説明

電子部品連

【課題】電子部品の回転や傾きを低減することができる電子部品連を提供する。
【解決手段】電子部品連1は、複数の電子部品収納室9を有するキャリアテープ3と、電子部品収納室毎に収納された電子部品7とを備える。電子部品は、収納高さW及びそれに直交する収納寸法Xと、曲率半径Rの隅部とを備える。電子部品収納室は、室深さK及びそれに直交する室寸法Yを有し、
第1式:W<K≦[√(W2+X2)]−2R、及び、
第2式:X<Y≦[√(W2+X2)]−2R、
の少なくとも一方の関係式を満たすように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品連に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に例示されるように、複数の電子部品を収容した電子部品連が知られている。電子部品連は、キャリアテープを備えており、そのキャリアテープには、その長手方向に沿って間隔を隔てて設けられた複数の電子部品収納室がテープ上面に開口するように形成されている。電子部品は、各電子部品収納室内に収納されている。
【特許文献1】特開平05−243792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、電子部品収納室内に収納され搬送される電子部品は、その後の工程において、吸着ノズルなどのチャック手段を用いて電子部品収納室から取り出され、所定の実装面に配置される。しかしながら、このとき、電子部品収納室内において電子部品が収納時の姿勢から回転していたり傾いていたりした場合には、吸着不良など取り出しに支障をきたしたり、実装が行いにくくなったりするおそれがある。
【0004】
そこで、本発明は、電子部品の回転や傾きを低減することができる電子部品連を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明は、複数の電子部品収納室を有するキャリアテープと、該電子部品収納室に収納された電子部品とを備えた電子部品連であって、前記電子部品は、収納高さW及びそれに直交する収納寸法Xを有し、該収納寸法Xの方向を包含する投影面においてみて曲率半径Rの隅部を備え、前記電子部品収納室は、室深さK及びそれに直交する室寸法Yを有し、前記電子部品収納室は、
第1式:W<K≦[√(W2+X2)]−2R、及び、
第2式:X<Y≦[√(W2+X2)]−2R、
の少なくとも一方の関係式を満たすように形成されている。
【0006】
さらに、上記において、前記電子部品及び電子部品収納室がそれぞれ直方体状に形成されており、前記電子部品は、前記収納寸法Xとして、収納幅T及びそれと直交し且つそれより大きい値である収納長さLの寸法を有し、前記電子部品収納室は、前記室寸法Yとして、室幅A及びそれと直交し且つそれより大きい値である室長さBの寸法を有し、
前記第1式及び第2式はそれぞれ、
第1式:W<K≦[√(W2+T2)]−2R、及び、
第2式:T<A≦[√(W2+T2)]−2R、
と書き換えることもできる。
【0007】
好適には、前記収納長さL及び室長さBの寸法は、前記キャリアテープの幅方向の寸法である。
【0008】
好適には、前記電子部品は、積層セラミック電子部品であり、前記収納幅Tの寸法の方向は、前記積層セラミック電子部品の積層方向且つ前記キャリアテープの長手方向である。
【0009】
また、前記電子部品収納室は、前記第1式及び第2式の少なくとも一方の関係式を満たすことに代えて、該第1式及び第2式の双方の関係式を満たすようにされていてもよい。
【0010】
また、前記電子部品は、前記収納高さWの寸法と前記収納幅Tの寸法とが同一であるように構成さていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
上述した本発明によれば、電子部品の隅部の丸みをも加味して、電子部品の電子部品収納室内における回転、傾きを低減し、ひいては、それに起因するチップ実装不良を低減することができる。
【0012】
また、収納幅T及び室幅Aで置換された関係式に基づく電子部品収納室を具備した電子部品連は、電子部品が直方体状であるときの、問題となる電子部品の寸法と電子部品収納室の寸法との関係が明確にされ、回転、傾きが低減された具体的態様として構成されている。
【0013】
また、収納長さL及び室長さBの寸法がキャリアテープの幅方向の寸法である場合には、電子部品の収納幅Tよりも大きい収納長さL及び電子部品収納室の室幅Aよりも大きい室長さBの寸法方向が、キャリアテープの幅方向に指向されるため、限られた幅のキャリアテープに対して効率よく電子部品を収納することができる。
【0014】
さらに、電子部品が積層セラミック電子部品であり、収納幅Tの寸法の方向は積層セラミック電子部品の積層方向且つキャリアテープの長手方向である場合には、いわゆる縦実装を行うのに適した縦詰め態様で電子部品を収納することができ、向きを変えずにそのまま実装することができる。
