電子装置の製造方法
【課題】裏面側に電極が形成された電子部品を基板に実装してなる電子装置を製造する場合に、電子部品と基板との接続状態をより正確且つ容易に確認し得る方法を提供する。
【解決手段】ランド形成工程では、実装時に裏面電極2に覆われる位置に第1ランド部6aを形成し、第1ランド部6aから延出すると共に実装時に裏面電極2に覆われない外方位置に、第1ランド部6aよりも狭い幅の第2ランド部6bを形成している。更に、半田ペースト印刷工程により、第1ランド部6aと第2ランド部6bとに跨る構成でランド6を覆う半田ペースト4を印刷し、半田ペーストが印刷された後、リフロー工程を行っている。リフロー工程では、第1ランド部6aに対応する位置に裏面電極2を配置した状態で半田ペースト4を溶融させ、半田ペースト4の少なくとも第2ランド部6b側の一部を裏面電極2側に移動させつつ接合している。
【解決手段】ランド形成工程では、実装時に裏面電極2に覆われる位置に第1ランド部6aを形成し、第1ランド部6aから延出すると共に実装時に裏面電極2に覆われない外方位置に、第1ランド部6aよりも狭い幅の第2ランド部6bを形成している。更に、半田ペースト印刷工程により、第1ランド部6aと第2ランド部6bとに跨る構成でランド6を覆う半田ペースト4を印刷し、半田ペーストが印刷された後、リフロー工程を行っている。リフロー工程では、第1ランド部6aに対応する位置に裏面電極2を配置した状態で半田ペースト4を溶融させ、半田ペースト4の少なくとも第2ランド部6b側の一部を裏面電極2側に移動させつつ接合している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置では、実装の高密度化、多端子化が進行しており、QFN(Quad Flat Non-leaded package)、或いは一部のタンタルコンデンサ、ダイオードなど、実装面側に電極を配置してなる下面電極(裏面電極)部品の実装が注目を集めている。なお、リードレスパッケージの実装構造に関する技術としては、例えば特許文献1〜4のようなものが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−57244公報
【特許文献2】特開平6−69369号公報
【特許文献3】特開2006−32622公報
【特許文献4】特開平11−87893公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような半導体装置を製造する場合、一般的には、電子部品を基板に実装した後に、外観検査装置などによって半田接合が確実に行われているかを検査している。しかしながら、特に半田ペーストを印刷した後に電子部品を配置し、その状態で半田ペーストを溶融する方式(いわゆるリフロー方式)では、QFN等の下面電極部品を実装する場合に、半田による接合部が下面電極部品に隠れてしまうため、光学或いはレーザ等による外観検査では良否判定が難しいという問題があった。
【0005】
一方、特許文献1〜4の発明は、いずれもパッケージ部品の側部に側面電極やビア等が配置され、この電極等に沿ってフィレットを高く形成することで外観検査の容易化を図っているが、フィレットが外観で把握し難い場合については何ら解決がなされていなかった。
【0006】
一方、上記半導体装置では、実装後に電気的に導通状態を検査する手法も考えられるが、このような電気検査では、完全なオープン状態は検出することができるものの、半田ペーストが完全に溶融していない不ぬれ不良(電気的に接続されていないものと、部分的に接続されているが温度サイクルや振動等により短時間でオープン状態に至るものとが混在する状態)を検出することが難しいという問題があった。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、基板と対向する裏面側に裏面電極が形成された電子部品を基板に実装してなる電子装置を製造する製造方法において、電子部品と基板との接続状態をより正確且つ容易に確認し得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、基板と対向する裏面側に裏面電極が形成された電子部品を前記基板の実装面に接合してなる電子装置を製造する製造方法であって、実装時に前記裏面電極に覆われる位置に配される第1ランド部と、前記第1ランド部から延出すると共に実装時に前記裏面電極に覆われない外方位置に配され、且つ前記第1ランド部よりも狭い幅で構成される第2ランド部と、を備えたランドを、前記実装面に形成するランド形成工程と、前記ランド形成工程によって形成された前記第1ランド部と前記第2ランド部とに跨る構成で前記ランドを覆う半田ペーストを印刷する半田ペースト印刷工程と、前記半田ペースト印刷工程によって前記半田ペーストが印刷された後、前記第1ランド部に対応する位置に前記裏面電極を配置した状態で前記半田ペーストを溶融することで、前記半田ペーストの少なくとも前記第2ランド部側の一部を前記裏面電極側に移動させつつ接合するリフロー工程と、含むことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の電子装置の製造方法において、前記ランド形成工程では、前記第1ランド部から複数の前記第2ランド部を延出させる構成で前記ランドを形成し、前記半田ペースト印刷工程では、前記第1ランド部と複数の前記第2ランド部とに跨る構成で前記半田ペーストを印刷することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載の電子装置の製造方法において、前記ランド形成工程では、同方向に延び且つ互いに離間して配される二本の前記第2ランド部を前記第1ランド部から延出させる構成で前記ランドを形成し、前記半田ペースト印刷工程では、二本の前記第2ランド部の間におけるランド非形成領域を覆い、且つ前記第1ランド部側から二本の前記第2ランド部に沿って延びる構成で前記半田ペーストを印刷することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の電子装置の製造方法において、前記ランド形成工程が、前記基板の前記実装面側に、少なくとも一部が前記第1ランド部として構成される導電ベース部と、前記導電ベース部から前記実装面に沿って延び、一部が前記第2ランド部として構成される導電路とを備えた導電パターンを形成する導電パターン形成工程と、前記導電パターン形成工程によって形成された前記導電パターンに対し、前記導電ベース部の少なくとも一部を露出させると共に、前記導電ベース部の露出部から外方位置に延出するように前記導電路の一部を露出させ、且つ前記導電路の露出部の幅が前記導電ベース部の露出部の幅よりも狭く且つ前記導電路全体の幅よりも狭くなる構成で少なくとも前記導電路の一部を被覆するソルダレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、を含んでおり、更に、前記レジスト層形成工程では、前記導電路の基端部における幅方向中間部を被覆すると共に当該幅方向中間部の両側を露出させるように前記ソルダレジスト層を配置することで、前記基端部の幅方向両側に前記第2ランド部となる前記導電路の露出部をそれぞれ形成することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、前記ランド形成工程が、前記基板の前記実装面側に、少なくとも一部が前記第1ランド部として構成される導電ベース部と、前記導電ベース部から前記実装面に沿って延び、一部が前記第2ランド部として構成される導電路とを備えた導電パターンを形成する導電パターン形成工程と、前記導電パターン形成工程によって形成された前記導電パターンに対し、前記導電ベース部の少なくとも一部を露出させると共に、前記導電ベース部の露出部から外方位置に延出するように前記導電路の一部を露出させて前記第2ランド部を形成し、且つ前記導電路の露出部の幅が前記導電ベース部の露出部の幅よりも狭く且つ前記導電路全体の幅よりも狭くなる構成で少なくとも前記導電路の一部を被覆するソルダレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5に記載の電子装置の製造方法において、前記半田ペースト印刷工程では、前記第1ランド部側から所定方向に延びるように前記半田ペーストを形成し、前記ランド形成工程では、前記第2ランド部の幅方向一端側の側縁部が前記所定方向に対して傾斜して配され、且つ前記第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように前記第2ランド部を前記所定方向に延出させて形成することを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項4に記載の電子装置の製造方法において、前記半田ペースト印刷工程では、前記第1ランド部側から所定方向に延びるように前記半田ペーストを形成し、前記ランド形成工程では、複数の前記第2ランド部を前記所定方向に延出させて並列に形成すると共に、これら複数の前記第2ランド部の内、幅方向一端側に配置された一端側第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該一端側第2ランド部の幅方向他端側の側縁部を、前記所定方向に対して傾斜するように構成し、且つ幅方向他端側に配置された他端側第2ランド部の第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該他端側第2ランド部の幅方向一端側の側縁部を、前記所定方向に対して傾斜するように構成することを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、前記半田ペースト印刷工程では、少なくとも前記半田ペーストにおける前記第1ランド部を被覆する部分の幅が、前記第1ランド部の幅よりも狭くなるように前記半田ペーストを配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明では、ランド形成工程によって形成された第1ランド部と第2ランド部とに跨る構成で半田ペーストを印刷しており、半田ペーストが印刷された後、半田ペーストを溶融させるリフロー工程を行っている。このリフロー工程では、第1ランド部に対応する位置に裏面電極を配置した状態で半田ペーストが溶融するため、正常な接合がなされるときには、この溶融する半田ペーストによって裏面電極と第1ランド部とが接合される。このとき、溶融する半田ペーストは裏面電極の表面を伝って裏面電極側に流れ込むため、電子部品に覆われない第2ランド部側の半田ペーストの量も減ることになる。逆に、半田ペーストと裏面電極の接合が正常でない場合、第2ランド部側の半田ペーストは裏面電極側に移動しない又は移動量が少ないため、正常時と比較して半田ペーストの残存量が多くなる。従って、第2ランド部側の半田ペーストの残存状態に基づいて接合の良否を確認できるようになり、特に、第2ランド部側は電子部品に覆われていないため、半田ペーストの残存状態を容易に且つより正確に外観検することができ、ひいては接合の良否判定を一層精度高く良好に行うことができる。
【0017】
請求項2の発明では、第1ランド部から複数の第2ランド部を延出させる構成でランドを形成しており、第1ランド部と複数の第2ランド部とに跨る構成で半田ペーストを印刷している。このように複数の第2ランド部に跨るように半田ペーストを印刷してリフロー工程を行うと、正常な接合時には、印刷された半田ペーストのうち、第2ランド部を覆う部分だけでなく複数の第2ランド部に跨る部分も裏面電極側へ移動し易いため、接合が正常な場合と異常な場合とで残存状態に差が生じやすくなる。
【0018】
請求項3の発明では、同方向に延び且つ互いに離間して配される二本の第2ランド部を第1ランド部から延出させる構成でランドを形成しており、これら二本の第2ランド部の間に形成におけるランド非形成領域を覆い、且つ第1ランド部側から二本の第2ランド部に沿って延びる構成で半田ペーストを印刷している。このようにすると、リフロー工程後に現れるランド非形成領域の長さが、正常な接合時と不十分な接合時とでよりはっきりと差異が生じるようになり、外観検査をより正確且つ容易に行うことができるようになる。
【0019】
請求項4の発明では、基板の実装面側に、少なくとも一部が第1ランド部として構成される導電ベース部と導電ベース部から実装面に沿って延びる導電路とを備えた導電パターンを形成しており、導電路の露出部の幅が導電ベース部の露出部の幅よりも狭く且つ導電路全体の幅よりも狭くなる構成でソルダレジスト層を形成している。更に、レジスト層形成工程では、導電路の基端部における幅方向中間部を被覆すると共に当該幅方向中間部の両側を露出させるようにソルダレジスト層を配置することで、基端部の幅方向両側に導電路の露出部をそれぞれ形成している。
この構成によれば、導電ベース部の一部をソルダレジスト層で被覆して所望の幅の第2ランド部を形成することができる。更に、第2ランド部付近において、第2ランド部よりも幅の広い導電路を構成することができるため、電気的損失を少なくすることができる。特に、幅方向両側の第2ランド部が繋がった形態で導電路が構成されるため、電気的損失を抑える上でより有利となる。
【0020】
請求項5の発明では、基板の実装面側に、少なくとも一部が第1ランド部として構成される導電ベース部と導電ベース部から実装面に沿って延びる導電路とを備えた導電パターンを形成しており、導電路の露出部の幅が導電ベース部の露出部の幅よりも狭く且つ導電路全体の幅よりも狭くなる構成で少なくとも導電路の一部を被覆するソルダレジスト層を形成している。
この構成によれば、導電ベース部の一部をソルダレジスト層で被覆して所望の幅の第2ランド部を形成することができる。更に、第2ランド部付近において、第2ランド部よりも幅の広い導電路を構成することができるため、電気的損失を少なくすることができる。
【0021】
請求項6の発明では、第1ランド部側から所定方向に延びるように半田ペーストを形成し、第2ランド部の幅方向一端側の側縁部が所定方向に対して傾斜して配され、且つ第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように第2ランド部を所定方向に延出させて形成している。この構成によれば、第2ランド部の幅を先細り状に細く形成することができ、更に、第2ランド部上への半田ペーストの印刷が幅方向一端側にずれた場合でも半田ペーストが第2ランド部上から外れにくくなるため、このような場合であっても、第2ランド部側の半田ペーストがリフロー時に裏面電極側へ流動しやすくなる。
【0022】
請求項7の発明では、第1ランド部側から所定方向に延びるように半田ペーストを形成している。更に、複数の第2ランド部を所定方向に延出させて並列に形成し、幅方向一端側に配置された一端側第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該一端側第2ランド部の幅方向他端側の側縁部を、所定方向に対して傾斜するように構成し、且つ幅方向他端側に配置された他端側第2ランド部の第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該他端側第2ランド部の幅方向一端側の側縁部を、所定方向に対して傾斜するように構成している。
この構成によれば、一端側第2ランド部と他端側第2ランド部の幅を先細り状に細く形成することができ、更に、一端側第2ランド部と他端側第2ランド部とに跨るように配置されるべき半田ペーストが幅方向一端側或いは幅方向他端側にずれた場合であっても、半田ペーストが両第2ランド部から外れにくくなるため、このような場合であっても、第2ランド部側の半田ペーストがリフロー時に裏面電極側へ流動しやすくなる。
【0023】
請求項8の発明では、半田ペースト印刷工程において、少なくとも半田ペーストにおける第1ランド部を被覆する部分の幅が、第1ランド部の幅よりも狭くなるように半田ペーストを配置している。
このようにすると、裏面電極と第1ランド部とが正常に接合される場合に、裏面電極を伝って流動する半田ペーストの量を多くすることができるため、正常な接合時と不十分な接合時とで生じる残存状態(即ち、第2ランド部側の半田ペーストの残存状態)の差異がより大きくなり、ひいては、裏面電極と第1ランド部の接合の良否判定をより正確に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、第1実施形態係る製造方法にて製造された電子装置を概略的に例示する断面図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る製造方法で行われるランド形成工程を概略的に説明する説明図であり、図2(A)は、基板の一方面にランドが形成された様子を概略的に例示する平面図であり、図2(B)は、図2(A)のA−A位置の概略断面図である。
【図3】図3(A)は、ランド形成工程によって形成されたランドを拡大して示す拡大図であり、図3(B)は、図3(A)のランドに半田ペーストを印刷した様子を説明する説明図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る製造方法で行われる半田ペースト印刷工程を概略的に説明する説明図であり、図4(A)は、各ランドに半田ペーストが印刷された様子を概略的に例示する平面図であり、図4(B)は、図4(A)のB−B位置の概略断面図である。
【図5】図5(A)は、図4で示す半田ペースト印刷工程後、各第1ランド上に電子部品が配置された様子を概略的に例示する平面図であり、図5(B)は、図5(A)のC−C位置の概略断面図である。
【図6】図6(A)は、リフロー工程によって半田ペーストを溶融、冷却した後の様子を概略的に例示する平面図であり、図6(B)は、図6(A)のD−D位置の概略断面図である。
【図7】図7は、第2実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。
【図8】図8(A)は、図7のE−E位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図8(B)は、図7のF−F位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。
【図9】図9は、第3実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。
【図10】図10(A)は、図9のG−G位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図10(B)は、図9のH−H位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。
【図11】図11は、第4実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。
【図12】図12(A)は、図11のI−I位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図12(B)は、図11のJ−J位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。
