説明

電気ケトル

【課題】 蒸気通路の蒸気がセンサ室に余裕を残して入り込んで更新性よくセンサに接触し、結露水の多量発生なくスムーズに気化発散されるようにする。
【解決手段】 ヒータ1により湯沸かしを行う器体4、器体4の蓋体5、器体4のハンドル9、器体4内で発生する蒸気を導入して蒸気センサ26に接触させるハンドル9上部のセンサ室30を備え、器体4側からハンドル9上部内に蒸気を導入し排出を図る蒸気通路31の途中からセンサ室30を分岐させて、蒸気通路から流入する蒸気が蒸気センサ26に接触するようにし、蒸気通路31とセンサ室30との蒸気通路31上流側の分岐点に、蒸気通路31下流側に延びて蒸気通路31からセンサ室30への蒸気の流入域を規制する仕切り壁32を設けたことにより、上記の目的を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気ケトルに関し、詳しくは、ヒータにより湯沸かしを行う器体と、この器体の蓋体と、器体の外まわりに設けたハンドルと、器体内で発生する蒸気を導入して蒸気センサに接触させるハンドル上部のセンサ室と、を備えたハンディタイプの電気ケトルに関する。
【背景技術】
【0002】
ケトルは本来コンロに掛けて湯を沸かすだけの、いわゆる「やかん」として古くから用いられているが、電源への接続により手軽に数分で湯沸かしができ、かつハンディタイプで手軽に取り扱える電気ケトルが普及してきている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1は、ヒータによる加熱方式を採用しているが、簡易さを優先して湯沸かし容器が外部に露出するタイプとし、蓋体も転倒時の内容液の流出、蒸気の放出といったことに対する安全構造を有していない簡易構造の電気ケトルを開示している。また、簡易構造に関連して、沸騰を検知するのに、湯沸かし時に発生する蒸気を器体に設けたハンドルの上部連結部内に導入して蒸気センサに接触させるようにし、ハンドル内に導入した蒸気は容器側の熱によって乾燥させて発散させるようにしている。
【特許文献1】特開平10−157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に開示のセンサは、容器の側から蒸気を導入して乾燥、排出を図る蒸気通路の上流側拡張部に直接突出させて、蒸気導入路に導入した蒸気と接触するようにしてあり、拡張部に導入された蒸気がそこで旋回しながら上部に抜ける流れに、容器側の底部にまで通じる蒸気通路を通じセンサ部に上ってくる容器側の熱気と合流してセンサと接触するので、蒸気による沸騰検知が正確に行われにくいものとなっている。このため、沸騰の検知が実際の沸騰に対して遅れたり、早まったりする問題がある。
【0004】
そこで、本出願人は、器体側からハンドル上部内に蒸気を導入し排出を図る蒸気通路の途中からセンサ室を分岐させて、蒸気通路よりセンサ室に分岐し流入する蒸気がセンサに接触するようにし、センサ室に器体側の熱気が及び難く蒸気温度から沸騰を正確に検知できる電気ケトルを先に提案している。
【0005】
ところが、先の提案では、蒸気通路から分岐したセンサ室は袋小路になっているにもかかわらず、蒸気通路に対し単にストレートに開放しているだけで、蒸気通路の蒸気はセンサ室の通路一杯に逃げ場のない状態で入り込み、過剰な結露水が発生して流出しようとするのと後続蒸気が流入するのと拮抗して、蒸気の更新不良による沸騰の検知遅れ、結露水過剰による気化発散不良といった心配がある。
【0006】
本発明の目的は、蒸気通路の蒸気がセンサ室に余裕を残して入り込んで更新性よくセンサに接触し、結露水の多量発生なくスムーズに気化発散される電気ケトルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の電気ケトルは、ヒータにより湯沸かしを行う器体と、この器体の蓋体と、器体の外まわりに設けたハンドルと、器体内で発生する蒸気を導入して蒸気センサに接触させるハンドル上部のセンサ室と、を備えたハンディタイプの電気ケトルにおいて、器体側からハンドル上部内に蒸気を導入し排出を図る蒸気通路の途中からセンサ室を分岐させて、蒸気通路よりセンサ室に分岐し流入する蒸気が蒸気センサに接触するようにし、前記蒸気通路とセンサ室との蒸気通路上流側の分岐点に、蒸気通路下流側に延びて蒸気通路からセンサ室への蒸気の流入域を規制するように蒸気通路側とセンサ室側とを部分的に仕切る仕切り壁を設けたことを特徴としている。
【0008】
このような構成では、蓋体により、湯沸かし時に器体から生じる蒸気を位置や範囲を制限して外部に放出させながら、外部への放出が制限されることにより生じる蒸気圧にて、器体で発生する蒸気の一部を器体側からハンドル側の蒸気通路に流入させて排出させる途中で、蒸気通路から分岐したセンサ室にも流入させて蒸気センサに接触させて沸騰を検知させるのに、蒸気通路とセンサ室との蒸気通路上流側の分岐点に蒸気通路下流側に向け延びる仕切り壁によりセンサ室への蒸気の流入域を規制し、センサ室には仕切り域を残した片寄った範囲から適量流入させるので、結露水が過剰にならずに流入蒸気との拮抗なくスムーズに蒸気通路に戻しながら、センサ室内に片寄って流入した蒸気に反片寄り側に回り込む流れを与えながら更新性よく蒸気センサに接触させやすい。
【0009】
上記において、さらに、センサ室は、ハンドルの器体外面から立ち上がる上部連結腕内に位置し、この上部連結部の周壁の少なくとも下部が、センサ室を形成しているセンサケースと二重壁構造をなしていることを特徴とすることができる。
【0010】
このような構成では、上記に加え、さらに、ハンドルの器体外面から立ち上がる上部連結腕は、ハンドルを把持して器体を取り扱うときに大きな負荷が掛る部分で十分な大きさおよび強度とされるところ、この上部連結腕内にセンサ室を専用のセンサケースを有して内蔵し蒸気通路に臨ませるだけで分岐構造が得られる。特に、上部連結部の周壁の少なくとも下部はハンドルを握った手が接触しやすいが、この部分がセンサケースと二重壁構造をなしているので、ハンドルの上部連結部の外面にまでセンサ室に導入される蒸気の熱を伝わりにくくすることができる。
【0011】
上記において、さらに、二重壁構造は、二重壁間に空隙を有していることを特徴とすることができる。
【0012】
このような構成では、上記に加え、さらに、二重壁間の空隙は空気断熱部となるので、センサ室の蒸気の熱が上部連結部の周壁の下部に伝達されるのをさらに抑えられる。
【0013】
上記において、さらに、センサ室は、上端部に器体側からの蒸気導入口を持ち器体に沿って下方に延びる縦向きの蒸気通路に対し器体から離れる側に分岐し、仕切り壁は、センサ室の蒸気通路に対する上部分岐点から下向きに延びていることを特徴とすることができる。
【0014】
