電気デバイス
【課題】正極または負極のズレや曲げを抑えて電気デバイスの耐振動性を向上させる。
【解決手段】正極、セパレータ、および負極がこの順に積層されて形成される電気デバイスにおいて、前記セパレータは、積層方向に垂直な方向の前記正極または前記負極の動きを規制するよう前記正極または前記負極の端部に接触する規制部を備えることを特徴とする。
【解決手段】正極、セパレータ、および負極がこの順に積層されて形成される電気デバイスにおいて、前記セパレータは、積層方向に垂直な方向の前記正極または前記負極の動きを規制するよう前記正極または前記負極の端部に接触する規制部を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気デバイス、特に電池等の蓄電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
電池等の蓄電デバイス(電気デバイス)において、正極、負極、又はセパレータの積層ズレが問題となる。特許文献1に開示された非水電解質二次電池において、正極又は負極の端部においてセパレータが立ち上がり、立ち上がった複数のセパレータの端部が互いに重なるように固定部材が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−204706号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の非水電解質二次電池において、セパレータの端部をまとめて固定するため、正極または負極(電極)のズレや曲げが完全に防止できず、改良の余地がある。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、正極または負極のズレや曲げを抑えて電気デバイスの耐振動性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様に係る電気デバイスは、正極、セパレータ、および負極がこの順に積層されて形成される。そして、前記セパレータは、積層方向に垂直な方向の前記正極または前記負極の動きを規制するよう前記正極の端部または前記負極の端部に接触する規制部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、正極または負極のズレや曲げを抑えて電気デバイスの耐振動性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(a)第一実施形態に係る非水電解質二次電池(電気デバイス)の積層方向に垂直な断面図である。(b)第一実施形態に係る非水電解質二次電池(電気デバイス)の積層方向の断面図である(図1のIb−Ibに沿った断面)。
【図2】第一実施形態に係る積層体の積層方向に沿った断面図である。
【図3】(a)第一実施形態に係るセパレータの斜視図である。(b)第一実施形態に係るセパレータの断面図である(図3(a)のIIIb−IIIbに沿った断面)。
【図4】第二実施形態に係るセパレータの斜視図である。
【図5】第二実施形態に係るセパレータの他の形態を示す斜視図である。
【図6】第三実施形態に係る積層体の一部断面図である。
【図7】第四実施形態に係る積層体の一部断面図である。
【図8】第五実施形態に係る積層体の一部断面図である。
【図9】第六実施形態に係る積層体の一部断面図である。
【図10】(a)第六実施形態に係る溶接部を示すセパレータの斜視図である。(b)第六実施形態に係る他の溶接部を示すセパレータの斜視図である。
【図11】セパレータの変形例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では図面を参照して本発明を実施するための形態について、さらに詳しく説明する。
【0010】
[第一実施形態]
図1(a)(b)は、第一実施形態に係る非水電解質二次電池1の構成を示す断面図である。本実施形態において、非水電解質二次電池1は、電気デバイス(蓄電電気デバイス)の一例として示すものである。又、第一実施形態において、非水電解質二次電池1は、リチウムイオン電池であるが、これに限定されるものではない。図1(a)は、積層体2の積層方向に垂直な断面図である。図1(b)は、積層体2の積層方向に沿った断面図である。非水電解質二次電池1は、積層体2と、積層体2を内包するアルミラミネートフィルム3で内包されている。積層体2は、発電を行う発電要素であり、アルミラミネートフィルム3内で電解液7に浸漬されている。積層体2の正極4は、電極タブ8aに接続され、積層体2の負極6は、電極タブ8bに接続されている。
【0011】
図2は、積層体2の積層方向に沿った断面図である。積層体2(発電要素)において、正極4、セパレータ5、および負極6がこの順に積層されている。以下に、積層体2の製造方法を具体的に示す。
【0012】
正極4は、正極活物質と導電助剤とバインダーとを所定の比で混合した正極スラリーを正極集電箔4aに塗布し、乾燥させて作製される。本実施形態において、正極集電箔4aは、厚さ約20μmのアルミニウム箔であるが、他の材料も使用できる。本実施形態において、正極活物質は、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)である。なお、正極活物質は、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、又は、コバルト酸リチウム(LiCoO2)等の他のリチウム複合酸化物でもよい。導電助剤は、例えば、アセチレンブラックである。バインダーは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)である。
