説明

電気伝導コンクリートを利用する自己発熱コンクリートシステム

【課題】電気伝導コンクリートを備える、コンクリート自己発熱システムを提供する。
【解決手段】コンクリート自己発熱システムは、表層を有するコンクリートスラブを有する。この表層は、電気伝導コンクリートで作製され、2つの電極を有する。これらの電極は、表層を通じて電気を供給するように表層中に搭載される。各電極は2つのプレート及び多くのブリッジを有する。これらのプレートは電気伝導性で、平行に搭載される。これらのブリッジは、多数のホールを形成するために2つのプレート間に搭載されて2つのプレートを接続する。各ホールは隣接するブリッジ間に形成されてセットされていない電気伝導コンクリートがホールを通過して電極を保持するようにセット可能にする。このシステムは、道路、橋、滑走路、高速道路等に損傷を与えることなく、氷及び雪を早やかにそして効率的に溶かしうる。このような道路は長い寿命を有するであろう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート自己発熱システムに関し、より具体的には、道路上の氷及び雪を溶かすためのコンクリート自己発熱システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートは、高い圧縮強度といった、構造において利用される優れた力学的性質を有し、そこで、道及び道路建設、滑走路建設等の世界において広く使われている。しかしながら、コンクリートは、低い引張強度を有しているため、橋、陸橋、多層階駐車場等の建築のための棒鋼を使用して、しばしば補強される。
【0003】
大規模な研究及び調査によれば、交通安全は、特に冬において、気候に影響される、路面に依存している。冬又は任意の他の寒波において、路面は、摩擦(トラクション)の高い危険な損失をもたらす雪及び氷を蓄積する。それ故、車両はこのような路面ではゆっくりと移動し、そしてわずかなドライバーのエラーが、おそらく道路閉鎖を生じる、多数の事故をもたらしうる。このことは、これらの問題の複合物の離陸及び着陸のために高速を必要とする、空港にも当てはまる。過密及び閉鎖は、特に輸送に依存するビジネス、経済に非常に悪影響を与える。
【0004】
それ故、雪及び氷を効率的に除去することは、非常に重要である。
【0005】
図1を参照すると、機械的作業及び溶融作業に区分されうる、雪及び氷を除去するための多数の方法が存在している。機械的作業は、手で又は機械でなされうる。溶融作業は、化学的手段又は放射手段によって達成されうる。
【0006】
除去作業は、手で氷及び雪をシャベルでかくことを含む。しかしながら、この動きは、大きな労働力を要し、交通を遅らせて、そして、氷を除去するために有効ではなく、そこで、小さい領域において又は機械が適用されえない領域において適用されるだけである。
【0007】
機械を使用する機械的作業は、氷又は雪を能率的に除去するための除雪車又は類似の除雪設備の使用を含む。この除雪設備は、大規模な領域に亘って氷及び集積された雪を掃除するのに好適である。これは、深雪が存在しているときに有用であるが、氷を十分に除去せず、そこで、路面に対する更なる処理が依然として必要とされうる。
【0008】
化学的手段による融解は、水の溶融点を低下させるために、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カルシウム(CaCl)等といった化学薬品を、道路上に添加して、氷及び雪を溶融することを含む。この作業は、氷に対して非常に有効であり、安く簡易であるので、世界的に頻繁に使用されている。しかしながら、この化学薬品は、環境を汚染して、コンクリートを補強するために使用される鋼棒を錆の進行によって損傷させる。長期間に亘って化学的手段を使用している米国、英国、カナダ、日本等といった多くの産業国は、このような損傷を修復するために高い費用に直面している。1998年において、アメリカは、60万の鉄筋コンクリート橋を修復するために約2000億ドルを充てた。この形態を別の観点で視ると、橋の修復は、本来の建設の少なくとも4倍のコストで推定される。例えば、1972年に設立された20キロメートル高速の11の橋は、後に、鋼棒に沿って長手方向に破損した。2004年において、推定される橋の修繕費用は、本来の建設コストの6倍以上であった。放射手段による溶融作業により、地球放射、加熱ワイヤ、温液、又は遠赤外線から熱を得ることができる。しかしながら、この放射手段は、氷及び雪を効率的に溶かすことができず、橋の道路の構造を強化することができず、そして、コスト高である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