このような構成では、上記に加え、さらに、センサ室が上端部に器体側からの蒸気導入口を持ち器体に沿って下方に延びる縦向きの蒸気通路に対し器体から離れる側に分岐していることで、ハンドルの上部連結腕と器体の外面とがT字型になる連結形態に適応して設けられる。また、仕切り壁が蒸気通路とセンサ室の上流側分岐点を上方基部として下向きに延び、蒸気通路の下流となる下方に向かう蒸気と順方向となってその流れを乱すことなくセンサ室の下側に片寄って流入させられるし、生じる結露水はセンサ室の下部から仕切り壁による邪魔や流入蒸気との拮抗なく蒸気通路に自然流下させ排出側に向かわせられる。
【0015】
上記において、さらに、蒸気通路からセンサ室が分岐する下流側分岐点に、センサ室側から仕切り壁よりも蒸気通路側に突出して蒸気を受け止めてセンサ室側に案内するガイド部を持ち、センサ室の底面はガイド部を含め蒸気通路側に下向きに傾斜していることを特徴とすることができる。
【0016】
このような構成では、上記に加え、さらに、蒸気通路からセンサ室が分岐する下流側分岐点に設けたガイド部が、センサ室側から仕切り壁よりも蒸気通路側に突出して下流側に向かう蒸気の一部を受け止めセンサ室側に案内するので、センサ室への蒸気の流入をよりスムーズにし、しかも、ガイド部と仕切り壁下端との間でセンサ室に流入する蒸気量を設定通りに規制することができる。併せ、センサ室の底面のガイド部を含めた蒸気通路側への下向きな傾斜によってセンサ室で生じる結露水を蒸気通路にスムーズに流し去ることができる。
【0017】
本発明のそれ以上の特徴は、以下の具体的な説明および図面によって明らかになる。また、本発明の各特徴はそれ自体単独で、あるいは複合して種々な組み合わせで採用することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の電気ケトルによれば、蓋体により位置や範囲を制限して蒸気を外部に放出させ使用の安全を図りながら、前記制限下での蒸気圧にて蒸気の一部を器体側からハンドル側の蒸気通路に流入さて排出側に向かわせる途中で、一部の蒸気を蒸気通路から分岐しているセンサ室側に流入させて蒸気センサに接触させ、沸騰の検知に供するが、センサ室への蒸気の流入を、蒸気通路上流側の分岐点から蒸気通路下流側に延びる仕切り壁によって規制して、流入蒸気量やそれの結露水が過剰にならず、蒸気は更新性よく蒸気センサに接触させて沸騰を検知しやすくできるし、結露水は蒸気通路にスムーズに戻して気化、発散させやすい。
【0019】
上記に加え、さらに、センサ室は、ハンドルを把持して器体を取り扱うときに大きな負荷が掛る部分で十分な大きさおよび強度とされる上部連結腕を利用して、専用のセンサケースを有した単独製品として内蔵し蒸気通路に臨ませるだけで分岐構造が簡単かつ安価に得られるので、特にコスト上昇の原因にはならない。しかも、上部連結部の周壁の少なくとも下部はハンドルを握った手が接触しやすいが、センサケースと二重壁構造をなしてセンサ室に導入される蒸気の熱を伝わりにくくして、ユーザに熱い思いをさせるようなことを防止できる。
【0020】
上記に加え、さらに、二重壁間の空隙は空気断熱部となるので、センサ室の蒸気の熱が上部連結部の周壁の下部に伝達されるのをさらに抑えて、ユーザ保護がより図れる。
【0021】
上記に加え、さらに、上端部に器体側からの蒸気導入口を持ち器体に沿って下方に延びる縦向きの蒸気通路の途中からセンサ室が器体から離れる側に分岐して、ハンドルの上部連結腕と器体の外面とのT字型の連結形態に適応し、特別な形態の付加や変更なしに簡単かつ安価に設けられる。また、仕切り壁が蒸気通路とセンサ室の上流側分岐点を上方基部として下向きに延び、蒸気通路の下流となる下方に向かう蒸気と順方向となってその流れを乱すことなくセンサ室の下側に片寄ってスムーズに流入させられるし、生じる少量の結露水はセンサ室の下部から仕切り壁による邪魔や流入蒸気との拮抗なく蒸気通路に自然流下させ気化、発散されやすく排出側に向かわせられる。
【0022】
上記に加え、さらに、蒸気通路からセンサ室が分岐する下流側分岐点に設けたガイド部が、センサ室側から仕切り壁よりも蒸気通路側に突出して下流側に向かう蒸気の一部を受け止めてセンサ室側に案内するので、センサ室への蒸気の流入をよりスムーズにするのに併せ、ガイド部と仕切り壁下端との間でセンサ室に流入する蒸気量を設定通りに規制して沸騰の検出精度を高められる。しかも、センサ室の底面のガイド部を含めた蒸気通路側への下向きな傾斜によってセンサ室で生じる結露水を蒸気通路にスムーズに流し去ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図1〜図8を参照しながら説明する。しかし、本発明は、特に限定的な記載がない限りは、本発明の範囲を以下の実施形態に限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
【0024】
本実施の形態のハンディタイプ電気ケトルは、図1に示すように、ヒータ1により湯沸かしを行う器体4と、この器体4の蓋体5と、器体4の外まわりに設けたハンドル9と、器体4内で発生する蒸気を導入して蒸気センサ26に接触させるハンドル9上部のセンサ室30と、を備え、蓋体5により、湯沸かし時に器体4から生じる蒸気を位置や範囲を制限して外部に放出させながら、外部への放出が制限されることにより生じる蒸気圧にて、器体4で発生する蒸気の一部を器体4側からハンドル9側の蒸気通路31に流入させて排出させる途中で、蒸気通路31から分岐したセンサ室30にも流入させて蒸気センサ26に接触させて沸騰を検知させる。
【0025】
本実施の形態はこのような電気ケトルにおいて、特に、図1、図2に示すように、器体4側からハンドル9上部内に蒸気を導入し排出を図る蒸気通路31の途中からセンサ室30を分岐させて、蒸気通路31よりセンサ室30に分岐し流入する蒸気が蒸気センサ26に接触するようにし、蒸気通路31とセンサ室30との蒸気通路31上流側の分岐点に、蒸気通路31下流側に延びて蒸気通路31からセンサ室30への蒸気の流入域を規制するように蒸気通路31側とセンサ室側30とを部分的に仕切る仕切り壁32を設けている。これにより、蒸気通路とセンサ室との蒸気通路上流側の分岐点に蒸気通路下流側に向け延びる仕切り壁によりセンサ室への蒸気の流入域を規制し、センサ室には仕切り域を残した片寄った範囲から適量流入させるので、結露水が過剰にならずに流入蒸気との拮抗なくスムーズに蒸気通路31に戻しながら、センサ室30内に片寄って流入した蒸気に反片寄り側に回り込む流れを与えながら更新性よく蒸気センサ26に接触させやすい。
【0026】
この結果、蓋体5により位置や範囲を制限して蒸気を外部に放出させ使用の安全を図りながら、前記制限下での蒸気圧にて蒸気の一部を器体4側からハンドル9側の蒸気通路31に流入さて排出側に向かわせる途中で、一部の蒸気を蒸気通路31から分岐しているセンサ室30側に流入させて蒸気センサ26に接触させ、沸騰の検知に供するが、センサ室30への蒸気の流入を、蒸気通路31上流側の分岐点から蒸気通路31下流側に延びる仕切り壁32によって規制して、流入蒸気量やそれの結露水が過剰にならず、蒸気は更新性よく蒸気センサに接触させて沸騰を検知しやすくできるし、結露水は蒸気通路にスムーズに戻して気化、発散させやすい。
【0027】