【0013】
具体的には、正極スラリーは、85重量%のLiMn2O4と、5重量%のアセチレンブラックと、10重量%のPVdFの混合物をスラリー粘度調整溶媒(N−メチルピロリドン(NMP))に溶かしたものである。なお、正極スラリーは、92重量%のLiMn2O4と、5重量%のアセチレンブラックと、3重量%のスチレンブタジエンゴムの混合物をスラリー粘度調整溶媒(N−メチルピロリドン(NMP))に溶かしたものでもよい。正極スラリーは、正極集電箔4aの両面に塗布され、乾燥後に成形され正極活物質層4bとなる。正極4は、正極活物質層4bの厚みが正極集電箔4aの片側で60μmになるようにプレスによって成形される。
【0014】
セパレータ5は、微小な孔を多数含んだ微多孔性のポリエチレンフィルムで形成される。セパレータ5は、厚み15μmとなるように板状に形成される。その後、後述するようにセパレータ5の中央部はプレスされる。
【0015】
負極6は、負極活物質とバインダーとを所定の比で混合した負極スラリーを負極集電箔6aに塗布し、乾燥させて作製される。本実施形態において、負極集電箔6aは、厚さ約20μmの銅箔であるが、他の材料も使用できる。負極活物質は、ハードカーボン等の炭素材料である。バインダーは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)である。
【0016】
具体的には、負極スラリーは、90重量%のハードカーボンと、10重量%のPVdFの混合物をスラリー粘度調整溶媒(N−メチルピロリドン(NMP))に溶かしたものである。負極スラリーは、負極集電箔6aの両面に塗布され、乾燥後に成形され負極活物質層6bとなる。負極は、負極活物質層6bの厚みが負極集電箔6aの片側で60μmになるようにプレスによって成形される。
【0017】
電解液(液体電解質)7は、非水電解質として有機系のものが使用される。電解液7は、溶質として6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/Lの濃度で有機溶媒に溶解したものが用いられる。有機溶媒は、エチレンカーボネイト(EC)とジエチレンカーボネイト(DEC)を体積比1:1の配合比で混合した液体混合物である。
【0018】
以上のように作製された正極4、セパレータ5、負極6は切断された後積層され、積層体2が作製される。積層体2はアルミラミネートフィルム3に内包される。アルミラミネートフィルム3において、積層体2の四方の1辺に対向する部分は開放され、その1辺から電解液7が注入される。その後、アルミラミネートフィルム3の内部は、真空引きされて、封止される。
【0019】
本実施形態の特徴であるセパレータ5の構成について説明する。
【0020】
図3(a)(b)に本発明のセパレータ5の詳細な構成を示す。セパレータ5の中央部において、凹部51が積層方向の両面に形成されている。凹部51を有するセパレータ5は、平板状(四角形状)のセパレータ用部材の両面をプレスすることによって成形される。凹部51は、積層方向に垂直なセパレータ5の平板部(凹部の底面)5a、及び、平板部5aから積層方向(即ち平板部5aに垂直な方向)に延びるセパレータ5の壁部5bから構成される。セパレータ5の平板部5aの主面には電極が置かれ、凹部51は、電極(即ち、正極4又は負極6)を収容する。セパレータ5の壁部5bは、積層体2の積層方向に垂直な方向の電極の動きを規制するように電極の端部に接触する規制部30として機能する。
【0021】
また、セパレータ5は、隣のセパレータに壁部5bで接する。そして、セパレータ5は、積層方向に垂直な方向の最外側である最外周部9において、隣のセパレータに溶着される。電極とセパレータ5は、セパレータ5が電極を収容するような態様で積層されて、積層体2を構成する。
【0022】
−作用効果−
このように本実施形態によると、低コストで、正極4又は負極6である電極のズレや曲げを抑えることができ、耐振動性を向上させて電池性能の低下を避けることが可能となる。これは、セパレータ5が、積層方向に垂直な方向の電極(即ち、正極4又は負極6)の動きを規制するよう電極の端部に接触する規制部30を備えるためである。また、このため、容易にセパレータ5に対する電極の位置決めできる。さらに、電極の端部(エッジ部)をセパレータ5で保護することになり、電極やセパレータ5の劣化を抑制できる。またさらには、セパレータに溶着代を設ける必要がなくなるため、電極を大きくでき電池容量が向上する。
【0023】
規制部30は、電極(即ち、正極4又は負極6)が置かれるセパレータ5の平板部5aと、平板部5aから積層方向に延びる壁部5bとを備える。このため、さらに低コストで且つ容易にセパレータ5に対する電極の位置決めでき、電極のズレや曲げを強く抑えられる。
【0024】
セパレータ5は、電極(即ち、正極4又は負極6)を収容する凹部51を備え、規制部30は、凹部51を構成する壁部5bである。凹部51に電極を嵌めて固定することで、さらに低コストで且つ容易にセパレータ5に対する電極の位置決めでき、電極のズレや曲げを強く抑え、また電極のエッジ部を好適に保護できる。
【0025】
セパレータ5は、最外周部において、隣のセパレータに溶着される。このため、さらに、耐振動性を向上させることができる。
【0026】
[第二実施形態]
