説明

電極被覆用無鉛ガラス

【課題】化学的耐久性に優れ、PDP背面基板の電極被覆に用いることが可能な電極被覆用無鉛ガラスの提供。
【解決手段】下記酸化物基準のモル%表示で、SiO 25〜55%、B 4〜25%、ZnO 5〜30%、Al 0〜10%、TiO 0〜10%、LiO 0〜17%、NaO+KO 0〜10%、Bi 0〜25%、CoO+CuO+CeO+SnO 0〜3%、から本質的になり、Alを含有する場合B+Alが26モル%以下であり、TiO、NaOまたはKOを含有する場合(TiO+4モル%)≧(NaO+KO)である電極被覆用無鉛ガラス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板上に形成された銀、ITO(スズがドープされた酸化インジウム)、酸化スズ、酸化亜鉛、アルミニウム、クロムなどの電極を絶縁被覆するのに好適な電極被覆用無鉛ガラス、およびプラズマディスプレイ装置(以下、PDPという。)の製造に用いられる隔壁付きガラス基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、薄型の平板型カラー表示装置が注目を集めている。このような表示装置では画像を形成する画素における表示状態を制御するために各画素に電極が形成される。このような電極としては銀、ITO、酸化スズ、アルミニウム、クロムなどが用いられている。
【0003】
前記表示装置の表示面として使用されるガラス基板の表面に形成される電極は、精細な画像を実現するために細い線状に加工される。そして各画素を独自に制御するためには、このような微細に加工された電極相互の絶縁性を確保する必要がある。ところが、ガラス基板の表面に水分が存在する場合やガラス基板中にアルカリ成分が存在する場合、このガラス基板の表面を介して若干の電流が流れることがある。このような電流を防止するには、電極間に絶縁層を形成することが有効である。このような絶縁層を形成する絶縁材料としては種々のものが知られているが、なかでも、信頼性の高い絶縁材料であるガラス材料が広く用いられている。多くの場合、前記被覆用絶縁層は焼結性、絶縁性などの点から鉛を含有するガラスが用いられている。
【0004】
電極被覆用ガラスには、先に述べたような電気絶縁性の他に、典型的には、軟化点(Ts)が450〜600℃であること、50〜350℃における平均線膨張係数(α)が60×10−7〜90×10−7/℃であること、等が求められており、種々のガラスが従来提案されている。
近年は鉛を含有しないガラスが望まれており、たとえば、質量百分率表示で、B 34.0%、SiO 4.4%、ZnO 49.9%、BaO 3.9%、KO 7.8%、からなる電極被覆用ガラスが開示されている(特許文献1参照)。
【0005】
最近大型平面カラーディスプレイ装置として期待されているPDPにおいては、表示面として使用される前面基板、背面基板および隔壁によりセルが区画形成されており、そのセル中でプラズマ放電を発生させることにより画像が形成される。前記前面基板及び背面基板の表面には電極が形成されており、この電極をプラズマから保護するために、プラズマ耐久性に優れたガラスにより前記電極を被覆する必要がある。
【0006】
このような電極被覆に用いられるガラスは、通常はガラス粉末にして使用される。たとえば、前記ガラス粉末に必要に応じてフィラー等を添加した上で樹脂、溶剤等と混合してガラスペーストとしこれを電極が形成されているガラス基板に塗布後焼成する、前記ガラス粉末に樹脂、さらに必要に応じて無機酸化物フィラーを混合して得られたペーストを電極が形成されているガラス基板上に塗布、乾燥後に焼成する、スラリーをグリーンシートに成形しこれを電極が形成されているガラス基板上にラミネート後焼成する、等の方法によって前記電極を被覆する。
【0007】
PDPでは背面基板上の電極を被覆した絶縁層(電極被覆ガラス層)の上に隔壁を形成する。隔壁の形成方法は様々なものが提案されており、その一つとしてエッチング法が知られている。
エッチング法では隔壁用ペーストを絶縁層の上に塗布、焼成して隔壁形成用ガラス層を形成した後、隔壁形成に不必要な部分をパターニングにより露出させ、酸等にて選択的に除去することで隔壁の形成を行う(特許文献2参照)。
【0008】
エッチング法では、酸等によって隔壁形成用ガラス層を侵食することで隔壁区画を形成するため、その過程で、隔壁の下に位置する電極被覆ガラス層の一部も酸等にさらされる。このため、エッチング法に用いる電極被覆材料は化学的耐久性が強いことが求められる。