また、センサ室30は、ハンドル9の器体4外面から立ち上がる上部連結腕109内に位置し、この上部連結部109の周壁の少なくとも下部が、センサ室30を形成している図3に示すようなセンサケース130と、図1、図2に示すように二重壁構造をなしている。これにより、ハンドル9の器体4外面から立ち上がる上部連結腕109は、ハンドル9を把持して器体4を取り扱うときに大きな負荷が掛る部分で十分な大きさおよび強度とされるところ、この上部連結109内にセンサ室30を専用のセンサケース130を有して内蔵し蒸気通路31に臨ませるだけで図1、図2に示すような分岐構造が得られる。しかも、上部連結部109の周壁の少なくとも下部はハンドル9を握った手が接触しやすいが、この部分がセンサケース130と二重壁構造をなしているので、ハンドル9の上部連結部109の外面までセンサ室30に導入される蒸気の熱が伝わりにくいようにして、ユーザが熱い思いをするのを防止できる。ここで、二重壁構造はさらに、二重壁間に図2に示すような空隙111を有したものとしてあり、この二重壁間の空隙111は空気断熱部となるので、センサ室30の蒸気の熱が上部連結部109の周壁の下部外面に伝達されるのをさらに抑える安全が図れる。
【0028】
さらに具体的には、センサ室30は、上端部に器体4側からの蒸気導入口としての器体4側との接続口4d2を持ち器体4に沿って下方に延びる縦向きの蒸気通路31に対し器体4から離れる側に分岐し、仕切り壁32は、センサ室30の蒸気通路31に対する上部分岐点から下向きに延びたものとしている。このように、センサ室30が、上端部に器体4側からの蒸気導入口としての器体4側との接続口4d2を持ち器体4に沿って下方に延びる縦向きの蒸気通路31に対し器体4から離れる側に分岐していることで、ハンドル9の上部連結腕109と器体4の外面とがT字型になる連結形態に適応して設けられる。また、仕切り壁32が蒸気通路31とセンサ室30の上流側分岐点を上方基部として下向きに延び、蒸気通路31の下流となる下方に向かう蒸気と順方向となってその流れを乱すことなくセンサ室30の下側に片寄って流入させられるし、生じる結露水はセンサ室30の下部から仕切り壁32による邪魔や流入蒸気との拮抗なく蒸気通路31に自然流下させ排出側に向かわせられる。
【0029】
さらに、図2に示すように、蒸気通路31からセンサ室30が分岐する下流側分岐点に、センサ室30側から仕切り壁32よりも蒸気通路31側に突出して、下流側に向かう途中の蒸気を受け止めてセンサ室30側に案内するガイド部130aを持ち、センサ室30の底面30aはガイド部130aを含め蒸気通路31側に下向きに傾斜するようにしている。これにより、蒸気通路31からセンサ室30が分岐する下流側分岐点に設けたガイド部130aが、センサ室30側から仕切り壁32よりも蒸気通路31側に突出して下流側に向かう蒸気の一部を受け止めてセンサ室30側にその底面30aに沿う底面30a側に片寄ってスムーズに流入させて反片寄側となる非底面30a側にUターンさせてセンサ室30に下向きに露出している蒸気センサ26のバイメタル26aに確実に接触させられる。しかも、ガイド部130aと仕切り壁32下端との間でセンサ室30に流入する蒸気量を設定通りに規制して沸騰の検知精度を高められる。併せ、センサ室30の底面30aのガイド部130aを含めた蒸気通路31側への下向きな傾斜によってセンサ室30で生じる結露水を蒸気通路にスムーズに流し去ることができる。
【0030】
さらに詳述すると、器体4は図1に示すように、ヒータ1により湯沸かしを行うステンレス鋼などよりなる金属製の内容器2を樹脂製の外装ケース3に収容して構成してあり、蓋体5は、内容液を器体4の上端前部に向け注出させる注出路6と、この注出路6を開閉する開閉機構7と、蒸気を外部に逃がす転倒時止水機能付きの蓋蒸気通路8とを設けてある。これにより、湯沸かし容器である内容器2が外装ケース3に覆われて、使用者が直接触れて熱い思いや火傷を負うようなことがないし、外装ケース3が樹脂製であることによる断熱性と、内容器2および外装ケース3間の空気断熱作用も手伝って、器体4外面の温度を抑えられるので、手を触れた時の熱的安全性が高まる。また、それらの断熱効果によって加熱効率も幾分高まる。
【0031】
また、蓋体5によって内容器2を閉じ、蓋体5に設けた注出路6を開閉機構7によって開いたときだけ内容液が注出でき、湯沸かし時を含む非注出時に器体4が転倒しても注出路6を通じた内容液の流出は防げる。さらに、蒸気は蓋体5に設けた所定の蓋蒸気通路8を通じて所定の経路で所定の安全位置、具体的には、開閉機構7の蓋体5外部からの操作部11や蓋体5の蓋体5外部からの着脱機構12の外部操作部が設けられる位置から離れた、例えば、図1に示す蓋体5の後部にて放出するようにするので、器体4の注口13から無制限に放出される危険を抑えられるし、転倒時止水機能、つまり蓋蒸気通路8に設けた転倒時止水弁14が、器体4の転倒に応動して蓋蒸気通路8を塞ぐ位置に移動する止水機能により、器体4が転倒しても内容液が蓋蒸気通路8を通じて流出するのを防止することができる。
【0032】
しかし、着脱機構を必須としないまでも、既述したように転倒時止水弁14のように動作機構を持った蓋蒸気通路8の採用は、製品コスト上昇の原因になり、低コスト機種に採用しにくい。そこで、本実施の形態では、蓋蒸気通路8は、蓋体5外部への蒸気放出口47の下流に、器体4の転倒時に流入してくる内容液16を溜めまたはおよび迂回させて蓋体5外部への蒸気放出口47に至るのを阻止しまたは遅らせる転倒時流出防止部8を有したものとしている。
【0033】
これにより、蓋体5は注出路6および蓋蒸気通路8の機能上、内容器2内を器体4外に通じさせて、内容液16の注出、蒸気の外部への放出を図るが、注出通路6は、内容液16を注出するとき以外、開閉機構7により確実に閉じられるので、湯沸かし時を含む非注出時に器体4が転倒しても内容液16が注出路6を通じて器体4外に流出することはない。また、蓋蒸気通路8は、常時開放されて湯沸かし時はもとよりその後も発生する蒸気を蓋体5の蒸気放出口47から外部に放出して、器体4内が昇圧するのを防止しながら、器体4が転倒して蓋蒸気通路8に内容液16が流入してきても、この内容液16を転倒時流出防止部8aが溜め置き、あるいは迂回させて、蒸気放出口47に至るのを阻止または遅らせることができる。
【0034】
この結果、蓋体5が注出路6、蓋蒸気通路8で内容器2内から器体5外に通じて内容液16の注出、蒸気の外部への放出を図るのに、内容液16の注出時以外は注出路6を開閉機構7にて閉じ、非注出時に器体4が転倒しても内容液16が器体4外に流出させないし、蓋蒸気通路8の常時開放で湯沸かし時やその後発生する蒸気を外部に放出し器体4内の昇圧を防止しながら、器体4の転倒で蓋蒸気通路8に内容液16が流入しても転倒時流出防止部8aでの溜め置きや迂回にて蒸気放出47に至るのを阻止または遅らせるので、動作部のない簡単かつ低コストな構造にて内容液が蓋蒸気通路8を通じ早期に、多量に外部に流出するようなことを回避することができる。従って、器体4が転倒しても器体4を起こせば内容液16が流出してしまうのを阻止しやすく、まわりを濡らしたりすることが回避できる。
