説明

電子装置及びフラットケーブル

【課題】組立作業性が向上した電子装置及びフラットケーブルを提供することを課題とする。
【解決手段】実施例1に係る携帯電話は、互いに対向しつつ所定平面内で相対回転可能に連結された表示部2と腕部3と、表示部2と腕部3とを電気的に接続するFFC8とを備え、FFC8は、所定平面に沿った面を有し、表示部2と腕部3とをにそれぞれ接続される第1延在部82、第2延在部83と、第1延在部82と第2延在部83との間に位置し軸線Aを囲うように湾曲した湾曲面851を有した湾曲部85とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子装置及びフラットケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、互いに対向しつつ所定平面内で相対回転可能に連結された第1、第2電子ユニットを備えた電子装置があり、このような電子装置としては、携帯電話が知られている。第1、第2電子ユニットのそれぞれには基板が内蔵されており、両者の電気的接続は複数のケーブルにより確保されていた。
【0003】
【特許文献1】特開2008−78471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなケーブルは、第1、第2電子ユニット間で束ねられて、所定の位置に収納保持される。このような電子装置を組み立てる際には、複数のケーブルを束ね、かつ所定の位置に収納させる作業が必要となる。このため、装置の組立作業性が悪化していた。
【0005】
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、組立て作業性が向上した電子装置及びフラットケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本明細書に開示の電子装置は、互いに対向しつつ所定平面内で相対回転可能に連結された第1、第2電子ユニットと、前記第1、第2電子ユニットを電気的に接続するフラットケーブルとを備え、前記フラットケーブルは、前記所定平面に沿った面を有し、前記第1、第2電子ユニット側にそれぞれ接続される第1、第2延在部と、前記第1、第2延在部間に位置し前記所定平面の法線周りを囲うように湾曲した湾曲面を有した湾曲部とを含む。
【0007】
これにより、フラットケーブルを用いて第1、第2電子ユニットを接続することができるので、複数のケーブルを用いて両者を接続する場合と比較し、複数のケーブルを束ねるという作業が不要となる。これにより、組立て作業性が向上する。また、湾曲部が所定平面の法線周りを囲うように湾曲しているので、第1、第2延在部の法線周りの回転が許容される。これにより所定平面内で第1、第2電子ユニットの相対回転を確保でき、第1、第2電子ユニットの回転によるフラットケーブルへの負荷も低減される。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本明細書に開示のフラットケーブルは、所定平面に沿うように延在した面を有した第1、第2延在部と、前記第1、第2延在部間に位置し前記所定平面の法線周りを囲うように湾曲した湾曲面を有した湾曲部とを含む。これにより第1、第2延在部の法線周りの回転が許容される。
【発明の効果】
【0009】
組立て作業性が向上した電子装置及びフラットケーブルを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る複数の実施形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、実施例1に係る携帯電話(電子装置)の分解斜視図である。携帯電話は、本体部1、表示部(第1電子ユニット)2、腕部(第2電子ユニット)3、連結機構4、FFC(フレキシブルフラットケーブル)8を含む。尚、図1においては、閉じた状態での携帯電話の分解斜視図である。表示部2は、前面ケース20、背面ケース30を含む。腕部3は、前面ケース90、背面ケース100を含む。前面ケース20、90、背面ケース30、100は、合成樹脂により形成されている。
【0012】