各々の前述の方法は、その不利な点を有している。この不利益を克服するために、本発明は、上述した不利益を緩和又は除去するための電気伝導コンクリートを備える、コンクリート自己発熱システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の主な目的は、路面上の氷及び雪を溶かすために、電気伝導コンクリートを備える、コンクリート自己発熱システムを提供することである。
【0011】
この目的を達成するために、本発明に従うコンクリート自己発熱システムは、表層を有する少なくとも1つのコンクリートスラブを有する。この表層は、電気伝導コンクリートで作製され、2つの電極を有する。これらの電極は、前記表層を通じて電気を供給するように、前記表層中に搭載される。そして、各電極は、2つのプレート及び多くのブリッジを有する。これらのプレートは、電気伝導性のものであり、平行に搭載される。これらのブリッジは、多数のホールを形成するために、2つのプレート間に搭載されて、2つのプレートを接続する。各ホールは、隣接するブリッジ間に形成されて、セットされていない電気伝導コンクリートがホールを通過して、電極をしっかりと保持するようにセットすることを、可能にする。コンクリート自己発熱システムは、道路、橋、滑走路、高速道路等に損傷を与えることなく、氷及び雪を早やかにそして効率的に溶かすことができる。そこで、このような道路は、長い寿命を有するであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図2、図3、図9及び図10を参照すると、本発明に従うコンクリート自己発熱システムは、(道路、高速道路、橋等といった)車道(20)を敷設するために使用され、土台(32、42)に適用してこれを覆っている。このコンクリート自己発熱システムは、少なくとも1つの電気伝導コンクリートスラブ(22)を有する。各コンクリートスラブ(22)は、表層(34、44)、電源(38、46)、2つのコネクタ(28、30)、コントロールシステム、土台(32、42)、及び断熱層(36)を有する。
【0013】
表層(34、44)は、電気伝導コンクリートで作製され、厚さ、少なくとも2つの端部、上面(40、45)及び2つの電極(24、26)を有する。
【0014】
電気伝導コンクリートは、約5から約10Ω・mである一定の抵抗率(ρ)と、31から62Mpa(4500から9000psi)である機械的強度を有する。電気伝導コンクリートは、セメント、骨材、水、電気伝導材料及び添加物を備える。
【0015】
セメントは、第1型又は第3型であり、ある濃度を有している。セメントの濃度は、電気伝導コンクリートの12から16容量%である。好適な濃度は、14から16容量%である。最も好適な濃度は、15容量%である。
【0016】
骨材は、粗骨材及び細骨材を備える。粗骨材は、ある濃度を有する。粗骨材の濃度は、電気伝導コンクリートの10から25容量%である。好適な粗骨材の濃度は、17から20容量%である。最も好適な粗骨材の濃度は、20容量%である。細骨材は、砂及び砂利を備え、好適にはネブラスカ州道路局(NDOR)47Bの骨材コンクリートの同程度のものである。細骨材は、ある濃度を有する。細骨材は、電気伝導性を有してもよく、鉄及び銅材料の削りくず、電気伝導薬品等を備える。細骨材の濃度は、電気伝導コンクリートの10から25容量%である。細骨材の好適な濃度は、13から18容量%である。細骨材の最も好適な濃度は、18容量%である。
【0017】
水は、セメントの重量の0.3から0.4倍である。
【0018】
図5を更に参照すると、電気伝導コンクリートは、約5から約10オームメートル(Ω・m)である一定の抵抗率(ρ)と、機械的強度を有する。電気伝導材料は、電気伝導コンクリートの6から43容量%であり、金属繊維及び電気伝導粒子を備える。
【0019】