【0009】
【特許文献1】特開2002−249343号公報
【特許文献2】特開2000−95542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
エッチング法に用いられる電極被覆ガラス層としては鉛含有ガラスが使用されているが、これを鉛に含有しないものにしようとすると化学的耐久性が低下してエッチング時に電極被覆ガラス層が侵食されやすくなる問題があった。
本発明は、化学的耐久性に優れ、PDP背面基板の電極被覆に用いることが可能な電極被覆用無鉛ガラスの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、下記酸化物基準のモル%表示で、SiO 25〜55%、B 4〜25%、ZnO 5〜30%、Al 0〜10%、TiO 0〜10%、LiO 0〜17%、NaO+KO 0〜10%、Bi 0〜25%、CoO+CuO+CeO+SnO 0〜3%、から本質的になり、Alを含有する場合B+Alが26モル%以下であり、TiO、NaOまたはKOを含有する場合(TiO+4モル%)≧(NaO+KO)である電極被覆用無鉛ガラス(以下、第1のガラスということがある。)を提供する。
【0012】
また、下記酸化物基準のモル%表示で、SiO 25〜55%、B 4〜25%、ZnO 5〜30%、Al 0〜10%、TiO 2〜10%、LiO 0〜17%、NaO+KO 0〜10%、Bi 0〜25%、CoO+CuO+CeO+SnO 0〜3%、から本質的になり、Alを含有する場合B+Alが26モル%以下である電極被覆用無鉛ガラス(以下、第2のガラスということがある。)を提供する。
また、前記電極被覆用無鉛ガラスの粉末と、その粉末100質量部に対して0.1〜40質量部の割合の無機酸化物粉末とを含有するガラスセラミックス組成物を提供する。
【0013】
また、PDPの製造に用いられる隔壁付きガラス基板の製造方法であって、ガラス基板上に形成された電極を前記電極被覆用無鉛ガラスによって被覆し、その電極を被覆したガラスの上にエッチング法によって隔壁を形成する隔壁付きガラス基板の製造方法を提供する。
【0014】
また、PDPの製造に用いられる隔壁付きガラス基板の製造方法であって、ガラス基板上に形成された電極を前記ガラスセラミックス組成物を含有するグリーンシートまたは同ガラスセラミックス組成物を含有するガラスペーストによって被覆して焼成し、そのグリーンシートまたはガラスペーストの焼成体の上にエッチング法によって隔壁を形成する隔壁付きガラス基板の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、エッチング法を用いた隔壁形成を行うときの電極被覆に用いられるガラスを鉛を含有しないものにできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の電極被覆用無鉛ガラス(以下、本発明のガラスという。)は通常、粉末状にして使用される。
たとえば、本発明のガラスの粉末、または本発明のガラスの粉末に光学特性、電気特性もしくは色調調整のため無機酸化物フィラーを添加したガラスセラミックス組成物を、印刷性を付与するための有機ビヒクル等を用いてガラスペーストとし、ガラス基板上に形成された電極上に前記ガラスペーストを塗布、焼成して電極を被覆する。
なお、有機ビヒクルとはエチルセルロース等のバインダをα−テルピネオール等の有機溶剤に溶解したものである。また、ガラスペーストに限らず先に述べたようなグリーンシート法を用いて電極を被覆してもよい。
【0017】
PDPにおいては、本発明のガラスは銀電極の被覆に好適に使用される。
本発明のガラスを用いたPDPの製造は、たとえば交流方式のものであれば次のようにして行われる。
パターニングされた透明電極およびバス線(典型的には銀線)をガラス基板の表面に形成し、その上に透明電極被覆用ガラスの粉末をガラスペースト法またはグリーンシート法によって塗布・焼成してガラス層を形成し、最後に保護膜として酸化マグネシウムの層を形成して前面基板とする。
【0018】
一方、パターニングされたアドレス用電極を別のガラス基板の表面に形成し、その上に本発明のガラス粉末または本発明のガラス粉末と無機酸化物粉末との混合物(ガラスセラミックス組成物)をガラスペーストとしたものを塗布・焼成してガラス層またはガラス含有層(以下、これをもガラス層ということがある。)を形成し、その上にエッチング法やサンドブラスト法等にて隔壁を形成する。
