説明

電子部品の実装用治具

【課題】 凹部に電子部品を配置する際の作業性を向上させつつ、プリント配線板上の所定の位置に電子部品を精度良く実装する。
【解決手段】 本発明は、チップ型の電子部品Tをプリント配線板P上に実装するための実装用治具Xであって、電子部品Tが配置される凹部11を有する基体10を備え、基体10の凹部11は、所定の位置に対応する位置に形成され、凹部11の内部には、互いに対向するように配置された第1傾斜面13および第2傾斜面15が設けられており、第1傾斜面13および第2傾斜面15は、凹部11の底部に向かうにつれて第1傾斜面13と第2傾斜面15との間隔が狭くなるように傾斜しており、凹部11に電子部品Tが配置されたときに、電子部品Tをそれぞれ支持するようになっており、電子部品Tがプリント配線板P上に当接されたときに、電子部品Tがプリント配線板P上の前記所定の位置に案内されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品をプリント配線板上に実装するための電子部品の実装用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント配線板上の所定の位置に電子部品を実装するために用いられる電子部品の実装用治具が種々提案されている。例えば、特許文献1に記載された電子部品の実装用治具(部品配置用部材)は、電子部品が実装されるプリント配線板上の所定の位置に対応して形成された凹部を有しており、この凹部に電子部品を配置した状態で、この電子部品をプリント配線板上に配置し、この電子部品をプリント配線板上の所定の位置に実装するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−111282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電子部品の実装用治具のように、凹部に電子部品を配置して、この電子部品をプリント配線板上の所定の位置に実装する場合、所定の位置に精度良く実装するために、凹部とこの凹部に配置された電子部品との間の隙間が小さくなっている。しかしながら、一方では、この隙間が小さいと、電子部品を凹部に配置する際の作業性が悪くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、電子部品が配置される凹部を有する電子部品の実装用治具において、凹部に電子部品を配置する際の作業性を向上させつつ、プリント配線板上の所定の位置に電子部品を精度良く実装することを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子部品の実装用治具は、チップ型の電子部品の実装面をプリント配線板の被実装面に対向させ、該被実装面上の所定の位置に前記電子部品を実装するための電子部品の実装用治具であって、前記電子部品が配置される凹部を有する基体を備え、前記基体の前記凹部は、前記所定の位置に対応する位置に形成され、前記凹部の内部には、互いに対向するように配置された第1傾斜面および第2傾斜面が設けられており、前記第1傾斜面および前記第2傾斜面は、前記凹部の底部に向かうにつれて前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との間隔が狭くなるように傾斜しており、前記凹部に前記電子部品が配置されたときに、前記電子部品の前記実装面とは反対側の面の縁部をそれぞれ支持するようになっており、前記凹部に前記電子部品が配置された状態で該電子部品が前記プリント配線板の前記被実装面上に当接されたときに、前記第1傾斜面および前記第2傾斜面の傾斜によって前記電子部品が前記被実装面上の前記所定の位置に案内されるようになっていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の上記電子部品の実装用治具において、前記基体は、前記凹部の底部における前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との間の位置に形成された凸部をさらに有しており、前記凹部に前記電子部品が配置された状態で該電子部品が前記プリント配線板の前記被実装面上に当接されたときに、前記電子部品の前記実装面とは反対側の面と前記凸部とが
接触する高さ以下に、前記凸部が形成されていてもよい。
【0008】
また、本発明の上記電子部品の実装用治具において、前記基体上に配置され、前記電子部品を前記基体の前記凹部へ案内する案内部材をさらに備え、前記案内部材は、前記基体の前記凹部に対応する位置に形成された貫通孔を有しており、前記貫通孔の大きさは、前記基体の前記凹部に前記電子部品が配置された状態で、該電子部品の外形よりも大きくなるように構成されていてもよい。
【0009】