【0035】
蓋蒸気通路8は、器体4の転倒時に蓋蒸気通路8を閉じる前記転倒時止水弁14をも有するものとし、転倒時流出防止部8aは、転倒時止水弁14と蒸気放出口47との間に設けてある。これにより、器体4が転倒したとき、転倒時流出防止部8aによる内容液16の流出防止に併せ、転倒時止水弁14が働いて蓋蒸気通路8を閉じて止水することができ、器体4の転倒時、転倒時流出防止部8aでの内容液16の流出防止に併せ、転倒時止水弁14が働いて蓋蒸気通路8を止水状態に閉じ、内容液12の流出防止機能が倍加するので、高価機種に好適である。特に、転倒時流出防止部は転倒時止水弁の下流にて、器体が転倒して停止するまで転倒時止水弁が止水位置に安定しないことに対応した短い時間の間の極く少量の内容液を受け入れて以降への流出を防止すればよくなり、外部への流出を阻止しやすいし、内容液が流入しても少量に抑えやすく措置が省略できたり、措置するにも容易になる。
【0036】
また、蒸気センサ26が沸騰を検知したときヒータ1をオフするので、特別な制御、蓋体5側の電気装備なしに、加熱を停止することができ、蓋蒸気通路8は転倒時流出防止8aから蒸気放出口47と蒸気センサ26とに通じて、器体4の転倒時でも内容液16が蒸気放出口47へはもとより、蒸気センサ26にも至るのを防止することができる。また、蒸気放出口47に加え、蒸気センサ26にも蒸気を送り込む蒸気経路が転倒時流出防止部8aから単純に分岐するだけでよくなる。
【0037】
この結果、蒸気センサ26が器体4側で蒸気に触れて沸騰検知時にヒータ1をオフすることにより、特別な制御、蓋体5側の電気装を不要とするので、製品コストを抑えられ、蓋体5内容液給排や丸荒いなどに便利な着脱式にするのに好適となる。また、蓋蒸気通路8が転倒時流出防止部8aから蒸気放出口47と蒸気センサ26とに通じ、器体4の転倒による内容液の16、蒸気放出口47からの流出防止に併せ、蒸気センサ26への流入を防止して電気的安全が図れるし、蒸気センサ26への蒸気経路31は転倒時流出防止部8aから単純に分岐すればよく、シール性や止水条件を確保しやすい。
【0038】
また、転倒時流出防止部8aは、蓋蒸気通路8を局部的に拡張した液溜め部としてあり、蒸気放出口47への連通部と蒸気センサ26への連通部とを仕切り壁94により仕切られたものとしている。このように、転倒時流出防止部8aが、蓋蒸気通路8を局部的に拡張した液溜め部であることにより、内容器2での発生が活発化した蒸気を充満させながら、仕切り壁94による振り分け作用の基に静圧の高まりを利用して、蒸気放出口47への放出に加え、蒸気センサ26へも確実に送り込んで蒸気センサ26に触れさせられる。この結果、転倒時流出防止部8aが、液溜め領域で発生が活発化した蒸気を充満させながら、仕切り壁94による振り分け作用の基に静圧の高まりを利用して、蒸気放出口47への放出に加え、蒸気センサ26へも確実に送り込んで蒸気センサ26に触れさせられ、沸騰が遅滞なく検知されるようにできる。
【0039】
ここで、仕切り壁94は、さらに、転倒時流出防止部8aから蒸気通路31に入る蒸気量を制限する仕切り機能によって、既述の仕切り壁32による蒸気通路31からセンサ室30への流入を制限するのと併せ、センサ室30に過剰に流入しないように二重規制することができる。従って、過剰な流入により生じやすく、多量になりやすい結露水が蒸気センサ26の電気特性に影響するのを防止し、また、結露水につき特別な処理が必要になるのを回避することができる。
【0040】
また、蒸気放出口47および蒸気センサ26は、注出口17とは反対の側の蓋体5後部側に設けている。このように、蒸気放出口47および蒸気検知部8aが注出口17とは反対側となる蓋体5の後部に位置することにより、蓋体5における器を持って受けたり開閉操作するなど人の手や顔が位置する機会の多い側となる注出口17から最も離れた安全な位置から蒸気を外部に放出使用上の安全が図れる。
【0041】
本実施の形態ではさらに、蓋体5に、図1に示すような内容器2内に開口した流出口15から内容液16を器体4の上端前部に向けた注出口17に向け注出させる注出路6と、この注出路6を開閉する開閉機構7と、蒸気を外部に逃がす転倒時止水機能付きの蓋蒸気通路8とを設けてある。また、内容器2は、ほぼストレートな胴部を有した円筒形状にて、蓋体5のシール部材21が器体4における所定のシール位置2aへの上方からの当接にて閉じられるようにし、流出口15は、蓋体5のシール部材21で囲われる領域において、内容器2の胴部壁前部2bに対し、平面視した近傍に開口縁の前部15aが位置するように設けている。
【0042】
このように、内容器2がほぼストレートな胴部を持った円筒形状をなし、蓋体のシール部材21が所定のシール位置2aへの上方からの当接にて閉じられるものであると、内容器2の口部は、器体4の肩部4aや蓋体5側との内嵌合や内側への回り込みを必須とせず、蓋体5のシール部材21で囲われる領域において、内容器2の胴部壁前部2bに対し、平面視した近傍位置に注出路6の流出口15の開口縁の前部15aが位置することにより、相互間を先行例よりも小さくしやすく、小さくした分だけ、内容液16を注出する際の器体4を傾け角度に対する残量を先行例よりも少なくすることができる。これを、器体4を水平まで傾けたときの残量は各段に少なくなる。
【0043】
また、内容器2の上端部2aの径、つまり内径が胴部径と同一または、ほぼ同等となり、蓋体5のシール部材21が所定のシール位置2aへの上方からの当接にて内容器2を閉じる蓋体5と共に、器体4の胴部径内で大きくなり、蓋体5に注出路6、開閉機構7、蓋蒸気通路8をそれらに必要な機能を満足して、集約配置しやすくなる。
【0044】
これらの結果、ほぼストレートな胴部を持った内容器2が、蓋体5のシール部材21の所定のシール位置2aへの上方からの当接にて閉じられ、蓋体5のシール部材21で囲われる領域において、内容器2の胴部壁前部2bおよび注出路6の流出口15の開口縁の前部15a相互間を直近させやすく、器体4の傾け角度に対する残量が少なくなり、器体4の小さな傾け角度で内容液を効率よく流出させられ使用しやすいものとなる。また、内容器2の胴部径とほぼ同等となって容積効率を高められる大径の上端部2aにシール部材21を当接する蓋体5が器体4のかさ張りなしに大きくなって、上下の重なりなしにも、つまりかさ張りなしにも、蓋体5に注出路6、開閉機構7、蓋蒸気通路8をそれらに必要な機能を満足して集約配置することを満足して、器体4の胴部まわりを先行例よりもスリム化できる。
【0045】