エッチング法にて隔壁を形成する場合、従来の電極被覆用無鉛ガラスでは浸食が生じやすかったが、本発明のガラスを用いることによりその問題はなくなる、または軽減される。
【0019】
隔壁を形成して隔壁付きガラス基板とした後、さらに蛍光体層を印刷・焼成して背面基板とする。なお、前記ガラス層を形成するのにガラスペーストを使用せず、グリーンシート法等を用いてもよい。
前面基板と背面基板の周縁にシール材をディスペンサで塗布し、前記透明電極と前記アドレス用電極が対向するように組み立てた後、焼成してPDPとする。そしてPDP内部を排気して、放電空間(セル)にNeやHe−Xeなどの放電ガスを封入する。
なお、上記の例は交流方式のものであるが、本発明のガラスは直流方式のものにも適用できる。
【0020】
本発明のガラスのTsは450〜600℃であることが好ましい。600℃超では、通常使用されているガラス基板(ガラス転移点:550〜620℃)が焼成時に変形するおそれがある。
【0021】
前記ガラス基板としては通常、αが80×10−7〜90×10−7/℃のものが用いられる。したがってこのようなガラス基板と膨張特性をマッチングさせ、ガラス基板のそりや強度の低下を防止するためには、本発明のガラスまたは本発明のセラミックス組成物の焼成体のαは好ましくは60×10−7〜90×10−7/℃、より好ましくは70×10−7〜85×10−7/℃である。
本発明のガラスは、Tsが450〜600℃、αが60×10−7〜90×10−7/℃であることが好ましい。
【0022】
本発明のガラスの250℃における比抵抗(ρ)は10Ωcm以上であることが好ましい。10Ωcm未満では電気絶縁不良が起こるおそれがある。
【0023】
次に、本発明のガラスの組成についてモル百分率表示を用いて説明する。
SiOは化学的耐久性を向上させる成分であり、必須である。SiOが25%未満では化学的耐久性が低下し、好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上である。SiOが55%超ではTsが高くなり、好ましくは50%以下、より好ましくは48%以下である。
【0024】
はSiOほどにはTsを上げずにガラスを安定化させることができる成分であり、必須である。Bが4%未満ではTsが高くなり、好ましくは6%以上、より好ましくは8%以上である。Bが25%超では化学的耐久性が低下し、好ましくは20%以下、より好ましくは18%以下である。
【0025】
ZnOはTsを低下させる成分であり、必須である。ZnOが5%未満ではTsが高くなり、好ましくは9%以上、より好ましくは11%以上である。ZnOが30%超では化学的耐久性が低下し、また、焼成時に結晶が析出しやすくなり、好ましくは28%以下、より好ましくは27%以下、特に好ましくは26%以下、典型的には24%以下である。
【0026】
Alは必須ではないが、ガラスを安定化させるために10%まで含有してもよい。Alが10%超ではTsが高くなり、好ましくは8%以下、より好ましくは5%以下である。
Alを含有する場合その含有量は1%以上であることが好ましい。
また、その場合BおよびAlの含有量合計B+Alは26%以下である。これが26%超では化学的耐久性が低下する。
【0027】
第1のガラスにおいては、TiOは必須ではないが、化学的耐久性を向上させる目的で10%まで含有してもよく、その場合の含有量は典型的には2%以上である。TiOが10%超ではガラスが失透しやすくなり、好ましくは8%以下、より好ましくは7%以下である。
第2のガラスにおいては、TiOは化学的耐久性を向上させる成分であり、必須である。TiOは典型的には3%以上、好ましくは3.2%以上である。TiOが10%超ではガラスが失透しやすくなり、好ましくは8%以下、より好ましくは7%以下である。
【0028】
LiOは必須ではないが、Tsを低下させる効果を有し17%まで含有してもよい。LiOが17%超ではαが大きくなりすぎ、好ましくは15%以下、典型的には13%以下である。LiOを含有する場合その含有量は2%以上であることが好ましい。LiOが2%未満ではTsを低下させる効果が小さく、好ましくは4%以上である。
