、それぞれ回路基板200の第1、第2の搭載部727a、727b上に配置されるように、半導体チップ100を位置決めして、半導体チップ100を回路基板200に加圧すれば、前述のように、半導体チップ100を正確に位置決めすることができる。
【0110】
但し、本変形例にかかる第1、第2の上面電極723a、723bは、第2の実施形態と異なるので、半導体チップ100を回路基板200に加圧する際に、第1、第2のバンプ120a、120bに作用する抗力は、第2の実施形態にかかる第1の抗力F2a、F2bと異なる。
【0111】
例えば、半導体チップ100を回路基板200に加圧する際、第1のタイプT1では、第1の上面電極723aの第1の突起部726aから第1のバンプ120aに、回路基板200の実装表面と平行な第1の抗力Ft1aが作用する。又、第2の上面電極723bの第2の突起部726bから第2のバンプ120bに、回路基板200の実装表面と平行な第3の抗力Ft1bが作用する。そして、第2のタイプT2では、第1の上面電極723aの第1の突起部726aから第1のバンプ120aに、第1の抗力Ft1aを相殺する第2の抗力Ft2aが作用する。又、第2の上面電極723bの第2の突起部726bから第2のバンプ120bに、第3の抗力Ft1bを相殺する第4の抗力Ft2bが作用する。
【0112】
尚、本変形例は、半導体チップ100が第3、第4のバンプ120c、120dを備えていないことを想定しているが、これに限定されるものではない。例えば、半導体チップ100が第1〜第4のバンプ120a〜120dを備えていても良い。その場合、第3、第4のバンプ120c、120dを接続するための第3、第4の上面電極(図示しない)の形態は、特に限定されるものではない。しかし、本変形例にかかる第1、第2の上面電極723a、723bに対応する上面電極(図示しない)を、回路基板200の第3、第4の基板縁210c、210dに沿うように配置して、これらを第3、第4の上面電極としても良い。
[変形例2]
以下、図21を参照しながら、第2の実施形態の変形例2を説明する。
【0113】
図21は、第2の実施形態の変形例2にかかる半導体チップ100の位置決めの説明図である。
【0114】
図21に示すように、本変形例にかかる第2の上面電極723bは、第1、第2のタイプT1、T2の配置が第1の実施形態と反転している。本変形例のように、第1、第2のタイプT1、T2の配置が反転していても、変形例1と同様に、半導体チップ100を正確に位置決めすることができる。但し、第1、第2のタイプT1、T2の配置の反転に付随して、第1のタイプT1と第2のタイプT2との境界部分に形成された、第2の上面電極723bが形成されていない区間Rbは、第2の上面電極723bのピッチ間隔よりも小さくなる。
【0115】
尚、本変形例では、第2の上面電極723bにつき、第1、第2のタイプT1、T2の配置を変形例1から反転させているが、これに限定されるものではなく、第1、第2の上面電極723a、723bの何れか、もしくは双方につき、第1、第2のタイプT1、T2の配置を変形例1から反転させても良い。
[第3の実施形態]
以下、図22〜図28を参照しながら、第3の実施形態を説明する。尚、第1、第2の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付して、その説明を省略することとする。
[半導体装置の構成]
先ず、図22〜図24を参照して、半導体装置の構成を説明する。
【0116】
図22は、第3の実施形態にかかる半導体装置の断面図であって、図2に対応する断面を示している。図22に示すように、第3の実施形態にかかる回路基板200は、第1の実施形態とは異なる第1〜第4の上面電極823a〜823dを備える。さらに、第3の実施形態にかかる回路基板200は、変形吸収膜821を備える。
[回路基板の構成]
図23は、第3の実施形態にかかる回路基板200の上面図である。図24は、第3の実施形態にかかる回路基板200の断面図であって、図23のIIXIV−IIXIVにおける断面を示している。
【0117】
図23又は図24に示すように、第3の実施形態にかかる回路基板200は、第1の実施形態にかかる第1〜第4のパッド部225a〜225dを備えているが、第1〜第4の突起部226a〜226dを備えていない。そして、第1の実施形態にかかる第1〜第4のパッド部225a〜225dを、それぞれ第1〜第4の内部配線パターン225a〜225dとして用いている。
【0118】
さらに、第3の実施形態にかかる回路基板200は、第1〜第4の内部配線パターン225a〜225d及び上面絶縁膜222を被覆する変形吸収膜821を備えている。変形吸収膜821の材料としては、第1〜第4の内部配線パターン225a〜225d及び上面絶縁膜222よりも剛性が低い材料、例えばエポキシ樹脂やフェノール樹脂が用いられる。変形吸収膜821の膜厚は、例えば約20μm〜40μmである。
【0119】
変形吸収膜821は、第1〜第4の内部配線パターン225a〜225d及び上面絶縁膜222上に形成され、第1〜第4の内部配線パターン225a〜225dに対応する位置には、それぞれ第1〜第4のポスト部822a〜822dが埋め込まれている。第1〜第4のポスト部822a〜822dは、第1〜第4の内部配線パターン225a〜225dの幅方向全体に形成され、それぞれ第1〜第4の内部配線パターン225a〜225dに電気的に接続されている。第1〜第4のポスト部822a〜822dの材料としては、変形吸収膜821よりも剛性が高い導電性材料、例えばCuなどの金属が用いられる。第1〜第4のポスト部822a〜822dの膜厚は、変形吸収膜821の膜厚と同等である。
【0120】
第3の実施形態にかかる第1〜第4の上面電極823a〜823dは、第1〜第4の内部配線パターン225a〜225dに対応するように配列され、それぞれ第1〜第4の固定部824a〜824dと、第1〜第4の可撓梁部825a〜825dと、を備える。
【0121】
第1〜第4の固定部824a〜824dは、それぞれ第1〜第4のポスト部822a〜822d上に配置され、第1〜第4のポスト部822a〜822dに電気的に接続されている。第1〜第4の可撓梁部825a〜825dは、それぞれ変形吸収膜821上に配置され、半導体チップ100の第1〜第4のポスト部822a〜822dから離間するにつれて、コア材210に接近するように撓んでいる。
【0122】
半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ第1〜第4の可撓梁部825a〜825dに接続される。従って、第1のポスト部822aと第2のポスト部822bとの間隔G1は、第1のバンプ120aの中心軸Oaと第2のバンプ120bのObとの間隔G4よりも大きくなるように設定される。より好ましくは、第1のポスト部822aと第2のポスト部822bとの間隔G1は、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔G2に、第1、第2のバンプ120a、120bの直径dの2倍(=2d)を加算した距離G3よりも大きくなるように設定される。これを採用すれば、第1、第2のバンプ120a、120bの全体を、第1、第2の可撓梁部825a、825bに接続することができる。即ち、第1、第2のバンプ120a、120bが第1、第2の固定部824a、824bに接続されないように、半導体チップ100を位置決めすることができる。同様に、第3のポスト部822cと第4のポスト部822dとの間隔G1は、第3のバンプ120cの中心軸Ocと第4のバンプ120dの中心軸Odとの間隔G4よりも大きくなるように設定される。より好ましくは、第3のポスト部822cと第4のポスト部822dとの間隔G1は、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔G2に、第3、第4のバンプ120c、120dの直径dの2倍(=2d)を加算した距離G3よりも大きくなるように設定される。これを採用すれば、第3、第4のバンプ120c、120dの全体を、第3、第4の可撓梁部825c、825dに接続することができる。即ち、第3、第4のバンプ120c、120dが第3、第4の固定部824c、824dに接続されないように、半導体チップ100を位置決めすることができる。
[回路基板の製造方法]
次に、図25を参照して、回路基板の製造方法を説明する。