本体部1の前面側には、ユーザが操作指示を本体部1に与えるための操作部12、ユーザの音声を集音するマイク14が設けられている。操作部12は、複数の操作キーを含む。表示部2と腕部3とは、互いに対向しつつ所定平面内で相対回転可能に連結されている。連結機構4は、表示部2と腕部3とを相対回転可能に連結している。連結機構4は、表示部2と腕部3とに挟まれる。
【0013】
また、本体部1と腕部3とは開閉可能に連結されている。詳細には、本体部1に形成された軸受部17と前面ケース90に形成された軸部97とがヒンジとして機能する。FFC8は、表示部2と腕部3とを電気的に接続している。FFC8は、ビニール製の帯状体の内部に複数の電気信号線が長手方向に沿って並べられたものである。
【0014】
前面ケース20には、本体部1の操作部12が設けられた面との対向面に、不図示のディスプレイが設けられている。また前面ケース20には、基板21が内蔵されている。基板21は、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂等の基材に、配線がパターニングされた硬質のプリント板である。基板21には、FFC8の一端が接続されるコネクタ25が実装されている。これにより、FFC8と基板21とは電気的に接続される。尚、前面ケース20には、通話相手の音声を出力するスピーカ23が内蔵されている。
【0015】
前面ケース90には、中央部に開口92が形成されている。また、前面ケース90には基板91が内蔵されている。基板91は、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂等の基材に、配線がパターニングされた硬質のプリント板である。基板91にはコネクタ95が実装されている。FFC8の他端は、開口92を介してコネクタ95に接続される。これにより、FFC8と基板91とは電気的に接続される。従って、基板21と基板91とはFFC8により電気的に接続される。コネクタ95は、ケーブル96に接続され、ケーブル96の他端は軸部97の内部に配置されている。軸部97と軸受部17とが連結されることにより、ケーブル96と本体部1内のケーブルとが電気的に接続される。これにより、腕部3と本体部1とが電気的に接続される。尚、基板91には、撮像素子(不図示)を内蔵したカメラユニット94が実装され、カメラユニット94は背面ケース100の開口104から露出される。
【0016】
FFC8は、詳しくは後述する連結機構4の開口部、背面ケース30の開口32、前面ケース90の開口92を介して、一端が表示部2側に他端が腕部3側に接続される。
【0017】
図2は、連結機構4の一部分を分解した斜視図である。連結機構4は、回転板(第1固定部材)40、保持板(第2固定部材)50、ばね60、リング部材70を含む。回転板40、保持板50、ばね60、リング部材70は、金属材料により形成されている。回転板40、保持板50は薄板状に形成されている。リング部材70は、リング状に形成されている。
【0018】
回転板40は、背面ケース30の背面に固定される。詳細には、回転板40は複数の突起48を有し、この突起48と背面ケース30の背面に形成された孔38とが嵌合する。また、回転板40には複数の孔49を有し、この孔49と背面ケース30の背面に形成された突部39とが嵌合する。これにより、回転板40は背面ケース30に固定される。また、回転板40には中央部に開口42が形成されている。
【0019】
保持板50は、前面ケース90の正面に固定される。保持板50には、複数の突起58が形成されており、前面ケース90には凹部98が形成されている。突起58と凹部98とが嵌合することにより、保持板50は前面ケース90に固定される。保持板50の中央部には開口52が形成されている。開口52は、長孔状に形成されている。
【0020】
リング部材70は、回転板40と保持板50とを相対回転可能に連結する。詳細には、図1に示すように、リング部材70は、開口52に係合しつつ開口42に係合している。開口42と開口52とは、所定のクリアランスを有して係合しており、回転板40は保持板50に対して摺動回転可能である。また、開口42と開口72とは、摺動回転不能に嵌合している。従って、回転板40は、リング部材70と共に保持板50に対して回転できる。これにより、後述する、表示部2と腕部3との相対回転が可能となる。