この場合、前記案内部材は、前記基体側に配置される面とは反対側の面から前記貫通孔に向かって傾斜する第3傾斜面をさらに有していてもよい。
【0010】
また、前記案内部材は、前記基体側に配置される面とは反対側の面の周縁に沿って、該反対側の面から突出して形成された枠部をさらに有していてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電子部品が配置される凹部を有する電子部品の実装用治具において、凹部に電子部品を配置する際の作業性を向上させつつ、プリント配線板上の所定の位置に電子部品を精度良く実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態の電子部品の実装用治具、および本実施形態の電子部品の実装用治具で実装するチップ型の電子部品の斜視図である。
【図2】図1の電子部品の実装用治具のII−II線断面図である。
【図3】図1の電子部品の実装用治具のIII−III線断面図である。
【図4】(a)〜(e)は、図1の電子部品の実装用治具の使用方法を説明するための工程図である。
【図5】(f)〜(i)は、図4に引き続き、図1の電子部品の実装用治具の使用方法を説明するための工程図である。
【図6】図1の電子部品の実装用治具によって電子部品がプリント配線板上に当接された状態を示す断面図である。
【図7】(a)および(b)は、図1の電子部品の実装用治具における基体の変形例を示す断面図である。
【図8】図1の電子部品の実装用治具における基体の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の電子部品の実装用治具は、チップ型のコンデンサ、抵抗器、集積回路等の電子部品の実装面をプリント配線板の被実装面に対向させ、この被実装面上の所定の位置に電子部品を実装するためのものである。
【0014】
以下、本発明の電子部品の実装用治具の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下では、図1に示すように、直方体形状に形成されたチップ型の電子部品Tを、プリント配線板上に実装するための実装用治具を例として説明する。この電子部品Tは、胴体部Taの長手方向の両端部に接続端子Tbが形成されており、この接続端子Tbが後述するハンダペーストPcを介してプリント配線板Pのプリント配線Pbに接続されるようになっている。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の電子部品の実装用治具Xは、基体10と、基体10上に配置される案内部材20とを備えている。図1および図2に示すように、基体10は、直方体形状に形成されており、上面に凹部11が形成されている。基体10は、例えば、アルミニウム、ステンレス等の金属で形成されている。
【0016】
凹部11は、後述するように、プリント配線板Pの実装面Tc上の所定の位置、つまり、電子部品Tが実装される位置に対応する位置に形成されている。凹部11の開口の大きさは、後述するように、電子部品Tの実装面Tcとは反対側の面Tdを凹部11に配置した状態で、電子部品Tの外形よりも大きくなっている(例えば、図4(d)参照)。なお、電子部品Tの実装面Tcとは、後述するプリント配線板P上に実装される面、つまり、プリント配線板Pと対向する側の面である。また、凹部11の開口は、実装する電子部品Tの大きさに応じた大きさとし、例えば、電子部品の外形よりも10%〜30%程度大きくする。
【0017】
図2に示すように、凹部11の内部には、互いに対向するように配置された第1傾斜面13および第2傾斜面15が設けられている。この第1傾斜面13および第2傾斜面15は、凹部11の底部に向うにつれて第1傾斜面13と第2傾斜面15との間隔が狭くなるように傾斜している。これにより、後述するように電子部品Tが凹部11に配置されたときに、電子部品Tの実装面Tcとは反対側の面Tdの縁部Teをそれぞれ支持するようになっている(図4(d)参照)。なお、第1傾斜面13および第2傾斜面15は、後述するように実装用治具Xによって電子部品Tがプリント配線板Pの被実装面Paに当接されたときに、その傾斜によって、電子部品Tがプリント配線板Pの被実装面Pa上の所定の位置に配置されるように、その形状が設計されている。よって、実装する電子部品Tの形状に応じて適宜設計される。
【0018】
凹部11の底部における第1傾斜面13と第2傾斜面15との間の位置には、凸部17が形成されている。この凸部17の高さについては後述する。
【0019】
図1および図3に示すように、案内部材20は、平面視で長方形状の台板部21と、この台板部21に形成された貫通孔23と、台板部21の上面に設けられた枠部25とを有している。案内部材20は、例えば、アルミニウム、ステンレス等の金属で形成されている。
【0020】