【0123】
図25は、第3の実施形態にかかる回路基板200の製造方法の説明図である。
【0124】
先ず、図25(a)に示すように、所謂ガラスエポキシ基板200aを用意する。ガラスエポキシ基板200aは、第1の実施形態にかかる回路基板200から第1〜第4の突起部226a〜226dを除き、本実施形態にかかる第1〜第4の内部配線パターン225a〜225dとして利用する第1〜第4のパッド部225a〜225dを残したものである。
【0125】
次に、図25(b)に示すように、ガラスエポキシ基板200aの上面に、変形吸収膜821を成膜する。変形吸収膜821の成膜方法としては、例えばスクリーン印刷法やスピンコート法を用いても良い。変形吸収膜821の膜厚は、例えば20mm〜40mmとする。そして、変形吸収膜821における、第1〜第4の内部配線パターン225a〜225dに対応する位置に、それぞれ開口821aを形成する。開口821aの形成方法としては、例えばレーザ加工やエッチング法が用いられる。レーザ加工を採用する場合、第1〜第4の内部配線パターン225a〜225dを加工停止面としても良い。エッチング法を採用する場合、変形吸収膜821の材料に応じたエッチャントを用いれば良い。例えば、変形吸収膜821の材料がエポキシ樹脂であれば、エッチャントとして、例えば濃硫酸、クロム酸、アルカリ過マンガン酸塩などを用いても良い。尚、変形吸収膜821を成膜した後に、変形吸収膜821の表面を平坦化するために、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)を実施しても良い。
【0126】
次に、図25(c)に示すように、変形吸収膜821上に、例えばCuなどのシード層(図示しない)を形成して、当該シード層を給田層として、電解メッキにより、例えばCuなどの金属膜(図示しない)を形成する。このとき、変形吸収膜821に形成された開口821a内に金属膜が埋め込まれ、第1〜第4のポスト部822a〜822dとなる。そして、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)により、金属膜の不要な部分を除去して、該金属膜の表面を平坦化する。そして、金属膜上にレジストパターン(図示しない)を形成し、当該レジストパターンをマスクとして、金属膜をエッチングすることにより、第1〜第4の上面電極823a〜823dを形成する。
【0127】
以上で、第3の実施形態にかかる回路基板200が完成する。このように、通常の半導体装置に使用されるガラスエポキシ基板に、成膜及びエッチングを実施するだけで、簡単に回路基板200を製造することができる。
[半導体装置の製造方法]
次に、図26、図27を参照して、半導体装置の製造方法を説明する。
【0128】
図26、図27は、第3の実施形態にかかる半導体装置の製造方法の説明図である。
【0129】
先ず、図26(a)に示すように、回路基板200の上面に、例えばディスペンス法により、エポキシ系樹脂Lを供給する。エポキシ系樹脂Lとしては、例えばエポキシ樹脂にシリカなどのフィラーを添加したものである。
【0130】
次に、図26(b)に示すように、加圧ヘッドHの下面に、半導体チップ100を吸着して、第1〜第4のバンプ120a〜120dの中心軸Oa〜Odが、それぞれ第1〜第4の可撓梁部825a〜825d上に配置されるように、半導体チップ100を位置決めする。このとき、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ、チップ本体110から離間するにつれて縮径する円錐状に形成されている。即ち、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ尖鋭な先端部を備えている。
【0131】
次に、図27(c)に示すように、半導体チップ100を吸着した加圧ヘッドHを降下させて、半導体チップ100を回路基板200に接近させる。これにより、回路基板200上に供給されたエポキシ系樹脂Lが半導体チップ100により押し広げられて、半導体チップ100及び回路基板200の隙間が充填される。
【0132】
そして、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の可撓梁部825a〜825dに接触したら、半導体チップ100の回路基板200への加圧を開始する。すると、第1〜第4の可撓梁部825a〜825dは、それぞれ第1〜第4のバンプ120a〜120dに押圧されて、コア材210に接近するように湾曲する。これにより、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、後述する位置決めプロセスを経て、第1〜第4の上面電極823a〜823dに対して、正確に位置決めされる。第1〜第4のバンプ120a〜120dが正確に位置決めされると、半導体チップ100も同様に、回路基板200に対して、正確に位置決めされる。
【0133】
そして、さらに半導体チップ100を加圧して、第1〜第4のバンプ120a〜120dを、それぞれ第1〜第4の可撓梁部825a〜825dに接続する。このとき、第1〜第4のバンプ120a〜120dは、第1〜第4の可撓梁部823a〜823dの形状に応じて変形する。これにより、第1〜第4のバンプ120a〜120dの尖鋭な先端部が平坦化される。
【0134】
そして、第1〜第4のバンプ120a〜120dが、それぞれ第1〜第4の可撓梁部825a〜825dに接続されたら、半導体チップ100を回路基板200に加圧したまま、加圧ヘッドHに設けられたヒータ(図示しない)で半導体チップ100を加熱して、半導体チップ100及び回路基板200の隙間に存在するエポキシ系樹脂Lを凝固させる。これにより、エポキシ系樹脂Lが収縮して、半導体チップ100及び回路基板200が接合される。このように、半導体チップ100を回路基板200に加圧しながら、半導体チップ100を回路基板200に接合するので、完成後の半導体装置においても、第1〜第4の可撓梁部825a〜825dは、コア材210側に湾曲している。
【0135】
次に、図27(d)に示すように、回路基板200の下面電極233に、それぞれ半田ボール400を取り付ける。以上で、第3の実施形態にかかる半導体装置が完成する。
[半導体チップの位置決めプロセス]
次に、図28を参照して、半導体チップ100の位置決めプロセスを説明する。
【0136】
図28は、第3の実施形態にかかる半導体チップ100の位置決めプロセスの説明図であって、第1、第2のバンプ120a、120bと第1、第2の上面電極823a、823bとの連携の様子を示している。
【0137】
先ず、図28(a)に示すように、半導体チップ100を吸着した加圧ヘッドH(図示しない)を駆動して、第1〜第4のバンプ120a〜120dの中心軸Oa〜Odが、第1〜第4の可撓梁部825a〜825d上に配置されるように、半導体チップ100を位置決めする。
【0138】
次に、加圧ヘッドHを降下させて、半導体チップ100を回路基板200に接近させる。そして、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の可撓梁部825a〜825dに接触したら、半導体チップ100の回路基板200への加圧を開始する。すると、第1〜第4の可撓梁部825a〜825dは、それぞれ回路基板200の内側に進むにつれてコア材210に接近するように湾曲する。これにより、図28(b)に示すように、第1〜第4の可撓梁部825a〜825dから第1〜第4のバンプ120a〜120dに、それぞれ第1〜第4の抗力F3a〜F3dが作用する。このとき、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、第1の基板縁210a側(図28の左側)にずれていると、第1のポスト部822aと第1のバンプ120aのとの距離は、第2のポスト部822bと第2のバンプ120bとの距離よりも小さくなる。即ち、第1のバンプ120aは、第1のポスト部822aに近い位置で第1の可撓梁部825aに接触するが、第2のバンプ120bは、第2のポスト822bに遠い位置で第2の可撓梁部825bに接触する。従って、第1、第2のバンプ120a、120bの降下量が同じであるにも関わらず、第1の可撓梁部825aは、第2の可撓梁部825bよりも大きく撓むことになる。このため、第1の可撓梁部825aの上面部分は、第2の可撓梁部825bの上面部分よりも急峻な角度で傾斜する。従って、第1の可撓梁部825aから第1のバンプ120aに作用する第1の抗力F3aは、第2の可撓梁部825bから第2のバンプ120bに作用する第2の抗力F3bよりも大きくなる。このため、第1、第2のバンプ120a、120bは、第1、第2の抗力F3a、F3bの合力により、第1、第2の可撓梁部825a、825b上を滑動しながら、第2の基板縁210b側(図28の右側)に移動する。