【0015】
なお、本発明の他の特徴及びそれによる作用効果は、添付図面を参照し、実施の形態によって更に詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る電子部品連の実施の形態について、添付図面に基づいて説明する。なお、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る電子部品連の構成を示す部分斜視部である。図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。電子部品連1は、キャリアテープ3と、カバーテープ5と、複数の電子部品7とを備える。キャリアテープ3は、長尺で薄い帯状の部材である。カバーテープ5は、キャリアテープ3の上面に分離可能に貼り付けられた帯状の部材であって、キャリアテープ3とほぼ同幅で同様に長尺であり、キャリアテープ3よりも薄い部材である。
【0018】
なお、図1及び図2では、キャリアテープ3及びカバーテープ5が長尺であるため、その長手方向の一部分のみを示し、さらに、図2のカバーテープ5については、キャリアテープ3の上面を図示するため、キャリアテープ3よりもさらに短く切除したようにして示している。
【0019】
キャリアテープ3には、複数の電子部品収納室9が設けられている。複数の電子部品収納室9は、キャリアテープ3の長手方向に等間隔で離隔するように配置されている。電子部品収納室9は、キャリアテープ3の上面に開口する凹部として形成されている。また、電子部品収納室9は、電子部品7を収納できる大きさの形状を有し、本実施の形態では後述するように電子部品7が直方体状であるため、それに応じて直方体状の凹部として構成されている。
【0020】
より詳細には、電子部品収納室9は、キャリアテープ3の厚み方向の寸法として室深さK、キャリアテープ3の長手方向の寸法として室幅A、キャリアテープ3の幅方向の寸法として室長さBを有している。
【0021】
次に、図3及び図4を参照して電子部品について説明する。本実施の形態では、電子部品として、積層セラミックコンデンサを用いた場合を例とし、図3は、積層セラミックコンデンサの斜視図、図4は、図3のIV−IV線に沿う断面図である。積層セラミックコンデンサにおいては、セラミックからなる誘電体基体11の内部に、複数の内部電極13、15が埋設されている。誘電体基体11は後述するように複数のセラミックグリーンシートを積層することによって構成されている。
【0022】
誘電体基体11の対向する側面には外部電極としての端子電極17、19が設けられている。内部電極13は、このうちの端子電極17に導通されており、内部電極15は端子電極19に導通されている。
【0023】
また、かかる積層セラミックコンデンサは次のようにして製造される。誘電体ペーストからセラミックグリーンシートを形成し、その上に内部電極13、15を形成するための誘電体ペーストを塗布する。そして、それらのセラミックグリーンシートを積層してグリーンシート積層体を作り、グリーンシート積層体をプレスした後、裁断し、そのグリーンシート積層体から複数の直方体状のグリーンチップを得る。そして、グリーンチップに対して、隅部を丸める研磨処理や、焼成処理を施し、さらに、端子電極15、17を形成して、図3及び図4に示した、電子部品7としての積層セラミックコンデンサが得られる。
【0024】
かかる電子部品7は、図3に示されるように、外形がほぼ直方体状のものであり、積層方向の寸法としてチップ厚みT’、端子電極17、19の対向方向の寸法としてチップ長さL’、さらにそれらに直交する方向の寸法としてチップ幅W’を有している。
【0025】
また、電子部品7は、本実施の形態では次のような向きで電子部品収納室9内に収納されている。すなわち、図1及び図2に示されるように、電子部品7のチップ厚みT’の寸法方向(積層方向)がキャリアテープ3の長手方向を指向し、電子部品7のチップ長さL’の寸法方向がキャリアテープ3の幅方向を指向し、電子部品7のチップ幅W’の寸法方向がキャリアテープ3の厚み方向を指向するように、電子部品7は電子部品収納室9内に収納される。
【0026】
このような電子部品連1を用いて回路基板に電子部品7を実装するには、まず、キャリアテープ3からカバーテープ5を引き剥がす。カバーテープ5を引き剥がすと、電子部品収納室9の開口部が現れる。
【0027】
次に、図5に示されるように、電子部品収納室9から電子部品7を取り出す。図示では、電子部品7を取り出すための手段として吸着ノズル21が採用されており、吸着ノズル21を電子部品収納室9の開口部に当て、吸着ノズル21で電子部品7を吸着する。
【0028】