【図13】図13は、第5実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。
【図14】図14(A)は、図13のK−K位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図14(B)は、図13のL−L位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。
【図15】図15は、第6実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。
【図16】図16(A)は、図15のM−M位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図16(B)は、図15のN−N位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。
【図17】図17は、第7実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。
【図18】図18(A)は、図17のP−P位置におけるランド形成工程後の様子の概略的に例示する断面図であり、図18(B)は、図17のP−P位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る製造方法を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(半導体装置の構成)
まず、本実施形態に係る製造方法で製造される電子装置20について概説する。
図1は、第1実施形態係る製造方法にて製造された電子装置を概略的に例示する断面図である。図1に示すように、電子装置20は、電子部品1と、配線基板として構成される基板3とを備えており、配線基板3の実装面に2aに電子部品1が接合された構成をなしている。
【0026】
電子部品1は、例えばQFN(Quad Flat Non-leaded package)などの半導体パッケージとして構成されており、基板3と対向する裏面1a側に複数の裏面電極2が形成されている。
【0027】
基板3は、ランド6や図示しない配線パターンなどを備えたプリント配線基板として構成されており、所定領域に電子部品1が実装され、この電子部品1の各裏面電極2とそれぞれ対向する位置にランド6が形成されている。図2(A)に示すように、各ランド6は、実装時に各裏面電極2に覆われる位置にそれぞれ第1ランド部6aが形成されており、各第1ランド部6aから外方側(電子部品1に覆われる側とは反対側)に延びるように第2ランド部6bがそれぞれ形成されている。なお、図2(A)では、電子部品1が実装される前の基板3を平面視した状態を示しており、電子部品1が実装される領域(実装時に電子部品1に覆われる領域)を符号1’で示し、将来的に各裏面電極2に覆われる領域を符号2’で示している。
【0028】
図1に示すように、各ランド6は各裏面電極2と半田によって接合されており、各ランド6の第1ランド部6aと裏面電極2の間には、これらを連結する半田接合部7aが形成され、半田接合部7aの外側において第2ランド部6b上には半田フィレット部7bが形成されている。なお、各ランド6は、基板3に形成された図示しない配線パターンに電気的に接続されている。
【0029】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について詳述する。
<1.ランド形成工程>
まず、ランド形成工程について説明する。図2は、第1実施形態に係る製造方法で行われるランド形成工程を概略的に説明する説明図であり、図2(A)は、基板の一方面にランドが形成された様子を概略的に例示する平面図であり、図2(B)は、図2(A)のA−A位置の概略断面図である。
図2に示すように、ランド形成工程では、基板3の実装面3aにおいて各裏面電極2に対応する位置にランド6を形成する。具体的には、電子部品1が実装される領域(実装時に電子部品1に覆われる領域)1’内に、各第1ランド部6aをそれぞれ形成し、これら各第1ランド部6aから延出させる構成で第2ランド部6bを形成している。
【0030】
ランド形成工程で形成される各ランド6は、導電性の材料によって長手状に構成されると共にそれぞれが決められた方向に延びた構成をなし、電子部品1によって覆われる領域1’から当該領域1’の外部に跨るように配置される。この工程では、領域1’内の各第1ランド部6aがそれぞれ、将来的に裏面電極2に覆われる領域2’ に形成されるため、実装後に電子部品1の各裏面電極2に対向するようになっている。
【0031】
また、ランド形成工程では、各第1ランド部6aから領域1’の外部(即ち、実装時に裏面電極2に覆われない外方位置)に延びる形態で、2つの第2ランド部6b,6bを形成している。この工程で形成される各第2ランド部6b,6bは、同方向(ランド6の長手方向)に略平行に延びると共に、互いに離間して配されており、それぞれが第1ランド部6aよりも狭い幅で構成されている。
【0032】
本実施形態では、図3に示すように、例えば一方の第2ランド部6bの幅W2と他方の第2ランド部6bの幅W3とがほぼ同じ幅で構成されており、これら幅W2、W3がいずれも第1ランド部6bの幅W1よりも小さくなっている。より具体的には、第1ランド部6aの一方の側部11aに沿って一方の第2ランド部6bが延びており、他方の側部11bに沿って他方の第2ランド部6bが延びている。
【0033】
なお、ランド形成工程の前工程又は後工程としてソルダレジスト層5を形成するレジスト層形成工程を行っており、ソルダレジスト層を形成することにより所定の位置への半田の付着等を防止している。
【0034】
<2.半田ペースト印刷工程>
次に、ランド形成工程の後に行われる半田ペースト印刷工程について説明する。図3(A)は、ランド形成工程によって形成されたランドを拡大して示す拡大図であり、図3(B)は、図3(A)のランドに半田ペーストを印刷した様子を説明する説明図である。図4は、第1実施形態に係る製造方法で行われる半田ペースト印刷工程を概略的に説明する説明図であり、図4(A)は、各ランドに半田ペーストが印刷された様子を概略的に例示する平面図であり、図4(B)は、図4(A)のB−B位置の概略断面図である。
【0035】
この半田ペースト印刷工程では、図4に示すように、ランド形成工程によって形成された各ランド6に対し、第1ランド部6aと第2ランド部6bとに跨る構成でランド6を覆うように、公知の半田印刷機を用いて半田ペースト4を印刷転写する。
【0036】
図3(B)に示すように、半田ペースト印刷工程では、第1ランド部6aと複数の第2ランド部6bとに跨る構成で半田ペースト4を印刷しており、具体的には、二本の第2ランド部6bの間に形成される隙間14(ランド非形成領域)を覆い、且つ第1ランド部6a側から二本の第2ランド部6bに沿って延びる構成で半田ペースト4を印刷している。
【0037】
より詳しくは、第1ランド部6aの幅方向両端部付近を覆わず、幅方向中央部付近を覆うように半田ペースト4を印刷しており、更には、一方の第2ランド部6bにおける内側の側部12b(図3(A))を覆い、且つ他方のランド部6bにおける内側の側部13b(図3(A))を覆うように両第2ランド部6b,6bの内側(隙間14側)を被覆する構成で半田ペースト4を印刷している。
【0038】
また、半田ペースト印刷工程では、図3(B)のように、少なくとも半田ペースト4における第1ランド部6aを被覆する部分の幅W4が、隙間14の幅W5(図3(A))よりも大きく、第1ランド部6aの幅W1よりも小さくなるように半田ペースト4を配置している。この工程では、半田ペースト4は、第1ランド部の一方の側部11aよりも内側であって且つ一方の第2ランド部6bの側部12aよりも内側(隙間14側)の位置に、幅方向一方側の境界4aが配され、更に、第1ランド部の他方の側部11bよりも内側であって且つ他方のランド部6bの側部13aよりも内側(隙間14側)の位置に幅方向他方側の境界4bが配されるように印刷されることとなる。
【0039】
<3.リフロー工程>
次に、リフロー工程について説明する。図5(A)は、図4で示す半田ペースト印刷工程後、各第1ランド上に電子部品が配置された様子を概略的に例示する平面図であり、図5(B)は、図5(A)のC−C位置の概略断面図である。また、図6(A)は、リフロー工程によって半田ペーストを溶融、冷却した後の様子を概略的に例示する平面図であり、図6(B)は、図6(A)のD−D位置の概略断面図である。なお、図5(A)、図6(A)では、電子部品1を二点鎖線にて概念的に示しており、図5(A)では、裏面電極2についても二点鎖線にて概念的に示している。
【0040】
図5、図6に示すリフロー工程は、図4のように半田ペースト印刷工程によって半田ペースト4を印刷した後に行われる。このリフロー工程では、まず、公知の部品装着マウンタを用い、当該マウンタの吸着ノズルにQFN等の電子部品1に吸着させた状態で電子部品1を所定位置に配置することで、図5のように第1ランド部6aに対応する位置に裏面電極2を配置する。そして、このように電子部品1をマウントした配置状態でこれら部品をリフロー炉に投入して加熱することで半田ペースト4を溶融させる。半田ペースト4の溶融及び接合は、例えば公知のリフロー炉を用い、プリヒート、本加熱、冷却の順に行う。
【0041】
本実施形態では、図5のように電子部品2の各裏面電極2と対向させて各半田ペースト4を配置し、その状態で半田ペースト4を溶融させている。従って、溶融時に半田ペースト4が裏面電極2に正常に接触したときには、溶融した半田ペースト4が裏面電極2を伝って裏面電極2全体に広がるため裏面電極2側の半田ペースト4の量が多くなり、第2ランド部6b側に配されていた部分がより多く裏面電極2側に移動することとなる。従って、このような正常の接合の場合には、図6(A)の右側領域AR1のように、裏面電極2と第1ランド部6aの間に半田ペースト4が集まり、冷却後には、裏面電極2と第1ランド部6aの間に確実に半田接合部7aが形成されることとなる。また、半田接合部7aの外側には、各第2ランド部6bに沿ってフィレット部7bが形成されることとなる。
【0042】
なお、半田接合部7aが正常に形成されるような場合には、半田ペースト4の溶融時に第2ランド部6b側から第1ランド部6a側に流入する半田ペーストの量が多くなるため、隙間14を覆っていた半田ペースト4の多くが第1ランド部6a側に移動する。従って、リフロー工程後には、図6の領域AR1のように隙間14が明確に現れることとなり、リフロー工程後の外観検査工程においてこの隙間14の大きさ或いは長さを目視や画像解析などによって確認することで半田接合部7aが正常に形成されているか否か(即ちランド6と裏面電極2とが正常に接合されているか否か)を検査することができる。
【0043】
一方、図6(A)の左側領域AR2のように、溶融時に裏面電極2と半田ペースト4とが良好に接触しない異常状態のときには、半田ペースト4が裏面電極2を伝って移動しない、又は溶融時に裏面電極2を伝って移動する半田ペースト4の量が少ないため、第2ランド部6b側から第1ランド部6a側に移動する半田ペーストの量が少なくなる。この場合、冷却後には、図6(B)のように裏面電極2と第1ランド部6aの間に正常な半田接合部が形成されずに隙間が生じてしまい、接合不良となる。一方、半田ペースト4における第2ランド部6bを覆っていた部分はそのまま第2ランド部6b上に留まる量が多くなり、図6(A)のように隙間14を覆っていた部分もそのまま隙間14上に留まる量が多くなる。従って、リフロー工程後の外観検査工程においてこの隙間14の大きさ或いは長さを目視や画像解析などによって確認することでこのような接合異常が生じているか否かを検査することができる。
【0044】
(第1実施形態の主な効果)
第1実施形態に係る発明では、ランド形成工程によって形成された第1ランド部6aと第2ランド部6bとに跨る構成で半田ペースト4を印刷しており、半田ペースト4が印刷された後、半田ペースト4を溶融させるリフロー工程を行っている。このリフロー工程では、第1ランド部6aに対応する位置に裏面電極2を配置した状態で半田ペースト4が溶融するため、正常な接合がなされるときには、この溶融する半田ペースト4によって裏面電極2と第1ランド部6aとが接合される。このとき、溶融する半田ペースト4は裏面電極2の表面を伝って裏面電極2側に流れ込むため、電子部品1に覆われない第2ランド部6b側の半田ペースト4の量も減ることになる。逆に、半田ペースト4と裏面電極2の接合が正常でない場合、第2ランド部6b側の半田ペースト4は裏面電極2側に移動しない又は移動量が少ないため、正常時と比較して半田ペースト4の残存量が多くなる。従って、第2ランド部6b側の半田ペースト4の残存状態に基づいて接合の良否を確認できるようになり、特に、第2ランド部6b側は電子部品1に覆われていないため、半田ペースト4の残存状態を容易に且つより正確に外観検することができ、ひいては接合の良否判定を一層精度高く良好に行うことができる。
【0045】
また、第1実施形態に係る製造方法では、第1ランド部6aから複数の第2ランド部6bを延出させる構成でランド6を形成しており、第1ランド部6aと複数の第2ランド部6bとに跨る構成で半田ペースト4を印刷している。このように複数の第2ランド部6bに跨るように半田ペースト4を印刷してリフロー工程を行うと、正常な接合時には、印刷された半田ペースト4のうち、第2ランド部6bを覆う部分だけでなく複数の第2ランド部6bに跨る部分も裏面電極2側へ移動し易いため、接合が正常な場合と異常な場合とで残存状態に差が生じやすくなる。従って、リフロー工程後の外観検査において接合異常をより正確に発見し易くなる。
【0046】
また、第1実施形態に係る製造方法では、同方向に延び且つ互いに離間して配される二本の第2ランド部6bを第1ランド部6aから延出させる構成でランドを形成しており、これら二本の第2ランド部6bの間におけるランド非形成領域(隙間14)を覆い、且つ第1ランド部6a側から二本の第2ランド部6bに沿って延びる構成で半田ペースト4を印刷している。このようにすると、リフロー工程後に現れるランド非形成領域の長さが、正常な接合時と不十分な接合時とでよりはっきりと差異が生じるようになり、外観検査をより正確且つ容易に行うことができるようになる。
【0047】
また、第1実施形態に係る製造方法では、半田ペースト印刷工程において、少なくとも半田ペースト4における第1ランド部6aを被覆する部分の幅W4が、第1ランド部6aの幅W1よりも狭くなるように半田ペースト4を配置している。
このようにすると、裏面電極2と第1ランド部6aとが正常に接合される場合に、裏面電極2を伝って流動する半田ペースト4の量を多くすることができるため、正常な接合時と不十分な接合時とで生じる残存状態(即ち、第2ランド部6b側の半田ペースト4の残存状態)の差異がより大きくなり、ひいては、裏面電極2と第1ランド部6aの接合の良否判定をより正確に行うことができるようになる。
【0048】
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。図7は、第2実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。図8(A)は、図7のE−E位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図8(B)は、図7のF−F位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。なお、図7では、電子部品21及び半田ペースト24を二点鎖線にて仮想的に示している。
【0049】
第2実施形態で用いる電子部品21は、タンタルコンデンサやダイオードなどの下面電極部品として構成され、基板23と対向する裏面側に一対の裏面電極22、22が形成されており、このような電子部品21を基板23の実装面23aに接合することで電子装置20を製造している。
【0050】
本実施形態に係る製造方法でも、ランド形成工程の際に、第1ランド部26aと一対の第2ランド部26bとを備えたランド26を裏面電極22,22に対応させるように実装面23aに形成している。このランド形成工程では、実装時に裏面電極22,22に覆われる位置に第1ランド部26aを形成し、この第1ランド部26aから延出すると共に実装時に裏面電極22,22に覆われない外方位置に第2ランド部26bを形成している。具体的には、第1ランド部26aから二本の第2ランド部26b,26bを延出させる構成で各ランド26を形成している。これら延出する二本の第2ランド部26b,26bは同方向に延び且つ互いに離間して配されるようになっており、いずれの第2ランド部26bも、第1ランド部26aよりも狭い幅で構成されている。
【0051】
本実施形態のランド形成工程では、図7のように、基板23の実装面23a側に、第1ランド部26aとして構成される導電ベース部28aと、導電ベース部28aから実装面23aに沿って延び、一部が第2ランド部26b,26bとして構成される導電路28bとを備えた導電パターン28を形成しており、この形成された導電パターン28に対し、導電ベース部28aと、導電路28bの一部(導電ベース部28a側の端部)を露出させる構成でソルダレジスト層25を形成している。そして、導電パターン28におけるソルダレジスト層25によって被覆されない部分をランド26としている。
【0052】
本実施形態では、ランド形成工程の後、半田ペースト印刷工程の際に、図7のように、第1ランド部26aと二本の第2ランド部26b,26bとに跨る構成で半田ペースト24を印刷しており、より具体的には、二本の第2ランド部26b,26bの間におけるランド非形成領域を覆い、且つ第1ランド部26a側から二本の第2ランド部26b,26bに沿って延びる構成で半田ペースト24を印刷している。
【0053】
そして、半田ペースト印刷工程によって半田ペーストが印刷された後、リフロー工程を行っている。このリフロー工程では、まず、図7のように、各第1ランド部26aに対応する位置に電子部品21の裏面電極22(図8参照)を配置し、その配置状態で第1実施形態と同様に半田ペースト24を溶融させている。この場合も、溶融時に半田ペースト24が裏面電極22に正常に接触したときには、溶融した半田ペースト24が裏面電極22を伝って裏面電極22全体に広がるため裏面電極22側の半田ペースト24の量が多くなり、第2ランド部26b側に配されていた部分がより多く裏面電極22側に移動することとなる。特に、半田ペースト24における第1ランド部26aを被覆する部分の幅が、第1ランド部26aの幅よりも狭くなるように半田ペースト24を配置しているため、裏面電極22と第1ランド部26aとが正常に接合される場合には、裏面電極22を伝って流動する半田ペースト24の量がより多くなる。従って、このような正常の接合の場合には、図8(A)(B)のように、裏面電極22と第1ランド部26aの間に半田ペースト24が集まり、冷却後には、裏面電極22と第1ランド部26aの間に確実に半田接合部27aが形成されることとなる。また、図8(B)のように、半田接合部27aの外側には、各第2ランド部26bに沿ってフィレット部27bが形成されることとなる。