金属繊維は、波形の鋼ワイヤであってもよく、ある濃度を有し、Fibercon International及びNavoconのような会社から得られるものであってもよい。金属繊維の好適な形状は、長方形である。金属繊維の濃度は、電気伝導材料の1から3容量%である。好適な濃度は、1から2容量%である。金属繊維の最も好適な濃度は、1.5容量%である。好適な金属繊維は、鋼を備え、18から53%容量の炭素を含む低炭素鋼であってもよい。各金属繊維は、表面を有する。各金属繊維の表面は、平坦、波形、又は不規則であってもよい。この表面が波形、鋸波状又は不規則である場合、金属繊維は、セメントに強く結合される。
【0020】
金属粒子は、電気伝導コンクリートの5から40容量%の濃度を有する。好適な濃度は、10から30容量%である。最も好適な実施の形態において、金属粒子は、費用を節約するために鋼の削りくずを備えている。この鋼の削りくずは、鋼作製機からの廃棄物であるので、鋼の削りくずにおける油脂、汚れ及び塵は、鋼の削りくずがセメントと根号されて鋼の削りくずの電気伝導及び機械的強度を保持するために、除去されなければならない。鋼の削りくずは、多数の粒子及び濃度を有する。これらの粒子は、ランダムな形状又は様々な粒度を有する。本発明の一実施の形態において、これらの粒子は、異なる比率の複数の範囲に分類される。ここで、4.75mmより大きい粒子は、全ての粒子の約1容量%を備える。約2.36及び約4.75mmの間の粒子は、20から25容量%である。約1.18及び約2.36mmの間の粒子は、40から50容量%である。約0.85及び約1.18mmの間の粒子は、10から20容量%である。約1.18mmより小さい粒子は、全ての粒子における残っている1から11容量%を構成している。
【0021】
鋼の切りくずの好適な濃度は、電気伝導コンクリートの20容量%である。電気伝導コンクリートの濃度が減少している場合、電気伝導の細骨材の濃度が増大しなければならない。
【0022】
金属繊維及び金属粒子の全濃度が上述した濃度よりも低い場合、電気伝導コンクリートは、電流を効率的に流すための十分な電気伝導性を有さない。金属繊維及び金属粒子の全濃度が上述した濃度よりも高い場合、電気伝導コンクリートは、車、飛行機又は他の車両のタイヤを損傷しうる鋼棒を露出する粗面を有しうる。
【0023】
添加物は、細粒炭、シリカフューム、キレート剤、及び空気連行剤を備える。細粒炭は、ある濃度を有し、電気伝導コンクリートの2.5容量%の最も好適な濃度を有する。シリカフュームは、ある濃度を有し、電気伝導コンクリートの1容量%の最も好適な濃度を有する。キレート剤は、電気伝導コンクリートをより恒久的にして、減水剤又は広範囲減水剤(HRWR)を備える。キレート剤が減水剤であるとき、減水剤はセメント100ポンド当たり4オンスである。キレート剤がHRWR剤であるとき、HRWR剤はセメント100ポンド当たり16オンスである。空気連行剤及びキレート剤は、電気伝導コンクリートの単位体積当たり8%の最も好適な濃度を全体的に有する。
【0024】
図4を更に参照すると、電気伝導コンクリートを製造するための方法は、上述した材料を混合することによるものであり、そして、下記の4つのステップを備える。
(1)セメント、水、細粒炭、細骨材、及びキレート剤は、容器(48)中で水と混合される。この容器(48)は、混合コンクリートを使用する当業者によって公知である。好適な容器(48)は、コンクリートミキサー車である。
(2)鋼の削りくずは、フィーダーといった第1タンク(50)に運ばれる。粗骨材は、第2タンク(52)に運ばれて、そして、シリカフュームは、第2タンク(52)中の粗骨剤に添加される。この粗骨材/シリカフューム及び鋼の削りくずは、コンベヤー(54)上に輸送される。
(3)鋼繊維(56)は、粗骨材/シリカフューム及び鋼の削りくず上に、手で又は、粗骨材/シリカフューム及び鋼の削りくず上に均等に分布されるように、自動化手段で、散布される。
(4)上述の材料は、コンベヤー(54)によって容器(48)に運ばれて、電気伝導コンクリートを形成するためのアメリカコンクリート規格協会の建築コード要件ACI5440に適合するように、十分に混合される。
【0025】
そして、電気伝導コンクリートは、所望の形状に成形されうる。
【0026】
表層(34、44)の厚さは、約50.8mm及び約101.6mm(2から4インチ)の間である。
【0027】