図4と図5に、第二実施形態に係るセパレータ5を示す。セパレータ5の周縁部には、電解液7が通過できる開口部からなる開放流路5cが成形されている。セパレータ5に電極(即ち、正極4又は負極6)が置かれた際に、開放流路5cは、電極の端部に対向する。他の構成は、第一実施形態と同じであり、説明を省略する。
【0027】
図4の開放流路5cを有するセパレータ5は、第一実施形態(図3(a))のセパレータ5の壁部5bを一部切除することにより形成できる。また、図5の開放流路5cを有するセパレータ5は、平板状のセパレータ用部材からプレスのみにより成形できる。なお、図4のセパレータ5は、図5のセパレータ5の四辺の端部を一部切断することにより形成してもよい。図4、図5において、開口部の存在により、セパレータ5の壁部5bは、平板部5aの四隅に設けられた構成となっている。
【0028】
セパレータ5の壁部5bの空孔率をセパレータ中心部12より小さくしてもよい。このようにするために、周辺部において中心部より空孔率を小さくしたセパレータ部材をプレスして壁部5bを成形する。
【0029】
第二実施形態によると、セパレータ5は、その周縁部において電解液7を通す開放流路5cを備える。これにより、電解液7を注液した際に、電極へ確実に電解液7を供給し、染込みを良くすることができ、電池(電気デバイス)の充放電容量の低下を避けることが可能となる。
【0030】
空孔率が一定である板状のセパレータ用部材の中央部をプレス成形することによって規制部30を作る場合には、電極周囲の空孔率が相対的に大きくなり、電解液7が電極周囲のセパレータ部分に偏在して溜まる問題が生じる。しかし、セパレータ5の壁部5bの空孔率をセパレータ中心部より小さくする場合には、電解液7が偏在せず電極へ確実に電解液7を供給でき、充放電容量の低下を避けることが可能となる。
【0031】
[第三実施形態]
図6に、第三実施形態に係るセパレータ5を示す。セパレータ5において、電極(即ち、正極4又は負極6)の四辺の端部に対向する位置でその周縁部(端部)が折り曲げられ、第一壁部5dと第二壁部5eが形成されている。第一壁部5dは、積層方向の片側に突出し、第二壁部5eは、第一壁部5dとは反対側に突出する。第二壁部5eは、積層体2において、第一壁部5dより外側に位置する。他の構成は、第一実施形態と同じであり、説明を省略する。
【0032】
第一壁部5dと第二壁部5eは規制部30として機能する。セパレータ5の第一壁部5dは、正極4(短い方の電極)の端部に当接して、積層体2の積層方向に垂直な方向の正極4の動きを規制する。セパレータ5の第二壁部5eは、負極6(長い方の電極)の端部に当接して、積層体2の積層方向に垂直な方向の負極6の動きを規制する。
【0033】
なお、第一壁部5dと第二壁部5eは、セパレータ5の平板部5aに沿った方向の異なる位置に設けられるため、第三実施形態は、他の実施形態と異なり、正極4と負極6の長さが異なる場合にのみ適用することが好ましい。例えば、リチウムイオン二次電池では、リチウムイオンの析出を防止するため、負極6が正極4より長く、負極6の面積が正極4の面積よりも大きい。
【0034】
第三実施形態によると、規制部30は、電極の端部に対向する位置で折り曲げられた、セパレータ5の周縁部からなる。空孔率が一定である板状のセパレータ用部材の中央部をプレス成形することによって規制部30を作る場合に、電極周囲の空孔率が相対的に大きくなり、電解液7が電極周囲のセパレータ部分に偏在して溜まる問題が生じる。しかし、第三実施形態において、板状のセパレータ用部材を折り曲げることによって、規制部30を作るため、セパレータ5全体で空孔率が一定になり、電解液7が偏在せず電極へ確実に電解液7を供給できる。これにより、電極への電解液7の染込みを良くして充放電容量の低下を避けることができる。
【0035】
[第四実施形態]
図7に、第四実施形態に係るセパレータ5を示す。セパレータ5は、板状の平板部5aと、電極(即ち、正極4又は負極6)の周囲において平板部5aの上で積層されたセパレータ用部材からなる壁部5fを備える。壁部5fは、積層体2の積層方向に垂直な方向の電極の動きを規制するように電極の端部に接触する規制部30となる。平板部5aとなるセパレータ用部材と、壁部5fとなるセパレータ用部材は、最外周部で溶着により接続される。他の構成は、第一実施形態と同じであり、説明を省略する。
【0036】
なお、図7において、壁部5fは、一枚のセパレータ用部材からなるが、壁部5fは、積層された複数のセパレータ用部材から構成されてもよい。また、図7において、正極4と負極6の長さ及び面積は異なるが同じであってもよい。
【0037】
第四実施形態によると、規制部30は、電極の周囲において積層されたセパレータ用部材である。空孔率が一定である板状のセパレータ用部材の中央部をプレス成形することによって規制部30を作る場合に、電極周囲の空孔率が相対的に大きくなり、電解液7が電極周囲のセパレータ部分に偏在して溜まる問題が生じる。しかし、第四実施形態において、規制部30は、電極の周囲において積層されたセパレータ用部材であるため、セパレータ5全体で空孔率が一定になり、電極へ確実に電解液7を供給できる。これにより、電極への電解液7の染込みを良くして充放電容量の低下を避けることができる。
【0038】
[第五実施形態]
図8に第五実施形態に係るセパレータ5を示す。電極(即ち、正極4又は負極6)の周辺部は、複数のセパレータ5の壁部で覆われる。あるセパレータ5’(第一種類のセパレータ)の壁部5gは、電極の周囲において、積層方向に垂直な方向で隣のセパレータ5”(第二種類のセパレータ)の壁部5hに重なる。図8において、正極4と負極6の長さ及び面積は異なるが同じであってもよい。他の構成は、第一実施形態と同じであり、説明を省略する。