【0054】
なお、半田接合部27aが正常に形成されるような場合には、半田ペースト24の溶融時に第2ランド部26b側から第1ランド部26a側に流入する半田ペーストの量が多くなるため、一対の第2ランド部26b,26b間のランド非形成領域を覆っていた半田ペースト24の多くが第1ランド部26a側に移動する。従って、リフロー工程後には、このランド非形成領域が明確に現れることとなり、リフロー工程後の外観検査工程においてこのランド非形成領域の大きさ或いは長さを目視や画像解析などによって確認することで半田接合部27aが正常に形成されているか否か(即ちランド26と裏面電極22とが正常に接合されているか否か)を検査することができる。
【0055】
一方、溶融時に裏面電極22と半田ペースト24とが良好に接触しない異常状態のときには、半田ペースト24が裏面電極22を伝って移動しない、又は溶融時に裏面電極22を伝って移動する半田ペースト24の量が少ないため、第2ランド部26b側から第1ランド部26a側に移動する半田ペーストの量が少なくなる。この場合、冷却後には、裏面電極22と第1ランド部26aの間に正常な半田接合部が形成されずに隙間が生じてしまい、接合不良となる。一方、半田ペースト24における第2ランド部26bを覆っていた部分はそのまま第2ランド部26b上に留まる量が多くなり、上記ランド非形成領域を覆っていた部分もそのままランド非形成領域上に留まる量が多くなる。従って、リフロー工程後の外観検査工程においてこのランド非形成領域の大きさ或いは長さを目視や画像解析などによって確認することで、このような接合異常が生じているか否かを検査することができる(なお、異常状態は、図6の領域AR2の場合と同様である)。
【0056】
本実施形態に係る製造方法によれば、第1実施形態と同様の効果が得られることとなる。なお、図7,図8では、説明の容易化のため、基板23を部分的に簡略的に示し、配線パターンも省略して示しているが、基板の大きさや形状、配線パターンの構成は様々に変更できることは勿論である。
【0057】
[第3実施形態]
次に第3実施形態について説明する。
図9は、第3実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。図10(A)は、図9のG−G位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図10(B)は、図9のH−H位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。なお、図9では、電子部品31及び半田ペースト34を二点鎖線にて仮想的に示している。
【0058】
第3実施形態で用いる電子部品31も、タンタルコンデンサやダイオードなどの下面電極部品として構成され、基板33と対向する裏面側に一対の裏面電極32、32が形成されており、このような電子部品31を基板33の実装面33aに接合することで電子装置30を製造している。
【0059】
本実施形態に係る製造方法でも、ランド形成工程の際に、第1ランド部36aと一対の第2ランド部36bとを備えたランド36を裏面電極32,32に対応させるように実装面33aの所定の位置に形成している。このランド形成工程では、実装時に裏面電極32,32に覆われる位置に第1ランド部36aを形成し、実装時に裏面電極32,32に覆われない外方位置に第1ランド部36aから延出する構成で第2ランド部36bを形成している。具体的には、第1ランド部36aから二本の第2ランド部36b,36bをほぼ平行に延出させる構成で各ランド36を形成している。これら延出する二本の第2ランド部36b,36bは同方向に延び且つ互いに離間して配されるようになっており、いずれの第2ランド部36bも、第1ランド部36aよりも狭い幅で構成されている。
【0060】
本実施形態で行われるランド形成工程は、導電パターン形成工程と、レジスト層形成工程に分かれている。
導電パターン形成工程では、基板33の実装面33a側に、第1ランド部36aとして構成される導電ベース部38aと、導電ベース部38aから実装面33aに沿って延び、一部が第2ランド部36bとして構成される導電路38bとを備えた導電パターン38を形成している。この導電パターン38は、電子部品31の各裏面電極32に対する電力の供給路となるものであり、図示しない回路パターンや他の電子部品などに電気的に接続されるようになっている。図9の例では、導電ベース部38aが矩形状の領域として構成され、導電路38bは、導電ベース部38aから一定の幅W8で直線状に続いた構成をなしている。
【0061】
レジスト層形成工程では、導電パターン形成工程によって形成された導電パターン38に対し、導電ベース部38aを露出させると共に、導電路38bの一部を露出させるようにソルダレジスト層35を形成している。具体的には、導電路38bの露出部(ソルダレジスト層35に被覆されない部分)が、導電ベース部38aの露出部(図9では導電ベース部38aの全体が露出部に相当)における幅方向両側からそれぞれ電子部品31に被覆されない外方位置に延出するように、且つ導電路38bの両側に構成される各露出部の幅W6が、導電ベース部38aの露出部の幅W7よりも狭く且つ導電路38b全体の幅W8よりも狭くなるように、導電路38bの一部を被覆する構成でソルダレジスト層35を形成している。
【0062】
また、このレジスト層形成工程では、導電路38bの基端部(導電路38bにおける導電ベース部38a側の端部)の幅方向中間部を被覆すると共に当該幅方向中間部の両側を露出させるようにソルダレジスト層35を配置しており、これにより、この基端部の幅方向両側に第2ランド部36b,36bとなる導電路38bの露出部をそれぞれ形成している。このように、導電パターン38の一部をソルダレジスト層35で被覆することで、ソルダレジスト層35によって被覆されない部分をランド36として機能させている。
【0063】
本実施形態では、ランド形成工程の後、半田ペースト印刷工程の際に、図9のように、第1ランド部36aと二本の第2ランド部36b,36bとに跨る構成で半田ペースト34(二点鎖線参照)を印刷しており、より具体的には、二本の第2ランド部36b,36bの間におけるランド非形成領域(第2ランド部36b,36bの間に配されるソルダレジスト層35の領域)を覆い、且つ第1ランド部36a側から二本の第2ランド部36b,36bに沿って延びる構成で半田ペースト34を印刷している。
【0064】
また、この半田ペースト印刷工程でも、半田ペースト34における第1ランド部36aを被覆する部分の幅が、ランド非形成領域の幅よりも大きく、第1ランド部36aの幅よりも小さくなるように半田ペースト34を配置している。半田ペースト34は、第1ランド部36aの一方の側部(一方の幅方向端部)よりも内側であって且つ一方の第2ランド部36bの側部よりも内側の位置に、幅方向一方側の境界が配され、更に、第1ランド部36aの他方の側部(他方の幅方向端部)よりも内側であって且つ他方のランド部36bの側部よりも内側の位置に幅方向他方側の境界が配されるように印刷されている。
【0065】
そして、半田ペースト印刷工程によって半田ペーストが印刷された後、リフロー工程を行っている。このリフロー工程では、まず、図9のように、各第1ランド部36aに対応する位置に電子部品31の裏面電極32(図10参照)を配置し、その配置状態で第1実施形態と同様に半田ペースト34を溶融させている。この場合も、溶融時に半田ペースト34が裏面電極32に正常に接触したときには、溶融した半田ペースト34が裏面電極32を伝って裏面電極32全体に広がるため裏面電極32側の半田ペースト34の量が多くなり、第2ランド部36b側に配されていた部分がより多く裏面電極32側に移動することとなる。特に、半田ペースト34における第1ランド部36aを被覆する部分の幅が、第1ランド部36aの幅よりも狭くなるように半田ペースト34を配置しているため、裏面電極32と第1ランド部36aとが正常に接合される場合には、裏面電極32を伝って流動する半田ペースト34の量がより多くなる。従って、このような正常の接合の場合には、図10(A)(B)のように、裏面電極32と第1ランド部36aの間に半田ペースト34が集まり、冷却後には、裏面電極32と第1ランド部36aの間に確実に半田接合部37aが形成されることとなる。また、図10(B)のように、半田接合部37aの外側には、各第2ランド部36bに沿ってフィレット部37bが形成されることとなる。
【0066】
なお、半田接合部37aが正常に形成されるような場合には、半田ペースト34の溶融時に第2ランド部36b側から第1ランド部36a側に流入する半田ペーストの量が多くなるため、一対の第2ランド部36b,36b間のランド非形成領域(ソルダレジスト層5の領域)を覆っていた半田ペースト34の多くが第1ランド部36a側に移動する。従って、リフロー工程後には、このランド非形成領域が明確に現れることとなり、リフロー工程後の外観検査工程においてこのランド非形成領域の大きさ或いは長さを目視や画像解析などによって確認することで半田接合部37aが正常に形成されているか否か(即ちランド36と裏面電極32とが正常に接合されているか否か)を検査することができる。
【0067】
一方、溶融時に裏面電極32と半田ペースト34とが良好に接触しない異常状態のときには、半田ペースト34が裏面電極32を伝って移動しない、又は溶融時に裏面電極32を伝って移動する半田ペースト34の量が少ないため、第2ランド部36b側から第1ランド部36a側に移動する半田ペーストの量が少なくなる。この場合、冷却後には、裏面電極32と第1ランド部36aの間に正常な半田接合部が形成されずに隙間が生じてしまい、接合不良となる。一方、半田ペースト34における第2ランド部36bを覆っていた部分はそのまま第2ランド部36b上に留まる量が多くなり、上記ランド非形成領域を覆っていた部分もそのままランド非形成領域上に留まる量が多くなる。従って、リフロー工程後の外観検査工程においてこのランド非形成領域の大きさ或いは長さを目視や画像解析などによって確認することで、このような接合異常が生じているか否かを検査することができる(なお、異常状態は、図6の領域AR2の場合と同様である)。
【0068】
本実施形態に係る製造方法によれば、第1実施形態と同様の効果が得られることとなる。なお、図9,図10では、説明の容易化のため、基板33を部分的に簡略的に示し、配線パターンも省略して示しているが、基板の大きさや形状、配線パターンの構成は様々に変更できることは勿論である。
【0069】
また、本実施形態に係る製造方法では、導電路38bの各露出部(第2ランド部36bとなるべき部分)の幅W6が導電ベース部38aの露出部の幅W7よりも狭く且つ導電路38b全体の幅よりも狭くなる構成でソルダレジスト層35を形成している。更に、レジスト層形成工程では、導電路38bの基端部における幅方向中間部を被覆すると共に当該幅方向中間部の両側を露出させるようにソルダレジスト層35を配置することで、基端部の幅方向両側に導電路38bの露出部をそれぞれ形成している。この構成によれば、導電ベース部38aの一部をソルダレジスト層35で被覆して所望の幅の第2ランド部36bを形成することができる。更に、第2ランド部36b付近において、第2ランド部36bよりも幅の広い導電路38bを構成することができるため、電気的損失を少なくすることができる。特に、幅方向両側の第2ランド部36b,36bが繋がった形態で導電路38bが構成されるため、電気的損失を抑える上でより有利となる。
[第4実施形態]
次に第4実施形態について説明する。
図11は、第4実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。図12(A)は、図11のI−I位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図12(B)は、図11のJ−J位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。なお、図11では、電子部品41及び半田ペースト44を二点鎖線にて仮想的に示している。
【0070】
本実施形態は、ランド形成工程で形成されるランドの形状が第3実施形態と異なるだけで、それ以外の半田ペースト印刷工程、リフロー工程は第3実施形態と同様である。よって第3実施形態と異なる部分について重点的に説明し、第3実施形態と同様の工程については詳細な説明を省略する。
【0071】
第4実施形態で用いる電子部品41も、タンタルコンデンサやダイオードなどの下面電極部品として構成され、基板43と対向する裏面側に一対の裏面電極42、42が形成されており、このような電子部品41を基板43の実装面43aに接合することで電子装置40を製造している。
【0072】
本実施形態に係る製造方法でも、ランド形成工程の際に、第1ランド部46aと一対の第2ランド部46b,46bとを備えたランド46を裏面電極42,42(図12参照)に対応させるように実装面43aの所定の位置に形成している。このランド形成工程では、実装時に裏面電極42,42に覆われる位置に第1ランド部46aを形成し、実装時に裏面電極42,42に覆われない外方位置に第1ランド部46aから延出する構成で第2ランド部46bを形成している。
【0073】
具体的には、第1ランド部46aから二本の第2ランド部46b,46bを先細り状に延出させる構成で各ランド46を形成している。これら延出する二本の第2ランド部46b,46bは同方向に延び且つ互いに離間して配されるようになっており、いずれの第2ランド部46bも、最大幅が第1ランド部46aよりも狭い幅となるように構成されている。
【0074】
本実施形態で行われるランド形成工程は、導電パターン形成工程と、レジスト層形成工程に分かれている。
導電パターン形成工程では、基板43の実装面43a側に、第1ランド部46aとして構成される導電ベース部48aと、導電ベース部48aから実装面43aに沿って延び、一部が第2ランド部46bとして構成される導電路48bとを備えた導電パターン48を形成している。この導電パターン48は、電子部品41の各裏面電極42に対する電力の供給路となるものであり、図示しない回路パターンや他の電子部品などに電気的に接続されるようになっている。図11の例では、導電ベース部48aが矩形状の領域として構成され、導電路48bは、導電ベース部48aから一定の幅で直線状に続いた構成をなしている。
【0075】
レジスト層形成工程では、導電パターン形成工程によって形成された導電パターン48に対し、導電ベース部48aを露出させると共に、導電路48bの一部を露出させるようにソルダレジスト層45を形成している。具体的には、導電路48bの露出部(ソルダレジスト層45に被覆されない部分)が、導電ベース部48aの露出部(図11では導電ベース部48aの全体が露出部に相当)における幅方向両側からそれぞれ電子部品41に被覆されない外方位置に延出するように、且つ導電路48bの両側に構成される各露出部の最大幅が、導電ベース部48aの露出部の幅よりも狭く且つ導電路48b全体の幅よりも狭くなるように、導電路48bの一部を被覆する構成でソルダレジスト層45を形成している。
【0076】
また、このレジスト層形成工程では、導電路48bの基端部(導電路48bにおける導電ベース部48a側の端部)の幅方向中間部を被覆すると共に当該幅方向中間部の両側を露出させるようにソルダレジスト層45を配置しており、これにより、この基端部の幅方向両側に第2ランド部46b,46bとなる導電路48bの露出部をそれぞれ形成している。このように、導電パターン48の一部をソルダレジスト層45で被覆することで、ソルダレジスト層45によって被覆されない部分をランド46として機能させている。
【0077】
また、本実施形態では、ランド形成工程において、2つの第2ランド部46b,46bを所定方向(導電路48bが延びる方向)に延出させて並列に形成すると共に、これら2つの第2ランド部46b,46bの内、幅方向一端側に配置された一端側第2ランド部46b’の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該一端側第2ランド部46b’の幅方向他端側の側縁部46cを、所定方向に対して傾斜するように構成している。また、幅方向他端側に配置された他端側第2ランド部46b”の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該他端側第2ランド部46b”の幅方向一端側の側縁部46dを、所定方向(導電路48bが延びる方向)に対して傾斜するように構成している。この構成では、一端側第2ランド部46b’の側縁部46cと、他端側第2ランド部46b”の側縁部46dは、第1ランド部46a側では近接しており、第1ランド部46aから離れるにつれて側縁部46cと側縁部46dとの距離が広がるように構成されている。なお、一端側第2ランド部46b’の外側の側縁部46eは、所定方向(導電路48bが延びる方向)に沿って延びており、他端側第2ランド部46b”の外側の側縁部46fも、所定方向(導電路48bが延びる方向)に沿って延びている。
【0078】
本実施形態では、ランド形成工程の後、半田ペースト印刷工程の際に、図11のように、第1ランド部46aと二本の第2ランド部46b,46bとに跨る構成で半田ペースト44(二点鎖線参照)を印刷しており、より具体的には、二本の第2ランド部46b,46bの間におけるランド非形成領域(第2ランド部46b,46bの間に配されるソルダレジスト層45の領域)を覆い、且つ第1ランド部46a側から二本の第2ランド部46b,46bに沿って延びる構成で半田ペースト44を印刷している。
【0079】
また、この半田ペースト印刷工程でも、半田ペースト44における第1ランド部46aを被覆する部分の幅が、二本の第2ランド部46b,46bの間のランド非形成領域の幅よりも大きく、且つ第1ランド部46aの幅よりも小さくなるように半田ペースト44を配置している。半田ペースト44は、第1ランド部46aの一方の側部(一方の幅方向端部)よりも内側であって且つ一端側第2ランド部46b’の外側の側縁部46eよりも内側の位置に、幅方向一方側の境界が配され、更に、第1ランド部46aの他方の側部(他方の幅方向端部)よりも内側であって且つ他端側第2ランド部46b”の外側の側縁部46fよりも内側の位置に幅方向他方側の境界が配されるように印刷されている。
【0080】
