説明

電子部品搬送用リール体

【課題】電子部品搬送用リール体を、収納箱、結束テープなどの他部材を用いることなく、複数個を容易に一体的に結合できるものとし、輸送費などの低減を図ること。
【解決手段】1対の円形平板部2,2と、該1対の円形平板部2,2間を接続するハブ部3とから成る電子部品搬送用リール体1において、上記円形平板部2の板面2Aに切り欠き穴部5と舌部6とを形成し、隣り合う電子部品搬送用リール体1,1同士を該切り欠き穴部5と舌部6との係合によって結合し得るようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路、チップコンデンサ、抵抗器などの電子部品を収容したテープ状部材を巻回する電子部品搬送用リール体に関するもので、さらに詳しくは、該電子部品搬送用リール体同士の結合構造を備えた電子部品搬送用リール体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
集積回路、チップコンデンサ、抵抗器などの電子部品は、図18に示したように、複数の収納キャビティー51を有するテープ状部材52に該電子部品53を収納し、テープ状部材52の表面に抑えテープ54を熱圧着などで貼着し、このテープ状部材52を電子部品搬送用リール体50に巻き付けることが成されている。
【0003】
そして、この電子部品搬送用リール体50は、電子部品をプリント配線基板上の所定位置にマウントする自動マウント装置に取り付けられ、電子部品搬送用リール体50から抑えテープ54を剥がしながらテープ状部材52を引き出し、キャビティー51内の電子部品53を吸着ノズルなどを用いてプリント配線基板上の所定位置に配置し、マウントすることが成されている。
【0004】
このような電子部品搬送用リール体50は、1対の円形平板部55,55と、該1対の円形平板部55,55間を接続するハブ部56とから構成され、その外形寸法、即ち直径、幅等は、収納する電子部品の大きさ、またテープ状部材の巻付け量などにより様々に設計されている。そのため、該電子部品搬送用リール体50の搬送にあたっては、収納した電子部品の保護、またリール体の変形防止などの観点から、一般的には、用意された複数種の容積が異なる収納箱の中から最適な大きさのものを選び、該収納箱に同種の外形寸法の電子部品搬送用リール体を平積み状態で複数個ガタ付きなく収納し、更にその収納箱を大箱に入れて搬送することが成されていた。
【0005】
また、特許文献1には、電子部品を収納したテープ状部材を巻回して成る搬送用リール体の収納体として、枠状の側面部を有し、且つ前記側面部に複数のスリットが形成されていると共に、該スリット間の側面部を内部側に折曲げることによって、内部に平置き収容した搬送用リール体をガタ付きなく支持する突起部が形成される構成の収容体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−91475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、先ず、上記した一般的になされている搬送の方法にあっては、搬送用リール体の外形寸法に応じた複数種の収容箱を予め用意しておかなければならず、その収容箱の製作、保管、更には選別などの作業が煩わしいものであったと共に、収納箱の製作コスト、保管コスト、廃棄コストなどもかかり、搬送用リール体の輸送費を高騰させる一因と成っていた。
また、上記特許文献1に開示された収容体にあっては、搬送用リール体の外形寸法の相違をある程度許容できるものであるため、上記した一般的な搬送方法が有する課題の一部を解決できるものではあるが、複数個の搬送用リール体をガタ付きなく束ねるための収納箱自体を無くすものではないため、依然、該収納箱の製作コスト、保管コスト、廃棄コストなどはかかるものであった。
【0008】
本発明は、上述した背景技術が有する課題に鑑み成されたものであって、その目的は、電子部品搬送用リール体を、収納箱、結束テープなどの他部材を用いることなく、複数個を容易に一体的に結合できるものとし、輸送費などの低減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するため、本発明は、次の〔1〕〜〔8〕の電子部品搬送用リール体とした。
〔1〕1対の円形平板部と、該1対の円形平板部間を接続するハブ部とから成る電子部品搬送用リール体において、上記円形平板部の板面に舌部と係止部とを形成し、隣り合う電子部品搬送用リール体同士を該舌部と係止部との係合によって結合し得るようにしたことを特徴とする、電子部品搬送用リール体。
〔2〕上記舌部と係止部とを、上記円形平板部の板面の同一円周上に等間隔を開けて複数組形成したことを特徴とする、上記〔1〕に記載の電子部品搬送用リール体。