【0039】
第一種類のセパレータ5’は、電極の端部に接して規制部30として機能する一つの壁部5gを備える。一方、第二種類のセパレータ5”は、高さの異なる二つの壁部5h、5iを備える。内側の壁部5iは、電極の端部に接して規制部30として機能する。外側の壁部5hは、第一種類のセパレータ5’の壁部5gを外側から覆う。
【0040】
内側の壁部5iの積層方向の高さ(厚み)は、外側の壁部5hの積層方向の高さ(厚み)より小さい。内側の壁部5iと外側の壁部5hは階段状に連続して設けられる。第一種類のセパレータ5’の壁部5gは、第二種類のセパレータ5”の内側の壁部5iに積層方向において接する。第一種類のセパレータ5’の壁部5gは、第二種類のセパレータ5”の外側の壁部5hに対して積層方向に垂直な方向において接して重なっている。
【0041】
第五実施形態によると、あるセパレータの壁部は、電極の周囲において、積層方向に垂直な方向で隣のセパレータの壁部と重なる。そのため、充放電サイクルの経過により電極(特に負極6)が膨張する場合に、電極を支持するセパレータから電極の端部がはずれることを防止できる。
【0042】
[第六実施形態]
図9に第六実施形態に係るセパレータ5を示す。セパレータ5の最外周部において、積層体2の向かい合う面に対して積層方向に位置をずらしてジグザグ状に交互に溶着を行う。図10(a)(b)にも示すように、セパレータ5は、一端の溶着部9aにおいて上側で隣接するセパレータ5−1に溶着され、他端の溶着部9bにおいて下側で隣接するセパレータ5−2に溶着される。なお、「上側」「下側」という語は、向きを便宜的に表現したもので、それぞれ、例えば「右側」「左側」に置き換えてもよい。また、図9において、正極4と負極6の長さ及び面積は異なるが同じであってもよい。他の構成は、第二実施形態と同じであり、説明を省略する。
【0043】
第六実施形態によると、セパレータ5は、一端において積層方向上側の隣のセパレータに溶着され、他端において積層方向下側の隣のセパレータに溶着される。従って、隣り合うセパレータの対向する壁部の間の隙間は、電極(即ち、正極4又は負極6)の一方の端部側で溶着によって閉じられるが、電極の他方の端部側で開いているため、この他方の端部側の隙間から電極へ電解液7が入りやすくなる。また、充放電サイクル経過により電極(特に負極6)が膨張する場合に、電極の膨張にセパレータ5が追従して電極のズレや曲げを抑えることができる。
【0044】
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。
【0045】
例えば、規制部30は、図11のように、平板部5aの四辺(四隅ではなく)に設けた壁部でもよい。また、本発明を適用できる他の電気デバイスとして、リチウムイオン電池以外の一次電池又は二次電池でもよい。さらに、正極、負極、セパレータを積層して構成する電気デバイスであれば、電池以外にキャパシタでも本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0046】
1 非水電解質二次電池(電気デバイス)
2 積層体
3 アルミラミネートフィルム
4 正極
5 セパレータ
5’ 第一種類のセパレータ
5” 第二種類のセパレータ
5a 平板部
5b、5f、5g 壁部
5c 開放流路
5d 第一壁部
5e 第二壁部
5h 外側の壁部
5i 内側の壁部
6 負極
7 電解液
30 規制部
51 凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気デバイス、特に電池等の蓄電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
電池等の蓄電デバイス(電気デバイス)において、正極、負極、又はセパレータの積層ズレが問題となる。特許文献1に開示された非水電解質二次電池において、正極又は負極の端部においてセパレータが立ち上がり、立ち上がった複数のセパレータの端部が互いに重なるように固定部材が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−204706号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の非水電解質二次電池において、セパレータの端部をまとめて固定するため、正極または負極(電極)のズレや曲げが完全に防止できず、改良の余地がある。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、正極または負極のズレや曲げを抑えて電気デバイスの耐振動性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様に係る電気デバイスは、正極、セパレータ、および負極がこの順に積層されて形成される。そして、前記セパレータは、積層方向に垂直な方向の前記正極または前記負極の動きを規制するよう前記正極の端部または前記負極の端部に接触する規制部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、正極または負極のズレや曲げを抑えて電気デバイスの耐振動性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(a)第一実施形態に係る非水電解質二次電池(電気デバイス)の積層方向に垂直な断面図である。(b)第一実施形態に係る非水電解質二次電池(電気デバイス)の積層方向の断面図である(図1のIb−Ibに沿った断面)。