NaOおよびKOはいずれも必須ではないが、Tsを低下させるため、いずれか一方または両者を合計で10%までの範囲で含有してもよい。NaO+KOが10%超では化学的耐久性が低下し、またはαが大きくなりすぎ、好ましくは8%以下、より好ましくは7%以下、典型的には6%以下である。
【0029】
第1のガラスにおいては、化学的耐久性を向上させるために、TiO、NaOまたはKOを含有する場合においてTiO含有量に4モル%を加算した値はNaOおよびKOの含有量の合計以上とされる。たとえば、TiOを含有せずNaOまたはKOを含有する場合にはNaO+KOは4%以下とされる。(TiO+2%)が(NaO+KO)以上であることが好ましい。
第1のガラスにおいてTsを低下させたい場合には、TiOは含有しないようにするか2%未満の範囲で含有するようにすることが好ましい。
【0030】
Biは必須ではないがTsを低下させるために25%まで含有してもよい。Biが25%超ではαが高くなるおそれがあり、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下である。Biを含有する場合その含有量は1%以上であることが好ましい。Biが1%未満ではTsを低下させる効果が小さい。
【0031】
CoO、CuO、CeOおよびSnOはいずれも必須ではないが、これら成分の1以上を含有する場合、これら4成分の含有量の合計は3%以下である。
CoO、CuOおよびCeOは銀発色現象を抑制したい等の場合に好適な成分であり、これら成分の1以上を合計で2%まで含有してもよい。
SnOは耐候性を上げたい等の場合に好適な成分であり、2%まで含有してもよい。
【0032】
第2のガラスにおいては、典型的には、SiOが30〜50%、Bが6〜20%、ZnOが9〜28%、Alが0〜8%、TiOが2〜8%、LiOが2〜17%、NaO+KOが0〜8%であり、また、Biを1%以上含有する場合の典型的な態様として、SiOが35〜48%、Bが8〜18%、ZnOが11〜26%、Alが0〜5%、TiOが2〜7%、LiOが4〜15%、NaO+KOが0〜6%、Biが1〜15%であるものが挙げられる。
第2のガラスは化学的耐久性をより向上させたい場合に好適な態様である。
【0033】
本発明のガラスは本質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよい。そのような成分を含有する場合、それらの含有量の合計は、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下である。
前記その他の成分としてはガラスの安定化等を目的とするMgO、CaO、SrO、BaO等が例示される。MgO、CaO、SrOまたはBaOを含有する場合これら成分の含有量の合計は5%以下であることが好ましい。
なお、本発明のガラスはPbOを含有しないし、Sbも含有しないことが好ましい。
【実施例】
【0034】
表のSiOからBaOまでの欄にモル百分率表示で示す組成となるように、原料を調合して混合し、1200〜1350℃の電気炉中で白金ルツボを用いて1時間溶融し、薄板状ガラスに成形した後、ボールミルで粉砕し、ガラス粉末を得た。なお、表のB+Alの欄にはB+Alを示す。
例1〜9は実施例、例10〜19は比較例である。
【0035】
これらガラス粉末について、軟化点Ts(単位:℃)、前記平均線膨張係数α(単位:10−7/℃)を以下に述べるようにして測定した。結果を表に示す。
Ts:800℃までの範囲で示差熱分析計を用いて測定した。
α:ガラス粉末を加圧成形後、Tsより30℃高い温度で10分間焼成して得た焼成体を直径5mm、長さ2cmの円柱状に加工し、熱膨張計で50〜350℃の平均線膨張係数を測定した。
【0036】
また、例1〜19の各ガラス粉末70gとチタニア粉末10gを有機ビヒクル20gと混練してガラスペーストを作製した。なお、有機ビヒクルは、α−テルピネオールにエチルセルロースを質量百分率表示で12%溶解して作製した。
次に、大きさ50mm×75mm、厚さ2.8mmのガラス基板を用意した。なお、前記ガラス基板は、質量百分率表示組成が、SiO 58%、Al 7%、NaO 4%、KO 6.5%、MgO 2%、CaO 5%、SrO 7%、BaO 7.5%、ZrO 3%、であり、またガラス転移点が626℃、αが83×10−7/℃、であるガラスからなる。
【0037】