次に、吸着ノズル21を介して吸着している電子部品7を図示しない回路基板の上に移動させ、基板上の所定位置に実装する。なお、このとき、電子部品7の積層方向を実装面とほぼ平行に合わせる、いわゆる縦実装を行う場合には、電子部品7が上述したような向きで電子部品収納室9内に収納されていたため、吸着ノズル21で電子部品7を吸着した後、電子部品7の向きを変えずにそのまま回路基板への配置を行うことができる。
【0029】
ところで、電子部品連1内の電子部品7は、搬送中の姿勢変化や振動などに伴う力の作用に起因し、図6に示されるように、電子部品収納室9内において回転したり傾いてしまったりするおそれがあった。そして、そうした回転や傾きが生じていると、吸着不良など電子部品収納室9からの取り出しに支障をきたしたり、適切な姿勢の実装が行いにくくなったりするおそれがあった。
【0030】
そこで、本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、本発明では、電子部品収納室を、一般式として、
第1式:W<K≦[√(W2+X2)]−2R、及び、
第2式:X<Y≦[√(W2+X2)]−2R、
の少なくとも一方の関係式を満たすように形成することとした。
【0031】
図1及び図2を参照しながら、一般式中の符号について説明する。「K」は、上述した電子部品収納室9の室深さKである。「Y」は、室深さKに直交する方向の電子部品収納室9の室寸法であり、室幅A又は室長さBである。
【0032】
また、電子部品収納室9の大きさは、収納対象である電子部品7の収納時の占有寸法すなわち収納寸法をもとに、それ対応させて決定する。「W」は、室深さKと同方向の電子部品7の収納高さWである。「X」は、収納高さWに直交する方向の電子部品7の収納寸法であり、電子部品収納室9の室幅A又は室長さBと同方向となる電子部品7の収納幅T又は収納長さLである。また、「R」は、収納寸法Xの方向を包含する投影面においてみて隅部に生じている曲率半径Rである。
【0033】
なお、本実施の形態においては、電子部品7の直方体形状やその収納姿勢によって、収納高さW=チップ幅W’、収納幅T=チップ厚みT’、収納長さL=チップ長さL’の関係となっている。
【0034】
また、本実施の形態では、電子部品7が図示の形状であり、また、その収納方向が上述した通りであるため、次のような特定な関係が存在する。まず、電子部品7の収納寸法Xのうち、より小さい収納幅Tと、電子部品収納室9の室寸法Yのうち、より小さい室幅Aとの関係が、回転や傾きに関してより顕著に問題となる。また、これより、「R」は、図7に示されるように、収納幅Tの寸法方向を包含するTW投影面における曲率半径Rとなる。
【0035】
以上を加味すると、上述した一般式は、本実施の形態の特定の条件に対応してより具体化すると、「X」を「T」に、「Y」を「A」にそれぞれ特定した特定式として、
第1式:W<K≦[√(W2+T2)]−2R、及び、
第2式:T<A≦[√(W2+T2)]−2R、式
と書き換えることができる。
【0036】
なお、本発明は、収納幅T>収納長さLとなる電子部品に対しては上記一般式を適用することを包含するものである。
【0037】
本発明者は、電子部品7の収納寸法及び電子部品収納室9の室寸法と、チップの実装状態との関係を試験した。その結果を、以下の表1〜表4に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
表1の試験では、収納長さL=1.0[mm]、収納高さW=0.5[mm]、収納幅T=0.5[mm]、曲率半径R=50[μm]の電子部品7に対して、実施例1〜3及び比較例1という4態様の電子部品収納室を用意した。実施例1〜3及び比較例1の電子部品収納室はそれぞれ、共通の室長さB及び室幅Aを有し、室深さKの寸法だけが異なる関係にある。
【0040】
また、表中におけるチップ実装の項目の「◎」は吸着不良等のチップ実装不良が全く生じなかった場合を示し、「○」はチップ実装不良率が0.01%程度であった場合を示し、「×」はチップ実装不良率が0.1%以上であった場合を示す。
【0041】
結果は、表1に示すように、室深さK≦[√(W2+T2)]−2Rを満たす、実施例1、実施例2、実施例3の電子部品収納室においては、チップ実装不良が全く生じなかったか、若しくは、チップ実装不良率が0.01%程度として実装不良が殆ど生じていない良好な結果が得られた。これに対して、室深さK>[√(W2+T2)]−2Rである比較例1の電子部品収納室においては、チップ実装不良率が実施例2及び3に対して一桁も異なる0.1%以上となり、改善が望まれる結果となった。これより、上述した特定式の
第1式:W<K≦[√(W2+T2)]−2R
を満たすように電子部品収納室9を形成することによりチップ実装不良を確実に低減することが可能となる。
【0042】
次に、表2の試験では、表1の試験と同じサイズの電子部品7を用い、室深さKに代えて室幅Aを異ならせた実施例4、5及び比較例2、3の4態様の電子部品収納室に対して同様に試験した。その結果を表2に示す。表中におけるチップ実装の項目の記号の意味は、表1と同様である(後述する表3及び表4も同様)。