〔3〕上記係止部を、切り欠き穴部とし、上記舌部を、該切り欠き穴部内に円周方向一方端から他方端に向けて突出する状態で形成した特徴とする、上記〔1〕又は〔2〕に記載の電子部品搬送用リール体。
〔4〕上記円形平板部の板面に更に係止穴と係止爪とを形成し、隣り合う電子部品搬送用リール体同士が上記舌部と切り欠き穴部との係合によって結合された状態において、上記係止穴と係止爪とが係合するようにしたことを特徴とする、上記〔3〕に記載の電子部品搬送用リール体。
〔5〕上記係止穴と係止爪とを、上記円形平板部の板面の同一円周上に等間隔を開けて複数組形成したことを特徴とする、上記〔4〕に記載の電子部品搬送用リール体。
〔6〕上記係止部を、左右一対の切り起こし片とし、上記舌部の左右側端に、該切り起こし片が係止する切り欠き凹部を形成したことを特徴とする、上記〔1〕又は〔2〕に記載の電子部品搬送用リール体。
〔7〕上記係止部を、門型或いはアーチ状の係止部とすると共に、該係止部の両側壁内面に凸部を形成し、上記舌部の左右側部に、該係止部の凸部が係止する切り欠き凹部を形成したことを特徴とする、上記〔1〕又は〔2〕に記載の電子部品搬送用リール体。
〔8〕上記舌部を、上記円形平板部の板面から外方へ立ち上げて形成したことを特徴とする、上記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の電子部品搬送用リール体。
【発明の効果】
【0010】
上記した本発明に係る電子部品搬送用リール体によれば、隣り合う電子部品搬送用リール体同士を、円形平板部の板面に形成した舌部と係止部との係合によって結合し得るようにしたため、複数個の電子部品搬送用リール体を、収納箱、結束テープなどの他部材を用いることなく、容易に一体的に束ねることができる。そのため、従来においては収納した電子部品の保護、またリール体の変形防止などの観点から、先ず小さな収納箱に複数個の電子部品搬送用リール体を収納してガタ付きなく束ねた後、該収納箱を大箱に収納することが成されていたが、束ねるための収納箱を使用することなく大箱に直接収納することが可能となり、包装費を削減できると共に、大箱への高密度な収納ができるため、輸送費を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る電子部品搬送用リール体の一実施の形態を示した分解斜視図である。
【図2】図1に示した電子部品搬送用リール体の正面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う部分の正面側の円形平板部のみを示した拡大断面図である。
【図4】図2のB−B線に沿う部分の正面側の円形平板部のみを示した拡大断面図である。
【図5】図1に示した電子部品搬送用リール体同士を結合する状態を示した斜視図である。
【図6】図1に示した電子部品搬送用リール体同士を結合する状態を示した斜視図である。
【図7】図1に示した電子部品搬送用リール体の円形平板部の板面に形成した切り欠き穴部と舌部との係合過程を示した一部切欠正面図である。
【図8】図7(c)のC−C線に沿う部分の当接する2枚の円形平板部のみを示した拡大断面図である。
【図9】図7(c)のD−D線に沿う部分の当接する2枚の円形平板部のみを示した拡大断面図である。
【図10】図1に示した電子部品搬送用リール体を複数個結合した状態を示した斜視図である。
【図11】本発明に係る電子部品搬送用リール体の他の実施の形態を示した斜視図である。
【図12】図11に示した電子部品搬送用リール体同士を結合した状態を示した正面図である。
【図13】本発明に係る電子部品搬送用リール体の更に他の実施の形態を示した斜視図である。
【図14】図13に示した電子部品搬送用リール体の正面図である。
【図15】図13に示した電子部品搬送用リール体同士を結合した状態を示した正面図である。
【図16】図15のE−E線に沿う部分の当接する2枚の円形平板部のみを示した一部切欠拡大断面図である。
【図17】図15のF−F線に沿う部分の当接する2枚の円形平板部のみを示した一部切欠拡大断面図である。
【図18】従来の電子部品搬送用リール体を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る電子部品搬送用リール体の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る電子部品搬送用リール体の一実施の形態を示した分解斜視図であって、該電子部品搬送用リール体1は、一対の円形平板部2,2と、該一対の円形平板部2,2間を接続する円筒状のハブ部3とから構成されている。これらの円形平板部2,2及びハブ部3は、合成樹脂によってそれぞれ別体として成形され、接着剤などによって組み立てられる構成としても良いが、合成樹脂によって一体成形されていても良い。