図6から図8を更に参照すると、電極(24、26)は、表層(34、44)中に間隔を開けて搭載され、好適には表層(34、44)の2つの対向する端部中にそれぞれ搭載される。これらの電極(24、26)は、アノード及びカソードを有する。1つのコンクリートスラブ(22)のカソードは、隣接するコンクリートスラブ(22)のアノードに隣接しうる。電極(24、26)間の間隔は、約1220及び1830mm(4から6フィート)の間である。
【0028】
各電極(24、26)は、電気伝導性であり、金属で作製され、好適には鋼であり、そして、2つのプレート(74、76)及び複数のブリッジ(80)を備える。これらのプレート(74、76)は平行に搭載されて、各プレート(74、76)はある幅及び外面を有する。好適には、プレート(74、76)の幅は、約13mm(1インチの半分)である。プレート(74、76)の外面は、平面であってもよく、そして、好適には、電極(24、26)を表層(34、44)中にしっかりと搭載できるような、波形又は他の不規則な表面である。これらのブリッジ(80)は、複数のホール(78)を形成するために、2つのプレート(74、76)間に搭載されて、これらのプレートを接続して、2つのプレート(74、76)を一体的に接続してもよく、そして、ホール(78)を介した複数を有していてもよい。隣接するブリッジ(80)間の好適な距離は、44.45mm(1.75インチ)である。各ホール(82)は、隣接するブリッジ(80)間に形成され、表層(34、44)が形成されるときに、セットされていない電気伝導コンクリートがホール(82)を通過できるようにする。それ故、一旦セットされると、電極(24、26)は、表層(34、44)中に固着され、表層(34、44)に電気を効率的に伝導することができる。各スルーホール(78)は、ブリッジ(80)を通って規定され、ボルトをスルーホール(78)中に螺着できる。そこで、電極(24、26)は、セットされていないコンクリートスラブ(22)が乾燥されてボルトに固着される一方で、表層(34、44)中によりしっかりと搭載され、又は適所に保持されうる。
【0029】
電源(38、46)は、路面における500〜600W/mの出力密度を電極(24、26)に供給するために、そして、雪及び氷の形成を防止又はこれらを溶融するために、表層(34、44)に熱を発生させて表層(34、44)の温度を0℃より高く上昇できるように、2つの電極(24、26)を接続する。電源(38、46)は、下記のシステムの1つでありうる。すなわち、直流(DC)システム、交流(AC)システム、光電池システム(PVシステム)、ラジオ周波数(RF)/マイクロ波システム又は燃料電池システム、である。
【0030】
ACシステムは、AC/DC変換器を備えてもよく、そして、電源グリッド等に接続される。この電源グリッドは、変換器によって所望の電流及び電圧でDCに変換されうるACを提供し、そして、好適な電源(38、46)である。何故なら、大部分の状況において得るのが容易でありそして便利だからである。
【0031】
図11を参照すると、PVシステムは、太陽光のエネルギーを電気(DC)に変換し、単独型のPVシステムであってもよく、又は、格子接続されたPVシステムであってもよい。PVシステムは、少なくとも1つのPV電池(58)、エネルギー貯蔵機器(60)、任意的なインバータ(62)、及び任意的な昇圧変換器(64)を有する。各PV電池(58)は、太陽光を電気(DC)に変換して、エネルギー貯蔵機器(60)に電気的に接続される。エネルギー貯蔵機器(60)は電気を貯蔵して、電極(24、26)及びインバータ(62)に電気的に接続され、少なくとも1つのバッテリを備えうる。
【0032】
インバータ(62)は、エネルギー貯蔵機器(60)及び電極(24、26)間に搭載され、そして、DCをACに変換する。昇圧変換器(64)は、インバータ(62)及び電極(24、26)間に搭載され、離れた電極(24、26)に電気を送信するためにACの電圧を昇圧する。
【0033】
RFシステムは、RF共鳴システムになるために、氷及び雪を組み込み可能である。RFシステムは、氷及び雪を溶かすために、熱を発生されて集中させる。燃料電池は、電気化学的エネルギー変換機器であり、燃焼することなく電気を直接生成するために燃料の電位差を利用する。燃料は、燃料ガス、石炭ガス、メタノール、及び排ガス、を含む供給源からの水素であってもよく、再充填可能である。これは、バッテリよりも有利である。何故なら、燃料レベルが容易にチェックでき、そして、燃料レベルが再充填を要求するときに、燃料は、バッテリを除去、置換、再充填する必要なしに、車に補給するように、電池に添加されるからである。加えて、燃料電池は、寒空でも効率的に作動するが、バッテリはそうとは限らない。コネクタ(28、30)は、電源(38、46)を電極(24、26)に接続する。