【図2】第一実施形態に係る積層体の積層方向に沿った断面図である。
【図3】(a)第一実施形態に係るセパレータの斜視図である。(b)第一実施形態に係るセパレータの断面図である(図3(a)のIIIb−IIIbに沿った断面)。
【図4】第二実施形態に係るセパレータの斜視図である。
【図5】第二実施形態に係るセパレータの他の形態を示す斜視図である。
【図6】第三実施形態に係る積層体の一部断面図である。
【図7】第四実施形態に係る積層体の一部断面図である。
【図8】第五実施形態に係る積層体の一部断面図である。
【図9】第六実施形態に係る積層体の一部断面図である。
【図10】(a)第六実施形態に係る溶接部を示すセパレータの斜視図である。(b)第六実施形態に係る他の溶接部を示すセパレータの斜視図である。
【図11】セパレータの変形例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では図面を参照して本発明を実施するための形態について、さらに詳しく説明する。
【0010】
[第一実施形態]
図1(a)(b)は、第一実施形態に係る非水電解質二次電池1の構成を示す断面図である。本実施形態において、非水電解質二次電池1は、電気デバイス(蓄電電気デバイス)の一例として示すものである。又、第一実施形態において、非水電解質二次電池1は、リチウムイオン電池であるが、これに限定されるものではない。図1(a)は、積層体2の積層方向に垂直な断面図である。図1(b)は、積層体2の積層方向に沿った断面図である。非水電解質二次電池1は、積層体2と、積層体2を内包するアルミラミネートフィルム3で内包されている。積層体2は、発電を行う発電要素であり、アルミラミネートフィルム3内で電解液7に浸漬されている。積層体2の正極4は、電極タブ8aに接続され、積層体2の負極6は、電極タブ8bに接続されている。
【0011】
図2は、積層体2の積層方向に沿った断面図である。積層体2(発電要素)において、正極4、セパレータ5、および負極6がこの順に積層されている。以下に、積層体2の製造方法を具体的に示す。
【0012】
正極4は、正極活物質と導電助剤とバインダーとを所定の比で混合した正極スラリーを正極集電箔4aに塗布し、乾燥させて作製される。本実施形態において、正極集電箔4aは、厚さ約20μmのアルミニウム箔であるが、他の材料も使用できる。本実施形態において、正極活物質は、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)である。なお、正極活物質は、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、又は、コバルト酸リチウム(LiCoO2)等の他のリチウム複合酸化物でもよい。導電助剤は、例えば、アセチレンブラックである。バインダーは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)である。
【0013】
具体的には、正極スラリーは、85重量%のLiMn2O4と、5重量%のアセチレンブラックと、10重量%のPVdFの混合物をスラリー粘度調整溶媒(N−メチルピロリドン(NMP))に溶かしたものである。なお、正極スラリーは、92重量%のLiMn2O4と、5重量%のアセチレンブラックと、3重量%のスチレンブタジエンゴムの混合物をスラリー粘度調整溶媒(N−メチルピロリドン(NMP))に溶かしたものでもよい。正極スラリーは、正極集電箔4aの両面に塗布され、乾燥後に成形され正極活物質層4bとなる。正極4は、正極活物質層4bの厚みが正極集電箔4aの片側で60μmになるようにプレスによって成形される。
【0014】
セパレータ5は、微小な孔を多数含んだ微多孔性のポリエチレンフィルムで形成される。セパレータ5は、厚み15μmとなるように板状に形成される。その後、後述するようにセパレータ5の中央部はプレスされる。
【0015】
負極6は、負極活物質とバインダーとを所定の比で混合した負極スラリーを負極集電箔6aに塗布し、乾燥させて作製される。本実施形態において、負極集電箔6aは、厚さ約20μmの銅箔であるが、他の材料も使用できる。負極活物質は、ハードカーボン等の炭素材料である。バインダーは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)である。
【0016】
具体的には、負極スラリーは、90重量%のハードカーボンと、10重量%のPVdFの混合物をスラリー粘度調整溶媒(N−メチルピロリドン(NMP))に溶かしたものである。負極スラリーは、負極集電箔6aの両面に塗布され、乾燥後に成形され負極活物質層6bとなる。負極は、負極活物質層6bの厚みが負極集電箔6aの片側で60μmになるようにプレスによって成形される。
【0017】
電解液(液体電解質)7は、非水電解質として有機系のものが使用される。電解液7は、溶質として6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/Lの濃度で有機溶媒に溶解したものが用いられる。有機溶媒は、エチレンカーボネイト(EC)とジエチレンカーボネイト(DEC)を体積比1:1の配合比で混合した液体混合物である。
【0018】
以上のように作製された正極4、セパレータ5、負極6は切断された後積層され、積層体2が作製される。積層体2はアルミラミネートフィルム3に内包される。アルミラミネートフィルム3において、積層体2の四方の1辺に対向する部分は開放され、その1辺から電解液7が注入される。その後、アルミラミネートフィルム3の内部は、真空引きされて、封止される。