【0014】
ハブ部3の中央部分には、電子部品の自動マウント装置に取り付けるための軸受部4が形成されている。また、円形平板部2の板面2Aには、係止部としての切り欠き穴部5及び舌部6が形成されている。
【0015】
切り欠き穴部5は、図2に示したように、円形平板部2の板面2Aの同一円周上に等間隔を開けて、4個形成されている。切り欠き穴部5の形状は、概ね楕円形であり、その長軸が円形平板部2の円周方向に沿うように形成されている。
【0016】
舌部6は、上記切り欠き穴部5内にそれぞれ突出する状態で形成されている。舌部6の突出方向は、図2に示したように、切り欠き穴部5の円周方向右端から左端の方向に突出する状態でそれぞれ形成され、その突出長さは、切り欠き穴部5の長軸長さの約半分程度に形成されている。また、舌部6は、図3に示したように、その基部6aにおいて折曲されることにより、円形平板部2の板面2Aから外方へ立ち上げて形成されている。その折曲角度αは、2〜10度程度とされている。
【0017】
円形平板部2の板面2Aには、更に係止穴7及び係止爪8が形成されている。これらの係止穴7及び係止爪8は、図2に示したように、上記舌部6の基部6aのそれぞれの内側近傍であって、円形平板部2の板面2Aの同一円周上に等間隔を開けて、4組形成されている。係止穴7は、円形平板部2の板面2Aを貫通した円形穴により形成されている。係止爪8は、図2及び図4に示したように、円形平板部2の板面2Aを外方に切り起こした半円弧状舌片により形成されている。この係止爪8の切り起こし角度βは、30〜60度程度とされており、その切り起こし方向は、上記舌部6の切り起こし方向に対して90度ズレた方向とされている。
【0018】
本発明の電子部品搬送用リール体1は、上記切り欠き穴部5、舌部6、係止穴7及び係止爪8が形成された一対の円形平板部2,2を、図1に示したように、それぞれの外方面側の板面2A(図2に示した面)が外側を向くように配置され、その間をハブ部3で接続した構成である。そして、該電子部品搬送用リール体1には、電子部品を収納したテープ状部材10が巻き付けられる。
【0019】
上記電子部品搬送用リール体1,1同士を結合する場合には、図5に示したように、電子部品搬送用リール体1のそれぞれの円形平板部の板面2A,2A同士を当接させ、図6に示したように、互いに或いは一方を右回転させる。
【0020】
すると、図7(a)に示したように、先ず、舌部6が相手方の切り欠き穴部5に入り込む。この際、切り欠き穴部5の幅などを大きいものとすることにより、結合の際の位置精度を要求されないものとなる。また、該切り欠き穴部5を、電子部品を収納したテープ状部材10の巻き量を見る窓として使用することができるものとなる。
【0021】
続いて、図7(b)に示したように、相手方の切り欠き穴部5に入り込んだ舌部6は、相手方の舌部6の裏面側に入り込み、更に、相手方の円形平板部2の裏面側に入り込む。そして、図7(c)及び図8に示したように、舌部6が互いに相手方の円形平板部2の裏面側に交差挿入された状態となり、舌部6の基部6a,6a同士が当接することにより、それ以上の回転が阻止される。
【0022】
この舌部6の基部6a,6a同士が当接する状態において、図7(c)及び図9に示したように、円形平板部2に形成された係止穴7及び係止爪8が、相手方の円形平板部2に形成された係止爪8及び係止穴7とそれぞれ位置的に合致し、図9に示したように、係止爪8がその弾性力によって立ち上がることにより相手方の係止穴7にそれぞれ係合する。これによって、電子部品搬送用リール体1,1同士の結合は、多少の振動や衝撃などが加わっても、容易には離れない結合を実現できる。
【0023】
上記結合動作を複数個の電子部品搬送用リール体1,1・・・について実施することにより、図10に示したように、複数個の電子部品搬送用リール体1,1・・・を一体的に束ねた集合体20とすることができる。
この複数個の電子部品搬送用リール体の集合体20は、容易にバラバラになるものではないため、従来のように小さな収納箱に入れてガタ付きなく束ねる必要はなく、直接大箱に入れて搬送することが可能となり、包装費を削減できると共に、大箱への高密度な収納ができるため、輸送費を低減することができる。また、複数個の電子部品搬送用リール体を容易に結合できることは、取り扱いに際して種々の利点を有するものとなる。
【0024】