【0139】
第1、第2のバンプ120a、120bが第2の基板縁210b側に移動すると、第1、第2の可撓梁部825a、825bの撓みは、徐々に均一化されていく。そして、図28(c)に示すように、第1のバンプ120aから第1のポスト部822aまでの距離が、第2のバンプ120bから第2のポスト部822bまでの距離に等しくなると、第1、第2の可撓梁部825a、825bの撓みが同等になる。すると、第1、第2のバンプ120a、120bに作用していた第1、第2の抗力F3a、F3bが釣り合い、即ち互いに相殺して、半導体チップ100の移動が停止する。こうして、第1、第2のバンプ120a、120bは、第1、第2の可撓梁部825a、825bの長手方向、即ち回路基板200のX方向において、正確に位置決めされる。そして、第1、第2のバンプ120a、120bが、回路基板200のX方向において、正確に位置決めされると、半導体チップ100も同様に、回路基板200のX方向において、正確に位置決めされる。
【0140】
以上のように、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、正確に位置決めされると、第1の実施形態と同様に、第3、第4のバンプ120c、120dも、回路基板200のX方向において、正確に位置決めされる。即ち、第3、第4のバンプ120c、120dは、第3、第4の上面電極823c、823dの幅方向、即ち短手方向に対して、正確に位置決めされる。従って、半導体チップ100のファインピッチ化に付随して、第3、第4の上面電極823c、823dの幅寸法が小さくなっても、第3、第4のバンプ120c、120dを、第3、第4の上面電極823a、823bに、確実に実装することができる。しかも、半導体チップ100の加圧開始時に、第1、第2のバンプ120a、120bを第1、第2の可撓梁部825a、825b上に配置するだけなので、位置決め作業が困難になることもない。
【0141】
これまで、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、第1の基板縁210a側(図28の左側)にずれていることを想定していたが、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、第2の基板縁210b側(図28の右側)に僅かにずれているときも同様である。
【0142】
半導体チップ100が回路基板200のX方向において正確に位置決めされたら、さらに半導体チップ100を回路基板200に加圧する。すると、第1、第2のバンプ120a、120bは、尖鋭な先端部が平坦化され、第1、第2の可撓梁部825a、825bに接続される。このときも、第1、第2のバンプ120a、120bは、それぞれ第1、第2の可撓梁部825a、825bの、傾斜した上面部分に掛止されている。即ち、第1、第2のバンプ120a、120bには、それぞれ第1、第2の抗力F3a、F3bが作用している。従って、半導体チップ100を回路基板200に加圧している過程で、半導体チップ100が回路基板200のX方向において、位置ずれを起こすことがない。よって、半導体チップ100を回路基板200に実装する過程で、第3、第4のバンプ120c、120dが第3、第4の可撓梁部825c、825dから脱落することもない。
【0143】
これまで、第1、第2のバンプ120a、120bと第1、第2の上面電極823a、823bとの連携に着目して説明してきたが、第3、第4のバンプ120c、120dと第3、第4の上面電極823c、823dとの連携も同様である。
【0144】
例えば、半導体チップ100が回路基板200のY方向において、第3の基板縁210c側にずれていると、第3の可撓梁部825cから第3のバンプ120cに作用する第3の抗力F3cは、第4の可撓梁部825dから第4のバンプ120dに作用する第4の抗力F3dよりも大きくなる。このため、第3、第4のバンプ120c、120dは、第3、第4の抗力F3c、F3dの合力により、第3、第4の可撓梁部825c、825d上を滑動しながら、第4の基板縁210d側に移動する。
【0145】
第3、第4のバンプ120c、120dが第4の基板縁210d側に移動すると、第3、第4の可撓梁部825c、825dの撓みは、徐々に均一化されていく。そして、第3のバンプ120cから第3のポスト部822cまでの距離が、第4のバンプ120dから第4のポスト部822dまでの距離に等しくなると、第3、第4の可撓梁部825c、825dの撓みが同等になる。すると、第3、第4のバンプ120c、120dに作用していた第3、第4の抗力F3c、F3dが釣り合い、即ち互いに相殺して、半導体チップ100の移動が停止する。こうして、第3、第4のバンプ120c、120dは、第3、第4の可撓梁部825c、825dの長手方向、即ち回路基板200のY方向において、正確に位置決めされる。そして、第3、第4のバンプ120c、120dが、回路基板200のY方向において、位置決めされると、半導体チップ100も同様に、回路基板200のY方向において、正確に位置決めされる。
【0146】
以上のように、半導体チップ100が回路基板200のY方向において、正確に位置決めされると、第1の実施形態と同様に、第1、第2のバンプ120a、120bも、回路基板200のY方向において、正確に位置決めされる。即ち、第1、第2のバンプ120a、120bは、第1、第2の上面電極823a、823bの幅方向、即ち短手方向に対して、正確に位置決めされる。従って、半導体チップ100のファインピッチ化に付随して、第1、第2の上面電極823a、823bの幅寸法が小さくなっても、第1、第2のバンプ120a、120bを、第1、第2の上面電極823a、823bに、確実に実装することができる。しかも、半導体チップ100の加圧開始時に、第3、第4のバンプ120c、120dを、第3、第4の可撓梁部825c、825d上に配置するだけなので、位置決め作業が困難になることもない。
【0147】
これまで、半導体チップ100が回路基板200のY方向において、第3の基板縁210c側にずれていることを想定していたが、半導体チップ100が回路基板200のY方向において、第4の基板縁210d側に僅かにずれているときも同様である。
【0148】
半導体チップ100が回路基板200のY方向において正確に位置決めされたら、さらに半導体チップ100を回路基板200に加圧する。すると、第3、第4のバンプ120c、120dは、尖鋭な先端部が平坦化され、第3、第4の可撓梁部825c、825dに接続される。このときも、第3、第4のバンプ120c、120dは、それぞれ第3、第4の可撓梁部825c、825dの、傾斜した上面部分に掛止されている。即ち、第3、第4のバンプ120c、120dには、それぞれ第3、第4の抗力F3c、F3dが作用している。従って、半導体チップ100を回路基板200に加圧している過程で、半導体チップ100が回路基板200のY方向において、位置ずれを起こすことがない。よって、半導体チップ100を回路基板200に実装する過程で、第1、第2のバンプ120a、120bが第1、第2の可撓梁部825a、825bから脱落することもない。
【0149】
尚、ここでは、半導体チップ100のX方向及びY方向の位置決めを、別個に説明してきたが、半導体チップ100のX方向及びY方向の位置決めは、同時に進行するものである。
【0150】
以上のように、本実施形態では、半導体チップ100が回路基板200のX方向又はY方向に僅かにずれていても、半導体チップ100を回路基板200に接近させる過程で、半導体チップ100の位置が徐々に補正されて、半導体チップ100が正確に位置決めされる。即ち、半導体チップ100を回路基板200に接近させると、第1〜第4のバンプ120a〜120dが自ら正しい位置に近づき、半導体チップ100が正確に位置決めされるのである。しかも、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の可撓梁部825a〜825dの、傾斜した上面部分に掛止されているので、半導体チップ100を回路基板200に加圧する過程で、半導体チップ100が位置ずれを起こすこともない。即ち、第1〜第4のバンプ120a〜120dが第1〜第4の可撓梁部825a〜825dから脱落することもない。