【0043】
【表2】

【0044】
結果は、室幅A≦[√(W2+T2)]−2Rを満たす、実施例4、実施例5の電子部品収納室においては、チップ実装不良が全く生じなかったか、若しくは、チップ実装不良率が0.01%程度として実装不良が殆ど生じていない良好な結果が得られた。これに対して、室幅A>[√(W2+T2)]−2Rである比較例2、比較例3の電子部品収納室においては、チップ実装不良率が実施例5に対して一桁も異なる0.1%以上となり、改善が望まれる結果となった。これより、上述した特定式の
第2式:T<A≦[√(W2+T2)]−2R
を満たすように電子部品収納室9を形成することによってもチップ実装不良を確実に低減することが可能となる。
【0045】
表1及び表2の結果から、電子部品収納室9を、
第1式:W<K≦[√(W2+X2)]−2R、及び、
第2式:X<Y≦[√(W2+X2)]−2R、
の少なくとも一方の関係式を満たすように形成することで、チップ実装不良を低減することが可能となる。
【0046】
さらに、表1及び表2の条件から電子部品7のサイズを変更して、表1及び表2と同様な試験も行った。その結果を表3及び表4に示す。
【0047】
【表3】

【0048】
【表4】

【0049】
表3及び表4の試験はそれぞれ、表1及び表2の条件と対応しており、すなわち、表3の試験では、電子部品収納室の室深さKを異ならせ、表4の試験では、電子部品収納室の室幅Aを異ならせている。
【0050】
結果もやはり同様であり、表3において室深さK≦[√(W2+T2)]−2Rを満たす、実施例6〜9の電子部品収納室においては、良好な結果が得られ、それを満たさない、比較例4では改善が望まれる結果となった。表4においても、室幅A≦[√(W2+T2)]−2Rを満たす、実施例10〜13の電子部品収納室においては、良好な結果が得られ、それを満たさない、比較例5では改善が望まれる結果となった。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態に係る電子部品連によれば、電子部品7の隅部の丸みをも加味して、電子部品7の電子部品収納室9内における回転、傾きを低減し、ひいては、それに起因するチップ実装不良を低減することができる。
【0052】
また、上記特定式で規定された電子部品連1は、電子部品7が直方体状であるときの、問題となる電子部品7の寸法と電子部品収納室9の寸法との関係が明確にされ、回転、傾きが低減された具体的態様として構成されている。
【0053】
さらに、電子部品7の収納幅Tよりも大きい収納長さL及び電子部品収納室9の室幅Aよりも大きい室長さBの寸法方向が、キャリアテープ3の幅方向に指向されるように構成したため、限られた幅のキャリアテープ3に対して効率よく電子部品7を収納することができる。
【0054】
さらに、電子部品7の収納時の向きに関し、電子部品7の収納幅Tの寸法の方向を、電子部品7自体の積層方向且つキャリアテープ3の長手方向とすることにより、いわゆる縦実装を行うのに適した縦詰め態様で電子部品7を収納することができ、向きを変えずにそのまま実装することができる。
【0055】
なお、上記式は単なる幾何学的考察から導出されたものではない。図7を用いて、上記式の上限値「[√(W2+T2)]−2R」と、電子部品の対角寸法との関係について説明する。まず、TW投影面が正方形である電子部品の理論的な対角寸法は、図7に示すように、[√(W2+T2)]である。よって、上記式の上限値「[√(W2+T2)]−2R」は、理論的な対角寸法より小さい値であることが分る。さらに、電子部品における隅部の丸みを考慮した実際(現物)の対角寸法は、[√(W2+T2)]−2R(√2−1)である。よって、上記式の上限値「[√(W2+T2)]−2R」は、実際の対角寸法よりも小さい値であることが分る。
【0056】
これより分るように、本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、電子部品収納室の室寸法は、物理的に回転可能となってしまう電子部品の実際の対角寸法[√(W2+T2)]−2R(√2−1)よりも小さくなければならないことは勿論、それだけでは十分ではなく、少なくとも「[√(W2+T2)]−2R」以下にしなければ、回転や傾きを低減できないことを見出し、本発明をそれによって完成したものである。
【0057】
なお、上記式の下限値は、電子部品7が電子部品収納室9内に収納される以上、当然の条件であり、それを確認的に記述しているにすぎない。
【0058】
以上、好ましい実施の形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。
【0059】