【0021】
また、リング部材70は、長孔状に形成された開口52の長手方向に沿ってスライド可能に係合している。従って、リング部材70は、回転板40と保持板50とをスライド可能に連結している。これにより、後述する表示部2と腕部3とのスライドが可能となる。
【0022】
ばね60は、図1に示すように、一端62が保持板50の係止部562に係止され、他端はリング部材70に係止されている。ばね60は、図1に示すようにリング部材70を開口52の一端へと付勢する。これにより、回転板40は開口52の一端で保持され、回転板40と保持板50とがスライドする際には、ばね60の付勢力に逆らって行われることになる。尚、保持板50には、ばね60の渦巻き部に当接してばね60を保持板50に固定するための立ち上がり部56と、ばね60の一端側に当接した突起部561が形成されている。
【0023】
図3は、FFC8の説明図であり、図3(A)は、携帯電話に搭載された際のFFC8の斜視図、図3(B)は、展開状態でのFFC8の正面図である。図3(A)に示すように、は、第1延在部82と、第2延在部83と、第1延在部82と第2延在部83との間に位置する湾曲部85とを含む。これらは連続している。第1延在部82と第2延在部83とは所定平面に沿うように延在した面を有している。湾曲部85は、所定平面に垂直な軸線Aを囲うように湾曲した湾曲面851を有している。湾曲部85は、開口42、72、32内に収納される。詳しくは後述するが、湾曲部85は、第1延在部82、第2延在部83の軸線A周りの回転を許容する機能を有している。
【0024】
尚、軸線Aは、所定平面の法線に相当する。尚、軸線Aは、開口42、72の中心を通過する。また、軸線Aは、表示部2と腕部3との回転軸線に相当する。また、
【0025】
第2延在部83は、途中で互いに重なるように略180度に屈曲した屈曲部831が形成されている。詳しくは後述するが、屈曲部831の位置が第2延在部83の長手方向に沿って移動することにより、第2延在部83の端部に対して、それ以外の部分が第2延在部83の長手方向にスライド可能となる。
【0026】
また、図3(B)に示すように、展開状態においてはFFC8はZ字状である。第1延在部82と湾曲部85との幅は略同じであり、第2延在部83の幅は、第1延在部82、湾曲部85よりも広い。尚、図3(B)においては、湾曲部85に相当する箇所をハッチングで示しており、携帯電話が初期状態での屈曲部831の位置を破線で示している。
【0027】
次に、実施例1に係る携帯電話における表示部2と腕部3との回転について説明する。図4は、実施例1に係る携帯電話における表示部2と腕部3との回転について説明図である。尚、図4においては携帯電話を簡略化して示してある。図4(A)は、本体部1から表示部2、腕部3が開いた初期状態を示している。図4(A)に示した状態から、図4(B)に示すように、表示部2は腕部3に対して右回転可能である。表示部2が右回転する際、表示部2は腕部3に対して上方にスライドする。即ち、回転軸線を示す軸線Aは上方に移動する。これは、略矩形状に形成された表示部2の縁と、表示部2を支持する腕部3の支持壁93とが、表示部2の回転によって当接することにより、腕部3の支持壁93から表示部2の回転軸までの距離が変化するからである。この際には、開口42は、開口52の一端から長手方向に沿って他端にスライドする。表示部2が90度右回転した後は、図4(C)に示すように、軸線Aは、回転前と略同じ位置に戻る。尚、支持壁93は、初期状態、又は初期状態から90度回転した状態で表示部2と当接する。
【0028】
次に、携帯電話に組み込まれた際のFFC8の状態について説明する。図5は、FFC8の状態の説明図である。図5には、開いた状態での携帯電話を示している。尚、FFC8の状態の理解を容易にするために簡略化して示してある。表示部2、腕部3が回転していない状態においては、第1延在部82、第2延在部83は同一方向に延びるように位置づけられる。
【0029】