以上のようなシール位置2aは、内容器2の上端に上方から当てがって接続する器体4の肩部4aの開口4b部などの一部であってもよいが、図示する例のように内容器2の上端部とすることにより、蓋体5がそのシール部材21を内容器2の上端の上端部2aに直に上方から当接して内容器2を閉じるようにすれば、シールがより確実で、シール性確保のために、シール部材21を内容器2の胴部が形成するそれとほぼ同径の上端部2a開口への内嵌合部や内当接部を設けるなどして、内側に張り出させたり、回り込ませたりせずに済み、蓋体5に設ける流出口15の開口縁の前部15aを内容器2の胴部壁前部2bにより近づけやすくなる。しかも、シール位置2aをなす内容器2の上端部2aが、図示するような外向きに折曲した外向きフランジ2aとすると、この外向きフランジ2aは上方から当接するシール部材21との広い当接面を提供することになり、シール性をさらに高められるので、シール部材21のシール性確保のために上端部2a内側に張り出してシールするようなシール構造を不要にするのに好適である。また、外向きフランジ2aは図に示すように肩部4aの開口4bの下部の段部4a1にシールパッキン22を介し下方から支持することで、器体4側の内容器2との内嵌合なしに双方を接続するのに好適である。
【0046】
この場合、図1に示すように、器体4の肩部4aと胴部4cとを樹脂で一体成形した本体部41の下端に、樹脂成形した底部42を下方から当てがい、底部42と内容器2の底部とをねじ23により連結することにより、器体4の組み立てが簡単に行えるし、メンテナンスも可能である。もっとも、ヒータ1は内容器2の底部に固定しておくのが密着性など加熱効率の面で有利となり、ヒータ1への内部給電機器部24は底部42の側に固定しておくのが外部給電機器部25との接続が、図示するもののように直接の嵌合により行えるなど便利である。しかし、本体部41と底部42との連結に先立って、ヒータ1側と内部給電機器部24とは予め結線を終えておく必要があり、かつ結線は非連結な本体部41、底部42間での結線作業、本体部41、底部42双方を分離しての結線解除や部品の交換といった作業を可能とする引き回し長さが必要である。
【0047】
さらに、本体部41と底部42との上下方向の連結構造は、その連結時に、図示するような本体部41の下向きに開放した保持穴41aと底部42の上向きに開放した保持穴42aとの間に、ハンドル9を挟み込んで組み付けることができ、器体4にハンドル9を設けることが容易になるし、取り外しによる単独でのメンテナンスも可能である。
【0048】
これには、ハンドル9の器体4への取り付け基部9aが本体部41、底部42の双方か、それら連結部から一方の側に及ぶ大きさや形態である必要があり、図示例のように連結部が器体4の下部寄りとなるような場合、それを満足するには上下に長い大きさおよび形態が好適となる。図示例では、ハンドル9およびその取り付け基部9aが記述の上部連結腕109を含んでほぼ矩形のループをなすように、内周のループ体9bと、これの把持部外側に嵌め合わされる把持部外周壁9c、および取り付け基部9a外側に嵌め合わされる基部外周壁9dとで中空に形成してあり、その上部連結腕109内に蒸気センサ26を、センサ室30を形成するセンサケース130に収容したセンサユニットとして内蔵し、バイメタル26aが、沸騰温度検知とそれに伴う給電のオン、オフスイッチを兼用するようにしている。
【0049】
センサ室30が途中で分岐する縦向きの蒸気通路31は、そのセンサ室30の分岐位置より下流を、取り付け基部9a内に形成した復路31aとして、蒸気や結露水をハンドル9の下部に導き、そこにある出口32aから外部に流出させるようにしている。ここに、復路31aは器体4の近くに位置し、特に図示するように器体4のスリム化した胴部4cまわりでの復路32部分が、他の部分よりも内容器2に近くなるようにすることで、復路31a内を結露水が流れ落ちることがあっても内容器2側からの熱によって蒸発させやすく、結露水がそのまま外部に出てまわりを濡らすようなことを回避することができる。このために、復路31aの部分が多少昇温しても、ハンドル9を把持する手が触れる心配はなく熱的安全は確保される。
【0050】
このような蒸気センサ26部に流入した蒸気の、復路31aを通じた万一の場合の結露水と共の排出は、転倒時流出防止部8aとしての液溜まり8aから蒸気センサ26下に導入されUターンする蒸気を蓋体5側に逆流させないで、外部に抜けさせるように一方に通過させることになる。これにより、液溜まり8aでの蒸気の充満に伴い静圧が高まっていく蒸気を仕切り壁94による制限の基に、導入路31へ所定量経時的に分流させながら、仕切り壁32によるさらなる規制の基に、適量を蒸気センサ26に接触させられ、蒸気温度が沸騰相当温度に達したとき蒸気センサ26が即時に応動してヒータ1をオフできるようにすることができるようにしながら、蒸気通路31および復路31aへの蒸気進入量を必要最小限に抑えて結露水が生じにくく、生じても前記のように内容器2側からの熱によって発散されやすくすることができる。
【0051】
蒸気センサ26とヒータ1への給電回路との結線は、図に示すようにハンドル9の把持部内に設けた通路33を通じて配線したリード線34にて行うことで、蒸気通路31や復路31aから引き離し、蒸気や結露水が配線に影響しにくくしている。特に、蒸気センサ26付近では、蒸気通路31と通路33とを蒸気センサ26の取り付け部材35によって仕切り、より安全を図っている。蒸気センサ26はヒータ1のオン、オフスイッチを兼ねるために、板ばね36によってバイメタル26aを、ヒータ1への給電回路を開成状態に保つ位置と、閉成状態とに安定させる受動部材26bを有し、この受動部材26bと軸26cで連結した操作部材37が、軸26cを中心とした揺動と、操作部材37をハンドル9の上端後部側に露出させる操作窓38との間で、図1に実線で示すオフ位置と、仮想線で示すオン位置とに切り替え操作され、その位置に応じてバイメタル26aをオフ位置とオン位置とに切り替え、オン位置では蒸気の温度検出による沸騰検知時には操作部材37を伴い自己オフできるようにしている。このような蒸気センサ26は市販されている既成品である。
【0052】
開閉機構7は図1に示すように、蓋体5の器体4の上端前部に向け内容液を注出させる注出口17の後側近傍に位置するようにしてある。このように、開閉機構7が蓋体5の注出口17の後側近傍に位置することで、この開閉機構7によって開閉される注出路6の流出口15から注出口17までの全体が、蓋体5の前部側に寄ってスペース少なく設置できるし、開閉機構7の操作部11を注出口17ないしはそれが繋がる注口13の近傍として双方の視覚的な関連性を高められる。つまり、開閉機構7が蓋体5の注出口17の後側近傍に位置することで、開閉機構7によって開閉される注出路6の、流出口15から注出口17までの全体が、蓋体5の前部側に寄ってスペース少なく設置でき、他の必要装備の設置に有利になるし、開閉機構7の操作部11が注出口17ないしはそれが図示例のように繋がった注口13に近くなる双方の高い視覚的関連性にて、誤操作なく使用しやすいものとなる。
【0053】