まず、本発明を適用する電子部品は、積層セラミックコンデンサに限定されるものではない。すなわち、積層セラミック電子部品であれば、例えば、インダクタ、LCフィルタ、アレイ部品等に適用することも可能であり、さらに、積層構成やセラミック材料による構成ではない電子部品に対しても広く適用することができる。
【0060】
また、電子部品の電子部品収納室に対する収納時の向きについても特に限定されるものではない。
【0061】
さらに、電子部品の形状は、キャリアテープの幅方向と直交する端面が正方形であることには限定されない。よって、例えば、図8に示すように、キャリアテープの幅方向と直交する端面が長方形である電子部品107と、それに対応して、キャリアテープの幅方向と直交する縦端面が長方形である電子部品収納室109を備えたキャリアテープ103とを備えた電子部品連1として実施することも可能である。
【0062】
また、キャリアテープの構成や製造態様についても本発明は特に限定されるものではない。したがって、図2に示したように、ほぼ一定のテープ厚みを維持するように一面側だけを窪ませて電子部品収納室9を構成する凹部が形成されたキャリアテープ3は勿論のこと、例えば、図9に示すように、一面側から電子部品収納室9を構成する凹部を形成することで他面側に膨出し、他面側にも凹凸が出現したようなキャリアテープ203であってもよく、さらに、他の態様であってもよい。また、キャリアテープは複数の部材の貼り合せや接合によって電子部品収納室を形成するような態様であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子部品連の構成を示す部分斜視部である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】積層セラミックコンデンサの斜視図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】電子部品収納室からの電子部品の取り出しを説明する図である。
【図6】電子部品収納室内における電子部品の回転や傾きを表す図である。
【図7】本発明の特徴的な関係式と、電子部品の対角寸法との関係について説明する図である。
【図8】本発明の改変した実施の形態に関する図6と同態様の図である。
【図9】本発明の別の改変した実施の形態に関する図2と同態様の図である。
【符号の説明】
【0064】
1 電子部品連
3 キャリアテープ
7 電子部品
9 電子部品収納室


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子部品収納室を有するキャリアテープと、該電子部品収納室に収納された電子部品とを備えた電子部品連であって、
前記電子部品は、収納高さW及びそれに直交する収納寸法Xを有し、該収納寸法Xの方向を包含する投影面においてみて曲率半径Rの隅部を備え、
前記電子部品収納室は、室深さK及びそれに直交する室寸法Yを有し、
前記電子部品収納室は、
第1式:W<K≦[√(W2+X2)]−2R、及び、
第2式:X<Y≦[√(W2+X2)]−2R、
の少なくとも一方の関係式を満たすように形成されている、
電子部品連。
【請求項2】
前記電子部品及び電子部品収納室はそれぞれ直方体状に形成されており、
前記電子部品は、前記収納寸法Xとして、収納幅T及びそれと直交し且つそれより大きい値である収納長さLの寸法を有し、
前記電子部品収納室は、前記室寸法Yとして、室幅A及びそれと直交し且つそれより大きい値である室長さBの寸法を有し、
前記第1式及び第2式はそれぞれ、
第1式:W<K≦[√(W2+T2)]−2R、及び、
第2式:T<A≦[√(W2+T2)]−2R、
と書き換えられる、
請求項1に記載の電子部品連。
【請求項3】
前記収納長さL及び室長さBの寸法は、前記キャリアテープの幅方向の寸法である、請求項2に記載の電子部品連。
【請求項4】
前記電子部品は、積層セラミック電子部品であり、
前記収納幅Tの寸法の方向は、前記積層セラミック電子部品の積層方向且つ前記キャリアテープの長手方向である、
請求項2又は3に記載の電子部品連。
【請求項5】
前記電子部品収納室は、前記第1式及び第2式の少なくとも一方の関係式を満たすことに代えて、該第1式及び第2式の双方の関係式を満たす、
請求項1乃至4の何れか一項に記載の電子部品連。
【請求項6】
前記電子部品は、前記収納高さWの寸法と前記収納幅Tの寸法とが同一である、
請求項1乃至5の何れか一項に記載の電子部品連。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−145340(P2007−145340A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−338781(P2005−338781)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】