【0019】
本実施形態の特徴であるセパレータ5の構成について説明する。
【0020】
図3(a)(b)に本発明のセパレータ5の詳細な構成を示す。セパレータ5の中央部において、凹部51が積層方向の両面に形成されている。凹部51を有するセパレータ5は、平板状(四角形状)のセパレータ用部材の両面をプレスすることによって成形される。凹部51は、積層方向に垂直なセパレータ5の平板部(凹部の底面)5a、及び、平板部5aから積層方向(即ち平板部5aに垂直な方向)に延びるセパレータ5の壁部5bから構成される。セパレータ5の平板部5aの主面には電極が置かれ、凹部51は、電極(即ち、正極4又は負極6)を収容する。セパレータ5の壁部5bは、積層体2の積層方向に垂直な方向の電極の動きを規制するように電極の端部に接触する規制部30として機能する。
【0021】
また、セパレータ5は、隣のセパレータに壁部5bで接する。そして、セパレータ5は、積層方向に垂直な方向の最外側である最外周部9において、隣のセパレータに溶着される。電極とセパレータ5は、セパレータ5が電極を収容するような態様で積層されて、積層体2を構成する。
【0022】
−作用効果−
このように本実施形態によると、低コストで、正極4又は負極6である電極のズレや曲げを抑えることができ、耐振動性を向上させて電池性能の低下を避けることが可能となる。これは、セパレータ5が、積層方向に垂直な方向の電極(即ち、正極4又は負極6)の動きを規制するよう電極の端部に接触する規制部30を備えるためである。また、このため、容易にセパレータ5に対する電極の位置決めできる。さらに、電極の端部(エッジ部)をセパレータ5で保護することになり、電極やセパレータ5の劣化を抑制できる。またさらには、セパレータに溶着代を設ける必要がなくなるため、電極を大きくでき電池容量が向上する。
【0023】
規制部30は、電極(即ち、正極4又は負極6)が置かれるセパレータ5の平板部5aと、平板部5aから積層方向に延びる壁部5bとを備える。このため、さらに低コストで且つ容易にセパレータ5に対する電極の位置決めでき、電極のズレや曲げを強く抑えられる。
【0024】
セパレータ5は、電極(即ち、正極4又は負極6)を収容する凹部51を備え、規制部30は、凹部51を構成する壁部5bである。凹部51に電極を嵌めて固定することで、さらに低コストで且つ容易にセパレータ5に対する電極の位置決めでき、電極のズレや曲げを強く抑え、また電極のエッジ部を好適に保護できる。
【0025】
セパレータ5は、最外周部において、隣のセパレータに溶着される。このため、さらに、耐振動性を向上させることができる。
【0026】
[第二実施形態]
図4と図5に、第二実施形態に係るセパレータ5を示す。セパレータ5の周縁部には、電解液7が通過できる開口部からなる開放流路5cが成形されている。セパレータ5に電極(即ち、正極4又は負極6)が置かれた際に、開放流路5cは、電極の端部に対向する。他の構成は、第一実施形態と同じであり、説明を省略する。
【0027】
図4の開放流路5cを有するセパレータ5は、第一実施形態(図3(a))のセパレータ5の壁部5bを一部切除することにより形成できる。また、図5の開放流路5cを有するセパレータ5は、平板状のセパレータ用部材からプレスのみにより成形できる。なお、図4のセパレータ5は、図5のセパレータ5の四辺の端部を一部切断することにより形成してもよい。図4、図5において、開口部の存在により、セパレータ5の壁部5bは、平板部5aの四隅に設けられた構成となっている。
【0028】
セパレータ5の壁部5bの空孔率をセパレータ中心部12より小さくしてもよい。このようにするために、周辺部において中心部より空孔率を小さくしたセパレータ部材をプレスして壁部5bを成形する。
【0029】
第二実施形態によると、セパレータ5は、その周縁部において電解液7を通す開放流路5cを備える。これにより、電解液7を注液した際に、電極へ確実に電解液7を供給し、染込みを良くすることができ、電池(電気デバイス)の充放電容量の低下を避けることが可能となる。
【0030】
空孔率が一定である板状のセパレータ用部材の中央部をプレス成形することによって規制部30を作る場合には、電極周囲の空孔率が相対的に大きくなり、電解液7が電極周囲のセパレータ部分に偏在して溜まる問題が生じる。しかし、セパレータ5の壁部5bの空孔率をセパレータ中心部より小さくする場合には、電解液7が偏在せず電極へ確実に電解液7を供給でき、充放電容量の低下を避けることが可能となる。
【0031】
[第三実施形態]
図6に、第三実施形態に係るセパレータ5を示す。セパレータ5において、電極(即ち、正極4又は負極6)の四辺の端部に対向する位置でその周縁部(端部)が折り曲げられ、第一壁部5dと第二壁部5eが形成されている。第一壁部5dは、積層方向の片側に突出し、第二壁部5eは、第一壁部5dとは反対側に突出する。第二壁部5eは、積層体2において、第一壁部5dより外側に位置する。他の構成は、第一実施形態と同じであり、説明を省略する。
【0032】
第一壁部5dと第二壁部5eは規制部30として機能する。セパレータ5の第一壁部5dは、正極4(短い方の電極)の端部に当接して、積層体2の積層方向に垂直な方向の正極4の動きを規制する。セパレータ5の第二壁部5eは、負極6(長い方の電極)の端部に当接して、積層体2の積層方向に垂直な方向の負極6の動きを規制する。
【0033】