貫通孔23は、基体10の凹部11に対応する位置に形成されている。より詳細には、本実施形態では、図4(a)に示すように、基体10の上面と案内部材20の下面とが同じ大きさとなっており、これらが一致するように重ね合わせたときに、案内部材20の貫通孔23の位置と基体10の凹部11の位置とが一致するようになっている。この貫通孔23の大きさは、上記の基体10の凹部11の開口の大きさと同様、電子部品Tの実装面Tcとは反対側の面Tdを凹部11に配置した状態で、電子部品Tの外形よりも大きくなっている(図4(d)参照)。
【0021】
枠部25は、案内部材20の基体10側に配置される面とは反対側の面、つまり台板部21の上面21aの周縁に沿って、この上面21aから突出して形成されている。この枠部25は、後述するように、台板部21上に載せられた電子部品Tが案内部材20の外に落ちないようにするためのものである。
【0022】
また、案内部材20は、台板部21の上面21aから貫通孔23に向かって傾斜する第3傾斜面27を有している。案内部材20は、後述するように、この台板部21の上面21aに載せられた電子部品Tを、この第3傾斜面27によって貫通孔23へ案内し、さらに、この貫通孔23を介して電子部品Tを基体10の凹部11へ案内するようになっている(図4(b)〜図4(d)参照)。
【0023】
次に、本実施形態の電子部品の実装用治具Xの使用方法について、図4および図5を参照しつつ説明する。
【0024】
まず、図4(a)に示すように、基体10上に案内部材20を配置する。このとき、上記のように基体10の上面と案内部材20の下面とを一致させることにより、基体10の凹部11と案内部材20の貫通孔23とが一致する。
【0025】
次いで、図4(b)に示すように、案内部材20の台板部21の上面21aに電子部品Tを載せる。このとき、図示しないが、台板部21の上面21aに複数の電子部品Tを載せ、基体10とともに案内部材20を揺らす。こうすることで、図4(c)に示すように電子部品Tが台板部21の上面21aから第3傾斜面27へ案内され、さらに、図4(d)に示すように電子部品Tが基体10の凹部11へ案内される。こうすることで、図示していないが、台板部21の上面21aに載せられた複数の電子部品Tのうちの1つが凹部11に配置され、他の電子部品Tは、台板部21の上面21a上に残る。そして、図4(e)に示すように、基体10上から実装用治具Xの案内部材20を取り外す。こうすることで、基体10の凹部11に電子部品Tが部分的に収容され、電子部品Tの実装面Tcとは反対側の面Tdがこの凹部11に配置される。
【0026】
次に、図5(f)に示すように、基体10の凹部11に電子部品Tが配置された状態で、電子部品Tの実装面Tcをプリント配線板Pの被実装面Paに対向させる。本実施形態では、プリント配線板Pの一方の面にプリント配線Pbが形成されており、この面(被実装面Pa)と電子部品Tの実装面Tcを対向させる。なお、このプリント配線Pb上には、ハンダペーストPcが塗布されており、後述するようにこのハンダペーストPcを介して電子部品Tがプリント配線Pbと接続され、電子部品Tがプリント配線板P上に実装される。なお、プリント配線板Pの被実装面Paとは、電子部品Tを実装する面であり、本実施形態では、プリント配線Pbが形成されている面である。
【0027】
次いで、図5(g)に示すように、プリント配線板Pと実装用治具X(基体10)とを接近させ、電子部品Tをプリント配線板Pの被実装面Pa上に当接させる。より詳細には、電子部品TをハンダペーストPcを介してプリント配線Pb上に当接させる。このとき、プリント配線板Pが実装用治具Xに対して、図示しない位置決め部材によって位置決めされるようになっており、この状態で、実装用治具Xの基体10の凹部11が、プリント配線板Pの被実装面Pa上の所定の位置、つまり、電子部品Tを実装する位置に対応する位置に配置される。
【0028】
また、このとき、実装用治具Xの基体10の凹部11の内部に設けられた第1傾斜面13および第2傾斜面15の傾斜によって、電子部品Tがプリント配線板Pの被実装面Pa上の所定の位置に案内される。より詳細には、例えば、図5(f)に示すように電子部品Tが傾いている場合は、電子部品Tの一端部(図示例では右側の端部)がプリント配線板Pと当接した後、他端部(図示例では左側の端部)も当接されるように、電子部品Tの下面(実装面Tcとは反対側の面Td)の縁部Teが第1傾斜面13および第2傾斜面15上を滑るように移動することで、電子部品Tが回転移動する。そのため、例えば、図5(f)に示す場合は、電子部品Tがプリント配線板Pに当接されることによって、電子部品Tが時計回りに回転移動し、図5(g)に示すように電子部品Tの実装面Tcがプリント配線板Pの被実装面Paに平行または略平行に配置される。こうして、電子部品Tがプリント配線板Pの被実装面Pa上の所定の位置に案内される。