【0034】
図12を参照すると、コントロールシステムは、電源(38、46)が離れた区域に電気を供給するときに特に、電源(38、46)を制御するために使用される。そして、このコントロールシステムは、コントロールユニット(68)、少なくとも1つの第1センサ(70)及び少なくとも1つの第2センサ(72)を有する。
【0035】
コントロールユニット(68)は、電源(38、46)に接続され、そして、コンクリートスラブ(22)の温度を制御するために、電極(24、26)及び電源(38、46)間の回路を選択的に開閉する。コントロールユニット(68)及び電源(38、46)を接続するための方法は、多岐に亘り、当業者に公知である。
【0036】
第1センサ(70)は、コンクリートスラブ(22)及びコントロールユニット(68)に接続して、表層(34、44)の上面(40、45)の温度を検出し、この温度をコントロールユニット(68)に送信する。
【0037】
第2センサ(72)は、環境中の温度及び湿度を検出し、これらをコントロールユニット(68)に送信する。
【0038】
路面(20)上に氷又は雪が形成され易い状態であることを第1及び第2センサ(70、72)が検出すると、コントロールユニット(68)は、氷及び雪を溶解するために電源(38、46)を作動させて、電源(38、46)からの電流容量を調整する。氷又は雪の形成にもはや適さない状態、又は、コンクリートスラブ(22)の上面(40、45)が所定の温度であるときに、コントロールユニット(68)は電源(38、46)を停止させる。
【0039】
土台(32、42)は、既存の車道(20)からのものであってもよく、表層(34、44)を土台(32、42)上に搭載することができ、そして、元の車道からの元の土台であってもよく又は新たな土台であってもよい。そして、これらの土台(32、42)は、表層土、砂利、コンクリート等であってもよく、複数の鋼棒によって強化されてもよく、そして、約152.4mm及び203.2mm(6から8インチ)の厚さのものであってもよい。
【0040】
断熱層(36)は、表層(44)及び土台(32、42)間に搭載されている。断熱層(36)は、50−99%容量のセメントモルタル及び1−50%容量のおがくずで作製され、好適には、十分な断熱効果を提供してそしてコンクリートスラブ(22)を強化するために、50%容量のセメントモルタル及び50%容量のおがくずで作製される。断熱層(36)は、ある厚さを有する。断熱層(36)の好適な厚さは、約12.7mm(0.5インチ)である。
【0041】
このコンクリート自己発熱システムは、車道(20)に損害を与えずに、氷及び雪を迅速にそして効率的に溶かすことができ、そこで、道路、橋、滑走路、高速道路等は、長寿命を有する。更に、コンクリート自己発熱システムは、通常廃棄される副産物を製造すること、環境への汚染を抑制すること、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、従来技術による従来の雪溶融方法を示している図である。
【図2】図2は、断熱層を有する、本発明に従うコンクリート自己発熱システムのコンクリートスラブの斜視図である。
【図3】図3は、断熱層の無い、本発明に従うコンクリート自己発熱システムのコンクリートスラブの斜視図である。
【図4】図4は、本発明に従う電気伝導コンクリートの製造方法の線図である。
【図5】図5は、異なる粒度を有する鋼の削りくず(スティールシェービング)サイズ含量の図である。
【図6】図6は、本発明に従う第1実施の形態のコンクリート自己発熱システムの電極の側面図である。
【図7】図7は、本発明に従う第2実施の形態のコンクリート自己発熱システムの電極の側面図である。
【図8】図8は、本発明に従う第3実施の形態のコンクリート自己発熱システムの電極の側面図である。
【図9】図9は、車道に適用される本発明に従うコンクリート自己発熱システムの平面図である。
【図10】図10は、図9のコンクリート自己発熱システムにおける3つのコンクリートスラブの平面図である