また、蓋蒸気通路8は、開閉機構7とは反対の蓋体5後部側に設けてあることにより、蓋体5の後部寄りにスペース少なく設置できるし、蒸気を外部に放出するにも操作部11から十分に遠ざけられる。このように、蓋蒸気通路8が人が頻繁に操作部11で外部操作する開閉機構7側とは反対の蓋体5の後部側に位置し、蓋体5を大きくできることも手伝って、蒸気を外部に放出するにも操作部11から十分に遠ざけられ、蒸気に対する使用者の安全が図れる。この蓋蒸気通路8の転倒時止水機能は、器体4の転倒時に蓋蒸気通路8を閉じる各種弁体によって実現できる。蓋体5の流出口15が開口した底部壁42の下側に金属製の内蓋43を図1、図4に示すようにねじ44などにより取り付けて、樹脂製の蓋体5の熱的保護を行っているのを利用して、蓋体5の周壁45まわりに設けるシール部材21を蓋体5の外周と内蓋43の外周との間で挟持しているのに併せ、蓋体5の下板71の後部に内蓋43との間に弁室46を形成して既述した転倒時止水弁14を収容している。弁室46は蓋蒸気通路8の途中に位置する弁口46aを持った弁室上部46bと、この弁室上部46bに下方より接合されて、転倒時止水弁14の着座させる着座部46c、およびそのまわりの蒸気導入口46dを有した弁室下部46eとを有し、着座部46cの着座面46c1をすり鉢状として、その底部に転倒時止水弁14が同じ形状を持つなどして落ち着くようにしてある。
【0054】
これにより、器体4が着座面46c1の傾斜が水平に対し反転する程度に、傾いたとき、転倒時止水14が着座面46c1の傾斜に沿って弁口46aの側に移動してそれを閉じ、内容液16が蓋蒸気通路8を通じ外部に流出するのを防止することができ、内容液16が到達してくるとその動圧によってより確実に閉じられる。このような、弁室46は図示例のように蓋蒸気通路8の内容器2内近くに設けると、内容液16が蓋蒸気通路8の余計な部分へ流入するのを抑えられ、好適である。しかし、弁室46は、蓋蒸気通路8の複数個所に設けることで、止水機会を高められる。
【0055】
本実施の形態では、弁室46を複数設ける代わりに、弁口46aから蓋体5上面後部に開口する蒸気放出口47に至る途中に、転倒時止水弁14の閉じ遅れなどで蓋蒸気通路8の弁口46a以降に流入することがあっても、蓋体5が大きくなったことなどによるデッドスペースを利用して、前記転倒時流出防止部8aとして、蓋蒸気通路8が部分的に拡張した液溜め部8aを設けているが、これに代えて、迷路形態により流入した内容液16を迂回させて蒸気放出口47に達しないか、達するのを遅らせるようにすることができる。
【0056】
なお、以上のような着座面46c1の傾斜による転倒時止水弁14の止水位置への案内は、軸線まわりのどの方向でも行なわれ、器体4がどちらの向きに転倒しても上記止水は達成される。
【0057】
さらに、内蓋43を設けたことに関連して、内蓋43には図4に示すように、内容液16の注出や蒸気の放出を妨げないように、内蓋43の流出口15に対応する範囲には主として注出内容液16を通す連通穴48を、弁室46のまわりに対応して主として放出蒸気を通す連通穴49を設けてあり、この連通穴49、は内容液16を通しやすくするために多数設けている連通穴48よりも極端に少なく設けて、器体4の転倒時に内溶液16が大挙して弁室46に及ぶのを制限している。
【0058】
また、着脱機構12は、図1、図6に示すように、蓋体5の開閉機構7と蓋蒸気通路8との間に設けてある。これにより、蓋体5の着脱機構12が、蓋体5の前後にある開閉機構7と蓋蒸気通路8との間のデッドスペース52を利用して設置でき、蓋体の5前後方向での中央位置にて、蓋体5を器体4の側に位置および係止力に偏りなく係止しやすく、また安定に係止させられる。また、係止解除を伴い蓋体5を着脱するにも重量に偏りなく蓋体5を容易に取り扱える。
【0059】
具体的には、蓋体5は、器体4の肩部4aの開口4bの下部の段部4a1から上に形成した図1、図7に示すような凹陥部4dに蓋体5をある程度の遊びを持った嵌合を伴い、着脱機構12によって着脱できるようにしている。前記遊びを持った嵌合は、蓋体5および凹陥部4d双方の樹脂成形時の抜き勾配程度の緩い傾斜をなして、軸線方向に嵌合し、嵌合を外す、いわゆるプラグ嵌合形式に着脱するものとしている。
【0060】
このように蓋体5を着脱するのに着脱機構12は、図5、図6に示すように、蓋体5に露出して、親指と、これに対向する人差し指またはおよび薬指とを個別に掛けられるようにした外向きの操作片63a、63aを有した左右一対の係合部材63を蓋体5内に設け、これら係合部材63間に働かせたばね64によって各係合部材63の係合片63bが蓋体5の周壁45の直径線上左右2箇所に設けた窓45aから常時突出するようにしてある。これに対向して、器体4の肩部4aが形成する凹陥部4dの周面の直径線上左右2箇所に前記突出した係合片63bが係合する係止凹部65を図7に示すように形成してある。
【0061】
これによって、着脱機構12は、その左右一対の操作片63aに指を掛けると、ばね64による反発力によって、係合部材63をばね64に抗して後退させるようなことなく受け止められるので、それを内蔵している蓋体5を容易かつ安定して把持でき、自由に取り扱える。従って、蓋体5は着脱機構12によって把持し図1、図2に示すように、器体4の凹陥部4dに上方から軸線方向にてプラグ嵌合することができる。このプラグ嵌合の途中着脱機構12は、蓋体5の周壁45から突出している係合片63bが凹陥部4dの開口縁に上方から当接する。しかし、係合片63bはその突出部の下面が斜面63b1となっていることによって、凹陥部4dの開口縁により後退側への押動力を受け、ばね64に抗し後退させられる。このため、蓋体5は特別な操作なしに軽い押し込み力を与えるだけで、凹陥部4dへさらにプラグ嵌合していける。プラグ嵌合の最終段階蓋体5は、そのシール部材21を器体4側の所定のシール位置である内容器2の上端のフランジ2aに所定量圧接させて、内容器2を図1、図2に示すように閉じる。この閉じ状態になるのと同時に、係合部材63の係合片63bは凹陥部4d内面の係止凹部65と対向し合って凹陥部4d内面による押動から解放されるので、ばね64によって周壁45から再度突出させられて係止凹部65に係合する。これによって、係合片63bは平坦な上面が係止凹部65の同じく平坦な下面に引っ掛かり、蓋体5が上方に抜き出されるのを阻止するし、シール部材21の反発力によって前記係合部間を上下方向の圧接状態に保てる。つまり、蓋体5を前記の閉じ状態に係止し上下方向に安定させられる。もっとも、蓋体5の凹陥部4dへのプラグ嵌合は、一対の係合部材63の手操作による後退を伴い行うこともできる。
【0062】
ここで、係止凹部65は、係合片63bの受け入れ量をばね64に適度な圧縮状態を与える押し戻し位置に受け止めるように設計しておくことで、凹陥部4dに遊びを持ってプラグ嵌合されている蓋体5を、ばね64のばね力が左右バランスする中立位置に保持する左右の求心機能を発揮するので、蓋体5を左右方向にその中立位置、軸心位置に安定させられる。これに関連して、器体4の肩部4aに形成した注口13は、図1、図7に示すようにその基部に凹陥部4dに向け低くなる段差部4d1を形成して、蓋体5の注出口17を受け入れ繋がるようにしている。これにより、蓋体5の注出路6を通じ注出する内容液は、注出口17から注口13に流れて注ぎ出されることになり、注出口17から直接注出する場合に比し、注出口17が小さくて済み、蓋体5の単体での取り扱いが容易になるし、注口13との接続によって注出する内容液を器体4の胴部外面から必要量離れた位置から注ぎ出せる。併せ、注出口17の段差部2d1との嵌り合いは、蓋体5を凹陥部4dに上方からプラグ嵌合する際の、軸線まわりの位置決め機能を発揮するとともに、プラグ嵌合終了時点では、蓋体5を軸線まわりに回り止めする機能も発揮する。従って、係合片63bと係止凹部65との係合に蓋体5の軸線まわりに係脱を容易にするための適度な遊びを持ったものとして、蓋体5が前記軸線まわりにガタつくようなことを防止することができる。