【0029】
また、本実施形態では、電子部品Tがプリント配線板Pの被実装面Pa上に当接されたときに、図5(g)に示すように、電子部品Tが基体10の凸部17には接触せず、第1傾斜面13および第2傾斜面15にのみ接触しているか、または図6に示すように、電子部品Tが基体10の第1傾斜面13、第2傾斜面15および凸部17に接触している状態となる。つまり、実装用治具Xの基体10の凸部17は、このように電子部品Tがプリン
ト配線板Pの被実装面Pa上に当接されたときに、電子部品Tの下面(実装面Tcとは反対側の面Td)と凸部17とが接触する高さ以下に形成されている。こうすることで、プリント配線板Pの被実装面Paに当接された電子部品Tが、いずれの状態においても、基体10の第1傾斜面13と第2傾斜面15とで支持されるので、この電子部品Tをプリント配線板Pの被実装面Pa上の所定の位置に配置することができる。よって、電子部品Tがプリント配線板Pの被実装面Pa上の所定の位置に配置されるのが、この凸部17によって妨げられることがない。
【0030】
そして、本実施形態では、基体10の凹部11に電子部品Tが引き込まれる際に、例えば電子部品Tが立った状態で引き込まれる場合があるが、このような場合に、電子部品Tがこの凸部17と接触することによって、立った状態の電子部品Tが倒され、電子部品Tの実装面Tcがプリント配線板Pの被実装面Paと対向するように凹部11に収容され易くなっている。
【0031】
なお、例えば、電子部品Tの接続端子Tbが、銅等の比較的強度の低い金属で形成されている場合は、実装用治具Xによって電子部品Tをプリント配線板P上へ当接したときに、この接続端子Tbが変形することがある。これに対し、図6に示すように、電子部品Tがプリント配線板Pの被実装面Pa上に当接されたときに、第1傾斜面13および第2傾斜面15によって電子部品Tの接続端子Tbが支持されつつ、凸部17が電子部品T(より詳細には、胴体部Ta)に接触する高さに凸部17が形成されている場合は、第1傾斜面13、第2傾斜面15および凸部17の3点で電子部品Tを支持することができるため、電子部品Tにかかる負荷が分散され、電子部品の破壊が抑制される。
【0032】
次に、図5(h)に示すように、被実装面Pa上に電子部品Tが配置されたプリント配線板Pを、実装用治具Xとともに図5(g)の状態から上下反転させる。そして、図5(i)に示すように、この電子部品Tが配置されたプリント配線板P上から実装用治具Xを取り除く。この後、このプリント配線板P上のハンダペーストPcをリフロー工程によって硬化させることで、プリント配線板P上に電子部品Tが実装される。
【0033】
本実施形態の電子部品の実装用治具Xによれば、第1傾斜面13および第2傾斜面15の傾斜によって電子部品Tがプリント配線板P上の被実装面Paの所定の位置に案内されるようになっている。そのため、従来例のように電子部品とこの電子部品が配置される凹部との間の隙間を小さくせずとも、電子部品をプリント配線板上の所定の位置に精度良く配置することができる。よって、本実施形態の電子部品の実装用治具Xによれば、電子部品Tと凹部11との間の隙間を大きくとることが可能となり、電子部品Tをこの凹部11に配置する際の作業性を向上させることができる。したがって、本実施形態の実装用治具Xによれば、凹部11に電子部品Tを配置する際の作業性を向上させつつ、プリント配線板P上の所定の位置に電子部品Tを精度良く実装することができる。
【0034】
また、本実施形態の実装用治具Xでは、案内部材20が、台板部21の上面21aから貫通孔23に向かって傾斜する第3傾斜面27を備えている。これにより、台板部21の上面21aに載せられた電子部品Tが貫通孔23に引き込まれ易くなっている。そのため、この電子部品Tを効率良く貫通孔23へ案内することができ、電子部品Tを基体10の凹部11に配置する際の作業性をより向上させることができる。
【0035】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0036】
上記実施形態では、基体10の第1傾斜面13および第2傾斜面15が平面状に形成されているが、基体10の凹部11の底部に向かうにつれて第1傾斜面13と第2傾斜面1