次に、表示部2と腕部3との回転に対応させて、FFC8の状態を説明する。図6は、表示部2と腕部3との回転に応じたFFC8の状態の説明図である。図6(A)は、初期状態での携帯電話の状態と、FFC8の状態とを示している。図6(B)は、初期状態から表示部2が右回転した状態を示している。表示部2が右回転すると、第1延在部82は、軸線A周りに略90度左回転する。この際に、軸線Aから湾曲面851までの距離が初期状態より大きくなるようにして、第1延在部82が回転する。
【0030】
また、初期状態から表示部2が左回転すると、図6(C)に示すように、第1延在部82は、軸線A周りに略90度右回転する。この際に、軸線Aから湾曲面851の距離が初期状態より小さくなるようにして、第1延在部82が回転する。
【0031】
このように、第1延在部82、第2延在部83の軸線A周りの相対回転が許容されるのは、第1延在部82と第2延在部83との間に、湾曲部85が形成されているからである。軸線Aを中心とする湾曲部85の径が、大きくなったり、小さくなったりすることによって、第1延在部82と第2延在部83との相対回転が許容される。これにより、表示部2と腕部3との相対回転を維持できる。また、FFC8の負荷も低減され、FFC8内部での電気信号線の断線の恐れも少ない。
【0032】
また、図4に示したように、表示部2が回転する際には、表示部2が腕部3に対して上方にスライドして、軸線Aの位置が上方に移動する。このスライドを許容するように、FFC8には、屈曲部831を有している。屈曲部831の位置が移動することにより、第2延在部83に対する第1延在部82、湾曲部85の移動が許容される。
【0033】
また、図3(B)に示したように、湾曲部85の幅は第2延在部83の幅よりも狭い。これにより、携帯電話の軸線A方向での厚みを抑制できる。また、湾曲部85が、開口32、42、52、72、92内に収納されるので、携帯電話の厚みが厚くなることを防止できる。
【0034】
ここで、本実施例と異なる構造を有した携帯電話における、表示部と腕部とのの電気的接続について説明する。FFC8の代わりに、複数のケーブルを用いて表示部2と腕部3との電気的接続を確保する場合、複数のケーブルを束ねて、開口32、42、52、72、92内を通過するように引回す必要がある。従って組立作業性が悪化する。このため製造コストが増大する一因となる。しかしながら、実施例1に係る携帯電話のように、FFC8を採用することにより、複数のケーブルを束ねる必要はなくなるため、組立作業性が向上する。このため、製造コストが抑制される。
【実施例2】
【0035】
次に、実施例2に係る携帯電話について説明する。尚、実施例1と同様の部分については同様の符号を付することにより重複する説明を省略する。図7は、実施例2に係る携帯電話の断面図である。尚、図7において、リング部材70の図示は省略してある。
【0036】
FFC8aは、2枚のフラットケーブルが厚み方向に重ねられている。2枚のフラットケーブルは、両面テープにより一部分で接着されている。第1延在部82の端部に基板21dが接続されている。第2延在部83の端部に基板91aが接続されている。また、第1延在部82には、ガスケット(シール部材)120が一体に形成されている。第2延在部83には、ガスケット(シール部材)130が一体に形成されている。ガスケット120は、前面ケース20aと背面ケース30aとに挟みこまれ、ガスケット130は、前面ケース90aと背面ケース100aとに挟みこまれる。2枚のフラットケーブルは、ガスケット120、130と一体に形成された箇所周辺に亘って両面テープにより接着されている。
【0037】
図8は、ガスケット130の説明図である。図8(A)に、ガスケット130の形状を示している。ガスケット130は、基板91aを囲うように形成されている。また、ガスケット130は、背面ケース100aと前面ケース90aとによって挟み込まれる。これにより、基板91aへ水が浸入することを防止できる。
【0038】
図8(B)は、図8(A)のX−Xに沿った断面図である。両面テープ89の幅Bは、FFC8aの幅Cよりも広く形成されている。図8(C)は、図8(A)のY−Yに沿った断面図である。2枚のフラットケーブルは、ガスケット130と一体に形成された箇所周辺に亘って両面テープ89により接着されている。これにより、両面テープ89により接着されている箇所周囲では、ガスケット130との一体成形によりガスケット130の材料によって高機密に取り囲まれている。このように両面テープ89を用いるという簡易な手法により、実施例2の携帯電話は防水性が向上している。