【図11】図11は、本発明に従うコンクリート自己発熱システムの電源として使用される光電池システムの図である。
【図12】図12は、電源及びコンクリートスラブを接続する、本発明に従うコンクリート自己発熱システムのコントロールシステムの図である。
【符号の説明】
【0043】
20 車道(ロードウェイ)
22 コンクリートスラブ
24、26 電極
28、30 コネクタ
32、42 土台
34、44 表層
36 断熱層
38、46 電源
40、45 上面
48 容器
50 第1タンク
52 第2タンク
54 コンベヤー
56 鋼繊維
58 PV電池
60 エネルギー貯蔵機器
62 インバータ
64 昇圧変換器
68 コントロールユニット
70 第1センサ
72 第2センサ
74、76 プレート
78 スルーホール
80 ブリッジ
82 ホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート自己発熱システムであって、
少なくとも1つのコンクリートスラブを備え、そして、前記少なくとも1つのコンクリートスラブの各々は、電気伝導コンクリートで作製される表層を有し、前記表層を通して電気を供給するために前記表層中に形成される2つの電極を有し、
各電極は、
電気伝導性であって平行に搭載されている2つのプレート、
複数のホールを形成するために、前記2つのプレート間に搭載されて前記2つのプレートを接続する複数のブリッジ、を有し、
各ホールは、隣接するブリッジ間に形成され、セットされていない電気伝導コンクリートを前記ホールに通して、前記電極を固定して保持するようにセットすることを可能にする、コンクリート自己発熱システム。
【請求項2】
前記電気伝導コンクリートは、
前記電気伝導コンクリートの12から16容量%のセメント、
前記電気伝導コンクリートの10から25容量%の砂利、
前記セメントの0.3から0.4倍重量の水、
前記電気伝導コンクリートの6から43容量%の電気伝導材料、を有する、請求項1に記載のコンクリート自己発熱システム。
【請求項3】
前記電気伝導材料は、
前記電気伝導コンクリートの1から3容量%である金属繊維、
前記電気伝導コンクリートの5から40容量%である金属粒子、を有する、請求項2に記載のコンクリート自己発熱システム。
【請求項4】
前記電気は、路面に500から600W/mの密度で入力してコネクタによって前記電極に接続する、電源によって供給される、請求項1に記載のコンクリート自己発熱システム。
【請求項5】
前記電気は、前記コンクリートスラブを0℃よりも高くする熱を発生するための、そして、コネクタによって前記電極に接続する、電源によって供給される、請求項1に記載のコンクリート自己発熱システム。
【請求項6】
前記電気は、光電池(PV)システムによって供給される、請求項1に記載のコンクリート自己発熱システム。
【請求項7】
前記PVシステムは、
太陽光を直流で電気に変換するPVバッテリ、
少なくとも1つのバッテリを有し、電気を貯蔵して、電気をアノード電極に入力する、エネルギー貯蔵機器、を有する、請求項6に記載のコンクリート自己発熱システム。
【請求項8】
前記PVシステムは、
前記エネルギー貯蔵機器及び前記電極間に搭載されて直流を交流に変換するインバータ、
前記インバータ及び前記電極間に搭載されて前記交流の電圧を上昇させる昇圧変換器、を更に有する、請求項7に記載のコンクリート自己発熱システム。
【請求項9】
全体的にコンクリートで作製されて前記表層を搭載可能である土台を更に備える、請求項1から8のいずれか1項に記載のコンクリート自己発熱システム。
【請求項10】
前記コンクリートスラブ及び前記土台の間に搭載される断熱層を更に備える、請求項9に記載のコンクリート自己発熱システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−79423(P2009−79423A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−249516(P2007−249516)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(507321288)イー−テク・インターナショナル・カンパニー・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】