半田ペースト印刷工程によって半田ペーストが印刷された後には、第3実施形態と同様のリフロー工程を行っている。このリフロー工程では、まず、図11のように、各第1ランド部46aに対応する位置に電子部品41の裏面電極42(図12参照)を配置し、その配置状態で第1実施形態と同様に半田ペースト44を溶融させている。この場合も、溶融時に半田ペースト44が裏面電極42に正常に接触したときには、溶融した半田ペースト44が裏面電極42を伝って裏面電極42全体に広がるため裏面電極42側の半田ペースト44の量が多くなり、第2ランド部46b側に配されていた部分がより多く裏面電極42側に移動することとなる。そして、このような正常の接合の場合には、図12(A)(B)のように、裏面電極42と第1ランド部46aの間に半田ペースト44が集まり、冷却後には、裏面電極42と第1ランド部46aの間に確実に半田接合部47aが形成されることとなる。また、図12(B)のように、半田接合部47aの外側には、各第2ランド部46bに沿ってフィレット部47bが形成されることとなる。
【0081】
一方、溶融時に裏面電極42と半田ペースト44とが良好に接触しない異常状態のときには、半田ペースト44が裏面電極42を伝って移動しない、又は溶融時に裏面電極42を伝って移動する半田ペースト44の量が少ないため、第2ランド部46b側から第1ランド部46a側に移動する半田ペーストの量が少なくなる。この場合、冷却後には、裏面電極42と第1ランド部46aの間に正常な半田接合部が形成されずに隙間が生じてしまい、接合不良となる。一方、半田ペースト44における第2ランド部46bを覆っていた部分はそのまま第2ランド部46b上に留まる量が多くなり、上記ランド非形成領域を覆っていた部分もそのままランド非形成領域上に留まる量が多くなる。従って、リフロー工程後の外観検査工程においてこのランド非形成領域の大きさ或いは長さを目視や画像解析などによって確認することで、このような接合異常が生じているか否かを検査することができる(なお、異常状態は、図6の領域AR2の場合と同様である)。
【0082】
本実施形態の製造方法によれば第3実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態の製造方法では、2つの第2ランド部46b,46を所定方向に延出させて並列に形成し、幅方向一端側に配置された一端側第2ランド部46b’の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該一端側第2ランド部46b’の幅方向他端側の側縁部46cを、所定方向に対して傾斜するように構成し、且つ幅方向他端側に配置された他端側第2ランド部46b”の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該他端側第2ランド部46b”の幅方向一端側の側縁部46dを、所定方向に対して傾斜するように構成している。この構成によれば、一端側第2ランド部46b’と他端側第2ランド部46b”の幅を先細り状に細く形成することができ、更に、一端側第2ランド部46b’と他端側第2ランド部46b”とに跨るように配置されるべき半田ペースト4が幅方向一端側或いは幅方向他端側にずれた場合であっても、半田ペースト44が両第2ランド部46b,46から外れにくくなる(幅方向に多少ずれても、側縁部46c及び側縁部46dからは外れにくく、いずれか一方の第2ランド部46bが完全に覆われない状態が生じにくくなる)。従って、半田ペースト44の印刷が幅方向に多少ずれる場合であっても、第2ランド部46b側の半田ペースト44がリフロー時に裏面電極42側へ流動しやすくなり、正常な接合時と異常時とで明確な差が生じやすくなる。
[第5実施形態]
次に第5実施形態について説明する。
図13は、第5実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。図14(A)は、図13のK−K位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図14(B)は、図13のL−L位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。なお、図13では、電子部品51及び半田ペースト54を二点鎖線にて仮想的に示している。
【0083】
本実施形態は、ランド形成工程が第3実施形態と異なるだけで、それ以外の半田ペースト印刷工程、リフロー工程は第3実施形態と同様である。よって第3実施形態と異なる部分について重点的に説明し、第3実施形態と同様の工程については詳細な説明を省略する。
【0084】
本実施形態では、ランド形成工程で形成されるランド56の形状(即ち、第1ランド部56a、第2ランド部56b,56bの形状)が第3実施形態で形成されるランド36の形状と同一となっており、各導電パターン58,58の導電路58b,58bの構成のみが第3実施形態と異なっている。この構成では、導電路58bの幅が、第2ランド部56b,56bの形成領域の幅(即ち、側縁部56eから側縁部56fまでの幅)よりも大きくなっており、第1ランド部56aの幅と略同一となっている。この構成では、第3実施形態と同様の作用、効果を生じさせることができ、正常な接合時には、第3実施形態と同様の半田接合部57aやフィレット部57bが形成され、異常時(溶融時に裏面電極42と半田ペースト44とが良好に接触しない異常状態のとき)には、図6の領域AR2の場合と同様の状態が生じることとなる。更に、ランド56の大きさに合わせて導電路58bの幅を縮小させていないため、導電路58bでの電気的損失をより一層抑えることができる。
[第6実施形態]
次に第6実施形態について説明する。
図15は、第6実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。図16(A)は、図15のM−M位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図16(B)は、図15のN−N位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。なお、図15では、電子部品61及び半田ペースト64を二点鎖線にて仮想的に示している。
【0085】
本実施形態は、ランド形成工程が第3実施形態と異なるだけで、それ以外の半田ペースト印刷工程、リフロー工程は第3実施形態と同様である。よって第3実施形態と異なる部分について重点的に説明し、第3実施形態と同様の工程については詳細な説明を省略する。
【0086】
本実施形態では、各導電パターン68,68の導電路68b,68bの構成、及び第2ランド部66b,66bの構成のみが第3実施形態と異なっている。具体的には、ランド形成工程において、導電路68bの幅が、第2ランド部66b,66bの形成領域の幅(即ち、側縁部66eから側縁部66fまでの幅)と略同一であり、第1ランド部66aの幅とも略同一となるように、基板63上に導電パターンを形成している。この構成では、導電ベース部68aが矩形状の領域として構成され、導電路68bは、導電ベース部68aと同一の幅で直線状に続くようになっている。
【0087】
本実施形態で行われるレジスト層形成工程では、導電パターン形成工程によって形成された導電パターン68に対し、導電ベース部68aを露出させると共に、導電路68bの一部を露出させるようにソルダレジスト層65を形成している。具体的には、導電路68bの露出部(ソルダレジスト層65に被覆されない部分)が、導電ベース部68aの露出部(図15では導電ベース部68aの全体が露出部に相当)における幅方向両側からそれぞれ電子部品61に被覆されない外方位置に延出するように、且つ導電路68bの両側に構成される各露出部の最大幅が、導電ベース部68aの露出部の幅よりも狭く且つ導電路68b全体の幅よりも狭くなるように、導電路68bの一部を被覆する構成でソルダレジスト層65を形成している。
【0088】
また、このレジスト層形成工程では、導電路68bの基端部(導電路48bにおける導電ベース部48a側の端部)の幅方向中間部を被覆すると共に当該幅方向中間部の両側を露出させるようにソルダレジスト層65を配置しており、これにより、この基端部の幅方向両側に第2ランド部66b,66bとなる導電路68bの露出部をそれぞれ形成している。このように、導電パターン68の一部をソルダレジスト層65で被覆することで、ソルダレジスト層65によって被覆されない部分をランド66として機能させている。
【0089】
また、本実施形態では、ランド形成工程において、2つの第2ランド部66b,66bを所定方向(導電路68bが延びる方向)に延出させて並列に形成すると共に、これら2つの第2ランド部66b,66bの内、幅方向一端側に配置された第2ランド部66bの幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該第2ランド部66bの幅方向他端側の側縁部を、所定方向に対して傾斜するように構成している。また、幅方向他端側に配置された第2ランド部66bの幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該第2ランド部66bの幅方向一端側の側縁部を、所定方向(導電路68bが延びる方向)に対して傾斜するように構成している。この構成でも、一端側の第2ランド部66bの側縁部と、他端側の第2ランド部66bの側縁部とが、第1ランド部66a側では近接しており、第1ランド部66aから離れるにつれて一端側の第2ランド部66bの側縁部と他端側の第2ランド部66bの側縁部との距離が広がるように構成されている。なお、一端側の第2ランド部の外側の側縁部4は、所定方向(導電路68bが延びる方向)に沿って延びており、他端側の第2ランド部66bの外側の側縁部も、所定方向(導電路68bが延びる方向)に沿って延びている。
【0090】
この構成では、第4実施形態と同様の作用、効果を生じさせることができ、正常な接合時には、第4実施形態と同様の半田接合部67aやフィレット部67bが形成され、異常時(溶融時に裏面電極62と半田ペースト64とが良好に接触しない異常状態のとき)には、図6の領域AR2の場合と同様の状態が生じることとなる。更に、第1ランド部66aの幅に対して導電路68bの幅を縮小させていないため、導電路68bでの電気的損失をより一層抑えることができる。
[第7実施形態]
次に第7実施形態について説明する。
図17は、第7実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。図18(A)は、図17のP−P位置におけるランド形成工程後の様子の概略的に例示する断面図であり、図18(B)は、図17のP−P位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。なお、図17では、電子部品71及び半田ペースト74を二点鎖線にて仮想的に示している。また、図18(A)では、電子部品71が配置されるべき位置を符号71’にて概念的に示している。
【0091】
本実施形態は、ランド形成工程が第3実施形態と異なるだけで、それ以外の半田ペースト印刷工程、リフロー工程は第3実施形態と同様である。よって第3実施形態と異なる部分について重点的に説明し、第3実施形態と同様の工程については詳細な説明を省略する。
【0092】
本実施形態では、各導電パターン78,78の導電路78b,78bの構成、及び第2ランド部76bの構成が第3実施形態と異なっている。具体的には、ランド形成工程において、導電路78bの幅が、第2ランド部76bの形成領域の幅と略同一であり、第1ランド部66aの幅よりも小さくなるように、基板73上に導電パターン78を形成している。この構成では、導電ベース部78aが矩形状の領域として構成され、導電路78bは、導電ベース部78aよりも小さい所定幅で直線状に続くようになっている。
【0093】
本実施形態でも、実装時に裏面電極72,72に覆われる位置に第1ランド部76a,76aとなるべき導電ベース部78a,78aを形成しており、各導電路78bの基端側(第1ランド部76a側)の部分を露出させるようにソルダレジスト層75を配置することで、各ランド76毎に第1ランド部76aよりも狭い幅の1つの第2ランド部76bを形成している。各第2ランド部76bは、第1ランド部76aから所定方向に延出しており、実装時に裏面電極72,72に覆われない外方位置に配されるようになっている。
【0094】
なお、半田ペースト印刷工程は第3実施形態とほぼ同様であり、図17のように、ランド形成工程によって形成された第1ランド部76aと第2ランド部76bとに跨る構成でランド76を覆うように半田ペースト74を印刷している。なお、この例では、第1ランド部76aの幅よりも小さい幅であって、且つ第2ランド部76bの幅と同一或いは大きい幅となるように、半田ペースト74を形成している。また、リフロー工程も第3実施形態とほぼ同様であり、半田ペースト印刷工程によって半田ペースト74が印刷された後、図17のように、各第1ランド部76a,76aに対応する位置に裏面電極72,72(図18参照)を配置し、この配置状態で半田ペースト74を溶融し、冷却することで、半田ペースト74の少なくとも第2ランド部76b側の一部を裏面電極72側に移動させつつ接合している。接合が正常に行われた場合には、図18(B)のような構成となり、半田接合部77a及びフィレット部77bが適正に形成されることとなる。一方、異常時(溶融時に裏面電極72と半田ペースト74とが良好に接触しない異常状態のとき)には、図6の領域AR2の場合と同様の状態が生じることとなる。
【符号の説明】
【0095】
1,21,31,41,51,61,71…電子部品
2,22,32,42,52,62,72…裏面電極
3,23,33,43,53,63,73…基板
3a,23a,33a,43a,53a,63a,73a…実装面
4,24,34,44,54,64,74…半田ペースト
5,25,35,45,55,65,75…ソルダレジスト層
6,26,36,46,56,66,76…ランド
6a,26a,36a,46a,56a,66a,76a…第1ランド部
6b,26b,36b,46b,56b,66b,76b…第2ランド部
10,20,30,40,50,60,70…電子装置
38,48,58,68,78…導電パターン
38a,48a,58a,68a,78a…導電ベース部
38b,48b,58b,68b,78b…導電路
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置では、実装の高密度化、多端子化が進行しており、QFN(Quad Flat Non-leaded package)、或いは一部のタンタルコンデンサ、ダイオードなど、実装面側に電極を配置してなる下面電極(裏面電極)部品の実装が注目を集めている。なお、リードレスパッケージの実装構造に関する技術としては、例えば特許文献1〜4のようなものが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−57244公報
【特許文献2】特開平6−69369号公報
【特許文献3】特開2006−32622公報
【特許文献4】特開平11−87893公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような半導体装置を製造する場合、一般的には、電子部品を基板に実装した後に、外観検査装置などによって半田接合が確実に行われているかを検査している。しかしながら、特に半田ペーストを印刷した後に電子部品を配置し、その状態で半田ペーストを溶融する方式(いわゆるリフロー方式)では、QFN等の下面電極部品を実装する場合に、半田による接合部が下面電極部品に隠れてしまうため、光学或いはレーザ等による外観検査では良否判定が難しいという問題があった。
【0005】
一方、特許文献1〜4の発明は、いずれもパッケージ部品の側部に側面電極やビア等が配置され、この電極等に沿ってフィレットを高く形成することで外観検査の容易化を図っているが、フィレットが外観で把握し難い場合については何ら解決がなされていなかった。
【0006】
一方、上記半導体装置では、実装後に電気的に導通状態を検査する手法も考えられるが、このような電気検査では、完全なオープン状態は検出することができるものの、半田ペーストが完全に溶融していない不ぬれ不良(電気的に接続されていないものと、部分的に接続されているが温度サイクルや振動等により短時間でオープン状態に至るものとが混在する状態)を検出することが難しいという問題があった。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、基板と対向する裏面側に裏面電極が形成された電子部品を基板に実装してなる電子装置を製造する製造方法において、電子部品と基板との接続状態をより正確且つ容易に確認し得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、基板と対向する裏面側に裏面電極が形成された電子部品を前記基板の実装面に接合してなる電子装置を製造する製造方法であって、実装時に前記裏面電極に覆われる位置に配される第1ランド部と、前記第1ランド部から延出すると共に実装時に前記裏面電極に覆われない外方位置に配され、且つ前記第1ランド部よりも狭い幅で構成される第2ランド部と、を備えたランドを、前記実装面に形成するランド形成工程と、前記ランド形成工程によって形成された前記第1ランド部と前記第2ランド部とに跨る構成で前記ランドを覆う半田ペーストを印刷する半田ペースト印刷工程と、前記半田ペースト印刷工程によって前記半田ペーストが印刷された後、前記第1ランド部に対応する位置に前記裏面電極を配置した状態で前記半田ペーストを溶融することで、前記半田ペーストの少なくとも前記第2ランド部側の一部を前記裏面電極側に移動させつつ接合するリフロー工程と、含むことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の電子装置の製造方法において、前記ランド形成工程では、前記第1ランド部から複数の前記第2ランド部を延出させる構成で前記ランドを形成し、前記半田ペースト印刷工程では、前記第1ランド部と複数の前記第2ランド部とに跨る構成で前記半田ペーストを印刷することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載の電子装置の製造方法において、前記ランド形成工程では、同方向に延び且つ互いに離間して配される二本の前記第2ランド部を前記第1ランド部から延出させる構成で前記ランドを形成し、前記半田ペースト印刷工程では、二本の前記第2ランド部の間におけるランド非形成領域を覆い、且つ前記第1ランド部側から二本の前記第2ランド部に沿って延びる構成で前記半田ペーストを印刷することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の電子装置の製造方法において、前記ランド形成工程が、前記基板の前記実装面側に、少なくとも一部が前記第1ランド部として構成される導電ベース部と、前記導電ベース部から前記実装面に沿って延び、一部が前記第2ランド部として構成される導電路とを備えた導電パターンを形成する導電パターン形成工程と、前記導電パターン形成工程によって形成された前記導電パターンに対し、前記導電ベース部の少なくとも一部を露出させると共に、前記導電ベース部の露出部から外方位置に延出するように前記導電路の一部を露出させ、且つ前記導電路の露出部の幅が前記導電ベース部の露出部の幅よりも狭く且つ前記導電路全体の幅よりも狭くなる構成で少なくとも