【0063】
蓋体5はさらに、図1に示すように、周壁45を持った下板71とこれに上方から嵌合し、弾性係合、またはおよび、ねじ止めした上板70とで中空に形成してある。上板70には、既述の蒸気放出口47に加え、図5に示すように開閉機構7の操作部11を露出させる操作窓73、着脱機構12の操作片63aを突出させて着脱操作を行わせる着脱操作凹部74、および前記注出口17および注口13の上部に延びる注部蓋70aを一体成形している。下板71は、既述の弁室46に加え、図1に示す、下板71、上板70の間に挟み込んだ中間板75との間で、流出口15および注出口17を持った注出路6、注部蓋70aの下に合わさる注部内蓋75aを形成するのに併せ、中間板75、および中間板75と上板70との間に挟み込んだ補助中間板76を含んで、液溜まり8aを持った蓋蒸気通路8を形成すると共に、注出路6の後部に隣接して、内容器2内を蓋蒸気通路8の液溜まり8aに連通させて、内容液16の注出時に蒸気放出口47から内容器2内に外気を吸入して、内容器2内が負圧にならず内容液16の注出をスムーズに行わせる吸気路77を形成している。
【0064】
ここで、着脱機構12は、係合部材63が自身の窓63cが上板70の下板71との図6に示すような連結用のボス70aに嵌り合った状態で、上下板70、71の間に挟み込まれ、補助中間板76が形成する液溜まり8aの上方への突出形状によるガイド部8bと、これに対向するように上板70の下面に突設したガイド凸部70bとによる左右からの案内もあってスムーズに進退されて、蓋体5の係止、係止解除を伴う着脱が円滑に行われるようにしている。もっとも、係合部材63の前部側の案内は、ガイド凸部70bに代わる他の部分、例えば他の構造的な突出を利用したものであってもよく、場合により、液溜まり8aによる上方への突出部であってもよい。
【0065】
また、開閉機構7は、中間板75の流出口15に同心な位置に形成した図1に示すような摺動穴83に、図1に示すような弁軸84aを上下2箇所のOリングタイプのシール部材85を介し上下摺動できるように支持され、弁軸84aの下端弁体84bによって流出口15をその下方からシール部材86を介し離接して開閉する弁84を備え、この弁84の弁軸84aに開閉用の可動カム部材87を回転可能に連結してばね88により上動付勢し、この可動カム部材87の上下摺動を案内するように上板70の下面に形成したガイド筒70cの内周に、その円周方向に弁84の開き保持と、開き保持解除とを切り替えていくように複数組形成した固定カム91を形成し、これに可動カム部材87の外周に放射状に複数突出した可動カム87aを係合させて、可動カム部材87をばね88に抗し押し下げる都度、弁84を開き状態として開き保持位置に係止される回転位置と、開き保持を解除して上動復帰ができ弁84が閉じられるようにする回転位置とに順次切り替えることを繰り返すようになっている。このような構成は、ボールペンの芯を突出した状態と後退した格納状態とに切り替えるいわゆるノック機構などとして古くから知られるし、実開昭61−160831号公報などでも知られ、特別な特徴を必要とするものでもないので、ここでは詳細な図示および説明は省略する。
【0066】
本実施の形態では、特に、操作部11は図1に示すように可動カム部材87に上方から相対回動できるように嵌合したキャップ形状のものとして、外周係合片11aが図1に示すように操作窓73の開口縁73aに内側から係合して抜け止めされるだけのものとしてあり、可動カム部材87の押し下げはするが、その時々での可動カム部材87の弧回転には影響しないし、影響されないようにしている。また、弁84もその弁体84b上に一体に突出する図示しないガイドピンと下板71の図示しないガイド穴との嵌り合いで弁84の回転を防止し、可動カム部材87の回転に影響しないし、影響されないようにしている。なお、弁体84bに設けたシール部材86は、流出口15に隣接する吸気路77の下端開口77aに対向して離接し、弁84が閉じている間、つまり注出路6を閉じている非注出時の間閉じ、内容器2が所定の蓋蒸気通路8以外のルートで放出されないようにしている。
【0067】
以上のような蓋体5と器体4の凹陥部4dとのプラグ嵌合構造において、蓋蒸気通路8と蒸気通路31との接続は、蓋体5の周壁45と器体4の凹陥部4dとのプラグ嵌合域間でプラグ嵌合と同時に接続され、嵌合の解除によって接続が解除されるようにしている。このような接続は、蒸気が主として蒸気放出口47による所定位置から放出されるようにする立場や、蒸気通路31を通じ蒸気が蒸気センサ27部に確実に達して沸騰が遅滞なく検出されるようにする必要から、この接続部にて蒸気が漏れ出るのを防止する必要がある。このため、本実施の形態では図1、図2に示すようにシール部材92を介して接続するが、このようなシール部材92を介した接続であっても、既述のシール部材21とフランジ2aとの圧着のように、蓋体5を凹陥部4dにプラグ嵌合する軸線方向の圧着を伴って行うのがより確実である。しかし、プラグ嵌合領域は既述したように、蓋体5の周壁45と器体4の凹陥部4dとが若干の遊びを持ってプラグ嵌合した領域であることにより、軸線方向、つまり上下方向の圧着を伴う接続のための平面スペースを設けにくい。
【0068】
そこで、このプラグ嵌合領域での既述した抜き勾配を利用した斜め面間の軸線方向圧着を利用しようとしたが、蓋体5の凹陥部4dへのスムーズなプラグ嵌合を許容して、しかも、接続部間で十分なシールのためにシール部材92の十分な圧着状態を得るのは甚だ困難である。
【0069】
これに対応するのに、本実施の形態では、図1、図2に示すように、蓋体5の後部の蒸気放出口47の下部で、周壁45の抜き勾配面に対し、それよりも大きく傾斜した接続面45bを有して蓋蒸気通路8の接続口8cを貫通形成し、これに対応する蒸気導入口31bを、シール部材92が器体4の凹陥部4d内側に抜き勾配よりも大きく傾斜したシール面92aを有して突出するように接続口4d2を形成してあり、接続面45b、シール面92a間に、図17に示すようなプラグ嵌合時の、最大となる初期ギャップG>圧接代Sの関係を満足して、接続面45bがシール面92aに対する軸線方向の重なりを増すように、蓋体5が凹陥部4d内にプラグ嵌合されていき、重なり量がL0となる時点から接続面45bがシール面92aに接触し始め、以降重なり量が最大のL1となるまで接続面45bがシール面92aに圧接していき、最終圧接代Sを確保する。この最終の圧接代Sによって接続口8c、4d2どうしが蓋体5の凹陥部4dへのプラグ嵌合の終了と同時に、シール部材92の十分な圧接を確保して接続される。しかも、この圧接代S分の圧接には、プラグ嵌合最終段階の接続面45bとシール面92aとの残り重なり量L3の極限られた範囲の間でのみ摺動し合いながら圧接量を増大していくので、引っ掛かり合いはなく摺動抵抗もさほど働かないので、蓋体5のプラグ嵌合による装着は容易に達成される。蓋体5の抜き出しは圧接を軽減する方向になされるので、さらに軽快に行える。