【0039】
尚、フラットケーブルを2枚重ねた例を説明したが2枚に限定されない。また、両面テープ以外に、接着剤により複数枚のフラットケーブルを接着してもよい。
【実施例3】
【0040】
次に、実施例3に係る携帯電話を説明する。図9は、実施例3に係る携帯電話の表示部2bと腕部3との回転の説明図である。実施例3に係る携帯電話は、表示部2bの下端部は半円状に形成されている。このため、表示部2bが腕部3に対して回転する際には、軸線Aの位置は略変化しない。即ち、表示部2bは、腕部3に対してスライド可能に連結されていない。
【0041】
図10は、実施例3に係る携帯電話に採用されているFFC8bの説明図であり、図10(A)は、FFC8bの斜視図、図10(B)は、FFC8bを展開状態での図である。図10に示すように、第2延在部83には屈曲部が形成されていない。これは、図9に示したように、表示部2bは腕部3に対してスライドせずに回転するからである。このように、スライドしない携帯電話に対しては、FFC8bを採用できる。
【実施例4】
【0042】
次に、実施例4の携帯電話について説明する。図11は、実施例4に係る携帯電話の表示部と腕部と回転の説明図である。図11(A)に示した初期状態から、表示部2cが右方向に回転すると、図11(B)に示すように、軸線Aの位置が上方に移動する。更に回転して表示部2cが略90度回転すると、図11(C)軸線Aは、初期位置での軸線Aの位置に戻る。その後、表示部2cと腕部3cとを回転、スライド可能に連結する連結機構によって、図11(D)に示すように、表示部2cは腕部3cに対して中央部に位置する。
【0043】
図12は、実施例4に係る携帯電話に採用されているFFC8cの説明図である。図12(A)は、FFC8cの斜視図である。図12(B)は、FFC8cを展開した図である。FFC8cは、第1延在部82、第2延在部83のそれぞれに、屈曲部821、屈曲部831とが形成されている。また第1延在部82には、屈曲部821と湾曲部85との間にU字状部852が形成されている。U字状部852は、略90度に曲がるように形成されている。
【0044】
屈曲部821は、屈曲部821の位置が移動することにより、第1延在部82に対して第2延在部83、湾曲部85が第1延在部82の長手方向に沿って移動できる。これにより、表示部2cが図11(C)に示した状態から図11(D)に示した状態へのスライドが許容される。従って、実施例4のようなスライド量が大きい携帯電話には、FFC8cを採用することにより、スライドを確保できる。
【0045】
また、図12(B)に示すように、第1延在部82と第2延在部83との幅は略一定であるが、湾曲部85の幅は、第1延在部82、第2延在部83の幅よりも狭く形成されている。この理由は、湾曲部85の幅が広いと、軸線Aの方向での携帯電話の厚みが増大する要因となるからである。
【0046】
次に、実施例5に係る携帯電話について説明する。図13は、実施例5に係る携帯電話の説明図である。実施例5に係る携帯電話は、本体部1dと表示部2dとを含む。本体部1dの正面には、不図示のディスプレイが設けられている。表示部2dと対向する、本体部1dの対向面には不図示の操作部が設けられている。
【0047】
図13(A)は、実施例5に係る携帯電話の初期状態である。初期状態においては、本体部1d、表示部2dは互いに対向した状態にある。初期状態から表示部2dは本体部1dに対して所定方向にスライドすると、図13(B)に示すように、本体部1dの対向面から不図示の操作部が露出される。スライド後に表示部2dが右回転すると、図13(C)に示すように表示部2dの下端部が本体部1dの支持壁93に当接して、軸線Aが上方に移動する。回転後は、図13(D)に示すように表示部2dは本体部1dの略中央部へとスライドする。このようなスライド量の大きい携帯電話にも、上述した実施例4の携帯電話に採用されたFFC8cを採用できる。
【0048】
以上本発明の好ましい一実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0049】