【0151】
本実施形態によれば、第1〜第4の上面電極823a〜823dに、第1〜第4のポスト部822a〜822d上に配置される第1〜第4の固定部824a〜824dと、変形吸収膜821上に配置される第1〜第4の可撓梁部825a〜825dと、を備えるだけで、半導体チップ100を正確に位置決めすることができる。従って、回路基板200に形成される第1〜第4の上面電極823a〜823dを拡幅化する必要がない。よって、半導体チップ100の更なるファインピッチ化にも充分に対応することができる。
【0152】
尚、本実施形態では、変形吸収膜821の材料として、第1〜第4のポスト部822a〜822dよりも剛性が低いものを用いているが、半導体チップ100を回路基板200に実装するときに、第1〜第4のポスト部822a〜822dよりも剛性が低ければ良い。例えば、変形吸収膜821の材料として、熱可塑性樹脂を用いれば、半導体チップ100を加熱したときに、熱硬化性樹脂が軟化するため、第1〜第4の可撓梁部825a〜825dは、より撓みやすい。しかも、半導体チップ100の加熱後、変形吸収膜821の温度が低下すると、変形吸収膜821が自然に硬化するので、半導体装置の完成後でも、回路基板200に所望の強度を持たせることができる。但し、半導体装置の運用時の発熱により、変形吸収膜821が軟化、流動化しないように、材料を選択する必要がある。又、変形吸収膜821の材料として、Bステージ樹脂を用いれば、半導体チップ100を加熱したときに、変形吸収膜821がBステージに遷移して軟化するため、第1〜第4の可撓梁部825a〜825dは、より撓みやすい。しかも、半導体チップ100を、さらに加熱すれば、変形吸収膜821がCステージに移行して自然に硬化するので、半導体装置の完成後でも、回路基板200に所望の強度を持たせることができる。但し、半導体チップ100の加熱温度と、変形吸収膜821がBステージに遷移する温度、即ちBステージ温度とが対応するように、材料を選択する必要がある。
[変形例]
以下、図29、図30を参照しながら、第3の実施形態の変形例を説明する。
【0153】
図29は、第3の実施形態の変形例にかかる半導体装置の断面図であって、図22に対応する断面を示している。図30は、第3の実施形態の変形例にかかる回路基板200の断面図であって、図24に対応する断面を示している。
【0154】
本変形例にかかる第1〜第4の上面電極923a〜923dは、第1〜第4のポスト部922a〜922dを基点として、第3の実施形態とは逆側、即ち回路基板200の外側に延びている。即ち、第1〜第4の上面電極923a〜923dは、第1〜第4のポスト部922a〜922d上に配置される第1〜第4の固定部924a〜924dと、変形吸収膜821上に配置され、第1〜第4の固定部924a〜924dから回路基板200の外側に延びる第1〜第4の可撓梁部925a〜925dと、を備える。
【0155】
半導体チップ100の第1〜第4のバンプ120a〜120dは、それぞれ第1〜第4の可撓梁部925a〜925d上に搭載される。従って、第1のポスト部922aの外側の側面から第2のポスト部922bの外側の側面までの距離G1は、第1のバンプ120aの中心軸Oaと第2のバンプ120bの中心軸Obとの間隔G4よりも小さくなるように設定される。より好ましくは、第1のポスト部922aの外側の表面から第2のポスト部922bの外側の表面までの距離G1は、第1のバンプ120aと第2のバンプ120bとの間隔G2よりも小さくなるように設定される。これを採用すれば、第1、第2のバンプ120a、120bの全体を、第1、第2の可撓梁部925a、925bに接続することができる。即ち、第1、第2のバンプ120a、120bが第1、第2の固定部924a、924bに接続されないように、半導体チップ100を位置決めすることができる。同様に、第3のポスト部922cの外側の表面から第4のポスト部922dの外側の表面までの間隔G1は、第3のバンプ120cの中心軸Ocと第4のバンプ120dの中心軸Odとの間隔G4よりも小さくなるように設定される。より好ましくは、第3のポスト部922cの外側の表面から第4のポスト部922dの外側の表面までの距離G1は、第3のバンプ120cと第4のバンプ120dとの間隔G2よりも小さくなるように設定される。これを採用すれば、第3、第4のバンプ120c、120dの全体を、第3、第4の可撓梁部925c、925dに接続することができる。即ち、第3、第4のバンプ120c、120dが第3、第4の固定部924c、924dに接続されないように、半導体チップ100を位置決めすることができる。
【0156】
本変形例のように、第1〜第4の上面電極923a〜923dを、第1〜第4のポスト部922a〜922dを基点として、第3の実施形態とは逆側に延在させても良い。本変形例を採用した場合、第1〜第4のバンプ120a〜120dの中心軸Oa〜Odが、第1〜第4の可撓梁部925a〜925d上に配置されるように、半導体チップ100を位置決めして、半導体チップ100を回路基板200に加圧すれば、前述のように、半導体チップ100を正確に位置決めすることができる。但し、第1〜第4の可撓梁部925a〜925dは、第3の実施形態にかかる第1〜第4の可撓梁部825a〜825dとは逆向きに傾斜するので、本変形例にかかる第1〜第4の抗力は、第3の実施形態にかかる第1〜第4の抗力とは逆向きに作用する。
【0157】
以下、これらの実施形態を付記として記載する。
[付記1]
第1の電極及び第2の電極を有する回路基板と、
第1の端子及び第2の端子を有する電子部品と、を備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記第1の端子が接続される第1のパッド部及び前記第2の端子が接続される第2のパッド部を含み、
前記第1の電極は、前記第1のパッド部に対して、前記第1のパッド部及び前記第2のパッド部を通過する直線に平行な第1の方向に配置された、前記第1の突起部に接触する第1の突起部を含み、
前記第2の電極は、前記第2のパッド部に対して、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に配置された、前記第2の突起部に接触する第2の突起部を含み、
前記第1の端子の中心軸は、前記第1の突起部の前記第1のパッド部側に配置され、
前記第2の端子の中心軸は、前記第2の突起部の前記第2のパッド部側に配置されることを特徴とする電子装置。
[付記2]
第1の電極、第2の電極、第3の電極、及び第4の電極を有する回路基板と、
第1の端子、第2の端子、第3の端子、及び第4の端子を有する電子部品と、を備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極は、第1の直線上に配置された、前記第1の端子及び前記第2の端子が接続される第1のパッド部及び第2のパッド部を含み、
前記第3の電極及び前記第4の電極は、前記第1のパッド部及び前記第2のパッド部間で前記第1の直線と交差する第2の直線上であって、前記第1の直線をはさんで配置された、前記第3の端子及び前記第4の端子が接続される第3の電極及び第4の電極を含み、
前記第1の電極は、前記第1のパッド部に対して、前記第1の直線を基準としたときの前記第3のパッド部と同じ側に配置された、前記第1の端子に接触する第1の突起部を含み、
前記第2の電極は、前記第2のパッド部に対して、前記第1の直線を基準としたときの前記第4のパッド部と同じ側に配置された、前記第2の端子に接触する第2の突起部を含み、
前記第3の電極は、前記第3のパッド部に対して、前記第2の直線を基準としたときの前記第1のパッド部と同じ側に配置された、前記第3の端子に接触する第3の突起部を含み、
前記第4の電極は、前記第4のパッド部に対して、前記第2の直線を基準としたときの前記第2のパッド部と同じ側に配置された、前記第4の端子に接触する第4の突起部を含み、
前記第1の端子の中心軸は、前記第1の突起部の前記第1のパッド部側に配置され、
前記第2の端子の中心軸は、前記第2の突起部の前記第2のパッド部側に配置され、