前記導電路の一部を被覆するソルダレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、を含んでおり、更に、前記レジスト層形成工程では、前記導電路の基端部における幅方向中間部を被覆すると共に当該幅方向中間部の両側を露出させるように前記ソルダレジスト層を配置することで、前記基端部の幅方向両側に前記第2ランド部となる前記導電路の露出部をそれぞれ形成することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、前記ランド形成工程が、前記基板の前記実装面側に、少なくとも一部が前記第1ランド部として構成される導電ベース部と、前記導電ベース部から前記実装面に沿って延び、一部が前記第2ランド部として構成される導電路とを備えた導電パターンを形成する導電パターン形成工程と、前記導電パターン形成工程によって形成された前記導電パターンに対し、前記導電ベース部の少なくとも一部を露出させると共に、前記導電ベース部の露出部から外方位置に延出するように前記導電路の一部を露出させて前記第2ランド部を形成し、且つ前記導電路の露出部の幅が前記導電ベース部の露出部の幅よりも狭く且つ前記導電路全体の幅よりも狭くなる構成で少なくとも前記導電路の一部を被覆するソルダレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5に記載の電子装置の製造方法において、前記半田ペースト印刷工程では、前記第1ランド部側から所定方向に延びるように前記半田ペーストを形成し、前記ランド形成工程では、前記第2ランド部の幅方向一端側の側縁部が前記所定方向に対して傾斜して配され、且つ前記第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように前記第2ランド部を前記所定方向に延出させて形成することを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項4に記載の電子装置の製造方法において、前記半田ペースト印刷工程では、前記第1ランド部側から所定方向に延びるように前記半田ペーストを形成し、前記ランド形成工程では、複数の前記第2ランド部を前記所定方向に延出させて並列に形成すると共に、これら複数の前記第2ランド部の内、幅方向一端側に配置された一端側第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該一端側第2ランド部の幅方向他端側の側縁部を、前記所定方向に対して傾斜するように構成し、且つ幅方向他端側に配置された他端側第2ランド部の第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該他端側第2ランド部の幅方向一端側の側縁部を、前記所定方向に対して傾斜するように構成することを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法において、前記半田ペースト印刷工程では、少なくとも前記半田ペーストにおける前記第1ランド部を被覆する部分の幅が、前記第1ランド部の幅よりも狭くなるように前記半田ペーストを配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明では、ランド形成工程によって形成された第1ランド部と第2ランド部とに跨る構成で半田ペーストを印刷しており、半田ペーストが印刷された後、半田ペーストを溶融させるリフロー工程を行っている。このリフロー工程では、第1ランド部に対応する位置に裏面電極を配置した状態で半田ペーストが溶融するため、正常な接合がなされるときには、この溶融する半田ペーストによって裏面電極と第1ランド部とが接合される。このとき、溶融する半田ペーストは裏面電極の表面を伝って裏面電極側に流れ込むため、電子部品に覆われない第2ランド部側の半田ペーストの量も減ることになる。逆に、半田ペーストと裏面電極の接合が正常でない場合、第2ランド部側の半田ペーストは裏面電極側に移動しない又は移動量が少ないため、正常時と比較して半田ペーストの残存量が多くなる。従って、第2ランド部側の半田ペーストの残存状態に基づいて接合の良否を確認できるようになり、特に、第2ランド部側は電子部品に覆われていないため、半田ペーストの残存状態を容易に且つより正確に外観検することができ、ひいては接合の良否判定を一層精度高く良好に行うことができる。
【0017】
請求項2の発明では、第1ランド部から複数の第2ランド部を延出させる構成でランドを形成しており、第1ランド部と複数の第2ランド部とに跨る構成で半田ペーストを印刷している。このように複数の第2ランド部に跨るように半田ペーストを印刷してリフロー工程を行うと、正常な接合時には、印刷された半田ペーストのうち、第2ランド部を覆う部分だけでなく複数の第2ランド部に跨る部分も裏面電極側へ移動し易いため、接合が正常な場合と異常な場合とで残存状態に差が生じやすくなる。
【0018】
請求項3の発明では、同方向に延び且つ互いに離間して配される二本の第2ランド部を第1ランド部から延出させる構成でランドを形成しており、これら二本の第2ランド部の間に形成におけるランド非形成領域を覆い、且つ第1ランド部側から二本の第2ランド部に沿って延びる構成で半田ペーストを印刷している。このようにすると、リフロー工程後に現れるランド非形成領域の長さが、正常な接合時と不十分な接合時とでよりはっきりと差異が生じるようになり、外観検査をより正確且つ容易に行うことができるようになる。
【0019】
請求項4の発明では、基板の実装面側に、少なくとも一部が第1ランド部として構成される導電ベース部と導電ベース部から実装面に沿って延びる導電路とを備えた導電パターンを形成しており、導電路の露出部の幅が導電ベース部の露出部の幅よりも狭く且つ導電路全体の幅よりも狭くなる構成でソルダレジスト層を形成している。更に、レジスト層形成工程では、導電路の基端部における幅方向中間部を被覆すると共に当該幅方向中間部の両側を露出させるようにソルダレジスト層を配置することで、基端部の幅方向両側に導電路の露出部をそれぞれ形成している。
この構成によれば、導電ベース部の一部をソルダレジスト層で被覆して所望の幅の第2ランド部を形成することができる。更に、第2ランド部付近において、第2ランド部よりも幅の広い導電路を構成することができるため、電気的損失を少なくすることができる。特に、幅方向両側の第2ランド部が繋がった形態で導電路が構成されるため、電気的損失を抑える上でより有利となる。
【0020】
請求項5の発明では、基板の実装面側に、少なくとも一部が第1ランド部として構成される導電ベース部と導電ベース部から実装面に沿って延びる導電路とを備えた導電パターンを形成しており、導電路の露出部の幅が導電ベース部の露出部の幅よりも狭く且つ導電路全体の幅よりも狭くなる構成で少なくとも導電路の一部を被覆するソルダレジスト層を形成している。
この構成によれば、導電ベース部の一部をソルダレジスト層で被覆して所望の幅の第2ランド部を形成することができる。更に、第2ランド部付近において、第2ランド部よりも幅の広い導電路を構成することができるため、電気的損失を少なくすることができる。
【0021】
請求項6の発明では、第1ランド部側から所定方向に延びるように半田ペーストを形成し、第2ランド部の幅方向一端側の側縁部が所定方向に対して傾斜して配され、且つ第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように第2ランド部を所定方向に延出させて形成している。この構成によれば、第2ランド部の幅を先細り状に細く形成することができ、更に、第2ランド部上への半田ペーストの印刷が幅方向一端側にずれた場合でも半田ペーストが第2ランド部上から外れにくくなるため、このような場合であっても、第2ランド部側の半田ペーストがリフロー時に裏面電極側へ流動しやすくなる。
【0022】
請求項7の発明では、第1ランド部側から所定方向に延びるように半田ペーストを形成している。更に、複数の第2ランド部を所定方向に延出させて並列に形成し、幅方向一端側に配置された一端側第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該一端側第2ランド部の幅方向他端側の側縁部を、所定方向に対して傾斜するように構成し、且つ幅方向他端側に配置された他端側第2ランド部の第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該他端側第2ランド部の幅方向一端側の側縁部を、所定方向に対して傾斜するように構成している。
この構成によれば、一端側第2ランド部と他端側第2ランド部の幅を先細り状に細く形成することができ、更に、一端側第2ランド部と他端側第2ランド部とに跨るように配置されるべき半田ペーストが幅方向一端側或いは幅方向他端側にずれた場合であっても、半田ペーストが両第2ランド部から外れにくくなるため、このような場合であっても、第2ランド部側の半田ペーストがリフロー時に裏面電極側へ流動しやすくなる。
【0023】
請求項8の発明では、半田ペースト印刷工程において、少なくとも半田ペーストにおける第1ランド部を被覆する部分の幅が、第1ランド部の幅よりも狭くなるように半田ペーストを配置している。
このようにすると、裏面電極と第1ランド部とが正常に接合される場合に、裏面電極を伝って流動する半田ペーストの量を多くすることができるため、正常な接合時と不十分な接合時とで生じる残存状態(即ち、第2ランド部側の半田ペーストの残存状態)の差異がより大きくなり、ひいては、裏面電極と第1ランド部の接合の良否判定をより正確に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、第1実施形態係る製造方法にて製造された電子装置を概略的に例示する断面図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る製造方法で行われるランド形成工程を概略的に説明する説明図であり、図2(A)は、基板の一方面にランドが形成された様子を概略的に例示する平面図であり、図2(B)は、図2(A)のA−A位置の概略断面図である。
【図3】図3(A)は、ランド形成工程によって形成されたランドを拡大して示す拡大図であり、図3(B)は、図3(A)のランドに半田ペーストを印刷した様子を説明する説明図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る製造方法で行われる半田ペースト印刷工程を概略的に説明する説明図であり、図4(A)は、各ランドに半田ペーストが印刷された様子を概略的に例示する平面図であり、図4(B)は、図4(A)のB−B位置の概略断面図である。
【図5】図5(A)は、図4で示す半田ペースト印刷工程後、各第1ランド上に電子部品が配置された様子を概略的に例示する平面図であり、図5(B)は、図5(A)のC−C位置の概略断面図である。
【図6】図6(A)は、リフロー工程によって半田ペーストを溶融、冷却した後の様子を概略的に例示する平面図であり、図6(B)は、図6(A)のD−D位置の概略断面図である。
【図7】図7は、第2実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。
【図8】図8(A)は、図7のE−E位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図8(B)は、図7のF−F位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。
【図9】図9は、第3実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。
【図10】図10(A)は、図9のG−G位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図10(B)は、図9のH−H位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。
【図11】図11は、第4実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。
【図12】図12(A)は、図11のI−I位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図12(B)は、図11のJ−J位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。
【図13】図13は、第5実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。
【図14】図14(A)は、図13のK−K位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図14(B)は、図13のL−L位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。
【図15】図15は、第6実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。
【図16】図16(A)は、図15のM−M位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図16(B)は、図15のN−N位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。
【図17】図17は、第7実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。
【図18】図18(A)は、図17のP−P位置におけるランド形成工程後の様子の概略的に例示する断面図であり、図18(B)は、図17のP−P位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る製造方法を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(半導体装置の構成)
まず、本実施形態に係る製造方法で製造される電子装置20について概説する。
図1は、第1実施形態係る製造方法にて製造された電子装置を概略的に例示する断面図である。図1に示すように、電子装置20は、電子部品1と、配線基板として構成される基板3とを備えており、配線基板3の実装面に2aに電子部品1が接合された構成をなしている。
【0026】
電子部品1は、例えばQFN(Quad Flat Non-leaded package)などの半導体パッケージとして構成されており、基板3と対向する裏面1a側に複数の裏面電極2が形成されている。
【0027】
基板3は、ランド6や図示しない配線パターンなどを備えたプリント配線基板として構成されており、所定領域に電子部品1が実装され、この電子部品1の各裏面電極2とそれぞれ対向する位置にランド6が形成されている。図2(A)に示すように、各ランド6は、実装時に各裏面電極2に覆われる位置にそれぞれ第1ランド部6aが形成されており、各第1ランド部6aから外方側(電子部品1に覆われる側とは反対側)に延びるように第2ランド部6bがそれぞれ形成されている。なお、図2(A)では、電子部品1が実装される前の基板3を平面視した状態を示しており、電子部品1が実装される領域(実装時に電子部品1に覆われる領域)を符号1’で示し、将来的に各裏面電極2に覆われる領域を符号2’で示している。
【0028】
図1に示すように、各ランド6は各裏面電極2と半田によって接合されており、各ランド6の第1ランド部6aと裏面電極2の間には、これらを連結する半田接合部7aが形成され、半田接合部7aの外側において第2ランド部6b上には半田フィレット部7bが形成されている。なお、各ランド6は、基板3に形成された図示しない配線パターンに電気的に接続されている。
【0029】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について詳述する。
<1.ランド形成工程>
まず、ランド形成工程について説明する。図2は、第1実施形態に係る製造方法で行われるランド形成工程を概略的に説明する説明図であり、図2(A)は、基板の一方面にランドが形成された様子を概略的に例示する平面図であり、図2(B)は、図2(A)のA−A位置の概略断面図である。
図2に示すように、ランド形成工程では、基板3の実装面3aにおいて各裏面電極2に対応する位置にランド6を形成する。具体的には、電子部品1が実装される領域(実装時に電子部品1に覆われる領域)1’内に、各第1ランド部6aをそれぞれ形成し、これら各第1ランド部6aから延出させる構成で第2ランド部6bを形成している。
【0030】
ランド形成工程で形成される各ランド6は、導電性の材料によって長手状に構成されると共にそれぞれが決められた方向に延びた構成をなし、電子部品1によって覆われる領域1’から当該領域1’の外部に跨るように配置される。この工程では、領域1’内の各第1ランド部6aがそれぞれ、将来的に裏面電極2に覆われる領域2’ に形成されるため、実装後に電子部品1の各裏面電極2に対向するようになっている。
【0031】
また、ランド形成工程では、各第1ランド部6aから領域1’の外部(即ち、実装時に裏面電極2に覆われない外方位置)に延びる形態で、2つの第2ランド部6b,6bを形成している。この工程で形成される各第2ランド部6b,6bは、同方向(ランド6の長手方向)に略平行に延びると共に、互いに離間して配されており、それぞれが第1ランド部6aよりも狭い幅で構成されている。
【0032】
本実施形態では、図3に示すように、例えば一方の第2ランド部6bの幅W2と他方の第2ランド部6bの幅W3とがほぼ同じ幅で構成されており、これら幅W2、W3がいずれも第1ランド部6bの幅W1よりも小さくなっている。より具体的には、第1ランド部6aの一方の側部11aに沿って一方の第2ランド部6bが延びており、他方の側部11bに沿って他方の第2ランド部6bが延びている。
【0033】
なお、ランド形成工程の前工程又は後工程としてソルダレジスト層5を形成するレジスト層形成工程を行っており、ソルダレジスト層を形成することにより所定の位置への半田の付着等を防止している。
【0034】
<2.半田ペースト印刷工程>
次に、ランド形成工程の後に行われる半田ペースト印刷工程について説明する。図3(A)は、ランド形成工程によって形成されたランドを拡大して示す拡大図であり、図3(B)は、図3(A)のランドに半田ペーストを印刷した様子を説明する説明図である。図4は、第1実施形態に係る製造方法で行われる半田ペースト印刷工程を概略的に説明する説明図であり、図4(A)は、各ランドに半田ペーストが印刷された様子を概略的に例示する平面図であり、図4(B)は、図4(A)のB−B位置の概略断面図である。
【0035】
この半田ペースト印刷工程では、図4に示すように、ランド形成工程によって形成された各ランド6に対し、第1ランド部6aと第2ランド部6bとに跨る構成でランド6を覆うように、公知の半田印刷機を用いて半田ペースト4を印刷転写する。
【0036】