一方、結合した電子部品搬送用リール体1,1・・・を分離する場合は、その結合部の隣り合う電子部品搬送用リール体1,1を互いに或いは一方を左回転させ、係止爪8の係止穴7への係止を解除し、互いの円形平板部2の裏面側に入り込んだ舌部6を切り欠き穴部5から抜くことにより分離することができる。
このようにして分離された電子部品搬送用リール体1は、その円形平板部2の板面2Aに結合手段として外方へ立ち上げて形成した舌部6、係止爪8は、図3及び図4に示したように、単に折曲により立ち上げているものであるため、軽い押圧力により円形平板部2の板面2Aは面一の状態となり、従来と同様に何ら支障なく電子部品の自動マウント装置に取り付けて使用することができる。
【0025】
次に、図11及び図12に示した本発明に係る電子部品搬送用リール体の他の実施の形態につき説明する。この実施の形態においては、円形平板部31の板面31Aに形成する係止部として左右一対の切り起こし片32,32とし、舌部33をやはり切り起こしにより形成したものとすると共に、該舌部33の左右側端に、上記切り起こし片32,32が係止する切り欠き凹部33a,33aをそれぞれ形成したものである。一対の切り起こし片32,32及び舌部33は、円形平板部31の板面31Aの同一円周上に90度ズラした状態で形成され、それが同一円周上に等間隔を開けて2組形成されている。
【0026】
上記一対の切り起こし片32,32及び舌部33が形成された電子部品搬送用リール体30,30同士を結合するにあたっては、上記した実施の形態と同様に、それぞれの円形平板部の板面31A,31A同士を当接させ、互いに或いは一方を右回転させれば、図12に示したように、舌部33が相手方の一対の切り起こし片32,32間に進入し、舌部33の左右側端に形成した切り欠き凹部33a,33aに切り起こし片32,32がそれぞれ係止されることによって、両電子部品搬送用リール体30,30同士が強固に結合される。これを複数個の電子部品搬送用リール体30,30・・・について実施することにより、上記実施の形態と同様に、図10に示したような複数個の電子部品搬送用リール体を一体的に束ねた集合体とすることができ、上記実施の形態と同様の効果を奏するものとなる。
【0027】
また、結合した電子部品搬送用リール体30,30・・・を分離する場合は、互いに或いは一方を左回転させ、舌部33を一対の切り起こし片32,32間から抜くことにより容易に分離することができ、分離された電子部品搬送用リール体30は、上記実施の形態と同様に、軽い押圧力により結合手段として形成した一対の切り起こし片32,32及び舌部33を押し込むことにより円形平板部31の板面31Aを面一の状態とできるため、何ら支障なく電子部品の自動マウント装置に取り付けて使用することができる。
【0028】
図13〜図17は、本発明に係る電子部品搬送用リール体の更に他の実施の形態を示したものである。この実施の形態においては、円形平板部41の板面41Aに、補強などの目的で3段の段部が形成されている。円形平板部41の外周縁及び内周縁の板面が最も高い第一の段部41aに形成され、この第一の段部41a,41a間の板面を周方向に4分割した一方の対角線方向に並ぶ扇形板面が次に高い第二の段部41bに形成され、4分割した他方の対角線方向に並ぶ扇形板面が最も低い第三の段部41cに形成されている。
【0029】
そして、第二の段部41bである扇形板面には切り起こしにより形成された舌部42がそれぞれ形成され、最も低い第三の段部41cである扇形板面には門型係止部43がそれぞれ形成されている。上記舌部42,42及び門型係止部43,43は、円形平板部41の板面41Aの同一円周上に等間隔を開けて形成されている。そして、上記門型係止部43の高さは最も高い第一の段部41aの板面と面一となる高さに形成され、その両側壁内面には凸部43a,43aがそれぞれ形成されている。また、上記舌部42の左右側部には、上記門型係止部の凸部43a,43aがそれぞれ係止する切り欠き凹部42a,42aが形成されている。
【0030】
上記舌部42及び門型係止部43が形成された電子部品搬送用リール体40,40同士を結合するにあたっては、やはり上記した実施の形態と同様に、それぞれの円形平板部の板面41A,41A同士を当接させ、互いに或いは一方を右回転させれば、図15〜図17に示したように、舌部42が相手方の門型係止部43にスムースに挿入され、舌部42の左右側端に形成した切り欠き凹部42a,42aに門型係止部43の両側壁内面に形成した凸部43a,43aがそれぞれ係止されることによって、両電子部品搬送用リール体40,40同士が強固に結合される。これを複数個の電子部品搬送用リール体40,40・・・について実施することにより、上記実施の形態と同様に、図10に示したような複数個の電子部品搬送用リール体を一体的に束ねた集合体とすることができ、やはり上記実施の形態と同様の効果を奏するものとなる。