上記ガラス基板の50mm×50mmの部分に前記ガラスペーストを均一にスクリーン印刷後、120℃で10分間乾燥した。これらガラス基板を昇温速度10℃/分で温度がTsに達するまで加熱し、さらにその温度をTsに10分間保持して焼成した。このようにしてガラス基板上に形成されたガラス層の厚さは10〜15μmであった。
ガラス基板上に前記ガラス層が形成された試料について、化学的耐久性を以下に述べるようにして測定した。結果を表に示す。
【0038】
化学的耐久性:42℃に保持した3.0質量%の硝酸溶液に前記試料を90秒浸漬し、浸漬前後での膜厚の減少の程度により化学的耐久性を評価した。好ましい耐久性を有しているものを○、膜厚減少が生じていて耐久性が劣るものを△、焼成膜自体が消失しており極めて劣るものを×、と表記した。なお、前記評価において好ましい耐久性を有しているものの中で浸漬時間を180秒にしても焼成膜面の性状変化が認められなかったものは高い耐久性を有するものとして◎と表記した。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0041】
PDPの背面基板の電極被覆および背面基板に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記酸化物基準のモル%表示で、SiO 25〜55%、B 4〜25%、ZnO 5〜30%、Al 0〜10%、TiO 0〜10%、LiO 0〜17%、NaO+KO 0〜10%、Bi 0〜25%、CoO+CuO+CeO+SnO 0〜3%、から本質的になり、Alを含有する場合B+Alが26モル%以下であり、TiO、NaOまたはKOを含有する場合(TiO+4モル%)≧(NaO+KO)である電極被覆用無鉛ガラス。
【請求項2】
SiOが30〜50モル%、Bが6〜20モル%、ZnOが9〜27モル%、TiOが0〜8モル%、LiOが2〜15モル%、NaO+KOが0〜8モル%である請求項1の電極被覆用無鉛ガラス。
【請求項3】
下記酸化物基準のモル%表示で、SiO 25〜55%、B 4〜25%、ZnO 5〜30%、Al 0〜10%、TiO 2〜10%、LiO 0〜17%、NaO+KO 0〜10%、Bi 0〜25%、CoO+CuO+CeO+SnO 0〜3%、から本質的になり、Alを含有する場合B+Alが26モル%以下である電極被覆用無鉛ガラス。
【請求項4】
SiOが30〜50モル%、Bが6〜20モル%、ZnOが9〜27モル%、TiOが2〜8モル%、LiOが2〜15モル%、NaO+KOが0〜8モル%である請求項3の電極被覆用無鉛ガラス。
【請求項5】
TiOが3.2モル%以上である請求項3または4の電極被覆用無鉛ガラス。
【請求項6】
Biを1〜15モル%含有する請求項1〜5のいずれかの電極被覆用無鉛ガラス。
【請求項7】
SiOが35〜48モル%、Bが8〜18モル%、ZnOが11〜27モル%、LiOが2〜15モル%である請求項6の電極被覆用無鉛ガラス。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかの電極被覆用無鉛ガラスの粉末と、その粉末100質量部に対して0.1〜40質量部の割合の無機酸化物粉末とを含有するガラスセラミックス組成物。
【請求項9】
無機酸化物粉末が、TiO、ZnO、SiO、Al、ZrO、P、Fe、MnO、CrおよびCoからなる群から選ばれた1種以上の無機酸化物の粉末である請求項8のガラスセラミックス組成物。
【請求項10】
プラズマディスプレイ装置の製造に用いられる隔壁付きガラス基板の製造方法であって、ガラス基板上に形成された電極を請求項1〜7のいずれかの電極被覆用無鉛ガラスによって被覆し、その電極を被覆したガラスの上にエッチング法によって隔壁を形成する隔壁付きガラス基板の製造方法。
【請求項11】
プラズマディスプレイ装置の製造に用いられる隔壁付きガラス基板の製造方法であって、ガラス基板上に形成された電極を請求項8または9のガラスセラミックス組成物を含有するグリーンシートまたは同ガラスセラミックス組成物を含有するガラスペーストによって被覆して焼成し、そのグリーンシートまたはガラスペーストの焼成体の上にエッチング法によって隔壁を形成する隔壁付きガラス基板の製造方法。

【公開番号】特開2007−182365(P2007−182365A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−308023(P2006−308023)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】