図3(B)に示すように、半田ペースト印刷工程では、第1ランド部6aと複数の第2ランド部6bとに跨る構成で半田ペースト4を印刷しており、具体的には、二本の第2ランド部6bの間に形成される隙間14(ランド非形成領域)を覆い、且つ第1ランド部6a側から二本の第2ランド部6bに沿って延びる構成で半田ペースト4を印刷している。
【0037】
より詳しくは、第1ランド部6aの幅方向両端部付近を覆わず、幅方向中央部付近を覆うように半田ペースト4を印刷しており、更には、一方の第2ランド部6bにおける内側の側部12b(図3(A))を覆い、且つ他方のランド部6bにおける内側の側部13b(図3(A))を覆うように両第2ランド部6b,6bの内側(隙間14側)を被覆する構成で半田ペースト4を印刷している。
【0038】
また、半田ペースト印刷工程では、図3(B)のように、少なくとも半田ペースト4における第1ランド部6aを被覆する部分の幅W4が、隙間14の幅W5(図3(A))よりも大きく、第1ランド部6aの幅W1よりも小さくなるように半田ペースト4を配置している。この工程では、半田ペースト4は、第1ランド部の一方の側部11aよりも内側であって且つ一方の第2ランド部6bの側部12aよりも内側(隙間14側)の位置に、幅方向一方側の境界4aが配され、更に、第1ランド部の他方の側部11bよりも内側であって且つ他方のランド部6bの側部13aよりも内側(隙間14側)の位置に幅方向他方側の境界4bが配されるように印刷されることとなる。
【0039】
<3.リフロー工程>
次に、リフロー工程について説明する。図5(A)は、図4で示す半田ペースト印刷工程後、各第1ランド上に電子部品が配置された様子を概略的に例示する平面図であり、図5(B)は、図5(A)のC−C位置の概略断面図である。また、図6(A)は、リフロー工程によって半田ペーストを溶融、冷却した後の様子を概略的に例示する平面図であり、図6(B)は、図6(A)のD−D位置の概略断面図である。なお、図5(A)、図6(A)では、電子部品1を二点鎖線にて概念的に示しており、図5(A)では、裏面電極2についても二点鎖線にて概念的に示している。
【0040】
図5、図6に示すリフロー工程は、図4のように半田ペースト印刷工程によって半田ペースト4を印刷した後に行われる。このリフロー工程では、まず、公知の部品装着マウンタを用い、当該マウンタの吸着ノズルにQFN等の電子部品1に吸着させた状態で電子部品1を所定位置に配置することで、図5のように第1ランド部6aに対応する位置に裏面電極2を配置する。そして、このように電子部品1をマウントした配置状態でこれら部品をリフロー炉に投入して加熱することで半田ペースト4を溶融させる。半田ペースト4の溶融及び接合は、例えば公知のリフロー炉を用い、プリヒート、本加熱、冷却の順に行う。
【0041】
本実施形態では、図5のように電子部品2の各裏面電極2と対向させて各半田ペースト4を配置し、その状態で半田ペースト4を溶融させている。従って、溶融時に半田ペースト4が裏面電極2に正常に接触したときには、溶融した半田ペースト4が裏面電極2を伝って裏面電極2全体に広がるため裏面電極2側の半田ペースト4の量が多くなり、第2ランド部6b側に配されていた部分がより多く裏面電極2側に移動することとなる。従って、このような正常の接合の場合には、図6(A)の右側領域AR1のように、裏面電極2と第1ランド部6aの間に半田ペースト4が集まり、冷却後には、裏面電極2と第1ランド部6aの間に確実に半田接合部7aが形成されることとなる。また、半田接合部7aの外側には、各第2ランド部6bに沿ってフィレット部7bが形成されることとなる。
【0042】
なお、半田接合部7aが正常に形成されるような場合には、半田ペースト4の溶融時に第2ランド部6b側から第1ランド部6a側に流入する半田ペーストの量が多くなるため、隙間14を覆っていた半田ペースト4の多くが第1ランド部6a側に移動する。従って、リフロー工程後には、図6の領域AR1のように隙間14が明確に現れることとなり、リフロー工程後の外観検査工程においてこの隙間14の大きさ或いは長さを目視や画像解析などによって確認することで半田接合部7aが正常に形成されているか否か(即ちランド6と裏面電極2とが正常に接合されているか否か)を検査することができる。
【0043】
一方、図6(A)の左側領域AR2のように、溶融時に裏面電極2と半田ペースト4とが良好に接触しない異常状態のときには、半田ペースト4が裏面電極2を伝って移動しない、又は溶融時に裏面電極2を伝って移動する半田ペースト4の量が少ないため、第2ランド部6b側から第1ランド部6a側に移動する半田ペーストの量が少なくなる。この場合、冷却後には、図6(B)のように裏面電極2と第1ランド部6aの間に正常な半田接合部が形成されずに隙間が生じてしまい、接合不良となる。一方、半田ペースト4における第2ランド部6bを覆っていた部分はそのまま第2ランド部6b上に留まる量が多くなり、図6(A)のように隙間14を覆っていた部分もそのまま隙間14上に留まる量が多くなる。従って、リフロー工程後の外観検査工程においてこの隙間14の大きさ或いは長さを目視や画像解析などによって確認することでこのような接合異常が生じているか否かを検査することができる。
【0044】
(第1実施形態の主な効果)
第1実施形態に係る発明では、ランド形成工程によって形成された第1ランド部6aと第2ランド部6bとに跨る構成で半田ペースト4を印刷しており、半田ペースト4が印刷された後、半田ペースト4を溶融させるリフロー工程を行っている。このリフロー工程では、第1ランド部6aに対応する位置に裏面電極2を配置した状態で半田ペースト4が溶融するため、正常な接合がなされるときには、この溶融する半田ペースト4によって裏面電極2と第1ランド部6aとが接合される。このとき、溶融する半田ペースト4は裏面電極2の表面を伝って裏面電極2側に流れ込むため、電子部品1に覆われない第2ランド部6b側の半田ペースト4の量も減ることになる。逆に、半田ペースト4と裏面電極2の接合が正常でない場合、第2ランド部6b側の半田ペースト4は裏面電極2側に移動しない又は移動量が少ないため、正常時と比較して半田ペースト4の残存量が多くなる。従って、第2ランド部6b側の半田ペースト4の残存状態に基づいて接合の良否を確認できるようになり、特に、第2ランド部6b側は電子部品1に覆われていないため、半田ペースト4の残存状態を容易に且つより正確に外観検することができ、ひいては接合の良否判定を一層精度高く良好に行うことができる。
【0045】
また、第1実施形態に係る製造方法では、第1ランド部6aから複数の第2ランド部6bを延出させる構成でランド6を形成しており、第1ランド部6aと複数の第2ランド部6bとに跨る構成で半田ペースト4を印刷している。このように複数の第2ランド部6bに跨るように半田ペースト4を印刷してリフロー工程を行うと、正常な接合時には、印刷された半田ペースト4のうち、第2ランド部6bを覆う部分だけでなく複数の第2ランド部6bに跨る部分も裏面電極2側へ移動し易いため、接合が正常な場合と異常な場合とで残存状態に差が生じやすくなる。従って、リフロー工程後の外観検査において接合異常をより正確に発見し易くなる。
【0046】
また、第1実施形態に係る製造方法では、同方向に延び且つ互いに離間して配される二本の第2ランド部6bを第1ランド部6aから延出させる構成でランドを形成しており、これら二本の第2ランド部6bの間におけるランド非形成領域(隙間14)を覆い、且つ第1ランド部6a側から二本の第2ランド部6bに沿って延びる構成で半田ペースト4を印刷している。このようにすると、リフロー工程後に現れるランド非形成領域の長さが、正常な接合時と不十分な接合時とでよりはっきりと差異が生じるようになり、外観検査をより正確且つ容易に行うことができるようになる。
【0047】
また、第1実施形態に係る製造方法では、半田ペースト印刷工程において、少なくとも半田ペースト4における第1ランド部6aを被覆する部分の幅W4が、第1ランド部6aの幅W1よりも狭くなるように半田ペースト4を配置している。
このようにすると、裏面電極2と第1ランド部6aとが正常に接合される場合に、裏面電極2を伝って流動する半田ペースト4の量を多くすることができるため、正常な接合時と不十分な接合時とで生じる残存状態(即ち、第2ランド部6b側の半田ペースト4の残存状態)の差異がより大きくなり、ひいては、裏面電極2と第1ランド部6aの接合の良否判定をより正確に行うことができるようになる。
【0048】
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。図7は、第2実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。図8(A)は、図7のE−E位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図8(B)は、図7のF−F位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。なお、図7では、電子部品21及び半田ペースト24を二点鎖線にて仮想的に示している。
【0049】
第2実施形態で用いる電子部品21は、タンタルコンデンサやダイオードなどの下面電極部品として構成され、基板23と対向する裏面側に一対の裏面電極22、22が形成されており、このような電子部品21を基板23の実装面23aに接合することで電子装置20を製造している。
【0050】
本実施形態に係る製造方法でも、ランド形成工程の際に、第1ランド部26aと一対の第2ランド部26bとを備えたランド26を裏面電極22,22に対応させるように実装面23aに形成している。このランド形成工程では、実装時に裏面電極22,22に覆われる位置に第1ランド部26aを形成し、この第1ランド部26aから延出すると共に実装時に裏面電極22,22に覆われない外方位置に第2ランド部26bを形成している。具体的には、第1ランド部26aから二本の第2ランド部26b,26bを延出させる構成で各ランド26を形成している。これら延出する二本の第2ランド部26b,26bは同方向に延び且つ互いに離間して配されるようになっており、いずれの第2ランド部26bも、第1ランド部26aよりも狭い幅で構成されている。
【0051】
本実施形態のランド形成工程では、図7のように、基板23の実装面23a側に、第1ランド部26aとして構成される導電ベース部28aと、導電ベース部28aから実装面23aに沿って延び、一部が第2ランド部26b,26bとして構成される導電路28bとを備えた導電パターン28を形成しており、この形成された導電パターン28に対し、導電ベース部28aと、導電路28bの一部(導電ベース部28a側の端部)を露出させる構成でソルダレジスト層25を形成している。そして、導電パターン28におけるソルダレジスト層25によって被覆されない部分をランド26としている。
【0052】
本実施形態では、ランド形成工程の後、半田ペースト印刷工程の際に、図7のように、第1ランド部26aと二本の第2ランド部26b,26bとに跨る構成で半田ペースト24を印刷しており、より具体的には、二本の第2ランド部26b,26bの間におけるランド非形成領域を覆い、且つ第1ランド部26a側から二本の第2ランド部26b,26bに沿って延びる構成で半田ペースト24を印刷している。
【0053】
そして、半田ペースト印刷工程によって半田ペーストが印刷された後、リフロー工程を行っている。このリフロー工程では、まず、図7のように、各第1ランド部26aに対応する位置に電子部品21の裏面電極22(図8参照)を配置し、その配置状態で第1実施形態と同様に半田ペースト24を溶融させている。この場合も、溶融時に半田ペースト24が裏面電極22に正常に接触したときには、溶融した半田ペースト24が裏面電極22を伝って裏面電極22全体に広がるため裏面電極22側の半田ペースト24の量が多くなり、第2ランド部26b側に配されていた部分がより多く裏面電極22側に移動することとなる。特に、半田ペースト24における第1ランド部26aを被覆する部分の幅が、第1ランド部26aの幅よりも狭くなるように半田ペースト24を配置しているため、裏面電極22と第1ランド部26aとが正常に接合される場合には、裏面電極22を伝って流動する半田ペースト24の量がより多くなる。従って、このような正常の接合の場合には、図8(A)(B)のように、裏面電極22と第1ランド部26aの間に半田ペースト24が集まり、冷却後には、裏面電極22と第1ランド部26aの間に確実に半田接合部27aが形成されることとなる。また、図8(B)のように、半田接合部27aの外側には、各第2ランド部26bに沿ってフィレット部27bが形成されることとなる。
【0054】
なお、半田接合部27aが正常に形成されるような場合には、半田ペースト24の溶融時に第2ランド部26b側から第1ランド部26a側に流入する半田ペーストの量が多くなるため、一対の第2ランド部26b,26b間のランド非形成領域を覆っていた半田ペースト24の多くが第1ランド部26a側に移動する。従って、リフロー工程後には、このランド非形成領域が明確に現れることとなり、リフロー工程後の外観検査工程においてこのランド非形成領域の大きさ或いは長さを目視や画像解析などによって確認することで半田接合部27aが正常に形成されているか否か(即ちランド26と裏面電極22とが正常に接合されているか否か)を検査することができる。
【0055】
一方、溶融時に裏面電極22と半田ペースト24とが良好に接触しない異常状態のときには、半田ペースト24が裏面電極22を伝って移動しない、又は溶融時に裏面電極22を伝って移動する半田ペースト24の量が少ないため、第2ランド部26b側から第1ランド部26a側に移動する半田ペーストの量が少なくなる。この場合、冷却後には、裏面電極22と第1ランド部26aの間に正常な半田接合部が形成されずに隙間が生じてしまい、接合不良となる。一方、半田ペースト24における第2ランド部26bを覆っていた部分はそのまま第2ランド部26b上に留まる量が多くなり、上記ランド非形成領域を覆っていた部分もそのままランド非形成領域上に留まる量が多くなる。従って、リフロー工程後の外観検査工程においてこのランド非形成領域の大きさ或いは長さを目視や画像解析などによって確認することで、このような接合異常が生じているか否かを検査することができる(なお、異常状態は、図6の領域AR2の場合と同様である)。
【0056】
本実施形態に係る製造方法によれば、第1実施形態と同様の効果が得られることとなる。なお、図7,図8では、説明の容易化のため、基板23を部分的に簡略的に示し、配線パターンも省略して示しているが、基板の大きさや形状、配線パターンの構成は様々に変更できることは勿論である。
【0057】
[第3実施形態]
次に第3実施形態について説明する。
図9は、第3実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。図10(A)は、図9のG−G位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図10(B)は、図9のH−H位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。なお、図9では、電子部品31及び半田ペースト34を二点鎖線にて仮想的に示している。
【0058】
第3実施形態で用いる電子部品31も、タンタルコンデンサやダイオードなどの下面電極部品として構成され、基板33と対向する裏面側に一対の裏面電極32、32が形成されており、このような電子部品31を基板33の実装面33aに接合することで電子装置30を製造している。
【0059】
本実施形態に係る製造方法でも、ランド形成工程の際に、第1ランド部36aと一対の第2ランド部36bとを備えたランド36を裏面電極32,32に対応させるように実装面33aの所定の位置に形成している。このランド形成工程では、実装時に裏面電極32,32に覆われる位置に第1ランド部36aを形成し、実装時に裏面電極32,32に覆われない外方位置に第1ランド部36aから延出する構成で第2ランド部36bを形成している。具体的には、第1ランド部36aから二本の第2ランド部36b,36bをほぼ平行に延出させる構成で各ランド36を形成している。これら延出する二本の第2ランド部36b,36bは同方向に延び且つ互いに離間して配されるようになっており、いずれの第2ランド部36bも、第1ランド部36aよりも狭い幅で構成されている。
【0060】
本実施形態で行われるランド形成工程は、導電パターン形成工程と、レジスト層形成工程に分かれている。
導電パターン形成工程では、基板33の実装面33a側に、第1ランド部36aとして構成される導電ベース部38aと、導電ベース部38aから実装面33aに沿って延び、一部が第2ランド部36bとして構成される導電路38bとを備えた導電パターン38を形成している。この導電パターン38は、電子部品31の各裏面電極32に対する電力の供給路となるものであり、図示しない回路パターンや他の電子部品などに電気的に接続されるようになっている。図9の例では、導電ベース部38aが矩形状の領域として構成され、導電路38bは、導電ベース部38aから一定の幅W8で直線状に続いた構成をなしている。
【0061】
レジスト層形成工程では、導電パターン形成工程によって形成された導電パターン38に対し、導電ベース部38aを露出させると共に、導電路38bの一部を露出させるようにソルダレジスト層35を形成している。具体的には、導電路38bの露出部(ソルダレジスト層35に被覆されない部分)が、導電ベース部38aの露出部(図9では導電ベース部38aの全体が露出部に相当)における幅方向両側からそれぞれ電子部品31に被覆されない外方位置に延出するように、且つ導電路38bの両側に構成される各露出部の幅W6が、導電ベース部38aの露出部の幅W7よりも狭く且つ導電路38b全体の幅W8よりも狭くなるように、導電路38bの一部を被覆する構成でソルダレジスト層35を形成している。
【0062】
また、このレジスト層形成工程では、導電路38bの基端部(導電路38bにおける導電ベース部38a側の端部)の幅方向中間部を被覆すると共に当該幅方向中間部の両側を露出させるようにソルダレジスト層35を配置しており、これにより、この基端部の幅方向両側に第2ランド部36b,36bとなる導電路38bの露出部をそれぞれ形成している。このように、導電パターン38の一部をソルダレジスト層35で被覆することで、ソルダレジスト層35によって被覆されない部分をランド36として機能させている。
【0063】
本実施形態では、ランド形成工程の後、半田ペースト印刷工程の際に、図9のように、第1ランド部36aと二本の第2ランド部36b,36bとに跨る構成で半田ペースト34(二点鎖線参照)を印刷しており、より具体的には、二本の第2ランド部36b,36bの間におけるランド非形成領域(第2ランド部36b,36bの間に配されるソルダレジスト層35の領域)を覆い、且つ第1ランド部36a側から二本の第2ランド部36b,36bに沿って延びる構成で半田ペースト34を印刷している。
【0064】