前記第3の端子の中心軸は、前記第3の突起部の前記第3のパッド部側に配置され、
前記第4の端子の中心軸は、前記第4の突起部の前記第4のパッド部側に配置されることを特徴とする電子装置。
[付記3]
回路基板と、前記回路基板に実装される電子部品と、を備え、
前記回路基板は、
基材と、
前記基材の上方に形成される第1の支持体及び第2の支持体と、
前記第1の支持体上に配置される第1の固定部と、前記第1の固定部に対して、前記第1の支持体及び前記第2の支持体を通過する直線に平行な第1の方向に配置される第1の梁部と、を含む第1の電極と、
前記第2の支持体上に配置される第2の固定部と、前記第2の固定部に対して、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に配置される第2の梁部と、を含む第2の電極と、
前記第1の梁部及び前記第2の梁部下に配置され、前記第1の支持体及び前記第2の支持体よりも剛性の低い膜体と、を備え、
前記電子部品は、
部品本体と、
前記部品本体に設けられ、前記第1の梁部上に接続される第1の端子と、
前記部品本体に設けられ、前記第2の梁部上に接続される第2の端子と、を備えることを特徴とする電子装置。
[付記4]
付記3に記載の電子装置において、
前記第1の梁部は、前記第1の支持体から前記第1の方向に離間するにつれて前記基材に近づき、
前記第2の梁部は、前記第2の支持体から前記第2の方向に離間するにつれて前記基材に近づくことを特徴とする電子装置。
[付記5]
付記3に記載の電子装置において、
前記膜体は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする電子装置。
[付記6]
付記3に記載の電子装置において、
前記膜体は、Bステージ樹脂であることを特徴とする電子装置。
[付記7]
電子部品が実装される回路基板において、
基材と、
前記基材の上方に配置される第1の電極及び第2の電極と、
を備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記電子部品の第1の端子及び第2の端子が接続される第1のパッド部及び第2のパッド部を含み、
前記第1の電極は、前記第1のパッド部に対して、前記第1のパッド部及び前記第2のパッド部を通過する第1の直線に平行な第1の方向に配置された、前記第1の端子により加圧された際に、前記第1の端子の側面を前記第1のパッド部側に押圧する第1の突起部を含み、
前記第2の電極は、前記第2のパッド部に対して、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に配置された、前記第2の端子により加圧された際に、前記第2の端子の側面を前記第2のパッド部側に押圧する第2の突起部を含むことを特徴とする回路基板。
[付記8]
電子部品が実装される回路基板において、
基材と、
前記基材の上方に配置された第1の電極、第2の電極、第3の電極、及び第4の電極を備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極は、第1の直線上に配置された、前記電子部品の第1の端子及び第2の端子が接続される第1のパッド部及び第2のパッド部を含み、
前記第3の電極及び前記第4の電極は、前記第1のパッド部及び前記第2のパッド部間で前記第1の直線と交差する第2の直線上であって、前記第1の直線をはさんで配置された、前記電子部品の第3の端子及び第4の端子が接続される第3のパッド部及び第4のパッド部を含み、
前記第1の電極は、前記第1のパッド部に対して、前記第1の直線を基準としたときの前記第3のパッド部と同じ側に配置された、前記第1の端子が加圧された際に、前記第1の端子の側面を前記第1のパッド部側に押圧する第1の突起部と、を含み、
前記第2の電極は、前記第2のパッド部に対して、前記第1の直線を基準としたときの前記第4のパッド部と同じ側に配置された、前記第2の端子が加圧された際に、前記第2の端子の側面を前記第2のパッド部側に押圧する第2の突起部と、を含み、
前記第3の電極は、前記第3のパッド部に対して、前記第2の直線を基準としたときの前記第1のパッド部と同じ側に配置された、前記第3の端子が加圧された際に、前記第3の端子の側面を前記第3のパッド部側に押圧する第3の突起部と、を含み、
前記第4の電極は、前記第4のパッド部に対して、前記第2の直線を基準としたときの前記第2のパッド部と同じ側に配置された、前記第4の端子が加圧された際に、前記第4の端子の側面を前記第4のパッド部側に押圧する第4の突起部と、を含むことを特徴とする回路基板。
[付記9]
電子部品が実装される回路基板において、
基材と、
前記基材の上方に形成される第1の支持体及び第2の支持体と、
前記第1の支持体上に配置される第1の固定部と、前記電子部品の第1の端子が接続される第1の梁部であって、前記第1の固定部に対して、前記第1の支持体及び前記第2の支持体を通過する直線に平行な第1の方向に配置され、前記第1の端子により加圧された際に、前記第1の固定部から離間するにつれて前記基材に接近するように撓むことにより、前記第1の端子を前記第1のパッド部側に押圧する第1の梁部と、を含む第1の電極と、
前記第2の支持体上に配置される第2の固定部と、前記電子部品の第2の端子が接続される第2の梁部であって、前記第2の固定部に対して、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に配置され、前記第2の端子により加圧された際に、前記前記第2の固定部から離間するにつれて前記基材側に接近するように撓むことにより、前記第2の端子を前記第2のパッド部側に押圧する第2の梁部と、を含む第2の電極と、
前記第1の梁部及び前記第2の梁部下に配置され、前記第1の支持体及び前記第2の支持体よりも剛性の低い膜体と、を備えることを特徴とする回路基板。
[付記10]
付記9に記載の回路基板において、
前記膜体は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする回路基板。
[付記11]
付記9に記載の回路基板において、
前記膜体は、Bステージ樹脂であることを特徴とする回路基板。
[付記12]
電子部品の第1の端子により加圧された際に前記第1の端子に対して回路基板の実装表面と平行な第1の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第1の電極に、前記第1の端子を接触させると共に、前記電子部品の第2の端子により加圧された際に前記第2の端子に対して前記第1の抗力を相殺する第2の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第2の電極に、前記第2の端子を接触させる工程と、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧する工程と、
を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
[付記13]
付記12に記載の電子装置の製造方法において、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧するときに、前記第1の端子の側面を、前記第1の電極に形成された第1の突起部の側部のうち、前記第1の電極及び前記第2の電極を通過する第1の直線に平行な第1の方向の先方に位置する部位に当接させると共に、前記第2の端子の側面を、前記第2の電極に形成された第2の突起部の側部のうち、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向の先方に位置する部位に当接させる電子装置の製造方法。
[付記14]
付記12に記載の電子装置の製造方法において、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に接触させるときに、前記電子部品の第3の端子により加圧された際に前記第3の端子に対して前記回路基板の実装表面と平行かつ前記第1の抗力及び前記第2の効力と交差する第3の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第3の電極に、前記第3の端子を接触させると共に、前記電子部品の第4の端子により加圧された際に前記第4の端子に対して前記第3の抗力を相殺する第4の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第4の電極に、前記第4の端子を接触させ、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧するときに、前記第3の端子及び前記第4の端子を前記第3の電極及び前記第4の電極に加圧することを特徴とする電子装置の製造方法。