【0031】
また、結合した電子部品搬送用リール体40,40・・・を分離する場合は、互いに或いは一方を左回転させ、舌部42を門型係止部43から抜くことにより容易に分離することができ、分離された電子部品搬送用リール体40は、門型係止部43の高さは最も高い第一の段部41aの板面と面一となる高さに形成され、また舌部42は軽い押圧力により押し込むことにより最も高い第一の段部41aの板面より低い状態とできるため、何ら支障なく電子部品の自動マウント装置に取り付けて使用することができる。
ここで、上記した門型係止部43に変えて、円弧状に突出するアーチ状の係止部としても良く、この場合のアーチ状係止部の高さを、最も高い第一の段部41aの板面と面一以下となる高さに形成すれば、上記の門型係止部43の場合と同様に、該アーチ状係止部が引っ掛かりとなることはなく、やはり何ら支障なく電子部品の自動マウント装置に取り付けて使用することができるものとなる。
【0032】
以上、本発明に係る電子部品搬送用リール体の種々の実施の形態を説明したが、本発明は、何ら既述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、種々の変形及び変更が可能であることは当然である。
特に、円形平板部の板面に形成した結合手段である舌部及び係止部の形状、数量、或いは配置などは、一例を示したに過ぎず、何ら実施の形態として説明したものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0033】
1 電子部品搬送用リール体
2 円形平板部
2A 板面
3 ハブ部
4 軸受部
5 切り欠き穴部
6 舌部
6a 基部
7 係止穴
8 係止爪
10 電子部品を収納したテープ状部材
20 集合体
30 電子部品搬送用リール体
31 円形平板部
31A 板面
32 切り起こし片
33 舌部
33a 切り欠き凹部
40 電子部品搬送用リール体
41 円形平板部
41A 板面
41a 第一の段部
41b 第二の段部
41c 第三の段部
42 舌部
42a 切り欠き凹部
43 門型係止部
43a 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対の円形平板部と、該1対の円形平板部間を接続するハブ部とから成る電子部品搬送用リール体において、上記円形平板部の板面に舌部と係止部とを形成し、隣り合う電子部品搬送用リール体同士を該舌部と係止部との係合によって結合し得るようにしたことを特徴とする、電子部品搬送用リール体。
【請求項2】
上記舌部と係止部とを、上記円形平板部の板面の同一円周上に等間隔を開けて複数組形成したことを特徴とする、請求項1に記載の電子部品搬送用リール体。
【請求項3】
上記係止部を、切り欠き穴部とし、上記舌部を、該切り欠き穴部内に円周方向一方端から他方端に向けて突出する状態で形成した特徴とする、請求項1又は2に記載の電子部品搬送用リール体。
【請求項4】
上記円形平板部の板面に更に係止穴と係止爪とを形成し、隣り合う電子部品搬送用リール体同士が上記舌部と切り欠き穴部との係合によって結合された状態において、上記係止穴と係止爪とが係合するようにしたことを特徴とする、請求項3に記載の電子部品搬送用リール体。
【請求項5】
上記係止穴と係止爪とを、上記円形平板部の板面の同一円周上に等間隔を開けて複数組形成したことを特徴とする、請求項4に記載の電子部品搬送用リール体。
【請求項6】
上記係止部を、左右一対の切り起こし片とし、上記舌部の左右側端に、該切り起こし片が係止する切り欠き凹部を形成したことを特徴とする、請求項1又は2に記載の電子部品搬送用リール体。
【請求項7】
上記係止部を、門型或いはアーチ状の係止部とすると共に、該係止部の両側壁内面に凸部を形成し、上記舌部の左右側部に、該係止部の凸部が係止する切り欠き凹部を形成したことを特徴とする、請求項1又は2に記載の電子部品搬送用リール体。
【請求項8】
上記舌部を、上記円形平板部の板面から外方へ立ち上げて形成したことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の電子部品搬送用リール体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−219254(P2011−219254A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92790(P2010−92790)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(596133887)
【Fターム(参考)】