また、この半田ペースト印刷工程でも、半田ペースト34における第1ランド部36aを被覆する部分の幅が、ランド非形成領域の幅よりも大きく、第1ランド部36aの幅よりも小さくなるように半田ペースト34を配置している。半田ペースト34は、第1ランド部36aの一方の側部(一方の幅方向端部)よりも内側であって且つ一方の第2ランド部36bの側部よりも内側の位置に、幅方向一方側の境界が配され、更に、第1ランド部36aの他方の側部(他方の幅方向端部)よりも内側であって且つ他方のランド部36bの側部よりも内側の位置に幅方向他方側の境界が配されるように印刷されている。
【0065】
そして、半田ペースト印刷工程によって半田ペーストが印刷された後、リフロー工程を行っている。このリフロー工程では、まず、図9のように、各第1ランド部36aに対応する位置に電子部品31の裏面電極32(図10参照)を配置し、その配置状態で第1実施形態と同様に半田ペースト34を溶融させている。この場合も、溶融時に半田ペースト34が裏面電極32に正常に接触したときには、溶融した半田ペースト34が裏面電極32を伝って裏面電極32全体に広がるため裏面電極32側の半田ペースト34の量が多くなり、第2ランド部36b側に配されていた部分がより多く裏面電極32側に移動することとなる。特に、半田ペースト34における第1ランド部36aを被覆する部分の幅が、第1ランド部36aの幅よりも狭くなるように半田ペースト34を配置しているため、裏面電極32と第1ランド部36aとが正常に接合される場合には、裏面電極32を伝って流動する半田ペースト34の量がより多くなる。従って、このような正常の接合の場合には、図10(A)(B)のように、裏面電極32と第1ランド部36aの間に半田ペースト34が集まり、冷却後には、裏面電極32と第1ランド部36aの間に確実に半田接合部37aが形成されることとなる。また、図10(B)のように、半田接合部37aの外側には、各第2ランド部36bに沿ってフィレット部37bが形成されることとなる。
【0066】
なお、半田接合部37aが正常に形成されるような場合には、半田ペースト34の溶融時に第2ランド部36b側から第1ランド部36a側に流入する半田ペーストの量が多くなるため、一対の第2ランド部36b,36b間のランド非形成領域(ソルダレジスト層5の領域)を覆っていた半田ペースト34の多くが第1ランド部36a側に移動する。従って、リフロー工程後には、このランド非形成領域が明確に現れることとなり、リフロー工程後の外観検査工程においてこのランド非形成領域の大きさ或いは長さを目視や画像解析などによって確認することで半田接合部37aが正常に形成されているか否か(即ちランド36と裏面電極32とが正常に接合されているか否か)を検査することができる。
【0067】
一方、溶融時に裏面電極32と半田ペースト34とが良好に接触しない異常状態のときには、半田ペースト34が裏面電極32を伝って移動しない、又は溶融時に裏面電極32を伝って移動する半田ペースト34の量が少ないため、第2ランド部36b側から第1ランド部36a側に移動する半田ペーストの量が少なくなる。この場合、冷却後には、裏面電極32と第1ランド部36aの間に正常な半田接合部が形成されずに隙間が生じてしまい、接合不良となる。一方、半田ペースト34における第2ランド部36bを覆っていた部分はそのまま第2ランド部36b上に留まる量が多くなり、上記ランド非形成領域を覆っていた部分もそのままランド非形成領域上に留まる量が多くなる。従って、リフロー工程後の外観検査工程においてこのランド非形成領域の大きさ或いは長さを目視や画像解析などによって確認することで、このような接合異常が生じているか否かを検査することができる(なお、異常状態は、図6の領域AR2の場合と同様である)。
【0068】
本実施形態に係る製造方法によれば、第1実施形態と同様の効果が得られることとなる。なお、図9,図10では、説明の容易化のため、基板33を部分的に簡略的に示し、配線パターンも省略して示しているが、基板の大きさや形状、配線パターンの構成は様々に変更できることは勿論である。
【0069】
また、本実施形態に係る製造方法では、導電路38bの各露出部(第2ランド部36bとなるべき部分)の幅W6が導電ベース部38aの露出部の幅W7よりも狭く且つ導電路38b全体の幅よりも狭くなる構成でソルダレジスト層35を形成している。更に、レジスト層形成工程では、導電路38bの基端部における幅方向中間部を被覆すると共に当該幅方向中間部の両側を露出させるようにソルダレジスト層35を配置することで、基端部の幅方向両側に導電路38bの露出部をそれぞれ形成している。この構成によれば、導電ベース部38aの一部をソルダレジスト層35で被覆して所望の幅の第2ランド部36bを形成することができる。更に、第2ランド部36b付近において、第2ランド部36bよりも幅の広い導電路38bを構成することができるため、電気的損失を少なくすることができる。特に、幅方向両側の第2ランド部36b,36bが繋がった形態で導電路38bが構成されるため、電気的損失を抑える上でより有利となる。
[第4実施形態]
次に第4実施形態について説明する。
図11は、第4実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。図12(A)は、図11のI−I位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図12(B)は、図11のJ−J位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。なお、図11では、電子部品41及び半田ペースト44を二点鎖線にて仮想的に示している。
【0070】
本実施形態は、ランド形成工程で形成されるランドの形状が第3実施形態と異なるだけで、それ以外の半田ペースト印刷工程、リフロー工程は第3実施形態と同様である。よって第3実施形態と異なる部分について重点的に説明し、第3実施形態と同様の工程については詳細な説明を省略する。
【0071】
第4実施形態で用いる電子部品41も、タンタルコンデンサやダイオードなどの下面電極部品として構成され、基板43と対向する裏面側に一対の裏面電極42、42が形成されており、このような電子部品41を基板43の実装面43aに接合することで電子装置40を製造している。
【0072】
本実施形態に係る製造方法でも、ランド形成工程の際に、第1ランド部46aと一対の第2ランド部46b,46bとを備えたランド46を裏面電極42,42(図12参照)に対応させるように実装面43aの所定の位置に形成している。このランド形成工程では、実装時に裏面電極42,42に覆われる位置に第1ランド部46aを形成し、実装時に裏面電極42,42に覆われない外方位置に第1ランド部46aから延出する構成で第2ランド部46bを形成している。
【0073】
具体的には、第1ランド部46aから二本の第2ランド部46b,46bを先細り状に延出させる構成で各ランド46を形成している。これら延出する二本の第2ランド部46b,46bは同方向に延び且つ互いに離間して配されるようになっており、いずれの第2ランド部46bも、最大幅が第1ランド部46aよりも狭い幅となるように構成されている。
【0074】
本実施形態で行われるランド形成工程は、導電パターン形成工程と、レジスト層形成工程に分かれている。
導電パターン形成工程では、基板43の実装面43a側に、第1ランド部46aとして構成される導電ベース部48aと、導電ベース部48aから実装面43aに沿って延び、一部が第2ランド部46bとして構成される導電路48bとを備えた導電パターン48を形成している。この導電パターン48は、電子部品41の各裏面電極42に対する電力の供給路となるものであり、図示しない回路パターンや他の電子部品などに電気的に接続されるようになっている。図11の例では、導電ベース部48aが矩形状の領域として構成され、導電路48bは、導電ベース部48aから一定の幅で直線状に続いた構成をなしている。
【0075】
レジスト層形成工程では、導電パターン形成工程によって形成された導電パターン48に対し、導電ベース部48aを露出させると共に、導電路48bの一部を露出させるようにソルダレジスト層45を形成している。具体的には、導電路48bの露出部(ソルダレジスト層45に被覆されない部分)が、導電ベース部48aの露出部(図11では導電ベース部48aの全体が露出部に相当)における幅方向両側からそれぞれ電子部品41に被覆されない外方位置に延出するように、且つ導電路48bの両側に構成される各露出部の最大幅が、導電ベース部48aの露出部の幅よりも狭く且つ導電路48b全体の幅よりも狭くなるように、導電路48bの一部を被覆する構成でソルダレジスト層45を形成している。
【0076】
また、このレジスト層形成工程では、導電路48bの基端部(導電路48bにおける導電ベース部48a側の端部)の幅方向中間部を被覆すると共に当該幅方向中間部の両側を露出させるようにソルダレジスト層45を配置しており、これにより、この基端部の幅方向両側に第2ランド部46b,46bとなる導電路48bの露出部をそれぞれ形成している。このように、導電パターン48の一部をソルダレジスト層45で被覆することで、ソルダレジスト層45によって被覆されない部分をランド46として機能させている。
【0077】
また、本実施形態では、ランド形成工程において、2つの第2ランド部46b,46bを所定方向(導電路48bが延びる方向)に延出させて並列に形成すると共に、これら2つの第2ランド部46b,46bの内、幅方向一端側に配置された一端側第2ランド部46b’の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該一端側第2ランド部46b’の幅方向他端側の側縁部46cを、所定方向に対して傾斜するように構成している。また、幅方向他端側に配置された他端側第2ランド部46b”の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該他端側第2ランド部46b”の幅方向一端側の側縁部46dを、所定方向(導電路48bが延びる方向)に対して傾斜するように構成している。この構成では、一端側第2ランド部46b’の側縁部46cと、他端側第2ランド部46b”の側縁部46dは、第1ランド部46a側では近接しており、第1ランド部46aから離れるにつれて側縁部46cと側縁部46dとの距離が広がるように構成されている。なお、一端側第2ランド部46b’の外側の側縁部46eは、所定方向(導電路48bが延びる方向)に沿って延びており、他端側第2ランド部46b”の外側の側縁部46fも、所定方向(導電路48bが延びる方向)に沿って延びている。
【0078】
本実施形態では、ランド形成工程の後、半田ペースト印刷工程の際に、図11のように、第1ランド部46aと二本の第2ランド部46b,46bとに跨る構成で半田ペースト44(二点鎖線参照)を印刷しており、より具体的には、二本の第2ランド部46b,46bの間におけるランド非形成領域(第2ランド部46b,46bの間に配されるソルダレジスト層45の領域)を覆い、且つ第1ランド部46a側から二本の第2ランド部46b,46bに沿って延びる構成で半田ペースト44を印刷している。
【0079】
また、この半田ペースト印刷工程でも、半田ペースト44における第1ランド部46aを被覆する部分の幅が、二本の第2ランド部46b,46bの間のランド非形成領域の幅よりも大きく、且つ第1ランド部46aの幅よりも小さくなるように半田ペースト44を配置している。半田ペースト44は、第1ランド部46aの一方の側部(一方の幅方向端部)よりも内側であって且つ一端側第2ランド部46b’の外側の側縁部46eよりも内側の位置に、幅方向一方側の境界が配され、更に、第1ランド部46aの他方の側部(他方の幅方向端部)よりも内側であって且つ他端側第2ランド部46b”の外側の側縁部46fよりも内側の位置に幅方向他方側の境界が配されるように印刷されている。
【0080】
半田ペースト印刷工程によって半田ペーストが印刷された後には、第3実施形態と同様のリフロー工程を行っている。このリフロー工程では、まず、図11のように、各第1ランド部46aに対応する位置に電子部品41の裏面電極42(図12参照)を配置し、その配置状態で第1実施形態と同様に半田ペースト44を溶融させている。この場合も、溶融時に半田ペースト44が裏面電極42に正常に接触したときには、溶融した半田ペースト44が裏面電極42を伝って裏面電極42全体に広がるため裏面電極42側の半田ペースト44の量が多くなり、第2ランド部46b側に配されていた部分がより多く裏面電極42側に移動することとなる。そして、このような正常の接合の場合には、図12(A)(B)のように、裏面電極42と第1ランド部46aの間に半田ペースト44が集まり、冷却後には、裏面電極42と第1ランド部46aの間に確実に半田接合部47aが形成されることとなる。また、図12(B)のように、半田接合部47aの外側には、各第2ランド部46bに沿ってフィレット部47bが形成されることとなる。
【0081】
一方、溶融時に裏面電極42と半田ペースト44とが良好に接触しない異常状態のときには、半田ペースト44が裏面電極42を伝って移動しない、又は溶融時に裏面電極42を伝って移動する半田ペースト44の量が少ないため、第2ランド部46b側から第1ランド部46a側に移動する半田ペーストの量が少なくなる。この場合、冷却後には、裏面電極42と第1ランド部46aの間に正常な半田接合部が形成されずに隙間が生じてしまい、接合不良となる。一方、半田ペースト44における第2ランド部46bを覆っていた部分はそのまま第2ランド部46b上に留まる量が多くなり、上記ランド非形成領域を覆っていた部分もそのままランド非形成領域上に留まる量が多くなる。従って、リフロー工程後の外観検査工程においてこのランド非形成領域の大きさ或いは長さを目視や画像解析などによって確認することで、このような接合異常が生じているか否かを検査することができる(なお、異常状態は、図6の領域AR2の場合と同様である)。
【0082】
本実施形態の製造方法によれば第3実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態の製造方法では、2つの第2ランド部46b,46を所定方向に延出させて並列に形成し、幅方向一端側に配置された一端側第2ランド部46b’の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該一端側第2ランド部46b’の幅方向他端側の側縁部46cを、所定方向に対して傾斜するように構成し、且つ幅方向他端側に配置された他端側第2ランド部46b”の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該他端側第2ランド部46b”の幅方向一端側の側縁部46dを、所定方向に対して傾斜するように構成している。この構成によれば、一端側第2ランド部46b’と他端側第2ランド部46b”の幅を先細り状に細く形成することができ、更に、一端側第2ランド部46b’と他端側第2ランド部46b”とに跨るように配置されるべき半田ペースト4が幅方向一端側或いは幅方向他端側にずれた場合であっても、半田ペースト44が両第2ランド部46b,46から外れにくくなる(幅方向に多少ずれても、側縁部46c及び側縁部46dからは外れにくく、いずれか一方の第2ランド部46bが完全に覆われない状態が生じにくくなる)。従って、半田ペースト44の印刷が幅方向に多少ずれる場合であっても、第2ランド部46b側の半田ペースト44がリフロー時に裏面電極42側へ流動しやすくなり、正常な接合時と異常時とで明確な差が生じやすくなる。
[第5実施形態]
次に第5実施形態について説明する。
図13は、第5実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。図14(A)は、図13のK−K位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図14(B)は、図13のL−L位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。なお、図13では、電子部品51及び半田ペースト54を二点鎖線にて仮想的に示している。
【0083】
本実施形態は、ランド形成工程が第3実施形態と異なるだけで、それ以外の半田ペースト印刷工程、リフロー工程は第3実施形態と同様である。よって第3実施形態と異なる部分について重点的に説明し、第3実施形態と同様の工程については詳細な説明を省略する。
【0084】
本実施形態では、ランド形成工程で形成されるランド56の形状(即ち、第1ランド部56a、第2ランド部56b,56bの形状)が第3実施形態で形成されるランド36の形状と同一となっており、各導電パターン58,58の導電路58b,58bの構成のみが第3実施形態と異なっている。この構成では、導電路58bの幅が、第2ランド部56b,56bの形成領域の幅(即ち、側縁部56eから側縁部56fまでの幅)よりも大きくなっており、第1ランド部56aの幅と略同一となっている。この構成では、第3実施形態と同様の作用、効果を生じさせることができ、正常な接合時には、第3実施形態と同様の半田接合部57aやフィレット部57bが形成され、異常時(溶融時に裏面電極42と半田ペースト44とが良好に接触しない異常状態のとき)には、図6の領域AR2の場合と同様の状態が生じることとなる。更に、ランド56の大きさに合わせて導電路58bの幅を縮小させていないため、導電路58bでの電気的損失をより一層抑えることができる。
[第6実施形態]
次に第6実施形態について説明する。
図15は、第6実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。図16(A)は、図15のM−M位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図であり、図16(B)は、図15のN−N位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。なお、図15では、電子部品61及び半田ペースト64を二点鎖線にて仮想的に示している。
【0085】
本実施形態は、ランド形成工程が第3実施形態と異なるだけで、それ以外の半田ペースト印刷工程、リフロー工程は第3実施形態と同様である。よって第3実施形態と異なる部分について重点的に説明し、第3実施形態と同様の工程については詳細な説明を省略する。
【0086】
本実施形態では、各導電パターン68,68の導電路68b,68bの構成、及び第2ランド部66b,66bの構成のみが第3実施形態と異なっている。具体的には、ランド形成工程において、導電路68bの幅が、第2ランド部66b,66bの形成領域の幅(即ち、側縁部66eから側縁部66fまでの幅)と略同一であり、第1ランド部66aの幅とも略同一となるように、基板63上に導電パターンを形成している。この構成では、導電ベース部68aが矩形状の領域として構成され、導電路68bは、導電ベース部68aと同一の幅で直線状に続くようになっている。
【0087】