なお、第一壁部5dと第二壁部5eは、セパレータ5の平板部5aに沿った方向の異なる位置に設けられるため、第三実施形態は、他の実施形態と異なり、正極4と負極6の長さが異なる場合にのみ適用することが好ましい。例えば、リチウムイオン二次電池では、リチウムイオンの析出を防止するため、負極6が正極4より長く、負極6の面積が正極4の面積よりも大きい。
【0034】
第三実施形態によると、規制部30は、電極の端部に対向する位置で折り曲げられた、セパレータ5の周縁部からなる。空孔率が一定である板状のセパレータ用部材の中央部をプレス成形することによって規制部30を作る場合に、電極周囲の空孔率が相対的に大きくなり、電解液7が電極周囲のセパレータ部分に偏在して溜まる問題が生じる。しかし、第三実施形態において、板状のセパレータ用部材を折り曲げることによって、規制部30を作るため、セパレータ5全体で空孔率が一定になり、電解液7が偏在せず電極へ確実に電解液7を供給できる。これにより、電極への電解液7の染込みを良くして充放電容量の低下を避けることができる。
【0035】
[第四実施形態]
図7に、第四実施形態に係るセパレータ5を示す。セパレータ5は、板状の平板部5aと、電極(即ち、正極4又は負極6)の周囲において平板部5aの上で積層されたセパレータ用部材からなる壁部5fを備える。壁部5fは、積層体2の積層方向に垂直な方向の電極の動きを規制するように電極の端部に接触する規制部30となる。平板部5aとなるセパレータ用部材と、壁部5fとなるセパレータ用部材は、最外周部で溶着により接続される。他の構成は、第一実施形態と同じであり、説明を省略する。
【0036】
なお、図7において、壁部5fは、一枚のセパレータ用部材からなるが、壁部5fは、積層された複数のセパレータ用部材から構成されてもよい。また、図7において、正極4と負極6の長さ及び面積は異なるが同じであってもよい。
【0037】
第四実施形態によると、規制部30は、電極の周囲において積層されたセパレータ用部材である。空孔率が一定である板状のセパレータ用部材の中央部をプレス成形することによって規制部30を作る場合に、電極周囲の空孔率が相対的に大きくなり、電解液7が電極周囲のセパレータ部分に偏在して溜まる問題が生じる。しかし、第四実施形態において、規制部30は、電極の周囲において積層されたセパレータ用部材であるため、セパレータ5全体で空孔率が一定になり、電極へ確実に電解液7を供給できる。これにより、電極への電解液7の染込みを良くして充放電容量の低下を避けることができる。
【0038】
[第五実施形態]
図8に第五実施形態に係るセパレータ5を示す。電極(即ち、正極4又は負極6)の周辺部は、複数のセパレータ5の壁部で覆われる。あるセパレータ5’(第一種類のセパレータ)の壁部5gは、電極の周囲において、積層方向に垂直な方向で隣のセパレータ5”(第二種類のセパレータ)の壁部5hに重なる。図8において、正極4と負極6の長さ及び面積は異なるが同じであってもよい。他の構成は、第一実施形態と同じであり、説明を省略する。
【0039】
第一種類のセパレータ5’は、電極の端部に接して規制部30として機能する一つの壁部5gを備える。一方、第二種類のセパレータ5”は、高さの異なる二つの壁部5h、5iを備える。内側の壁部5iは、電極の端部に接して規制部30として機能する。外側の壁部5hは、第一種類のセパレータ5’の壁部5gを外側から覆う。
【0040】
内側の壁部5iの積層方向の高さ(厚み)は、外側の壁部5hの積層方向の高さ(厚み)より小さい。内側の壁部5iと外側の壁部5hは階段状に連続して設けられる。第一種類のセパレータ5’の壁部5gは、第二種類のセパレータ5”の内側の壁部5iに積層方向において接する。第一種類のセパレータ5’の壁部5gは、第二種類のセパレータ5”の外側の壁部5hに対して積層方向に垂直な方向において接して重なっている。
【0041】
第五実施形態によると、あるセパレータの壁部は、電極の周囲において、積層方向に垂直な方向で隣のセパレータの壁部と重なる。そのため、充放電サイクルの経過により電極(特に負極6)が膨張する場合に、電極を支持するセパレータから電極の端部がはずれることを防止できる。
【0042】
[第六実施形態]
図9に第六実施形態に係るセパレータ5を示す。セパレータ5の最外周部において、積層体2の向かい合う面に対して積層方向に位置をずらしてジグザグ状に交互に溶着を行う。図10(a)(b)にも示すように、セパレータ5は、一端の溶着部9aにおいて上側で隣接するセパレータ5−1に溶着され、他端の溶着部9bにおいて下側で隣接するセパレータ5−2に溶着される。なお、「上側」「下側」という語は、向きを便宜的に表現したもので、それぞれ、例えば「右側」「左側」に置き換えてもよい。また、図9において、正極4と負極6の長さ及び面積は異なるが同じであってもよい。他の構成は、第二実施形態と同じであり、説明を省略する。
【0043】
第六実施形態によると、セパレータ5は、一端において積層方向上側の隣のセパレータに溶着され、他端において積層方向下側の隣のセパレータに溶着される。従って、隣り合うセパレータの対向する壁部の間の隙間は、電極(即ち、正極4又は負極6)の一方の端部側で溶着によって閉じられるが、電極の他方の端部側で開いているため、この他方の端部側の隙間から電極へ電解液7が入りやすくなる。また、充放電サイクル経過により電極(特に負極6)が膨張する場合に、電極の膨張にセパレータ5が追従して電極のズレや曲げを抑えることができる。
【0044】
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。