【0070】
なお、圧接代Sは図2に示すように、接続面45bおよびシール面92a間で一様に設定してあるが、これを、接続面45bの傾斜角よりもシール面92aの傾斜角を大きくして、圧接代Sが接続面45bおよびシール面92a間の最上位側から最下位側に漸増するように設定すると、蓋体5を凹陥部4dにプラグ嵌合する時の、引っ掛かり回避や接続抵抗の軽減に有利としながら、最終段階でしっかりした接続状態は得られるようになる。
【0071】
接続口4d2は、周壁45に外向きに一体形成し、蒸気通路31の上端に臨むようにした鉤型筒4eに嵌め合わせて蒸気通路31と接続する弾性鉤型管93の内端部とし、そこにシール部材92を一体成形している。また、シール部材92は接続面45bの側に突出して内径側に向け湾曲したシールリップ92bを有し、このシールリップ92bの接続面45b側に凸となった湾曲面によってシール面92aを形成している。これによって接続口8c、4d2どうしのシール部材92を介した接続がより軽く、より接面の環状連続性と、十分な接面幅とを確保した十分な接面状態にて達成される。
【0072】
ところで、この接続面45bとシール面92aとの圧接代Sによる圧接の反力は、蓋体5の注出口17と器体4の注口13の段差部4d1との径方向での係合止め機能によって受けられ、蓋体5は凹陥部4dとの遊びを持ったプラグ嵌合の影響なく前後方向にも安定に保持されるし、接続口8c、4d2どうしのシール部材92を介した接続が緩んだり、接続不良となることはない。
【0073】
蓋蒸気通路8では蓋体5の後部に上下に分かれて存在することとなった蒸気放出口47と接続口8cとの間に、それらの設置高さ範囲にほぼ対応する液溜まり8aからの蒸気を、蒸気放出口47側と接続口8c側とに分岐させる前記の仕切り壁94を、蒸気放出口47の下方に臨むように形成してあり、沸騰段階で活発に発生する蒸気が通気抵抗の低い蒸気放出口47の側に抜けてしまうのを邪魔し、蒸気通路31側には下板71との間で所定の制限のもとに確実に回り込み蒸気センサ26によって沸騰が遅滞なく、確実に検知されるようにしている。逆に、下板71の蓋蒸気通路8の弁口46aが上向きに開口する部分での吸気路77が開口する側には、沸騰状態で活発に発生する蒸気が吸気路77を通って侵入しないように、蓋体5の後部側に案内する図1に仮想線で示すようなΓ型のガイド壁95を設けることもできる。
【0074】
最後に、器体4は図1に示すように、その底部42の下面に定置面101を有し、この定置面101によって給電台102の上に設置して、そこに設けられた外部給電器具25に内部給電器具24を接続して、給電台102を接続した家庭用電源などから給電され湯沸かしできるようにしているが、湯沸かし後は給電台102から取り外してハンドル9により持ち運び、必要位置に単独で定置し、その場で繰り返し注出に使用することができる。
【0075】
このような、給電台102には図18に示す例のように、家庭用電源に接続する電源コード103をコード巻き取りリール104と共に装備しておけば、使用に便利となる。なお、図示は省略するが巻き取りはばね力にて行ない、所定の引出位置に停止させるストッパ機構を持ったものとするのが好適であるが、これに限られない。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、蒸気通路の蒸気をセンサ室に適量流入させて更新性よくセンサに接触させて沸騰検知精度を高めながら、結露水の多量発生なくスムーズに気化発散させられる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態に係る電気ケトルの1つの例を示す断面図である。
【図2】同電気ケトルの要部断面図である。
【図3】同電気ケトルの蒸気センサを示す斜視図である。
【図4】同電気ケトルの蓋体を上下反転状態で示す斜視図である。
【図5】同電気ケトルの蓋体の正立状態での斜視図である。
【図6】同電気ケトルの蓋体の上板および補助中間板に着脱機構を組み合わせて見た斜視図である。
【図7】同電気ケトルの蓋体を取り外して見た斜視図である。
【符号の説明】
【0078】
1 ヒータ
4 器体
5 蓋体
9 ハンドル
16 内容液
17 注出口
26 蒸気センサ
31 蒸気通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒータにより湯沸かしを行う器体と、この器体の蓋体と、器体の外まわりに設けたハンドルと、器体内で発生する蒸気を導入して蒸気センサに接触させるハンドル上部のセンサ室と、を備えたハンディタイプの電気ケトルにおいて、
器体側からハンドル上部内に蒸気を導入し排出を図る蒸気通路の途中からセンサ室を分岐させて、蒸気通路よりセンサ室に分岐し流入する蒸気が蒸気センサに接触するようにし、前記蒸気通路とセンサ室との蒸気通路上流側の分岐点に、蒸気通路下流側に延びて蒸気通路からセンサ室への蒸気の流入域を規制するように蒸気通路側とセンサ室側とを部分的に仕切る仕切り壁を設けたことを特徴とする電気ケトル。
【請求項2】
センサ室は、ハンドルの器体外面から立ち上がる上部連結腕内に位置し、この上部連結部の周壁の少なくとも下部が、センサ室を形成しているセンサケースと二重壁構造をなしていることを特徴とする請求項1記載の電気ケトル。
【請求項3】
二重壁構造は、二重壁間に空隙を有していることを特徴とする請求項2に記載の電気ケトル。
【請求項4】
センサ室は、上端部に器体側からの蒸気導入口を持ち器体に沿って下方に延びる縦向きの蒸気通路に対し器体から離れる側に分岐し、仕切り壁は、センサ室の蒸気通路に対する上部分岐点から下向きに延びていることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の電気ケトル。
【請求項5】
蒸気通路からセンサ室が分岐する下流側分岐点に、センサ室側から仕切り壁よりも蒸気通路側に突出して蒸気を受け止めてセンサ室側に案内するガイド部を持ち、センサ室の底面はガイド部を含め蒸気通路側に下向きに傾斜していることを特徴とする請求項4に記載の電気ケトル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−291418(P2009−291418A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148035(P2008−148035)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(000003702)タイガー魔法瓶株式会社 (509)
【Fターム(参考)】