[付記15]
付記14に記載の電子装置の製造方法において、
前記第3の電極及び前記第4の電極は、前記第1の電極及び前記第2の電極間で前記第1の直線と交差する第2の直線上であって、前記第1の直線をはさんで配置され、
前記第1の端子、前記第2の端子、前記第3の端子、及び前記第4の端子を、前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極、及び前記第4の電極に加圧するときに、前記第1の端子の側面及び前記第2の端子の側面を、それぞれ前記第1の電極に形成された第1の突起部の側部及び前記第2の電極に形成された第2の突起部の側部のうち、前記第1の直線及び前記第2の直線の交差点を中心とする第1の回転方向の先方に位置する部位に当接させ、前記第3の端子の側面及び前記第4の端子の側面を、それぞれ前記第3の電極に形成された第3の突起部の側部及び前記第2の電極に形成された第4の突起部の側部のうち、前記第1の直線及び前記第2の直線の交差点を中心とする第1の回転方向とは反対である第2の回転方向の先方に位置する部位に当接させる、ことを特徴とする電子装置の製造方法。
[付記16]
付記12に記載の電子装置の製造方法において、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧するときに、前記第1の端子による加圧力で前記第1の電極を撓ませることにより、前記第1の電極の上面を、前記回路基板の実装表面に対して傾斜させると共に、前記第2の端子による加圧力で前記第2の電極を撓ませることにより、前記第2の電極の上面を、前記回路基板の実装表面に対して前記第1の電極とは逆側に傾斜させる、ことを特徴とする電子装置の製造方法。
[付記17]
付記12乃至17のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧しながら、前記電子部品を前記回路基板に接合する電子装置の製造方法。
[付記18]
付記17に記載の電子装置の製造方法において、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧する前に、前記回路基板と前記電子部品との間に未硬化のアンダーフィル材を供給する工程を備え、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧するときに、前記アンダーフィル材を硬化させることで、前記電子部品を前記回路基板に接合することを特徴とする電子装置の製造方法。
[付記19]
付記18に記載の電子装置の製造方法において、
前記アンダーフィル材を加熱により硬化させることを特徴とする電子装置の製造方法。
【符号の説明】
【0158】
100:半導体チップ
120a:第1のバンプ
120b:第2のバンプ
120c:第3のバンプ
120d:第4のバンプ
200:回路基板
210:コア材
223a、523a、623a、723a、823a:第1の上面電極
223b、523b、623b、723b、823b:第2の上面電極
223c、523c、623c、723c、823c:第3の上面電極
223d、523d、623d、723d、823d:第4の上面電極
225a、625a、725a:第1のパッド部
225b、625b、725b:第2のパッド部
225c、625c、725c:第3のパッド部
225d、625d、725d:第4のパッド部
226a、526a、626a、726a:第1の突起部
226b、526b、626b、726b:第2の突起部
226c、526c、626c、726c:第3の突起部
226d、526d、626d、726d:第4の突起部
821:変形吸収膜
822a、922a:第1のポスト部
822b、922b:第2のポスト部
822c、922c:第3のポスト部
822d、922d:第4のポスト部
824a、924a:第1の固定部
824b、924b:第2の固定部
824c、924c:第3の固定部
824d、924d:第4の固定部
825a、925a:第1の可撓梁部
825b、925b:第2の可撓梁部
825c、925c:第3の可撓梁部
825d、925d:第4の可撓梁部
F1a、F2a、F3a、Ft1a:第1の抗力
F1b、F2b、F3b、Ft2a:第2の抗力
F1c、F2c、F3c、Ft1b:第3の抗力
F1d、F2d、F3d、Ft2b:第4の抗力
Oa:中心軸
Ob:中心軸
Oc:中心軸
Od:中心軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極及び第2の電極を有する回路基板と、
第1の端子及び第2の端子を有する電子部品と、を備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記第1の端子が接続される第1のパッド部及び前記第2の端子が接続される第2のパッド部を含み、
前記第1の電極は、更に前記第1のパッド部に対して、前記第1のパッド部及び前記第2のパッド部を通過する直線に平行な第1の方向に配置された、前記第1の端子に接触する第1の突起部を含み、
前記第2の電極は、更に前記第2のパッド部に対して、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に配置された、前記第2の端子部に接触する第2の突起部を含み、
前記第1の端子の中心軸は、前記第1の突起部の前記第1のパッド部側に配置され、
前記第2の端子の中心軸は、前記第2の突起部の前記第2のパッド部側に配置されることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
第1の電極、第2の電極、第3の電極、及び第4の電極を有する回路基板と、
第1の端子、第2の端子、第3の端子、及び第4の端子を有する電子部品と、を備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極は、第1の直線上に配置された、前記第1の端子及び前記第2の端子が接続される第1のパッド部及び第2のパッド部を含み、
前記第3の電極及び前記第4の電極は、前記第1のパッド部及び前記第2のパッド部間で前記第1の直線と交差する第2の直線上であって、前記第1の直線をはさんで配置された、前記第3の端子及び前記第4の端子が接続される第3のパッド部及び第4のパッド部を含み、
前記第1の電極は、前記第1のパッド部に対して、前記第1の直線を基準としたときの前記第3のパッド部と同じ側に配置された、前記第1の端子に接触する第1の突起部を含み、
前記第2の電極は、前記第2のパッド部に対して、前記第1の直線を基準としたときの前記第4のパッド部と同じ側に配置された、前記第2の端子に接触する第2の突起部を含み、
前記第3の電極は、前記第3のパッド部に対して、前記第2の直線を基準としたときの前記第1のパッド部と同じ側に配置された、前記第3の端子に接触する第3の突起部を含み、
前記第4の電極は、前記第4のパッド部に対して、前記第2の直線を基準としたときの前記第2のパッド部と同じ側に配置された、前記第4の端子に接触する第4の突起部を含み、
前記第1の端子の中心軸は、前記第1の突起部の前記第1のパッド部側に配置され、
前記第2の端子の中心軸は、前記第2の突起部の前記第2のパッド部側に配置され、
前記第3の端子の中心軸は、前記第3の突起部の前記第3のパッド部側に配置され、
前記第4の端子の中心軸は、前記第4の突起部の前記第4のパッド部側に配置されることを特徴とする電子装置。
【請求項3】
回路基板と、前記回路基板に実装される電子部品と、を備え、
前記回路基板は、
基材と、
前記基材の上方に形成される第1の支持体及び第2の支持体と、
前記第1の支持体上に配置される第1の固定部と、前記第1の固定部に対して、前記第1の支持体及び前記第2の支持体を通過する直線に平行な第1の方向に配置される第1の梁部と、を含む第1の電極と、
前記第2の支持体上に配置される第2の固定部と、前記第2の固定部に対して、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に配置される第2の梁部と、を含む第2の電極と、