PDAやノートパソコンのように、2つの電子ユニットを互いに対向しつつ相対回転可能に連結した電子装置であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施例1に係る携帯電話の分解斜視図である。
【図2】連結機構の一部分を分解した斜視図である。
【図3】FFCの説明図である。
【図4】実施例1に係る携帯電話における表示部と腕部との回転について説明図である。
【図5】FFCの状態の説明図である。
【図6】表示部と腕部との回転に応じたFFCの状態の説明図である。
【図7】実施例2に係る携帯電話の断面図である。
【図8】ガスケットの説明図である。
【図9】実施例3に係る携帯電話の表示部と腕部との回転の説明図である。
【図10】実施例3に係る携帯電話に採用されているFFCの説明図である。
【図11】実施例4に係る携帯電話の表示部と腕部と回転の説明図である。
【図12】実施例4に係る携帯電話に採用されているFFCの説明図である。
【図13】実施例5に係る携帯電話の説明図である。
【符号の説明】
【0051】
1、1d 本体部
2、2a、2b、2c 表示部(第1電子ユニット)
3、3c 腕部(第2電子ユニット)
4 連結機構
8 FFC(フラットケーブル)
25、95 コネクタ
40 回転板(第1固定部材)
42 開口
50 保持板(第2固定部材)
60 ばね
70 リング部材
82 第1延在部
83 第2延在部
85 湾曲部
89 両面テープ
120、130 ガスケット(シール部材)
821 屈曲部
851 湾曲面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向しつつ所定平面内で相対回転可能に連結された第1、第2電子ユニットと、
前記第1、第2電子ユニットを電気的に接続するフラットケーブルとを備え、
前記フラットケーブルは、
前記所定平面に沿った面を有し、前記第1、第2電子ユニット側にそれぞれ接続される第1、第2延在部と、
前記第1、第2延在部間に位置し前記所定平面の法線周りを囲うように湾曲した湾曲面を有した湾曲部とを含む、電子装置。
【請求項2】
前記第1、第2電子ユニットは、対向しつつスライド可能に連結され、
前記第1、第2延在部の少なくとも一方は、途中で互いに重なるように屈曲した屈曲部を含む、請求項1の電子装置。
【請求項3】
前記屈曲部の幅よりも前記湾曲部の幅が狭い、請求項1又は2の電子装置。
【請求項4】
前記第1、第2電子ユニットを回転可能に連結すると共に開口を有した連結機構を備え、
前記フラットケーブルは、前記開口を通過している、請求項1乃至3の何れかの電子装置。
【請求項5】
前記開口内に前記湾曲部が収納される、請求項4の電子装置。
【請求項6】
前記連結機構は、前記第1、第2電子ユニット側にそれぞれ固定される第1、第2固定部材と、前記第1、第2固定部材を回転可能に連結する連結部材とを含み、
前記第1、第2固定部材は、それぞれ開口を有し、
前記連結部材は、前記第1固定部材側の開口と前記第2固定部材側の開口とに係合すると共に中央部に開口を有している、請求項4又は5の電子装置。
【請求項7】
前記第1固定部材側の開口と前記第2固定部材側の開口の少なくとも一方は、前記連結部材のスライドを許容する長孔状である、請求項6の電子装置。
【請求項8】
前記フラットケーブルは、互いに厚み方向に重ねられ少なくとも一部で接着された複数のフラットケーブルである、請求項1乃至7の何れかの電子装置。
【請求項9】
前記フラットケーブルは、前記第1、第2電子ユニットの少なくとも一方のシール部材と一体に形成されている、請求項1乃至8の何れかの電子装置。
【請求項10】
所定平面に沿うように延在した面を有した第1、第2延在部と、
前記第1、第2延在部間に位置し前記所定平面の法線周りを囲うように湾曲した湾曲面を有した湾曲部とを含む、フラットケーブル。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2010−56705(P2010−56705A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217580(P2008−217580)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】