【0045】
例えば、規制部30は、図11のように、平板部5aの四辺(四隅ではなく)に設けた壁部でもよい。また、本発明を適用できる他の電気デバイスとして、リチウムイオン電池以外の一次電池又は二次電池でもよい。さらに、正極、負極、セパレータを積層して構成する電気デバイスであれば、電池以外にキャパシタでも本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0046】
1 非水電解質二次電池(電気デバイス)
2 積層体
3 アルミラミネートフィルム
4 正極
5 セパレータ
5’ 第一種類のセパレータ
5” 第二種類のセパレータ
5a 平板部
5b、5f、5g 壁部
5c 開放流路
5d 第一壁部
5e 第二壁部
5h 外側の壁部
5i 内側の壁部
6 負極
7 電解液
30 規制部
51 凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極、セパレータ、および負極がこの順に積層されて形成される電気デバイスであって、
前記セパレータは、積層方向に垂直な方向の前記正極または前記負極の動きを規制するよう前記正極または前記負極の端部に接触する規制部を備えることを特徴とする電気デバイス。
【請求項2】
前記セパレータは、前記正極または前記負極を収容する凹部を備え、
前記規制部は、前記凹部を構成する壁部であることを特徴とする請求項1に記載の電気デバイス。
【請求項3】
前記セパレータは、その周縁部において電解液を通す開放流路を備えることを特徴とする請求項2に記載の電気デバイス。
【請求項4】
前記規制部は、前記正極または前記負極の端部に対向する位置で折り曲げられた前記セパレータの周縁部からなることを特徴とする請求項1に記載の電気デバイス。
【請求項5】
前記規制部は、前記正極または前記負極の周囲において積層されたセパレータ用部材であることを特徴とする請求項1に記載の電気デバイス。
【請求項6】
前記規制部は、
前記正極または前記負極が置かれる前記セパレータの平板部と、
前記平板部から前記積層方向に延びる壁部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の電気デバイス。
【請求項7】
前記セパレータの壁部は、前記正極または前記負極の周囲において、積層方向に垂直な方向で隣のセパレータの前記壁部と重なることを特徴とする請求項6に記載の電気デバイス。
【請求項8】
前記セパレータは、最外周部において、隣のセパレータに溶着されることを特徴とする請求項1に記載の電気デバイス。
【請求項9】
前記セパレータは、一端において積層方向上側の隣のセパレータに溶着され、他端において積層方向下側の隣のセパレータに溶着されることを特徴とする請求項1に記載の電気デバイス。
【請求項10】
前記正極または前記負極の周囲に位置するセパレータ端部の空孔率が、セパレータ中心部より小さいことを特徴とする請求項1に記載の電気デバイス。
【請求項1】
正極、セパレータ、および負極がこの順に積層されて形成される電気デバイスであって、
前記セパレータは、積層方向に垂直な方向の前記正極または前記負極の動きを規制するよう前記正極または前記負極の端部に接触する規制部を備えることを特徴とする電気デバイス。
【請求項2】
前記セパレータは、前記正極または前記負極を収容する凹部を備え、
前記規制部は、前記凹部を構成する壁部であることを特徴とする請求項1に記載の電気デバイス。
【請求項3】
前記セパレータは、その周縁部において電解液を通す開放流路を備えることを特徴とする請求項2に記載の電気デバイス。
【請求項4】
前記規制部は、前記正極または前記負極の端部に対向する位置で折り曲げられた前記セパレータの周縁部からなることを特徴とする請求項1に記載の電気デバイス。
【請求項5】
前記規制部は、前記正極または前記負極の周囲において積層されたセパレータ用部材であることを特徴とする請求項1に記載の電気デバイス。
【請求項6】
前記規制部は、
前記正極または前記負極が置かれる前記セパレータの平板部と、
前記平板部から前記積層方向に延びる壁部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の電気デバイス。
【請求項7】
前記セパレータの壁部は、前記正極または前記負極の周囲において、積層方向に垂直な方向で隣のセパレータの前記壁部と重なることを特徴とする請求項6に記載の電気デバイス。
【請求項8】
前記セパレータは、最外周部において、隣のセパレータに溶着されることを特徴とする請求項1に記載の電気デバイス。
【請求項9】
前記セパレータは、一端において積層方向上側の隣のセパレータに溶着され、他端において積層方向下側の隣のセパレータに溶着されることを特徴とする請求項1に記載の電気デバイス。
【請求項10】
前記正極または前記負極の周囲に位置するセパレータ端部の空孔率が、セパレータ中心部より小さいことを特徴とする請求項1に記載の電気デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−84387(P2013−84387A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222071(P2011−222071)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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