前記第1の梁部及び前記第2の梁部下に配置され、前記第1の支持体及び前記第2の支持体よりも剛性の低い膜体と、を備え、
前記電子部品は、
部品本体と、
前記部品本体に設けられ、前記第1の梁部上に接続される第1の端子と、
前記部品本体に設けられ、前記第2の梁部上に接続される第2の端子と、を備えることを特徴とする電子装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電子装置において、
前記第1の梁部は、前記第1の支持体から前記第1の方向に離間するにつれて前記基材に近づき、
前記第2の梁部は、前記第2の支持体から前記第2の方向に離間するにつれて前記基材に近づくことを特徴とする電子装置。
【請求項5】
電子部品が実装される回路基板において、
基材と、
前記基材の上方に配置される第1の電極及び第2の電極と、
を備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記電子部品の第1の端子及び第2の端子が接続される第1のパッド部及び第2のパッド部を含み、
前記第1の電極は、前記第1のパッド部に対して、前記第1のパッド部及び前記第2のパッド部を通過する直線に平行な第1の方向に配置された、前記第1の端子により加圧された際に、前記第1の端子の側面を前記第1のパッド部側に押圧する第1の突起部を含み、
前記第2の電極は、前記第2のパッド部に対して、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に配置された、前記第2の端子により加圧された際に、前記第2の端子の側面を前記第2のパッド部側に押圧する第2の突起部を含むことを特徴とする回路基板。
【請求項6】
電子部品の第1の端子により加圧された際に前記第1の端子に対して回路基板の実装表面と平行な第1の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第1の電極に、前記第1の端子を接触させると共に、前記電子部品の第2の端子により加圧された際に前記第2の端子に対して前記第1の抗力を相殺する第2の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第2の電極に、前記第2の端子を接触させる工程と、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧する工程と、
を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の電子装置の製造方法において、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧するときに、前記第1の端子の側面を、前記第1の電極に形成された第1の突起部の側部のうち、前記第1の電極及び前記第2の電極を通過する第1の直線に平行な第1の方向の先方に位置する部位に当接させると共に、前記第2の端子の側面を、前記第2の電極に形成された第2の突起部の側部のうち、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向の先方に位置する部位に当接させる電子装置の製造方法。
【請求項8】
請求項6に記載の電子装置の製造方法において、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に接触させるときに、前記電子部品の第3の端子により加圧された際に前記第3の端子に対して前記回路基板の実装表面と平行かつ前記第1の抗力及び前記第2の効力と交差する第3の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第3の電極に、前記第3の端子を接触させると共に、前記電子部品の第4の端子により加圧された際に前記第4の端子に対して前記第3の抗力を相殺する第4の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第4の電極に、前記第4の端子を接触させ、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧するときに、前記第3の端子及び前記第4の端子を前記第3の電極及び前記第4の電極に加圧することを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の電子装置の製造方法において、
前記第3の電極及び前記第4の電極は、前記第1の電極及び前記第2の電極間で前記第1の直線と交差する第2の直線上であって、前記第1の直線をはさんで配置され、
前記第1の端子、前記第2の端子、前記第3の端子、及び前記第4の端子を、前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極、及び前記第4の電極に加圧するときに、前記第1の端子の側面及び前記第2の端子の側面を、それぞれ前記第1の電極に形成された第1の突起部の側部及び前記第2の電極に形成された第2の突起部の側部のうち、前記第1の直線及び前記第2の直線の交差点を中心とする第1の回転方向の先方に位置する部位に当接させ、前記第3の端子の側面及び前記第4の端子の側面を、それぞれ前記第3の電極に形成された第3の突起部の側部及び前記第2の電極に形成された第4の突起部の側部のうち、前記第1の直線及び前記第2の直線の交差点を中心とする第1の回転方向とは反対である第2の回転方向の先方に位置する部位に当接させる、ことを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項10】
請求項6に記載の電子装置の製造方法において、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧するときに、前記第1の端子による加圧力で前記第1の電極を撓ませることにより、前記第1の電極の上面を、前記回路基板の実装表面に対して傾斜させると共に、前記第2の端子による加圧力で前記第2の電極を撓ませることにより、前記第2の電極の上面を、前記回路基板の実装表面に対して前記第1の電極とは逆側に傾斜させる、ことを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項1】
第1の電極及び第2の電極を有する回路基板と、
第1の端子及び第2の端子を有する電子部品と、を備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記第1の端子が接続される第1のパッド部及び前記第2の端子が接続される第2のパッド部を含み、
前記第1の電極は、更に前記第1のパッド部に対して、前記第1のパッド部及び前記第2のパッド部を通過する直線に平行な第1の方向に配置された、前記第1の端子に接触する第1の突起部を含み、
前記第2の電極は、更に前記第2のパッド部に対して、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に配置された、前記第2の端子部に接触する第2の突起部を含み、
前記第1の端子の中心軸は、前記第1の突起部の前記第1のパッド部側に配置され、
前記第2の端子の中心軸は、前記第2の突起部の前記第2のパッド部側に配置されることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
第1の電極、第2の電極、第3の電極、及び第4の電極を有する回路基板と、
第1の端子、第2の端子、第3の端子、及び第4の端子を有する電子部品と、を備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極は、第1の直線上に配置された、前記第1の端子及び前記第2の端子が接続される第1のパッド部及び第2のパッド部を含み、
前記第3の電極及び前記第4の電極は、前記第1のパッド部及び前記第2のパッド部間で前記第1の直線と交差する第2の直線上であって、前記第1の直線をはさんで配置された、前記第3の端子及び前記第4の端子が接続される第3のパッド部及び第4のパッド部を含み、
前記第1の電極は、前記第1のパッド部に対して、前記第1の直線を基準としたときの前記第3のパッド部と同じ側に配置された、前記第1の端子に接触する第1の突起部を含み、
前記第2の電極は、前記第2のパッド部に対して、前記第1の直線を基準としたときの前記第4のパッド部と同じ側に配置された、前記第2の端子に接触する第2の突起部を含み、