本実施形態で行われるレジスト層形成工程では、導電パターン形成工程によって形成された導電パターン68に対し、導電ベース部68aを露出させると共に、導電路68bの一部を露出させるようにソルダレジスト層65を形成している。具体的には、導電路68bの露出部(ソルダレジスト層65に被覆されない部分)が、導電ベース部68aの露出部(図15では導電ベース部68aの全体が露出部に相当)における幅方向両側からそれぞれ電子部品61に被覆されない外方位置に延出するように、且つ導電路68bの両側に構成される各露出部の最大幅が、導電ベース部68aの露出部の幅よりも狭く且つ導電路68b全体の幅よりも狭くなるように、導電路68bの一部を被覆する構成でソルダレジスト層65を形成している。
【0088】
また、このレジスト層形成工程では、導電路68bの基端部(導電路48bにおける導電ベース部48a側の端部)の幅方向中間部を被覆すると共に当該幅方向中間部の両側を露出させるようにソルダレジスト層65を配置しており、これにより、この基端部の幅方向両側に第2ランド部66b,66bとなる導電路68bの露出部をそれぞれ形成している。このように、導電パターン68の一部をソルダレジスト層65で被覆することで、ソルダレジスト層65によって被覆されない部分をランド66として機能させている。
【0089】
また、本実施形態では、ランド形成工程において、2つの第2ランド部66b,66bを所定方向(導電路68bが延びる方向)に延出させて並列に形成すると共に、これら2つの第2ランド部66b,66bの内、幅方向一端側に配置された第2ランド部66bの幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該第2ランド部66bの幅方向他端側の側縁部を、所定方向に対して傾斜するように構成している。また、幅方向他端側に配置された第2ランド部66bの幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該第2ランド部66bの幅方向一端側の側縁部を、所定方向(導電路68bが延びる方向)に対して傾斜するように構成している。この構成でも、一端側の第2ランド部66bの側縁部と、他端側の第2ランド部66bの側縁部とが、第1ランド部66a側では近接しており、第1ランド部66aから離れるにつれて一端側の第2ランド部66bの側縁部と他端側の第2ランド部66bの側縁部との距離が広がるように構成されている。なお、一端側の第2ランド部の外側の側縁部4は、所定方向(導電路68bが延びる方向)に沿って延びており、他端側の第2ランド部66bの外側の側縁部も、所定方向(導電路68bが延びる方向)に沿って延びている。
【0090】
この構成では、第4実施形態と同様の作用、効果を生じさせることができ、正常な接合時には、第4実施形態と同様の半田接合部67aやフィレット部67bが形成され、異常時(溶融時に裏面電極62と半田ペースト64とが良好に接触しない異常状態のとき)には、図6の領域AR2の場合と同様の状態が生じることとなる。更に、第1ランド部66aの幅に対して導電路68bの幅を縮小させていないため、導電路68bでの電気的損失をより一層抑えることができる。
[第7実施形態]
次に第7実施形態について説明する。
図17は、第7実施形態に係る製造方法において、半田ペースト印刷工程後に電子部品を配置した様子を概略的に説明する平面図である。図18(A)は、図17のP−P位置におけるランド形成工程後の様子の概略的に例示する断面図であり、図18(B)は、図17のP−P位置におけるリフロー工程後の様子を概略的に例示する断面図である。なお、図17では、電子部品71及び半田ペースト74を二点鎖線にて仮想的に示している。また、図18(A)では、電子部品71が配置されるべき位置を符号71’にて概念的に示している。
【0091】
本実施形態は、ランド形成工程が第3実施形態と異なるだけで、それ以外の半田ペースト印刷工程、リフロー工程は第3実施形態と同様である。よって第3実施形態と異なる部分について重点的に説明し、第3実施形態と同様の工程については詳細な説明を省略する。
【0092】
本実施形態では、各導電パターン78,78の導電路78b,78bの構成、及び第2ランド部76bの構成が第3実施形態と異なっている。具体的には、ランド形成工程において、導電路78bの幅が、第2ランド部76bの形成領域の幅と略同一であり、第1ランド部66aの幅よりも小さくなるように、基板73上に導電パターン78を形成している。この構成では、導電ベース部78aが矩形状の領域として構成され、導電路78bは、導電ベース部78aよりも小さい所定幅で直線状に続くようになっている。
【0093】
本実施形態でも、実装時に裏面電極72,72に覆われる位置に第1ランド部76a,76aとなるべき導電ベース部78a,78aを形成しており、各導電路78bの基端側(第1ランド部76a側)の部分を露出させるようにソルダレジスト層75を配置することで、各ランド76毎に第1ランド部76aよりも狭い幅の1つの第2ランド部76bを形成している。各第2ランド部76bは、第1ランド部76aから所定方向に延出しており、実装時に裏面電極72,72に覆われない外方位置に配されるようになっている。
【0094】
なお、半田ペースト印刷工程は第3実施形態とほぼ同様であり、図17のように、ランド形成工程によって形成された第1ランド部76aと第2ランド部76bとに跨る構成でランド76を覆うように半田ペースト74を印刷している。なお、この例では、第1ランド部76aの幅よりも小さい幅であって、且つ第2ランド部76bの幅と同一或いは大きい幅となるように、半田ペースト74を形成している。また、リフロー工程も第3実施形態とほぼ同様であり、半田ペースト印刷工程によって半田ペースト74が印刷された後、図17のように、各第1ランド部76a,76aに対応する位置に裏面電極72,72(図18参照)を配置し、この配置状態で半田ペースト74を溶融し、冷却することで、半田ペースト74の少なくとも第2ランド部76b側の一部を裏面電極72側に移動させつつ接合している。接合が正常に行われた場合には、図18(B)のような構成となり、半田接合部77a及びフィレット部77bが適正に形成されることとなる。一方、異常時(溶融時に裏面電極72と半田ペースト74とが良好に接触しない異常状態のとき)には、図6の領域AR2の場合と同様の状態が生じることとなる。
【符号の説明】
【0095】
1,21,31,41,51,61,71…電子部品
2,22,32,42,52,62,72…裏面電極
3,23,33,43,53,63,73…基板
3a,23a,33a,43a,53a,63a,73a…実装面
4,24,34,44,54,64,74…半田ペースト
5,25,35,45,55,65,75…ソルダレジスト層
6,26,36,46,56,66,76…ランド
6a,26a,36a,46a,56a,66a,76a…第1ランド部
6b,26b,36b,46b,56b,66b,76b…第2ランド部
10,20,30,40,50,60,70…電子装置
38,48,58,68,78…導電パターン
38a,48a,58a,68a,78a…導電ベース部
38b,48b,58b,68b,78b…導電路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と対向する裏面側に裏面電極が形成された電子部品を前記基板の実装面に接合してなる電子装置を製造する製造方法であって、
実装時に前記裏面電極に覆われる位置に配される第1ランド部と、前記第1ランド部から延出すると共に実装時に前記裏面電極に覆われない外方位置に配され、且つ前記第1ランド部よりも狭い幅で構成される第2ランド部と、を備えたランドを、前記実装面に形成するランド形成工程と、
前記ランド形成工程によって形成された前記第1ランド部と前記第2ランド部とに跨る構成で前記ランドを覆う半田ペーストを印刷する半田ペースト印刷工程と、
前記半田ペースト印刷工程によって前記半田ペーストが印刷された後、前記第1ランド部に対応する位置に前記裏面電極を配置した状態で前記半田ペーストを溶融することで、前記半田ペーストの少なくとも前記第2ランド部側の一部を前記裏面電極側に移動させつつ接合するリフロー工程と、
を含むことを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項2】
前記ランド形成工程では、前記第1ランド部から複数の前記第2ランド部を延出させる構成で前記ランドを形成し、
前記半田ペースト印刷工程では、前記第1ランド部と複数の前記第2ランド部とに跨る構成で前記半田ペーストを印刷することを特徴とする請求項1に記載の電子装置の製造方法。
【請求項3】
前記ランド形成工程では、同方向に延び且つ互いに離間して配される二本の前記第2ランド部を前記第1ランド部から延出させる構成で前記ランドを形成し、
前記半田ペースト印刷工程では、二本の前記第2ランド部の間におけるランド非形成領域を覆い、且つ前記第1ランド部側から二本の前記第2ランド部に沿って延びる構成で前記半田ペーストを印刷することを特徴とする請求項2に記載の電子装置の製造方法。
【請求項4】
前記ランド形成工程は、
前記基板の前記実装面側に、少なくとも一部が前記第1ランド部として構成される導電ベース部と、前記導電ベース部から前記実装面に沿って延び、一部が前記第2ランド部として構成される導電路とを備えた導電パターンを形成する導電パターン形成工程と、
前記導電パターン形成工程によって形成された前記導電パターンに対し、前記導電ベース部の少なくとも一部を露出させると共に、前記導電ベース部の露出部から外方位置に延出するように前記導電路の一部を露出させ、且つ前記導電路の露出部の幅が前記導電ベース部の露出部の幅よりも狭く且つ前記導電路全体の幅よりも狭くなる構成で少なくとも前記導電路の一部を被覆するソルダレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
を含み、
更に、前記レジスト層形成工程では、前記導電路の基端部における幅方向中間部を被覆すると共に当該幅方向中間部の両側を露出させるように前記ソルダレジスト層を配置することで、前記基端部の幅方向両側に前記第2ランド部となる前記導電路の露出部をそれぞれ形成することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電子装置の製造方法。
【請求項5】
前記ランド形成工程は、
前記基板の前記実装面側に、少なくとも一部が前記第1ランド部として構成される導電ベース部と、前記導電ベース部から前記実装面に沿って延び、一部が前記第2ランド部として構成される導電路とを備えた導電パターンを形成する導電パターン形成工程と、
前記導電パターン形成工程によって形成された前記導電パターンに対し、前記導電ベース部の少なくとも一部を露出させると共に、前記導電ベース部の露出部から外方位置に延出するように前記導電路の一部を露出させて前記第2ランド部を形成し、且つ前記導電路の露出部の幅が前記導電ベース部の露出部の幅よりも狭く且つ前記導電路全体の幅よりも狭くなる構成で少なくとも前記導電路の一部を被覆するソルダレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法。
【請求項6】
前記半田ペースト印刷工程では、前記第1ランド部側から所定方向に延びるように前記半田ペーストを形成し、
前記ランド形成工程では、前記第2ランド部の幅方向一端側の側縁部が前記所定方向に対して傾斜して配され、且つ前記第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように前記第2ランド部を前記所定方向に延出させて形成することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の電子装置の製造方法。
【請求項7】
前記半田ペースト印刷工程では、前記第1ランド部側から所定方向に延びるように前記半田ペーストを形成し、
前記ランド形成工程では、複数の前記第2ランド部を前記所定方向に延出させて並列に形成すると共に、これら複数の前記第2ランド部の内、幅方向一端側に配置された一端側第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該一端側第2ランド部の幅方向他端側の側縁部を、前記所定方向に対して傾斜するように構成し、且つ幅方向他端側に配置された他端側第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該他端側第2ランド部の幅方向一端側の側縁部を、前記所定方向に対して傾斜するように構成することを特徴とする請求項4に記載の電子装置の製造方法。
【請求項8】
前記半田ペースト印刷工程では、少なくとも前記半田ペーストにおける前記第1ランド部を被覆する部分の幅が、前記第1ランド部の幅よりも狭くなるように前記半田ペーストを配置することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法。
【請求項1】
基板と対向する裏面側に裏面電極が形成された電子部品を前記基板の実装面に接合してなる電子装置を製造する製造方法であって、
実装時に前記裏面電極に覆われる位置に配される第1ランド部と、前記第1ランド部から延出すると共に実装時に前記裏面電極に覆われない外方位置に配され、且つ前記第1ランド部よりも狭い幅で構成される第2ランド部と、を備えたランドを、前記実装面に形成するランド形成工程と、
前記ランド形成工程によって形成された前記第1ランド部と前記第2ランド部とに跨る構成で前記ランドを覆う半田ペーストを印刷する半田ペースト印刷工程と、
前記半田ペースト印刷工程によって前記半田ペーストが印刷された後、前記第1ランド部に対応する位置に前記裏面電極を配置した状態で前記半田ペーストを溶融することで、前記半田ペーストの少なくとも前記第2ランド部側の一部を前記裏面電極側に移動させつつ接合するリフロー工程と、
を含むことを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項2】
前記ランド形成工程では、前記第1ランド部から複数の前記第2ランド部を延出させる構成で前記ランドを形成し、
前記半田ペースト印刷工程では、前記第1ランド部と複数の前記第2ランド部とに跨る構成で前記半田ペーストを印刷することを特徴とする請求項1に記載の電子装置の製造方法。
【請求項3】
前記ランド形成工程では、同方向に延び且つ互いに離間して配される二本の前記第2ランド部を前記第1ランド部から延出させる構成で前記ランドを形成し、
前記半田ペースト印刷工程では、二本の前記第2ランド部の間におけるランド非形成領域を覆い、且つ前記第1ランド部側から二本の前記第2ランド部に沿って延びる構成で前記半田ペーストを印刷することを特徴とする請求項2に記載の電子装置の製造方法。
【請求項4】
前記ランド形成工程は、
前記基板の前記実装面側に、少なくとも一部が前記第1ランド部として構成される導電ベース部と、前記導電ベース部から前記実装面に沿って延び、一部が前記第2ランド部として構成される導電路とを備えた導電パターンを形成する導電パターン形成工程と、
前記導電パターン形成工程によって形成された前記導電パターンに対し、前記導電ベース部の少なくとも一部を露出させると共に、前記導電ベース部の露出部から外方位置に延出するように前記導電路の一部を露出させ、且つ前記導電路の露出部の幅が前記導電ベース部の露出部の幅よりも狭く且つ前記導電路全体の幅よりも狭くなる構成で少なくとも前記導電路の一部を被覆するソルダレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
を含み、
更に、前記レジスト層形成工程では、前記導電路の基端部における幅方向中間部を被覆すると共に当該幅方向中間部の両側を露出させるように前記ソルダレジスト層を配置することで、前記基端部の幅方向両側に前記第2ランド部となる前記導電路の露出部をそれぞれ形成することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電子装置の製造方法。
【請求項5】
前記ランド形成工程は、
前記基板の前記実装面側に、少なくとも一部が前記第1ランド部として構成される導電ベース部と、前記導電ベース部から前記実装面に沿って延び、一部が前記第2ランド部として構成される導電路とを備えた導電パターンを形成する導電パターン形成工程と、
前記導電パターン形成工程によって形成された前記導電パターンに対し、前記導電ベース部の少なくとも一部を露出させると共に、前記導電ベース部の露出部から外方位置に延出するように前記導電路の一部を露出させて前記第2ランド部を形成し、且つ前記導電路の露出部の幅が前記導電ベース部の露出部の幅よりも狭く且つ前記導電路全体の幅よりも狭くなる構成で少なくとも前記導電路の一部を被覆するソルダレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法。
【請求項6】
前記半田ペースト印刷工程では、前記第1ランド部側から所定方向に延びるように前記半田ペーストを形成し、
前記ランド形成工程では、前記第2ランド部の幅方向一端側の側縁部が前記所定方向に対して傾斜して配され、且つ前記第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように前記第2ランド部を前記所定方向に延出させて形成することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の電子装置の製造方法。
【請求項7】
前記半田ペースト印刷工程では、前記第1ランド部側から所定方向に延びるように前記半田ペーストを形成し、
前記ランド形成工程では、複数の前記第2ランド部を前記所定方向に延出させて並列に形成すると共に、これら複数の前記第2ランド部の内、幅方向一端側に配置された一端側第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該一端側第2ランド部の幅方向他端側の側縁部を、前記所定方向に対して傾斜するように構成し、且つ幅方向他端側に配置された他端側第2ランド部の幅が先端側となるにつれて狭くなるように、当該他端側第2ランド部の幅方向一端側の側縁部を、前記所定方向に対して傾斜するように構成することを特徴とする請求項4に記載の電子装置の製造方法。
【請求項8】
前記半田ペースト印刷工程では、少なくとも前記半田ペーストにおける前記第1ランド部を被覆する部分の幅が、前記第1ランド部の幅よりも狭くなるように前記半田ペーストを配置することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−89742(P2012−89742A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236469(P2010−236469)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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