5との間隔が狭くなるように傾斜している限り、これに限定されるものではない。例えば、図7(a)に示すように、第1傾斜面13および第2傾斜面15を凹状の曲面形状にしてもよい。また、図7(b)に示すように、第1傾斜面13および第2傾斜面15をそれぞれ、複数の傾斜面によって形成してもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、案内部材20の第3傾斜面27が4つの平面で形成されているが、これに限定されるものではなく、任意の数の平面や曲面で形成してもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、基部10の凹部11および案内部材20の貫通孔23がそれぞれ1つずつ形成されているが、これに限定されるものではなく、プリント配線板Pの被実装面Pa上に実装する電子部品Tの数に対応して、複数個ずつ形成してもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、基体10の凹部11の底部に断面が三角形状の凸部17を設けているが、これに限定されるものではない。例えば、凸部17の形状は、断面が円形状、多角形状等の任意の形状にしてもよい。また、凸部17を形成しなくてもよい。
【0040】
また、上記実施形態の実装用治具Xでは、案内部材20を用いて、基体10の凹部11に電子部品Tを案内するようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、案内部材20を用いなくてもよい。また、案内部材20の代わりに、基体10の上面に、図8に示すような第4傾斜面19を形成してもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、案内部材20の台板部21の上面21aに枠部25を設けているが、これに限定されるものではなく、例えば、枠部25を設けなくてもよい。
【符号の説明】
【0042】
X 電子部品の実装用治具
T 電子部品
Tc 実装面
Td 電子部品の実装面とは反対側の面
Te 縁部
P プリント配線板
Pa 被実装面
10 基体
11 凹部
13 第1傾斜面
15 第2傾斜面
17 凸部
20 案内部材
23 貫通孔
27 第3傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ型の電子部品の実装面をプリント配線板の被実装面に対向させ、該被実装面上の所定の位置に前記電子部品を実装するための電子部品の実装用治具であって、
前記電子部品が配置される凹部を有する基体を備え、
前記基体の前記凹部は、前記所定の位置に対応する位置に形成され、前記凹部の内部には、互いに対向するように配置された第1傾斜面および第2傾斜面が設けられており、
前記第1傾斜面および前記第2傾斜面は、前記凹部の底部に向かうにつれて前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との間隔が狭くなるように傾斜しており、前記凹部に前記電子部品が配置されたときに、前記電子部品の前記実装面とは反対側の面の縁部をそれぞれ支持するようになっており、
前記凹部に前記電子部品が配置された状態で該電子部品が前記プリント配線板の前記被実装面上に当接されたときに、前記第1傾斜面および前記第2傾斜面の傾斜によって前記電子部品が前記被実装面上の前記所定の位置に案内されるようになっていることを特徴とする電子部品の実装用治具。
【請求項2】
前記基体は、前記凹部の底部における前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との間の位置に形成された凸部をさらに有しており、
前記凹部に前記電子部品が配置された状態で該電子部品が前記プリント配線板の前記被実装面上に当接されたときに、前記電子部品の前記実装面とは反対側の面と前記凸部とが接触する高さ以下に、前記凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品の実装用治具。
【請求項3】
前記基体上に配置され、前記電子部品を前記基体の前記凹部へ案内する案内部材をさらに備え、
前記案内部材は、前記基体の前記凹部に対応する位置に形成された貫通孔を有しており、前記貫通孔の大きさは、前記基体の前記凹部に前記電子部品が配置された状態で、該電子部品の外形よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品の実装用治具。
【請求項4】
前記案内部材は、前記基体側に配置される面とは反対側の面から前記貫通孔に向かって傾斜する第3傾斜面をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の電子部品の実装用治具。
【請求項5】
前記案内部材は、前記基体側に配置される面とは反対側の面の周縁に沿って、該反対側の面から突出して形成された枠部をさらに有することを特徴とする請求項3または4に記載の電子部品の実装用治具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−210782(P2011−210782A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74577(P2010−74577)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】