前記第3の電極は、前記第3のパッド部に対して、前記第2の直線を基準としたときの前記第1のパッド部と同じ側に配置された、前記第3の端子に接触する第3の突起部を含み、
前記第4の電極は、前記第4のパッド部に対して、前記第2の直線を基準としたときの前記第2のパッド部と同じ側に配置された、前記第4の端子に接触する第4の突起部を含み、
前記第1の端子の中心軸は、前記第1の突起部の前記第1のパッド部側に配置され、
前記第2の端子の中心軸は、前記第2の突起部の前記第2のパッド部側に配置され、
前記第3の端子の中心軸は、前記第3の突起部の前記第3のパッド部側に配置され、
前記第4の端子の中心軸は、前記第4の突起部の前記第4のパッド部側に配置されることを特徴とする電子装置。
【請求項3】
回路基板と、前記回路基板に実装される電子部品と、を備え、
前記回路基板は、
基材と、
前記基材の上方に形成される第1の支持体及び第2の支持体と、
前記第1の支持体上に配置される第1の固定部と、前記第1の固定部に対して、前記第1の支持体及び前記第2の支持体を通過する直線に平行な第1の方向に配置される第1の梁部と、を含む第1の電極と、
前記第2の支持体上に配置される第2の固定部と、前記第2の固定部に対して、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に配置される第2の梁部と、を含む第2の電極と、
前記第1の梁部及び前記第2の梁部下に配置され、前記第1の支持体及び前記第2の支持体よりも剛性の低い膜体と、を備え、
前記電子部品は、
部品本体と、
前記部品本体に設けられ、前記第1の梁部上に接続される第1の端子と、
前記部品本体に設けられ、前記第2の梁部上に接続される第2の端子と、を備えることを特徴とする電子装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電子装置において、
前記第1の梁部は、前記第1の支持体から前記第1の方向に離間するにつれて前記基材に近づき、
前記第2の梁部は、前記第2の支持体から前記第2の方向に離間するにつれて前記基材に近づくことを特徴とする電子装置。
【請求項5】
電子部品が実装される回路基板において、
基材と、
前記基材の上方に配置される第1の電極及び第2の電極と、
を備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記電子部品の第1の端子及び第2の端子が接続される第1のパッド部及び第2のパッド部を含み、
前記第1の電極は、前記第1のパッド部に対して、前記第1のパッド部及び前記第2のパッド部を通過する直線に平行な第1の方向に配置された、前記第1の端子により加圧された際に、前記第1の端子の側面を前記第1のパッド部側に押圧する第1の突起部を含み、
前記第2の電極は、前記第2のパッド部に対して、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に配置された、前記第2の端子により加圧された際に、前記第2の端子の側面を前記第2のパッド部側に押圧する第2の突起部を含むことを特徴とする回路基板。
【請求項6】
電子部品の第1の端子により加圧された際に前記第1の端子に対して回路基板の実装表面と平行な第1の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第1の電極に、前記第1の端子を接触させると共に、前記電子部品の第2の端子により加圧された際に前記第2の端子に対して前記第1の抗力を相殺する第2の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第2の電極に、前記第2の端子を接触させる工程と、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧する工程と、
を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の電子装置の製造方法において、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧するときに、前記第1の端子の側面を、前記第1の電極に形成された第1の突起部の側部のうち、前記第1の電極及び前記第2の電極を通過する第1の直線に平行な第1の方向の先方に位置する部位に当接させると共に、前記第2の端子の側面を、前記第2の電極に形成された第2の突起部の側部のうち、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向の先方に位置する部位に当接させる電子装置の製造方法。
【請求項8】
請求項6に記載の電子装置の製造方法において、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に接触させるときに、前記電子部品の第3の端子により加圧された際に前記第3の端子に対して前記回路基板の実装表面と平行かつ前記第1の抗力及び前記第2の効力と交差する第3の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第3の電極に、前記第3の端子を接触させると共に、前記電子部品の第4の端子により加圧された際に前記第4の端子に対して前記第3の抗力を相殺する第4の抗力を作用させる、前記回路基板上に形成された第4の電極に、前記第4の端子を接触させ、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧するときに、前記第3の端子及び前記第4の端子を前記第3の電極及び前記第4の電極に加圧することを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の電子装置の製造方法において、
前記第3の電極及び前記第4の電極は、前記第1の電極及び前記第2の電極間で前記第1の直線と交差する第2の直線上であって、前記第1の直線をはさんで配置され、
前記第1の端子、前記第2の端子、前記第3の端子、及び前記第4の端子を、前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極、及び前記第4の電極に加圧するときに、前記第1の端子の側面及び前記第2の端子の側面を、それぞれ前記第1の電極に形成された第1の突起部の側部及び前記第2の電極に形成された第2の突起部の側部のうち、前記第1の直線及び前記第2の直線の交差点を中心とする第1の回転方向の先方に位置する部位に当接させ、前記第3の端子の側面及び前記第4の端子の側面を、それぞれ前記第3の電極に形成された第3の突起部の側部及び前記第2の電極に形成された第4の突起部の側部のうち、前記第1の直線及び前記第2の直線の交差点を中心とする第1の回転方向とは反対である第2の回転方向の先方に位置する部位に当接させる、ことを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項10】
請求項6に記載の電子装置の製造方法において、
前記第1の端子及び前記第2の端子を前記第1の電極及び前記第2の電極に加圧するときに、前記第1の端子による加圧力で前記第1の電極を撓ませることにより、前記第1の電極の上面を、前記回路基板の実装表面に対して傾斜させると共に、前記第2の端子による加圧力で前記第2の電極を撓ませることにより、前記第2の電極の上面を、前記回路基板の実装表面に対して前記第1の電極とは逆側に傾斜させる、ことを特徴とする電子装置の製造方法。
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図30】
【図2】
【図7】
【図12】
【図15】
【図22】
【図29】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図30】
【図2】
【図7】
【図12】
【図15】
【図22】
【図29】
【公開番号】特開2012−79903(P2012−79903A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223298(P2010−223298)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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